JP6945926B2 - 下半身用衣類 - Google Patents
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現在市販されているほとんどのストッキングは、ナイロン糸、または、ナイロン糸とポリウレタン糸とで編まれている。使用している糸により、「交編」および「ゾッキ」の2種類に大別される。
ゾッキ(ゾッキ編み)は、一般的にはサポート糸(ポリウレタン弾性糸を芯糸としてナイロン糸を巻き付けたカバリング糸)だけで編成されているものが多い。良好なフィット性を求めるときに好適である。また、いわゆる伝線(使用中に編み組織の一部に引掛傷ができ糸が切れると生成される編組織が解編されたはしご状の線)が発生しにくいという特徴を備えたゾッキ編みのストッキングが、最近では増えてきている。
解消されるとともに、吸湿部の透湿領域により靴内底へ汗の水分が浸透して靴内底とパンティストッキングとの滑りを防止することができる。その結果、足底部分の吸湿性が高く、かつ、靴を履いたときに滑りが発生することを防止することができ、市場においても非常に高い評価を得ているパンティストッキングとなっている。
すなわち、本発明に係る下半身用衣類は、少なくともフット部を備え、合成繊維を含んで一体的に編成された伸縮性編地により形成された下半身用衣類であって、前記フット部の少なくとも一部に、吸湿性の高い糸をカットボスで増糸するとともに、前記吸湿性の高い糸をコース方向にループとミスとを繰り返すフロート編みした編地で編成した吸湿部を備えることを特徴とする。
さらに好ましくは、前記吸湿性の高い糸は短繊維であるように構成することができる。
さらに好ましくは、前記親水性を付与した長繊維からなる糸は、高吸放湿性を備えたナイロン糸であるように構成することができる。
さらに好ましくは、前記フロート編みは、1ループに対するミスの割合が2〜5であるように構成することができる。
このパンティストッキング1を平面に載置した状態における側面図を図1(A)に、その正面図を図1(B)にそれぞれ示す。図1(B)は正面図であるので、フット部5は足裏側ではなく足甲側が示されている。このパンティストッキング1は、通常のパンティストッキング等の下半身用衣類と同じく、腹部および臀部を被覆するパンティ部3と、脚部
を被覆するレッグ部2と、足部を被覆するフット部5とを備えるものである。このパンティストッキング1は、筒状に編成された1対の編地を用い、パンティ部3に相当する部分に切れ目を入れて裁断縁どうしをつき合わせて股部4を縫着して一体化することにより製造される。また、限定されるものではないが、フット部5の先端部53は周知の手段により、袋状に編成したり、開口部を縫合したりすることにより製造される。
このパンティストッキング1は、ナイロン糸と、サポート糸(ポリウレタン弾性糸を芯糸としてナイロン糸を巻き付けたカバリング糸)を交互に使用して編成した交編編みであっても、ポリウレタン弾性糸を芯糸としてナイロン糸を巻き付けたカバリング糸の1種類のみで編成したゾッキ編みであっても、後述する特徴(フット部5の少なくとも一部に吸湿領域50を備え、吸湿領域50が吸湿部54と(さらに本発明の任意構成要件であるこの吸湿部54の周囲に設けられた)周辺部52とで構成されているという特徴)を備え、かつ、合成繊維を含んで一体的に編成された伸縮性編地により形成されたパンティストッキングであれば構わない。このパンティストッキング1においては、レッグ部2と(後述する吸湿領域50を除く)フット部5とは同じ編糸および同じ編成であって(編地51で図示されこの編地51はたとえばカバリング糸の平編み(ゾッキ編み))、限定されるものではないがこれら(レッグ部2、フット部5)とパンティ部3とは異なる編糸または編成である。また、パンティ部3の上端には伸縮性の低い(伸びにくい)ゴム編み等によりウエスト部31が編成されており、着用時に腹部を締めてパンティストッキング1がずり下がることを防止している。
このパンティストッキング1においては、吸湿領域50は、上述したように吸湿部54とその吸湿部54の周囲にバンド状に設けられた周辺部52とで構成され、吸湿部54は爪先部54A、側辺部54Bおよび足裏部54Cで構成されている。なお、側辺部54Bの高さ方向の長さが小さい部分があり(後述する作用効果を発現するためにこのように故意に小さくしている)側辺部54Bと足裏部54Cとを明確に区別できない部分がある。
ここで、この吸湿領域50を構成する吸湿部54と周辺部52とにおいて、地糸は同じSCY150である。
そして、フロート編みにおいては、ループする段が吸湿部54と周辺部52とでウェール方向(W方向)において段違いに編成されている(図4に示す白抜き矢示)。また、吸湿部54と周辺部52とにおいて、限定されるものではないが、より詳しくは3ループに対して1ミスの割合でフロート編みが編成されている。このようにフロート編みにおけるループとミスとの比率は、ループ1:ミス3を一例として示すが、1ループに対するミスの割合が2〜5(ループ1:ミス2〜5)であっても構わない。また、ループに対するミスの割合は、吸湿部54と周辺部52とにおいて同じであっても異なっていても構わない。このようなループに対するミスの割合であると、フロート編みにおけるミスによって、SCY150の芯糸として用いられているポリウレタン弾性糸が、吸湿部54における吸湿性の高い綿糸154および周辺部52における親水性の高い高機能ナイロン長繊維152よりも伸縮性が高くよく縮むので、綿糸154および高機能ナイロン長繊維152が膨らんで吸水性が向上したり、ふわりとした感じを発現させて履き心地を向上させたりするので、高い吸湿性と良好な履き心地を両立させる点で好ましい。
