JPH10273311A - 太陽電池用シリコンの精製方法及び装置 - Google Patents

太陽電池用シリコンの精製方法及び装置

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JPH10273311A
JPH10273311A JP7797197A JP7797197A JPH10273311A JP H10273311 A JPH10273311 A JP H10273311A JP 7797197 A JP7797197 A JP 7797197A JP 7797197 A JP7797197 A JP 7797197A JP H10273311 A JPH10273311 A JP H10273311A
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silicon
refining
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solar cell
heating
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JP7797197A
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Naomichi Nakamura
尚道 中村
Masamichi Abe
正道 阿部
Kazuhiro Hanazawa
和浩 花澤
Hiroyuki Baba
裕幸 馬場
Kenkichi Yushimo
憲吉 湯下
Yasuhiko Sakaguchi
泰彦 阪口
Yoshihide Kato
嘉英 加藤
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Kawasaki Steel Corp
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Abstract

(57)【要約】 【課題】本発明は、1回凝固法による太陽電池用シリコ
ンの精製を、従来より短時間に、且つ安価に実施する技
術を提供することを目的としている。 【解決手段】金属シリコンから真空精錬でPを揮発除去
し、次いで酸化精錬でB,Cを除去した後、脱O及び凝
固精製を行って金属不純物元素を除去する太陽電池用シ
リコンの精製方法において、前記金属シリコンの加熱を
プラズマ・アーク又はプラズマ・ジェットで行い、前記
真空精錬と酸化精錬を順次行う。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、シリコンの精製方
法及び装置に関し、特に、従来は2回必要であった金属
シリコンの凝固精製を1回にすると共に、脱燐のための
真空精錬と脱ボロンのための酸化精錬とを同一装置で実
施するようにして、工程及び装置の簡素化を図り、太陽
電池に用いる高純度シリコンを効率良く得る技術であ
る。
【0002】
【従来の技術】太陽電池に使用するシリコン中のP、
B、C、Fe、Al、Ti、Oなどの不純物元素は、所
要の光電交換効率を確保するには、C、O、B以外は
0.1ppm以下、C、Oに関しては各々5〜10pp
m以下、Bは0.1〜0.3ppmの範囲にする必要が
ある。また、太陽電池が広く利用されるためには、この
シリコンを安価に量産する必要がある。
【0003】従来、太陽電池用のシリコンは、図3に示
すように、半導体用シリコンと同様、気相法を主体にし
て製造されている。つまり、高純度の酸化珪素SiO2
を高純度Cで還元して、純度の低い所謂粗製した金属シ
リコンを溶製する。その後、上記金属シリコンをシラン
化してから、蒸留法によって高純度化し、さらに、析出
法で精製してから凝固し、基板とする方法である。この
気相法は、量産に向かず製造コストが高くなると共に、
歩留も低い。また、半導体用なので純度が良すぎ、Bな
どは逆に添加して調整する必要があり、太陽電池用のシ
リコンの製造方法としては適切でない。
【0004】このような要請の下で、本出願人は、前記
粗製した金属シリコンを出発原料として、冶金プロセス
だけで一気に太陽電池用シリコンに精製する方法を提案
している。その方法は、図4及び図5に示すように、前
