WO2010018849A1 - シリコンの精製方法 - Google Patents

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Abstract

 このシリコンの精製方法は、金属シリコンからなる出発原料である母材(20a)を黒鉛坩堝(5)中に装填し、酸性の不活性ガス雰囲気(8)中に配置された前記母材を全て加熱溶解し、溶解された前記母材(20b)を前記黒鉛坩堝(5)中に保持することによって前記母材(20b)を酸化精製し、前記酸化精製された前記母材(20c)を水冷坩堝(10)中に装填し、高真空雰囲気(12)中に配置された前記母材(20c)を全て溶解した後に徐々に凝固させて未凝固部(20f)を除去し、前記高真空雰囲気(12)中に配置され、かつ、前記未凝固部(20f)が除去された母材(20e)を全て溶解して前記水冷坩堝(10)中に保持する。

Description

シリコンの精製方法
 本発明は、出発原料として金属シリコン材料(金属シリコンからなる母材)を使用するシリコンの精製方法に関し、特に太陽電池材料として適した、リン(P),酸素(O),ホウ素(B),炭素(C),鉄(Fe),アルミニウム(Al),カルシウム(Ca),及びチタン(Ti)等の不純物含有量が少ない高純度シリコンを精製可能なシリコンの精製方法に関する。
 本願は、2008年8月15日に出願された特願2008-209218号に基づき優先権を主張し、その内容をここに援用する。
 従来のシリコン精製方法として、例えば、以下に述べる方法が知られている(特許文献1参照)。
 この方法においては、出発原料として所定純度の金属シリコン材料(金属シリコンからなる母材)を用意(図3BのステップS11参照)し、まず、減圧精製を実施して、この金属シリコン材料を真空精錬することによって、上記金属シリコン材料に含有されている不純物であるPを揮発除去する(図3BのステップS12参照)。次に、酸化精製を実施して、上記減圧精製した金属シリコンに含まれているB又はCを除去し(図3BのステップS14参照)する。次に、再度減圧精製を実施して、上記酸化精製した金属シリコンに含まれているOを除去し(図3BのステップS15参照)する。次に、凝固精製(溶湯部を一方向に凝固させて残った溶湯部を鋳造除去)を実施して、上記Oを除去した金属シリコンに含有さているFe,Al,Ca等の金属不純物を除去する(図3BのステップS16参照)。
 しかしながら、太陽電池の製造に使用するシリコンにおいては、低不純物濃度が要求され、例えばFe,Al,Ca,Ti,Pの不純物濃度のいずれもが0.1ppm未満である必要がある。
 このため、出発原料の不純物濃度によっては、上記従来のシリコン精製方法では、このような条件を満たす高純度なシリコンが得られない場合がある。
 太陽電池の製造等に使用するための高純度シリコンを精製する従来のシリコン精製方法として、例えば、以下に述べる方法が知られている(特許文献2参照)。
 この方法においては、出発原料として所定純度の金属シリコン材料(金属シリコンからなる母材)を用意し(図3BのステップS11参照)し、まず、減圧精製を実施して、この金属シリコン材料を真空精錬することによって、上記金属シリコン材料に含有されている不純物であるリンを揮発除去する(図3BのステップS12参照)。次に、凝固精製(溶湯部を一方向に凝固させて残った溶湯部を鋳造除去)を実施して、上記減圧精製した金属シリコンに含有さているFe,Al,Ca等の金属不純物を除去する(図3BのステップS13参照)。次に、酸化精製を実施して、上記凝固精製した金属シリコンに含まれているB又はCを除去し(図3BのステップS14参照)する。次に、再度減圧精製を実施して、上記酸化精製された金属シリコンに含まれているOを除去する(図3BのステップS15参照)。最後に、再度凝固精製を実施して、金属不純物を除去する(図3BのステップS16参照)。
 なお、従来の上記凝固精製方法としては、例えば、電子ビーム溶解炉の水冷坩堝の中に原料金属を投入し、上記原料金属の全面に電子ビームを照射して全体を溶融したあと、偏向コイルを制御して電子ビームの照射範囲を狭くしていく方法が知られている(特許文献3参照)。
特開平10-182134号公報 特開2000-327488号公報 特許第3848816号公報
