JP6602986B2 - レッグ製品 - Google Patents
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Description
本発明は、暑熱環境下での着用時、涼しく感じるレッグ製品に関する。
従来、弾性糸を使用した涼しいパンティストッキング、レギンス等の股下から足首、又は、爪先まで覆うレッグ製品は、ポリアミド繊維等、吸湿性が付与された合成繊維を使用して蒸れ感を抑えているところ、清涼感を得るためポリアミド繊維の異形断面糸特殊糸を使用したレッグ製品(例えば、以下の特許文献1参照)や、フルダル糸使いにより、接触冷感も付与したレッグ製品(例えば、以下の特許文献2参照)が市販されている。これらのレッグ製品では、初夏等の少し暑い季節では着用した瞬間のみ涼しく感じるが、長時間の着用や歩行等の運動により汗ばむような環境となる暑熱環境時の着用では、発汗して蒸し暑く極めて不快であり、真夏等の暑熱環境には向いていないという問題がある。
前記した従来技術のレッグ製品の問題に鑑み、本発明が解決しようとする課題は、真夏等の暑熱環境下で着用し、歩行等の運動を行った際にも、特殊な糸使いではないにもかかわらず涼しく感じるレッグ製品を提供することである。
本発明者は、上記課題を解決すべく鋭意検討し実験を重ねた結果、レッグ部を構成する筒状の編地を所望の編地構造とすることによって、暑熱環境下でレッグ製品を着用して涼しく感じることができることを発見し、かかる発見に基づき本発明を完成するに至ったものである。本発明に係るレッグ製品は、異形ポリアミド糸使いや、フルダル糸使い、あるいは、キシリトール加工等の特殊な冷感付与加工を施すことなく、暑熱環境下の着用時、涼しく感じることができる。
すなわち、本発明は以下の通りのものである。
[1]弾性糸と合成繊維とからなる被覆弾性糸で、レッグ部全コースが天竺組織で編成されている筒状の編地からなるレッグ製品において、周方向のウェール数が340〜400ウェールであり、下記式(1):
サイズ比=(レッグ部の股下から1/4の位置での3kg荷重下幅方向伸度)/(レッグ部の股下から3/4の位置での3kg荷重下幅方向伸度)
で求められるサイズ比が1.10〜1.40であり、かつ、レッグ部の股下から1/2の位置で編地を経方向に80%まで伸長後元の長さに戻す伸縮工程を3回繰り返し、3回目の伸縮工程における50%時点での往路応力と復路応力を測定するとき、下記式(2):
応力比=(50%時点の復路応力(N))/(50%時点の往路応力(N))
で求められる応力比が0.35〜0.60であることを特徴とする前記レッグ製品。
[2]レッグ部の股下から1/2の位置での編地経方向の平均摩擦係数が0.250以下である、前記[1]に記載のレッグ製品
[3]前記被覆弾性糸が、弾性糸とポリアミド繊維とからなる繊度13〜30dtexの被覆弾性糸であり、かつ、レッグ部の股下から1/2の位置での編地経方向における、繰り返し伸縮機を用いて、初期長に対して伸長量110%に伸長して元の長さに戻す繰り返し伸縮サイクルを100回/分で500回繰り返した後の編地表面の瞬間発熱温度が、サーモグラフィの放射率1.0のサーモグラフィで測定するとき、0.40℃以下である、前記[1]又は[2]に記載のレッグ製品。
[4]レッグ部の股下から1/4の位置での3kg荷重下の、幅方向ストレッチ長が、下記式(3):
幅方向ストレッチ長(cm)=周方向のウェール数 × 0.11〜0.14
で表される、前記[1]〜[3]のいずれかに記載のレッグ製品。
[5]レッグ部の股下から1/4の位置の大腿部に相当する部分の、3kg荷重下のコース数が、23〜30コース/インチである、前記[1]〜[4]のいずれかに記載のレッグ製品。
[1]弾性糸と合成繊維とからなる被覆弾性糸で、レッグ部全コースが天竺組織で編成されている筒状の編地からなるレッグ製品において、周方向のウェール数が340〜400ウェールであり、下記式(1):
サイズ比=(レッグ部の股下から1/4の位置での3kg荷重下幅方向伸度)/(レッグ部の股下から3/4の位置での3kg荷重下幅方向伸度)
で求められるサイズ比が1.10〜1.40であり、かつ、レッグ部の股下から1/2の位置で編地を経方向に80%まで伸長後元の長さに戻す伸縮工程を3回繰り返し、3回目の伸縮工程における50%時点での往路応力と復路応力を測定するとき、下記式(2):
応力比=(50%時点の復路応力(N))/(50%時点の往路応力(N))
で求められる応力比が0.35〜0.60であることを特徴とする前記レッグ製品。
[2]レッグ部の股下から1/2の位置での編地経方向の平均摩擦係数が0.250以下である、前記[1]に記載のレッグ製品
[3]前記被覆弾性糸が、弾性糸とポリアミド繊維とからなる繊度13〜30dtexの被覆弾性糸であり、かつ、レッグ部の股下から1/2の位置での編地経方向における、繰り返し伸縮機を用いて、初期長に対して伸長量110%に伸長して元の長さに戻す繰り返し伸縮サイクルを100回/分で500回繰り返した後の編地表面の瞬間発熱温度が、サーモグラフィの放射率1.0のサーモグラフィで測定するとき、0.40℃以下である、前記[1]又は[2]に記載のレッグ製品。
[4]レッグ部の股下から1/4の位置での3kg荷重下の、幅方向ストレッチ長が、下記式(3):
幅方向ストレッチ長(cm)=周方向のウェール数 × 0.11〜0.14
で表される、前記[1]〜[3]のいずれかに記載のレッグ製品。
[5]レッグ部の股下から1/4の位置の大腿部に相当する部分の、3kg荷重下のコース数が、23〜30コース/インチである、前記[1]〜[4]のいずれかに記載のレッグ製品。
本発明のレッグ製品は、着用時に涼しく、さらに、歩行等の運動時にも涼しく真夏の暑熱環境下の着用に適するレッグ製品である。
本発明の実施形態(以下、本実施形態という。)のレッグ製品は、釜径4〜5インチ程度の小口径のシングル丸編機(パンスト編機とも称す。)を用いて製造される非弾性糸と弾性糸とからなる被覆弾性糸を使用したレッグ部が筒状の編地からなるレッグ製品であって、レッグ部のすべてのコースが該被覆弾性糸により天竺組織で編成されているものである。なお、補強等の目的で、足首から爪先にかけては、別に準備した繊維で編成したり、ニット組織とタック組織やウェルト組織を混合することも可能である。
本実施形態において、着用時に涼しく感じるためには、レッグ製品着用時に人体「脚部」とレッグ製品とが密着し、見掛け上脚部表面積が増すことにより人体の脚表面の放熱面積も増す様な編地設計とすることにより放熱が進み、着用時に涼しく感じられ、着用直後から涼しさが持続する。このため、レッグ製品の人体「大腿部」にあたる部分と人体「脹脛」にあたる部分との着用時の圧力バランスが重要となり、これにより、あまり動かない時には涼しさが持続するが、人体からの発熱が多くなる歩行等の運動時には、該編地設計による放熱のみでは発熱に追いつかない。そこで、運動時涼しく感じるには、これらに加えてレッグ製品から放熱する編地設計等とすれば運動時涼しくなり、そのためには、人体膝部分にあたる部分の応力比が重要である。
本実施形態において、着用時に涼しく感じるためには、レッグ製品着用時に人体「脚部」とレッグ製品とが密着し、見掛け上脚部表面積が増すことにより人体の脚表面の放熱面積も増す様な編地設計とすることにより放熱が進み、着用時に涼しく感じられ、着用直後から涼しさが持続する。このため、レッグ製品の人体「大腿部」にあたる部分と人体「脹脛」にあたる部分との着用時の圧力バランスが重要となり、これにより、あまり動かない時には涼しさが持続するが、人体からの発熱が多くなる歩行等の運動時には、該編地設計による放熱のみでは発熱に追いつかない。そこで、運動時涼しく感じるには、これらに加えてレッグ製品から放熱する編地設計等とすれば運動時涼しくなり、そのためには、人体膝部分にあたる部分の応力比が重要である。
