特に指定のない限り、本発明の全てのアリール、シクロアルキル、およびヘテロシクリル基は、それらの各々の定義に記載の通り置換されていてよい。例えば、アリールアルキル基のアリール部分は、用語「アリール」の定義に記載のとおり置換されていてよい。
本明細書において用いる用語「アリール」は、フェニル基、または1つもしくは両方の環がフェニル基である二環式縮合環系を言う。二環式縮合環系は、4-から6-員芳香族もしくは非芳香族炭素環に縮合したフェニル基から成る。本発明のアリール基は、該基中のいずれの適切な炭素原子を介して親分子部分に結合することができる。アリール基の代表的な例としては、限定はされないが、インダニル、インデニル、ナフチル、フェニル、およびテトラヒドロナフチルが挙げられる。本発明のアリール基は、アルコキシ、アルコキシアルキル、アルコキシカルボニル、アルキル、アルキルカルボニル、第2のアリール基、アリールアルコキシ、アリールアルキル、アリールカルボニル、シアノ、ハロ、ハロアルコキシ、ハロアルキル、ヘテロシクリル、ヘテロシクリルアルキル、ヘテロシクリルカルボニル、ヒドロキシ、ヒドロキシアルキル、ニトロ、-NRxRy、(NRxRy)アルキル、またはオキソから独立して選択される1から5個の置換基で適宜置換されており、ここで、該アリールアルキルおよび該ヘテロシクリルアルキルのアルキル部分は無置換であり、該第2のアリール基、該アリールアルキルのアリール部分、該アリールカルボニルのアリール部分、該ヘテロシクリル、および該ヘテロシクリルアルキルおよび該ヘテロシクリルカルボニルのヘテロシクリル部分はさらに、アルコキシ、アルキル、シアノ、ハロ、ハロアルコキシ、ハロアルキル、またはニトロから独立して選択される1〜3個の置換基で適宜置換されている。
本明細書において用いる用語「アリールアルキル」は、1〜3個のアリール基で置換されたアルキル基を言う。該アリールアルキルのアルキル部分は、アルコキシ、アルキルカルボニルオキシ、ハロ、ハロアルコキシ、ハロアルキル、ヘテロシクリル、ヒドロキシ、もしくは-NRcRdから独立して選択される、1または2個のさらなる基でさらに適宜置換されており、ここで該ヘテロシクリルはさらに、アルコキシ、アルキル、無置換アリール、無置換アリールアルコキシ、無置換アリールアルコキシカルボニル、ハロ、ハロアルコキシ、ハロアルキル、ヒドロキシ、もしくは-NRxRyから独立して選択される、1または2個の置換基で適宜置換されている。
本明細書において用いる用語「Cap」および「cap」は、式(I)の化合物中のピロリジン環の窒素原子に位置する基を言う。「Cap」もしくは「cap」はまた、式(I)の化合物における最終「cap」の前駆物質であり、ピロリジンの窒素上に基を付加して最終生成物(式(I)の化合物中に存在する官能化ピロリジンを有する化合物)を得る反応における出発物質として用いられる試薬を言うことができると理解されるべきである。
本明細書において用いる用語「シクロアルケニル」は、非芳香族の、3から14個の炭素原子および0個のヘテロ原子を有する部分不飽和単環式、二環式、もしくは三環式系を言う。シクロアルケニル基の代表的な例としては、限定はされないが、シクロヘキセニル、オクタヒドロナフタレニル、およびノルボルニレニル(norbornylenyl)が挙げられる。
本明細書において用いる用語「シクロアルキル」は、3から7個の炭素原子および0個のヘテロ原子を有する、飽和単環式の炭化水素環系を言う。シクロアルキル基の代表的な例としては、限定はされないが、シクロプロピル、シクロペンチル、およびシクロヘキシルが挙げられる。本発明のシクロアルキル基は、アルコキシ、アルキル、アリール、シアノ、ハロ、ハロアルコキシ、ハロアルキル、ヘテロシクリル、ヒドロキシ、ヒドロキシアルキル、ニトロ、または-NRxRyから独立して選択される1から5個の置換基で適宜置換されており、ここで該アリールおよび該ヘテロシクリルは、アルコキシ、アルキル、シアノ、ハロ、ハロアルコキシ、ハロアルキル、ヒドロキシ、またはニトロから独立して選択される1〜3個の置換基でさらに適宜置換されている。
本明細書において用いる用語「ヘテロシクリル」は、窒素、酸素、もしくは硫黄から独立して選択される1から4個のヘテロ原子を含有する4-から7-員環を言う。該4-員環は0個の二重結合を有し、該5-員環は0から2個の二重結合を有し、該6-および7-員環は0から3個の二重結合を有する。該用語「ヘテロシクリル」はまた、ヘテロシクリル環がフェニル基、単環式シクロアルケニル基、単環式シクロアルキル基もしくは別の単環式ヘテロシクリル基に縮合している二環式基も含む。本発明のヘテロシクリル基は、該基中の炭素原子または窒素原子を介して親分子部分に結合することができる。ヘテロシクリル基の例としては、限定はされないが、ベンゾチエニル、フリル、イミダゾリル、インドリニル、インドリル、イソチアゾリル、イソキサゾリル、モルホリニル、オキサゾリル、ピペラジニル、ピペリジニル、ピラゾリル、ピリジニル、ピロリジニル、ピロロピリジニル、ピロリル、チアゾリル、チエニル、およびチオモルホリニルが挙げられる。本発明のヘテロシクリル基は、アルコキシ、アルコキシアルキル、アルコキシカルボニル、アルキル、アルキルカルボニル、アリール、アリールアルキル、アリールカルボニル、シアノ、ハロ、ハロアルコキシ、ハロアルキル、第2のヘテロシクリル基、ヘテロシクリルアルキル、ヘテロシクリルカルボニル、ヒドロキシ、ヒドロキシアルキル、ニトロ、-NRxRy、(NRxRy)アルキル、またはオキソから独立して選択される1から5個の置換基で適宜置換されており、ここで、該アリールアルキルおよび該ヘテロシクリルアルキルのアルキル部分は無置換であり、該アリール、該アリールアルキルのアリール部分、該アリールカルボニルのアリール部分、該第2のヘテロシクリル基、および該ヘテロシクリルアルキルおよび該ヘテロシクリルカルボニルのヘテロシクリル部分は、アルコキシ、アルキル、シアノ、ハロ、ハロアルコキシ、ハロアルキル、またはニトロから独立して選択される1〜3個の置換基でさらに適宜置換されている。
本明細書において用いる用語「ヘテロシクリルアルキル」は、1〜3個のヘテロシクリル基で置換されたアルキル基を言う。該ヘテロシクリルアルキルのアルキル部分は、アルコキシ、アルキルカルボニルオキシ、アリール、ハロ、ハロアルコキシ、ハロアルキル、ヒドロキシ、または-NRcRdから独立して選択される1または2個のさらなる基でさらに適宜置換されており、ここで該アリールは、アルコキシ、アルキル、無置換アリール、無置換アリールアルコキシ、無置換アリールアルコキシカルボニル、ハロ、ハロアルコキシ、ハロアルキル、ヒドロキシ、または-NRxRyから独立して選択される1または2個の置換基でさらに適宜置換されている。
本発明の化合物には不斉中心が存在する。これら中心は、キラル炭素原子の周囲の置換基の配置によって、記号「R」または「S」により示される。本発明は、NS5Aを阻害する能力を有する全ての立体化学的な異性体、またはその混合物を包含することが理解されるべきである。化合物の個々の立体異性体は、キラル中心を有する市販の出発物質から合成的に製造することができるか、あるいは、エナンチオマーの生成物の混合物を合成した後、ジアステレオマーの混合物への変換に続く分離もしくは再結晶化、クロマトグラフ技法、またはキラルクロマトグラフィーカラムでのエナンチオマーの直接分離などといった分離を行うことによって製造することができる。個々の立体化学の出発化合物は、市販であるか、あるいは当業者に公知の方法により製造および分割され得る。
本発明の特定の化合物はまた、異なる安定した立体構造形態で存在していてよく、それは分離可能であり得る。非対称単結合について制限された回転に起因するねじれ非対称(Torsional asymmetry)、例えば、立体障害または環の歪みにより、異なる配座異性体の分離が可能になり得る。本発明は、それら化合物の各配座異性体およびその混合物を含む。
該用語「本発明の化合物」および同等の表現は、式(I)の化合物、並びにその医薬的に許容されるエナンチオマー、ジアステレオマーおよび塩を包含することを意味する。同様に、中間体についての言及は、内容的に許される限りそれらの塩を包含することを意味する。
本発明の化合物は、医薬的に許容される塩として存在することができる。本明細書で用いる用語「医薬的に許容される塩」は、本発明の化合物の塩または双性イオン形態を意味し、それは水もしくは油-溶性もしくは分散性であり、適切な医学的判断の範囲内で、妥当な利益/リスク比に見合って、過剰な毒性、刺激、アレルギー反応、または他の問題もしくは合併症を伴わずに患者の組織に接触して用いるのに適していて、それらの使用目的に有効である。該塩は化合物の最終的な単離および精製の間に製造することができるか、あるいは別途、適切な窒素原子を適切な酸と反応させることにより製造することができる。代表的な酸付加塩としては、酢酸塩、アジピン酸塩、アルギン酸塩、クエン酸塩、アスパラギン酸塩、安息香酸塩、ベンゼンスルホン酸塩、硫酸水素塩、酪酸塩、ショウノウ酸塩(camphorate)、カンファースルホン酸塩; ジグルコン酸塩(digluconate)、グリセロリン酸塩、ヘミ硫酸塩、ヘプタン酸塩、ヘキサン酸塩、ギ酸塩、フマル酸塩、塩酸塩、臭化水素酸塩、ヨウ化水素酸塩、2-ヒドロキシエタンスルホン酸塩、乳酸塩、マレイン酸塩、メシチレンスルホン酸塩、メタンスルホン酸塩、ナフチレンスルホン酸塩、ニコチン酸塩、2-ナフタレンスルホン酸塩、シュウ酸塩、パルモ酸塩(palmoate)、ペクチン酸塩、過硫酸塩、3-フェニルプロプリオン酸塩(phenylproprionate)、ピクリン酸塩、ピバル酸塩、プロピオン酸塩、コハク酸塩、酒石酸塩、トリクロロ酢酸塩、トリフルオロ酢酸塩、リン酸塩、グルタミン酸塩、炭酸水素塩、パラ-トルエンスルホン酸塩、およびウンデカン酸塩が挙げられる。医薬的に許容される付加塩の形成に用いることができる酸の例としては、無機酸(例えば塩酸、臭化水素酸、硫酸、およびリン酸)、および有機酸(例えばシュウ酸、コハク酸、およびクエン酸)が挙げられる。
塩基付加塩は、カルボキシ基を適切な塩基(例えば、金属カチオンまたは金属アンモニアのヒドロキシド、カーボネート、もしくはビカーボネート、あるいは有機第一級、第二級、もしくは第三級アミン)と反応させることによる、化合物の最終的な単離および精製の間に製造することができる。医薬的に許容される塩のカチオンとしては、リチウム、ナトリウム、カリウム、カルシウム、マグネシウムおよびアルミニウム、並びに無毒性の 第四級アミンカチオン(例えばアンモニウム、テトラメチルアンモニウム、テトラエチルアンモニウム、メチルアミン、ジメチルアミン、トリメチルアミン、トリエチルアミン、ジエチルアミン、エチルアミン、トリブチルアミン、ピリジン、N,N-ジメチルアニリン、N-メチルピペリジン、N-メチルモルホリン、ジクロロヘキシルアミン、プロカイン、ジベンジルアミン、N,N-ジベンジルフェネチルアミン、およびN,N'-ジベンジルエチレンジアミン)が挙げられる。塩基付加塩の形成に用いることができる他の代表的な有機アミンとしては、エチレンジアミン、エタノールアミン、ジエタノールアミン、ピペリジン、およびピペラジンが挙げられる。
治療で用いるために、治療上有効な量の式(I)の化合物、並びに医薬的に許容されるその塩を未加工の化学薬品(raw chemical)として投与することができる場合、活性成分を医薬組成物として存在させることができる。従って、本発明は、治療上有効な量の式(I)の化合物または医薬的に許容されるその塩、および1つ以上の医薬的に許容される担体、希釈剤、もしくは賦形剤を含む医薬組成物をさらに提供する。本明細書で用いる用語「治療上有効な量」は、有意義な患者利益(例えば、ウイルス量の持続的減少)を示すのに十分である各活性成分の総量を言う。単独で投与される個々の活性成分に適用する場合、該用語は成分単独の量を言う。組み合わせに適用する場合、該用語は、組み合わせて、連続して、あるいは同時に投与されるかどうかにかかわらず、治療効果をもたらす活性成分を合わせた量を言う。該式(I)の化合物および医薬的に許容されるその塩は上記の通りである。該担体、希釈剤、または賦形剤は、製剤の他の成分に適合し、そのレシピエントに有害でないという意味で許容可能でなくてはならない。本発明の別の態様によると、式(I)の化合物または医薬的に許容されるその塩を、1つ以上の医薬的に許容される担体、希釈剤、もしくは賦形剤と混合することを含む、医薬製剤の製造方法もまた提供する。本明細書において用いる用語「医薬的に許容される」は、適切な医学的判断の範囲内で、妥当な利益/リスク比に見合って、過剰な毒性、刺激、アレルギー反応、または他の問題もしくは合併症を伴わずに患者の組織に接触させて用いるのに適していて、その使用目的に有効である、化合物、物質、組成物、および/または剤形を言う。
医薬製剤は、単位用量あたり所定の量の活性成分を含む単位剤形であってもよい。本発明の化合物が1日あたり約0.01から約250ミリグラム/キログラム(「mg/kg」)体重、好ましくは1日あたり約0.05から約100mg/kg体重である投与量濃度が、HCV介在疾患の予防および治療に対する単剤療法においては典型的である。通常、本発明の医薬組成物は、1日あたり約1から約5回の投与か、あるいは持続投与され得る。そのような投与は、長期治療もしくは救急治療として用いることができる。担体材料と組み合わせて単一剤形を製造する活性成分の量は、治療する症状、症状の重篤性、投与回数、投与経路、用いた化合物の排出速度、治療期間、ならびに患者の年齢、性別、体重、および状態によって変わり得る。好ましい単位用量製剤は、本明細書において上記した、活性成分の1日量もしくはサブ用量(sub-dose)、またはその適当な画分を含むものである。通常、化合物の至適用量よりかなり少ない少用量で治療を開始する。その後、該条件下で最適な効果に達するまで投与量を少しずつ増加させる。概して、いずれの有害または有毒な副作用も伴わずに、通常の抗ウイルス効果をもたらす濃度レベルで該化合物を投与することが最も望ましい。
本発明の組成物が、本発明の化合物と1つ以上のさらなる治療薬もしくは予防薬の組み合わせを含む場合、該化合物とさらなる薬剤の両者とも、通常、単剤治療レジメンにおいて標準的に投与される用量の約10から150%、より好ましくは10から80%の用量濃度で存在する。
医薬製剤は、いずれの適当な経路、例えば経口(頬側もしくは舌下を含む)、直腸、経鼻、局所的(頬側、舌下、もしくは経皮を含む)、膣、または、非経口(皮下、皮内、筋肉内、関節内、滑液嚢内(intrasynovial)、胸骨内、髄腔内、病巣内、静脈内、または皮内注射もしくは点滴を含む)経路による投与に適応し得る。そのような製剤は、薬学の分野において公知のいずれの方法よっても(例えば活性成分と担体または賦形剤を会合させることにより)、製造され得る。経口投与または注射による投与が好ましい。
経口投与に適応した医薬製剤は、カプセル剤または錠剤; 粉末剤もしくは顆粒剤; 水性もしくは非水性液体中の液剤もしくは懸濁剤; 食用フォーム剤もしくはホイップ剤; または水中油(oil-in-water)液体エマルジョン剤もしくは油中水エマルジョン剤のような別々のユニットであってよい。
例えば、経口投与用の錠剤もしくはカプセル剤の形態における活性薬剤成分は、経口で無毒の医薬的に許容される不活性担体(例えばエタノール、グリセロール、水など)と組み合わせることができる。粉末剤は、化合物を適切な微粒子サイズに細かく粉末化し、同様に粉末化された食用炭水化物(例えばデンプンまたはマンニトール)などの医薬担体と混合することにより製造される。香味剤、保存剤、分散剤、および着色剤もまた存在し得る。
カプセル剤は、上記の粉末混合物を製造し、成型ゼラチンシース(gelatin sheath)に詰めることにより製造される。充填工程の前に、流動化剤および滑沢剤(例えばコロイド状シリカ、タルク、ステアリン酸マグネシウム、ステアリン酸カルシウム、または固体のポリエチレングリコール)を粉末混合物に添加することができる。カプセル剤が摂取される場合、崩壊剤または可溶化剤(例えば寒天、炭酸カルシウムまたは炭酸ナトリウム)を添加して、薬剤の有効性を高めることもできる。
さらに、所望される場合もしくは必要な場合、適切な結合剤、滑沢剤、崩壊剤、および着色剤を混合物に加えることもできる。適切な結合剤としては、デンプン、ゼラチン、天然糖(例えばグルコースもしくはβ-ラクトース、コーンシロップ)、天然および合成ガム(例えばアカシア、トラガカント)またはアルギン酸ナトリウム、カルボキシメチルセルロース、ポリエチレングリコールなどが挙げられる。これらの剤形に用いられる滑沢剤としては、オレイン酸ナトリウム、塩化ナトリウムなどが挙げられる。崩壊剤としては、限定はしないが、デンプン、メチルセルロース、寒天、ベントナイト、キサンタンガムなどが挙げられる。錠剤は、例えば、粉末混合物を製造し、顆粒化もしくは充填し、滑沢剤および崩壊剤を添加し、そして錠剤に圧縮することにより製剤化される。粉末混合物は、適切に粉末化された化合物と、上記の希釈剤もしくは塩基、および適宜、結合剤(例えばカルボキシメチルセルロース、アルギネート(aliginate)、ゼラチン(gelating)、もしくはポリビニルピロリドン)、溶解遅延剤(例えばパラフィン)、吸収促進剤(例えば第四級塩)および/または吸収剤(例えばベントナイト、カオリン、もしくはリン酸水素カルシウム)とを混合することにより製造される。結合剤(例えばシロップ、デンプン糊、アカシア粘液(acadia mucilage)、またはセルロース系物質もしくはポリマー系物質の溶液)で湿らせて、ふるいに押し通すことにより、粉末混合物を顆粒化することができる。顆粒化の代替法として、該粉末混合物を錠剤機に通して、不完全に成型されたスラグを得た後、顆粒に粉砕することができる。該顆粒を、ステアリン酸、ステアリン酸塩、タルク、または鉱物油の添加により滑らかにして、錠剤成形型から離れやすくすることができる。次いで、滑らかにした混合物を錠剤へと圧縮する。本発明の化合物はまた、自由流動性不活性担体と合わせて、顆粒化工程もしくは成形工程(slugging step)を経ずに直接、錠剤へと圧縮することができる。シェラックのシールコート(sealing coat)、糖もしくはポリマー材のコーティング、およびワックスの艶出しコーティングから成る、澄明もしくは不透明な保護コーティングを施すことができる。これらのコーティングに染料を添加して、異なる単位用量と区別することができる。
経口液剤(例えば液剤、シロップ剤、およびエリキシル剤)は、所定の分量が所定の量の化合物を含むように単位用量形態で製造することができる。シロップ剤は、化合物を適切に風味付けされた水溶液に溶解させることにより製造でき、一方、エリキシル剤は無毒のベヒクルを用いることにより製造される。可溶化剤および乳化剤(例えばエトキシ化 イソステリアルアルコールおよびポリオキソエチレンソルビトールエーテル)、保存剤、 香味添加剤(例えばペパーミント油あるいは天然甘味剤、またはサッカリンもしくは他の人工甘味剤など)を添加することもできる。
必要に応じて、経口投与のために単位用量製剤をマイクロカプセル化することができる。該製剤はまた、例えば、ポリマー、ワックスなどの中に粒子状物質をコーティングまたは組み込むことによって、放出を遅延もしくは持続するように製造することもできる。
式(I)の化合物、および医薬的に許容されるその塩はまた、リポソームデリバリーシステム(例えば、小型の単層ベシクル、大型の単層ベシクル、および多重層ベシクル)の形態で投与することもできる。リポソームは、リン脂質(phopholipid)、例えばコレステロール、ステアリルアミン、またはホスファチジルコリンから形成することができる。
式(I)の化合物および医薬的に許容されるその塩はまた、化合物分子が結合した個々の担体としてモノクローナル抗体を用いることによって送達してもよい。該化合物はまた、 標的化可能な薬剤担体としての可溶性ポリマーと結合してもよい。そのようなポリマーとしては、ポリビニルピロリドン、ピラン共重合体、ポリヒドロキシプロピルメタクリルアミドフェノール、ポリヒドロキシエチルアスパルトアミドフェノール、またはパリトイル(palitoyl)残基で置換されたポリエチレンオキシドポリリシンを挙げることができる。さらに、該化合物は、薬剤の制御放出を達成するのに有用な生分解性ポリマーの類、例えば、ポリ乳酸、ポリイプシロンカプロラクトン、ポリヒドロキシ酪酸、ポリオルトエステル、ポリアセタール、ポリジヒドロピラン、ポリシアノアクリレート、およびヒドロゲルの架橋もしくは両親媒性ブロック共重合体に結合していてよい。
経皮投与に適した医薬製剤は、長期間、レシピエントの表皮と密接な接触を維持することを目的とした個別のパッチであってもよい。例えば、Pharmaceutical Research 1986, 3(6), 318に一般的に記載されるように、該活性成分はイオントフォレーシスによってパッチから送達され得る。
局所投与に適した医薬製剤は、軟膏剤、クリーム剤、懸濁剤、ローション剤、粉末剤、液剤、ペースト剤、ゲル剤、スプレー剤、エアロゾル剤、または油剤として製剤化され得る。
眼または他の外部組織、例えば口および皮膚の治療用の製剤は、局所用軟膏剤もしくはクリーム剤として塗布するのが好ましい。軟膏剤に製剤化する場合、該活性成分はパラフィン系(paraffinic)または水-混和性のいずれかの軟膏基剤とともに用いられ得る。別法として、該活性成分は水中油型クリーム基剤もしくは油中水型基剤(water-in oil base)を用いてクリーム剤に製剤化され得る。
口への局所投与に適した医薬製剤としては、ドロップ剤(lozenge)、トローチ剤(pastille)、および口腔洗浄剤(mouth wash)が挙げられる。
該担体が固体である、経鼻投与に適した医薬製剤としては、例えば20〜500ミクロンの粒子サイズを有する粗粉末(course powder)が挙げられ、それは、嗅ぎ薬を摂取する方法、すなわち、鼻に近づけられた粉末剤の容器から鼻腔を介して急速吸入することにより、投与される。鼻腔用スプレーもしくは点鼻薬として投与するための、担体が液体である適切な製剤としては、活性成分の水性または油性液剤が挙げられる。
吸入による投与に適した医薬製剤としては、微粒子粉末もしくは微粒子ミストが挙げられ、それは様々なタイプの定量加圧(metered, dose pressurized)エアロゾル剤、ネブライザー、または吸入器を用いて発生され得る。
非経口投与に適した医薬製剤としては、抗酸化剤、緩衝剤、静菌剤(bacteriostat)、および製剤を対象のレシピエントの血液と等張にする塩(soute)を含み得る水性および非水性の無菌注射液剤; ならびに懸濁剤および増粘剤を含み得る水性および非水性の無菌懸濁剤が挙げられる。該製剤は、単位用量もしくは多用量(multi-dose)容器、例えば、密封アンプルおよびバイアルに入っていてよく、使用の直前に無菌の液体担体(例えば注射用の水)の添加のみを必要とする凍結乾燥状態で保存してもよい。即時調製(Extemporaneous)注射液剤および懸濁剤は、無菌粉末剤、顆粒剤、および錠剤から調製され得る。
とりわけ上述した成分に加えて、該製剤は、当該製剤のタイプに関して当分野が有する通常の他の薬剤を含んでもよい(例えば経口投与に適した製剤は香味剤を含んでもよい)ことが理解されるべきである。
該用語「治療」は: (i)疾患、障害、および/または症状に罹りやすいが、まだ罹患していると診断されていない患者において疾患、障害、または症状の発症を予防すること; (ii)疾患、障害、または症状の抑制、すなわち、その進行を止めること; および(iii) 疾患、障害、または症状を軽減すること、すなわち、疾患、障害、および/または症状の退行をもたらすことを言う。
本発明の化合物はまた、シクロスポリン、例えばシクロスポリンAとともに投与することができる。シクロスポリンAは臨床試験においてHCVに対する活性を示している(Hepatology 2003, 38, 1282; Biochem. Biophys. Res. Commun. 2004, 313, 42; J. Gastroenterol. 2003, 38, 567)。
本発明の化合物は、実験用試薬として用いてもよい。化合物は、ウイルス複製アッセイの設計、HCV疾患メカニズムの知識をさらに高めるための動物アッセイ系(animal assay system)および構造生物学研究の検証に対する研究ツールの提供において有益であり得る。さらに、本発明の化合物は、例えば競合阻害により、他の抗ウイルス性化合物の結合部位の確立または決定に有用である。
本発明の化合物はまた、物質のウイルス汚染の処置または阻止にも用いられ、その結果、例えば、血液、組織、手術器具および衣類、実験機器および衣類、並びに血液採取もしくは輸血装置および器具などに接触する検査室職員もしくは医療関係者または患者のウイルス感染リスクを減少させ得る。
本発明は、合成プロセスまたは代謝プロセス(ヒトもしくは動物の体内(in vivo)で生じるもの、あるいはin vitroで生じるプロセスを含む)により作られる、式(I)を有する化合物を包含することを意図する。
本発明は特定の実施態様に関連して記載されるが、その範囲に限定することを意図しない。それどころか、本発明は、特許請求の範囲内に含まれ得る全ての代替手段、改変、および同等物を包含する。従って、具体的な実施態様を含む以下の実施例は本発明の一実施を説明しており、それは特定の実施態様の例示目的であって、最も有用であると考えられるものを提供してその方法および概念的態様の説明を容易に理解できるようにするためのものであると解される。
(実施例)
中間体4の製造: (S)-tert-ブチル 2-(5-(4-ブロモフェニル)-1H-ピラゾール-3-イル)ピロリジン-1-カルボキシレート
工程1:4-ブロモフェニルアセチレン(1)(0.917 g, 5.06 mmol)/THF(20 mL)溶液に、0℃で、エチルマグネシウムブロミド溶液(3M/THF, 1.8 mL, 5.4 mmol)を滴加した。10分後に冷却浴を取り外し、該混合液を室温で1時間撹拌した。次いで、該反応混合液を再び0℃に冷却し、N-(tert-ブトキシカルボニル)-L-プロリン-N'-メトキシ-N'-メチルアミド(2)(0.970 g, 3.76 mmol)/THF(10 mL)溶液に添加した。該反応混合液を室温に昇温させて2時間撹拌した後、飽和NH
4Clでクエンチした。該混合液を酢酸エチル/H
2Oで希釈し、層を分離した。該水相を酢酸エチル(2x)で逆抽出し、有機層を合わせて洗浄し(H
2O、食塩水)、乾燥させ(Na
2SO
4)、濾過した。該溶媒を減圧除去し、該残渣をフラッシュクロマトグラフィー(ヘキサン:酢酸エチル, 4:1)により精製して、中間体(3)をクリーム色の固形物として得た(1.26 g, 89%)。
1H NMR (400 MHz, DMSO-d
6) δ 7.71-7.73 (m, 2H), 4.26 - 4.32 (m, 1H), 3.39 - 3.49 (m, 2H), 2.20 - 2.32 (m, 1H), 1.81 - 2.00 (m, 3H), 1.36, 1.31 (s, 9H, 2:3の比率の回転異性体); LCMS: C
18H
20BrNO
3として計算;計算値: 377; 実測値: 278 (M+H-Boc)
+.
