JP5641704B2 - 芯鞘コンジュゲート繊維及びその製造方法 - Google Patents

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Description

本発明は、芯鞘コンジュゲート繊維、その製造方法、及び該繊維を含むストレッチ衣料に関する。
従来のパンティストッキング用繊維として、ストレッチ繊維が採用されている。このストレッチ繊維としては、例えば、ポリウレタン繊維に1本又は複数本のナイロン繊維を巻き付けたシングルカバードヤーン(SCY)、これらを撚り方向を変えて2重に巻き付けたダブルカバードヤーン(DCY)が主に採用されている(例えば、特許文献1、2参照)。あるいは、ストレッチ繊維(ポリウレタン等)と熱可塑性繊維(ポリアミド等)が繊維の長さ方向に連続して貼り合わされた構造を有するコンジュゲート繊維を捲縮させたものも使用されている(例えば、特許文献3〜7参照)。これらの繊維に関して、目的とする衣料の伸縮特性、強度等に合わせて改良されたものが数多く報告されている。
SCYやDCYは、その高い伸縮性により優れたサポート性を有していることから幅広く使用されているが、生地厚みが大きくなりやすく、また透明感が低い。また製造方法は一般に、ポリウレタン繊維を2〜3倍程度に延伸し、1本又は複数本のナイロン繊維を1m当たり2000〜3000回転程度巻き付けるため時間すなわちコストがかかるという問題があった。
またストレッチ繊維(ポリウレタン等)と熱可塑性繊維(ポリアミド等)が繊維の長さ方向に連続して貼り合わされた構造を有するコンジュゲート繊維は、SCYやDCYと比較して生地厚みが少なく透明感が高いことを特徴としているが、捲縮によるサポート性、即ちコイル状の伸縮による弾性を利用しているため、一般にSCYやDCYと比較してサポート性が弱く、昨今の市場ニーズである高いサポート性の要求を満足させることは難しいという面があった。また製造方法は編立後熱収縮により捲縮させるため、均一に捲縮させることが難しく、品質管理および製造歩留まりが悪いという問題があった。
これらの問題を解決するコンジュゲート繊維の製造方法として、本件出願人は、伸縮弾性を有するエラストマー樹脂(A)と伸縮弾性を有し永久伸びが25〜70%かつ引張伸度が100〜800%を持つエラストマー樹脂(B)とをそれぞれ溶融し、複合口金を2個有した口金で、エラストマー樹脂(A)が芯部分にエラストマー樹脂(B)が鞘部分になるように複合紡糸した繊維(例えば、引用文献8参照)、得られた複合紡糸繊維を熱処理した後、延伸処理する方法(例えば、引用文献9参照)を提案した。このような引用文献8、9に記載された方法では、透明性を維持したままで捲縮性と伸縮性に優れたコンジュゲート繊維が得られるものであるが、生地とした場合、特にストレッチ繊維を単独で用いるゾッキタイプの生地のテカリ感について、さらに生地の縦伸び性(履きやすさ)について充分に検討されたものではなかった。従って該文献の方法で得られたコンジュゲート繊維は、ゾッキタイプのパンティストッキングに用いるには充分なものではなかった。
特開昭47−19146号公報 特開昭62−263339号公報 特開昭61−34220号公報 特開昭61−256719号公報 特開平3−206122号公報 特開平3−206124号公報 特開平2003−171831号公報 特開平2007−77556号公報 国際公開第2007/123214号パンフレット
本発明は、透明性及び伸縮性に優れ、パンティストッキングやストッキング等のストレッチ衣料とした場合に、縦伸び性及びサポート性に優れ、かつテカリ感を軽減することができる芯鞘コンジュゲート繊維を提供することを目的とする。
本発明者は、上記の課題を解決するために鋭意研究を行った結果、芯部分に熱可塑性ポリウレタン系エラストマー樹脂(A)を含有し、鞘部分に熱可塑性ポリエステル系エラストマー樹脂(B)を含有する芯鞘コンジュゲート繊維であって、該芯鞘コンジュゲート繊維の引張試験により得られた強伸度曲線立ち上がり伸度が30〜100%であることを特徴とする芯鞘コンジュゲート繊維が、透明性及び伸縮性に優れ、かつストレッチ衣料とした場合に、サポート性及びテカリ感に優れることを見いだした。かかる知見に基づき、さらに研究を重ねて本発明を完成するに至った。
即ち、本発明は下記の芯鞘コンジュゲート繊維、その製造方法、及び該繊維を含むストレッチ衣料を提供する。
項1. 芯部分に熱可塑性ポリウレタン系エラストマー樹脂(A)を含有し、鞘部分に熱可塑性ポリエステル系エラストマー樹脂(B)を含有する芯鞘コンジュゲート繊維であって、該芯鞘コンジュゲート繊維の引張試験により得られた強伸度曲線立ち上がり伸度が30〜100%であることを特徴とする芯鞘コンジュゲート繊維。
