JP2010235322A - 多結晶シリコンインゴットの製造方法 - Google Patents

多結晶シリコンインゴットの製造方法 Download PDF

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Abstract

【解決課題】亜鉛還元法により製造された後に反応装置外に取り出された多結晶シリコンから、高純度の多結晶シリコンインゴットを製造する方法を提供すること。
【解決手段】水蒸気を含有するアルゴンガスを雰囲気に供給しながら、10−1Pa以下の圧力下、1410〜1600℃で、亜鉛還元法により製造された多結晶シリコンを溶融させ、溶融シリコンを得る溶融工程と、該溶融シリコンを、下から上に順に冷却して結晶化させ、多結晶シリコンインゴットを得る冷却工程と、を有することを特徴とする多結晶シリコンインゴットの製造方法。
【選択図】図1

Description

本発明は、亜鉛還元法によって製造された多結晶シリコンから多結晶シリコンインゴットを製造する方法に関するものであり、さらに詳しくは、太陽電用の高純度の多結晶シリコンインゴットを製造する方法に関するものである。
近年の太陽電池の普及に伴い、多結晶シリコンの需要は急増している。従来、高純度の多結晶シリコンを製造する方法としてシーメンス法(Siemens Method)が挙げられる。シーメンス法はトリクロロシラン(SiHCl)を水素(H)によって還元する方法である。シーメンス法により製造される多結晶シリコンは純度がイレブン−ナイン(11−N)と非常に高く、半導体用シリコンとして使用されている。太陽電池用シリコンもこの半導体用シリコンとして製造された製品の一部を使用してきたが、11−Nほどの純度を必要としない点とシーメンス法が多くの電力を消費する点から、太陽電池用シリコンに適した安価な製造方法が求められている。
このような中、太陽電池用シリコンの製造方法として、亜鉛還元法による多結晶シリコンの製造方法が提案されており、その反応は下記式(1):
SiCl + 2Zn = Si + 2ZnCl (1)
により示すものである。
亜鉛還元法による多結晶シリコンの製造方法では、製造される多結晶シリコンの純度はシックス−ナイン(6−N)程度であり、半導体用シリコンに比べると純度は低いものの、シーメンス法と比較して5倍程度にも達する程反応効率に優れ且つ製造コストも有利な製造方法である。
太陽電池用のパネルは、多結晶シリコンインゴットより製造されるが、そのような多結晶シリコンインゴットは、亜鉛還元法により得られた多結晶シリコンを溶融し、不純物を除去後、冷却し結晶化させることにより得られる。
亜鉛還元法により得られる多結晶シリコンから多結晶シリコンインゴットを製造する方法としては、例えば、原料ガスである四塩化珪素ガスと亜鉛ガスとを反応させて反応炉内にシリコン結晶を析出させた後、該原料ガスの供給を停止し、反応炉内温度を1410〜1600℃に加熱して結晶シリコンを溶融し、坩堝等の容器に移して固化又は再結晶化させる方法が報告されている(特許文献1)。
また、反応炉内に生成した固体ないし液体シリコンを捕集する加熱機構を有するトラップを有し、原料ガスの供給を停止後、該トラップをシリコンの溶融温度以上に加熱して生成したシリコンを液状としてシリコン貯留部に送るシリコン製造装置も報告されている(特許文献2)。
更に、塩化亜鉛雰囲気中で四塩化珪素ガスと亜鉛ガスとを反応させてシリコンを生成させ、そのシリコンを溶融温度以上に保持されたシリコン保持槽に導き、溶解ガスの脱ガスを行った後に冷却固化する方法も報告されている(特許文献3)。
