JP2008133335A - インクジェット用インクおよび当該インクにより得られる硬化膜形成方法 - Google Patents

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Hiroyuki Sato
弘幸 佐藤
Naonobu Minamizawa
尚伸 南澤
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Abstract

【課題】インクジェットヘッドから吐出された液滴が着弾後も広がりの少ないインクジェット用インクの提供。
【解決手段】
下記式(1)
Figure 2008133335

(式中、R1およびR2はそれぞれ独立して炭素数1〜3のアルキルまたはフェニルであり、nは1〜100の整数である。)で表される構成単位を有する重合体(A)、二重結合を有する化合物(B)および光重合開始剤(C)を含有する光硬化性インクジェット用インク。
【選択図】なし

Description

本発明はインクジェット用インクに関し、具体的には、本発明は液晶表示素子、EL表示素子、プリント配線基板などを製造するために用いられるインクジェット用インクに関する。さらに本発明は、インクジェット用インクの製造方法、インクジェット用インクを用いたインク塗布方法、インクジェット用インクにより得られる硬化膜、硬化膜形成方法、および、硬化膜が形成された電子回路基板に関する。
パターン化された硬化膜は、例えば、スペーサー、絶縁膜、保護膜など液晶表示素子の多くの部分で使用されており、これまでに多くの光硬化性組成物がこの用途に提案されてきた(例えば、特開2004−287232号公報(特許文献1)を参照)。光硬化性組成物を用いてパターン化された硬化膜を作成する方法としては、所望のパターンを有するマスクを介して紫外線を照射し、紫外線の当たっていない部分を現像により除去する、フォトリソグラフィ法が一般的である。
しかしながら、この方法では露光機、現像機等を備えた専用ラインが必要であり、設備投資も大きな金額になる。
このような状況の下、近年では設備投資金額が少ない、現像液を使用しない、材料の使用効率が高い、という長所を持つインクジェット法が提案され、これに使用する組成物も提案されている(例えば、特開2003−302642号公報(特許文献2)を参照)。
しかしながら、これらの組成物でインクジェット法によりパターニング(描画)すると、インクジェットヘッドから吐出された液滴が着弾後に基板上で広がってしまい、解像度が低下して高精細のパターンを形成するのが難しかった。
特開2004−287232号公報 特開2003−302642号公報
上記の状況の下、例えば、インクジェットヘッドから吐出された液滴が着弾後も広がりの少ないインクジェット用インクが求められている。
本発明者等は、下記式(1)の構成単位を有する重合体に、二重結合を有する化合物と光重合開始剤とを配合することにより、着弾後の広がりを抑えることができるインクジェット用インクを見出し、この知見に基づいて本発明を完成した。本発明は以下のようなインクジェット用インク、インクジェット用インクの製造方法、インクジェット用インクを用いたインク塗布方法、インクジェット用インクにより得られる硬化膜、硬化膜形成方法、および、硬化膜が形成された電子回路基板等を提供する。
[1] 下記式(1)
Figure 2008133335
(式中、R1およびR2はそれぞれ独立して炭素数1〜3のアルキルまたはフェニルである。)
で表される構成単位を有する重合体(A)、二重結合を有する化合物(B)および光重合開始剤(C)を含有する光硬化性インクジェット用インク。
[2] 下記式(4)
Figure 2008133335
(式中、R1およびR2はそれぞれ独立して炭素数1〜3のアルキルまたはフェニルであり、R3は炭素数1〜20の任意の水素がフッ素に置換されてもよい有機基であり、R4は炭素数1〜12のアルキレンまたは置換基を有してよいフェニレンであり、R5は水素または炭素数1〜5のアルキルであり、nは1〜100の整数であり、mは1〜5の整数である。)
で表される構成単位を有する重合体(A)、二重結合を有する化合物(B)および光重合開始剤(C)を含有する光硬化性インクジェット用インク。
[3] 重合体(A)が、下記式(2)
Figure 2008133335
(式中、R1およびR2はそれぞれ独立して炭素数1〜3のアルキルまたはフェニルであり、R3は炭素数1〜20の任意の水素がフッ素に置換されてもよい有機基であり、R4は炭素数1〜12のアルキレンまたは置換基を有してよいフェニレンであり、R5は水素または炭素数1〜5のアルキルであり、nは1〜100の整数であり、mは1〜5の整数である。)
で表されるラジカル重合性モノマーと他のラジカル重合性モノマーとの共重合体である、[1]または[2]に記載の光硬化性インクジェット用インク。
[4] 他のラジカル重合性モノマーが、カルボキシルを有するラジカル重合性モノマー、熱架橋性官能基を有するラジカル重合性モノマーおよびN−置換マレイミドからなる群から選ばれる1以上である、[3]に記載の光硬化性インク用ジェットインク。
[5] 熱架橋性官能基が、オキシラン、オキセタンおよびヒドロキシからなる群から選ばれる1つ以上である、[4]に記載の光硬化性インクジェット用インク。
[6] 重合体(A)が、少なくとも下記式(2)
Figure 2008133335
(式中、R1およびR2はそれぞれ独立して炭素数1〜3のアルキルまたはフェニルであり、R3は炭素数1〜20の任意の水素がフッ素に置換されてもよい有機基であり、R4は炭素数1〜12のアルキレンまたは置換基を有してよいフェニレンであり、R5は水素または炭素数1〜5のアルキルであり、nは1〜100の整数であり、mは1〜5の整数である。)
で表されるラジカル重合性モノマーと、(メタ)アクリル酸と、2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレートとを含有するモノマーの混合物を重合して得られる共重合体である、[1]または[2]に記載の光硬化性インクジェット用インク。
[7] 下記式(5)
Figure 2008133335
(式中、R1およびR2はそれぞれ独立して炭素数1〜3のアルキルまたはフェニルであり、R6はそれぞれ独立してメチレン、フェニレンまたはアルキル置換されたフェニレンであり、mは独立して1〜6の整数であり、nは1〜100の整数である。)
で表される構成単位を有する重合体(A)、二重結合を有する化合物(B)および光重合開始剤(C)を含有する光硬化性インクジェット用インク。
[8] 重合体(A)が、下記式(3)
Figure 2008133335
(式中、R1およびR2はそれぞれ独立して炭素数1〜3のアルキルまたはフェニルであり、R6はそれぞれ独立してメチレン、フェニレンまたはアルキル置換されたフェニレンであり、mは独立して1〜6の整数であり、nは1〜100の整数である。)
で表されるジアミンと、酸無水物基を有する化合物とを反応することにより得られる共重合体である、[1]または[7]に記載の光硬化性インクジェット用インク。
[9] 酸無水物基を有する化合物が、テトラカルボン酸二無水物である、[8]に記載の光硬化性インクジェット用インク。
[10] 酸無水物基を有する化合物が、酸無水物基を有するラジカル重合性モノマーと他のラジカル重合性モノマーとの共重合体である、[8]に記載の光硬化性インクジェット用インク。
[11] 酸無水物基を有する化合物が、スチレン−無水マレイン酸共重合体、メチル(メタ)アクリレート−無水マレイン酸共重合体、(メタ)アクリル酸グリシジル−無水マレイン酸共重合体、2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート−無水マレイン酸共重合体、スチレン−無水イタコン酸共重合体およびメチル(メタ)アクリレート−無水イタコン酸共重合体からなる群から選ばれる1以上である、[8]に記載の光硬化性インクジェット用インク。
[12] 二重結合を有する化合物(B)が、(メタ)アクリロイル基を含有している、[1]〜[11]のいずれかに記載の光硬化性インクジェット用インク。
[13] 二重結合を有する化合物(B)が、オキシラン、オキセタンおよびヒドロキシからなる群から選ばれる1以上を有する、[12]に記載の光硬化性インクジェット用インク。
[14] 二重結合を有する化合物(B)が、グリシジル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、4−ヒドロキシブチル(メタ)アクリレート、4−ヒドロキシブチル(メタ)アクリレートグリシジルエーテル、1,4−シクロヘキサンジメタノールモノ(メタ)アクリレート、3−エチル−3−(メタ)アクリロキシメチルオキセタン、2−エチル−2−(メタ)アクリロキシメチルオキセタン、ペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールペンタ(メタ)アクリレートおよびイソシアヌル酸エチレンオキシド変性ジ(メタ)アクリレートからなる群から選ばれる1以上である、[10]に記載の光硬化性インクジェット用インク。
[15] 光重合開始剤(C)が、下記式(6)
Figure 2008133335
(式中、R1、R2、R3およびR4は互いに独立して炭素数1〜13のアルキル、X1とX2は互いに独立して−O−、−O−O−、または−NH−である。)
で表される化合物、下記式(7)
Figure 2008133335
(式中、R1、R2、R3は互いに独立して水素または炭素数1〜5のアルキルであり;R4は炭素数1〜15のアルキルである。)、
で表される化合物、2−メチル−1−[4−(メチルチオ)フェニル]−2−モルホリノプロパン−1−オンおよび2−ベンジル−2−ジメチルアミノ−1−(4−モルホリノフェニル)−ブタノン−1からなる群から選ばれる1以上である、[1]〜[14]のいずれかに記載の光硬化性インクジェット用インク。
[16] 光重合開始剤(C)が、下記式(6)
Figure 2008133335
(式中、R1、R2、R3およびR4は互いに独立して炭素数1〜13のアルキル、X1とX2は互いに独立して−O−、−O−O−、または−NH−である。)
で表される化合物、下記式(7)
Figure 2008133335
(式中、R1、R2、R3は互いに独立して水素または炭素数1〜5のアルキルであり;R4は炭素数1〜15のアルキルである。)、
で表される化合物、2−メチル−1−[4−(メチルチオ)フェニル]−2−モルホリノプロパン−1−オンおよび2−ベンジル−2−ジメチルアミノ−1−(4−モルホリノフェニル)−ブタノン−1からなる群から選ばれる1以上を、光重合開始剤(C)の全重量に対して20〜100%含有する、[1]〜[14]のいずれかに記載の光硬化性インクジェット用インク。