 しかしながら、上記従来のシリコン精製方法では、時間のかかる減圧精製が2回必要であり、さらに高純度のシリコンを確実に精製するためには時間のかかる凝固精製が2回必要であるため、工程数が多くなり、シリコンを精製するのに要する時間が長くなるという問題があった。
 出発材料として、不純物濃度が極めて低い金属シリコン材料を使用すれば、1回の凝固精製で高純度なシリコンを得られるが、この場合には、出発原料にかかるコストが高くなる。
 本発明は、上記の従来の課題を解決するためになされたものであって、金属シリコン材料の精製時間を短縮でき、かつ低コストで高純度なシリコンを精製可能なシリコンの精製方法を提供することを目的とする。
 本発明のシリコンの精製方法は、金属シリコンからなる出発原料である母材を黒鉛坩堝中に装填し、酸性の不活性ガス雰囲気中に配置された前記母材を全て加熱溶解し、溶解された前記母材を前記黒鉛坩堝中に保持することによって前記母材を酸化精製し(酸化精製工程)、前記酸化精製された前記母材を水冷坩堝中に装填し、高真空雰囲気中に配置された前記母材を全て溶解した後に徐々に凝固させて未凝固部を除去し(凝固精製工程)、前記高真空雰囲気中に配置され、かつ、前記未凝固部が除去された母材を全て溶解して前記水冷坩堝中に保持する(減圧精製工程)。
 本発明のシリコンの精製方法においては、前記出発原料にはリン(P),鉄(Fe),アルミニウム(Al),及びカルシウム(Ca)が含まれており、リンの濃度は25ppm以下であり、鉄の濃度は890ppm以下であり、アルミニウムの濃度は960ppm以下であり、カルシウムの濃度は150ppm以下であることが好ましい。
 本発明のシリコンの精製方法においては、前記出発原料にはリン(P),鉄(Fe),アルミニウム(Al),及びカルシウム(Ca)が含まれており、リンの濃度は25ppm以下であり、鉄の濃度は350ppm以下であり、アルミニウムの濃度は260ppm以下であり、カルシウムの濃度は7ppm以下であることが好ましい。
 本発明のシリコンの精製方法においては、前記出発原料は、粉状の金属シリコンであることが好ましい。
 本発明のシリコンの精製方法における酸化精製工程においては、水蒸気を添加したArガス雰囲気中に前記母材を配置し、プラズマアークを用いて前記母材を加熱し溶解することにより溶湯部を得て、前記溶湯部を所定時間加熱し続け、少なくともホウ素(B)及び炭素(C)を除去することが好ましい。
 本発明のシリコンの精製方法における凝固精製工程においては、前記塊状の母材を高真空雰囲気中に配置し、この母材の全域に亘って前記電子ビームを照射して、前記母材を全て溶解し、前記電子ビームの出力を徐々に弱めて、溶解した前記母材の溶湯底部から溶湯表部に向けて徐々に凝固させ、凝固している部分が前記母材全体のうち所定割合を占めるまで凝固を進め、未凝固の溶湯部を除去することによって、少なくとも鉄(Fe),アルミニウム(Al),カルシウム(Ca),チタン(Ti)を除去することが好ましい。
 本発明のシリコンの精製方法における減圧精製工程においては、前記未凝固部の除去に引き続き、前記水冷坩堝中の母材の全域に亘って前記電子ビームを照射して溶解することにより溶湯部を得て、前記電子ビームを所定時間照射し続ける真空精錬法を用いて、少なくともリン(P)を揮発させて除去することが好ましい。
 本発明によれば、金属シリコンを出発材料として用い、この金属シリコンを酸化精製した後、凝固精製及び減圧精製することにより、出発材料の形状に依存しない精製が可能になる。また、1回の凝固精製及び1回の減圧精製によって高純度のシリコンを得ることができるので、精製時間を短縮することができ、かつ低コストで高純度なシリコンを精製できるという効果がある。
本発明のシリコン精製手順を説明する模式断面図である。 本発明のシリコン精製手順を説明する模式断面図である。 本発明のシリコン精製手順を説明する模式断面図である。 本発明のシリコン精製手順を説明する模式断面図である。 本発明のシリコン精製手順を説明する模式断面図である。 本発明のシリコン精製手順を説明する模式断面図である。 本発明のシリコン精製手順を説明する模式断面図である。 本発明のシリコン精製手順を説明する模式断面図である。 本発明のシリコン精製手順を説明するフローチャートである。 従来のシリコン精製手順を説明するフローチャートである。