項2. 芯部分に1/2法溶融温度が210〜220℃の熱可塑性ポリウレタン系エラストマー樹脂(A)を含有し、鞘部分に1/2法溶融温度が190〜235℃の熱可塑性ポリエステル系エラストマー樹脂(B)を含有する芯鞘コンジュゲート繊維であって、該芯鞘コンジュゲート繊維の断面における芯部分と鞘部分の面積比が50:50〜85:15であることを特徴とする請求項1に記載の芯鞘コンジュゲート繊維。
項3. 前記項1又は2に記載の芯鞘コンジュゲート繊維を含むストレッチ衣料。
項4. 前記請求項1に記載の芯鞘コンジュゲート繊維の製造方法であって、
(1)1/2法溶融温度が210〜220℃の熱可塑性ポリウレタン系エラストマー樹脂(A)と、1/2法溶融温度が190〜235℃の熱可塑性ポリエステル系エラストマー樹脂(B)とをそれぞれ溶融する工程、
(2)前記溶融された熱可塑性ポリウレタン系エラストマー樹脂(A)が芯部分に、前記溶融された熱可塑性ポリエステル系エラストマー樹脂(B)が鞘部分になるように、同心円状又は偏心円状の複合口金を用いて、繊維断面における芯部分と鞘部分の面積比が50:50〜85:15となるように複合紡糸する工程、
(3)工程(2)で複合紡糸された繊維を熱処理する工程、
及び
(4)工程(3)で熱処理された繊維を、延伸し、その後弛緩させる処理を逐次繰り返し行う工程、
を含むことを特徴とする芯鞘コンジュゲート繊維の製造方法。
本発明は、透明性及び伸縮性に優れ、パンティストッキングやストッキング等のストレッチ衣料とした場合に、縦伸び性及びサポート性に優れ、かつテカリ感を軽減することができる。
フローテスターの測定により得られる流動曲線の模式図である。 捲縮処理方法の一例を表す模式図である。 実施例1の捲縮糸の引張試験より得られた強伸度曲線である。 編み生地のウェール数、コース数の数え方の模式図である。 パンティストッキング生地の光透過性(透明性)を評価する測定機器の模式図である。
以下、本発明を詳細に説明する。
1. コンジュゲート繊維
本発明の芯鞘コンジュゲート繊維は、芯部分に1/2法溶融温度が210〜220℃の熱可塑性ポリウレタン系エラストマー樹脂(A)を含み、鞘部分に1/2法溶融温度が190〜235℃の熱可塑性ポリエステル系エラストマー樹脂(B)を含み、該繊維断面における芯部分と鞘部分の面積比が50:50〜85:15である。
ここで、1/2法溶融温度(T1/2)は、定荷重押出し式細管式レオメーター(フローテスター)により測定することができる。具体的な測定方法としては、フローテスター((株)島津製作所製、CFT−100D)を用いて、2cmの試料を80℃にて180秒間予熱した後、6.0℃/分の速度で昇温させながら、ピストン圧力:5.884×105Paで、ダイ(穴径1.0mm、穴ストレート部長さ2.0mm)から押し出すようにし、測定した。図1に、フローテスターの測定により得られる流動曲線を、横軸に温度、縦軸にピストンストロークをとり模式的に示した。該流動曲線において、流出終了点Smaxと最低点Sminの差の1/2の値Xを求め((X=Smax−Smin)/2)、XとSminを加えた点Aの位置における温度が、すなわち1/2法溶融温度である。この1/2法溶融温度は、従来からフローテスターでの昇温法において試料の溶融特性を評価する目安として、多くの分野において温度特性の測定に利用されているものである。
本発明の芯鞘コンジュゲート繊維は、偏心円型であっても、同心円型であってもよいが、偏心円型にする場合、同心円型の場合と比較して、延伸、熱処理により、より捲縮がかかることで弾性を発揮しサポート性が向上できるため好ましい。
エラストマー樹脂(A
本発明の芯鞘コンジュゲート繊の芯部分を構成する熱可塑性ポリウレタン系エラストマー樹脂(A)は、1/2法溶融温度が210〜220℃であり、好ましくは212〜220℃である。また、伸長してもほぼ元の長さに戻る(伸長可能な範囲で降伏点を有しない)性質、すなわちゴム弾性(ヒステリシス曲線において10%以内に戻る)を有することが好ましい。
該エラストマー樹脂(A)の100%モジュラス(JIS K7311)は、4〜11MPa程度であることが好ましく、6〜11MPa程度の高強度のものがより好ましい。また、300%モジュラス(JIS K7311)は、6〜20MPa程度であることが好ましく、10〜20MPa程度の高強度のものがより好ましい。また、引裂強度(JIS K7311)は、80〜130kN/m程度であることが好ましく、85〜120kN/m程度の高強度のものがより好ましい。さらに、表面硬度A(JIS K 7311)は、A81〜98程度であることが好ましく、A89〜95がより好ましい。表面硬度AがA81未満であると強度の確保が難しくなる傾向があり、A98を超えると伸度及び伸縮性が極端に悪くなる傾向がある。