[17] 重合体(A)100重量部に対し、重合性二重結合を有する化合物(B)を20〜1,000重量部、および光重合開始剤(C)を0.5〜200重量部含有する、[1]〜[6]のいずれかに記載の光硬化性インクジェット用インク。
[18] 下記式(2)
Figure 2008133335
(式中、R1とR2が共にメチルであり、R3が炭素数1〜6のアルキルであり、R4が炭素数1〜6のアルキレンであり、R5は水素または炭素数1〜3のアルキルであり、mは1〜3の整数であり、nは5〜50の整数である)
で表されるラジカル重合性モノマーと、(メタ)アクリル酸と、2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレートとを重合させて重合体(A)を製造するステップ、
重合体(A)に、グリシジル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、4−ヒドロキシブチル(メタ)アクリレート、4−ヒドロキシブチル(メタ)アクリレートグリシジルエーテル、1,4−シクロヘキサンジメタノールモノ(メタ)アクリレート、3−エチル−3−(メタ)アクリロキシメチルオキセタン、2−エチル−2−(メタ)アクリロキシメチルオキセタン、ペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールペンタ(メタ)アクリレートおよびイソシアヌル酸エチレンオキシド変性ジ(メタ)アクリレートからなる群から選ばれる1以上である二重結合を有する化合物(B)、ならびに、2−メチル−1−[4−(メチルチオ)フェニル]−2−モルホリノプロパン−1−オンおよび2−ベンジル−2−ジメチルアミノ−1−(4−モルホリノフェニル)−ブタノン−1からなる群から選ばれる1以上である光重合開始剤(C)を混合するステップ、
を含む、光硬化性インクジェット用インクの製造方法
[19] 下記式(3)
Figure 2008133335
(式中、R1およびR2が共にメチルである、R6が炭素数1〜6のアルキレンであり、mは1〜3の整数であり、nが10〜20の整数である。)
で表されるジアミンと、3,3',4,4'−ベンゾフェノンテトラカルボン酸二無水物、2,2',3,3'−ベンゾフェノンテトラカルボン酸二無水物、2,3,3',4'−ベンゾフェノンテトラカルボン酸二無水物、3,3',4,4'−ジフェニルスルホンテトラカルボン酸二無水物、2,2',3,3'−ジフェニルスルホンテトラカルボン酸二無水物、2,3,3',4'−ジフェニルスルホンテトラカルボン酸二無水物、3,3',4,4'−ジフェニルエーテルテトラカルボン酸二無水物、2,2',3,3'−ジフェニルエーテルテトラカルボン酸二無水物、2,3,3',4'−ジフェニルエーテルテトラカルボン酸二無水物、2,2−[ビス(3,4ージカルボキシフェニル)]ヘキサフルオロプロパン二無水物、シクロブタンテトラカルボン酸二無水物、メチルシクロブタンテトラカルボン酸二無水物、シクロペンタンテトラカルボン酸二無水物、シクロヘキサンテトラカルボン酸二無水物、エタンテトラカルボン酸二無水物およびブタンテトラカルボン酸二無水物からなる群から選ばれる1以上の酸無水物基を有する化合物とを反応させて重合体(A)を製造するステップ、
重合体(A)に、グリシジル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、4−ヒドロキシブチル(メタ)アクリレート、4−ヒドロキシブチル(メタ)アクリレートグリシジルエーテル、1,4−シクロヘキサンジメタノールモノ(メタ)アクリレート、3−エチル−3−(メタ)アクリロキシメチルオキセタン、2−エチル−2−(メタ)アクリロキシメチルオキセタン、ペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールペンタ(メタ)アクリレートおよびイソシアヌル酸エチレンオキシド変性ジ(メタ)アクリレートからなる群から選ばれる1以上である二重結合を有する化合物(B)、ならびに、2−メチル−1−[4−(メチルチオ)フェニル]−2−モルホリノプロパン−1−オンおよび2−ベンジル−2−ジメチルアミノ−1−(4−モルホリノフェニル)−ブタノン−1からなる群から選ばれる1以上である光重合開始剤(C)を混合するステップ、
を含む、光硬化性インクジェット用インクの製造方法
[20] [1]〜[17]に記載されたインクジェット用インク、または、[18]もしくは[19]の製造方法で製造されたインクジェット用インクをインクジェット塗布方法によって塗布してから乾燥させて塗膜を形成する工程、および、当該塗膜に光を照射して硬化膜を形成する工程を含むインク塗布方法。
[21] [20]に記載のインク塗布方法を用いて硬化膜を形成する、硬化膜形成方法。
[22] [21]に記載された硬化膜形成方法を用いて基板上に硬化膜が形成された電子回路基板。
[23] [22]に記載された電子回路基板を有する電子部品。
[24] [21]で形成された硬化膜を有する電子回路基板、表示素子。
なお、本明細書中、アクリル酸とメタクリル酸の両者を示すために「(メタ)アクリル酸」のように表記することがある。
本発明の好ましい態様に係るインクジェット用インクは、インクジェットヘッドから吐出された液滴の着弾後において液の広がりが少なく、高精細なパターニングが可能である。また、本発明の好ましい態様に係るインクジェット用インクで得られた硬化膜は耐薬品性が高い。
本発明の好ましい態様に係るインクジェット用インクを用いて得られたディスプレイのスペーサーは高精細なパターニングが可能であり、耐薬品性も高く、光抜け等の欠陥が少なくなるため、当該インクを用いると高精細の液晶パネル歩留まりよく製造することができる。
1.本発明のインクジェット用インク
本発明のインクジェット用インクは、式(1)で表される構成単位を有する重合体(A)、二重結合を有する化合物(B)および光重合開始剤(C)を含有する光硬化性インクジェット用インクである。
本発明のインクジェット用インクにおいて、重合体(A)100重量部に対し、二重結合を有する化合物(B)を20〜1,000重量部、光重合開始剤(C)を0.5〜200重量部含有することが好ましい。また、本発明のインクジェット用インクにおいて、重合体(A)100重量部に対し、二重結合を有する化合物(B)を30〜500重量部、光重合開始剤(C)を1〜100重量部含有することがさらに好ましい。
本発明のインクジェット用インクは、重合体(A)、二重結合を有する化合物(B)および光重合開始剤(C)の他に、さらに、所望により後述する熱硬化性化合物、溶媒、添加剤、着色剤等を含むことができる。
本発明のインクジェット用インクは、E型粘度計で測定した25℃における粘度が2〜500mPa・sであるとインクジェットの吐出特性が良好となるので好ましい。また、インクジェットの吐出温度は10〜120℃が好ましく、吐出温度における光硬化性インクジェット用インクの粘度は、2〜30mPa・sであることが好ましい。
1.1 重合体(A)
1.1.1 重合体(A)の構成
重合体(A)は式(1)で表される構成単位を有する。式(1)中のR1およびR2はそれぞれ独立して炭素数1〜3のアルキルまたはフェニルであるが、これらの中でも、炭素数1〜3のアルキルが好ましい。これらの中でも、R1およびR2が共にメチルであることが好ましい。
重合体(A)は、式(4)で表される構成単位を有することが好ましい。式(4)中、R1およびR2はそれぞれ独立して炭素数1〜3のアルキルまたはフェニルであり、R3は炭素数1〜20の任意の水素がフッ素に置換されてもよい有機基であり、R4は炭素数1〜12のアルキレンまたは置換基を有してよいフェニレンであり、R5は水素または炭素数1〜5のアルキルである。これらの中でも、R1およびR2が共にメチルであることが好ましい。また、R3が炭素数1〜6のアルキルであることが好ましく、ブチルであることがさらに好ましい。R4が炭素数1〜6のアルキレンであることが好ましく、プロピレンであることがさらに好ましい。R5は水素または炭素数1〜3のアルキルであることが好ましく、メチルであることがさらに好ましい。mは1〜3の整数が好ましく、1がさらに好ましい。nは5〜50が好ましく、10〜20がさらに好ましい。
式(4)で表される構成単位を有する重合体(A)の製造方法は特に限定されないが、例えば、後述のように、式(2)で表されるラジカル重合性モノマーと他のラジカル重合性モノマーとを用いた重合体(A)を用いて合成される。
また、重合体(A)は、式(5)で表される構成単位を有することが好ましい。式(5)中、R1およびR2はそれぞれ独立して炭素数1〜3のアルキルまたはフェニルであり、R6はそれぞれ独立してメチレン、フェニレンまたはアルキル置換されたフェニレンである。これらの中でも、R1およびR2が共にメチルであることが好ましい。また、R6が炭素数1〜6のアルキレンであることが好ましく、プロピレンであることがさらに好ましい。mは1〜3の整数が好ましく、1がさらに好ましい。nは5〜50が好ましく、10〜20がさらに好ましい。
式(5)で表される構成単位を有する重合体(A)の製造方法は特に限定されないが、例えば、後述のように、式(3)で表されるジアミンと酸無水物基を有する化合物とを反応させることによって合成される。
1.1.2 重合体(A)の製造方法
重合体(A)の製造方法は特に限定されないが、例えば、式(2)で表されるラジカル重合性モノマーと他のラジカル重合性モノマーとを共重合させること、および、式(3)で表されるジアミンと酸無水物基を有する化合物とを反応させること等によって合成できる。
(1) 式(2)で表されるラジカル重合性モノマーと他のラジカル重合性モノマーとを用いた重合体(A)の製造
式(2)中、R1およびR2はそれぞれ独立して炭素数1〜3のアルキルまたはフェニルであり、R3は炭素数1〜20の任意の水素がフッ素に置換されてもよい有機基であり、R4は炭素数1〜12のアルキレンまたは置換基を有してよいフェニレンであり、R5は水素または炭素数1〜5のアルキルである。これらの中でも、R1およびR2が共にメチルであることが好ましい。また、R3が炭素数1〜6のアルキルであることが好ましく、ブチルであることがさらに好ましい。R4が炭素数1〜6のアルキレンであることが好ましく、プロピレンであることがさらに好ましい。R5は水素または炭素数1〜3のアルキルであることが好ましく、メチルであることがさらに好ましい。mは1〜3の整数が好ましく、1がさらに好ましい。nは5〜50の整数が好ましく、10〜20の整数がさらに好ましい。例えば、式(2)中、R1とR2が共にメチルであり、R3がブチルであり、R4がプロピルであり、R5がメチルであり、mが1であり、nが10〜20であるラジカル重合性モノマーとしては、例えば、チッソ株式会社製の「サイラプレーンFM−0711」(商品名)が挙げられる。
