特に指定のない限り、本発明の全てのアリール、シクロアルキル、ヘテロアリール、およびヘテロシクリル基は、それらの各々の定義に記載の通り置換されていてよい。例えば、アリールアルキル基のアリール部分は、用語「アリール」の定義に記載の通り置換されていてよい。
本明細書において用いる用語「アルケニル」は、その中に1個以上の二重結合を有する、1価の、直鎖もしくは分枝鎖の炭化水素鎖を言う。アルケニル基の二重結合は別の不飽和基不飽和基に結合することもしないこともできる。適切なアルケニル基としては、限定はされないが、C2〜C10アルケニル基、例えば、ビニル、アリル、ブテニル、ペンテニル、ヘキセニル、ブタジエニル、ペンタジエニル、ヘキサジエニル、2-エチルヘキシル、2-プロピル-2-ブテニル、4-(2-メチル-3-ブテン)-ペンテニルが挙げられる。アルケニル基は無置換であることも、1または2個の適切な置換基で置換されることもできる。
本明細書で用いる用語「アルコキシ」は、酸素原子を介して親分子部分に結合したアルキル基を言う。アルコキシ基の代表的な例としては、限定はされないが、メトキシ(CH3O-)、エトキシ(CH3CH2O-)、およびt-ブトキシ((CH3)3CO-)が挙げられる。
本明細書で用いる用語「アルキル」は、飽和炭素のうちの1つから水素を除去することによって直鎖もしくは分枝鎖の飽和炭化水素から得られる基を言う。該アルキル基は、好ましくは、1〜10個の炭素原子を含む。アルキル基の代表的な例としては、限定はされないが、メチル、エチル、イソプロピル、およびtert-ブチルが挙げられる。
本明細書で用いる用語「アルキルカルボニル」は、カルボニル基を介して親分子部分に結合したアルキル基を言う。アルキルカルボニル基の代表的な例としては、限定はされないが、アセチル(-C(O)CH3)、プロパノイル(-C(O)CH2CH3)、n-ブチリル(-C(O)CH2CH2CH3)、および2,2-ジメチルプロパノイルもしくはピバロイル(-C(O)C(CH3)3)が挙げられる。
本明細書で用いる用語「アリール」は、芳香環から水素原子を除去することによって芳香族炭素環(aromatic carbocycle)から得られる基を言う。該アリール基は単環式、二環式または多環式であることができ、ここで、二環式もしくは多環式のアリール基において、該芳香族炭素環は別の4-から6-員の芳香族もしくは非芳香族炭素環に縮合することができる。アリール基の代表的な例としては、限定はされないが、フェニル、インダニル、インデニル、ナフチル、および1,2,3,4-テトラヒドロナフタ-5-イルが挙げられる。
本明細書において用いる用語「ベンジル」は、メチル基(その上の水素原子のうちの1個がフェニル基により置き換えられている)を言い、ここで該フェニル基は、メチル、トリフルオロメチル(-CF3)、メトキシ(-OCH3)、ハロゲン、またはニトロ(-NO2)から独立して選択される1から5個の置換基で適宜置換されていてよい。ベンジル基の代表的な例としては、限定はされないが、PhCH2-、4-MeO-C6H4CH2-、および2,4,6-トリ-メチル-C6H4CH2-が挙げられる。
本明細書において用いる用語「Cap」および「cap」は、式(I)の化合物中のピロリジン環の窒素原子に位置する基を言う。「Cap」もしくは「cap」はまた、式(I)の化合物における最終「cap」の前駆物質であり、ピロリジンの窒素上に基を付加して最終生成物(式(I)の化合物中に存在する官能化ピロリジンを有する化合物)を得る反応における出発物質として用いられる試薬を言うことができると理解されるべきである。
本明細書において用いる用語「シクロアルキル」は、飽和炭素環(好ましくは3から8個の炭素原子を有する)から水素原子を除去することによって得られる基を言い、ここで該飽和炭素環は1または2個の他の芳香族もしくは非芳香族炭素環に適宜縮合することができる。シクロアルキル基の代表的な例としては、限定はされないが、シクロプロピル、シクロペンチル、シクロヘキシル、および1,2,3,4-テトラヒドロナフタ-1-イルが挙げられる。
本明細書で用いる用語「ハロアルキル」は、少なくとも1個のハロゲン原子によって置換されたアルキル基を言う。該ハロアルキル基は、全ての水素原子がハロゲンによって置換されているアルキル基であることができる。ハロアルキルの代表的な例としては、限定はされないが、トリフルオロメチル(CF3-)、1-クロロエチル(ClCH2CH2-)、および2,2,2-トリフルオロエチル(CF3CH2-)が挙げられる。
本明細書で用いる用語「ヘテロアリール」は、少なくとも1つの、窒素、酸素、もしくは硫黄から独立して選択される1個以上のヘテロ原子(好ましくは1から3個のヘテロ原子)を含有する芳香環を含む、単環式、二環式、もしくは多環式の化合物から、それらの芳香環から水素原子を除去することにより得られる基を言う。当業者には周知のように、ヘテロアリール環は、それらの全ての炭素カウンターパートよりも芳香族性が低い。従って、本発明の目的において、ヘテロアリール基は、ある程度の芳香族性を有することのみを必要とする。ヘテロアリール基の実例としては、限定はされないが、ピリジル、ピリダジニル、ピリミジル、ピラジル、トリアジニル、ピロリル、ピラゾリル、イミダゾリル、(1,2,3,)-および(1,2,4)-トリアゾリル、ピラジニル、ピリミジニル、テトラゾリル、フリル、チエニル、イソオキサゾリル、チアゾリル、イソオキサゾリル、オキサゾリル、インドリル、キノリニル、イソキノリニル、ベンゾイソオキサゾリル、ベンゾチアゾリル、ベンゾチエニル、ならびにピロロピリジニルが挙げられる。
本明細書で用いる用語「ヘテロビシクリル」は、炭素原子、および窒素、酸素、もしくは硫黄から独立して選択される1個以上のヘテロ原子を環内原子として含む、2つの縮合もしくは架橋環を含有する環状構造を言う。該ヘテロ二環式環状(heterobicyclic ring)構造はヘテロ環(heterocyclic ring)のサブセットであり、飽和であることも不飽和であることもできる。ヘテロ二環式環状構造の例としては、トロパン、キヌクリジン、および7-アザビシクロ[2.2.1]ヘプタンが挙げられる。
本明細書で用いる用語「ヘテロシクリル」は、窒素、酸素、もしくは硫黄から独立して選択される1個以上のヘテロ原子(好ましくは1〜3個のヘテロ原子)を含有する少なくとも1つの非芳香環を含む単環式、二環式、もしくは多環式化合物から、該非芳香環から水素原子を除去することによって得られる基を言う。該ヘテロシクリル基は該ヘテロビシクリル基を包含する。本発明のヘテロシクリル基は、基中の炭素原子もしくは窒素原子を介して親分子部分に結合することができる。ヘテロシクリル基の例としては、限定はされないが、モルホリニル、オキサゾリジニル、ピペラジニル、ピペリジニル、ピロリジニル、テトラヒドロフリル、チオモルホリニル、およびインドリニルが挙げられる。
本発明の化合物には不斉中心が存在する。これら中心は、キラル炭素原子の周囲の置換基の配置によって、記号「R」または「S」により示される。本発明は、NS5Aを阻害する能力を有する全ての立体化学的な異性体、またはその混合物を包含することが理解されるべきである。化合物の個々の立体異性体は、キラル中心を有する市販の出発物質から合成的に製造することができるか、あるいは、エナンチオマーの生成物の混合物を製造した後、ジアステレオマーの混合物への変換に続く分離もしくは再結晶化、クロマトグラフ技法、またはキラルクロマトグラフィーカラムでのエナンチオマーの直接分離などといった分離を行うことによって製造することができる。特定の立体化学の出発化合物は、市販であるか、あるいは当分野で公知の方法により製造および分割され得る。
本発明の特定の化合物はまた、異なる安定した立体構造形態で存在していてよく、それは分離可能でありうる。非対称単結合について制限された回転に起因するねじれ非対称(Torsional asymmetry)、例えば、立体障害または環の歪みにより、異なる配座異性体の分離が可能になりうる。本発明には、これら化合物の各配座異性体およびその混合物が含まれる。
該用語「本発明の化合物」および同等の表現は、式(I)の化合物、ならびにその医薬的に許容されるエナンチオマー、ジアステレオマー、および塩を包含することを意味する。同様に、中間体についての言及は、内容的に許される限りそれらの塩を包含することを意味する。
本発明は、本発明の化合物に出現する原子の全ての同位体を含むことを意図する。同位体には、原子番号が同一であるが質量数が異なる原子が含まれる。一般的な例として、限定されることなく、水素の同位体にはジュウテリウムおよびトリチウムが含まれる。炭素の同位体としては13Cおよび14Cが挙げられる。同位体で標識された本発明の化合物は一般に、当業者に公知の通常の技法によってか、または本明細書に記載されたものと類似した方法によって、他で用いられる非標識試薬の代わりに適切な同位体-標識試薬を用いて、製造することができる。そのような化合物は、例えば、生物活性の決定における標準物質および試薬として、様々な使用可能性を有しうる。安定な同位体の場合、そのような化合物は、生物学的、薬理学的、または薬物動態学的特性を都合よく修飾する能力を有しうる。
本発明の化合物は、医薬的に許容される塩として存在し得る。本明細書で用いる用語「医薬的に許容される塩」は、本発明の化合物の塩または双性イオン形態を意味し、それは水もしくは油-溶性もしくは分散性であり、適切な医学的判断の範囲内で、妥当な利益/リスク比に見合って、過度の毒性、刺激、アレルギー反応、または他の問題もしくは合併症を伴わずに患者の組織に接触して用いるのに適していて、それらの使用目的に有効である。該塩は化合物の最終的な単離および精製の間に製造することができるか、あるいは別途、適切な窒素原子を適切な酸と反応させることにより製造することができる。代表的な酸付加塩としては、酢酸塩、アジピン酸塩、アルギン酸塩、クエン酸塩、アスパラギン酸塩、安息香酸塩、ベンゼンスルホン酸塩、硫酸水素塩、酪酸塩、ショウノウ酸塩(camphorate)、カンファースルホン酸塩; ジグルコン酸塩(digluconate)、グリセロリン酸塩、ヘミ硫酸塩、ヘプタン酸塩、ヘキサン酸塩、ギ酸塩、フマル酸塩、塩酸塩、臭化水素酸塩、ヨウ化水素酸塩、2-ヒドロキシエタンスルホン酸塩、乳酸塩、マレイン酸塩、メシチレンスルホン酸塩、メタンスルホン酸塩、ナフチレンスルホン酸塩、ニコチン酸塩、2-ナフタレンスルホン酸塩、シュウ酸塩、パモ酸塩(palmoate)、ペクチン酸塩(pectinate)、過硫酸塩、3-フェニルプロプリオン酸塩(phenylproprionate)、ピクリン酸塩、ピバル酸塩、プロピオン酸塩、コハク酸塩、酒石酸塩、トリクロロ酢酸塩、トリフルオロ酢酸塩、リン酸塩、グルタミン酸塩、炭酸水素塩、パラ-トルエンスルホン酸塩、およびウンデカン酸塩が挙げられる。医薬的に許容される付加塩の形成に用いることができる酸の例としては、無機酸(例えば塩酸、臭化水素酸、硫酸、およびリン酸)および有機酸(例えばシュウ酸、マレイン酸、コハク酸、およびクエン酸)が挙げられる。
塩基付加塩は、カルボキシ基を、適切な塩基(例えば、金属カチオンのヒドロキシド、カーボネート、もしくはビカーボネート)と反応させるか、あるいはアンモニア、または有機第一級、第二級、もしくは第三級アミンと反応させることによる、化合物の最終的な単離および精製の間に製造することができる。医薬的に許容される塩のカチオンとしては、リチウム、ナトリウム、カリウム、カルシウム、マグネシウム、およびアルミニウム、ならびに無毒性の第四級アミンカチオン(例えば、アンモニウム、テトラメチルアンモニウム、テトラエチルアンモニウム、メチルアミン、ジメチルアミン、トリメチルアミン、トリエチルアミン、ジエチルアミン、エチルアミン、トリブチルアミン、ピリジン、N,N-ジメチルアニリン、N-メチルピペリジン、N-メチルモルホリン、ジシクロヘキシルアミン、プロカイン、ジベンジルアミン、N,N-ジベンジルフェネチルアミン、およびN,N'-ジベンジルエチレンジアミン)が挙げられる。塩基付加塩の形成に用いることができる他の代表的な有機アミンとしては、エチレンジアミン、エタノールアミン、ジエタノールアミン、ピペリジン、およびピペラジンが挙げられる。
治療で用いるために、治療上有効な量の式(I)の化合物ならびにその医薬的に許容される塩を、未加工の化学薬品(raw chemical)として投与することができる場合、活性成分を医薬組成物として存在させることができる。従って、本発明は、治療上有効な量の式(I)の化合物もしくはその医薬的に許容される塩、および1つ以上の医薬的に許容される担体、希釈剤、もしくは賦形剤を含む医薬組成物をさらに提供する。本明細書で用いる用語「治療上有効な量」は、有意義な患者利益(例えば、ウイルス量の持続的減少)を示すのに十分である各活性成分の総量を言う。単独で投与される個々の活性成分に適用する場合、該用語は成分単独の量を言う。組み合わせに適用する場合、該用語は、組み合わせて、連続して、あるいは同時に投与されるかどうかにかかわらず、治療効果をもたらす活性成分を合わせた量を言う。該式(I)の化合物およびその医薬的に許容される塩は上記の通りである。該担体、希釈剤、または賦形剤は、製剤の他の成分に適合し、そのレシピエントに有害でないという意味で許容可能でなくてはならない。本発明の別の態様によると、式(I)の化合物もしくはその医薬的に許容される塩を、1つ以上の医薬的に許容される担体、希釈剤、もしくは賦形剤と混合することを含む、医薬製剤の製造方法もまた提供する。本明細書で用いる用語「医薬的に許容される」は、適切な医学的判断の範囲内で、妥当な利益/リスク比に見合って、過剰な毒性、刺激、アレルギー反応、または他の問題もしくは合併症を伴わずに患者の組織に接触させて用いるのに適していて、その使用目的に有効である、化合物、物質、組成物、および/または剤形を言う。
医薬製剤は、単位用量あたり所定の量の活性成分を含む単位剤形であってもよい。本発明の化合物が1日あたり約0.01から約250ミリグラム/キログラム(「mg/kg」)体重、好ましくは1日あたり約0.05から約100 mg/kg体重である投与量濃度が、HCV介在疾患の予防および処置に対する単独療法においては典型的である。通常、本発明の医薬組成物は、1日あたり約1から約5回の投与か、あるいは持続投与され得る。そのような投与は、長期治療または救急治療として用いることができる。担体材料と組み合わせて単一剤形を製造する活性成分の量は、治療する症状、症状の重篤性、投与回数、投与経路、用いた化合物の排出速度、治療期間、ならびに患者の年齢、性別、体重、および状態によって変わり得る。好ましい単位用量製剤は、活性成分の、本明細書において上記した1日量もしくはそれ以下、またはその適当な画分を含むものである。通常、化合物の至適用量よりかなり少ない少用量で処置を開始する。その後、該条件下で最適な効果に達するまで投与量を少しずつ増加させる。概して、いずれの有害または有毒な副作用も伴わずに抗ウイルス効果が通常得られる濃度レベルで、該化合物を投与することが最も望ましい。
本発明の組成物が、本発明の化合物と1つ以上のさらなる治療薬もしくは予防薬の組み合わせを含む場合、該化合物とさらなる薬剤の両方とも、通常、単独療法レジメンにおいて標準的に投与される用量の約10から150%、より好ましくは約10から80%の用量濃度で存在する。
医薬製剤は、いずれの適当な経路、例えば、経口(頬側または舌下を含む)、直腸、経鼻、局所的(頬側、舌下、または経皮を含む)、膣、または非経口(皮下、皮内、筋肉内、関節、滑液嚢内(intrasynovial)、胸骨内、髄腔内、病巣内、静脈内、または皮内注射もしくは注入を含む)経路による投与に適応しうる。そのような製剤は、薬学の分野において公知のいずれの方法よっても(例えば、活性成分と担体もしくは賦形剤を会合させることにより)、製造されうる。経口投与または注射による投与が好ましい。
経口投与に適応した医薬製剤は、カプセル剤もしくは錠剤;粉末剤もしくは顆粒剤;水性もしくは非水性液体中の液剤もしくは懸濁剤;食用フォーム剤もしくはホイップ剤;または水中油液体エマルジョン剤もしくは油中水エマルジョン剤といった、別々のユニットであってよい。
例えば、経口投与用の錠剤もしくはカプセル剤の形態において、活性薬剤成分は、経口で無毒の医薬的に許容される不活性担体(例えばエタノール、グリセロール、水など)と合わせることができる。粉末剤は、化合物を適切な微粒子サイズに細かく粉末化し、同様に粉末化された食用炭水化物(例えばデンプンまたはマンニトール)などの医薬担体と混合することにより製造される。着香剤、保存剤、分散剤、および着色剤もまた存在し得る。
カプセル剤は、上記のように粉末混合物を製造し、成型ゼラチンシース(gelatin sheath)に詰めることにより製造される。充填工程の前に、流動化剤および滑沢剤(例えばコロイド状シリカ、タルク、ステアリン酸マグネシウム、ステアリン酸カルシウム、または固体のポリエチレングリコール)を粉末混合物に加えることができる。カプセル剤が摂取される際の薬剤の有効性を高めるために、崩壊剤または可溶化剤(例えば寒天、炭酸カルシウムまたは炭酸ナトリウム)を加えることもできる。
さらに、所望される場合もしくは必要な場合、適切な結合剤、滑沢剤、崩壊剤、および着色剤を混合物に加えることもできる。適切な結合剤としては、デンプン、ゼラチン、天然糖(例えばグルコースもしくはβ-ラクトース)、コーンシロップ、天然および合成ガム(例えばアカシア、トラガカントもしくはアルギン酸ナトリウム)、カルボキシメチルセルロース、ポリエチレングリコールなどが挙げられる。これらの剤形に用いられる滑沢剤としては、オレイン酸ナトリウム、塩化ナトリウムなどが挙げられる。崩壊剤としては、限定はしないが、デンプン、メチルセルロース、寒天、ベントナイト、キサンタンガムなどが挙げられる。錠剤は、例えば、粉末混合物を製造し、顆粒化もしくは充填し、滑沢剤および崩壊剤を加え、そして錠剤に圧縮することにより製剤化される。粉末混合物は、適切に粉末化された化合物と、上記の希釈剤もしくは塩基、ならびに適宜、結合剤(例えばカルボキシメチルセルロース、アルギネート(aliginate)、ゼラチン(gelating)、もしくはポリビニルピロリドン)、溶解遅延剤(例えばパラフィン)、吸収促進剤(例えば第四級塩)および/または吸収剤(例えばベントナイト、カオリン、もしくはリン酸水素カルシウム)とを混合することにより製造される。結合剤(例えばシロップ、デンプン糊、アカシア粘液(acadia mucilage)、またはセルロース系物質もしくはポリマー系物質の溶液)で湿らせて、ふるいに押し通すことにより、粉末混合物を顆粒化することができる。顆粒化の代替法として、該粉末混合物を錠剤機に通して、不完全に成型されたスラグを得た後、顆粒に粉砕することができる。該顆粒を、ステアリン酸、ステアリン酸塩、タルク、または鉱物油の添加により滑らかにして、錠剤成形型への接着を防ぐことができる。次いで、滑らかにした混合物を錠剤へと圧縮する。本発明の化合物はまた、自由流動性不活性担体と合わせて、顆粒化工程もしくは成形工程(slugging step)を経ずに直接、錠剤へと圧縮することができる。シェラックのシールコート(sealing coat)、糖もしくはポリマー材のコーティング、およびワックスの艶出しコーティングから成る、澄明もしくは不透明な保護コーティングを施すことができる。これらのコーティングに染料を加えて、異なる単位用量と区別することができる。
経口液剤(例えば液剤、シロップ剤、およびエリキシル剤)は、所定の分量が所定の量の化合物を含むように単位用量形態で製造することができる。シロップ剤は、化合物を適切に風味付けされた水溶液に溶解させることにより製造でき、一方、エリキシル剤は無毒のビヒクルを用いることにより製造される。可溶化剤および乳化剤(例えばエトキシ化イソステアリルアルコールおよびポリオキソエチレンソルビトールエーテル)、保存剤、香味添加剤(例えばペパーミント油あるいは天然甘味剤、またはサッカリンもしくは他の人工甘味剤など)を加えることもできる。
必要に応じて、経口投与のための単位用量製剤をマイクロカプセル化することができる。該製剤はまた、例えば、ポリマー、ワックスなどの中に粒子状物質をコーティングまたは組み込むことによって、放出を遅延もしくは持続するように製造され得る。
式(I)の化合物、およびその医薬的に許容される塩はまた、リポソームデリバリーシステム(例えば、小型の単層ベシクル、大型の単層ベシクル、および多重層ベシクル)の形態で投与することもできる。リポソームは、様々なリン脂質、例えばコレステロール、ステアリルアミン、またはホスファチジルコリンから形成することができる。
式(I)の化合物およびその医薬的に許容される塩はまた、化合物分子が結合した個々の担体としてモノクローナル抗体を用いることによって送達されうる。該化合物はまた、標的化可能な薬剤担体としての可溶性ポリマーと結合させてもよい。そのようなポリマーとしては、ポリビニルピロリドン、ピラン共重合体、ポリヒドロキシプロピルメタクリルアミドフェノール、ポリヒドロキシエチルアスパルトアミドフェノール、またはパリトイル(palitoyl)残基で置換されたポリエチレンオキシドポリリシンを挙げることができる。さらに、該化合物は、薬剤の制御放出を達成するのに有用な生分解性ポリマーの類、例えば、ポリ乳酸、ポリイプシロンカプロラクトン(polepsilon caprolactone)、ポリヒドロキシ酪酸、ポリオルトエステル、ポリアセタール、ポリジヒドロピラン、ポリシアノアクリレート、およびヒドロゲルの架橋もしくは両親媒性ブロック共重合体に結合していてよい。
経皮投与に適した医薬製剤は、長期間、レシピエントの表皮と密接な接触を維持することを目的とした、個別のパッチであってもよい。例えば、Pharm. Res., 3(6):318 (1986)に一般的に記載されるように、該活性成分はイオントフォレーシスによってパッチから送達されうる。
局所投与に適した医薬製剤は、軟膏剤、クリーム剤、懸濁剤、ローション剤、粉末剤、液剤、ペースト剤、ゲル剤、スプレー剤、エアロゾル剤、または油剤として製剤化されうる。
眼または他の外部組織、例えば口および皮膚の処置において、該製剤は好ましくは、局所用軟膏剤もしくはクリーム剤として塗布される。軟膏剤に製剤化する場合、該活性成分はパラフィン系(paraffinic)または水-混和性のいずれかの軟膏基剤とともに用いられ得る。別法として、該活性成分は水中油型クリーム基剤もしくは油中水型基剤(water-in oil base)を用いてクリーム剤に製剤化され得る。
担体が固体である、経鼻投与に適した医薬製剤としては、例えば20〜500ミクロンの粒子サイズを有する粗粉末(course powder)が挙げられ、それは、嗅ぎ薬を摂取する方法、すなわち、鼻に近づけられた粉末剤の容器から鼻腔を介して急速吸入することにより、投与される。鼻腔用スプレーもしくは点鼻薬として投与するための、担体が液体である適切な製剤としては、活性成分の水性または油性液剤が挙げられる。
吸入による投与に適した医薬製剤としては、微粒子粉末もしくは微粒子ミストが挙げられ、それは様々なタイプの定量加圧(metered, dose pressurized)エアロゾル剤、ネブライザー、または吸入器を用いて発生されうる。
非経口投与に適した医薬製剤としては、抗酸化剤、緩衝剤、静菌剤(bacteriostat)、および製剤を対象のレシピエントの血液と等張にする塩(soute)を含みうる水性および非水性の無菌注射液剤;ならびに懸濁化剤および増粘剤を含みうる水性および非水性の無菌懸濁剤が挙げられる。該製剤は、単位用量もしくは複数用量(multi-dose)容器、例えば、密封アンプルおよびバイアルに入っていてよく、使用の直前に無菌の液体担体(例えば注射用の水)の添加のみを必要とする凍結乾燥状態で保存してもよい。即時調製(Extemporaneous)注射液剤および懸濁剤は、無菌粉末剤、顆粒剤、および錠剤から調製されうる。
具体的に上述した成分に加えて、該製剤は、当該製剤のタイプに関して当分野で通常の他の薬剤を含んでもよい(例えば経口投与に適した製剤は香味剤を含んでもよい)ことが理解されるべきである。
該用語「処置」は:(i)疾患、障害、および/または症状に罹りやすいが、まだ罹患していると診断されていない患者において、疾患、障害、または症状の発症を予防すること;(ii)疾患、障害、または症状の抑制、すなわち、その進行を抑止すること;ならびに;(iii)疾患、障害、または症状を軽減すること、すなわち、疾患、障害、および/または症状の退行をもたらすことを言う。
本発明の化合物はまた、シクロスポリン、例えばシクロスポリンAとともに投与することができる。シクロスポリンAは、臨床試験においてHCVに対する活性が示されている(Hepatology, 38:1282 (2003); Biochem. Biophys. Res. Commun., 313:42 (2004); J. Gastroenterol., 38:567 (2003))。
本発明の化合物は、実験用試薬として用いてもよい。化合物は、ウイルス複製アッセイの設計、HCV疾患メカニズムの知識をさらに高めるための動物アッセイ系(animal assay system)および構造生物学研究の検証に対する研究ツールの提供において有益でありうる。さらに、本発明の化合物は、例えば競合阻害により、他の抗ウイルス性化合物の結合部位の確立または決定に有用である。
本発明の化合物はまた、物質のウイルス汚染を処置もしくは予防するのに用いてもよく、それにより、そのような物質(例えば血液、組織、手術器具および手術着、実験器具および実験着、ならびに採血または輸血の器具および材料)と接触する、実験もしくは医療の関係者または患者のウイルス感染の危険性を低下させうる。
本発明は、合成プロセスまたは代謝プロセス(ヒトもしくは動物の体内(in vivo)で生じるもの、またはin vitroで生じるプロセスを含む)により作られる、式(I)を有する化合物を包含することを意図する。
本発明の化合物および方法は、本発明の化合物を製造し得る方法を例示する下記の合成スキームと関連してより理解されるであろう。出発物質は、商業的供給源から得ることができるか、または当業者には公知の十分に確立した文献の方法によって製造することができる。上記で定義した化合物は、下記で示す合成において適切な反応物および薬剤の置換によって合成することができることは当業者には容易に明らかであろう。下記の合成を首尾よく完了するために、選択的保護および脱保護工程、ならびに工程自体の順序は、可変部分の性質によって様々な順序で行なうことができることもまた、当業者には容易に明らかであろう。可変部分は、下記で他に断らない限り上記定義の通りである。
スキーム1: 置換フェニルグリシン誘導体
置換フェニルグリシン誘導体は、下記で例示されているいくつかの方法によって製造することができる。フェニルグリシンt-ブチルエステルは、酸性媒質中において、適当なアルデヒドおよび還元剤(例えばシアノ水素化ホウ素ナトリウム)によって還元的にアルキル化され得る(経路A)。該t-ブチルエステルの加水分解は、強酸(例えばHClまたはトリフルオロ酢酸)によって達成され得る。別法として、フェニルグリシンは、ハロゲン化アルキル(例えばヨウ化エチル)および塩基(例えば炭酸水素ナトリウムまたは炭酸カリウム)によってアルキル化され得る(経路B)。経路Cは、経路Aにおけるようなフェニルグリシンの還元的アルキル化、それに続く還元剤および酸の存在下での代替アルデヒド(例えばホルムアルデヒド)による第2の還元的アルキル化を例示する。経路Dは、対応するマンデル酸類似体を介した置換フェニルグリシンの合成を例示する。能力のある脱離基への第二級アルコールの変換は、p-トルエンスルホニルクロリドによって達成され得る。適当なアミンによるトシレート基の置換、それに続くベンジルエステルの還元的除去によって、置換フェニルグリシン誘導体を得ることができる。経路Eにおいて、ラセミの置換フェニルグリシン誘導体は、鏡像異性的に純粋なキラル補助基(例えば、これらに限定されないが、(+)-1-フェニルエタノール、(-)-1-フェニルエタノール、Evan'sオキサゾリジノン、または鏡像異性的に純粋なパントラクトン)を用いたエステル化によって分割される。ジアステレオマーの分離は、クロマトグラフィー(シリカゲル、HPLC、結晶化など)、それに続くキラル補助基の除去によって達成され、鏡像異性的に純粋なフェニルグリシン誘導体が得られる。経路Hは、経路Eと交わる合成シークエンスを例示しており、その中で、上記のキラル補助基はアミン添加の前に導入される。別法として、アリール酢酸のエステルは、ブロモニウムイオン源(例えば、臭素、N-ブロモスクシンイミド、またはCBr
4)によって臭素化することができる。得られたベンジル型ブロミドは、トリエチルアミンまたはヒューニッヒ塩基などの第三級アミン塩基の存在下で種々の一置換または二置換アミンによって置き換えることができる。低温での水酸化リチウム、あるいは高温での6N HClを用いた処理によるメチルエステルの加水分解によって、置換フェニルグリシン誘導体が得られる。別の方法を、経路Gに示す。グリシン類似体は、パラジウム源(0)(例えばパラジウムビス(トリブチルホスフィン))および塩基(例えばリン酸カリウム)の存在下において、種々のハロゲン化アリールによって誘導体化することができる。次いで、得られたエステルを、塩基または酸を用いた処理によって加水分解することができる。フェニルグリシン誘導体を製造するための他の周知の方法が当技術分野に存在し、この記載において目的の化合物を得るために改変することができることが理解されるべきである。最終フェニルグリシン誘導体は、プレパラティブHPLCによって98%eeを超えるエナンチオマー純度まで精製することができることもまた理解されるべきである。
スキーム2: アシル化アミノ酸誘導体
本発明の別の実施態様において、アシル化フェニルグリシン誘導体を以下に例示の通り製造してもよい。カルボン酸が容易に除去されるエステルとして保護されているフェニルグリシン誘導体をトリエチルアミンなどの塩基の存在下で酸塩化物によってアシル化して、対応するアミドを得てもよい(経路A)。経路Bは、適当なクロロホルメートによる出発フェニルグリシン誘導体のアシル化を例示し、一方経路Cは、適当なイソシアネートまたは塩化カルバモイルとの反応を示す。経路A〜Cに示される3つの中間体の各々は、当業者に公知の方法によって脱保護されうる(すなわち;HClまたはトリフルオロ酢酸などの強塩基によるt-ブチルエステルの処理)。
スキーム3
アミノ置換フェニル酢酸は、過剰量のアミンによるクロロメチルフェニル酢酸の処理によって製造されうる。
共通のcapの合成
化合物分析条件:純度評価および低分解能質量分析を、Waters Micromass ZQ MSシステムと連結した島津LCシステムで実施した。保持時間は装置の間でわずかに変化しうることに留意すべきである。他に記載のない限り、本項に適用可能なさらなるLC条件。
条件-MS-W1
カラム = XTERRA 3.0 X 50 mm S7
開始%B = 0
最終%B = 100
グラジエント時間 = 2分
停止時間 = 3分
流速 = 5 mL/分
波長 = 220 nm
溶媒A = 0.1%TFA/10%メタノール/90%H2O
溶媒B = 0.1%TFA/90%メタノール/10%H2O
条件-MS-W2
カラム = XTERRA 3.0 X 50 mm S7
開始%B = 0
最終%B = 100
グラジエント時間 = 3分
停止時間 = 4分
流速 = 4 mL/分
波長 = 220 nm
溶媒A = 0.1%TFA/10%メタノール/90%H2O
溶媒B = 0.1%TFA/90%メタノール/10%H2O
条件-MS-W5
カラム = XTERRA 3.0 X 50 mm S7
開始%B = 0
最終%B = 30
グラジエント時間 = 2分
停止時間 = 3分
流速 = 5 mL/分
波長 = 220 nm
溶媒A = 0.1%TFA/10%メタノール/90%H2O
溶媒B = 0.1%TFA/90%メタノール/10%H2O
条件-D1
カラム = XTERRA C18 3.0 X 50 mm S7
開始%B = 0
最終%B = 100
グラジエント時間 = 3分
停止時間 = 4分
流速 = 4 mL/分
波長 = 220 nm
溶媒A = 0.1%TFA/10%メタノール/90%H2O
溶媒B = 0.1%TFA/90%メタノール/10%H2O
条件-D2
カラム = Phenomenex-Luna 4.6 X 50 mm S10
開始%B = 0
最終%B = 100
グラジエント時間 = 3分
停止時間 = 4分
流速 = 4 mL/分
波長 = 220 nm
溶媒A = 0.1%TFA/10%メタノール/90%H2O
溶媒B = 0.1%TFA/90%メタノール/10%H2O
条件-MD1
カラム = XTERRA 4.6 X 50 mm S5
開始%B = 0
最終%B = 100
グラジエント時間 = 3分
停止時間 = 4分
流速 = 4 mL/分
波長 = 220 nm
溶媒A = 0.1%TFA/10%メタノール/90%H2O
溶媒B = 0.1%TFA/90%メタノール/10%H2O
条件-M3
カラム = XTERRA C18 3.0 X 50 mm S7
開始%B = 0
最終%B = 40
グラジエント時間 = 2分
停止時間 = 3分
流速 = 5 mL/分
波長 = 220 nm
溶媒A = 0.1%TFA/10%メタノール/90%H2O
溶媒B = 0.1%TFA/90%メタノール/10%H2O
条件OL1
カラム = Phenomenex-Luna 3.0 X 50 mm S10
開始%B = 0
最終%B = 100
グラジエント時間 = 4分
停止時間 = 5分
流速 = 4 mL/分
波長 = 220 nm
溶媒A = 0.1%TFA/10%メタノール/90%H2O
溶媒B = 0.1%TFA/90%メタノール/10%H2O
条件OL2
カラム = Phenomenex-Luna 50X 2 mm 3 u
開始%B = 0
最終%B = 100
グラジエント時間 = 4分
停止時間 = 5分
流速 = 0.8 mL/分
オーブン温度 = 40℃
波長 = 220 nm
溶媒A = 0.1%TFA/10%アセトニトリル/90%H2O
溶媒B = 0.1%TFA/90%アセトニトリル/10%H2O
条件I
カラム = Phenomenex-Luna 3.0 X 50 mm S10
開始%B = 0
最終%B = 100
グラジエント時間 = 2分
停止時間 = 3分
流速 = 4 mL/分
波長 = 220 nm
溶媒A = 0.1%TFA/10%メタノール/90%H2O
溶媒B = 0.1%TFA/90%メタノール/10%H2O
条件II
カラム = Phenomenex-Luna 4.6 X 50 mm S10
開始%B = 0
最終%B = 100
グラジエント時間 = 2分
停止時間 = 3分
流速 = 5 mL/分
波長 = 220 nm
溶媒A = 0.1%TFA/10%メタノール/90%H2O
溶媒B = 0.1%TFA/90%メタノール/10%H2O
条件III
カラム = XTERRA C18 3.0 x 50mm S7
開始%B = 0
最終%B = 100
グラジエント時間 = 3分
停止時間 = 4分
流速 = 4 mL/分
波長 = 220 nm
溶媒A = 0.1%TFA/10%メタノール/90%H2O
溶媒B = 0.1%TFA/90%メタノール/10%H2O
Cap-1
10% Pd/C(2.0g)/メタノール(10 mL)懸濁液を、(R)-2-フェニルグリシン(10g, 66.2 mmol)、ホルムアルデヒド(33 mLの37重量%/水)、1N HCl(30 mL)およびメタノール(30 mL)の混合液に添加し、H
2(60 psi)で3時間処理した。該反応混合液を珪藻土(セライト(登録商標))により濾過し、該濾液を減圧濃縮した。得られた粗物質をイソプロパノールから再結晶化して、Cap-1のHCl塩を白色の針状晶(needle)として得た(4.0 g)。施光度: -117.1° [H
2O中にc=9.95 mg/mL; λ=589 nm].
1H NMR (DMSO-d
6, δ=2.5 ppm, 500 MHz): δ 7.43-7.34 (m, 5H), 4.14 (s, 1H), 2.43 (s, 6H); LC (条件I): 保持時間=0.25; LC/MS: [M+H]
+ C
10H
14NO
2として計算;計算値: 180.10; 実測値 180.17; HRMS: [M+H]
+ C
10H
14NO
2として計算;計算値: 180.1025; 実測値 180.1017.
Cap-2
NaBH
3CN(6.22g, 94 mmol)を、(R)-2-フェニルグリシン(6.02 g, 39.8 mmol)およびメタノール(100 mL)の冷却した(氷/水)混合液に、数分かけて少しずつ加え、5分間撹拌した。アセトアルデヒド(10 mL)を10分かけて滴下し、同じ冷却した温度で45分間、および周囲温度で〜6.5時間撹拌を続けた。該反応混合液を氷-水浴で冷却し戻し、水(3 mL)で処理し、次いで、該混合液のpHが〜1.5-2.0になるまで、〜45分かけて濃HClを滴下することによりクエンチした。該冷却浴を取り外し、該混合液のpHが1.5-2.0前後で維持されるように濃HClを加えながら、撹拌を続けた。該反応混合液を終夜撹拌し、濾過して白色の懸濁を除去し、該濾液を減圧濃縮した。該粗物質をエタノールから再結晶化して、Cap-2のHCl塩を輝く白色の固形物として2クロップで得た(クロップ-1: 4.16 g; クロップ-2: 2.19 g)。
1H NMR (DMSO-d
6, δ=2.5 ppm, 400 MHz): 10.44 (1.00, ブロードのs, 1H), 7.66 (m, 2H), 7.51 (m, 3H), 5.30 (s, 1H), 3.15 (ブロードのm, 2H), 2.98 (ブロードのm, 2H), 1.20 (見かけ上のブロードのs, 6H). クロップ-1: [α]
25 -102.21゜(c=0.357, H
2O); クロップ-2: [α]
25 -99.7゜(c=0.357, H
2O). LC (条件I): 保持時間=0.43分; LC/MS: [M+H]
+ C
12H
18NO
2として計算;計算値: 208.13; 実測値 208.26.