熱可塑性ポリウレタンエラストマー樹脂(A)は、ウレタン構造のハードセグメントとポリエステルまたはポリエーテルのソフトセグメントで構成され、上記の性質を有するものが好適であり、具体的な商品名としては、パンデックス(ディーアイシーバイエルポリマー(株)製)T−1185N、T−1190N等が挙げられる。
エラストマー樹脂(B)
本発明の芯鞘コンジュゲート繊維の鞘部分を構成する熱可塑性ポリエステル系エラストマー樹脂(B)は、1/2法溶融温度が190〜235℃であり、好ましくは195〜230℃である。また、永久伸びが25〜70%を持つ熱可塑性エラストマー樹脂であることが好ましい。永久伸びはJIS K 6301に定義される。つまり、この樹脂(B)は、100%以上に伸長した場合は伸縮弾性を有するものの原形に復さず伸長した後、安定した形状に復するという性質を有している。
該エラストマー樹脂(B)の永久伸び(JIS K 6301)は100%伸長時25〜70%程度であり、30〜70%程度であることが好ましく、40〜60%程度であることがより好ましい。この、永久伸びは、ダンベル形試験片に引張り荷重をかけて規定伸び率100%(2倍)まで引き伸ばし、10分間その状態で保持した後、速やかに荷重を除き、10分間放置した後の伸び率を原長に対して求め、永久伸び率(%)とすることが規定されている。永久伸びが25%未満であるとコンジュゲート繊維として高いサポート性が得られない傾向があり、70%を超えると塑性変形が主となり、弾性体の性質すなわち伸縮性が低下する傾向がある。
該エラストマー樹脂(B)の引張強度(ASTM D638)は、15〜40MPa程度であることが好ましく、25〜40MPa程度の高強度のものがより好ましい。また、引張伸度(ASTM D638)が400〜750%程度であり、450〜700%であることが好ましい。引張伸度の値が、400%未満であると伸度不足で同用途として使用不可能となる傾向があり、750%を超えると一般に強度が低く、高いサポート性が得られない傾向がある。さらに、表面硬度D(ASTM D2240)は、D35〜70程度であることが好ましく、D40〜60がより好ましい。エラストマー樹脂(B)はD35未満になると表面硬度が柔らかくなるため延伸後の形状保持が難しくなると同時に肌触りも悪くなる傾向にある。また、D70を超えると延伸後の形状保持(セット性)は高くなるが、エラストマー部分が少なくなり伸縮弾性が悪くなる傾向がある。
熱可塑性ポリエステルエラストマー樹脂(B)は、ポリエステル構造のハードセグメントとポリエーテルまたはポリエステルのソフトセグメントで構成され、上記の性質を有するものが好適であり、具体的な商品名としては、東洋紡績(株)のペルプレン(登録商標)P−55B、P−90B、P−150B等を挙げることができる。
該エラストマー樹脂(B)の原形では、該エラストマー樹脂(B)を構成するハードセグメントとソフトセグメントがランダム状態にあるが、これを100%以上延伸するとハードセグメントが配向したまま復元されず、ソフトセグメントのみが伸縮弾性を有することになるためと考えられる。本発明のコンジュゲート繊維では、該エラストマー樹脂(B)のこの特性を巧みに利用し、高いサポート性を発揮する。
繊維断面における、該エラストマー樹脂(A)からなる芯部分と該エラストマー樹脂(B)からなる鞘部分の面積比が50:50〜85:15であることが必須である。面積比をこの範囲にすることで、捲縮処理を施すことにより芯鞘コンジュゲート繊維に優れた捲縮性を与えることができる。しかも、該芯鞘コンジュゲート繊維をストレッチ衣料に加工した場合に、縦伸び性及びサポート性に優れ、かつテカリ感を軽減することができる(例えば、実施例1〜10のテカリ感、履きやすさ、足首サポート性の評価結果を参照)。
一方、面積比がこの範囲から外れると、理由は明らかではないが、捲縮処理を施すことによりコンジュゲート繊維に優れた捲縮性を与えることができず、履きやすさについて低い評価となる。
ここで、本発明の捲縮処理とは、繊維を延伸し、その後弛緩させる処理を行うことをいう。図2は捲縮処理方法の一例を表す模式図であり、A、B、C、D、Eは繊維を挟んで送るクリップを示している。Step1で示すA−B間の繊維1は、Step2で送られながら、A−B間の距離が広がることで延伸される。その後、Step3にて、今度はA−B間の距離が狭められることでA−B間の繊維1が弛緩され、捲縮がかかった繊維になる。この捲縮がかかった繊維はStep4にて巻取工程へ送り出される。そして、この処理を、次はB−C間の繊維2に、その次はC−D間の繊維3に、と逐次繰り返し行う。