式(2)で表されるラジカル重合性モノマーと共重合する他のラジカル重合性モノマーとしては、3−メチル−3−(メタ)アクリロキシメチルオキセタン、3−エチル−3−(メタ)アクリロキシメチルオキセタン、3−メチル−3−(メタ)アクリロキシエチルオキセタン、3−エチル−3−(メタ)アクリロキシエチルオキセタン、2−メチル−2−(メタ)アクリロキシメチルオキセタン、2−エチル−2−(メタ)アクリロキシメチルオキセタン、2−メチル−2−(メタ)アクリロキシエチルオキセタン、2−エチル−2−(メタ)アクリロキシエチルオキセタン、(メタ)アクリル酸、マレイン酸モノ(2−メタクリロイロキシエチル)、フタル酸モノ(2−メタクリロイロキシエチル)、シクロヘキセン−3,4−ジカルボン酸モノ(2−メタクリロイロキシエチル)、クロトン酸、α−クロルアクリル酸、けい皮酸、マレイン酸、無水マレイン酸、フマル酸、イタコン酸、無水イタコン酸、シトラコン酸、無水シトラコン酸、メサコン酸、ω−カルボキシポリカプロラクトンモノ(メタ)アクリレート、コハク酸モノ(2−アクリロイロキシエチル)、スチレン、メチルスチレン、ビニルトルエン、クロルメチルスチレン、(メタ)アクリルアミド、トリシクロ[5.2.1.02,6]デカニル(メタ)アクリレート、トリシクロデカンジメタノールジアクリレート、ジシクロペンテニル(メタ)アクリレート、ジシクロペンテニルオキシエチル(メタ)アクリレート、ベンジル(メタ)アクリレート、イソボルニル(メタ)アクリレート、メチル(メタ)アクリレート、シクロヘキシル(メタ)アクリレート、グリシジル(メタ)アクリレート、ブチル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、フェニル(メタ)アクリレート、グリセロールモノ(メタ)アクリレート、N−フェニルマレイミド、N−シクロヘキシルマレイミド、ポリスチレンマクロモノマー、ポリメチルメタクリレートマクロモノマー、4−ヒドロキシブチル(メタ)アクリレート、4−ヒドロキシブチル(メタ)アクリレートグリシジルエーテル、1,4−シクロヘキサンジメタノールモノ(メタ)アクリレート、カプロラクトン変性テトラヒドロフルフリルアルコールの(メタ)アクリレート等を挙げることができる。これらの他のラジカル重合性モノマーは、2つ以上を混合して用いることもできる。
前記他のラジカル重合性モノマーがカルボキシル基を有するラジカル重合性モノマー、熱架橋性官能基を有するラジカル重合性モノマーおよびN−置換マレイミドからなる群から選ばれる1つ以上であると、本発明のインクジェット用インクの着弾後の広がりが小さくなり好ましい。
また、前記他のラジカル重合性モノマーとして、(メタ)アクリル酸と2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレートの両者を用いると、本発明のインクジェット用インクの着弾後の広がりが小さくなるため、さらに一層好ましい。
式(2)で表されるラジカル重合性モノマーと他のラジカル重合性モノマーとの共重合の方法は特に制限されないが、溶媒を用いた溶液中でのラジカル重合が好ましい。重合温度は、重合の際に使用される重合開始剤からラジカルが発生する温度であれば特に限定されないが、通常50℃〜150℃の範囲である。重合時間も特に限定されないが、通常3〜24時間の範囲である。
上記の重合反応に使用する溶媒は、式(2)で表されるラジカル重合性モノマー、他のラジカル重合性モノマーおよび生成する共重合体を溶解する溶媒が好ましい。当該溶媒の具体例としては、メタノール、エタノール、1−プロパノール、2−プロパノール、アセトン、2−ブタノン、酢酸エチル、酢酸プロピル、テトラヒドロフラン、アセトニトリル、ジオキサン、トルエン、キシレン、シクロヘキサノン、エチレングリコールモノエチルエーテル、プロピレングリコールモノメチルエーテル、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート、ジエチレングリコールジメチルエーテル、3−エトキシプロピオン酸エチル、N,N−ジメチルホルムアミド、酢酸等が挙げられるが、これらの混合物であってもよい。
式(2)の構造を有するラジカル重合性モノマーと他のラジカル重合性モノマーの共重合体を合成する際用いる重合開始剤としては、熱によりラジカルを発生する化合物、アゾビスイソブチロニトリル等のアゾ系開始剤、過酸化ベンゾイル等の過酸化物系開始剤等を使用することができる。
また、共重合体の分子量を調節するために、チオグリコール酸等の連鎖移動剤を適量添加してもよい。
式(2)で表されるラジカル重合性モノマーと他のラジカル重合性モノマーとの共重合体である重合体(A)は、ポリスチレンを標準としたGPC分析で求めた重量平均分子量が1,500〜100,000の範囲であると、インクジェット用インクの吐出特性が良好となるために好ましい。前記共重合体の重量平均分子量が2,000〜20,000の範囲がより一層好ましい。
式(2)で表されるラジカル重合性モノマーと他のラジカル重合性モノマーの共重合体とを用いて重合体(A)を合成する場合には、ラジカル重合性モノマーと他のラジカル重合性モノマーとの重量比を5:95〜80:20の範囲で共重合させると、本発明のインクジェット用インクの着弾後の広がりが小さく、または、基板への密着性も良好となるため好ましい。上記範囲の中でも、上記重量比が10:90〜50:50の範囲であると、さらに好ましい。
(2) 式(3)で表されるジアミンと酸無水物基を有する化合物とを用いた重合体(A)の製造
式(3)中、R1およびR2はそれぞれ独立して炭素数1〜3のアルキルまたはフェニルであり、R6はそれぞれ独立してメチレン、フェニレンまたはアルキル置換されたフェニレンである。これらの中でも、R1およびR2が共にメチルであることが好ましい。また、R6が炭素数1〜6のアルキレンであることが好ましく、プロピレンであることがさらに好ましい。mは1〜3の整数が好ましく、1がさらに好ましい。nは5〜50の整数が好ましく、10〜20の整数がさらに好ましい。式(3)中、R1とR2が共にメチルであり、R6がプロピレンであり、mが1であり、nが10〜20の整数であるジアミンとしては、例えば、チッソ株式会社製の「サイラプレーンFM−3311」(商品名)が挙げられる。
式(3)の構造を有するジアミンと反応する酸無水物基を有する化合物に特に制限されないが、テトラカルボン酸二無水物を使用するとインクジェット用インクの吐出特性が良好であるために好ましい。テトラカルボン酸二無水物の具体例としては、下記式a1−1〜a1−73で表される化合物等のテトラカルボン酸二無水物が挙げられる。
Figure 2008133335
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上記テトラカルボン酸二無水物の具体例の中でも、3,3',4,4'−ベンゾフェノンテトラカルボン酸二無水物、2,2',3,3'−ベンゾフェノンテトラカルボン酸二無水物、2,3,3',4'−ベンゾフェノンテトラカルボン酸二無水物、3,3',4,4'−ジフェニルスルホンテトラカルボン酸二無水物、2,2',3,3'−ジフェニルスルホンテトラカルボン酸二無水物、2,3,3',4'−ジフェニルスルホンテトラカルボン酸二無水物、3,3',4,4'−ジフェニルエーテルテトラカルボン酸二無水物、2,2',3,3'−ジフェニルエーテルテトラカルボン酸二無水物、2,3,3',4'−ジフェニルエーテルテトラカルボン酸二無水物、2,2−[ビス(3,4ージカルボキシフェニル)]ヘキサフルオロプロパン二無水物、シクロブタンテトラカルボン酸二無水物、メチルシクロブタンテトラカルボン酸二無水物、シクロペンタンテトラカルボン酸二無水物、シクロヘキサンテトラカルボン酸二無水物、エタンテトラカルボン酸二無水物、ブタンテトラカルボン酸二無水物等を用いることが、より好ましい。
また、式(3)の構造を有するジアミンと反応する酸無水物基を有する化合物に、酸無水物基を有するラジカル重合性モノマーと他のラジカル重合性モノマーとの共重合体を使用すると、本発明のインクジェット用インクの着弾後の広がりが小さくなるために好ましい。当該共重合体の具体例としては、スチレン−無水マレイン酸共重合体、メチル(メタ)アクリレート−無水マレイン酸共重合体、(メタ)アクリル酸グリシジル−無水マレイン酸共重合体、2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート−無水マレイン酸共重合体、スチレン−無水イタコン酸共重合体、メチル(メタ)アクリレート−無水イタコン酸共重合体、等を挙げることができる。これらの中でも、スチレン−無水マレイン酸共重合体が好ましい。
なお、酸無水物を有する化合物は、1種の化合物であっても、2種以上の異なる化合物の混合物であってもよい。
式(3)で表されるジアミンと酸無水物基を有する化合物とを反応させることにより合成される化合物の合成方法は特に制限されないが、溶媒を用いた溶液中で反応することが好ましい。反応温度は特に限定されないが、通常10℃〜120℃の範囲である。反応時間も特に限定されないが、通常3〜24時間の範囲である。
上記の重合反応に使用する溶媒は、式(3)で表されるジアミン、酸無水物基を有する化合物および生成される重合体(A)を溶解する溶媒が好ましい。当該溶媒の具体例としては、ジエチレングリコールジメチルエーテル、ジエチレングリコールメチルエチルエーテル、3−エトキシプロピオン酸エチル、N,N−ジメチルホルムアミド、N−メチル−2−ピロリドン、γ−ブチロラクトン等であり、これらの混合物であってもよい。
また、式(3)で表されるジアミンと、酸無水物基を有する化合物とを反応することにより得られる重合体(A)の分子量が所定の範囲内であると、本発明のインクジェット用インクのインクジェット吐出特性を適正にすることができるので好ましい。そこで、重合体(A)の分子量をコントロールするために、酸無水物基を1つ有する化合物やモノアミン等をさらに加えてもよい。
