JP4913772B2 - シート貼付装置及び貼付方法 - Google Patents

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本発明は、シート貼付装置及び貼付方法に係り、更に詳しくは、被着体の被着面からはみ出す大きさの接着シートを被着体に貼付した後、当該接着シートを被着体の大きさに合わせて切断するシート貼付装置及び貼付方法に関する。
従来より、半導体ウエハ(以下、単に「ウエハ」と称する)には、その回路面側に保護用の接着シートが貼付されて裏面研削等、種々の処理が施される。接着シートをウエハに貼付する装置としては、ウエハの外周からはみ出す大きさを備えた帯状の接着シートをウエハ上に繰り出して貼付し、その後に、ウエハの大きさに合わせて接着シートが切断されるタイプのものがある(例えば、特許文献1参照)。
特開2006−15453号公報
しかしながら、特許文献1のような装置では、接着シートの切断部位で、再接着した状態となる傾向がある。この結果、ウエハを搬送するときに、ウエハに貼付した接着シートが位置ずれを起こしたり、それらの間に空気が混入してしまい、このような状態でウエハの裏面研削が行われると、ウエハを破損させる、という不都合を招来する。かかる不都合は、接着力が弱い接着シートの場合に顕出する。
[発明の目的]
本発明は、このような不都合に着目して案出されたものであり、その目的は、ウエハ等の被着体に貼付された接着シートと、外側の不要接着シートとが再接着しても、被着体と接着シートとの貼付状態を良好に維持することができるシート貼付装置及び貼付方法を提供することにある。
前記目的を達成するため、本発明は、被着体が載置されるテーブルと、被着体の被着面からはみ出す大きさの接着シートを貼付する貼付手段と、被着体の大きさに合わせて前記接着シートを切断する切断手段と、被着面に接着シートが貼付された被着体を保持して搬送する搬送手段とを備え、前記テーブルは、被着体を支持するとともに、被着体の搬出方向に移動可能な内側テーブルと、この内側テーブルの外側に設けられるとともに、前記切断により被着面の外側に生じる不要接着シートを支持する外側テーブルとを含み、前記搬送手段は、被着体を保持したときに、不要接着シートを外側テーブルとで挟み込む把持手段を含み、この把持手段を介して不要接着シートを挟み込んだ状態で、内側テーブルと同期して前記被着体を搬出方向に移動可能に設けられる、という構成を採っている。
本発明において、前記内側テーブル及び外側テーブルは、被着面に直交する軸を回転中心として相対回転可能に設けられる、という構成も好ましくは採用される。
また、前記搬送手段を介して被着体が内側テーブルから離れるときに、前記搬送手段方向に被着体を付勢する付勢手段を備える、という構成を採ってもよい。
更に、前記外側テーブルは、内側テーブルを受容する受容穴を備えている一方、前記把持手段は、接着シートとの当接面に前記受容穴と同一形状の穴を備える、という構成を採ることができる。
更に、本発明の貼付方法は、外側テーブルの内周側に設けられた内側テーブルに被着体を支持する工程と、前記被着体の被着面からはみ出す大きさの接着シートを当該被着体に貼付する工程と、前記接着シートを被着体の大きさに合わせて切断する工程と、前記接着シートが貼付された被着体を搬送手段で保持する工程と、前記搬送手段の把持手段と外側テーブルとで前記切断により被着体の外側に生じる不要接着シートを挟み込む工程と、前記挟み込みを維持しつつ内側テーブルと搬送手段とが同期して接着シートが貼付された被着体を移動する工程とを有する、という方法を採っている。
本発明によれば、把持手段と外側テーブルとで不要接着シートを挟み込みつつ、内側テーブルと搬送手段とで、接着シートが貼付された被着体を挟み込むように搬出することが可能となる。これにより、被着体に貼付された接着シートと、外側の不要接着シートとが再接着していても、被着体に貼付された接着シートが位置ずれを起こしたり、それらの間に空気が混入したりすることを防止でき、それらの貼付状態を良好に保つことが可能となる。特に、被着体をウエハとして当該ウエハの回路面を保護する接着シートの接着力が弱い場合、接着シートの位置ずれを効果的に防止してウエハの破損を回避可能となる。
また、内側テーブル及び外側テーブルを相対回転可能とした場合、再接着部分を横方向に延ばして縁切りすることができ、被着体に貼付された接着シートと外側の不要接着シートとを確実に分離することが可能となる。
