JP2003293201A - ストッキング - Google Patents

ストッキング

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JP2003293201A
JP2003293201A JP2002094398A JP2002094398A JP2003293201A JP 2003293201 A JP2003293201 A JP 2003293201A JP 2002094398 A JP2002094398 A JP 2002094398A JP 2002094398 A JP2002094398 A JP 2002094398A JP 2003293201 A JP2003293201 A JP 2003293201A
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yarn
stocking
fiber
polyamide
decitex
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JP2002094398A
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Yumiko Sawai
由美子 澤井
Kensuke Watanabe
健介 渡邉
Kaname Morioka
要 森岡
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Toray Industries Inc
Original Assignee
Toray Industries Inc
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Abstract

(57)【要約】 【課題】本発明によれば、接触冷感、紫外線遮蔽性に良
好なストッキングを提供するとともに、ストッキングに
使用する細繊度で酸化チタン含有量の多いポリアミド繊
維の安定生産を提供することができる。 【解決手段】弾性繊維を芯糸としその周囲にポリアミド
長繊維を巻き付けるカバリング弾性糸のみでレッグ部を
編成するストッキングにおいて、前記ポリアミド長繊維
が酸化チタンを1〜7重量%、マグネシウム化合物を
0.01〜1重量%含有しており、かつ、糸条繊度が5
〜18デシテックス、単糸繊度が1〜3デシテックス、
アミノ末端基量が4×10-5〜7×10-5mol/gで
あることを特徴とするストッキング。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、ストッキングの改
良に関するものであり、特にソフトな風合い、接触冷
感、紫外線遮蔽性に良好なストッキングに関するもので
ある。
【0002】
【従来の技術】従来、日焼けした小麦色の肌が健康の象
徴とされていたが、近年では、紫外線が人体に及ぼす影
響が大きく取り上げられており、紫外線遮蔽に関心が高
まってきている。
【0003】太陽光中の紫外線は、A波(320〜40
0nm)、B波(290〜320nm)、C波(200
〜290nm)の3種類存在し、特にA波は皮膚の透過
力が高くシミやそばかすの原因となり、B波は炎症を引
き起こし一種の火傷状態にするなどと人体に大きな影響
を及ぼすことが、雑誌やTVなどで紹介されている。そ
の都度、女性の紫外線遮蔽に関する関心は高まってきて
いる。
【0004】そこで、紫外線から皮膚を守るために、屋
外では日傘や帽子で太陽光を遮蔽させるばかりでなく、
紫外線遮蔽効果ある化粧料を顔や首筋,腕等につけるこ
とが行われている。
【0005】ところが、脚については、何ら日焼け止め
の手段が講じられていず、ストッキング生地を通して脚
が紫外線にさらされ、日焼けすることがある。そこで、
脚の日焼けを防止するために、厚地のストッキングやパ
ンツを着用することも考えられるが、日差しの強い夏期
に、このような厚地のストッキングを着用することは実
用的でない。
【0006】近年、女性の生活環境の変化や、ファッシ
