JP3197486U - ストッキング - Google Patents

ストッキング Download PDF

Info

Publication number
JP3197486U
JP3197486U JP2015000921U JP2015000921U JP3197486U JP 3197486 U JP3197486 U JP 3197486U JP 2015000921 U JP2015000921 U JP 2015000921U JP 2015000921 U JP2015000921 U JP 2015000921U JP 3197486 U JP3197486 U JP 3197486U
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
yarn
knitting
stocking
heel
pantyhose
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Active
Application number
JP2015000921U
Other languages
English (en)
Inventor
嘉奈子 安藤
嘉奈子 安藤
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Okamoto Corp
Original Assignee
Okamoto Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Okamoto Corp filed Critical Okamoto Corp
Priority to JP2015000921U priority Critical patent/JP3197486U/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP3197486U publication Critical patent/JP3197486U/ja
Active legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Landscapes

  • Socks And Pantyhose (AREA)

Abstract

【課題】締め付けによる不快感を与えることなく、ズレ落ちを抑制することができるストッキングを提供する。【解決手段】パンティストッキング1は、腹部81、臀部83、及び股部82を被覆するパンティ部10と、左右の脚90を被覆するストッキング部20と、を備え、ストッキング部は、第1糸と第1糸とは異なる第2糸とによって編成される第1編成部41と、第1糸及び第2糸とは材料が異なる第3糸から編成される第2編成部45と、からなり、第2編成部は、踵部91を被覆する部分にのみ配置されており、第2編成部の編目における着用者の肌に対する最大静止摩擦力Bは、第1編成部の編目における最大静止摩擦力Aよりも高い。【選択図】図1