 以下、本発明を、図面を参照して詳細に説明する。本発明の技術範囲は以下に述べる実施形態に限定されることなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲において種々の変更を加えることが可能である。
 図1A~図1D及び図2A~図2Dは、本発明のシリコン精製手順を説明する模式断面図である。
 また、図3Aは、本発明のシリコン精製手順を説明するフローチャートである。図3Bは、従来のシリコン精製手順を説明するフローチャートである。
 なお、図1A及び図1Bは本発明の酸化精製を説明する図(図3AのステップS1,S2に相当する図)である。
 図1C,図1D,及び図2A~図2Cは、本発明の凝固精製を説明する図(図3AのステップS3に相当する図)であり、図2Dは本発明の減圧精製を説明する図(図3AのステップS4に相当する図)である。
 図1A及び図1Bに示すように、黒鉛坩堝5は、プラズマ加熱溶解炉内に設けられている。プラズマアーク発生装置6は、例えばプラズマトーチと高圧電源を備えて構成されており、黒鉛坩堝5の開口部に対向するように配置されている。プラズマアーク発生装置6は、不活性ガス導入口7より導入された不活性ガスによって生成された不活性ガス雰囲気8中において、アーク放電を発生させ、黒鉛坩堝5との間のプラズマアークPAを発生させ、黒鉛坩堝5内に装填された金属シリコン材料を溶解する。ここで、不活性ガスとしては、酸化性ガスが使用され、例えば水蒸気が添加されたアルゴン(Ar)ガスが使用される。
 図1C,図1D,及び図2A~図2Cにおいて、水冷坩堝10は、電子ビーム溶解炉内に設けられた底浅の坩堝であり、ここでは底浅の水冷銅ハースを使用する。
 水冷坩堝(水冷銅ハース)10の底部及び4つの側部には、水路10aが配置されている。水路10aは、水冷銅ハース10に設けられている水冷却機構を構成している。この水冷銅ハース10は、電子ビーム溶解炉内の高真空雰囲気12中に配置されている。ここで、高真空雰囲気12は、10-2Pa以下であることが望ましい。
 また、電子ビーム照射装置11は、水冷銅ハース10の開口部に対向するように配置されている。電子ビーム照射装置11は、例えば電子銃と偏向コイルとを備えて構成されており、水冷銅ハース10内に装填された金属シリコン材料に、電子銃から出射した電子ビームEBを照射し、上記金属材料を溶解させる。上記水冷却機構は、溶解した金属を冷却して凝固させる。
 まず、図1Aに示すように、出発原料として、金属シリコン材料(金属シリコンからなる母材)20aを用意し(図3AのステップS1)、これを黒鉛坩堝5内に装填する。
 このシリコン材料20aは、例えば、鉄(Fe),アルミニウム(Al)の含有量がそれぞれ、100ppm<Fe<500ppm,100ppm<Al<500ppmであることが望ましい。
 即ち、鉄の含有量が100ppmよりも多くかつ500ppm未満であることが望ましく、アルミニウムの含有量が100ppmよりも多くかつ500ppm未満であることが望ましい。
 このような不純物濃度の条件を満たす出発原料としては、酸リーチングした粉状の金属シリコン材料が用いられ、市販されている金属シリコン材料は容易にかつ安価に入手可能である。
 次に、図1Bに示すように、不活性ガス導入口7より酸化性ガスとして、水蒸気を添加したArガスを導入し、この不活性ガス(酸化性ガス)雰囲気8中において、プラズマアーク発生装置6によりプラズマアークPAを発生させる。粉状シリコン材料20aを完全に加熱し溶解することにより溶湯シリコン20bを得て、この溶湯シリコン20bを一定時間保持して、酸化精製する(図3AのステップS2)。
 そして、このあと、溶湯シリコン20bを冷却してインゴットを得て、さらにこのインゴットを粉砕して塊状の金属シリコン材料20cを得る。
 以上の酸化精製により、ホウ素(B),炭素(C)等の不純物が除去され、出発原料である金属シリコン材料20aから、B,C等の不純物濃度が低い金属シリコンを得ることができる。