本実施形態のレッグ製品において、着用時涼しく感じるためには人体「脚」からの放熱量を増やせばよく、そのため、「脚」に繊維を密着させ見掛け上「脚」の表面積を増せば「脚」から熱が繊維へ伝わり、そして繊維から放熱が進み素足の状態より放熱量が多くなることを見出した。そのためには、編地の密度が重要で、密度が高すぎると放熱が小さくなり、放熱して涼しいよりむしろ保温するレッグ製品となる。逆に、密度が低すぎると、見掛け上「脚」の表面積増加がわずかで放熱が進まない。この密度は一般的にコース数とウェール数で表されるが、本発明者は鋭意検討の結果、特にウェール数が重要であることを見出した。つまり、本実施形態のレッグ製品の筒状の編地は、周方向の密度が340〜400ウェールであることが好ましい。尚、レッグ製品は着用者の寸法により、着用しやすいウェール数があり、小さいサイズのレッグ製品を製造するには、340〜380ウェール、大きなサイズのレッグ製品は、380〜400ウェールとすれば、着用感の良いレッグ製品が製造できる。尚、筒状の編地のウェール数設定は、編機の針本数により設定でき、例えば、352ウェールの編地とするには、352本である編機の使用により可能である。
また、より涼しく感じるため、使用する被覆弾性糸の繊度は、好ましくは13〜30dtexデシテックス、以下同じ表示とする。)、より好ましくは13〜25dtである。被覆弾性糸の繊度は、弾性糸に非弾性糸を被覆した状態又は撚糸した状態での繊度であり、より具体的には、ある長さの被覆弾性糸の重量を量り、次いで10gの荷重を掛けて測長して繊度を求めたものが、13〜30dtであればよく、13〜25dtがより好ましい。
また、涼しいレッグ製品とするには人体「脚」の表面積が重要で、これは、レッグ製品の周方向のウェール数を規定の範囲にすればよく、さらに、人体「脚」とレッグ製品との着用時の着圧の影響も大きいことが分かった。一般的にレッグ衣料の着圧が高いほど温かい衣服となることが知られており、そのため、レッグ製品のウェール数を所定の範囲としても、「脚」に密着するレッグ製品の場合には温かいレッグ製品となりやすい。そこで、見掛け上の表面積を増やしつつ、温かくならない編地設計について、特に人体「脚」の放熱効果を部位別に検討した結果、大腿部の放熱を最大限にするのが最も放熱量に効果があり、脹脛部の放熱効果は小さいことが分かった。そこで、大腿部の放熱効果を最も活かすレッグ製品の設計を検討した結果、人体「大腿部」にあたる部分と人体「脹脛」にあたる部分のループの大きさを変化させ、大腿部の放熱効果を最大にするためのサイズバランスを見出した。無論、脹脛部も放熱するが、周方向のウェール数が決まっているレッグ製品においては、大腿部を活かすため脹脛部は少し放熱に関して犠牲になるが、「脚」部として放熱効果を最大にするサイズバランスを規定の範囲とするのがよく、すなわち、通常、人体の(大腿部の周径)/(脹脛部の周径)は、大凡1.4〜1.6であるが、人体のサイズとは異なるが、レッグ製品の大腿部に相当する部分のサイズと脹脛部に相当するサイズとをループの大きさを変化させることにより規定の範囲とすることで、「脚」部の放熱効果を最大限に発揮でき、こうすれば大腿部に加え脹脛部も涼しく感じることを見出した。
すなわち、本実施形態に係るレッグ製品において、冷感を得るための要因は以下の3点である。
(i)放熱(肌、繊維から外環境への熱伝達)量を多くする、
(ii)レッグ製品着用による保温性を最小限にする、
(iii)レッグ製品着用時、歩行等の動作でレッグ製品の発熱を最小限にする。
以下、(i)放熱量を多くするについて説明する。
レッグ製品着用により、脚(肌)の上に繊維の凸部ができる。この場合の放熱は、まず、脚からの熱が繊維に伝わり(熱伝達)、繊維内を熱が外環境(空気)に接する側へ移動し(熱伝導)、次いで、外環境に接する部分から熱が外環境(空気)へ伝達(熱伝達)して放熱される。この時、肌に接している繊維部分の面積よりも、繊維の凸部領域の面積の方が大きいため、繊維が接していない肌からの(素脚)の放熱よりも、肌に接している繊維からの放熱量が、相対的に大きくなる。従って、レッグ製品着用時の放熱量は、(繊維が接していない肌部分からの放熱)+(繊維が接している肌面積よりも広い面積の繊維からの放熱)となり、素脚の放熱量よりも大きくなる(すなわち、レッグ製品着用時により涼しくなる)。
そこで、繊維内の熱伝達、繊維と肌からの放熱を最大限にするために、編組織をなるべく平坦な天竺組織としている。タック等が入ると、編組織中に空気が入り込み保温効果となる。また、本実施形態においては、密度をなるべく小さくし、そのため、周方向のウェール数を340〜400ウェールとする。340ウェール未満では、放熱効果が小さく、また、レッグ製品としての品位もよくない。他方、400ウェールより大きいと、肌の上の繊維と繊維との間隔が短くなり、そこに空気が溜まって保温効果となり易い。さらに、好ましい形態においては、レッグ製品の繊維の繊度をなるべく小さくしている。すなわち、被覆弾性糸の繊度を13〜30dtexとしている。13dtex未満では、レッグ製品の強度が弱まる。他方、30dtexより大きいと、保温効果が強まる。さらに、本実施形態においては、サイズ比を最適化している。大腿部から脹脛部まで最適な密度でレッグ製品が製造できればよいのであるが、編機の針本数(ウェール数)は一定であるため、コース数を変えて放熱が最大となる密度とすればよいが、大腿部はこの調整はし易いものの、脹脛部の調整は困難である。他方、脹脛部に最適なウェール数とすると、かなり粗ゲージの編機が必要で、この編機で大腿部まで編成すると、強度が弱く、品位もよくないレッグ製品となってしまう。そこで、本願発明者らは、冷感にとって脚の部位別の効果を検討した結果、大腿部が最も冷感を感じるため、脹脛部は多少犠牲にして、大腿部の放熱効果を最大限に生かしつつ、脹脛部も保温効果とならず、多少でも冷感を感じる設計について検討した、サイズ比が重要であることを見出したものである。さらにまた、本実施形態では、熱伝導率の高いポリアミド繊維を使用している。
次に、(ii)レッグ製品着用による保温性を最小限にすることについて説明する。
前記したような、密度、繊度、サイズ比の最適化により、本実施形態においては、保温効果の高い空気を繊維間に含有することを最小限にでき、その結果、保温効果も最小化できる。
次に、(iii)レッグ製品着用時、歩行等の動作でレッグ製品の発熱を最小限にすることについて説明する。
レッグ製品に使用している弾性糸は、伸長で発熱、緩和で吸熱を繰り返し、この伸縮を繰り返すと発熱よりも吸熱が小さいため熱が蓄積されて、レッグ製品自体が発熱してくる。この発熱を捉える指標が応力比であり、応力比が低いと着用で暑くなるレッグ製品となる。そこで、応力比で発熱は捉えられ、この調整は被覆弾性糸のドラフト率等により可能であり、レッグ製品が伸びても元に戻る力が強くなれば、応力比が高くなる。また、シリコン加工等により滑り易くし、編地経方向の平均摩擦係数を規定の範囲にすることにより編地が滑り易く伸長しても元の長さに戻ろうとする際に編地内の摩擦が小さく、応力比が向上して発熱は低くなる。
(i)放熱(肌、繊維から外環境への熱伝達)量を多くする、
(ii)レッグ製品着用による保温性を最小限にする、
(iii)レッグ製品着用時、歩行等の動作でレッグ製品の発熱を最小限にする。
以下、(i)放熱量を多くするについて説明する。