本発明の芯鞘コンジュゲート繊維の直径は、通常、30〜100μmであることが好ましく、40〜80μmであることがより好ましい。特に、パンティストッキング(PS)用の素材に用いる場合は、延伸糸を40〜70μmにし、編成、染色、熱セット等の熱処理によって製品上の繊維の直径を30〜80μmに調整することが好ましい。これは、パンティストッキングを編成する工程においては延伸配向して強度が高く伸びの少ない繊維を用いるほうが編機を安定稼動させることができるため好ましく、製品においては延伸配向を緩和して伸びやかに調整した繊維を用いるほうが着用時に破れにくい生地を得ることができ好ましいためである。
本発明の芯鞘コンジュゲート繊維の繊度は、10〜90dtexであることが好ましく、15〜60dtexであることがより好ましい。特にパンティストッキング製品中においては25〜55dtexであることが好ましい。
上記したように、芯部分を構成する該エラストマー樹脂(A)は、1/2法溶融温度が210〜220℃であり、伸長可能な範囲で降伏点、即ち、弾性域を超える伸長点を有さず、該エラストマー樹脂(B)は、1/2法溶融温度が190〜235℃であり、伸縮弾性を有しその伸長可能な範囲において降伏点を有している。そして、該繊維断面における芯部分と鞘部分の面積比が50:50〜85:15の範囲内にある。
また、本発明の芯鞘コンジュゲート繊維は透明で、そのまま生地に編成した場合でも透明感が高いという特徴も有している。従って、当該機能が特に求められるストッキング、パンティストッキング等の用途に好適に用いることができるが、当然これに限定されるものでなく、他の衣料用途にも用いることができる。
2.コンジュゲート捲縮繊維の製法
本発明の芯鞘コンジュゲート繊維の製造方法は特に限定されるものではないが、例えば、
(1)1/2法溶融温度が210〜220℃の熱可塑性ポリウレタン系エラストマー樹脂(A)と、1/2法溶融温度が190〜235℃の熱可塑性ポリエステル系エラストマー樹脂(B)とをそれぞれ溶融する工程、
(2)該溶融エラストマー樹脂(A)が芯部分に、該溶融エラストマー樹脂(B)が鞘部分になるように、同心円状又は偏心円状の2個のノズルを有する複合口金を用いて、繊維断面における芯部分と鞘部分の面積比が50:50〜85:15となるように複合紡糸する工程、
(3)工程(2)で複合紡糸された繊維を熱処理する工程、及び
(4)工程(3)で熱処理された繊維を、延伸し、その後弛緩させる処理を逐次繰り返し行う工程
を含む方法を挙げることができる。
工程(1)では、該エラストマー樹脂(A)及び該エラストマー樹脂(B)をそれぞれ紡糸に適した温度で溶融する。該エラストマー樹脂(A)の場合、一般に170〜230℃程度であり、該エラストマー樹脂(B)の場合、一般に200〜240℃程度である。
工程(2)では、溶融されたエラストマー樹脂(A)が芯部分に、溶融されたエラストマー樹脂(B)が鞘部分となるように複合紡糸する。この様な複合紡糸が可能であれば、公知の紡糸方法、紡糸装置等を採用することができる。通常、同心円状又は偏心円状の2個のノズルを有する複合口金を用いることができる。各樹脂の吐出量を変化させて、紡糸後の繊維断面における芯部分と鞘部分の面積比が50:50〜85:15となるように調製し複合紡糸する。
さらに、繊維に染色性を付与するために、鞘部分の該エラストマー樹脂(B)に染色可能な樹脂(例えば、ナイロン、ポリエステル等)をアロイ化したりして改質することも可能である。
染色可能な樹脂としては、ポリアミド系、ポリエステル系、アクリル系、ビニロン系等を挙げることができるが、これらの中でもポリアミド系、ポリエステル系が好ましい。これらの配合量は該エラストマー樹脂(B)の染色性に応じて決定されるが、上記樹脂の含有量の下限値は、1重量%であることが好ましい。また、上限値は30重量%が好ましく、10重量%がより好ましい。含有量が1重量%未満であると、染色による発色性が低くなる傾向があり、30重量%を超えると、繊維の強伸度が低下したり紡糸性が悪くなる傾向がある。
またこれらの作製方法としてはエラストマー樹脂(B)に上記樹脂を混合して押出機に投入することでできるが、安定した物性を得るには均一分散させることが望ましい。このため、2軸混練機でコンパウンド原料を作製し押出機に投入することがより望ましい。これにより、肌触りが良好でしかも種々の染色が可能なファッション性に優れたパンティストッキングを製造することができる。