・SCY150(20デシテックス)
芯糸:ポリウレタン弾性糸(22デシテックス)
捲糸:ナイロン糸(13デシテックス)
・綿糸154(97デシテックス)
・高機能ナイロン長繊維152(50デシテックス)
なお、高機能ナイロン長繊維152には、上述した東レ(株)製のキュープ(登録商標)を採用した。
吸湿領域50を、側辺部54Bの高さ方向の長さを小さくして側辺部54Bがほぼ存在しないようにして爪先部54Aおよび足裏部54Cのみで構成するようにしたり、吸湿領域50を、側辺部54Bの高さ方向の長さを小さくして爪先部54Aをなくして側辺部54Bおよび爪先部54A(足甲側)がほぼ存在しないようにして足裏部54Cのみで構成するようにしたりすることも好ましい。すなわち、側辺部54Bの高さ方向の長さを小さくすることを意味する。このようにすると、図2(A)に示すように、爪先立ちしない通常
の状態では、爪先部54Aの部分しか見えず側辺部54Bおよび足裏部54Cは見えない。さらに、吸湿領域50を足裏部54Cのみまたは足裏部54Cの一部のみとして編成することにより、爪先立ちしない通常の状態では、吸湿領域50は見えないようにできる。このことは、極浅く爪先を覆うのみのサンダルを履いても、吸湿領域50が見えないことを意味する。
さらに、吸湿領域50においてカットボスされる糸を、このパンティストッキング1のフット部5の編地51を編成する合成繊維と同じ色(または同じような色)とした場合には、パンティストッキング1のフット部5に編成された吸湿領域50が目立たない点で好ましい。
嵩張り感を周辺部52に増糸した親水性を付与した高機能ナイロン長繊維が抑えるので見映えを美しく編成することができる。その結果、足底部分の吸湿性が高く、かつ、さらに吸湿性を高い足底部を編成しても見映えが美しい下半身用衣類の一例であるパンティストッキングを提供することはできる。
2 レッグ部
3 パンティ部
4 股部
5 フット部
50 吸湿領域
52 周辺部
54 吸湿部
Claims (2)
- 少なくともフット部を備え、合成繊維を含んで一体的に編成された伸縮性編地により形成された下半身用衣類であって、
前記フット部の少なくとも一部に、吸湿性の高い糸をカットボスで増糸するとともに、前記吸湿性の高い糸をコース方向にループとミスとを繰り返すフロート編みした編地で編成した吸湿部を備え、
前記吸湿部の周囲に、前記フット部以外の伸縮性編地に含まれる糸とは異なる糸であって親水性を付与した長繊維からなる糸を用いた編地で編成した周辺部を備えることを特徴とする下半身用衣類。 - 前記周辺部は、前記親水性を付与した長繊維からなる糸をカットボスで付加するとともに、前記親水性を付与した糸をコース方向にループとミスとを繰り返すフロート編みした編地で編成したことを特徴とする、請求項1に記載の下半身用衣類。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2017162922A JP6945926B2 (ja) | 2017-08-28 | 2017-08-28 | 下半身用衣類 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2017162922A JP6945926B2 (ja) | 2017-08-28 | 2017-08-28 | 下半身用衣類 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2019039109A JP2019039109A (ja) | 2019-03-14 |
JP6945926B2 true JP6945926B2 (ja) | 2021-10-06 |
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ID=65725441
Family Applications (1)
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JP2017162922A Active JP6945926B2 (ja) | 2017-08-28 | 2017-08-28 | 下半身用衣類 |
Country Status (1)
Country | Link |
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JP (1) | JP6945926B2 (ja) |
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2017
- 2017-08-28 JP JP2017162922A patent/JP6945926B2/ja active Active
Also Published As
Publication number | Publication date |
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JP2019039109A (ja) | 2019-03-14 |
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