JP2010285729A - 靴下 - Google Patents

靴下 Download PDF

Info

Publication number
JP2010285729A
JP2010285729A JP2009142469A JP2009142469A JP2010285729A JP 2010285729 A JP2010285729 A JP 2010285729A JP 2009142469 A JP2009142469 A JP 2009142469A JP 2009142469 A JP2009142469 A JP 2009142469A JP 2010285729 A JP2010285729 A JP 2010285729A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
sock
mouth
leg
yarn
knitted
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Granted
Application number
JP2009142469A
Other languages
English (en)
Other versions
JP5674287B2 (ja
Inventor
Atsushi Shiraishi
篤史 白石
Terumasa Kita
輝昌 喜夛
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
KITAI KK
Mizuno Corp
Original Assignee
KITAI KK
Mizuno Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by KITAI KK, Mizuno Corp filed Critical KITAI KK
Priority to JP2009142469A priority Critical patent/JP5674287B2/ja
Publication of JP2010285729A publication Critical patent/JP2010285729A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP5674287B2 publication Critical patent/JP5674287B2/ja
Active legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Images

Abstract

【課題】特にスポーツ時の激しい動作時における、足首から脛又は脹脛の中間付近まで着用するレギュラーサイズの靴下の履き口に関して、良好な着用感を有し、ズリ落ちを防止することが可能な靴下を提供する。
【解決手段】
本発明の靴下は、シングルシリンダを用いた編み機により編成した、レギュラーサイズの靴下であって、前記靴下は、フット部とレッグ部とからなり、レッグ部の上端を折り返して、二重に重ねて履き口とするタイプの靴下であり、前記レッグ部の上端を二重に重ねる部分が、表糸と弾性糸のみから編成され、又、二重に重ねる部分以外のレッグ部は表糸と裏糸、弾性糸で編成した。
【選択図】図2