工程2:エタノール(10 mL)中の(S)-tert-ブチル 2-(3-(4-ブロモフェニル)プロピオロイル)ピロリジン-1-カルボキシレート(3)(0.759 g, 2.01 mmol)およびヒドラジン水和物(55重量%水溶液, 0.19 mL, 2.15 mmol)の混合液を、80℃で16時間加熱した。次いで、該溶媒を除去し、該残渣を酢酸エチル/H2Oで分配した。該水相を酢酸エチル(2x)で再抽出し、有機層を合わせて洗浄し(H2O、食塩水)、乾燥させ(Na2SO4)、濾過した。該溶媒を減圧除去し、中間体(4)を無色の泡状物質として得た(0.812 g, 定量的; 1H NMRにより残余酢酸エチルの存在が示された。); 1H NMR (400 MHz, DMSO-d6) δ 13.0 (s, 0.4H), 12.8 (s, 0.6H), 7.54 - 7.73 (m, 4H), 6.50 (s, 1H), 4.8 (m, 1H), 3.50 (s, ブロード, 1H), 2.17 (s, ブロード, 1H), 1.84 - 1.88 (m, 3H), 1.38, 1.18 (s, 9H, 2:3の比率の回転異性体); LCMS: C18H22BrN3O2として計算;計算値: 391; 実測値: 392 (M+H)+。
中間体8の製造: (S)-tert-ブチル 2-(5-(4-ヨードフェニル)-1H-ピラゾール-3-イル)ピロリジン-1-カルボキシレート:
工程1:((4-ヨードフェニル)エチニル)トリメチルシラン(5)(2.07 g, 6.23 mmol)/メタノール(40 mL)溶液に、K
2CO
3(8.0 g, 57.9 mmol)を添加し、該反応液を48時間撹拌した。次いで、揮発物を減圧除去し、該残渣を酢酸エチルおよびH
2O間に分配した。層を分離し、該水相を酢酸エチル(2x)で再抽出した。有機層を合わせて洗浄し(H
2O、食塩水)、乾燥させ(Na
2SO
4)、濾過した。該溶媒を減圧除去し、該残渣を-20℃でヘキサンから結晶化させて(2クロップで)、1-エチニル-4-ヨードベンゼン(6)を無色の固形物として得た(0.92 g, 64%)。
1H NMR (400 MHz, DMSO-d
6) δ 7.66 (見かけ上のd, J=8.6 Hz, 2H), 7.20 (見かけ上のd, J=8.5 Hz, 2H), 1.54 (s, 1H).
工程2:1-エチニル-4-ヨードベンゼン6(0.908 g, 3.98 mmol)/THF(20 mL)溶液に、-78℃で、エチルマグネシウムブロミド(3M/エーテル, 1.39 mL, 4.18 mmol)を添加した。10分後、冷却浴を取り外し、該溶液を室温で1時間撹拌した。次いで、該反応混合液を再び0℃に冷却し、N-(tert-ブトキシカルボニル)-L-プロリン N'-メトキシ-N'-メチルアミド2(0.970 g, 3.76 mmol)/THF(10 mL)溶液に添加した。該反応混合液を室温に昇温させて12時間撹拌を続けた後、該混合液を飽和NH4Clでクエンチした。該混合液を酢酸エチル/H2Oで希釈し、層を分離し、該水相を酢酸エチル(2x)で再抽出した。有機層を合わせて洗浄し(H2O、食塩水)、乾燥させ(Na2SO4)、濾過し、そして該溶媒を減圧除去した。得られた残渣をフラッシュクロマトグラフィー(ヘキサン:酢酸エチル, 4:1)により生成し、(S)-tert-ブチル 2-(3-(4-ヨードフェニル)プロピオロイル)ピロリジン-1-カルボキシレート7(0.908 g, 71%)を黄色の油状物として得て、それを静置で固化させた。 1H NMR (400 MHz, CDCl3) δ 7.72 - 7.76 (m, 2H), 7.26 -7.30 (m, 2H), 4.49 (dd, J=8.8, 4.3 Hz, 0.3H), 4.29 (dd, J=8.5, 5.5 Hz, 0.7 H), 3.59 (見かけ上のt, J=6.7 Hz, 2H), 2.20 - 2.33 (m, 1H), 1.85 - 2.10 (m, 3H), 1.45, 1.40 (s, 9H, 2:3の比率の回転異性体). LCMS: C18H20INO3として計算;計算値: 425; 実測値: 326 (M+H-Boc)+.
工程3:エタノール(20 mL)中の(S)-tert-ブチル 2-(3-(4-ヨードフェニル)プロピオロイル)ピロリジン-1-カルボキシレート7(0.905 g, 2.13 mmol)およびヒドラジン(55重量%水溶液, 0.21 mL, 2.25 mmol)の溶液を85℃で3時間加熱した。次いで、該溶媒を減圧除去し、該残渣をH2O/酢酸エチルで分配した。層を分離し、該水相を酢酸エチル(2x)で再抽出し、有機層を合わせて洗浄し(H2O、食塩水)、乾燥させ(Na2SO4)、濾過した。該溶媒を減圧除去して、表題の化合物8(0.966 g, 定量的)を無色の泡状物質として得た。1H NMR (400 MHz, CDCl3) δ 7.70 (見かけ上のd, J= 8.2 Hz, 2H), 7.51 (見かけ上のd, J= 8.2 Hz, 2H), 6.36 (s, 1H), 4.94 - 5.02 (m, 1H), 3.38 - 3.55 (m, 2H), 2.25 - 2.29 (m, 2H), 1.89 - 2.05 (m, 2H). LCMS: C18H22IN3O2として計算;計算値: 439; 実測値: 340 (M+H-Boc)+.
中間体9aの製造: 4, 4'-ビス(3-((S)-ピロリジン-2-イル)-1H-ピラゾール-5-イル)ビフェニル
工程1: (S)-tert-ブチル 2-(5-(4-ブロモフェニル)-1H-ピラゾール-3-イル)ピロリジン-1-カルボキシレート(4)(0.187 g, 0.476 mmol)/THF(5 mL)溶液に、-78℃で、MeLi(1.6M/Et
2O, 0.31 mL, 0.496 mmol)を添加し、続いてtert-BuLi(1.7M/ペンタン, 0.64 mL, 1.09 mmol)を添加した。10分後、直前にTHF(2 mL)中に溶解させたZnCl
2(0.091 g, 0.668 mmol)の溶液を、カニューレを介して添加した。該溶液を30分間撹拌した後、冷却浴を取り外し、該溶液を室温に昇温させた。この混合液に、(S)-tert-ブチル 2-(5-(4-ヨードフェニル)-1H-ピラゾール-3-イル)ピロリジン-1-カルボキシレート(8)(0.305 g, 0.694 mmol)およびPd(PPh
3)
4(0.032 g, 0.0277 mmol)を添加し、該混合液をAr下において70℃で12時間加熱した。室温に冷却した後、飽和NH
4Clを添加し、該混合液を酢酸エチル/H
2Oで分配した。水相を分離し、酢酸エチル(2x)で再抽出し、有機層を合わせて洗浄し(H
2O、食塩水)、乾燥させ(Na
2SO
4)、濾過した。該溶媒を減圧除去し、該残渣をフラッシュクロマトグラフィー(0-100% 酢酸エチル-ヘキサン)により精製した後、プレパラティブHPLC(CH
3CN:H
2O:NH
4OAc)を用いて再精製して、目的の生成物(9)と出発ヨウ化アリール(8)の混合物(LCMSにより、約1:1)である油状物を得た。
1H NMR (400 MHz, CD
3OD) δ 7.80 (s, ブロード, 2H), 7.73 (s, ブロード, 2H), 7.61 - 7.66 (m, 2H), 7.52 - 7.57 (m, 2H), 6.50 (s, 2H), 4.8 (m, 2H, 溶媒により部分的に不明瞭), 3.61 - 3.63 (m, 2H), 3.47 - 3.51 (m, 2H), 2.30 - 2.35 (m, 2H), 1.93 - 2.03 (m, 6H), 1.47 (s, 6H), 1.28 (s, 12H). LCMS: C
36H
44N
6O
4として計算;計算値: 624; 実測値: 625 (M+H)
+.
中間体(9)をCH2Cl2(2 mL)およびTFA(2 mL)中に溶解させ、室温で1時間撹拌した。該溶媒を減圧除去し、該粗残渣をプレパラティブHPLC(CH3CN:H2O:TFA)により精製して、4,4'-ビス(3-((S)-ピロリジン-2-イル)-1H-ピラゾール-5-イル)ビフェニル9aのTFA塩(0.08 g, 26%)を白色の固形物として得た。 1H NMR (400 MHz, CD3OD) δ 7.81 (見かけ上のAB qのA, J=8.5 Hz, 4H), 7.78 (見かけ上のAB qのB, J=8.5 Hz, 4H), 6.80 (s, 2H), 4.78 (dd, (見かけ上のt) J=7.3, 8.1 Hz, 2H), 3.40 - 3.51 (m, 4H), 2.47 - 2.55 (m, 2H), 2.14 (m, 6H). LCMS: C28H28N6として計算;計算値: 424; 実測値: 425 (M+H)+.
中間体16の製造: (S)-tert-ブチル 2-(5-(4-(4,4,5,5-テトラメチル-1,3,2-ジオキサボロラン-2-イル)フェニル)-4H-1,2,4-トリアゾール-3-イル)ピロリジン-1-カルボキシレート.
工程1:無水HClガスを4-ヨードベンゾニトリル12(2.22 g, 9.74 mmol)/乾燥メタノール(80 mL)溶液中に、0℃で40分間バブルし、次いで該混合液を48時間撹拌した。該溶媒を減圧除去し(アルゴンを容器に再充填し、水分の導入を防いだ)、該残渣を乾燥メタノール(40 mL)中に再溶解させた。その後、該溶液をヒドラジン水和物(55重量%水溶液, 3.0 mL, 33.9 mmol)に室温で添加し、該混合液を1時間撹拌した後、該溶媒を減圧除去した。該残渣を乾燥THFでトリチュレートし、該混合液を濾過して不溶性の塩を除去した。得られた4-ヨードベンズイミドヒドラジド(13)のTHF溶液を次の工程にそのまま用いた。
工程2:-10℃に冷却した(S)-1-(tert-ブトキシカルボニル)ピロリジン-2-カルボン酸 (14)(1.81 g, 8.39 mmol)/THF(30 mL)溶液に、Ar下において、NEt3(1.2 mL, 8.6 mmol)を添加し、次いでクロロギ酸イソブチル(1.1 mL, 8.5 mmol)を添加した。該混合液を-10℃で20分間撹拌した後、Ar下で、冷却しながら濾過した。得られた溶液に、前工程で製造した4-ヨードベンズイミドヒドラジドのTHF溶液を滴加した。該反応混合液を2時間撹拌した後、該溶媒を減圧除去した。粗物質の約半分(約4.19 mmol)をキシレン(40 mL)に溶解させ、該混合液を185℃に予め加熱した油浴に設置した。30分後、該反応混合液を冷却し、該溶媒を減圧除去して該残渣をカラムクロマトグラフィー(ヘキサン:酢酸エチル, 2:1)により精製し、次いで結晶化(ヘキサン-酢酸エチル)して、(S)-tert-ブチル 2-(5-(4-ヨードフェニル)-4H-1,2,4-トリアゾール-3-イル)ピロリジン-1-カルボキシレート(15)を無色の固形物(0.438 g, 24%)として得た。 1H NMR (400 MHz, DMSO-d6) δ 13.91 (s, 1H), 7.74 - 7.88 (m, 4H), 4.84 - 4.93 (m, 1H), 3.51 - 3.55 (m, 1H), 3.33 - 3.37 (m, 1H, H2Oピークにより部分的に不明瞭), 2.21 - 2.32 (m, 1H), 1.87 - 1.91 (m, 3H), 1.38 (s, 4H), 1.13 (s, 5H). LCMS: C17H21N4O2として計算;計算値: 440; 実測値: 441 (M+H)+.
工程3:ジオキサン(5 mL)中の(S)-tert-ブチル 2-(5-(4-ヨードフェニル)-4H-1,2,4-トリアゾール-3-イル)ピロリジン-1-カルボキシレート(15)(0.210 g, 0.476 mmol)、ビス(ピナコラート)ジボロン(0.261 g, 1.03 mmol)、KOAc(0.136 g, 1.39 mmol)およびPd(PPh3)4(0.025 g, 0.0217 mmol)の溶液を、Ar気流により15分間脱気した。次いで、該混合液を85℃で12時間加熱し、その後さらに0.130 g(0.5 mmol)のビス(ピナコラート)ジボロンおよび0.012 g(0.011 mmol)のPd(PPh3)4を添加してさらに36時間加熱した。冷却した混合液を酢酸エチル/H2Oに注ぎ入れ、層を分離した。該水相を酢酸エチル(2x)で再抽出し、有機層を合わせて洗浄し(H2O、食塩水)て乾燥させ(Na2SO4)、濾過した。該溶媒を減圧除去し、該残渣をフラッシュクロマトグラフィー(ヘキサン:酢酸エチル, 1:1)により精製して、(S)-tert-ブチル 2-(5-(4-(4,4,5,5-テトラメチル-1,3,2-ジオキサボロラン-2-イル)フェニル)-4H-1,2,4-トリアゾール-3-イル)ピロリジン-1-カルボキシレート(16)(0.161 g, 77%)を無色の固形物として得た。1H NMRにより該物質には約5-10%のビス(ピナコラート)ジボロンが混入していることが示唆されたが、その後の工程にそのまま用いた。 1H NMR (400 MHz, DMSO-d6) δ 14.23 (s, 0.3H), 13.92 (s, 0.7H), 7.99 (見かけ上のAB4重線のA, d, J=7.4 Hz, 2H), 7.73 (見かけ上のAB4重線のB, d, J=7.4 Hz, 4H), 4.81 - 4.93 (m, 1H), 3.53 (s, ブロード, 1H), 3.35 - 3.39 (m, 1H), 1.38 (s, 3H), 1.30 (s, 12H), 1.13 (s, 6H).
LCMS: C23H33BN4O4として計算;計算値: 440; 実測値: 441 (M+H)+.
中間体19の製造: (S)-tert-ブチル 2-(5-(4'-(2-((S)-1-(tert-ブトキシカルボニル)ピロリジン-2-イル)-1H-イミダゾール-5-イル)ビフェニル-4-イル)-1H-ピラゾール-3-イル)ピロリジン-1-カルボキシレート
一般的方法A:DME(3 mL)およびH
2O(1 mL)の混合液中の(S)-tert-ブチル 2-(5-(4-(4,4,5,5-テトラメチル-1,3,2-ジオキサボロラン-2-イル)フェニル)-1H-イミダゾール-2-イル)ピロリジン-1-カルボキシレート(17)(スキーム9; 0.138 g, 0.314 mmol)、(S)-tert-ブチル 2-(5-(4-ヨードフェニル)-1H-ピラゾール-3-イル)ピロリジン-1-カルボキシレート8(0.141 g, 0.321 mmol)、NaHCO
3(0.110 g, 1.31 mmol)およびPd(PPh
3)
4(0.024 g, 0.0208 mmol)の混合液を、Ar下において80℃で12時間加熱した。冷却した混合液を酢酸エチル/H
2Oで希釈して層を分離し、該水相を酢酸エチル(2x)で再抽出した。有機層を合わせて洗浄し(H
2O、食塩水)て乾燥させ(Na
2SO
4)、濾過し、該溶媒を減圧除去した。得られた残渣をフラッシュクロマトグラフィー(ヘキサン:酢酸エチル, 2:1、次いで酢酸エチル:メタノール, 9:1)により精製して、(S)-tert-ブチル 2-(5-(4'-(2-((S)-1-(tert-ブトキシカルボニル)ピロリジン-2-イル)-1H-イミダゾール-5-イル)ビフェニル-4-イル)-1H-ピラゾール-3-イル)ピロリジン-1-カルボキシレート(19)(0.084 g, 43%)を黄色の固形物として得た。
1H NMR (400 MHz, DMSO-d
6) δ 13.01, 12.69, 12.20, 11.91, 11.85 (s, 1H), 7.63 - 7.85 (m, 8H), 7.50 - 7.56 (m, 1H), 6.52 (s, 1H), 4.75 - 4.94 (m, 2H), 3.42 - 3.58 (m, 2H), 3.30 - 3.39 (m, 2H, H
2Oシグナルにより部分的に不明瞭), 2.10 - 2.28 (m, 2H), 1.81 - 2.01 (m, 6H), 1.40 (s, 7H), 1.20 - 1.23 (m, 6H), 1.13 - 1.15 (m, 5H). LCMS: C
36H
44N
6O
4として計算;計算値: 624; 実測値: 625 (M+H)
+.
以下の中間体もまた、上記の一般的方法Aを用いて製造した。
中間体26の製造: (S)-4-(5-(1-(tert-ブトキシカルボニル)ピロリジン-2-イル)-1,3,4-オキサジアゾール-2-イル)フェニルボロン酸
工程1:DMF(75 mL)中の4-ヨードベンゾイルヒドラジド(22)(1.20 g, 4.58 mmol)、(S)-1-(tert-ブトキシカルボニル)ピロリジン-2-カルボン酸(14)(1.03 g, 4.79 mmol)およびi-Pr
2NEt(2.0 mL, 11.2 mmol)の溶液に、3-(ジエトキシホスホリルオキシ)-1,2,3-ベンゾトリアジン-4(3H)-オン(DEPBT)(2.00 g, 6.68 mol)を少しずつ添加した。該反応混合液を室温で2時間撹拌した後、H
2O/酢酸エチルに注ぎ入れた。層を分離した。該水相を酢酸エチル(2x)で抽出し、有機層を合わせて洗浄し(H
2O、食塩水)、乾燥させ(Na
2SO
4)、濾過した。該溶媒を減圧除去し、該残渣をフラッシュクロマトグラフィー(ヘキサン:酢酸エチル, 1:1)により精製して、ジアシルヒドラジド(23)を無色の泡状物質として得た(1.99 g, 99%)。
1H NMR (400 MHz, DMSO-d
6) δ 10.52 (s, 0.5H), 10.39 (s, 0.5H), 9.94 (d, J=7.9 Hz, 1H), 7.88 (見かけ上のdd, J=8.5, 5.2 Hz, 2H), 7.64 (見かけ上のd, J=8.5 Hz, 2H), 4.18 (特定できないddd, 1H), 3.37 - 3.43 (m, 1H), 3.24 - 3.29 (m, 1H), 2.10 - 2.17 (m, 1H), 1.75 - 1.96 (m, 3H), 1.38 (s, 4.5H), 1.37 (s, 4.5H). LCMS: C
17H
22IN
3O
4として計算;計算値: 459; 実測値: 460 (M+H)
+.
工程2: CH3CN(50 mL)中の、前工程で製造したジアシルヒドラジド(23)、PPh3(1.71 g, 6.54 mmol)およびi-Pr2NEt(2.30 mL, 12.97 mmol)の懸濁液に、室温で、ヘキサクロロエタン(1.41 g, 5.97 mmol)を添加した。該反応液を室温で1.5時間撹拌した後、該溶媒を減圧除去し、該残渣を酢酸エチル/H2Oで分配した。層を分離し、該水相を酢酸エチル(2x)で再抽出し、有機層を合わせて洗浄し(H2O、食塩水)、乾燥させた(Na2SO4)。該溶媒を減圧除去し、該残渣をカラムクロマトグラフィー(ヘキサン:酢酸エチル, 3:1)により精製して(S)-tert-ブチル 2-(5-(4-ヨードフェニル)-1,3,4-オキサジアゾール-2-イル)ピロリジン-1-カルボキシレート24(1.89 g, 99%)を無色の油状物として得た。 1H NMR (400 MHz, DMSO-d6) δ 7.98 (見かけ上のAB4重線のA, d, J=8.4 Hz, 2H), 7.74 (見かけ上のAB4重線のA, d, J=8.4 Hz, 2H), 5.02 - 5.06 (m, 1H), 3.47 - 3.53 (m, 1H), 3.36 - 3.41 (m, 1H), 2.26 - 2.32 (m, 1H), 1.91 - 2.09 (m, 3H), 1.37 (s, 4H), 1.17 (s, 5H). LCMS: C17H20IN3O3として計算;計算値: 441; 実測値: 442 (M+H)+.
工程3: ジオキサン(5 mL)中の(S)-tert-ブチル 2-(5-(4-ヨードフェニル)-1,3,4-オキサジアゾール-2-イル)ピロリジン-1-カルボキシレート(24)(0.574 g, 1.30 mmol)、ビス(ピナコラート)ジボロン(0.665 g, 2.62 mmol)、KOAc(0.641 g, 6.53 mmol)およびPd(PPh3)4(0.076 g, 0.0658 mmol)の混合液を、Ar気流により15分間脱気した。次いで、該混合液を100℃で12時間加熱し、室温に冷却して酢酸エチル/H2Oに注ぎ入れた。層を分離し、該水相を酢酸エチル(2x)で再抽出し、有機層を合わせて洗浄して(H2O、食塩水)乾燥させ(Na2SO4)、濾過した。該溶媒を減圧除去し、該残渣をフラッシュクロマトグラフィー(ヘキサン:酢酸エチル, 1:1)により精製して、表題のボロン酸エステル(25)とボロン酸(26)の混合物を得た。この混合物をプレパラティブHPLC(CH3CN:H2O:TFA)により再精製して、(S)-4-(5-(1-(tert-ブトキシカルボニル)ピロリジン-2-イル)-1,3,4-オキサジアゾール-2-イル)フェニルボロン酸26を無色の固形物として得た(0.101 g, 22%)。 1H NMR (400 MHz, DMSO-d6) δ 8.31 (s, ブロード, 2H), 7.94 - 8.00 (m, 4H), 5.03 - 5.10 (m, 1H), 3.37 - 3.42 (m, 2H), 2.31 - 2.40 (m, 1H), 1.92 - 2.04 (m, 3H). 1.38 (s, 3H), 1.18 (s, 6H); LCMS: C17H22BN3O5として計算;計算値: 359; 実測値: 360 (M+H)+.