また、コンジュゲート繊維の肌触りを改良するために、鞘部分のエラストマー樹脂(B)の表面に無機微粒子等を分散したりして改質することも可能である。
無機微粒子としては特に限定されず、例えば、軽質炭酸カルシウム、重質炭酸カルシウム等の炭酸カルシウム;炭酸バリウム、塩基性炭酸マグネシウム等の炭酸マグネシウム;カオリン、タルク、硫酸カルシウム、硫酸バリウム、二酸化チタン、酸化チタン、酸化亜鉛、酸化マグネシウム、フェライト粉末、硫化亜鉛、炭酸亜鉛、サチンホワイト、焼成ケイソウ土等のケイソウ土;珪酸カルシウム、珪酸アルミニウム、珪酸マグネシウム、無定形シリカ、非晶質合成シリカ、コロイダルシリカ等のシリカ;コロイダルアルミナ、擬ベーマイト、水酸化アルミニウム、水酸化マグネシウム、アルミナ、リトポン、ゼオライト、アルミノ珪酸塩、活性白土、ベントナイト、セリサイト等の鉱物質顔料等を挙げることができる。これらは単独で用いられてもよく、2種類以上が併用されてもよい。これらの中でも、酸化チタン、酸化亜鉛、硫酸バリウム、シリカが好ましい。
また、上記無機微粒子の形状としては特に限定されず、球状、針状、板状等の定型物又は非定型物が挙げられる。
上記無機微粒子の平均粒子径は0.20〜3.00μmであることが好ましい。0.20μm未満であると、湿潤時のベトツキ等の不快感を改善する効果が不充分となる傾向があり、3.00μmを超えると衣料にした場合、風合いや肌触りが損なわれたり、繊維の強度が低下したりする傾向がある。
上記無機微粒子の含有量は、2〜30重量%であることが好ましく、2〜7重量%であることがより好ましい。2重量%未満であると、湿潤時のベトツキ等の不快感を改善する効果が不充分となる傾向があり、30重量%を超えると、繊維の強伸度が低下したり、紡糸性が悪くなる傾向がある。
また、これらの作製方法としてはエラストマー樹脂(B)に無機微粒子を混合して押出機に投入することでできるが、安定した物性を得るには均一分散させることが望ましい。このため、2軸混練機でコンパウンド原料を作製し押出機に投入することがより望ましい。
工程(3)では、工程(4)の延伸処理に先立ち、工程(2)で複合紡糸された繊維を熱処理する。熱処理するのは、ウレタンエラストマー樹脂の架橋を行うためで、これにより、バックパワー(ストレッチバック性)が改善される。熱処理の温度は、40〜80℃程度であることが好ましく、50〜65℃であることがより好ましい。40℃未満であると充分な架橋が進行しない傾向があり、80℃を超えると劣化が生じる傾向がある。
また、この熱処理は、ウレタンエラストマー樹脂の架橋過程によって異なるが、一般的には、湿熱環境下で行うことが望ましい。具体的には、20〜80%RH、さらに30〜70%RHの相対湿度下、上記の温度で熱処理することが好ましい。
工程(4)では、工程(3)で熱処理された繊維を、延伸し、その後弛緩させる処理を逐次繰り返し行う処理する。延伸倍率は、1.25〜4倍程度であることが好ましく、2〜4倍であることがより好ましく、2.5〜3.8倍がさらに好ましい。延伸倍率を上記の範囲としたのは、強度と伸度のバランスのためであり、倍率が低くなると強度が充分でなく、逆に倍率が高いと伸度が阻害される。弛緩率は30〜100%程度であることが好ましく、40〜90%であることがより好ましく、60〜90%がさらに好ましい。弛緩率を上記の範囲としたのは、弛緩率が低くなると芯鞘コンジュゲート繊維に捲縮処理が充分に行えない。ここで、弛緩率とは、「(延伸後の繊維の長さ−弛緩後の繊維の長さ)/延伸後の繊維の長さ×100%」で表される値である。
上記の製造方法で製造される芯鞘コンジュゲート繊維は、その延伸糸の引張試験を行った際の引張破断強度は通常1.8〜3.5cN/dtex程度であり、2.4〜3.5cN/dtex程度であることがより好ましい。また、延伸糸の引張破断伸度は100〜500%程度であり、100〜300%程度であることが好ましく、100〜250%程度であることがより好ましい。
本発明の芯鞘コンジュゲート繊維は、その透明性及び伸縮性より、パンティストッキングとして用いることが好ましい。パンティストッキングの製造方法としては、公知の方法により製造することができ、常法に従って筒状の編地を編成し、股部、トウ部を縫製した後、染色し(例えば、ベージュ色等)、足型にて熱セット(90〜120℃程度)して製造することができる。
筒状の編地を編成する方法としては特に限定されるものではなく、例えば、シングルシリンダ編機でシングル編(天竺編)により筒状の編地を編成することができる。