レッグ製品着用により、脚(肌)の上に繊維の凸部ができる。この場合の放熱は、まず、脚からの熱が繊維に伝わり(熱伝達)、繊維内を熱が外環境(空気)に接する側へ移動し(熱伝導)、次いで、外環境に接する部分から熱が外環境(空気)へ伝達(熱伝達)して放熱される。この時、肌に接している繊維部分の面積よりも、繊維の凸部領域の面積の方が大きいため、繊維が接していない肌からの(素脚)の放熱よりも、肌に接している繊維からの放熱量が、相対的に大きくなる。従って、レッグ製品着用時の放熱量は、(繊維が接していない肌部分からの放熱)+(繊維が接している肌面積よりも広い面積の繊維からの放熱)となり、素脚の放熱量よりも大きくなる(すなわち、レッグ製品着用時により涼しくなる)。
そこで、繊維内の熱伝達、繊維と肌からの放熱を最大限にするために、編組織をなるべく平坦な天竺組織としている。タック等が入ると、編組織中に空気が入り込み保温効果となる。また、本実施形態においては、密度をなるべく小さくし、そのため、周方向のウェール数を340〜400ウェールとする。340ウェール未満では、放熱効果が小さく、また、レッグ製品としての品位もよくない。他方、400ウェールより大きいと、肌の上の繊維と繊維との間隔が短くなり、そこに空気が溜まって保温効果となり易い。さらに、好ましい形態においては、レッグ製品の繊維の繊度をなるべく小さくしている。すなわち、被覆弾性糸の繊度を13〜30dtexとしている。13dtex未満では、レッグ製品の強度が弱まる。他方、30dtexより大きいと、保温効果が強まる。さらに、本実施形態においては、サイズ比を最適化している。大腿部から脹脛部まで最適な密度でレッグ製品が製造できればよいのであるが、編機の針本数(ウェール数)は一定であるため、コース数を変えて放熱が最大となる密度とすればよいが、大腿部はこの調整はし易いものの、脹脛部の調整は困難である。他方、脹脛部に最適なウェール数とすると、かなり粗ゲージの編機が必要で、この編機で大腿部まで編成すると、強度が弱く、品位もよくないレッグ製品となってしまう。そこで、本願発明者らは、冷感にとって脚の部位別の効果を検討した結果、大腿部が最も冷感を感じるため、脹脛部は多少犠牲にして、大腿部の放熱効果を最大限に生かしつつ、脹脛部も保温効果とならず、多少でも冷感を感じる設計について検討した、サイズ比が重要であることを見出したものである。さらにまた、本実施形態では、熱伝導率の高いポリアミド繊維を使用している。
次に、(ii)レッグ製品着用による保温性を最小限にすることについて説明する。
前記したような、密度、繊度、サイズ比の最適化により、本実施形態においては、保温効果の高い空気を繊維間に含有することを最小限にでき、その結果、保温効果も最小化できる。
次に、(iii)レッグ製品着用時、歩行等の動作でレッグ製品の発熱を最小限にすることについて説明する。
レッグ製品に使用している弾性糸は、伸長で発熱、緩和で吸熱を繰り返し、この伸縮を繰り返すと発熱よりも吸熱が小さいため熱が蓄積されて、レッグ製品自体が発熱してくる。この発熱を捉える指標が応力比であり、応力比が低いと着用で暑くなるレッグ製品となる。そこで、応力比で発熱は捉えられ、この調整は被覆弾性糸のドラフト率等により可能であり、レッグ製品が伸びても元に戻る力が強くなれば、応力比が高くなる。また、シリコン加工等により滑り易くし、編地経方向の平均摩擦係数を規定の範囲にすることにより編地が滑り易く伸長しても元の長さに戻ろうとする際に編地内の摩擦が小さく、応力比が向上して発熱は低くなる。
本実施形態においては、下記式(1):
サイズ比=(レッグ部の股下から1/4の位置での3kg荷重下幅方向伸度)/(レッグ部の股下から3/4の位置での3kg荷重下幅方向伸度)
により求められるサイズ比が、1.10〜1.40の範囲、好ましくは1.15〜1.35の範囲とすれば、大腿部、脹脛部とも暑熱環境下において、レッグ製品が見掛け上肌面積の増大につながる。尚、前記したように、各部のサイズ変更は、ループ長の調整により可能であり、短いループで編成、すなわち、ループ長が短い場合は小さいサイズとなり、長いループで編成、すなわち、ループ長が長い場合は大きいサイズとすることができ、通常レッグ製品では、大腿部から編成し始め、以降、大腿部〜膝部〜脹脛部〜足首までの編成時、大腿部のループ長から徐々にループ長を短くして編成して、規定のサイズとなるよう設計すればよい。
ここで、サイズ比を測定する部位について、レッグ製品を未伸長状態で机上に置き、図1に示すような爪先部が縫合されたレッグ製品のレッグ長1は、レッグ製品両脚の付け根部分の股下から爪先までの長さ、また、図2に示すように足部が足型のレッグ製品は、両脚の付け根部分から足型の部分でレッグ長1が最も長い間の長さ、爪先のない図3のレギンス等では、足首辺りのレッグ端部までの長さを測定してレッグ長1とし、レッグ長を4等分して、ほぼ大腿部に相当する股下からレッグ長の1/4の位置(図1では4の長さ)のレッグの幅方向のサイズ(図1では2のサイズ)、ほぼ脹脛部に相当する股下からレッグ長の3/4の位置(図1では6の長さ)のレッグ部の幅方向のサイズ(図1では3のサイズ)を、筒状編地の幅方向両端部を筒のまま把持し、3kg荷重下での幅方向伸度を測定し、式(1)によりサイズ比を求める。尚、サイズ比は小数点以下3桁目を四捨五入して求める。
さらに、サイズ比はレッグ部の股下から1/4の位置での3kg荷重下幅方向伸度と、レッグ部の股下から3/4の位置での3kg荷重下幅方向伸度とで求めるが、該サイズ比は、主に脹脛部の放熱効果を最大限にするために設定するが、大腿部の放熱効果を最大限にするためには、レッグ製品着用時に、なるべく、脚にフィットさせ空気の含有量を最小にするのがより効果的で、そのため、レッグ部の股下から1/4の位置での3kg荷重下の、幅方向ストレッチ長が、下記式(3):
幅方向ストレッチ長(cm)=周方向のウェール数 × 0.11〜0.14...式(3)
の範囲とすれば、これらの目的が達成できる。
幅方向のストレッチ長が、レッグ製品の周方向のウェール数×0.11より小さい場合は、かなり着圧の高いレッグ製品となり、締め付け感が強すぎ、また、レッグ製品の周方向のウェール数×0.14より大きい場合は、脚にフィットしにくくなり、空気層が滞留して涼しいレッグ製品とはならない。従って、幅方向のストレッチ長は、周方向のウェール数×0.11〜0.14、好ましくは、0.12〜0.13とすれば涼しいレッグ製品が得られる。なお、これらにより求められる本発明の範囲における幅方向のストレッチ長は、37.4〜56.0cmの範囲となるが、放熱効果を最大限に生かすためには、周方向のウェール数×0.11〜0.14の範囲に収めるのが好ましい。
サイズ比=(レッグ部の股下から1/4の位置での3kg荷重下幅方向伸度)/(レッグ部の股下から3/4の位置での3kg荷重下幅方向伸度)
により求められるサイズ比が、1.10〜1.40の範囲、好ましくは1.15〜1.35の範囲とすれば、大腿部、脹脛部とも暑熱環境下において、レッグ製品が見掛け上肌面積の増大につながる。尚、前記したように、各部のサイズ変更は、ループ長の調整により可能であり、短いループで編成、すなわち、ループ長が短い場合は小さいサイズとなり、長いループで編成、すなわち、ループ長が長い場合は大きいサイズとすることができ、通常レッグ製品では、大腿部から編成し始め、以降、大腿部〜膝部〜脹脛部〜足首までの編成時、大腿部のループ長から徐々にループ長を短くして編成して、規定のサイズとなるよう設計すればよい。