これらはいずれも、亜鉛還元反応により製造されたシリコンを空気中に取り出すことによる不純物の吸着や生成したシリコンの表面の酸化、あるいは窒化を懸念するものであり、その対策として、亜鉛還元反応により製造されたシリコンを反応炉外へ取り出すことなく、反応炉内の温度を高め、反応炉内でシリコンを溶融した後、冷却及び結晶化するもので、シリコンの生産から結晶化までを反応炉内で一貫して行うものである。
特開2004−035382号公報(特許請求の範囲) 特開2004−284935号公報(特許請求の範囲) 特開2004−099421号公報(特許請求の範囲)
しかし、このような方法や装置の場合、設備が大型化する他、反応器自体をシリコンの溶融温度以上に高める必要があり、多大なエネルギーが必要となるので、亜鉛還元法の特徴である経済性を低下させることになる。
そのため、亜鉛還元法により製造された多結晶シリコンを、一旦反応装置外に取り出した後、そのような多結晶シリコンを用いて、高純度の多結晶シリコンインゴットを製造する方法の開発が望まれる。
従って、本発明の目的は、亜鉛還元法により製造された後に反応装置外に取り出された多結晶シリコンから、高純度の多結晶シリコンインゴットを製造する方法を提供することにある。
本発明者らは、上記従来技術における課題を解決すべく、鋭意研究を重ねた結果、(1)亜鉛還元法により製造された多結晶シリコンを、減圧下のアルゴンガス雰囲気下で溶融させる際に、アルゴンガス中に水蒸気を存在させることにより、溶融シリコン中からの亜鉛の除去を促進させることができること、(2)そのため、そのような溶融方法で溶融した溶融シリコンを冷却して結晶化させれば、高純度の多結晶シリコンインゴットが得られること等を見出し、本発明を完成させるに至った。
すなわち、本発明(1)は、水蒸気を含有するアルゴンガスを雰囲気に供給しながら、10−1Pa以下の圧力下、1410〜1600℃で、亜鉛還元法により製造された多結晶シリコンを溶融させ、溶融シリコンを得る溶融工程と、
該溶融シリコンを、下から上に順に冷却して結晶化させ、多結晶シリコンインゴットを得る冷却工程と、
を有することを特徴とする多結晶シリコンインゴットの製造方法を提供するものである。
また、本発明(2)は、前記亜鉛還元法により製造された多結晶シリコン中の亜鉛の含有量が、0.1〜100質量ppmであることを特徴とする本発明(1)の多結晶シリコンインゴットの製造方法を提供するものである。
また、本発明(3)は、前記水蒸気を含有するアルゴンガス中の水蒸気に対するアルゴンガスの体積比(アルゴンガス:水蒸気)が、99:1〜90:10であることを特徴とする本発明(1)又は(2)の多結晶シリコンインゴットの製造方法を提供するものである。
また、本発明(4)は、前記冷却工程において、凝固界面の移動速度が0.1〜2.0mm/分であることを特徴とする本発明(1)〜(3)の多結晶シリコンインゴットの製造方法を提供するものである。
本発明によれば、亜鉛還元法により製造された後に反応装置外に取り出された多結晶シリコンから、高純度の多結晶シリコンインゴットを製造する方法を提供することができる。そのため、本発明によれば、従来のように特殊且つ大型の装置を必要とせず、そのため、多大なエネルギーを必要としない。
本発明の多結晶シリコンインゴットの製造方法を用いて、亜鉛還元法により製造された多結晶シリコンを溶融している様子を示す模式的な断面図である。
本発明の多結晶シリコンインゴットの製造方法は、水蒸気を含有するアルゴンガスを雰囲気に供給しながら、10−1Pa以下の圧力下、1410〜1600℃で、亜鉛還元法により製造された多結晶シリコンを溶融させ、溶融シリコンを得る溶融工程と、
該溶融シリコンを、下から上に順に冷却して結晶化させ、多結晶シリコンインゴットを得る冷却工程と、
を有する多結晶シリコンインゴットの製造方法である。