更に、被着体が内側テーブルから離れるときに、搬送手段方向に被着体を付勢する付勢手段を備えているので、被着体をより安定して搬送手段に受け渡すことができる。
以下、本発明の実施の形態について図面を参照しながら説明する。
図1には、実施形態に係るシート貼付装置の概略正面図が示されている。この図において、シート貼付装置10は、被着体としてのウエハWが載置されるテーブル11と、このウエハWの被着面W1からはみ出す大きさの接着シートSを貼付する貼付手段としてのプレスローラ12と、ウエハWの大きさに合わせて前記接着シートSを切断する切断手段13と、接着シートSが貼付されたウエハWを保持して搬送する搬送手段14と、接着シートSの繰り出しを兼ねるとともに、切断手段13の切断によって被着面W1の外側に生じる不要接着シートS1を回収する回収手段15とを備えて構成されている。ここで、接着シートSは、帯状に形成されているとともに、本実施形態では、常温において微粘着である感熱接着性の接着シートからなり、図1中左側から必要に応じてテーブル11上に繰り出されるようになっている。
前記テーブル11は、外側テーブル16と内側テーブル17とを備えている。前記外側テーブル16は、平面形状が略方形とされ、凹部21が形成されて内側テーブル17との間に隙間18が形成されるとともに、直動モータ19に支持されている。内側テーブル17は、ウエハWの面と同形状の載置面17Aを有し、その内部に図示しない加熱手段が設けられるとともに、直動モータ24とモータ23とを介して外側テーブル16の凹部21の底部に取り付けられている。内側テーブル17の載置面17Aは、図示しない減圧源に連通されてウエハWを吸着保持可能に設けられる一方、図示しない加圧源にも連通されて排気を行うことで、ウエハWを載置面17Aから離れる方向に付勢する付勢手段FUとして機能するようになっている。モータ23は、ウエハWの被着面W1と直交する軸を回転中心として内側テーブル17を平面内で回転可能とする一方、直動モータ24は、内側テーブル17をウエハWの被着面W1に対して直交方向に変位させるようになっている。
前記プレスローラ12は、図示しない駆動手段を介して上下方向に移動可能に設けられているとともに、前記外側テーブル16及び内側テーブル17の載置面16A、17Aに沿って転動可能に設けられている。これにより、接着シートSをウエハWに押圧可能となっている。
前記切断手段13は、カッター刃27と、当該カッター刃27を保持するアーム28と、このアーム28を平面内で回転させる回転軸29と、当該回転軸29及びアーム28を介してカッター刃27をウエハWの外周に沿って回転させる図示しないモータとを含む。なお、切断手段13は、テーブル11の上方位置で図示しない昇降装置を介して昇降可能に設けられている。
前記搬送手段14は、図2にも示されるように、支持体31と、この支持体31の下面外周側に連結された把持手段32と、支持体31の下面側に設けられるとともに、図示しない減圧ポンプに接続されて接着シートSが貼付されたウエハWを下面で吸着保持可能な保持手段33とを備えて構成されている。保持手段33は、周方向に回転可能に支持体31に連結されている。なお、搬送手段14は、例えば、特願2006−109448号に開示されるような図示しないロボットにチャックを介して支持され、ウエハWをテーブル11と所定位置との間で搬送可能となっている。
前記把持手段32は、支持体31の周方向に沿って所定間隔毎に設けられたばね部材35と、このばね部材35の下端側に連結されて接着シートSに当接する当接部材36とにより構成されている。ばね部材35は、当接部材36が支持体31に接近する方向に移動したときに、これに抗する方向の弾性力を発揮するコイルばねからなる。当接部材36は、前記受容穴20と同一形状に形成された穴36Aを内周に備えたリング状に設けられている。
前記回収手段15は、図1中左右方向に延びる単軸ロボット38と、この単軸ロボット38のスライダ39に固定されて同図中実線で示された位置と二点鎖線で示された位置との間で移動可能に設けられたフレームFと、当該フレームFに支持された一対の小径ローラ40及びそれらの間に位置する大径ローラ41と、これらのローラ40、41に案内された不要接着シートS1を巻き取る巻取ローラ43と、フレームFに支持されるとともにモータMの出力軸に連結され、巻取ローラ43との間に不要接着シートS1を挟み込んで巻き取りを行う駆動ローラ44とを備えている。なお、巻取ローラ40は図示しないバネによって駆動ローラ41側に付勢され、不要接着シートS1の巻き取りに伴う外径の拡大に対応できるようになっている。