Description

本発明は、編み機により編成した靴下に関するものである。
スポーツ用品における靴下は、シングルシリンダを用いた編み機により編成した靴下が主流であり、その理由は、ダブルシリンダを用いた編み機より、編み効率が良く、編み組織の変化がし易く、編みこむ糸の種類、本数が多いため、複雑な編地を作成できるので、様々なメーカーにおいてスポーツ用靴下を、シングルシリンダを用いた編み機により作成されているのが現状である。
そしてこれらの靴下は、スポーツ時の激しい動作によるズリ落ちを防止することが必須であり、靴下のズリ落ちを防止する技術に関しては、従来より多く検討されている。例えば、足首から履き口に至って編み込むゴムの引っ張り力や領域を変化させることにより、履き心地が良く、ズリ落ちを防止する靴下を提供することについての開示がある(特許文献1〜3)。また、糸の編成や給糸量を変化させることにより、部分的な締め付けや靴下の形状を調整することにより、前記効果を提供することについての開示がある(特許文献4、5)。
特開平10−219503号公報 特開平10−251902号公報 実用新案登録第3131035号公報 実開平06−037303号公報 実開平05−094208号公報
又、特にスポーツ時の激しい動作時における、足首から脹脛の中間付近まで着用するレギュラーサイズの靴下の履き口に関しては、折り返して二重に形成し、衣服圧を高めて、ズリ落ちを防止する技術を一般的に用いていた。
しかし、前記技術を用いた靴下は、履き口を折り返して二重に形成しているために、履き口が分厚くなってしまう。さらにはレギュラーサイズであると人体の膝から下の脚部における最も太い部分の近辺(脛と脹脛の周り)に履き口が位置し、履き口が伸長することにより、履き口の上部が脚部への線接触となり、着圧が高くなって、脛と脹脛の周りが太い人ほど、着用時の不快感または痛みを感じる原因となっていた。
本発明は、前記従来の問題を解決するため、特にスポーツ時の激しい動作時における、足首から脛又は脹脛の中間付近まで着用するレギュラーサイズの靴下の履き口に関して、良好な着用感を提供し、ズリ落ちを防止することが可能な靴下に関するものである。
本発明の靴下は、シングルシリンダを用いた編み機により編成した、レギュラーサイズの靴下であって、
前記靴下は、フット部とレッグ部とからなり、レッグ部の上端を折り返して、二重に重ねて履き口とするタイプの靴下であり、
前記レッグ部の上端を二重に重ねる部分が、表糸と弾性糸のみから編成され、又、二重に重ねる部分以外のレッグ部は表糸と裏糸、弾性糸で編成したことを特徴とするものである。
好ましくは、前記靴下のレッグ部において、足首部、足首と履き口の中間部、履き口部での衣服圧の最大値と最小値の差が1.0kpa以内とし、
より好ましくは、上端を二重に重ねた部分である履き口と、その履き口の直下である部分をリング状に輪切りにし、150mm伸長させたときの応力の差が5.0N以内とし、
さらに好ましくは、履き口のウェール方向の長さが14mm以上、40mm未満とすることを特徴とする靴下である。
本発明の靴下は、上記の構成とすることにより、レギュラーサイズであると人体の膝から下の脚部における最も太い部分の近辺(脛と脹脛の周り)の履き口が伸長することによる、履き口上部の脚部への線接触を防止し、着圧を適度なものとし、脛と脹脛の周りが太い人でも、不快感や痛みを感じず、着用感を良好とする効果を奏する。また、レッグ部の上端を折り返して二重に重ねる部分は、表糸と弾性糸のみから編成されるが、外観は従来の、表糸と裏糸、弾性糸で編成するタイプの靴下と変わらず、意匠性やファッション性も保たれる靴下である。
図1は従来品、又は本発明品における靴下1の外観図である。 図2(a)は図1における靴下1のI−I断面図において、従来品における靴下1aの、履き口を二重に重ねた部分2aとその直下部の断面図である。図2(b)は図1における靴下1のI−I断面図において、本発明の一実施例における靴下1bの、履き口を二重に重ねた部分2bとその直下部の断面図である。 図3(a)は従来品における靴下1aを人体の脚部9に着用した時のイメージ図である。 図3(b)は本発明の一実施例における靴下1bを人体の脚部9に着用した時のイメージ図である。 図4は、従来品1aと本発明品1b、さらには市場にて販売されている任意の靴下2種類(他社品A・B)をマネキンによる衣服圧計測器に着用させたときの衣服圧の値を、グラフで示したものである。 図5は、靴下のレッグ部において、履き口における衣服圧を変化させたときの、履き口直下の部分との、衣服圧差に対する履き心地についてのアンケート調査結果である。 