JP5627336B2 - レッグウェア - Google Patents
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従って、本発明は、切替えパーツの数及び縫合部の量が少なく且つ着用者の少なくとも足首及び脹脛に段階的着圧を加えることができるレッグウェアを提供することを目的とする。
本発明はまた、着用時にずり落ちにくいレッグウェアを提供することを目的とする。
[態様1]
着用者の脛を覆う脛部と、着用者の足首を覆う足首部とを備えるレッグウェアであって、
上記脛部及び足首部の素材が、弾性経編物であること、
上記レッグウェアが、上記脛部の両側部に、後方に突出する三日月形状の切替え部を有すること、
着用時に、着用者の少なくとも脹脛及び足首に段階的着圧が加えられること、そして
足首の着圧が、15hPa〜30hPaの範囲にあり、そして脹脛の着圧が7〜24hPaの範囲にあること、
を特徴とする、上記レッグウェア。
上端に、上記弾性経編物よりも摩擦係数が高い滑り止め部が連結されている、態様1に記載のレッグウェア。
[態様3]
上記滑り止め部の素材が、丸編みの編物である、態様2に記載のレッグウェア。
上記滑り止め部の周囲長方向の疲労試験後回復率が、95%以上である、態様2又は3に記載のレッグウェア。
[態様5]
上記滑り止め部の周囲長方向の伸長後回復率が、上記脛部及び足首部における弾性経編物の周囲長方向の伸長後回復率よりも高い、態様2〜4のいずれか一つに記載のレッグウェア。
前身頃、後身頃、上記三日月形状の切替え部、及び上記滑り止め部から成る、態様2〜5のいずれか一つに記載のレッグウェア。
[態様7]
上記レッグウェアの上端が、着用者の膝上に位置するように寸法設計されている、態様1〜6のいずれか一つに記載のレッグウェア。
上記レッグウェアの上端が、着用者の脛に位置するように寸法設計されている、態様1〜6のいずれか一つに記載のレッグウェア。
[態様9]
上記レッグウェアの下端が、着用者の足首に位置するように寸法設計されている、態様1〜8のいずれか一つに記載のレッグウェア。
上記レッグウェアの下端が、着用者の足の甲及び土踏まずに位置するように寸法設計されている、態様1〜8のいずれか一つに記載のレッグウェア。
本発明の滑り止め部を有するレッグウェアは、着用時にずり落ちにくい。
[レッグウェア]
本明細書において、「レッグウェア」は、スポーツ、日常生活等において着用される、下肢の少なくとも一部を覆うウェア、より具体的には、着用者の脛を覆う脛部と、着用者の足首を覆う足首部とを備えるウェアを意味する。
なお、本明細書において、「脛」は、膝より下且つ足首より上の部分を意味し、そして脛には、向こう脛及び脹脛が含まれる。
上記日常生活には、日常作業、例えば、立ち仕事、デスクワーク等、旅行中の移動、例えば、飛行機及び電車での移動等が含まれる。
なお、右脚用パーツは、左脚用パーツと左右対称形となる。
また、図1に示されるレッグウェア1は、前身頃6、後身頃7、及び2つの三日月形状の切替え部4の4つのパーツから構成されているが、本発明において、パーツ数は、特に制限されるものではなく、図1に示されるようなタイプのレッグウェアは、本発明の効果を奏する範囲内であれば、5つ以上のパーツから構成されていてもよい。
なお、本明細書において、「後方」は、着用時に着用者の背面方向となるような方向を意味する。
なお、右脚用パーツは、左脚用パーツと左右対称の着用状態となる。
また、図3に示されるレッグウェア1は、前身頃6、後身頃7、及び2つの三日月形状の切替え部4、並びに土踏まず部10の5つのパーツから構成されているが、本発明において、パーツ数は特に制限されるものではなく、図3に示されるようなタイプのレッグウェアは、本発明の効果を奏する範囲内であれば、6つ以上のパーツから構成されていてもよい。