染色は、芯鞘コンジュゲート繊維に用いるエラストマー素材や、所望の色によって、前処理剤、染料、温度、時間を適宜調整して行うことができる。また、必要に応じて柔軟仕上げ剤等の加工薬剤による加工を行うこともできる。
ファイナルセットは最終製品の所望形状によって選ばれる所定の型にかぶせて、加熱処理して行うことができ、加熱温度や時間は生地の加熱収縮性によって適宜調整して行うことができる。
本発明の伸縮性に優れた芯鞘コンジュゲート捲縮繊維を用いて得られたパンティストッキングは、縦伸び性及びサポート性に優れ、かつテカリ感を軽減することができる。例えば、10人にパンティストッキングを着用してもらい、10人ともが履きやすい、足首にサポート性を感じる、テカリ感に不快を感じないと評価されている。
以下、比較例と共に実施例を用いて本発明をより詳細に説明するが、本発明はこれら実施例に限定されるものではない。
捲縮処理ありの場合
実施例1
熱可塑性ポリウレタン(ディーアイシーバイエルポリマー(株)製のパンデックスT−1185N、1/2法溶融温度214℃)及びポリエステル系エラストマー(東洋紡績(株)製のペルプレンP−55B、1/2法溶融温度197℃)を、それぞれ単軸押出機によりバレル温度170〜205℃、および180〜220℃で加熱溶融し各ギアポンプで計量した後、225℃に加熱した複合口金を2個有した口金で、熱可塑性ポリウレタンが芯部分にポリエステル系エラストマーが鞘部分になるように同心円型に複合紡糸した。
巻き取り速度は800m/分で、シリコン系油剤を付着させて未延伸で巻き取り、その後、別工程で12時間の熱処理(60℃、55%RHの湿熱環境下)を行った後、常温のローラーで100m/分のフィードした糸をほぼ同速(104m/分)で回転する常温のローラー、次に、ステッピングモーターにより300m/分−0m/分を1秒ごとに繰り返し回転するローラー、さらにステッピングモーターにより0m/分−300m/分を1秒ごとに繰り返し回転するローラー、これらの各ローラーで順々にフィードされた繊維を得た。また、得られた繊維には捲縮がかかっており、繊維断面積に対する芯部分の占有率は80%であった。
得られた芯鞘コンジュゲート繊維をレッグ部用の糸に用いて、釜径4インチ、針本数400本の通常のパンティストッキング用丸編機(LONATI L404RT)で天竺組織に編成しパンティストッキングの生地を得た。
次いで、該生地を吊り下げた状態で、90℃スチーム、100℃加圧スチームで順次プレセットを行った後、股部およびトウ部を縫製した。
繊維の油剤を充分に洗浄除去した後、95℃で40分間パンティストッキングの一般色であるベージュに染色、柔軟仕上げ剤処理し、通常の足型にかぶせて110℃15秒でファイナルセットを行い、パンティストッキングを得た。得られたパンティストッキングは透明性その他の評価をクリアするものであった。
実施例2〜10
芯材、芯比率、鞘材、鞘比率を表1に記載されたようにした。それ以外は、実施例1と同様にしてパンティストッキングを作製した。得られた繊維には十分に捲縮がかかっており、また本繊維を用いて得られたパンティストッキングは透明性その他の評価をクリアするものであった。
比較例1、5、8、12、18
芯材、芯比率、鞘材、鞘比率を表1に記載されたようにした。それ以外は、実施例1と同様にしてパンティストッキングを作製した。
比較例1、8に関しては、鞘の1/2法溶融温度が低く、鞘の比率が低いため、捲縮がほとんどかからず(強伸度曲線立ち上がり伸度が低い)、生地のテカリ感、履きやすさの点において改善が見られなかったと推測する。
比較例5、12、18に関しては、鞘の比率が低いため、捲縮が十分にかからず、生地のテカリ感、履きやすさに改善傾向は見られたものの、捲縮度合が小さいために履きやすさの項目で4〜5人が履きにくい(力を入れて生地を伸ばさなくてはならない)という評価となった。
捲縮処理なしの場合
比較例2
熱可塑性ポリウレタン(ディーアイシーバイエルポリマー(株)製のパンデックスT−1185N、1/2法溶融温度214℃)及びポリエステル系エラストマー(東洋紡績(株)製のペルプレンP−55B、1/2法溶融温度197℃)を、それぞれ単軸押出機によりバレル温度170〜205℃、および180〜220℃で加熱溶融し各ギアポンプで計量した後、225℃に加熱した複合口金を2個有した口金で、熱可塑性ポリウレタンが芯部分にポリエステル系エラストマーが鞘部分になるように同心円型に複合紡糸した。
