JPH10182135A - シリコンの凝固精製方法 - Google Patents
シリコンの凝固精製方法Info
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- JPH10182135A JPH10182135A JP34200796A JP34200796A JPH10182135A JP H10182135 A JPH10182135 A JP H10182135A JP 34200796 A JP34200796 A JP 34200796A JP 34200796 A JP34200796 A JP 34200796A JP H10182135 A JPH10182135 A JP H10182135A
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- silicon
- solidification
- mold
- inert gas
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- Crystals, And After-Treatments Of Crystals (AREA)
Abstract
(57)【要約】
【課題】本発明は、凝固させる溶湯の撹拌を簡単な設備
改造のみで安価に実施し、品質に優れた太陽電池用シリ
コン基板製造のための鋳塊とする「シリコンの凝固精製
方法」を提供することを目的としている。 【解決手段】溶融シリコンを鋳型に注入し、該鋳型の底
部から上方に向け一方向凝固させ、多結晶シリコンの鋳
塊を得るに際し、凝固界面より上方の溶湯内に、該溶湯
を撹拌する不活性ガスを吹込む。
改造のみで安価に実施し、品質に優れた太陽電池用シリ
コン基板製造のための鋳塊とする「シリコンの凝固精製
方法」を提供することを目的としている。 【解決手段】溶融シリコンを鋳型に注入し、該鋳型の底
部から上方に向け一方向凝固させ、多結晶シリコンの鋳
塊を得るに際し、凝固界面より上方の溶湯内に、該溶湯
を撹拌する不活性ガスを吹込む。
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、シリコンの凝固精
製方法に関し、特に、太陽電池用シリコンの鋳塊を得る
に際し、高純度のシリコン溶湯を積極的に撹拌し、その
凝固精製を安価に、且つ安定して行なわせる技術であ
る。
製方法に関し、特に、太陽電池用シリコンの鋳塊を得る
に際し、高純度のシリコン溶湯を積極的に撹拌し、その
凝固精製を安価に、且つ安定して行なわせる技術であ
る。
【0002】
【従来の技術】近年、エネルギー源の多様化要求から、
太陽光発電が脚光を浴び、発電に必要な太陽電池用シリ
コンの製造が盛んになったが、この発電を行うには、シ
リコン中の不純物元素を許容値以下に低減しなければな
らない。そのため、従来は、図2に示すように、出発原
料の金属シリコン(99.5重量%Si)を塩酸と反応
させてトリクロロ・シランとしてガス化し、該ガスを精
留して不純物元素を除き、水素ガスと反応させる所謂C
VD法でガスから析出させたシリコンを用いていた。な
お、この段階で析出したシリコンは、所謂イレブン・ナ
インと非常に高純度なので、通常は半導体製造に利用で
きる。したがって、図2に示す従来の製造方法は、せっ
かく半導体用にまで高純度にしたシリコンを、再度、太
陽電池用に適するように成分調整(ボロン添加)した
り、精製や鋳造をしなければならないので、手間がかか
る上に、歩留が悪く、再溶解の設備、エネルギーも別途
必要で、製造費用が嵩むという問題があった。そのた
め、現在入手可能な太陽電池は高価なものとなり、一般
的な普及の障害となっている。また、上記のような化学
プロセスが主体の金属シリコンの精製では、シラン、塩
化物等の公害物質の多量発生が避けられず、量産の障害
になるという問題もあった。
太陽光発電が脚光を浴び、発電に必要な太陽電池用シリ
コンの製造が盛んになったが、この発電を行うには、シ
リコン中の不純物元素を許容値以下に低減しなければな
らない。そのため、従来は、図2に示すように、出発原
料の金属シリコン(99.5重量%Si)を塩酸と反応
させてトリクロロ・シランとしてガス化し、該ガスを精
留して不純物元素を除き、水素ガスと反応させる所謂C
VD法でガスから析出させたシリコンを用いていた。な
お、この段階で析出したシリコンは、所謂イレブン・ナ
インと非常に高純度なので、通常は半導体製造に利用で
きる。したがって、図2に示す従来の製造方法は、せっ
かく半導体用にまで高純度にしたシリコンを、再度、太
陽電池用に適するように成分調整(ボロン添加)した
り、精製や鋳造をしなければならないので、手間がかか