記金属シリコンを電子ビームで溶解してから真空精錬で
脱Pした後、一方向凝固(凝固粗精製工程)によって金
属不純物元素(Al、Ti、Fe等)をある程度除去
し、再びプラズマ溶解して酸化精錬で脱B、脱Cを行
い、次いで、脱酸(以下、脱Oという)後に前記金属不
純物の最終的な除去と、インゴットの製造を兼ねた仕上
の凝固精製を行うものである。つまり、金属シリコンの
Al、Fe、Ti等金属不純物元素については、固液分
配係数の小さいことを利用した2度の一方向凝固精製に
より除去し、Cについては、SiCは凝固の際に表面に
析出させ、また固溶しているCはCOとして除去し、P
については、その蒸気圧の高いことを利用して真空除去
し、Bについては、H2 O、CO2 あるいはO2 を添加
した酸化精製により除去する。この方法によれば、冶金
プロセスなので、設備を大型にして量産が可能となり、
製造コストがかなり安価になることが期待できる。
【0005】ところが、この方法でも、各不純物元素の
除去手段がそれぞれ異なると共に、凝固精製の工程が2
回必要であり、まだ工程が煩雑である。また、シリコン
歩留の悪さ、電力原単位が大きい等の問題点は残ってい
る。そこで、本出願人は、最近、出発原料の金属シリコ
ンに含まれる金属不純物元素が比較的低い場合(例え
ば、Fe<1000ppm,Al<1000ppm)に
は、前記凝固粗精製工程を省略し、1回の凝固で太陽電
池用シリコンを製造することを提案した(特願平8−2
90038号)。つまり、図4や図5の真空精錬−凝固
精製−酸化精錬−凝固精製を、図6に示すように、真空
精錬−酸化精錬−凝固精製としたのである。この簡素化
によって、シリコン精製時間の短縮、歩留向上や電力原
単位の低減が可能となり、太陽電池用シリコンの製造コ
ストが従来より安価になると期待された。
【0006】しかしながら、前記1回凝固法でも、真空
精錬が電子ビーム、酸化精錬がプラズマ・ガスと加熱手
段が異なるため、それぞれ装置を異にしている。そのた
め、シリコン溶湯を装置間で移行させる手間とか、移行
に伴うシリコン・ロスが生じる。また、電子ビーム溶解
は、プラズマに比較して設備費や電力費用が高い上に高
真空装置であるために装置の保持に費用と手間がかかる
という欠点がある。そのため、脱燐反応を促進して、精
錬時間の短縮を図るには、不向きであった。これでは、
せっかく1回凝固に簡素化したメリットが十分に達成で
きないので、さらなる改良が望まれていた。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、かかる事情
を鑑み、1回凝固法による太陽電池用シリコンの精製
を、従来より短時間に、且つ安価に実施する技術を提供
することを目的としている。
【0008】
【課題を解決するための手段】発明者は、上記目的を達
成するため、真空精錬における電子ビーム溶解の廃止に
着眼し、以前は減圧室内のガス量増加があるので困難と
考えられていたプラズマ加熱の利用に鋭意努力した。そ
の結果、真空精錬でも、プラズマ加熱が利用できるよう
になり、また高周波誘導加熱、電気抵抗加熱との併用も
考慮して本発明を完成するに至った。
【0009】すなわち、本発明は、金属シリコンから真
空精錬でPを揮発除去し、次いで酸化精錬でB、Cを除
去した後、脱O及び凝固精製を行ってFe、Al、T
i、Caを除去する太陽電池用シリコンの精製方法にお
いて、前記金属シリコンの加熱をプラズマ・アーク又は
プラズマジェットで行い、前記真空精錬と酸化精錬を順
次行うことを特徴とする太陽電池用シリコンの精製方法
である。
【0010】また、本発明は、引き続き、脱O及び凝固
精製をも行ったり、あるいは前記真空精錬と酸化精錬を
逆順とすることを特徴とする太陽電池用シリコンの精製
方法である。さらに、本発明は、出発原料としての金属
シリコンのFe及びAl含有量が1000ppm未満で
あることを特徴とする太陽電池用シリコンの精製方法で
ある。
【0011】加えて、本発明は、前記金属シリコンの加
熱に、高周波誘導加熱又は電気抵抗加熱を併用したり、
あるいは、前記凝固精製を実施するに際し、凝固後半時
の不純物元素が濃化した溶湯を、前記精錬容器から排出
することを特徴とする太陽電池用シリコンの精製方法で
もある。さらに加えて、本発明は、金属シリコンを保持