本発明の多結晶シリコンインゴットの製造方法について、図1を参照して説明する。図1は、本発明の多結晶シリコンインゴットの製造方法を用いて、亜鉛還元法により製造された多結晶シリコンを溶融している様子を示す模式的な断面図である。図1中、多結晶シリコンインゴットの製造装置10は、亜鉛還元法により製造された多結晶シリコンを溶融及び冷却するための坩堝1と、該坩堝1を加熱するための電気ヒーター2と、該坩堝1及び該電気ヒーター2とを覆う保持容器3と、からなる。該保持容器3には、該保持容器3内に、水蒸気を含有するアルゴンガス6を供給するためのガス供給ノズル4と、該保持容器3内のガスを排出するためのガス排出ノズル5と、が設置されている。また、該ガス排出ノズル5は、該保持容器3内のガスを吸引することにより、該保持容器3内を減圧するための減圧手段(図示しない。)、例えば、真空ポンプに繋がっている。なお、該溶融容器を垂直な面で切ったときの断面において、底の形状は、図1の溶融容器1では半円形であるが、溶融容器の底は平らであっても構わない。また、該溶融容器を水平な面で切ったときの断面において、その断面の形状は、円形であっても、正方形、長方形等の角型であっても構わない。
本発明の多結晶シリコンインゴットの製造方法に係る該溶融工程を行う前に、先ず、該保持容器3内の該坩堝1に、該亜鉛還元法により製造された多結晶シリコンを充填する。次いで、該保持容器3を密閉した後、容器内のガスを、該ガス排出ノズル5から該減圧手段で吸引すると共に、該ガス供給ノズル4から該保持容器3内に、水蒸気を含有するアルゴンガス6を供給する。そして、該保持容器3内を、減圧下且つ該水蒸気を含有するアルゴンガス6の雰囲気下にする。次いで、減圧下且つ該水蒸気を含有するアルゴンガス6雰囲気下で、該電気ヒーター2により加熱して、所定の溶融温度まで、該坩堝1の温度を昇温させる。
次いで、減圧下且つ該水蒸気を含有するアルゴンガス6雰囲気下で、所定の温度で加熱して、該坩堝1に充填されている該多結晶シリコンを溶融させて、溶融シリコン11を得る(該溶融工程)。
次いで、該減圧手段による減圧及び該水蒸気を含有するアルゴンガス6の供給を止めた後、アルゴンガスの雰囲気下、該坩堝1を底から上に順に冷却することにより、該溶融シリコン11を、該坩堝1の底側から上に順に結晶化させる(該冷却工程)。そして、高純度の多結晶シリコンインゴットを得る。
本発明の多結晶シリコンインゴットの製造方法に係る該溶融工程は、該亜鉛還元法により製造された多結晶シリコン(単に、多結晶シリコンとも記載する。)を溶融して、該溶融シリコンを得る工程である。
該溶融工程に係る該多結晶シリコンは、前記式(1)の反応式のように、四塩化珪素ガスと亜鉛ガスとを反応させて、四塩化珪素を亜鉛で還元することにより得られる多結晶シリコンである。該多結晶シリコンの形状及び大きさは、特に制限されないが、樹枝状、針状又は板状の多結晶シリコンが好ましく、50質量%以上が100μmサイズのスクリーンを通過しない樹枝状、針状又は板状の多結晶シリコンが特に好ましい。一方、四塩化珪素ガスと亜鉛ガスとを反応させる際に、両者を激しく撹拌すると、直径が3μm以下の細粒状の多結晶シリコンが得られるが、このような細粒状の多結晶シリコンは、充填密度が低いため溶融に時間がかかる。そのため、該多結晶シリコンとしては、四塩化珪素ガス及び亜鉛ガスの流速を低くする等により、穏やかな撹拌下で反応させて得られた樹枝状、針状又は板状の多結晶シリコンが好ましい。
該多結晶シリコンは、亜鉛を還元剤に用いて製造されるため、亜鉛を含有する。該多結晶シリコン中の亜鉛含有量は、0.1〜100質量ppm、好ましくは0.1〜10質量ppm、特に好ましくは0.1〜1質量ppmである。該多結晶シリコン中の亜鉛含有量が、上記範囲内であることにより、6−N以上の高純度の多結晶シリコンインゴットが得られる。一方、該多結晶シリコン中の亜鉛含有量が上記範囲を超えると、高い純度の多結晶シリコンインゴットを得難くなる。また、亜鉛含有量が0.1質量ppm未満の多結晶シリコンは、太陽電池用として充分に亜鉛含有量が少ない多結晶シリコンなので、該多結晶シリコン中の亜鉛含有量が0.1質量ppm未満だと、本発明による亜鉛含有量の低減効果は小さいものとなる。
