JP2004091988A - ポリアミド繊維およびその製造方法 - Google Patents

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渡邉 健介
Kaname Morioka
森岡 要
Akira Suzuki
鈴木 晃
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Abstract

【課題】不透明性、光遮蔽性に優れるとともに、複合紡糸を用いない均一な繊維とすることにより、生産性、汎用性に優れたポリアミド繊維を提供すること。および不透明性が必要とされる水着、インナーウェア、外衣などの用途に好適であり、ドレープ性、ソフト性、ひんやりとした清涼感を具備するとともに、発色性にも優れたポリアミド繊維を提供することを課題とする。
【解決手段】酸化チタン3.0〜6.5%、マグネシウム化合物0.01〜1%を含有してなる、アミノ末端基量が4.0×10−5〜8.0×10−5mol/gのポリアミド繊維であって、酸化チタンが前記ポリアミド繊維内部および表面に均一に分散され、かつ、前記ポリアミド繊維の単糸繊度が0.5〜3.0dtex、ヤング率が20〜40cN/dtex、糸−糸動摩擦係数(μ)が0.15〜0.5であることを特徴とするポリアミド繊維。
【選択図】 なし

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、不透明性、紫外線などの光遮蔽性、ドレープ性、ソフトな風合い、清涼感、発色性に優れたポリアミド繊維およびその製造方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
合成繊維の一つであるナイロン繊維は、高強度、耐摩耗性、ソフト性、染色鮮明性などの優れた特徴を持っている。そのため、パンティストッキング、タイツ等のレッグウェア、ランジェリー、ファンデーション等のインナーウェア、スポーツウェア、カジュアルウェア等の衣料用途に好まれて用いられてきている。
【0003】
ナイロン繊維は元来無色透明であり、水着、インナーウェア、外衣などの一部の用途では着用した際に肌が透けて見えてしまうなどの問題が発生する。このため、従来より酸化チタンなどの白色顔料をナイロン繊維中に含有させ、不透明性を向上させる技術が工業化されている。しかしながら不透明性を高度に向上させるために白色顔料の含有量を高くすると、紡糸時の糸切れが多くなり生産性が悪化したり、繊維表面への顔料粒子の露出が多くなり繊維の摩擦係数が低下するために製品パッケージが崩れやすい、もしくは高次加工工程で糸条が接触走行する部分に摩耗が生じやすいなどの問題が生じていた。
【0004】
かかる問題を解決するために、例えば特許文献1では、白色顔料を高濃度に含有する芯部分とそれを覆う鞘部分よりなる複合繊維が提案されている。しかしながら複合繊維は、製法が複雑であるために製造コストがかかるとともに、繊維の太さ、フィラメント数などを変更するのも容易ではなく汎用性に欠ける。また、繊維の単糸がそれぞれ複合形態を有しているため細繊度化することが困難である。
【0005】
【特許文献1】
特開平5−247723号公報
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
そこで本発明は、上記のような欠点を解消し、不透明性、光遮蔽性に優れるとともに、複合紡糸を用いない均一な繊維とすることにより、生産性、汎用性に優れたポリアミド繊維を提供することを課題とする。また、同時に不透明性が必要とされる水着、インナーウェア、外衣などの用途に好適であり、ドレープ性、ソフト性、ひんやりとした清涼感を具備するとともに、発色性にも優れたポリアミド繊維を提供することを別の課題とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】
上記課題を解決するため、本発明は
(1)酸化チタン3.0〜6.5%、マグネシウム化合物0.01〜1%を含有してなる、アミノ末端基量が4.0×10−5〜8.0×10−5mol/gのポリアミド繊維であって、酸化チタンが前記ポリアミド繊維内部および表面に均一に分散され、かつ、前記ポリアミド繊維の単糸繊度が0.5〜3.0dtex、ヤング率が20〜40cN/dtex、糸−糸動摩擦係数(μ)が0.15〜0.5であることを特徴とするポリアミド繊維。