Cap-3
(R)-2-フェニルグリシン(3.096g, 20.48 mmol)、1N HCl(30 mL)およびメタノール(40 mL)の冷却した(〜15℃)混合液に、アセトアルデヒド(5.0 mL, 89.1 mmol)、およびメタノール/H
2O(4mL/1 mL)中の10% Pd/C(720 mg)懸濁液を連続的に加えた。該冷却浴を取り外し、該反応混合液をH
2のバルーン下で17時間撹拌した。さらなるアセトアルデヒド(10 mL, 178.2 mmol)を加え、H
2雰囲気下で24時間撹拌を続けた[注:H
2の供給は該反応の間中、必要に応じて補った]。該反応混合液を珪藻土(セライト(登録商標))により濾過し、該濾液を減圧濃縮した。得られた粗物質をイソプロパノールから再結晶化して(R)-2-(エチルアミノ)-2-フェニル酢酸のHCl塩を輝く白色の固形物として得た(2.846g)。
1H NMR (DMSO-d
6, δ=2.5 ppm, 400 MHz): δ 14.15 (ブロードのs, 1H), 9.55 (ブロードのs, 2H), 7.55-7.48 (m, 5H), 2.88 (ブロードのm, 1H), 2.73 (ブロードのm, 1H), 1.20 (見かけ上のt, J=7.2, 3H). LC (条件I): 保持時間=0.39分; >95%均一性指数; LC/MS: [M+H]
+ C
10H
14NO
2として計算;計算値: 180.10; 実測値 180.18.
メタノール/H2O(3 mL/1 mL)中の10%Pd/C(536 mg)の懸濁液を、(R)-2-(エチルアミノ)-2-フェニル酢酸/HCl(1.492g, 6.918 mmol)、ホルムアルデヒド(20 mLの37重量%/水)、1N HCl(20 mL)およびメタノール(23 mL)の混合液に加えた。該反応混合液をH2のバルーン下で〜72時間撹拌した(H2の供給は必要に応じて補った)。該反応混合液を、珪藻土(セライト(登録商標))により濾過し、該濾液を減圧濃縮した。得られた粗物質をイソプロパノール(50 mL)から再結晶化して、Cap-3のHCl塩を白色の固形物として得た(985 mg)。 1H NMR (DMSO-d6, δ=2.5 ppm, 400 MHz): δ 10.48 (ブロードのs, 1H), 7.59-7.51 (m, 5H), 5.26 (s, 1H), 3.08 (見かけ上のブロードのs, 2H), 2.65 (ブロードのs, 3H), 1.24 (ブロードのm, 3H). LC (条件I): 保持時間=0.39分; >95%均一性指数; LC/MS: [M+H]+ C11H16NO2として計算;計算値: 194.12; 実測値 194.18; HRMS: [M+H]+ C11H16NO2として計算;計算値: 194.1180; 実測値 194.1181.
Cap-4
冷却した(氷/水)、(R)-tert-ブチル 2-アミノ-2-フェニルアセテート/HCl(9.877 g, 40.52 mmol)およびジイソプロピルエチルアミン(14.2 mL, 81.52 mmol)のTHF(410 mL)半溶液に、ClCO
2Me(3.2 mL, 41.4 mmol)を6分かけて滴下し、同様の温度で5.5時間撹拌した。揮発性成分を減圧除去し、残渣を水(100 mL)および酢酸エチル(200 mL)間に分配した。有機層を1N HCl(25 mL)および飽和NaHCO
3溶液(30 mL)で洗浄し、乾燥させ(MgSO
4)、濾過し、減圧濃縮した。得られた無色の油状物を、ヘキサンからトリチュレートし、濾過し、ヘキサン(100 mL)で洗浄して、(R)-tert-ブチル 2-(メトキシカルボニルアミノ)-2-フェニルアセテートを白色の固形物として得た(7.7 g)。
1H NMR (DMSO-d
6, δ=2.5 ppm, 400 MHz): 7.98 (d, J=8.0, 1H), 7.37-7.29 (m, 5H), 5.09 (d, J=8, 1H), 3.56 (s, 3H), 1.33 (s, 9H). LC (条件I): 保持時間=1.53分; 〜90%均一性指数; LC/MS: [M+Na]
+ C
14H
19NNaO
4として計算;計算値: 288.12; 実測値 288.15.
冷却した(氷/水)上記生成物のCH2Cl2(160 mL)溶液に、TFA(16 mL)を7分かけて滴下し、冷却浴を取り外して、該反応混合液を20時間撹拌した。脱保護がまだ完了していなかったので、さらなるTFA(1.0 mL)を加えて、さらに2時間撹拌を続けた。揮発性成分を減圧除去し、得られた油状の残渣をジエチルエーテル(15 mL)およびヘキサン(12 mL)で処理して、沈殿物を得た。該沈殿物を濾過し、ジエチルエーテル/ヘキサン(〜1:3の比; 30 mL)で洗浄し、減圧乾燥させて、Cap-4を綿毛状の白色の固形物として得た(5.57 g)。施光度: -176.9° [c=3.7 mg/mL/H2O; λ=589 nm]. 1H NMR (DMSO-d6, δ=2.5 ppm, 400 MHz): δ 12.84 (ブロードのs, 1H), 7.96 (d, J=8.3, 1H), 7.41-7.29 (m, 5H), 5.14 (d, J=8.3, 1H), 3.55 (s, 3H). LC (条件I): 保持時間=1.01分; >95%均一性指数; LC/MS: [M+H]+ C10H12NO4として計算;計算値 210.08; 実測値 210.17; HRMS: [M+H]+ C10H12NO4として計算;計算値 210.0766; 実測値 210.0756.
Cap-5
エタノール(40 mL)中の(R)-2-フェニルグリシン(1.0 g, 6.62 mmol)、1,4-ジブロモブタン(1.57 g, 7.27 mmol)およびNa
2CO
3(2.10 g, 19.8 mmol)の混合液を、100℃で21時間加熱した。該反応混合液を周囲温度まで冷却して濾過し、該濾液を減圧濃縮した。残渣をエタノールに溶解させ、1N HClでpH 3-4まで酸性化し、揮発性成分を減圧除去した。得られた粗物質を逆相HPLC(水/メタノール/TFA)により精製して、Cap-5のTFA塩を半-粘稠性の白色の泡状物質として得た(1.0 g)。
1H NMR (DMSO-d
6, δ=2.5, 500 MHz) δ 10.68 (ブロードのs, 1H), 7.51 (m, 5H), 5.23 (s, 1H), 3.34 (見かけ上のブロードのs, 2H), 3.05 (見かけ上のブロードのs, 2H), 1.95 (見かけ上のブロードのs, 4H); 保持時間=0.30分 (条件I); >98%均一性指数; LC/MS: [M+H]
+ C
12H
16NO
2として計算;計算値: 206.12; 実測値 206.25.
Cap-6
Cap-6のTFA塩を、Cap-5の製造方法を用いることによって、(R)-2-フェニルグリシンおよび1-ブロモ-2-(2-ブロモエトキシ)エタンから合成した。
1H NMR (DMSO-d
6, δ=2.5, 500 MHz) δ 12.20 (ブロードのs, 1H), 7.50 (m, 5H), 4.92 (s, 1H), 3.78 (見かけ上のブロードのs, 4H), 3.08 (見かけ上のブロードのs, 2H), 2.81 (見かけ上のブロードのs, 2H); 保持時間=0.32分 (条件I); >98%; LC/MS: [M+H]
+ C
12H
16NO
3として計算;計算値: 222.11; 実測値 222.20; HRMS: [M+H]
+ C
12H
16NO
3として計算;計算値: 222.1130; 実測値 222.1121.
Cap-7
冷却した(-5℃)、(S)-ベンジル 2-ヒドロキシ-2-フェニルアセテート(10.0 g, 41.3 mmol)、トリエチルアミン(5.75 mL, 41.3 mmol)および4-ジメチルアミノピリジン(0.504 g, 4.13 mmol)のCH
2Cl
2(200 mL)溶液に、p-トルエンスルホニルクロリド(8.65 g, 45.4 mmol)のCH
2Cl
2(200 mL)溶液を、温度を-5℃から0℃の間に維持しながら滴下した。該反応液を0℃で9時間撹拌した後、フリーザー(-25℃)で14時間保存した。周囲温度まで解凍し、水(200 mL)、1N HCl(100 mL)および食塩水(100 mL)で洗浄し、乾燥させ(MgSO
4)、濾過し、減圧濃縮し、2-フェニル-2-(トシルオキシ)酢酸ベンジルを粘稠性の油状物として得て、それを静置で固化させた(16.5 g)。該生成物のキラル整合性(chiral integrity)は確認せず、該生成物をさらなる精製は行わずに次の工程に用いた。
1H NMR (DMSO-d
6, δ=2.5, 500 MHz) δ 7.78 (d, J= 8.6, 2H), 7.43-7.29 (m, 10H), 7.20 (m, 2H), 6.12 (s, 1H), 5.16 (d, J=12.5, 1H), 5.10 (d, J=12.5, 1H), 2.39 (s, 3H). 保持時間=3.00 (条件III); >90%均一性指数; LC/MS: [M+H]
+ C
22H
20NaO
5Sとして計算;計算値: 419.09; 実測値 419.04.
2-フェニル-2-(トシルオキシ)酢酸ベンジル(6.0 g, 15.1 mmol)、1-メチルピペラジン(3.36 mL, 30.3 mmol)およびN,N-ジイソプロピルエチルアミン(13.2 mL, 75.8 mmol)のTHF(75 mL)溶液を、65℃で7時間加熱した。該反応液を周囲温度まで冷却し、揮発性成分を減圧除去した。残渣を酢酸エチルおよび水間に分配し、有機層を水および食塩水で洗浄し、乾燥させ(MgSO4)、濾過し、減圧濃縮した。得られた粗物質をフラッシュクロマトグラフィー(シリカゲル, 酢酸エチル)により精製して、2-(4-メチルピペラジン-1-イル)-2-フェニル酢酸ベンジルをオレンジ色がかった-茶色の粘稠性の油状物として得た(4.56 g)。キラルHPLC分析(Chiralcel OD-H)により、該サンプルは38.2対58.7の比率のエナンチオマーの混合物であることが示された。該エナンチオマーの分離を以下のとおり達成した:該生成物を120 mLのエタノール/ヘプタン(1:1)に溶解させ、75 mL/分で85:15 ヘプタン/エタノールを用いて溶出するキラルHPLCカラム(Chiracel OJ, 5 cm ID x 50 cm L, 20 μm)に注入(5 mL/注入)して、220 nmでモニタリングした。エナンチオマー-1(1.474 g)およびエナンチオマー-2(2.2149 g)を粘稠性の油状物として得た。 1H NMR (CDCl3, δ=7.26, 500 MHz) 7.44-7.40 (m, 2H), 7.33-7.24 (m, 6H), 7.21-7.16 (m, 2H), 5.13 (d, J=12.5, 1H), 5.08 (d, J=12.5, 1H), 4.02 (s, 1H), 2.65-2.38 (見かけ上のブロードのs, 8H), 2.25 (s, 3H). 保持時間=2.10 (条件III); >98%均一性指数; LC/MS: [M+H]+ C20H25N2O2として計算;計算値: 325.19; 実測値 325.20.
2-(4-メチルピペラジン-1-イル)-2-フェニル酢酸ベンジル(1.0 g, 3.1 mmol)のいずれかのエナンチオマーのメタノール(10 mL)溶液を、10%Pd/C(120 mg)/メタノール(5.0 mL)の懸濁液に加えた。該反応混合液を、水素のバルーンで、注意深いモニタリングの下で、<50分間処理した。反応の完了後ただちに、触媒を珪藻土(セライト(登録商標))により濾過し、該濾液を減圧濃縮して、フェニル酢酸が混入したCap-7を、黄褐色の泡状物質として得た(867.6 mg;量は上記の理論的収量である)。該生成物を、さらなる精製は行わずに次の工程に用いた。 1H NMR (DMSO-d6, δ=2.5, 500 MHz) δ 7.44-7.37 (m, 2H), 7.37-7.24 (m, 3H), 3.92 (s, 1H), 2.63-2.48 (app. ブロードのs, 2H), 2.48-2.32 (m, 6H), 2.19 (s, 3H); 保持時間=0.31 (条件II); >90%均一性指数; LC/MS: [M+H]+ C13H19N2O2として計算;計算値: 235.14; 実測値 235.15; HRMS: [M+H]+ C13H19N2O2として計算;計算値: 235.1447; 実測値 235.1440.
以下に記載の通り、Cap-8およびCap-9の合成は、SN2置換工程(すなわち、Cap-8については4-ヒドロキシピペリジンおよびCap-9については(S)-3-フルオロピロリジン)における適当なアミンおよび各々の立体異性の中間体の分離についての改変条件を用いることにより、上記のCap-7の合成に従って実施した。
Cap-8
中間体 2-(4-ヒドロキシピペリジン-1-イル)-2-フェニル酢酸ベンジルのエナンチオマー分離を、以下の条件を用いることにより達成した:該化合物(500 mg)をエタノール/ヘプタン(5 mL/45 mL)に溶解させた。得られた溶液を、10 mL/分で80:20 ヘプタン/エタノールを用いて溶出するキラルHPLCカラム(Chiracel OJ, 2 cm ID x 25 cm L, 10 μm)に注入(5 mL/注入)し、220 nmでモニタリングして、186.3 mgのエナンチオマー-1および209.1 mgのエナンチオマー-2を薄黄色の粘稠性の油状物として得た。これらのベンジルエステルをCap-7の製造に従って水素化分解して、Cap-8を得た:
1H NMR (DMSO-d
6, δ=2.5, 500 MHz) 7.40 (d, J=7, 2H), 7.28-7.20 (m, 3H), 3.78 (s 1H), 3.46 (m, 1H), 2.93 (m, 1H), 2.62 (m, 1H), 2.20 (m, 2H), 1.70 (m, 2H), 1.42 (m, 2H). 保持時間=0.28 (条件II); >98%均一性指数; LC/MS: [M+H]
+ C
13H
18NO
3として計算;計算値: 236.13; 実測値 236.07; HRMS: [M+H]
+ C
13H
18NO
3として計算;計算値: 236.1287; 実測値 236.1283.
Cap-9
中間体 2-((S)-3-フルオロピロリジン-1-イル)-2-フェニル酢酸ベンジルのジアステレオマー分離は、以下の条件を用いることにより達成した:該エステル(220 mg)を、10 bar圧、流速70 mL/分、および温度35℃で、0.1%TFAを含有する95%CO
2/5%メタノールを用いて溶出するキラルHPLCカラム(Chiracel OJ-H, 0.46 cm ID x 25 cm L, 5 μm)で分離した。各々の立体異性体についてのHPLC溶出物を濃縮し、残渣をCH
2Cl
2(20 mL)中に溶解させ、水性媒体(10 mL 水+1 mL 飽和NaHCO
3溶液)で洗浄した。有機相を乾燥させ(MgSO
4)、濾過し、減圧濃縮して、92.5 mgのフラクション-1および59.6 mgのフラクション-2を得た。これらのベンジルエステルをCap-7の製造に従って水素化分解して、Cap 9aおよび9bを製造した。Cap-9a(ジアステレオマー-1;該サンプルはH
2O/メタノール/TFA溶媒を用いた逆相HPLCでの精製により得られたTFA塩である):
1H NMR (DMSO-d
6, δ=2.5, 400 MHz) 7.55-7.48 (m, 5H), 5.38 (mのd, J=53.7, 1H), 5.09 (ブロードのs, 1H), 3.84-2.82 (ブロードのm, 4H), 2.31-2.09 (m, 2H). 保持時間=0.42 (条件I); >95%均一性指数; LC/MS: [M+H]
+ C
12H
15FNO
2として計算;計算値: 224.11; 実測値 224.14; Cap-9b (ジアステレオマー-2):
1H NMR (DMSO-d
6, δ=2.5, 400 MHz) 7.43-7.21 (m, 5H), 5.19 (mのd, J=55.9, 1H), 3.97 (s, 1H), 2.95-2.43 (m, 4H), 2.19-1.78 (m, 2H). 保持時間=0.44 (条件I); LC/MS: [M+H]
+ C
12H
15FNO
2として計算;計算値: 224.11; 実測値 224.14.
Cap-10
メタノール(15 mL)中のD-プロリン(2.0 g, 17 mmol)およびホルムアルデヒド(2.0 mLの37重量%/H
2O)の溶液に、10% Pd/C(500 mg)/メタノール(5 mL)懸濁液を加えた。該混合液を水素のバルーン下で23時間撹拌した。該反応混合液を珪藻土(セライト(登録商標))により濾過し、減圧濃縮して、Cap-10をオフホワイト色の固形物として得た(2.15 g)。
1H NMR (DMSO-d
6, δ=2.5, 500 MHz) 3.42 (m, 1H), 3.37 (dd, J=9.4, 6.1, 1H), 2.85-2.78 (m, 1H), 2.66 (s, 3H), 2.21-2.13 (m, 1H), 1.93-1.84 (m, 2H), 1.75-1.66 (m, 1H). 保持時間=0.28 (条件II); >98%均一性指数; LC/MS: [M+H]
+ C
6H
12NO
2として計算;計算値: 130.09; 実測値 129.96.
Cap-11
メタノール(20 mL)中の(2S,4R)-4-フルオロピロリジン-2-カルボン酸(0.50 g, 3.8 mmol)、ホルムアルデヒド(0.5 mLの37重量%/H
2O)、12 N HCl(0.25 mL)および10% Pd/C(50 mg)の混合液を、水素のバルーン下で19時間撹拌した。該反応混合液を珪藻土(セライト(登録商標))により濾過し、該濾液を減圧濃縮した。残渣をイソプロパノールから再結晶化して、Cap-11のHCl塩を白色の固形物として得た(337.7 mg)。
1H NMR (DMSO-d
6, δ=2.5, 500 MHz) 5.39 (d m, J=53.7, 1H), 4.30 (m, 1H), 3.90 (ddd, J=31.5, 13.5, 4.5, 1H), 3.33 (dd, J=25.6, 13.4, 1H), 2.85 (s, 3H), 2.60-2.51 (m, 1H), 2.39-2.26 (m, 1H). 保持時間=0.28 (条件II); >98%均一性指数; LC/MS: [M+H]
+ C
6H
11FNO
2として計算;計算値: 148.08; 実測値 148.06.
Cap-12(cap 52と同一)
L-アラニン(2.0 g, 22.5 mmol)を10%炭酸ナトリウム水溶液(50 mL)に溶解させ、クロロギ酸メチル(4.0 mL)のTHF(50 mL)溶液をそれに加えた。該反応混合液を周囲条件下で4.5時間撹拌し、減圧濃縮した。得られた白色の固形物を水に溶解させ、1N HClを用いてpH〜2-3まで酸性化した。得られた溶液を酢酸エチル(3 x 100 mL)で抽出し、有機相を合わせて乾燥させ(Na
2SO
4)、濾過し、減圧濃縮して、無色の油状物を得た(2.58 g)。500 mgのこの物質を逆相HPLC(H
2O/メタノール/TFA)により精製して、150 mgのCap-12を無色の油状物として得た。
1H NMR (DMSO-d
6, δ=2.5, 500 MHz) 7.44 (d, J=7.3, 0.8H), 7.10 (ブロードのs, 0.2H), 3.97 (m, 1H), 3.53 (s, 3H), 1.25 (d, J=7.3, 3H).
Cap-13
メタノール(30 mL)中のL-アラニン(2.5 g, 28 mmol)、ホルムアルデヒド(8.4 g, 37重量%)、1N HCl(30 mL)および10% Pd/C(500 mg)の混合液を、水素雰囲気下(50 psi)で5時間撹拌した。該反応混合液を珪藻土(セライト(登録商標))により濾過し、該濾液を減圧濃縮し、Cap-13のHCl塩を油状物として得て、それを減圧下で静置して固化させた(4.4 g;該量は上記の理論的収量である)。該生成物をさらなる精製は行わずに用いた。
1H NMR (DMSO-d
6, δ=2.5, 500 MHz) δ 12.1 (ブロードのs, 1H), 4.06 (q, J=7.4, 1H), 2.76 (s, 6H), 1.46 (d, J=7.3, 3H).
Cap-14
工程1:(R)-(-)-D-フェニルグリシン tert-ブチルエステル(3.00 g, 12.3 mmol)、NaBH
3CN(0.773 g, 12.3 mmol)、KOH(0.690 g, 12.3 mmol)および酢酸(0.352 mL, 6.15 mmol)の混合液をメタノール中において0℃で撹拌した。この混合液に、グルタルアルデヒド(2.23 mL, 12.3 mmol)を5分かけて滴下した。該反応混合液を、撹拌して周囲温度に昇温させ、同じ温度で16時間撹拌を続けた。続いて、溶媒を除去し、残渣を10%NaOH水溶液および酢酸エチル間に分配した。有機相を分離し、乾燥させ(MgSO
4)、濾過し、乾固するまで濃縮して、澄明な油状物を得た。この物質を逆相プレパラティブHPLC(Primesphere C-18, 30 x 100mm;CH
3CN-H
2O-0.1%TFA)により精製して、中間体エステル(2.70 g, 56%)を澄明な油状物として得た。
1H NMR (400 MHz, CDCl
3) δ 7.53-7.44 (m, 3H), 7.40-7.37 (m, 2H), 3.87 (d, J=10.9 Hz, 1H), 3.59 (d, J=10.9 Hz, 1H), 2.99 (t, J=11.2 Hz, 1H), 2.59 (t, J=11.4 Hz, 1H), 2.07-2.02 (m, 2H), 1.82 (d, J=1.82 Hz, 3H), 1.40 (s, 9H). LC/MS: C
17H
25NO
2として計算;計算値: 275; 実測値: 276 (M+H)
+.
工程2:撹拌した中間体エステル(1.12g, 2.88mmol)/ジクロロメタン(10 mL)溶液に、TFA(3 mL)を加えた。該反応混合液を周囲温度で4時間撹拌した後、乾固するまで濃縮して、薄黄色の油状物を得た。該油状物を、逆相プレパラティブHPLC(Primesphere C-18, 30 x 100mm; CH3CN-H2O-0.1%TFA)を用いて精製した。適当なフラクションを合わせて、乾固するまで減圧濃縮した。次いで、残渣を最小量のメタノールに溶解させ、MCX LP抽出カートリッジ(2 x 6 g)にアプライした。該カートリッジをメタノール(40 mL)ですすいだ後、2Mアンモニア/メタノール(50 mL)を用いて目的の化合物を溶出した。生成物含有フラクションを合わせて、濃縮し、残渣を水に溶解させた。この溶液を凍結乾燥させて、表題の化合物(0.492 g, 78%)を薄黄色の固形物として得た。 1H NMR (DMSO-d6) δ 7.50 (s, 5H), 5.13 (s, 1H), 3.09 (ブロードのs, 2H), 2.92-2.89 (m, 2H), 1.74 (m, 4H), 1.48 (ブロードのs, 2H). LC/MS: C13H17NO2として計算;計算値: 219; 実測値: 220 (M+H)+.
Cap-15
工程1:(S)-1-フェニルエチル 2-ブロモ-2-フェニルアセテート:乾燥ジクロロメタン(100 mL)中のα-ブロモフェニル酢酸(10.75 g, 0.050 mol)、(S)-(-)-1-フェニルエタノール(7.94 g, 0.065 mol)およびDMAP(0.61 g, 5.0 mmol)の混合液に、固体のEDCI(12.46 g, 0.065 mol)を一度に加えた。得られた溶液を、Ar下において室温で18時間撹拌した後、酢酸エチルで希釈し、洗浄し(H
2O x 2、食塩水)、乾燥させ(Na
2SO
4)、濾過し、濃縮して、淡黄色の油状物を得た。この油状物をフラッシュクロマトグラフィー(SiO
2/ヘキサン-酢酸エチル, 4:1)で処理して、表題の化合物(11.64 g, 73%)を白色の固形物として得た。
1H NMR (400 MHz, CDCl
3) δ 7.53-7.17 (m, 10H), 5.95 (q, J=6.6 Hz, 0.5H), 5.94 (q, J=6.6 Hz, 0.5H), 5.41 (s, 0.5H), 5.39 (s, 0.5H), 1.58 (d, J=6.6 Hz, 1.5H), 1.51 (d, J=6.6 Hz, 1.5H).
工程2:(S)-1-フェニルエチル (R)-2-(4-ヒドロキシ-4-メチルピペリジン-1-イル)- 2-フェニルアセテート:(S)-1-フェニルエチル 2-ブロモ-2-フェニルアセテート(0.464 g, 1.45 mmol)/THF(8 mL)溶液に、トリエチルアミン(0.61 mL, 4.35 mmol)を加え、続いて、テトラブチルアンモニウムヨージド(0.215 g, 0.58 mmol)を加えた。該反応混合液を室温で5分間撹拌した後、4-メチル-4-ヒドロキシピペリジン(0.251 g, 2.18 mmol)/THF(2 mL)溶液を加えた。該混合液を室温で1時間撹拌した後、55-60℃(油浴温度)で4時間加熱した。次いで、冷却した反応混合液を酢酸エチル(30 mL)で希釈し、洗浄し(H2O x2、食塩水)、乾燥させ(MgSO4)、濾過して、濃縮した。残渣をシリカゲルクロマトグラフィー(0-60% 酢酸エチル-ヘキサン)により精製して、まず第一に表題の化合物の(S,R)-異性体(0.306 g, 60%)を白色の固形物として得て、次に対応する(S,S)-異性体(0.120 g, 23%)もまた白色の固形物として得た。(S,R)-異性体: 1H NMR (CD3OD) δ 7.51-7.45 (m, 2H), 7.41-7.25 (m, 8H), 5.85 (q, J=6.6 Hz, 1H), 4.05 (s, 1H), 2.56-2.45 (m, 2H), 2.41-2.29 (m, 2H), 1.71-1.49 (m, 4H), 1.38 (d, J=6.6 Hz, 3H), 1.18 (s, 3H). LCMS: C22H27NO3として計算;計算値: 353; 実測値: 354 (M+H)+. (S,S)-異性体: 1H NMR (CD3OD) δ 7.41-7.30 (m, 5H), 7.20-7.14 (m, 3H), 7.06-7.00 (m, 2H), 5.85 (q, J=6.6 Hz, 1H), 4.06 (s, 1H), 2.70-2.60 (m, 1H), 2.51 (dt, J=6.6, 3.3 Hz, 1H), 2.44-2.31 (m, 2H), 1.75-1.65 (m, 1H), 1.65-1.54 (m, 3H), 1.50 (d, J=6.8 Hz, 3H), 1.20 (s, 3H). LCMS: C22H27NO3として計算;計算値: 353; 実測値: 354 (M+H)+.
工程3:(R)-2-(4-ヒドロキシ-4-メチルピペリジン-1-イル)-2-フェニル酢酸:(S)-1-フェニルエチル (R)-2-(4-ヒドロキシ-4-メチルピペリジン-1-イル)-2-フェニルアセテート(0.185 g, 0.52 mmol)/ジクロロメタン(3 mL)溶液に、トリフルオロ酢酸(1 mL)を加え、該混合液を室温で2時間撹拌した。続いて、揮発性物質を減圧除去し、残渣を逆相プレパラティブHPLC(Primesphere C-18, 20 x 100mm; CH3CN-H2O-0.1%TFA)により精製して、表題の化合物(TFA塩として)を淡い青みがかった固形物として得た(0,128 g, 98%)。 LCMS: C14H19NO3として計算;計算値: 249; 実測値: 250 (M+H)+.
Cap-16
工程1:(S)-1-フェニルエチル 2-(2-フルオロフェニル)アセテート:CH
2Cl
2(100 mL)中の2-フルオロフェニル酢酸(5.45 g, 35.4 mmol)、(S)-1-フェニルエタノール(5.62 g, 46.0 mmol)、EDCI(8.82 g, 46.0 mmol)およびDMAP(0.561 g, 4.60 mmol)の混合液を、室温で12時間撹拌した。次いで、溶媒を濃縮し、残渣をH
2O-酢酸エチルで分配した。相を分離し、水層を酢酸エチル(2x)で逆抽出した。有機相を合わせて洗浄し(H
2O、食塩水)、乾燥させ(Na
2SO
4)、濾過し、減圧濃縮した。残渣をシリカゲルクロマトグラフィー(Biotage/ 0-20% 酢酸エチル-ヘキサン)により精製して、表題の化合物を無色の油状物として得た(8.38 g, 92%).
1H NMR (400 MHz, CD
3OD) δ 7.32-7.23 (m, 7H), 7.10-7.04 (m, 2), 5.85 (q, J=6.5 Hz, 1H), 3.71 (s, 2H), 1.48 (d, J=6.5 Hz, 3H).
工程2:(R)-((S)-1-フェニルエチル) 2-(2-フルオロフェニル)-2-(ピペリジン-1-イル)アセテート:(S)-1-フェニルエチル 2-(2-フルオロフェニル)アセテート(5.00 g, 19.4 mmol)/THF(1200 mL)溶液に、0℃にてDBU(6.19 g, 40.7 mmol)を加え、該溶液を30分間撹拌しながら室温に昇温させた。次いで、該溶液を-78℃まで冷却し、CBr4(13.5 g, 40.7 mmol)/THF(100 mL)溶液を加え、該混合液を-10℃まで昇温させ、この温度で2時間撹拌した。該反応混合液を飽和NH4Cl水溶液でクエンチし、層を分離した。水層を酢酸エチル(2x)で逆抽出し、有機相を合わせて洗浄し(H2O、食塩水)、乾燥させ(Na2SO4)、濾過し、減圧濃縮した。残渣にピペリジン(5.73 mL, 58.1 mmol)を加え、該溶液を室温で24時間撹拌した。その後、揮発性物質を減圧濃縮し、残渣をシリカゲルクロマトグラフィー(Biotage/ 0-30% ジエチルエーテル-ヘキサン)により精製して、未反応の出発物質(2.53 g, 51%)とともに、ジアステレオマーの純粋な混合物(1H NMRにより、2:1の比)を黄色の油状物として得た(2.07 g, 31%)。該ジアステレオマー混合物をさらにクロマトグラフィー(Biotage/ 0-10% ジエチルエーテル-トルエン)で処理して、表題の化合物を無色の油状物として得た(0.737 g, 11%)。 1H NMR (400 MHz, CD3OD) δ 7.52 (ddd, J=9.4, 7.6, 1.8 Hz, 1H), 7.33 - 7.40 (m, 1), 7.23 - 7.23 (m, 4H), 7.02 - 7.23 (m, 4H), 5.86 (q, J=6.6 Hz, 1H), 4.45 (s, 1H), 2.39 - 2.45 (m, 4H), 1.52 - 1.58 (m, 4H), 1.40 - 1.42 (m, 1H), 1.38 (d, J=6.6 Hz, 3H). LCMS: C21H24FNO2として計算;計算値: 341; 実測値: 342 (M+H)+.
工程3:(R)-2-(2-フルオロフェニル)-2-(ピペリジン-1-イル)酢酸:エタノール(30 mL)中の(R)-((S)-1-フェニルエチル) 2-(2-フルオロフェニル)-2-(ピペリジン-1-イル)アセテート(0.737 g, 2.16 mmol)および20%Pd(OH)2/C(0.070 g)の混合液を、室温および大気圧(H2バルーン)で2時間、水素化した。次いで、該溶液をArでパージし、珪藻土(セライト(登録商標))により濾過し、減圧濃縮した。これにより、表題の化合物を無色の固形物として得た(0.503 g, 98%)。 1H NMR (400 MHz, CD3OD) δ 7.65 (ddd, J=9.1, 7.6, 1.5 Hz, 1H), 7.47-7.53 (m, 1H), 7.21-7.30 (m, 2H), 3.07-3.13 (m, 4H), 1.84 (ブロードのs, 4H), 1.62 (ブロードのs, 2H). LCMS: C13H16FNO2として計算;計算値: 237; 実測値: 238 (M+H)+.
Cap-17
工程1:(S)-1-フェニルエチル (R)-2-(4-ヒドロキシ-4-フェニルピペリジン-1-イル)-2-フェニルアセテート:(S)-1-フェニルエチル 2-ブロモ-2-フェニルアセテート(1.50 g, 4.70 mmol)/THF(25 mL)溶液に、トリエチルアミン(1.31 mL, 9.42 mmol)を加え、続いて、テトラブチルアンモニウムヨージド(0.347 g, 0.94 mmol)を加えた。該反応混合液を室温で5分間撹拌した後、4-フェニル-4-ヒドロキシピペリジン(1.00 g, 5.64 mmol)/THF(5 mL)溶液を加えた。該混合液を16時間撹拌した後、酢酸エチル(100 mL)で希釈し、洗浄し(H
2O x2、食塩水)、乾燥させ(MgSO
4)、濾過し、濃縮した。残渣をシリカゲルカラム(0-60% 酢酸エチル-ヘキサン)で精製して、
1H NMRによる判定として約2:1のジアステレオマーの混合物を得た。超臨界流体クロマトグラフィー(Chiralcel OJ-H, 30 x 250mm;35℃で、20%エタノール/CO
2)を用いてこれらの異性体の分離を行い、まず第一に表題の化合物の(R)-異性体(0.534 g, 27%)を黄色の油状物として得て、次に対応する(S)-異性体(0.271 g, 14%)もまた黄色の油状物として得た。(S,R)-異性体:
1H NMR (400 MHz, CD
3OD) δ 7.55-7.47 (m, 4H), 7.44-7.25 (m, 10H), 7.25-7.17 (m, 1H), 5.88 (q, J=6.6 Hz, 1H), 4.12 (s, 1H), 2.82-2.72 (m, 1H), 2.64 (dt, J=11.1, 2.5 Hz, 1H), 2.58-2.52 (m, 1H), 2.40 (dt, J=11.1, 2.5 Hz, 1H), 2.20 (dt, J=12.1, 4.6 Hz, 1H), 2.10 (dt, J=12.1, 4.6 Hz, 1H), 1.72-1.57 (m, 2H), 1.53 (d, J=6.5 Hz, 3H). LCMS: C
27H
29NO
3として計算;計算値: 415; 実測値: 416 (M+H)
+; (S,S)-異性体: H
1NMR (400 MHz, CD
3OD) δ 7.55-7.48 (m, 2H), 7.45-7.39 (m, 2H), 7.38-7.30 (m, 5H), 7.25-7.13 (m, 4H), 7.08-7.00 (m, 2H), 5.88 (q, J=6.6 Hz, 1H), 4.12 (s, 1H), 2.95-2.85 (m, 1H), 2.68 (dt, J=11.1, 2.5 Hz, 1H), 2.57-2.52 (m, 1H), 2.42 (dt, J=11.1, 2.5 Hz, 1H), 2.25 (dt, J=12.1, 4.6 Hz, 1H), 2.12 (dt, J=12.1, 4.6 Hz, 1H), 1.73 (dd, J=13.6, 3.0 Hz, 1H), 1.64 (dd, J=13.6, 3.0 Hz, 1H), 1.40 (d, J=6.6 Hz, 3H). LCMS: C
27H
29NO
3として計算;計算値: 415; 実測値: 416 (M+H)
+.
保持時間決定用キラルSFC条件
条件I
カラム: Chiralpak AD-H カラム, 4.62x50 mm, 5μm
溶媒: 0.1%DEAを含む90%CO2-10%メタノール
温度: 35℃
圧力: 150 bar
流速: 2.0 mL/分
220 nmでUV測定
注入: 1.0 mg/3mLメタノール
条件II
カラム: Chiralcel OD-H カラム, 4.62x50 mm, 5μm
溶媒: 0.1%DEAを含む90%CO2-10%メタノール
温度: 35℃
圧力: 150 bar
流速: 2.0 mL/分
220 nmでUV測定
注入: 1.0 mg/mLメタノール
Cap 17, 工程2;(R)-2-(4-ヒドロキシ-4-フェニルピペリジン-1-イル)-2-フェニル酢酸:(S)-1-フェニルエチル (R)-2-(4-ヒドロキシ-4-フェニルピペリジン-1-イル)-2-フェニルアセテート(0.350 g, 0.84 mmol)/ジクロロメタン(5 mL)溶液に、トリフルオロ酢酸(1 mL)を加え、該混合液を室温で2時間撹拌した。続いて、揮発性物質を減圧除去し、残渣を逆相プレパラティブHPLC(Primesphere C-18, 20 x 100mm; CH3CN-H2O-0.1%TFA)により精製して、表題の化合物(TFA塩として)を白色の固形物として得た(0.230 g, 88%)。 LCMS: C19H21NO3として計算;計算値: 311.15; 実測値: 312 (M+H)+.