なお、右脚用パーツは、左脚用パーツと左右対称の着用状態となる。
また、図4に示されるレッグウェア1は、前身頃6、後身頃7、及び2つの三日月形状の切替え部4の4つのパーツから構成されているが、本発明において、パーツ数は特に制限されるものではなく、図4に示されるようなタイプのレッグウェアは、本発明の効果を奏する範囲内であれば、5つ以上のパーツから構成されていてもよい。
また、本明細書において、「伸長率」は、伸び長さ(A)の、元の長さ(B)との差を、元の長さで割った値の百分率を意味する。
上記伸長率は、次の式:
伸長率(%)=100×(A−B)/B
で表すことができる。
最大伸長率は、以下の方法により測定することができる。幅5cm及び長さ15cmの試験片を、テンシロン型の定速伸長型引張試験機にセットし、治具の間隔(つかみ間隔)を5cmとし、引張速度5cm/分にて、試験片が破断するまで試験を行う。試験後、横軸を伸び、縦軸を荷重とするグラフを作図し、荷重と伸びとが比例関係を外れる地点の最大伸び長さから、最大伸長率を算出する。テンシロン型の定速伸長型引張試験機としては、例えば、オリエンテック製RTC−1210Aを挙げることができる。
また、本発明に用いられる弾性経編物は、最大伸長率が高いので、例えば、筋肉が肥大した場合、又は下肢を大きく屈曲させた場合であっても、着圧の変化が少ない。
本発明のレッグウェアは、脛部の両側部に、後方に突出する三日月形状の切替え部を有する。
脛部及び足首部の素材が弾性経編物であるレッグウェアに、三日月形状の切替え部を採用することにより、切替えパーツの数及び縫合部の量を少なくしながら、脹脛部に、着用者の脹脛の膨らみにあわせた立体形状を簡易に形成することができる。
三日月形状の切替え部により、脹脛の膨らみにあわせた立体形状を簡易に形成することができる理由を、図5を用いて説明する。
なお、本明細書において、「内側」は、着用時に下肢の内側、すなわち、右脚の左側及び左脚の右側となる側を意味し、そして「外側」は、着用時に下肢の外側、すなわち、右脚の右側及び左脚の左側となる側を意味する。
本発明に用いられる三日月形状の切替え部の幅、すなわち、三日月形状の切替え部の突出部分の幅は、本発明のレッグウェアに所望の立体的形状を形成することができれば、特に制限されるものではなく、サイズ等によっても変化するが、例えば、約1cm〜約8cmであることができる。
本発明のレッグウェアにおいて、三日月形状の切替え部と、他のパーツ、例えば、前身頃及び後身頃とを固定するために用いられうる縫合部は、特に制限されず、種々の縫製方法により形成することができ、例えば、4本針フラットシーマ(両面飾り扁平縫いミシン)、2本針両面飾り扁平縫いミシン、3本針両面飾り扁平縫いミシンを用いて形成することができる。上記縫合部としては、特に、フラットシーマにより形成されるフラットシームが好ましい。これにより、切替え部分の厚みを薄くし、且つ素材の伸びを妨げないようにすることができるからである。上記フラットシームは、肌に当たる縫い糸が立体的にならないよう、生地の裏側を見て縫う「裏使い」で用いることができる。これにより、肌触りがさらに向上する。
(1)素材の伸びが阻害されないので、運動時に脹脛等の周囲長が変化した場合であっても、着用者の下肢、特に着用者の少なくとも脹脛及び足首の着圧が変わりにくい;
(2)素材の伸びが阻害されないので、運動動作が阻害されにくい;そして
(3)皮膚感触が柔らかくなり、不快なアタリ感がない。
本明細書において、「着圧」とは、着用時に、着用者の各部位に加えられる圧力を意味する。上記着圧としては、便宜上、例えば、図6に示すような木製の脚型Fに、本発明のレッグウェアを着用させ、ザルツマン社製の着圧測定器MST−MK IVを用いて測定された値を採用することができる。