【0008】
(2)パッケージ状態における繊維中の水分率が2.5〜5.5%であることを特徴とする前記ポリアミド繊維
(3)断面形状が3〜8ヶの凸部と同数の凹部を有する異形断面形状であることを特徴とする前記ポリアミド繊維。
【0009】
(4)ポリアミドがポリカプロラクタムであることを特徴とする前記ポリアミド繊維。
【0010】
(5)前記ポリアミド繊維を製造するに際し、溶融紡糸された繊維糸条に含水系油剤を付与することにより給油をおこなった後に交絡処理をおこない、3000m/分以上の高速で引取り、引き続いて、延伸及び130℃以上での熱処理を連続して行い巻取ることを特徴とするポリアミド繊維の製造方法。
【0011】
(6)前記ポリアミド繊維を製造するに際し、溶融紡糸された繊維糸条に含水系油剤を付与することにより給油をおこなった後に交絡処理をおこない、3000m/分以上の高速で引取り、実質的に延伸することなく巻取ることを特徴とするポリアミド繊維の製造方法。
により構成される。
【0012】
【発明の実施の形態】
以下本発明を詳細に説明する。
【0013】
本発明のポリアミド繊維に含まれる酸化チタン量は、繊維に対して3.0〜6.5%である必要がある。酸化チタンの含有量が3.0%未満である場合、不透明性が不充分であり、水着、インナーウェア、外衣等にした際に布帛の組織や色によっては肌が透けてしまうといった欠点が出る。また、ドレープ性、清涼感も満足できるものではなくなる。また、6.5%を超える場合、紡糸時の糸切れが増加するとともに、繊維の物理特性が低下するために充分な強度を保持できない。好ましくは酸化チタンの含有量は3.5〜6.0%、さらに好ましくは4.0〜5.5%がよい。
【0014】
酸化チタンはいかなるものでも良いが、一般的に白色顔料として用いられている不活性のものが好ましく、紡糸時のフィルター詰まりによる濾圧上昇を防ぐために平均粒径1μm以下のものが良い。
【0015】
酸化チタンは繊維の横断面方向および長手方向に均一に分散していることが必要である。均一に分散した単一繊維とすることにより、複合紡糸ではなしえなかった汎用性、生産性の向上が実現できる。また、適度に酸化チタンが繊維表面に露出することにより、ドレープ性やソフト性、清涼感が発現される。酸化チタンの分散性は、繊維の横断面および側面を光学顕微鏡で観察することにより確認することができる。
【0016】
また、酸化チタンを高濃度かつ均一に含有せしめる方法としては、ポリアミドペレットへ酸化チタンをブレンドし溶融する方法、ポリアミドペレットへ高濃度の酸化チタンを含有するマスタペレットをブレンドし溶融する方法、溶融状態のポリアミドへ酸化チタンを添加し混練する方法、ポリアミドの重合前あるいは重合中の段階で原料あるいは反応系へ酸化チタンを添加する方法などが挙げられるが、高濃度に添加した酸化チタンの二次凝集を抑え、均一に分散させるためには、ポリアミドの重合中に酸化チタンを添加する方法が特に好ましい。
【0017】
本発明のポリアミド繊維に用いるポリアミドはいかなるものでもよいが、製造コスト、繊維の強度保持の面からポリカプロラクタム(ナイロン6)、ポリヘキサメチレンアジパミド(ナイロン66)が好ましく、酸化チタンの分散性の観点からポリカプロラクタムがさらに好ましい。
【0018】
本発明のポリアミド繊維は、マグネシウム化合物を0.01〜1%含有することが必要である。マグネシウム化合物の含有量が0.01%未満の場合、溶融紡糸によりポリアミド繊維を製造する時におけるモノマー、オリゴマーの生成を充分抑制することができず、これらモノマー、オリゴマーおよびポリアミドよりブリードアウトした酸化チタンによる成形口金孔周辺汚染による糸切れが多く発生し操業性が不調となる。1%を超える場合、効果は同程度であり経済的観点から好ましくないばかりでなく、特に、糸条繊度が細く、酸化チタンを含む場合、ポリアミド中の不溶解異物として残存したマグネシウムが酸化チタンと相まって異物除去のため設置したフィルターでの濾過圧力上昇、ポリアミド繊維の物性低下などの問題を引き起こす。さらに好ましくは、0.02〜0.1%である。
【0019】