Description

本考案は、例えば、パンティストッキング又はタイツなど、腰部からつま先部までを覆う被服であるストッキングに関し、特に、ヒールのないスニーカーやヒールの低い履物などの履物を着用した際に有用なストッキングに関する。
腰部からつま先部までを覆う被服としてパンティストッキングや、パンティストッキングよりに用いられる糸よりも太い糸が用いられるタイツなどのストッキングが知られている。このようなストッキングでは、着用時のズレ落ちを抑制することが求められている。このようなストッキングして、例えば、特許文献1には、ウエスト部から大腿部までの編目を調整し、締付力を高めることにより、ズレ落ちを防止することができるパンティストッキングが開示されている。
実開平5−45007号公報
近年、時代背景の変化により、スニーカー等のヒールの無い履物やヒールの低い履物に合わせて上述したようなストッキングを着用する機会が増えている。本願考案者は、同じストッキングを着用した場合であっても、パンプスなどのヒールの高い履物を着用した時と、ヒールの低い履物を着用した時とでは、ズレ落ちの程度が異なることを発見した。すなわち、ヒールの低い履物を着用した時には、ヒールの高い履物を着用した時と比べ、ズレ落ち量が大きいことを発見した。
ヒールの高い履物を着用した時と比べズレ落ち量が大きい、ヒールの低い履物を着用したときのズレ落ちを抑制しようとすると、例えば、ウエスト部の更なる締付力の増強が必要となる。しかしながら、締付力を高めることは、着用者が、締め付けによる痛みなど不快感を与えることになる。
そこで、本考案は、締め付けによる不快感を与えることなく、ズレ落ちを抑制することができるストッキングを提供することを目的とする。
本願考案者は、鋭意検討を重ねた結果、同じストッキングを着用した場合であっても、ヒールを有する履物を着用した時と、ヒールの低い履物を着用した時とでズレ落ちの程度が異なる原因が、歩行時の足首の可動(稼働)領域の大きさにあることを発見した。すなわち、ヒールの低い履物を着用して歩行した時には、ヒールの高い履物を着用して歩行した時と比べ、ヒールの高さの差に応じて足首の可動領域が大きくなることが、ズレ落ち量が大きくなる原因であることを発見した。そして、この足首部を被覆する部分の生地の伸縮によって足首部近傍でズレ落ちが発生し、そのズレ落ちが股部又はウエスト部に波及する。
そこで、本考案のストッキングは、腹部、臀部、及び股部を被覆するパンティ部と、左右の脚を被覆するストッキング部と、を備えたストッキングにおいて、ストッキング部は、第1糸と第1糸とは材料が異なる第2糸とによって編成される第1編成部と、第1糸及び第2糸とは材料が異なる第3糸から編成される第2編成部と、からなり、第2編成部は、踵部を被覆する部分にのみ配置されており、第2編成部の編目における着用者の肌に対する最大静止摩擦力は、第1編成部の編目における最大静止摩擦力よりも高い。
本考案によるストッキングは、本願考案者が発見した歩行時に生地の伸縮量が大きくなる足首部の直下である踵部に、第1編成部の編目よりも最大静止摩擦力の高い編目を有する第2編成部を配置している。これにより、踵部において肌と編目とが互いにずれ難いアンカー部が形成されることなり、ウエスト部等の締付力を高めることなく、ズレ落ちを抑制できる。アンカー部は、歩行時であっても可動の小さな踵部に形成され、しかも伸縮量が大きくなる足首部に近接して設けられるので、効果的に足首部近傍のズレ落ちを抑制することができる。この結果、締め付けによる不快感を与えることなく、ズレ落ちを抑制することができる。
本考案によるストッキングでは、第2編成部は、踵部を被覆する部分に加え、爪先を被覆する部分にも配置してもよい。
この構成のストッキングでは、更に、踵部と爪先部との間に発生するズレ量を抑制することができる。
本考案によるストッキングでは、第2編成部と第1編成部とは互いに異なる色に着色されていてもよい。この構成のストッキングでは、デザイン性に優れたストッキングとすることができる。
この構成のストッキングでは、踵部を被覆する第2編成部は、ゴアラインを形成することにより踵の形状に合わせた立体形状に編成されていてもよい。この構成のストッキングでは、着用感に優れたストッキングとすることができる。
また、本考案によるストッキングでは、第3糸の静止摩擦係数は、第1糸及び第2糸の静止摩擦係数よりも高くしてもよい。
この構成のストッキングでは、第2編成部の編目による最大静止摩擦力を、第1編成部の編目によりも高くする構成を容易に実現することができる。
本考案によるストッキングでは、第1編成部の編目の最大静止摩擦力Aと、第2編成部の編目の最大静止摩擦力Bとは、下記式(1)の関係を満たしてもよい。
0.20< B/A <0.37・・・(1)
本考案によるストッキングでは、第2編成部は、単糸のポリエステルである第3糸をゾッキ編みすることにより編成されていてもよい。
この構成のストッキングでは、第2編成部における着用者の肌に対する最大静止摩擦力を高めることができると共に、強度を高めることができる。
本考案によるストッキングでは、第1糸は、ポリウレタンにより形成された弾性を有する芯糸に、ナイロンにより形成された巻糸を巻きつけたカバーリング糸であり、第2糸は、ナイロンにより形成される単糸であり、第1編成部は、第1糸及び第2糸を交編編みすることにより編成されていてもよい。
この構成のストッキングでは、ポリウレタンにより形成された弾性を有する芯糸に、ナイロンにより形成された巻糸を巻き付けたカバーリング糸による適度な締め付け効果による皺や弛みの発生の防止と、ナイロンにより形成される単糸による透明感のある見映えと、を両立することが出来るため、第1編成部における美観を高めることができる。