同様の方法で、以下のカルボン酸を光学的に純粋な形態で製造した。
保持時間決定用LCMS条件
条件I
カラム: Phenomenex-Luna 4.6 X 50 mm S10
開始% B=0
最終% B=100
グラジエント時間=4分
流速=4 mL/分
波長=220
溶媒A=10%メタノール-90%H2O-0.1%TFA
溶媒B=90%メタノール-10%H2O-0.1%TFA
条件II
カラム: Waters-Sunfire 4.6 X 50 mm S5
開始% B=0
最終% B=100
グラジエント時間=2分
流速=4 mL/分
波長=220
溶媒A=10%メタノール-90%H2O-0.1%TFA
溶媒B=90%メタノール-10%H2O-0.1%TFA
条件III
カラム: Phenomenex 10μ 3.0 X 50 mm
開始% B=0
最終% B=100
グラジエント時間=2分
流速=4 mL/分
波長=220
溶媒A=10%メタノール-90%H2O-0.1%TFA
溶媒B=90%メタノール-10%H2O-0.1%TFA
Cap-18
工程1;(R,S)-エチル 2-(4-ピリジル)-2-ブロモアセテート:4-ピリジル酢酸エチル(1.00 g, 6.05 mmol)/乾燥THF(150 mL)溶液に、アルゴン下において0℃で、DBU(0.99 mL, 6.66 mmol)を加えた。該反応混合液を、30分かけて室温まで昇温させた後、-78℃まで冷却した。この混合液にCBr
4(2.21 g, 6.66 mmol)を加え、-78℃で2時間撹拌を続けた。次いで、該反応混合液を飽和NH
4Cl水溶液でクエンチし、相を分離した。有機相を洗浄し(食塩水)、乾燥させ(Na
2SO
4)、濾過し、減圧濃縮した。得られた黄色の油状物を、ただちにフラッシュクロマトグラフィー(SiO
2/ヘキサン-酢酸エチル, 1:1)により精製して、表題の化合物(1.40 g, 95%)をやや不安定な黄色の油状物として得た。
1H NMR (400 MHz, CDCl
3) δ 8.62 (dd, J=4.6, 1.8 Hz, 2H), 7.45 (dd, J=4.6, 1.8 Hz, 2H), 5.24 (s, 1H), 4.21-4.29 (m, 2H), 1.28 (t, J=7.1 Hz, 3H). LCMS: C
9H
10BrNO
2として計算;計算値: 242, 244; 実測値: 243, 245 (M+H)
+.
工程2;(R,S)-エチル 2-(4-ピリジル)-2-(N,N-ジメチルアミノ)アセテート:(R,S)-エチル 2-(4-ピリジル)-2-ブロモアセテート(1.40 g, 8.48 mmol)/DMF(10 mL)溶液に、室温にて、ジメチルアミン(2M/THF, 8.5 mL, 17.0 mmol)を加えた。反応の完了後(薄層クロマトグラフィーによる判定として)、揮発性物質を減圧除去し、残渣をフラッシュクロマトグラフィー(Biotage, 40+M SiO2カラム; 50%-100%酢酸エチル-ヘキサン)により精製して、表題の化合物(0.539 g, 31%)を薄黄色の油状物として得た。 1H NMR (400 MHz, CDCl3) δ 8.58 (d, J=6.0 Hz, 2H), 7.36 (d, J=6.0 Hz, 2H), 4.17 (m, 2H), 3.92 (s, 1H), 2.27 (s, 6H), 1.22 (t, J=7.0 Hz). LCMS: C11H16N2O2として計算;計算値: 208; 実測値: 209 (M+H)+.
工程3;(R,S)-2-(4-ピリジル)-2-(N,N-ジメチルアミノ)酢酸:THF-メタノール-H2O(1:1:1, 6 mL)混合液中の(R,S)-エチル 2-(4-ピリジル)-2-(N,N-ジメチルアミノ)アセテート(0.200 g, 0.960 mmol)の溶液に、室温で、粉末のLiOH(0.120 g, 4.99 mmol)を加えた。該溶液を、3時間撹拌した後、1N HClを用いてpH6まで酸性化した。水相を酢酸エチルで洗浄し、その後凍結乾燥させて、表題の化合物の二塩酸塩を黄色の固形物として得た(LiCl含有)。該生成物をそのまま、その後の工程に用いた。 1H NMR (400 MHz, DMSO-d6) δ 8.49 (d, J=5.7 Hz, 2H), 7.34 (d, J=5.7 Hz, 2H), 3.56 (s, 1H), 2.21 (s, 6H).
以下の実施例を、上記のメソッドを用いて同様の方法で製造した。
Cap-37
工程1;(R,S)-エチル 2-(キノリン-3-イル)-2-(N,N-ジメチルアミノ)-アセテート:N,N-ジメチルアミノ酢酸エチル(0.462 g, 3.54 mmol)、K
3PO
4(1.90 g, 8.95 mmol)、Pd(t-Bu
3P)
2(0.090 g, 0.176 mmol)およびトルエン(10 mL)の混合液を、Ar気流バブルにより15分間脱気した。次いで、該反応混合液を100℃で12時間加熱した後、室温まで冷却し、H
2Oに注ぎ入れた。該混合液を酢酸エチル(2x)で抽出し、有機相を合わせて洗浄し(H
2O、食塩水)、乾燥させ(Na
2SO
4)、濾過し、減圧濃縮した。残渣を、まず逆相プレパラティブHPLC(Primesphere C-18, 30 x 100mm; CH
3CN-H
2O-5 mM NH
4OAc)により精製し、次いでフラッシュクロマトグラフィー(SiO
2/ヘキサン-酢酸エチル, 1:1)により精製して、表題の化合物(0.128 g, 17%)をオレンジ色の油状物として得た。
1H NMR (400 MHz, CDCl
3) δ 8.90 (d, J=2.0 Hz, 1H), 8.32 (d, J=2.0 Hz, 1H), 8.03-8.01 (m, 2H), 7.77 (ddd, J=8.3, 6.8, 1.5 Hz, 1H), 7.62 (ddd, J=8.3, 6.8, 1.5 Hz, 1H), 4.35 (s, 1H), 4.13 (m, 2H), 2.22 (s, 6H), 1.15 (t, J=7.0 Hz, 3H). LCMS: C
15H
18N
2O
2として計算;計算値: 258; 実測値: 259 (M+H)
+.
工程2;(R,S) 2-(キノリン-3-イル)-2-(N,N-ジメチルアミノ)酢酸:(R,S)-エチル 2-(キノリン-3-イル)-2-(N,N-ジメチルアミノ)アセテート(0.122 g, 0.472 mmol)および6M HCl(3 mL)の混合液を、100℃で12時間加熱した。溶媒を減圧除去して、表題の化合物の二塩酸塩(0.169 g, >100%)を薄黄色の泡状物質として得た。該未精製の物質をさらなる精製は行わずにその後の工程に用いた。 LCMS: C13H14N2O2として計算;計算値: 230; 実測値: 231 (M+H)+.
Cap-38
工程1;(R)-((S)-1-フェニルエチル) 2-(ジメチルアミノ)-2-(2-フルオロフェニル)アセテートおよび(S)-((S)-1-フェニルエチル) 2-(ジメチルアミノ)-2-(2-フルオロフェニル)アセテート:CH
2Cl
2(40 mL)中の(RS)-2-(ジメチルアミノ)-2-(2-フルオロフェニル)酢酸(2.60 g, 13.19 mmol)、DMAP(0.209 g, 1.71 mmol)および(S)-1-フェニルエタノール(2.09 g, 17.15 mmol)の混合液に、EDCI(3.29 g, 17.15 mmol)を加え、該混合液を室温で12時間撹拌した。その後、溶媒を減圧除去し、残渣を酢酸エチル-H
2Oで分配した。層を分離し、水層を酢酸エチル(2x)で逆抽出し、有機相を合わせて洗浄し(H
2O、食塩水)、乾燥させ(Na
2SO
4)、濾過し、減圧濃縮した。残渣をシリカゲルクロマトグラフィー(Biotage/ 0-50%ジエチルエーテル-ヘキサン)により精製した。次いで、得られた純粋なジアステレオマー混合物を逆相プレパラティブHPLC(Primesphere C-18, 30 x 100mm; CH
3CN-H
2O-0.1%TFA)により分離して、まず第一に(S)-1-フェネチル (R)-2-(ジメチルアミノ)-2-(2-フルオロフェニル)アセテート(0.501 g, 13%)、次に(S)-1-フェネチル (S)-2-(ジメチルアミノ)-2-(2-フルオロフェニル)-アセテート(0.727 g. 18%)を、両方ともそれらのTFA塩として得た。 (S,R)-異性体:
1H NMR (400 MHz, CD
3OD) δ 7.65-7.70 (m, 1H), 7.55-7.60 (ddd, J=9.4, 8.1, 1.5 Hz, 1H), 7.36-7.41 (m, 2H), 7.28-7.34 (m, 5H), 6.04 (q, J=6.5 Hz, 1H), 5.60 (s, 1H), 2.84 (s, 6H), 1.43 (d, J=6.5 Hz, 3H). LCMS: C
18H
20FNO
2として計算;計算値: 301; 実測値: 302 (M+H)
+; (S,S)-異性体:
1H NMR (400 MHz, CD
3OD) δ 7.58-7.63 (m, 1H), 7.18-7.31 (m, 6H), 7.00 (dd, J=8.5, 1.5 Hz, 2H), 6.02 (q, J=6.5 Hz, 1H), 5.60 (s, 1H), 2.88 (s, 6H), 1.54 (d, J=6.5 Hz, 3H). LCMS: C
18H
20FNO
2として計算;計算値: 301; 実測値: 302 (M+H)
+.
工程2;(R)-2-(ジメチルアミノ)-2-(2-フルオロフェニル)酢酸:エタノール(30 mL)中の(R)-((S)-1-フェニルエチル) 2-(ジメチルアミノ)-2-(2-フルオロフェニル)アセテートTFA塩(1.25 g, 3.01 mmol)および20%Pd(OH)2/C(0.125 g)の混合液を、室温および大気圧(H2バルーン)で4時間、水素化した。その後、該溶液をArでパージし、珪藻土(セライト(登録商標))により濾過し、減圧濃縮した。これにより、表題の化合物を無色の固形物として得た(0.503 g, 98%)。 1H NMR (400 MHz, CD3OD) δ 7.53-7.63 (m, 2H), 7.33-7.38 (m, 2H), 5.36 (s, 1H), 2.86 (s, 6H). LCMS: C10H12FNO2として計算;計算値: 197; 実測値: 198 (M+H)+.
該S-異性体は、(S)-((S)-1-フェニルエチル) 2-(ジメチルアミノ)-2-(2-フルオロフェニル)アセテートTFA塩から、同様の方法で得られた。
Cap-39
(R)-(2-クロロフェニル)グリシン(0.300 g, 1.62 mmol)、ホルムアルデヒド(35%水溶液, 0.80 mL, 3.23 mmol)および20%Pd(OH)
2/C(0.050 g)の混合液を、室温および大気圧(H
2バルーン)で4時間、水素化した。その後、該溶液をArでパージし、珪藻土(セライト(登録商標))により濾過し、減圧濃縮した。残渣を逆相プレパラティブHPLC(Primesphere C-18, 30 x 100mm; CH
3CN-H
2O-0.1%TFA)により精製して、表題の化合物(R)-2-(ジメチルアミノ)-2-(2-クロロフェニル)酢酸のTFA塩を無色の油状物として得た(0.290 g, 55%).
1H NMR (400 MHz, CD
3OD) δ 7.59-7.65 (m, 2H), 7.45-7.53 (m, 2H), 5.40 (s, 1H), 2.87 (s, 6H). LCMS: C
10H
12ClNO
2として計算;計算値: 213; 実測値: 214 (M+H)
+.
Cap-40
H
2O(5.5 mL)中の(R)-(2-クロロフェニル)グリシン(1.00 g, 5.38 mmol)およびNaOH(0.862 g, 21.6 mmol)の氷冷した溶液に、クロロギ酸メチル(1.00 mL, 13.5 mmol)を滴下した。該混合液を0℃で1時間撹拌した後、濃HCl(2.5 mL)を加えることにより酸性化した。該混合液を酢酸エチル(2x)で抽出し、有機相を合わせて洗浄し(H
2O、食塩水)、乾燥させ(Na
2SO
4)、濾過し、減圧濃縮して、表題の化合物(R)-2-(メトキシカルボニルアミノ)-2-(2-クロロフェニル)酢酸を黄-オレンジ色の泡状物質として得た(1.31 g, 96%)。
1H NMR (400 MHz, CD
3OD) δ 7.39 - 7.43 (m, 2H), 7.29 - 7.31 (m, 2H), 5.69 (s, 1H), 3.65 (s, 3H). LCMS: C
10H
10ClNO
4として計算;計算値: 243; 実測値: 244 (M+H)
+.
Cap-41
2-(2-(クロロメチル)フェニル)酢酸(2.00 g, 10.8 mmol)/THF(20 mL)懸濁液にモルホリン(1.89 g, 21.7 mmol)を加え、該溶液を室温で3時間撹拌した。その後、該反応混合液を酢酸エチルで希釈し、H
2O(2x)で抽出した。水相を凍結乾燥させ、残渣をシリカゲルクロマトグラフィー(Biotage/ 0-10%メタノール-CH
2Cl
2)により精製して、表題の化合物2-(2-(モルホリノメチル)フェニル)酢酸を無色の固形物として得た(2.22 g, 87%).
1H NMR (400 MHz, CD
3OD) δ 7.37-7.44 (m, 3H), 7.29-7.33 (m, 1H), 4.24 (s, 2H), 3.83 (ブロードのs, 4H), 3.68 (s, 2H), 3.14 (ブロードのs, 4H). LCMS: C
13H
17NO
3として計算;計算値: 235; 実測値: 236 (M+H)
+.
以下の実施例をCap-41に記載の方法を用いて同様に製造した。
Cap-45a
HMDS(1.85 mL, 8.77 mmol)を(R)-2-アミノ-2-フェニル酢酸 p-トルエンスルホネート(2.83 g, 8.77 mmol)/CH
2Cl
2(10 mL)懸濁液に加え、該混合液を室温で30分間撹拌した。イソシアン酸メチル(0.5 g, 8.77 mmol)を一度に加え、30分間撹拌を続けた。H
2O(5 mL)を加えることにより該反応液をクエンチし、得られた沈殿物を濾過し、H
2Oおよびn-ヘキサンで洗浄し、減圧乾燥させた。(R)-2-(3-メチルウレイド)-2-フェニル酢酸(1.5 g; 82%)を白色の固形物として回収し、さらなる精製は行わずに用いた。
1H NMR (500 MHz, DMSO-d
6) δ ppm 2.54 (d, J=4.88 Hz, 3H) 5.17 (d, J=7.93 Hz, 1H) 5.95 (q, J=4.48 Hz, 1H) 6.66 (d, J=7.93 Hz, 1H) 7.26-7.38 (m, 5H) 12.67 (s, 1H). LCMS: C
10H
12N
2O
3として計算;計算値 208.08 実測値 209.121 (M+H)
+; HPLC Phenomenex C-18 3.0 × 46 mm, 2分かけて0から100%B, ホールド時間1分, A=90%水, 10%メタノール, 0.1%TFA, B=10%水, 90%メタノール, 0.1%TFA, 保持時間=1.38分, 90%均一性指数.
Cap-46
Cap-45aに記載の方法に従って目的の生成物を製造した。
1H NMR (500 MHz, DMSO-d
6) δ ppm 0.96 (t, J=7.17 Hz, 3H) 2.94-3.05 (m, 2H) 5.17 (d, J=7.93 Hz, 1H) 6.05 (t, J=5.19 Hz, 1H) 6.60 (d, J=7.63 Hz, 1H) 7.26-7.38 (m, 5H) 12.68 (s, 1H). LCMS: として計算;計算値: C
11H
14N
2O
3 222.10 実測値 223.15 (M+H)
+. HPLC XTERRA C-18 3.0 × 506 mm, 2分かけて0から100%B, ホールド時間1分, A=90%水, 10%メタノール, 0.2%H
3PO
4, B=10%水, 90%メタノール, 0.2%H
3PO
4, 保持時間=0.87分, 90%均一性指数.
Cap-47
工程1;(R)-tert-ブチル 2-(3,3-ジメチルウレイド)-2-フェニルアセテート:DMF(40 mL)中の(R)-tert-ブチル-2-アミノ-2-フェニルアセテート(1.0 g, 4.10 mmol)およびヒューニッヒ塩基(Hunig's base)(1.79 mL, 10.25 mmol)の撹拌した溶液に、ジメチルカルバモイルクロリド(0.38 mL, 4.18 mmol)を10分かけて滴下した。室温で3時間撹拌した後、該反応液を減圧下で濃縮し、得られた残渣を酢酸エチルに溶解させた。有機層を、H
2O、1N HCl水溶液および食塩水で洗浄し、乾燥させ(MgSO
4)、濾過し、減圧下で濃縮した。(R)-tert-ブチル 2-(3,3-ジメチルウレイド)-2-フェニルアセテートを白色の固形物として得て(0.86 g; 75%)、さらなる精製は行わずに用いた。
1H NMR (500 MHz, DMSO-d
6) δ ppm 1.33 (s, 9H) 2.82 (s, 6H) 5.17 (d, J=7.63 Hz, 1H) 6.55 (d, J=7.32 Hz, 1H) 7.24-7.41 (m, 5H). LCMS: C
15H
22N
2O
3として計算;計算値: 278.16 実測値 279.23 (M+H)
+; HPLC Phenomenex LUNA C-18 4.6 × 50 mm, 4分かけて0から100%B, ホールド時間1分, A=90%水, 10%メタノール, 0.1%TFA, B=10%水, 90%メタノール, 0.1%TFA, 保持時間=2.26分, 97%均一性指数.
工程2;(R)-2-(3,3-ジメチルウレイド)-2-フェニル酢酸:混合した((R)-tert-ブチル 2-(3,3-ジメチルウレイド)-2-フェニルアセテート(0.86 g, 3.10 mmol)/CH2Cl2(250 mL)溶液に、TFA(15 mL)を滴下し、得られた溶液を室温で3時間撹拌した。次いで、EtOAC:ヘキサン(5:20)の混合液を用いて、溶液から目的の化合物を析出させ、濾過して取り、減圧下で乾燥させた。(R)-2-(3,3-ジメチルウレイド)-2-フェニル酢酸を白色の固形物として単離し(0.59g, 86%)、さらなる精製は行わずに用いた。 1H NMR (500 MHz, DMSO-d6) δ ppm 2.82 (s, 6H) 5.22 (d, J=7.32 Hz, 1H) 6.58 (d, J=7.32 Hz, 1H) 7.28 (t, J=7.17 Hz, 1H) 7.33 (t, J=7.32 Hz, 2H) 7.38-7.43 (m, 2H) 12.65 (s, 1H). LCMS: C11H14N2O3として計算;計算値: 222.24; 実測値: 223.21 (M+H)+. HPLC XTERRA C-18 3.0 × 50 mm, 2分かけて0から100%B, ホールド時間1分, A=90%水, 10%メタノール, 0.2%H3PO4, B=10%水, 90%メタノール, 0.2%H3PO4, 保持時間=0.75分, 93%均一性指数.
Cap-48
工程1;(R)-tert-ブチル 2-(3-シクロペンチルウレイド)-2-フェニルアセテート:DMF(15 mL)中の(R)-2-アミノ-2-フェニル酢酸塩酸塩(1.0 g, 4.10 mmol)およびヒューニッヒ塩基(1.0 mL, 6.15 mmol)の撹拌した溶液に、イソシアン酸シクロペンチル(0.46 mL, 4.10 mmol)を10分かけて滴下した。室温で3時間撹拌した後、該反応液を減圧下で濃縮し、得られた残渣を酢酸エチルに溶解させた。有機層を、H
2Oおよび食塩水で洗浄し、乾燥させ(MgSO
4)、濾過し、減圧下で濃縮した。(R)-tert-ブチル 2-(3-シクロペンチルウレイド)-2-フェニルアセテートを不透明な油状物として得て(1.32 g; 100%)、さらなる精製は行わずに用いた。
1H NMR (500 MHz, CD
3Cl-D) δ ppm 1.50-1.57 (m, 2H) 1.58-1.66 (m, 2H) 1.87-1.97 (m, 2H) 3.89-3.98 (m, 1H) 5.37 (s, 1H) 7.26-7.38 (m, 5H). LCMS: C
18H
26N
2O
3として計算;計算値 318.19 実測値 319.21 (M+H)
+; HPLC XTERRA C-18 3.0 × 50 mm, 4分かけて0から100%B, ホールド時間1分, A=90%水, 10%メタノール, 0.1%TFA, B=10%水, 90%メタノール, 0.1%TFA, 保持時間=2.82分, 96%均一性指数.
工程2;(R)-2-(3-シクロペンチルウレイド)-2-フェニル酢酸:撹拌した(R)-tert-ブチル 2-(3-シクロペンチルウレイド)-2-フェニルアセテート(1.31 g, 4.10 mmol)/CH2Cl2(25 mL)溶液に、TFA(4 mL)およびトリエチルシラン(1.64 mL; 10.3 mmol)を滴下し、得られた溶液を室温で6時間撹拌した。揮発性成分を減圧下で除去し、該粗生成物を酢酸エチル/ペンタン中で再結晶化させて、(R)-2-(3-シクロペンチルウレイド)-2-フェニル酢酸を白色の固形物として得た(0.69 g, 64%)。 1H NMR (500 MHz, DMSO-d6) δ ppm 1.17-1.35 (m, 2H) 1.42-1.52 (m, 2H) 1.53-1.64 (m, 2H) 1.67-1.80 (m, 2H) 3.75-3.89 (m, 1H) 5.17 (d, J=7.93 Hz, 1H) 6.12 (d, J=7.32 Hz, 1H) 6.48 (d, J=7.93 Hz, 1H) 7.24-7.40 (m, 5H) 12.73 (s, 1H). LCMS: C14H18N2O3として計算;計算値: 262.31; 実測値: 263.15 (M+H)+. HPLC XTERRA C-18 3.0 × 50 mm, 2分かけて0から100%B, ホールド時間1分, A=90%水, 10%メタノール, 0.2%H3PO4, B=10%水, 90%メタノール, 0.2%H3PO4, 保持時間=1.24分, 100%均一性指数.
Cap-49
撹拌した2-(ベンジルアミノ)酢酸(2.0 g, 12.1 mmol)/ギ酸(91 mL)溶液に、ホルムアルデヒド(6.94 mL, 93.2 mmol)を加えた。70℃で5時間後、該反応混合液を、減圧下で20 mLまで濃縮し、白色の固形物を沈殿させた。濾過の後、母液を集め、減圧下でさらに濃縮して、粗生成物を得た。逆相プレパラティブHPLC(Xterra 30 X 100 mm, 220 nmで検出, 流速 35 mL/分, 8分かけて0から35%B; A=90%水, 10%メタノール, 0.1%TFA, B=10%水, 90%メタノール, 0.1%TFA)により精製して、表題の化合物 2-(ベンジル(メチル)-アミノ)酢酸(そのTFA塩として)(723 mg, 33%)を、無色のロウ状物質として得た。
1H NMR (300 MHz, DMSO-d
6) δ ppm 2.75 (s, 3H) 4.04 (s, 2H) 4.34 (s, 2H) 7.29-7.68 (m, 5H). LCMS: C
10H
13NO
2として計算;計算値: 179.09; 実測値: 180.20 (M+H)
+.
Cap-50
撹拌した3-メチル-2-(メチルアミノ)ブタン酸(0.50 g, 3.81 mmol)/水(30 mL)溶液に、K
2CO
3(2.63 g, 19.1 mmol)およびベンジルクロリド(1.32 g, 11.4 mmol)を加えた。該反応混合液を周囲温度で18時間撹拌した。該反応混合液を酢酸エチル(30 mL x 2)で抽出し、水層を減圧下で濃縮して粗生成物を得て、それを逆相プレパラティブHPLC(Xterra 30 x 100mm, 220 nmで検出, 流速 40 mL/分, 6分かけて20から80%B; A=90%水, 10%メタノール, 0.1%TFA, B=10%水, 90%メタノール, 0.1%TFA)により精製し、2-(ベンジル(メチル)アミノ)-3-メチルブタン酸, TFA塩(126 mg, 19%)を無色のロウ状物質として得た。
1H NMR (500 MHz, DMSO-d
6) δ ppm 0.98 (d, 3H) 1.07 (d, 3H) 2.33-2.48 (m, 1H) 2.54-2.78 (m, 3H) 3.69 (s, 1H) 4.24 (s, 2H) 7.29-7.65 (m, 5H). LCMS: C
13H
19NO
2として計算;計算値: 221.14; 実測値: 222.28 (M+H)
+.
Cap-51
Na
2CO
3(1.83g, 17.2 mmol)を、L-バリン(3.9 g, 33.29 mmol)のNaOH(33 mLの1M/H
2O, 33 mmol)溶液に加え、得られた溶液を氷-水浴で冷却した。クロロギ酸メチル(2.8 mL, 36.1 mmol)を15分かけて滴下し、該冷却浴を取り外し、該反応混合液を周囲温度で3.25時間撹拌した。該反応混合液をエーテル(50 mL, 3x)で洗浄し、水相を氷-水浴で冷却し、濃HClでpH1-2の範囲まで酸性化し、CH
2Cl
2(50 mL, 3x)で抽出した。有機相を乾燥させ(MgSO
4)、減圧エバポレートし、Cap-51を白色の固形物として得た(6 g)。主要な回転異性体についての
1H NMR(DMSO-d
6, δ=2.5 ppm, 500 MHz): 12.54 (s, 1H), 7.33 (d, J=8.6, 1H), 3.84 (dd, J=8.4, 6.0, 1H), 3.54 (s, 3H), 2.03 (m, 1H), 0.87 (m, 6H). HRMS: [M+H]
+ C
7H
14NO
4として計算;計算値: 176.0923; 実測値 176.0922.
Cap 51(別の経路)
DIEA(137.5 mL, 0.766 mol)を、(S)-tert-ブチル 2-アミノ-3-メチルブタノエート塩酸塩(75.0 g, 0.357 mol)/THF(900 mL)懸濁液を加え、該混合液を0℃まで冷却した(氷/水浴)。クロロギ酸メチル(29.0 mL, 0.375 mol)を45分かけて滴下し、該冷却浴を取り外し、不均一な該混合液を周囲温度で3時間撹拌した。溶媒を減圧下で除去し、残渣をEtOAcおよび水(各1 L)間に分配した。有機層をH
2O(1 L)および食塩水(1 L)で洗浄し、乾燥させ(MgSO
4)、濾過し、減圧下で濃縮した。該粗物質を、シリカゲルのプラグ(1 kg)を通し、ヘキサン(4 L)および15:85 EtOAc/ヘキサン(4 L)で溶出して、(S)-tert-ブチル 2-(メトキシカルボニルアミノ)-3-メチルブタノエートを澄明な油状物として得た(82.0 g, 99%収率)。
1H-NMR (500 MHz, DMSO-d
6, δ = 2.5 ppm) 7.34 (d, J = 8.6, 1 H), 3.77 (dd, J = 8.6, 6.1, 1 H), 3.53 (s, 3 H), 1.94 - 2.05 (m, 1 H), 1.39 (s, 9 H), 0.83 - 0.92 (m, 6 H).
13C-NMR (126 MHz, DMSO-d
6, δ = 39.2 ppm) 170.92, 156.84, 80.38, 60.00, 51.34, 29.76, 27.62, 18.92, 17.95. LC/MS: [M+Na]
+ 254.17.
トリフルオロ酢酸(343 mL, 4.62 mol)およびEt3SiH(142 mL, 0.887 mol)を、(S)-tert-ブチル 2-(メトキシカルボニルアミノ)-3-メチルブタノエート(82.0 g, 0.355 mol)/CH2Cl2(675 mL)溶液に順次加え、該混合液を周囲温度で4時間撹拌した。揮発性成分を減圧下で除去し、得られた油状物を石油エーテル(600 mL)でトリチュレートして、白色の固形物を得て、それを濾過し、ヘキサン(500 mL)および石油エーテル(500 mL)で洗浄した。EtOAc/石油エーテルから再結晶化して、Cap-51を白色の鱗状結晶物として得た(54.8 g, 88%収率)。 MP = 108.5-109.5℃. 1H NMR (500 MHz, DMSO-d6, δ = 2.5 ppm) 12.52 (s, 1 H), 7.31 (d, J = 8.6, 1 H), 3.83 (dd, J = 8.6, 6.1, 1 H), 3.53 (s, 3 H), 1.94 - 2.07 (m, 1 H), 0.86 (dd, J = 8.9, 7.0, 6 H). 13C NMR (126 MHz, DMSO-d6, δ = 39.2 ppm) 173.30, 156.94, 59.48, 51.37, 29.52, 19.15, 17.98. LC/MS: [M+H]+ = 176.11. C7H13NO4として計算;計算値: C, 47.99; H, 7.48; N, 7.99. 実測値: C, 48.17; H, 7.55; N, 7.99. 旋光度: [α]D = -4.16 (12.02 mg/mL; MeOH). 光学純度: >99.5% ee. 注:該光学純度評価は、Cap-51のメチルエステル誘導体(標準的なTMSCHN2(ベンゼン/MeOH)エステル化プロトコール下において製造された)で実施した。 HPLC分析条件:カラム, ChiralPak AD-H (4.6 x 250mm, 5μm);溶媒, 95%ヘプタン/5%IPA(イソクラティック); 流速, 1 mL/分;温度, 35℃;UV 205 nmでモニタリング.
[注:Cap 51はまた、Flammから購入できた。]
Cap-52(Cap-12と同一)
Cap-52を、Cap-51の合成について記載した方法に従って、L-アラニンから合成した。キャラクタライズを目的として、該粗物質の一部を逆相HPLC(H
2O/メタノール/TFA)により精製して、Cap-52を無色の粘稠性の油状物として得た。
1H NMR (DMSO-d
6, δ=2.5 ppm, 500 MHz): 12.49 (ブロードのs, 1H), 7.43 (d, J=7.3, 0.88H), 7.09 (見かけ上のブロードのs, 0.12H), 3.97 (m, 1H), 3.53 (s, 3H), 1.25 (d, J=7.3, 3H).
Cap-53から-64は、Cap-51の合成に記載した方法に従って、もしあれば記載の改変法を用いて、適当な出発物質から製造した。
Cap-65
クロロギ酸メチル(0.65 mL, 8.39 mmol)を、Na
2CO
3(0.449 g, 4.23 mmol)、NaOH(8.2 mLの1M/H
2O, 8.2 mmol)および(S)-2-アミノ-3-ヒドロキシ-3-メチルブタン酸(1.04 g, 7.81 mmol)の冷却(氷-水)した混合液に、5分かけて滴下した。該反応混合液を45分間撹拌した後、該冷却浴を取り外し、さらに3.75時間撹拌を続けた。該反応混合液をCH
2Cl
2で洗浄し、水相を氷-水浴で冷却し、濃HClでpH1-2の範囲まで酸性化した。揮発性成分を減圧除去し、残渣をMeOH/CH
2Cl
2の2:1混合液(15 mL)に溶解させ、濾過し、該濾液をロータリーエバポレーターで処理して(rotervaped)、Cap-65を白色の半-粘稠性の泡状物質として得た(1.236 g)。
1H NMR (DMSO-d
6, δ = 2.5 ppm, 400 MHz): δ 6.94 (d, J = 8.5, 0.9 H), 6.53 (ブロードのs, 0.1H), 3.89 (d, J = 8.8, 1H), 2.94 (s, 3H), 1.15 (s, 3H), 1.13 (s, 3H).
Cap-66および-67は、適当な市販の出発物質から、Cap-65の合成に記載した方法を用いることにより製造した。
Cap-66
1H NMR (DMSO-d
6, δ = 2.5 ppm, 400 MHz): δ 12.58 (ブロードのs, 1H), 7.07 (d, J = 8.3, 0.13H), 6.81 (d, J = 8.8, 0.67H), 4.10-4.02 (m, 1.15H), 3.91 (dd, J = 9.1, 3.5, 0.85H), 3.56 (s, 3H), 1.09 (d, J = 6.2, 3H). [注:NHの主要なシグナルのみを記載した].
Cap-67
1H NMR (DMSO-d
6, δ = 2.5 ppm, 400 MHz): 12.51 (ブロードのs, 1H), 7.25 (d, J = 8.4, 0.75H), 7.12 (ブロードのd, J = 0.4, 0.05H), 6.86 (ブロードのs, 0.08H), 3.95-3.85 (m, 2H), 3.54 (s, 3H), 1.08 (d, J = 6.3, 3H). [注:NHの主要なシグナルのみを記載した].
Cap-68
クロロギ酸メチル(0.38 ml, 4.9 mmol)を、1N NaOH(水溶液)(9.0 ml, 9.0 mmol)、1M NaHCO
3(水溶液)(9.0 ml, 9.0 mol), L-アスパラギン酸 β-ベンジルエステル(1.0 g, 4.5 mmol)およびジオキサン(9 ml)の混合液に滴下した。該反応混合液を周囲条件で3時間撹拌した後、酢酸エチル(50 ml, 3x)で洗浄した。水層を12N HClでpH〜1-2まで酸性化し、酢酸エチル(3 x 50 ml)で抽出した。有機層を合わせて食塩水で洗浄し、乾燥させ(Na
2SO
4)、濾過し、減圧濃縮して、Cap-68を薄黄色の油状物として得た(1.37g;量は上記の理論的収量であり、該生成物をさらなる精製は行わずに用いた)。
1H NMR (DMSO-d
6, δ = 2.5 ppm, 500 MHz): δ 12.88 (ブロードのs, 1H), 7.55 (d, J = 8.5, 1H), 7.40-7.32 (m, 5H), 5.13 (d, J = 12.8, 1H), 5.10 (d, J = 12.9, 1H), 4.42-4.38 (m, 1H), 3.55 (s, 3H), 2.87 (dd, J = 16.2, 5.5, 1H), 2.71 (dd, J =16.2, 8.3, 1H). LC (条件2): 保持時間 = 1.90分; LC/MS: [M+H]
+ C
13H
16NO
6として計算;計算値: 282.10; 実測値 282.12.
Cap-69aおよび-69b
冷却した(〜15℃)、アラニン(1.338 g, 15.0 mmol)の水(17 mL)/MeOH(10 mL)溶液に、NaCNBH
3(2.416 g, 36.5 mmol)を何回かに分けて加えた。数分後、アセトアルデヒド(4.0 mL, 71.3 mmol)を4分かけて滴下し、該冷却浴を取り外し、該反応混合液を周囲条件で6時間撹拌した。さらなるアセトアルデヒド(4.0 mL)を加え、該反応液を2時間撹拌した。該反応混合液に、pHが〜1.5に達するまで濃HClをゆっくりと加え、得られた混合液を40℃で1時間加熱した。ほとんどの揮発性成分を減圧除去し、残渣を、Dowex(登録商標)50WX8-100 イオン交換樹脂(カラムを水洗し、該化合物を18 mlのNH
4OHと282 mlの水を混合して調製した希NH
4OHで溶出した)で精製して、Cap-69(2.0 g)をオフホワイト色の柔らかい吸湿性の固形物として得た。
1H NMR (DMSO-d
6, δ = 2.5 ppm, 400 MHz): δ 3.44 (q, J = 7.1, 1H), 2.99-2.90 (m, 2H), 2.89-2.80 (m, 2H), 1.23 (d, J = 7.1, 3H), 1.13 (t, J = 7.3, 6H).
Cap-70から-74xは、Cap-69の合成に記載の方法に従って、適当な出発物質を用いることにより製造した。
Cap-75
Cap-75, 工程a
冷却した(氷/水浴)、H-D-Ser-OBzl HCl(2.0 g, 8.6 mmol)の水(25 ml)/メタノール(15 ml)溶液に、NaBH
3CN(1.6 g, 25.5 mmol)を加えた。アセトアルデヒド(1.5 ml, 12.5 mmol)を5分かけて滴下し、該冷却浴を取り外し、該反応混合液を周囲条件で2時間撹拌した。該反応液を12N HClで慎重にクエンチし、減圧濃縮した。該残渣を水に溶解させ、逆相HPLC(MeOH/H
2O/TFA)で精製して、(R)-ベンジル 2-(ジエチルアミノ)-3-ヒドロキシプロパノエートのTFA塩を無色の粘稠性の油状物として得た(1.9g)。
1H NMR (DMSO-d
6, δ = 2.5 ppm, 500 MHz): δ 9.73 (ブロードのs, 1H), 7.52-7.36 (m, 5H), 5.32 (d, J = 12.2, 1H), 5.27 (d, J = 12.5, 1H), 4.54-4.32 (m, 1H), 4.05-3.97 (m, 2H), 3.43-3.21 (m, 4H), 1.23 (t, J = 7.2, 6H). LC/MS (条件2): 保持時間 = 1.38分; LC/MS: [M+H]
+ C
14H
22NO
3として計算;計算値: 252.16; 実測値 252.19.
