JP5099774B2 - シリコンの精製方法及び精製装置 - Google Patents
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特に、太陽電池用シリコンに対する純度の要求は、Si:99.9999%以上(6N)以上であることから、純度に関する要求は比較的低いが(Solar Grade Silicon: SOG-Si)、その構成上大面積であって、コスト低減が大きな課題とされる。
これらの出発原料とされる冶金的に製造された市販の金属シリコンは、純度99.5%程度(MG−Si)であって、多くの不純物を含むため多くの精製過程が必要であるが、これら不純物の内、アルミニウム、鉄、チタン等は、固液分配係数の差を利用した一方向性凝固法による除去が可能であり、炭素については炭化ケイ素の形態であれば、溶融凝固時に表面に浮上して分離され、炭素単体の状態であれば酸化除去されるなど、比較的容易に除去することができる。
これに対して、リン及びホウ素はこれらの手法を始め、冶金的手法による除去が困難であり、高温処理に伴ってエネルギー投入量がかさむのみでなく、処理過程における損失量が大きく、高純度化の達成と共にコスト低減と効率向上が課題とされている。
第一回「エネルギー使用合理化シリコン製造プロセス開発」(事後評価)分科会、資料6−2、平成13年12月21日、新エネルギー・産業技術総合開発機構(NEDO)太陽・風力技術開発室太陽電池用原料技術研究組合(SOGA)
図7において、真空チャンバー101中の保持容器(ハース)103中の供給ホッパー102から供給した原料シリコンを電子銃104により加熱して溶解する。このときの加熱温度においてリンの蒸気圧はシリコンよりも高いため、リンは溶融面より速やかに蒸発して除去される。
リン除去後のシリコンは、一方向性凝固用鋳型106に供給されて上方より電子銃により加熱されつつ下方から凝固し、不純物の濃縮した末端を切り捨てて精製シリコンを得る。
次に、上記の工程で得られたシリコンを図8に示すようにチャンバー111内の保持容器113に供給してプラズマトーチ114により水蒸気添加プラズマアーク加熱、或いは低圧酸素プラズマアーク加熱を行ってボロンを酸化し、高温における酸化ホウ素の蒸気圧がシリコンのそれよりも高いことを利用して酸化ホウ素を溶融表面から蒸発除去させる。
ボロンの除去後のシリコンは、前記と同様にして一方向凝固鋳型116に供給して上面を加熱して溶融状態を保持しつつ凝固させて、最後に不純物の濃縮された末端を切り捨てて高純度精製シリコンを得る。
このように太陽電池用規格に適合する高純度シリコンの製法が開発されているが、これらの各工程において投入エネルギー量がすこぶる大きく、またシリコンの損失が著しいことが明らかとなっている。
ところで電子ビーム照射によりシリコンを溶解すると、溶湯表面からの加熱であるため溶解したシリコンはハースの器壁に触れて冷却されて直ちに凝固して凝固層(スカル)を形成する。この現象は、水冷銅ハースであっても、黒鉛ハースであっても本質的に避けられない。
これら凝固層の存在は精製反応の障害になり、また、精製過程が進行して不純物濃度が低下するとこれらからの拡散や部分的な溶解によりこれら不純物の供給源となる。このため、電子ビーム照射の強度を高めて溶融シリコンの温度を上昇させ、スカルの厚さを抑制する。しかしながら、電子ビーム照射のような溶湯表面を加熱する手段によって溶融シリコンの温度を上げると、同時に溶湯表面温度が著しく上昇するためシリコンの蒸発を招き、その損失は20%以上にも達することがある。
