JP6699976B2 - 運動用のウェアおよびその使用方法 - Google Patents

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    • A41D13/05Professional, industrial or sporting protective garments, e.g. surgeons' gowns or garments protecting against blows or punches protecting only a particular body part
    • A41D13/06Knee or foot

Description

本発明はソックス、ストッキング、タイツなどの運動用のウェアおよびその使用方法に関する。
従来より、足首等に着用するサポータや補助具あるいはストッキングが開発されている。
JP2009−287151A(フロントページ) JP2007−332470A(フロントページ) WO2010−139939A(フロントページ) JP11−196902A(フロントページ)
JP2009−287151Aには、足首や足の甲を周方向に締め付けるバンド部を有する靴下が開示されている。この靴下は非着用状態において踵を覆う部位が屈曲していない。
JP2007−332470Aには、装着時に足をサポートでき、フィット性の高いサポータが開示されている。
WO2010−139939Aには、足の背屈を支援する弾力性パネルを備えた矯正用靴下が開示されている。
JP11−196902Aには以下の内容が開示されている。
人が走行する際には、足先を地面に近付ける方向に足関節(踝の関節)を回転させることにより、つまり、足関節を底屈させることにより、脚部の筋力を足に伝達して地面を蹴り出す。したがって、速く走ったり高く跳ぶためには、足関節を底屈させる底屈力を大きくすることが必要となる。底屈力は、足関節の角度により異なる。走行時においては前記足関節の角度が130〜160度程度の際に底屈力が最大となる。したがって、運動時に前記底屈力が大きい至適可動域を保つためには、足関節の角度を制御する必要がある。
足関節の角度が何ら制御されていない場合、足の接地後に鉛直荷重が最大となる時に、荷重により踵の落ち込み(背屈)が発生する。そのため、足関節の角度が至適可動域よりも小さな角度となる。このように至適可動域を外れると、底屈力が小さくなり、地面を蹴り出す力が小さくなるうえ、踵の落ち込みに伴い、接地時間が長くなり、動作が緩慢となる。したがって、運動機能が低下する。
この先行文献に開示された運動機能補助構造は、アキレス腱の下部を後方から覆い隠すような位置に足の踵から足首にわたって配設され、走行の際の前足部の接地後に、荷重を受けて伸びることで足の踵の落ち込みを抑制する高弾性の落込抑制部材を有する。
前記先行文献の落込抑制部材を構成する素材のヤング率は、着用する人の脚力や目的によっても異なるが、5〜300kg/cm(49〜2940N/cm)程度が好ましい。また、落込抑制部材の最大破断伸度は10%以上が好ましい。また、落込抑制部材のバネ定数(引張荷重/伸び)としては15〜900kg/cm(147〜8820N/cm)程度が好ましい。
前記先行文献に開示されているように、前記高弾性の落込抑制部材の引張力は、踵の落込を抑制でき、足関節の角度が至適可動範囲に保たれるだろう。そのため、底屈力の低下が抑制されると共に接地時間が長くなるのが抑制されるだろう。また、背屈動作に伴って伸張した落込抑制部材に蓄積された弾性エネルギーは、足を蹴り出す際に開放されて、底屈力が増大するだろう。
しかし、前記先行文献において、ある落込抑制部材は樹脂ベルトで靴に固定するための複雑な構造となっている。すなわち、手軽に着用できるウェアではない。そのため、靴の構造が特殊な構造となったり、運動機能補助構造が複雑な構造になるのは避けられない。
図16Aおよび図16Bは前記先行文献に開示された他の先行例を示す。
この先行例は素足に着用する靴下状の構造を有する。この靴下において、爪先から踵および足首の背面にわたって一体の高弾性の部材105が配置されている。
前記高弾性の部材105は足首の上方において、図16Bのように、足首の全周にわたる折返部103とベルト部104とで押さえ付けられて、自由な伸縮はできないだろう。つまり、下腿の下端に極く近い部分でのみ伸縮する。そのため、伸び量が小さいだろう。
前記先行文献の発明では踵の落ち込み抑制を主目的としており、そのため、前記高弾性の部材のバネ定数は147〜8820N/cmと著しく大きい。以下に説明するように、かかるバネ定数の大きい部材は、靴や靴下の着用感の著しい劣化等を招き、運動機能が十分に向上しない要因となり得る。
例えば、前記高弾性の部材105は足首の上方の部位において、ベルト部104と全周にわたる折返部103とを有している。そのため、前記折返部103において前記部位を緊締するだろう。したがって、当該部位の部材105は殆ど伸びないだろう。
また、前記高弾性の部材105は、足関節の近傍において、上方に向かうに従いテーパ状に広がっており、矢印100で示すように、踵に対し斜め前方に向かう力を発揮するだろう。そのため、高弾性の部材105が踵から前記折返部103までの部位においてアキレス腱の背面に密着するだろう。
そのため、この場合、前記高弾性の部材105の伸縮時に足の表面に摩擦力が生じ前記高弾性の部材105の収縮時のエネルギーが損失したり、前記高弾性の部材105の縮む速度が小さいために、底屈力の減退を招くだろう。
更に、前記先行文献の発明は走行時の足関節の角度を至適可動範囲(130〜160度程度)に保つことを主目的としているから、足が背屈しにくかったり、あるいは、足の背屈を著しく阻害するだろう。
例えば、足の踵から足趾の先端までを覆う高弾性の部材105は前後方向に圧縮する力が足に作用し、そのため、母趾の趾節間関節B11を二点鎖線で示すように上方に大きく屈曲させることが判明した。また、前記高弾性の部材105は爪先と踵との間の足のアーチに圧縮力を作用させ、足のアーチが上方に向かって凸となるように変形させることが判明した。これらは、運動のパフォーマンスや着用感を著しく劣化させる。
しかも、爪先と踵との間において収縮力を作用させる高弾性の部材105の張力は足裏全体に対し後方Dbに向かう力を発揮しにくいだろう。そのため、足裏において底屈方向のモーメントが生じにくいだろう。
本発明の目的は、簡易な構造で実現でき、着用感が大幅に低下することなく、走行中の足の底屈力を高め、これにより運動機能が高まる運動用のウェアおよびその使用方法を提供することである。
本運動用のウェアの第1の発明において前記ウェアは、足裏Fbから足Fの後面Frを通り下腿Lの下端部Leの後面Lrに沿って連続的に延びる第1部1と、
前記下腿Lの下端部Leの前面Lfを覆うように適合された第2部2とを備え、
着用状態において前記第1部1および第2部2は前記足Fおよび前記下腿Lに沿った長手方向Dyに沿って伸張し、
50%伸張時における前記長手方向Dyについての前記第1部1の単位幅当たりの弾性率Eyが前記第2部2のそれよりも大きい。すなわち、50%伸張時における前記長手方向Dyについての前記第2部2の単位幅当たりの弾性率が前記第1部1の弾性率Eyよりも小さい。ここにおいて、第1の発明は、
前記下腿Lのうちの外果A2の下端A2eから上方に向かって前記長手方向Dyの少なくとも1/4の領域の前記下腿Lの後面Lrを前記第1部1が伸縮可能な状態で覆うように適合されていることを特徴としている。
長手方向Dyの弾性率Eyが大きい第1部1は、足の踝(内果および外果)のまわりに底屈方向D1のモーメントMを発生させる。すなわち、第1部1が足裏Fbから下腿Lの下端部Leに向かって引っ張られることで、足裏Fbには後方Dbに向かう外力が負荷され、一方、足の後面Frには長手方向Dyの上方に向かう外力が負荷される。これらの外力は前記踝Anのまわりに底屈方向D1のモーメントMを足に作用させる。そのため、短距離走の接地から離地に至る間において、第1部は足を底屈方向に回転させる力を足に付与する。
後述する試験の結果において述べるように、下腿のうちの外果の下端から上方に向かって1/4の第1領域L1の後面は背屈から底屈する間に特に大きく伸縮する。そのため、かかる領域を第1部が覆っていることで、大きな底屈トルクが発生し得る。