本考案のストッキングによれば、締め付けによる不快感を与えることなく、ズレ落ちを抑制することができる。
一実施形態に係るストッキングを示す側面図である。 図1のストッキングの一部を拡大して示した側面図である。 静止摩擦力の測定方法を説明した図である。 実験例1の結果を示すグラフである。 実験例2の結果を示すグラフである。 実験例3の結果を示すグラフである。 実験例4の結果を示すグラフである。 変形例に係るストッキングを示す側面図である。
以下、図面を参照して本考案の好適な実施形態について詳細に説明する。なお、各図面において同一又は相当の部分に対しては同一の符号を付すこととする。図面の寸法比率は、説明のものと必ずしも一致していない。また、説明中、「上」、「下」等の方向を示す語は、図面に示された状態に基づいた便宜的な語である。
図1は、一実施形態のパンティストッキング1を示した側面図である。図2は、図1のパンティストッキングの一部を拡大して示した側面図である。
図1及び図2に示されるように、パンティストッキング1は、腹部81、臀部83、及び股部82を被覆するパンティ部10と、左右の脚90を被覆するストッキング部20と、を備えている。パンティストッキング1は、左右一対の筒状編成体であって、公知の丸編み機等の編み機を用いて、パンティ部10と、ストッキング部20と、が一体的に編成される。
パンティ部10は、脚挿入口となるウエストバンド部11と、当該ウエストバンド部からその下につながり、腹部81、臀部83、及び股部82を被覆する本体部13と、を有している。
ストッキング部20は、大腿部85から膝部86及びふくらはぎ部87を経て足首部88に至るレッグ部20Aと、足首部88より先端側の爪先部92に至る足部20Bとから構成される。足部20Bは、爪先部92を被覆するトウ部25と、踵部91を被覆するヒール部21と、土踏まず部93を含む足底となるソール部27とから構成される。
次に、ストッキング部20について詳細に説明する。ストッキング部20は、第1編成部41と、第2編成部45とを有している。
第1編成部41は、芯糸であるポリウレタン弾性糸に巻糸であるナイロン糸を巻きつけたカバーリング糸である第1糸と、単糸のナイロン糸である第2糸とによって編成される部分である。第1編成部41は、左右の脚90における踵部91を被覆する部分(ヒール部21)と、爪先部92を被覆する部分(トウ部25)以外に配置されている。第1編成部41は、芯糸であるポリウレタン弾性糸に巻糸であるナイロン糸を巻きつけたカバーリング糸により形成される第1糸及び単糸のナイロン糸である第2糸を交編編みすることにより編成されている。上記カバーリング糸において、芯糸であるポリウレタン弾性糸の太さは、10〜30デニールであり、巻糸であるナイロン糸の太さは、30〜50デニールである。また、単糸であるナイロン糸の太さは、40〜60デニールである。
なお、本実施形態においては、第1糸の例として、ポリウレタン弾性糸にナイロンを一重に巻きつけたシングルカバーリング糸を挙げて説明したが、芯糸であるポリウレタン弾性糸に、巻糸であるナイロン糸を二重に巻きつけたダブルカバーリング糸を用いてもよい。
第2編成部45は、単糸のポリエステルである第3糸から編成される。第3糸の静止摩擦係数は、第1糸及び第2糸の静止摩擦係数よりも高い。第2編成部45は、踵部91を被覆する部分(ヒール部21)と、爪先を被覆する部分(トウ部25)に配置されている。ヒール部21は、靴下丸編機の正逆半回転動などにより、ゴアラインを形成し、立体的に編成されている。第2編成部45は、単糸のポリエステルである第3糸をゾッキ編みすることにより編成されている。上記の単糸であるポリエステル糸の太さは、40〜60デニールである。また、第2編成部45は、ヒートセット加工が施される。
なお、第2編成部45を編成する、単糸のポリエステルである第3糸は、第1編成部41を編成する芯糸であるポリウレタン弾性糸に巻糸であるナイロン糸を巻きつけたカバーリング糸により形成される第1糸及び単糸のナイロン糸である第2糸より、太い糸を用いてもよい。第3糸が第1糸及び第2糸より太い構成のストッキングでは、第2編成部45の度目を密にし、生地の厚みを厚く編成することで最大静止摩擦力を高めると共に、強度を高めることによるズレ防止と破れ防止と、第1編成部41の度目を粗くし、生地の厚みを薄く編成することによる透明感のある見栄えと、を両立することが出来る。
第2編成部45の編目における着用者の肌に対する最大静止摩擦力Bは、第1編成部41の編目における最大静止摩擦力Aよりも高い。例えば、第1編成部41の編目の最大静止摩擦力Aと、第2編成部45の編目の最大静止摩擦力Bとは、下記式(1)の関係を満たしている。
0.22±0.02< B/A <0.34±0.03・・・(1)
なお、第2編成部45(第1編成部41)の編目における着用者の肌に対する最大静止摩擦力B(A)とは、以下の方法により計測された値(静摩擦抵抗力)をいう。すなわち、図3に示されるように、インソール101の上に、対象となる生地(第2編成部45又は第1編成部41を有する生地)Wが載置された2cm×2cmの角材102を乗せる。次に、生地の上から、着用者の体重を仮想したおもり103(1.00kg)を乗せた。この状態で、2cm×2cmの板に装着した生地を一方向に引っ張ったときの応力(最大静止摩擦力)を測定した。応力の測定には、引張試験機(株式会社イマダ製:デジタルフォースゲージZP50N)107を用いた。また、各サンプルについて10回の計測を行い、その平均値を算出した。