Cap-75
冷却(氷-水)した、上記で製造したTFA塩 (R)-ベンジル 2-(ジエチルアミノ)-3-ヒドロキシプロパノエート(0.3019 g, 0.8264 mmol)のTHF(3.0 mL)溶液に、NaH(0.0727 g, 1.82 mmol, 60%)を加え、該混合液を15分間撹拌した。ヨウ化メチル(56 μL, 0.90 mmol)を加え、該浴を周囲条件に緩和しながら、18時間撹拌を続けた。該反応液を水でクエンチし、MeOHで予めコンディショニングしたMCX(6 g)カートリッジにロードし、メタノールで洗浄した後、2N NH3/メタノールで化合物を溶出した。揮発性成分を減圧除去して、(R)-2-(ジエチルアミノ)-3-ヒドロキシプロパン酸が混入したCap-75を、黄色の半-固形物として得た(100 mg)。該生成物をさらなる精製は行わずにそのまま用いた。
Cap-76
冷却した(〜15℃)、(S)-4-アミノ-2-(tert-ブトキシカルボニルアミノ)ブタン酸(2.17 g, 9.94 mmol)の水/MeOH(各12 mL)溶液に、NaCNBH
3(1.60 g, 24.2 mmol)を何回かに分けて加えた。数分後、アセトアルデヒド(2.7 mL, 48.1 mmol)を2分かけて滴下し、該冷却浴を取り外し、該反応混合液を周囲条件で3.5時間撹拌した。さらなるアセトアルデヒド(2.7 mL, 48.1 mmol)を加え、該反応液を20.5時間撹拌した。ほとんどのMeOH成分を減圧除去し、残った混合液をそのpHが〜1.0に達するまで濃HClで処理し、その後、40℃で2時間加熱した。揮発性成分を減圧除去し、残渣を4 M HCl/ジオキサン(20 mL)で処理し、周囲条件で7.5時間撹拌した。揮発性成分を減圧除去し、残渣を、Dowex(登録商標)50WX8-100 イオン交換樹脂(カラムを水洗し、18 mlのNH
4OHと282 mlの水から調製した希NH
4OHで化合物を溶出した)で精製して、中間体 (S)-2-アミノ-4-(ジエチルアミノ)ブタン酸をオフホワイト色の固形物として得た(1.73 g)。
Na2CO3(0.243 g, 2.29 mmol)、NaOH(4.6 mLの1M/H2O, 4.6 mmol)および上記生成物(802.4 mg)の冷却(氷-水)した混合液に、クロロギ酸メチル(0.36 mL, 4.65 mmol)を11分かけて滴下した。該反応混合液を55分間撹拌した後、該冷却浴を取り外し、さらに5.25時間撹拌を続けた。該反応混合液を等量の水で希釈し、CH2Cl2(30 mL, 2x)で洗浄し、水相を氷-水浴で冷却し、pH2の範囲まで濃HClで酸性化した。その後、揮発性成分を減圧除去し、該粗物質をMCX樹脂(6.0g;カラムを水洗し、サンプルを2.0 M NH3/MeOHで溶出した)で遊離塩基にして、純粋でないCap-76をオフホワイト色の固形物として得た(704 mg)。 1H NMR (MeOH-d4, δ = 3.29 ppm, 400 MHz): δ 3.99 (dd, J = 7.5, 4.7, 1H), 3.62 (s, 3H), 3.25-3.06 (m, 6H), 2.18-2.09 (m, 1H), 2.04-1.96 (m, 1H), 1.28 (t, J = 7.3, 6H). LC/MS: [M+H]+ C10H21N2O4として計算;計算値: 233.15; 実測値 233.24.
Cap-77aおよび-77b
Cap-7について記載の方法に従って、SN
2置換工程に7-アザビシクロ[2.2.1]ヘプタンを用いることにより、および以下の条件を用いて中間体 2-(7-アザビシクロ[2.2.1]ヘプタン-7-イル)-2-フェニル酢酸ベンジルのエナンチオマー分離を達成することにより、Cap-77の合成を行った:該中間体(303.7 mg)をエタノールに溶解させ、得られた溶液を、キラルHPLCカラム(Chiracel AD-Hカラム, 30 x 250 mm, 5 μm)に注入し、70 mL/分および温度35℃で90%CO
2-10%EtOHを用いて溶出して、124.5 mgのエナンチオマー-1および133.8 mgのエナンチオマー-2を得た。これらのベンジルエステルをCap-7の製造に従って水素化分解し、Cap-77を得た:
1H NMR (DMSO-d
6, δ = 2.5 ppm, 400 MHz): δ 7.55 (m, 2H), 7.38-7.30 (m, 3H), 4.16 (s, 1H), 3.54 (見かけ上のブロードのs, 2H), 2.08-1.88 (m, 4 H), 1.57-1.46 (m, 4H). LC (条件1): 保持時間 = 0.67分; LC/MS: [M+H]
+ C
14H
18NO
2として計算;計算値: 232.13; 実測値 232.18. HRMS: [M+H]
+ C
14H
18NO
2として計算;計算値: 232.1338; 実測値 232.1340.
Cap-78
MeOH(10 mL)中の(R)-2-(エチルアミノ)-2-フェニル酢酸のHCl塩(Cap-3の合成における中間体; 0.9923 mg, 4.60 mmol)および(1-エトキシシクロプロポキシ)トリメチルシラン(1.640 g, 9.40 mmol)の混合液に、NaCNBH
3(0.5828 g, 9.27 mmol)を加え、該半-不均一な混合液を油浴により50℃で20時間加熱した。さらなる(1-エトキシシクロプロポキシ)トリメチルシラン(150 mg, 0.86 mmol)およびNaCNBH
3(52 mg, 0.827 mmol)を加え、該反応混合液をさらに3.5時間加熱した。その後、周囲温度に冷却して、濃HClを用いて〜pH2の範囲まで酸性化し、該混合液を濾過して該濾液をロータリーエバポレーターで処理した。得られた粗物質をi-PrOH(6 mL)に溶解させ、加熱して溶解を効率よくし、溶解しなかった部分を濾過により除去して、該濾液を減圧濃縮した。得られた粗物質の約1/3を逆相HPLC(H
2O/MeOH/TFA)で精製して、Cap-78のTFA塩を無色の粘稠性の油状物として得た(353 mg)。
1H NMR (DMSO-d
6, δ = 2.5 ppm, 400 MHz; D
2O交換後): δ 7.56-7.49 (m, 5H), 5.35 (S, 1H), 3.35 (m, 1H), 3.06 (見かけ上のブロードのs, 1H), 2.66 (m, 1H), 1.26 (t, J = 7.3, 3H), 0.92 (m, 1H), 0.83-0.44 (m, 3H). LC (条件1): 保持時間= 0.64分; LC/MS: [M+H]
+ C
13H
18NO
2として計算;計算値: 220.13; 実測値 220.21. HRMS: [M+H]
+ C
13H
18NO
2として計算;計算値: 220.1338; 実測値 220.1343.
Cap-79
冷却した(-78℃)Cap-55(369 mg, 2.13 mmol)のCH
2Cl
2(5.0 mL)溶液に、オゾンを、該反応混合液が淡い青色になるまで約50分バブルした。Me
2S(10ピペット滴)を添加し、該反応混合液を35分間撹拌した。-78℃浴を-10℃浴に置き換えてさらに30分撹拌を続けた後、該揮発性成分を減圧除去して無色の粘稠性の油状物を得た。
NaBH3CN(149 mg, 2.25 mmol)を上記粗物質およびモルホリン(500 μL, 5.72 mmol)のMeOH(5.0 mL)溶液に加え、該混合液を周囲条件で4時間撹拌した。氷-水温度に冷却し、濃HClで処理してそのpHを〜2.0にした後、2.5時間撹拌した。該揮発性成分を減圧除去し、該残渣をMCX樹脂(MeOH洗浄; 2.0 N NH3/MeOH溶出)と逆相HPLC(H2O/MeOH/TFA)の組み合わせで精製して、未知の量のモルホリンを含むCap-79を得た。
モルホリン混入を消滅させるために、上記の物質をCH2Cl2(1.5 mL)に溶解させてEt3N(0.27 mL, 1.94 mmol)で処理した後、無水酢酸(0.10 mL, 1.06 mmol)で処理し、周囲条件で18時間撹拌した。THF(1.0 mL)およびH2O(0.5 mL)を加えて1.5時間撹拌を続けた。該揮発性成分を減圧除去して、得られた残渣をMCX樹脂(MeOH洗浄; 2.0 N NH3/MeOH溶出)に通し、純粋でないCap-79を茶色の粘稠性の油状物として得て、それをさらなる精製は行わずに次の工程に用いた。
Cap-80aおよび-80b
冷却した(氷-水)、(S)-3-アミノ-4-(ベンジルオキシ)-4-オキソブタン酸(10.04g, 44.98 mmol)およびMeOH(300 mL)の混合液に、SOCl
2(6.60 mL, 90.5 mmol)を15分かけて滴下し、該冷却浴を取り外して、該反応混合液を周囲条件で29時間撹拌した。ほとんどの揮発性成分を減圧除去し、該残渣をEtOAc(150 mL)と飽和NaHCO
3溶液間に慎重に分配した。該水相をEtOAc(150 mL, 2x)で抽出して、有機相を合わせて乾燥させ(MgSO
4)、濾過し、減圧濃縮して(S)-1-ベンジル 4-メチル 2-アミノスクシネートを無色の油状物として得た(9.706g)。
1H NMR (DMSO-d
6, δ = 2.5 ppm, 400 MHz): δ 7.40-7.32 (m, 5H), 5.11 (s, 2H), 3.72 (見かけ上のt, J = 6.6, 1H), 3.55 (s, 3H), 2.68 (dd, J = 15.9, 6.3, 1H), 2.58 (dd, J = 15.9, 6.8, 1H), 1.96 (s, 2H). LC (条件1): 保持時間= 0.90分; LC/MS: [M+H]
+ C
12H
16NO
4として計算;計算値: 238.11; 実測値 238.22.
(S)-1-ベンジル 4-メチル 2-アミノスクシネート(4.50 g, 19.0 mmol)、9-ブロモ-9-フェニル-9H-フルオレン(6.44 g, 20.0 mmol)およびEt3N(3.0 mL, 21.5 mmol)のCH2Cl2(80 mL)溶液に、Pb(NO3)2(6.06 g, 18.3 mmol)を1分かけて加え、該不均一な混合液を周囲条件で48時間撹拌した。該混合液を濾過し、該濾液をMgSO4で処理して再度濾過し、最終的な濾液を濃縮した。得られた粗物質をBiotage精製(350 g シリカゲル, CH2Cl2溶出)で処理して、(S)-1-ベンジル 4-メチル 2-(9-フェニル-9H-フルオレン-9-イルアミノ)スクシネートを高い粘稠性の無色の油状物として得た(7.93 g)。 1H NMR (DMSO-d6, δ = 2.5 ppm, 400 MHz): δ 7.82 (m, 2H), 7.39-7.13 (m, 16H), 4.71 (d, J = 12.4, 1H), 4.51 (d, J = 12.6, 1H), 3.78 (d, J = 9.1, NH), 3.50 (s, 3H), 2.99 (m, 1H), 2.50-2.41 (m, 2H, 溶媒と部分的に重複). LC (条件1): 保持時間= 2.16分; LC/MS: [M+H]+ C31H28NO4として計算;計算値: 478.20; 実測値 478.19.
冷却した(-78℃)、(S)-1-ベンジル 4-メチル 2-(9-フェニル-9H-フルオレン-9-イルアミノ)スクシネート(3.907 g, 8.18 mmol)のTHF(50 mL)溶液に、LiHMDS(9.2 mLの1.0 M/THF, 9.2 mmol)を10分かけて滴下し、〜1時間撹拌した。MeI(0.57 mL, 9.2 mmol)を8分かけて該混合液に滴下し、冷却浴を室温に緩和しながら16.5時間撹拌を続けた。飽和NH4Cl溶液(5 mL)でクエンチした後、ほとんどの有機成分を減圧除去し、該残渣をCH2Cl2(100 mL)と水(40 mL)間に分配した。該有機層を乾燥させ(MgSO4)、濾過し、減圧濃縮し、得られた粗物質をBiotage(350 g シリカゲル; 25% EtOAc/ヘキサン)で精製して、〜1.0:0.65の比(1H NMR)の、3.65 gの1-ベンジル 4-メチル 3-メチル-2-(9-フェニル-9H-フルオレン-9-イルアミノ)スクシネートの2S/3Sおよび2S/3Rジアステレオマー混合物を得た。主要な異性体の立体化学はこの時点では決定せず、該混合液を分離せずに次の工程に用いた。部分的な 1H NMR データ (DMSO-d6, δ = 2.5 ppm, 400 MHz): 主要なジアステレオマー, δ 4.39 (d, J = 12.3, CH2の1H), 3.33 (s, 3H, H2Oシグナルと重複), 3.50 (d, J = 10.9, NH), 1.13 (d, J = 7.1, 3H); 少量のジアステレオマー, δ 4.27 (d, J =12.3, CH2の1H), 3.76 (d, J = 10.9, NH), 3.64 (s, 3H), 0.77 (d, J = 7.0, 3H). LC (条件1): 保持時間= 2.19分; LC/MS: [M+H]+ C32H30NO4として計算;計算値: 492.22; 実測値 492.15.
冷却した(-78℃)、上記で製造した(2S)-1-ベンジル 4-メチル 3-メチル-2-(9-フェニル-9H-フルオレン-9-イルアミノ)スクシネート(3.37 g, 6.86 mmol)のTHF(120 mL)溶液に、水素化ジイソブチルアルミニウム(20.57 mlの1.0 M/ヘキサン, 20.57 mmol)を10分かけて滴下し、-78℃で20時間撹拌した。該反応混合液を冷却浴から取り外し、〜1M H3PO4/H2O(250 mL)に撹拌しながら迅速に注ぎ入れ、該混合液をエーテル(100 mL, 2x)で抽出した。有機相を合わせて食塩水で洗浄し、乾燥させ(MgSO4)、濾過して減圧濃縮した。該粗物質のシリカゲルメッシュを調製し、クロマトグラフィー(25% EtOAc/ヘキサン; 重力溶出)で処理して、ベンジルアルコールが混入した1.1 gの(2S,3S)-ベンジル 4-ヒドロキシ-3-メチル-2-(9-フェニル-9H-フルオレン-9-イルアミノ)ブタノエートを無色の粘稠性の油状物として、および(2S,3R)立体異性体を含む純粋でない(2S,3R)-ベンジル 4-ヒドロキシ-3-メチル-2-(9-フェニル-9H-フルオレン-9-イルアミノ)ブタノエートを得た。後者のサンプルを、同一のカラムクロマトグラフィー精製条件で再処理して、750 mgの精製物質を白色の泡状物質として得た。[注:上記条件下において、該(2S, 3S)異性体を溶出した後、該(2S,3R)異性体を溶出した]。(2S, 3S)異性体: 1H NMR (DMSO-d6, δ = 2.5 ppm, 400 MHz): 7.81 (m, 2H), 7.39-7.08 (m, 16H), 4.67 (d, J = 12.3, 1H), 4.43 (d, J = 12.4, 1H), 4.21 (見かけ上のt, J = 5.2, OH), 3.22 (d, J = 10.1, NH), 3.17 (m, 1H), 3.08 (m, 1H), 〜2.5 (m, 1H, 溶媒シグナルと重複), 1.58 (m, 1H), 0.88 (d, J = 6.8, 3H). LC (条件1): 保持時間= 2.00分; LC/MS: [M+H]+ C31H30NO3として計算;計算値: 464.45; 実測値 464.22. (2S, 3R)異性体: 1H NMR (DMSO-d6, δ = 2.5 ppm, 400 MHz): 7.81 (d, J = 7.5, 2H), 7.39-7.10 (m, 16H), 4.63 (d, J= 12.1, 1H), 4.50 (見かけ上のt, J = 4.9, 1H), 4.32 (d, J = 12.1, 1H), 3.59-3.53 (m, 2H), 3.23 (m, 1H), 2.44 (dd, J = 9.0, 8.3, 1H), 1.70 (m, 1H), 0.57 (d, J = 6.8, 3H). LC (条件1): 保持時間= 1.92分; LC/MS: [M+H]+ C31H30NO3として計算;計算値: 464.45; 実測値 464.52.
以下の方法を用いることにより各異性体から製造したラクトン誘導体で実施されたNOE研究に基づいて、DIBAL-還元生成物の相対的立体化学の帰属(relative stereochemical assignment)を行った: 冷却した(氷-水)、(2S,3S)-ベンジル 4-ヒドロキシ-3-メチル-2-(9-フェニル-9H-フルオレン-9-イルアミノ)ブタノエート(62.7 mg, 0.135 mmol)のTHF(2.0 mL)溶液に、LiHMDS(50 μLの1.0 M/THF, 0.05 mmol)を加え、該反応混合液を同様の温度で〜2時間撹拌した。該揮発性成分を減圧除去して、該残渣をCH2Cl2(30 mL)、水(20 mL)と飽和NH4Cl水溶液(1 mL)との間に分配した。該有機層を乾燥させ(MgSO4)、濾過し、減圧濃縮し、得られた粗物質をBiotage精製(40 g シリカゲル; 10-15% EtOAc/ヘキサン)で処理して(3S,4S)-4-メチル-3-(9-フェニル-9H-フルオレン-9-イルアミノ)ジヒドロフラン-2(3H)-オンを無色のフィルム状固形物として得た(28.1 mg)。(2S,3R)-ベンジル 4-ヒドロキシ-3-メチル-2-(9-フェニル-9H-フルオレン-9-イルアミノ)ブタノエートを、(3S,4R)-4-メチル-3-(9-フェニル-9H-フルオレン-9-イルアミノ)ジヒドロフラン-2(3H)-オンと同様に合成した。(3S,4S)-ラクトン異性体: 1H NMR (DMSO-d6, δ = 2.5 ppm, 400 MHz), 7.83 (d, J = 7.5, 2H), 7.46-7.17 (m, 11H), 4.14 (見かけ上のt, J = 8.3, 1H), 3.60 (d, J = 5.8, NH), 3.45 (見かけ上のt, J = 9.2, 1H), 〜2.47 (m, 1H, 溶媒シグナルと部分的に重複), 2.16 (m, 1H), 0.27 (d, J = 6.6, 3H). LC (条件1): 保持時間= 1.98分; LC/MS: [M+Na]+ C24H21NNaO2として計算;計算値: 378.15; 実測値 378.42. (3S,4R)-ラクトン異性体: 1H NMR (DMSO-d6, δ = 2.5 ppm, 400 MHz), 7.89 (d, J = 7.6, 1H), 7.85 (d, J = 7.3, 1H), 7.46-7.20 (m, 11H), 3.95 (dd, J = 9.1, 4.8, 1H), 3.76 (d, J = 8.8, 1H), 2.96 (d, J = 3.0, NH), 2.92 (dd, J = 6.8, 3, NCH), 1.55 (m, 1H), 0.97 (d, J = 7.0, 3H). LC (条件1): 保持時間= 2.03分; LC/MS: [M+Na]+ C24H21NNaO2として計算;計算値: 378.15; 実測値 378.49.
(2S,3S)-ベンジル 4-ヒドロキシ-3-メチル-2-(9-フェニル-9H-フルオレン-9-イルアミノ)ブタノエート(119.5 mg, 0.258 mmol)のCH2Cl2(3 ml)溶液にTBDMS-Cl(48 mg, 0.312 mmol)を添加した後、イミダゾール(28.8 mg, 0.423 mmol)を添加し、該混合液を周囲条件で14.25時間撹拌した。次いで、該反応混合液をCH2Cl2(30 mL)で希釈し、水洗し(15 mL)、該有機層を乾燥させ(MgSO4)、濾過し、減圧濃縮した。得られた粗物質をBiotage(40 gシリカゲル; 5% EtOAc/ヘキサン)で精製して、TBDMSベースの不純物が混入した(2S,3S)-ベンジル 4-(tert-ブチルジメチルシリルオキシ)-3-メチル-2-(9-フェニル-9H-フルオレン-9-イルアミノ)ブタノエートを、無色の粘稠性の油状物として得た(124.4 mg)。(2S,3R)-ベンジル 4-ヒドロキシ-3-メチル-2-(9-フェニル-9H-フルオレン-9-イルアミノ)ブタノエートを、(2S,3R)-ベンジル 4-(tert-ブチルジメチルシリルオキシ)-3-メチル-2-(9-フェニル-9H-フルオレン-9-イルアミノ)ブタノエートと同様に合成した。(2S,3S)-シリルエーテル異性体: 1H NMR (DMSO-d6, δ = 2.5 ppm, 400 MHz), 7.82 (d, J = 4.1, 1H), 7.80 (d, J = 4.0, 1H), 7.38-7.07 (m, 16 H), 4.70 (d, J = 12.4, 1H), 4.42 (d, J = 12.3, 1H), 3.28-3.19 (m, 3H), 2.56 (dd, J = 10.1, 5.5, 1H), 1.61 (m, 1H), 0.90 (d, J = 6.8, 3H), 0.70 (s, 9H), -0.13 (s, 3H), -0.16 (s, 3H). LC (条件1, ラン時間を4分に延ばした): 保持時間= 3.26分; LC/MS: [M+H]+ C37H44NO3Siとして計算;計算値: 578.31; 実測値 578.40. (2S,3R)-シリルエーテル異性体: 1H NMR (DMSO-d6, δ = 2.5 ppm, 400 MHz), 7.82 (d, J = 3.0, 1H), 7.80 (d, J = 3.1, 1H), 7.39-7.10 (m, 16H), 4.66 (d, J = 12.4, 1H), 4.39 (d, J = 12.4, 1H), 3.61 (dd, J = 9.9, 5.6, 1H), 3.45 (d, J = 9.5, 1H), 3.41 (dd, J = 10, 6.2, 1H), 2.55 (dd, J = 9.5, 7.3, 1H), 1.74 (m, 1H), 0.77 (s, 9H), 0.61 (d, J = 7.1, 3H), -0.06 (s, 3H), -0.08 (s, 3H).
水素のバルーンを、EtOAc(16 mL)中の(2S,3S)-ベンジル 4-(tert-ブチルジメチルシリルオキシ)-3-メチル-2-(9-フェニル-9H-フルオレン-9-イルアミノ)ブタノエート(836 mg, 1.447 mmol)および10% Pd/C(213 mg)の混合液に取り付け、該混合液を室温で〜21時間撹拌した(必要に応じて該バルーンをH2で再充填した)。該反応混合液をCH2Cl2で希釈し、珪藻土(セライト-545(登録商標))のパッドにより濾過し、該パッドをEtOAc(200 mL)、EtOAc/MeOH(1:1 混合液, 200 mL)およびMeOH(750 mL)で洗浄した。有機相を合わせて濃縮し、得られた粗物質からシリカゲルメッシュを調製し、フラッシュクロマトグラフィー(EtOAc/i-PrOH/H2Oの8:2:1混合液)で処理して、(2S,3S)-2-アミノ-4-(tert-ブチルジメチルシリルオキシ)-3-メチルブタン酸を白色の綿毛状の固形物として得た(325 mg)。(2S,3R)-ベンジル 4-(tert-ブチルジメチルシリルオキシ)-3-メチル-2-(9-フェニル-9H-フルオレン-9-イルアミノ)ブタノエートを、(2S,3R)-2-アミノ-4-(tert-ブチルジメチルシリルオキシ)-3-メチルブタン酸と同様に合成した。(2S,3S)-アミノ酸異性体: 1H NMR (メタノール-d4, δ = 3.29 ppm, 400 MHz), 3.76 (dd, J = 10.5, 5.2, 1H), 3.73 (d, J = 3.0, 1H), 3.67 (dd, J = 10.5, 7.0, 1H), 2.37 (m, 1H), 0.97 (d, J = 7.0, 3H), 0.92 (s, 9H), 0.10 (s, 6H). LC/MS: [M+H]+ C11H26NO3Siとして計算;計算値: 248.17; 実測値 248.44. (2S,3R)-アミノ酸異性体: 1H NMR (メタノール-d4, δ = 3.29 ppm, 400 MHz), 3.76-3.75 (m, 2H), 3.60 (d, J = 4.1, 1H), 2.16 (m, 1H), 1.06 (d, J = 7.3, 3H), 0.91 (s, 9H), 0.09 (s, 6H). [M+H]+ C11H26NO3Siとして計算;計算値: 248.17; 実測値 248.44.
(2S,3S)-2-アミノ-4-(tert-ブチルジメチルシリルオキシ)-3-メチルブタン酸(41.9 mg, 0.169 mmol)およびNa2CO3(11.9 mg, 0.112 mmol)の混合液に、水(1 mL)およびNaOH(0.18 mLの1.0 M/H2O, 0.18 mmol)を加え、約1分間超音波処理して反応物の溶解を効率化した。次いで、該混合液を氷-水浴で冷却し、クロロギ酸メチル(0.02 mL, 0.259 mmol)を30秒かけて加え、同様の温度で40分間、その後周囲温度で2.7時間、激しく撹拌を続けた。該反応混合液を水(5 mL)で希釈し、氷-水浴で冷却して1.0 N HCl水溶液(〜0.23 mL)で滴下処理した。該混合液をさらに水(10 mL)で希釈し、CH2Cl2(15 mL, 2x)で抽出した。有機相を合わせて乾燥させ(MgSO4)、濾過し、減圧濃縮してCap-80aをオフホワイト色の固形物として得た。(2S,3R)-2-アミノ-4-(tert-ブチルジメチルシリルオキシ)-3-メチルブタン酸をCap-80bと同様に合成した。Cap-80a: 1H NMR (DMSO-d6, δ = 2.5 ppm, 400 MHz), 12.57 (ブロードのs, 1H), 7.64 (d, J = 8.3, 0.3H), 7.19 (d, J = 8.8, 0.7H), 4.44 (dd, J = 8.1, 4.6, 0.3H), 4.23 (dd, J = 8.7, 4.4, 0.7H), 3.56/3.53 (2つの一重線, 3H), 3.48-3.40 (m, 2H), 2.22-2.10 (m, 1H), 0.85 (s, 9H), 〜0.84 (d, 0.9H, t-Buシグナルと重複), 0.79 (d, J = 7, 2.1H), 0.02/0.01/0.00 (3つの重複した1重線, 6H). LC/MS: [M+Na]+ C13H27NNaO5Siとして計算;計算値: 328.16; 実測値 328.46. Cap-80b: 1H NMR (CDCl3, δ = 7.24 ppm, 400 MHz), 6.00 (ブロードのd, J = 6.8, 1H), 4.36 (dd, J = 7.1, 3.1, 1H), 3.87 (dd, J = 10.5, 3.0, 1H), 3.67 (s, 3H), 3.58 (dd, J = 10.6, 4.8, 1H), 2.35 (m, 1H), 1.03 (d, J = 7.1, 3H), 0.90 (s, 9H), 0.08 (s, 6H). LC/MS: [M+Na]+ C13H27NNaO5Siとして計算;計算値: 328.16; 実測値 328.53. 該粗生成物をさらなる精製は行わずに用いた。
Cap-81
Falb et al. Synthetic Communications 1993, 23, 2839による記載の方法に従って製造した。
Cap-82からCap-85
Cap-82からCap-85を、Cap-51またはCap-13に記載の方法に従って、適当な出発物質から合成した。該サンプルは、それらのエナンチオマー(すなわち、各々、Cap-4、Cap-13、Cap-51およびCap-52)と同様のスペクトル特性を示した。
Cap-86
H
2O(15 mL)中のO-メチル-L-トレオニン(3.0 g, 22.55 mmol)、NaOH(0.902 g, 22.55 mmol)の混合液に、ClCO
2Me(1.74 mL, 22.55 mmol)を0℃で滴下した。該混合液を12時間撹拌し、1N HClを用いてpH1に酸性化した。該水相をEtOAc(2x250 mL)、および10% MeOH/CH
2Cl
2(250 mL)で抽出し、有機相を合わせて減圧濃縮して無色の油状物を得た(4.18 g, 97%)(それはその後の工程に用いるのに十分純粋であった)。
1HNMR (400 MHz, CDCl
3) δ 4.19 (s, 1H), 3.92-3.97 (m, 1H), 3.66 (s, 3H), 1.17 (d, J = 7.7 Hz, 3H). LCMS: C
7H
13NO
5として計算;計算値: 191; 実測値: 190 (M-H)
-.
Cap-87
H
2O(15 mL)中のL-ホモセリン(2.0 g, 9.79 mmol)、Na
2CO
3(2.08 g, 19.59 mmol)の混合液に、ClCO
2Me(0.76 mL, 9.79 mmol)を0℃で滴下した。該混合液を48時間撹拌し、1N HClを用いてpH1に酸性化した。該水相をEtOAc(2X250 mL)で抽出し、有機相を合わせて減圧濃縮して無色の固形物を得た(0.719 g, 28%)(それはその後の工程に用いるのに十分純粋であった)。
1HNMR (400 MHz, CDCl
3) δ 4.23 (dd, J = 4.5, 9.1 Hz, 1H), 3.66 (s, 3H), 3.43-3.49 (m, 2H), 2.08 - 2.14 (m, 1H), 1.82 - 1.89 (m, 1H). LCMS: C
7H
13NO
5として計算;計算値: 191; 実測値: 192 (M+H)
+.
Cap-88
DMSO(10 mL)中のL-バリン(1.0 g, 8.54 mmol)、3-ブロモピリジン(1.8 mL, 18.7 mmol)、K
2CO
3(2.45 g, 17.7 mmol)およびCuI(169 mg, 0.887 mmol)の混合液を、100℃で12時間加熱した。該反応混合液を室温に冷却してH
2O(約150 mL)に注ぎ入れ、EtOAc(x2)で洗浄した。該有機層を少量のH
2Oで抽出し、水相を合わせて、6N HClで約pH2に酸性化した。該量を約3分の1に減らし、20gのカチオン交換樹脂(Strata)を加えた。該スラリーを20分間静置し、カチオン交換樹脂(Strata)のパッド(約25g)にロードした。該パッドを、H
2O(200 mL)、MeOH(200 mL)、次いでNH
3(MeOH中で3M, 2X200 mL)で洗浄した。適当なフラクションを減圧濃縮し、該残渣(約1.1 g)をH
2Oに溶解させ、凍らせて凍結乾燥させた(lyophyllized)。表題の化合物を泡状物質として得た(1.02 g, 62%)。
1HNMR (400 MHz, DMSO-d
6) δ 8.00 (s, ブロード, 1H), 7.68 - 7.71 (m, 1H), 7.01 (s, ブロード, 1H), 6.88 (d, J = 7.5 Hz, 1H), 5.75 (s, ブロード, 1H), 3.54 (s, 1H), 2.04 - 2.06 (m, 1H), 0.95 (d, J = 6.0 Hz, 3H), 0.91 (d, J = 6.6 Hz, 3H). LCMS: C
10H
14N
2O
2として計算;計算値: 194; 実測値: 195 (M+H)
+.
Cap-89
DMSO(10 mL)中のL-バリン(1.0 g, 8.54 mmol)、5-ブロモピリミジン(4.03 g, 17.0 mmol)、K
2CO
3(2.40 g, 17.4 mmol)およびCuI(179 mg, 0.94 mmol)の混合液を、100℃で12時間加熱した。該反応混合液を室温に冷却してH
2O(約150 mL)に注ぎ入れ、EtOAc(x2)で洗浄した。該有機層を少量のH
2Oで抽出し、水相を合わせて、6N HClで約pH2に酸性化した。該量を約3分の1に減らし、20gのカチオン交換樹脂(Strata)を加えた。該スラリーを20分間静置し、カチオン交換樹脂(Strata)のパッド(約25g)にロードした。該パッドを、H
2O(200 mL)、MeOH(200 mL)、次いでNH
3(MeOH中で3M, 2X200 mL)で洗浄した。適当なフラクションを減圧濃縮し、該残渣(約1.1 g)をH
2Oに溶解させ、凍らせて凍結乾燥させた(lyophyllized)。表題の化合物を泡状物質として得た(1.02 g, 62%)。
1HNMR (400 MHz, CD
3OD)により該混合物はバリンを含むことが示され、純度は推定できなかった。該物質をそのままその後の反応に用いた。 LCMS: C
9H
13N
3O
2として計算;計算値: 195; 実測値: 196 (M+H)
+.
Cap-90
Cap-90をCap-1の製造に記載の方法に従って製造した。該粗物質をそのままその後の工程に用いた。 LCMS: C
11H
15NO
2として計算;計算値: 193; 実測値: 192 (M-H)
-.
以下のcapを、他に記載のない限り、cap 51の製造に用いた方法に従って製造した。
Cap-117からCap-123
Cap-117からCap-123の製造に関して、該Bocアミノ酸は市販品であり、25%TFA/CH
2Cl
2での処理により脱保護した。LCMSにより反応が完了したと判定された後、該溶媒を減圧除去し、対応するアミノ酸のTFA塩をCap-51に記載の方法に従ってクロロギ酸メチルでカルバモイル化した。
Cap-124
L-トレオニンtert-ブチルエステルの塩酸塩をCap-51の方法に従ってカルバモイル化した。該粗反応混合液を1N HClでpH〜1に酸性化し、該混合液をEtOAc(2X50 mL)で抽出した。有機相を合わせて減圧濃縮し、無色の油状物を得て静置で固化させた。該水層を減圧濃縮し、得られた生成物と無機塩の混合液をEtOAc-CH
2Cl
2-MeOH(1:1:0.1)でトリチュレートし、次いで該有機相を減圧濃縮して無色の油状物を得て、LCMSによりそれは目的の生成物であることが示された。両方のクロップを合わせて0.52 gの固形物を得た。
1HNMR (400 MHz, CD
3OD) δ 4.60 (m, 1H), 4.04 (d, J = 5.0 Hz, 1H), 1.49 (d, J = 6.3 Hz, 3H). LCMS: C
5H
7NO
4として計算;計算値: 145; 実測値: 146 (M+H)
+.
Cap-125
メタノール(15 mL)中のPd(OH)
2(20%, 100 mg)、ホルムアルデヒド水溶液(37重量%, 4 ml)、酢酸(0.5 mL)の懸濁液に、(S)-4-アミノ-2-(tert-ブトキシカルボニルアミノ)ブタン酸(1 g, 4.48 mmol)を加えた。該反応液を水素で数回パージして、水素バルーンとともに室温で終夜撹拌した。該反応混合液を珪藻土(セライト(登録商標))のパッドにより濾過して、該揮発性成分を減圧除去した。得られた粗物質をそのまま次の工程に用いた。 LC/MS: C
11H
22N
2O
4として計算;計算値: 246; 実測値: 247 (M+H)
+.
Cap-126
この方法はCap-51の製造に用いたものの改変である。THF(10mL)およびH
2O(10 mL)中の3-メチル-L-ヒスチジン(0.80 g, 4.70 mmol)懸濁液に、0℃で、NaHCO
3(0.88 g, 10.5 mmol)を加えた。得られた混合液をClCO
2Me(0.40 mL, 5.20 mmol)で処理して、該混合液を0℃で撹拌した。約2時間撹拌した後、出発物質が残っていないことがLCMSにより示された。該反応液を6N HClでpH 2に酸性化した。
該溶媒を減圧除去し、該残渣を20 mLの20% MeOH/CH2Cl2に懸濁した。該混合液を濾過および濃縮し、薄黄色の泡状物質を得た(1.21 g)。LCMSおよび1H NMRにより、該物質はメチルエステルと目的の生成物の9:1の混合物であることが示された。この物質をTHF(10mL)およびH2O(10mL)中に溶解させ、0℃に冷却し、LiOH(249.1 mg, 10.4 mmol)を加えた。約1時間撹拌した後、エステルが残っていないことがLCMSにより示された。そこで、該混合液を6N HClで酸性化し、該溶媒を減圧除去した。LCMSおよび1H NMRによりエステルがないことを確認した。表題の化合物を無機塩が混入したそのHCl塩として得た(1.91 g, >100%)。該化合物をさらなる精製は行わずにそのままその後の工程に用いた。 1HNMR (400 MHz, CD3OD) δ 8.84, (s, 1H), 7.35 (s, 1H), 4.52 (dd, J = 5.0, 9.1 Hz, 1H), 3.89 (s, 3H), 3.62 (s, 3H), 3.35 (dd, J = 4.5, 15.6 Hz, 1H, 溶媒により部分的に不明瞭), 3.12 (dd, J = 9.0, 15.6 Hz, 1H).LCMS: C9H13N3O4として計算;計算値: 227.09; 実測値: 228.09 (M+H)+.
Cap-127
Cap-127を、上記のCap-126の方法に従って、(S)-2-アミノ-3-(1-メチル-1H-イミダゾール-4-イル)プロパン酸(1.11 g, 6.56 mmol)、NaHCO
3(1.21 g, 14.4 mmol)およびClCO
2Me(0.56 mL, 7.28 mmol)から開始して製造した。表題の化合物を無機塩が混入したそのHCl塩(1.79 g, >100%)として得た。LCMSおよび
1H NMRにより、約5%のメチルエステルの存在が示された。該粗混合物をさらなる精製は行わずにそのまま用いた。
1HNMR (400 MHz, CD
3OD) δ 8.90 (s, 1H), 7.35 (s, 1H), 4.48 (dd, J = 5.0, 8.6 Hz, 1H), 3.89 (s, 3H), 3.62 (s, 3H), 3.35 (m, 1H), 3.08 (m, 1H); LCMS: C
9H
13N
3O
4として計算;計算値: 227.09; 実測値: 228 (M+H)
+.
Cap-128の製造
工程1. (S)-ベンジル 2-(tert-ブトキシカルボニルアミノ)ペンタ-4-イン酸(ynoate)(cj-27b)の製造
CH
2Cl
2(100 mL)中のcj-27a(1.01 g, 4.74 mmol)、DMAP(58 mg, 0.475 mmol)およびiPr
2NEt(1.7 mL, 9.8 mmol)の溶液に、0℃で、Cbz-Cl(0.68 mL, 4.83 mmol)を加えた。該溶液を0℃で4時間撹拌し、洗浄し(1N KHSO
4、食塩水)、乾燥させ(Na
2SO
4)、濾過し、減圧濃縮した。該残渣をフラッシュカラムクロマトグラフィー(TLC 6:1 ヘキサン:EtOAc)により精製して、表題の化合物(1.30 g, 91%)を無色の油状物として得た。
1HNMR (400 MHz, CDCl
3) δ 7.35 (s, 5H), 5.35 (d, ブロード, J = 8.1 Hz, 1H), 5.23 (d, J = 12.2 Hz, 1H), 5.17 (d, J = 12.2 Hz, 1H), 4.48 - 4.53 (m, 1H), 2.68 - 2.81 (m, 2H), 2.00 (t, J = 2.5 Hz, 1H), 1.44 (s, 9H). LCMS: C
17H
21NO
4として計算;計算値: 303; 実測値: 304 (M+H)
+.