酸無水物を1つ有する化合物の具体例としては、無水マレイン酸、無水フタル酸、トリメリット酸無水物等を挙げることができる。モノアミンの具体例としては、アニリン、ブチルアミン、ベンジルアミン、3−アミノプロピルトリメトキシシラン、3−アミノプロピルトリエトキシシラン、3−アミノプロピルメチルジメトキシシラン、3−アミノプロピルメチルジエトキシシラン、4−アミノブチルトリメトキシシラン、4−アミノブチルトリエトキシシラン、4−アミノブチルメチルジエトキシシラン、p−アミノフェニルトリメトキシシラン、p−アミノフェニルトリエトキシシラン、p−アミノフェニルメチルジメトキシシラン、p−アミノフェニルメチルジエトキシシラン、m−アミノフェニルトリメトキシシラン、およびm−アミノフェニルメチルジエトキシシラン等を挙げることができる。
なお、酸無水物を1つ有する化合物とモノアミンはどちらか一方を使用することが一般的である。
式(3)で表されるジアミンと、酸無水物基を有する化合物とを反応することにより得られる重合体(A)は、ポリスチレンを標準としたGPC分析で求めた重量平均分子量が1,500〜100,000の範囲であると、インクジェット用インクの吐出特性が良好であるために好ましい。特に、重量平均分子量が2,000〜20,000の範囲がより一層好ましい。
式(3)で表されるジアミンと、酸無水物基を有する化合物とを反応することにより得られる重合体(A)を合成する場合には、ジアミンと酸無水物基を有する化合物との重量比を5:95〜80:20の範囲で反応させると、本発明のインクジェット用インクの着弾後の広がりが小さく、または、基板への密着性も良好となるため好ましい。上記範囲の中でも、上記重量比が10:90〜50:50の範囲であると、さらに好ましい。
1.2 二重結合を有する化合物(B)
本発明のインクジェット用インクに含まれる二重結合を有する化合物(B)は、二重結合を有する化合物であれば特に限定されないが、(メタ)アクリロイル基を有する化合物を使用すると、本発明のインクジェット用インクの硬化膜の耐薬品性が高くなるので好ましい。
(メタ)アクリロイル基を有する化合物の具体例としては、上記式(2)で表される化合物、3−メチル−3−(メタ)アクリロキシメチルオキセタン、3−エチル−3−(メタ)アクリロキシメチルオキセタン、3−メチル−3−(メタ)アクリロキシエチルオキセタン、3−エチル−3−(メタ)アクリロキシエチルオキセタン、2−メチル−2−(メタ)アクリロキシメチルオキセタン、2−エチル−2−(メタ)アクリロキシメチルオキセタン、2−メチル−2−(メタ)アクリロキシエチルオキセタン、2−エチル−2−(メタ)アクリロキシエチルオキセタン、(メタ)アクリル酸、マレイン酸モノ(2−メタクリロイロキシエチル)、フタル酸モノ(2−メタクリロイロキシエチル)、シクロヘキセン−3,4−ジカルボン酸モノ(2−メタクリロイロキシエチル)、α−クロルアクリル酸、ω−カルボキシポリカプロラクトンモノ(メタ)アクリレート、コハク酸モノ(2−アクリロイロキシエチル)、(メタ)アクリルアミド、トリシクロ[5.2.1.02,6]デカニル(メタ)アクリレート、トリシクロデカンジメタノールジアクリレート、ジシクロペンテニル(メタ)アクリレート、ジシクロペンテニルオキシエチル(メタ)アクリレート、ベンジル(メタ)アクリレート、イソボルニル(メタ)アクリレート、メチル(メタ)アクリレート、シクロヘキシル(メタ)アクリレート、グリシジル(メタ)アクリレート、ブチル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、フェニル(メタ)アクリレート、グリセロールモノ(メタ)アクリレート、ポリスチレンマクロモノマー、ポリメチルメタクリレートマクロモノマー、4−ヒドロキシブチル(メタ)アクリレート、4−ヒドロキシブチル(メタ)アクリレートグリシジルエーテル、1,4−シクロヘキサンジメタノールモノ(メタ)アクリレート、カプロラクトン変性テトラヒドロフルフリルアルコールの(メタ)アクリレート、エチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ジエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、トリエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、テトラエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ポリエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、エピクロルヒドリン変性エチレングリコールジ(メタ)アクリレート、エピクロルヒドリン変性ジエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、エピクロルヒドリン変性トリエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、エピクロルヒドリン変性テトラエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、エピクロルヒドリン変性ポリエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、プロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、ジプロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、トリプロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、テトラプロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、ポリプロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、エピクロルヒドリン変性プロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、エピクロルヒドリン変性ジプロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、エピクロルヒドリン変性トリプロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、エピクロルヒドリン変性テトラプロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、エピクロルヒドリン変性ポリプロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、エチレンオキシド変性トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、プロピレンオキシド変性トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、エピクロルヒドリン変性トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、ジトリメチロールプロパンテトラ(メタ)アクリレート、グリセロールアクリレートメタクリレート、グリセロールジ(メタ)アクリレート、グリセロールトリ(メタ)アクリレート、エピクロルヒドリン変性グリセロールトリ(メタ)アクリレート、1,6−ヘキサンジオールジ(メタ)アクリレート、エピクロルヒドリン変性1,6−ヘキサンジオールジ(メタ)アクリレート、メトキシ化シクロヘキシルジ(メタ)アクリレート、ネオペンチルグリコールジ(メタ)アクリレート、ヒドロキシピバリン酸ネオペンチルグリコールジ(メタ)アクリレート、カプロラクトン変性ヒドロキシピバリン酸ネオペンチルグリコールジ(メタ)アクリレート、ジグリセリンテトラ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート、ステアリン酸変性ペンタエリスリトールジ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールペンタ(メタ)アクリレート、アルキル変性ジペンタエリスリトールペンタ(メタ)アクリレート、アルキル変性ジペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート、アルキル変性ジペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレート、カプロラクトン変性ジペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレート、アリル化シクロヘキシルジ(メタ)アクリレート、ビス[(メタ)アクリロキシネオペンチルグリコール]アジペート、2,2−ビス[4−((メタ)アクリロキシ)フェニル]プロパン、2,2−ビス[4−((メタ)アクリロキシポリエトキシ)フェニル]プロパン、2,2−ビス[4−((メタ)アクリロキシ)フェニル]メタン、2,2−ビス[4−((メタ)アクリロキシポリエトキシ)フェニル]メタン、2,2−ビス[4−((メタ)アクリロキシ)フェニル]スルホン、2,2−ビス[4−((メタ)アクリロキシポリエトキシ)フェニル]スルホン、1,4−ブタンジオールジ(メタ)アクリレート、1,3−ブチレングリコール(メタ)アクリレート、ジシクロペンタニルジ(メタ)アクリレート、エチレンオキシド変性リン酸ジ(メタ)アクリレート、エチレンオキシド変性リン酸トリ(メタ)アクリレート、エチレンオキシド変性リン酸ジ(メタ)アクリレート、エチレンオキシド変性リン酸トリ(メタ)アクリレート、エピクロルヒドリン変性フタル酸ジ(メタ)アクリレート、テトラブロモビスフェノールAジ(メタ)アクリレート、トリグルセロールジ(メタ)アクリレート、ネオペンチルグリコール変性トリメチロールプロパンジ(メタ)アクリレート、トリス[(メタ)アクリロキシエチル]イソシアヌレート、カプロラクトン変性トリス[(メタ)アクリロキシエチル]イソシアヌレート、(メタ)アクリル化イソシアヌレート、イソシアヌル酸エチレンオキシド変性ジ(メタ)アクリレート、ウレタン(メタ)アクリレート等を挙げることができる。
ウレタン(メタ)アクリレートとしては多くの市販品があるが、例えば新中村化学株式会社製の「NKオリゴUA−W2A」、「NKオリゴU−2PPA」、「NKオリゴU−4HA」、「NKオリゴU−6HA」、「NKオリゴU−6LPA」、「NKオリゴU−15HA」、「NKオリゴUA−32P」、「NKオリゴ324A」(商品名)等が挙げられるである。