本実施形態では、第2編成部45と第1編成部41とは互いに異なる色に着色されている。具体的には、第1編成部41は、ベージュに着色されており、第2編成部45は、青に着色されている。なお、第1編成部41は、青以外の赤、黄、又は緑に着色されていてもよい。また、ヒール部21に配置される第2編成部45と、トウ部25に配置される第2編成部45とでは、同じ色に着色されていてもよいし、互いに異なる色に着色(ただし、第1編成部41の色とは異なる色)されていてもよい。
第2編成部45における着色は、単糸のポリエステルである第3糸に、染色された糸を用いることで行われる。なお、第3糸の染色には、分散染料が用いられる。一方、第1編成部41における着色は、芯糸であるポリウレタン弾性糸に巻糸であるナイロン糸を巻きつけたカバーリング糸である第1糸及びナイロンにより形成される第2糸に、無着色の白色糸を用い、パンティストッキング1として製編された後に、ベージュ色に染色される(いわゆる製品染め)。なお、製品染めにおける染色には、酸性染料が用いられる。
次に、本実施形態のパンティストッキング1における作用効果を説明する。本考案によるパンティストッキング1は、本願考案者が発見した歩行時に生地の伸縮量が大きくなる足首部88の直下である踵部91に、第1編成部41の編目よりも最大静止摩擦力の高い編目を有する第2編成部45を配置している。すなわち、本考案によるパンティストッキング1は、踵部91において肌と編目とが互いにずれ難いアンカー部を形成することにより、ウエストバンド部11等の締付力を高めることなく、ズレ落ちを抑制している。アンカー部は、歩行時であっても可動の小さな踵部91に配置され、しかも伸縮量が大きくなる足首部88に近接して設けられるので、効果的に足首部88近傍のズレ落ちを抑制することができる。この結果、締め付けによる不快感を与えることなく、ズレ落ちを抑制することができる。
また、ヒール部21は、過剰な生地の伸展なしに踵部91に対して好適にフィットするように、丸編機の正逆半回転動などにより、ゴアラインを形成し、踵形状に合わせた立体形状に編成されている。ゴアラインを形成し、踵部91に合わせた立体形状に編成することにより、筒状体を踵部91に合うように引き伸ばす場合と比較し、最大静止摩擦力の高い編目を有する第2編成部45の編目が密になり、踵部91に接する量が増えるため、ズレ落ちを抑制する効果が増す。また、ヒール部21が、踵部91に立体的に包み込むようにフィットする形状であることにより、肌と編目とがより互いにずれ難くなり、ズレ落ちを抑制する効果が更に増す。
本考案によるパンティストッキング1では、第2編成部45と第1編成部41とは互いに異なる色に着色されているので、デザイン性に優れている。
本考案によるパンティストッキング1では、第2編成部45は、ポリエステルにより形成される第3糸をゾッキ編みすることにより編成されている。このため、第2編成部45における、着用者の肌に対する最大静止摩擦力を高めることができると共に、第2編成部45の強度を高めることができる。
本考案によるパンティストッキング1では、第1編成部41は、芯糸であるポリウレタン弾性糸に巻糸であるナイロン糸を巻きつけたカバーリング糸により形成される第1糸及び単糸のナイロン糸により形成される第2糸を交編編みすることにより編成されている。この構成のストッキングでは、芯糸であるポリウレタン弾性糸に巻糸であるナイロン糸を巻きつけたカバーリング糸による適度な締め付け効果による皺や弛みの発生の防止と、単糸のナイロン糸による透明感のある見映えとを両立することが出来るため、第1編成部41における美観を高めることができる。
本考案によるパンティストッキング1では、ヒートセット加工が施されているので、ポリエステルにより形成される第3糸をゾッキ編みすることにより編成されている第2編成部45の位置、すなわち、ヒール部21及びトウ部25に形状安定効果による美観がもたらされる。
次に、以下の実験例1〜4を基に、上記実施形態のパンティストッキング1の作用効果を説明する。ただし、本考案は、これらの実験例1〜4に示す実施例に限定されるものではない。パンティストッキング1の作用効果の実験を説明する前に、ヒールの無い履物を着用して歩行した時と、ヒールを有する履物を着用して歩行した時とでは、ズレ落ち量に差があることを実験例1を用いて説明する。
<実験例1>
同じパンティストッキングを着用した場合であっても、ヒールの無い履物を着用した時の方が、ヒールを有する履物を着用した時と比べて、ズレ落ち量が多くなることを実験によって確かめた。本実験に用いた資料及び履物は以下のとおりである。
試 料:従来の市販されているパンティストッキング
着用履物:高さ4.5cmのヒール部を有するパンプス、ヒール部の無いスニーカー
試料となるパンティストッキングは、マイクロミニパンツを着用した上から着用した。次に、下記の表1に示すとおり、被験者におけるウエスト(前後左右の4箇所)、大腿部(前後の2箇所)、膝(前後の2箇所)、ふくらはぎ(前後の2箇所)、足首(前後の2箇所)、甲(1箇所)、足裏(爪先及び踵の2箇所)の15箇所に、ズレ落ち量を計測するための基点を示すマークをつけた。
次に、被験者に、足上げを5回、屈伸を5回行ってもらった後に、トレッドミル(4km/h)で15分走行してもらった。その後、上記マークを基点とするストッキングのズレ落ち量を計測した。そして、この計測を3回行って、その平均値を試験値とした。表1は、部位ごとの計測値の平均値である。
表1の関係をグラフにすると図4に示されるようになる。図4に示されるグラフからも明らかのように、どの部位においてもスニーカーを履いて歩行したときの方が、パンプスを履いて歩行したときよりも、ズレ落ち量が大きくなることが分かった。