工程2. (S)-ベンジル 3-(1-ベンジル-1H-1,2,3-トリアゾール-4-イル)-2-(tert-ブトキシカルボニルアミノ)プロパノエート(cj-28)の製造
DMF-H
2O(5 mL, 4:1)中の(S)-ベンジル 2-(tert-ブトキシカルボニルアミノ)ペンタ-4-イン酸(0.50 g, 1.65 mmol)、アスコルビン酸ナトリウム(0.036 g, 0.18 mmol)、CuSO
4-5H
2O(0.022 g, 0.09 mmol)およびNaN
3(0.13 g, 2.1 mmol)の混合液に、室温で、BnBr(0.24 mL, 2.02 mmol)を加え、該混合液を65℃に温めた。5時間後、LCMSにより低い変換が示された。さらなる部のNaN
3(100 mg)を加えて12時間加熱を続けた。該反応液をEtOAcおよびH
2Oに注ぎ入れ、振盪させた。層を分離し、該水層をEtOAcで3回抽出し、有機相を合わせて洗浄し(H
2O x3、食塩水)、乾燥させ(Na
2SO
4)、濾過し、濃縮した。該残渣をフラッシュ(Biotage, 40+M 0-5% MeOH/CH
2Cl
2; TLC 3% MeOH/CH
2Cl
2)により精製して薄黄色の油状物を得て、それを静置で固化させた(748.3 mg, 104%)。該NMRは目的の生成物と一致したが、DMFの存在が示唆された。該物質をさらなる精製は行わずにそのまま用いた。
1HNMR (400 MHz, DMSO-d
6) δ 7.84 (s, 1H), 7.27 - 7.32 (m, 10H), 5.54 (s, 2H), 5.07 (s, 2H), 4.25 (m, 1H), 3.16 (dd, J = 1.0, 5.3 Hz, 1H), 3.06 (dd, J = 5.3, 14.7 Hz), 2.96 (dd, J = 9.1, 14.7 Hz, 1H), 1.31 (s, 9H).
LCMS: C
24H
28N
4O
4として計算;計算値: 436; 実測値: 437 (M+H)
+.
工程3. (S)-ベンジル 3-(1-ベンジル-1H-1,2,3-トリアゾール-4-イル)-2-(メトキシカルボニルアミノ)プロパノエート(cj-29)の製造
(S)-ベンジル 3-(1-ベンジル-1H-1,2,3-トリアゾール-4-イル)-2-(tert-ブトキシカルボニルアミノ)プロパノエート(0.52 g, 1.15 mmol)/CH
2Cl
2溶液に、TFA(4 mL)を加えた。該混合液を室温で2時間撹拌した。該混合液を減圧濃縮して無色の油状物を得て、それを静置で固化させた。この物質をTHF-H
2Oに溶解させて0℃に冷却した。固体のNaHCO
3(0.25 g, 3.00 mmol)を加え、続いてClCO
2Me(0.25 mL, 3.25 mmol)を加えた。1.5時間撹拌した後、該混合液を6N HClでpH〜2に酸性化し、その後H
2O-EtOAcに注ぎ入れた。層を分離し、該水相をEtOAcで2回抽出した。有機層を合わせて洗浄し(H
2O、食塩水)、乾燥させ(Na
2SO
4)、濾過し、減圧濃縮して無色の油状物を得て(505.8 mg, 111%, NMRにより未同定の不純物の存在が示唆された)、それをポンピング下で放置の間に固化した。該物質をさらなる精製は行わずにそのまま用いた。
1HNMR (400 MHz, DMSO-d
6) δ 7.87 (s, 1H), 7.70 (d, J = 8.1 Hz, 1H), 7.27 - 7.32 (m, 10H), 5.54 (s, 2H), 5.10 (d, J = 12.7 Hz, 1H), 5.06 (d, J = 12.7 Hz, 1H), 4.32 - 4.37 (m, 1H), 3.49 (s, 3H), 3.09 (dd, J = 5.6, 14.7 Hz, 1H), 2.98 (dd, J = 9.6, 14.7 Hz, 1H). LCMS: C
21H
22N
4O
4として計算;計算値: 394; 実測値: 395 (M+H)
+.
工程4. (S)-2-(メトキシカルボニルアミノ)-3-(1H-1,2,3-トリアゾール-4-イル)プロパン酸(Cap-128)の製造
(S)-ベンジル 3-(1-ベンジル-1H-1,2,3-トリアゾール-4-イル)-2-(メトキシカルボニルアミノ)プロパノエート(502 mg, 1.11 mmol)をPd-C(82 mg)の存在下、MeOH(5 mL)中において大気圧で12時間、水素化した。該混合液を珪藻土(セライト(登録商標))により濾過して減圧濃縮した。(S)-2-(メトキシカルボニルアミノ)-3-(1H-1,2,3-トリアゾール-4-イル)プロパン酸を、約10%のメチルエステルが混入した無色のガム状物質として得た(266 mg, 111%)。該物質をさらなる精製は行わずにそのまま用いた。
1HNMR (400 MHz, DMSO-d
6) δ 12.78 (s, ブロード, 1H), 7.59 (s, 1H), 7.50 (d, J = 8.0 Hz, 1H), 4.19 - 4.24 (m, 1H), 3.49 (s, 3H), 3.12 (dd, J = 4.8 Hz, 14.9 Hz, 1H), 2.96 (dd, J = 9.9, 15.0 Hz, 1H). LCMS: C
7H
10N
4O
4として計算;計算値: 214; 実測値: 215 (M+H)
+.
Cap-129の製造
工程1. (S)-2-(ベンジルオキシカルボニルアミノ)-3-(1H-ピラゾール-1-イル)プロパン酸(cj-31)の製造
CH
3CN(12 mL)中の(S)-ベンジル 2-オキソオキセタン-3-イルカルバメート(0.67 g, 3.03 mmol)、およびピラゾール(0.22 g, 3.29 mmol)の懸濁液を50℃で24時間加熱した。該混合液を終夜室温に冷却し、該固形物を濾過して(S)-2-(ベンジルオキシカルボニルアミノ)-3-(1H-ピラゾール-1-イル)プロパン酸(330.1 mg)を得た。該濾液を減圧濃縮した後、少量のCH
3CN(約4 mL)でトリチュレートして第2のクロップを得た(43.5 mg)。総収量は370.4 mg (44%)。 m.p. 165.5 - 168℃. lit m.p. 168.5 - 169.5 [Vederas et al. J. Am. Chem. Soc. 1985, 107, 7105].
1HNMR (400 MHz, CD
3OD) δ 7.51 (d, J = 2.0, 1H), 7.48 (s, J = 1.5 Hz, 1H), 7.24 - 7.34 (m, 5H), 6.23 m, 1H), 5.05 (d, 12.7 H, 1H), 5.03 (d, J = 12.7 Hz, 1H), 4.59 - 4.66 (m, 2H), 4.42 - 4.49 (m, 1H). LCMS: C
14H
15N
3O
4として計算;計算値: 289; 実測値: 290 (M+H)
+.
工程2. (S)-2-(メトキシカルボニルアミノ)-3-(1H-ピラゾール-1-イル)プロパン酸(Cap-129)の製造
(S)-2-(ベンジルオキシカルボニルアミノ)-3-(1H-ピラゾール-1-イル)プロパン酸(0.20 g, 0.70 mmol)を、Pd-C(45 mg)の存在下、MeOH(5 mL)中において大気圧で2時間、水素化した。該生成物はMeOHに不溶性であると思われたので、該反応混合液を5mLのH
2Oおよび数滴の6N HClで希釈した。該均一な溶液を珪藻土(セライト(登録商標))により濾過し、該MeOHを減圧除去した。残った溶液を凍らせて凍結乾燥させて黄色の泡状物質を得た(188.9 mg)。この物質をTHF-H
2O(1:1, 10mL)に懸濁させた後、0℃に冷却した。該冷混合液に、NaHCO
3(146.0 mg, 1.74 mmol)を慎重に加えた(CO
2が発生)。ガスの発生が停止した後(約15分)、ClCO
2Me(0.06 mL, 0.78 mmol)を滴下した。該混合液を2時間撹拌し、6N HClでpH〜2に酸性化してEtOAcに注ぎ入れた。層を分離し、該水相をEtOAC(x5)で抽出した。有機層を合わせて洗浄し(食塩水)、乾燥させ(Na
2SO
4)、濾過し、濃縮して表題の化合物を無色の固形物として得た(117.8 mg, 79%)。
1HNMR (400 MHz, DMSO-d
6) δ 13.04 (s, 1H), 7.63 (d, J = 2.6 Hz, 1H), 7.48 (d, J = 8.1 Hz, 1H), 7.44 (d, J = 1.5 Hz, 1H), 6.19 (見かけ上のt, J = 2.0 Hz, 1H), 4.47 (dd, J = 3.0, 12.9 Hz, 1H), 4.29 - 4.41 (m, 2H), 3.48 (s, 3H). LCMS: C
8H
11N
3O
4として計算;計算値: 213; 実測値: 214 (M+H)
+.
Cap-130
Calmes, M.; Daunis, J.; Jacquier, R.; Verducci, J. Tetrahedron, 1987, 43(10), 2285に記載の方法と同様に、市販の(R)-フェニルグリシンアナログのアシル化によってCap-130を製造した。
Cap-131
工程a: ジメチルカルバモイルクロリド(0.92 mL, 10 mmol)を、THF(50 mL)中の(S)-ベンジル 2-アミノ-3-メチルブタノエート塩酸塩(2.44 g; 10 mmol)およびヒューニッヒ塩基(3.67 mL, 21 mmol)の溶液に、ゆっくりと加えた。得られた白色の懸濁液を室温で終夜(16時間)撹拌し、減圧下で濃縮した。該残渣を酢酸エチルと水間に分配した。該有機層を食塩水で洗浄し、乾燥させ(MgSO
4)、濾過し、減圧下で濃縮した。得られた黄色の油状物を、酢酸エチル:ヘキサン(1:1)で溶出するフラッシュクロマトグラフィーにより精製した。フラクションを集めて減圧下で濃縮し、2.35 g(85%)の澄明な油状物を得た。
1H NMR (300 MHz, DMSO-d
6) δ ppm 0.84 (d, J=6.95 Hz, 3H), 0.89 (d, J=6.59 Hz, 3H), 1.98-2.15 (m, 1H), 2.80 (s, 6H), 5.01-5.09 (m, J=12.44 Hz, 1H), 5.13 (d, J=12.44 Hz, 1H), 6.22 (d, J=8.05 Hz, 1H), 7.26-7.42 (m, 5H). LC (条件1): 保持時間= 1.76分; MS: [M+H]
+ C
16H
22N
2O
3として計算;計算値: 279.17; 実測値 279.03.
工程b: 上記で製造した中間体(2.35 g; 8.45 mmol)のMeOH(50 mL)溶液に、Pd/C(10%;200 mg)を加え、得られた黒色の懸濁液をN2(3x)でフラッシュし、H2の1気圧下に置いた。該混合液を室温で終夜撹拌し、マイクロファイバーのフィルターで濾過して触媒を除去した。次いで、得られた澄明な溶液を減圧下で濃縮して1.43 g(89%)のCap-131を白色の泡状物質として得て、それをさらなる精製は行わずに用いた。 1H NMR (500 MHz, DMSO-d6) δ ppm 0.87 (d, J=4.27 Hz, 3H), 0.88 (d, J=3.97 Hz, 3H), 1.93-2.11 (m, 1H), 2.80 (s, 6H), 3.90 (dd, J=8.39, 6.87 Hz, 1H), 5.93 (d, J=8.54 Hz, 1H), 12.36 (s, 1H). LC (条件1): 保持時間= 0.33分; MS: [M+H]+ C8H17N2O3として計算;計算値: 189.12; 実測値 189.04.
Cap-132
Cap-131に記載の方法に従って、(S)-ベンジル 2-アミノプロパノエート塩酸塩からCap-132を製造した。
1H NMR (500 MHz, DMSO-d
6) δ ppm 1.27 (d, J=7.32 Hz, 3H), 2.80 (s, 6H), 4.06 (qt, 1H), 6.36 (d, J=7.32 Hz, 1H), 12.27 (s, 1H). LC (条件1): 保持時間= 0.15分; MS: [M+H]
+ C
6H
13N
2O
3として計算;計算値: 161.09; 実測値 161.00.
Cap-133
Cap-47に記載の方法に従って、(S)-tert-ブチル 2-アミノ-3-メチルブタノエート塩酸塩およびクロロギ酸2-フルオロエチルからCap-133を製造した。
1H NMR (500 MHz, DMSO-d
6) δ ppm 0.87 (t, J = 6.71 Hz, 6H), 1.97-2.10 (m, 1H), 3.83 (dd, J=8.39, 5.95 Hz, 1H), 4.14-4.18 (m, 1H), 4.20-4.25 (m, 1H), 4.50-4.54 (m, 1H), 4.59-4.65 (m, 1H), 7.51 (d, J = 8.54 Hz, 1H), 12.54 (s, 1H).
Cap-134
Cap-51に記載の方法に従って、(S)-ジエチルアラニンおよびクロロギ酸メチルからCap-134を製造した。
1H NMR (500 MHz, DMSO-d
6) δ ppm 0.72-0.89 (m, 6H), 1.15-1.38 (m, 4H), 1.54-1.66 (m, 1H), 3.46-3.63 (m, 3H), 4.09 (dd, J = 8.85, 5.19 Hz, 1H), 7.24 (d, J = 8.85 Hz, 1H), 12.55 (s, 1H). LC (条件 2): 保持時間= 0.66分; LC/MS: [M+H]
+ C
9H
18NO
4として計算;計算値: 204.12; 実測値 204.02.
Cap-135
メタノール(5 mL)中のD-2-アミノ-(4-フルオロフェニル)酢酸(338 mg, 2.00 mmol)、1N HCl/ジエチルエーテル(2.0 mL, 2.0 mmol)およびホルマリン(37%, 1 mL)の溶液を、10%パラジウム炭素(60 mg)により16時間、25℃でバルーン水素化処理した。ついで、該混合液をセライトにより濾過し、Cap-135のHCl塩を白色の泡状物質として得た(316 mg, 80%)。
1H NMR (300 MHz, MeOH-d
4) δ 7.59 (dd, J = 8.80, 5.10 Hz, 2H), 7.29 (t, J = 8.6 Hz, 2H), 5.17 (s, 1H), 3.05 (v ブロードのs, 3H), 2.63 (v ブロードのs, 3H); 保持時間= 0.19分 (条件-MS-W5); 95% 均一性指数; LRMS: [M+H]
+ C
10H
13FNO
2として計算;計算値: 198.09; 実測値: 198.10.
Cap-136
冷却した(-50℃)、1-ベンジル-1H-イミダゾール(1.58 g, 10.0 mmol)/無水ジエチルエーテル(50 mL)懸濁液に、窒素下において、n-ブチル リチウム(2.5 M/ヘキサン, 4.0 mL, 10.0 mmol)を滴下した。-50℃で20分間撹拌した後、該反応混合液中に乾燥二酸化炭素(Drieriteを通した)を10分間バブルし、その後、25℃に昇温させた。反応混合液への二酸化炭素の添加により形成された重い沈殿物を濾過し、吸湿性の白色の固形物を得て、それを水(7 mL)に溶解させ、pH = 3に酸性化し、冷却し、スクラッチングを用いて結晶化を誘導した。この沈殿物を濾過して白色の固形物を得て、それをメタノール中に懸濁し、1N HCl/ジエチルエーテル(4 mL)で処理して、減圧濃縮した。該残渣を水(5 mL)から凍結乾燥させて、Cap-136のHCl塩を白色の固形物として得た(817 mg, 40%)。
1H NMR (300 MHz, DMSO-d
6) δ 7.94 (d, J = 1.5 Hz, 1H), 7.71 (d, J = 1.5 Hz, 1H), 7.50-7.31 (m, 5H), 5.77 (s, 2H); 保持時間= 0.51分 (条件-MS-W5); 95% 均一性指数; LRMS: [M+H]
+ C
11H
12N
2O
2として計算;計算値: 203.08; 実測値: 203.11.
Cap-137
Cap-137, 工程a
無水ジオキサン(10 mL)中の、1-クロロ-3-シアノイソキノリン (188 mg, 1.00 mmol;WO 2003/ 099274の方法に従って製造)(188 mg, 1.00 mmol)、フッ化セシウム(303.8 mg, 2.00 mmol)、ビス(トリ-tert-ブチルホスフィン)パラジウム ジクロリド(10 mg, 0.02 mmol)および2-(トリブチルスタンニル)フラン(378 μL, 1.20 mmol)の懸濁液を、窒素下において80℃で16時間加熱した後、25℃に冷却し、飽和したフッ化カリウム水溶液で、1時間、激しく撹拌して処理した。該混合液を酢酸エチルと水間に分配し、有機相を分離し、食塩水で洗浄し、Na
2SO
4で乾燥させ、濾過および濃縮した。該残渣をシリカゲル(0%から30%酢酸エチル/ヘキサンで溶出)で精製し、Cap-137,工程a(230 mg, 105%)を、白色の固形物として得て、それを続く工程でそのまま用いた。 保持時間= 1.95分 (条件-MS-W2); 90% 均一性指数; LRMS: [M+H]
+ C
14H
8N
2Oとして計算;計算値: 221.07; 実測値: 221.12.
Cap-137
四塩化炭素(1 mL)、アセトニトリル(1 mL)および水(1.5 mL)中の、Cap 137,工程a(110 mg, 0.50 mmol)および過ヨウ素酸ナトリウム(438 mg, 2.05 mmol)の懸濁液に、三塩化ルテニウム水和物(ruthenium trichloride hydrate)(2 mg, 0.011 mmol)を加えた。該混合液を25℃で2時間撹拌し、次いでジクロロメタンと水間に分配した。該水層を分離し、ジクロロメタンでもう2回抽出し、ジクロロメタン抽出物を合わせてNa2SO4で乾燥させ、濾過および濃縮した。該残渣をヘキサンでトリチュレートして、Cap-137(55 mg, 55%)を灰色がかった色の固形物として得た。保持時間= 1.10分 (条件-MS-W2); 90% 均一性指数; LCMS: [M+H]+ C11H8N2O2として計算;計算値: 200.08; 実測値: 200.08.
Cap 138から158
合成ストラテジー メソッドA
Cap-138
Cap-138, 工程a
撹拌した、乾燥テトラヒドロフラン(20 mL)中の5-ヒドロキシイソキノリン(WO 2003/ 099274の方法に従って製造)(2.0 g, 13.8 mmol)およびトリフェニルホスフィン(4.3 g, 16.5 mmol)の懸濁液に、乾燥メタノール(0.8 mL)およびアゾジカルボン酸ジエチル(3.0 mL, 16.5 mmol)を少しずつ加えた。該混合液を室温で20時間撹拌した後、酢酸エチルで希釈し、食塩水で洗浄し、Na
2SO
4で乾燥させ、濾過および濃縮した。該残渣をシリカゲルに予め吸収させ(preabsorb)、クロマトグラフィー処理(40%酢酸エチル/ヘキサンで溶出)して、Cap-138,工程a(1.00 g, 45%)を薄黄色の固形物として得た。
1H NMR (CDCl
3, 500 MHz) δ 9.19 (s, 1H), 8.51 (d, J = 6.0 Hz, 1H), 7.99 (d, J = 6.0 Hz, 1H), 7.52-7.50 (m, 2H), 7.00-6.99 (m, 1H), 4.01 (s, 3H); 保持時間= 0.66分 (条件 D2); 95% 均一性指数; LCMS: [M+H]
+ C
10H
10NOとして計算;計算値: 160.08; 実測値 160.1.
Cap-138, 工程b
撹拌した、Cap 138,工程a(2.34 g, 14.7 mmol)/無水ジクロロメタン(50 mL)溶液に、室温で、メタ-クロロ過安息香酸(77%, 3.42 g, 19.8 mmol)を一度に加えた。20時間撹拌した後、粉末炭酸カリウム(2.0 g)を添加し、該混合液を1時間室温で撹拌し、その後、濾過および減圧濃縮して、Cap-138,工程b(2.15 g, 83.3%)を、淡い黄色の固形物として得て、それは続く工程でそのまま用いるのに十分純粋であった。
1H NMR (CDCl
3, 400 MHz) δ 8.73 (d, J = 1.5 Hz, 1H), 8.11 (dd, J = 7.3, 1.7 Hz, 1H), 8.04 (d, J=7.1 Hz, 1H), 7.52 (t, J = 8.1 Hz, 1H), 7.28 (d, J = 8.3 Hz, 1H), 6.91 (d, J = 7.8 Hz, 1H), 4.00 (s, 3H); 保持時間= 0.92分, (条件-D1); 90% 均一性指数; LCMS: [M+H]
+ C
10H
10NO
2として計算;計算値: 176.07; 実測値: 176.0.
Cap-138, 工程c
撹拌した、乾燥アセトニトリル(20 mL)中のCap 138,工程b(0.70 g, 4.00 mmol)およびトリエチルアミン(1.1 mL, 8.00 mmol)の溶液に、室温で、窒素下においてトリメチルシリルシアニド(1.60 mL, 12.00 mmol)を加えた。該混合液を75℃で20時間加熱した後、室温に冷却し、酢酸エチルで希釈して、飽和炭酸水素ナトリウム溶液および食塩水で洗浄し、その後、Na
2SO
4で乾燥させて溶媒を濃縮した。該残渣を、シリカゲルでのフラッシュクロマトグラフィー(5%酢酸エチル/ヘキサンから25%酢酸エチル/ヘキサンでグラジエント溶出)で処理して、Cap-138,工程c(498.7 mg, 68%)を白色の結晶性固形物として得て、加えて223 mg(30%)のさらなるCap-138,工程cを濾過物から回収した。
1H NMR (CDCl
3, 500 MHz) δ 8.63 (d, J = 5.5 Hz, 1H), 8.26 (d, J = 5.5 Hz, 1H), 7.88 (d, J = 8.5 Hz, 1H), 7.69 (t, J = 8.0 Hz, 1H), 7.08 (d, J = 7.5 Hz, 1H), 4.04 (s, 3H); 保持時間= 1.75分, (条件-D1); 90% 均一性指数; LCMS: [M+H]
+ C
11H
9N
2Oとして計算;計算値: 185.07; 実測値: 185.10.
Cap-138
Cap-138,工程c(0.45 g, 2.44 mmol)を5N 水酸化ナトリウム溶液(10 mL)で処理し、得られた懸濁液を85℃で4時間加熱し、25℃に冷却し、ジクロロメタンで希釈し、1N塩酸で酸性化した。該有機相を分離し、食塩水で洗浄し、Na
2SO
4で乾燥させ、1/4の容積まで濃縮し、濾過して、Cap-138(0.44g, 88.9%)を黄色の固形物として得た。
1H NMR (DMSO-d
6, 400 MHz) δ 13.6 (ブロードのs, 1H), 8.56 (d, J = 6.0 Hz, 1H), 8.16 (d, J = 6.0 Hz, 1H), 8.06 (d, J = 8.8 Hz, 1H), 7.71-7.67 (m, 1H), 7.30 (d, J = 8.0 Hz, 1H), 4.02 (s, 3H); 保持時間= 0.70分 (条件-D1); 95% 均一性指数; LCMS: [M+H]
+ C
11H
10NO
3として計算;計算値: 204.07; 実測値: 204.05.
合成ストラテジー メソッドB(Tetrahedron Letters, 2001, 42, 6707から)
Cap-139
Cap-139, 工程a
アルゴン-脱気した、無水トルエン(6 mL)中の1-クロロ-6-メトキシイソキノリン(1.2 g, 6.2 mmol; WO 2003/ 099274の方法に従って製造)、シアン化カリウム(0.40 g, 6.2 mmol)、1,5-ビス(ジフェニルホスフィノ)ペンタン(0.27 g, 0.62 mmol)および酢酸パラジウム(II)(70 mg, 0.31 mmol)の懸濁液を含む、厚壁のスクリュートップバイアルに、N,N,N',N'-テトラメチルエチレンジアミン(0.29 mL, 2.48 mmol)を加えた。該バイアルの封をし、150℃で22時間加熱した後、25℃に冷却した。該反応混合液を酢酸エチルで希釈し、水および食塩水で洗浄し、Na
2SO
4で乾燥させ、濾過および濃縮した。該残渣を、シリカゲル(5%酢酸エチル/ヘキサンから25%酢酸エチル/ヘキサンでグラジエント溶出)で精製し、Cap-139,工程a(669.7 mg, 59%)を白色の固形物として得た。
1H NMR (CDCl
3, 500 MHz) δ 8.54 (d, J = 6.0 Hz, 1H), 8.22 (d, J = 9.0 Hz, 1H), 7.76 (d, J = 5.5 Hz, 1H), 7.41-7.39 (m, 1H), 7.13 (d, J = 2.0 Hz, 1H), 3.98 (s, 3H); 保持時間= 1.66分 (条件-D1); 90% 均一性指数; LCMS: [M+H]
+ C
11H
9N
2Oとして計算;計算値: 185.07; 実測値: 185.2.
Cap-139
Cap-139は、Cap 138に記載の方法に従って、5N NaOHを用いたCap-139,工程aの塩基性加水分解から製造した。 1H NMR (400 MHz, DMSO-d6) δ 13.63 (v ブロードのs, 1H), 8.60 (d, J = 9.3 Hz, 1H), 8.45 (d, J = 5.6 Hz, 1H), 7.95 (d, J = 5.9 Hz, 1H), 7.49 (d, J = 2.2 Hz, 1H), 7.44 (dd, J = 9.3, 2.5 Hz, 1H), 3.95 (s, 3H); 保持時間= 0.64分 (条件-D1); 90% 均一性指数; LCMS: [M+H]+ C11H10NO3として計算;計算値: 204.07; 実測値: 204.05.
Cap-140
Cap-140, 工程a
激しく撹拌した、乾燥ジメチルアセトアミド(2 mL)中の1,3-ジクロロ-5-エトキシイソキノリン(482 mg, 2.00 mmol; WO 2005/ 051410の方法に従って製造)、酢酸パラジウム(II)(9 mg, 0.04 mmol)、炭酸ナトリウム(223 mg, 2.10 mmol)および1,5-ビス(ジフェニルホスフィノ)ペンタン(35 mg, 0.08 mmol)の混合液に、25℃で、窒素下において、N,N,N',N'-テトラメチルエチレンジアミン(60 mL, 0.40 mmol)を加えた。10分後、該混合液を150℃に加熱し、次いでアセトンシアノヒドリンの保存液(457 μLのアセトンシアノヒドリン/4.34 mL DMAから製造)を、シリンジポンプを用いて、1 mLずつ、18時間にかけて加えた。次いで、該混合液を酢酸エチルと水間に分配し、有機層を分離し、食塩水で洗浄し、Na
2SO
4で乾燥させ、濾過および濃縮した。該残渣を、シリカゲル(10%酢酸エチル/ヘキサンから40%酢酸エチル/ヘキサンでグラジエント溶出)で精製し、Cap-140,工程a(160 mg, 34%)を黄色の固形物として得た。 保持時間= 2.46分 (条件-MS-W2); 90% 均一性指数; LCMS: [M+H]
+ C
12H
9ClN
2Oとして計算;計算値: 233.05; 実測値: 233.08.
Cap-140
Cap-140は、以下に記載のCap 141の製造方法に記載のように、12N HClを用いたCap-140,工程aの酸加水分解により製造した。 保持時間= 2.24分 (条件-MS-W2); 90% 均一性指数; LCMS: [M+H]+ C12H11ClNO3として計算;計算値: 252.04; 実測値: 252.02.
Cap-141
Cap-141, 工程a
Cap-141, 工程aは、Cap-140, 工程aの製造方法に記載されるとおり(上記参照)、1-ブロモ-3-フルオロイソキノリン(J. Med. Chem. 1970, 13, 613に概説された方法を用いて3-アミノ-1-ブロモイソキノリンから製造)から製造した。
1H NMR (500 MHz, CDCl
3) δ 8.35 (d, J = 8.5 Hz, 1H), 7.93 (d, J = 8.5 Hz, 1H), 7.83 (t, J = 7.63 Hz, 1H), 7.77-7.73 (m, 1H), 7.55 (s, 1H); 保持時間= 1.60分 (条件-D1); 90% 均一性指数; LCMS: [M+H]
+ C
10H
6FN
2として計算;計算値: 173.05; 実測値: 172.99.
Cap-141
Cap-141, 工程a(83 mg, 0.48 mmol)を12N HCl(3 mL)で処理して、得られたスラリーを80℃で16時間加熱した後、室温に冷却し、水(3 mL)で希釈した。該混合液を10分間撹拌した後、濾過し、Cap-141(44.1 mg, 48%)をオフホワイト色の固形物として得た。該濾過物をジクロロメタンで希釈し、食塩水で洗浄して、Na2SO4で乾燥させ、濃縮して、さらなるCap-141(29.30 mg, 32%)を得た(それは続く工程でそのまま用いるのに十分純粋であった)。 1H NMR (DMSO-d6, 500 MHz) δ 14.0 (ブロードのs, 1H), 8.59-8.57 (m, 1H), 8.10 (d, J = 8.5 Hz, 1H), 7.88-7.85 (m, 2H), 7.74-7.71 (m, 1H); 保持時間= 1.33分 (条件-D1); 90% 均一性指数; LCMS: [M+H]+ C10H7FNO2として計算;計算値: 192.05; 実測値: 191.97.
Cap-142
Cap-142, 工程a
Cap-142, 工程aは、Cap-138, 工程bおよびcの2つの工程の製造方法に記載のとおり、4-ブロモイソキノリン N-オキシドから製造した。 保持時間= 1.45分 (条件-MS-W1); 90% 均一性指数; LCMS: [M+H]
+ C
10H
6BrN
2として計算;計算値: 232.97; 実測値: 233.00.
Cap-142, 工程b
アルゴン-脱気した、無水トルエン(1 mL)中のCap-142, 工程a(116 mg, 0.50 mmol)、リン酸三カリウム(170 mg, 0.80 mmol)、酢酸パラジウム(II)(3.4 mg, 0.015 mmol)および2-(ジシクロヘキシルホスフィノ)ビフェニル(11 mg, 0.03 mmol)の懸濁液に、モルホリン(61 μL, 0.70 mmol)を加えた。該混合液を100℃で16時間加熱し、25℃に冷却し、珪藻土(セライト(登録商標))により濾過し、濃縮した。シリカゲル(10%から70%酢酸エチル/ヘキサンでグラジエント溶出)で該残渣を精製し、Cap-142, 工程b(38 mg, 32%)を黄色の固形物として得て、続く工程にそのまま用いた。 保持時間= 1.26分 (条件-MS-W1); 90% 均一性指数; LCMS: [M+H]
+ C
14H
14N
3Oとして計算;計算値: 240.11; 実測値: 240.13.
Cap-142
Cap-142は、Cap 138の方法に記載のとおり、5N 水酸化ナトリウムを用いて、Cap-142, 工程bから製造した。保持時間= 0.72分 (条件-MS-W1); 90% 均一性指数; LCMS: [M+H]+ C14H15N2O3として計算;計算値: 259.11; 実測値: 259.08.
Cap-143
Cap-143, 工程a
撹拌した3-アミノ-1-ブロモイソキノリン(444 mg, 2.00 mmol)/無水ジメチルホルムアミド(10 mL)溶液に、水素化ナトリウム(60%, 未洗浄(unwashed), 96 mg, 2.4 mmol)を一度に加えた。該混合液を25℃で5分間撹拌した後、2-ブロモエチルエーテル(90%, 250 μL, 2.00 mmol)を加えた。この混合液を、さらに25℃で5時間および75℃で72時間撹拌し、その後、25℃に冷却し、飽和塩化アンモニウム溶液でクエンチして酢酸エチルで希釈した。有機層を分離し、水および食塩水で洗浄し、Na
2SO
4で乾燥させ、濾過および濃縮した。シリカゲル(0%から70%酢酸エチル/ヘキサンでグラジエント溶出)で該残渣を精製し、Cap-143, 工程a(180 mg, 31%)を黄色の固形物として得た。 保持時間= 1.75分 (条件-MS-W1); 90% 均一性指数; LCMS: [M+H]
+ C
13H
14BrN
2Oとして計算;計算値: 293.03; 実測値: 293.04.
Cap-143
冷却した(-60℃)、Cap-143, 工程a(154 mg, 0.527 mmol)/無水テトラヒドロフラン(5 mL)溶液に、n-ブチルリチウム/ヘキサン(2.5 M, 0.25 mL, 0.633 mmol)溶液を加えた。10分後、該反応混合液に乾燥二酸化炭素を10分間バブルし、その後、1N HClでクエンチし、25℃に昇温させた。次いで、該混合液をジクロロメタン(3 x 30 mL)で抽出し、有機抽出物を合わせて減圧濃縮した。逆相HPLC(MeOH/水/TFA)により該残渣を精製し、Cap-143を得た(16 mg, 12%)。 保持時間= 1.10分 (条件-MS-W1); 90% 均一性指数; LCMS: [M+H]+ C14H15N2O3として計算;計算値: 259.11; 実測値: 259.08.
Cap-144
Cap-144, 工程a
1,3-ジクロロイソキノリン(2.75 g, 13.89 mmol)を、少しずつ、冷却した(0℃)発煙硝酸(10 mL)および濃硫酸(10 mL)の溶液に加えた。該混合液を0℃で0.5時間撹拌した後、徐々に25℃に昇温させ、そこで16時間撹拌した。次いで、該混合液を砕いた氷(chopped ice)および水の入ったビーカーに注ぎ入れ、得られた懸濁液を0℃で1時間撹拌した後、濾過して、Cap-144, 工程a(2.73 g, 81%)を黄色の固形物として得て、それをそのまま用いた。 保持時間= 2.01分. (条件-D1); 95% 均一性指数; LCMS: [M+H]
+ C
9H
5Cl
2N
2O
2として計算;計算値: 242.97; 実測値: 242.92.
Cap-144, 工程b
Cap-144, 工程a(0.30 g, 1.23 mmol)をメタノール(60 mL)に溶解させて、酸化白金(30 mg)で処理し、該懸濁液を7 psiのH
2で1.5時間、パール(Parr)水素化の処理をした後、ホルマリン(5 mL)およびさらなる酸化白金(30 mg)を加えた。該懸濁液を、45 psiのH
2で13時間、パール水素化の再処理をした後、珪藻土(セライト(登録商標))により吸引濾過し、1/4の容積まで濃縮した。生じた沈殿物を吸引濾過して、表題の化合物を黄色の固形物として得て、それをシリカゲルでのフラッシュクロマトグラフィー(5%酢酸エチル/ヘキサンから25%酢酸エチル/ヘキサンでグラジエント溶出)で処理して、Cap-144, 工程b(231 mg, 78%)を淡黄色の固形物として得た。保持時間= 2.36分 (条件-D1); 95% 均一性指数;
1H NMR (400 MHz, CDCl
3) δ 8.02 (s, 1H), 7.95 (d, J = 8.6 Hz, 1H), 7.57-7.53 (m, 1H), 7.30 (d, J = 7.3 Hz, 1H), 2.88 (s, 6H); LCMS: [M+H]
+ C
11H
11Cl
2N
2として計算;計算値: 241.03; 実測値: 241.02. HRMS: [M+H]
+ C
11H
11Cl
2N
2として計算;計算値: 241.0299; 実測値: 241.0296.
Cap-144, 工程c
Cap-144, 工程cは、Cap-139, 工程aの製造において記載された方法に従って、Cap-144, 工程bから製造した。保持時間= 2.19分 (条件-D1); 95% 均一性指数; LCMS: [M+H]
+ C
12H
11ClN
3として計算;計算値: 232.06; 実測値: 232.03. HRMS: [M+H]
+ C
12H
11ClN
3として計算;計算値: 232.0642; 実測値: 232.0631.
Cap-144
Cap-141に記載の方法に従って、Cap-144を製造した。保持時間= 2.36分 (条件-D1); 90%; LCMS: [M+H]+ C12H12ClN2O2として計算;計算値: 238.01; 実測値: 238.09.
Caps-145から-162
Cap-145から162は、他に記載のない限り以下の概説の通り、Cap-138(メソッドA)またはCap-139(メソッドB)の製造について記載された方法に従って、適当な1-クロロイソキノリンから製造した。
Cap-163
2-ケト酪酸(1.0 g, 9.8 mmol)/ジエチルエーテル(25 ml)溶液に、フェニルマグネシウムブロミド(22 ml, 1M/THF)を滴下した。該反応液を、窒素下において、〜25℃で17.5時間、撹拌した。該反応液を1N HClで酸性化して、該生成物を酢酸エチル(3 x 100 ml)で抽出した。有機層を合わせて、水、続いて食塩水で洗浄し、MgSO
4で乾燥させた。減圧濃縮した後、白色の固形物を得た。該固形物をヘキサン/酢酸エチルから再結晶化して、Cap-163を白色の針状晶(883.5 mg)として得た。
1H NMR (DMSO-d
6, δ = 2.5 ppm, 500 MHz): 12.71 (ブロードのs, 1 H), 7.54-7.52 (m, 2H), 7.34-7.31 (m, 2H), 7.26-7.23 (m, 1H), 5.52-5.39 (ブロードのs, 1H), 2.11 (m, 1H), 1.88 (m, 1H), 0.79 (見かけ上のt, J = 7.4 Hz, 3H).
Cap-164
MeOH(40 mL)中の2-アミノ-2-フェニル酪酸(1.5 g, 8.4 mmol)、ホルムアルデヒド(14 mL, 37%/水)、1N HCl(10 mL)および10% Pd/C(0.5 mg)の混合液を、パール(Parr)ボトル中で42時間、50 psiで、H
2に曝露した。該反応液をセライトにより濾過して減圧濃縮し、該残渣をMeOH(36 mL)に溶解させ、該生成物を逆相HPLC(MeOH/H
20/TFA)を用いて精製して、Cap-164のTFA塩を白色の固形物として得た(1.7 g)。
1H NMR (DMSO-d
6, δ = 2.5 ppm, 500 MHz) 7.54-7.47 (m, 5H), 2.63 (m, 1H), 2.55 (s, 6H), 2.31 (m, 1H), 0.95 (見かけ上のt, J = 7.3 Hz, 3H).