ここで、サイズ比を測定する部位について、レッグ製品を未伸長状態で机上に置き、図1に示すような爪先部が縫合されたレッグ製品のレッグ長1は、レッグ製品両脚の付け根部分の股下から爪先までの長さ、また、図2に示すように足部が足型のレッグ製品は、両脚の付け根部分から足型の部分でレッグ長1が最も長い間の長さ、爪先のない図3のレギンス等では、足首辺りのレッグ端部までの長さを測定してレッグ長1とし、レッグ長を4等分して、ほぼ大腿部に相当する股下からレッグ長の1/4の位置(図1では4の長さ)のレッグの幅方向のサイズ(図1では2のサイズ)、ほぼ脹脛部に相当する股下からレッグ長の3/4の位置(図1では6の長さ)のレッグ部の幅方向のサイズ(図1では3のサイズ)を、筒状編地の幅方向両端部を筒のまま把持し、3kg荷重下での幅方向伸度を測定し、式(1)によりサイズ比を求める。尚、サイズ比は小数点以下3桁目を四捨五入して求める。
さらに、サイズ比はレッグ部の股下から1/4の位置での3kg荷重下幅方向伸度と、レッグ部の股下から3/4の位置での3kg荷重下幅方向伸度とで求めるが、該サイズ比は、主に脹脛部の放熱効果を最大限にするために設定するが、大腿部の放熱効果を最大限にするためには、レッグ製品着用時に、なるべく、脚にフィットさせ空気の含有量を最小にするのがより効果的で、そのため、レッグ部の股下から1/4の位置での3kg荷重下の、幅方向ストレッチ長が、下記式(3):
幅方向ストレッチ長(cm)=周方向のウェール数 × 0.11〜0.14...式(3)
の範囲とすれば、これらの目的が達成できる。
幅方向のストレッチ長が、レッグ製品の周方向のウェール数×0.11より小さい場合は、かなり着圧の高いレッグ製品となり、締め付け感が強すぎ、また、レッグ製品の周方向のウェール数×0.14より大きい場合は、脚にフィットしにくくなり、空気層が滞留して涼しいレッグ製品とはならない。従って、幅方向のストレッチ長は、周方向のウェール数×0.11〜0.14、好ましくは、0.12〜0.13とすれば涼しいレッグ製品が得られる。なお、これらにより求められる本発明の範囲における幅方向のストレッチ長は、37.4〜56.0cmの範囲となるが、放熱効果を最大限に生かすためには、周方向のウェール数×0.11〜0.14の範囲に収めるのが好ましい。
また、本実施形態のレッグ製品では、暑熱環境下での着用で、歩行等の運動によりレッグ製品が発熱すると極めて不快となるため、運動時にもレッグ製品が発熱しないことも重要である。そのため、運動時の発熱に大きく影響することが知られている応力比の調整が必要である。すなわち、ほぼ膝部に相当する股下からレッグ長の1/2の位置(図1では5の長さ)の編地をサンプリングし、該編地経方向に80%まで伸長し、その後元の長さに戻す工程を3回繰り返し、3回目の伸縮工程において、50%時点での往路応力と、緩和過程の50%時点での復路応力を測定し、下記式(2):
応力比=(50%時点の復路応力(N))/(50%時点の往路応力(N))
により求められる応力比を、0.35〜0.60とするのが好ましく、0.40〜0.60がより好ましい。尚、応力比は小数点以下3桁目を四捨五入して求める。
応力比=(50%時点の復路応力(N))/(50%時点の往路応力(N))
により求められる応力比を、0.35〜0.60とするのが好ましく、0.40〜0.60がより好ましい。尚、応力比は小数点以下3桁目を四捨五入して求める。
尚、応力比は、通常のレッグ製品は0.2〜0.3であるのに対し、本実施形態のレッグ製品の応力比は高い数値であり、運動時発熱し難いと言える。尚、応力比の調整は、被覆弾性糸の弾性糸と合成繊維とのドラフト率とも称される糸長比の調整により可能であり、糸長比を小さくすると応力比が低くなり、糸長比が大きくなると応力比は高くなる。また、被覆弾性糸の撚り数でも応力比の調整が可能であり、撚り数が高すぎても低すぎても応力比は低下する傾向となるため、好ましくは1500〜2000T/mの撚り数とする。これらより、被覆弾性糸の糸長比を3.0〜3.5とやや高くし、さらに、編地のループの大きさや、仕上げ加工剤として滑り易い柔軟剤を用いることや、シリコン系の加工剤等の濃度を調整することにより、応力比の調整は可能である。さらに、仕上げセット条件の調整によっても応力比の調整が可能であり、仕上げセット条件を強くし過ぎないことが重要となる。特に、シリコン系の加工剤を使用し、仕上げセットを105℃以下20秒以下とすることが好ましい。
本実施形態のレッグ製品は、使用する被覆弾性糸の繊度、被覆弾性糸の撚り数、仕上げ剤により、編地の摩擦係数が異なってくる。暑熱環境下で動いても涼しいレッグ製品とするには、運動時にレッグ製品と脚の肌との摩擦による不快感をなくすことも重要である。すなわち、レッグ製品の摩擦係数が高いと運動時に肌との摩擦が大きく、動き難く、また、摩擦による発熱も生じ易い。そのため、本実施形態のレッグ製品のレッグ部の股下から1/2の位置での編地経方向の平均摩擦係数は、好ましくは0.250以下、より好ましくは0.240以下である。平均摩擦係数が0.250より大きいと、暑熱環境下での着用、運動時、不快なレッグ製品となる。ここで、摩擦係数の測定は、実施例で詳細な測定法を示すが、人体との摩擦をより的確に評価できる、トライボマスター((株)トリニティラボ社製)を使用して測定する。尚、平均摩擦係数を0.250以下とするにためは、特に仕上げ加工時、シリコン系加工剤等、滑り易い加工剤を、少し高い濃度で使用すれば規定の範囲に収め易い。例えば、一般的にパンティストッキングでシリコン加工剤を付与する場合、1〜2%owfとするが、本実施形態では、5〜8%owfとし、これにより、応力比、平均摩擦係数を、所定範囲とすることができる。また、シリコン加工剤に加えて、吸汗性のあるポリウレタン系等の加工剤を混合して使用することもでき、この場合には、汗時にも快適なレッグ製品となる。
本実施形態のレッグ製品では、着用して運動時、レッグ製品そのものが発熱すると蒸れ感等により極めて不快なレッグ製品となる。そこで、伸長時の発熱温度を0℃とすることは不可能であるため、筒状の編地の伸長時発熱温度と涼しさとの関係を検討した結果、本発明者は、伸長時発熱温度が好ましくは0.4℃以下であれば、暑熱環境下でも不快を感じないことを見出した。つまり、歩行時の脚の動きにより風を切るため、それによる放熱が見込めるが、伸長時発熱温度が0.4℃よりも高いと風を切ることによる放熱よりも伸長時の発熱の方が高くなるため、編地の伸長時発熱温度0.4℃以下に抑えることが好ましい。ウェール数、サイズ比、応力比を規定の範囲とし、さらに、シリコン系の加工剤等の滑り易い加工剤の使用により、運動等による編地伸長時の発熱温度を0.4℃以下とすることが可能であるが、さらに、快適なレッグ製品とするには、レッグ部はポリアミド系合成繊維と弾性糸との被覆弾性糸を使用すればよい。これは、ポリアミド繊維の吸湿性が伸長時の発熱を抑えるためと考えられ、これにより、伸長時発熱温度を0.4℃以下とすることが可能である。
本明細書中、伸長時発熱温度とは、伸縮以外に外部からのエネルギー供給がなく、風による伸長発熱温度が変化しない条件下で、筒状の編地のまま経方向(長さ方向)に2つ折りにして編地を4枚重ねにした編地の上下を把持して110%伸長し、次いで緩和してもとの長さに戻す工程を1回とする繰り返し伸縮を、100回/分の速度で500回行う間に編地が示す最高温度をサーモグラフィで測定し、試験開始前の編地温度との差から算出された値である。
500回の伸縮中又は伸縮完了直後に、編地温度が試験開始前編地温度より高くなれば、伸長時に発熱していることを示す。本実施形態のレッグ製品の編地は、この方法により測定した伸長時の発熱温度が0.4℃以下あることが好ましく、0.4℃より高く発熱する編地は、暑熱環境下での着用、運動により蒸れ感を感じて不快である。そのため、伸長時の発熱温度は、好ましくは0.4℃以下、より好ましくは0.3℃以下である。尚、発熱温度はサーモグラフィで観察し、小数点2ケタ目を四捨五入して伸長時の発熱温度とする。