さらに、これらの蒸発による不純物の除去過程は、溶湯表面からの蒸発によるため溶湯内の不純物の溶湯表面への移動が律速過程とされるが、溶湯内の自然対流が不十分なため、リンなどの不純物が反応域である溶湯表面へ移動する作用は拡散作用などによるところが大きくなって、不純物除去過程が抑制されてしまう。このため、溶湯容器の水平回転や超音波による撹拌が提案されているが、溶湯内部からその表面方向に向かう溶湯の撹拌ができないため上記の問題は解消できない。
また、ボロンの除去過程においても、上記のリン除去の場合と同様の凝固層によるスカル形成が生じる。
上記のボロン除去過程では、プラズマアーク加熱と酸素雰囲気制御によって、ボロンの酸化とボロン酸化物の蒸発を行うが、シリコンの酸化によって生じる酸化シリコンが溶湯表面を覆うにつれて脱ボロン過程の進行が阻害され、このため、これらの高温度下のボロンの除去過程は、目的とするボロン除去を達成するためには十分な処理時間を必要とし、加熱のための投入エネルギー量がかさむばかりでなく、酸化や蒸発によるシリコンの損失も大きく、投入原料の40%以上にも達する。
したがって、ボロンの除去過程においても、溶湯中のボロンが反応域である溶湯表面に速やかに移動することが必要であり、同時に溶湯表面のシリコン酸化物層を除去してボロンの酸化及び蒸発が速やかに行われる条件を達成すること、またPの除去過程と同様に凝固層をチャンバー内雰囲気に露出して効率よく溶解および酸化反応を行わせることが必要である。
溶融シリコンの収容容器を相互に異なる方向に傾動、又は前記容器を傾斜させた状態で回転、又は前記傾動と回転を組み合わせた動作により容器内の溶湯を移動させて撹拌させることにより溶湯表面の蒸発及び又は反応を促進することを特徴とするシリコンの精製方法であり、
さらに、これらの動作により該容器内壁に形成される凝固層をこれら雰囲気中に露出させ、電子ビーム照射等の加熱手段により溶解させつつこれら凝固層の露出領域より流動させて溶解面をこれらの雰囲気に暴露することを特徴とする、シリコンの精製方法であり、これらの精製方法において上記雰囲気が真空であり、加熱手段が電子ビームであって、不純物の蒸気圧がシリコンよりも高いものであり、上記不純物がリンであることを特徴とする。
また、上記雰囲気が真空下に適用される酸素ラジカルであり、該酸素と反応した不純物酸化物の蒸気圧がシリコンよりも高いものであり、上記不純物がボロンであることを特徴とする。
または、上記酸化物の蒸気圧がシリコンよりも高い不純物の酸化において、水蒸気添加によるプラズマアーク又は低圧酸素プラズマアークによる加熱・酸化とその除去を行い、該不純物がボロンであり、これらの真空及び反応雰囲気中で不純物を蒸発又は反応させて除去する処理後、一方向性凝固法による精製を行う。
真空チャンバー、
該チャンバー内に配置された精製容器、
該精製容器内のシリコンを加熱・溶解する手段 、及び、
溶湯を排出することなく、相互に異なる方向に傾動、又は前記容器を傾斜させた状態で回転、又は前記傾動と回転を組み合わせた動作により該精製容器内の溶湯を移動させて撹拌する傾動、又は回転、又は傾動・回転装置、
からなるシリコン中の不純物を溶融シリコンから気化・除去することを特徴とするシリコンの精製装置であり、
さらに、上記動作により、上記精製容器内壁に形成された凝固層を溶湯面から露出せしめ、
上記加熱手段が電子ビーム照射装置であり、
溶融シリコン中の蒸気圧がシリコンよりも高い不純物を真空雰囲気中で気化・除去し、
さらに、シリコン中の不純物の酸化物の蒸気圧がシリコンよりも高い不純物の酸化手段として酸素ラジカル供給装置を設けて、これらを気化・除去するシリコン精製装置であり、
上記蒸気圧がシリコンよりも高い不純物がリンであり、上記酸化物の蒸気圧がシリコンよりも高い不純物がボロンであり、
これらの精製装置の後に一方向性凝固による精製装置を設けたシリコン精製装置である。
真空チャンバー、
該チャンバー内に配置された精製容器、
電子ビーム照射装置 、及び、