 しかしながら、B,C等を除去した上記金属シリコンには、不純物である鉄(Fe),アルミニウム(Al),カルシウム(Ca),チタン(Ti)等、さらには不純物であるリン(P),酸素(O)等が残存している。Fe,Al,Ca,Ti等は、以下の凝固精製により除去することが可能である。
 次に、図1Cに示すように、上記酸化精製した塊状の金属シリコン材料20cを、底浅の水冷銅ハース10内に装填する。
 なお、水冷銅ハース10は、水冷坩堝の幅寸法と長さ寸法のうち小さい寸法が深さDの4倍以上であることが望ましい。水冷坩堝の幅寸法と長さ寸法のうち小さい寸法が深さDの4倍より小さい場合、深さに対して水冷坩堝の面積が小さく、溶解量が少なく生産性が向上しない。
 次に、図1Dに示すように、塊状シリコン材料20cが装填された水冷銅ハース10の表面全域に、電子ビーム照射装置11によって電子ビームEBを照射し、塊状シリコン材料20cを完全に溶解して溶湯シリコン20dを得る。
 なお、このとき、例えば、溶湯深さd1が20mm~50mmであるプールの場合、電子ビーム照射密度を1500kW/m~3000kW/mの範囲内に設定して、全面に照射し、金属シリコン材料を溶解させることが望ましい。
 電子ビーム照射密度が1500kW/m以下であると、十分にシリコン材料を溶解させることができない。逆に、逆に電子ビーム照射密度が3000kW/m以上である場合、冷却パイプ10aによる水冷却能力を超えるという不都合が生じる。
 次に、図2Aに示すように、電子ビームEBの照射幅を変えず(電子ビームEBを全面照射したまま)、電子ビームEBの照射出力(照射密度)を徐々に弱めていき、水冷銅ハース10の底部から徐々に溶湯シリコン20dを凝固させ、凝固部20eを形成していく。
 このとき、Fe,Al,Ca,Ti等の不純物は、主に凝固していない溶湯部(未凝固部)20f中に濃縮される。凝固部20eと溶湯部20fとの間の界面20gを境界にして、溶湯部(不純物濃縮部)20fの不純物濃度よりも凝固部(不純物精製部)20eの不純物濃度が遥かに低い。
 なお、上記図2Aにおいて、Fe,Al,Ca,Ti等の不純物は、主に溶湯部20f中に存在するが、凝固速度が速すぎると、これらの不純物が凝固部20e中にも残留し、純度の高いシリコンを凝固精製できない。このため、例えば、凝固速度が2mm/min以下となるように、即ち、照射出力が徐々に弱くなるように電子ビームEBの照射出力を制御する。
 底浅の水冷銅ハース10は、その底部での抜熱性に優れているため、溶湯シリコン20dの表面全域に電子ビームEBを照射しながら電子ビームEBの照射出力(照射密度)を徐々に弱めていくことにより、液相と固相との間の界面(凝固界面)近傍の凝固界面に垂直方向の液相の温度勾配を大きくすることができる。
 この効果を得ながら、凝固速度を2mm/min以下となるよう制御することにより、組成的過冷が起こりにくくなり、精製効果を高めることができる。
 次に、図2B及び図2Cに示すように、全面照射の電子ビーム出力を徐々に弱めていくと、凝固が進行していき、不純物精製部(凝固部)20eと不純物濃縮部(溶湯部)20fとの間の界面20gが上昇して、やがて前記母材全体のうち不純物精製部(凝固部)20eの割合が不純物濃縮部(溶湯部)20fの割合よりも多くなる。
 そして、凝固している部分が前記母材全体のうち所定割合を占めるまで凝固が進行した時点で、水冷銅ハース10を傾倒し(傾かせ)、不純物濃縮部(溶湯部)20fを鋳造・除去する(以上、図3AのステップS3)。
 このとき、少なくとも不純物濃縮部(溶湯部)20eの割合が不純物精製部(凝固部)20fを上回ったら、水冷銅ハース10を傾倒し、不純物濃縮部(溶湯部)20fを鋳造・除去する。
 望ましくは、不純物濃縮部(溶湯部)20fの割合が全体(凝固部20e及び溶湯部20f)の4割以下になったら、水冷銅ハース10を傾倒し、不純物濃縮部(溶湯部)を鋳造・除去する。さらに、望ましくは、不純物濃縮部(溶湯部)20fの割合が全体の2割になった時点で、水冷銅ハース10を傾倒し、不純物濃縮部(溶湯部)20fを鋳造・除去する。
 なお、このとき、一旦、全体を凝固して、除去したい不純物が濃縮された部分を再溶解して、鋳造・除去することも可能である。
 以上の凝固精製において、主に不純物濃縮部(溶湯部)20f中に存在しているFe,Al,Ca,Ti等の不純物は、上記鋳造により除去される。このため、B,C等の不純物濃度が低く、かつFe,Al,Ca,Ti等の不純物が低い金属シリコンを得ることができる。