これらの具体例の中でも、オキシラン、オキセタン、ヒドロキシ等の熱架橋性官能基を有している化合物が好ましい。具体的には、グリシジル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、4−ヒドロキシブチル(メタ)アクリレート、4−ヒドロキシブチル(メタ)アクリレートグリシジルエーテル、1,4−シクロヘキサンジメタノールモノ(メタ)アクリレート、3−エチル−3−(メタ)アクリロキシメチルオキセタン、2−エチル−2−(メタ)アクリロキシメチルオキセタン、ペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールペンタ(メタ)アクリレート、イソシアヌル酸エチレンオキシド変性ジ(メタ)アクリレートが特に好ましい。
二重結合を有する化合物(B)は、1種の化合物であっても、2種以上の異なる化合物の混合物であってもよい。
二重結合を有する化合物(B)は、重合体(A)100重量部に対し、20〜1,000重量部使用すると好ましく、さらに30〜500重量部であると、本発明のインクジェット用インクの硬化膜の耐薬品性が高くなるので、より一層好ましい。
1.3 光重合開始剤(C)
本発明のインクジェット用インクに含まれる光重合開始剤(C)は紫外線や可視光線の照射によりラジカルを発生する性質を有する限り特に限定されるものではない。
光重合開始剤(C)の具体例としては、ベンゾフェノン、ミヒラーズケトン、4,4’−ビス(ジエチルアミノ)ベンゾフェノン、キサントン、チオキサントン、イソプロピルキサントン、2,4−ジエチルチオキサントン、2−エチルアントラキノン、アセトフェノン、2−ヒドロキシ−2−メチルプロピオフェノン、2−ヒドロキシ−2−メチル−4’−イソプロピルプロピオフェノン、1−ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン、イソプロピルベンゾインエーテル、イソブチルベンゾインエーテル、2,2−ジエトキシアセトフェノン、2,2−ジメトキシ−2−フェニルアセトフェノン、カンファーキノン、ベンズアントロン、2−メチル−1−[4−(メチルチオ)フェニル]−2−モルホリノプロパン−1−オン、2−ベンジル−2−ジメチルアミノ−1−(4−モルホリノフェニル)−ブタノン−1、4−ジメチルアミノ安息香酸エチル、4−ジメチルアミノ安息香酸イソアミル、4,4’−ジ(t−ブチルペルオキシカルボニル)ベンゾフェノン、3,4,4’−トリ(t−ブチルペルオキシカルボニル)ベンゾフェノン、2,4,6−トリメチルベンゾイルジフェニルフォスフィンオキサイド、2−(4’−メトキシスチリル)−4,6−ビス(トリクロロメチル)−s−トリアジン、2−(3’,4’−ジメトキシスチリル)−4,6−ビス(トリクロロメチル)−s−トリアジン、2−(2’,4’−ジメトキシスチリル)−4,6−ビス(トリクロロメチル)−s−トリアジン、2−(2’−メトキシスチリル)−4,6−ビス(トリクロロメチル)−s−トリアジン、2−(4’−ペンチルオキシスチリル)−4,6−ビス(トリクロロメチル)−s−トリアジン、4−[p−N,N−ジ(エトキシカルボニルメチル)]−2,6−ジ(トリクロロメチル)−s−トリアジン、1,3−ビス(トリクロロメチル)−5−(2’−クロロフェニル)−s−トリアジン、1,3−ビス(トリクロロメチル)−5−(4’−メトキシフェニル)−s−トリアジン、2−(p−ジメチルアミノスチリル)ベンズオキサゾール、2−(p−ジメチルアミノスチリル)ベンズチアゾール、2−メルカプトベンゾチアゾール、3,3’−カルボニルビス(7−ジエチルアミノクマリン)、2−(o−クロロフェニル)−4,4’,5,5’−テトラフェニル−1,2’−ビイミダゾール、2,2’−ビス(2−クロロフェニル)−4,4’,5,5’−テトラキス(4−エトキシカルボニルフェニル)−1,2’−ビイミダゾール、2,2’−ビス(2,4−ジクロロフェニル)−4,4’,5,5’−テトラフェニル−1,2’−ビイミダゾール、2,2’−ビス(2,4−ジブロモフェニル)−4,4’,5,5’−テトラフェニル−1,2’−ビイミダゾール、2,2’−ビス(2,4,6−トリクロロフェニル)−4,4’,5,5’−テトラフェニル−1,2’−ビイミダゾール、3−(2−メチル−2−ジメチルアミノプロピオニル)カルバゾール、3,6−ビス(2−メチル−2−モルホリノプロピオニル)−9−n−ドデシルカルバゾール、1−ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン、ビス(η5−2,4−シクロペンタジエン−1−イル)−ビス(2,6−ジフルオロ−3−(1H−ピロール−1−イル)−フェニル)チタニウム、2−メチル−1−[4−(メチルチオ)フェニル]−2−モルホリノプロパン−1−オン、2−ベンジル−2−ジメチルアミノ−1−(4−モルホリノフェニル)−ブタノン−1、上記式(6)で表される化合物、上記式(7)で表される化合物等が挙げられる。
ここで、上記式(6)で表される化合物の具体例として、3,3’,4,4’−テトラ(t−ブチルペルオキシカルボニル)ベンゾフェノン、3,3’,4,4’−テトラ(t−ヘキシルペルオキシカルボニル)ベンゾフェノン、3,3’−ジ(メトキシカルボニル)−4,4’−ジ(t−ブチルペルオキシカルボニル)ベンゾフェノン、3,4’−ジ(メトキシカルボニル)−4,3’−ジ(t−ブチルペルオキシカルボニル)ベンゾフェノン、4,4’−ジ(メトキシカルボニル)−3,3’−ジ(t−ブチルペルオキシカルボニル)ベンゾフェノン等が挙げられる。また、上記式(7)で表される化合物の具体例としては、1,2−オクタンジオン,1−[4−(フェニルチオ)フェニル]−,2−(o−ベンゾイルオキシム)等が挙げられる。
光重合開始剤(C)は1種の化合物であっても、2種以上の異なる化合物の混合物であってもよい。
これらの中でも、光重合開始剤(C)は、式(6)で表される化合物、式(7)で表される化合物、2−メチル−1−[4−(メチルチオ)フェニル]−2−モルホリノプロパン−1−オンおよび2−ベンジル−2−ジメチルアミノ−1−(4−モルホリノフェニル)−ブタノン−1からなる群から選ばれる1つ以上であることが好ましい。
本発明のインクジェット用インクの重量に対して、光重合開始剤(C)を20重量%以上含有すると、得られるインクが高感度となるため好ましい。
1.4 添加物
本発明のインクジェット用インクは、さらに、熱架橋性化合物、溶媒等の添加物を含んでもよい。
1.4.1 熱架橋性化合物
本発明のインクジェット用インクに含まれてもよい熱架橋性化合物としては、例えば、エポキシ樹脂、メラミン化合物、ビスアジド化合物、熱架橋性官能基を有するラジカル重合性モノマーの重合体、熱架橋性官能基を有するラジカル重合性モノマーと他のラジカル重合性モノマーとの共重合体等が挙げられる。これらの中でも、エポキシ樹脂を用いることが好ましい。
エポキシ樹脂は、オキシランを有すれば特に限定されないが、オキシランを2つ以上有する化合物が好ましい。
エポキシ樹脂の具体例としては、オキシランを有するモノマーの重合体や、オキシランを有するモノマーと他のモノマーとの共重合体が挙げられる。
オキシランを有するモノマーの具体例としては、グリシジル(メタ)アクリレート、メチルグリシジル(メタ)アクリレート、3,4−エポキシシクロヘキシル(メタ)アクリレートを挙げることができる。
また、オキシランを有するモノマーと共重合を行う他のモノマーの具体例としては、(メタ)アクリル酸、メチル(メタ)アクリレート、エチル(メタ)アクリレート、イソプロピル(メタ)アクリレート、ブチル(メタ)アクリレート、iso−ブチル(メタ)アクリレート、t−ブチル(メタ)アクリレート、シクロヘキシル(メタ)アクリレート、ベンジル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、スチレン、メチルスチレン、クロルメチルスチレン、N−シクロヘキシルマレイミド及びN−フェニルマレイミドなどを挙げることができる。
オキシランを有するモノマーの重合体、および、オキシランを有するモノマーと他のモノマーとの共重合体として、ポリグリシジルメタクリレート、メチルメタクリレート−グリシジルメタクリレート共重合体、ベンジルメタクリレート−グリシジルメタクリレート共重合体、ブチルメタクリレート−グリシジルメタクリレート共重合体、2−ヒドロキシエチルメタクリレート−グリシジルメタクリレート共重合体及びスチレン−グリシジルメタクリレート共重合体を用いると、インクを硬化した後の塗膜の耐薬品性が高くなるので好ましい。
本発明のインクジェット用インクに含めることができるエポキシ樹脂は、上記具体例以外にも、例えば、油化シェルエポキシ株式会社製の「エピコート807」、「エピコート815」、「エピコート825」、「エピコート827」、「エピコート828」、「エピコート190P」、「エピコート191P」(商品名)、
ジャパンエポキシレジン株式会社製の「エピコート1004」、「エピコート1256」(商品名)、日本チバガイギー株式会社製の「アラルダイトCY177」、「アラルダイトCY184」(商品名)、ダイセル化学工業株式会社製の「セロキサイド2021P」、「セロキサイド3000」、「EHPE−3150」(商品名)、三井化学株式会社製の「テクモアVG3101L」(商品名)、N,N,N’,N’,−テトラグリシジル−m−キシレンジアミン、1,3−ビス(N,N−ジグリシジルアミノメチル)シクロヘキサン、N,N,N’,N’,−テトラグリシジル−4,4’−ジアミノジフェニルメタン等を用いることができる。これらのエポキシ樹脂の中でも、「エピコート828」、「テクモアVG3101」、「セロキサイド2021P」、「アラルダイトCY184」を用いると、インクを硬化した後の塗膜の耐薬品性が高くなるので好ましい。
本発明のインクジェット用インクにおいて、重合体(A)100重量部に対し、上記熱架橋性樹脂が5〜500重量部含有されると、得られるインクの硬化膜の耐薬品性が高くなるために好ましく、10〜300重量部であるとさらに好ましい。
1.4.2 溶媒