溶湯を排出することなく、相互に異なる方向に傾動、又は前記容器を傾斜させた状態で回転、又は前記傾動と回転を組み合わせた動作により該精製容器内の溶湯を移動させて撹拌する傾動、又は回転、又は傾動・回転装置、
からなる蒸気圧がシリコンよりも高い不純物の精製装置、及び
大気を遮断するチャンバー、
該チャンバー内に配置された精製容器、
溶湯を排出することなく、相互に異なる方向に傾動、又は前記容器を傾斜させた状態で回転、又は前記傾動と回転を組み合わせた動作により該精製容器内の溶湯を移動させて撹拌する傾動、又は回転、又は傾動・回転装置
及び水蒸気添加プラズマアーク又は低圧酸素プラズマアーク発生装置、
からなる不純物の酸化物の蒸気圧がシリコンよりも高い不純物の精製装置、
とからなるシリコン精製装置であり、
さらに、上記動作により、上記精製容器内壁を溶湯面から露出せしめ、
上記蒸気圧がシリコンよりも高い不純物がリンであり、上記酸化物の蒸気圧がシリコンよりも高い不純物がボロンであり、
これらの精製装置の後に一方向性凝固による精製装置を設けたシリコン精製装置である。
図1は、本発明の精製装置の1実施例であって、真空チャンバー11内に配置された精製容器(水冷双方向傾動ハース)13に原料シリコンを供給して、電子ビーム14により加熱・溶解する。
ハース13は、図示しない傾動装置により回動軸18の廻りに図の左右双方向に交互に傾動し、一定角度傾いて内部の溶湯を移行させつつ脱リン過程を行う。
真空チャンバー内は、図示しない真空排気装置により10-3〜10―5Paの真空雰囲気に維持され、溶融シリコンから蒸発したリンは速やかに系外に排出される。
ハース13中に供給された原料シリコンに対して電子ビーム照射を行って加熱溶解すると、溶融したシリコンがハース底に溶湯21となって貯まるとともに水冷ハース内壁にシリコンが凝固してスカル22を形成する。
ハース内のシリコンが溶解されてリンの蒸発による精製過程が開始されると溶融シリコン内のリンは真空雰囲気中で溶融面から蒸発し、溶融シリコン中のリン濃度は低下するが、固相のスカル中のリンは固定されてほとんどこの精製過程に加わらない。
そこで、ハースを傾動軸18の廻りに矢印のように一方向に傾動させると、高く上がった側のハース内壁面の凝固層からなるスカルが溶湯(溶融体)から露出して、真空雰囲気中に暴露される(図c)。
そして、電子ビームの照射を直接受けて溶解したシリコンは、溶解面上を流下して反対側に貯留されるシリコン溶湯に向けて流れ込む。この過程で、電子ビーム照射に晒されるスカル表面では電子ビームの加熱に伴って溶解するシリコン層が更新されて常に新たな溶解面を露出して真空雰囲気中に暴露するため、リンはその表面から速やかに蒸発して除去される。
このスカル溶解過程は、スカルが溶解してハース壁面からの冷却と電子ビーム加熱とが平衡するまで進行する。
一方、電子ビームによる溶解と真空雰囲気中のリンの蒸発が同時に進行するスカルの暴露面は、最も活発、かつ効果的に脱リン過程が進行する領域となる。
一方、スカルが溶解されて流入する溶湯側は、これらの溶融シリコンの流入とハースの交互傾動によって、溶湯内は一様に撹拌されるため溶湯内のPは溶融シリコンと共に溶湯表面に輸送され、真空雰囲気中に暴露されて蒸発することができる。
図3に示すようにハース中のシリコンを電子ビーム加熱により溶解した状態では、溶湯21下方ではハース内面に凝固層からなるスカル22が形成され、また、溶湯表面に対する不純物の移動は主として拡散Dによることとなる。
これに対して、図4に示すようにハースを傾動して溶湯21面から凝固したスカル22を露出するとこれらのスカル表面が電子ビーム照射に直接晒されて溶解し、傾斜に沿って矢印F2のように流下し、上記した如く効果的に脱リンが行われ、真空雰囲気に晒されて脱リン過程が新たな溶解面で進行する。
一方、流下した溶融シリコンは溶湯21中に流れ込む。