 しかしながら、不純物濃縮部20fが除去された残りの不純物精製部(凝固部)20eには、不純物であるP,Oが残存している。これらの不純物P,Oは、真空精錬法による減圧精製により、揮発除去することができる。
 次に、図2Dに示すように、不純物濃縮部20fが除去された残りの不純物精製部(凝固部)20eに、さらに電子ビームEBを全面照射し、この不純物精製部20eを再度全て溶解して溶湯シリコン20hを得て、全て溶解したあとも、一定時間電子ビーム照射を続けて、減圧精製する(図3AのステップS4)。
 そして、このあと、電子ビーム照射を停止し、溶湯シリコン20hを全て凝固させる。以上の減圧精製により、溶湯シリコン20hに含まれていたP及びOが揮発除去される。
 これにより、B,C等の不純物濃度、Fe,Al,Ca,P等の不純物濃度、及びP,Oの不純物濃度が低い、太陽電池の製造等に適した高純度のシリコンを得ることができる。
 以上のように本発明によれば、金属シリコン材料20aを出発材料として用い、この金属シリコンを酸化精製(図3AのステップS2)した後、凝固精製(図3AのステップS3)及び減圧精製(図3AのステップS4)することにより、出発材料の形状に依存しない精製が可能になり、1回の凝固精製及び1回の減圧精製によって高純度のシリコンを得ることができる。従って、精製時間を短縮することができ、かつ低コストで高純度なシリコンを精製できるという効果がある。
 本発明は、最初に酸化精製をすること(出発原料を酸化精製すること)という工程を有するが、使用する出発原料として粉状,塊状,又はインゴットを用いる場合であっても上記の酸化精製を適用することが可能であり、出発材料の形状に依存しないシリコン精製ができる。
 また、本発明では、酸化精製後に減圧精製するので、Pの除去とOの除去とを1回の減圧精製において同時に行うことができ、工程数を削減して精製時間を短縮することができる。
 また、凝固精製と減圧精製とを一つの電子ビーム溶解炉内の水冷銅ハースにて実施することにより、消耗品がなく、短時間かつ安価に高純度シリコンの精製が可能であり、時間短縮による生産量の増加を図ることができ、安価に生産可能である。
 さらに、出発原料として、Fe及びAlの不純物濃度が100ppm<Fe<500ppm、100ppm<Al<500ppmの範囲内の酸リーチングした粉状金属シリコン材料を使用することが望ましいが、このような粉状シリコン材料は安価な市販品を容易に入手できるので、高純度のシリコンを安価に生産可能である。
 次に、実験例1~5によって得られた結果に基づいて、本発明を具体的に述べる。
(実験例1)
 まず、出発原料として、酸リーチングされた粉状の金属シリコン材料を用意し、この酸リーチングされた粉状の金属シリコン材料を、プラズマ加熱溶解炉の黒鉛坩堝内に装填する(図1A参照)。ここで、金属シリコン材料に含まれる不純物の濃度は、P=25ppm、Fe<500ppm、Al<500ppm、Ca<10ppmである(即ち、Pの濃度は25ppmであり、Feの濃度は500ppm未満であり、Alの濃度は500ppm未満であり、Caの濃度は10ppm未満である)。
 次に、上記装填した粉状の金属シリコン材料を、水蒸気を添加したArプラズマを用いて、加熱して完全に溶解し、この溶湯シリコンを一定時間保持した後(図1B参照)、冷却してインゴットを形成し、このインゴットを粉砕して塊状の金属シリコン材料を得た。
 次に、上記塊状の金属シリコン材料を、電子ビーム溶解炉の水冷銅ハース内に装填する(図1C参照)。その後、圧力10-2Pa以下の高真空雰囲気中において、この装填された塊状の金属シリコン材料の表面全域に電子ビームを照射し、金属シリコン材料を完全に溶解する(図1D参照)。
 次に、電子ビームの照射幅を変えず(電子ビームを上記全面に照射したまま)、この電子ビームの出力を、水冷銅ハースの深さ方向に溶湯シリコンの凝固速度が2mm/minとなるように、徐々に弱める。これにより、上記溶湯シリコンをハース底部から溶湯表面に向けて一方向に徐々に凝固させる(図2A参照)。
 そして、不純物精製部(凝固部)と不純物濃縮部(溶湯部)との間の界面が上昇して、不純物濃縮部が全体の3割になったら(図2B参照)、水冷銅ハースを傾倒して不純物濃縮部(溶湯部)を除去する(図2C参照)。
