JP2010278282A - シート貼付装置及び貼付方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】接着シートの貼付開始端領域を保持した状態で当該接着シートを被着体に貼付することのできるシート貼付装置及び貼付方法を提供すること。
【解決手段】帯状の剥離シートRLの一方の面に接着シートSが仮着された原反Rの繰出手段11と、接着シートSを剥離するピールプレート12と、テーブル13に支持されたリングフレームRF及び半導体ウエハWに接着シートを押圧して貼付する押圧手段15と、テーブル13と押圧手段15とを相対移動させる移動手段16とを備える。押圧手段15は、接着シートSの貼付開始端領域Aに対応した開口形状を有する開口部40を介して貼付開始端領域Aを吸着保持するようになっている。
【選択図】図3

Description

本発明は、シート貼付装置及び貼付方法に係り、更に詳しくは、剥離シートから剥離された接着シートの貼付開始端領域を保持した状態で所定の被着体に貼付することのできるシート貼付装置及び貼付方法に関する。
半導体ウエハ(以下、単に、「ウエハ」と称する)は、その回路面側に保護用の接着シートを貼付したり、ウエハに種々の加工を施す際のハンドリング性を考慮して、接着シート(マウントテープ)を介してリングフレームに一体化(マウント)することが行われている。
このような接着シートの貼付装置としては、例えば、特許文献1、2に開示されたものが知られている。特許文献1は、剥離シートに仮着された接着シート(転写テープ)をピールプレートで剥離し、剥離された接着シートをリングフレーム及びウエハに貼付してこれらを一体化させる構成が開示されている。また、特許文献2には、ピールプレートを介して剥離シートから剥離された接着シートをサクションローラで吸着保持し、この接着シートにウエハを貼付した状態で接着シートの外周側をリングフレームに貼付することでウエハとリングフレームとを一体化させる構成が開示されている。
特開2000−68293号公報 特開2006−339607号公報
しかしながら、特許文献1の構成にあっては、接着シートの貼付開始端側を押圧ローラに向けるためのエア噴出手段が採用されている。そのため、噴出エアに含まれる微細な塵が接着シートの接着面に付着してしまうと、例えば30〜50μmにまで研削されたウエハに貼付されたときに、この微細な塵によってウエハが割れてしまう、という不都合がある。
また、特許文献2の構成にあっては、サクションローラが接着シートを全面的に吸着する構成であるため、吸引用の動力が大がかりになる、という不都合がある。なお、特許文献2は、サクションローラの外周面に粘着ラベルの外径より少し小さい面積エリアに多数の吸引口を設けるとともに、当該面積エリア内に小面積部分を設けて独立した吸引系を設けているが、粘着ラベルは、その外周側を除いて略全面的に吸引される構成であり、吸引用の動力が大がかりになる、という不都合は依然として解消されないものとなっている。
[発明の目的]
本発明は、このような不都合に着目して案出されたものであり、その目的は、剥離シートから剥離された接着シートの貼付開始端領域を保持し、その状態で接着シートを被着体に貼付することのできるシート貼付装置及び貼付方法を提供することにある。
前記目的を達成するため、本発明は、帯状の剥離シートの一方の面に接着シートが所定間隔を隔てて仮着された原反を繰り出す繰出手段と、前記剥離シートから接着シートを剥離する剥離手段と、被着体に対して相対移動することで、前記接着シートを押圧して貼付する押圧ローラを含む押圧手段とを備え、前記被着体と押圧手段とを相対移動させて前記被着体に接着シートを貼付するシート貼付装置において、前記押圧ローラは、前記接着シートが被着体に貼付される前の段階で、前記接着シートの貼付開始端領域を保持可能に設けられる、という構成を採っている。
本発明において、前記押圧ローラは、前記貼付開始端領域を吸着することで当該貼付開始端領域を保持するように設けられている。
また、前記押圧ローラは、外周面に開口部を備えた回転不能な中心軸と、当該中心軸の外周に回転可能に支持された多孔質のローラ部材とからなり、前記中心軸内を減圧することで前記開口部及びローラ部材を介して前記貼付開始端領域を吸着する、という構成を採ることができる。
更に、前記開口部は、前記貼付開始端領域の形状に対応する開口形状に設けられる、という構成が好ましくは採用される。