500回の伸縮中又は伸縮完了直後に、編地温度が試験開始前編地温度より高くなれば、伸長時に発熱していることを示す。本実施形態のレッグ製品の編地は、この方法により測定した伸長時の発熱温度が0.4℃以下あることが好ましく、0.4℃より高く発熱する編地は、暑熱環境下での着用、運動により蒸れ感を感じて不快である。そのため、伸長時の発熱温度は、好ましくは0.4℃以下、より好ましくは0.3℃以下である。尚、発熱温度はサーモグラフィで観察し、小数点2ケタ目を四捨五入して伸長時の発熱温度とする。
本実施形態のレッグ製品は、針本数が340〜400本のパンスト編機等の小径の筒編機により製造可能であり、編組織については、天竺組織が好ましく、レッグ製品着用時、肌に密着して見掛け上の表面積を増すことができ、また、運動時の脚の曲げ伸ばしに際しても、すぐに回復して伸長時の発熱温度を最小限に抑えられる。
本実施形態のレッグ製品は被覆弾性糸によりレッグ部が構成されているが、被覆弾性糸は、弾性糸に合成繊維を巻きつけたSCYやDCYのカバーリング糸や、撚糸でも可能で、さらに、被覆弾性糸はレッグ製品のレッグ部は全コースに含有していることが必要であ
り、非弾性糸との交編では高い伸長発熱温度が得にくい。
本実施形態のレッグ製品は、放熱量を多くするために、若干ウェール数が少ないのが特徴であるが、着用状態によっては、レッグ製品にループがひずみ、密度の粗密が生じることにより編地レッグ製品に濃淡が生じ易く、審美性がよくないことがある。そこで、審美性の良いレッグ製品について検討した結果、特に審美性がよくわかる大腿部の密度を適正な範囲にすることにより、良好な審美性を持つレッグ製品が製造できることが分かった。すなわち、レッグ部の股下から1/4の位置の大腿部に相当する部分の、3kg荷重下のコース数が、23〜30コース/インチとすることにより、着用時に濃淡が発ししにくく、審美性に優れるレッグ製品となることが分かった。なお、23コース/インチ未満では、放熱の効果が低くなり、また、窮屈で着圧の高いレッグ製品となり、30コース/インチより多い場合は、濃淡が発生して審美性がよくない。
大腿部に相当する部分のコース数の測定の仕方いついては、実施例にて説明する。
本実施形態のレッグ製品は被覆弾性糸によりレッグ部が構成されているが、被覆弾性糸は、弾性糸に合成繊維を巻きつけたSCYやDCYのカバーリング糸や、撚糸でも可能で、さらに、被覆弾性糸はレッグ製品のレッグ部は全コースに含有していることが必要であ
り、非弾性糸との交編では高い伸長発熱温度が得にくい。
本実施形態のレッグ製品は、放熱量を多くするために、若干ウェール数が少ないのが特徴であるが、着用状態によっては、レッグ製品にループがひずみ、密度の粗密が生じることにより編地レッグ製品に濃淡が生じ易く、審美性がよくないことがある。そこで、審美性の良いレッグ製品について検討した結果、特に審美性がよくわかる大腿部の密度を適正な範囲にすることにより、良好な審美性を持つレッグ製品が製造できることが分かった。すなわち、レッグ部の股下から1/4の位置の大腿部に相当する部分の、3kg荷重下のコース数が、23〜30コース/インチとすることにより、着用時に濃淡が発ししにくく、審美性に優れるレッグ製品となることが分かった。なお、23コース/インチ未満では、放熱の効果が低くなり、また、窮屈で着圧の高いレッグ製品となり、30コース/インチより多い場合は、濃淡が発生して審美性がよくない。
大腿部に相当する部分のコース数の測定の仕方いついては、実施例にて説明する。
本実施形態のレッグ製品に使用する弾性糸は、ポリウレタン系又はポリエーテルエステル系の弾性糸であることができ、例えば、ポリウレタン系弾性糸としては、乾式紡糸又は溶融紡糸したものが使用でき、ポリマーや紡糸方法は特に限定されない。弾性糸の破断伸度は400%〜1000%程度であり、かつ、伸縮性に優れ、染色加工時のプレセット工程の通常処理温度180℃近辺で伸縮性を損なわないことが好ましい。また、弾性糸としては、特殊ポリマーや粉体添加により、高セット性、抗菌性、吸湿、吸水性等の機能性を付与した弾性糸も使用可能である。弾性糸の繊度に関しては、10〜25dtex程度の繊維の使用が可能である。
さらに、本実施形態のレッグ製品は、弾性糸に無機物質を含有することができ、含有する無機物質の性能を加味した編地とすることができ、例えば、酸化チタンを含有させると、熱伝導性に優れ、放熱性の良い編地とすることができ、吸湿性に優れる無機物質を含有させると吸湿性に優れるレッグ製品となり、蒸れ感の抑制に効果がある。無機物質の含有法としては、弾性糸の紡糸原液に無機物質を含有させて紡糸する方法が簡単である。本明細書中、無機物質とは、酸化チタン等のセラミックスの無機物単体及び/又は無機化合物をいい、弾性糸の紡糸の障害とならない様、微粉末状が好ましい。これら無機物質は弾性糸に1〜10重量%含有されていることが好ましく、無機物質は少ないと冷却等の効果が小さく、多すぎると紡糸時や伸長時に糸切れすることがあるため、1〜10重量%の含有が好ましく、より好ましくは2〜5重量%の含有である。
合成繊維としては、ポリエチレンテレフタレート、ポリトリメチレンテレフタレート等のポリエステル系繊維、ポリアミド系繊維、並びにポリプロピレン等のポリオレフィン系繊維の使用が可能であるが、ポリアミド系合成繊維の使用が好ましい。また、これらのブライト糸、セミダル糸、フルダル糸等を任意に使用でき、繊維の断面形状についても、丸型、楕円型、W型、繭型、中空糸等任意の断面形状の繊維が使用可能であり、繊維の形態についても特に限定されず、原糸、仮撚等の捲縮加工糸が使用できるが、冷感や吸湿性に優れる原糸使いが好ましい。合成繊維の繊度は5〜20dt、好ましくは、8〜15dtの非弾性糸の使用が好適である。
合成繊維は、酸化チタン等の無機物質や、吸湿に優れる剤を0.3〜5重量%含有させることも可能で、これらを含有することにより、放熱性や吸湿、吸汗性に優れる編地が製造できる。
本実施形態のレッグ製品の染色仕上げ方法としては、通常の染色仕上げ工程を使用でき、使用する繊維素材に応じた染色条件とし、使用する染色機もパドル染色機、ドラム染色機など任意であり、吸水性や柔軟性を向上させる加工剤や、冷感を高める加工剤の使用も可能であり、仕上げセットについてはなるべく編地に熱がかからない条件が好ましく、105℃以下20秒以下が好ましい。
本実施形態のレッグ製品は、好適には、パンティストッキング、レギンスの形態であり、スパッツ、スポーツタイツ、コンプレッションタイツ等のスポーツ、インナー用等ボトム類としても使用可能であり、暑熱環境下での着用時、涼しいレッグ製品である。
本実施形態のレッグ製品の染色仕上げ方法としては、通常の染色仕上げ工程を使用でき、使用する繊維素材に応じた染色条件とし、使用する染色機もパドル染色機、ドラム染色機など任意であり、吸水性や柔軟性を向上させる加工剤や、冷感を高める加工剤の使用も可能であり、仕上げセットについてはなるべく編地に熱がかからない条件が好ましく、105℃以下20秒以下が好ましい。
本実施形態のレッグ製品は、好適には、パンティストッキング、レギンスの形態であり、スパッツ、スポーツタイツ、コンプレッションタイツ等のスポーツ、インナー用等ボトム類としても使用可能であり、暑熱環境下での着用時、涼しいレッグ製品である。
以下、実施例により本発明を具体的に説明するが、本発明はこれらの実施例のみに限定されるものではない。尚、実施例における用いた評価方法は、以下とおりのものであった。
(1)サイズ比