図6に示す脚型Fの周囲長を、以下の表1に示す。
また、図3及び図4に示すようなレッグウェアでは、足の甲及び土踏まずの着圧>足首の着圧>脹脛の着圧とすることができる。
なお、脹脛への着圧は、脛全体に着圧を加えることにより達成することができる。
上記着圧の範囲は、脹脛の筋ポンプ作用を効果的に補助し、着用者の下肢のむくみや血行障害を軽減させる静脈還流量を増加させるために望ましい。
本発明のレッグウェアには、その上端、例えば、大腿部、膝上部、膝下部、脛部等に、滑り止め部が連結されていてもよい。
本発明に用いられる弾性経編物は、薄く、凹凸感が少なく、肌触りが良い生地であるが、生地自体の摩擦抵抗が小さい傾向がある。さらに、本発明のレッグウェアは、脛部分から足首部にかけて、段階的に径が細くなることに加え、下肢の主要な部位において、つま先よりの部位の方が、頭よりの部位よりも高い着圧を有するので、着用時に、より下向き、すなわち、つま先方向への力がはたらきやすい。
従って、着用者の下肢の形状、特に脛、例えば、脹脛の形状等によっては、着用時にずり下がりやすい場合がある。
なお、右脚用パーツは、左脚用パーツと左右対称の着用状態となる。
また、図7に示されるレッグウェア1は、前身頃6、後身頃7、及び2つの三日月形状の切替え部4、並びに滑り止め部12の5つのパーツから構成されているが、本発明において、パーツ数は特に制限されるものではなく、図7に示されるようなタイプのレッグウェアは、本発明の効果を奏する範囲内であれば、6つ以上のパーツから構成されていてもよい。
なお、右脚用パーツは、左脚用パーツと左右対称の着用状態となる。
また、図8に示されるレッグウェア1は、前身頃6、後身頃7、2つの三日月形状の切替え部4、及び土踏まず部10、並びに滑り止め部12の6つのパーツから構成されているが、本発明において、パーツ数は特に制限されるものではなく、図8に示されるようなタイプのレッグウェアは、本発明の効果を奏する範囲内であれば、7つ以上のパーツから構成されていてもよい。
本発明の滑り止め部としては、上記疲労試験後回復率が、95%以上であることが好ましく、97%以上であることがより好ましく、そして98%以上であることがより好ましい。
伸長後回復率(%)=100×(80−x)/80
上記テンシロン型の定速伸長型引張試験機としては、例えば、オリエンテック製RTC−1210Aを挙げることができる。
幅40mm及び長さ200mmの試験片を、治具の間隔(つかみ間隔)を100mmとしてDC−3にセットし、当初の治具の間隔が分かるように2つの目印を付ける。次いで、試験片を、伸長率0%から、伸長率60%(又は80%)まで、複数回にわたって伸長させる。単位時間当りの伸長回数及び総伸長回数は、例えば、それぞれ、122回/分及び10,000回とすることができる。試験終了後、試験片を治具から外し、一定時間経過後、例えば、20時間経過後に、2つの目印の間隔y(mm)を測定する。
疲労試験後回復率(%)は、下記式に従って算出することができる。
伸長率60%における疲労試験後回復率(%)
=100×[160−y]/[160−100]
伸長率80%における疲労試験後回復率(%)
=100×[180−y]/[180−100]
上記コーティング部は、着用者の周囲長方向に連続して配置されていてもよく、又は丈方向及び周囲長方向に、断続的、例えば、千鳥状に配置されていてもよい。
ただし、上記コーティング部は、一般的に通気性が低いため、着用時のムレ、カブレ等に注意する必要がある。
[実施例1]
図1に示すようなレッグウェア(以下、「レッグウェアA」と称する)を製造した。レッグウェアAの素材は、周囲長方向の最大伸長率が250%である2ウェイトリコット生地であった。