本発明のポリアミド繊維に含有されるマグネシウム化合物としては、酸化マグネシウム、水酸化マグネシウム、炭酸マグネシウムなど、およびこれらの混合物が挙げられるが、酸化マグネシウムまたは水酸化マグネシウムを用いることが好ましい。これらマグネシウム化合物の平均粒子径は10μm以下であることが好ましい。平均粒子径が10μmを超えると、例えば、ポリアミド繊維を製造する時、異物除去のため設置したフィルターでの濾過圧力上昇、ポリアミド繊維の物性低下などの問題を引き起こす。さらに好ましくは、5μm以下であることが好ましい。
【0020】
またマグネシウム成分を含有せしめる方法としては、ポリアミドペレットへマグネシウム化合物をブレンドし溶融する方法、ポリアミドペレットへ高濃度のマグネシウムを含有するマスタペレットをブレンドし溶融する方法、溶融状態のポリアミドへマグネシウム化合物を添加し混練する方法、ポリアミドの重合前あるいは重合中の段階で原料あるいは反応系へマグネシウム化合物を添加する方法などが挙げられるが、両者が均一に混ざればいかなる方法でも良い。
【0021】
本発明のポリアミド繊維は、アミノ末端基量が4×10−5〜8×10−5mol/gであることが必要である。アミノ末端基量が4×10−5mol/gより少ない場合は、衣料用ポリアミド繊維で一般的に使用される酸性染料で染色した際に、酸化チタン添加の影響により色がくすんでしまいファッション性に欠けるため本発明の目的に適さない。また、8×10−5mol/gより大きい場合は、繊維を製造する際の糸切れが増加し製糸安定性の面で好ましくない。さらに好ましくは、5×10−5〜7×10−5mol/gである。
【0022】
本発明のポリアミド繊維は単糸繊度が0.5〜3dtexであることが必要である。単糸繊度が0.5dtex未満では紡糸時の糸切れが発生し生産安定性に欠ける。また、単糸繊度が3dtexを超えると繊維の曲げ剛性が大きくなりソフト性、ドレープ性が満足しうるレベルでなくなる。さらに好ましくは、0.7〜2dtexである。
【0023】
本発明のポリアミド繊維はヤング率が20〜40cN/dtexであることが必要である。ヤング率が20cN/dtex未満では繊維の強度が低く一般的な織編物用途に適さない、染色した際の染料の洗濯堅牢度低いなどというように実用上の問題が発生する。また、40cN/dtexを超えると繊維の曲げ剛性が大きくなりソフト性、ドレープ性が満足しうるレベルでなくなる。さらに好ましくは25〜35cN/dtexである。
【0024】
本発明のポリアミド繊維は糸−糸動摩擦係数(μ)が0.15〜0.5であることが必要である。糸−糸動摩擦係数(μ)が0.15未満では、巻取工程においてパッケージ崩れが発生し生産安定性に欠ける。また、0.5を超えると繊維表面の酸化チタン露出が充分でなく、布帛にした際の清涼感が得られない。さらに好ましくは0.2〜0.4である。
【0025】
本発明のポリアミド繊維は溶融紡糸−高速巻取方法で得られる。その製糸方法は、ポリアミドペレットを溶融し、吐出孔から吐出し、冷却、給油、交絡の後、3000m/分以上の速度で紡糸引取りし、一旦巻き取ることなく引き続いて延伸し、130℃以上の温度で熱処理し、3000m/分以上の速度で巻取る高速直接熱延伸法による製糸方法や、ポリアミドペレットを溶融し、吐出孔から吐出し、冷却、給油後、3000m/分以上の速度で紡糸引取りし、一旦巻き取ることなく実質延伸しないで3000m/分以上の速度で紡糸引取る高速法によって、POYを製糸し、その後、必要に応じて仮撚加工など高次加工を施す方法である。ここで、繊維糸条に給油をする際には、含水系油剤を付与することにより給油をおこなう必要がある。含水系油剤としては水に平滑剤、制電剤といった油剤成分とイオン系あるいは非イオン系界面活性剤を混合し乳化させたものを用いる。含水系油剤を繊維表面に付与することにより、繊維表面の摩擦係数を上げ、製品パッケージの崩れを防止することが可能となる。含水系油剤の付与量は、パッケージ状態における繊維中の水分率が2.5〜5.5%となる程度が好ましい。また、含水系油剤を付与するためには引き取り速度を3000m/以上にし、油剤付与前に繊維構造を安定させることが、品位を安定させる観点から必要である。
【0026】