図1の1に示す、レッグ製品両脚の付け根部分の股下から、爪先付のレッグ製品は爪先までの長さ、爪先のないレギンス等では、足首辺りのレッグ端部までの長さを未伸長状態で机上に置いて測定してレッグ長を測定し、その長さを4等分して股下からの長さ1/4の位置(図1で4の長さ)と、3/4の位置(図1で6の長さ)を定める。各々の位置で、筒状編地を筒状のままで、幅方向両端部を直径10mmの把持部で把持し、把持部間に3kgの荷重をかけて伸度を測定する。本方法で図1の2と3の幅方向伸度を測定し、下記式(1):
サイズ比=(レッグ部の股下から1/4の位置での3kg荷重下幅方向伸度)/(レッグ部の股下から3/4の位置での3kg荷重下幅方向伸度)
によりサイズ比を求めた。サイズ比は小数点以下3桁目を四捨五入して求めた。
図1の1に示す、レッグ製品両脚の付け根部分の股下から、爪先付のレッグ製品は爪先までの長さ、爪先のないレギンス等では、足首辺りのレッグ端部までの長さを未伸長状態で机上に置いて測定してレッグ長を測定し、その長さを4等分して股下からの長さ1/4の位置(図1で4の長さ)と、3/4の位置(図1で6の長さ)を定める。各々の位置で、筒状編地を筒状のままで、幅方向両端部を直径10mmの把持部で把持し、把持部間に3kgの荷重をかけて伸度を測定する。本方法で図1の2と3の幅方向伸度を測定し、下記式(1):
サイズ比=(レッグ部の股下から1/4の位置での3kg荷重下幅方向伸度)/(レッグ部の股下から3/4の位置での3kg荷重下幅方向伸度)
によりサイズ比を求めた。サイズ比は小数点以下3桁目を四捨五入して求めた。
(2)応力比
(1)で測定したレッグ長の股下から1/2の位置(図1の5の長さ)で、次の大きさにサンプリングして経方向(長さ方向)のみ測定した。
試料の大きさ:長さ:100mm(把持部除く)、幅:筒状の編地のまま経方向(長さ方向)に3つ折りにして把持部に把持させる
引張り試験機:テンシロン引張り試験機((株)オリエンテック製 RTC−1210A)
把持部の幅:60mm
初荷重:0.1N
引張り速度、及び回復速度:300mm/分
引張り長、及び測定:80%伸長まで伸長し、同じ速度で伸長後元の長さに戻し(回復させ)、この条件で伸長、回復を3回繰り返し、3回目の伸縮途中の50%時点での往路応力と復路応力を求め、下記式(2):
応力比=(50%時点の復路応力(N))/(50%時点の往路応力(N))
により応力比を小数点以下3桁目を四捨五入して求めた。
(1)で測定したレッグ長の股下から1/2の位置(図1の5の長さ)で、次の大きさにサンプリングして経方向(長さ方向)のみ測定した。
試料の大きさ:長さ:100mm(把持部除く)、幅:筒状の編地のまま経方向(長さ方向)に3つ折りにして把持部に把持させる
引張り試験機:テンシロン引張り試験機((株)オリエンテック製 RTC−1210A)
把持部の幅:60mm
初荷重:0.1N
引張り速度、及び回復速度:300mm/分
引張り長、及び測定:80%伸長まで伸長し、同じ速度で伸長後元の長さに戻し(回復させ)、この条件で伸長、回復を3回繰り返し、3回目の伸縮途中の50%時点での往路応力と復路応力を求め、下記式(2):
応力比=(50%時点の復路応力(N))/(50%時点の往路応力(N))
により応力比を小数点以下3桁目を四捨五入して求めた。
(3)平均摩擦係数
(1)で測定したレッグ長の股下から1/2の位置で、次の大きさにサンプリングして経方向(長さ方向)のみ下記条件で測定し、平均摩擦係数を測定した。
測定器:トライボマスター Type TL201Ts((株)トリニティラボ社製)
接触子:指モデル接触子 パターンなし
荷重:3.75g
移動速度:30mm/sec
摩擦距離:50mm
試料の大きさ:筒状のままで長さ100mm(把持部除く)
測定:サンプリングした筒状編地のまま測定台上に置き、片面を接触子で摩擦する。
(1)で測定したレッグ長の股下から1/2の位置で、次の大きさにサンプリングして経方向(長さ方向)のみ下記条件で測定し、平均摩擦係数を測定した。
測定器:トライボマスター Type TL201Ts((株)トリニティラボ社製)
接触子:指モデル接触子 パターンなし
荷重:3.75g
移動速度:30mm/sec
摩擦距離:50mm
試料の大きさ:筒状のままで長さ100mm(把持部除く)
測定:サンプリングした筒状編地のまま測定台上に置き、片面を接触子で摩擦する。
(4)伸長時発熱温度
(1)で測定したレッグ長の股下から1/2の位置で、次の大きさにサンプリングして経方向(長さ方向)のみ測定した。
試料の大きさ:長さ:100mm(把持部除く)、幅:筒状の編地のまま経方向に2つ折りにして把持部に把持させる(編地は4枚重ねとなる)
繰り返し伸縮機:デマッチャー試験機((株)大栄科学精器製作所製)
測定環境:温度20℃、湿度65%RHの恒温恒湿条件。伸縮以外に外部からのエネルギー供給を受けない状態で測定した。
伸長量:初期長に対して110%(初期長が100mmであるので、伸長して把持部の間隔が210mmまで開くことになる)
繰り返し伸縮サイクル:100回/分
発熱温度測定:繰り返し伸長500回中、及び伸長終了後の試料表面温度を連続的にサーモグラフィで測定する。サーモグラフィの放射率は1.0に設定した。
発熱温度評価:測定する試料表面が最高温となったときの温度を読み取り、伸縮前の温度と比べ上昇した温度を瞬間発熱温度とした。
(1)で測定したレッグ長の股下から1/2の位置で、次の大きさにサンプリングして経方向(長さ方向)のみ測定した。
試料の大きさ:長さ:100mm(把持部除く)、幅:筒状の編地のまま経方向に2つ折りにして把持部に把持させる(編地は4枚重ねとなる)
繰り返し伸縮機:デマッチャー試験機((株)大栄科学精器製作所製)
測定環境:温度20℃、湿度65%RHの恒温恒湿条件。伸縮以外に外部からのエネルギー供給を受けない状態で測定した。
伸長量:初期長に対して110%(初期長が100mmであるので、伸長して把持部の間隔が210mmまで開くことになる)
繰り返し伸縮サイクル:100回/分
発熱温度測定:繰り返し伸長500回中、及び伸長終了後の試料表面温度を連続的にサーモグラフィで測定する。サーモグラフィの放射率は1.0に設定した。
発熱温度評価:測定する試料表面が最高温となったときの温度を読み取り、伸縮前の温度と比べ上昇した温度を瞬間発熱温度とした。
(5)着用発熱
製造したレッグ製品を30℃50%RHの環境下で着用し、トレッドミルを使用して5km/Hrで3分間歩行を行い、人体正面から歩行前と歩行後の大腿部からくるぶしまでの脚部表面温度を放射率1.0に設定したサーモグラフィで観察し、歩行前後の平均温度を画像解析により求め、歩行前の脚部全体の平均温度からどれぐらい変化したかを次式により求めた。ここで、着用発熱温度がマイナス0.5℃以上の場合は、暑熱環境下でも涼しい。また、温度解析では、小数点2桁目を四捨五入して着用発熱温度とした。尚、着用発熱温度は、歩行により初期は肌表面の血流が筋肉へ行くため肌表面温度は低下し、長時間の歩行により筋肉も発熱して徐々に肌温度も上昇することが知られているが、歩行による筋肉発熱の影響を受けないよう歩行は3分間とし、本発明で規定する範囲外の比較品も歩行前より歩行後は肌温度が低下するが、より大きく低下する方が運動時涼しいと言える。
着用発熱温度=(歩行前の脚部温度)―(歩行後の脚部温度)
製造したレッグ製品を30℃50%RHの環境下で着用し、トレッドミルを使用して5km/Hrで3分間歩行を行い、人体正面から歩行前と歩行後の大腿部からくるぶしまでの脚部表面温度を放射率1.0に設定したサーモグラフィで観察し、歩行前後の平均温度を画像解析により求め、歩行前の脚部全体の平均温度からどれぐらい変化したかを次式により求めた。ここで、着用発熱温度がマイナス0.5℃以上の場合は、暑熱環境下でも涼しい。また、温度解析では、小数点2桁目を四捨五入して着用発熱温度とした。尚、着用発熱温度は、歩行により初期は肌表面の血流が筋肉へ行くため肌表面温度は低下し、長時間の歩行により筋肉も発熱して徐々に肌温度も上昇することが知られているが、歩行による筋肉発熱の影響を受けないよう歩行は3分間とし、本発明で規定する範囲外の比較品も歩行前より歩行後は肌温度が低下するが、より大きく低下する方が運動時涼しいと言える。