ョン思考の高まりは、ストッキングの要求特性にも変革
をもたらしている。特に最近では、夏に履くストッキン
グの要求特性として、紫外線遮蔽性、接触冷感の要求が
高まっている。
【0007】紫外線を遮蔽する技術としては、繊維に紫
外線吸収剤入りのマイクロカプセルをバインダーで全面
接着した後加工品に関する技術が特公平7−11081
号公報に掲載されており、一方、特開平9−31672
8号公報に紫外線遮蔽層をなす酸化チタン微粒子を含有
したポリアミド繊維と光散乱物質を実質的に含有しない
透明ポリアミド層からなる複合繊維が提案されている。
【0008】しかしながら、特公平7−11081号公
報に掲載されている後加工品では、洗濯の繰り返しによ
る紫外線遮蔽効果の減少や、後加工時の洗浄不足による
皮膚障害の恐れが生じたり、布帛の風合いが硬くなるな
どの問題が生じる。一方、特開平9−316728号公
報に掲載されている複合繊維では、紫外線遮蔽効果はあ
るが、ストッキング用途として用いられる細繊度で酸化
チタン含有量の多いポリアミド繊維を製糸する際、溶融
時に酸化チタンが口金孔周辺でブリードアウトし口金孔
周辺に異物を形成するため、特に生産の安定化、生産性
向上をはかる上で大きな障害となっていた。
【0009】このため、例えば特開平8−231711
号公報において、成形装置の口金汚染低減を目的に、ポ
リアミドのアミノ末端基やカルボキシル末端基量を極端
に低く制限し、かつ低分子量成分の含有量を規制する方
法が提案されている。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、特開平
8−231711号公報に記載される方法ではモノアミ
ン、モノカルボン酸などの末端封鎖剤を多く添加する必
要があり、この場合、成形加工に必要な重合度のポリア
ミドを得るためには重合に長時間要したり減圧重合など
特殊な重合が必要となり、熱分解反応による品質劣化の
可能性、また、工業的規模の生産においては経済的観点
で抜本的な解決策が求められていた。また、繊維とした
場合、発色性が極端に低下するという問題があった。
【0011】そこで、本発明では、接触冷感、紫外線遮
蔽性に良好なストッキングを提供するとともに、ストッ
キングに使用する細繊度で酸化チタン含有量の多いポリ
アミド繊維の安定生産を提供することを課題とする。
【0012】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決するた
め、本発明は (1)弾性繊維を芯糸としその周囲にポリアミド長繊維
を巻き付けるカバリング弾性糸のみでレッグ部を編成す
るストッキングにおいて、前記ポリアミド長繊維が酸化
チタンを1〜7重量%、マグネシウム化合物を0.01
〜1重量%含有しており、かつ、糸条繊度が5〜18デ
シテックス、単糸繊度が1〜3デシテックス、アミド末
端基量が4×10-5〜7×10-5mol/gであること
を特徴とするストッキング。
【0013】(2)ストッキングを構成するカバリング
弾性糸が、撚数1400〜2500t/mのシングルカ
バリング弾性糸であることを特徴とする(1)記載のス
トッキング。
【0014】(3)ストッキングを構成するカバリング
弾性糸が、下撚数1800〜4000t/m、上撚数
0.75×(下撚数)〜0.95×(下撚数)t/mの
ダブルカバリング弾性糸であることを特徴とする(1)
記載のストッキング。により構成される。
【0015】
【発明の実施の形態】以下本発明を詳細に説明する。
【0016】本発明の対象とするストッキングは、パン
ティストッキング、ロングストッキング、ショートスト
ッキングで代表されるストッキング製品である。
【0017】本発明のストッキングは、このようなスト
ッキングの少なくともレッグ部の編地をカバリング弾性
糸のみで編成することが必要である。なお、このレッグ
部編地には、他素材からなる編込み模様やワンポイント
のような装飾が施されていてもよい。
【0018】本発明のストッキングは、公知の製法で編