Cap-165
1,2-ジクロロエタン(7 ml)中の2-アミノ-2-インダンカルボン酸(258.6 mg, 1.46 mmol)およびギ酸(0.6 ml, 15.9 mmol)の混合液に、ホルムアルデヒド(0.6 ml, 37%/水)を加えた。該混合液を〜25℃で15分間撹拌した後、70℃で8時間加熱した。揮発性成分を減圧除去し、該残渣をDMF(14 mL)に溶解させ、逆相HPLC(MeOH/H
20/TFA)により精製して、Cap-165のTFA塩を粘稠性の油状物として得た(120.2 mg)。
1H NMR (DMSO-d
6, δ = 2.5 ppm, 500 MHz): 7.29-7.21 (m, 4 H), 3.61 (d, J = 17.4 Hz, 2H), 3.50 (d, J = 17.4 Hz, 2H), 2.75 (s, 6H). LC/MS: [M+H]
+ C
12H
16NO
2として計算;計算値: 206.12; 実測値: 206.07.
Cap-166aおよび-166b
Cap-166aおよび-166bは、ベンジルエステル中間体を85:15 ヘプタン/エタノール混合液により10 mL/分溶出速度で25分間溶出するsemi-prep Chrialcel OJ column, 20 x 250 mm, 10 μmを用いて分離したことを除いて、Cap-7aおよびCap-7bの合成について記載されたメソッドに従って、(1S, 4S)-(+)-2-メチル-2,5-ジアザビシクロ[2.2.1]ヘプタン(2HBr)から製造した。Cap-166b:
1H NMR (DMSO-d
6, δ = 2.5 ppm, 500 MHz): 7.45 (d, J = 7.3 Hz, 2H), 7.27-7.19 (m, 3H), 4.09 (s, 1H), 3.34 (見かけ上のブロードのs, 1H), 3.16 (見かけ上のブロードのs, 1H), 2.83 (d, J=10.1 Hz, 1H), 2.71 (m, 2H), 2.46 (m, 1H), 2.27 (s, 3H), 1.77 (d, J = 9.8 Hz, 1H), 1.63 (d, J = 9.8 Hz, 1H). LC/MS: [M+H]
+ C
14H
19N
2O
2として計算;計算値: 247.14; 実測値: 247.11.
Cap-167
ラセミのBoc-1,3-ジヒドロ-2H-イソインドールカルボン酸(1.0g, 3.8 mmol)/20% TFA/CH
2Cl
2溶液を、〜25℃で4時間撹拌した。全ての揮発性成分を減圧除去した。MeOH中の、得られた粗物質、ホルムアルデヒド(15 mL, 37%/水)、1N HCl(10 mL)および10% Pd/C(10 mg)の混合液を、パールボトル中で23時間、H
2(40 PSI)に曝露した。該反応混合液をセライトにより濾過し、減圧濃縮して、Cap-167を黄色の泡状物質として得た(873.5 mg)。
1H NMR (DMSO-d
6, δ = 2.5 ppm, 500 MHz) 7.59-7.38 (m, 4H), 5.59 (s, 1H), 4.84 (d, J = 14 Hz, 1H), 4.50 (d, J = 14.1 Hz, 1H), 3.07 (s, 3H). LC/MS: [M+H]
+ C
10H
12NO
2として計算;計算値: 178.09; 実測値: 178.65.
Cap-168
ラセミのCap-168は、Cap-167の製造について記載された方法に従って、ラセミのBoc-アミノインダン-1-カルボン酸から製造した。該粗物質はそのままで用いた。
Cap-169
MeOH(60 mL)中の2-アミノ-2-フェニルプロパン酸塩酸塩(5.0 g, 2.5 mmol)、ホルムアルデヒド(15 ml, 37%/水)、1N HCl(15 ml)、および10% Pd/C(1.32 g)の混合液を、パールボトルに入れ、水素(55 PSI)下において4日間振盪させた。該反応混合液を、セライトにより濾過し、減圧濃縮した。該残渣をMeOHに溶解させ、逆相プレパラティブ-HPLC(MeOH/水/TFA)により精製して、Cap-169のTFA塩を粘稠性の半-固形物として得た(2.1 g)。
1H NMR (CDCl
3, δ = 7.26 ppm, 500 MHz): 7.58-7.52 (m, 2 H), 7.39-7.33 (m, 3H), 2.86 (ブロードのs, 3H), 2.47 (ブロードのs, 3H), 1.93 (s, 3H). LC/MS: [M+H]
+ C
11H
16NO
2として計算;計算値: 194.12; 実測値: 194.12.
Cap-170
(S)-2-アミノ-2-(テトラヒドロ-2H-ピラン-4-イル)酢酸(505mg; 3.18mmol;Astatechから入手)/水(15ml)に、炭酸ナトリウム(673mg; 6.35mmol)を加え、得られた混合液を0℃に冷却した後、クロロぎ酸メチル(0.26ml; 3.33mmol)を5分かけて滴下した。該反応液を、浴槽で周囲温度に緩和しながら、18時間撹拌した。次いで、該反応混合液を1N HClと酢酸エチル間に分配した。有機層を除去し、水層をさらなる2部の酢酸エチルでさらに抽出した。有機層を合わせて食塩水で洗浄し、硫酸マグネシウムで乾燥させ、濾過および減圧濃縮して、無色の残渣であるCap-170を得た。
1H NMR (500 MHz, DMSO-d
6) δ ppm 12.65 (1 H, ブロードのs), 7.44 (1 H, d, J=8.24 Hz), 3.77 - 3.95 (3 H, m), 3.54 (3 H, s), 3.11 - 3.26 (2 H, m), 1.82 - 1.95 (1 H, m), 1.41 - 1.55 (2 H, m), 1.21 - 1.39 (2 H, m); LC/MS: [M+H]
+ C
9H
16NO
5として計算;計算値: 218.1; 実測値 218.1.
Cap-171
酢酸エチル(7 ml)およびCH
2Cl
2(4.00 ml)中の2-(ベンジルオキシカルボニルアミノ)-2-(オキセタン-3-イリデン)酢酸メチル(200 mg, 0.721 mmol; Il Farmaco (2001), 56, 609-613)の溶液を、窒素を10分間バブルすることにより脱気した。次いで、二炭酸ジメチル(0.116 ml, 1.082 mmol)およびPd/C(20 mg, 0.019 mmol)を加え、該反応混合液を、水素バルーンを装着して周囲温度で終夜撹拌し、その時点でTLC(95:5 CH
2Cl
2 / MeOH: 1g Ce(NH
4)
2SO
4、6g モリブデン酸アンモニウム、6ml 硫酸、および100ml 水から作製した染色剤で可視化した)により変換の完了が示された。該反応液をセライトにより濾過して濃縮した。該残渣を、Biotage(登録商標)(25サンプレットにジクロロメタンとともにロード; 3CVのジクロロメタン、次いで250ml以上の0から5% MeOH/ジクロロメタン、その後250mlの5% MeOH/ジクロロメタンでのホールドにより、25Sカラムで溶出; 9ml フラクション)により精製した。目的の物質を含有するフラクションを集めて、120mg(81%)の、無色の油状物としての2-(メトキシカルボニルアミノ)-2-(オキセタン-3-イル)酢酸メチルまで濃縮した。
1H NMR (500 MHz, クロロホルム-D) δ ppm 3.29 - 3.40 (m, J=6.71 Hz, 1 H) 3.70 (s, 3 H) 3.74 (s, 3 H) 4.55 (t, J=6.41 Hz, 1 H) 4.58 - 4.68 (m, 2 H) 4.67 - 4.78 (m, 2 H) 5.31 (ブロードのs, 1 H). LC/MS: [M+H]
+ C
8H
14NO
5として計算;計算値: 204.2; 実測値 204.0.
THF(2 mL)および水(0.5 mL)中の2-(メトキシカルボニルアミノ)-2-(オキセタン-3-イル)酢酸メチル(50 mg, 0.246 mmol)に、水酸化リチウム一水和物(10.33 mg, 0.246 mmol)を加えた。得られた溶液を周囲温度で終夜撹拌した。TLC(1:1 EA/ヘキサン; Hanessian染色液[1g Ce(NH4)2SO4, 6g モリブデン酸アンモニウム, 6ml 硫酸, および100ml 水])により、〜10%の出発物質の残存が示された。さらなる3mgのLiOHを加えて終夜撹拌し、その時点で、TLCにより出発物質が残存しないことが示された。減圧濃縮して高真空に終夜設置し、55mgの2-(メトキシカルボニルアミノ)-2-(オキセタン-3-イル)酢酸リチウムを無色の固形物として得た。 1H NMR (500 MHz, MeOD) δ ppm 3.39 - 3.47 (m, 1 H) 3.67 (s, 3 H) 4.28 (d, J=7.93 Hz, 1 H) 4.64 (t, J=6.26 Hz, 1 H) 4.68 (t, J=7.02 Hz, 1 H) 4.73 (d, J=7.63 Hz, 2 H).
Cap-172
Cap-172, 工程a
以下のジアゾ化工程は、Barton, A.; Breukelman, S. P.; Kaye, P. T.; Meakins, G. D.; Morgan, D. J. J. C. S. Perkin Trans I 1982, 159-164から適応させた:NaNO
2(166 mg, 2.4 mmol)/水(0.6 mL)溶液を、水(7.5 mL)中の2-アミノ-5-エチル-1,3-チアゾール-4-カルボン酸メチル(186 mg, 1.0 mmol)、CuSO
4・5H
2O(330 mg, 1.32 mmol)、NaCl(260 mg, 4.45 mmol)およびH
2SO
4(5.5 mL)の、撹拌した、冷たい(0℃)溶液にゆっくりと加えた。該混合液を0℃で45分間撹拌し、室温まで昇温させ、さらに1時間撹拌した後、CuCl(118 mg)を加えた。この混合液をさらに室温で16時間撹拌した後、食塩水で希釈し、エーテルで2回抽出した。有機層を合わせて、MgSO
4で乾燥させ、濃縮し、2-クロロ-5-エチルチアゾール-4-カルボン酸メチル(すなわち、Cap-172, 工程a)(175 mg, 85%)をオレンジ色の油状物として得て(80% 純粋)、それをそのまま次の反応に用いた。 保持時間 = 1.99分 (条件-MD1); LC/MS: [M+H]
+ C
7H
9ClNO
2Sとして計算;計算値: 206.01; 実測値: 206.05.
Cap-172
THF/H2O/MeOH(20 mL/ 3 mL/ 12 mL)中の2-クロロ-5-エチルチアゾール-4-カルボン酸メチル(175 mg)の溶液に、LiOH(305 mg, 12.76 mmol)を加えた。該混合液を室温で終夜撹拌した後、濃縮して減少させ、1N HCl/エーテル(25 mL)を用いて中和した。該残渣を酢酸エチルで2回抽出し、有機層を合わせて、MgSO4で乾燥させ、エバポレートして、Cap-172(60 mg, 74%)を赤色の固形物として得て、それをさらなる精製は行わずに用いた。 1H NMR (300 MHz, DMSO-d6) δ ppm 13.03-13.42 (1 H, m), 3.16 (2 H, q, J = 7.4 Hz), 1.23 (3 H, t, J = 7.5 Hz). 保持時間 = 1.78分 (条件-MD1); LC/MS: [M+H]+ C6H7ClNO2Sとして計算;計算値: 191.99; 実測値: 191.99.
Cap-173
Cap-173, 工程a
以下のジアゾ化工程は、Barton, A.; Breukelman, S. P.; Kaye, P. T.; Meakins, G. D.; Morgan, D. J. J. C. S. Perkin Trans I 1982, 159-164から適応させた:NaNO
2(150 mg, 2.17 mmol)/水(1.0 mL)溶液を、50%H
3PO
2(3.2 mL)中の2-アミノ-5-エチル-1,3-チアゾール-4-カルボン酸メチル(186 mg, 1.0 mmol)の、撹拌した、冷たい(0℃)溶液に滴下した。該混合液を0℃で1時間撹拌し、室温まで昇温させ、さらに2時間撹拌した。0℃まで再冷却した後、該混合液を、NaOH(85 mg)/水(10 mL)溶液でゆっくりと処理した。その後、該混合液を飽和NaHCO
3溶液で希釈し、エーテルで2回抽出した。有機層を合わせて、MgSO
4で乾燥させ、濃縮し、5-エチルチアゾール-4-カルボン酸メチル(すなわち、Cap-173, 工程a)(134 mg, 78%)をオレンジ色の油状物として得て(85% 純粋)、それをそのまま次の反応に用いた。 保持時間 = 1.58分 (条件-MD1); LC/MS: [M+H]
+ C
7H
10NO
2Sとして計算;計算値: 172.05; 実測値: 172.05.
Cap-173
THF/H2O/MeOH(18 mL/ 2.7 mL/ 11 mL)中の5-エチルチアゾール-4-カルボン酸メチル(134 mg)の溶液に、LiOH(281 mg, 11.74 mmol)を加えた。該混合液を室温で終夜撹拌した後、濃縮して減少させ、1N HCl/エーテル(25 mL)を用いて中和した。残渣を酢酸エチルで2回抽出し、有機層を合わせて、MgSO4で乾燥させ、エバポレートし、Cap-173(90 mg, 73%)をオレンジ色の固形物として得て、それをさらなる精製は行わずに用いた。 1H NMR (300 MHz, DMSO-d6) δ ppm 12.74-13.04 (1 H, m), 3.20 (2 H, q, J = 7.3 Hz), 1.25 (3 H, t, J = 7.5 Hz). 保持時間 = 1.27分 (条件-MD1); LC/MS: [M+H]+ C6H8NO2Sとして計算;計算値: 158.03; 実測値: 158.04.
Cap-174
Cap-174, 工程a
トリフルオロメタンスルホン酸無水物(Triflic anhydride)(5.0 g, 18.0 mmol)を、CH
2Cl
2(80 mL)中の3-ヒドロキシピコリン酸メチル(2.5 g, 16.3 mmol)およびTEA(2.5 mL, 18.0 mmol)の冷たい(0℃)溶液に滴下した。該混合液を0℃で1時間撹拌した後、室温まで昇温させ、さらに1時間撹拌した。次いで、該混合液を飽和NaHCO
3溶液(40 mL)でクエンチし、有機層を分離し、食塩水で洗浄し、MgSO
4で乾燥させ、濃縮し、3-(トリフルオロメチルスルホニルオキシ)ピコリン酸メチル(すなわち、Cap-174, 工程a)(3.38 g, 73%)を濃い茶色の油状物として得て(>95% 純粋)、それをさらなる精製は行わずにそのまま用いた。
1H NMR (300 MHz, CDCl
3) δ ppm 8.72-8.79 (1 H, m), 7.71 (1 H, d, J = 1.5 Hz), 7.58-7.65 (1 H, m), 4.04 (3 H, s). 保持時間 = 1.93分 (条件-MD1); LC/MS: [M+H]
+ C
8H
7F
3NO
5Sとして計算;計算値: 286.00; 実測値: 286.08.
Cap-174
3-(トリフルオロメチルスルホニルオキシ)ピコリン酸メチル(570 mg, 2.0 mmol)/DMF(20 mL)溶液に、LiCl(254 mg, 6.0 mmol)、トリブチル(ビニル)スタンナン(761 mg, 2.4 mmol)およびビス(トリフェニルホスフィン)パラジウムジクロリド(42 mg, 0.06 mmol)を加えた。該混合液を100℃で終夜加熱した後、KFの飽和溶液(20 mL)を該反応混合液に室温で加えた。この混合液を4時間撹拌した後、セライトを通して濾過し、酢酸エチルを用いてセライトのパッドを洗浄した。次いで、濾液の水相を分離し、減圧濃縮して減少させた。残渣を4N HCl/ジオキサン(5 mL)で処理し、得られた混合液をメタノールで抽出し、濾過し、エバポレートして、Cap-174(260 mg)を緑色の固形物として得た(それにはわずかに無機塩が混入していたが、さらなる精製は行わずに用いた)。 1H NMR (300 MHz, DMSO-d6) δ ppm 8.21 (1 H, d, J = 3.7 Hz), 7.81-7.90 (1 H, m), 7.09 (1 H, dd, J = 7.7, 4.8 Hz), 6.98 (1 H, dd, J = 17.9, 11.3 Hz), 5.74 (1 H, dd, J = 17.9, 1.5 Hz), 5.20 (1 H, d, J = 11.0 Hz). 保持時間 = 0.39分 (条件-MD1); LC/MS: [M+H]+ C8H8NO2として計算;計算値: 150.06; 実測値: 150.07.
Cap-175
Cap-175, 工程a
3-(トリフルオロメチルスルホニルオキシ)ピコリン酸メチル(すなわち、Cap 173, 工程a)(570 mg, 2.0 mmol)(Cap-174の製造における中間体)/DMF(20 mL)溶液に、LiCl(254 mg, 6.0 mmol)、トリブチル(ビニル)スタンナン(761 mg, 2.4 mmol)およびビス(トリフェニルホスフィン)パラジウムジクロリド(42 mg, 0.06 mmol)を加えた。該混合液を100℃で4時間加熱した後、溶媒を減圧除去した。残渣をアセトニトリル(50 mL)およびヘキサン(50 mL)に溶解させ、得られた混合液をヘキサンで2回洗浄した。次いで、アセトニトリル層を分離し、セライトを通して濾過し、エバポレートした。残渣を、Horizon機器でのフラッシュクロマトグラフィー(25%酢酸エチル/ヘキサン〜65%酢酸エチル/ヘキサンでグラジエント溶出)により精製して、3-ビニルピコリン酸メチル(すなわち、Cap-175, 工程a)(130 mg, 40%)を黄色の油状物として得た。
1H NMR (300 MHz, CDCl
3) δ ppm 8.60 (1 H, dd, J = 4.6, 1.7 Hz), 7.94 (1 H, d, J = 7.7 Hz), 7.33-7.51 (2 H, m), 5.72 (1 H, d, J = 17.2 Hz), 5.47 (1 H, d, J = 11.0 Hz), 3.99 (3 H, s). 保持時間 = 1.29分 (条件-MD1); LC/MS: [M+H]
+ C
9H
10NO
2として計算;計算値: 164.07; 実測値: 164.06.
Cap-175, 工程b
パラジウム炭素(10%, 25 mg)を、3-ビニルピコリン酸メチル(120 mg, 0.74 mmol)/エタノール(10 mL)溶液に加えた。該懸濁液を、水素の雰囲気下において室温で1時間撹拌した後、セライトを通して濾過し、セライトのパッドをメタノールで洗浄した。該濾液を乾固するまで濃縮して減少させ、メチル 3-エチルピコリネート(すなわち、Cap-175, 工程b)を得て、それを次の反応にそのまま用いた。 保持時間 = 1.15分 (条件-MD1); LC/MS: [M+H]
+ C
9H
12NO
2として計算;計算値: 166.09; 実測値: 166.09.
Cap-175
THF/H2O/MeOH(5 mL/ 0.75 mL/ 3 mL)中のメチル 3-エチルピコリネートの溶液に、LiOH(35 mg, 1.47 mmol)を加えた。該混合液を室温で2日間撹拌した後、さらなるLiOH(80 mg)を加えた。室温でさらに24時間後、該混合液を濾過し、溶媒を減圧除去した。次いで、残渣を4N HCl/ジオキサン(5 mL)を用いて処理し、得られた懸濁液を乾固するまで濃縮して減少させ、Cap-175を黄色の固形物として得て、それをさらなる精製は行わずに用いた。 1H NMR (300 MHz, DMSO-d6) δ ppm 8.47 (1 H, dd, J = 4.8, 1.5 Hz), 7.82-7.89 (1 H, m), 7.53 (1 H, dd, J = 7.7, 4.8 Hz), 2.82 (2 H, q, J = 7.3 Hz), 1.17 (3 H, t, J = 7.5 Hz). 保持時間 = 0.36分 (条件-MD1); LC/MS: [M+H]+ C8H10NO2として計算;計算値: 152.07; 実測値: 152.10.
Cap-176
Cap-176, 工程a
1,4-ジオキサスピロ[4.5]デカン-8-オン(15 g, 96 mmol)/EtOAc(150 mL)溶液を、1,1,3,3-テトラメチルグアニジン(10.45 mL, 83 mmol)およびEtOAc(150 mL)中のメチル 2-(ベンジルオキシカルボニルアミノ)-2-(ジメトキシホスホリル)アセテート(21.21 g, 64.0 mmol)の溶液に加えた。得られた溶液を周囲温度で72時間撹拌した後、EtOAc(25 mL)で希釈した。有機層を、1N HCl(75 mL)、H
2O(100 mL)および食塩水(100 mL)で洗浄し、乾燥させ(MgSO
4)、濾過し、濃縮した。残渣を、Biotage(5%〜25% EtOAc/ヘキサン; 300g カラム)を介して精製した。その後、生成物を含む画分を合わせて、減圧下で濃縮し、残渣をヘキサン/EtOAcから再結晶化して、メチル 2-(ベンジルオキシカルボニルアミノ)-2-(1,4-ジオキサスピロ[4.5]デカン-8-イリデン)アセテートに相当する白色の結晶性物質(6.2 g)を得た。
1H NMR (400 MHz, CDCl
3-d) δ ppm 7.30 - 7.44 (5 H, m), 6.02 (1 H, br. s.), 5.15 (2 H, s), 3.97 (4 H, s), 3.76 (3 H, br. s.), 2.84 - 2.92 (2 H, m), 2.47 (2 H, t, J=6.40 Hz), 1.74 - 1.83 (4 H, m). LC (条件 OL1): 保持時間 = 2.89分 LC/MS: [M+Na]
+ C
19H
23NNaO
6として計算;計算値: 745.21; 実測値: 745.47.
Cap 176, 工程b
エステルCap 176, 工程bを、Burk, M. J.; Gross, M. F.およびMartinez J. P.(J. Am. Chem. Soc., 1995, 117, 9375-9376およびその中の引用文献)の方法に従って、アルケンCap 176, 工程aから製造した:500 mLの高圧ボトルに、N
2ブランケット下において、脱気したMeOH(200 mL)中のアルケンCap 176, 工程a(3.5 g, 9.68 mmol)を入れた。次いで、該溶液に、(-)-1,2-ビス((2S,5S)-2,5-ジメチルホスホラノ)エタン(シクロオクタジエン)ロジウム(I)テトラフルオロボレート(0.108 g, 0.194 mmol)を加え、得られた混合液をN
2(3x)でフラッシュし、H
2(3x)を充填した。該溶液を、70 psiのH
2下において周囲温度で72時間、激しく振盪させた。溶媒を減圧下において除去し、残った残渣をEtOAc中に溶解させた。次いで、茶色がかった該溶液を、シリカゲルのプラグを通して濾過し、EtOAcで溶出した。溶媒を減圧下で濃縮し、エステルCap 176, 工程bに相当する澄明な油状物(3.4 g)を得た。
1H NMR (500 MHz, CDCl
3-d) δ ppm 7.28 - 7.43 (5 H, m), 5.32 (1 H, d, J=9.16 Hz), 5.06 - 5.16 (2 H, m), 4.37 (1 H, dd, J=9.00, 5.04 Hz), 3.92 (4 H, t, J=3.05 Hz), 3.75 (3 H, s), 1.64 - 1.92 (4 H, m), 1.37 - 1.60 (5 H, m). LC (条件 OL1): 保持時間 = 1.95分. LC/MS: [M+H]
+ C
19H
26NO
6として計算;計算値: 364.18; 実測値: 364.27.
Cap 176, 工程c
エステルCap 176, 工程b(4.78 g, 13.15 mmol)をTHF(15 mL)に溶解させ、続いて、水(10 mL)、氷酢酸(26.4 mL, 460 mmol)およびジクロロ酢酸(5.44 mL, 65.8 mmol)を連続的に加えた。得られた混合液を、周囲温度で72時間撹拌し、該反応液を、気体の放出が見られなくなるまで、激しく撹拌しながら、固体のNa
2CO
3をゆっくりと加えることにより、クエンチした。粗生成物を10%酢酸エチル-ジクロロメタン中に抽出し、有機層を合わせ、乾燥させ(MgSO
4)、濾過し、濃縮した。得られた残渣を、Biotage(0〜30% EtOAc/ヘキサン; 25 g カラム)を介して精製し、ケトンCap 176, 工程c(3.86g)を澄明な油状物として得た。
1H NMR (400 MHz, CDCl
3-d) δ ppm 7.28 - 7.41 (5 H, m), 5.55 (1 H, d, J=8.28 Hz), 5.09 (2 H, s), 4.46 (1 H, dd, J=8.16, 5.14 Hz), 3.74 (3 H, s), 2.18 - 2.46 (5 H, m), 1.96 - 2.06 (1 H, m), 1.90 (1 H, ddd, J=12.99, 5.96, 2.89 Hz), 1.44 - 1.68 (2 H, m, J=12.36, 12.36, 12.36, 12.36, 4.77 Hz). LC (条件 OL1): 保持時間 = 1.66分 LC/MS: [M+Na]
+ C
17H
21NNaO
5として計算;計算値: 342.13; 実測値: 342.10.
Cap 176, 工程d
Deoxo-Fluor(登録商標)(3.13 mL, 16.97 mmol)を、ケトンCap 176, 工程c(2.71 g, 8.49 mmol)/CH
2Cl
2(50 mL)溶液に加え、続いて、触媒量のEtOH(0.149 mL, 2.55 mmol)を加えた。得られた黄色がかった溶液を室温で終夜撹拌した。該反応液を、飽和NaHCO
3水溶液(25 mL)を加えることによりクエンチし、該混合液をEtOAc(3X75 mL))で抽出した。有機層を合わせて乾燥させ(MgSO
4)、濾過し、乾燥させて、黄色がかった油状物を得た。残渣を、Biotageクロマトグラフィー(2%〜15% EtOAc/ヘキサン; 90g カラム)により精製して、ジフルオロアミノ酸ジフルオリド(dilforide)Cap 176, 工程dに相当する白色の固形物(1.5 g)を得た。
1H NMR (400 MHz, , CDCl
3-d) δ ppm 7.29 - 7.46 (5 H, m), 5.34 (1 H, d, J=8.28 Hz), 5.12 (2 H, s), 4.41 (1 H, dd, J=8.66, 4.89 Hz), 3.77 (3 H, s), 2.06 - 2.20 (2 H, m), 1.83 - 1.98 (1 H, m), 1.60 - 1.81 (4 H, m), 1.38 - 1.55 (2 H, m).
19F NMR (376 MHz, CDCl
3-d) δ ppm -92.15 (1 F, d, J=237.55 Hz), -102.44 (1 F, d, J=235.82 Hz). LC (条件 OL1): 保持時間 = 1.66分 LC/MS: [2M+Na]
+ C
34H
42F
4N
2NaO
8として計算;計算値: 705.28; 実測値: 705.18.
Cap 176, 工程e
ジフルオリドCap 176, 工程d(4 g, 11.72 mmol)を、MeOH(120 mL)に溶解させ、Pd/C(1.247 g, 1.172 mmol)を加えた。該懸濁液をN
2(3x)でフラッシュし、該反応混合液を1 atmのH
2(バルーン)下に置いた。該混合液を、周囲温度で48時間撹拌した。次いで、該懸濁液をセライトのプラグを通して濾過し、減圧下において濃縮し、アミノ酸Cap 176, 工程eに相当する油状物(2.04 g)を得て、それをさらなる精製は行わずに用いた。
1H NMR (400 MHz, DMSO-d
6) δ ppm 3.62 (3 H, s), 3.20 (1 H, d, J=5.77 Hz), 1.91 - 2.09 (2 H, m), 1.50 - 1.88 (7 H, m), 1.20 - 1.45 (2 H, m).
19F NMR (376 MHz, DMSO-d
6) δ ppm -89.39 (1 F, d, J=232.35 Hz), -100.07 (1 F, d, J=232.35 Hz).
13C NMR (101 MHz, DMSO-d
6) δ ppm 175.51 (1 C, s), 124.10 (1 C, t, J=241.21, 238.90 Hz), 57.74 (1 C, s), 51.39 (1 C, s), 39.23 (1 C, br. s.), 32.02 - 33.83 (2 C, m), 25.36 (1 C, d, J=10.02 Hz), 23.74 (1 C, d, J=9.25 Hz). LC (条件 OL2): 保持時間 = 0.95分 LC/MS: [2M+H]
+ C
18H
31F
4N
2O
2として計算;計算値: 415.22; 実測値: 415.40.
Cap 176, 工程f
クロロギ酸メチル(1.495 mL, 19.30 mmol)を、CH
2Cl
2(100 mL)中のアミノ酸Cap 176, 工程e(2 g, 9.65 mmol)およびDIEA(6.74 mL, 38.6 mmol)の溶液に加えた。得られた溶液を室温で3時間撹拌し、揮発性物質を減圧下において除去した。残渣を、Biotage(0%〜20% EtOAc/ヘキサン; 90g カラム)を介して精製した。カルバメートCap-176, 工程fに相当する、減圧下で静置することにより固化した澄明な油状物(2.22 g)を得た。
1H NMR (500 MHz, CDCl
3-d) δ ppm 5.27 (1 H, d, J=8.55 Hz), 4.39 (1 H, dd, J=8.85, 4.88 Hz), 3.77 (3 H, s), 3.70 (3 H, s), 2.07 - 2.20 (2 H, m), 1.84 - 1.96 (1 H, m), 1.64 - 1.82 (4 H, m), 1.39 - 1.51 (2 H, m).
19F NMR (471 MHz, CDCl
3-d) δ ppm -92.55 (1 F, d, J=237.13 Hz), -102.93 (1 F, d, J=237.12 Hz).
13C NMR (126 MHz, CDCl
3-d) δ ppm 171.97 (1 C, s), 156.69 (1 C, s), 119.77 - 125.59 (1 C, m), 57.24 (1 C, br. s.), 52.48 (1 C, br. s.), 52.43 (1 C, s), 39.15 (1 C, s), 32.50 - 33.48 (2 C, m), 25.30 (1 C, d, J=9.60 Hz), 24.03 (1 C, d, J=9.60 Hz). LC (条件 OL1): 保持時間 = 1.49分 LC/MS: [M+Na]
+ C
11H
17F
2NNaO
4として計算;計算値: 288.10; 実測値: 288.03.
Cap-176
LiOH(0.379 g, 15.83 mmol)/水(25 mL)溶液を、カルバメートCap-176, 工程f(2.1 g, 7.92 mmol)/THF(75 mL)溶液に加え、得られた混合液を周囲温度で4時間撹拌した。THFを減圧下において除去し、残った水相を、1N HCl溶液(2 mL)で酸性化した後、EtOAc(2 X 50 mL)で抽出した。有機層を合わせて、乾燥させ(MgSO4)、濾過し、濃縮して、Cap-176に相当する白色の泡状物質(1.92 g)を得た。 1H NMR (400 MHz, DMSO-d6) δ ppm 12.73 (1 H, s), 7.50 (1 H, d, J=8.78 Hz), 3.97 (1 H, dd, J=8.53, 6.02 Hz), 3.54 (3 H, s), 1.92 - 2.08 (2 H, m), 1.57 - 1.90 (5 H, m), 1.34 - 1.48 (1 H, m), 1.27 (1 H, qd, J=12.72, 3.26 Hz). 19F NMR (376 MHz, DMSO-d6) δ ppm -89.62 (1 F, d, J=232.35 Hz), -99.93 (1 F, d, J=232.35 Hz). LC (条件 OL2): 保持時間 = 0.76分 LC/MS: [M-H]+ C10H14F2NO4として計算;計算値: 250.09; 実測値: 250.10.
(実施例)
本開示は特定の実施態様に関連して記載されるが、それはその発明の範囲を制限することを意図するものではない。一方、本開示は、全ての代替形態、改変形態、および同等形態を、特許請求の範囲内に含み得るものとして包含する。従って、特定の実施態様を含む以下の実施例は、本発明の1つの実例を説明し、該実施例は特定の実施態様の例示目的であり、そしてその方法および概念的態様の最も有用で且つ容易に理解される記載であると考えられるものを提供するために提示するものであると解される。
特に断りのない限り、溶液パーセントは重量対容量の関係を表し、溶液比は容量対容量の関係を表す。核磁気共鳴(NMR)スペクトルは、Bruker 300、400、または500 MHz分光計のいずれかで記録し; 化学シフト(δ)は百万分率で報告する。
純度評価および低分解能質量分析を、Waters Micromass ZQ MSシステムと連結した島津LCシステムで実施した。保持時間は装置間でわずかに変化しうることに留意すべきである。他に記載のない限り、保持時間(RT)の決定において用いたLC条件は以下であった。
条件1
開始%B = 0
最終%B = 100
グラジエント時間 = 3分
停止時間 = 4分
流速 = 4 mL/分
波長 = 220 nm
溶媒A = 0.1%TFA/10%メタノール/90%水
溶媒B = 0.1%TFA/90%メタノール/10%水
カラム = PHENOMENEX(登録商標) 10μ C18 3.0X50 mm
条件2
開始%B = 0
最終%B = 100
グラジエント時間 = 2分
停止時間 = 3分
流速 = 4mL/分
波長 = 220 nm
溶媒A = 10%MeOH/90%H2O/0.1%TFA
溶媒B = 90%MeOH/10%H2O/0.1%TFA
カラム 2 = PHENOMENEX(登録商標)-Luna 3.0 x 50 mm S10
条件2a
開始%B = 0
最終%B = 100
グラジエント時間 = 3分
停止時間 = 4分
流速 = 4 mL/分
波長 = 220 nm
溶媒A = 0.1%TFA/10%メタノール/90%水
溶媒B = 0.1%TFA/90%メタノール/10%水
カラム = PHENOMENEX(登録商標)-Luna 3.0X 50 mm S10
条件3
開始%B = 0
最終%B = 100
グラジエント時間 = 3分
停止時間 = 4分
流速 = 4 mL/分
波長 = 220 nm
溶媒A = 0.1%TFA/10%メタノール/90%水
溶媒B = 0.1%TFA/90%メタノール/10%水
カラム = PHENOMENEX(登録商標)-Luna C18 10μ 3.0X 50 mm
条件4
開始%B = 0
最終%B = 100
グラジエント時間 = 3分
停止時間 = 4分
流速 = 0.8 mL/分
波長 = 220 nm
溶媒A = 0.1%TFA/10%メタノール/90%水
溶媒B = 0.1%TFA/90%メタノール/10%水
カラム = PHENOMENEX(登録商標)-Luna 2.0X 50 mm, 3 μm
オーブン温度 = 40℃
実施例QC-1
実施例QC-1a
200 mLの乾燥ジクロロメタン中のビシクロヘキサノン(5.05 g, 26.0 mmol)および2,6-ジ-tert-ブチル(diterbutyl)フェノール(11.75 g, 57.2 mmol)の溶液に、トリフルオロメタンスルホン酸無水物(9.10 mL, 54.6 mmol)を加えた。得られた溶液を、室温で終夜撹拌した。溶媒を減圧下において除去した。残渣をヘキサンに溶解させ、濾過した。該濾過物を1 N HClおよび食塩水で洗浄した。有機層を炭酸水素カリウムで乾燥させ、濃縮した。該粗生成物をフラッシュクロマトグラフィー(シリカゲル, 5% 酢酸エチル/ヘキサン)により精製し、実施例QC-1aを白色の固形物(8.22 g, 69.0%, ジアステレオマーの混合物)として得た。
1H NMR (500 MHz, CDCl
3) δ ppm 1.35 - 1.64 (m, 4 H) 1.81 - 2.07 (m, 4 H) 2.10 - 2.53 (m, 6 H) 5.66 - 5.80 (m, 2 H). LC/MS: [M+H]
+ C
14H
17F
6O
6S
2として計算:計算値: 459.37; 実測値(分子は質量分析計チャンバーにおいて十分にイオン化しなかった).
実施例QC-1b
ビス(ピナコラート)ジボロン(2.79 g, 11.0 mmol)、石炭酸カリウム(1.98 g, 15.0 mmol)、PdCl
2(PPh
3)
2(0.21 g, 0.3 mmol)およびトリフェニルホスフィン(0.16 g, 0.6 mmol)を有するフラスコに、50 mLの乾燥トルエンおよび(1a)(2.29 g, 5.0 mmol)を加えた。得られた混合液を50℃で3時間撹拌した。該反応液を水でクエンチし、トルエンで抽出した。有機層を合わせて、食塩水で洗浄し、MgSO
4で乾燥させ、濃縮した。該粗生成物を、フラッシュクロマトグラフィー(シリカゲル, 5-80% 酢酸エチル/ヘキサン)により精製して、実施例QC-1bを白色の固形物(1.14 g, 55%, ジアステレオマーの混合物)として得た。
1H NMR (500 MHz, CDCl
3) δ ppm 1.10 - 1.19 (m, 2 H) 1.24 (s, 24 H) 1.31 - 1.43 (m, 2 H) 1.73 - 1.90 (m, 4 H) 1.97 - 2.29 (m, 6 H) 6.52 - 6.58 (m, 2 H).
実施例QC-1c
グリオキサール(11 mLの40%/水)を、水酸化アンモニウム(32 mL)および(S)-Boc-プロリナール(8.564 g, 42.98 mmol)のメタノール(32 mL)溶液に、11分かけて滴下し、周囲温度で19時間撹拌した。揮発性成分を減圧除去し、残渣をフラッシュクロマトグラフィー(シリカゲル, 酢酸エチル)により精製し、続いて、再結晶化して(酢酸エチル, 室温)、イミダゾール実施例QC-1cを白色の綿毛状の固形物(4.43g)として得た。
1H NMR (DMSO-D
6, δ = 2.50, 400 MHz): 11.68/11.59 (ブロードのs, 1H), 6.94 (s, 1H), 6.76 (s, 1H), 4.76 (m, 1H), 3.48 (m, 1H), 3.35-3.29 (m, 1H), 2.23-1.73 (m, 4H), 1.39/1.15 (2つのs, 9H). LC (条件2): 保持時間 = 0.87分; >95%均一性指数. LC/MS: [M+H]
+ C
12H
20N
3O
2として計算:計算値:238.16; 実測値 238.22.