次いで、前記シート貼付装置10を用いた接着シートSの貼付方法について説明する。
初めに、回収手段15が図1中実線で示される位置で停止し、接着シートSが小径ローラ40及び大径ローラ41を経て、そのリード端が巻取ローラ43に固定される。ウエハWが図示しない搬送手段によって内側テーブル17上に載置されると、内側テーブル17は、ウエハWの被着面W1が外側テーブル16の載置面16Aと同レベルとなるように、図示しないセンサと直動モータ24によって位置決めが行われ、図示しない加熱手段を介してウエハWを加熱する。外側テーブル16は、直動モータ19の駆動によって、図1に示されるように、載置面16Aとプレスローラ12とで接着シートSを挟み込む位置まで上昇される。
そして、プレスローラ12が転動して接着シートSに押圧力を付与しながら図1中二点鎖線で示される位置に移動し、接着シートSをウエハW及び外側テーブル16の載置面16Aに押圧する。この動作により、接着シートSとウエハWとは、内側テーブル17に設けられた図示しない加熱手段の加熱によって接着されることとなる。
この状態で、カッター刃27が接着シートSを突き刺す位置まで下降した後、ウエハWの外周に沿って回転することで、接着シートSがウエハWの形状に沿って切断される。接着シートSの切断が行われた後、切断手段13が上方に退避し、搬送手段14が外側テーブル16の受容穴20と、当接部材36の穴36Aとが一致するようにして移動される。そして、図3に示されるように、ばね部材35の弾性力に抗して保持手段33が下降されると、当該保持手段33の下面でウエハWに貼付された接着シートSを吸着するとともに、当接部材36と外側テーブル16の載置面16Aとで不要接着シートS1を挟み込む。
この状態で、内側テーブル17がモータ23を介して平面内で回転することで、切断された接着シートSが内側テーブル17による加熱によって再接着していても、再接着した部位は横ずれを起して不要接着シートS1と完全に縁が切れる。その後、直動モータ24と図示しないロボットとが同期して内側テーブルT2をウエハWの搬出方向すなわち上方向に移動させる。この移動の初期段階では、図4に示されるように、当接部材36と外側テーブル16とによる不要接着シートS1の挟み込み状態が維持されているため、再接着によって不要接着シートS1がウエハWに貼付された接着シートSと共に持ち上げられることはなくなり、更に、ウエハWに貼付された接着シートSは、内側テーブル17と保持手段33とによって挟み込まれているため、位置ずれを起こすこともない。
その後、搬送手段14を更に上昇させ、図5に示されるように、ウエハWが内側テーブル17の載置面17Aから離れるときに、図示しない加圧源を介して載置面17Aから排気を行い、ウエハWを搬送手段14方向すなわち上側に付勢してウエハWは搬送手段14に受け渡される。そして、受け渡されたウエハWは、所定の位置に搬送される。
この後、フレームFが図1中二点鎖線で示される位置に移動するとともに、駆動ローラ44及び巻取ローラ43が不要接着シートS1の巻き取りを行う。そして、外側テーブル16が下降し、駆動ローラ44の回転をロックしてフレームFが図1中実線で示される位置に復帰することで新たな接着シートSが繰り出される。
以後、同様の動作により、接着シートSの貼付、切断を行うことができる。
従って、このような実施形態によれば、接着シートSの接着力が弱く、ウエハWに貼付された切断後の接着シートSと不要接着シートSとが再接着しても、搬送時にウエハWと接着シートSとが位置ずれを起こすことを防止することができる。これにより、ずれが生じたまま搬送され、次工程における支障が生じることを回避することが可能となる。
以上のように、本発明を実施するための最良の構成、方法等は、前記記載で開示されているが、本発明は、これに限定されるものではない。
すなわち、本発明は、主に特定の実施形態に関して特に図示、説明されているが、本発明の技術的思想及び目的の範囲から逸脱することなく、以上説明した実施形態に対し、形状、位置若しくは配置等に関し、必要に応じて当業者が様々な変更を加えることができるものである。