する精錬容器と、該精錬容器の上部を覆い外気を遮断す
る蓋と、該蓋と溶湯面に形成された空間の排気に使用す
る排気管と、該空間にガスを導入するガス導入管と、こ
の蓋の天井に取付けられ該金属シリコンの溶解、加熱に
プラズマ・アーク又はジェットを供給するプラズマ・ト
ーチとからなる太陽電池用シリコンの精製装置である。
【0012】そして、本装置発明は、前記精錬容器を囲
み、該容器内の溶湯を加熱する高周波誘導コイル又は電
気抵抗ヒータを備えたり、前記精錬容器を傾動自在と
し、その横側に該精錬容器からの溶湯を受ける鋳型を備
えたり、あるいは前記精錬容器内の溶湯をそのまま一方
向凝固させるよう、該容器の底部に水冷チラー、上方に
凝固時に使用する加熱手段を備えたことを特徴とする太
陽電池用シリコンの精製装置である。なお、水冷チラー
とは、水冷ジャケットを利用した冷却装置である。
【0013】本発明では、金属シリコンの精製に際し
て、プラズマ加熱を主体にして、同一精錬容器で真空精
錬及び酸化精錬を順次行うようにしたので、溶湯の移し
換えがなく、精錬時間が従来より短縮する。また、装置
の共同使用及び電子ビーム加熱の廃止により、設備費や
電力原単位の大幅な低減、シリコン歩留の向上が可能に
なる。さらに、本発明では、凝固精製をも同一容器で行
うようにしたので、工程の簡素化が達成でき、上記効果
が一層促進されるようになる。その結果、太陽電池用の
高純度シリコンの製造コストが、従来より大幅に低減し
た。
【0014】
【発明の実施の形態】以下に、図1及び2を参照して、
本発明の実施形態について説明する。まず、本発明で
は、金属シリコン1を事前に予備処理して、出発原料と
してFeを1000ppm未満、Alを1000ppm
未満としたものを使用するのが好ましい。予備処理とし
ては、Fe、Al、Ti等の金属不純物元素が低減する
ものであれば如何なる方法であっても良い。例えば、ア
ーク式電気炉で酸化珪素を炭材で還元して得た粗製の金
属シリコンを、取鍋に受け、該取鍋内に酸化性ガスを吹
込んで、酸化物として除去することが好ましい。予備処
理によってFeを1000ppm未満,Alを1000
ppm未満とする理由は、それ以上の濃度の金属シリコ
ンを精製しても、一回の凝固によって太陽電池用シリコ
ンとしての目標濃度以下にならない恐れがあるからであ
る。
【0015】上記予備処理(図示せず)された固体状の
金属シリコン1を、精錬容器6に装入し、蓋8をする。
そして、プラズマ・トーチ5から、アルゴン・ガスで発
生させたプラズマ・アーク3又はプラズマ・ジェット
で、該金属シリコン1を加熱、溶解する。溶解が完了し
たら溶融状態にある金属シリコン(以下、溶湯1という
場合がある)の加熱を継続しながら、前記蓋8と溶湯1
面間の空間部9を、排気管11を介して真空ポンプ(図
示せず)で排気し、Pを蒸発除去する。つまり、この工
程が真空精錬であり、例えば10-2torrより高真空
とする。この工程は、従来、図5に示すような減圧室2
1に配置した精錬容器6で、加熱手段に電子ビーム2を
用いて行っていた。そのため、目標の高真空度にするの
は、比較的容易であったが、多量の蒸発物による電子銃
の傷みがはげしく、装置の保守に費用と手間を要すると
いう欠点があった。これを解消するため、本発明では、
電子ビーム2溶解及び加熱を廃止し、プラズマ加熱を採
用することにしたのである。プラズマ加熱では、プラズ
マ・ジェット3が溶湯1に吹き付けられるので、減圧室
21内でガスが増え、そのガスが排気時間を従来より大
幅に延長させると予想された。そこで本発明は、まず減
圧空間の容積を小さくする工夫として、例えば図1に示
すように内部空間が狭くなるような減圧室形状を採用し
たり、図2に示すように減圧室方式を改めて精錬容器6
に蓋8を設けて反応に関する空間部9を小さくする等の
対策を施した。また、真空ポンプの能力を従来より大き
くして、排気速度を高めた。その結果、従来とほぼ同じ
程度の時間で所要の真空度を達成できるようになる。そ
の際、加熱源として高周波誘導、あるいは電気抵抗加熱
を併用して、プラズマ・ジェット3の吹き付け流量を落
とすと、より一層早く目標真空度が達成できる。溶湯の
脱P状況は、時々試料を採取し、その迅速分析によって
検知する。
【0016】次に、溶湯1が目標のP濃度に到達した