中間体29の製造: (S)-tert-ブチル 2-(5-(4'-(5-((S)-1-(tert-ブトキシカルボニル)ピロリジン-2-イル)-1,3,4-オキサジアゾール-2-イル)ビフェニル-4-イル)-1H-イミダゾール-2-イル)ピロリジン-1-カルボキシレート
DME(3 mL)およびH
2O(1 mL)の混合液中の、(S)-4-(5-(1-(tert-ブトキシカルボニル)ピロリジン-2-イル)-1,3,4-オキサジアゾール-2-イル)フェニルボロン酸(27)(0.090 g, 0.251 mmol)、(S)-tert-ブチル 2-(5-(4-ブロモフェニル)-1H-イミダゾール-2-イル)ピロリジン-1-カルボキシレート(28)(スキーム9; 0.098 g, 0.250 mmol)、NaHCO
3(0.076 g, 0.906 mmol)およびPd(PPh
3)
4(0.019 g, 0.016 mmol)の混合液をAr気流により15分間脱気した後、該混合液を80℃で12時間加熱した。冷却した混合液を酢酸エチル/H
2Oで希釈し、層を分離して該水相を酢酸エチル(2x)で再抽出した。有機層を合わせて洗浄し(H
2O、食塩水)、乾燥させて(Na
2SO
4)濾過し、該溶媒を減圧除去した。該残渣をプレパラティブHPLC(CH
3CN:H
2O:NH
4OAc)により精製して、表題の化合物29(0.045 g, 29%)を淡黄色のガラス状物質として得た。 LCMS: C
35H
42N
6O
5として計算;計算値: 626; 実測値: 627 (M+H)
+.
実施例30の製造: ジメチル-(1R,1'R)-2,2'-((2S,2'S)-2,2'-(5,5'-(ビフェニル-4,4'-ジイル)ビス(1H-ピラゾール-5,3-ジイル))ビス(ピロリジン-2,1-ジイル))ビス(2-オキソ-1-フェニルエタン-2,1-ジイル)ジカルバメート
一般的方法 B: (2S,2'S)-tert-ブチル 2,2'-(5,5'-(ビフェニル-4,4'-ジイル)ビス(1H-ピラゾール-5,3-ジイル))ジピロリジン-1-カルボキシレート(9)(0.080 g, 0.12 mmol)/CH
2Cl
2(2.5 mL)溶液をTFA(2.5 mL)で処理した。該混合液を室温で1時間撹拌した後、該溶媒を減圧除去した。該残渣をプレパラティブHPLC(CH
3CN:H
2O:TFA)により精製して、4,4'-ビス(3-((S)-ピロリジン-2-イル)-1H-ピラゾール-5-イル)ビフェニル(9a)のTFA塩を無色の固形物として得た(0.080 g, 19%)。
1H NMR (400 MHz, CD
3OD) δ 7.81 (見かけ上のAB4重線のA, d, J=8.6 Hz, 4H) 7.78 (見かけ上のAB4重線のB, d, J=8.6 Hz, 4H), 6.80 (s, 2H), 4.78 (見かけ上のt, J=7.3, 8.1 Hz, 2H), 3.41 - 3.50 (m, 4H), 2.48 - 2.55 (m, 2H), 2.14 - 2.37 (m, 6H). LCMS: C
26H
28N
6として計算;計算値: 424; 実測値: 425 (M+H)
+.
DMF(2mL)中の4,4'-ビス(3-((S)-ピロリジン-2-イル)-1H-ピラゾール-5-イル)ビフェニル(9a)(0.040 g, 0.0613 mmol)のTFA塩、(R)-2-(メトキシカルボニルアミノ)-2-フェニル酢酸cap-4(0.033 g, 0.158 mmol)およびHATU(0.061 g, 0.160 mmol)の溶液に、室温で、i-Pr2NEt(0.21 mL, 1.23 mmol)を添加した。該混合液を室温で4時間撹拌した後、該粗反応混合液をプレパラティブHPLC(CH3CN:H2O:TFA)により直接精製し、次いでプレパラティブHPLC(CH3CN:H2O:NH4OAc)により再精製して、表題の化合物(30)(0.014 g, 29%)を白色の綿毛状の固形物として得た。 1H NMR (400 MHz, DMSO-d6) δ 13.05 - 13.30 (m, 1H), 12.63 - 12.85 (m, 1H), 7.73 - 7.81 (m, 9H), 7.30 - 7.43 (m, 8H), 7.03 (s, ブロード, 1H), 6.93 (m, 0.7H), 6.76 (s, 0.3H), 6.62 (s, 0.7H), 6.43 (s, 0.3H), 5.87 (s, 0.5H), 5.44 - 5.49 (m, 2H), 5.31 (s, ブロード, 0.5H), 5.05 - 5.18 (m, 1.7H), 4.71 - 4.73 (m, 0.3H), 3.91 (s, 1H), 3.71 - 3.75 (m, 1H), 3.55 (s, 3H), 3.53 (s, 3H), 3.53 (m, 不明瞭, 1H), 3.18 (s, 1H), 1.88 - 2.01 (m, 8H).
LCMS: C46H46N8O6として計算;計算値: 809; 実測値: 810 (M+H)+.
以下の実施例もまた、一般的方法Bおよび適当なカルボン酸を用いて製造した。
中間体17の製造: (S)-tert-ブチル 2-(5-(4-(4,4,5,5-テトラメチル-1,3,2-ジオキサボロラン-2-イル)フェニル)-1H-イミダゾール-2-イル)ピロリジン-1-カルボキシレート
工程1:N,N-ジイソプロピルエチルアミン(18 mL, 103.3 mmol)を、N-Boc-L-プロリン14(7.139 g, 33.17 mmol)、HATU(13.324 g, 35.04 mmol)、2-アミノ-1-(4-ブロモフェニル)エタノンのHCl塩(8.127 g, 32.44 mmol)、およびDMF(105 mL)の不均一な混合液に15分かけて滴加し、周囲条件で55分間撹拌した。ほとんどの揮発性成分を減圧除去し、得られた残渣を酢酸エチル(300 mL)と水(200 mL)間に分配した。該有機層を水(200 mL)および食塩水で洗浄し、乾燥させ(MgSO
4)、濾過し、減圧濃縮した。該残渣からシリカゲルメッシュを調製し、フラッシュクロマトグラフィー(シリカゲル; 50-60%酢酸エチル/ヘキサン)で処理してケトアミド(36)を白色の固形物として得た(12.8 g)。
1H NMR (DMSO-d
6, δ=2.5 ppm, 400 MHz): δ 8.25-8.14 (m, 1H), 7.92 (ブロードのd, J=8.0, 2H), 7.75 (ブロードのd, J=8.6, 2H), 4.61 (dd, J=18.3, 5.7, 1H), 4.53 (dd, J=18.1, 5.6, 1H), 4.22-4.12 (m, 1H), 3.43-3.35 (m, 1H), 3.30-3.23 (m, 1H), 2.18-2.20 (m, 1H), 1.90-1.70 (m, 3H), 1.40/1.34 (2つの見かけ上のブロードのs, 9H). LC/MS: [M+Na]
+ C
18H
23BrN
2NaO
4として計算;計算値: 433.07; 実測値 433.09.
工程2:キシレン(155 mL)中のケトアミド(36)(12.8 g, 31.12 mmol)およびNH4OAc(12.0 g, 155.7 mmol)の混合液を、密閉チューブにおいて140℃で2時間加熱した。該揮発性成分を減圧除去し、該二相系を振盪させた後、十分な飽和NaHCO3溶液を添加して水相のpHをわずかに塩基性にすることにより、該残渣を慎重に酢酸エチルと水間に分配した。層を分離し、該水層をさらなる酢酸エチルで抽出した。有機相を合わせて食塩水で洗浄し、乾燥させ(MgSO4)、濾過し、減圧濃縮した。得られた物質を酢酸エチル/ヘキサンから再結晶化させて2クロップのイミダゾール(28)を淡黄色の濃厚な固形物として得た(重量5.85 g)。該母液を減圧濃縮し、フラッシュクロマトグラフィー(シリカゲル; 30%酢酸エチル/ヘキサン)で処理して、さらに2.23 gのイミダゾール(28)を得た。 1H NMR (DMSO-d6, δ=2.5 ppm, 400 MHz): δ 12.17/11.92/11.86 (m, 1H), 7.72-7.46/7.28 (m, 5H), 4.86-4.70 (m, 1H), 3.52 (見かけ上のブロードのs, 1H), 3.36 (m, 1H), 2.30-1.75 (m, 4H), 1.40/1.15 (見かけ上のブロードのs, 9H). LC/MS: [M+H]+ C18H23BrN3O2として計算;計算値: 392.10; 実測値 391.96; HRMS: [M+H]+ C18H23BrN3O2として計算;計算値: 392.0974; 実測値 392.0959.
(28)の2つサンプルの光学純度を、以下に記載のキラルHPLC条件を用いて評価した(合わせたクロップについてはee>99%; フラッシュクロマトグラフィーからのサンプルについてはee=96.7%)。
カラム: Chiralpak AD, 10 μm, 4.6 x 50 mm
溶媒: 2%エタノール/ヘプタン(イソクラティック)
流速: 1 mL/分
波長: 220または254 nmのいずれか
相対保持時間: 2.83分(R), 5.34分(S)
工程3:Pd(Ph3P)4(469 mg, 0.406 mmol)を、ブロミド(28)(4.008 g, 10.22 mmol)、ビス(ピナコラート)ジボロン(5.422 g, 21.35 mmol)、酢酸カリウム(2.573g, 26.21 mmol)および1,4-ジオキサン(80 mL)の混合液を含有する耐圧管に添加した。該反応フラスコを窒素でパージし、蓋をして、油浴を用いて80℃で16.5時間加熱した。該反応混合液を濾過し、該濾液を減圧濃縮した。該粗物質を、CH2Cl2(150 mL)および水性媒体(50 mL水+10 mL飽和NaHCO3溶液)間に慎重に分配した。該水層をCH2Cl2で抽出し、有機相を合わせて乾燥させ(MgSO4)、濾過し、減圧濃縮した。得られた物質をフラッシュクロマトグラフィー(サンプルは溶出溶媒;20-35%酢酸エチル/CH2Cl2と共にロードした)で精製し、ピナコールが混入したボロネート(17)をオフホワイト色の濃厚な固形物として得た;ピナコールに対する(17)の相対モル比は約10:1(1H NMR)。高真空への曝露の〜2.5日後の該サンプルの重量は3.925 gであった。 1H NMR (DMSO-d6, δ=2.5 ppm, 400 MHz): 12.22/11.94/ 11.87 (m, 1H), 7.79-7.50/ 7.34-7.27 (m, 5H), 4.86-4.70 (m, 1H), 3.52 (見かけ上のブロードのs, 1H), 3.36 (m, 1H), 2.27-1.77 (m, 4H), 1.45-1.10 (m, 21H). LC/MS: [M+H]+ C24H35BN3O4として計算;計算値: 440.27; 実測値 440.23.
実施例37の製造
工程1: (S)-tert-ブチル 2-(2-(4-ブロモフェニル)-2-オキソエチルカルバモイル)ピロリジン-1-カルボキシレートの製造:
DMF(20 mL)中の2-アミノ-1-(4-ブロモフェニル)エタノン塩酸塩(1.10 g, 4.39 mmol)、(S)-1-(tert-ブトキシカルボニル)ピロリジン-2-カルボン酸(1.02 g, 4.73 mmol)、およびジイソプロピルエチルアミン(3.10 mL, 17.4 mmol)の溶液に、3-(ジエトキシホスホリルオキシ)-(1,2,3)-ベンゾトリアジン-4(3H)-オン(DEPBT, 2.0 g, 6.68 mmol)を添加し、該溶液を2時間撹拌した。該混合液をH
2O-酢酸エチルに注ぎ入れ、層を分離した。該水相を酢酸エチルで2度抽出し、有機層を合わせて洗浄し(H
2O x 2、食塩水)、乾燥させ(Na
2SO
4)、濾過した。該溶媒を減圧除去し、該残渣をフラッシュカラムクロマトグラフィー(1:1 ヘキサン:酢酸エチル)により精製して、(S)-tert-ブチル 2-(2-(4-ブロモフェニル)-2-オキソエチルカルバモイル)ピロリジン-1-カルボキシレート(1.02 g, 56%)を無色の泡状物質として得た。
1HNMR (400 MHz, DMSO-d
6) δ 8.16 - 8.21 (m, 1H), 7.90 - 7.92 (m, 2H), 7.73 - 7.75 (m, 2H), 4.59 (dd, J = 5.7, 18.4 Hz, 1H), 4.51 (dd, J = 5.7, 18.4 Hz, 1H), 4.13 - 4.19 (m, 1H), 3.24 - 3.27 (m, 2H, H
2Oにより部分的に不明瞭), 2.05 - 2.12 (m, 1H), 1.74 - 1.81 (m, 3H), 1.39 (s, 3H), 1.33 (3, 6H); LCMS: C
18H
23BrN
2O
4として計算;計算値: 410; 実測値: 411 (M+H)
+.
工程2: (S)-tert-ブチル 2-(5-(4-ブロモフェニル)オキサゾール-2-イル)ピロリジン-1-カルボキシレートの製造:
CH
3CN(30 mL)中の、工程1(1.00 g, 2.43 mmol)の生成物、PPh
3(1.00 g, 3.71mmol)およびジイソプロピルエチルアミン(1.3 mL, 7.28 mmol)の溶液に、固体としてのヘキサクロロエタン(0.812 g, 3.43 mmol)を少しずつ添加した。該混合液を12時間撹拌した。TLC(3:1 ヘキサン:酢酸エチル)により出発物質の存在が示された。そこで、さらなるPPh
3(0.65 g, 2.43 mmol)およびヘキサクロロエタン(0.575 g, 2.43 mmol)を添加し、4時間撹拌を続けた。該溶媒を減圧除去し、該残渣を酢酸エチル-H
2Oで希釈して、層を分離した。該水相を酢酸エチルで2度抽出し、有機層を合わせて洗浄し(H
2O, 食塩水)、乾燥させ(Na
2SO
4)、濾過した。該溶媒を減圧除去し、該残渣をフラッシュカラムクロマトグラフィー(3:1 ヘキサン:酢酸エチル)により精製して、(S)-tert-ブチル 2-(5-(4-ブロモフェニル)オキサゾール-2-イル)ピロリジン-1-カルボキシレート(0.605 g, 63%)を得た。
1HNMR (400 MHz, DMSO-d
6) δ 7.60 - 7.68 (m, 5H), 4.80 - 4.91 (m, 1H), 3.46 - 3.51 (m, 1H), 3.33 - 3.39 (m, 1H), 2.18 - 2.31 (m, 1H), 1.84 - 1.99 (m, 3H), 1.36 (s, 4H), 1.15 (s, 5H). LCMS: C
18H
21BrN
2O
3として計算;計算値: 392; 実測値: 393 (M+H)
+.
工程3: (S)-tert-ブチル 2-(5-(4-(4,4,5,5-テトラメチル-1,3,2-ジオキサボロラン-2-イル)フェニル)オキサゾール-2-イル)ピロリジン-1-カルボキシレートの製造:
ジオキサン(20 ml)中の、工程2の生成物(0.60 g, 1.53 mmol)、ビス(ピナコラート)ジボロン(0.98 g, 3.84 mmol)、KOAc(0.54 g, 5.48 mmol)およびPd(PPh
3)
4(0.10 g, 0.087 mmol)の混合液を100℃で12時間加熱した。該混合液をH
2O-酢酸エチルに注ぎ入れ、層を分離した。該水相を酢酸エチルで2度抽出し、有機層を合わせて洗浄し(H
2O、食塩水)、乾燥させ(Na
2SO
4)、濾過した。該溶媒を減圧除去し、該残渣をフラッシュカラムクロマトグラフィー(2:1 ヘキサン: 酢酸エチル)により精製して、(S)-tert-ブチル 2-(5-(4-(4,4,5,5-テトラメチル-1,3,2-ジオキサボロラン-2-イル)フェニル)オキサゾール-2-イル)ピロリジン-1-カルボキシレートを淡いオレンジ色の油状物として得て(742 mg, >100%)、それには約5-10%のトリフェニルホスフィンオキシドが混入していることが、
1H NMRにより示された。該物質をその後の工程にそのまま用いた。 LCMS: C
24H
33BN
2O
5として計算;計算値: 440; 実測値: 441 (M+H)
+.
工程4: (S)-tert-ブチル 2-(5-(4'-(5-((S)-1-(tert-ブトキシカルボニル)ピロリジン-2-イル)-1H-イミダゾール-2-イル)ビフェニル-4-イル)オキサゾール-2-イル)ピロリジン-1-カルボキシレートの製造:
DME:H
2O(3:1, 20 mL)中の、工程3の生成物(0.72 g, 1.63 mmol)、工程2の生成物(0.64 g, 1.63 mmol)、Pd(PPh
3)
4(0.094 g, 0.08 mmol)、およびNaHCO
3(0.41 g, 4.89 mmol)の混合液を、90℃で12時間加熱した。該混合液をH
2O-酢酸エチルに注ぎ入れ、層を分離した。該水相を酢酸エチルで2度抽出し、有機層を合わせて洗浄し(H
2O、食塩水)、乾燥させ(Na
2SO
4)、濾過した。該溶媒を減圧除去し、該残渣をフラッシュカラムクロマトグラフィー(4:1 ヘキサン:酢酸エチル、次いで酢酸エチル)により精製して、(S)-tert-ブチル 2-(5-(4'-(5-((S)-1-(tert-ブトキシカルボニル)ピロリジン-2-イル)-1H-イミダゾール-2-イル)ビフェニル-4-イル)オキサゾール-2-イル)ピロリジン-1-カルボキシレートを淡黄色のガラス状物質として得た(431 mg, 42%)。
1HNMR (400 MHz, DMSO-d
6) δ 11.85 - 12.21 (m, 1H), 7.66 - 7.84 (m, 9H), 7.01 - 7.84 (m, 1H), 4.74 - 5.05 (m, 2H), 3.48 - 3.54 (m, 2H), 3.35 - 3.40 (m, 2H), 2.13 - 2.34 (m, 2H), 1.82 - 2.02 (m, 6H), 1.39 (s, 6H), 1.18 (s, 6H), 1.16 (s, 3H), 1.14 (s, 3H) LCMS: C
36H
43N
5O
5として計算;計算値: 625; 実測値: 626 (M+H)
+.
工程5: 2-((S)-ピロリジン-2-イル)-5-(4'-(5-((S)-ピロリジン-2-イル)-1H-イミダゾール-2-イル)ビフェニル-4-イル)オキサゾールの製造
5 mLのメタノール中の(S)-tert-ブチル 2-(5-(4'-(2-((S)-1-(tert-ブトキシカルボニル)ピロリジン-2-イル)-1H-イミダゾール-5-イル)ビフェニル-4-イル)オキサゾール-2-イル)ピロリジン-1-カルボキシレート(313 mg, 0.500 mmol)に、HCl/ジオキサン(5 ml, 20.00 mmol)を周囲温度で添加した。30分後、該溶液は黄色で不均一となった。2時間後、LC/MSによる分析により、反応が完了したことが示された。該反応混合液を20 mLジエチルエーテルで希釈し、濾過して淡いオレンジ色の固形物を得て、それを高真空下で乾燥させて240mgの目的の生成物をトリス-HCl塩として得た。
1H NMR (500 MHz, DMSO-d
6) δ ppm 1.93 - 2.23 (m, 5 H) 2.26 - 2.47 (m, 6 H) 2.63 (s, 1 H) 4.81 - 4.92 (m, 1 H) 4.97 (t, J=6.56 Hz, 1 H) 7.77 - 8.01 (m, 10 H) LCMS: C
36H
43N
5O
5として計算;計算値: 426; 実測値: 427 (M+H)
+.
工程6: 実施例37の製造
DMF(1.5 mL)中の工程5の生成物(50 mg, 0.93 mmol)およびCap-51(36.0 mg, 0.21 mmol)の溶液に、ジイソプロピルエチルアミン(98 μl, 0.56 mmol)を添加し、続いてHATU(78 mg, 0.206 mmol)を添加した。16時間後、該反応混合液を濃縮してプレパラティブHPLCで精製した。LC/MSによるアッセイで目的のピークを有する該フラクションを、Oasis MCXカートリッジ(メタノールで予めコンディショニングした)に通し、メタノールで洗浄し、NH
3/メタノールで溶出した。減圧濃縮して、75mgの実施例37を無色の泡状物質として得た。
1H NMR (500 MHz, DMSO-d
6) δ ppm 0.75 - 1.01 (m, 12 H) 1.76 - 2.32 (m, 10 H) 3.54 (s, 6 H) 3.73 - 3.93 (m, 4 H) 4.00 - 4.14 (m, J=9.16 Hz, 2 H) 5.00 - 5.21 (m, 2 H) 7.22 - 7.42 (m, J=43.03 Hz, 2 H) 7.46 - 7.96 (m, 10 H). LC/MS: C
40H
49N
7O
7として計算;計算値: 740; 実測値:741 (M+H)
+.
実施例38を、2-((S)-ピロリジン-2-イル)-5-(4'-(5-((S)-ピロリジン-2-イル)-1H-イミダゾール-2-イル)ビフェニル-4-イル)オキサゾールおよびCap 52で開始する同様の方法で製造した。
1H NMR (500 MHz, DMSO-d
6) δ ppm 1.03 - 1.16 (m, 6 H) 1.90 - 2.32 (m, 8 H) 3.16 - 3.21 (m, 3 H) 3.23 (s, 3 H) 3.38 - 3.52 (m, 3 H) 3.79 - 3.93 (m, 4 H) 4.24 - 4.37 (m, 2 H) 5.07 (dd, J=7.17, 3.51 Hz, 1 H) 5.15 (dd, J=8.09, 3.51 Hz, 1 H) 7.24 - 7.30 (m, 1 H) 7.36 (d, J=7.63 Hz, 1 H) 7.54 (d, J=1.53 Hz, 1 H) 7.60 - 7.64 (m, 1 H) 7.67 - 7.76 (m, 4 H) 7.75 - 7.87 (m, 4 H). LC/MS: C
40H
49N
7O
9として計算;計算値: 772; 実測値:773 (M+H)
+.
LC条件(他に記載のない限り)
条件 I
カラム = Phenomenex-Luna 3.0X 50 mm S10
開始%B = 0
最終%B = 100
グラジエント時間 = 2分
停止時間 = 3分
流速 = 4 mL/分
波長 = 220 nm
溶媒A = 0.1%TFA/10%メタノール/90%H2O
溶媒B = 0.1%TFA/90%メタノール/10%H2O
条件 II
カラム = Phenomenex-Luna 4.6X50 mm S10
開始%B = 0
最終%B = 100
グラジエント時間 = 2分
停止時間 = 3分
流速 = 5 mL/分
波長 = 220 nm
溶媒A = 0.1%TFA/10%メタノール/90%H2O
溶媒B = 0.1%TFA/90%メタノール/10%H2O
条件III
カラム = HPLC XTERRA C18 3.0 x 50mm S7
開始%B = 0
最終%B = 100
グラジエント時間 =3分
停止時間 = 4分
流速 = 4 mL/分
波長 = 220 nm
溶媒A = 0.1%TFA/10%メタノール/90%H2O
溶媒B = 0.1%TFA/90%メタノール/10%H2O
共通のピロリジンcapの合成
Cap-1
10% Pd/C(2.0g)/メタノール(10 mL)懸濁液を、(R)-2-フェニルグリシン(10g, 66.2 mmol)、ホルムアルデヒド(33 mLの37重量%/水)、1N HCl(30 mL)およびメタノール(30 mL)の混合液に添加し、H
2(60 psi)で3時間処理した。該反応混合液を珪藻土(セライト(登録商標))により濾過し、該濾液を減圧濃縮した。得られた粗物質をイソプロパノールから再結晶化して、Cap-1のHCl塩を白色の針状結晶物として得た(4.0 g)。施光度: -117.1° [H
2O中にc=9.95 mg/mL; λ=589 nm].
1H NMR (DMSO-d
6, δ=2.5 ppm, 500 MHz): δ 7.43-7.34 (m, 5H), 4.14 (s, 1H), 2.43 (s, 6H); LC (条件 I): RT=0.25; LC/MS: [M+H]
+ C
10H
14NO
2として計算;計算値:180.10; 実測値 180.17; HRMS: [M+H]
+ C
10H
14NO
2として計算;計算値:180.1025; 実測値 180.1017.