成される。例えば、2口あるいは4口給糸の編機を用
い、カバリング弾性糸のみを供給して編成するという通
常の方法で編成すればよい。シングルカバリング弾性糸
の場合は、S方向カバリングのシングルカバリング弾性
糸とZ方向カバリングのシングルカバリング弾性糸とを
交互に編成する。このようにしてレッグ部編地を編成し
て公知の製法でストッキング製品とすればよい。
【0019】本発明のストッキングで使用するポリアミ
ド繊維は、酸化チタンを1〜7重量%含有することが必
要である。酸化チタンの含有量が1重量%より少ない場
合、十分な紫外線遮蔽の効果、接触冷感、ソフト感が得
られない。7重量%を超える場合、紫外線遮蔽効果、接
触冷感、ソフト感は得られるが、添加剤コスト、ポリア
ミド繊維を製造する際の糸切れが増加し製糸安定性の面
で好ましくない。さらに好ましくは、1.5〜6重量%
である。
【0020】この酸化チタンはポリアミド用の添加剤と
して用いられているものであればよい。種類は、ルチル
型でもアナターゼ型でもよいが、紫外線遮蔽性を向上さ
せるためにはアナターゼ型がさらに好ましい。酸化チタ
ンの粒子径はポリアミド繊維製造する時に、濾過圧力上
昇、糸切れなどの問題を引き起こさない範囲であればよ
いが、平均粒子径1μm以下が好ましい。また、平均粒
子径が例えば、0.1μm以下のような微粒子粉末の場
合、粉砕などにコストアップとなるので経済的観点から
好ましくないばかりでなく、濾過圧力上昇などの問題点
も引き起こしやすく好ましくない。さらに好ましくは、
0.1〜0.5μm以下である。また、ポリアミド繊維
中の酸化チタン分散性向上の目的で酸化チタン粒子の表
面をAl、Zn、Si等で処理したものであってもよ
い。
【0021】また、酸化チタンを含有せしめる方法とし
ては、ポリアミドペレットへ酸化チタンをブレンドし溶
融する方法、ポリアミドペレットへ高濃度の酸化チタン
を含有するマスタペレットをブレンドし溶融する方法、
溶融状態のポリアミドへ酸化チタンを添加し混練する方
法、ポリアミドの重合前あるいは重合中の段階で原料あ
るいは反応系へ酸化チタンを添加する方法などが挙げら
れるが、両者が均一に混ざればいかなる方法でも良い。
【0022】本発明のストッキングで使用するポリアミ
ド繊維は、マグネシウム化合物を0.01〜1重量%含
有することが必要である。マグネシウム化合物の含有量
が0.01重量%未満の場合、例えば、溶融によりポリ
アミド繊維を製造する時におけるモノマー、オリゴマー
の再生を充分抑制することができず、これらモノマ、オ
リゴマおよびポリアミドよりブリードアウトした酸化チ
タンによる成形口金孔周辺汚染による糸切れが多く発生
し操業性が不調となる。1重量%を超える場合、効果は
同程度であり経済的観点から好ましくないばかりでな
く、特に、糸条繊度が細く、酸化チタンを含む場合、ポ
リアミド中の不溶解異物として残存したマグネシウムが
酸化チタンと相まって異物除去のため設置したフィルタ
ーでの濾過圧力上昇、ポリアミド繊維の物性低下などの
問題を引き起こす。さらに好ましくは、0.02〜0.
1重量%である。
【0023】本発明のストッキングで使用するポリアミ
ド繊維に含有されるマグネシウム化合物としては、酸化
マグネシウム、水酸化マグネシウム、炭酸マグネシウム
など、およびこれらの混合物が挙げられるが、酸化マグ
ネシウムまたは水酸化マグネシウムを用いることが好ま
しい。これらマグネシウム化合物の平均粒子径は10μ
m以下であることが好ましい。平均粒子径が10μmを
超えると、例えば、ポリアミド繊維を製造する時、異物
除去のため設置したフィルターでの濾過圧力上昇、ポリ
アミド繊維の物性低下などの問題を引き起こす。さらに
好ましくは、5μm以下であることが好ましい。
【0024】またマグネシウム成分を含有せしめる方法
としては、ポリアミドペレットへマグネシウム化合物を
ブレンドし溶融する方法、ポリアミドペレットへ高濃度
のマグネシウムを含有するマスタペレットをブレンドし
溶融する方法、溶融状態のポリアミドへマグネシウム化