従って、上記に開示した形状などを限定した記載は、本発明の理解を容易にするために例示的に記載したものであり、本発明を限定するものではないから、それらの形状などの限定の一部若しくは全部の限定を外した部材の名称での記載は、本発明に含まれるものである。
例えば、被着体はウエハWに限定されるものではなく、ガラス板、鋼板、または、樹脂板等、その他の板状部材も対象とすることができ、半導体ウエハは、シリコンウエハや化合物ウエハであってもよい。
また、前記把持手段32のばね部材35は、前記実施形態と同様の機能を発揮する限りにおいて、弾性的に圧縮変形可能な合成樹脂体等、種々の設計変更が可能である。更に、ばね部材35を、当接部材36がロッドの先端に連結されるエアシリンダに代替し、前述のように不要接着シートS1の挟み込みを行うよう、前記ロッドの進退を制御してもよい。
更に、前記直動モータ24をエアシリンダ、油圧シリンダ等の変位手段に代えてもよく、モータ23を同等の機能を有する回転手段によって構成してもよい。
また、貼付手段や切断手段は、前記実施形態で示したもの以外のもので構成してもよく、貼付手段は被着体に接着シートが貼付できる限りにおいて、切断手段は接着シートを切断できる限りにおいて何ら限定されるものではない。
更に、接着シートSは感熱接着性の接着シートに限定されることなく、感圧接着性の接着シートであってもよい。
また、内側テーブル17を停止させた状態で外側テーブル16を回転させてもよいし、それら両方を逆方向に回転させるように構成してもよい。
更に、内側テーブル17を停止させた状態で外側テーブル16が下方に移動するようにしてもよいし、それら両方を逆方向に移動するように構成してもよい。
実施形態に係るシート貼付装置の概略正面図。 搬送手段の概略斜視図。 搬送手段がウエハを保持した状態を示す説明図。 被着体の搬送初期段階の状態を示す説明図。 ウエハがテーブルから搬送手段に受け渡された状態を示す説明図。
符号の説明
10 シート貼付装置
11 テーブル
12 プレスローラ(貼付手段)
13 切断手段
14 搬送手段
16 外側テーブル
17 内側テーブル
20 受容穴
32 把持手段
36A 穴
FU 付勢手段
S 接着シート
S1 不要接着シート
W 半導体ウエハ(被着体)
W1 被着面

Claims (5)

  1. 被着体が載置されるテーブルと、被着体の被着面からはみ出す大きさの接着シートを貼付する貼付手段と、被着体の大きさに合わせて前記接着シートを切断する切断手段と、接着シートが貼付された被着体を保持して搬送する搬送手段とを備え、
    前記テーブルは、被着体を支持するとともに、被着体の搬出方向に移動可能な内側テーブルと、この内側テーブルの外側に設けられるとともに、前記切断により被着面の外側に生じる不要接着シートを支持する外側テーブルとを含み、
    前記搬送手段は、被着体を保持したときに、不要接着シートを外側テーブルとで挟み込む把持手段を含み、この把持手段を介して不要接着シートを挟み込んだ状態で、内側テーブルと同期して前記被着体を搬出方向に移動可能に設けられていることを特徴とするシート貼付装置。
  2. 前記内側テーブル及び外側テーブルは、被着面に直交する軸を回転中心として相対回転可能に設けられていることを特徴とする請求項1記載のシート貼付装置。
  3. 前記搬送手段を介して被着体が内側テーブルから離れるときに、前記搬送手段方向に被着体を付勢する付勢手段を備えていることを特徴とする請求項1又は2記載のシート貼付装置。
  4. 前記外側テーブルは、内側テーブルを受容する受容穴を備えている一方、前記把持手段は、接着シートとの当接面に前記受容穴と同一形状の穴を備えていることを特徴とする請求項1、2又は3記載のシート貼付装置。
  5. 外側テーブルの内周側に設けられた内側テーブルに被着体を支持する工程と、
    前記被着体の被着面からはみ出す大きさの接着シートを当該被着体に貼付する工程と、
    前記接着シートを被着体の大きさに合わせて切断する工程と、
    前記接着シートが貼付された被着体を搬送手段で保持する工程と、
    前記搬送手段の把持手段と外側テーブルとで前記切断により被着体の外側に生じる不要接着シートを挟み込む工程と、
    前記挟み込みを維持しつつ内側テーブルと搬送手段とが同期して接着シートが貼付された被着体を搬出方向に移動する工程と、
    を有することを特徴とするシート貼付方法。
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