該溶融工程を行う前に、先ず、該多結晶シリコンを坩堝に充填する。該坩堝は、製品である多結晶シリコンインゴットの不純物による汚染を防ぎ、且つ、高温に耐える必要があるため、石英ガラス製の坩堝が好ましい。該多結晶シリコンの充填の際、樹枝状、針状又は板状の該多結晶シリコンをそのまま充填すると、空隙率が大きくなり過ぎて、該坩堝からの熱が該多結晶シリコンに十分に与えられないために、全てを溶融するまでに時間がかかる場合がある。そのため、溶融時間を短縮するために、空隙率が最小となるように細密に充填することが好ましい。
次いで、該多結晶シリコンを該坩堝に充填した後、該多結晶シリコンの雰囲気(図1では、該坩堝1に充填されている該多結晶シリコンが置かれている雰囲気、つまり、該保持容器3内の雰囲気)の圧力を10−1Pa以下に減圧し、次いで、該多結晶シリコンを加熱をして、所定の溶融温度まで昇温する。
そして、該多結晶シリコンの温度が所定の溶融温度に達したら、該溶融工程を開始する。すなわち、該多結晶シリコンが曝されている周囲の雰囲気に該水蒸気を含有するアルゴンガスを供給しながら、10−1Pa以下の圧力下で、該多結晶シリコンを溶融させる。
該溶融工程では、該多結晶シリコンの雰囲気に水蒸気を含有するアルゴンガスを供給しながら、該多結晶シリコンの雰囲気のガスを、減圧手段等で排出することにより、該多結晶シリコンの雰囲気の圧力を10−1Pa以下にする。
該溶融工程において、該多結晶シリコンの雰囲気の圧力は、10−1Pa以下、好ましくは10−2Pa以下である。また、該多結晶シリコンの雰囲気の圧力は低ければ低いほど、該溶融シリコンから亜鉛を除去する効果が高くなるので好ましいが、下限値は、該多結晶シリコンの雰囲気を減圧するための減圧手段の能力に依存する。なお、本発明において、該多結晶シリコンの雰囲気の圧力は、絶対圧力である。
該水蒸気を含有するアルゴンガス中の水蒸気に対するアルゴンガスの体積比(アルゴンガス:水蒸気)は、99:1〜90:10、好ましくは99:1〜92:8である。該水蒸気を含有するアルゴンガス中の水蒸気に対するアルゴンガスの体積比(アルゴンガス:水蒸気)が、上記範囲内にあることにより、多結晶シリコンインゴットの純度が高くなる。雰囲気のアルゴンガス中に水蒸気が存在すると、溶融した溶融シリコンの表面で、水とシリコンが反応してSiOが生成する。このSiOは揮発し易いために、容易に該溶融シリコンの表面から揮発し、このSiOの揮発により亜鉛の揮発が加速される。そのため、該溶融シリコン中の亜鉛の除去が促進されるので、多結晶シリコンインゴットの純度が高くなる。一方、該水蒸気を含有するアルゴンガス中のアルゴンガスの比率が、上記体積比より小さくなると、該溶融シリコン中からの亜鉛の除去を促進するという効果が得られ難くなる。また、該水蒸気を含有するアルゴンガス中のアルゴンガスの比率が、上記体積比より大きくなると、雰囲気中の水の含有量が多過ぎるために、揮発性が低いSiOが生成していまい、シリコンの溶融中に、SiOが残留することによって、多結晶シリコンインゴットの純度が低下し易くなる。
該溶融工程において、該多結晶シリコンの雰囲気に該水蒸気を含有するアルゴンガス供給しつつ、該多結晶シリコンの雰囲気を10−1Pa以下の圧力にする方法としては、例えば、図1に示すように、該多結晶シリコンが充填されている該坩堝を該保持容器3内に設置し、該保持容器3を密閉後、減圧手段で該保持容器3内のガスを吸引して排出すると共に、該保持容器3内に水蒸気を含有するアルゴンガス6を供給する方法が挙げられる。