合物を添加し混練する方法、ポリアミドの重合前あるい
は重合中の段階で原料あるいは反応系へマグネシウム化
合物を添加する方法などが挙げられるが、両者が均一に
混ざればいかなる方法でも良い。
【0025】本発明のストッキングで使用するポリアミ
ド繊維は、糸条繊度が5〜18デシテックスであること
が必要である。特に、シングルカバリング弾性糸を使用
する場合は8〜18デシテックス、ダブルカバリング弾
性糸に用いる場合は5〜13デシテックスがストッキン
グの耐久性、ソフト感をさらに向上させるために好まし
い。
【0026】糸条繊度が5デシテックス未満の場合、ス
トッキングの耐久性を得ることが困難であるばかりか、
ポリアミド繊維の製造、カバリング弾性糸の製造、スト
ッキング編成などの生産性が悪くなる。18デシテック
スを超えると、ストッキングのソフト感が悪くなり好ま
しくない。
【0027】本発明のストッキングで使用するポリアミ
ド繊維は、単糸繊度が1〜3デシテックスであることが
必要である。1デシテックス未満の場合、ストッキング
の耐久性を得ることが困難であるばかりか、ポリアミド
繊維の製造、カバリング弾性糸の製造、ストッキング編
成などの生産性が悪くなる。3デシテックスを越える
と、ストッキングのソフト感が悪くなり好ましくない。
【0028】本発明のストッキングで使用するポリアミ
ド繊維は、アミノ末端基量が4×10-5〜7×10-5
ol/gであることが必要である。アミノ末端基量が4
×10-5mol/gより少ない場合は、衣料用ポリアミ
ド繊維で一般的に使用される酸性染料で染色した際に、
酸化チタン添加の影響により色がくすんでしまいファッ
ション性に欠けるため本発明の目的に適さない。また、
7×10-5mol/gより大きい場合は、繊維を製造す
る際の糸切れが増加し製糸安定性の面で好ましくない。
さらに好ましくは、4.5×10-5〜6.5×10-5
ol/gである。
【0029】本発明のストッキングで使用するポリアミ
ド繊維には、例えば、ナイロン6、ナイロン66、ナイ
ロン610、ナイロン46や、これらのコポリマー等か
らなるポリアミドであればよいが、特に衣料用途に要求
される特性、例えば染色性、洗濯堅牢性、機械特性に優
れる点からナイロン6、ナイロン66が好ましい。
【0030】所定濃度の酸化チタン、マグネシウム化合
物を含有するポリアミド繊維は通常の溶融紡糸方法で得
られる。その製糸方法は、ポリアミドペレットを溶融
し、吐出孔から吐出し、冷却、給油、交絡の後、100
0m/分以上の速度で紡糸引取りし、一旦巻き取ること
なく引き続いて熱延伸し、3000m/分以上の速度で
紡糸引取る高速直接熱延伸法による製糸方法や、ポリア
ミドペレットを溶融し、吐出孔から吐出し、冷却、給油
後、1000m/分で一旦巻取り、その後延伸する2工
程法による製糸方法によってもよい。さらに、ポリアミ
ドペレットを溶融し、吐出孔から吐出し、冷却、給油、
交絡後、1000m/分以上の速度で紡糸引取りし、一
旦巻き取ることなく実質延伸しないで3000m/分以
上の速度で紡糸引取る高速法によって、POYを製糸
し、その後、仮撚加工など高次加工を施したポリアミド
繊維でもよい。特に、本発明のストッキングで使用する
ポリアミド繊維の糸条繊度は細繊度が主流であるため、
生産性の点から、3000m/分以上の速度の高速直接
熱延伸法で製造することが好ましい。ポリアミド繊維の
断面形状は特に限定されるものではないが、例えば,ス
トッキング用途の場合には、丸断面、偏平断面、レンズ
型断面、三葉断面、凹部を有しない四葉断面が、ストッ
キングのソフト感などの風合いに良好なために好まし
い。
【0031】本発明の対象とするカバリング弾性糸は、
シングルカバリング弾性糸であってもよいし、ダブルカ
バリング弾性糸であってもよい。シングルカバリング弾
性糸は、弾性繊維糸の周囲にカバリング用糸を一重に巻
付けてなる複合弾性糸である。ダブルカバリング弾性糸
は、弾性繊維糸の周囲にカバリング用糸を巻付け方向を
異ならせて二重に巻付けてなる複合弾性糸である。