ら、直ちに排気を止め、プラズマ・ジェット3に酸化性
ガス7を添加して酸化精錬に移行する。これによって、
溶湯中のボロン及び炭素を除去するのである。プラズマ
・ジェット3に添加する酸化性ガス7としては、酸素、
炭酸ガス、水蒸気が利用され、濃度は水蒸気の場合で1
0vol%程度であるが、より高濃度での操業も可能で
ある。さらに水素や一酸化炭素等の還元性ガスを酸化性
ガスと同時に添加してもよい。その際、ガス導入管10
からアルゴン・ガス等の不活性ガスを前記空間部9に導
入すれば、該空間部9の圧力が早く常圧に復帰する。
【0017】従来は、図5に示すように、真空精錬後に
溶湯1を鋳型17に注ぎ凝固させて、例えば一方向凝固
による金属不純物の粗精製を行っていたが、本発明によ
れば、まったく溶湯1の移動もせずに、そのまま引続き
脱ボロン,炭素が可能となる。溶湯のボロン及び炭素含
有量が、目標値に到達したら、酸化性ガスの吹込みをや
め、雰囲気を不活性ガスあるいは減圧に保持して、引き
続き脱Oを行う。なお、本発明では、上記真空精錬と酸
化精錬の順序を入れ換えても良い。いずれを先にして
も、精製状態が同じだからである。
【0018】そして最後に、この脱酸後の溶湯1を鋳型
17に注ぎ、一方向凝固させて、金属不純物元素の除去
を行い、太陽電池用シリコンを得る。本発明では、この
一方向凝固の実施にも下記の工夫をした。工夫の一つ
は、図1の精錬容器6の側に、従来通り、予め鋳型(図
示せず)を準備し、そこに脱酸後の溶湯1を注入して所
定凝固速度になるよう調整しつつ凝固させる。
【0019】なお、この方法によれば、脱O処理を鋳型
注入後行うことも可能である。その際には、鋳型注入後
凝固開始前に、溶融シリコンを不活性、あるいは減圧雰
囲気に保持する。他の工夫の一つは、精錬容器6に保持
した溶湯を、そのまま凝固させるのである。そのため、
本発明では、精錬容器6を、図2に示すように鋳型の機
能も発揮できるようにしてある。具体的には、容器底部
に水冷ジャケット15を、上方に昇降自在な電熱ヒータ
16を配置してある。これによって、溶湯1の脱Oが終
了したら、精錬容器6の蓋8を除き、電熱ヒータ16と
交換するだけで、凝固が開始できるようになる。さら
に、本発明では、この一方向凝固を行うに際して、凝固
後半において不純物元素の濃化した溶湯1は、積極的に
該精錬容器6から排出し、最後まで凝固させないように
した。凝固に要する時間を短くして全精製時間の短縮を
図るためである。なお、排出された溶湯は、再度真空精
錬の原料にリサイクルすることで、シリコン分の回収を
行うようにする。
【0020】このように、本発明では、金属シリコンか
らの脱P工程である真空精錬で、従来のような電子ビー
ムによる溶解、加熱に代え、プラズマ加熱を利用するこ
とで、該真空精錬と脱B,C工程である酸化精錬とを、
同一の精錬容器で行うようにした。また、その精錬容器
を鋳型も兼ねるようにしたので、1つの装置で一気に金
属シリコンを太陽電池用シリコンに精製することが可能
になった。そして、電子銃のような高価な設備が不要に
なり、使用電力の低減、工程の簡素化によるシリコン歩
留の向上、精錬時間の短縮等において、現在提案中の一
回凝固法をさらに有効なものとした。
【0021】以下、実施例によって更に詳細に本発明を
説明するが、本発明の方法及び装置は以下の例の具体的
条件に何ら拘束されるものではない。
【0022】
【実施例】
(実施例1)原料金属シリコンとして、表1に示す純度
のものを用意した。図1(a)に示す構成の装置におい
て、精錬容器6として石英るつぼを用いた。これに原料
金属シリコン30kgを挿入し、炉体内部を大気圧のA
rガスで置換した後、プラズマ・トーチ5を介してプラ
ズマ・ジェット3を照射して、原料の金属シリコンを溶
解した。原料シリコンの完溶を確認した後、ガス導入管
10を封じ、排気管11より真空ポンプ(図示せず)を
用いて10-2Torrまで排気し、この雰囲気下で溶融
シリコンを1800℃×3時間保持した。その後、真空
ポンプを停止し、ガス導入管10からArガスを導入し
て、るつぼ内の圧力を大気圧に戻し、プラズマ・ジェッ
ト3に水蒸気10体積%、水素10体積%を添加して、
温度を1650℃×3時間保持した。その後、溶融シリ
コンを凝固させることなくるつぼ6を傾動させて、黒鉛