また、本発明のポリアミド繊維には、ポリアクリル酸ソーダ、ポリビニルピロリドン、ポリアクリル酸およびその共重合体、ポリメタアクリル酸およびその共重合体、ポリビニルアルコールおよびその共重合体、架橋ポリエチレンオキサイド系ポリマなどの吸湿・吸水物質が本発明の目的を阻害しない範囲で含有されていてもよい。また、従来公知の酸化防止剤、着色防止剤、耐光剤、紫外線吸収剤、帯電防止剤等が本発明の目的を阻害しない範囲で含有されていてもよい。
【0027】
本発明のポリアミド繊維の断面形状は特に限定されるものではないが、例えば,インナーウェア用途の場合には、丸断面、偏平断面、レンズ型断面、三葉断面、マルチローバル断面、中空断面その他公知の異形断面でもよい。中でも、3〜8ヶの凸部と同数の凹部を有する異形断面形状が清涼性をさらに高める効果があるため好ましい。
【0028】
【実施例】
以下、実施例により本発明をさらに詳細に説明する。物性の測定方法は次の通りである。
【0029】
A.アミノ末端基量
試料1gを50mlのフェノール/エタノール=8/2混合溶液で溶解し、N/50塩酸水溶液で、チモールブルーを指示薬として中和滴定する。塩酸消費量からアミノ基濃度を求める。
【0030】
B.ヤング率
オリエンテック(株)社製TENSILON RTC−1210を用い、試料長500mm、引張速度500mm/分で引張試験をおこない、応力−伸び曲線の初期の接線の傾きより算出する。
【0031】
C.糸−糸動摩擦係数
JIS L1095に準じ、糸どうしを互いに直交して接触するように保った後、糸速100m/minで走行させて初張力および走行中の張力を測定し、糸−糸動摩擦係数を算出する。
【0032】
D.水分率
パッケージより糸をはく脱した直後の糸重量および110℃で2時間真空乾燥させた後の糸重量より水分率を算出する。
(水分率)=(W2−W1)/W1×100%
W1:乾燥後の糸重量
W2:はく脱直後の糸重量。
【0033】
E.紡糸糸切れ
260℃で溶融し、それぞれの水準におけるフィラメント数と同数の孔数、および断面形状に合わせた吐出孔形状を持つ口金から吐出させ、巻取速度4000m/分で高速直接延伸法により、44デシテックスのポリアミド繊維糸条を得るときの、1糸条1t当たりの製糸糸切れについて、次の基準をもって製糸性を示した。
○:糸切れ2回未満、△:糸切れ2以上4回未満、×:糸切れ4回以上。
【0034】
F.清涼感
布帛を検査者(30人)の触感によって清涼感を次の基準で相対評価した。
◎:清涼感が非常によい、○:清涼感がよい、△:清涼感があまりない、×:清涼感がない。
【0035】
G.不透明性
カラースタンダード白板上に静置した時の布帛のL値(L)と黒板上に静置したときの布帛のL値(L)を、色差計Σ80(日本電色工業(株)製)により測定する。そして、それらL値から、次の算式により、不透明性を求める。数値が大きいほど、不透明性に優れており、85以上で充分な不透明性を持つと判定した。
不透明性=100−(L−L)。
【0036】
H.ソフト性
検査者(30人)の触感によって布帛のソフト性を次の基準で相対評価した。
◎:ソフト感が非常によい、○:ソフト感がややよい、△:ソフト感があまりない。×:ソフト感がない。
【0037】
I.発色性
カラースタンダード白板上に静置した時の布帛のa値およびb値を、布帛色差計Σ80(日本電色工業(株)製)により測定する。得られたa値、b値より発色性を算出する
発色性=(a+b1/2
数値が大きいほど、発色性が大きくなり、37以上で優れた発色性を発現する。次の基準をもって発色性を示した。
○:37以上、△:34以上37未満、×:34未満。
【0038】
実施例1
重合時に平均粒径0.3μmの酸化チタン5%および平均粒径3μmの酸化マグネシウム0.05%を加えて得たアミノ末端基量5.0×10−5mol/gのナイロン6ペレットを260℃で溶融し、丸孔口金から吐出させ冷却させた。その後、80%の水に20%の油剤成分と微量の界面活性剤を加え乳化させた含水系油剤を給油、交絡した後に3500m/分のゴデローラーで引き取り、続いて延伸した後に155℃で熱固定し、巻取速度4500m/分で44デシテックス34フィラメントのポリアミド繊維を得た。つづいて得られたポリアミド繊維をタテ糸およびヨコ糸に用いて製織し、通常の方法にて精錬した後、0.3%owfのブルー酸性染料(Xylene Fast Blue P)を用いて90℃湯浴中で60分間染色し、170℃で仕上げセットしてタフタ織物を得た。