【0032】シングルカバリング弾性糸の場合、巻き付
け回数(以下、撚数と示す)は、1400〜2500t
/mが好ましい。1400t/m未満の場合、弾性繊維
への被覆状態が悪くなるため、ストッキングとしたとき
の編地外観や、ソフト感が悪くなる。さらに、酸化チタ
ンを含有する細繊度のポリアミド繊維は、強度が低いた
め、被覆状態が悪いとちょっとした引っ掛けによって繊
維が破断しストッキングの耐久性が悪くなる。一方、2
500t/mを超えると、弾性繊維の伸縮性が低下し、
ストッキングのフィット感が悪くなる。また、カバリン
グ弾性糸製造時の糸切れが多発し生産上好ましくない。
【0033】ダブルカバリング弾性糸の場合、下撚数は
1800〜4000t/mが好ましい。1800t/m
未満の場合、弾性繊維への被覆性が悪くなり、上巻糸で
巻いても被覆されず、ストッキングとしたときの編地外
観やソフト感が悪くなる。一方、4000t/mを超え
ると弾性繊維の伸縮性が低下しストッキングのフィット
感が悪くなる。また、カバリング弾性糸製造時の糸切れ
が多発し生産上好ましくない。上撚数は0.75×(下
撚数)〜0.95×(下撚数)が好ましい。0.75×
(下撚数)未満の場合、0.95×(下撚数)を超えた
場合、いずれも上巻糸と下巻糸の巻きバランスが崩れト
ルクが発生し、ストッキング編地とした場合、斜行した
編地となり好ましくない。
【0034】また、カバリング弾性糸の芯糸となる弾性
繊維としては、ポリウレタン系弾性繊維、ポリアミド系
エラストマ弾性繊維、ポリエステル系エラストマー弾性
繊維、天然ゴム系繊維、合成ゴム系繊維、ブタジエン系
繊維等が用いられるが、その弾性特性、熱特性、耐久性
等から好ましいのは、ポリウレタン系弾性繊維、ポリア
ミド系エラストマー弾性繊維である。
【0035】これらの弾性繊維の繊度は特に限定される
ものではないが、例えば、ストッキング用途の場合に
は、締め付け圧の設定により異なるが、一般に8〜80
デシテックス程度の範囲であればよい。かかる範囲であ
れば、糸強力が十分でカバリング時及び編立て時に芯糸
切れ等のトラブルを生じ難く、ストッキングとしての伸
縮性、耐久性が十分となる一方締付け力が強くなり過ぎ
ることもなく、粗硬感もない。
【0036】
【実施例】以下、実施例により本発明をさらに詳細に説
明する。物性の測定方法は次の通りである。
【0037】A.紫外線遮蔽性 JIS B 7751 紫外線カーボンアーク灯式耐光
性試験機を用い、カーボンアークを光源とし、3分間照
射したときの紫外線最大強度及び積算量を紫外線強度計
(東レテクノ製)により測定する。そして、次の算式に
より紫外線遮蔽率を求める。 紫外線遮蔽率(%)=100−(編地最大強度)/(光
源の最大強度)×100。
【0038】B.接触冷感 ストッキング製品を検査者(30人)の触感によって接
触冷感を次の基準で相対評価した。 ◎:接触冷感が非常によい、○:接触冷感がややよい、
△:接触冷感があまりない、×:接触冷感がない。
【0039】C.ソフト感 ストッキング製品を検査者(30人)の触感によってソ
フト感を次の基準で相対評価した。 ◎:ソフト感が非常によい、○:ソフト感がややよい、
△:ソフト感があまりない。×:ソフト感がない。
【0040】D.アミノ末端基量 試料をフェノール・エタノール混合溶液で溶解し、N/
50塩酸水溶液で、チモールブルーを指示薬として中和
滴定する。塩酸消費量からアミノ基濃度を求める。
【0041】E.ポリアミド繊維製糸性 260℃で溶融し、1口金当たり4糸条の丸孔口金から
吐出させ、巻取速度4000m/分で高速直接延伸法に
より、13デシテックス7フィラメントのナイロン6繊
維糸条を得るときの、1糸条1t当たりの製糸糸切れに
ついて、次の基準をもって製糸性を示した。 ○:糸切れ2回未満、△:糸切れ2以上4回未満、×:
糸切れ4回以上。
【0042】F.発色性 65デシテックス相当のポリアミド繊維糸条(13デシ
テックス繊維糸条の5本合糸)を一口給糸の筒編機によ
り筒編地を作成を作成し、常法により精錬した後、0.