 次に、圧力10-2Pa以下の高真空雰囲気中において、不純物濃縮部が除去された残りの不純物精製部に、さらに電子ビームを全面照射して、この不純物精製部を再度全て溶解した。不純物精製部の全てが溶解した後も、一定時間電子ビーム照射し続けた(図2D参照)。
 このあと、電子ビーム照射を停止して上記溶湯シリコンを凝固させ、実験例1の精製シリコンを得た。この実験例1の精製シリコン中の不純物濃度を以下の表1に示す。なお、以下の表1~4における数値の単位は全てppmである。
Figure JPOXMLDOC01-appb-T000001
 太陽電池の製造に使用されるシリコンにおいては、Fe,Al,Ca,Ti,Pの不純物濃度のいずれもが0.1ppm未満である必要がある。この実験例1によれば、1回の凝固精製によって上記条件を満たすシリコンを得ることができている。
(実験例2)
 まず、出発原料として、酸リーチングされていない金属シリコン材料を用意し、この酸リーチングされていない金属シリコン材料を、プラズマ加熱溶解炉の黒鉛坩堝内に装填する。ここで、金属シリコン材料に含まれる不純物の濃度は、P=25ppm、Fe=1950ppm、Al=1800ppm、Ca=200ppmである(即ち、Pの濃度は25ppmであり、Feの濃度は1950ppmであり、Alの濃度は1800ppmであり、Caの濃度は200ppmである)。
 次に、上記装填した金属シリコン材料を、上記実験例1と同様に、水蒸気を添加したArプラズマを用いて、加熱して完全に溶解し、この溶湯シリコンを一定時間保持した後、冷却してインゴットを形成し、このインゴットを粉砕して塊状の金属シリコン材料を得た。
 次に、上記実験例1と同様に、上記塊状の金属シリコン材料を、電子ビーム溶解炉の水冷銅ハース内に装填する。その後、圧力10-2Pa以下の高真空雰囲気中において、この装填された塊状の金属シリコン材料の表面全域に電子ビームを照射し、金属シリコン材料を完全に溶解する。
 次に、上記実験例1と同様に、電子ビームの照射幅を変えず(電子ビームを上記全面に照射したまま)、この電子ビームの出力を、水冷銅ハースの深さ方向に溶湯シリコンの凝固速度が2mm/minとなるように、徐々に弱める。これにより、上記溶湯シリコンをハース底部から溶湯表面に向けて一方向に徐々に凝固させる。
 そして、上記実験例1と同様に、不純物精製部(凝固部)と不純物濃縮部(溶湯部)との間の界面が上昇して、不純物濃縮部が全体の3割になったら、水冷銅ハースを傾倒して不純物濃縮部(溶湯部)を除去する。
 次に、上記実験例1と同様に、圧力10-2Pa以下の高真空雰囲気中において、不純物濃縮部が除去された残りの不純物精製部に、さらに電子ビームを全面照射して、この不純物精製部を再度全て溶解した。不純物精製部の全てが溶解した後も、一定時間電子ビーム照射し続けた。
 このあと、電子ビーム照射を停止して上記溶湯シリコンを凝固させ、実験例2の精製シリコンを得た。この実験例2の精製シリコン中の不純物濃度を以下の表2に示す。
Figure JPOXMLDOC01-appb-T000002
 この実験例2では、酸リーチングされていない出発原料の不純物濃度が上記実験例1よりも高いため、原料コストを低減できるが、Fe,Al,Caのいずれの不純物濃度も、十分に低減されていない。このため、凝固精製が2回必要であり、これによって、歩留まりが10%低下し、電力原単位が25%上昇する。
(実験例3)
 まず、出発原料として、酸リーチングされた金属シリコン材料を用意し、この酸リーチングされた金属シリコン材料を、プラズマ加熱溶解炉の黒鉛坩堝内に装填する。ここで、金属シリコン材料に含まれる不純物の濃度は、P=25ppm、Fe=890ppm、Al=960ppm、Ca=150ppmである(即ち、Pの濃度は25ppmであり、Feの濃度は890ppmであり、Alの濃度は960ppmであり、Caの濃度は150ppmである)。
 次に、上記装填した金属シリコン材料を、上記実験例1と同様に、水蒸気を添加したArプラズマを用いて、加熱して完全に溶解し、この溶湯シリコンを一定時間保持した後、冷却してインゴットを形成し、このインゴットを粉砕して塊状の金属シリコン材料を得た。