傾動操作によって溶湯21は、ハースの他方側に向けて流動して矢印F1のように強く撹拌されて溶湯内部から表面に向かう撹拌流を形成する。また、上記の溶湯に流れ込む溶融シリコンも、流入に伴って撹拌作用を行うため、溶湯内の不純物は溶湯表面に向けて効果的に移動し、これら表面における反応過程が促進される。
すなわち、本発明による精製方法によれば、真空雰囲気中に露出させたスカルから効率良く不純物の除去が行われると同時に、溶湯からも不純物除去が効果的に行われるようになる。
以上のリンの除去過程では、スカルを直接電子ビームの照射に晒して溶解するため、前記の従来のように溶湯表面を過剰に加熱する必要はなく、溶湯表面温度が脱リン過程で必要とする温度域に抑制される。
その結果、シリコンの蒸発が抑制されると共に加熱のための投入エネルギーも低く抑制でき、また、チャンバー内の蒸発シリコンによる汚染やハースの消耗も抑制される。
これらの過程における反応条件は、シリコンの融点が1410℃、一方リンは1300℃以上で気化、蒸発するから溶湯の温度を1600℃程度まで上げれば溶融シリコン表面からの脱リン過程は速やかに進行し、リンと同様にこれらの温度域で気化しやすい元素も除去される。
上記した過程によってリンを除去されたハース13内の溶融シリコンは、次に図5に示すボロンの除去処理が行われる。
ボロンの除去過程においても、双方向傾動ハースを用いる点でリンの精製過程と共通するが、この過程においては、真空チャンバー内に電子ビーム加熱装置と併設された酸素ラジカルを発生・供給する装置(酸素ラジカルガン)17を作動させて、ボロンの酸化処理を行い、酸化ボロンとしてボロンの蒸発・除去が行われる。
ボロン単体の蒸気圧は低いため、溶融シリコン中からのボロンの除去は、リンの除去と違って、単純に真空中に溶湯を暴露することによって蒸気圧の差によって、除去することは出来ない。従って、溶融シリコン中のボロンを酸化して、B2O3をはじめとする、蒸気圧の大きい各種酸化ボロンの形で気化・除去することが行われる。
従来、特許文献2および非特許文献2で開示・報告されているごとく、H2OまたはCO2等を添加した熱プラズマにより、ボロンの酸化および蒸発処理が行われているが、溶湯表面が酸化シリコン(SiO2)膜で覆われ、ボロンの酸化反応速度が低下するために、ボロン除去の処理時間が大きくなるという生産上の問題を抱えていた。
一方、シリコン自体もSiO等の形で気化してロスとなるため、処理時間の増大と共にロスも増加するという問題も併せ持っていた。
「溶融シリコン中のりんおよびボロンの蒸発除去」、日本金属学会誌 第54巻 第2号(1990)161-167
また、非特許文献2に報告されている通り、約1350℃以上でシリコンよりもボロンが優先的に酸化されるので、ここでは1600〜2300℃の比較的高温で処理を行う。これにより酸化ボロンの気化を促進すると同時に、シリコン表面に発生する酸化シリコン(SiO2)をSiOの形にして気化させている。ここで、気化されるSiOはシリコンのロスとはなるが、活性力の強い酸素ラジカルによる、スカル溶解面での反応であることの相乗効果により、極めて短時間に脱ボロン処理が行われるため、シリコンのロスを最小限に抑えることができる。
また、上記実施例では、脱リン過程と脱ボロン過程とを同一の双方向傾動ハースで行っているが、同一チャンバー内に別個の傾動ハースを設けて脱リン過程の終了した溶湯をこの傾動ハースに移して脱ボロン過程を行わせるようにしてもよい。
これら脱リン及び脱ボロン過程において、それぞれシリコンよりも蒸気圧の高い元素及びその酸化物に蒸気圧がシリコンよりも高い元素が除去されるが、これらの過程後、一方向凝固法によりさらにそのほかの不純物を除去して、高純度シリコンとする。