本発明のインクジェット用インクに含まれてもよい溶媒としては、例えば、水、酢酸ブチル、プロピオン酸ブチル、乳酸エチル、オキシ酢酸メチル、オキシ酢酸エチル、オキシ酢酸ブチル、メトキシ酢酸メチル、メトキシ酢酸エチル、メトキシ酢酸ブチル、エトキシ酢酸メチル、エトキシ酢酸エチル、3−オキシプロピオン酸メチル、3−オキシプロピオン酸エチル、3−メトキシプロピオン酸メチル、3−メトキシプロピオン酸エチル、3−エトキシプロピオン酸メチル、3−エトキシプロピオン酸エチル、2−オキシプロピオン酸メチル、2−オキシプロピオン酸エチル、2−オキシプロピオン酸プロピル、2−メトキシプロピオン酸メチル、2−メトキシプロピオン酸エチル、2−メトキシプロピオン酸プロピル、2−エトキシプロピオン酸メチル、2−エトキシプロピオン酸エチル、2−オキシ−2−メチルプロピオン酸メチル、2−オキシ−2−メチルプロピオン酸エチル、2−メトキシ−2−メチルプロピオン酸メチル、2−エトキシ−2−メチルプロピオン酸エチル、ピルビン酸メチル、ピルビン酸エチル、ピルビン酸プロピル、アセト酢酸メチル、アセト酢酸エチル、2−オキソブタン酸メチル、2−オキソブタン酸エチル、ジオキサン、エチレングリコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、プロピレングリコール、ジプロピレングリコール、トリプロピレングリコール、1,4−ブタンジオール、エチレングリコールモノイソプロピルエーテル、エチレングリコールモノブチルエーテル、プロピレングリコールモノメチルエーテル、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート、プロピレングリコールモノエチルエーテルアセテート、プロピレングリコールモノプロピルエーテルアセテート、ジプロピレングリコールモノメチルエーテル、ジプロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート、ジプロピレングリコールモノエチルエーテルアセテート、ジプロピレングリコールモノプロピルエーテルアセテート、エチレングリコールモノブチルエーテルアセテート、シクロヘキサノン、シクロペンタノン、ジエチレングリコールモノメチルエーテル、ジエチレングリコールモノメチルエーテルアセテート、ジエチレングリコールモノエチルエーテル、ジエチレングリコールモノエチルエーテルアセテート、ジエチレングリコールモノブチルエーテル、ジエチレングリコールモノブチルエーテルアセテート、ジエチレングリコールジメチルエーテル、ジエチレングリコールジエチルエーテル、ジエチレングリコールメチルエチルエーテル、トルエン、キシレン、γ−ブチロラクトン、N,N−ジメチルアセトアミド、N−メチル−2−ピロリドン、ジメチルイミダゾリジノン等が挙げられる。
これらの溶媒の中でも、プロピレングリコールモノメチルエーテル、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート、ジプロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート、プロピレングリコールモノエチルエーテルアセテート、3−メトキシプロピオン酸メチル、3−エトキシプロピオン酸エチル、ジエチレングリコールモノエチルエーテルアセテート、ジエチレングリコールモノブチルエーテルアセテート、ジエチレングリコールジメチルエーテル、ジエチレングリコールメチルエチルエーテル、乳酸エチル、酢酸ブチルγ−ブチロラクトンおよびジメチルイミダゾリジノンを用いることが好ましい。
本発明のインクジェット用インクは、溶媒以外の成分が全体の30%以上になるように溶媒を含有すると、得られたインクの着弾後の広がりが小さくなるので好ましく、50%以上になるように含有するとさらに好ましい。
1.4.3 その他の添加剤
本発明のインクジェット用インクは、解像度、塗布均一性、接着性を向上させるために、上記添加剤以外の添加剤を含むことができる。当該添加剤としては、アクリル系、スチレン系、ポリエチレンイミン系もしくはウレタン系の高分子分散剤、アニオン系、カチオン系、ノニオン系もしくはフッ素系の界面活性剤、シリコン樹脂等の塗布性向上剤、シランカップリング剤等の密着性向上剤、アルコキシベンゾフェノン類等の紫外線吸収剤、ポリアクリル酸ナトリウム等の凝集防止剤、有機カルボン酸等のアルカリ溶解性促進剤等が挙げられる
本発明のインクジェット用インクに含まれても良い添加剤の具体例としては、森下産業株式会社製の「EFKA−745」、「EFKA−46」、「EFKA−47」、「EFKA−47EA」、「EFKAポリマー100」、「EFKAポリマー400」、「EFKAポリマー401」、「EFKAポリマー450」(商品名)、Lubrizol corporation社製の「ソルスパーズ3000」、「ソルスバーズ5000」、「ソルスバーズ9000」、「ソルスバーズ12000」、「ソルスバーズ13240」、「ソルスバーズ13940」、「ソルスバーズ17000」、「ソルスバーズ20000」、「ソルスバーズ24000」、「ソルスバーズ24000GR」、「ソルスバーズ26000」、「ソルスバーズ28000」、「ソルスバーズ32000」(商品名)、サンノプコ社製の「ディスパースエイド6」、「ディスパースエイド8」、「ディスパースエイド15」、「ディスパースエイド9100」(商品名)、共栄社化学工業株式会社製の「ポリフローNo.75」、「ポリフローNo.90」、「ポリフローNo.95(商品名)、ビックケミー・ジャパン製の「ディスパーベイク(Disperbyk)161」、「ディスパーベイク(Disperbyk)162」、「ディスパーベイク(Disperbyk)163」、「ディスパーベイク(Disperbyk)164」、「ディスパーベイク(Disperbyk)166」、「ディスパーベイク(Disperbyk)170」、「ディスパーベイク(Disperbyk)180」、「ディスパーベイク(Disperbyk)181」、「ディスパーベイク(Disperbyk)182」(商品名)、フルオロアルキルベンゼンスルホン酸塩、フルオルアルキルカルボン酸塩、フルオロアルキルポリオキシエチレンエーテル、フルオロアルキルアンモニウムヨージド、フルオロアルキルベタイン、フルオロアルキルスルホン酸塩、ジグリセリンテトラキス(フルオロアルキルポリオキシエチレンエーテル)、フルオロアルキルトリメチルアンモニウム塩、フルオロアルキルアミノスルホン酸塩、ポリオキシエチレンノニルフェニルエーテル、ポリオキシエチレンオクチルフェニルエーテル、ポリオキシエチレンアルキルエーテル、ポリオキシエチレンラウリルエーテル、ポリオキシエチレンオレイルエーテル、ポリオキシエチレントリデシルエーテル、ポリオキシエチレンセチルエーテル、ポリオキシエチレンステアリルエーテル、ポリオキシエチレンラウレート、ポリオキシエチレンオレレート、ポリオキシエチレンステアレート、ポリオキシエチレンラウリルアミン、ソルビタンラウレート、ソルビタンパルミテート、ソルビタンステアレート、ソルビタンオレエート、ソルビタン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレンソルビタンラウレート、ポリオキシエチレンソルビタンパルミテート、ポリオキシエチレンソルビタンステアレート、ポリオキシエチレンソルビタンオレエート、ポリオキシエチレンナフチルエーテル、アルキルベンゼンスルホン酸塩、アルキルジフェニルエーテルジスルホン酸塩、ビックケミー・ジャパン製の「BYK300」、「BYK310」、「BYK320」、「BYK330」、「BYK346」(商品名)、共栄社化学工業株式会社製の「ポリフローNo.45」、「ポリフローKL−245」等が挙げられる。
これら添加剤は単独でも、または2つ以上を混合しても使用することができる。
これらの添加剤の中でもフルオロアルキルベンゼンスルホン酸塩、フルオルアルキルカルボン酸塩、フルオロアルキルポリオキシエチレンエーテル、フルオロアルキルアンモニウムヨージド、フルオロアルキルベタイン、フルオロアルキルスルホン酸塩、ジグリセリンテトラキス(フルオロアルキルポリオキシエチレンエーテル)、フルオロアルキルトリメチルアンモニウム塩、フルオロアルキルアミノスルホン酸塩の中から選ばれる化合物を添加剤として使用すると、得られるインクジェット用インクの吐出特性が良好になるので好ましい。
1.4.4 着色剤
本発明の光硬化性インクジェット用インクは、着色剤をさらに含有することができる。着色剤としては例えば銅フタロシアニン等の顔料を用いることが好ましい。
2 インクジェット方法によるインクジェット用インクの塗布
本発明にかかるインクジェット用インクは、公知のインクジェット方法で塗布する工程を有するインクジェット塗布方法に用いることができる。インクジェット塗布方法としては、例えば、インクに力学的エネルギーを作用させてインクを塗布させる方法、および、インクに熱エネルギーを作用させてインクを塗布させる塗布方法等がある。
インクジェット塗布方法を用いることにより、インクジェット用インクを予め定められたパターン状にインクを塗布することができる。これによって、必要な箇所だけにインクを塗布でき、コストの削減となる。
本発明にかかるインクを用いて塗布を行うのに好ましい塗布ユニットは、例えば、これらのインクを収容するインク収容部と、塗布ヘッドとを備えた塗布ユニットが挙げられる。塗布ユニットとしては、例えば、塗布信号に対応した熱エネルギーをインクに作用させ、前記エネルギーによりインク液滴を発生させる塗布ユニットが挙げられる。
塗布ヘッドとしては、例えば、金属および/または金属酸化物を含有する発熱部接液面を有するものである。前記金属および/または金属酸化物の具体例は、例えば、Ta、Zr、Ti、Ni、Al等の金属、および、これらの金属の酸化物等が挙げられる。
本発明にかかるインクを用いて塗布を行うのに好ましい塗布装置としては、例えば、インクが収容されるインク収容部を有する塗布ヘッドの室内のインクに、塗布信号に対応したエネルギーを与え、前記エネルギーによりインク液滴を発生させる装置が挙げられる。
インクジェット塗布装置は、塗布ヘッドとインク収容部とが分離されているものに限らず、それらが分離不能に一体になったものを用いるものでもよい。また、インク収容部は塗布ヘッドに対し分離可能または分離不能に一体化されてキャリッジに搭載されるもののほか、装置の固定部位に設けられて、インク供給部材、例えばチューブを介して塗布ヘッドにインクを供給する形態のものでもよい。
3 硬化膜の形成
本発明の硬化膜は、公知のインクジェット塗布方法を用いて本発明のインクジェット用インクを基板等の基材の表面に吐出した後に、インクに紫外線や可視光線等の光を照射して得られる。光が照射された部分のインクはアクリルモノマーの重合により三次元化架橋体となって硬化し、インクの広がりを効果的に抑えられる。したがって、本発明のインクジェット用インクを用いると、高精細なパターンの描画が可能になる。
照射する光として紫外線を用いた場合には、照射する紫外線の量は、i線で10〜500mJ/cm2程度が好ましい。
また、必要に応じて、基材の表面に描画されたインクをさらに加熱してもよく、特に、150〜220℃で10〜100分間加熱することが好ましい。