 次に、上記実験例1と同様に、上記塊状の金属シリコン材料を、電子ビーム溶解炉の水冷銅ハース内に装填する。その後、圧力10-2Pa以下の高真空雰囲気中において、この装填された塊状の金属シリコン材料の表面全域に電子ビームを照射し、金属シリコン材料を完全に溶解する。
 次に、上記実験例1と同様に、電子ビームの照射幅を変えず(電子ビームを上記全面に照射したまま)、この電子ビームの出力を、水冷銅ハースの深さ方向に溶湯シリコンの凝固速度が2mm/minとなるように、徐々に弱める。これにより、上記溶湯シリコンをハース底部から溶湯表面に向けて一方向に徐々に凝固させる。
 そして、上記実験例1と同様に、不純物精製部(凝固部)と不純物濃縮部(溶湯部)との間の界面が上昇して、不純物濃縮部が全体の3割になったら、水冷銅ハースを傾倒して不純物濃縮部(溶湯部)を除去する。
 次に、上記実験例1と同様に、圧力10-2Pa以下の高真空雰囲気中において、不純物濃縮部が除去された残りの不純物精製部に、さらに電子ビームを全面照射して、この不純物精製部を再度全て溶解した。不純物精製部の全てが溶解した後も、一定時間電子ビーム照射し続けた。
 このあと、電子ビーム照射を停止して上記溶湯シリコンを凝固させ、実験例3の精製シリコンを得た。この実験例3の精製シリコン中の不純物濃度を以下の表3に示す。
Figure JPOXMLDOC01-appb-T000003
 この実験例3では、出発原料の不純物濃度が上記実験例1よりも高いため、Fe,Al,Caのいずれの不純物濃度も、太陽電池の製造に必要な0.1ppm未満に達していない。しかし、上記実験例2よりも、実験例3のFe,Al,Caの不純物濃度を、いずれも大幅に低減できる。
 なお、上記実験例1は、この実験例3よりも、Fe,Al,Caの不純物濃度を、さらに1桁以上低減できている。
(実験例4)
 まず、出発原料として、酸リーチングされた金属シリコンを用意し、この酸リーチングされた金属シリコン材料を、プラズマ加熱溶解炉の黒鉛坩堝内に装填する。ここで、金属シリコン材料に含まれる不純物の濃度は、P=25ppm、Fe<100ppm、Al<100ppm、Ca<10ppmである(即ち、Pの濃度は25ppmであり、Feの濃度は100ppm未満であり、Alの濃度は100ppm未満であり、Caの濃度は10ppm未満である)。
 次に、上記実験例1と同様に、上記塊状の金属シリコン材料を、電子ビーム溶解炉の水冷銅ハース内に装填。その後、圧力10-2Pa以下の高真空雰囲気中において、この装填された塊状の金属シリコン材料の表面全域に電子ビームを照射し、金属シリコン材料を完全に溶解する。
 次に、上記実験例1と同様に、電子ビームの照射幅を変えず(電子ビームを上記全面に照射したまま)、この電子ビームの出力を、水冷銅ハースの深さ方向に溶湯シリコンの凝固速度が2mm/minとなるように、徐々に弱める。これにより、上記溶湯シリコンをハース底部から溶湯表面に向けて一方向に徐々に凝固させる。
 そして、上記実験例1と同様に、不純物精製部(凝固部)と不純物濃縮部(溶湯部)との間の界面が上昇して、不純物濃縮部が全体の2割になったら、水冷銅ハースを傾倒して不純物濃縮部(溶湯部)を除去する。
 次に、上記実験例1と同様に、圧力10-2Pa以下の高真空雰囲気中において、不純物濃縮部が除去された残りの不純物精製部に、さらに電子ビームを全面照射して、この不純物精製部を再度全て溶解した。不純物精製部の全てが溶解した後も、一定時間電子ビーム照射し続けた。
 このあと、電子ビーム照射を停止して上記溶湯シリコンを凝固させ、実験例4の精製シリコンを得た。この実験例4の精製シリコン中の不純物濃度を以下の表4に示す。
Figure JPOXMLDOC01-appb-T000004
 この実験例4では、出発原料の不純物濃度を上記実験例1よりも低くしたことにより、最終的な不純物濃度は太陽電池の製造に適した上記条件を満足している。しかしながら、その精製コストが上記実験例1と同等であるのに、原料コストが上記実験例1の数倍に上昇する。
(実験例5)
 酸リーチングされた粉状の金属シリコン材料を水冷銅ハースに入れ、圧力10-2Pa以下の高真空雰囲気中で電子ビームを照射したが、上記粉状の金属シリコン材料は半分以上飛散し、溶解することができなかった。