図6(a)は、従来品1aと本発明品1bのレッグ部において、履き口をリング状に輪切りにし、引っ張り試験機に取り付け、荷重したときの、応力と伸びの関係をグラフで示したものである。図6(b)は、従来品1aの履き口と、履き口の直下である部分をリング状に輪切りにし、引っ張り試験機に取り付け、荷重したときの、応力と伸びの関係をグラフで示したものである。図6(c)は、本発明品1bの履き口と、履き口の直下である部分をリング状に輪切りにし、引っ張り試験機に取り付け、荷重したときの、応力と伸びの関係をグラフで示したものである。 図7は、社団法人人間工学研究センター 人体計測データベースに掲載の30〜60歳の、一般男性の脹脛部の最大周囲径を計測したデータの分布をグラフで示したものである。 図8は、靴下のレッグ部において、履き口と、履き口直下部との応力差に対する履き心地についてのアンケート調査結果である。 図9(a)は、前記靴下の履き口の高さが14mmにおける、図1のI-I断面図を詳細に示したものである。 図9(b)は、前記靴下の履き口の高さが10mmにおける、図1のI-I断面図を詳細に示したものである。
本発明者は、人体の膝から下の脚部に着目し、本発明の靴下を得るに至った。特にスポーツ時の激しい動作時における、足首から脹脛の中間付近まで着用するレギュラーサイズの靴下の履き口に関しては、折り返して二重に形成し、衣服圧を高めて、ズリ落ちを防止する技術を一般的に用いていた。しかし、前記技術を用いた靴下は、履き口を折り返して二重に形成しているために、履き口が分厚くなってしまう。さらにはレギュラーサイズであると人体の膝から下の脚部における最も太い部分の近辺(脛と脹脛の周り)に履き口が位置し、履き口が伸長することにより、履き口の上部が脚部への線接触となり、着圧が高くなって、脛と脹脛の周りが太い人ほど、着用時の不快感または痛みを感じる原因となっていた。
本発明は、これを解消するためのものである。
本発明の靴下は、フット部とレッグ部からなり、主要部はレッグ部となるのでフット部においてはどのような構成としても任意である。レッグ部は、シングルシリンダを用いた編み機により編成した、レギュラーサイズの靴下であって、レッグ部の上端を折り返して、二重に重ねて履き口とするタイプの靴下であり、レッグ部の上端を二重に重ねる部分が、表糸と弾性糸のみから編成され、又、二重に重ねる部分以外のレッグ部は表糸と裏糸、弾性糸で編成したことを特徴とするものである。これにより、レギュラーサイズであると人体の膝から下の脚部における最も太い部分の近辺(脛と脹脛の周り)の履き口が伸長することによる、履き口上部の脚部への線接触を防止し、着圧を適度なものとし、脛と脹脛の周りが太い人でも、不快感や痛みを感じず、着用感を良好とする。
レギュラーサイズとは、靴下の踵から履き口までの長さが200〜300mmの範囲であり、履き口が脹脛の最大周囲径の位置より下になるサイズであって、一般的に流通している靴下の中で、最も一般的な丈である。
表糸とは、靴下の形状に編み終えた際、足に触れない側(外側)に大部分が出てくる糸の事である。主に、靴下の厚み、風合い、強度、形状などに寄与する糸であり、靴下を構成する糸の中で使用割合が最も大きい。
裏糸とは、靴下の形状に編み終えた際、足に触れる側(内側)に大部分が出てくる糸の事である。主に、靴下のストレッチ性、強度、形状などに寄与する糸である。
弾性糸とは、靴下の形状に編み終えた際、足に触れる側(内側)に大部分が出ており、ポリウレタン、ポリエステルの伸張性がある素材からなる糸である。主に、靴下のストレッチ性、形状などに寄与する糸である。
本発明の靴下は、レッグ部において、足首部、足首と履き口の中間部、履き口部での衣服圧の最大値と最小値の差が1.0kpa以内とすることが好ましい。これにより、レッグ部における衣服圧が部分的に高くならず、全体的に均等に分布されるため、着用感を良好にする効果を高める。
さらに、レッグ部において、上端を二重に重ねた部分である履き口と、その履き口の直下である部分をリング状に輪切りにし、150mm伸長させたときの応力の差が5.0N以内とすることが好ましい。前記リング状に輪切りにするサイズは、ウェール方向に20mm、コース方向に105mmとする。これにより、人体の膝から下の脚部における最も太い部分の近辺(脛と脹脛の周り)が太い人になればなるほど、履き口の衣服圧が2次曲線的に増加し、履き口が食い込み、不快感や痛みを感じることを防止し、様々な足の太さ(形状)の人に着用感が良好な靴下とすることが出来る。