好ましくは、第1部は下腿のうちの外果の下端から上方に向かって少なくとも1/3の第2領域の後面を前記第1部が伸縮自在な状態で覆うように適合される。
後述する試験の結果において述べるように、下腿のうちの外果の下端から上方に向かって1/3の第2領域の後面は背屈から底屈する間に比較的大きく伸縮する。そのため、かかる第2領域L2を第1部が覆っていることで、更に大きな底屈トルクが発生し得る。
本発明において、「第1部が連続的に延びる」とは、第1部が不完全に連なっている場合を含み、弾性率の小さい部材が部分的に設けられていてもよい。
「下腿」とは、外果の下端から膝の下までの部位を意味する。また、「下腿の下端部」とは、外果の下端から上方に向かって1/3の第2領域L2を意味する。
「底屈方向D1」とは、踝を中心に爪先が下方に向かって回転する方向を意味する。
前記第1の発明の第1の態様の運動用のウェアは、足裏Fbから足Fの後面Frを通り下腿Lの下端部Leの後面Lrに沿って連続的に延びる第1部1と、
前記下腿Lの下端部Leの前面Lfを覆うように適合された第2部2とを備え、
着用状態において前記第1部1および第2部2は前記足Fおよび前記下腿Lに沿った長手方向Dyに沿って伸張し、
50%伸長時における前記長手方向Dyについての前記第1部1の単位幅当たりの弾性率Eyが前記第2部2のそれよりも大きく、ここにおいて、
前記下腿Lのうちの外果A2の下端A2eから上方に向かって前記長手方向Dyの少なくとも1/4の領域の前記下腿Lの後面Lrを前記第1部1が伸縮可能な状態で覆うように適合され、
前記第1部1は着用中の静止立位の伸張した状態で、前記下腿Lの下端部Leの後面Lrにおけるアキレス腱Tの内側および外側の肌面Lsの少なくとも一部に非接触で前記下端部Leの後方Dbにおいて踝Anのまわりに底屈方向D1のモーメントMを前記足Fに作用させるように構成されていることを特徴とする。
第1部は足首の後面におけるアキレス腱の内側および外側の肌面に対し、少なくとも一部において非接触であり、そのため、第1部は踝から遠い位置に配置され、第1部の前記モーメントの腕の長さが大きく、底屈トルクの増大を図ることができる。
特に、第1部は長手方向に大きい弾性率を有しているにもかかわらず前述のように足首の後面において肌面に対し、少なくとも一部において非接触であり、そのため、足首を周方向に殆ど締め付けないだろう。その結果、足首の関節群の自由な動作を妨げにくく、前記パフォーマンスや着用感が向上するだろう。
前記第1の発明における第2の態様の運動用のウェアは、足裏Fbから足Fの後面Frを通り下腿Lの下端部Leの後面Lrに沿って連続的に延びる第1部1と、
前記下腿Lの下端部Leの前面Lfを覆うように適合された第2部2とを備え、
着用状態において前記第1部1および第2部2は前記足Fおよび前記下腿Lに沿った長手方向Dyに沿って伸張し、
50%伸張時における前記長手方向Dyについての前記第1部1の単位幅当たりの弾性率Eyが前記第2部2のそれよりも大きく、ここにおいて、
前記下腿Lのうちの外果A2の下端A2eから上方に向かって前記長手方向Dyの少なくとも1/4の領域の前記下腿Lの後面Lrを前記第1部1が伸縮可能な状態で覆うように適合され、
前記第1部1は着用中の静止立位の伸張した状態で、前記下腿Lの下端部Leの後方Dbにおいて踝Anのまわりに底屈方向D1のモーメントMを前記足Fに作用させるように構成され、
前記第1部1の前記長手方向Dyの伸びが50%である場合において前記第1部1は弾性変形を呈する部材であることを特徴とする。
本態様において、「前記第1部の長手方向の伸びが50%である場合において前記第1部は弾性変形を呈する」とは、実質的な弾性限度が50%以上であることを意味するが、金属と異なり、織物などの繊維の場合、応力を取り除いた後に、若干の永久変形が生じ易く、したがって、本発明においては5%以下の永久変形が残る場合を含むと解さなければならない。5%程度の小さな永久変形は第1部の弾力性を阻害しないだろう。したがって、着用感や底屈力が低下しにくいだろう。
走行中に足は50°程度の底屈と20°程度の背屈とを繰り返す。この走行中に下腿の下端部Leにおいて前記第1部は50%程度伸びが変化することが確認されている。したがって、前記弾性限度が50%以上である場合、走行中に第1部は50%伸びて第1部は前記底屈トルクを発揮し得る。
また、かかる理由から弾性率Eyは50%伸張時の値を採用した(基準とした)。
かかる実質的な弾性限度は80%〜3000%であるのが更に好ましい。また、第1部の素材は縮む際に底屈方向のトルクを発生し、そのため、収縮時のエネルギーが大きいゴム様の弾力性を備えているのが好ましい。この場合、第1部の伸びが小さい足の最大底屈時にも足に底屈トルクを与えて、路面を強く蹴る力が生じるだろう。
前記第1の発明における第3の態様の運動用のウェアは、長手方向Dyに延びる筒状の筒状部3を備え、
前記筒状部3は伸張した状態で下腿Lの下端部Leの後面Lrを覆うことができるように適合された第1部1と、
前記下腿Lの下端部Leの前面Lfを覆うことができるように適合された第2部2とを備え、
着用状態において前記第1部1および第2部2は足Fおよび前記下腿Lに沿った長手方向Dyに沿って伸張し、
50%伸張時における前記長手方向Dyについての前記第1部1の単位幅当たりの弾性率Eyが前記第2部2のそれよりも大きく、ここにおいて、
前記下腿Lのうちの外果A2の下端A2eから上方に向かって前記長手方向Dyの少なくとも1/4の領域の前記下腿Lの後面Lrを前記第1部1が伸縮可能な状態で覆うように適合され、
前記第1部1は着用中の静止立位の伸張した状態で、前記下腿Lの下端部Leの後方Dbにおいて踝Anのまわりに底屈方向D1のモーメントMを前記足Fに作用させるように構成され、
前記第1部1の遠位端1Eが前記足FのアーチFAから踵Hまでの間に配置されていることを特徴とする。
この場合静止立位の状態でも底屈トルクを発揮し、そのため、路面を蹴る力積が増大するだろう。
特に、第1部の遠位端1Eはアーチから踵の間に配置されており、アーチよりも前方に第1部は配置されていない。そのため、第1生地が足を前後に圧縮するおそれがなく、着用感が低下しないだろう。
第2の発明はストッキング状の運動用のウェアであって、
前記ウェアの近位端部4Eに配置され履き口40を定義する円環状のベルト部4と、
前記ベルト部4に連なり下方に向かって長手方向Dyに延び裾開口30を定義する筒状の筒状部3とを備え、
前記筒状部3は伸張した状態で着用者の踵Hの底面Hb、足Fの後面Frおよび下腿Lの下端部Leの後面Lrを覆うことができるように適合された第1部1と、
前記下腿Lの下端部Leの前面Lfを覆うことができるように適合された第2部2とを備え、
前記第1部1の前記長手方向Dyの弾性率Eyが前記第2部2の前記長手方向Dyのそれよりも大きく、
前記第1部1が2重に重なるように、かつ、前記第2部2が2重に重なるように前記ウェアを折った状態の前記第1部1の折りライン11が前記第2部2に向かって凹となるように湾曲した第1湾曲ライン1cを包含し、
前記ウェアを折った状態の前記第2部2の折りライン21が前記第1部1に向かって凸となるように湾曲した第2湾曲ライン2cを包含し、
前記第1湾曲ライン1cが前記裾開口30に近い前記ウェアの遠位端部3Eに配置され、
前記第1湾曲ライン1cから前記長手方向Dyに離間し前記遠位端部3Eと前記近位端部4Eとの間の中間部31に前記第2湾曲ライン2cが配置されている。
裾開口30の近くの第1湾曲ライン1cは裾開口30を小さくし、着用中に裾開口30が足の後半部に係合し易い。そのため、着用感が向上する。
一方、第1湾曲ライン1cから長手方向Dyに離間した第2湾曲ライン2cは足首の近傍において筒状部3を細くし、筒状部3が下腿Lの前面に沿い易いだろう。そのため、着用感が向上すると共に、走行中の空気抵抗の増大を抑制するだろう。
本発明のウェアの使用方法は、前記履き口40から前記足Fを挿入し前記裾開口30から前記足Fの一部が突出し、前記遠位端部3Eにおける前記第1部1が着用者の踵Hの底面Hbに係合した状態となるように、かつ、前記ベルト部4が着用者の膝Knと脹ら脛(ふくらはぎ)CAとの間のくびれた部位KCを締め付けた状態となるように前記ウェアを着用する工程と、
前記ウェアを着用した状態で走行する工程と、を備える。
この場合、前記ウェアを着用して走行することで、前記走行中に前記着用した前記ウェアの前記第1部1が少なくとも下腿Lの下端部Leの後面を覆う部位や踵Hの底面Hbにおいて着用者の踝Anのまわりに底屈方向のモーメントMを作用させる。そのため、路面を蹴る際の力積が増大し、走行のパフォーマンスが向上するだろう。