Cap-2
NaBH
3CN(6.22g, 94 mmol)を、(R)-2-フェニルグリシン(6.02 g, 39.8 mmol)およびメタノール(100 mL)の冷却した(氷/水)混合液に、数分かけて少しずつ添加し、5分間撹拌した。アセトアルデヒド(10 mL)を10分かけて滴加し、同じ冷却温度で45分間、周囲温度で〜6.5時間撹拌を続けた。該反応混合液を氷-水浴で冷却し戻し、水(3 mL)で処理し、次いで、該混合液のpHが〜1.5-2.0になるまで、〜45分かけて濃HClを滴加することによりクエンチした。該冷却浴を取り外し、該混合液のpHが1.5-2.0前後で維持されるように濃HClを添加しながら、撹拌を続けた。該反応混合液を終夜撹拌し、濾過して白色の懸濁を除去し、該濾液を減圧濃縮した。該粗物質をエタノールから再結晶化して、Cap-2のHCl塩を輝く白色の固形物として2クロップで得た(クロップ-1: 4.16 g; クロップ-2: 2.19 g)。
1H NMR (DMSO-d
6, δ=2.5 ppm, 400 MHz): 10.44 (1.00, ブロードのs, 1H), 7.66 (m, 2H), 7.51 (m, 3H), 5.30 (s, 1H), 3.15 (ブロードのm, 2H), 2.98 (ブロードのm, 2H), 1.20 (見かけ上のブロードのs, 6H). クロップ-1: [α]
25 -102.21° (c=0.357, H
2O); クロップ-2: [α]
25 -99.7° (c=0.357, H
2O). LC (条件 I): 保持時間=0.43分; LC/MS: [M+H]
+ C
12H
18NO
2として計算;計算値: 208.13; 実測値 208.26
Cap-3
(R)-2-フェニルグリシン(3.096g, 20.48 mmol)、1N HCl(30 mL)およびメタノール(40 mL)の冷却した(〜15℃)混合液に、アセトアルデヒド(5.0 mL, 89.1 mmol)、およびメタノール/H
2O(4mL/1 mL)中の10% Pd/C(720 mg)懸濁液を連続的に添加した。該冷却浴を取り外し、該反応混合液をH
2のバルーン下で17時間撹拌した。さらなるアセトアルデヒド(10 mL, 178.2 mmol)を添加して、H
2雰囲気下で24時間撹拌を続けた[注:H
2の供給は該反応の間中、必要に応じて補った]。該反応混合液を、珪藻土(セライト(登録商標))を通して濾過し、該濾液を減圧濃縮した。得られた粗物質をイソプロパノールから再結晶化して(R)-2-(エチルアミノ)-2-フェニル酢酸HCl塩を輝く白色の固形物として得た(2.846g)。
1H NMR (DMSO-d
6, δ=2.5 ppm, 400 MHz): δ 14.15 (ブロードのs, 1H), 9.55 (ブロードのs, 2H), 7.55-7.48 (m, 5H), 2.88 (ブロードのm, 1H), 2.73 (ブロードのm, 1H), 1.20 (見かけ上のt, J=7.2, 3H). LC (条件 I): 保持時間=0.39分; >95% 均一性指数; LC/MS: [M+H]
+ C
10H
14NO
2として計算;計算値: 180.10; 実測値 180.18.
(R)-2-(エチルアミノ)-2-フェニル酢酸/HCl(1.492g, 6.918 mmol)、ホルムアルデヒド(20 mLの37重量%/水)、1N HCl(20 mL)およびメタノール(23 mL)の混合液に、メタノール/H2O(3 mL/1 mL)中の10% Pd/C(536 mg)懸濁液を添加した。該反応混合液をH2のバルーン下で〜72時間撹拌した(H2の供給は必要に応じて補った)。該反応混合液を珪藻土(セライト(登録商標))により濾過し、該濾液を減圧濃縮した。得られた粗物質をイソプロパノール(50 mL)から再結晶化して、Cap-3のHCl塩を白色の固形物として得た(985 mg)。 1H NMR (DMSO-d6, δ=2.5 ppm, 400 MHz): δ 10.48 (ブロードのs, 1H), 7.59-7.51 (m, 5H), 5.26 (s, 1H), 3.08 (見かけ上のブロードのs, 2H), 2.65 (ブロードのs, 3H), 1.24 (ブロードのm, 3H). LC (条件 I): 保持時間=0.39分; >95% 均一性指数; LC/MS: [M+H]+ C11H16NO2として計算;計算値: 194.12; 実測値 194.18; HRMS: [M+H]+ C11H16NO2として計算;計算値: 194.1180; 実測値 194.1181.
Cap-4
冷却した(氷/水)、(R)-tert-ブチル 2-アミノ-2-フェニルアセテート/HCl(9.877 g, 40.52 mmol)およびジイソプロピルエチルアミン(14.2 mL, 81.52 mmol)のTHF(410 mL)半溶液に、ClCO
2Me(3.2 mL, 41.4 mmol)を6分かけて滴加し、同様の温度で5.5時間撹拌した。該揮発性成分を減圧除去し、該残渣を水(100 mL)および酢酸エチル(200 mL)間に分配した。該有機層を1N HCl(25 mL)および飽和NaHCO
3溶液(30 mL)で洗浄し、乾燥させ(MgSO
4)、濾過し、減圧濃縮した。得られた無色の油状物をヘキサンからトリチュレートし、濾過してヘキサン(100 mL)で洗浄し、(R)-tert-ブチル 2-(メトキシカルボニルアミノ)-2-フェニルアセテートを白色の固形物として得た(7.7 g)。
1H NMR (DMSO-d
6, δ=2.5 ppm, 400 MHz): 7.98 (d, J=8.0, 1H), 7.37-7.29 (m, 5H), 5.09 (d, J=8, 1H), 3.56 (s, 3H), 1.33 (s, 9H). LC (条件 I): 保持時間=1.53分; 〜90% 均一性指数; LC/MS: [M+Na]
+ C
14H
19NNaO
4として計算;計算値: 288.12; 実測値 288.15.
冷却した(氷/水)上記生成物のCH2Cl2(160 mL)溶液に、TFA(16 mL)を7分かけて滴加し、該冷却浴を取り外して該反応混合液を20分間撹拌した。脱保護がまだ完了していなかったので、さらなるTFA(1.0 mL)を添加してさらに2時間撹拌を続けた。該揮発性成分を減圧除去し、得られた残渣をジエチルエーテル(15 mL)およびヘキサン(12 mL)で処理して、沈殿物を得た。該沈殿物を濾過して、ジエチルエーテル/ヘキサン(〜1:3の比; 30 mL)で洗浄し、減圧乾燥させて、Cap-4を綿毛状の白色の固形物として得た(5.57 g)。施光度: -176.9° [H2O中にc=3.7 mg/mL; λ=589 nm]. 1H NMR (DMSO-d6, δ=2.5 ppm, 400 MHz): δ 12.84 (ブロードのs, 1H), 7.96 (d, J=8.3, 1H), 7.41-7.29 (m, 5H), 5.14 (d, J=8.3, 1H), 3.55 (s, 3H). LC (条件 I): 保持時間=1.01分; >95% 均一性指数; LC/MS: [M+H]+ C10H12NO4として計算;計算値:210.08; 実測値 210.17; HRMS: [M+H]+ C10H12NO4として計算;計算値: 210.0766; 実測値 210.0756.
Cap-5
エタノール(40 mL)中の、(R)-2-フェニルグリシン(1.0 g, 6.62 mmol)、1,4-ジブロモブタン(1.57 g, 7.27 mmol)およびNa
2CO
3(2.10 g, 19.8 mmol)の混合液を100℃で21時間加熱した。該反応混合液を周囲温度に冷却して濾過し、該濾液を減圧濃縮した。該残渣をエタノールに溶解させ、1N HClでpH3-4に酸性化し、該揮発性成分を減圧除去した。得られた粗物質を逆相HPLC(水/メタノール/TFA)により精製して、Cap-5のTFA塩を半-粘稠性の白色の泡状物質として得た(1.0 g)。
1H NMR (DMSO-d
6, δ=2.5, 500 MHz) δ 10.68 (ブロードのs, 1H), 7.51 (m, 5H), 5.23 (s, 1H), 3.34 (見かけ上のブロードのs, 2H), 3.05 (見かけ上のブロードのs, 2H), 1.95 (見かけ上のブロードのs, 4H); 保持時間=0.30分 (条件 I); >98% 均一性指数; LC/MS: [M+H]
+ C
12H
16NO
2として計算;計算値: 206.12; 実測値 206.25.
Cap-6
Cap-6のTFA塩を、Cap-5の製造方法を用いて、(R)-2-フェニルグリシンおよび1-ブロモ-2-(2-ブロモエトキシ)エタンから合成した。
1H NMR (DMSO-d
6, δ=2.5, 500 MHz) δ 12.20 (ブロードのs, 1H), 7.50 (m, 5H), 4.92 (s, 1H), 3.78 (見かけ上のブロードのs, 4H), 3.08 (見かけ上のブロードのs, 2H), 2.81 (見かけ上のブロードのs, 2H); 保持時間=0.32分 (条件 I); >98%; LC/MS: [M+H]
+ C
12H
16NO
3として計算;計算値: 222.11; 実測値 222.20; HRMS: [M+H]
+ C
12H
16NO
3として計算;計算値: 222.1130; 実測値 222.1121.
Cap-7
冷却した(-5℃)、(S)-ベンジル 2-ヒドロキシ-2-フェニルアセテート(10.0 g, 41.3 mmol)、トリエチルアミン(5.75 mL, 41.3 mmol)および4-ジメチルアミノピリジン(0.504 g, 4.13 mmol)のCH
2Cl
2(200 mL)溶液に、p-トルエンスルホニルクロリド(8.65 g, 45.4 mmol)のCH
2Cl
2(200 mL)溶液を、温度を-5℃から0℃に維持しながら滴加した。該反応液を0℃で9時間撹拌した後、フリーザー(-25℃)で14時間保存した。周囲温度に解凍して、水(200 mL)、1N HCl(100 mL)および食塩水(100 mL)で洗浄し、乾燥させ(MgSO
4)、濾過し、減圧濃縮して2-フェニル-2-(トシルオキシ)酢酸ベンジルを粘稠性の油状物として得て、それを静置で固化させた(16.5 g)。該生成物のキラル整合性(chiral integrity)を確認せず、さらなる精製も行わずに次の工程に用いた。
1H NMR (DMSO-d
6, δ=2.5, 500 MHz) δ 7.78 (d, J= 8.6, 2H), 7.43-7.29 (m, 10H), 7.20 (m, 2H), 6.12 (s, 1H), 5.16 (d, J=12.5, 1H), 5.10 (d, J=12.5, 1H), 2.39 (s, 3H). 保持時間=3.00 (条件 III); >90% 均一性指数; LC/MS: [M+H]
+ C
22H
20NaO
5Sとして計算;計算値: 419.09; 実測値 419.04.
2-フェニル-2-(トシルオキシ)酢酸ベンジル(6.0 g, 15.1 mmol)、1-メチルピペラジン(3.36 mL, 30.3 mmol)およびN,N-ジイソプロピルエチルアミン(13.2 mL, 75.8 mmol)のTHF(75 mL)溶液を、65℃で7時間加熱した。該反応液を周囲温度に冷却し、該揮発性成分を減圧除去した。該残渣を酢酸エチルおよび水間に分配し、該有機層を水および食塩水で洗浄し、乾燥させ(MgSO4)、濾過し、減圧濃縮した。得られた粗物質をフラッシュクロマトグラフィー(シリカゲル, 酢酸エチル)により精製して、2-(4-メチルピペラジン-1-イル)-2-フェニル酢酸ベンジルをオレンジがかった-茶色の粘稠性の油状物として得た(4.56 g)。キラルHPLC分析(Chiralcel OD-H)により、該サンプルは38.2〜58.7の比率のエナンチオマーの混合物であることが示された。該エナンチオマーの分離を以下のとおり達成した:該生成物を120 mLのエタノール/ヘプタン(1:1)に溶解させ、75 mL/分で85:15 ヘプタン/エタノールにより溶出するキラルHPLCカラム(Chiracel OJ, 5 cm ID x 50 cm L, 20 μm)に注入(5 mL/注入)して、220 nmでモニタリングした。エナンチオマー-1 (1.474 g)およびエナンチオマー-2 (2.2149 g)を粘稠性の油状物として得た。 1H NMR (CDCl3, δ=7.26, 500 MHz) 7.44-7.40 (m, 2H), 7.33-7.24 (m, 6H), 7.21-7.16 (m, 2H), 5.13 (d, J=12.5, 1H), 5.08 (d, J=12.5, 1H), 4.02 (s, 1H), 2.65-2.38 (見かけ上のブロードのs, 8H), 2.25 (s, 3H). 保持時間=2.10 (条件 III); >98% 均一性指数; LC/MS: [M+H]+ C20H25N2O2として計算;計算値: 325.19; 実測値 325.20.
2-(4-メチルピペラジン-1-イル)-2-フェニル酢酸ベンジル(1.0 g, 3.1 mmol)のいずれかのエナンチオマーのメタノール(10 mL)溶液を、10% Pd/C(120 mg)/メタノール(5.0 mL)懸濁液に添加した。該反応混合液を、注意深いモニタリングの下で、水素のバルーンで50分未満処理した。反応の完了後ただちに、該触媒を珪藻土(セライト(登録商標))により濾過し、該濾液を減圧濃縮して、フェニル酢酸の混入したCap-7を、黄褐色の泡状物質として得た(867.6 mg; 量は上記の理論的収量である)。該生成物を、さらなる精製は行わずに次の工程に用いた。 1H NMR (DMSO-d6, δ=2.5, 500 MHz) δ 7.44-7.37 (m, 2H), 7.37-7.24 (m, 3H), 3.92 (s, 1H), 2.63-2.48 (app. bs, 2H), 2.48-2.32 (m, 6H), 2.19 (s, 3H); 保持時間=0.31 (条件 II); >90% 均一性指数; LC/MS: [M+H]+ C13H19N2O2として計算;計算値: 235.14; 実測値 235.15; HRMS: [M+H]+ C13H19N2O2として計算;計算値: 235.1447; 実測値 235.1440.
Cap-8およびCap-9の合成は、SN2置換工程(すなわち、Cap-8については4-ヒドロキシピペリジン、Cap-9については(S)-3-フルオロピロリジン)における適当なアミンおよび各々の立体異性の中間体の分離に関する改変条件を用いることにより、上記のCap-7の合成に従って実施した。
Cap-8
中間体2-(4-ヒドロキシピペリジン-1-イル)-2-フェニル酢酸ベンジルのエナンチオマー分離を、以下の条件を用いることにより達成した: 該化合物(500 mg)をエタノール/ヘプタン(5 mL/45 mL)に溶解させた。得られた溶液を、10 mL/分で80:20 ヘプタン/エタノールを用いて溶出するキラルHPLCカラム(Chiracel OJ, 2 cm ID x 25 cm L, 10 μm)に注入(5 mL/注入)し、220 nmでモニタリングし、186.3 mgのエナンチオマー-1および209.1 mgのエナンチオマー-2を明黄色の粘稠性の油状物として得た。これらのベンジルエステルをCap-7の製造に従って水素化分解して、Cap-8を得た:
1H NMR (DMSO-d
6, δ=2.5, 500 MHz) 7.40 (d, J=7, 2H), 7.28-7.20 (m, 3H), 3.78 (s 1H), 3.46 (m, 1H), 2.93 (m, 1H), 2.62 (m, 1H), 2.20 (m, 2H), 1.70 (m, 2H), 1.42 (m, 2H)。 保持時間=0.28 (条件 II); >98% 均一性指数; LC/MS: [M+H]
+ C
13H
18NO
3として計算;計算値: 236.13; 実測値 236.07; HRMS: [M+H]
+ C
13H
18NO
3として計算;計算値: 236.1287; 実測値 236.1283.
Cap-9
中間体2-((S)-3-フルオロピロリジン-1-イル)-2-フェニル酢酸ベンジルのジアステレオマー分離は、以下の条件を用いて達成した:該エステル(220 mg)を、10バール圧、流速70 mL/分、温度35℃で、0.1%TFAを含有する95%CO
2/5%メタノールにより溶出するキラルHPLCカラム(Chiracel OJ-H, 0.46 cm ID x 25 cm L, 5 μm)で分離した。各々の立体異性体についてのHPLC溶出物を濃縮して、該残渣をCH
2Cl
2(20 mL)中に溶解させ、水性媒体(10 mL水 + 1 mL飽和NaHCO
3溶液)で洗浄した。該有機相を乾燥させ(MgSO
4)、濾過し、減圧濃縮して92.5 mgのフラクション-1および59.6 mgのフラクション-2を得た。これらのベンジルエステルをCap-7の製造に従って水素化分解して、Caps 9aおよび9bを製造した。Cap-9a(ジアステレオマー-1;該サンプルはH
2O/メタノール/TFA溶媒を用いた逆相HPLCでの精製により得られたTFA塩である):
1H NMR (DMSO-d
6, δ=2.5, 400 MHz) 7.55-7.48 (m, 5H), 5.38 (mのd, J=53.7, 1H), 5.09 (ブロードのs, 1H), 3.84-2.82 (ブロードのm, 4H), 2.31-2.09 (m, 2H). 保持時間=0.42 (条件 I); >95% 均一性指数; LC/MS: [M+H]
+ C
12H
15FNO
2として計算;計算値: 224.11; 実測値 224.14; Cap-9b (ジアステレオマー-2):
1H NMR (DMSO-d
6, δ=2.5, 400 MHz) 7.43-7.21 (m, 5H), 5.19 (mのd, J=55.9, 1H), 3.97 (s, 1H), 2.95-2.43 (m, 4H), 2.19-1.78 (m, 2H). 保持時間=0.44 (条件 I); LC/MS: [M+H]
+ C
12H
15FNO
2として計算;計算値: 224.11; 実測値 224.14.
Cap-10
メタノール(15 mL)中のD-プロリン(2.0 g, 17 mmol)およびホルムアルデヒド(2.0 mLの37重量%/H
2O)の溶液に、10% Pd/C(500 mg)/メタノール(5 mL)懸濁液を添加した。該混合液を水素のバルーン下で23時間撹拌した。該反応混合液を珪藻土(セライト(登録商標))により濾過し、減圧濃縮して、Cap-10をオフホワイト色の固形物として得た(2.15 g)。
1H NMR (DMSO-d
6, δ=2.5, 500 MHz) 3.42 (m, 1H), 3.37 (dd, J=9.4, 6.1, 1H), 2.85-2.78 (m, 1H), 2.66 (s, 3H), 2.21-2.13 (m, 1H), 1.93-1.84 (m, 2H), 1.75-1.66 (m, 1H). 保持時間=0.28 (条件 II); >98% 均一性指数; LC/MS: [M+H]
+ C
6H
12NO
2として計算;計算値: 130.09; 実測値 129.96.
Cap-11
メタノール(20 mL)中の、(2S,4R)-4-フルオロピロリジン-2-カルボン酸(0.50 g, 3.8 mmol)、ホルムアルデヒド(0.5 mLの37重量%/H
2O)、12 N HCl(0.25 mL)および10% Pd/C(50 mg)の混合液を、水素のバルーン下で19時間撹拌した。該反応混合液を珪藻土(セライト(登録商標))により濾過して、該濾液を減圧濃縮した。該残渣をイソプロパノールから再結晶化して、Cap-11のHCl塩を白色の固形物として得た(337.7 mg)。
1H NMR (DMSO-d
6, δ=2.5, 500 MHz) 5.39 (d m, J=53.7, 1H), 4.30 (m, 1H), 3.90 (ddd, J=31.5, 13.5, 4.5, 1H), 3.33 (dd, J=25.6, 13.4, 1H), 2.85 (s, 3H), 2.60-2.51 (m, 1H), 2.39-2.26 (m, 1H). 保持時間=0.28 (条件 II); >98% 均一性指数; LC/MS: [M+H]
+ C
6H
11FNO
2として計算;計算値: 148.08; 実測値 148.06.
Cap-12 (cap 52と同一)
L-アラニン(2.0 g, 22.5 mmol)を10%炭酸ナトリウム水溶液(50 mL)に溶解させ、クロロギ酸メチル(4.0 mL)のTHF(50 mL)溶液をそれに添加した。該反応混合液を周囲条件下で4.5時間撹拌し、減圧濃縮した。得られた白色の固形物を水に溶解させ、1N HClを用いてpH〜2-3に酸性化した。得られた溶液を酢酸エチル(3 x 100 mL)で抽出し、有機相を合わせて乾燥させ(Na
2SO
4)、濾過し、減圧濃縮して、無色の油状物を得た(2.58 g)。500 mgのこの物質を逆相HPLC(H
2O/メタノール/TFA)により精製して、150 mgのCap-12を無色の油状物として得た。
1H NMR (DMSO-d
6, δ=2.5, 500 MHz) 7.44 (d, J=7.3, 0.8H), 7.10 (ブロードのs, 0.2H), 3.97 (m, 1H), 3.53 (s, 3H), 1.25 (d, J=7.3, 3H).
Cap-13
メタノール(30 mL)中のL-アラニン(2.5 g, 28 mmol)、ホルムアルデヒド(8.4 g, 37重量%)、1N HCl(30 mL)および10% Pd/C(500 mg)の混合液を、水素雰囲気下(50 psi)で5時間撹拌した。該反応混合液を珪藻土(セライト(登録商標))により濾過し、該濾液を減圧濃縮してCap-13のHCl塩を油状物として得て、減圧下で静置して固化させた(4.4 g;該量は上記の理論的収量である)。該生成物をさらなる精製は行わずに用いた。
1H NMR (DMSO-d
6, δ=2.5, 500 MHz) δ 12.1 (ブロードのs, 1H), 4.06 (q, J=7.4, 1H), 2.76 (s, 6H), 1.46 (d, J=7.3, 3H).
Cap-14
工程1:(R)-(-)-D-フェニルグリシン tert-ブチルエステル(3.00 g, 12.3 mmol)、NaBH
3CN(0.773 g, 12.3 mmol)、KOH(0.690 g, 12.3 mmol)および酢酸(0.352 mL, 6.15 mmol)の混合液をメタノール中において0℃で撹拌した。この混合液に、グルタルアルデヒド(2.23 mL, 12.3 mmol)を5分かけて滴加した。該反応混合液を撹拌して周囲温度に昇温させ、同じ温度で16時間撹拌を続けた。続いて、該溶媒を除去し、該残渣を10% NaOH水溶液と酢酸エチルに分配した。該有機相を分離し、乾燥させ(MgSO
4)、濾過し、乾固するまで濃縮して澄明な油状物を得た。この物質を逆相プレパラティブHPLC(Primesphere C-18, 30 x 100mm; CH
3CN-H
2O-0.1% TFA)により精製して、中間体エステル(2.70 g, 56%)を澄明な油状物として得た。
1H NMR (400 MHz, CDCl
3) δ 7.53-7.44 (m, 3H), 7.40-7.37 (m, 2H), 3.87 (d, J=10.9 Hz, 1H), 3.59 (d, J=10.9 Hz, 1H), 2.99 (t, J=11.2 Hz, 1H), 2.59 (t, J=11.4 Hz, 1H), 2.07-2.02 (m, 2H), 1.82 (d, J=1.82 Hz, 3H), 1.40 (s, 9H). LC/MS: C
17H
25NO
2として計算;計算値: 275; 実測値: 276 (M+H)
+.
工程2:撹拌した中間体エステル(1.12g, 2.88mmol)/ジクロロメタン(10 mL)溶液に、TFA(3 mL)を添加した。該反応混合液を周囲温度で4時間撹拌した後、乾固するまで濃縮して淡黄色の油状物を得た。該油状物を逆相プレパラティブHPLC(Primesphere C-18, 30 x 100mm; CH3CN-H2O-0.1% TFA)を用いて精製した。適当なフラクションを合わせて乾固するまで減圧濃縮した。次いで、該残渣を最少量のメタノールに溶解させ、MCX LP抽出カートリッジに(2 x 6 g)アプライした。該カートリッジをメタノール(40 mL)ですすいだ後、2Mアンモニア/メタノール(50 mL)を用いて目的の化合物を溶出した。生成物含有フラクションを合わせて濃縮し、該残渣を水に溶解させた。この溶液を凍結乾燥させて、表題の化合物(0.492 g, 78%)を淡黄色の固形物として得た。 1H NMR (DMSO-d6) δ 7.50 (s, 5H), 5.13 (s, 1H), 3.09 (ブロードのs, 2H), 2.92-2.89 (m, 2H), 1.74 (m, 4H), 1.48 (ブロードのs, 2H). LC/MS: C13H17NO2として計算;計算値: 219; 実測値: 220 (M+H)+.
Cap-15
工程1: (S)-1-フェニルエチル 2-ブロモ-2-フェニルアセテート: 乾燥ジクロロメタン(100 mL)中のα-ブロモフェニル酢酸(10.75 g, 0.050 mol)、(S)-(-)-1-フェニルエタノール(7.94 g, 0.065 mol)およびDMAP(0.61 g, 5.0 mmol)の混合液に、固体のEDCI(12.46 g, 0.065 mol)を一度に添加した。得られた溶液をAr下において室温で18時間撹拌した後、酢酸エチルで希釈し、洗浄し(H
2O x 2、食塩水)、乾燥させ(Na
2SO
4)、濾過し、濃縮して淡黄色の油状物を得た。この油状物をフラッシュクロマトグラフィー(SiO
2/ヘキサン-酢酸エチル, 4:1)で処理して表題の化合物(11.64 g, 73%)を白色の固形物として得た。
1H NMR (400 MHz, CDCl
3) δ 7.53-7.17 (m, 10H), 5.95 (q, J=6.6 Hz, 0.5H), 5.94 (q, J=6.6 Hz, 0.5H), 5.41 (s, 0.5H), 5.39 (s, 0.5H), 1.58 (d, J=6.6 Hz, 1.5H), 1.51 (d, J=6.6 Hz, 1.5H).