パンプスを着用して歩行する場合には、高さのあるヒールにより足首の可動領域が制限されるのに対して、ヒールの無いスニーカーを着用して歩行する場合には、ヒールにより足首の可動領域が制限されることがないので足首の可動領域が広がる。そして、この足首の動きに生地が追随できないことが、ズレ落ち量を大きくしていると考えられる。
このようなスニーカーを着用したときのズレ落ちを、従来の技術にて抑制しようとすると、ウエストバンド部11等において更なる締付力の増強が必要となり、締め付けによる痛みなど不快感を与えることになる。本考案では、左右の脚90における踵部91を被覆する部分(ヒール部21)に、着用者の肌と編目とが互いにずれ難い第1編成部41を配置するだけで、ウエストバンド部11等の締付力を高めることなくズレ落ちを抑制できるので、特に、スニーカーを着用する際に有用であることが分かる。
<実験例2>
実験例2では、ヒールの無いスニーカーを着用して歩行したときのズレ落ち量が、従来のパンティストッキングと比べて、本考案におけるパンティストッキングを着用した方が小さくなることを実験によって確かめた。本実験に用いた資料及び履物は以下のとおりである。
試料:(実施例)上記実施形態のパンティストッキング1
:(比較例)従来の市販品であるパンティストッキング
着用履物:ヒール部の無いスニーカー
なお、具体的な測定方法は、実験例1と同様である。この結果、表2に示す結果が得られた。
表2の関係をグラフにすると図5に示されるようになる。図5に示されるグラフからも明らかのように、足部、足首部、ふくらはぎ部、膝部、大腿部、及びウエスト部において、上記実施形態のパンティストッキング1を履いて歩行したときの方が、従来の市販品であるパンティストッキングを履いて歩行したときよりも、ズレ落ち量が小さくなることが確認できた。なお、ウエスト部については、ズレ落ち量の差が大きくない。これは、従来の市販品であるパンティストッキングの方が、締め付け力が大きいからだと考えられる。次の実験例3では、上記実施形態のパンティストッキング1、及び、従来の市販品であるパンティストッキングを着用した時のウエスト部での着圧(締付力)をそれぞれ計測した。
<実験例3>
実験例3では、実験例2を実施した際の従来の市販品であるパンティストッキングにおけるウエスト部の着圧が、上記実施形態のパンティストッキング1よりも大きくなることを実験によって確かめた。実験に用いた資料及び履物は以下のとおりである。
試料:(実施例)上記実施形態のパンティストッキング1
:(比較例)従来の市販品であるパンティストッキング
人間生活工学研究センター(HQL)が提供する20代の日本人女性の平均的な下半身マネキンを準備し、当該マネキンのウエスト部分に、エアパック式着圧測定器(株式会社エイエムアイ・テクノ製:A0101−G)を設置した。次に、上記実施形態のパンティストッキング1及び従来の市販品であるパンティストッキングのそれぞれマネキンに着用し、このとき着圧測定器により計測される値を読み取った。なお、計測値は、着圧量させたときの着用後1分後の値を読み取った。各試料について5回計測を行って、最大値及び最小値を除いた3回の計測値の平均値を算出した。
表3の関係をグラフにすると図6に示されるようになる。実験例2を実施した際の従来の市販品であるパンティストッキングにおけるウエスト部の着圧は、上記実施形態のパンティストッキング1よりも大きいことが分かった。すなわち、スニーカーを履いて歩行した際のウエスト部のズレ落ち量を同程度にしようとすると、従来の市販品であるパンティストッキングでは、上記実施形態のパンティストッキング1よりも締付量(着圧量)を高める必要があることが確認された。言い換えれば、上記実施形態のパンティストッキング1は、従来の市販品であるパンティストッキングよりも小さな締付量で、ズレ落ちを抑制できることが確認できた。
<実験例4>
最後に、上記実施形態のパンティストッキング1において、ヒールの無い履物を着用して歩行した時と、ヒールを有する履物を着用して歩行したときの、各部位におけるズレ落ち量を測定した。
試 料:上記実施形態のパンティストッキング1
着用履物:高さ4.5cmのヒール部を有するパンプス、ヒール部の無いスニーカー
なお、具体的な測定方法は、実験例1及び2と同様である。この結果、表4に示す結果が得られた。
表4の関係をグラフにすると図7に示されるようになる。スニーカーを着用した場合も、パンプスを着用した場合も、従来の市販品であるパンティストッキングを着用した場合と比べ、各部位におけるズレ落ち量が小さくなることがわかった(図5に示される比較例参照)。また、この実験結果によれば、スニーカーを着用した場合の方が、パンプスを着用した場合と比べ、ズレ落ち量が小さいことが分かった。すなわち、上記実施形態のパンティストッキングは、スニーカーを着用した場合の方が、パンプスを着用した場合よりも大きな効果を発揮することが確認できた。
以上、本考案の一実施形態について説明したが、本考案は上記実施形態に限定されるものではなく、考案の趣旨を逸脱しない範囲で種々の変更が可能である。
上記実施形態では、ストッキングの例としてパンティストッキング1を例に挙げて説明したがこれに限定されるものではなく、タイツなどにも適用可能である。
上記実施形態では、ヒール部21及びトウ部25に第2編成部45が配置された例を挙げて説明したが、図8に示されるように、ヒール部21のみに第2編成部45が配置されていてもよい。
上記実施形態では、第1編成部41がベージュで着色されている例を挙げて説明したが、例えば、黒、灰、紺など、明度の低い色で着色してもよい。
1…パンティストッキング(ストッキング)、10…パンティ部、11…ウエストバンド部、13…本体部、20…ストッキング部、20A…レッグ部、20B…足部、21…ヒール部、25…トウ部、27…ソール部、41…第1編成部、45…第2編成部。