また、本発明は、帯状の剥離シートの一方の面に接着シートが所定間隔を隔てて仮着された原反を繰り出す過程で前記剥離シートから接着シートを剥離し、被着体に対して相対移動することで、前記接着シートを押圧ローラで押圧して貼付するシート貼付方法において、前記接着シートが被着体に貼付される前の段階で、前記接着シートの貼付開始端領域を前記押圧ローラが保持した状態で当該接着シートを被着体に貼付する、という手法を採っている。
本発明によれば、接着シートが被着体に貼付される前の段階で、押圧ローラが接着シートの一部となる貼付開始端領域のみを保持する構成であるため、接着シートの貼付開始端領域を押圧ローラ側に向けるためのエア噴出手段や、接着シートを全面的に吸着する手段を必要とすることなく接着シートを保持して貼付することが可能となる。
特に、押圧ローラが貼付開始端領域のみを吸着する構成であれば、小さな動力によって貼付開始端領域の吸着保持を行うことができる。
また、回転不能で開口部を備えた中心軸と多孔質のローラ部材とにより押圧ローラを構成した場合には、開口部が常に貼付開始端領域に対向した位置になるように中心軸を固定可能であるため、開口部に対応した位置であって、ローラ部材の外周部分で接着シートの吸着力を生じさせることができる。
更に、開口部が貼付開始端領域の形状に対応する開口形状であれば、広域で吸引する場合に比べて省力化を推進できる。
実施形態に係るシート貼付装置の概略正面図。 シート貼付装置の概略斜視図。 貼付開始端領域が押圧ローラに吸着保持される状態を示す説明図。 貼付開始端領域と、中心軸に設けられた開口部の形状を示す説明図。
以下、本発明の実施形態について図面を参照しながら説明する。
図1及び図2において、シート貼付装置10は、帯状の剥離シートRLの一方の面に図示しない基材シートと接着剤層とからなる接着シートSが所定間隔を隔てて仮着された原反Rを繰り出す繰出手段11と、剥離シートRLから接着シートSを剥離する剥離手段としてのピールプレート12と、被着体としてのリングフレームRF及びウエハWに対して相対移動することで、剥離された接着シートSを押圧して貼付する押圧手段15と、これら各手段を全体的に所定制御する図示しない制御手段とを備えて構成され、被着体を図1中左右方向に相対移動させる移動手段16の上方に配置されている。
前記繰出手段11は、原反Rを支持する支持ローラ21と、ピールプレート12との間の繰出経路を形成するガイドローラ22、23と、繰出経路を反転させて剥離シートRLから接着シートSを剥離するピールプレート12と、このピールプレート12を経た後の剥離シートRLが掛け回されるとともに、モータ26を介して回転可能に設けられた駆動ローラ27と、この駆動ローラ27との間に剥離シートRLを挟み込むピンチローラ28と、図示しない駆動源によって所定のトルクで剥離シートRLを巻き取る巻取ローラ29とを備えて構成されている。なお、繰出手段11を構成する各部材は、図示しないフレームに一体的に支持される。
前記押圧手段15は、ピールプレート12の先端(自由端)側に設けられた押圧ローラ31と、門型のブラケット32を介して押圧ローラ31を昇降可能に支持するシリンダ33とを備えて構成されている。押圧ローラ31は、図3及び図4に示されるように、接着シートSが被着体に貼付される前の段階で、ピールプレート12の先端で剥離された接着シートSの貼付開始端領域Aを基材シート側から吸着して当該接着シートSを保持できるように設けられている。ここで、「貼付開始端領域」Aとは、図4に示されるように、接着シートSの繰出方向先端側の弧A1と、繰出方向に直交する弦A2とで囲まれる略D形状の領域について用いられる。
前記押圧ローラ31は、外周面に開口部40を備えた中心軸41と、当該中心軸41の外周に回転可能に支持された多孔質、例えば、スポンジ状又は中心から放射線状に無数の穴を有するローラ部材42とにより構成されている。中心軸41は、その両端側がブラケット32に回転不能に支持されている。また、中心軸41の軸方向一端側には、図示しない減圧ポンプに接続されたホース43が接続され、この減圧ポンプの吸引によって開口部40に吸引力を付与可能になっている。
前記開口部40は、図3及び図4に示されるように、中心軸41の下部に位置するとともに、その開口形状は、貼付開始端領域Aの形状に対応する形状に設けられている。なお、開口部40は、中心軸41の中心軸線に直交する中心線であって図3中上下方向に沿う中心線Lからピールプレート12寄りに開口し、剥離される接着シートSの貼付開始縁SEが中心線Lに一致するように設けられ、これによって接着シートSの貼付開始縁SEの押圧力不足が生じないようになっている。