さらには、前記靴下の前記履き口のウェール方向の長さが14mm以上、40mm未満とすることが好ましく、上記の足首部、足首と履き口の中間部、履き口部での衣服圧の最大値と最小値の差や、履き口と、履き口の直下である部分をリング状に輪切りにし、150mm伸長させたときの応力の差を調整することを可能とし、着用感を良好とする効果をコントロールし易く出来る。靴下の履き口のウェール方向の長さが14mm未満の場合、履き口と脚に接する面積が小さくなるので、衣服圧が高くなり、良好な履き心地が得られない。靴下の履き口のウェール方向の長さが40mm以上の場合、靴下全体に対して履き口の占める割合が大きくなるため、一般に受け入れられる意匠となりにくい。
レッグ部の上端を二重に重ねる部分は、シングルシリンダを用いて編成されており、従来例ではレッグ部での延長である表糸と裏糸、弾性糸で編成した上端をそのまま靴下内部に折り返し、一定の幅をもたせて縫着することで形成していた。しかし、本発明のレッグ部の上端を二重に重ねる部分において、裏糸の給糸を停止させ、表糸と弾性糸のみで編成し、編地の端末は靴下本体と縫着することで形成される。
本発明の靴下を構成する糸の繊維の種類として、弾性糸は、ポリウレタン系弾性糸、ポリエステル系弾性糸、CSY(コアスパンヤーン)、FTY(ファイバーツイステッドヤーン)、DCY(ダブルツイステッドヤーン)から選ばれる少なくとも一つであることが好ましい。ストレッチ性が高く、靴下に適しているからである。表糸は、非弾性糸(リジッド糸)として、にポリエステル繊維、ナイロン繊維、アクリル繊維、ウール、木綿などいずれの繊維から選択して使用しても良い。裏糸は、非弾性糸(リジッド糸)または、CSY(コアスパンヤーン)、FTY(ファイバーツイステッドヤーン)、DCY(ダブルツイステッドヤーン)のどれでも良い。
本発明の靴下は、例えば永田精機社製の編機を使用して編成できる。この編機のうち、本発明に特に好適なのは、編機の径が3.75インチであり、針本数が132本の編機である。
以下図面を用いて説明する。
図1はシングルシリンダを用いた編み機により編成した、レッグ部の上端を折り返して、二重に重ねて履き口とするレギュラーサイズの靴下1の従来品、また本発明品の外観図である。外観においては、従来品も、本発明品も同様である。
図2(a)は図1における靴下のI−I断面図において、従来品1aの、履き口を二重に重ねた部分2aとその直下部の断面図である。
図2(b)は図1における靴下のI−I断面図において、本発明の一実施例である1bの、履き口を二重に重ねた部分2bとその直下部の断面図である。
これらにより、従来品1aより本発明品1bは、裏糸が無い分だけ折り返し部分が薄くなっていることがわかる。
図3(a)は、従来品における靴下1aを人体の脚部9に着用した時のイメージ図である。
図3(b)は、本発明品における靴下1bを人体の脚部9に着用した時のイメージ図である。
これらは、本発明品1bよりも従来品1aの履き口が二重となっているために、履き口が分厚くなり、脛と脹脛に履き口の上部が線接触して衣服圧が高くなり、皮膚に食い込んで、着用感が良好で無い又は痛みを生じている状態を示している。
図4は、従来品1aと本発明品1b、さらには市場にて販売されている任意の靴下2種類(他社品A・B)をマネキンによる衣服圧計測器((株)エイエムアイ・テクノ製のAMI3037シリーズ(φ20)を使用し、衣服圧変換器(アンプ)は(株)エイエムアイ・テクノ製のAMI3037−2を使用し、データコレクターには安立計器(株)製のAM−7052を使用)に着用させたときの靴下の各部位における衣服圧の値を、棒グラフで示したものである。
これによると、本発明品1bは、従来品1aよりも履き口において1.0Kpa程度低くなっているのが分かる。また、本発明品1bは従来品1a、他社品A・Bと比較しても、足首部、履き口と足首の中間部、履き口部において、衣服圧の差が1.0Kpa以下となっており、バランスよく締め付けられていることが分かる。さらには本発明品1bは、足首部、履き口と足首の中間部、履き口部において衣服圧が2.0Kpa未満であるのに対し、従来品1a、他社品A・Bでは、いずれかの部分が2.0Kpa以上の値であることが分かる。一般に衣服圧が2.0Kpa以下の衣服圧であれば、着用感がきつく感じ難いと言われている。
図5は、靴下のレッグ部において、履き口における衣服圧を変化させたときの、履き口直下の部分との、衣服圧差(Kpa)に対する履き心地について、31名の一般男性の被験者についてアンケート調査を行い、その結果を、縦軸が衣服圧差、横軸を履き心地とした場合の散布図としてグラフ上にプロットしたものである。衣服圧は、前記図4の説明に記載のマネキンによる衣服圧計測器にて測定している。履き心地については、
1:非常に悪い 2:悪い 3:普通 4:良い 5:非常に良い