図1Aは靴下の上に本発明の実施例1にかかるウェアを着用した状態を静止立位で示す足および下腿の内側面図、図1Bは図1AのB−B線断面図、図1Cは図1AのC−C線断面図である。なお、図1Bおよび図1Cにおいて下腿の断面にはドット模様が付され、ウェアの断面にはハッチングが施されている。また、図1Aおよび図1Cにおいては、図を見易くするために、ウェア1と肌面Lsとの間の隙間が大きく描かれている。 図2は図1Aと同様の着用状態で示す足および下腿の外側面図である。 図3は同静止立位における同ウェアの斜視図である。 図4Aは図1Aと同様の着用状態でウェアを着用したときの底屈状態を示す足および下腿の平面図、図4Bは同底面図である。 図5Aおよび図5Bは、それぞれ、第1部が2重に重なるように、かつ、第2部が2重に重なるように折った状態のウェアの内側面図および外側面図である。なお、これらの図において、弾性率の大きい生地には細かいメッシュ模様が付され、弾性率の小さい生地には粗いメッシュ模様が付されている。 図6Aおよび図6Bは、それぞれ、後身頃と前身頃とが互いに重なるように折った状態のウェアを示す背面図および正面図、図6Cは同ウェアを裏返した状態でウェアの内面を示すウェアの背面図である。 図7Aはウェアの背面図、図7B、図7Cおよび図7Dは、それぞれ、試験の様子を示す着用状態のウェアの背面図である。 図8A、図8B、図8Cおよび図8Dは、それぞれ、ウェアの実施例2〜5を着用した状態で示す下腿の背面図、図8E、図8F、図8Gおよび図8Hは、それぞれ、ウェアの無負荷の状態における第1部および第2部の周方向の領域を示す模式的な平面図である。 図9A、図9B、図9Cおよび図9Dは、それぞれ、前記ウェアの実施例2〜5を折った無負荷の状態で示す背面図である。 図10Aは他の例を図1Aと同様の状態で示す足および下腿の外側面図、図10Bおよび図10Cは、それぞれ、第2部および第1部の編構造を模式的に示す拡大図である。 図11は更に他の例を図1Aと同様の状態で示す足および下腿の内側面図である。 図12は第1部または第2部の生地の伸びに対する単位幅当たりの荷重を示す特性図で、図12A、図12B、図12Cおよび図12Dは、それぞれ、第1部の縦方向、第1部の周方向、第2部の縦方向および第2部の周方向についての特性図である。なお、引張試験は試験片を20cm/分で伸びが100%となるまで引っ張り、その後、20cm/分で試験片の伸びが0%となるまで戻し、その間の単位幅当りの荷重を示した。図中の矢印は伸張した後に収縮した流れを示す。 図13A、図13B、図13C、図13Dおよび図13Eは、それぞれ、被験者A、B、C、DおよびEについての官能試験の結果を示すグラフである。 図14Aは走行時の底屈方向のトルクの変化を示す特性図、図14Bは走行時の足の底屈の角度の変化を示す特性図である。 図15Aおよび図15Bは、それぞれ、底屈時および背屈時の足の形状を示す概略内側面図、図15Cは下腿の脛骨および腓骨を示す概略正面図である。 図16Aおよび図16Bは、それぞれ、JP11−196902Aに開示された靴下の着用方法および着用後の足および下腿の下端部を示す側面図である。
前記第1の態様において、好ましくは、前記第1部1は前記アキレス腱Tの真後の少なくとも一部において前記肌面Lsに非接触である。
このようにアキレス腱Tの真後の少なくとも一部において肌面に非接触である場合、前記底屈トルクが増大し、また、足首の関節群の自由な動作が更に妨げられにくい。
好ましくは、前記長手方向Dyに交差する周方向Drの50%伸張時における弾性率については、前記第2部2の前記周方向Drの弾性率Erが前記第1部1のそれよりも小さい。すなわち、前記長手方向Dyに交差する周方向Drの50%伸張時における第1部1の弾性率は前記第2部2の弾性率Erよりも大きい。
生地による下腿や足の周方向の締付力が過大であると、下腿や足の筋肉および腱の動きが妨げられる。これに関し、本好ましい態様の場合、50%伸張時の第2部の周方向の弾性率が第1部のそれよりも小さく、そのため、下腿や足の筋肉や腱の自由な動きが妨げられにくい。
一方、ウェアが下腿にフィットしていないと、空気抵抗の増大や着用感の劣化を招く。これに関し、本好ましい態様の場合、周方向の弾性率が大きい第1部により第2部が下腿にフィットし易いだろう。
好ましくは、前記第1部1は無負荷の非着用状態において少なくとも前記長手方向Dyに8cmの長さを有し、8cmの前記第1部1が4cm伸びる引張荷重Wの値を前記4cmの伸びλで除した値Csは1.0N/cm−4.8N/cmである。
前記値Csは、前記8cmの部位のバネ定数に相当する。1kgf=9.8Nであり、かかるバネ定数の相当値Csは前記先行例において好ましいとされる値に比べ著しく小さく、そのため、走行中に自然に生じる足の背屈動作を許容し易い。したがって、着用感が著しく向上する。
前記値Csが1.0N/cmよりも小さいと、足を底屈させる力が不足し、底屈力の増大が不十分となり易い。一方、前記値Csが4.8N/cmを超えると、爪先の上げづらさを感じ、着用感が劣化するかもしれない。
好ましくは、前記第1部1が前記長手方向Dyに50%伸張した状態の前記弾性率Eyは0.5N/cm−4.8N/cmである。
弾性率Eyの値が0.5N/cmよりも小さい場合、第1部1の周方向の幅を大きくしても、前記バネ定数の相当値Csが1.0N/cmよりも小さくなり易い。一方、弾性率Eyの値が4.8N/cmよりも大きい場合、第1部1の周方向の幅を小さくしても前記バネ定数の相当値Csが4.8N/cmよりも大きくなり易い。
好ましくは、前記第2部2が前記周方向Drに50%伸張した状態の前記弾性率Erは0.0001N/cm−0.5N/cmである。
前記弾性率Erが0.0001N/cmよりも小さい素材は伸びが大きくなりすぎて用いにくいだろう。前記弾性率Erが0.5N/cmよりも大きいとウェアが足首や足関節の自由な動作を妨げ易いだろう。
好ましくは、前記第1部1の遠位端1Eが前記足FのアーチFAから踵Hまでの間に配置されている。
アーチFAから踵Hまでの間に第1部の遠位端1Eが配置されている場合、前記踵Hにおいて踵Hに作用する第1部1の張力は足の後方Dbに向かう。そのため、前記足裏Fbにおいても底屈トルクを発揮することができる。
足のアーチから足趾の先端までを覆っていない第1部1は、母趾の趾節間関節を上方に大きく湾曲させることがない。また、かかる第1部1は爪先と踵との間のアーチに圧縮力を作用させることがなく、足のアーチが上方に向かって凸となるように変形させるおそれがない。これらは着用感や運動のパフォーマンスを著しく向上させる。
本第1発明において、好ましくは、50%の伸びにおける前記第1部1の前記長手方向Dyの張力が4N以上で、
50%の伸びにおける前記第1部1の前記長手方向Dyの張力が19.2N以下である。
後述の官能試験の結果から分かるように、個人差があるものの前記引張荷重Wが4Nよりも小さいと、足を底屈させる力が不足し、底屈力の増大が不十分となる場合があるだろう。一方、前記引張荷重Wが19.2Nを超えると、爪先の上げづらさを感じ、着用感が低下する場合があるだろう。
本第1発明において好ましくは、前記運動用ウェアはストッキング状で、
前記ウェアの近位端部4Eに配置され履き口40を定義する円環状のベルト部4と、
前記ベルト部4に連なり下方に向かって前記長手方向Dyに延び前記ウェアの遠位端部3Eにおいて裾開口30を定義する筒状の筒状部3とを備え、
前記筒状部3は前記第1部1および第2部2を包含する。
この場合、ストッキングとしての本ウェアを他のウェアと組み合わせて着用することができる。
前記ストッキング状のウェアは、前記裾開口30が前記足Fのアーチから前記踵Hまでの間に配置されるように適合されている。
この場合、高弾性の第1部1の遠位端1EもアーチFAから踵Hの間に配置される。アーチFAから踵Hの間に遠位端1Eが配置されている場合、前記踵Hに作用する第1部1の張力は足の後方Dbに向かう。そのため、前記足裏Fbにおいても底屈トルクを発揮することができる。
また、一般に、足はアーチから踵Hに向かって周囲長が長く変化している。そのため、足のアーチFAから踵Hの間に配置された裾開口30は足に係合し易く、ウェアの着用状態が安定する。
好ましくは、前記第1部1は縦糸1fが前記長手方向Dyに伸びる第1織物で構成され、