巻き取り速度は800m/分で、シリコン系油剤を付着させて未延伸で巻き取り、その後、別工程で12時間の熱処理(60℃、55%RHの湿熱環境下)を行った後、常温のローラーで100m/分のフィードした糸をほぼ同速(104m/分)で回転する60℃の熱ローラーで接触加熱しながら、300m/分の周速(延伸倍率3倍)で回転する105℃の熱ローラーで延伸熱固定処理して繊維を得た。また、得られた繊維の繊維断面積に対する芯部分の占有率は90%であった。
得られた芯鞘コンジュゲート繊維をレッグ部用の糸に用いて、釜径4インチ、針本数400本の通常のパンティストッキング用丸編機(LONATI L404RT)で天竺組織に編成しパンティストッキングの生地を得た。
次いで、該生地を吊り下げた状態で、90℃スチーム、100℃加圧スチームで順次プレセットを行った後、股部およびトウ部を縫製した。
繊維の油剤を充分に洗浄除去した後、95℃で40分間パンティストッキングの一般色であるベージュに染色、柔軟仕上げ剤処理し、通常の足型にかぶせて110℃15秒でファイナルセットを行い、パンティストッキングを得た。
比較例3〜4、6〜7、9〜11、13〜17、19〜20
芯材、芯比率、鞘材、鞘比率を表1に記載されたようにした。それ以外は、比較例2と同様にしてパンティストッキングを作製した。
・熱可塑性ポリウレタン系エラストマー樹脂[パンデックスT−1185N:ディーアイシーバイエルポリマー(株)製、1/2法溶融温度212〜215℃]
・熱可塑性ポリウレタン系エラストマー樹脂[パンデックスT−1190N:ディーアイシーバイエルポリマー(株)製、1/2法溶融温度216〜220℃]
・熱可塑性ポリエステル系エラストマー樹脂[ペルプレンP−55B:東洋紡績(株)製、1/2法溶融温度195〜199℃]
・熱可塑性ポリエステル系エラストマー樹脂[ペルプレンP−90B:東洋紡績(株)製、1/2法溶融温度217〜221℃]
・熱可塑性ポリエステル系エラストマー樹脂[ペルプレンP−150B:東洋紡績(株)製、1/2法溶融温度224〜228℃]
捲縮処理を行わない場合、伸びにくい(強伸度曲線立ち上がり伸度が低い)繊維となるため、履きやすさの項目で履きにくい(力を入れて生地を伸ばさなくてはならない)という評価となった。特に、比較例6、7、11、16、17、19、20に関して、2〜7人は力を入れすぎて伝線させてしまった。
試験例1
<1/2法溶融温度(T1/2)>
フローテスター((株)島津製作所製、CFT−100D)を用いて、2cmの試料を80℃にて180秒間予熱した後、6.0℃/分の速度で昇温させながら、ピストン圧力:5.884×10Paで、ダイ(穴径1.0mm、穴ストレート部長さ2.0mm)から押し出すようにし測定した。図1に、フローテスターの測定により得られる流動曲線を、横軸に温度、縦軸にピストンストロークをとり模式的に示した。該流動曲線において、流出終了点Smaxと最低点Sminの差の1/2の値Xを求め((X=Smax−Smin)/2)、XとSminを加えた点Aの位置における温度が、すなわち1/2法溶融温度である。
<芯比率及び鞘比率>
紡糸を行うときの芯部/鞘部の吐出量の比により芯比率及び鞘比率は決定した。吐出量はギアポンプの流量設定で調整した。作製した糸の断面のSEM観察を行い、芯部面積/鞘部面積の比率により芯比率及び鞘比率を確認した。
<引張試験>
本発明による繊維の引張試験は、主にJIS L 1013を参考にしているが、初荷重を0.4g、試料長を100mm、引張速度を200mm/minとして測定した。このときの破断点の強度を引張破断強度、伸び率を引張破断伸度という。
<強伸度曲線立ち上がり伸度>
上記実施例1〜10、比較例1〜20で作成した芯鞘コンジュゲート繊維及びパンティストッキングについて、実施例1の条件で得られた繊維について引張試験を行い、得た強伸度曲線を図3に示す。初期(伸度(伸び率)0〜34%)では捲縮が伸びている領域であり、強度はほぼ0cN/dtexを示しているが、これ以降は伸度の増加に伴い強度の値が増加しており、この強伸度曲線の変化点(捲縮部分が伸びきった状態)を立ち上がった部分の伸度として読み取った。ここで、この伸度の値を強伸度曲線立ち上がり伸度と定義する。また同様に、実施例2〜11、比較例1〜20の条件で得られた繊維の強伸度曲線を測定し、強伸度曲線立ち上がり伸度を読み取った。強伸度曲線立ち上がり伸度の読み取り方法は、初期伸度部分(捲縮が伸びている領域)の強度の平均値をT0Ave.、標準偏差をsを算出し、強度がT0Ave.+3sを最初に超えた点の伸度を読み取った。
強伸度カーブ立ち上がり伸度の結果を表1にまとめた。(n=10)
<透明性>