3%owfのブルー酸性染料(Xylene Fast Blue P)を
用いて90℃湯浴中で染色し、乾燥させた後に色差計Σ
80(日本電色工業(株)製)によりa値およびb値を
測定する。得られたa値、b値より鮮明発色性を算出す
る 発色性=(a2+b21/2 数値が大きいほど、発色性が大きくなり、37以上で優
れた発色性を発現する。次の基準をもって発色性を示し
た。 ○:37以上、△:34以上37未満、×:34未満。
【0043】実施例1 平均粒径0.3μmの酸化チタン5.0%、平均粒径
2.0μmの酸化マグネシウム0.04%含有するアミ
ノ末端基量5.0×10-5mol/gのナイロン6ペレ
ットを260℃で溶融し、丸孔口金から吐出させ、冷
却、給油、交絡し、155℃で熱延伸し、巻取速度40
00m/分で高速直接延伸法により、13デシテックス
7フィラメントのナイロン6繊維糸条を得た。得られた
繊維糸条について製糸性、発色性を評価した結果は表1
のとおりであった。
【0044】得られた繊維糸条を、東レデュポン“ライ
クラ”20デシテックスを芯糸とし、ドラフト2.9、
撚数2000t/mでS方向又はZ方向にシングルカバ
リングして、S方向シングルカバリング弾性糸とZ方向
シングルカバリング弾性糸とを製造した。
【0045】得られたシングルカバリング弾性糸を用
い、永田精機(株)製のスーパー4編機(針数400
本)で、S方向シングルカバリング弾性糸とZ方向シン
グルカバリング弾性糸とを交互に編機の給糸口に供給
し、レッグ部編地がカバリング弾性糸のみで編成された
パンティストッキングとし、通常の方法にて染色、仕上
げ及び型板セットしてパンティストッキング製品とし
た。
【0046】得られたパンティストッキング製品のレッ
グ部について紫外線遮蔽性、接触冷感、ソフト感を評価
した結果は表1のとおりであった。
【0047】実施例2 平均粒径0.3μmの酸化チタン2.0%、平均粒径
2.0μmの酸化マグネシウム0.04%含有するナイ
ロン6ペレットを用いる以外は実施例1と同様に紡糸
し、13デシテックス7フィラメントのナイロン6繊維
糸条を得た。得られた繊維糸条について製糸性、発色性
を評価した結果は表1のとおりであった。
【0048】得られた繊維糸条を実施例1と同様にカバ
リング弾性糸を製造し、パンティストッキングを製造し
た。得られたパンティストッキング製品のレッグ部につ
いて紫外線遮蔽性、接触冷感、ソフト感を評価した結果
は表1のとおりであった。
【0049】比較例1 酸化チタンを含まない以外は実施例1と同様に紡糸し、
13デシテックス7フィラメントのナイロン6繊維糸条
を得た。得られた繊維糸条について製糸性、発色性を評
価した結果は表1のとおりであった。
【0050】比較例2 平均粒径0.3μmの酸化チタン0.5%含有する以外
は実施例1と同様に紡糸し、13デシテックス7フィラ
メントのナイロン6繊維糸条を得た。得られた繊維糸条
について製糸性、発色性を評価した結果は表1のとおり
であった。
【0051】比較例3 平均粒径0.3μmの酸化チタン10.0%含有する以
外は実施例1と同様に紡糸し、13デシテックス7フィ
ラメントのナイロン6繊維糸条を得た。得られた繊維糸
条について製糸性、発色性を評価した結果は表1のとお
りであった。
【0052】比較例4 酸化マグネシウムを含まない以外は実施例1と同様に紡
糸し、13デシテックス7フィラメントのナイロン6繊
維糸条を得た。得られた繊維糸条について製糸性、発色
性を評価した結果は表1のとおりであった。
【0053】比較例5 平均粒径2.0μmの酸化マグネシウム1.5%含有す
る以外は実施例1と同様に紡糸し、13デシテックス7
フィラメントのナイロン6繊維糸条を得た。得られた繊
維糸条について製糸性、発色性を評価した結果は表1の
とおりであった。
【0054】比較例6 実施例1と同様に4デシテックス4フィラメントのナイ
ロン6繊維を紡糸したが、紡糸不能であった。
【0055】比較例7 実施例1と同様に紡糸し、20デシテックス10フィラ
メントのナイロン6繊維糸条を得た。得られた繊維糸条