工程2: (S)-1-フェニルエチル(R)-2-(4-ヒドロキシ-4-メチルピペリジン-1-イル)-2-フェニルアセテート: (S)-1-フェニルエチル 2-ブロモ-2-フェニルアセテート(0.464 g, 1.45 mmol)/THF(8 mL)溶液に、トリエチルアミン(0.61 mL, 4.35 mmol)を添加し、続いてテトラブチルアンモニウムヨージド(0.215 g, 0.58 mmol)を添加した。該反応混合液を室温で5分間撹拌した後、4-メチル-4-ヒドロキシピペリジン(0.251 g, 2.18 mmol)/THF(2 mL)溶液を添加した。該混合液を室温で1時間撹拌した後、55-60℃(油浴温度)で4時間加熱した。冷却した反応混合液を、次いで、酢酸エチル(30 mL)で希釈し、洗浄し(H2O x2、食塩水)、乾燥させ(MgSO4)、濾過して濃縮した。該残渣をシリカゲルクロマトグラフィー(0-60% 酢酸エチル-ヘキサン)により精製して、まず第一に表題の化合物の(S,R)-異性体(0.306 g, 60%)を白色の固形物として得て、次に対応する(S,S)-異性体(0.120 g, 23%)もまた白色の固形物として得た。(S,R)-異性体: 1H NMR (CD3OD) δ 7.51-7.45 (m, 2H), 7.41-7.25 (m, 8H), 5.85 (q, J=6.6 Hz, 1H), 4.05 (s, 1H), 2.56-2.45 (m, 2H), 2.41-2.29 (m, 2H), 1.71-1.49 (m, 4H), 1.38 (d, J=6.6 Hz, 3H), 1.18 (s, 3H). LCMS: C22H27NO3として計算;計算値: 353; 実測値: 354 (M+H)+. (S,S)-異性体: 1H NMR (CD3OD) δ 7.41-7.30 (m, 5H), 7.20-7.14 (m, 3H), 7.06-7.00 (m, 2H), 5.85 (q, J=6.6 Hz, 1H), 4.06 (s, 1H), 2.70-2.60 (m, 1H), 2.51 (dt, J=6.6, 3.3 Hz, 1H), 2.44-2.31 (m, 2H), 1.75-1.65 (m, 1H), 1.65-1.54 (m, 3H), 1.50 (d, J=6.8 Hz, 3H), 1.20 (s, 3H). LCMS: C22H27NO3として計算;計算値: 353; 実測値: 354 (M+H)+.
工程3: (R)-2-(4-ヒドロキシ-4-メチルピペリジン-1-イル)-2-フェニル酢酸: (S)-1-フェニルエチル(R)-2-(4-ヒドロキシ-4-メチルピペリジン-1-イル)-2-フェニルアセテート(0.185 g, 0.52 mmol)/ジクロロメタン(3 mL)溶液に、トリフルオロ酢酸(1 mL)を添加し、該混合液を室温で2時間撹拌した。続いて、揮発物を減圧除去し、該残渣を逆相プレパラティブHPLC(Primesphere C-18, 20 x 100mm; CH3CN-H2O-0.1% TFA)により精製して、表題の化合物(TFA塩として)を淡い青みがかった固形物として得た(0,128 g, 98%). LCMS: C14H19NO3として計算;計算値: 249; 実測値: 250 (M+H)+.
Cap-16
工程1: (S)-1-フェニルエチル 2-(2-フルオロフェニル)アセテート: CH
2Cl
2(100 mL)中の2-フルオロフェニル酢酸(5.45 g, 35.4 mmol)、(S)-1-フェニルエタノール(5.62 g, 46.0 mmol)、EDCI(8.82 g, 46.0 mmol)およびDMAP(0.561 g, 4.60 mmol)の混合液を、室温で12時間撹拌した。次いで、該溶媒を濃縮し、該残渣をH
2O-酢酸エチルで分配した。相を分離し、該水層を酢酸エチル(2x)で逆抽出した。有機相を合わせて洗浄し(H
2O、食塩水)、乾燥させ(Na
2SO
4)、濾過し、減圧濃縮した。該残渣をシリカゲルクロマトグラフィー(Biotage/ 0-20% 酢酸エチル-ヘキサン)により精製して、表題の化合物を無色の油状物として得た(8.38 g, 92%)。
1H NMR (400 MHz, CD
3OD) δ 7.32-7.23 (m, 7H), 7.10-7.04 (m, 2), 5.85 (q, J=6.5 Hz, 1H), 3.71 (s, 2H), 1.48 (d, J=6.5 Hz, 3H).
工程2: (R)-((S)-1-フェニルエチル)2-(2-フルオロフェニル)-2-(ピペリジン-1-イル)アセテート: (S)-1-フェニルエチル 2-(2-フルオロフェニル)アセテート(5.00 g, 19.4 mmol)/THF(1200 mL)溶液に、0℃で、DBU(6.19 g, 40.7 mmol)を添加し、該溶液を30分間撹拌しながら室温に昇温させた。次いで、該溶液を-78℃に冷却し、CBr4(13.5 g, 40.7 mmol)/THF(100 mL)溶液を添加し、該混合液を-10℃に昇温させて、この温度で2時間撹拌した。該反応混合液を飽和NH4Cl水溶液でクエンチし、層を分離した。該水層を酢酸エチル(2x)で逆抽出し、有機相を合わせて洗浄し(H2O、食塩水)、乾燥させ(Na2SO4)、濾過し、減圧濃縮した。該残渣にピペリジン(5.73 mL, 58.1 mmol)を添加し、該溶液を室温で24時間撹拌した。次いで、揮発物を減圧濃縮し、該残渣をシリカゲルクロマトグラフィー(Biotage/ 0-30% ジエチルエーテル-ヘキサン)により精製して、未反応の出発物質(2.53 g, 51%)とともに、ジアステレオマーの純粋な混合物(1H NMRにより、2:1の比)を黄色の油状物として得た(2.07 g, 31%)。該ジアステレオマー混合物(Biotage/ 0-10% ジエチルエーテル-トルエン)をさらにクロマトグラフィーで処理して、表題の化合物を無色の油状物として得た(0.737 g, 11%)。 1H NMR (400 MHz, CD3OD) δ 7.52 (ddd, J=9.4, 7.6, 1.8 Hz, 1H), 7.33 - 7.40 (m, 1), 7.23 - 7.23 (m, 4H), 7.02 - 7.23 (m, 4H), 5.86 (q, J=6.6 Hz, 1H), 4.45 (s, 1H), 2.39 - 2.45 (m, 4H), 1.52 - 1.58 (m, 4H), 1.40 - 1.42 (m, 1H), 1.38 (d, J=6.6 Hz, 3H). LCMS: C21H24FNO2として計算;計算値: 341; 実測値: 342 (M+H)+.
工程3: (R)-2-(2-フルオロフェニル)-2-(ピペリジン-1-イル)酢酸: エタノール(30 mL)中の(R)-((S)-1-フェニルエチル)2-(2-フルオロフェニル)-2-(ピペリジン-1-イル)アセテート(0.737 g, 2.16 mmol)および20% Pd(OH)2/C(0.070 g)の混合液を、室温および大気圧(H2バルーン)で2時間、水素化した。次いで、該溶液をArでパージし、珪藻土(セライト(登録商標))により濾過し、減圧濃縮した。これにより、表題の化合物を無色の固形物として得た(0.503 g, 98%)。 1H NMR (400 MHz, CD3OD) δ 7.65 (ddd, J=9.1, 7.6, 1.5 Hz, 1H), 7.47-7.53 (m, 1H), 7.21-7.30 (m, 2H), 3.07-3.13 (m, 4H), 1.84 (ブロードのs, 4H), 1.62 (ブロードのs, 2H). LCMS: C13H16FNO2として計算;計算値: 237; 実測値: 238 (M+H)+.
Cap-17
工程1: (S)-1-フェニルエチル(R)-2-(4-ヒドロキシ-4-フェニルピペリジン-1-イル)-2-フェニルアセテート: (S)-1-フェニルエチル 2-ブロモ-2-フェニルアセテート(1.50 g, 4.70 mmol)/THF(25 mL)溶液に、トリエチルアミン(1.31 mL, 9.42 mmol)を添加し、続いてテトラブチルアンモニウムヨージド(0.347 g, 0.94 mmol)を添加した。該反応混合液を室温で5分間撹拌した後、4-フェニル-4-ヒドロキシピペリジン(1.00 g, 5.64 mmol)/THF(5 mL)溶液を添加した。該混合液を16時間撹拌した後、酢酸エチル(100 mL)で希釈し、洗浄し(H
2O x2、食塩水)、乾燥させ(MgSO
4)、濾過して濃縮した。該残渣をシリカゲルカラム(0-60% 酢酸エチル-ヘキサン)で精製して、
1H NMRによる判定として約2:1のジアステレオマーの混合物を得た。超臨界流体クロマトグラフィー(Chiralcel OJ-H, 30 x 250mm; 35℃で、20%エタノール/CO
2)を用いてこれらの異性体の分離を行い、まず第一に表題の化合物の(R)-異性体(0.534 g, 27%)を黄色の油状物として得て、次に対応する(S)-異性体(0.271 g, 14%)もまた黄色の油状物として得た。(S,R)-異性体:
1H NMR (400 MHz, CD
3OD) δ 7.55-7.47 (m, 4H), 7.44-7.25 (m, 10H), 7.25-7.17 (m, 1H), 5.88 (q, J=6.6 Hz, 1H), 4.12 (s, 1H), 2.82-2.72 (m, 1H), 2.64 (dt, J=11.1, 2.5 Hz, 1H), 2.58-2.52 (m, 1H), 2.40 (dt, J=11.1, 2.5 Hz, 1H), 2.20 (dt, J=12.1, 4.6 Hz, 1H), 2.10 (dt, J=12.1, 4.6 Hz, 1H), 1.72-1.57 (m, 2H), 1.53 (d, J=6.5 Hz, 3H). LCMS: C
27H
29NO
3として計算;計算値: 415; 実測値: 416 (M+H)
+; (S,S)-異性体:
1H NMR (400 MHz, CD
3OD) δ 7.55-7.48 (m, 2H), 7.45-7.39 (m, 2H), 7.38-7.30 (m, 5H), 7.25-7.13 (m, 4H), 7.08-7.00 (m, 2H), 5.88 (q, J=6.6 Hz, 1H), 4.12 (s, 1H), 2.95-2.85 (m, 1H), 2.68 (dt, J=11.1, 2.5 Hz, 1H), 2.57-2.52 (m, 1H), 2.42 (dt, J=11.1, 2.5 Hz, 1H), 2.25 (dt, J=12.1, 4.6 Hz, 1H), 2.12 (dt, J=12.1, 4.6 Hz, 1H), 1.73 (dd, J=13.6, 3.0 Hz, 1H), 1.64 (dd, J=13.6, 3.0 Hz, 1H), 1.40 (d, J=6.6 Hz, 3H). LCMS: C
27H
29NO
3として計算;計算値: 415; 実測値: 416 (M+H)
+.
保持時間決定用キラルSFC条件
条件 I
カラム: Chiralpak AD-H カラム, 4.62x50 mm, 5μm
溶媒: 0.1%DEAを含む90%CO2-10%メタノール
温度: 35℃
圧力: 150バール
流速: 2.0 mL/分
220 nmでUV測定
注入: 1.0 mg/3mL メタノール
条件 II
カラム: Chiralcel OD-H カラム, 4.62x50 mm, 5μm
溶媒: 0.1%DEAを含む90%CO2-10%メタノール
温度: 35℃
圧力: 150バール
流速: 2.0 mL/分
220 nmでUV測定
注入: 1.0 mg/mLメタノール
Cap 17、工程2; (R)-2-(4-ヒドロキシ-4-フェニルピペリジン-1-イル)-2-フェニル酢酸: (S)-1-フェニルエチル(R)-2-(4-ヒドロキシ-4-フェニルピペリジン-1-イル)-2-フェニルアセテート(0.350 g, 0.84 mmol)/ジクロロメタン(5 mL)溶液にトリフルオロ酢酸(1 mL)を添加し、該混合液を室温で2時間撹拌した。続いて、揮発物を減圧除去し、該残渣を逆相プレパラティブHPLC(Primesphere C-18, 20 x 100mm; CH3CN-H2O-0.1% TFA)により精製して、表題の化合物(TFA塩として)を白色の固形物として得た(0.230 g, 88%)。 LCMS: C19H21NO3として計算;計算値: 311.15; 実測値: 312 (M+H)+.
同様の方法で、以下のカルボン酸を光学的に純粋な形態で製造した。
保持時間決定用LCMS条件
条件 I
カラム: Phenomenex-Luna 4.6 X 50 mm S10
開始%B=0
最終%B=100
グラジエント時間=4分
流速=4 mL/分
波長=220
溶媒A=10%メタノール- 90%H2O - 0.1%TFA
溶媒B=90%メタノール- 10%H2O - 0.1%TFA
条件 II
カラム: Waters-Sunfire 4.6 X 50 mm S5
開始%B=0
最終%B=100
グラジエント時間=2分
流速=4 mL/分
波長=220
溶媒A=10%メタノール- 90%H2O - 0.1%TFA
溶媒B=90%メタノール- 10%H2O - 0.1%TFA
条件 III
カラム: Phenomenex 10μ 3.0 X 50 mm
開始%B=0
最終%B=100
グラジエント時間=2分
流速=4 mL/分
波長=220
溶媒A=10%メタノール- 90%H2O - 0.1%TFA
溶媒B=90%メタノール- 10%H2O - 0.1%TFA
Cap-18
工程1; (R,S)-エチル 2-(4-ピリジル)-2-ブロモアセテート: 4-ピリジル酢酸エチル(1.00 g, 6.05 mmol)/乾燥THF(150 mL)溶液に、アルゴン下において0℃で、DBU(0.99 mL, 6.66 mmol)を添加した。該反応混合液を30分かけて室温に昇温させた後、-78℃に冷却した。この混合液にCBr
4(2.21 g, 6.66 mmol)を添加し、-78℃で2時間撹拌を続けた。次いで、該反応混合液を飽和NH
4Cl水溶液でクエンチし、相を分離した。該有機相を洗浄し(食塩水)、乾燥させ(Na
2SO
4)、濾過し、減圧濃縮した。得られた黄色の油状物をすぐにフラッシュクロマトグラフィー(SiO
2/ヘキサン-酢酸エチル, 1:1)により精製して、表題の化合物(1.40 g, 95%)をやや不安定な黄色の油状物として得た。
1H NMR (400 MHz, CDCl
3) δ 8.62 (dd, J=4.6, 1.8 Hz, 2H), 7.45 (dd, J=4.6, 1.8 Hz, 2H), 5.24 (s, 1H), 4.21-4.29 (m, 2H), 1.28 (t, J=7.1 Hz, 3H). LCMS: C
9H
10BrNO
2として計算;計算値: 242, 244; 実測値: 243, 245 (M+H)
+.
工程2; (R,S)-エチル 2-(4-ピリジル)-2-(N,N-ジメチルアミノ)アセテート: (R,S)-エチル 2-(4-ピリジル)-2-ブロモアセテート(1.40 g, 8.48 mmol)/DMF(10 mL)溶液に、室温で、ジメチルアミン(2M/THF, 8.5 mL, 17.0 mmol)を添加した。反応の完了後(薄層クロマトグラフィーによる判定として)、揮発物を減圧除去し、該残渣をフラッシュクロマトグラフィー(Biotage, 40+M SiO2 カラム; 50%-100% 酢酸エチル-ヘキサン)により精製して、表題の化合物(0.539 g, 31%)を淡黄色の油状物として得た。 1H NMR (400 MHz, CDCl3) δ 8.58 (d, J=6.0 Hz, 2H), 7.36 (d, J=6.0 Hz, 2H), 4.17 (m, 2H), 3.92 (s, 1H), 2.27 (s, 6H), 1.22 (t, J=7.0 Hz). LCMS: C11H16N2O2として計算;計算値: 208; 実測値: 209 (M+H)+.
工程3; (R,S)-2-(4-ピリジル)-2-(N,N-ジメチルアミノ)酢酸: THF-メタノール-H2O (1:1:1, 6 mL)混合液中の(R,S)-エチル 2-(4-ピリジル)-2-(N,N-ジメチルアミノ)アセテート(0.200 g, 0.960 mmol)溶液に、粉末のLiOH(0.120 g, 4.99 mmol)を室温で添加した。該溶液を3時間撹拌した後、1N HClを用いてpH6に酸性化した。該水相を酢酸エチルで洗浄し、その後凍結乾燥させて表題の化合物の二塩酸塩を黄色の固形物として得た(LiCl含有)。該生成物をそのまま、その後の工程に用いた。 1H NMR (400 MHz, DMSO-d6) δ 8.49 (d, J=5.7 Hz, 2H), 7.34 (d, J=5.7 Hz, 2H), 3.56 (s, 1H), 2.21 (s, 6H).
以下の実施例を、上記のメソッドを用いて同様の方法で製造した。
Cap-37
工程1; (R,S)-エチル 2-(キノリン-3-イル)-2-(N,N-ジメチルアミノ)-アセテート: N,N-ジメチルアミノ酢酸エチル(0.462 g, 3.54 mmol)、K
3PO
4(1.90 g, 8.95 mmol)、Pd(t-Bu
3P)
2(0.090 g, 0.176 mmol)およびトルエン(10 mL)の混合液を、Ar気流バブルにより15分間脱気した。次いで、該反応混合液を100℃で12時間加熱し、その後室温に冷却してH
2Oに注ぎ入れた。該混合液を酢酸エチル(2x)で抽出し、有機相を合わせて洗浄し(H
2O、食塩水)、乾燥させ(Na
2SO
4)、濾過し、減圧濃縮した。該残渣をまず逆相プレパラティブHPLC(Primesphere C-18, 30 x 100mm; CH
3CN-H
2O-5 mM NH
4OAc)により精製し、次いでフラッシュクロマトグラフィー(SiO
2/ヘキサン-酢酸エチル, 1:1)により精製して、表題の化合物(0.128 g, 17%)をオレンジ色の油状物として得た。
1H NMR (400 MHz, CDCl
3) δ 8.90 (d, J=2.0 Hz, 1H), 8.32 (d, J=2.0 Hz, 1H), 8.03-8.01 (m, 2H), 7.77 (ddd, J=8.3, 6.8, 1.5 Hz, 1H), 7.62 (ddd, J=8.3, 6.8, 1.5 Hz, 1H), 4.35 (s, 1H), 4.13 (m, 2H), 2.22 (s, 6H), 1.15 (t, J=7.0 Hz, 3H). LCMS: C
15H
18N
2O
2として計算;計算値: 258; 実測値: 259 (M+H)
+.
工程2; (R,S) 2-(キノリン-3-イル)-2-(N,N-ジメチルアミノ)酢酸: (R,S)-エチル 2-(キノリン-3-イル)-2-(N,N-ジメチルアミノ)アセテート(0.122 g, 0.472 mmol)および6M HCl(3 mL)の混合液を、100℃で12時間加熱した。該溶媒を減圧除去して、表題の化合物の二塩酸塩(0.169 g, >100%)を淡黄色の泡状物質として得た。該未精製の物質をさらなる精製は行わずにその後の工程に用いた。 LCMS: C13H14N2O2として計算;計算値: 230; 実測値: 231 (M+H)+.
Cap-38
工程1; (R)-((S)-1-フェニルエチル)2-(ジメチルアミノ)-2-(2-フルオロフェニル)酢酸および(S)-((S)-1-フェニルエチル)2-(ジメチルアミノ)-2-(2-フルオロフェニル)酢酸: CH
2Cl
2(40 mL)中の(RS)-2-(ジメチルアミノ)-2-(2-フルオロフェニル)酢酸(2.60 g, 13.19 mmol)、DMAP(0.209 g, 1.71 mmol)および(S)-1-フェニルエタノール(2.09 g, 17.15 mmol)の混合液にEDCI(3.29 g, 17.15 mmol)を添加し、該混合液を室温で12時間撹拌した。その後、該溶媒を減圧除去し、該残渣を酢酸エチル-H
2Oで分配した。層を分離し、該水層を酢酸エチル(2x)で逆抽出し、有機相を合わせて洗浄し(H
2O、食塩水)、乾燥させ(Na
2SO
4)、濾過し、減圧濃縮した。該残渣をシリカゲルクロマトグラフィー(Biotage/ 0-50% ジエチルエーテル-ヘキサン)により精製した。得られた純粋なジアステレオマー混合物を、次いで、逆相プレパラティブHPLC(Primesphere C-18, 30 x 100mm; CH
3CN-H
2O-0.1% TFA)により分離し、まず第一に(S)-1-フェネチル(R)-2-(ジメチルアミノ)-2-(2-フルオロフェニル)アセテート(0.501 g, 13%)、次に(S)-1-フェネチル(S)-2-(ジメチルアミノ)-2-(2-フルオロフェニル)-アセテート(0.727 g. 18%)を、両者ともそれらのTFA塩として得た。(S,R)-異性体:
1H NMR (400 MHz, CD
3OD) δ 7.65-7.70 (m, 1H), 7.55-7.60 (ddd, J=9.4, 8.1, 1.5 Hz, 1H), 7.36-7.41 (m, 2H), 7.28-7.34 (m, 5H), 6.04 (q, J=6.5 Hz, 1H), 5.60 (s, 1H), 2.84 (s, 6H), 1.43 (d, J=6.5 Hz, 3H). LCMS: C
18H
20FNO
2として計算;計算値: 301; 実測値: 302 (M+H)
+; (S,S)-異性体:
1H NMR (400 MHz, CD
3OD) δ 7.58-7.63 (m, 1H), 7.18-7.31 (m, 6H), 7.00 (dd, J=8.5, 1.5 Hz, 2H), 6.02 (q, J=6.5 Hz, 1H), 5.60 (s, 1H), 2.88 (s, 6H), 1.54 (d, J=6.5 Hz, 3H). LCMS: C
18H
20FNO
2として計算;計算値: 301; 実測値: 302 (M+H)
+.
工程2; (R)-2-(ジメチルアミノ)-2-(2-フルオロフェニル)酢酸: エタノール(30 mL)中の(R)-((S)-1-フェニルエチル)2-(ジメチルアミノ)-2-(2-フルオロフェニル)アセテートTFA塩(1.25 g, 3.01 mmol)および20% Pd(OH)2/C(0.125 g)の混合液を、室温および大気圧(H2バルーン)で4時間水素化した。次いで、該溶液をArでパージし、珪藻土(セライト(登録商標))により濾過し、減圧濃縮した。これにより表題の化合物を無色の固形物として得た(0.503 g, 98%). 1H NMR (400 MHz, CD3OD) δ 7.53-7.63 (m, 2H), 7.33-7.38 (m, 2H), 5.36 (s, 1H), 2.86 (s, 6H). LCMS: C10H12FNO2として計算;計算値: 197; 実測値: 198 (M+H)+.
該S-異性体は、同様の方法で、(S)-((S)-1-フェニルエチル)2-(ジメチルアミノ)-2-(2-フルオロフェニル)アセテートTFA塩から得られた。
Cap-39
(R)-(2-クロロフェニル)グリシン(0.300 g, 1.62 mmol)、ホルムアルデヒド(35%水溶液, 0.80 mL, 3.23 mmol)および20% Pd(OH)
2/C(0.050 g)の混合液を室温および大気圧(H
2バルーン)で4時間水素化した。次いで、該溶液をArでパージし、珪藻土(セライト(登録商標))により濾過して、減圧濃縮した。該残渣を逆相プレパラティブHPLC(Primesphere C-18, 30 x 100mm; CH
3CN-H
2O-0.1% TFA)により精製して、表題の化合物(R)-2-(ジメチルアミノ)-2-(2-クロロフェニル)酢酸のTFA塩を無色の油状物として得た(0.290 g, 55%)。
1H NMR (400 MHz, CD
3OD) δ 7.59-7.65 (m, 2H), 7.45-7.53 (m, 2H), 5.40 (s, 1H), 2.87 (s, 6H). LCMS: C
10H
12ClNO
2として計算;計算値: 213; 実測値: 214 (M+H)
+.
Cap-40
氷冷したH
2O(5.5 mL)中の(R)-(2-クロロフェニル)グリシン(1.00 g, 5.38 mmol)およびNaOH(0.862 g, 21.6 mmol)の溶液に、クロロギ酸メチル(1.00 mL, 13.5 mmol)を滴加した。該混合液を0℃で1時間撹拌した後、濃HCl(2.5 mL)の添加により酸性化した。該混合液を酢酸エチル(2x)で抽出し、有機相を合わせて洗浄し(H
2O、食塩水)、乾燥させ(Na
2SO
4)、濾過し、減圧濃縮して表題の化合物(R)-2-(メトキシカルボニルアミノ)-2-(2-クロロフェニル)酢酸を黄-オレンジ色の泡状物質として得た(1.31 g, 96%)。
1H NMR (400 MHz, CD
3OD) δ 7.39 - 7.43 (m, 2H), 7.29 - 7.31 (m, 2H), 5.69 (s, 1H), 3.65 (s, 3H). LCMS: C
10H
10ClNO
4として計算;計算値: 243; 実測値: 244 (M+H)
+.