該溶融工程において、該多結晶シリコンの雰囲気に供給する該水蒸気を含有するアルゴンガスの供給量(図1では、該保持容器3内への供給量)は、装置の大きさ、減圧手段の能力等に依存するため、該多結晶シリコンの雰囲気の圧力が、上記範囲となるように、適宜選択される。
該溶融工程において、該多結晶シリコンを溶融させる際の溶融温度は、1410〜1600℃である。また、該多結晶シリコンの加熱は、該多結晶シリコンが充填される坩堝を加熱することにより行われるが、加熱手段としては、例えば、電気ヒーターが挙げられ、電気ヒーターには、商用周波数の交流、直流又は1〜40kHz程度の高周波による電磁加熱手段が使用される。
そして、該溶融工程では、該多結晶シリコンが溶融するまで、該水蒸気を含有するアルゴンガスを雰囲気に供給しながら、所定の圧力下、所定の温度で、該多結晶シリコンの加熱を行い、該溶融シリコンを得る。
なお、本発明の多結晶シリコンインゴットの製造方法では、該多結晶シリコンの溶融を行っている間に、該多結晶シリコンの雰囲気に該水蒸気を含有するアルゴンガスが供給されていればよいが、該溶融工程より前、つまり、(i)該多結晶シリコンを該坩堝に充填した後、該多結晶シリコンの雰囲気の減圧を行っている途中から、あるいは(ii)その減圧を行った後から、あるいは(iii)減圧下で該多結晶シリコンを所定の溶融温度まで昇温している途中から、例えば、該多結晶シリコンの温度が融点である1410℃になった時又はその前後から、雰囲気に供給するアルゴンガス中に水蒸気を存在させてもよい、つまり、上記(i)〜(iii)のいずれかから、該多結晶シリコンの雰囲気に該水蒸気を含有するアルゴンガスの供給を開始してもよい。
本発明の多結晶シリコンインゴットの製造方法に係る該冷却工程は、該溶融シリコンを冷却して、結晶化させ、高純度の多結晶シリコンインゴットを得る工程である。
該冷却工程では、該溶融シリコンを、下から上に順に冷却して結晶化させる。該冷却工程において、該溶融シリコンを、下から上に順に冷却する方法としては、例えば、図1中の該電気ヒーター2への通電を、下から順に、つまり、電気ヒーター2a、2b・・・2xの順に切ることにより行う方法が挙げられる。また、他には、該電気ヒーター2を上方へ徐々に移動させる方法や、該電気ヒーター2を外し、該坩堝1の下方に空気を送り冷却したり、水に入れて冷却する方法等も挙げられる。
該冷却工程では、該溶融シリコンを、下から上に順に冷却することにより、シリコンの凝固界面が、下から上へと移動していく。
該溶融シリコン中に含まれる亜鉛は、偏析係数が1×10−5と非常に小さい。この偏析係数とは、活性元素が母結晶中へ固溶する難易度を示すものであり、この偏析係数が小さいほど、母結晶中に取り込まれ難いことを示す。そのため、偏析係数が1×10−5と非常に小さい亜鉛は、シリコンが結晶化する際に、溶融シリコン側へと移動する。そして、該溶融シリコンを、下から上に順に冷却することにより、該溶融シリコンの結晶化の際に、不純物である亜鉛を、上へ上へと移動させて、結晶中の亜鉛を排除することができるので、結晶化した多結晶シリコンインゴット中の亜鉛含有量を下げることができる。そして、多結晶シリコンインゴットの上層部に亜鉛が集まる。また、他の不純物である鉄、クロム、アルミニウム等も、多結晶シリコンインゴットの上層部に多く含まれる。そのため、結晶化後、多結晶シリコンインゴットの上層部をカットすれば、高純度の多結晶シリコンインゴットが得られる。なお、どの程度、多結晶シリコンインゴットの上層部をカットするかは、適宜選択される。
該冷却工程を行っている際の該溶融シリコンの雰囲気は、アルゴンガス、窒素ガス等の不活性ガス雰囲気下が好ましく、アルゴンガスが最も好ましい。