として被験者は判断している。
調査結果として、衣服圧差が1Kpa前後の場合に、4:良い 5:非常に良いという傾向が強くなっており、1Kpa以内であればより良好な着用感が得られることが分かる。
図6(a)は、従来品1aと本発明品1bのレッグ部において、履き口部分を、ウェール方向に20mm、コース方向に105mmとするリング状に輪切りにし、引っ張り試験機(島津製オートグラフ 品番AGS−500D)の両端のチャックに棒状のジグを水平になるように取り付け、棒状のジグがリング状の試料の内側になるように設置し、200mm/minの速度で荷重したときの、応力と伸びの関係をグラフ化したものである。
これによると、従来品1aよりも本発明品1bでは、伸ばし初めの段階から荷重が少なく、徐々に応力差が広がって行き、120mm辺りから二次曲線的に急激に差が広がり、150mm付近では、10N以上の応力差となっている。よってこれにより、同じ伸びの場合は、従来品1aより本発明品1bの履き口部分の方がストレッチ性が良く、伸びが大きくなればなるほど、ストレッチ性が悪くなることがわかる。つまり、足が太くなるに従い、従来品ではより締め付け感が生じることになる。つまり、従来品1aよりも様々なレッグ形状に本発明品1bは適応が可能であるといえる。
図6(b)は、従来品1aのレッグ部において、履き口と、履き口の直下である部分をリング状に輪切りにし、引っ張り試験機に取り付け、荷重したときの応力と伸びの関係をグラフで示したものである。試料、試験条件については、前記図6(a)の説明に記載があるものと同様である。
これによると、従来品1aの履き口と、履き口の直下である部分の応力差は150mm付近で10N前後となっていることが分かる。
図6(c)は、本発明品1bのレッグ部において、履き口と、履き口の直下である部分をリング状に輪切りにし、引っ張り試験機に取り付け、荷重したときの応力と伸びの関係をグラフで示したものである。試料、試験条件については、前記図6(a)、(b)の説明に記載があるものと同様である。
これによると、本発明品1bの履き口と、履き口の直下である部分の応力差は150mm付近で5N以下の応力差となっており、従来品1aの場合と比較すると、その応力差は半分以下であり、締め付け感が緩和されているといえる。
図7は、社団法人人間工学研究センター 人体計測データベースの30〜60歳の、一般男性の脹脛部の最大周囲を6384人分計測したデータを、ヒストグラムの分布にて表したグラフである。
このグラフの統計値を参照すると、脹脛部の最大周囲の被験者中での最大値が、480mmである。前記図6の説明に記載の試料を、150mmまで伸長させた状態では、脹脛500mmの人が着用した時の状態を再現しており、(脹脛断面を円周≒(試料の元の長さ+伸長分)×2と仮定したとき、(105mm+150mm)×2≒500mm)150mm伸長させた時の荷重を基準値とすることで、全てのターゲットを包括できることになる。
図8は、靴下のレッグ部において、履き口と、履き口直下部との応力差(N)に対する履き心地ついて、31名の一般男性の被験者についてアンケート調査を行い、縦軸が応力差、横軸を履き心地とした場合の散布図としてグラフ上にプロットしたものである。応力差は、前記図6の説明に記載の試料の形状、試験機、試験条件にて測定している。履き心地については、
1:非常に悪い 2:悪い 3:普通 4:良い 5:非常に良い
として被験者は判断している。
調査結果として、履き口における応力差が5N前後の場合、履き心地が、4:良い 5:非常に良い とする傾向が強く、5N以内であればより良好な着用感が得られることが分かる。
図9(a)は、前記靴下の履き口の高さが14mmにおける、図1のI-I断面図を詳細に示したものである。
図9(b)は、前記靴下の履き口の高さが10mmにおける、図1のI-I断面図を詳細に示したものである。
本発明品による靴下では、履き口を内部に折り返しているため、折り返した部分の上下端が湾曲した形状となる。図9(a)に示すように、履き口部が14mm以上であれば、上下端の湾曲した部位10aを除いても、10mm以上は平坦な部位11aとなり、脚表面と靴下の生地が広い面接触となるため、局部的な応力集中が起き難く、結果履き心地がきついと感じ難い。
図9(b)に示すように、履き口部が14mm未満であれば、上下端の湾曲した部位10bを除いた平坦な部位11bは10mm未満となり、脚表面と靴下の生地が狭い線接触となるため、局部的な応力集中が起き易く、結果履き心地がきついと感じ易い。よって、図9(a)に示すように履き口の高さは14mm以上であることが好ましく、さらには意匠性を保持するためには40mm以下であることが好ましい。