【0039】
実施例2
酸化チタンの含有量を3.0%とする以外は実施例1と同様に紡糸し、44デシテックス34フィラメントのポリアミド繊維を得た。つづいて得られたポリアミド繊維を実施例1と同様に製織、加工してタフタ織物を得た。
【0040】
実施例3
酸化チタンの含有量を6.5%とする以外は実施例1と同様に紡糸し、44デシテックス34フィラメントのポリアミド繊維を得た。つづいて得られたポリアミド繊維を実施例1と同様に製織、加工してタフタ織物を得た。
【0041】
実施例4
酸化マグネシウムの含有量を0.95%とする以外は実施例1と同様に紡糸し、44デシテックス34フィラメントのポリアミド繊維を得た。つづいて得られたポリアミド繊維を実施例1と同様に製織、加工してタフタ織物を得た。
【0042】
実施例5
アミノ末端基量を7.5×10−5mol/gとする以外は実施例1と同様に紡糸し、44デシテックス34フィラメントのポリアミド繊維を得た。つづいて得られたポリアミド繊維を実施例1と同様に製織、加工してタフタ織物を得た。
【0043】
実施例6
実施例1と同じナイロン6ペレットを用いて同様に紡糸し、44デシテックス16フィラメントのポリアミド繊維を得た。つづいて得られたポリアミド繊維を実施例1と同様に製織、加工してタフタ織物を得た。
【0044】
実施例7
引き取りゴデローラーを4500m/分とし、延伸および熱固定をすることなく巻き取る以外は実施例1と同様に紡糸し、44デシテックス34フィラメントのポリアミド繊維を得た。つづいて得られたポリアミド繊維を実施例1と同様に製織、加工してタフタ織物を得た。
【0045】
実施例8
実施例1と同じナイロン6ペレットを用いてY型の吐出孔より吐出させる以外は実施例1と同様に紡糸し、44デシテックス34フィラメントの三角断面のポリアミド繊維を得た。つづいて得られたポリアミド繊維を実施例1と同様に製織、加工してタフタ織物を得た。
【0046】
実施例9
実施例1と同じナイロン6ペレットを用いて8本の放射状スリット型の吐出孔より吐出させる以外は実施例1と同様に紡糸し、44デシテックス34フィラメントの八角断面のポリアミド繊維を得た。つづいて得られたポリアミド繊維を実施例1と同様に製織、加工してタフタ織物を得た。
【0047】
比較例1
酸化チタンの含有量を2.5%とする以外は実施例1と同様に紡糸し、44デシテックス34フィラメントのポリアミド繊維を得た。つづいて得られたポリアミド繊維を実施例1と同様に製織、加工してタフタ織物を得た。
【0048】
比較例2
酸化チタンの含有量を7.0%とする以外は実施例1と同様に紡糸し、44デシテックス34フィラメントのポリアミド繊維を得た。つづいて得られたポリアミド繊維を実施例1と同様に製織、加工してタフタ織物を得た。
【0049】
比較例3
酸化マグネシウムの含有量を0.005%とする以外は実施例1と同様に紡糸し、44デシテックス34フィラメントのポリアミド繊維を得た。つづいて得られたポリアミド繊維を実施例1と同様に製織、加工してタフタ織物を得た。
【0050】
比較例4
酸化マグネシウムの含有量を1.2%とする以外は実施例1と同様に紡糸し、44デシテックス34フィラメントのポリアミド繊維を得た。つづいて得られたポリアミド繊維を実施例1と同様に製織、加工してタフタ織物を得た。
【0051】
比較例5
アミノ末端基量を3.0×10−5mol/gとする以外は実施例1と同様に紡糸し、44デシテックス34フィラメントのポリアミド繊維を得た。つづいて得られたポリアミド繊維を実施例1と同様に製織、加工してタフタ織物を得た。
【0052】
比較例6
アミノ末端基量を8.5×10−5mol/gとする以外は実施例1と同様に紡糸し、44デシテックス34フィラメントのポリアミド繊維を得た。つづいて得られたポリアミド繊維を実施例1と同様に製織、加工してタフタ織物を得た。
【0053】
比較例7
実施例1と同じナイロン6ペレットを用いて同様に紡糸し、44デシテックス98フィラメントのポリアミド繊維を得ようとしたところ、紡糸中に糸切れが多発した。
【0054】
比較例8