前記縦糸1fの伸びが50%である場合において前記縦糸1fは弾性変形を呈する伸縮性を有する。
第1部1は織物、編物、フィルム状の伸縮性シートなど種々の素材を用いることができる。弾性限界が大きい縦糸1fで織物が構成されている場合、第1部1は前記縦糸1fの伸縮性を利用して伸縮し、そのため、編物の編構造と異なり長手方向Dyに伸縮し易く、かつ、伸縮速度が大きく、走行のサイクルに対し伸縮速度の遅れが生じにくい。
好ましくは、前記第2部2は第2織物で構成され、
前記長手方向Dyに伸びる縫合部5において前記1部1と前記第2部2とが互いに周方向Drに連なっている。
この場合、大きく弾性の異なる2種類の織物を用いることで、設計の自由度が著しく向上する。
好ましくは、前記ベルト部4は膝Knと脹ら脛(ふくらはぎ)CAとの間に配置されるように適合されている。
この場合、ベルト部は膝Knと脹ら脛(ふくらはぎ)CAとの間の脚の括れた部位に係合する。そのため、第1部1がズレて下がったりしにくく、第1部1による底屈トルクが発揮され易い。
好ましくは、前記履き口40と前記裾開口30との間の中間点Ocから前記裾開口30までの領域32において、無負荷状態における前記第2部2の周方向Drの全周に対する割合が40〜80%に設定されている。
前記割合が40%よりも小さいと踝のまわりのモーメントが相殺されるおそれがあり、一方、前記割合が80%を超えると第1部による底屈力が低下し易い。
好ましくは、前記裾開口30は前記ウェアの非着用状態において、前記第2部2の遠位端2Eの縁が上方に向かって凸形に湾曲して形成されている。
この場合、第2部2に比べ第1部1が長くなる。これにより、脚から足の短いラインに沿って、第2部2が脚および足にフィットし、一方、足裏から踵後面を通る第1部1の長さを十分に確保できる。そのため、安定した着用感と底屈トルクを発揮し得る。
好ましくは、前記第1部1の部材における前記遠位端部3Eの内表面にはスベリ止メ用の部材が設けられている。
ウェアの着用時に第1部1を上方に向かって引っ張り上げるため、第1部1の遠位端部3Eは踵の後方に向かってズレるおそれがある。これに対し、遠位端部3Eにスベリ止メ用の部材を設けた場合、前記ズレを抑制することができる。そのため、着用状態が安定する。
更に、遠位端部3Eに設けられたスベリ止メ用の部材は靴下や足裏にも係合し、踵の底面においても底屈方向のモーメントが発生し易い。そのため、足先までを高弾性の素材で覆った前記先行例よりも大きな底屈トルクを得易い。
本ウェアは以下のように使用することができる。
すなわち、前記履き口40から前記足Fを挿入し前記裾開口30から前記足Fの一部が突出し、前記遠位端部3Eにおける前記第1部1が着用者の踵Hの底面Hbに係合した状態となるように、かつ、前記ベルト部4が着用者の膝Knと脹ら脛(ふくらはぎ)CAとの間のくびれた部位KCを締め付けた状態となるように前記ウェアを着用する工程と、
前記ウェアを着用した状態で走行する工程と、を備える。
好ましい使用方法においては、前記着用する工程において、前記ウェアの前記第1部1が少なくとも前記下腿Lの下端部Leの後面Lrを覆う部位において着用者の踝Anのまわりに底屈方向D1のモーメントMを作用させるように、前記第1部1が伸張した状態で着用する。
好ましい使用方法においては、前記着用者の足Fを包む靴下6を予め着用する工程を更に備え、
前記靴下6の着用後に前記ウェアを着用する。
この場合、本ウェアとは別に着用者の好みに応じた靴下を着用することができる。
この場合、本ウェアではなく靴下の外表面にスベリ止メ用部材を設けてもよい。
1つの前記各実施態様または下記の実施例に関連して説明および/または図示した特徴は、1つまたはそれ以上の他の実施態様または他の実施例において同一または類似な形で、および/または他の実施態様または実施例の特徴と組み合わせて、または、その代わりに利用することができる。
本発明は、添付の図面を参考にした以下の好適な実施例の説明からより明瞭に理解されるであろう。しかし、実施例および図面は単なる図示および説明のためのものであり、本発明の範囲を定めるために利用されるべきものではない。本発明の範囲は請求の範囲によってのみ定まる。添付図面において、複数の図面における同一の部品番号は、同一または相当部分を示す。
本ウェアの着用状態について説明する。
図1Aにおいて、本ウェアはストッキング状で筒状部3およびベルト部4を備える。
図3に明示するように、前記ベルト部4は円環状で前記ウェアの近位端部4Eに配置され履き口40を定義する。前記筒状部3は筒状で、前記ベルト部4に連なり下方に向かって、図5Aの前記長手方向Dyに延び前記ウェアの遠位端部3Eにおいて図3の裾開口30を定義する。前記筒状部3は第1部1、第2部2および縫合部5を包含する。
図1の前記ベルト部4は伸縮性を有し、周方向に下腿Lの上端部を締め付けてウェアを下腿Lに固定する。前記ベルト部4は膝Knと脹ら脛(ふくらはぎ)CAとの間に配置されるように適合されている。
図1において、前記第1部1は足裏Fbから足Fの後面Frを通り下腿Lの下端部Leの後面Lrに沿って脹ら脛(ふくらはぎ)CAよりも上方の前記ベルト部4の下端まで連続的に延びる。前記第2部2は足の甲の一部や足首の前面から前記下腿Lの下端部Leの前面Lfおよび脛に沿って前記ベルト部4の下端までを覆うように適合されている。
着用状態において前記第1部1および第2部2は前記足Fおよび前記下腿Lに沿った長手方向Dyに沿って伸張している。50%伸張時における前記長手方向Dyについての前記第1部1の単位幅当たりの弾性率Eyは前記第2部2のそれよりも大きい。
本例の場合、図5Aおよび図5Bの縦糸1fが前記長手方向Dyに伸びる第1織物で前記第1部1が構成され、前記第2部2は別の縦糸2fが長手方向Dyに伸びる第2織物で構成されている。前記長手方向Dyに伸びる縫合部5において、図1Bおよび図1Cのように前記1部1と前記第2部2とは互いに周方向Drに連なっている。
図5Aの前記縦糸1fおよび2fの伸びが50%である場合において、それぞれ、前記縦糸1fおよび2fは弾性変形を呈する伸縮性を有する。
図1Aの本ウェアが下腿Lに固定され易いように、下腿Lのベルト部4に連なる補助ベルト部42が設けられてもよい。補助ベルト部42は前身頃の一部を構成し、たとえば、第1部1と同じ素材が用いられてもよい。第1部1または第2部2と補助ベルト部42との間も同様に縫合部5で連なっている。なお、前記補助ベルト部42は脹ら脛(ふくらはぎ)の最も太い部分よりも上方に配置されていてもよい。
前記裾開口30の第1部の遠位端1Eおよび第2部の遠位端2Eは足FのアーチFAから踵Hまでの間に配置されるように適合されている。本例の場合、前記裾開口30、第1部の遠位端1Eおよび第2部の遠位端2Eは、第1趾のリスフラン関節Jrから踵Hまでの間に配置されている。なお、裾開口30は周知の端末処理が施されている。
本例のように、第1部1はベルト部4よりも下方の下腿Lの全長にわたって設けられていてもよい。図2の前記下腿Lのうちの外果A2の下端A2eから上方に向かって前記長手方向Dyの少なくとも1/4の領域L1、より好ましくは少なくとも1/3の領域L2の前記下腿Lの後面Lrを前記第1部1が伸縮可能な状態で覆うように適合されていてもよい。
本例の場合、図1Aおよび図1Cのように、前記第1部1は着用中の静止立位の伸張した状態で、前記下腿Lの下端部Leの後面Lrにおけるアキレス腱Tの真後、内側および外側の肌面Lsの少なくとも一部に非接触で前記下端部Leの後方Dbにおいて踝Anのまわりに底屈方向D1のモーメントMを前記足Fに作用させるように構成されている。すなわち、第1部1に作用する張力は踵Hを上方に引き上げる力を発揮し、前記底屈方向D1のモーメントMを発生させる。
前記第1部1が着用中の静止立位の伸張した状態で、踵Hの底面Hbには後方Dbに向かう第1部1の摩擦力が作用し、これにより、前記底屈方向D1のモーメントMを内果A1(踝An)のまわりに発生させる。
本例の場合、前記第1部1の部材における前記遠位端部3Eの内表面にはスベリ止メ用の部材7が設けられている。そのため、前記踵Hの底面Hbに作用するモーメントMが大きくなり得る。
本ウェアの非着用状態における構造について説明する。
本例の場合、図5Aの内側面側と図5Bの外側面側とは概ね鏡対称(線対称)の形状である。