Cap-41
2-(2-(クロロメチル)フェニル)酢酸(2.00 g, 10.8 mmol)/THF(20 mL)懸濁液にモルホリン(1.89 g, 21.7 mmol)を添加し、該溶液を室温で3時間撹拌した。次いで、該反応混合液を酢酸エチルで希釈し、H
2O(2x)で抽出した。該水相を凍結乾燥させて、該残渣をシリカゲルクロマトグラフィー(Biotage/ 0-10% メタノール-CH
2Cl
2)により精製して、表題の化合物2-(2-(モルホリノメチル)フェニル)酢酸を無色の固形物として得た(2.22 g, 87%)。
1H NMR (400 MHz, CD
3OD) δ 7.37-7.44 (m, 3H), 7.29-7.33 (m, 1H), 4.24 (s, 2H), 3.83 (ブロードのs, 4H), 3.68 (s, 2H), 3.14 (ブロードのs, 4H). LCMS: C
13H
17NO
3として計算;計算値: 235; 実測値: 236 (M+H)
+.
以下の実施例をCap-41に記載の方法を用いて同様に製造した。
Cap-45a
HMDS(1.85 mL, 8.77 mmol)を(R)-2-アミノ-2-フェニル酢酸 p-トルエンスルホネート(2.83 g, 8.77 mmol)/CH
2Cl
2(10 mL)懸濁液に添加し、該混合液を室温で30分間撹拌した。メチルイソシアナート(0.5 g, 8.77 mmol)を一度に添加し、30分間撹拌を続けた。該反応液をH
2O(5 mL)の添加によりクエンチし、得られた沈殿物を濾過し、H
2Oおよびn-ヘキサンで洗浄し、減圧乾燥させた。(R)-2-(3-メチルウレイド)-2-フェニル酢酸(1.5 g; 82 %)を白色の固形物として回収し、さらなる精製は行わずに用いた。
1H NMR (500 MHz, DMSO-d
6) δ ppm 2.54 (d, J=4.88 Hz, 3H) 5.17 (d, J=7.93 Hz, 1H) 5.95 (q, J=4.48 Hz, 1H) 6.66 (d, J=7.93 Hz, 1H) 7.26-7.38 (m, 5H) 12.67 (s, 1H). LCMS: C
10H
12N
2O
3として計算;計算値 208.08 実測値 209.121 (M+H)
+; HPLC Phenomenex C-18 3.0 × 46 mm, 2分かけて0から100%B, ホールド時間1分, A=90%水, 10%メタノール, 0.1%TFA, B=10%水, 90%メタノール, 0.1%TFA, 保持時間=1.38分, 90% 均一性指数.
Cap-46
Cap-45aに記載の方法に従って目的の生成物を製造した。
1H NMR (500 MHz, DMSO-d
6) δ ppm 0.96 (t, J=7.17 Hz, 3H) 2.94-3.05 (m, 2H) 5.17 (d, J=7.93 Hz, 1H) 6.05 (t, J=5.19 Hz, 1H) 6.60 (d, J=7.63 Hz, 1H) 7.26-7.38 (m, 5H) 12.68 (s, 1H). LCMS: C
11H
14N
2O
3として計算;計算値 222.10 実測値 223.15 (M+H)
+.
HPLC XTERRA C-18 3.0 × 506 mm, 2分かけて0から100%B, ホールド時間1分, A=90%水, 10%メタノール, 0.2% H
3PO
4, B=10%水, 90%メタノール, 0.2% H
3PO
4, 保持時間=0.87分, 90% 均一性指数.
Cap-47
工程1; (R)-tert-ブチル 2-(3,3-ジメチルウレイド)-2-フェニルアセテート:撹拌した、DMF(40 mL)中の(R)-tert-ブチル 2-アミノ-2-フェニルアセテート(1.0 g, 4.10 mmol)およびヒューニッヒ塩基(Hunig's base)(1.79 mL, 10.25 mmol)の溶液に、ジメチルカルバモイルクロリド(0.38 mL, 4.18 mmol)を10分かけて滴加した。室温で3時間撹拌した後、該反応液を減圧下で濃縮し、得られた残渣を酢酸エチルに溶解させた。該有機層をH
2O、1N HCl水溶液および食塩水で洗浄し、乾燥させ(MgSO
4)、濾過し、減圧下で濃縮した。(R)-tert-ブチル 2-(3,3-ジメチルウレイド)-2-フェニルアセテートを白色の固形物として得て(0.86 g; 75%)、さらなる精製は行わずに用いた。
1H NMR (500 MHz, DMSO-d
6) δ ppm 1.33 (s, 9H) 2.82 (s, 6H) 5.17 (d, J=7.63 Hz, 1H) 6.55 (d, J=7.32 Hz, 1H) 7.24-7.41 (m, 5H). LCMS: C
15H
22N
2O
3として計算;計算値 278.16 実測値 279.23 (M+H)
+; HPLC Phenomenex LUNA C-18 4.6 × 50 mm, 4分かけて0から100%B, ホールド時間1分, A=90%水, 10%メタノール, 0.1%TFA, B=10%水, 90%メタノール, 0.1%TFA, 保持時間=2.26分, 97% 均一性指数.
工程2; (R)-2-(3,3-ジメチルウレイド)-2-フェニル酢酸: 撹拌した(R)-tert-ブチル 2-(3,3-ジメチルウレイド)-2-フェニルアセテート(0.86 g, 3.10 mmol)/CH2Cl2(250 mL)溶液に、TFA(15 mL)を滴加し、得られた溶液を室温で3時間撹拌した。その後、目的の化合物をEtOAC:ヘキサン(5:20)の混合液により溶液から沈降させ、濾過して取り、減圧下で乾燥させた。(R)-2-(3,3-ジメチルウレイド)-2-フェニル酢酸を白色の固形物として単離し(0.59g, 86%)、さらなる精製は行わずに用いた。 1H NMR (500 MHz, DMSO-d6) δ ppm 2.82 (s, 6H) 5.22 (d, J=7.32 Hz, 1H) 6.58 (d, J=7.32 Hz, 1H) 7.28 (t, J=7.17 Hz, 1H) 7.33 (t, J=7.32 Hz, 2H) 7.38-7.43 (m, 2H) 12.65 (s, 1H). LCMS: C11H14N2O3として計算;計算値: 222.24; 実測値: 223.21 (M+H)+. HPLC XTERRA C-18 3.0 × 50 mm, 2分かけて0から100%B, ホールド時間1分, A=90%水, 10%メタノール, 0.2% H3PO4, B=10%水, 90%メタノール, 0.2% H3PO4, 保持時間=0.75分, 93% 均一性指数.
Cap-48
工程1; (R)-tert-ブチル 2-(3-シクロペンチルウレイド)-2-フェニルアセテート: 撹拌した、DMF(15 mL)中の(R)-2-アミノ-2-フェニル酢酸塩酸塩(1.0 g, 4.10 mmol)およびヒューニッヒ塩基(1.0 mL, 6.15 mmol)の溶液に、イソシアン酸シクロペンチル(0.46 mL, 4.10 mmol)を10分かけて滴加した。室温で3時間撹拌した後、該反応液を減圧下で濃縮し、得られた残基を酢酸エチルに溶解させた。該有機層をH
2Oおよび食塩水で洗浄し、乾燥させ(MgSO
4)、濾過し、減圧下で濃縮した。(R)-tert-ブチル 2-(3-シクロペンチルウレイド)-2-フェニルアセテートを不透明な油状物として得て(1.32 g; 100 %)、さらなる精製は行わずに用いた。
1H NMR (500 MHz, CD
3Cl-D) δ ppm 1.50-1.57 (m, 2H) 1.58-1.66 (m, 2H) 1.87-1.97 (m, 2H) 3.89-3.98 (m, 1H) 5.37 (s, 1H) 7.26-7.38 (m, 5H). LCMS: C
18H
26N
2O
3として計算;計算値318.19 実測値 319.21 (M+H)
+; HPLC XTERRA C-18 3.0 × 50 mm, 4分かけて0から100%B, ホールド時間1分, A=90%水, 10%メタノール, 0.1%TFA, B=10%水, 90%メタノール, 0.1%TFA, 保持時間=2.82分, 96% 均一性指数.
工程2; (R)-2-(3-シクロペンチルウレイド)-2-フェニル酢酸: 撹拌した(R)-tert-ブチル 2-(3-シクロペンチルウレイド)-2-フェニルアセテート(1.31 g, 4.10 mmol)/CH2Cl2(25 mL)溶液に、TFA(4 mL)およびトリエチルシラン(1.64 mL; 10.3 mmol)を滴加し、得られた溶液を室温で6時間撹拌した。揮発性成分を減圧下で除去し、該粗生成物を酢酸エチル/ペンタン中で再結晶化させて、(R)-2-(3-シクロペンチルウレイド)-2-フェニル酢酸を白色の固形物として得た(0.69 g, 64%)。 1H NMR (500 MHz, DMSO-d6) δ ppm 1.17-1.35 (m, 2H) 1.42-1.52 (m, 2H) 1.53-1.64 (m, 2H) 1.67-1.80 (m, 2H) 3.75-3.89 (m, 1H) 5.17 (d, J=7.93 Hz, 1H) 6.12 (d, J=7.32 Hz, 1H) 6.48 (d, J=7.93 Hz, 1H) 7.24-7.40 (m, 5H) 12.73 (s, 1H). LCMS: C14H18N2O3として計算;計算値: 262.31; 実測値: 263.15 (M+H)+. HPLC XTERRA C-18 3.0 × 50 mm, 2分かけて0から100%B, ホールド時間1分, A=90%水, 10%メタノール, 0.2% H3PO4, B=10%水, 90%メタノール, 0.2% H3PO4, 保持時間=1.24分, 100% 均一性指数.
Cap-49
撹拌した2-(ベンジルアミノ)酢酸(2.0 g, 12.1 mmol)/ギ酸(91 mL)溶液に、ホルムアルデヒド(6.94 mL, 93.2 mmol)を添加した。70℃で5時間後、該反応混合液を減圧下で20 mLに濃縮し、白色の固形物を沈殿させた。濾過の後、該母液を集めて、さらに減圧下で濃縮して粗生成物を得た。逆相プレパラティブHPLC(Xterra 30 X 100 mm, 220 nmで検出, 流速35 mL/分, 8分かけて0から35%B; A= 90%水, 10%メタノール, 0.1%TFA, B=10%水, 90%メタノール, 0.1%TFA)により精製して、TFA塩としての表題の化合物2-(ベンジル(メチル)-アミノ)酢酸(723 mg, 33%)を無色のろう状物質として得た。
1H NMR (300 MHz, DMSO-d
6) δ ppm 2.75 (s, 3H) 4.04 (s, 2H) 4.34 (s, 2H) 7.29-7.68 (m, 5H). LCMS: C
10H
13NO
2として計算;計算値: 175.05; 実測値: 180.20 (M+H)
+.
Cap-50
撹拌した3-メチル-2-(メチルアミノ)ブタン酸(0.50 g, 3.81 mmol)/水(30 mL)溶液に、K
2CO
3(2.63 g, 19.1 mmol)および塩化ベンジル(1.32 g, 11.4 mmol)を添加した。該反応混合液を周囲温度で18時間撹拌した。該反応混合液を酢酸エチル(30 mL x 2)で抽出し、該水層を減圧下で濃縮して粗生成物を得て、逆相プレパラティブHPLC(Xterra 30 x 100mm, 220 nmで検出, 流速40 mL/分, 6分かけて20から80%B; A= 90%水, 10%メタノール, 0.1%TFA, B=10%水, 90%メタノール, 0.1%TFA)により精製して、2-(ベンジル(メチル)アミノ)-3-メチルブタン酸, TFA塩(126 mg, 19%)を無色のろう状物質として得た。
1H NMR (500 MHz, DMSO-d
6) δ ppm 0.98 (d, 3H) 1.07 (d, 3H) 2.33-2.48 (m, 1H) 2.54-2.78 (m, 3H) 3.69 (s, 1H) 4.24 (s, 2H) 7.29-7.65 (m, 5H). LCMS: C
13H
19NO
2として計算;計算値: 221.14; 実測値: 222.28 (M+H)
+.
Cap-51
Na
2CO
3(1.83g, 17.2 mmol)をL-バリン(3.9 g, 33.29 mmol)のNaOH(33 mLの1M/H
2O, 33 mmol)溶液に添加し、得られた溶液を氷-水浴で冷却した。クロロギ酸メチル(2.8 mL, 36.1 mmol)を15分かけて滴加し、該冷却浴を取り外して、該反応混合液を周囲温度で3.25時間撹拌した。該反応混合液をエーテル(50 mL, 3x)で洗浄し、該水相を氷-水浴で冷却して濃HClでpH1-2の範囲に酸性化し、CH
2Cl
2(50 mL, 3x)で抽出した。該有機相を乾燥させ(MgSO
4)て減圧でエバポレートし、Cap-51を白色の固形物として得た(6 g)。主要な回転異性体についての
1H NMR (DMSO-d
6, δ=2.5 ppm, 500 MHz): 12.54 (s, 1H), 7.33 (d, J=8.6, 1H), 3.84 (dd, J=8.4, 6.0, 1H), 3.54 (s, 3H), 2.03 (m, 1H), 0.87 (m, 6H). HRMS: [M+H]
+ C
7H
14NO
4として計算;計算値: 176.0923; 実測値 176.0922
Cap-52
Cap-52は、Cap-51の合成について記載した方法に従って、L-アラニンから合成した。 特性解析を目的として、粗物質の一部を逆相HPLC(H
2O/メタノール/TFA)により精製して、Cap-52を無色の粘稠性の油状物として得た。
1H NMR (DMSO-d
6, δ=2.5 ppm, 500 MHz): 12.49 (ブロードのs, 1H), 7.43 (d, J=7.3, 0.88H), 7.09 (見かけ上のブロードのs, 0.12H), 3.97 (m, 1H), 3.53 (s, 3H), 1.25 (d, J=7.3, 3H).
Cap-53から-64は、Cap-51の製造に記載した方法に従って、もしあれば記載の改変法を用いて、適当な出発物質から製造した。
Cap-65
冷却(氷-水)した、Na
2CO
3(0.449 g, 4.23 mmol)、NaOH(8.2 mLの1M/H
2O, 8.2 mmol)および(S)-2-アミノ-3-ヒドロキシ-3-メチルブタン酸(1.04 g, 7.81 mmol)の混合液に、クロロギ酸メチル(0.65 mL, 8.39 mmol)を5分かけて滴加した。該反応混合液を45分間撹拌した後、該冷却浴を取り外し、さらに3.75時間撹拌を続けた。該反応混合液をCH
2Cl
2で洗浄し、該水相を氷-水浴で冷却して濃HClでpH1-2の範囲に酸性化した。該揮発性成分を減圧除去して、該残渣をMeOH/CH
2Cl
2の2:1混合液(15 mL)に溶解させて濾過し、該濾液をロータリーエバポレーターで処理して(rotervaped)、Cap-65を白色の半-粘稠性の泡状物質として得た(1.236 g)。
1H NMR (DMSO-d
6, δ = 2.5 ppm, 400 MHz): δ 6.94 (d, J = 8.5, 0.9 H), 6.53 (ブロードのs, 0.1H), 3.89 (d, J = 8.8, 1H), 2.94 (s, 3H), 1.15 (s, 3H), 1.13 (s, 3H).
Cap-66および-67は、Cap-65の合成に記載した方法を用いて、適当な市販の出発物質から製造した。
Cap-66
1H NMR (DMSO-d
6, δ = 2.5 ppm, 400 MHz): δ 12.58 (ブロードのs, 1H), 7.07 (d, J = 8.3, 0.13H), 6.81 (d, J = 8.8, 0.67H), 4.10-4.02 (m, 1.15H), 3.91 (dd, J = 9.1, 3.5, 0.85H), 3.56 (s, 3H), 1.09 (d, J = 6.2, 3H). [注: NHの主要なシグナルのみを記載した]
Cap-67
1H NMR (DMSO-d
6, δ = 2.5 ppm, 400 MHz): 12.51 (ブロードのs, 1H), 7.25 (d, J = 8.4, 0.75H), 7.12 (ブロードのd, J = 0.4, 0.05H), 6.86 (ブロードのs, 0.08H), 3.95-3.85 (m, 2H), 3.54 (s, 3H), 1.08 (d, J = 6.3, 3H). [注: NHの主要なシグナルのみを記載した]
Cap-68
クロロギ酸メチル(0.38 ml, 4.9 mmol)を、1N NaOH(水溶液)(9.0 ml, 9.0 mmol)、1M NaHCO
3(水溶液)(9.0 ml, 9.0 mol)、L-アスパラギン酸β-ベンジルエステル(1.0 g, 4.5 mmol)およびジオキサン(9 ml)の混合液に滴加した。該反応混合液を周囲条件で3時間撹拌した後、酢酸エチル(50 ml, 3x)で洗浄した。該水層を12N HClでpH〜1-2に酸性化し、酢酸エチル(3 x 50 ml)で抽出した。有機層を合わせて食塩水で洗浄し、乾燥させ(Na
2SO
4)、濾過し、減圧濃縮してCap-68を淡黄色の油状物として得た(1.37g;量は上記の理論的収量であり、該生成物をさらなる精製は行わずに用いた)。
1H NMR (DMSO-d
6, δ = 2.5 ppm, 500 MHz): δ 12.88 (ブロードのs, 1H), 7.55 (d, J = 8.5, 1H), 7.40-7.32 (m, 5H), 5.13 (d, J = 12.8, 1H), 5.10 (d, J = 12.9, 1H), 4.42-4.38 (m, 1H), 3.55 (s, 3H), 2.87 (dd, J = 16.2, 5.5, 1H), 2.71 (dd, J =16.2, 8.3, 1H). LC (条件 2): 保持時間= 1.90分; LC/MS: [M+H]
+ C
13H
16NO
6として計算;計算値: 282.10; 実測値 282.12.
Cap-69aおよび-69b
冷却した(〜15℃)、アラニン(1.338 g, 15.0 mmol)の水(17 mL)/MeOH(10 mL)溶液に、NaCNBH
3(2.416 g, 36.5 mmol)を何回かに分けて添加した。数分後、アセトアルデヒド(4.0 mL, 71.3 mmol)を4分かけて滴加して、該冷却浴を取り外し、該反応混合液を周囲条件で6時間撹拌した。さらなるアセトアルデヒド(4.0 mL)を添加し、該反応液を2時間撹拌した。該反応混合液に、pHが〜1.5に達するまで濃HClをゆっくりと添加し、得られた混合液を40℃で1時間加熱した。ほとんどの揮発性成分を減圧除去し、該残渣をDowex(登録商標)50WX8-100 イオン交換樹脂(カラムを水洗し、該化合物を18 mlのNH
4OHと282 mlの水を混合して調製した希NH
4OHで溶出した)で精製して、Cap-69(2.0 g)をオフホワイト色の柔らかい吸湿性の固形物として得た。
1H NMR (DMSO-d
6, δ = 2.5 ppm, 400 MHz): δ 3.44 (q, J = 7.1, 1H), 2.99-2.90 (m, 2H), 2.89-2.80 (m, 2H), 1.23 (d, J = 7.1, 3H), 1.13 (t, J = 7.3, 6H).
Cap-70から-74xは、Cap-69の合成に記載の方法に従って、適当な出発物質を用いることにより製造した。
Cap-75
Cap-75, 工程a
冷却した(氷/水浴)、H-D-Ser-OBzl HCl(2.0 g, 8.6 mmol)の水(25 ml)/メタノール(15 ml)溶液に、NaBH
3CN(1.6 g, 25.5 mmol)を添加した。アセトアルデヒド(1.5 ml, 12.5 mmol)を5分かけて滴加し、該冷却浴を取り外し、該反応混合液を周囲条件で2時間撹拌した。該反応液を12N HClで慎重にクエンチし、減圧濃縮した。該残渣を水に溶解させ、逆相HPLC(MeOH/H
2O/TFA)で精製して、(R)-ベンジル 2-(ジエチルアミノ)-3-ヒドロキシプロパノエートのTFA塩を無色の粘稠性の油状物として得た(1.9g)。
1H NMR (DMSO-d
6, δ = 2.5 ppm, 500 MHz): δ 9.73 (ブロードのs, 1H), 7.52-7.36 (m, 5H), 5.32 (d, J = 12.2, 1H), 5.27 (d, J = 12.5, 1H), 4.54-4.32 (m, 1H), 4.05-3.97 (m, 2H), 3.43-3.21 (m, 4H), 1.23 (t, J = 7.2, 6H). LC/MS (条件 2): 保持時間= 1.38分; LC/MS: [M+H]
+ C
14H
22NO
3として計算;計算値: 252.16; 実測値 252.19.
Cap-75
冷却した(氷-水)、上記で製造したTFA塩(R)-ベンジル 2-(ジエチルアミノ)-3-ヒドロキシプロパノエート(0.3019 g, 0.8264 mmol)のTHF(3.0 mL)溶液に、NaH(0.0727 g, 1.82 mmol, 60%)を添加し、該混合液を15分間撹拌した。ヨウ化メチル(56 μL, 0.90 mmol)を添加し、該浴を周囲条件に緩和しながら18時間撹拌を続けた。該反応液を水でクエンチし、MeOHで予めコンディショニングしたMCX(6 g)カートリッジにロードし、メタノールで洗浄した後、2N NH3/メタノールで化合物を溶出した。揮発性成分を減圧除去して、(R)-2-(ジエチルアミノ)-3-ヒドロキシプロパン酸が混入したCap-75を、黄色の半-固形物として得た(100 mg)。該生成物をさらなる精製は行わずにそのまま用いた。
Cap-76
冷却した(〜15℃)、(S)-4-アミノ-2-(tert-ブトキシカルボニルアミノ)ブタン酸(2.17 g, 9.94 mmol)の水/MeOH(各12 mL)溶液に、NaCNBH
3(1.60 g, 24.2 mmol)を何回かに分けて添加した。数分後、アセトアルデヒド(2.7 mL, 48.1 mmol)を2分かけて滴加し、該冷却浴を取り外し、該反応混合液を周囲条件で3.5時間撹拌した。さらなるアセトアルデヒド(2.7 mL, 48.1 mmol)を添加し、該反応液を20.5時間撹拌した。ほとんどのMeOH成分を減圧除去し、残った混合液をそのpHが〜1.0に達するまで濃HClで処理し、次いで40℃で2時間加熱した。該揮発性成分を減圧除去し、該残渣を4 M HCl/ジオキサン(20 mL)で処理して、周囲条件で7.5時間撹拌した。該揮発性成分を減圧除去し、該残渣をDowex(登録商標)50WX8-100 イオン交換樹脂(カラムを水洗し、18 mlのNH
4OHと282 mlの水から調製した希NH
4OHで化合物を溶出した)で精製して、中間体(S)-2-アミノ-4-(ジエチルアミノ)ブタン酸をオフホワイト色の固形物として得た(1.73 g)。
冷却した(氷-水)、Na2CO3(0.243 g, 2.29 mmol)、NaOH(4.6 mLの1M/H2O, 4.6 mmol)および上記生成物(802.4 mg)の混合液に、クロロギ酸メチル(0.36 mL, 4.65 mmol)を11分かけて滴加した。該反応混合液を55分間撹拌した後、該冷却浴を取り外し、さらに5.25時間撹拌を続けた。該反応混合液を等量の水で希釈し、CH2Cl2(30 mL, 2x)で洗浄し、該水相を氷-水浴で冷却して、濃HClでpH2の範囲まで酸性化した。次いで、該揮発性成分を減圧除去し、該粗物質を、MCX樹脂(6.0g;カラムを水洗し、サンプルを2.0 M NH3/MeOHで溶出した)で遊離-塩基にして、純粋でないCap-76をオフホワイト色の固形物として得た(704 mg)。 1H NMR (MeOH-d4, δ = 3.29 ppm, 400 MHz): δ 3.99 (dd, J = 7.5, 4.7, 1H), 3.62 (s, 3H), 3.25-3.06 (m, 6H), 2.18-2.09 (m, 1H), 2.04-1.96 (m, 1H), 1.28 (t, J = 7.3, 6H). LC/MS: [M+H]+ C10H21N2O4として計算;計算値: 233.15; 実測値 233.24.
Cap-77aおよび-77b
Cap-7について記載の方法に従って、SN
2置換工程に7-アザビシクロ[2.2.1]ヘプタンを用いることにより、および以下の条件を用いて中間体2-(7-アザビシクロ[2.2.1]ヘプタン-7-イル)-2-フェニル酢酸ベンジルのエナンチオマー分離を達成することにより、Cap-77の合成を行った: 該中間体(303.7 mg)をエタノールに溶解させ、得られた溶液を、キラルHPLCカラム(Chiracel AD-Hカラム, 30 x 250 mm, 5 μm)に注入し、70 mL/分および温度35℃で、90%CO
2-10%EtOHを用いて溶出し、124.5 mgのエナンチオマー-1および133.8 mgのエナンチオマー-2を得た。これらのベンジルエステルをCap-7の製造に従って水素化分解して、Cap-77を得た:
1H NMR (DMSO-d
6, δ = 2.5 ppm, 400 MHz): δ 7.55 (m, 2H), 7.38-7.30 (m, 3H), 4.16 (s, 1H), 3.54 (見かけ上のブロードのs, 2H), 2.08-1.88 (m, 4 H), 1.57-1.46 (m, 4H)。 LC (条件 1): 保持時間= 0.67分; LC/MS: [M+H]
+ C
14H
18NO
2として計算;計算値: 232.13; 実測値 232.18. HRMS: [M+H]
+ C
14H
18NO
2として計算;計算値: 232.1338; 実測値 232.1340.