について製糸性、発色性を評価した結果は表1のとおり
であった。
【0056】比較例8 実施例1と同様に紡糸し、13デシテックス17フィラ
メントのナイロン6繊維糸条を得た。得られた繊維糸条
について製糸性、発色性を評価した結果は表1のとおり
であった。
【0057】比較例9 実施例1と同様に紡糸し、13デシテックス3フィラメ
ントのナイロン6繊維糸条を得た。得られた繊維糸条に
ついて製糸性、発色性を評価した結果は表1のとおりで
あった。
【0058】比較例10 アミノ末端基量3.0×10-5mol/gのナイロン6
ペレットとする以外は実施例1と同様に紡糸し、13デ
シテックス7フィラメントのナイロン6繊維糸条を得
た。得られた繊維糸条について製糸性、発色性を評価し
た結果は表1のとおりであった。
【0059】比較例11 アミノ末端基量8.0×10-5mol/gのナイロン6
ペレットとする以外は実施例1と同様に紡糸し、13デ
シテックス7フィラメントのナイロン6繊維糸条を得
た。得られた繊維糸条について製糸性、発色性を評価し
た結果は表1のとおりであった。
【0060】比較例1〜5、7〜11で得られた繊維糸
条を実施例1と同様にカバリング弾性糸を製造し、パン
ティストッキングを製造した。得られたパンティストッ
キング製品のレッグ部について紫外線遮蔽性、接触冷
感、ソフト感を評価した結果は表1のとおりであった。
【0061】
【表1】
【0062】表1の結果から明らかなように、本発明の
ストッキングは、紫外線遮蔽性、接触冷感、ソフト感に
極めて顕著な効果奏し、従来の酸化チタンを含有したポ
リアミドからなるポリアミド組成物と比較して製糸性に
優れているという極めて顕著な効果を奏することが判
る。
【0063】
【発明の効果】本発明によれば、接触冷感、紫外線遮蔽
性に良好なストッキングを提供するとともに、ストッキ
ングに使用する細繊度で酸化チタン含有量の多いポリア
ミド繊維の安定生産を提供することができる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き Fターム(参考) 3B018 AC00 AD07 4L036 MA04 MA06 MA33 MA39 PA21 UA01 UA10

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】弾性繊維を芯糸としその周囲にポリアミド
    長繊維を巻き付けるカバリング弾性糸のみでレッグ部を
    編成するストッキングにおいて、前記ポリアミド長繊維
    が酸化チタンを1〜7重量%、マグネシウム化合物を
    0.01〜1重量%含有しており、かつ、糸条繊度が5
    〜18デシテックス、単糸繊度が1〜3デシテックス、
    アミノ末端基量が4×10-5〜7×10-5mol/gで
    あることを特徴とするストッキング。
  2. 【請求項2】ストッキングを構成するカバリング弾性糸
    が、撚数1400〜2500t/mのシングルカバリン
    グ弾性糸であることを特徴とする請求項1記載のストッ
    キング。
  3. 【請求項3】ストッキングを構成するカバリング弾性糸
    が、下撚数1800〜4000t/m、上撚数0.75
    ×(下撚数)〜0.95×(下撚数)t/mのダブルカ
    バリング弾性糸であることを特徴とする請求項1記載の
    ストッキング。
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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2016204784A (ja) * 2015-04-23 2016-12-08 東レ株式会社 吸湿性、接触冷感に優れたポリアミド系芯鞘複合繊維およびそれを用いた布帛
KR20190042694A (ko) 2016-10-13 2019-04-24 아사히 가세이 가부시키가이샤 레그 제품

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