以下、本発明の実施例について述べるが、本発明はこれらに限定されるものではない。
(実施例1)
(1)使用糸
本実施例の靴下の糸使いは、表糸として、アクリル糸(32/−:毛番手)、裏糸として、ポリウレタンにナイロンをカバーリングしているFTY(ファイバーツイステッドヤーン)(繊度:33decitex(30d)/77decitex(70d))及び弾性糸として、ポリウレタンにナイロンをカバーリングしているDCY(ダブルカバードヤーン)(繊度:77decitex(70d)/77decitex(70d))の3種類からなり、表糸、裏糸及び弾性糸が靴下の全体を、表糸と裏糸が履き口部分を構成している。
(2)編機
永田精機社製の丸編機。径が3.75インチであり、針本数が132本である。
(3)編成方法
本実施例品の編成は、履き口部分、足首部分、足部分、つま先部分の順に編んだ。始めは表糸、弾性糸のみで編み、40mm編んだところで裏糸も加えて編んだ。踵部分の成型時は一部の針だけが上下運動を繰り返し、残りの針は止めておき、針は円周運動から円弧運動に切り替えた。円弧運動中、踵部の最も膨らみのある部位の成型にかけて上下運動する針の数を増やしていき、最も膨らみのある部位を越した後、上下運動する針の数を減らしていく。そうすることで、踵部分を凸状に成型することができた。その後、針は円周運動に戻り、足底部から足甲部の部位を編んだ。
(比較例1)
使用糸、編機は実施例1と同様であり、編成方法のみを以下の様に変更した。
比較品の編成は、履き口部分、足首部分、足部分、つま先部分の順に編んだ。始めから終わりまで表糸、裏糸、弾性糸で編んだ。踵部分の成型時は一部の針だけが上下運動を繰り返し、残りの針は止めておき、針は円周運動から円弧運動に切り替えた。円弧運動中、踵部の最も膨らみのある部位の成型にかけて上下運動する針の数を増やしていき、最も膨らみのある部位を越した後、上下運動する針の数を減らしていく。そうすることで、踵部分を凸状に成型することができた。その後、針は円周運動に戻り、足底部から足甲部の部位を編んだ。
以上のようにして編成した靴下の実施例1、比較例1の外観図を図1に示し、履き口とその直下部の断面図を図2(a)、(b)に示し、このようにして得られた靴下の重量は1足(左右)合計で80gであった。
(着用試験結果)
実施例1及び比較例1の靴下を被験者に1日着用してもらい、履き口の締め付け感、及び快適性、全体のズリ落ちの程度について、比較例1と実施例1を5段階で絶対評価し、その結果を被験者全員の平均値として、下記表1に示した。被験者は、それぞれ10名とした。
(履き口の締め付け感について)
5 良好
4 概ね良好
3 普通
2 少しきつい
1 きつい
(快適性について)
5 良い
4 やや良い
3 同等
2 やや悪い
1 悪い
(ズリ落ちの程度について)
5 全くズリ落ちない
4 ほとんどズリ落ちない
3 ズリ落ちない
2 少しズリ落ちる
1 ズリ落ちる
Figure 2010285729
表1の結果から、履き口においてレッグ部の上端を二重に重ねる部分が、表糸、弾性糸のみから編成された実施例1の方が、二重に重ねる部分が表糸と裏糸、弾性糸で編成した比較例1よりも締め付け感、快適性共に良好で、ズリ落ちにくい靴下であった。
本発明の靴下は、登山、トレッキング、ハイキング、スキー、スノーボード、スケート、野球、ゴルフ、ホッケー、サッカー、ジョギング、マラソン、テニス、バドミントン、スカッシュ、卓球などあらゆるスポーツに好適であるほか、一般の靴下としても有用である。
1 従来品、本発明品における靴下の外観図
1a 従来品における靴下
1b 本発明品における靴下
2 従来品、本発明品における靴下1の、履き口において二重に重ねた部分
2a 従来品における靴下1aの、履き口において二重に重ねた部分の断面図
2b 本発明品における靴下1bの、履き口において二重に重ねた部分の断面図
3 従来品、本発明品における靴下1の、履き口において二重に重ねた部分2の縫着ライン
3a 従来品における靴下1aの、レッグ部の履き口において二重に重ねた部分2aの縫着ライン
3b 従来品における靴下1bの、レッグ部の履き口において二重に重ねた部分2bの縫着ライン
4 フット部
5 レッグ部
6 表糸
7 裏糸
8 弾性糸
9 人体における脚部
10a 靴下1の履き口を折り返した部分の高さが、14mmにおける場合の上下端
10b 靴下1の履き口を折り返した部分の高さが、10mmにおける場合の上下端
11a 靴下1の履き口を折り返した部分の高さが、14mmにおける場合の肌との接触部分
11b 靴下1の履き口を折り返した部分の高さが、10mmにおける場合の肌との接触部分