図6に示す脚型Fを用いて、レッグウェアAの脹脛及び足首の着圧を測定したところ、それぞれ、17.5hPa及び25.0hPaであった。
図7に示すようなレッグウェア(以下、「レッグウェアB」と称する)を製造した。レッグウェアBの脛部及び足首部の素材は、周囲長方向の最大伸長率が250%である2ウェイトリコット生地であり、そして滑り止め部の素材は、丸編みの編物であった。
図6に示す脚型Fを用いて、レッグウェアBの脹脛及び足首の着圧を測定したところ、それぞれ、17.5hPa及び25.0hPaであった。
レッグウェアBを、複数の被験者に着用してもらったところ、滑り止め部にきつさ、蒸れ等を感じることなく、スポーツの際に、ズレ落ちにくかったのと回答が得られた。
実施例2で製造されたレッグウェアBに用いられた滑り止め部の素材である丸編みの編物に関して、疲労試験を実施した。試験片は、少なくとも40mmの丈方向長さと、少なくとも200mmの周囲長方向長さを有する丸編みの編物を裁断することにより準備したので、疲労試験後回復率(%)の値は、滑り止め部の周囲長方向の値を評価することに相当する。
単位時間当りの伸長回数及び総伸長回数は、それぞれ、122回/分及び10,000回であり、試験後、20時間経過後に測定した。伸長率60%の試験では、20時間経過後の2つの目印の間隔が101mmであり、疲労試験後回復率(%)は、98%であった。同様に、伸長率80%の試験では、20時間経過後の2つの目印の間隔が102mmであり、疲労試験後回復率(%)は、98%であった。
2 脛部
3 足首部
4 三日月形状の切替え部
5 縫合部
6 前身頃
7 後身頃
8 足の甲
9 土踏まず
10 土踏まず部
11 足の指の付け根
12 滑り止め部
F 脚型
Claims (10)
- 着用者の脛を覆う脛部と、着用者の足首を覆う足首部とを備えるレッグウェアであって、
前記脛部及び足首部の素材が、弾性経編物であること、
前記レッグウェアが、前記脛部の両側部に、中央部が後方に突出する三日月形状の切替え部を有すること、
着用時に、着用者の少なくとも脹脛及び足首に段階的着圧が加えられること、そして
足首の着圧が、15hPa〜30hPaの範囲にあり、そして脹脛の着圧が7〜24hPaの範囲にあること、
を特徴とする、前記レッグウェア。 - 前記レッグウェアの上端に、前記弾性経編物よりも摩擦係数が高い滑り止め部を有する、請求項1に記載のレッグウェア。
- 前記滑り止め部の素材が、丸編みの編物である、請求項2に記載のレッグウェア。
- 前記滑り止め部の周囲長方向の疲労試験後回復率が、伸長率60%及び80%の両方において95%以上である、請求項2又は3に記載のレッグウェア。
- 前記滑り止め部の周囲長方向の伸長後回復率が、前記脛部及び足首部における弾性経編物の周囲長方向の伸長後回復率よりも高い、請求項2〜4のいずれか一項に記載のレッグウェア。
- 前身頃、後身頃、前記三日月形状の切替え部、及び前記滑り止め部から成る、請求項2〜5のいずれか一項に記載のレッグウェア。
- 前記レッグウェアの上端が、着用者の膝上に位置するように寸法設計されている、請求項1〜6のいずれか一項に記載のレッグウェア。
- 前記レッグウェアの上端が、着用者の脛に位置するように寸法設計されている、請求項1〜6のいずれか一項に記載のレッグウェア。
- 前記レッグウェアの下端が、着用者の足首に位置するように寸法設計されている、請求項1〜8のいずれか一項に記載のレッグウェア。
- 前記レッグウェアの下端が、着用者の足の甲及び土踏まずに位置するように寸法設計されている、請求項1〜8のいずれか一項に記載のレッグウェア。
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