本発明に使用される基材は特に限定されないが、例えばポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリブチレンテレフタレート(PBT)等のポリエステル系樹脂、ポリエチレン、ポリプロピレンなどのポリオレフィン樹脂、ポリ塩化ビニル、フッ素樹脂、アクリル系樹脂、ポリアミド、ポリカーボネート、ポリイミド等のプラスチックフィルム、セロハン、アセテート、金属箔、目止め効果があるグラシン紙、パーチメント紙、あるいはポリエチレン、クレーバインダー、ポリビニルアルコール、でんぷん、カルボキシメチルセルロース(CMC)などで目止め処理した紙などを挙げることができる。なお、これらの基材を構成する物質には、本発明の効果に悪影響を及ぼさない範囲において、さらに、顔料、染料、酸化防止剤、劣化防止剤、充填剤、紫外線吸収剤、帯電防止剤及び/又は電磁波防止剤等の添加剤を含んでいてもよい。
上記の基材の厚さは、特に限定されないが、通常、10μm〜2mm程度であり、使用する目的により適宜調整されるが、15〜500μmが好ましく、20〜200μmがさらに好ましい。
上記の基材の硬化膜形成用面には、必要によりコロナ処理、プラズマ処理、ブラスト処理等の易接着処理を施したり、表面に易接着層を設けてもよい。
以下、実施例により本発明をさらに説明するが、本発明はこれらによって限定されるものではない。
[合成例1]重合体(A−1)の合成
攪拌器付4つ口フラスコに下記化合物を仕込み、還流温度で6時間加熱した。
2−ブタノン 150.0g
ベンジルメタクリレート 30.0g
チッソ(株)製サイラプレーンFM−0711 10.0g
2−ヒドロキシエチルメタクリレート 5.0g
メタクリル酸 5.0g
ジメチル2,2´−アゾビス(2−メチルプロピオネート) 2.0g
反応液を室温まで冷却し、大量のヘキサンに投入した。生成した餅状の沈殿物を100Pa、40℃で20時間真空乾燥し、得られた塊を粉砕して再度同条件で真空乾燥し、本発明の重合体(A)である重合体(A−1)の粉末42.1gを得た。得られた重合体(A−1)のGPC分析により求めた重量平均分子量は14,000であった。
重量平均分子量は、得られた重合体粉末をテトラヒドロフランで重合体濃度が約1重量%になるように希釈し、GPC装置:日本分光株式会社製、JASCO GULLIVER 1500(インテリジェント示差屈折率計 RI−1530)を用いて、テトラヒドロフランを展開剤としてGPC法により測定し、ポリスチレン換算することにより求めた。カラムは、東ソー株式会社製カラムG4000HXL、G3000HXL、G2500HXLおよびG2000HXLの4本をこの順序に接続して使用し、カラム温度40℃、流速1.0ml/minの条件で測定した。
[合成例2]重合体(A−2)の合成
攪拌器付4つ口フラスコに下記化合物を仕込み、40℃で10時間加熱した。
3,3´,4,4´−ジフェニルエーテル テトラカルボン酸二無水物 15.5g
スチレン・無水マレイン酸共重合体
(モル比1:1、分子量1,500) 7.1g
チッソ(株)製サイラプレーンFM−3311 15.0g
3,3´−ジアミノジフェニルスルホン 12.4g
N−メチル−2−ピロリドン 116.7g
反応液を室温まで冷却し、本発明の重合体(A)である重合体(A−2)の30重量%N−メチル−2−ピロリドン溶液を得た。得られた重合体(A−2)のGPC分析により求めた重量平均分子量は9,000であった。
[合成例3]比較合成例
攪拌器付4つ口フラスコに下記化合物を仕込み、還流温度で6時間加熱した。
2−ブタノン 150.0g
ベンジルメタクリレート 40.0g
2−ヒドロキシエチルメタクリレート 5.0g
メタクリル酸 5.0g
ジメチル2,2´−アゾビス(2−メチルプロピオネート) 2.0g
反応液を室温まで冷却し、大量のヘキサンに投入した。生成した餅状の沈殿物を100Pa、40℃で20時間真空乾燥し、得られた塊を粉砕して再度同条件で真空乾燥し、重合体の粉末44.3gを得た。得られた重合体のGPC分析により求めた重量平均分子量は15,000であった。
[実施例1]
下記組成を混合、溶解し、孔径0.5μmのテフロン(登録商標)製メンブレンフィルターでろ過し、光硬化性インクジェット用インクを以下のとおり調製した。重合体(A)として合成例1の重合体(A−1)を、二重結合を有する化合物(B)としてビスフェノールAエチレンオキシド変性ジアクリレート(東亜合成(株)製 アロニックス(商品名)M210)を、光重合開始剤(C)として2−ベンジル−2−ジメチルアミノ−1−(4−モルホリノフェニル)−ブタノン−1(チバスペシャリティーケミカルズ(株)製 IRGACURE(商品名)369)を用いた。
合成例1の重合体(A−1) 3.0g
4−ヒドロキシブチルアクリレート 10.0g
アロニックス M210 3.0g
IRGACURE 369 1.0g
得られた光硬化性インクジェット用インクの25℃における粘度は155mPa・sであった。粘度は、E型粘度計(TOKYO KEIKI製 VISCONIC ELD)で測定した。
この光硬化性インクジェット用インクを使用し、Dimatix社製インクジェット塗布装置DMP−2800を用いて、ポリイミド基板上に5cmの直線ラインの描画を行った。このとき、ラインの幅とライン同士の間の幅が同じになるように描画条件を設定した。本明細書中、このような描画を「ライン&スペース塗布」という。塗布回数は1回で、ラインの幅は500μm、ノズルからのジェッティング速度は10回/s、ジェッティング温度は80℃とした。ジェッティング後の基板に超高圧水銀灯を使用して40mJ/cm2のi線を照射した後、160℃のオーブンで30分間加熱し、ライン状に形成された硬化膜を得た。
得られた硬化膜のライン幅、エッジの直線性を光学顕微鏡で観察した。その結果を表1に示す。ライン幅はほぼ塗布したときの幅を維持しており、ラインのエッジの直線性も良好であった。
[実施例2]
下記組成を混合、溶解し、孔径0.5μmのテフロン(登録商標)製メンブレンフィルターでろ過し、光硬化性インクジェット用インクを以下のとおり調製した。
重合体(A)として合成例2の重合体(A−2)を、二重結合を有する化合物(B)としてビスフェノールAエチレンオキシド変性ジアクリレート(東亜合成(株)製 アロニックス(商品名)M210)を、光重合開始剤(C)として2−ベンジル−2−ジメチルアミノ−1−(4−モルホリノフェニル)−ブタノン−1(チバスペシャリティーケミカルズ(株)製 IRGACURE(商品名)369)を用いた。
合成例2の重合体(A−2)の30重量%溶液 10.0g
4−ヒドロキシブチルアクリレート 10.0g
アロニックス M210 5 .0g
IRGACURE 369 1.5g
得られた光硬化性インクジェット用インクの25℃における粘度は74mPa・sであった。
この光硬化性インクジェット用インクを使用し、実施例1と同様にライン&スペース塗布を行った。ただし、ジェッティング温度は65℃とした。ジェッティング後の基板に超高圧水銀灯を使用して40mJ/cm2のi線を照射した後、160℃のオーブンで30分間加熱し、ライン状に形成された硬化膜を得た。
得られた硬化膜のライン幅、エッジの直線性を光学顕微鏡で観察した。その結果を表1に示す。ライン幅はほぼ塗布したときの幅を維持しており、ラインのエッジの直線性も良好であった。
[比較例1]
下記組成を混合、溶解し、孔径0.5μmのテフロン(登録商標)製メンブレンフィルターでろ過し、光硬化性インクジェット用インクを調製した。
合成例3の重合体 3.0g
4−ヒドロキシブチルアクリレート 10.0g
アロニックス M210 3 .0g
IRGACURE 369 1.0g
得られた光硬化性インクジェット用インクの25℃における粘度は69mPa・sであった。
この光硬化性インクジェット用インクを使用し、実施例1と同様にライン&スペース塗布を行った。ただし、ジェッティング温度は65℃とした。ジェッティング後の基板に超高圧水銀灯を使用して40mJ/cm2のi線を照射した後、160℃のオーブンで30分間加熱し、ライン状に形成された硬化膜を得た。
得られた硬化膜のライン幅、エッジの直線性を光学顕微鏡で観察した。その結果を表1に示す。ライン幅は塗布したときの幅より広がっており、ラインのエッジもギザギザがあった。
Figure 2008133335
本発明のインクジェット用インクは、例えば、電子回路基板に使用されるエッチングレジストや保護膜、液晶ディスプレイのスペーサーやその保護膜、フレキシブル配線基板用絶縁膜、およびこれらを用いた電子部品に使用することができる。

Claims (24)

  1. 下記式(1)
    Figure 2008133335
    (式中、R1およびR2はそれぞれ独立して炭素数1〜3のアルキルまたはフェニルである。)
    で表される構成単位を有する重合体(A)、二重結合を有する化合物(B)および光重合開始剤(C)を含有する光硬化性インクジェット用インク。
  2. 下記式(4)
    Figure 2008133335
    (式中、R1およびR2はそれぞれ独立して炭素数1〜3のアルキルまたはフェニルであり、R3は炭素数1〜20の任意の水素がフッ素に置換されてもよい有機基であり、R4は炭素数1〜12のアルキレンまたは置換基を有してよいフェニレンであり、R5は水素または炭素数1〜5のアルキルであり、nは1〜100の整数であり、mは1〜5の整数である。)
    で表される構成単位を有する重合体(A)、二重結合を有する化合物(B)および光重合開始剤(C)を含有する光硬化性インクジェット用インク。
  3. 重合体(A)が、下記式(2)
    Figure 2008133335
    (式中、R1およびR2はそれぞれ独立して炭素数1〜3のアルキルまたはフェニルであり、R3は炭素数1〜20の任意の水素がフッ素に置換されてもよい有機基であり、R4は炭素数1〜12のアルキレンまたは置換基を有してよいフェニレンであり、R5は水素または炭素数1〜5のアルキルであり、nは1〜100の整数であり、mは1〜5の整数である。)
    で表されるラジカル重合性モノマーと他のラジカル重合性モノマーとの共重合体である、請求項1または2に記載の光硬化性インクジェット用インク。
  4. 他のラジカル重合性モノマーが、カルボキシルを有するラジカル重合性モノマー、熱架橋性官能基を有するラジカル重合性モノマーおよびN−置換マレイミドからなる群から選ばれる1以上である、請求項3に記載の光硬化性インク用ジェットインク。
  5. 熱架橋性官能基が、オキシラン、オキセタンおよびヒドロキシからなる群から選ばれる1つ以上である、請求項4に記載の光硬化性インクジェット用インク。
  6. 重合体(A)が、少なくとも下記式(2)
    Figure 2008133335
    (式中、R1およびR2はそれぞれ独立して炭素数1〜3のアルキルまたはフェニルであり、R3は炭素数1〜20の任意の水素がフッ素に置換されてもよい有機基であり、R4は炭素数1〜12のアルキレンまたは置換基を有してよいフェニレンであり、R5は水素または炭素数1〜5のアルキルであり、nは1〜100の整数であり、mは1〜5の整数である。)