Claims (4)

  1. シングルシリンダを用いた編み機により編成した、レギュラーサイズの靴下であって、
    前記靴下は、フット部とレッグ部とからなり、レッグ部の上端を折り返して、二重に重ねて履き口とするタイプの靴下であり、
    前記レッグ部の上端を二重に重ねる部分が、表糸と弾性糸のみから編成され、又、二重に重ねる部分以外のレッグ部は表糸と裏糸、弾性糸で編成した靴下。
  2. 前記靴下のレッグ部において、足首部、足首と履き口の中間部、履き口部での衣服圧の最大値と最小値の差が1.0kpa以内とした、請求項1に記載の靴下。
  3. 前記靴下のレッグ部において、上端を二重に重ねた部分である履き口と、その履き口の直下である部分をリング状に輪切りにし、150mm伸長させたときの応力の差が5.0N以内とした、請求項1、2のいずれかに記載の靴下。
  4. 前記靴下の前記履き口のウェール方向の長さが14mm以上、40mm未満とした、請求項1〜3のいずれかに記載の靴下。
JP2009142469A 2009-06-15 2009-06-15 靴下 Active JP5674287B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2009142469A JP5674287B2 (ja) 2009-06-15 2009-06-15 靴下

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2009142469A JP5674287B2 (ja) 2009-06-15 2009-06-15 靴下

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2010285729A true JP2010285729A (ja) 2010-12-24
JP5674287B2 JP5674287B2 (ja) 2015-02-25

Family

ID=43541640

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2009142469A Active JP5674287B2 (ja) 2009-06-15 2009-06-15 靴下

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP5674287B2 (ja)

Citations (6)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH10310903A (ja) * 1997-05-02 1998-11-24 Nakai Nitto Kk 靴 下
JP2004190145A (ja) * 2002-10-17 2004-07-08 Nakai Nitto Kk 靴下
JP2005240222A (ja) * 2004-02-26 2005-09-08 Zett Corp 靴下
JP2007063722A (ja) * 2005-09-01 2007-03-15 Alcare Co Ltd 靴下又は筒状の下肢用サポーター
JP2007239151A (ja) * 2006-03-10 2007-09-20 Alcare Co Ltd 靴下又は筒状の下肢用サポーター
JP3142936U (ja) * 2008-04-18 2008-07-03 株式会社ユニワールド 靴下

Patent Citations (6)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH10310903A (ja) * 1997-05-02 1998-11-24 Nakai Nitto Kk 靴 下
JP2004190145A (ja) * 2002-10-17 2004-07-08 Nakai Nitto Kk 靴下
JP2005240222A (ja) * 2004-02-26 2005-09-08 Zett Corp 靴下
JP2007063722A (ja) * 2005-09-01 2007-03-15 Alcare Co Ltd 靴下又は筒状の下肢用サポーター
JP2007239151A (ja) * 2006-03-10 2007-09-20 Alcare Co Ltd 靴下又は筒状の下肢用サポーター
JP3142936U (ja) * 2008-04-18 2008-07-03 株式会社ユニワールド 靴下

Also Published As

Publication number Publication date
JP5674287B2 (ja) 2015-02-25

Similar Documents

Publication Publication Date Title
CN108697536B (zh) 筒状绷带
TWI586288B (zh) Leg support belt
JP5785379B2 (ja) 医療用ストッキング
CN108670518B (zh) 孕妇腰腹支撑带
CA2749765C (en) Medical or sports wear
JP5627336B2 (ja) レッグウェア
JP3185734U (ja) 5本指加圧ソックス
JP5411083B2 (ja) レッグウェア
JP6754898B2 (ja) 着圧ストッキング
JP6077831B2 (ja) ストッキング
JP5737773B1 (ja) 弾性筒状包帯
JP6602986B2 (ja) レッグ製品
JP5674287B2 (ja) 靴下
JP3197486U (ja) ストッキング
JP2016130378A (ja) レッグウエア
JP6115977B1 (ja) 筒状包帯
JP6651336B2 (ja) 着圧ストッキング
JP6025004B2 (ja) 弾性筒状包帯
JP5092176B2 (ja) 靴下
JP2019108638A (ja) 経編地
JP3163472U (ja) 靴下
JP3167986U (ja) 靴下
JP2012237087A (ja) 靴下
JP3227835U (ja) 靴下
JP7101523B2 (ja) 筒状編地及びそれを含む製品並びに衣料

Legal Events

Date Code Title Description
A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20090708

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A821

Effective date: 20090710

RD02 Notification of acceptance of power of attorney

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A7422

Effective date: 20090708

A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20120525

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20130618

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20130627

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20130822

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20140306

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20140502

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20141127

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20141222

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Ref document number: 5674287

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250