図5Aおよび図5Bは前記第1部1が2重に重なるように、かつ前記第2部2が2重に重なるように前記ウェアを折った状態を示す。この状態の前記第1部1の折りライン11は前記第2部2に向かって凹となるように湾曲した第1湾曲ライン1cを包含する。一方、前記ウェアを折った状態の前記第2部2の折りライン21は前記第1部1に向かって凸となるように湾曲した第2湾曲ライン2cを包含する。
第1湾曲ライン1cは前記裾開口30に近い前記ウェアの遠位端部3Eに配置されている。前記第1湾曲ライン1cから前記長手方向Dyに離間し前記遠位端部3Eと前記近位端部4Eとの間の中間部31に前記第2湾曲ライン2cが配置されている。
前記第1湾曲ライン1cが形成する外角θ1は190度〜225度程度が好ましく、190度〜210度が更に好ましい。一方、前記第2湾曲ライン2cが形成する外角θ2は135度〜150度程度が好ましい。第1部1が下腿Lの最も細い部分にフィットし易いからである。また、θ1>θ2となるのが一般に好ましい。
図6A〜図6Cに示すように、特に図6Bに明示するように、本ウェアは近位端部4Eと第1部の遠位端1Eとの中間部31が括れている。本ウェアは近位端部4Eで最も幅W1が大きく、一方、裾開口30において最も幅W4が小さい。
前記筒状部3の遠位端部3Eの最大幅W3は前記中間部31の最小幅W2よりも大きい。これにより、足首や踵において本ウェアの大きなダブつきを防止し得る。
図6Bに示すように、前記裾開口30は前記ウェアの非着用状態において、前記第2部2の遠位端2Eの縁が上方に向かって凸形に湾曲して形成されている。したがって、図6Bの正面図においては、第1部1の内面が若干見える。
図5Aおよび図5Bの非着用状態に示すように、第1部1の幅は前記中間部31から前記遠位端部3Eに向かって、徐々に増大していてもよい。逆に、第2部2の幅は前記中間部31から前記遠位端部3Eに向かって、徐々に減少していてもよい。
図1Aおよび図2に示すように、着用状態では第2部2が周方向に大きく伸張し、脹ら脛(ふくらはぎ)CAの最も太い部分から踝Anまで、第2部2の周方向の長さが第1部1の周方向の長さよりも大きい。これにより、高弾性の第1部1により下腿が周方向に締め付けられるのを抑制され、着用感が向上する。
図1Aおよび図2の着用状態に示すように、前記幅の大きい第1部1の遠位端部3Eは、踵Hの底面Hbだけでなく、踵Hの側面を覆う。これにより、縫合部5が荷重の負荷されにくい踵Hの側面に配置される。
図2の外果A2の中央や図1Aの内果A1の中央よりも後方に前記第1部1の前縁が配置されていてもよい。踝Anのまわりに底屈方向D1のモーメントMを発生させるためである。
次に、走行中の足の底屈の動作について説明する。
図15Aに示すように、足の底屈時には足Fは踝Anの回転中心Aoのまわりに爪先が踵Hの底部に対し下方となるように下方に向かって回転する。一方、図15Bに示すように、足の背屈時には足Fは踝Anの回転中心Aoのまわりに爪先が踵Hの底部に対し上方となるように上方に向かって回転する。
図14Aに高速での走動作時の底屈トルクの時系列データを示す。同図に示すように、高速での走動作時には常に底屈方向であるプラス方向に力が発揮され、背屈方向には力が発揮されないことが分かる。
図14Bに高速での走動作時の足の底屈の角度の変化を示す。走行中の接地から離地までの間において、接地直後に前傾姿勢による走行の慣性で足は一旦約20°程度近くまで背屈する。その後、離地に至るまで足は約50°程度近くまで底屈する。
したがって、走速度を上げるには、接地から離地に至るまで、つまり、背屈20°から底屈50°までの間において、足に底屈トルクを与えて路面を蹴る力積の増大を図ることが重要であることが分かる。
次に、本発明者等が本実施例のウェアを制作する前の試験サンプルと試験結果について説明する。
市販のストッキングの背面に縦方向に伸縮するゴムバンドを配置し、着用者の足が常に底屈方向にトルクを受けるように設定した。成人男性3名を被験者とし、24(km/
h)走動作時の地面反力を測定した。その結果、ゴムバンドのない通常のストッキングの場合に比べゴムバンド有の場合は路面を蹴る力である力積が約20%程度増大した。
次に、本発明者等が行ったVAS(Visual Analog Scale)に基づく官能試験および結果について説明する。
この試験は図1のウェアの第1部1の長手方向Dyの弾性率Eyや周方向Drの弾性率Erの好ましい値を知るために行われた。
図1A〜図6Cの実施例1のストッキングを用い第1部1の生地の伸びが静止立位で15%〜140%程度となるようにベルト部4の高さを変化させて、被験者(サブジェクト)A〜Eが着用した。
図13A〜図13Eは前記官能試験の結果を示す。
これらの図において、縦軸は下記の2項目の点数を示す。
(1)底屈方向に張力を感じたか(白ヌキの正方形で示す)
(2)爪先の上げづらさを感じたか(黒い小さい点で示す)
図13A〜図13Eの白ヌキの四角が示す値に着目すると、静止立位における第1部1の伸びが100%を超える場合は、例えば、試験者A,B,CおよびEのように底屈方向への力の違いを感じにくかった。
また、図13A〜図13Eの黒丸に着目すると、静止立位における第1部1の伸びが100%を超える場合は、被験者C,DおよびEのように爪先の上げづらさを感じた。
図12Aは第1部の長手方向についての伸びに対する単位幅当りの荷重を示す。図12Aから分かるように、前記伸びが100%の場合の単位幅当たりの張力は約2.4N/cmであり、一方、第1部1の幅は約8cmである。したがって、静止立位において、50%の伸びにおける前記第1部1の前記長手方向Dyの張力は2.4N/cm*8cm=19.2N以下であるのが好ましい。
前記第1部1(図1)は無負荷の非着用状態において少なくとも前記長手方向Dyに8cmの長さを有し、8cmの前記第1部1が4cm伸びる前記引張荷重Wの値19.2Nを前記4cmの伸びλで除したバネ定数の相当値Csは19.2N/4cm=4.8N/cm以下であるのが好ましい。
図12Aの伸び100%時の弾性率は2.4N/cmを100%で除した約2.4N/cmである。しかし、第1部1の幅1Wを図8Cのように4cm程度まで小さく設定することができる。したがって、伸び50%時の弾性率Eyは4.8N/cm以下が好ましい。
図13A〜図13Eの白ヌキの四角が示す値に着目すると、静止立位における第1部1の伸びが25%未満の場合は、例えば、被験者CおよびDのように、底屈方向への力を感じにくかった。
図12Aの前記25%時は足が底屈方向へ向かう時であり、その値は試験片が収縮する際の値を用いるべきであり、したがって、単位幅当たりの張力は約0.5N/cmである。一方、第1部1の幅は約8cmであり、したがって、50%の伸びにおける前記第1部1の前記長手方向Dyの張力は0.5N/cm*8cm=4N以上であるのが好ましい。
前記第1部1は無負荷の非着用状態において少なくとも前記長手方向Dyに8cmの長さを有し、8cmの前記第1部1が4cm伸びる引張荷重Wの値を前記4cmの伸びλで除したバネ定数の相当値Csは、4N/4cm=1.0N/cm以上であるのが好ましい。
図12Bおよび図12Dから分かるように、前記長手方向Dyに交差(直交)する周方向Drの弾性率については、前記第2部2の前記周方向Drの弾性率Erが前記第1部1のそれよりも小さい。たとえば、前記第2部2が前記周方向Drに50%伸張した状態の前記弾性率Erは0.0001N/cm−0.5N/cm程度が好ましい。
つぎに、本発明者等が行った種々のテストについて説明する。
本発明者は以下の方法で足の底背屈の角度と前記ウェアの第1部1の伸び(率)との関係を測定した。被験者がウェアを着用し、立位で背屈20度および底屈50度におけるウェアの第1部1の伸びを色画像で測定した。この結果、下腿Lの下端部Leにおいて前記第1部1の伸びが大きく、背屈20度で約80%の伸びが認められ、底屈50度で約30%の伸びが認められた。
つぎに、前記底背屈の角度と前記ウェアの第1部1の伸びとの関係を図7A〜図7Dを用いて分かり易く説明する。
まず、図7Aのように、テストサンプルとなるウェアの第1部1に等間隔でマークN1〜N13を付し、ウェアのデジタル画像を撮像した。つぎに、被験者が同ウェアを着用し、図7Bの底屈位(50度)、図7Cの静止立位および図7Dの背屈位(20度)において、各々、デジタル画像を撮像した。
図7B〜図7Dにおいて、第1領域L1は下腿Lのうちの外果A2の下端A2e(図15C)から上方に向かって長手方向Dyの約1/4の領域である。一方、第2領域L2は下腿Lのうちの外果A2の下端A2e(図15C)から上方に向かって長手方向Dyの約1/3の領域である。