上記実施例及び比較例で製造された繊維を、1インチあたりのウェール数を13に、1インチあたりのコース数を65になるように密度調整して(図4参照)、パンティストッキング編生地を調整した。該編生地1枚を、円筒側面に直径40mmの穴を空けた黒色円筒(直径115mm)にパンティストッキング生地を1枚被せ、円筒内に設置した光源よりパンティストッキング生地の透過した光量、単位:LUXを測定した。(図5参照)
生地を通過した光量/生地無し光量(ブランク、200LUX)×100を光源透過率すなわち透明性の評価とした。10人の被験者(N=10)にてパンティストッキングを着用させて評価した。また光透過度は92%以上ならば、透明性OKと判断した。
<テカリ感>
10人の被験者(N=10)にて、パンティストッキングを着用した際の生地のテカリ感の有無をアンケート形式で評価した。なお、10人中1人でも△または×と評価された場合はNGと判断した。

◎:テカリ感がない
○:少しテカリ感があるが、気にならない
△:テカリ感あり
×:テカリ感あり、不快
<履きやすさ>
被験者10名につきパンティストッキングを着用する際の履きやすさをアンケート形式で評価した。なお、10人中1人でも△または×と評価された場合はNGと判断した。

◎:非常に履きやすい
○:履きやすい
△:履けたが履きにくい
×:履けなかった。(長さ不足や伝線を含む)
<足首サポート性>
被験者10名につきパンティストッキングを着用した際の足首のサポート性をアンケート形式で評価した。なお、10人中1人でも△または×と評価された場合はNGと判断した。

◎:非常に締め付け感がある
○:締め付け感がある
△:締め付け感はあまりないが、生地のたるみはない
×:締め付け感もなく、生地のたるみもある
表1から明らかなように、繊維断面における芯部分と鞘部分の面積比が50:50〜85:15で芯鞘コンジュゲート糸に捲縮処理を行なった際に、強伸度曲線立ち上がり伸度が30%以上になり、パンティストッキングを着用した場合のテカリ感、及び履きやすさ、足首サポート性において高い評価を得た。(実施例1〜10)。
これに対し、繊維断面における芯部分と鞘部分の面積比が85:15〜90:10でコンジュゲート糸に捲縮処理を行った際、又は繊維断面における芯部分と鞘部分の面積比が50:50〜85:15でコンジュゲート糸に捲縮処理を行わなかった際に、強伸度曲線立ち上がり伸度が30%未満になり、パンティストッキングを着用した場合のテカリ感、または履きやすさ、足首サポート性において低い評価となった。(比較例1〜20)
Figure 0005641704
1 A−B間の繊維
2 B−C間の繊維
3 C−D間の繊維

Claims (4)

  1. 芯部分に熱可塑性ポリウレタン系エラストマー樹脂(A)を含有し、鞘部分に熱可塑性ポリエステル系エラストマー樹脂(B)を含有する芯鞘コンジュゲート繊維であって、該芯鞘コンジュゲート繊維が繊維を延伸し、その後弛緩させる処理により得られるものであり、該芯鞘コンジュゲート繊維の引張試験により得られた強伸度曲線立ち上がり伸度が30〜100%であることを特徴とする芯鞘コンジュゲート繊維。
  2. 芯部分に1/2法溶融温度が210〜220℃の熱可塑性ポリウレタン系エラストマー樹脂(A)を含有し、鞘部分に1/2法溶融温度が190〜235℃の熱可塑性ポリエステル系エラストマー樹脂(B)を含有する芯鞘コンジュゲート繊維であって、該芯鞘コンジュゲート繊維の断面における芯部分と鞘部分の面積比が50:50〜85:15であることを特徴とする請求項1に記載の芯鞘コンジュゲート繊維。
  3. 前記項1又は2に記載の芯鞘コンジュゲート繊維を含むストレッチ衣料。
  4. 前記請求項1に記載の芯鞘コンジュゲート繊維の製造方法であって、
    (1)1/2法溶融温度が210〜220℃の熱可塑性ポリウレタン系エラストマー樹脂(A)と、1/2法溶融温度が190〜235℃の熱可塑性ポリエステル系エラストマー樹脂(B)とをそれぞれ溶融する工程、
    (2)前記溶融された熱可塑性ポリウレタン系エラストマー樹脂(A)が芯部分に、前記溶融された熱可塑性ポリエステル系エラストマー樹脂(B)が鞘部分になるように、同心円状又は偏心円状の複合口金を用いて、繊維断面における芯部分と鞘部分の面積比が50:50〜85:15となるように複合紡糸する工程、
    (3)工程(2)で複合紡糸された繊維を熱処理する工程、
    及び
    (4)工程(3)で熱処理された繊維を、延伸し、その後弛緩させる処理を逐次繰り返し行う工程、
    を含むことを特徴とする芯鞘コンジュゲート繊維の製造方法。
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