着用発熱温度=(歩行前の脚部温度)―(歩行後の脚部温度)
(6)大腿部のコース数測定法
図1の1に示す、レッグ製品両脚の付け根部分の股下から、爪先付のレッグ製品は爪先までの長さ、爪先のないレギンス等では、足首辺りのレッグ端部までの長さを未伸長状態で机上に置いて測定してレッグ長を測定し、その長さを4等分して股下からの長さ1/4の位置(図1で4の長さ)からその前後5cm(合計10cm)の把持間隔となるよう、筒状に編成されている編地をそのまま二重の状態にして、上下とも2.5cmの幅で把持し、長さ方向に3kgの荷重をかけた状態で、長さ方向1インチの長さ間のコース数を測定する。レッグ製品で周方向に3カ所以上測定し、その平均の小数点以下を四捨五入して、大腿部のコース数とする。なお、3kgの荷重で編地が破断してしまう場合は、破断直前の荷重下で測定する。
図1の1に示す、レッグ製品両脚の付け根部分の股下から、爪先付のレッグ製品は爪先までの長さ、爪先のないレギンス等では、足首辺りのレッグ端部までの長さを未伸長状態で机上に置いて測定してレッグ長を測定し、その長さを4等分して股下からの長さ1/4の位置(図1で4の長さ)からその前後5cm(合計10cm)の把持間隔となるよう、筒状に編成されている編地をそのまま二重の状態にして、上下とも2.5cmの幅で把持し、長さ方向に3kgの荷重をかけた状態で、長さ方向1インチの長さ間のコース数を測定する。レッグ製品で周方向に3カ所以上測定し、その平均の小数点以下を四捨五入して、大腿部のコース数とする。なお、3kgの荷重で編地が破断してしまう場合は、破断直前の荷重下で測定する。
(7)大腿部審美性
レッグ製品を着用し、大腿部のループ密度の偏りによる濃淡を下記基準にて目視判定した。尚、〇又は△であれば審美性として問題ない程度である。
○ : 密度差がわからず、美しい外観のレッグ製品である
△ : 所々ループの密度差があるが、気にならない程度である
× : 密度差が大きく、極めて審美性がよくない。あるいは、窮屈で着圧が高すぎる
レッグ製品を着用し、大腿部のループ密度の偏りによる濃淡を下記基準にて目視判定した。尚、〇又は△であれば審美性として問題ない程度である。
○ : 密度差がわからず、美しい外観のレッグ製品である
△ : 所々ループの密度差があるが、気にならない程度である
× : 密度差が大きく、極めて審美性がよくない。あるいは、窮屈で着圧が高すぎる
[実施例1]
弾性糸22dtex(商品名ロイカSF:旭化成(株)製)にポリアミド繊維の原糸13dtex/7フィラメントを、弾性糸のドラフト率3.0、撚り数1700T/mでカバーリングして21dtexの被覆弾性糸とした。この被覆弾性糸を使用して、針数352本のパンティストッキング編機を使用し、表1記載のサイズ比、幅方向のストレッチ長、大腿部のコース数となるように、大腿部と脹脛部とのループの大きさを調整して、パンティストッキングのウエスト部にあたる部分から爪先まで編成した。ここで、パンティ部にあたる部分は、被覆弾性糸とポリアミド繊維加工糸78dtex/24フィラメントとを1本交互に編成し、股下からは被覆弾性糸のみで徐々にループの大きさを小さくしながら爪先部分まで編成し、編成した編地を2本使用しパンティ部の縫製、及び、爪先部を縫製した。次いで、パドル染色機に投入し、ポリアミド繊維の染色を行い、染色工程の最後にシリコン系の加工剤(メイシリコンASE68(明成化学工業(株)製))を5%owfパドル染色機に投入し、常温で5分間処理した。5分後にパドル染色機から取り出し、脱水、乾燥後、脚型の金枠にセットし、100℃10秒間セットして、周方向のウェール数が352ウェールのパンティストッキングとした。製造できたパンティストッキングのサイズ比、応力比、伸長時発熱温度を測定し、着用試験により涼しさを検証した結果、着用で涼しく、特に運動後の脚部の温度低下が大きく、暑熱環境での着用でも涼しいことが判った。結果を以下の表1に示す。
弾性糸22dtex(商品名ロイカSF:旭化成(株)製)にポリアミド繊維の原糸13dtex/7フィラメントを、弾性糸のドラフト率3.0、撚り数1700T/mでカバーリングして21dtexの被覆弾性糸とした。この被覆弾性糸を使用して、針数352本のパンティストッキング編機を使用し、表1記載のサイズ比、幅方向のストレッチ長、大腿部のコース数となるように、大腿部と脹脛部とのループの大きさを調整して、パンティストッキングのウエスト部にあたる部分から爪先まで編成した。ここで、パンティ部にあたる部分は、被覆弾性糸とポリアミド繊維加工糸78dtex/24フィラメントとを1本交互に編成し、股下からは被覆弾性糸のみで徐々にループの大きさを小さくしながら爪先部分まで編成し、編成した編地を2本使用しパンティ部の縫製、及び、爪先部を縫製した。次いで、パドル染色機に投入し、ポリアミド繊維の染色を行い、染色工程の最後にシリコン系の加工剤(メイシリコンASE68(明成化学工業(株)製))を5%owfパドル染色機に投入し、常温で5分間処理した。5分後にパドル染色機から取り出し、脱水、乾燥後、脚型の金枠にセットし、100℃10秒間セットして、周方向のウェール数が352ウェールのパンティストッキングとした。製造できたパンティストッキングのサイズ比、応力比、伸長時発熱温度を測定し、着用試験により涼しさを検証した結果、着用で涼しく、特に運動後の脚部の温度低下が大きく、暑熱環境での着用でも涼しいことが判った。結果を以下の表1に示す。
[実施例2〜5、比較例1〜2]
実施例1において、レッグ部の編成時、大腿部と脹脛部とのループの大きさ調整でサイズ比を変えたパンティストッキング(実施例2〜3、比較例1)、大腿部のコース数を変更したパンティストッキング(実施例8〜9、比較例4)、シリコン加工剤の濃度を8%owfに変更(実施例4)、また、3%owfに変更(実施例5)、さらに、1%owfに変更(比較例2)したパンティストッキングを製造し、着用試験等を行った。結果を表1に示す。
実施例1において、レッグ部の編成時、大腿部と脹脛部とのループの大きさ調整でサイズ比を変えたパンティストッキング(実施例2〜3、比較例1)、大腿部のコース数を変更したパンティストッキング(実施例8〜9、比較例4)、シリコン加工剤の濃度を8%owfに変更(実施例4)、また、3%owfに変更(実施例5)、さらに、1%owfに変更(比較例2)したパンティストッキングを製造し、着用試験等を行った。結果を表1に示す。
[実施例6]
弾性糸19dtex(商品名ロイカBZ:旭化成(株)製)にポリアミド繊維の原糸8dtex/5フィラメントを、弾性糸のドラフト率3.0、撚り数1900T/mでカバーリングして15dtexの被覆弾性糸とした。この被覆弾性糸を使用して、針数368本のパンティストッキング編機を使用し、パンティストッキングのウエスト部にあたる部分から爪先まで編成した。ここで、パンティ部にあたる部分は、被覆弾性糸とポリアミド繊維加工糸78dtex/24フィラメントとを1本交互に編成し、股下からは被覆弾性糸のみで徐々にループの大きさを小さくしながら爪先部分まで編成し、編成した編地を2本使用しパンティ部の縫製、及び、爪先部を縫製した。次いで、ドラム染色機に投入し、ポリアミド繊維の染色を行い、染色工程の最後にシリコン系の加工剤(メイシリコンASE68(明成化学工業(株)製))を6%owfパドル染色機に投入し、常温で5分間処理した。5分後にパドル染色機から取り出し、脱水、乾燥後、脚型の金枠にセットし、100℃10秒間セットして、くるぶしまでの周方向のウェール数が368ウェールのレギンスとした。製造できたレギンスのサイズ比、応力比、伸長時発熱温度を測定し、着用試験により涼しさを検証した結果、着用で涼しく、特に運動後の脚部の温度低下が大きく、暑熱環境での着用でも涼しいことが判った。結果を以下の表1に示す。