前記移動手段16は、テーブル13と、図1中左右方向に向けられた単軸ロボット50と、この単軸ロボット50と平行に敷設されたガイドレール51(図2参照)とからなる。テーブル13は、リングフレームRFの内周側にウエハWを配置した状態で、これらリングフレームRF及びウエハWを吸着保持可能に形成されている。テーブル13の中央部上面には隆起平面部13Aが形成され、この隆起平面部13Aの上面でウエハWを保持することでウエハWとリングフレームRFの上面とが同一平面に位置するように保たれる。なお、特に限定されるものではないが、本実施形態におけるウエハWは、図中下面側を回路形成面として保護用シートPSが予め貼付されたものが対象とされている。単軸ロボット50のスライダ52と、ガイドレール51上を移動する図示しないスライダはテーブル13の下面側に固定されている。
前記制御手段は、シーケンサやパーソナルコンピュータ等で構成することができる。制御手段には、操作パネル等からなる図示しない入力手段が接続され、この入力手段により各手段の作動条件やデータ等を入力可能となっている。
次に本実施形態におけるシート貼付方法について説明する。
まず、支持ローラ21に支持された原反Rを所定長さ引き出し、ピールプレート12の先端で折り返して駆動ローラ27とピンチローラ28との間を通過させ、そのリード端を巻取ローラ29に固定する。
図示しない搬送手段を介してリングクレームRFとウエハWとがテーブル13上に載置され、吸着保持される。この吸着保持が完了したことが図示しないセンサによって確認されると、単軸ロボット50を介してテーブル13がピールプレート12の下方に向かって図1中右側から左方向に搬送されるとともに、駆動ローラ27が回転して原反Rが繰り出され、ピールプレート12の先端で接着シートSが剥離される。テーブル13は、中心線Lの延長線上にリングフレームRFにおける貼付開始位置が位置するように、図示しないセンサによって検出されて停止する。
接着シートSの貼付開始縁SEが中心線Lに一致する位置まで繰り出されたことが図示しないセンサにより検出されると、駆動ローラ27の駆動が停止する。このとき、つまり、接着シートSがリングクレームRFに貼付される前の段階で、ローラ部材42の微細な孔と開口部40を通じて、図示しない減圧ポンプの吸引力によって貼付開始端領域Aが押圧ローラ31に吸着保持される。このようにして貼付開始端領域Aが吸着保持されると、リングフレームRFの貼付開始位置と接着シートSの貼付開始縁SEとが中心線L上に位置することとなる。
そして、シリンダ33が駆動して押圧ローラ31を所定量下降させて貼付開始端領域AをリングフレームRFに当接させる。このとき厳密には、押圧ローラ31の下降により、貼付開始縁SEは中心線L上からずれることとなるが、押圧ローラ31の下降量が小さい場合や、そのずれ量が許容範囲内である場合には無視できる。逆に、そのずれ量が無視できない場合には、押圧ローラ31の下降とともに、駆動ローラ27を駆動させて、そのずれ量を相殺するように、原反Rを繰り出すように制御してもよい。なお、接着シートSがリングフレームRFに当接した時点で、図示しない減圧ポンプによる吸引を解除するように構成してもよい。この場合、減圧ポンプを動かす動力源(電気)の節約ができ、更なる省力化が図れる。
次いで、テーブル13が図1中左側に移動する動作に同期し、駆動ローラ27が駆動して接着シートSの剥離を行うことで、ローラ部材42が中心軸41に対して回転しつつ接着シートSをリングフレームRFとウエハWに貼付し、これらを一体化させることとなる。
従って、このような実施形態によれば、貼付開始端領域Aにエア等を噴出する必要がなくなるとともに、接着シートSの貼付開始端領域Aを吸着する部分保持としたことで、接着シートの全領域を吸着保持する従来タイプに比べて省力化された吸着構造とすることができる。
また、貼付開始縁SEが押圧ローラ31の中心軸線に直交する中心線Lに一致する状態で吸着保持される構成であるため、被着体に貼付すべき位置が厳格に要求される精密貼合に適用させることが可能となる。
以上のように、本発明を実施するための最良の構成、方法等は、前記記載で開示されているが、本発明は、これに限定されるものではない。