これらの図から分かるように、第1および第2領域L1,L2は、マークN8よりも上方の領域に比べ第1部1の伸びが大きいことが分かる。特に、外果A2の下端A2eから上方の第1領域L1は更に大きく伸縮していることが分かる。
ここで、前記第1および第2領域L1,L2は、それぞれ、図7Aの点N2−N6および点N2−N8で、約8cmまたは約12cmの長さである。また、着用時の前記点N2は図15Cの腓骨B20の(外果A2の)下端A2eに相当する。
図15Cにおいて、腓骨B20と脛骨B10は下腿L(図1)の一部を構成する。下腿Lとは前記腓骨B20(外果A2)の下端A2eから脛骨B10の上端(膝の下)の位置までを意味する。
つぎに、本ウェアの使用方法の一例について説明する。
まず、図1の着用者の足Fを包む靴下6を予め着用する。前記靴下6の着用後に前記ウェアを以下のように着用する。
すなわち、前記履き口40から前記足Fを挿入し前記裾開口30から前記足Fの一部が突出し、前記遠位端部3Eにおける前記第1部1が着用者の踵Hの底面Hbに係合した状態となるように、かつ、前記ベルト部4が着用者の膝Knと脹ら脛(ふくらはぎ)CAとの間のくびれた部位KCを締め付けた状態となるように前記ウェアを着用する。この際、ウェアの第1部には静止立位で50%程度の伸びが生じるように第1部1を長手方向Dyに引っ張る。
すなわち、前記ウェアの前記第1部1が前記下腿Lの下端部Leの後面Lrを覆う部位と、踵Hの底面Hbにおいて着用者の踝Anのまわりに底屈方向D1のモーメントMを作用させるように、前記第1部1が伸張した状態で着用する。前記ウェアを着用した状態で走行する。
前記走行時に、一般に、スプリンタは踵を接地することなく爪先で接地し、かつ、爪先で離地するが、踵接地の場合にも本発明は適用される。
前記走行時において、図7B〜図7Dおよび図14Bに示すように、足の底屈―背屈―底屈のサイクルを繰り返す。この際、本ウェアは足に底屈方向D1のモーメントMを付与している。そのため、運動機能が向上する。
つぎに、他の例について説明する。
図8A〜図8Dに示すように、前記第1部1が伸縮性フィルムのような素材である場合、これを伸縮性を有する接着剤でベース生地の外面又は内面に貼り付けてもよい。図9A〜図9Dのように前記第1部1の非着用時の長さは、例えば8cm〜16cm程度であってもよい。
これらの場合、図8E〜図8Hのように前記第1部1および第2部2の周方向の長さは種々の長さに設定できる。例えば、図9Aの前記履き口40と前記裾開口30との間の中間点Ocから前記裾開口30までの領域32において、無負荷状態における前記第1部1の周方向の全周に対する割合は、図8E〜図8Hのように、20〜60%程度に設定されてもよく、この場合、第2部2の周方向の全周に対する割合は40〜80%程度に設定されていてもよい。
図8A〜図8Dおよび図9A〜図9Dにおいて、第1部1にはドット模様を付しており、弾性率Eyが大きい程ドットを密に図示している。
図8Aのように、第1部1が縦方向Dyおよび周方向Drに大きい場合、第1部1の弾性率Eyは小さな値に設定される。一方、図8Cのように、第1部1が縦方向Dyおよび周方向Drに小さい場合、第1部1の弾性率Eyは大きな値に設定される。
図9A〜図9Dの場合、後身頃のうちの第1部1の上方または下方の部位に第1部1よりも縦方向の弾性率が大きい又は小さい部材が配置されてもよい。
図10Aのウェアは第1部1および第2部2が編物で構成されている。この場合も、織物と同様に、図10Bおよび図10Cの縦糸1f,2fが弾性糸であるのが好ましい。この例の場合、第1部1の糸1fは第2部2の糸2fよりも太い糸が用いられる。なお、図10Aの二点鎖線は第1部1と第2部2との境界を示す。
図11の例のように、通常のストッキングと同様に、ウェアは爪先を覆っていてもよい。この場合においても、第1部1の遠位端1Eは足のアーチFAと踵Hとの間に配置されるのが望ましい。足の甲および爪先は第2部2と同じ素材で覆われていてもよい。
前記6Aおよび図6Cに示す前記すべり止メ7としては、シリコーンなどのゴムや種々の熱可塑性の樹脂による小さな膨らみをプリントしたものを採用することができる。この場合、すべり止メ7は散点状でもよいし、ライン状ないし格子状であってもよい。
また、すべり止メ7として、シリコーンプリント等に代えて該当部位にナノファイバーの生地や雄面ファスナを付着してもよい。
以上のとおり、図面を参照しながら好適な実施例を説明したが、当業者であれば本発明を見て、自明な範囲で種々の変更および修正を容易に想定するであろう。
第2部で形成される前身頃に通気用の孔部を設けてもよい。
また、前身頃の部分はベルト状などでもよい。
第1部は生地に樹脂を含浸させて形成されてもよく、一方、第2部は生地に含浸させた樹脂を溶かして形成されてもよい。
近位端が腰まであるタイツ状やトップスとつながったつなぎ状になっていてもよい。
したがって、そのような変更および修正は請求の範囲から定まる本発明の範囲内のものと解釈される。
本発明はストッキング状、タイツ状などの運動用ウェアに適用することができる。
1:第1部 11:第1部の折りライン 1c:第1湾曲ライン 1E:第1部の遠位端
1f:縦糸
2:第2部 21:第2部の折りライン 2c:第2湾曲ライン 2E:第2部の遠位端
3:筒状部 30:裾開口 31:中間部 3E:遠位端部
4:ベルト部 40:履き口 4E:近位端部
5:縫合部 6:靴下 7:すべり止メ
An:踝 A1:内果 A2:外果 A2e:下端 Ao:回転中心
D1:湾曲方向 Db:後方 Dr:周方向 Dy:長手方向
F:足 FA:アーチ Fb:足裏 Fr:後面
H:踵 Hb:底面 Kn:膝 KC:くびれた部位
L:下腿 Le:下端部 Lf:下腿の前面 Lr:下腿の後面 Ls:肌面
M:モーメント T:アキレス腱

Claims (21)

  1. 運動用のウェアであって、
    膝とふくらはぎとの間に配置された円環状の部位と、
    前記円環状の部位に連なり下方に向かって長手方向に延び裾開口を定義する筒状の筒状部とを備え、
    前記筒状部は伸張した状態で着用者の踵の底面、足の後面および下腿の下端部の後面を覆うことができるように適合された第1部と、
    前記下腿の下端部の前面を覆うことができるように適合された第2部とを備え、
    前記第1部の前記長手方向の弾性率が前記第2部の前記長手方向のそれよりも大きく、
    前記第1部が2重に重なるように、かつ、前記第2部が2重に重なるように前記ウェアを折った状態の前記第1部の折りラインが前記第2部に向かって凹となるように湾曲した第1湾曲ラインを包含し、
    前記ウェアを折った状態の前記第2部の折りラインが前記第1部に向かって凸となるように湾曲した第2湾曲ラインを包含し、
    前記第1湾曲ラインが前記裾開口に近い前記ウェアの遠位端部に配置され、
    前記第1湾曲ラインから前記長手方向に離間し前記遠位端部と前記円環状の部位との間の中間部に前記第2湾曲ラインが配置されている、運動用ウェア。
  2. 請求項1において、前記裾開口が前記足のアーチから前記踵までの間に配置されるように適合されていることを特徴とする、運動用ウェア。
  3. 請求項1または2のいずれか1項において、前記第1部は縦糸が前記長手方向に伸びる第1織物で構成され、
    前記縦糸の伸びが50%である場合において前記縦糸は弾性変形を呈する伸縮性を有することを特徴とする、運動用のウェア。
  4. 請求項3において、前記第2部は第2織物で構成され、
    前記長手方向に伸びる縫合部において前記1部と前記第2部とが互いに周方向に連なっている、運動用のウェア。
  5. 請求項1において、前記円環状の部位は前記ウェアの近位端部に配置され、履き口を定義し、
    前記履き口と前記裾開口との間の中間点から前記裾開口までの領域において、無負荷状態における前記第2部の周方向の全周に対する割合が40〜80%に設定されている、運動用のウェア。
  6. 請求項1において、前記裾開口は前記ウェアの非着用状態において、前記第2部の遠位端の縁が上方に向かって凸形に湾曲して形成されている、運動用のウェア。
  7. 請求項1において、前記第1部の部材における前記遠位端部の内表面にはスベリ止メ用の部材が設けられている、運動用のウェア。