Cap-78
MeOH(10 mL)中の(R)-2-(エチルアミノ)-2-フェニル酢酸のHCl塩(Cap-3の合成における中間体; 0.9923 mg, 4.60 mmol)および(1-エトキシシクロプロポキシ)トリメチルシラン(1.640 g, 9.40 mmol)の混合液に、NaCNBH
3(0.5828 g, 9.27 mmol)を添加し、該半-不均一な混合液を油浴により50℃で20時間加熱した。さらなる(1-エトキシシクロプロポキシ)トリメチルシラン(150 mg, 0.86 mmol)およびNaCNBH
3(52 mg, 0.827 mmol)を添加し、該反応混合液をさらに3.5時間加熱した。その後、周囲温度に冷却して、濃HClを用いて〜pH2の範囲まで酸性化し、該混合液を濾過して該濾液をロータリーエバポレーターで処理した。得られた粗物質をi-PrOH(6 mL)に溶解させ、加熱して溶解を効率よくし、溶解しなかった部分を濾過により除去して、該濾液を減圧濃縮した。得られた粗物質の約1/3を逆相HPLC(H
2O/MeOH/TFA)で精製して、Cap-78のTFA塩を無色の粘稠性の油状物として得た(353 mg)。
1H NMR (DMSO-d
6, δ = 2.5 ppm, 400 MHz; D
2O交換後): δ 7.56-7.49 (m, 5H), 5.35 (S, 1H), 3.35 (m, 1H), 3.06 (見かけ上のブロードのs, 1H), 2.66 (m, 1H), 1.26 (t, J = 7.3, 3H), 0.92 (m, 1H), 0.83-0.44 (m, 3H). LC (条件 1): 保持時間= 0.64分: LC/MS: [M+H]
+ C
13H
18NO
2として計算;計算値: 220.13; 実測値 220.21. HRMS: [M+H]
+ C
13H
18NO
2として計算;計算値: 220.1338; 実測値 220.1343.
Cap-79
冷却した(-78℃)Cap-55(369 mg, 2.13 mmol)のCH
2Cl
2(5.0 mL)溶液に、オゾンを、該反応混合液が淡い青色になるまで約50分バブルした。Me
2S(10ピペット滴)を添加し、該反応混合液を35分間撹拌した。-78℃浴を-10℃浴に置き換えてさらに30分撹拌を続けた後、該揮発性成分を減圧除去して無色の粘稠性の油状物を得た。
NaBH3CN(149 mg, 2.25 mmol)を上記粗物質およびモルホリン(500 μL, 5.72 mmol)のMeOH(5.0 mL)溶液に添加し、該混合液を周囲条件で4時間撹拌した。氷-水温度に冷却し、濃HClで処理してそのpHを〜2.0にした後、2.5時間撹拌した。該揮発性成分を減圧除去し、該残渣をMCX樹脂(MeOH洗浄; 2.0 N NH3/MeOH溶出)と逆相HPLC(H2O/MeOH/TFA)の組み合わせで精製して、未知の量のモルホリンを含むCap-79を得た。
モルホリン混入を消滅させるために、上記の物質をCH2Cl2(1.5 mL)に溶解させてEt3N(0.27 mL, 1.94 mmol)で処理した後、無水酢酸(0.10 mL, 1.06 mmol)で処理し、周囲条件で18時間撹拌した。THF(1.0 mL)およびH2O(0.5 mL)を添加して1.5時間撹拌を続けた。該揮発性成分を減圧除去して、得られた残渣をMCX樹脂(MeOH洗浄; 2.0 N NH3/MeOH溶出)に通し、純粋でないCap-79を茶色の粘稠性の油状物として得て、それをさらなる精製は行わずに次の工程に用いた。
Cap-80aおよび-80b
冷却した(氷-水)、(S)-3-アミノ-4-(ベンジルオキシ)-4-オキソブタン酸(10.04g, 44.98 mmol)およびMeOH(300 mL)の混合液に、SOCl
2(6.60 mL, 90.5 mmol)を15分かけて滴加し、該冷却浴を取り外して、該反応混合液を周囲条件で29時間撹拌した。ほとんどの揮発性成分を減圧除去して、該残渣をEtOAc(150 mL)と飽和NaHCO
3溶液間に慎重に分配した。該水相をEtOAc(150 mL, 2x)で抽出して、有機相を合わせて乾燥させ(MgSO
4)、濾過し、減圧濃縮して(S)-1-ベンジル 4-メチル 2-アミノスクシネートを無色の油状物として得た(9.706g).
1H NMR (DMSO-d
6, δ = 2.5 ppm, 400 MHz): δ 7.40-7.32 (m, 5H), 5.11 (s, 2H), 3.72 (見かけ上のt, J = 6.6, 1H), 3.55 (s, 3H), 2.68 (dd, J = 15.9, 6.3, 1H), 2.58 (dd, J = 15.9, 6.8, 1H), 1.96 (s, 2H). LC (条件 1): 保持時間= 0.90分; LC/MS: [M+H]
+ C
12H
16NO
4として計算;計算値: 238.11; 実測値 238.22.
(S)-1-ベンジル 4-メチル 2-アミノスクシネート(4.50 g, 19.0 mmol)、9-ブロモ-9-フェニル-9H-フルオレン(6.44 g, 20.0 mmol)およびEt3N(3.0 mL, 21.5 mmol)のCH2Cl2(80 mL)溶液に、Pb(NO3)2(6.06 g, 18.3 mmol)を1分かけて添加し、該不均一な混合液を周囲条件で48時間撹拌した。該混合液を濾過し、該濾液をMgSO4で処理して再度濾過し、最終的な濾液を濃縮した。得られた粗物質をBiotage精製(350 g シリカゲル, CH2Cl2溶出)で処理して、(S)-1-ベンジル 4-メチル 2-(9-フェニル-9H-フルオレン-9-イルアミノ)スクシネートを高い粘稠性の無色の油状物として得た(7.93 g)。 1H NMR (DMSO-d6, δ = 2.5 ppm, 400 MHz): δ 7.82 (m, 2H), 7.39-7.13 (m, 16H), 4.71 (d, J = 12.4, 1H), 4.51 (d, J = 12.6, 1H), 3.78 (d, J = 9.1, NH), 3.50 (s, 3H), 2.99 (m, 1H), 2.50-2.41 (m, 2H, 溶媒と部分的に重複). LC (条件 1): 保持時間= 2.16分; LC/MS: [M+H]+ C31H28NO4として計算;計算値: 478.20; 実測値 478.19.
冷却した(-78℃)、(S)-1-ベンジル 4-メチル 2-(9-フェニル-9H-フルオレン-9-イルアミノ)スクシネート(3.907 g, 8.18 mmol)のTHF(50 mL)溶液に、LiHMDS(9.2 mLの1.0 M/THF, 9.2 mmol)を10分かけて滴加し、〜1時間撹拌した。MeI(0.57 mL, 9.2 mmol)を8分かけて該混合液に滴加し、冷却浴を室温に緩和しながら16.5時間撹拌を続けた。飽和NH4Cl溶液(5 mL)でクエンチした後、ほとんどの有機成分を減圧除去し、該残渣をCH2Cl2(100 mL)と水(40 mL)間に分配した。該有機層を乾燥させ(MgSO4)、濾過し、減圧濃縮し、得られた粗物質をBiotage(350 g シリカゲル; 25% EtOAc/ヘキサン)で精製して、〜1.0:0.65の比(1H NMR)の、3.65 gの1-ベンジル 4-メチル 3-メチル-2-(9-フェニル-9H-フルオレン-9-イルアミノ)スクシネートの2S/3Sおよび2S/3Rジアステレオマー混合物を得た。主要な異性体の立体化学はこの時点では決定せず、該混合液を分離せずに次の工程に用いた。部分的な 1H NMR データ(DMSO-d6, δ = 2.5 ppm, 400 MHz): 主要なジアステレオマー, δ 4.39 (d, J = 12.3, CH2の1H), 3.33 (s, 3H, H2Oシグナルと重複), 3.50 (d, J = 10.9, NH), 1.13 (d, J = 7.1, 3H); 少量のジアステレオマー, δ 4.27 (d, J =12.3, CH2の1H), 3.76 (d, J = 10.9, NH), 3.64 (s, 3H), 0.77 (d, J = 7.0, 3H). LC (条件 1): 保持時間= 2.19分; LC/MS: [M+H]+ C32H30NO4として計算;計算値: 492.22; 実測値 492.15.
冷却した(-78℃)、上記で製造した(2S)-1-ベンジル 4-メチル 3-メチル-2-(9-フェニル-9H-フルオレン-9-イルアミノ)スクシネート(3.37 g, 6.86 mmol)のTHF(120 mL)溶液に、水素化ジイソブチルアルミニウム(20.57 mlの1.0 M/ヘキサン, 20.57 mmol)を10分かけて滴加し、-78℃で20時間撹拌した。該反応混合液を冷却浴から取り外し、〜1M H3PO4/H2O(250 mL)に撹拌しながら迅速に注ぎ入れ、該混合液をエーテル(100 mL, 2x)で抽出した。有機相を合わせて食塩水で洗浄し、乾燥させ(MgSO4)、濾過して減圧濃縮した。該粗物質のシリカゲルメッシュを調製し、クロマトグラフィー(25% EtOAc/ヘキサン; 重力溶出)で処理して、ベンジルアルコールが混入した1.1 gの(2S,3S)-ベンジル 4-ヒドロキシ-3-メチル-2-(9-フェニル-9H-フルオレン-9-イルアミノ)ブタノエートを無色の粘稠性の油状物として、および(2S,3R)立体異性体を含む純粋でない(2S,3R)-ベンジル 4-ヒドロキシ-3-メチル-2-(9-フェニル-9H-フルオレン-9-イルアミノ)ブタノエートを得た。後者のサンプルを、同一のカラムクロマトグラフィー精製条件で再処理して、750 mgの精製物質を白色の泡状物質として得た。[注:上記条件下において、該(2S, 3S)異性体を溶出した後、該(2S,3R)異性体を溶出した]。(2S, 3S)異性体: 1H NMR (DMSO-d6, δ = 2.5 ppm, 400 MHz): 7.81 (m, 2H), 7.39-7.08 (m, 16H), 4.67 (d, J = 12.3, 1H), 4.43 (d, J = 12.4, 1H), 4.21 (見かけ上のt, J = 5.2, OH), 3.22 (d, J = 10.1, NH), 3.17 (m, 1H), 3.08 (m, 1H), 〜2.5 (m, 1H, 溶媒シグナルと重複), 1.58 (m, 1H), 0.88 (d, J = 6.8, 3H). LC (条件 1): 保持時間= 2.00分; LC/MS: [M+H]+ C31H30NO3として計算;計算値: 464.45; 実測値 464.22. (2S, 3R)異性体: 1H NMR (DMSO-d6, δ = 2.5 ppm, 400 MHz): 7.81 (d, J = 7.5, 2H), 7.39-7.10 (m, 16H), 4.63 (d, J= 12.1, 1H), 4.50 (見かけ上のt, J = 4.9, 1H), 4.32 (d, J = 12.1, 1H), 3.59-3.53 (m, 2H), 3.23 (m, 1H), 2.44 (dd, J = 9.0, 8.3, 1H), 1.70 (m, 1H), 0.57 (d, J = 6.8, 3H). LC (条件 1): 保持時間= 1.92分; LC/MS: [M+H]+ C31H30NO3として計算;計算値: 464.45; 実測値 464.52.
以下の方法を用いることにより各異性体から製造したラクトン誘導体で実施されたNOE研究に基づいて、DIBAL-還元生成物の相対的立体化学の帰属(relative stereochemical assignment)を行った: 冷却した(氷-水)、(2S,3S)-ベンジル 4-ヒドロキシ-3-メチル-2-(9-フェニル-9H-フルオレン-9-イルアミノ)ブタノエート(62.7 mg, 0.135 mmol)のTHF(2.0 mL)溶液に、LiHMDS(50 μLの1.0 M/THF, 0.05 mmol)を添加し、該反応混合液を同様の温度で〜2時間撹拌した。該揮発性成分を減圧除去して、該残渣をCH2Cl2(30 mL)、水(20 mL)と飽和NH4Cl水溶液(1 mL)との間に分配した。該有機層を乾燥させ(MgSO4)、濾過し、減圧濃縮し、得られた粗物質をBiotage精製(40 g シリカゲル; 10-15% EtOAc/ヘキサン)で処理して(3S,4S)-4-メチル-3-(9-フェニル-9H-フルオレン-9-イルアミノ)ジヒドロフラン-2(3H)-オンを無色のフィルム状固形物として得た(28.1 mg)。(2S,3R)-ベンジル 4-ヒドロキシ-3-メチル-2-(9-フェニル-9H-フルオレン-9-イルアミノ)ブタノエートを、(3S,4R)-4-メチル-3-(9-フェニル-9H-フルオレン-9-イルアミノ)ジヒドロフラン-2(3H)-オンと同様に合成した。(3S,4S)-ラクトン異性体: 1H NMR (DMSO-d6, δ = 2.5 ppm, 400 MHz), 7.83 (d, J = 7.5, 2H), 7.46-7.17 (m, 11H), 4.14 (見かけ上のt, J = 8.3, 1H), 3.60 (d, J = 5.8, NH), 3.45 (見かけ上のt, J = 9.2, 1H), 〜2.47 (m, 1H, 溶媒シグナルと部分的に重複), 2.16 (m, 1H), 0.27 (d, J = 6.6, 3H). LC (条件 1): 保持時間= 1.98分; LC/MS: [M+Na]+ C24H21NNaO2として計算;計算値: 378.15; 実測値 378.42. (3S,4R)-ラクトン異性体: 1H NMR (DMSO-d6, δ = 2.5 ppm, 400 MHz), 7.89 (d, J = 7.6, 1H), 7.85 (d, J = 7.3, 1H), 7.46-7.20 (m, 11H), 3.95 (dd, J = 9.1, 4.8, 1H), 3.76 (d, J = 8.8, 1H), 2.96 (d, J = 3.0, NH), 2.92 (dd, J = 6.8, 3, NCH), 1.55 (m, 1H), 0.97 (d, J = 7.0, 3H). LC (条件 1): 保持時間= 2.03分; LC/MS: [M+Na]+ C24H21NNaO2として計算;計算値: 378.15; 実測値 378.49.
(2S,3S)-ベンジル 4-ヒドロキシ-3-メチル-2-(9-フェニル-9H-フルオレン-9-イルアミノ)ブタノエート(119.5 mg, 0.258 mmol)のCH2Cl2(3 ml)溶液にTBDMS-Cl(48 mg, 0.312 mmol)を添加した後、イミダゾール(28.8 mg, 0.423 mmol)を添加し、該混合液を周囲条件で14.25時間撹拌した。次いで、該反応混合液をCH2Cl2(30 mL)で希釈し、水洗し(15 mL)、該有機層を乾燥させ(MgSO4)、濾過し、減圧濃縮した。得られた粗物質をBiotage(40 gシリカゲル; 5% EtOAc/ヘキサン)で精製して、TBDMSベースの不純物が混入した(2S,3S)-ベンジル 4-(tert-ブチルジメチルシリルオキシ)-3-メチル-2-(9-フェニル-9H-フルオレン-9-イルアミノ)ブタノエートを、無色の粘稠性の油状物として得た(124.4 mg)。(2S,3R)-ベンジル 4-ヒドロキシ-3-メチル-2-(9-フェニル-9H-フルオレン-9-イルアミノ)ブタノエートを、(2S,3R)-ベンジル 4-(tert-ブチルジメチルシリルオキシ)-3-メチル-2-(9-フェニル-9H-フルオレン-9-イルアミノ)ブタノエートと同様に合成した。(2S,3S)-シリルエーテル異性体: 1H NMR (DMSO-d6, δ = 2.5 ppm, 400 MHz), 7.82 (d, J = 4.1, 1H), 7.80 (d, J = 4.0, 1H), 7.38-7.07 (m, 16 H), 4.70 (d, J = 12.4, 1H), 4.42 (d, J = 12.3, 1H), 3.28-3.19 (m, 3H), 2.56 (dd, J = 10.1, 5.5, 1H), 1.61 (m, 1H), 0.90 (d, J = 6.8, 3H), 0.70 (s, 9H), -0.13 (s, 3H), -0.16 (s, 3H). LC (条件 1, ラン時間を4分に延ばした): 保持時間= 3.26分; LC/MS: [M+H]+ C37H44NO3Siとして計算;計算値: 578.31; 実測値 578.40. (2S,3R)-シリルエーテル異性体: 1H NMR (DMSO-d6, δ = 2.5 ppm, 400 MHz), 7.82 (d, J = 3.0, 1H), 7.80 (d, J = 3.1, 1H), 7.39-7.10 (m, 16H), 4.66 (d, J = 12.4, 1H), 4.39 (d, J = 12.4, 1H), 3.61 (dd, J = 9.9, 5.6, 1H), 3.45 (d, J = 9.5, 1H), 3.41 (dd, J = 10, 6.2, 1H), 2.55 (dd, J = 9.5, 7.3, 1H), 1.74 (m, 1H), 0.77 (s, 9H), 0.61 (d, J = 7.1, 3H), -0.06 (s, 3H), -0.08 (s, 3H).
水素のバルーンを、EtOAc(16 mL)中の(2S,3S)-ベンジル 4-(tert-ブチルジメチルシリルオキシ)-3-メチル-2-(9-フェニル-9H-フルオレン-9-イルアミノ)ブタノエート(836 mg, 1.447 mmol)および10% Pd/C(213 mg)の混合液に取り付け、該混合液を室温で〜21時間撹拌した(必要に応じて該バルーンをH2で再充填した)。該反応混合液をCH2Cl2で希釈し、珪藻土(セライト-545(登録商標))のパッドにより濾過し、該パッドをEtOAc(200 mL)、EtOAc/MeOH(1:1 混合液, 200 mL)およびMeOH(750 mL)で洗浄した。有機相を合わせて濃縮し、得られた粗物質からシリカゲルメッシュを調製し、フラッシュクロマトグラフィー(EtOAc/i-PrOH/H2Oの8:2:1混合液)で処理して、(2S,3S)-2-アミノ-4-(tert-ブチルジメチルシリルオキシ)-3-メチルブタン酸を白色の綿毛状の固形物として得た(325 mg)。(2S,3R)-ベンジル 4-(tert-ブチルジメチルシリルオキシ)-3-メチル-2-(9-フェニル-9H-フルオレン-9-イルアミノ)ブタノエートを、(2S,3R)-2-アミノ-4-(tert-ブチルジメチルシリルオキシ)-3-メチルブタン酸と同様に合成した。(2S,3S)-アミノ酸異性体: 1H NMR (メタノール-d4, δ = 3.29 ppm, 400 MHz), 3.76 (dd, J = 10.5, 5.2, 1H), 3.73 (d, J = 3.0, 1H), 3.67 (dd, J = 10.5, 7.0, 1H), 2.37 (m, 1H), 0.97 (d, J = 7.0, 3H), 0.92 (s, 9H), 0.10 (s, 6H). LC/MS: [M+H]+ C11H26NO3Siとして計算;計算値: 248.17; 実測値 248.44. (2S,3R)-アミノ酸異性体: 1H NMR (メタノール-d4, δ = 3.29 ppm, 400 MHz), 3.76-3.75 (m, 2H), 3.60 (d, J = 4.1, 1H), 2.16 (m, 1H), 1.06 (d, J = 7.3, 3H), 0.91 (s, 9H), 0.09 (s, 6H). [M+H]+ C11H26NO3Siとして計算;計算値: 248.17; 実測値 248.44.
(2S,3S)-2-アミノ-4-(tert-ブチルジメチルシリルオキシ)-3-メチルブタン酸(41.9 mg, 0.169 mmol)およびNa2CO3(11.9 mg, 0.112 mmol)の混合液に、水(1 mL)およびNaOH(0.18 mLの1.0 M/H2O, 0.18 mmol)を添加し、約1分間超音波処理して反応物の溶解を効率化した。次いで、該混合液を氷-水浴で冷却し、クロロギ酸メチル(0.02 mL, 0.259 mmol)を30秒かけて添加し、同様の温度で40分間、その後周囲温度で2.7時間、激しく撹拌を続けた。該反応混合液を水(5 mL)で希釈し、氷-水浴で冷却して1.0 N HCl水溶液(〜0.23 mL)で滴加処理した。該混合液をさらに水(10 mL)で希釈し、CH2Cl2(15 mL, 2x)で抽出した。有機相を合わせて乾燥させ(MgSO4)、濾過し、減圧濃縮してCap-80aをオフホワイト色の固形物として得た。(2S,3R)-2-アミノ-4-(tert-ブチルジメチルシリルオキシ)-3-メチルブタン酸をCap-80bと同様に合成した。Cap-80a: 1H NMR (DMSO-d6, δ = 2.5 ppm, 400 MHz), 12.57 (ブロードのs, 1H), 7.64 (d, J = 8.3, 0.3H), 7.19 (d, J = 8.8, 0.7H), 4.44 (dd, J = 8.1, 4.6, 0.3H), 4.23 (dd, J = 8.7, 4.4, 0.7H), 3.56/3.53 (2つの1重線, 3H), 3.48-3.40 (m, 2H), 2.22-2.10 (m, 1H), 0.85 (s, 9H), 〜0.84 (d, 0.9H, t-Buシグナルと重複), 0.79 (d, J = 7, 2.1H), 0.02/0.01/0.00 (3つの重複した1重線, 6H). LC/MS: [M+Na]+ C13H27NNaO5Siとして計算;計算値: 328.16; 実測値 328.46. Cap-80b: 1H NMR (CDCl3, δ = 7.24 ppm, 400 MHz), 6.00 (ブロードのd, J = 6.8, 1H), 4.36 (dd, J = 7.1, 3.1, 1H), 3.87 (dd, J = 10.5, 3.0, 1H), 3.67 (s, 3H), 3.58 (dd, J = 10.6, 4.8, 1H), 2.35 (m, 1H), 1.03 (d, J = 7.1, 3H), 0.90 (s, 9H), 0.08 (s, 6H). LC/MS: [M+Na]+ C13H27NNaO5Siとして計算;計算値: 328.16; 実測値 328.53. 該粗生成物をさらなる精製は行わずに用いた。
Cap-81
Falb et al. Synthetic Communications 1993, 23, 2839による記載の方法に従って製造した。
Cap-82からCap-85
Cap-82からCap-85を、Cap-51またはCap-13に記載の方法に従って、適当な出発物質から合成した。該サンプルは、それらのエナンチオマー(すなわち、各々、Cap-4、Cap-13、Cap-51およびCap-52)と同様のスペクトル特性を示した。
Cap-86
H
2O(15 mL)中のO-メチル-L-トレオニン(3.0 g, 22.55 mmol)、NaOH(0.902 g, 22.55 mmol)の混合液に、ClCO
2Me(1.74 mL, 22.55 mmol)を0℃で滴加した。該混合液を12時間撹拌し、1N HClを用いてpH1に酸性化した。該水相をEtOAc(2x250 mL)、および10% MeOH/CH
2Cl
2(250 mL)で抽出し、有機相を合わせて減圧濃縮して無色の油状物を得た(4.18 g, 97%)(それはその後の工程に用いるのに十分純粋であった)。
1HNMR (400 MHz, CDCl
3) δ 4.19 (s, 1H), 3.92-3.97 (m, 1H), 3.66 (s, 3H), 1.17 (d, J = 7.7 Hz, 3H). LCMS: C
7H
13NO
5として計算;計算値: 191; 実測値: 190 (M-H)
-.
Cap-87
H
2O(15 mL)中のL-ホモセリン(2.0 g, 9.79 mmol)、Na
2CO
3(2.08 g, 19.59 mmol)の混合液に、ClCO
2Me(0.76 mL, 9.79 mmol)を0℃で滴加した。該混合液を48時間撹拌し、1N HClを用いてpH1に酸性化した。該水相をEtOAc(2X250 mL)で抽出し、有機相を合わせて減圧下で濃縮して無色の固形物を得た(0.719 g, 28%)(それはその後の工程に用いるのに十分純粋であった)。
1HNMR (400 MHz, CDCl
3) δ 4.23 (dd, J = 4.5, 9.1 Hz, 1H), 3.66 (s, 3H), 3.43-3.49 (m, 2H), 2.08 - 2.14 (m, 1H), 1.82 - 1.89 (m, 1H). LCMS: C
7H
13NO
5として計算;計算値: 191; 実測値: 192 (M+H)
+.