すなわち、本発明は、主に特定の実施形態に関して特に図示、説明されているが、本発明の技術的思想及び目的の範囲から逸脱することなく、以上説明した実施形態に対し、形状、位置若しくは配置等に関し、必要に応じて当業者が様々な変更を加えることができるものである。
従って、上記に開示した形状などを限定した記載は、本発明の理解を容易にするために例示的に記載したものであり、本発明を限定するものではないから、それらの形状などの限定の一部若しくは全部の限定を外した部材の名称での記載は、本発明に含まれるものである。
例えば、前記実施形態では、貼付開始端領域Aの形状に対応して中心軸41の開口部40を略D形状に設けたが、平面視長方形や三角形等の多角形、楕円形、幾何学的な形状等に設けることでもよい。要するに、開口部40は、貼付開始端領域Aを押圧ローラ31の外周面に吸着保持できるように構成されていれば足りる。また、接着シートSの平面形状は、円形に限らず、平面視長方形や三角形等の多角形、楕円形、幾何学的な形状等であってもよい。更に、押圧ローラ31は図示構成例に限定されるものではなく、単一の管状部材を用い、所定の領域で貼付開始端領域Aを吸着して吸着保持するようにしてもよい。この場合、押圧ローラ31を回転駆動させるモータ等の駆動手段を設け、接着シートSを貼付する毎に、開口部の位置が図3に示される位置を原点として、原点復帰させるように構成すればよい。但し、前記実施形態のように中心軸41の位置を固定状態に保ってローラ部材42のみが回転する構成とすれば、制御や構成部材の簡略化を図ることができる点で有利となる。
更に、前記実施形態では、接着シートSがリングフレームRFとウエハWに貼付されるマウント装置に適用したが、ウエハの回路形成面側に保護シートを貼付する装置や、容器や外装箱にラベル等を貼付するラベル貼付装置等、種々の貼付装置に適用することができる。
また、支持手段はテーブル13に限らず、ロボットアームを採用することもできる。
更に、本発明における被着体としては、半導体ウエハに限定されるものではなく、ガラス板、鋼板、または、樹脂板等、その他の板状部材も対象とすることができ、半導体ウエハは、シリコンウエハや化合物ウエハであってもよい。
10 シート貼付装置
11 繰出手段
12 ピールプレート(剥離手段)
13 テーブル
15 押圧手段
16 移動手段
31 押圧ローラ
40 開口部
41 中心軸
42 ローラ部材
A 貼付開始端領域
R 原反
RF リングフレーム(被着体)
RL 剥離シート
S 接着シート
W 半導体ウエハ(被着体)

Claims (5)

  1. 帯状の剥離シートの一方の面に接着シートが所定間隔を隔てて仮着された原反を繰り出す繰出手段と、
    前記剥離シートから接着シートを剥離する剥離手段と、
    被着体に対して相対移動することで、前記接着シートを押圧して貼付する押圧ローラを含む押圧手段とを備え、
    前記被着体と押圧手段とを相対移動させて前記被着体に接着シートを貼付するシート貼付装置において、
    前記押圧ローラは、前記接着シートが被着体に貼付される前の段階で、前記接着シートの貼付開始端領域を保持可能に設けられていることを特徴とするシート貼付装置。
  2. 前記押圧ローラは、前記貼付開始端領域を吸着することで当該貼付開始端領域を保持することを特徴とする請求項1記載のシート貼付装置。
  3. 前記押圧ローラは、外周面に開口部を備えた回転不能な中心軸と、当該中心軸の外周に回転可能に支持された多孔質のローラ部材とからなり、前記中心軸内を減圧することで前記開口部及びローラ部材を介して前記貼付開始端領域を吸着することを特徴とする請求項1又は2記載のシート貼付装置。
  4. 前記開口部は、前記貼付開始端領域の形状に対応する開口形状に設けられていることを特徴とする請求項3記載のシート貼付装置。
  5. 帯状の剥離シートの一方の面に接着シートが所定間隔を隔てて仮着された原反を繰り出す過程で前記剥離シートから接着シートを剥離し、
    被着体に対して相対移動することで、前記接着シートを押圧ローラで押圧して貼付するシート貼付方法において、
    前記接着シートが被着体に貼付される前の段階で、前記接着シートの貼付開始端領域を前記押圧ローラが保持した状態で当該接着シートを被着体に貼付することを特徴とするシート貼付方法。
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