  8. 請求項1のウェアの使用方法であって、前記円環状の部位は前記ウェアの近位端部に配置され、履き口を定義し、
    前記履き口から前記足を挿入し前記裾開口から前記足の一部が突出し、前記遠位端部における前記第1部が着用者の踵の底面に係合した状態となるように、かつ、前記円環状の部位が着用者の膝とふくらはぎとの間のくびれた部位を締め付けた状態となるように前記ウェアを着用する工程と、
    前記ウェアを着用した状態で走行する工程と、を備える使用方法。
  9. 請求項8において、前記着用する工程において、前記ウェアの前記第1部が少なくとも前記下腿の下端部の後面を覆う部位において着用者の踝のまわりに底屈方向のモーメントを作用させるように、前記第1部が伸張した状態で着用する、使用方法。
  10. 請求項8において、前記着用者の足を包む靴下を予め着用する工程を更に備え、
    前記靴下の着用後に前記ウェアを着用することを特徴とする使用方法。
  11. 運動用のウェアであって、
    膝とふくらはぎとの間に配置された円環状の部位と、
    足裏から足の後面を通り下腿の下端部の後面に沿って連続的に延びる第1部と、
    前記下腿の下端部の前面を覆うように適合された第2部とを備え、
    着用状態において前記第1部および第2部は前記足および前記下腿に沿った長手方向に沿って伸張し、
    前記第1部の前記長手方向の弾性率が前記第2部の前記長手方向のそれよりも大きく、
    前記第1部が2重に重なるように、かつ、前記第2部が2重に重なるように前記ウェアを折った状態の前記第1部の折りラインが前記第2部に向かって凹となるように湾曲した第1湾曲ラインを包含し、
    前記ウェアを折った状態の前記第2部の折りラインが前記第1部に向かって凸となるように湾曲した第2湾曲ラインを包含し、
    前記第1部の遠位端は足のアーチと踵との間に配置されるように設定され、
    前記第1湾曲ラインが前記第1部の遠位端に近い前記第1部の遠位端部に配置され、
    前記第1湾曲ラインから前記長手方向に離間し前記遠位端部と前記円環状の部位との間の中間部に前記第2湾曲ラインが配置されている、運動用ウェア。
  12. 運動用のウェアであって、
    足裏から足の後面を通り下腿の下端部の後面に沿って連続的に延びる第1部と、
    前記下腿の下端部の前面を覆うように適合された第2部とを備え、
    着用状態において前記第1部および第2部は前記足および前記下腿に沿った長手方向に沿って伸張し、
    50%伸張時における前記長手方向についての前記第1部の単位幅当たりの弾性率が前記第2部のそれよりも大きく、ここにおいて、
    前記第1部が2重に重なるように、かつ、前記第2部が2重に重なるように前記ウェアを折った状態の前記第1部の折りラインが前記第2部に向かって凹となるように湾曲した第1湾曲ラインを包含し、
    前記ウェアを折った状態の前記第2部の折りラインが前記第1部に向かって凸となるように湾曲した第2湾曲ラインを包含し、
    前記下腿のうちの外果の下端から上方に向かって前記長手方向の少なくとも1/4の領域の前記下腿の後面を前記第1部が伸縮可能な状態で覆うように適合され、
    前記第1部は着用中の静止立位の伸張した状態で、前記下腿の下端部の後方において踝のまわりに底屈方向のモーメントを前記足に作用させるように構成され、
    前記第1部の前記長手方向の伸びが50%である場合において前記第1部は弾性変形を呈する部材であり、
    前記ウェアは、
    伸縮性を有し、膝とふくらはぎとの間に配置され円環状の部位と、
    前記円環状の部位に連なり下方に向かって前記長手方向に延び前記ウェアの遠位端部において裾開口を定義する筒状の筒状部とを更に備え、
    前記筒状部は前記第1部および第2部を包含し、
    前記裾開口は前記ウェアの非着用状態において、前記第2部の遠位端の縁が上方に向かって凸形に湾曲して形成されている、運動用のウェア。
  13. 運動用のウェアであって、長手方向に延びる筒状の筒状部を備え、
    前記筒状部は伸張した状態で下腿の下端部の後面を覆うことができるように適合された第1部と、
    前記下腿の下端部の前面を覆うことができるように適合された第2部とを備え、
    着用状態において前記第1部および第2部は足および前記下腿に沿った方向に沿って伸張し、
    50%伸張時における前記長手方向についての前記第1部の単位幅当たりの弾性率が前記第2部のそれよりも大きく、ここにおいて、
    前記第1部が2重に重なるように、かつ、前記第2部が2重に重なるように前記ウェアを折った状態の前記第1部の折りラインが前記第2部に向かって凹となるように湾曲した第1湾曲ラインを包含し、
    前記ウェアを折った状態の前記第2部の折りラインが前記第1部に向かって凸となるように湾曲した第2湾曲ラインを包含し、
    前記下腿のうちの外果の下端から上方に向かって前記長手方向の少なくとも1/4の領域の前記下腿の後面を前記第1部が伸縮可能な状態で覆うように適合され、
    前記第1部は着用中の静止立位の伸張した状態で、前記下腿の下端部の後方において踝のまわりに底屈方向のモーメントを前記足に作用させるように構成され、
    前記第1部の遠位端が前記足のアーチから踵までの間に配置されており、
    前記ウェアは、
    伸縮性を有し、膝とふくらはぎとの間に配置され円環状の部位を更に備え、
    前記筒状部は、前記円環状の部位に連なり下方に向かって前記長手方向に延び前記ウェアの遠位端部において裾開口を定義し、
    前記筒状部は前記第1部および第2部を包含し、
    前記裾開口は前記ウェアの非着用状態において、前記第2部の遠位端の縁が上方に向かって凸形に湾曲して形成されている、運動用のウェア。
  14. 運動用のウェアであって、
    足裏から足の後面を通り下腿の下端部の後面に沿って連続的に延びる第1部と、
    前記下腿の下端部の前面を覆うように適合された第2部とを備え、
    着用状態において前記第1部および第2部は前記足および前記下腿に沿った長手方向に沿って伸張し、
    50%伸張時における前記長手方向についての前記第1部の単位幅当たりの弾性率が前記第2部のそれよりも大きく、ここにおいて、
    前記第1部が2重に重なるように、かつ、前記第2部が2重に重なるように前記ウェアを折った状態の前記第1部の折りラインが前記第2部に向かって凹となるように湾曲した第1湾曲ラインを包含し、
    前記ウェアを折った状態の前記第2部の折りラインが前記第1部に向かって凸となるように湾曲した第2湾曲ラインを包含し、
    前記下腿のうちの外果の下端から上方に向かって前記長手方向の少なくとも1/4の領域の前記下腿の後面を前記第1部が伸縮可能な状態で覆うように適合され、
    前記第1部は着用中の静止立位の伸張した状態で、前記下腿の下端部の後面におけるアキレス腱の内側および外側の肌面の少なくとも一部に非接触で前記下端部の後方において踝のまわりに底屈方向のモーメントを前記足に作用させるように構成されており、
    前記ウェアは、
    伸縮性を有し、膝とふくらはぎとの間に配置され円環状の部位と、
    前記円環状の部位に連なり下方に向かって前記長手方向に延び前記ウェアの遠位端部において裾開口を定義する筒状の筒状部とを更に備え、
    前記筒状部は前記第1部および第2部を包含し、
    前記第1部の部材における前記遠位端部の内表面にはスベリ止メ用の部材が設けられている、運動用のウェア。
  15. 運動用のウェアであって、
    足裏から足の後面を通り下腿の下端部の後面に沿って連続的に延びる第1部と、
    前記下腿の下端部の前面を覆うように適合された第2部とを備え、
    着用状態において前記第1部および第2部は前記足および前記下腿に沿った長手方向に沿って伸張し、
    50%伸張時における前記長手方向についての前記第1部の単位幅当たりの弾性率が前記第2部のそれよりも大きく、ここにおいて、
    前記第1部が2重に重なるように、かつ、前記第2部が2重に重なるように前記ウェアを折った状態の前記第1部の折りラインが前記第2部に向かって凹となるように湾曲した第1湾曲ラインを包含し、
    前記ウェアを折った状態の前記第2部の折りラインが前記第1部に向かって凸となるように湾曲した第2湾曲ラインを包含し、