Claims (8)

  1. 腹部、臀部、及び股部を被覆するパンティ部と、左右の脚を被覆するストッキング部と、を備えたストッキングにおいて、
    前記ストッキング部は、第1糸と前記第1糸とは異なる第2糸とによって編成される第1編成部と、前記第1糸及び前記第2糸とは材料が異なる第3糸から編成される第2編成部と、からなり、
    前記第2編成部は、踵部を被覆する部分にのみ配置されており、
    前記第2編成部の編目における着用者の肌に対する最大静止摩擦力は、前記第1編成部の編目における前記最大静止摩擦力よりも高い、ストッキング。
  2. 前記第2編成部と前記第1編成部とは互いに異なる色に着色されている、請求項1記載のストッキング。
  3. 前記踵部を被覆する前記第2編成部は、ゴアラインを形成することにより前記踵の形状に合わせた立体形状に編成されている、請求項1又は2記載のストッキング。
  4. 前記第2編成部は、前記踵部を被覆する部分に加え、爪先を被覆する部分にも配置されている、請求項1〜3の何れか一項記載のストッキング。
  5. 前記第3糸の静止摩擦係数は、前記第1糸及び前記第2糸の前記静止摩擦係数よりも高い、請求項1〜4の何れか一項記載のストッキング。
  6. 前記第1編成部の編目の前記最大静止摩擦力Aと、前記第2編成部の編目の前記最大静止摩擦力Bとは、下記式(1)の関係を満たしている、請求項1〜5の何れか一項記載のストッキング。
    0.20< B/A <0.37・・・(1)
  7. 前記第2編成部は、単糸のポリエステルである第3糸をゾッキ編みすることにより編成されている、請求項1〜6の何れか一項記載のストッキング。
  8. 前記第1糸は、ポリウレタンにより形成された弾性を有する芯糸に、ナイロンにより形成された巻糸を巻きつけたカバーリング糸であり、前記第2糸は、ナイロンにより形成される単糸であり、前記第1編成部は、前記第1糸及び前記第2糸を交編編みすることにより編成されている、請求項1〜7の何れか一項記載のストッキング。
JP2015000921U 2015-02-27 2015-02-27 ストッキング Active JP3197486U (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2015000921U JP3197486U (ja) 2015-02-27 2015-02-27 ストッキング