弾性糸19dtex(商品名ロイカBZ:旭化成(株)製)にポリアミド繊維の原糸8dtex/5フィラメントを、弾性糸のドラフト率3.0、撚り数1900T/mでカバーリングして15dtexの被覆弾性糸とした。この被覆弾性糸を使用して、針数368本のパンティストッキング編機を使用し、パンティストッキングのウエスト部にあたる部分から爪先まで編成した。ここで、パンティ部にあたる部分は、被覆弾性糸とポリアミド繊維加工糸78dtex/24フィラメントとを1本交互に編成し、股下からは被覆弾性糸のみで徐々にループの大きさを小さくしながら爪先部分まで編成し、編成した編地を2本使用しパンティ部の縫製、及び、爪先部を縫製した。次いで、ドラム染色機に投入し、ポリアミド繊維の染色を行い、染色工程の最後にシリコン系の加工剤(メイシリコンASE68(明成化学工業(株)製))を6%owfパドル染色機に投入し、常温で5分間処理した。5分後にパドル染色機から取り出し、脱水、乾燥後、脚型の金枠にセットし、100℃10秒間セットして、くるぶしまでの周方向のウェール数が368ウェールのレギンスとした。製造できたレギンスのサイズ比、応力比、伸長時発熱温度を測定し、着用試験により涼しさを検証した結果、着用で涼しく、特に運動後の脚部の温度低下が大きく、暑熱環境での着用でも涼しいことが判った。結果を以下の表1に示す。
[実施例7]
弾性糸22dtex(商品名ロイカSF:旭化成(株)製)にポリアミド繊維の原糸17dtex/5フィラメントを、弾性糸のドラフト率3.0、撚り数1500T/mでカバーリングして、25dtexの被覆弾性糸とした。この被覆弾性糸を使用して、針数341本のパンティストッキング編機を使用し、パンティストッキングのウエスト部にあたる部分から爪先まで編成した。ここで、パンティ部にあたる部分は、被覆弾性糸とポリアミド繊維加工糸78dtex/24フィラメントとを1本交互に編成し、股下からは被覆弾性糸のみで徐々にループの大きさを小さくしながら爪先部分まで編成し、編成した編地を2本使用しパンティ部の縫製、及び、爪先部を縫製した。次いで、ドラム染色機に投入し、ポリアミド繊維の染色を行い、染色工程の最後にシリコン系の加工剤(メイシリコンASE68(明成化学工業(株)製))を6%owfパドル染色機に投入し、常温で5分間処理した。5分後にパドル染色機から取り出し、脱水、乾燥後、脚型の金枠にセットし、100℃10秒間セットして、くるぶしまでの周方向のウェール数が341ウェールのレギンスとした。製造できたレギンスのサイズ比、応力比、伸長時発熱温度を測定し、着用試験により涼しさを検証した結果、着用で涼しく、特に運動後の脚部の温度低下が大きく、暑熱環境での着用でも涼しいことが判った。結果を以下の表1に示す。
弾性糸22dtex(商品名ロイカSF:旭化成(株)製)にポリアミド繊維の原糸17dtex/5フィラメントを、弾性糸のドラフト率3.0、撚り数1500T/mでカバーリングして、25dtexの被覆弾性糸とした。この被覆弾性糸を使用して、針数341本のパンティストッキング編機を使用し、パンティストッキングのウエスト部にあたる部分から爪先まで編成した。ここで、パンティ部にあたる部分は、被覆弾性糸とポリアミド繊維加工糸78dtex/24フィラメントとを1本交互に編成し、股下からは被覆弾性糸のみで徐々にループの大きさを小さくしながら爪先部分まで編成し、編成した編地を2本使用しパンティ部の縫製、及び、爪先部を縫製した。次いで、ドラム染色機に投入し、ポリアミド繊維の染色を行い、染色工程の最後にシリコン系の加工剤(メイシリコンASE68(明成化学工業(株)製))を6%owfパドル染色機に投入し、常温で5分間処理した。5分後にパドル染色機から取り出し、脱水、乾燥後、脚型の金枠にセットし、100℃10秒間セットして、くるぶしまでの周方向のウェール数が341ウェールのレギンスとした。製造できたレギンスのサイズ比、応力比、伸長時発熱温度を測定し、着用試験により涼しさを検証した結果、着用で涼しく、特に運動後の脚部の温度低下が大きく、暑熱環境での着用でも涼しいことが判った。結果を以下の表1に示す。
[比較例3]
実施例6において、針数420本のパンティストッキング編機を使用し、他の製造条件は同じとした周方向のウェール数が420ウェールのレギンスを製造した。結果を以下の
表1に示す。
実施例6において、針数420本のパンティストッキング編機を使用し、他の製造条件は同じとした周方向のウェール数が420ウェールのレギンスを製造した。結果を以下の
表1に示す。
本発明のレッグ製品は、パンティストッキング、レギンスとして好適であるが、スパッツ、スポーツタイツ、コンプレッションタイツ等のスポーツ、インナー用等ボトム類としても使用可能であり、暑熱環境下において涼しいレッグ製品である。
1 レッグ長
2 股下から1/4の位置でのサイズ測定部
3 股下から3/4の位置でのサイズ測定部
4 股下から1/4の長さ
5 股下から1/2の長さ
6 股下から3/4の長さ
2 股下から1/4の位置でのサイズ測定部
3 股下から3/4の位置でのサイズ測定部
4 股下から1/4の長さ
5 股下から1/2の長さ
6 股下から3/4の長さ
Claims (5)
- 弾性糸と合成繊維とからなる被覆弾性糸で、レッグ部全コースが天竺組織で編成されている筒状の編地からなる周方向のウェール数が340〜400ウェールであるレッグ製品において、下記式(1):
サイズ比=(レッグ部の股下から1/4の位置での3kg荷重下幅方向伸度)/(レッグ部の股下から3/4の位置での3kg荷重下幅方向伸度)
で求められるサイズ比が1.10〜1.40であり、かつ、レッグ部の股下から1/2の位置で編地を経方向に80%まで伸長後元の長さに戻す伸縮工程を3回繰り返し、3回目の伸縮工程における50%時点での往路応力と復路応力を測定するとき、下記式(2):
応力比=(50%時点の復路応力(N))/(50%時点の往路応力(N))
で求められる応力比が0.35〜0.60であることを特徴とする前記レッグ製品。 - レッグ部の股下から1/2の位置での編地経方向の平均摩擦係数が0.250以下である、請求項1に記載のレッグ製品。
- 前記被覆弾性糸が、弾性糸とポリアミド繊維とからなる繊度13〜30dtexの被覆弾性糸であり、かつ、レッグ部の股下から1/2の位置での編地経方向における、繰り返し伸縮機を用いて、初期長に対して伸長量110%に伸長して元の長さに戻す繰り返し伸縮サイクルを100回/分で500回繰り返した後の編地表面の瞬間発熱温度が、サーモグラフィの放射率1.0のサーモグラフィで測定するとき、0.40℃以下である、請求項1又は2に記載のレッグ製品。
- レッグ部の股下から1/4の位置での3kg荷重下の、幅方向ストレッチ長が、下記式(3):
幅方向ストレッチ長(cm)=周方向のウェール数 × 0.11〜0.14
で表される、請求項1〜3のいずれか1項に記載のレッグ製品。 - レッグ部の股下から1/4の位置の大腿部に相当する部分の、3kg荷重下のコース数が、23〜30コース/インチである、請求項1〜4のいずれか1項に記載のレッグ製品。
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