実施例1と同じナイロン6ペレットを用いて同様に紡糸し、44デシテックス12フィラメントのポリアミド繊維を得た。つづいて得られたポリアミド繊維を実施例1と同様に製織、加工してタフタ織物を得た。
【0055】
比較例9
引き取りゴデローラーを3500m/分とし、延伸および熱固定をすることなく3500m/分で巻き取る以外は実施例1と同様に紡糸し、44デシテックス34フィラメントのポリアミド繊維を得た。つづいて得られたポリアミド繊維を実施例1と同様に製織、加工してタフタ織物を得ようとしたが製織工程における糸切れのため品位のよい布帛が得られなかった。
【0056】
比較例10
引き取りゴデローラーを2500m/分とする以外は実施例1と同様に紡糸し、44デシテックス34フィラメントのポリアミド繊維を得た。つづいて得られたポリアミド繊維を実施例1と同様に製織、加工してタフタ織物を得た。
【0057】
比較例11
給油において、非含水系の鉱物油系油剤を付与した以外は実施例1と同様に紡糸し、44デシテックス34フィラメントのポリアミド繊維を得た。しかしながらパッケージ崩れによる製品不良が発生したため、製織、加工はできなかった。
【0058】
比較例12
芯成分に酸化チタン10%を含有するナイロン6、鞘成分に酸化チタンを含まないナイロン6を配し、芯鞘比率50:50で複合紡糸する以外は実施例1と同様に紡糸し、44デシテックス34フィラメントのポリアミド繊維を得た。つづいて得られたポリアミド繊維を実施例1と同様に製織、加工してタフタ織物を得た。
【0059】
実施例1〜9および比較例1〜12で得たポリアミド繊維のヤング率、糸−糸動摩擦係数、水分率を表1、表2に示した。また、ポリアミド繊維を得る際の紡糸糸切れ結果を表1に示した。さらに、タフタ織物の生機の不透明性を評価した結果、染色加工後の清涼感、ソフト性、発色性を評価した結果を表1、表2に示した。
【0060】
【表1】
Figure 2004091988
【0061】
【表2】
Figure 2004091988
【0062】
表1の結果から明らかなように、本発明のポリアミド繊維は、清涼感、不透明性、ソフト性、発色性に極めて顕著な効果を奏することが判る。
【0063】
【発明の効果】
本発明によれば、ソフトでしなやかな風合い、清涼感、不透明性、発色性に優れた素材として各種衣料用途に最適なポリアミド繊維を生産安定性よく提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明で好ましい3〜8ヶの凸部と同数の凹部を有する異形断面形状の一例(5ヶの凸部と凹部を有する異形断面形状)

Claims (6)

  1. 酸化チタン3.0〜6.5%、マグネシウム化合物0.01〜1%を含有してなる、アミノ末端基量が4.0×10−5〜8.0×10−5mol/gのポリアミド繊維であって、酸化チタンが前記ポリアミド繊維内部および表面に均一に分散され、かつ、前記ポリアミド繊維の単糸繊度が0.5〜3.0dtex、ヤング率が20〜40cN/dtex、糸−糸動摩擦係数(μ)が0.15〜0.5であることを特徴とするポリアミド繊維。
  2. パッケージ状態における繊維中の水分率が2.5〜5.5%であることを特徴とする請求項1または2記載のポリアミド繊維
  3. 断面形状が3〜8ヶの凸部と同数の凹部を有する異形断面形状であることを特徴とする請求項1〜3記載のポリアミド繊維
  4. ポリアミドがポリカプロラクタムであることを特徴とする請求項1〜4記載のポリアミド繊維。
  5. ポリアミド繊維を製造するに際し、溶融紡糸された繊維糸条に含水系油剤を付与することにより給油をおこなった後に交絡処理をおこない、3000m/分以上の高速で引取り、引き続いて、延伸及び130℃以上での熱処理を連続して行い巻取ることを特徴とする請求項1〜4に記載のポリアミド繊維の製造方法。
  6. ポリアミド繊維を製造するに際し、溶融紡糸された繊維糸条に含水系油剤を付与することにより給油をおこなった後に交絡処理をおこない、3000m/分以上の高速で引取り、実質的に延伸することなく巻取ることを特徴とする請求項1〜4に記載のポリアミド繊維の製造方法。
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