    で表されるラジカル重合性モノマーと、(メタ)アクリル酸と、2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレートとを含有するモノマーの混合物を重合して得られる共重合体である、請求項1または2に記載の光硬化性インクジェット用インク。
  7. 下記式(5)
    Figure 2008133335
    (式中、R1およびR2はそれぞれ独立して炭素数1〜3のアルキルまたはフェニルであり、R6はそれぞれ独立してメチレン、フェニレンまたはアルキル置換されたフェニレンであり、mは独立して1〜6の整数であり、nは1〜100の整数である。)
    で表される構成単位を有する重合体(A)、二重結合を有する化合物(B)および光重合開始剤(C)を含有する光硬化性インクジェット用インク。
  8. 重合体(A)が、下記式(3)
    Figure 2008133335
    (式中、R1およびR2はそれぞれ独立して炭素数1〜3のアルキルまたはフェニルであり、R6はそれぞれ独立してメチレン、フェニレンまたはアルキル置換されたフェニレンであり、mは独立して1〜6の整数であり、nは1〜100の整数である。)
    で表されるジアミンと、酸無水物基を有する化合物とを反応することにより得られる共重合体である、請求項1または7に記載の光硬化性インクジェット用インク。
  9. 酸無水物基を有する化合物が、テトラカルボン酸二無水物である、請求項8に記載の光硬化性インクジェット用インク。
  10. 酸無水物基を有する化合物が、酸無水物基を有するラジカル重合性モノマーと他のラジカル重合性モノマーとの共重合体である、請求項8に記載の光硬化性インクジェット用インク。
  11. 酸無水物基を有する化合物が、スチレン−無水マレイン酸共重合体、メチル(メタ)アクリレート−無水マレイン酸共重合体、(メタ)アクリル酸グリシジル−無水マレイン酸共重合体、2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート−無水マレイン酸共重合体、スチレン−無水イタコン酸共重合体およびメチル(メタ)アクリレート−無水イタコン酸共重合体からなる群から選ばれる1以上である、請求項8に記載の光硬化性インクジェット用インク。
  12. 二重結合を有する化合物(B)が、(メタ)アクリロイル基を含有している、請求項1〜11のいずれかに記載の光硬化性インクジェット用インク。
  13. 二重結合を有する化合物(B)が、オキシラン、オキセタンおよびヒドロキシからなる群から選ばれる1以上を有する、請求項12に記載の光硬化性インクジェット用インク。
  14. 二重結合を有する化合物(B)が、グリシジル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、4−ヒドロキシブチル(メタ)アクリレート、4−ヒドロキシブチル(メタ)アクリレートグリシジルエーテル、1,4−シクロヘキサンジメタノールモノ(メタ)アクリレート、3−エチル−3−(メタ)アクリロキシメチルオキセタン、2−エチル−2−(メタ)アクリロキシメチルオキセタン、ペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールペンタ(メタ)アクリレートおよびイソシアヌル酸エチレンオキシド変性ジ(メタ)アクリレートからなる群から選ばれる1以上である、請求項10に記載の光硬化性インクジェット用インク。
  15. 光重合開始剤(C)が、下記式(6)
    Figure 2008133335
    (式中、R1、R2、R3およびR4は互いに独立して炭素数1〜13のアルキル、X1とX2は互いに独立して−O−、−O−O−、または−NH−である。)
    で表される化合物、下記式(7)
    Figure 2008133335
    (式中、R1、R2、R3は互いに独立して水素または炭素数1〜5のアルキルであり;R4は炭素数1〜15のアルキルである。)、
    で表される化合物、2−メチル−1−[4−(メチルチオ)フェニル]−2−モルホリノプロパン−1−オンおよび2−ベンジル−2−ジメチルアミノ−1−(4−モルホリノフェニル)−ブタノン−1からなる群から選ばれる1以上である、請求項1〜14のいずれかに記載の光硬化性インクジェット用インク。
  16. 光重合開始剤(C)が、下記式(6)
    Figure 2008133335
    (式中、R1、R2、R3およびR4は互いに独立して炭素数1〜13のアルキル、X1とX2は互いに独立して−O−、−O−O−、または−NH−である。)
    で表される化合物、下記式(7)
    Figure 2008133335
    (式中、R1、R2、R3は互いに独立して水素または炭素数1〜5のアルキルであり;R4は炭素数1〜15のアルキルである。)、
    で表される化合物、2−メチル−1−[4−(メチルチオ)フェニル]−2−モルホリノプロパン−1−オンおよび2−ベンジル−2−ジメチルアミノ−1−(4−モルホリノフェニル)−ブタノン−1からなる群から選ばれる1以上を、光重合開始剤(C)の全重量に対して20〜100%含有する、請求項1〜14のいずれかに記載の光硬化性インクジェット用インク。
  17. 重合体(A)100重量部に対し、重合性二重結合を有する化合物(B)を20〜1,000重量部、および光重合開始剤(C)を0.5〜200重量部含有する、請求項1〜6のいずれかに記載の光硬化性インクジェット用インク。
  18. 下記式(2)
    Figure 2008133335
    (式中、R1とR2が共にメチルであり、R3が炭素数1〜6のアルキルであり、R4が炭素数1〜6のアルキレンであり、R5は水素または炭素数1〜3のアルキルであり、mは1〜3の整数であり、nは5〜50の整数である)
    で表されるラジカル重合性モノマーと、(メタ)アクリル酸と、2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレートとを重合させて重合体(A)を製造するステップ、
    重合体(A)に、グリシジル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、4−ヒドロキシブチル(メタ)アクリレート、4−ヒドロキシブチル(メタ)アクリレートグリシジルエーテル、1,4−シクロヘキサンジメタノールモノ(メタ)アクリレート、3−エチル−3−(メタ)アクリロキシメチルオキセタン、2−エチル−2−(メタ)アクリロキシメチルオキセタン、ペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールペンタ(メタ)アクリレートおよびイソシアヌル酸エチレンオキシド変性ジ(メタ)アクリレートからなる群から選ばれる1以上である二重結合を有する化合物(B)、ならびに、2−メチル−1−[4−(メチルチオ)フェニル]−2−モルホリノプロパン−1−オンおよび2−ベンジル−2−ジメチルアミノ−1−(4−モルホリノフェニル)−ブタノン−1からなる群から選ばれる1以上である光重合開始剤(C)を混合するステップ、
    を含む、光硬化性インクジェット用インクの製造方法
  19. 下記式(3)
    Figure 2008133335
    (式中、R1およびR2が共にメチルである、R6が炭素数1〜6のアルキレンであり、mは1〜3の整数であり、nが10〜20の整数である。)
    で表されるジアミンと、3,3',4,4'−ベンゾフェノンテトラカルボン酸二無水物、2,2',3,3'−ベンゾフェノンテトラカルボン酸二無水物、2,3,3',4'−ベンゾフェノンテトラカルボン酸二無水物、3,3',4,4'−ジフェニルスルホンテトラカルボン酸二無水物、2,2',3,3'−ジフェニルスルホンテトラカルボン酸二無水物、2,3,3',4'−ジフェニルスルホンテトラカルボン酸二無水物、3,3',4,4'−ジフェニルエーテルテトラカルボン酸二無水物、2,2',3,3'−ジフェニルエーテルテトラカルボン酸二無水物、2,3,3',4'−ジフェニルエーテルテトラカルボン酸二無水物、2,2−[ビス(3,4ージカルボキシフェニル)]ヘキサフルオロプロパン二無水物、シクロブタンテトラカルボン酸二無水物、メチルシクロブタンテトラカルボン酸二無水物、シクロペンタンテトラカルボン酸二無水物、シクロヘキサンテトラカルボン酸二無水物、エタンテトラカルボン酸二無水物およびブタンテトラカルボン酸二無水物からなる群から選ばれる1以上の酸無水物基を有する化合物とを反応させて重合体(A)を製造するステップ、
    重合体(A)に、グリシジル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、4−ヒドロキシブチル(メタ)アクリレート、4−ヒドロキシブチル(メタ)アクリレートグリシジルエーテル、1,4−シクロヘキサンジメタノールモノ(メタ)アクリレート、3−エチル−3−(メタ)アクリロキシメチルオキセタン、2−エチル−2−(メタ)アクリロキシメチルオキセタン、ペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールペンタ(メタ)アクリレートおよびイソシアヌル酸エチレンオキシド変性ジ(メタ)アクリレートからなる群から選ばれる1以上である二重結合を有する化合物(B)、ならびに、2−メチル−1−[4−(メチルチオ)フェニル]−2−モルホリノプロパン−1−オンおよび2−ベンジル−2−ジメチルアミノ−1−(4−モルホリノフェニル)−ブタノン−1からなる群から選ばれる1以上である光重合開始剤(C)を混合するステップ、
    を含む、光硬化性インクジェット用インクの製造方法
  20. 請求項1〜17に記載されたインクジェット用インク、または、請求項18もしくは請求項19の製造方法で製造されたインクジェット用インクをインクジェット塗布方法によって塗布してから乾燥させて塗膜を形成する工程、および、当該塗膜に光を照射して硬化膜を形成する工程を含むインク塗布方法。
  21. 請求項20に記載のインク塗布方法を用いて硬化膜を形成する、硬化膜形成方法。
  22. 請求項21に記載された硬化膜形成方法を用いて基板上に硬化膜が形成された電子回路基板。
  23. 請求項22に記載された電子回路基板を有する電子部品。
  24. 請求項21で形成された硬化膜を有する電子回路基板、表示素子。
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