鋳型22中に溶融シリコンを注湯し、不活性雰囲気で2
時間保持した後、鋳型底から上方へ向かって1mm/m
inの速度で一方向凝固させて、精製シリコン・インゴ
ットを作製した。 (実施例2)実施例1と同様の構成の装置において、精
錬容器6として石英るつぼを用いた。これに原料金属シ
リコン30kgを挿入し、炉体内部を大気圧のArガス
で置換した後、プラズマ・トーチ5を介しプラズマ・ジ
ェット3を照射して、原料の金属シリコンを溶解した。
原料シリコンの完溶を確認した後、プラズマ・ジェット
3に水蒸気10体積%、水素10体積%を添加して、温
度を1650℃×3時間保持した。その後、水蒸気及び
水素の添加を停止して、ガス導入管10を封じて排気管
11より真空ポンプ(図示せず)を用いて10-2Tor
rまで排気し、この雰囲気下で溶融シリコンを1800
℃×3時間保持した。その後、溶融シリコンを凝固させ
ることなくるつぼ6を傾動させ、別に用意した黒鉛鋳型
22中に溶融シリコンを注湯し、その後実施例1と同様
の方法で、精製シリコン・インゴットを作製した。 (実施例3)実施例1と同様の構成の装置及び条件によ
って、精製シリコン・インゴットを作製した。ただし、
精錬容器内で溶融シリコンを保持する間は、高周波誘導
コイル18に50kWの電力を投入した。 (実施例4)実施例1と同様の構成の装置及び条件によ
って、精製シリコン・インゴットを作製した。ただし、
精錬容器内で溶融シリコンを保持する間は、高周波誘導
コイル18に替えて円筒型の黒鉛製電熱ヒータを配置
し、精製容器6中で溶融シリコンを保持する間は、この
電熱ヒータに60kWの電力を投入した。 (実施例5)実施例1と同様の構成の装置及び条件によ
って、精製シリコン・インゴットを作製した。ただし、
高さ80%まで一方向凝固が完了した時点で、不純物元
素が濃化した液相を鋳型外に排出した。 (実施例6)図1(b)に示す構成の装置において、精
錬容器6として内面に窒化珪素粉末を塗布した黒鉛鋳型
を用いた。これに原料金属シリコンを30kgを挿入
し、実施例1と同様の条件で真空処理及び酸化処理を行
った。その後、プラズマ・トーチ5を鋳型上部から移動
させ、鋳型底部に設けた水冷チラー15の冷却能力と鋳
型上面の電熱ヒータ16のパワーの調整によって溶融シ
リコンを鋳型底部から上方へ向かって1mm/minの
速度で一方向凝固させて精製シリコン・インゴットを作
製した。 (実施例7)図2に示す構成の装置において、精錬容器
6として向かって1mm/minの速度で一方向石英る
つぼを用いた。これに原料金属シリコンを30kgを挿
入し、石英製の蓋8をシリカ質接着剤で石英るつぼの上
端に固定した。その後、ガス導入管10を封じて排気管
11より真空ポンプ(図示せず)を用いて10-2Tor
rまで排気した後プラズマ・トーチ5を介しプラズマ・
ジェット3を照射して原料の金属シリコンを溶解した。
この後実施例1と同様の条件で真空処理、酸化処理を行
い、実施例1と同様の方法で一方向凝固を行って、精製
シリコン/インゴットを作製した。
【0023】各実施例にて作製した多数のインゴットの
凝固方向長さの1/2の位置から、試料を切り出して不
純物分析を行った。その結果を表1に併せて示す。ま
た、表2には、本発明の方法において、精製シリコン・
インゴットの製造に要した時間及び電力量を示した。表
1及び表2から、本発明の方法及び装置により、従来の
2回凝固法に比較して短時間かつ低電力原単位で同等の
純度の精製シリコン・インゴットが得られることがわか
る。
【0024】
【表1】
【0025】
【表2】
【0026】
【発明の効果】以上述べたように、本発明により、金属
シリコンの精製時間が短縮され、シリコン歩留及び生産
性の向上が達成できた。また、熱量原単位、すなわち電
力原単位も低下させることができた。従って、太陽電池
用シリコン製造の低コスト化が可能となり、太陽電池の
利用範囲を大きく進展させることができるので、社会的
に多大な貢献をもたらすと期待できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係るシリコンの精製装置を示す縦断面
図である。
【図2】本発明に係るシリコンの精製装置の別態様を示
す縦断面図である。
【図3】従来のシリコンの精製方法を示すフロー・シー