Cap-88
DMSO(10 mL)中のL-バリン(1.0 g, 8.54 mmol)、3-ブロモピリジン(1.8 mL, 18.7 mmol)、K
2CO
3(2.45 g, 17.7 mmol)およびCuI(169 mg, 0.887 mmol)の混合液を、100℃で12時間加熱した。該反応混合液を室温に冷却してH
2O(約150 mL)に注ぎ入れ、EtOAc(x2)で洗浄した。該有機層を少量のH
2Oで抽出し、水相を合わせて、6N HClで約pH2に酸性化した。該量を約3分の1に減らし、20gのカチオン交換樹脂(Strata)を添加した。該スラリーを20分間静置し、カチオン交換樹脂(Strata)のパッド(約25g)にロードした。該パッドを、H
2O(200 mL)、MeOH(200 mL)、次いでNH
3(MeOH中で3M, 2X200 mL)で洗浄した。適当なフラクションを減圧濃縮し、該残渣(約1.1 g)をH
2Oに溶解させ、凍らせて凍結乾燥させた(lyophyllized)。表題の化合物を泡状物質として得た(1.02 g, 62%)。
1HNMR (400 MHz, DMSO-d
6) δ 8.00 (s, ブロード, 1H), 7.68 - 7.71 (m, 1H), 7.01 (s, ブロード, 1H), 6.88 (d, J = 7.5 Hz, 1H), 5.75 (s, ブロード, 1H), 3.54 (s, 1H), 2.04 - 2.06 (m, 1H), 0.95 (d, J = 6.0 Hz, 3H), 0.91 (d, J = 6.6 Hz, 3H). LCMS: C
10H
14N
2O
2として計算;計算値: 194; 実測値: 195 (M+H)
+.
Cap-89
DMSO(10 mL)中のL-バリン(1.0 g, 8.54 mmol)、5-ブロモピリミジン(4.03 g, 17.0 mmol)、K
2CO
3(2.40 g, 17.4 mmol)およびCuI(179 mg, 0.94 mmol)の混合液を、100℃で12時間加熱した。該反応混合液を室温に冷却し、H
2O(約150 mL)に注ぎ入れてEtOAc(x2)で洗浄した。該有機層を少量のH
2Oで抽出し、水相を合わせて6N HClを用いて約pH 2に酸性化した。該量を約3分の1に減らし、20gのカチオン交換樹脂(Strata)を添加した。該スラリーを20分間静置し、カチオン交換樹脂(Strata)のパッド(約25g)にロードした。該パッドを、H
2O(200 mL)、MeOH(200 mL)、次いでNH
3(MeOH中に3M, 2x200 mL)で洗浄した。適当なフラクションを減圧濃縮して、該残渣(約1.1 g)をH
2Oに溶解させ、凍らせて凍結乾燥させた。表題の化合物を泡状物質として得た(1.02 g, 62%)。
1HNMR (400 MHz, CD
3OD)により該混合物はバリンを含むことが示され、純度は推定できなかった。該物質をそのままその後の反応に用いた。LCMS: C
9H
13N
3O
2として計算;計算値: 195; 実測値: 196 (M+H)
+.
Cap-90
Cap-90をCap-1の製造に記載の方法に従って製造した。該粗物質をそのままその後の工程に用いた。LCMS: C
11H
15NO
2として計算;計算値: 193; 実測値: 192 (M-H)
-.
以下のcapを、他に記載のない限り、cap 51の製造に用いた方法に従って製造した。
Cap-117からCap-123
Cap-117からCap-123の製造に関して、該Bocアミノ酸は市販品であり、25%TFA/CH
2Cl
2での処理により脱保護した。LCMSにより反応が完了したと判定された後、該溶媒を減圧除去し、対応するアミノ酸のTFA塩をCap-51の方法に従ってクロロギ酸メチルでカルバモイル化した。
Cap-124の製造 (4S,5R)-5-メチル-2-オキソオキサゾリジン-4-カルボン酸
L-トレオニンtert-ブチルエステルの塩酸塩をCap-51の方法に従ってカルバモイル化した。該粗反応混合液を1N HClでpH〜1に酸性化し、該混合液をEtOAc(2X50 mL)で抽出した。有機相を合わせて減圧濃縮し、無色の油状物を得て静置で固化させた。該水層を減圧濃縮し、得られた生成物と無機塩の混合液をEtOAc-CH
2Cl
2-MeOH(1:1:0.1)でトリチュレートし、次いで該有機相を減圧濃縮して無色の油状物を得て、LCMSによりそれは目的の生成物であることが示された。両方のクロップを合わせて0.52 gの固形物を得た。
1HNMR (400 MHz, CD
3OD) δ 4.60 (m, 1H), 4.04 (d, J = 5.0 Hz, 1H), 1.49 (d, J = 6.3 Hz, 3H). LCMS: C
5H
7NO
4として計算;計算値: 145; 実測値: 146 (M+H)
+.
Cap-125の製造 (S)-2-(tert-ブトキシカルボニルアミノ)-4-(ジメチルアミノ)ブタン酸
メタノール(15 mL)中のPd(OH)
2(20%, 100 mg)、ホルムアルデヒド水溶液(37重量%, 4 ml)、酢酸(0.5 mL)の懸濁液に、(S)-4-アミノ-2-(tert-ブトキシカルボニルアミノ)ブタン酸(1 g, 4.48 mmol)を添加した。該反応液を水素で数回パージして、水素バルーンとともに室温で終夜撹拌した。該反応混合液を珪藻土(セライト(登録商標))のパッドにより濾過して、該揮発性成分を減圧除去した。得られた粗物質をそのまま次の工程に用いた。LC/MS: C
11H
22N
2O
4として計算;計算値: 246; 実測値: 247 (M+H)
+.
3-メチル-N-[(メチルオキシ)カルボニル]-L-ヒスチジン(Cap-126)の製造
この方法はCap-51の製造に用いたものの改変である。THF(10mL)およびH
2O(10 mL)中の3-メチル-L-ヒスチジン(0.80 g, 4.70 mmol)懸濁液に、0℃で、NaHCO
3(0.88 g, 10.5 mmol)を添加した。得られた混合液をClCO
2Me(0.40 mL, 5.20 mmol)で処理して、該混合液を0℃で撹拌した。約2時間撹拌した後、出発物質が残っていないことがLCMSにより示された。該反応液を6N HClでpH 2に酸性化した。
該溶媒を減圧除去し、該残渣を20 mLの20% MeOH/CH2Cl2に懸濁した。該混合液を濾過して濃縮し、淡黄色の泡状物質を得た(1.21 g)。LCMSおよび1H NMRにより、該物質はメチルエステルと目的の生成物の9:1の混合物であることが示された。この物質をTHF(10mL)およびH2O(10mL)中に溶解させ、0℃に冷却し、LiOH(249.1 mg, 10.4 mmol)を添加した。約1時間撹拌した後、エステルが残っていないことがLCMSにより示された。そこで、該混合液を6N HClで酸性化し、該溶媒を減圧除去した。LCMSおよび1H NMRによりエステルがないことを確認した。表題の化合物を無機塩が混入したそのHCl塩として得た(1.91 g, >100%)。該化合物をさらなる精製は行わずにそのままその後の工程に用いた。1HNMR (400 MHz, CD3OD) δ 8.84, (s, 1H), 7.35 (s, 1H), 4.52 (dd, J = 5.0, 9.1 Hz, 1H), 3.89 (s, 3H), 3.62 (s, 3H), 3.35 (dd, J = 4.5, 15.6 Hz, 1H, 溶媒により部分的に不明瞭), 3.12 (dd, J = 9.0, 15.6 Hz, 1H).LCMS: C9H13N3O4として計算;計算値: 227.09; 実測値: 228.09 (M+H)+.
(S)-2-(メトキシカルボニルアミノ)-3-(1-メチル-1H-イミダゾール-4-イル)プロパン酸(Cap-127)の製造
Cap-127を、上記のCap-126の方法に従って、(S)-2-アミノ-3-(1-メチル-1H-イミダゾール-4-イル)プロパン酸(1.11 g, 6.56 mmol)、NaHCO
3(1.21 g, 14.4 mmol)およびClCO
2Me(0.56 mL, 7.28 mmol)から開始して製造した。表題の化合物を無機塩が混入したそのHCl塩(1.79 g, >100%)として得た。LCMSおよび
1H NMRにより、約5%のメチルエステルの存在が示された。該粗混合物をさらなる精製は行わずにそのまま用いた。
1HNMR (400 MHz, CD
3OD) δ 8.90 (s, 1H), 7.35 (s, 1H), 4.48 (dd, J = 5.0, 8.6 Hz, 1H), 3.89 (s, 3H), 3.62 (s, 3H), 3.35 (m, 1H), 3.08 (m, 1H); LCMS: C
9H
13N
3O
4として計算;計算値: 227.09; 実測値: 228 (M+H)
+.
(S)-2-(メトキシカルボニルアミノ)-3-(1H-1,2,3-トリアゾール-4-イル)プロパン酸(Cap-128)の製造
工程1. (S)-ベンジル 2-(tert-ブトキシカルボニルアミノ)ペンタ-4-イン酸(ynoate)(cj-27b)の製造
CH
2Cl
2(100 mL)中のcj-27a(1.01 g, 4.74 mmol)、DMAP(58 mg, 0.475 mmol)およびiPr
2NEt(1.7 mL, 9.8 mmol)の溶液に、0℃で、Cbz-Cl(0.68 mL, 4.83 mmol)を添加した。該溶液を0℃で4時間撹拌し、洗浄し(1N KHSO
4、食塩水)、乾燥させ(Na
2SO
4)、濾過し、減圧濃縮した。該残渣をフラッシュカラムクロマトグラフィー(TLC 6:1 ヘキサン:EtOAc)により精製して、表題の化合物(1.30 g, 91%)を無色の油状物として得た。
1HNMR (400 MHz, CDCl
3) δ 7.35 (s, 5H), 5.35 (d, ブロード, J = 8.1 Hz, 1H), 5.23 (d, J = 12.2 Hz, 1H), 5.17 (d, J = 12.2 Hz, 1H), 4.48 - 4.53 (m, 1H), 2.68 - 2.81 (m, 2H), 2.00 (t, J = 2.5 Hz, 1H), 1.44 (s, 9H). LCMS: C
17H
21NO
4として計算;計算値: 303; 実測値: 304 (M+H)
+.
工程2. (S)-ベンジル 3-(1-ベンジル-1H-1,2,3-トリアゾール-4-イル)-2-(tert-ブトキシカルボニルアミノ)プロパノエート(cj-28)の製造.
DMF-H
2O(5 mL, 4:1)中の(S)-ベンジル 2-(tert-ブトキシカルボニルアミノ)ペンタ-4-イン酸(0.50 g, 1.65 mmol)、アスコルビン酸ナトリウム(0.036 g, 0.18 mmol)、CuSO
4-5H
2O(0.022 g, 0.09 mmol)およびNaN
3(0.13 g, 2.1 mmol)の混合液に、室温で、BnBr(0.24 mL, 2.02 mmol)を添加し、該混合液を65℃に温めた。5時間後、LCMSにより低い変換が示された。さらなる部のNaN
3(100 mg)を添加して12時間加熱を続けた。該反応液をEtOAcおよびH
2Oに注ぎ入れ、振盪させた。層を分離し、該水層をEtOAcで3回抽出し、有機相を合わせて洗浄し(H
2O x3、食塩水)、乾燥させ(Na
2SO
4)、濾過し、濃縮した。該残渣をフラッシュ(Biotage, 40+M 0-5% MeOH/CH
2Cl
2; TLC 3% MeOH/CH
2Cl
2)により精製して淡黄色の油状物を得て、それを静置で固化させた(748.3 mg, 104%)。該NMRは目的の生成物と一致したが、DMFの存在が示唆された。該物質をさらなる精製は行わずにそのまま用いた。
1HNMR (400 MHz, DMSO-d
6) δ 7.84 (s, 1H), 7.27 - 7.32 (m, 10H), 5.54 (s, 2H), 5.07 (s, 2H), 4.25 (m, 1H), 3.16 (dd, J = 1.0, 5.3 Hz, 1H), 3.06 (dd, J = 5.3, 14.7 Hz), 2.96 (dd, J = 9.1, 14.7 Hz, 1H), 1.31 (s, 9H).
LCMS: C
24H
28N
4O
4として計算;計算値: 436; 実測値: 437 (M+H)
+.
工程2. (S)-ベンジル 3-(1-ベンジル-1H-1,2,3-トリアゾール-4-イル)-2-(メトキシカルボニルアミノ)プロパノエート(cj-29)の製造.
(S)-ベンジル 3-(1-ベンジル-1H-1,2,3-トリアゾール-4-イル)-2-(tert-ブトキシカルボニルアミノ) プロパノエート (0.52 g, 1.15 mmol)/CH
2Cl
2溶液に、TFA(4 mL)を添加した。該混合液を室温で2時間撹拌した。該混合液を減圧濃縮して無色の油状物を得て、それを静置で固化させた。この物質をTHF-H
2Oに溶解させて0℃に冷却した。固体のNaHCO
3(0.25 g, 3.00 mmol)を添加し、続いてClCO
2Me(0.25 mL, 3.25 mmol)を添加した。1.5時間撹拌した後、該混合液を6N HClでpH〜2に酸性化し、その後H
2O-EtOAcに注ぎ入れた。層を分離し、該水相をEtOAcで2回抽出した。有機層を合わせて洗浄し(H
2O、食塩水)、乾燥させ(Na
2SO
4)、濾過し、減圧濃縮して無色の油状物を得て(505.8 mg, 111%, NMRにより未同定の不純物の存在が示唆された)、それをポンピング下で放置の間に固化した。該物質をさらなる精製は行わずにそのまま用いた。
1HNMR (400 MHz, DMSO-d
6) δ 7.87 (s, 1H), 7.70 (d, J = 8.1 Hz, 1H), 7.27 - 7.32 (m, 10H), 5.54 (s, 2H), 5.10 (d, J = 12.7 Hz, 1H), 5.06 (d, J = 12.7 Hz, 1H), 4.32 - 4.37 (m, 1H), 3.49 (s, 3H), 3.09 (dd, J = 5.6, 14.7 Hz, 1H), 2.98 (dd, J = 9.6, 14.7 Hz, 1H). LCMS: C
21H
22N
4O
4として計算;計算値: 394; 実測値: 395 (M+H)
+.
工程3. (S)-2-(メトキシカルボニルアミノ)-3-(1H-1,2,3-トリアゾール-4-イル)プロパン酸の製造(Cap-128).
(S)-ベンジル 3-(1-ベンジル-1H-1,2,3-トリアゾール-4-イル)-2-(メトキシカルボニルアミノ)プロパノエート(502 mg, 1.11 mmol)をPd-C(82 mg)の存在下、MeOH(5 mL)中において大気圧で12時間、水素化した。該混合液を珪藻土(セライト(登録商標))により濾過して減圧濃縮した。(S)-2-(メトキシカルボニルアミノ)-3-(1H-1,2,3-トリアゾール-4-イル)プロパン酸を、約10%のメチルエステルが混入した無色のガム状物質として得た(266 mg, 111%)。該物質をさらなる精製は行わずに用いた。
1HNMR (400 MHz, DMSO-d
6) δ 12.78 (s, ブロード, 1H), 7.59 (s, 1H), 7.50 (d, J = 8.0 Hz, 1H), 4.19 - 4.24 (m, 1H), 3.49 (s, 3H), 3.12 (dd, J = 4.8 Hz, 14.9 Hz, 1H), 2.96 (dd, J = 9.9, 15.0 Hz, 1H). LCMS: C
7H
10N
4O
4として計算;計算値: 214; 実測値: 215 (M+H)
+.
(S)-2-(メトキシカルボニルアミノ)-3-(1H-ピラゾール-1-イル)プロパン酸(Cap-129)の製造
工程1. (S)-2-(ベンジルオキシカルボニルアミノ)-3-(1H-ピラゾール-1-イル)プロパン酸(cj-31)の製造
CH
3CN(12 mL)中の(S)-ベンジル 2-オキソオキセタン-3-イルカルバメート(0.67 g, 3.03 mmol)、およびピラゾール(0.22 g, 3.29 mmol)の懸濁液を50℃で24時間加熱した。該混合液を終夜室温に冷却し、該固形物を濾過して(S)-2-(ベンジルオキシカルボニルアミノ)-3-(1H-ピラゾール-1-イル)プロパン酸(330.1 mg)を得た。該濾液を減圧濃縮した後、少量のCH
3CN(約4 mL)でトリチュレートして第2のクロップを得た(43.5 mg)。総収量は370.4 mg (44%)。
m.p. 165.5 - 168℃. lit m.p. 168.5 - 169.5 [Vederas et al. J. Am. Chem. Soc. 1985, 107, 7105].
1HNMR (400 MHz, CD
3OD) δ 7.51 (d, J = 2.0, 1H), 7.48 (s, J = 1.5 Hz, 1H), 7.24 - 7.34 (m, 5H), 6.23 m, 1H), 5.05 (d, 12.7 H, 1H), 5.03 (d, J = 12.7 Hz, 1H), 4.59 - 4.66 (m, 2H), 4.42 - 4.49 (m, 1H). LCMS: C
14H
15N
3O
4として計算;計算値: 289; 実測値: 290 (M+H)
+.
工程2. (S)-2-(メトキシカルボニルアミノ)-3-(1H-ピラゾール-1-イル)プロパン酸(Cap-129)の製造.
(S)-2-(ベンジルオキシカルボニルアミノ)-3-(1H-ピラゾール-1-イル)プロパン酸(0.20 g, 0.70 mmol)を、Pd-C(45 mg)の存在下、MeOH(5 mL)中において大気圧で2時間、水素化した。該生成物はMeOHに不溶性であると思われたので、該反応混合液を5mLのH
2Oおよび数滴の6N HClで希釈した。該均一な溶液を珪藻土(セライト(登録商標))により濾過し、該MeOHを減圧除去した。残った溶液を凍らせて凍結乾燥させて黄色の泡状物質を得た(188.9 mg)。この物質をTHF-H
2O(1:1, 10mL)に懸濁させた後、0℃に冷却した。該冷混合液に、NaHCO
3(146.0 mg, 1.74 mmol)を慎重に添加した(CO
2が発生)。ガスの発生が停止した後(約15分)、ClCO
2Me(0.06 mL, 0.78 mmol)を滴加した。該混合液を2時間撹拌し、6N HClでpH〜2に酸性化してEtOAcに注ぎ入れた。層を分離し、該水相をEtOAC(x5)で抽出した。有機層を合わせて洗浄し(食塩水)、乾燥させ(Na
2SO
4)、濾過し、濃縮して表題の化合物を無色の固形物として得た(117.8 mg, 79%)。
1HNMR (400 MHz, DMSO-d
6) δ 13.04 (s, 1H), 7.63 (d, J = 2.6 Hz, 1H), 7.48 (d, J = 8.1 Hz, 1H), 7.44 (d, J = 1.5 Hz, 1H), 6.19 (見かけ上のt, J = 2.0 Hz, 1H), 4.47 (dd, J = 3.0, 12.9 Hz, 1H), 4.29 - 4.41 (m, 2H), 3.48 (s, 3H). LCMS: C
8H
11N
3O
4として計算;計算値: 213; 実測値: 214 (M+H)
+.
Cap-130. N-アセチル-(R)-フェニルグリシン
Calmes, M.; Daunis, J.; Jacquier, R.; Verducci, J. Tetrahedron, 1987, 43(10), 2285に記載の方法と同様に、市販の(R)-フェニルグリシンのアシル化により、Cap-130を製造した。
Cap-131:
工程a: ジメチルカルバモイルクロリド(0.92 mL, 10 mmol)を、THF(50 mL)中の(S)-ベンジル 2-アミノ-3-メチルブタノエート塩酸塩(2.44 g; 10 mmol)およびヒューニッヒ塩基(3.67 mL, 21 mmol)の溶液に、ゆっくりと添加した。得られた白色の懸濁液を室温で終夜(16時間)撹拌し、減圧下で濃縮した。該残渣を酢酸エチルと水間に分配した。該有機層を食塩水で洗浄し、乾燥させ(MgSO
4)、濾過し、減圧下で濃縮した。得られた黄色の油状物を、酢酸エチル:ヘキサン(1:1)で溶出するフラッシュクロマトグラフィーにより精製した。フラクションを集めて減圧下で濃縮し、2.35 g(85%)の澄明な油状物を得た。
1H NMR (300 MHz, DMSO-d
6) δ ppm 0.84 (d, J=6.95 Hz, 3H) 0.89 (d, J=6.59 Hz, 3H) 1.98-2.15 (m, 1H) 2.80 (s, 6H) 5.01-5.09 (m, J=12.44 Hz, 1H) 5.13 (d, J=12.44 Hz, 1H) 6.22 (d, J=8.05 Hz, 1H) 7.26-7.42 (m, 5H). LC (条件 1): 保持時間= 1.76分; MS: [M+H]
+ C
16H
22N
2O
3として計算;計算値: 279.17; 実測値 279.03.
工程b: 上記で製造した中間体(2.35 g; 8.45 mmol)のMeOH(50 mL)溶液に、Pd/C(10%;200 mg)を添加し、得られた黒色の懸濁液をN2(3x)でフラッシュし、H2の1気圧下に置いた。該混合液を室温で終夜撹拌し、マイクロファイバーのフィルターで濾過して触媒を除去した。次いで、得られた澄明な溶液を減圧下で濃縮して1.43 g(89%)のCap-131を白色の泡状物質として得て、それをさらなる精製は行わずに用いた。 1H NMR (500 MHz, DMSO-d6) δ ppm 0.87 (d, J=4.27 Hz, 3H) 0.88 (d, J=3.97 Hz, 3H) 1.93-2.11 (m, 1H) 2.80 (s, 6H) 3.90 (dd, J=8.39, 6.87 Hz, 1H) 5.93 (d, J=8.54 Hz, 1H) 12.36 (s, 1H). ). LC (条件 1): 保持時間= 0.33分; MS: [M+H]+ C8H17N2O3として計算;計算値: 1898.12; 実測値 189.04.
Cap-132
Cap-131に記載の方法に従って、(S)-ベンジル 2-アミノプロパノエート塩酸塩からCap-132を製造した。
1H NMR (500 MHz, DMSO-d
6) δ ppm 1.27 (d, J=7.32 Hz, 3H) 2.80 (s, 6H) 4.06 (qt, 1H) 6.36 (d, J=7.32 Hz, 1H) 12.27 (s, 1H). LC (条件 1): 保持時間= 0.15分; MS: [M+H]
+ C
6H
13N
2O
3として計算;計算値: 161.09; 実測値 161.00.
Cap-133
Cap-47に記載の方法に従って、(S)-tert-ブチル 2-アミノ-3-メチルブタノエート塩酸塩およびクロロギ酸2-フルオロエチルからCap-133を製造した。
1H NMR (500 MHz, DMSO-d
6) δ ppm 0.87 (t, J=6.71 Hz, 6H) 1.97-2.10 (m, 1H) 3.83 (dd, J=8.39, 5.95 Hz, 1H) 4.14-4.18 (m, 1H) 4.20-4.25 (m, 1H) 4.50-4.54 (m, 1H) 4.59-4.65 (m, 1H) 7.51 (d, J=8.54 Hz, 1H) 12.54 (s, 1H).
Cap-134
Cap-51に記載の方法に従って、(S)-ジエチルアラニンおよびクロロギ酸メチルからCap-134を製造した。
1H NMR (500 MHz, DMSO-d
6) δ ppm 0.72-0.89 (m, 6H) 1.15-1.38 (m, 4H) 1.54-1.66 (m, 1H) 3.46-3.63 (m, 3H) 4.09 (dd, J=8.85, 5.19 Hz, 1H) 7.24 (d, J=8.85 Hz, 1H) 12.55 (s, 1H). LC (条件 2): 保持時間= 0.66分; MS: [M+H]
+ C
9H
18NO
4として計算;計算値:204.12; 実測値 204.02.
生物学的活性
HCVレプリコンアッセイを本発明において用い、共同所有のPCT/US2006/022197およびO'Boyle et. al. Antimicrob Agents Chemother. 2005 Apr;49(4):1346-53に記載のとおり製造し、実施し、実証した。
HCV 1b-377-ネオ(neo)レプリコン細胞(NS5AにおけるY2065H変異によって化合物Aに対する抵抗性を有する細胞(国際出願PCT/US2006/022197に記載))を用いて本明細書に記載の代表的な化合物を試験した。試験した化合物は、化合物Aに対する抵抗性を有する細胞において、2つの化合物系列間で関連した作用メカニズムを示す野生型細胞よりも、約10倍低い阻害活性を有することが見いだされた。従って、該化合物はHCV NS5Aタンパク質の機能の阻害の効率化に有効であり得、国際出願PCT/US2006/022197および共同所有のWO/O4014852で先に記載された組み合わせにおいて効果的であると考えられる。さらに、該化合物はHCV 1b遺伝子型に対して有効である。また、本発明の化合物は複数の遺伝子型のHCVを阻害することができるとも考えられる。表2は、HCV 1b遺伝子型に対する、代表的な本発明の化合物のEC
50値を示す。範囲は以下の通りである: A = 1-10 μM; B = 100-999 nM; C = 1-99 nM; および D = 10-999 pM。
本発明の化合物は、NS5A阻害に加えてまたはNS5A阻害以外のメカニズムによりHCVを阻害し得る。一実施態様において、本発明の化合物はHCVレプリコンを阻害し、別の実施態様において、本発明の化合物はNS5Aを阻害する。
本発明は前述の説明的な実施例に限定されず、そしてその本質的特性から逸脱することなく他の特定の形態において具体化することができることが当業者には明白であろう。従って該実施例は、あらゆる点で、制限するものではなく例示的なものとしてみなされ、そして、前述の実施例に対してよりはむしろ特許請求の範囲に対する言及ならびに特許請求の範囲と同等の意味および範囲内となる全ての変更を包含するとみなされることが望ましい。