該冷却工程において、該シリコンの凝固界面の上への移動速度は、0.1〜2.0mm/分、好ましくは0.1〜1.0mm/分である。該シリコンの凝固界面の上への移動速度を上記範囲とすることにより、高純度の多結晶シリコンインゴットが得られる。なお、該シリコンの凝固界面の上への移動速度が上記範囲より低い場合は、高純度の多結晶シリコンインゴットが得られるものの、結晶化に時間がかかり過ぎるので、工業的に非効率となり易い。
このように、本発明の多結晶シリコンインゴットの製造方法によれば、純度が6−N以上の高純度の多結晶シリコンインゴットを得ることができる。そして、本発明の多結晶シリコンインゴットの製造方法によれば、7−N以上の高純度の多結晶シリコンインゴットを製造することも可能である。
本発明の多結晶シリコンインゴットの製造方法を行うことにより得られる6−N以上の多結晶シリコンインゴットは、太陽電池の製造用の多結晶シリコンインゴットとして好適に用いられる。
次に、実施例を挙げて本発明を更に具体的に説明するが、これは単に例示であって、本発明を制限するものではない。
(実施例及び比較例)
亜鉛還元法により製造された樹枝状結晶の多結晶シリコン30Kgを、縦300mm×横300mm×高さ250mmの坩堝に充填した。次いで、表1又は表2に示す体積比で混合された水蒸気を含有するアルゴンガスを、2リットル/分で供給しながら、雰囲気のガスを真空ポンプで吸引して、表1又は表2に示す圧力下及び溶融温度で、該多結晶シリコンを溶融した。溶融後、真空ポンプによる吸引及び該水蒸気を含有するアルゴンガスの供給を止め、アルゴンガス雰囲気下、表1又は表2に示す条件で冷却し、次いで、得られた結晶物の上部1.5%を切断して、多結晶シリコンインゴットを得た。得られた多結晶シリコンインゴットの純度を表1又は表2に示す。
Figure 2010235322
1)絶対圧力
Figure 2010235322
1)絶対圧力
比較例1は溶融工程において、アルゴンガス中に水蒸気を存在させず、アルゴンガスだけを供給した例である。同じ多結晶シリコンを使用し条件も同一とした実施例2に比べて多結晶シリコンインゴットの純度が向上していないことが分かる。
比較例2も溶融工程において、アルゴンガス中に水蒸気を存在させず、アルゴンガスだけを供給した例である。同じ多結晶シリコンを使用し条件も同一とした実施例3に比べて多結晶シリコンインゴットの純度が向上していないことが分かる。
本発明によれば、工業的に有利に高純度の多結晶シリコンインゴットを製造できる。
1 坩堝
2 電気ヒーター
3 保持容器
4 ガス供給ノズル
5 ガス排出ノズル
6 水蒸気を含有するアルゴンガス
10 多結晶シリコンインゴットの製造装置
11 溶融シリコン

Claims (4)

  1. 水蒸気を含有するアルゴンガスを雰囲気に供給しながら、10−1Pa以下の圧力下、1410〜1600℃で、亜鉛還元法により製造された多結晶シリコンを溶融させ、溶融シリコンを得る溶融工程と、
    該溶融シリコンを、下から上に順に冷却して結晶化させ、多結晶シリコンインゴットを得る冷却工程と、
    を有することを特徴とする多結晶シリコンインゴットの製造方法。
  2. 前記亜鉛還元法により製造された多結晶シリコン中の亜鉛の含有量が、0.1〜100質量ppmであることを特徴とする請求項1記載の多結晶シリコンインゴットの製造方法。
  3. 前記水蒸気を含有するアルゴンガス中の水蒸気に対するアルゴンガスの体積比(アルゴンガス:水蒸気)が、99:1〜90:10であることを特徴とする請求項1又は2いずれか1項記載の多結晶シリコンインゴットの製造方法。
  4. 前記冷却工程において、凝固界面の移動速度が0.1〜2.0mm/分であることを特徴とする請求項1〜3いずれか1項記載の多結晶シリコンインゴットの製造方法。
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