 以上詳述したように、本発明は、金属シリコン材料の精製時間を短縮でき、かつ低コストで高純度なシリコンを精製可能なシリコンの精製方法に有用である。
5 黒鉛坩堝、6 プラズマアーク発生装置、7 不活性ガス導入口、8 不活性ガス(酸性ガス)雰囲気、10 水冷坩堝(水冷銅ハース)、10a 水路、11 電子ビーム照射装置、12 高真空雰囲気、20a 粉状シリコン材料、20b 溶湯シリコン、20c 塊状シリコン材料、20d 溶湯シリコン、20e 凝固部(不純物精製部)、20f 溶湯部(不純物濃縮部)、20g 凝固部/溶湯部界面、20h 溶湯シリコン、EB 電子ビーム、PA プラズマアーク。

Claims (7)

  1.  シリコンの精製方法であって、
     金属シリコンからなる出発原料である母材を黒鉛坩堝中に装填し、酸性の不活性ガス雰囲気中に配置された前記母材を全て加熱溶解し、溶解された前記母材を前記黒鉛坩堝中に保持することによって前記母材を酸化精製し、
     前記酸化精製された前記母材を水冷坩堝中に装填し、高真空雰囲気中に配置された前記母材を全て溶解した後に徐々に凝固させて未凝固部を除去し、
     前記高真空雰囲気中に配置され、かつ、前記未凝固部が除去された母材を全て溶解して前記水冷坩堝中に保持する
     ことを特徴とするシリコンの精製方法。
  2.  請求項1に記載のシリコンの精製方法であって、
     前記出発原料にはリン(P),鉄(Fe),アルミニウム(Al),及びカルシウム(Ca)が含まれており、
     リンの濃度は25ppm以下であり、
     鉄の濃度は890ppm以下であり、
     アルミニウムの濃度は960ppm以下であり、
     カルシウムの濃度は150ppm以下である
     ことを特徴とするシリコンの精製方法。
  3.  請求項1又は請求項2に記載のシリコンの精製方法であって、
     前記出発原料にはリン(P),鉄(Fe),アルミニウム(Al),及びカルシウム(Ca)が含まれており、
     リンの濃度は25ppm以下であり、
     鉄の濃度は350ppm以下であり、
     アルミニウムの濃度は260ppm以下であり、
     カルシウムの濃度は7ppm以下である
     ことを特徴とするシリコンの精製方法。
  4.  請求項1から請求項3のいずれか一項に記載のシリコンの精製方法であって、
     前記出発原料は、粉状の金属シリコンである
     ことを特徴とするシリコンの精製方法。
  5.  請求項1から請求項4のいずれか一項に記載のシリコンの精製方法であって、
     前記母材の酸化精製においては、
     水蒸気を添加したArガス雰囲気中に前記母材を配置し、プラズマアークを用いて前記母材を加熱し溶解することにより溶湯部を得て、前記溶湯部を所定時間加熱し続け、少なくともホウ素(B)及び炭素(C)を除去する
     ことを特徴とするシリコンの精製方法。
  6.  請求項1から請求項4のいずれか一項に記載のシリコンの精製方法であって、
     前記未凝固部の除去において、
     前記塊状の母材を高真空雰囲気中に配置し、この母材の全域に亘って前記電子ビームを照射して、前記母材を全て溶解し、
     前記電子ビームの出力を徐々に弱めて、溶解した前記母材の溶湯底部から溶湯表部に向けて徐々に凝固させ、凝固している部分が前記母材全体のうち所定割合を占めるまで凝固を進め、
     未凝固の溶湯部を除去することによって、少なくとも鉄(Fe),アルミニウム(Al),カルシウム(Ca),チタン(Ti)を除去する
     ことを特徴とするシリコンの精製方法。
  7.  請求項1から請求項4のいずれか一項に記載のシリコンの精製方法であって、
     前記未凝固部が除去された母材を全て溶解する際には、
     前記未凝固部の除去に引き続き、前記水冷坩堝中の母材の全域に亘って前記電子ビームを照射して溶解することにより溶湯部を得て、
     前記電子ビームを所定時間照射し続ける真空精錬法を用いて、少なくともリン(P)を揮発させて除去する
     ことを特徴とするシリコンの精製方法。
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