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2015000921U JP3197486U (ja) 2015-02-27 2015-02-27 ストッキング

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JP3197486U true JP3197486U (ja) 2015-05-21

Family

ID=53277736

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2015000921U Active JP3197486U (ja) 2015-02-27 2015-02-27 ストッキング

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP3197486U (ja)

Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US9751901B2 (en) 2013-01-29 2017-09-05 Shin-Etsu Chemical Co., Ltd. Method for preparing a polyorganosiloxane and a polyorganosiloxane
JP2018079179A (ja) * 2016-11-18 2018-05-24 ニュー キャスト インダストリー カンパニー リミテッドNew Cast Industry Co., Ltd. 医療用ギプス

Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US9751901B2 (en) 2013-01-29 2017-09-05 Shin-Etsu Chemical Co., Ltd. Method for preparing a polyorganosiloxane and a polyorganosiloxane
JP2018079179A (ja) * 2016-11-18 2018-05-24 ニュー キャスト インダストリー カンパニー リミテッドNew Cast Industry Co., Ltd. 医療用ギプス

Similar Documents

Publication Publication Date Title
US4149274A (en) Anti-slip hosiery article and method
EP2628832B1 (en) Stitch-size controlled knit product
US20070033711A1 (en) Sock, especially athletic sock
JP5785379B2 (ja) 医療用ストッキング
JP3197486U (ja) ストッキング
CA2558157A1 (en) Sock, especially athletic sock
JP6754898B2 (ja) 着圧ストッキング
US20160278439A1 (en) Leg garment with expansive panel
JP5737773B1 (ja) 弾性筒状包帯
JP3206234U (ja) ストッキング
US20190029330A1 (en) Leg garment with expansive panel
JP2005105427A (ja) ファンデーション下着
JP6701490B2 (ja) 下半身用衣類の製造方法
JP2006063512A (ja) 弾性編み生地及び該弾性編み生地を用いた下着
WO2010143504A1 (ja) ウエスト部を有する衣類
JP2014227628A (ja) フットカバー
CN110996697B (zh) 无趾服装
JP3044071U (ja) タイツ類
JP6938283B2 (ja) 夏の暑いシーズンに適したパンティストッキング
JP2019189963A (ja) 下半身用衣類
JP6648367B2 (ja) ストッキングおよびその製造方法
JP6538485B2 (ja) パンティストッキング
JP6025004B2 (ja) 弾性筒状包帯
JP3170423U (ja) ストッキング
JP3163472U (ja) 靴下

Legal Events

Date Code Title Description
A80 Written request to apply exceptions to lack of novelty of invention

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A80

Effective date: 20150309

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Ref document number: 3197486

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250