本願発明のこれらの過程において、前述の公知文献に報告された純度達成が見積もられるが、なおこれらの反応過程の特徴から、さらに高純度のシリコン精製が可能である。
したがって、上記の例ではハース中央の軸心廻りに双方向に傾動する水冷ハースを用いたが、ハース一端側の傾動軸に対する傾動操作でもその角度を変えて溶湯の貯留部間で交互に溶湯を移動させてその都度一方の溶湯凝固層を露出させたり、傾斜したハースを回転させてその回転によって溶湯を貯留していたハース底や側壁面を溶湯域から露出させたり、あるいはさらにこれに傾動動作を加えて撹拌作用を強化して反応を促進することも可能である(図6参照。)。
また、これらの例ではシリコンの溶解容器として水冷銅製ハースを挙げたが、処理対象とするシリコンに対して上記した脱リン及び脱ボロンの過程を行うことができればよいのであって、黒鉛などの材質を用いることが可能であり、またその形状、構造も問わない。
脱リン及び脱ボロン工程の後に、それぞれ一方向凝固精製過程を示したがこれらの精製過程は、一方向凝固によるもののほか精製過程帯域溶融法など公知の手段に代替、或いは必要とする過程に組み合わせて適用することが可能である。
13 水冷ハース
14 電子ビーム照射装置
15 電子ビーム照射装置
16 一方向凝固精製装置
18 ハース双方向傾動軸
17 ラジカル酸素発生装置
17a ラジカル酸素
19 回転軸
31 シリコン溶湯
32 スカル
101 真空チャンバー
102 原料シリコン供給装置
103 シリコン精製容器
104 電子ビーム照射装置
105 電子ビーム照射装置
106 一方向凝固精製装置
111 真空チャンバー
112 原料シリコン供給装置
113 シリコン精製容器
114 低圧酸素プラズマ加熱装置
115 電子ビーム照射装置
116 一方向凝固精製装置
D 溶湯中の拡散による不純物の移動方向。
F1,F1 本発明における溶湯の流動と撹拌流。
Claims (20)
- 溶融シリコンを真空又は反応性雰囲気中で不純物を蒸発、反応させて除去する処理において、
溶融シリコンの収容容器を、溶湯を排出することなく、相互に異なる方向に傾動、又は前記容器を傾斜させた状態で回転、又は前記傾動と回転を組み合わせた動作により容器内の溶湯を移動させて撹拌させることにより、溶湯表面からの不純物の蒸発、反応を促進することを特徴とするシリコンの精製方法。 - 溶融シリコンを真空又は反応性雰囲気中で不純物を蒸発させて除去する処理において、
溶融シリコンの収容容器を、溶湯を排出することなく、相互に異なる方向に傾動、又は前記容器を傾斜させた状態で回転、又は前記傾動と回転を組み合わせた動作により容器内の溶湯を移動させて撹拌させることにより、溶湯表面の蒸発及び又は反応を促進すると共にこれらの動作により該容器内壁に形成される凝固層をこれら雰囲気中に露出させ、電子ビーム照射等の加熱手段により溶解させつつこれら凝固層の露出領域より流動させて溶解面をこれらの雰囲気に暴露して不純物の蒸発、反応を促進することを特徴とする、シリコンの精製方法。 - 上記雰囲気が真空であり、
上記加熱手段が電子ビームであって、蒸気圧がシリコンよりも高い不純物を蒸発させることを特徴とする請求項1又は2記載のシリコンの精製方法。 - 上記不純物がリンであることを特徴とする請求項3記載のシリコンの精製方法。
- 上記雰囲気が真空であり、
上記加熱手段が電子ビームであって、酸素ラジカルにより、酸化物の蒸気圧がシリコンよりも高い不純物の酸化を行って蒸発させることを特徴とする請求項1又は2記載のシリコンの精製方法。 - 上記不純物がボロンであることを特徴とする請求項5記載のシリコンの精製方法。
- 真空雰囲気中で蒸気圧がシリコンよりも高い不純物の蒸発除去を行い、次いで
酸素ラジカルによってその酸化物の蒸気圧がシリコンよりも高い不純物の酸化、蒸発除去を行うことを特徴とする請求項1又は2記載のシリコンの精製方法。 - 上記蒸気圧がシリコンよりも高い不純物がリンであり、