イミダゾール実施例QC-1cは、以下に記載のキラルHPLC条件下において分析した場合、98.9%のeeであった。
カラム: Chiralpak AD, 10 μm, 4.6 x 50 mm
溶媒: 1.7% エタノール/ヘプタン(イソクラティック)
流速: 1 ml/分
波長: 220もしくは256 nmのいずれか
相対保持時間: 3.25分 (R), 5.78分 (S)
実施例QC-1d
35 mLの乾燥ジメチルホルムアミド中の実施例QC-1c(4.98 g, 21.0 mmol)の溶液に、水素化ナトリウム(0.88gの60%/鉱物油, 22.0 mmol)を加えた。得られた混合液を室温で40分間撹拌した。次いで、2-(トリメチルシリル)エトキシメチルクロリド(3.75 mL, 21.0 mmol)を5分かけて滴下した。得られた溶液を室温で2時間撹拌した。該反応液を水でクエンチし、酢酸エチルで抽出した。有機層を合わせて、食塩水で洗浄し、MgSO
4で乾燥させ、濃縮した。該粗生成物を、フラッシュクロマトグラフィー(シリカゲル, 35-50% 酢酸エチル/ヘキサン)により精製して、実施例QC-1dを無色の油状物(6.30 g, 81.6%)として得た。
1H NMR (500 MHz, CDCl
3) δ ppm -0.03 (s, 9 H) 0.76 - 0.99 (m, 2 H) 1.20/1.38 (回転異性体, s/s, 9 H) 1.76 - 2.50 (m, 4 H) 3.37 - 3.77 (m, 4 H) 4.80 - 5.03 (m, 1 H) 5.07 - 5.16 (m, Hz, 1 H) 5.40/5.78 (回転異性体, d/d, J = 10.68/10.99 Hz, 1H) 6.85 (s, 1 H) 6.96 (s, 1 H). LC/MS: C
18H
34N
3O
3Si [M+H]
+ として計算:計算値:368.24; 実測値 368.43.
実施例QC-1e
30 mLの乾燥アセトニトリル中の実施例QC-1d(2.00 g, 5.45 mmol)の溶液に、0℃にて、30 mLの乾燥アセトニトリル中のN-ブロモスクシンイミド(0.97 g, 5.45 mmol)を10分かけて滴下した。得られた溶液を0℃で2時間撹拌した。溶媒を減圧下において除去した。残渣をジクロロメタンに溶解させ、水で洗浄した。水層をジクロロメタンで再抽出した。有機層を合わせて、MgSO
4で乾燥させ、濃縮した。該粗生成物をフラッシュクロマトグラフィー(シリカゲル, 15-40% 酢酸エチル/ヘキサン)により精製し、実施例QC-1eを薄黄色の油状物(1.66, 68.3%)として得た。
1H NMR (500 MHz, CDCl
3) δ ppm -0.02 (s, 9 H) 0.79 - 1.00 (m, 2 H) 1.21/1.39 (回転異性体, s/s, 9 H) 1.81 - 2.08 (m, 2 H) 2.10 - 2.41 (m, 2 H) 3.36 - 3.74 (m, 4 H) 4.85/4.99 (回転異性体, m/m, 1 H) 5.26 (m, 1 H) 5.39/5.75 (回転異性体, d/d, J=11.29/11.60 Hz, 1 H) 6.93/6.95 (回転異性体, s/s, 1 H). LC/MS: C
18H
33 79BrN
3O
3Si [M]
+ として計算:計算値: 446.15; 実測値 446.39.
実施例QC-1f
21 mLのジメチルホルムアミドおよび7 mLの水中の実施例QC-1b(456 mg, 1.1 mmol)、実施例QC-1e(982 mg, 2.2 mmol)、炭酸水素ナトリウム(554 mg, 6.6 mmol)の溶液に、Pd(PPh
3)
4(127 mg, 0.11 mmol)を加えた。得られた溶液を85℃で終夜還流した。溶媒を減圧下において除去した。残渣を20%メタノール/クロロホルム中に溶解させ、水で洗浄した。有機層を食塩水で洗浄し、MgSO
4で乾燥させ、濃縮した。該粗生成物を逆相HPLCシステム(メタノール/水/TFA)により精製し、実施例QC-1fを白色の固形物(560 mg, 57%, ジアステレオマーの混合物)として得た。
1H NMR (500 MHz, CDCl
3) δ ppm -0.02 (s, 18 H) 0.74 - 1.03 (m, 4 H) 1.19 (s, 9H) 1.38 (s, 9H) 1.43 - 1.59 (m, 2 H) 1.76 - 2.54 (m, 20 H) 3.32 - 3.58 (m, 6 H) 3.58 - 3.77 (m, 2 H) 4.81 (s, 1 H) 4.97 (s, 1 H) 5.07 - 5.21 (m, 2 H) 5.21 - 5.32 (m, 1 H) 5.60 (t, J=11.29 Hz, 1 H) 5.71 - 5.96 (m, 2 H) 6.79 (s, 2 H). LC/MS: C
48H
81N
6O
6Si
2 [M+H]
+ として計算:計算値:893.58; 実測値 893.42.
実施例QC-1g
2 mLのジクロロメタン中の実施例QC-1f(164 mg, 0.18 mmol)の溶液に、HCl(4 N/1,4-ジオキサン, 2 mL)を加えた。得られた溶液を室温で終夜撹拌した。溶媒を減圧下において除去した。残渣を最小量のメタノールに溶解させ、ジエチルエーテルでトリチュレートした。得られた固形物を濾過により集め、ジエチルエーテルで洗浄して、実施例QC-1gのHCl塩を薄黄色の固形物(88.7 mg, 85.2%. ジアステレオマーの混合物)として得た。 LC/MS: C
26H
37N
6 [M+H]
+ として計算:計算値:433.31; 実測値 433.56.
実施例QC-1
2 mLの乾燥ジメチルホルムアミド中の実施例QC-1g(43.0 mg, 0.074 mmol)および(S)-2-(メトキシカルボニルアミノ)-3-メチルブタン酸(Cap-51)(26.0 mg, 0.148 mmol)の溶液に、ジイソプロピルエチルアミン(78 μL, 0.446 mmol)を加えた。得られた混合液を、室温で5分間撹拌した。次いで、HATU(59 mg, 0.156 mmol)を加えた。該溶液を室温で2時間撹拌した。溶媒を減圧下において除去した。該粗生成物を、逆相HPLC(メタノール/水/TFA)により精製した。同種の画分を合わせ、飽和NaHCO3水溶液を用いて中和し、EtOAcで抽出した。有機層をMgSO4で乾燥させ、濃縮して、実施例QC-1(遊離塩基, ジアステレオマーの混合物)を白色の固形物(29.5 mg, 53.4%)として得た。 LC/MS: 保持時間 = 2.36分 (条件1); LC/MS: C40H58N8O6 [M+H]+ として計算:計算値:747.46; 実測値 747.72; HRMS: C40H58N8O6 [M+H]+ として計算:計算値:747.4558; 実測値 747.4587.
実施例QC-2〜QC-5
実施例QC-2〜QC-5を、Cap-51について各々の酸で置き換えることおよび実施例QC-1についての記載と同様の方法を用いることにより、遊離塩基 ジアステレオマー混合物として製造した
実施例QC-6
実施例QC-6a
水素化フラスコ中において、25 mLのメタノール中の実施例QC-1f(554 mg, 0.62 mmol)の溶液に、パラジウム(10%/炭素)(125 mg)を窒素下において加えた。次いで、該フラスコを、パールシェイカー上で40 atmにて終夜混合した。該反応の完了後、該混合液を濾過し、溶媒を減圧下において除去して、実施例QC-6aを無色のガラス状のジアステレオマー混合物(506 mg, 90.9%)として得た。 LC/MS: C
48H
85N
6O
6Si
2 [M+H]
+ として計算:計算値: 897.61; 実測値 897.25.
実施例QC-6b
10 mLのジクロロメタン中の実施例QC-6a(506 mg, 0.56 mmol)の溶液に、4N HCl/ジオキサン(5 mL)を加えた。次いで、得られた溶液を室温で終夜撹拌した。溶媒を減圧下において除去した。残渣を最小量のメタノールに溶解させ、ジエチルエーテルでトリチュレートした。得られた固形物を濾過により集め、ジエチルエーテルで洗浄して、実施例QC-6bのHCl塩 ジアステレオマー混合物を薄茶色の固形物(300 mg, 92%)として得た。LC/MS: C
26H
41N
6 [M+H]
+ として計算:計算値: 437.34; 実測値 437.41.
実施例QC-6
実施例QC-6を、実施例QC-1の合成について記載された方法に従って、実施例QC-6bおよびCap-52から、遊離塩基として合成した。 LC/MS: 保持時間 = 2.09分 (条件1); LC/MS: C36H54N8O6 [M+H]+ として計算:計算値: 695.42; 実測値 695.70; LC/MS: C36H54N8O6 [M+H]+ として計算:計算値: 695.4245; 実測値 695.4275.
実施例QC-7およびQC-8
実施例QC-7〜QC-8を、実施例QC-6についての記載と同様の方法を用いて、Cap-52について各々の酸で置き換えることにより、遊離塩基 ジアステレオマー混合物として製造した。
実施例QC-9
実施例QC-9a
実施例QC-9aを、実施例QC-1aの合成について記載された方法に従って、4-(4-ヒドロキシフェニル)シクロヘキサノンから、ジアステレオマー混合物として合成した。
1H NMR (500 MHz, CDCl
3) δ ppm 1.89 - 1.99 (m, 1 H) 2.04 - 2.12 (m, 1 H) 2.25 - 2.61 (m, 4 H) 2.85 - 2.95 (m, 1 H) 5.83 - 5.87 (m, 1 H) 7.20 - 7.24 (m, 2 H) 7.26 - 7.31 (m, 2 H). LC/MS: [M+H]
+ C14H12F6O6S2として計算:計算値: 453.99; 実測値 (分子は質量分析計チャンバーにおいて十分にイオン化しなかった).
実施例QC-9b
実施例QC-9bを、実施例QC-1bの合成について記載された方法に従って、実施例QC-9aからジアステレオマー混合物として合成した。
1H NMR (500 MHz, CDCl
3) δ ppm 1.27 (s, 12 H) 1.32 (s, 12 H) 1.62 - 1.75 (m, 1 H) 1.88 - 1.98 (m, 1 H) 2.14 - 2.46 (m, 4 H) 2.73 - 2.85 (m, 1 H) 6.60 - 6.67 (m, J=3.05 Hz, 1 H) 7.22 (d, J=8.24 Hz, 2 H) 7.74 (d, J=7.93 Hz, 2 H). LC/MS: [M+H]
+ C
24H
36B
2O
4として計算:計算値: 410.28; 実測値 (分子は質量分析計チャンバーにおいて十分にイオン化しなかった).
実施例QC-9c
実施例QC-9cを、実施例QC-1fの合成について記載された方法に従って、実施例QC-1eおよび実施例QC-9bから、ジアステレオマー混合物として合成した。
1H NMR (500 MHz, CDCl
3) δ ppm -0.01 (s, 18 H) 0.82 - 1.00 (m, 4 H) 1.24 (s, 9 H) 1.39 (s, 9 H) 1.72 - 2.68 (m, 14 H) 2.73 - 2.96 (m, 1 H) 3.29 - 3.81 (m, 8 H) 4.81 - 5.05 (m, 2 H) 5.06 - 5.23 (m, 2 H) 5.31 - 5.43 (m, 1 H) 5.76 - 5.90 (m, 1 H) 6.48 - 6.67 (m, 1 H) 6.74 (s, 1 H) 7.10 (s, 1 H) 7.22 (d, J=6.71 Hz, 2 H) 7.67 (d, J=7.63 Hz, 2 H); LC/MS: C
48H
77N
6O
6Si
2 [M+H]
+ として計算:計算値: 889.55; 実測値 889.83.
実施例QC-9d
実施例QC-9dを、実施例QC-1gの合成について記載された方法に従って、実施例QC-9cから合成した。 LC/MS: C
26H
33N
6 [M+H]
+ として計算:計算値: 429.28; 実測値 429.31.
実施例QC-9
実施例QC-9を、実施例QC-1の合成について記載された方法に従って、実施例QC-9dおよびCap-51から、遊離塩基 ジアステレオマー混合物として合成した。 LC/MS: 保持時間 = 2.20分 (条件1); LC/MS: C40H54N8O6 [M+H]+ として計算:計算値: 743.42; 実測値 743.31
実施例QC-10からQC-12
実施例QC-10からQC-12を、実施例QC-9についての記載と同様の方法を用いて、Cap-51について各々の酸で置き換えることにより、遊離塩基 ジアステレオマー混合物として製造した。
実施例QC-13
実施例QC-13a
150 mLのジクロロメタン中の4-ヨードフェニルエタノン(14.76 g, 60.0 mmol)の溶液に、臭素(9.5 g, 59.5 mmol)を滴下した。得られた溶液を室温で終夜撹拌した。溶媒を減圧下において除去した。該粗生成物を、ジクロロメタン/ヘキサンを用いて再結晶化し、実施例QC-13a(11.8 g, 60.5%)を灰色の固形物として得た。
1H NMR (500 MHz, CDCl
3) δ ppm 4.38 (s, 2 H) 7.68 (d, J=8.55 Hz, 2 H) 7.86 (d, J=8.85 Hz, 2 H); LC/MS: C
8H
7 71BrIO [M+H]
+ として計算:計算値: 325.86; 実測値 325.11.
実施例QC-13b
150 mLの酢酸エチル中の(S)-1-(ベンジルオキシカルボニル)ピロリジン-2-カルボン酸(6.5 g, 26.1 mmol)の溶液に、トリエチルアミン(4.0 mL, 28.7 mmol)および実施例QC-13a(8.5 g, 26.1 mmol)を、0℃にて加えた。得られた混合液を、室温で終夜撹拌した。該反応混合液を濾過した。該濾過物を、飽和炭酸水素ナトリウム水溶液、および食塩水で洗浄した。有機層をMgSO
4で乾燥させ、濃縮した。該粗生成物をフラッシュクロマトグラフィー(シリカゲル, 10-40% 酢酸エチル/ヘキサン)により精製し、白色の固形物として生成物 実施例QC-13b(15.3 g, 85.4%)を得た。
1H NMR (500 MHz, CDCl
3) δ ppm 1.87 - 2.01 (m, 1 H) 2.01 - 2.16 (m, 1 H) 2.22 - 2.42 (m, 2 H) 3.44 - 3.58 (m, 1 H) 3.59 - 3.71 (m, 1 H) 4.45 - 4.58 (m, 1 H) 5.04 - 5.50 (m, 4 H) 7.27 - 7.38 (m, 5 H) 7.53 (d, J=8.24 Hz, 1 H) 7.59 (d, J=8.24 Hz, 1 H) 7.85 (dd, J=8.39, 3.81 Hz, 2 H). LC/MS: C
21H
21INO
5 [M+H]
+ として計算:計算値: 494.05; 実測値 494.32.
実施例QC-13c
250 mLのキシレン中の実施例QC-13b(15.3 g, 31 mmol)および酢酸アンモニウム(18.0 g, 233 mmol)の溶液を、110℃で終夜撹拌した。該反応混合液を、食塩水で洗浄し、MgSO
4で乾燥させ、濃縮した。該粗生成物をフラッシュクロマトグラフィー(シリカゲル, 25%-65% 酢酸エチル/ヘキサン)により精製し、黄色の固形物として生成物 実施例QC-13c(14.1 g, 96.1%)を得た。
1H NMR (300 MHz, CDCl
3) δ ppm 1.88 - 2.03 (m, 1 H) 2.08 - 2.33 (m, 2 H) 2.82 - 3.16 (m, 1 H) 3.33 - 3.67 (m, 2 H) 4.87 - 5.31 (m, 3 H) 7.20 (s, 1 H) 7.27 - 7.41 (m, 5 H) 7.42 - 7.73 (m, 4 H) 10.38/10.76 (s/s, 1 H). LC/MS: C
21H
21IN
3O
2 [M+H]
+ として計算:計算値: 474.07; 実測値 474.20.
実施例QC-13d
30 mLのジメチルホルムアミド中の実施例QC-13c(7.6 g, 16.06 mmol)の溶液に、水素化ナトリウム(0.706 g, 17.66 mmol)を加えた。得られた混合液を室温で40分間撹拌した。次いで、2-(トリメチルシリル)エトキシメチルクロリド(2.84 ml, 16.06 mmol)を5分かけて滴下した。室温で2時間撹拌した後、該反応液を水でクエンチし、酢酸エチルで抽出した。有機層を合わせて、食塩水で洗浄し、MgSO
4で乾燥させ、濃縮した。該粗生成物をフラッシュクロマトグラフィー(シリカゲル, 25%-50% 酢酸エチル/ヘキサン)により精製して、実施例QC-13d(8.5 g, 88%)を黄色の油状物として得た[注:該生成物の正確なSEM-位置化学的構成は決定されなかった]。
1H NMR (500 MHz, CDCl
3) δ ppm -0.02/- 0.05 (回転異性体, s/s, 9 H) 0.73 - 0.99 (m, 2 H) 1.87 - 2.02 (m, 1 H) 2.09 - 2.34 (m, 2 H) 2.34 - 2.48 / 2.50 - 2.68 (回転異性体, m/m, 1 H) 3.26 - 3.44 (m, 1 H) 3.45 - 3.84 (m, 3 H) 4.59/4.85 (回転異性体, d/d, J=11.29 Hz/12.21 Hz, 1 H) 4.89 - 5.13 (m, 3 H) 5.16/5.90 (回転異性体, d/d, J=10.99 Hz/10.99 Hz, 1 H) 6.94 - 7.04 (m, 1 H) 7.13 - 7.37 (m, 5 H) 7.50 (d, J=8.55 Hz, 2 H) 7.61 - 7.71 (m, 2 H). C
27H
35IN
3O
3Si [M+H]
+ として計算:計算値: 604.15; 実測値 604.44.
実施例QC-13e
150 mLのメタノール中の実施例QC-1d(8.5 g, 23.13 mmol)の溶液に、9 mLの4 M HCl/ジオキサンを加えた。室温で終夜撹拌した後、該反応溶液を減圧下において濃縮し、黄色の油状物を得た。該黄色の油状物を、終夜、減圧下に置き、(S)-4-ヨード-2-(ピロリジン-2-イル)-1-((2-(トリメチルシリル)エトキシ)メチル)-1H-イミダゾール HCl塩を黄色の固形物として得た。
水酸化ナトリウム水溶液中(25.4 mL, 50.9 mmol)中の(S)-2-(ピロリジン-2-イル)-1-((2-(トリメチルシリル)エトキシ)メチル)-1H-イミダゾール HCl塩(7.03 g, 23.13 mmol)の混合液に、0℃にて、クロロギ酸ベンジル(3.63 mL, 25.4 mmol)および水酸化ナトリウム水溶液(2M, 12.72 mL, 25.4 mmol)を同時に、1時間かけて滴下した。0℃でさらに1時間撹拌した後、該反応混合液を酢酸エチルで抽出した。有機層を合わせてMgSO4で乾燥させ、濃縮した。該粗生成物をフラッシュクロマトグラフィー(シリカゲル, 25%-65% 酢酸エチル/ヘキサン)により精製して、実施例QC-13e(8.8 g, 21.9 mmol, 95%)を得た。 1H NMR (500 MHz, CDCl3) δ ppm -0.07/-0.03 (回転異性体, s/s, 9 H) 0.69 - 0.97 (m, 2 H) 1.84 - 2.00 (m, 1 H) 2.05 - 2.50 (m, 3 H) 3.23 - 3.38 (m, 1 H) 3.42 - 3.85 (m, 3 H) 4.52/4.87 (回転異性体, d/d, J=11.29 Hz, 1 H) 4.89 - 5.14 (m, 3 H) 5.13/5.85 (回転異性体, d/d, J=10.99 Hz, 1 H) 6.70/6.87 (回転異性体, s/s, 1 H) 6.94 - 6.99 (m, 1 H) 6.99 - 7.05 (m, 1 H) 7.25 - 7.33 (m, 4 H). LC/MS: C21H32N3O3Si [M+H]+ として計算:計算値: 402.22; 実測値 402.26.
実施例QC-13f
100 mLのアセトニトリル中の実施例QC-13e(8.8 g, 21.91 mmol)の溶液に、0℃にて、60 mLのアセトニトリル中のNBS(3.90 g, 21.91 mmol)を、10分かけて滴下した。0℃で2時間撹拌した後、溶媒を減圧下において除去した。残渣をジクロロメタンに溶解させ、水で洗浄した。有機層をMgSO
4で乾燥させ、濃縮した。該粗生成物をフラッシュクロマトグラフィー(シリカゲル, 20%-30% 酢酸エチル/ヘキサン)により精製して、実施例QC-13f(7.5 g, 15.61 mmol, 71.2%)を黄色の油状物として得た。
1H NMR (500 MHz, クロロホルム-D) δ ppm -0.06/-0.02 (回転異性体, s/s, 9 H) 0.67 - 1.00 (m, 2 H) 1.85 - 1.99 (m, 1 H) 2.03 - 2.16 (m, 1 H) 2.16 - 2.43 (m, 2 H) 3.36 (t, J=8.24 Hz, 1 H) 3.48 - 3.79 (m, 3 H) 4.68/4.82 (回転異性体, d/d, J=11.60 Hz, 1 H) 4.85 - 5.15 (m, 3 H) 5.27/5.81 (回転異性体, d/d, J=11.29 Hz, 1 H) 6.93/6.94 (s/s, 1 H) 6.95 - 7.02 (m, 1 H) 7.25 - 7.36 (m, 4 H). LC/MS: C
21H
30 79BrN
3O
3Si [M]
+ として計算:計算値: 479.12; 実測値 479.26.
実施例QC-13g
DME(180 ml)および水(60.0 ml)中の実施例QC-13f(4.08 g, 8.49 mmol)、tert-ブチル 4-(4,4,5,5-テトラメチル-1,3,2-ジオキサボロラン-2-イル)-5,6-ジヒドロピリジン-1(2H)-カルボキシレート(2.63 g, 8.49 mmol)、および炭酸水素ナトリウム(2.140 g, 25.5 mmol)の混合液に、テトラキス(トリフェニルホスフィン)パラジウム(0)(0.491 g, 0.425 mmol)を加えた。得られた混合液を、85℃で終夜撹拌し。溶媒を減圧下において除去した。水性混合液を、20% メタノール/クロロホルムで抽出した。有機層を、水、食塩水で洗浄し、MgSO
4で乾燥させ、濃縮した。該粗生成物を、フラッシュクロマトグラフィー(シリカゲル, 25%-50% 酢酸エチル/ヘキサン)により精製して、実施例QC-13g(3.8 g, 6.52 mmol, 76.8%)を黄色の油状物として得た。
1H NMR (500 MHz, CDCl
3) δ ppm -0.06/-0.04 (回転異性体, s/s, 9 H) 0.69 - 0.97 (m, 2 H) 1.45/1.47 (回転異性体, s/s, 9 H) 1.85 - 1.99 (m, 1 H) 2.05 - 2.28 (m, 2 H) 2.29 - 2.63 (m, 3 H) 3.20 - 3.80 (m, 6 H) 4.05 (s, 2 H) 4.51/4.85 (回転異性体, d/d, J=11.29 Hz, 1 H) 4.81 - 5.13 (m, 3 H) 5.11/5.86 (回転異性体, d/d, J=10.99 Hz, 1 H) 6.37 (s, 1 H) 6.57/6.76 (回転異性体, s/s, 1 H) 7.01 (d, J=5.49 Hz, 1 H) 7.19 - 7.37 (m, 4 H). LC/MS: C
31H
47N
4O
5Si [M+H]
+ として計算:計算値: 583.33; 実測値 583.65.
実施例QC-13h
40 mLのメタノール中の実施例QC-13g(3.8g, 6.52 mmol)の溶液に、HCl(4N/ジオキサン, 10 ml, 40.00 mmol)を加えた。該溶液を、室温で終夜撹拌した。溶媒を減圧下において除去した。残渣に、飽和炭酸水素ナトリウムを加えた。該混合液を酢酸エチルで抽出した。有機層を合わせて、食塩水で洗浄し、MgSO
4で乾燥させ、濃縮した。該粗生成物をフラッシュクロマトグラフィー(シリカゲル, 5% メタノール/ジクロロメタン)により精製して、実施例QC-13h(1.90 g, 3.94 mmol, 60.4%)を黄色の固形物として得た。
1H NMR (500 MHz, クロロホルム-D) δ ppm -0.06/-0.02 (回転異性体, s/s, 9 H) 0.69 - 1.05 (m, 2 H) 1.78 - 2.00 (m, 1 H) 2.01 - 2.52 (m, 3 H) 2.63 (s, 2 H) 3.23 - 3.76 (m, 6 H) 3.81 (s, 2 H) 4.45 - 5.87 (m, 5 H) 6.28 (s, 1 H) 6.65/6.84 (回転異性体, s/s, 1 H) 6.93 - 7.09 (m, 1 H) 7.17 - 7.42 (m, 4 H). LC/MS: C
26H
39N
4O
3Si [M+H]
+ として計算:計算値: 483.28; 実測値 483.55.
実施例QC-13i
DMSO(30 ml)中の、実施例QC-13d(3.19 g, 5.28 mmol)、実施例QC-13h(1.7 g, 3.52 mmol)、ヨウ化銅(I)(0.134 g, 0.704 mmol)、L-プロリン(0.162 g, 1.409 mmol)および炭酸水素カリウム(0.973 g, 7.04 mmol)の混合液を、窒素で10分バブルした。次いで、該混合液を90℃で終夜撹拌した。該反応液に水を加えた。該混合液を酢酸エチルで抽出した。有機層を合わせて、食塩水で洗浄し、MgSO
4で乾燥させ、濃縮した。該粗生成物をフラッシュクロマトグラフィー(シリカゲル, 10%-40% 酢酸エチル/ヘキサン、次いで40%-75% 酢酸エチル/ヘキサン)により精製して、実施例QC-13i(1.30 g, 38.6%)を黄色の油状物として得た。[注:該生成物の正確なSEM-位置化学的構成は決定されなかった。]
1H NMR (300 MHz, CDCl
3) δ ppm -0.19 - 0.10 (m, 18 H) 0.65 - 1.06 (m, 4 H) 1.69 - 2.01 (m, 2 H) 2.07 - 2.75 (m, 8 H) 3.22 - 3.99 (m, 12 H) 4.60 (t, J=10.61 Hz, 1 H) 4.77 - 5.29 (m, 9 H) 5.72 (d, J=10.61 Hz, 0.5 H) 5.80 - 5.97 (m, 1 H) 6.06 (s, 0.5 H) 6.84 - 7.11 (m, 5 H) 7.17 - 7.24 (m, 2 H) 7.26 - 7.39 (m, 6 H) 7.62 - 7.73 (m, 2 H); LC (条件1): 保持時間 = 3.28分; LC/MS: C
53H
72N
7O
6Si
2 [M+H]
+ として計算:計算値: 958.51; 実測値 958.84.
実施例QC-13j
水素化フラスコ中において、メタノール(10 ml)および酢酸エチル(10.00 mL)中の実施例QC-13i(600 mg, 0.626 mmol)およびパラジウム炭素(666 mg, 0.626 mmol)の混合液を、水素(50 atm)下に16時間置いた。触媒を濾過した。該濾過物に、6 mLの4 N HCl/1,4-ジオキサンを加え、得られた溶液を室温で終夜撹拌した。溶媒を減圧下において除去した。残渣をジエチルエーテルでトリチュレートした。得られた固形物を濾過により集め、ジエチルエーテルで洗浄して、実施例QC-13jのHCl塩(232 mg, 86%)を茶色の油状物様の固形物として得た。
1H NMR (500 MHz, DMSO-D
6) δ ppm 1.79 - 2.05 (m, 6 H) 2.12 - 2.23 (m, 2 H) 2.29 - 2.48 (m, 8 H) 2.80 - 2.96 (m, 2 H) 3.29 - 3.52 (m, 3 H) 4.96 - 5.10 (m, 2 H) 6.93/7.10 (s/s, 2H) 7.20 - 7.49 (m, 4 H); LC (条件2): 保持時間 = 0.69分; LC/MS: C
25H
34N
7 [M+H]
+ として計算:計算値: 432.29; 実測値 432.30.
実施例QC-13
実施例QC-13を、実施例QC-1の合成について記載された方法に従って(最終精製物質を中和しなかったことおよび実施例QC13をTFA塩として得たことを除く)、実施例QC-14jおよびCap-51から合成した。 LC/MS: 保持時間 = 1.95分. (条件1); LC/MS: C39H56N9O6 [M+H]+ として計算:計算値: 746.44; 実測値 746.97.
実施例QC-14およびQC-15
実施例QC-14〜QC-15を、実施例QC-13についての記載と同様の方法を用いて、Cap-51について各々の酸で置き換えることにより、TFA塩として合成した、
実施例QC-16およびQC-17
実施例QC-16a
10 mLのメタノール中の実施例QC-9c(260 mg, 0.3 mmol)の溶液に、パラジウム(10%/炭素)(100 mg)を窒素下において加えた。次いで、該フラスコを減圧し、N
2で3回フラッシュした。再び減圧した後、該混合液をH
2バルーン下において終夜、水素化した。反応が完了した後、該混合液を濾過し、溶媒を減圧下において除去して、実施例QC-16aを、グリース状の固形物のジアステレオマー混合物として得た。 LC/MS: 保持時間 = 3.28分 (条件1); LC/MS: C
48H
87N
6O
6Si
2 [M+H]
+ として計算:計算値: 891.56; 実測値 891.64.
実施例QC-16b
実施例QC-16bを、実施例QC-1gの合成について記載された方法に従って、実施例QC-16aから、ジアステレオマー混合物として合成した。 LC/MS: 保持時間 = 1.53分および1.64分(条件1); LC/MS: C
26H
35N
6 [M+H]
+ として計算:計算値: 431.29; 実測値 431.25および431.26.
実施例QC-16およびQC-17
実施例QC-16およびQC-17を、実施例QC-1の合成について記載された方法に従って、実施例QC-13bおよびCap-51から、遊離塩基として合成した。該粗残渣を、逆相HPLC(アセトニトリル/水/NH4OAc)により精製して、2つのジアステレオマー、QC-16およびQC-17を得た。QC-16: 1H NMR (300 MHz, DMSO-D6) δ ppm 0.73-0.93 (m, 12H), 1.45-2.30 (m, 18H), 2.40-2.65 (m, DMSO溶媒ピークと重複), 3.15-3.45 (m, 水ピークと重複), 3.52 (s, 6H), 3.75 (m, 3H), 4.01 (m, 2H), 5.03 (m, 2H), 7.00-7.70 (m, 6H), 11.23 (d, 1H), 11.66 (br, 1 H); LC/MS: 保持時間 = 2.20分 (条件1); LC/MS: C40H56N8O6 [M+H]+ として計算:計算値: 745.44; 実測値 745.31; QC-17: 1H NMR (500 MHz, DMSO-D6) δ ppm 0.75-0.93 (m, 12H), 1.30-1.62 (m, 4H), 1.75-2.22 (m, 14H), 2.40-2.65 (m, DMSO溶媒ピークと重複), 3.15-3.45 (m, 水ピークと重複), 3.53 (s, 6H), 3.78 (m, 3H), 4.04 (m, 2H), 5.03 (m, 2H), 7.10-7.70 (m, 6H), 11.25 (d, 1H), 11.68 (br, 1 H); LC/MS: 保持時間 = 2.20分 (条件1); LC/MS: C40H56N8O6 [M+H]+ として計算:計算値: 745.44; 実測値 745.37.
実施例M-1
実施例M-1a
臭素(2.25 g, 14.1 mmol)のジクロロメタン(13 mL)溶液を、ジクロロメタン(40 mL)中の4-(メトキシカルボニル)ビシクロ(bicycle)[2.2.2]オクタン-1-カルボン酸(2.02 g, 9.52 mmol)および酸化水銀(3.5 g, 16.16 mmol)の不均一な還流中の混合液に10分かけて滴下し、3.3時間、加熱を続けた。該反応混合液を室温まで冷却した後、濾過し、得られた薄オレンジ色の濾液をMgSO
4で処理し、再度濾過した。該濾液の揮発性成分を減圧除去し、得られた残渣を、BIOTAGE(登録商標)(5-10% 酢酸エチル/ヘキサン)を用いて精製して、実施例M-1aを白色の固形物(1.37g)として得た。
1H NMR (DMSO-d
6, δ = 2.50, 400 MHz): 3.56 (s, 3H), 2.22-2.18 (m, 6H), 1.91-1.87 (m, 6H). LC (条件2): 保持時間 = 1.79分 LC/MS: [M+H]
+ として計算:計算値: C
10H
16BrO
2: 247.03, 実測値 247.33.
実施例M-1b
実施例M-1a(3.758 g, 15.21 mmol)のベンゼン(65 mL)溶液を、ベンゼン(200 mL)および三塩化アルミニウム(8.93 g, 67 mmol)の冷却した(〜-12℃)混合液に15分かけて滴下した。該不均一な混合液を、冷却浴を徐々に〜3℃まで緩和しながら、1時間撹拌した後、該冷却浴を取り外し、撹拌を〜14時間続けた。次いで、該反応混合液を〜4時間加熱した後、該混合液を周囲条件まで冷却し、ほとんどの揮発性成分を減圧除去した。残渣をジクロロメタン(100 mL)に溶解させ、150 mLの氷-水に注ぎ入れ、相を分離した。水相をジクロロメタン(50 mL)で洗浄し、有機相を合わせて、飽和炭酸水素ナトリウムで洗浄し、乾燥させ(MgSO
4)、減圧エバポレートした。得られた粗物質からシリカゲルメッシュを調製し、フラッシュクロマトグラフィー(3-4.5% 酢酸エチル/ヘキサン)で処理して、実施例M-1bをオフホワイト色の固形物(2.739 g)として得た。
1H NMR (DMSO-d
6, δ = 2.50, 400 MHz): 7.34-7.26 (m, 4H), 7.18-7.13 (m, 1H), 3.59 (s, 3H), 1.86-1.76 (m, 12H). LC (条件2): 保持時間 = 2.04分. LC/MS: [M+H]
+ として計算:計算値: C
16H
21O
2: 245.15, 実測値 245.24.
実施例M-1c
臭素(2.07 g, 12.95 mmol)のクロロホルム(16 mL)溶液を、激しく撹拌したクロロホルム (45 mL)中の実施例M-1b(3.01 g, 12.33 mmol)およびトリフルオロ酢酸銀(3.15 g, 14.26 mmol)の混合液に、滴下漏斗を介して、13分かけて滴下した。105分間撹拌した後、沈殿物を濾過し、クロロホルムで洗浄し、該濾液を減圧エバポレートした。得られた粗物質をフラッシュクロマトグラフィー(サンプルをシリカゲルメッシュとしてロードした; 4-6% 酢酸エチル/ヘキサン)を用いて精製し、実施例M-1cを白色の固形物(3.495 g)として得た。
1H NMR (DMSO-d
6, δ = 2.50, 400 MHz): 7.46 (d, J = 8.5, 2H), 7.28 (d, J = 8.8, 2H), 3.59 (s, 3H), 1.82-1.76 (m, 12H). LC (条件2): 保持時間 = 2.16分 LC/MS: [M+H]
+ C
16H
20BrO
2として計算:計算値: 323.06, 実測値 323.18.
実施例M-1d
ブチルリチウム(1.6 M/ヘキサン)(19.5 mL, 31.2 mmol)を、冷却(氷-水)したi-Pr
2NH(4.5 mL, 31.6 mmol)のテトラヒドロフラン(10 mL)溶液に15分かけて滴下し、25分間撹拌した。得られたLDA溶液を、冷却した(-78℃)実施例M-1c(2.48g, 7.68 mmol)およびクロロヨードメタン(5.57 g, 31.6 mmol)のテトラヒドロフラン(30 mL)溶液に15分かけて滴下し、130分間撹拌した。酢酸(12 mL)のテトラヒドロフラン(30 mL)溶液を上記の反応混合液に10分かけて滴下し、20分後に該冷却浴を取り外し、30分間撹拌を続けた。その後、揮発性成分を減圧除去し、残渣を酢酸エチル(100 mL)に溶解させ、飽和炭酸水素ナトリウム溶液(20 ml, 4x)およびチオ硫酸ナトリウム溶液(3.3 g/30 mL 水)で洗浄し、乾燥させ(MgSO
4)、減圧エバポレートした。得られた粗物質からシリカゲルメッシュを調製し、フラッシュクロマトグラフィー(30-50% ジクロロメタン/ヘキサン)で処理して、実施例M-1dをオフホワイト色の固形物(2.02 g)として得た。
1H NMR (DMSO-d
6, δ = 2.50, 400 MHz): 7.46 (d, J = 8.6, 2H), 7.29 (d, J = 8.6, 2H), 4.78 (s, 2H), 1.82-1.76 (m, 12H). HRMS: [M] C
16H
18BrClOとして計算:計算値: 340.0230, 実測値 340.0234.
実施例M-1e
ジホルミルイミドナトリウム塩(0.7187 g, 7.18 mmol)およびヨウ化カリウム(0.148 g, 0.892 mmol)を、実施例M-1d(1.01 g, 2.96 mmol)のテトラヒドロフラン(12.5 mL)溶液に加え、該不均一な混合液を数分間超音波処理した後、周囲条件で〜23時間撹拌した。該反応混合液を濾過し、該濾過された固形物をジクロロメタンで洗浄し、該濾過物を減圧エバポレートした。得られたクルードな固形物を、メタノール(40 mL)、水(20 mL)および濃HCl(2.5 mL)を含む350 mLの圧力管に移し入れ、該不均一な混合液を60℃で23時間加熱した。揮発性成分を減圧除去して、実施例M-1eを薄黄色の固形物(1.078 g)として得て、それをさらなる精製は行わずに次の工程に用いた。
1H NMR (DMSO-d
6, δ = 2.50, 400 MHz): 8.01 (ブロードのs, 〜3H), 7.48 (d, J = 8.6, 2H), 7.30 (d, J = 8.6, 2H), 4.06 (s, 2H), 1.80 (見かけ上のs, 12H). LC (条件2): 保持時間 = 1.58分 LC/MS: [M+H]
+ C
16H
21BrNOとして計算:計算値: 322.08, 実測値 322.21.