    前記下腿のうちの外果の下端から上方に向かって前記長手方向の少なくとも1/4の領域の前記下腿の後面を前記第1部が伸縮可能な状態で覆うように適合され、
    前記第1部は着用中の静止立位の伸張した状態で、前記下腿の下端部の後方において踝のまわりに底屈方向のモーメントを前記足に作用させるように構成され、
    前記第1部の前記長手方向の伸びが50%である場合において前記第1部は弾性変形を呈する部材であり、
    前記ウェアは、
    伸縮性を有し、膝とふくらはぎとの間に配置され円環状の部位と、
    前記円環状の部位に連なり下方に向かって前記長手方向に延び前記ウェアの遠位端部において裾開口を定義する筒状の筒状部とを更に備え、
    前記筒状部は前記第1部および第2部を包含し、
    前記第1部の部材における前記遠位端部の内表面にはスベリ止メ用の部材が設けられている、運動用のウェア。
  16. 運動用のウェアであって、長手方向に延びる筒状の筒状部を備え、
    前記筒状部は伸張した状態で下腿の下端部の後面を覆うことができるように適合された第1部と、
    前記下腿の下端部の前面を覆うことができるように適合された第2部とを備え、
    着用状態において前記第1部および第2部は足および前記下腿に沿った方向に沿って伸張し、
    50%伸張時における前記長手方向についての前記第1部の単位幅当たりの弾性率が前記第2部のそれよりも大きく、ここにおいて、
    前記第1部が2重に重なるように、かつ、前記第2部が2重に重なるように前記ウェアを折った状態の前記第1部の折りラインが前記第2部に向かって凹となるように湾曲した第1湾曲ラインを包含し、
    前記ウェアを折った状態の前記第2部の折りラインが前記第1部に向かって凸となるように湾曲した第2湾曲ラインを包含し、
    前記下腿のうちの外果の下端から上方に向かって前記長手方向の少なくとも1/4の領域の前記下腿の後面を前記第1部が伸縮可能な状態で覆うように適合され、
    前記第1部は着用中の静止立位の伸張した状態で、前記下腿の下端部の後方において踝のまわりに底屈方向のモーメントを前記足に作用させるように構成され、
    前記第1部の遠位端が前記足のアーチから踵までの間に配置されており、
    前記ウェアは、
    伸縮性を有し、膝とふくらはぎとの間に配置され円環状の部位を更に備え、
    前記筒状部は、前記円環状の部位に連なり下方に向かって前記長手方向に延び前記ウェアの遠位端部において裾開口を定義し、
    前記筒状部は前記第1部および第2部を包含し、
    前記第1部の部材における前記遠位端部の内表面にはスベリ止メ用の部材が設けられている、運動用のウェア。
  17. 請求項1〜16のいずれか1項において、前記筒状部の遠位端部の最大幅は前記中間部の最小幅よりも大きく、
    前記近位端部の幅は前記筒状部の遠位端部の最大幅よりも大きく、前記裾開口の幅は前記中間部の最小幅よりも小さい、運動用のウェア。
  18. 運動用のウェアであって、
    足裏から足の後面を通り下腿の下端部の後面に沿って連続的に延びる第1部と、
    前記下腿の下端部の前面を覆うように適合された第2部とを備え、
    着用状態において前記第1部および第2部は前記足および前記下腿に沿った長手方向に沿って伸張し、
    50%伸張時における前記長手方向についての前記第1部の単位幅当たりの弾性率が前記第2部のそれよりも大きく、ここにおいて、
    前記第1部が2重に重なるように、かつ、前記第2部が2重に重なるように前記ウェアを折った状態の前記第1部の折りラインが前記第2部に向かって凹となるように湾曲した第1湾曲ラインを包含し、
    前記ウェアを折った状態の前記第2部の折りラインが前記第1部に向かって凸となるように湾曲した第2湾曲ラインを包含し、
    前記下腿のうちの外果の下端から上方に向かって前記長手方向の少なくとも1/4の領域の前記下腿の後面を前記第1部が伸縮可能な状態で覆うように適合され、
    前記第1部は着用中の静止立位の伸張した状態で、前記下腿の下端部の後面におけるアキレス腱の内側および外側の肌面の少なくとも一部に非接触で前記下端部の後方において踝のまわりに底屈方向のモーメントを前記足に作用させるように構成されていることを特徴とする、運動用ウェア。
  19. 運動用のウェアであって、
    足裏から足の後面を通り下腿の下端部の後面に沿って連続的に延びる第1部と、
    前記下腿の下端部の前面を覆うように適合された第2部とを備え、
    着用状態において前記第1部および第2部は前記足および前記下腿に沿った長手方向に沿って伸張し、
    50%伸張時における前記長手方向についての前記第1部の単位幅当たりの弾性率が前記第2部のそれよりも大きく、ここにおいて、
    前記第1部が2重に重なるように、かつ、前記第2部が2重に重なるように前記ウェアを折った状態の前記第1部の折りラインが前記第2部に向かって凹となるように湾曲した第1湾曲ラインを包含し、
    前記ウェアを折った状態の前記第2部の折りラインが前記第1部に向かって凸となるように湾曲した第2湾曲ラインを包含し、
    前記下腿のうちの外果の下端から上方に向かって前記長手方向の少なくとも1/4の領域の前記下腿の後面を前記第1部が伸縮可能な状態で覆うように適合され、
    前記第1部は着用中の静止立位の伸張した状態で、前記下腿の下端部の後方において踝のまわりに底屈方向のモーメントを前記足に作用させるように構成され、
    前記第1部の前記長手方向の伸びが50%である場合において前記第1部は弾性変形を呈する部材であることを特徴とする、運動用のウェア。
  20. 運動用のウェアであって、長手方向に延びる筒状の筒状部を備え、
    前記筒状部は伸張した状態で下腿の下端部の後面を覆うことができるように適合された第1部と、
    前記下腿の下端部の前面を覆うことができるように適合された第2部とを備え、
    着用状態において前記第1部および第2部は足および前記下腿に沿った方向に沿って伸張し、
    50%伸張時における前記長手方向についての前記第1部の単位幅当たりの弾性率が前記第2部のそれよりも大きく、ここにおいて、
    前記第1部が2重に重なるように、かつ、前記第2部が2重に重なるように前記ウェアを折った状態の前記第1部の折りラインが前記第2部に向かって凹となるように湾曲した第1湾曲ラインを包含し、
    前記ウェアを折った状態の前記第2部の折りラインが前記第1部に向かって凸となるように湾曲した第2湾曲ラインを包含し、
    前記下腿のうちの外果の下端から上方に向かって前記長手方向の少なくとも1/4の領域の前記下腿の後面を前記第1部が伸縮可能な状態で覆うように適合され、
    前記第1部は着用中の静止立位の伸張した状態で、前記下腿の下端部の後方において踝のまわりに底屈方向のモーメントを前記足に作用させるように構成され、
    前記第1部の遠位端が前記足のアーチから踵までの間に配置されていることを特徴とする、運動用のウェア。
  21. ストッキング状の運動用のウェアであって、
    前記ウェアの近位端部に配置され履き口を定義する円環状のベルト部と、
    前記ベルト部に連なり下方に向かって長手方向に延びる筒状の筒状部とを備え、
    前記筒状部は伸張した状態で着用者の踵の底面、足の後面および下腿の下端部の後面を覆うことができるように適合された第1部と、
    前記下腿の下端部の前面を覆うことができるように適合された第2部とを備え、
    前記第1部の前記長手方向の弾性率が前記第2部の前記長手方向のそれよりも大きく、
    前記第1部が2重に重なるように、かつ、前記第2部が2重に重なるように前記ウェアを折った状態の前記第1部の折りラインが前記第2部に向かって凹となるように湾曲した第1湾曲ラインを包含し、
    前記ウェアを折った状態の前記第2部の折りラインが前記第1部に向かって凸となるように湾曲した第2湾曲ラインを包含し、
    前記第1部の遠位端は足のアーチと踵との間に配置されるように設定され、
    前記第1湾曲ラインが前記第1部の前記遠位端に近い前記第1部の遠位端部配置され、
    前記第1湾曲ラインから前記長手方向に離間し前記遠位端部前記近位端部との間の中間部に前記第2湾曲ラインが配置されている、運動用ウェア。
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