上記酸化物の蒸気圧がシリコンよりも高い不純物がボロンであることを特徴とする請求項7記載のシリコン精製方法。 - 水蒸気添加プラズマアーク又は低圧酸素プラズマアークによりシリコンの加熱及び酸化物の蒸気圧がシリコンよりも高い不純物の酸化を行って、蒸発、除去させることを特徴とする、請求項1又は2記載のシリコンの精製方法。
- 上記不純物がボロンであることを特徴とする請求項9記載のシリコンの精製方法。
- 溶融シリコンからの不純物の除去過程後、一方向性凝固法による精製を行うことを特徴とする請求項7乃至10記載の何れかに記載のシリコンの精製方法。
- 真空チャンバー、
該チャンバー内に配置された精製容器、
該精製容器内のシリコンを加熱・溶解する手段 、及び、
溶湯を排出することなく、相互に異なる方向に傾動、又は前記容器を傾斜させた状態で回転、又は前記傾動と回転を組み合わせた動作により該精製容器内の溶湯を移動させて撹拌する傾動、又は傾斜回転、又は傾斜回転・傾動装置、
からなり、シリコン中の不純物を溶融シリコンから蒸発、除去するシリコンの精製装置。 - 上記動作により上記精製容器内壁に形成された凝固層を溶湯面から露出せしめることを特徴とする請求項12記載のシリコン精製装置。
- 上記加熱手段が電子ビーム照射装置であることを特徴とする、
請求項12又は13記載のシリコン精製装置。 - 酸化物の蒸気圧がシリコンよりも高い不純物を酸化させる酸素ラジカル供給装置を設けたことを特徴とする、
請求項14記載のシリコン精製装置。 - 上記チャンバー内において、上記精製容器、上記加熱・溶解する手段、及び上記該精製容器の傾動、又は傾斜回転、又は傾斜回転・傾動装置を、
蒸気圧がシリコンよりも高い不純物の除去過程、及びそれに続いて行う酸化物の蒸気圧がシリコンよりも高い不純物の除去過程に従ってそれぞれ別個に配置し、
該加熱・溶解する手段が電子ビーム照射装置であり、さらに酸化物の蒸気圧がシリコンよりも高い不純物の除去過程のための精製容器に対して酸素ラジカル供給装置を設けたことを特徴とする、請求項12または13記載のシリコン精製装置。 - 真空チャンバー、
該チャンバー内に配置された精製容器、
該精製容器内のシリコンを加熱・溶解する電子ビーム照射装置、及び、
溶湯を排出することなく、相互に異なる方向に傾動、又は前記容器を傾斜させた状態で回転、又は前記傾動と回転を組み合わせた動作により、該容器内の溶湯を移動させて撹拌する傾動、又は傾斜回転、又は傾動回転装置を具えた、シリコンよりも蒸気圧の高い不純物の精製装置、及び
大気を遮断するチャンバー、
該チャンバー内に配置された精製容器、
水蒸気添加プラズマアーク又は低圧酸素プラズマアーク発生装置、及び、
溶湯を排出することなく、相互に異なる方向に傾動、又は前記容器を傾斜させた状態で回転、又は前記傾動と回転を組み合わせた動作により、該容器内の溶湯を移動させて撹拌する傾動、又は傾斜回転、又は傾動回転装置を具えた、
酸化物の蒸気圧がシリコンよりも高い不純物を酸化、除去するシリコン精製装置、
を組み合わせたことを特徴とするシリコンの精製装置。 - 上記動作により、上記各精製装置の精製容器内壁に形成された凝固層を溶湯面から露出せしめることを特徴とする請求項12乃至17の何れかに記載のシリコンの精製装置。
- 上記の蒸気圧がシリコンよりも高い不純物がリンであり、酸化物の蒸気圧がシリコンよりも高い不純物がボロンであることを特徴とする請求項16乃至18記載の何れかに記載のシリコン精製装置。
- 各精製装置の後に一方向性凝固による精製装置を設けたことを特徴とする請求項15乃至19記載の何れかに記載のシリコン精製装置。
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