トである。
【図4】本出願人が、先に提案しているシリコンの精製
方法を示すフロー・シートである。
【図5】図4を装置で表示した図である。
【図6】本発明に係るシリコンの精製方法を示すフロー
・シートである。
【符号の説明】
1 金属シリコン(溶湯) 2 電子ビーム 3 プラズマ・ガス(又はアーク) 4 電子銃 5 プラズマ・トーチ 6 精錬容器(鋳型も兼ねることあり) 7 酸化性ガス 8 蓋 9 空間部 10 ガス導入管 11 排気管 12 電源 13 電極 14 ウエハ(基板) 15 水冷チラー 16 電熱ヒータ 17 鋳型 18 高周波誘導コイル(又は電気抵抗) 19 原料供給シュート 20 インゴット(鋳塊) 21 減圧室 22 鋳型
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 花澤 和浩 千葉県千葉市中央区川崎町1番地 川崎製 鉄株式会社技術研究所内 (72)発明者 馬場 裕幸 千葉県千葉市中央区川崎町1番地 川崎製 鉄株式会社技術研究所内 (72)発明者 湯下 憲吉 千葉県千葉市中央区川崎町1番地 川崎製 鉄株式会社技術研究所内 (72)発明者 阪口 泰彦 千葉県千葉市中央区川崎町1番地 川崎製 鉄株式会社技術研究所内 (72)発明者 加藤 嘉英 千葉県千葉市中央区川崎町1番地 川崎製 鉄株式会社技術研究所内

Claims (10)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 金属シリコンから真空精錬でPを揮発除
    去し、次いで酸化精錬でB、Cを除去した後、脱O及び
    凝固精製を行ってFe、Al、Ti、Caを除去する太
    陽電池用シリコンの精製方法において、 前記金属シリコンの加熱をプラズマ・アーク又はプラズ
    マ・ジェットで行い、前記真空精錬と酸化精錬を順次行
    うことを特徴とする太陽電池用シリコンの精製方法。
  2. 【請求項2】 引き続き、脱O及び凝固精製をも行うこ
    とを特徴とする請求項1記載の太陽電池用シリコンの精
    製方法。
  3. 【請求項3】 前記真空精錬と酸化精錬を逆順とするこ
    とを特徴とする請求項1又は2記載の太陽電池用シリコ
    ンの精製方法。
  4. 【請求項4】 出発原料としての金属シリコンのFe及
    びAl含有量が1000ppm未満であることを特徴と
    する請求項1〜3いずれかに記載の太陽電池用シリコン
    の精製方法。
  5. 【請求項5】 前記金属シリコンの加熱に、高周波誘導
    加熱又は電気抵抗加熱を併用することを特徴とする請求
    項1〜4いずれかに記載の太陽電池用シリコンの精製方
    法。
  6. 【請求項6】前記凝固精製を実施するに際し、凝固後半
    時の不純物元素が濃化した溶湯を、前記精錬容器から排
    出することを特徴とする請求項1〜5いずれかに記載の
    太陽電池用シリコンの精製方法。
  7. 【請求項7】 金属シリコンを保持する精錬容器と、該
    精錬容器の上部を覆い外気を遮断する蓋と、該蓋と溶湯
    面に形成された空間の排気に使用する排気管と、該空間
    にガスを導入するガス導入管と、この蓋の天井に取付け
    られ該金属シリコンの溶解、加熱にプラズマ・アーク又
    はジェットを供給するプラズマ・トーチとからなる太陽
    電池用シリコンの精製装置。
  8. 【請求項8】 前記精錬容器を囲み、該容器内の溶湯を
    加熱する高周波誘導コイル又は電気抵抗ヒータを備えた
    ことを特徴とする請求項7記載の太陽電池用シリコンの
    精製装置。
  9. 【請求項9】 前記精錬容器を傾動自在とし、その横側
    に該精錬容器からの溶湯を受ける鋳型を備えたことを特
    徴とする請求項7又は8記載の太陽電池用シリコンの精
    製装置。
  10. 【請求項10】 前記精錬容器内の溶湯をそのまま一方
    向凝固させるよう、該容器の底部に水冷チラー、上方に
    凝固時に使用する加熱手段を備えたことを特徴とする請
    求項8又は9記載の太陽電池用シリコンの精製装置。
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