実施例M-1f
i-Pr
2EtN(1.02 mL, 2.5 mmol)を、ジメチルホルムアミド(15 mL)中の実施例M-1e(0.84 g, 2.35 mmol)、Boc-L-プロリン(0.657 g, 3.05 mmol)およびHATU(1.07 g, 2.82 mmol)の混合液に数分かけて滴下し、該反応混合液を50分間撹拌した。揮発性成分を減圧除去し、残渣をジクロロメタン(80 mL)に溶解させ、水(25 mL, 2x)および飽和炭酸水素ナトリウム(25 mL, 2x)で洗浄した。有機層を乾燥させ(MgSO
4)、減圧エバポレートした。該得られた粗物質を、BIOTAGE(登録商標)精製(100 g シリカゲル; 40-70% 酢酸エチル/ヘキサン)で処理し、実施例M-1fを白色の高密度の固形物(938 mg)として得て;また、実施例M-1fのわずかに不純なサンプルも回収した(118 mg)。
1H NMR (DMSO-d
6, δ = 2.50, 400 MHz): 7.92-7.85 (m, 1H), 7.47 (d, J = 8.8, 2H), 7.29 (d, J = 8.8, 2H), 4.16-4.01 (m, 3H), 3.40-3.24 (m, 2H;水シグナルと部分的に重複), 2.15-2.00 (m, 1H), 1.89-1.70 (m, 15H), 1.39/1.33 (2つの重複したs, 9H). LC (条件2): 保持時間 = 2.10分. LC/MS: [M+H]
+ C
26H
36BrN
2O
4として計算:計算値: 519.19, 実測値 519.18.
実施例M-1g
キシレン(12 mL)中の実施例M-1f(1.044 g, 2.01 mmol)および酢酸アンモニウム(1.260 g, 16.35 mmol)の混合液を、マイクロ波を用いて140℃で2時間、加熱した。さらなる酢酸アンモニウム(240 mg, 3.11 mmol)を加え、該混合液を同様に30分間加熱した。次いで、揮発性成分を減圧除去し、残渣をジクロロメタン(80 mL)、水(20 mL)および飽和炭酸水素ナトリウム溶液(4 mL)で処理し、激しく撹拌して、相を分離した。有機層を乾燥させ(MgSO
4)、減圧エバポレートした。該粗物質を、BIOTAGE(登録商標)(60-100% 酢酸エチル/ヘキサン)で精製し、実施例M-1gを白色の泡状物質(716 mg)として回収した。
1H NMR (MeOH-d
4, δ = 3.29, 400 MHz): 7.39 (d, J = 8.6, 2H), 7.26 (d, J = 8.8, 2H), 6.57/6.54 (重複するブロードのs, 1H), 4.78-4.72 (m, 1H), 3.66-3.57 (m, 1H), 3.48-3.41 (m, 1H), 2.32-1.86 (ブロードのmの重複&見かけ上のs, 16H), 1.43 (見かけ上のs, 2.61H), 1.20 (s, 6.39H). LC (条件2): 保持時間 = 1.80分. LC/MS: [M+H]
+ C
26H
35BrN
3O
2として計算:計算値: 500.19, 実測値 500.11.
実施例M-1h
水素化ナトリウム(60%; 57 mg, 1.43 mmol)を、イミダゾール実施例M-1g(503 mg, 1.005 mmol)のジメチルホルムアミド(6 mL)溶液に一度に加え、該混合液を70分間撹拌した。次いで、SEM-Cl(0.21 mL, 1.187 mmol)を上記の反応混合液に30秒かけて滴下し、該不均一な混合液を4.3時間撹拌した。揮発性成分を減圧除去し、残渣をジクロロメタンおよび水間に分配した。有機層を乾燥させ(MgSO
4)、減圧エバポレートした。得られた粗物質を、BIOTAGE(登録商標)(20-35% 酢酸エチル/ヘキサン)を用いて精製し、実施例M-1hを白色の泡状物質(417 mg)として得た。
1H NMR (DMSO-d
6, δ = 2.50, 400 MHz): 7.46 (d, J = 8.6, 2H), 7.31 (d, J = 8.8, 2H), 6.78/6.75 (2つの重複するs, 1H), 5.54 (ブロードのd, J = 10.5, 0.32H), 5.28 (ブロードのd, J = 11.1, 0.68H), 5.17 (見かけ上のブロードのd, J = 10.8, 1H), 4.88 (ブロードのm, 0.32H), 4.78 (ブロードのm, 0.68H), 3.5-3.3 (m, 4H), 2.28-1.73 (ブロードのmの重複&見かけ上のs, 16H), 1.35 (s, 2.9H), 1.11 (s, 6.1H), 0.89-0.75 (m, 2H), -0.04 (s, 9H). LC/MS (条件2): [M+H]
+ C
32H
49BrN
3O
3Siとして計算:計算値: 630.27, 実測値 630.33.
実施例M-1i
酢酸パラジウム(II)(15.7 mg, 0.070 mmol)を、ジオキサン(8 mL)中の実施例M-1h(539 mg, 0.855 mmol)、実施例QC-1d(409.3 mg, 1.14 mmol)、トリフェニルホスフィン(35.5 mg, 0.135 mmol)および炭酸水素カリウム(132 mg, 0.958 mmol)を含む75 mLの圧力管に一度に加え、該反応混合液を窒素で5分間フラッシュし、120℃の油浴で16時間加熱した。それを周囲条件まで冷却した後、該混合液を濾過し、該濾過物をロータリーエバポレーターで処理した。得られた粗物質を、BIOTAGE(登録商標)(100 g シリカゲル; 40-80% 酢酸エチル/ヘキサン)および逆相HPLC(水/メタノール/TFA)の組み合わせで精製した。HPLC画分を合わせて、過剰量のNH
3/メタノールで中和し、ロータリーエバポレーターで処理し、得られた物質を、ジクロロメタン(50 mL)、水(30 mL)および飽和炭酸水素ナトリウム溶液(1 mL)間に分配した。有機相を乾燥させ(MgSO
4)、減圧エバポレートして、実施例M-1iを白色の泡状物質(352 mg)として得た。正確なSEM位置化学的構成は、本目的において重要でないとして、決定されなかった。
1H NMR (DMSO-D
6, δ = 2.50, 400 MHz): 7.45-7.35 (m, 4H), 6.93/6.91 (重複するs, 1H), 6.79/6.76 (重複するs, 1H), 5.56-5.52 (m, 0.7H), 5.37-5.16 (m, 3.3H), 5.05-4.78 (m, 2H), 3.56-3.33 (m, 8H), 2.29-1.76 (m, 20H), 1.37 (s, 6.53), 1.13/1.12 (重複するs, 11.47 H), 0.90-0.76 (m, 4H), -0.03/-0.06/-0.07 (重複するs, 18H). LC/MS (条件2): [M-SEM+H]
+ C
44H
44N
6O
5Siとして計算:計算値: 786.49; 実測値 787.50.
実施例M-1j
水(2 mL)および濃HCl(1 mL)の混合液を、HCl/ジオキサン(4.0 N, 7 mL)および実施例M-1i(348 mg, 0.379 mmol)の混合液に加え、得られた溶液を、周囲条件にて、LC/MS分析により反応の完了が示されるまで(〜48時間)撹拌した。揮発性成分を減圧除去して、実施例M-1j(.4HCl)をオフホワイト色の固形物として得て、重量は244.6 mg(理論的収量を〜16 mg上回る)であった。該サンプルは未同定の不純物を含んでいたが、精製は行わずに次の工程に用いた。 LC (条件2): 保持時間 = 0.86分. LC/MS: [M+H]
+ C
28H
37N
6として計算:計算値: 457.31; 実測値 457.36.
実施例M1
HATU(106.2 mg, 0.279 mmol)を、実施例M-1j(4HCl塩)(78 mg, 0.129 mmol)、(S)-2-(メトキシカルボニルアミノ)-3-メチルブタン酸(57.7 mg, 0.329 mmol)およびi-Pr2EtN(0.15 mL, 0.859 mmol)のジメチルホルムアミド(2 mL)溶液に加え、該反応混合液を30分間撹拌した。揮発性成分を減圧除去し、該粗物質を、最初にMCX(2g; メタノール洗浄; 2.0 M アンモニア/メタノール溶出)に通し、次いで逆相HPLC精製(水/メタノール/TFA)で処理して、吸湿性の物質を得た。該精製された物質を、遊離塩基にし(free-based)(MCX; メタノール洗浄; 2.0 M アンモニア/メタノール溶出)、減圧乾燥させ、実施例M-1をオフホワイト色の泡状物質(43 mg)として得た。 1H NMR (DMSO-D6, δ = 2.50, 400 MHz): 12.16-11.18 (sの集まり, 〜2H), 7.65-6.37 (m, 8H), 5.30-4.99 (m, 2H), 4.06-3.99 (m, 2H), 3.83-3.65 & 3.55-3.49 (m, 4H), 3.525/3.53/3.41 (3つのs, 6H), 2.18-1.75 (m, 22H), 0.89-0.81 (m, 12H). LC (条件2): 保持時間 = 1.33分. LC/MS: [M+H]+ C42H59N8O6として計算:計算値: 771.46; 実測値 771.47.
実施例M-2およびM-3
実施例M2およびM3を、実施例M-1の合成について記載された方法を用いることにより(第2の逆相HPLCシステム(水/アセトニトリル/TFA)を用いてさらなる精製を行ったこと、および最終精製物質を遊離塩基にしなかったことを除く)、実施例M-1jおよび適切な酸からTFA塩として製造した。
実施例M-4
実施例M-4a
ヒューニッヒ塩基(500 μL, 2.87 mmol)を、(S)-1-(tert-ブトキシカルボニル)ピロリジン-2-カルボン酸(645 mg, 3.00 mmol)、実施例M-1d(405 mg, 1.185 mmol)およびヨウ化カリウム(60.5 mg, 0.364 mmol)のアセトニトリル(5 mL)/ジクロロメタン(5 mL)半溶液に、〜1分かけて滴下し、該反応混合液を周囲条件で〜18時間撹拌した。揮発性成分を減圧除去し、残渣をジクロロメタンおよび水間に分配し、乾燥させ(MgSO
4)、減圧エバポレートした。得られた粗物質を、BIOTAGE(登録商標)精製(15-30% 酢酸エチル/ヘキサン)で処理し、実施例M-4aを白色の泡状物質(559 mg)として得た。
1H NMR (DMSO-D
6, δ = 2.50, 400 MHz): 7.47 (d, J = 8.5, 2H), 7.29 (d, J = 8.8, 2H), 5.13-4.91 (m, 2H), 4.29-4.23 (m, 1H), 3.39-3.26 (m, 2H), 2.30-2.16 (m, 1H), 2.11-2.03 (m, 1H), 1.89-1.73 (m, 14H), 1.39 (s, 3.59H), 1.34 (s, 5.41H). LC (条件2): 保持時間 = 2.20分. LC/MS: [M-Boc+H]
+ C
21H
27BrNO
3として計算:計算値: 420.12; 実測値 420.13.
実施例M-4b
酢酸アンモニウム(825 mg, 10.70 mmol)を実施例M-4a(556 mg, 1.068 mmol)のトルエン(10 mL)溶液中に加え、該混合液を、〜120℃の油浴を備えたDean-Stark下において〜5.7時間加熱した。それを周囲条件まで冷却した後、揮発性成分を減圧除去し、残渣を、ジクロロメタン(50 mL)および50%飽和炭酸水素ナトリウム溶液(20 mL)間に慎重に分配した。有機層を乾燥させ(MgSO
4)、減圧エバポレートした。得られた粗物質をBIOTAGE(登録商標)(0-20% 酢酸エチル/ジクロロメタン)で精製して、実施例M-4b(430 mg)を高密度の固形物として、および実施例M-1g(12 mg)を白色の膜状物として得た。実施例M-4b:
1H NMR (DMSO-D
6, δ = 2.50, 400 MHz): 7.67/7.63 (重複したs, 1H), 7.47 (d, J = 8.5, 2H), 7.31 (d, J = 8.8, 2H), 4.85-4.73 (m, 1H), 3.48-3.42 (m, 1H), 3.38-3.32 (m, 1H), 2.29-2.15 (m, 1H), 1.95-1.75 (15H), 1.38 (s, 2.21H), 1.18 (s, 6.79H). LC (条件2): 保持時間 = 2.28分. LC/MS: [M+H]
+ C
26H
34BrN
2O
3として計算:計算値: 501.18; 実測値 501.15.
実施例M-4c
酢酸パラジウム(II)(11.1 mg, 0.049 mmol)を、ジオキサン(7 mL)中の実施例M-4b(412 mg, 0.822 mmol)、実施例QC-1d(323 mg, 0.879 mmol)、トリフェニルホスフィン(25.1 mg, 0.096 mmol)および炭酸水素カリウム(139 mg, 1.004 mmol)を含む75 mLの圧力管に一度に加え、該反応混合液を窒素で数分間フラッシュし、122℃の油浴を用いて〜17時間加熱した。それを周囲条件まで冷却した後、該混合液を濾過し、該濾液をエバポレートした。得られた粗物質を、BIOTAGE(登録商標)(100 g シリカゲル; 40-100% 酢酸エチル/ヘキサン)および逆相HPLC(水/メタノール/TFA)の組み合わせを用いて精製した。HPLC画分を合わせ、過剰量のアンモニア/メタノールを用いて中和し、減圧濃縮し、得られた物質をジクロロメタン(50 mL)および低濃度の炭酸水素ナトリウム水溶液(〜6%, 32 mL)間に分配した。有機相を乾燥させ(MgSO
4)、減圧濃縮し、結合(coupled)生成物 実施例M-4cを白色の泡状物質(162 mg)として得た。SEM保護基の正確な位置化学的構成は、本目的において重要でないとして、決定されなかった。
1H NMR (DMSO-D
6, δ = 2.50, 400 MHz): 7.67/7.64 (重複したs, 1H), 7.45-7.35 (m, 4H), 6.93/6.91 (重複したs, 1H), 5.54-4.74 (m, 4H), 3.57-3.33 (m, 6H), 2.29-1.77 (m, 20H), 1.38/1.37 (重複したs, 5.85H), 1.19/1.13 (重複したs, 12.15H), 0.83-0.76 (2H), -0.06/-0.07 (重複したs, 9H). LC (条件2): 保持時間 = 2.09分. LC/MS: [M+H]
+ C
44H
66N
5O
6Siとして計算:計算値: 788.48; 実測値 788.54.
実施例M-4d
HCl(6 mLの4.0 N HCl/ジオキサン)を実施例M-4c(158.1 mg, 0.201 mmol)に加え、該混合液を周囲条件で15時間撹拌すると、濃い懸濁液(heavy suspension)が形成された。HCl水溶液(1 mLの、2 mLの水および1 mLの濃HClから製造した溶液)を上記の混合液に加え、撹拌を23.5時間続けた。揮発性成分を減圧除去し、実施例M-4dのHCl塩(未同定の不純物を含む)を、オフホワイト色の綿毛状の固形物(118 mg)として得た。 LC (条件2): 保持時間 = 1.06分. LC/MS: [M+H]
+ C
28H
36N
5Oとして計算:計算値: 458.29; 実測値 458.32.
実施例M-4
実施例M-4(TFA塩)を、実施例M-1の合成について記載された方法に従って、実施例M-4dから製造した。 1H NMR (DMSO-D6, δ = 2.50, 400 MHz): 14.50 (見かけ上のブロードのs, 2H), 8.02 (s, 1H), 7.67 (d, J = 8.3, 2H), 7.63 (s, 1H), 7.52 (d, J = 8.6, 2H), 7.35 (d, J = 8.3, 2H), 5.13-5.09 (m, 1H), 5.03 (dd, J = 3.9, 1H), 4.12-4.08 (m, 1H), 4.06-4.02 (m, 1H), 3.89-3.70 (m, 4H), 3.54/3.52 (重複するs, 6H), 2.43-2.36 (m, 1H), 2.23-1.77 (m, 21H), 0.91-0.76 (12H). [注:回転異性体と推定される少量の成分が存在するように思われたが、その化学シフトは含まれていない]. LC (条件2): 保持時間 = 1.68分. LC/MS: [M+H]+ C42H58N7O7として計算:計算値: 772.44; 実測値 772.51.
実施例M-5
実施例M-5a
(S)-5-(ヒドロキシメチル)ピロリジン-2-オン(10 g, 87 mmol)/ジクロロメタン(50 mL)溶液に、tert-ブチルクロロジフェニルシラン(25.6 g, 93 mmol)、トリエチルアミン(12.1 mL, 87 mmol)およびDMAP(1.06 g, 8.7 mmol)を加えた。該混合液を、出発ピロリジノンが完全に消費されるまで室温で撹拌し、次いでそれをジクロロメタン(50 mL)で希釈し、水(50 mL)で洗浄した。有機層を乾燥させ(Na
2SO
4)、濾過し、減圧エバポレートし、該粗物質をフラッシュクロマトグラフィー(シリカゲル; 30〜100%の酢酸エチル/ヘキサン)で処理して、シリルエーテルを無色の油状物(22.7 g, 74%収率)として得た。
1H NMR (400 MHz, DMSO-d
6, δ = 2.5 ppm) 7.69 (ブロードのs, 1H), 7.64-7.61 (m, 4H), 7.50-7.42 (m, 6H), 3.67-3.62 (m, 1H), 3.58-3.51 (m, 2H), 2.24-2.04 (m, 3H), 1.87-1.81 (m, 1H), 1.00 (s, 9H).
二炭酸ジ-tert-ブチル(38.5 g, 177 mmol)を、上記で製造したシリルエーテル(31.2 g, 88.3 mmol)、トリエチルアミン(8.93 g, 88 mmol)、およびDMAP(1.08 g, 8.83 mmol)のジクロロメタン(200 mL)溶液に、個体として10分かけて少しずつ加え、24℃で18時間撹拌した。ほとんどの揮発性物質を減圧除去し、該粗物質を20% 酢酸エチル/ヘキサンに溶解させて、1.3 Lのシリカゲルを含む2 Lの漏斗にアプライし、次いで、3 Lの20% 酢酸エチル/ヘキサンおよび2 Lの50% 酢酸エチルで溶出した。ロータリーエバポレーターにおいて目的の画分を濃縮することにより、白色の固形物のスラリーが形成され、それをヘキサンで洗浄し、減圧乾燥させて、カルバメート実施例M-5aを白色の固形物(32.65 g, 82%収率)として得た。 1H NMR (400 MHz, DMSO-d6, δ = 2.5 ppm) 7.61-7.59 (m, 2H), 7.56-7.54 (m, 2H), 7.50-7.38 (m, 6H), 4.18 (m, 1H), 3.90 (dd, J = 10.4, 3.6, 1H), 3.68 (dd, J = 10.4, 2.1, 1H), 2.68-2.58 (m, 1H), 2.40-2.33 (m, 1H), 2.22-2.12 (m, 1H), 2.01-1.96 (m, 1H), 1.35 (s, 9H), 0.97 (s, 9H). LC (条件2): 保持時間 = 2.18分. LC/MS: [M+Na]+ C26H35NNaO4Siとして計算:計算値: 476.22; 実測値 476.14.
実施例M-5b
温度計および窒素注入口を備えた3つ口フラスコを、実施例M-5a(10.05 g, 22.16 mmol)およびトルエン(36 mL)で充填し、-55℃の冷却浴に入れた。該混合液の内部温度が-50℃に達した後、水素化トリエチルホウ素リチウム(23 mLの1.0 M/テトラヒドロフラン, 23 mmol)を30分かけて滴下し、該混合液を、内部温度を-50℃から-45℃に維持しながら、35分間撹拌した。ヒューニッヒ塩基(16.5 mL, 94 mmol)を10分かけて滴下した。次いで、内部温度を-50℃から-45℃に維持しながら、DMAP(34 mg, 0.278 mmol)を一度に加えた後、トリフルオロ酢酸無水物(3.6 mL, 25.5 mmol)を15分かけて加えた。該冷却浴を10分後に取り外し、該反応混合液を、周囲温度まで昇温させながら、14時間撹拌した。それをトルエン(15 mL)で希釈し、氷-水浴を用いて冷却し、水(55 mL)を用いて5分かけてゆっくりと処理した。相を分離し、有機層を水(50 mL, 2x)で洗浄し、減圧濃縮した。該粗物質をフラッシュクロマトグラフィー(シリカゲル; 5% 酢酸エチル/ヘキサン)により精製し、実施例M-5bを無色の粘稠性の油状物(7.947 g, 82%収率)として得た。
1H NMR (400 MHz, DMSO-d
6, δ = 2.5 ppm) 7.62-7.58 (m, 4H), 7.49-7.40 (m, 6H), 6.47 (ブロードのs, 1H), 5.07/5.01 (重複するブロードのd, 1H), 4.18 (ブロードのs, 1H), 3.89 (ブロードのs, 0.49H), 3.69 (ブロードのs, 1.51H), 2.90-2.58 (ブロードのm, 2H), 1.40/1.26 (重複するブロードのs, 9H), 0.98 (s, 9H). LC (条件2): 保持時間 = 2.41分. LC/MS: [M+Na]
+ C
26H
35NNaO
3Siとして計算:計算値: 460.23; 実測値 460.19.
実施例M-5c-1およびM-5c-2
ジエチル亜鉛(19 mLの〜1.1 M/トルエン, 20.9 mmol)を、冷却した(-30℃)ジヒドロピロール実施例M-5b(3.94 g, 9.0 mmol)のトルエン(27 mL)溶液に、15分かけて滴下した。クロロヨードメタン(銅により安定化; 3.0 mL, 41.2 mmol)を10分かけて滴下し、浴温度を、-25℃に1時間、および-25℃〜-21℃で18.5時間維持しながら、撹拌した。該反応混合液を開放し、50%飽和炭酸水素ナトリウム溶液(40 mL)をゆっくりと加えることによりクエンチし、ついで、冷却浴から取り出し、周囲温度で20分間撹拌した。それを濾紙により濾過し、該白色のケーキを50 mLのトルエンで洗浄した。該濾過物の有機相を分離し、水(40 mL, 2x)で洗浄し、乾燥させ(MgSO
4)、減圧濃縮した。該粗物質を、BIOTAGE(登録商標)システム(350 g シリカゲル; サンプルを、7% 酢酸エチル/ヘキサンでロードし; 7-20% 酢酸エチル/ヘキサンで溶出した)を用いて精製して、実施例M-5c-1/5c-2を無色の粘稠性の油状物(主にトランス異性体として)(3.691 g, 90.7%)として得た。[注: この段階では、正確なトランス/シス比は決定されなかった]. 実施例M-5c-1の
1H NMR (DMSO-d
6, δ = 2.50, 400 MHz): 7.62-7.60 (m, 4H), 7.49-7.40 (m, 6H), 3.76 (ブロードのm, 1H), 3.67 (ブロードのm, 2H), 3.11-3.07 (m, 1H), 2.23 (ブロードのm, 1H), 2.03 (ブロードのm, 1H), 1.56-1.50 (m, 1H), 1.33 (ブロードのs, 9H), 1.00 (s, 9H), 0.80-0.75 (m, 1H), 0.30 (ブロードのm, 1H). LC (条件2): 保持時間 = 2.39分. LC/MS: [M+Na]
+ C
27H
37NNaO
3Siとして計算:計算値: 474.24; 実測値 474.14.
実施例M-5d-1およびM-5d-2
TBAF(7.27 mLの1.0 M/THF, 7.27 mmol)を、実施例M-5c-1/-5c-2(3.13 g, 6.93 mmol)のTHF(30 mL)溶液に5分かけて滴下し、該混合液を周囲条件で4.75時間撹拌した。それを飽和NH
4Cl溶液(5 mL)で処理した後、ほとんどの揮発性成分を減圧除去し、残渣をCH
2Cl
2(70 mL)および50%飽和NH
4Cl溶液(30 mL)間に分配した。水相をCH
2Cl
2(30 mL)で抽出し、有機相を合わせて乾燥させ(MgSO
4)、濾過し、減圧濃縮した後、高真空に終夜曝露させた。得られた粗物質を、BIOTAGE(登録商標)(40-50% EtOAc/ヘキサン)で精製して、実施例M-5d-1/5d-2を無色の油状物(主にトランス異性体として)として得た(微量の低いRfの不純物が混入)(1.39 g, 〜94%)。[注: この段階では正確なトランス/シス比は決定されなかった]. 実施例M-5d-1の
1H NMR (DMSO-d
6, δ = 2.50, 400 MHz): 4.70 (見かけ上のt, J = 5.7, 1H), 3.62-3.56 (m, 1H), 3.49-3.44 (m, 1H), 3.33-3.27 (m, 1H), 3.08-3.04 (m, 1H), 2.07 (ブロードのm, 1H), 1.93-1.87 (m, 1H), 1.51-144 (m, 1H), 1.40 (s, 9H), 0.76-0.71 (m, 1H), 0.26 (ブロードのm, 1H).
実施例M-5e
NaIO
4(6.46 g, 30.2 mmol)/H
2O(31 mL)の半溶液を、CH
3CN(20 mL)およびCCl
4(20 mL)中の実施例M-5d-1/-5d-2(2.15 g, 10.08 mmol)の溶液に加えた。すぐにRuCl
3(0.044 g, 0.212 mmol)を加え、該不均一な反応混合液を75分間激しく撹拌した。該反応混合液をH
2O(60 mL)で希釈し、CH
2Cl
2(50 mL, 3x)で抽出した。有機相を合わせて、1 mL CH
3OHで処理し、約5分静置させた後、珪藻土(セライト(登録商標))のパッドを通して濾過した。該セライト(登録商標)をCH
2Cl
2(50 mL)で洗浄し、該濾液をロータリーエバポレーターで処理して、薄チャコール色の固形物を得た。該粗物質の
1H NMRにより、トランス酸M-5e-1: 推定シス酸M-5e-2: 副生成物M-5e-3の間のモル比は1.00 : 0.04 : 0.18であることが示された。該粗物質を、加熱しながらEtOAc(〜10 mL)に溶解させ、シーディングして周囲条件で静置した。冷却段階に入って約15分で、急速な結晶の形成が見られた。約1時間後、ヘキサン(〜6 mL)を加え、該混合液を終夜冷蔵した(さらなる化合物の析出は見られなかった)。該混合液を濾過し、氷/水で冷却したヘキサン/EtOAc(2:1比; 20 mL)で洗浄し、高真空下において乾燥させ、実施例M-5e-1の第1クロップ(オフホワイト色の結晶性物質, 1.222 g)を得た。母液をロータリーエバポレーターで処理し、残渣を〜3 mlのEtOAc(加熱しながら)に溶解させ、周囲条件で1時間静置し、次いで、3 mLのヘキサンを加え、冷蔵庫の中に〜15時間貯蔵した。実施例M-5e-1の第2クロップ(灰色の結晶性物質, 0.133 g)を同様に回収した。
1H NMR (400 MHz, DMSO-d
6, δ = 2.5 ppm) 12.46 (s, 1H), 3.88 (見かけ上のブロードのs, 1H), 3.27 (見かけ上のブロードのs, 1H; 水シグナルと重複), 2.28 (ブロードのm, 1H), 2.07 (見かけ上のブロードのs, 1H), 1.56 (見かけ上のs, 1H), 1.40/1.34 (2つの重複したs, 9H), 0.71 (m, 1H), 0.45 (m, 1H).
13C-NMR (100.6 MHz, DMSO-d
6, δ = 39.21 ppm) 172.96, 172.60, 154.45, 153.68, 78.74, 59.88, 59.58, 36.91, 31.97, 31.17, 27.77, 27.52, 14.86, 14.53, 13.69. 第1クロップの融点(分解): 147.5-149.5℃. LC/MS: [M+Na]
+ = 250.22. C
11H
17NO
4として計算:計算値: C, 58.13; H, 7.54; N, 6.16. 実測値(第1クロップについて): C, 58.24; H, 7.84; N, 6.07. 施光度 (CHCl
3中において10 mg/mL): [α]
D = -216 および -212(各々、第1および第2クロップについて).
実施例M-5f
実施例M-5fを、(S)-Boc-プロリンから実施例M-1hの製造について概説された方法に従って、実施例M-5e-1から、3工程で製造した。[注:SEM-位置化学的構成は決定されなかった。]
1H NMR (400 MHz, DMSO-d
6, δ = 2.5 ppm) 7.46 (d, J = 8.6, 2H), 7.31 (d, J = 8.8, 2H), 6.76 (s, 1H), 5.27 (見かけ上のブロードのs, 1H), 5.14 (d, J = 10.9, 1H), 4.60 (見かけ上のブロードのs, 1H), 3.50-3.37 (m, 3H), 2.24 (m, 2H), 1.80 (見かけ上のs, 12H), 1.61 (ブロードのm, 1H), 1.12 (ブロードのs, 9H), 0.89-0.73 (m, 2H), 0.70 (ブロードのm, 1H), 0.56 (ブロードのm, 1H), -0.04 (s, 9H). LC/MS (条件2): 保持時間 = 2.05分. LC/MS: [M+H]
+ C
33H
49 79BrN
3O
3Siとして計算:計算値: 642.27; 実測値 642.25.
実施例M-5g
ジメチルスルホキシド(1 mL, 14.09 mmol)を、冷却した(-78℃)塩化オキサリル(0.62 mL, 7.08 mmol)のジクロロメタン(14 mL)溶液に6分かけて加え、23分間撹拌した。実施例M-5d(1.0 g, 4.69 mmol; トランス/シス比 = 〜25/1)のジクロロメタン(11 mL)溶液を上記の混合液に8分かけて滴下し、該不均一な混合液を同様の温度で80分間撹拌し続けた。トリエチルアミン(2.5 mL, 17.94 mmol)を加え、該反応液を、-78℃で3時間撹拌した後、0℃で1時間撹拌し、その後、該浴を取り外して、10分間撹拌を続けた。該反応混合液をジクロロメタン(25 mL)で希釈し、水(15 mL, 2x)で洗浄し、乾燥させ(MgSO
4)、減圧エバポレートして、実施例M-5gを薄茶色の油状物(1.07 g)として得た。該生成物のトランス/シス立体化学的構成は決定されず、さらなる生成は行わずに次の工程に用いられた。
実施例M-5h
実施例M-5hを、(S)-Boc-プロリナールから実施例QC-1dの製造について概説された方法に従って、実施例M-5gから、2工程で製造した。
1H NMR (400 MHz, DMSO-d
6, δ = 2.5 ppm) 7.14 (見かけ上のs, 1H), 6.81 (d, J = 0.8, 1H), 5.57-5.31 (見かけ上のブロードのs, 1H), 5.22 (d, J = 5.22, 1H), 4.73 (見かけ上のブロードのs, 1H), 3.47-3.27 (ブロードのm, 3H), 2.24 (見かけ上のブロードのs, 2H), 1.63 (見かけ上のブロードのs, 1H), 1.45-1.02 (見かけ上のブロードのm, 9H), 0.89-0.69 (m, 3H), 0.55 (m, 1H), -0.04 (s, 9H). LC/MS (条件2): 保持時間 = 1.60分. LC/MS: [M+H]
+ C
19H
34N
3O
3Siとして計算:計算値: 380.24; 実測値 380.21.
実施例M-5i
実施例M-5i(TFA塩)を、実施例M-1hおよび実施例QC-1dから実施例M-1jの製造について記載された方法に従って(粗物質を、逆相HPLC(メタノール/水/TFA)で精製した後、MCX(6 g; MeOH洗浄; 2.0 M NH
3/MeOH溶出)を用いて遊離塩基にしたことを除く)、実施例M-5fおよび実施例M-5hから出発して、2工程で製造した。実施例M-5iを、オフホワイト色の泡状物質(162 mg)として得た。
1H NMR (400 MHz, DMSO-d
6, δ = 2.5 ppm) 11.75 (見かけ上のブロードのs, 〜1H; イミダゾールNHのうち1つのみが認められた), 7.61 (d, J = 8.3, 2H), 7.33 (見かけ上のブロードのs, 1H), 7.29 (d, J = 8.5, 2H), 6.50 (s, 1H), 3.97 (dd, J = 9.8, 7.3, 1H), 3.88 (dd, J = 10.0, 7.2, 1H), 2.83-2.77 (m, 2H), 2.14-2.03 (m, 2H), 1.94-1.76 (m, 14H), 1.44-1.36 (m, 2H), 0.67-0.64 (m, 1H), 0.63-0.60 (m, 1H), 0.34-0.27 (m, 2H). LC/MS (条件2): 保持時間 = 0.94分. LC/MS: [M+H]
+ C
30H
37N
6として計算:計算値: 481.31; 実測値 481.27.
実施例M-5
実施例M-5(TFA塩)を、実施例M-1に概説された方法に従って、実施例M-5iから製造した。 1H NMR (400 MHz, DMSO-d6, δ = 2.5 ppm): 14.13/13.98 (2つのブロードのs, 2H), 7.99 (ブロードのs, 1H), 7.69 (d, J = 8.3, 2H), 7.51 (d, J = 8.3, 2H), 7.30 (s, 1H), 7.25/7.23 (2つの重複するd, J = 8.5/9.4, 1.82H), 6.99-6.93 (ブロードのm, 0.18H), 4.98 (m, 1H), 4.90 (m, 1H), 4.40 (m, 1.77H), 4.33-4.27 (ブロードのm, 0.23H), 3.72 (ブロードのm, 2H), 3.54 (s, 3H), 3.53 (s, 3H), 2.38-2.07 (m, 4H), 1.96-1.83 (m, 14H), 0.98-0.72 (m, 16H), (注:2Hのシグナルは溶媒シグナルのものと重複していたと思われる). LC/MS (条件2): 保持時間 = 1.35分. LC/MS: [M+H]+ C44H59N8O6として計算:計算値: 795.46; 実測値 795.44.
実施例M-6およびM-7
実施例M-6およびM-7を、実施例M-5の合成について記載された方法(実施例M-7について、第2の逆相HPLCシステム(水/アセトニトリル/TFA)を用いてさらなる精製を行ったことを除く)を用いることにより、実施例M-5iおよび適切な酸から、TFA塩として製造した。
実施例M-8
実施例5のTFA塩(41 mg)を、MCXカラム(MeOH洗浄; 2 N NH
3/MeOH)を用いて遊離塩基にし、得られた無色のガラス状の油状物(29 mg)をDMF(2 mL)に溶解させ、NCS(10.7 mg, 0.080 mmol)で処理し、50℃で15時間加熱した。該反応混合液を、周囲条件まで冷却し、MeOHで希釈し、逆相HPLC精製(XTERRA 30x100 mm S5; 水/MeOH/TFA)で処理して、実施例8のTFA塩を白色の泡状物質(27.4 mg)として得た。
1H NMR (400 MHz, DMSO-d
6, δ = 2.5 ppm) 7.61 (d, J = 8.6, 2H), 7.46 (d, J = 8.5, 2H), 7.15 (見かけ上のt, 2H), 4.98-4.92 (m, 2H), 4.43-4.38 (m, 2H), 3.62-3.55 (‘m’&‘s’の重複, 8H), 2.35-2.21 (m, 4H), 2.10-1.80 (m, 16H), 1.04-0.86 (m, 14H), 0.71 (m, 2H). LC/MS (条件4): 保持時間 = 3.97分. LC/MS: [M+H]
+ C
44H
58Cl
2N
8O
6として計算:計算値: 863.28; 実測値 863.40.
(生物学的活性)
HCVレプリコンアッセイを本発明において用い、共同所有のPCT/US2006/022197およびO'Boyle et. al. Antimicrob Agents Chemother. 2005 Apr;49(4):1346-53に記載のとおり製造し、実施し、検証した。ルシフェラーゼレポーターを組み合わせたアッセイ方法もまた記載の通り用いた(Apath.com)。
NS5A領域に変異を有するHCV-ネオ(neo)レプリコン細胞およびレプリコン細胞を用いて、本明細書に記載の化合物の群を試験した。該化合物は、野生型の細胞よりも変異を有する細胞において、10-倍以上低い阻害活性を有すると決定された。従って、本発明の化合物は、HCV NS5Aタンパク質の機能の阻害において有効であり得て、出願PCT/US2006/022197および共同所有のWO/O4014852で先に記載された組み合わせにおいて有効であると理解される。さらに、本発明の化合物はHCV 1b遺伝子型に対して有効であり得る。また、本発明の化合物は複数の遺伝子型のHCVを阻害することができるとも理解されるべきである。表2は、HCV 1b遺伝子型に対する代表的な本発明の化合物のEC50(有効な50%阻害濃度)値を示す。一実施態様において、本発明の化合物は、1a、1b、2a、2b、3a、4a、および5a遺伝子型に対して阻害性である。HCV 1bに対するEC50値は以下の通りである: A (1-10 μM); B (100-999 nM); C (4.57-99 nM); D (2pM-4.57 nM)。
本発明の化合物は、NS5A阻害に加えてまたはNS5A阻害以外のメカニズムによりHCVを阻害しうる。一実施態様において本発明の化合物はHCVレプリコンを阻害し、別の実施態様において本発明の化合物はNS5Aを阻害する。
表2
本発明の化合物は、NS5A阻害に加えてまたはNS5A阻害以外のメカニズムによりHCVを阻害し得る。一実施態様において、本発明の化合物はHCVレプリコンを阻害し、別の実施態様において、本発明の化合物はNS5Aを阻害する。
本発明は前述の例示的な実施例に限定されず、そしてその本質的特性から逸脱することなく他の特定の形態において具体化することができることが当業者には明白であろう。従って該実施例は、あらゆる点で、制限するものではなく例示的なものとしてみなされ、そして、前述の実施例に対してよりはむしろ特許請求の範囲を参照すべきであり、従って、特許請求の範囲と同等の意味および範囲内となる全ての変更を包含すると意図することが望ましい。