る上に、歩留が悪く、再溶解の設備、エネルギーも別途
必要で、製造費用が嵩むという問題があった。そのた
め、現在入手可能な太陽電池は高価なものとなり、一般
的な普及の障害となっている。また、上記のような化学
プロセスが主体の金属シリコンの精製では、シラン、塩
化物等の公害物質の多量発生が避けられず、量産の障害
になるという問題もあった。
【0003】そこで、本出願人は、上記のような化学プ
ロセスによる金属シリコンの高純度化を改め、冶金プロ
セスのみで太陽電池に適した純度のシリコンを多量に製
造し、それを鋳造して一気にシリコン基板までにする方
法を検討している。すなわち、図3に示すように、ま
ず、原料である金属シリコンに真空精錬と一方向凝固
(溶融シリコンを凝固する際に、不純物元素が分配平衡
により最終的に凝固する部分に濃化する原理を利用)に
よる粗精製を施し、該金属シリコンが含有する燐、カル
シウム、アルミニウム、鉄、チタニウム等の不純物元素
をある程度の含有量まで除去する。そして、引き続き、
ボロン、炭素を酸化精錬で除き、脱酸も行う。しかし、
この段階のシリコンには、まだAl,Fe,Ti等の金
属元素がそれぞれ10ppm程度含まれ、太陽電池用シ
リコン基板の組成としては純度が低いので、さらに一方
向凝固による仕上精製を施し、前記不純物元素を除去す
ると共に、基板用の鋳塊を製造するのである。現在、か
かる製造方法によれば、太陽電池用シリコンを従来法よ
りかなり安価に量産できることの目処がついている。
ロセスによる金属シリコンの高純度化を改め、冶金プロ
セスのみで太陽電池に適した純度のシリコンを多量に製
造し、それを鋳造して一気にシリコン基板までにする方
法を検討している。すなわち、図3に示すように、ま
ず、原料である金属シリコンに真空精錬と一方向凝固
(溶融シリコンを凝固する際に、不純物元素が分配平衡
により最終的に凝固する部分に濃化する原理を利用)に
よる粗精製を施し、該金属シリコンが含有する燐、カル
シウム、アルミニウム、鉄、チタニウム等の不純物元素
をある程度の含有量まで除去する。そして、引き続き、
ボロン、炭素を酸化精錬で除き、脱酸も行う。しかし、
この段階のシリコンには、まだAl,Fe,Ti等の金
属元素がそれぞれ10ppm程度含まれ、太陽電池用シ
リコン基板の組成としては純度が低いので、さらに一方
向凝固による仕上精製を施し、前記不純物元素を除去す
ると共に、基板用の鋳塊を製造するのである。現在、か
かる製造方法によれば、太陽電池用シリコンを従来法よ
りかなり安価に量産できることの目処がついている。
【0004】ところで、上記一方向凝固による仕上精製
では、溶湯に含まれる不純物金属元素の除去に加え、得
られた鋳塊をスライスして直接的に太陽電池用シリコン
基板とするため、該鋳塊は物性に優れていることが重要
である。つまり、結晶粒が正常に成長していること、あ
るいは凝固の際の膨張(体積膨張率10%)で残留応力
が残っていない等である。この残留応力があると、冷却
時にクラックとなり、せっかく製造した太陽電池用シリ
コン基板を無駄にしてしまう。
では、溶湯に含まれる不純物金属元素の除去に加え、得
られた鋳塊をスライスして直接的に太陽電池用シリコン
基板とするため、該鋳塊は物性に優れていることが重要
である。つまり、結晶粒が正常に成長していること、あ
るいは凝固の際の膨張(体積膨張率10%)で残留応力
が残っていない等である。この残留応力があると、冷却
時にクラックとなり、せっかく製造した太陽電池用シリ
コン基板を無駄にしてしまう。
【0005】そこで、この応力を緩和してクラックの発
生を防止するため、凝固の進行方向を一定にする一方向
凝固させるのである。この場合、溶融シリコンを撹拌し
ながら凝固させると、不純物の殆どは液体と固体の溶解
度の差によって溶融シリコン中に濃縮され、凝固完了後
の鋳塊の大部分は精製される。この時不純物の濃度分布
は一般に次式(1)に従うと言われている。
生を防止するため、凝固の進行方向を一定にする一方向
凝固させるのである。この場合、溶融シリコンを撹拌し
ながら凝固させると、不純物の殆どは液体と固体の溶解
度の差によって溶融シリコン中に濃縮され、凝固完了後
の鋳塊の大部分は精製される。この時不純物の濃度分布
は一般に次式(1)に従うと言われている。
【0006】 C=k・CO (1−f)k-1 …(1) C :凝固相中の不純物濃度 CO :凝固前溶湯の初期不純物濃度 k :分配係数 f :凝固相の割合 (1)式で、分配係数kは、不純物元素の種類、溶融シ
リコンの撹拌状態及び凝固速度などの要因で変化する。
このうち凝固時に溶湯内に残存する溶融シリコンの撹拌
状態が充分でないと、kの値が大きくなり、凝固相(鋳
塊)中の不純物濃度Cが大きくなって精製効率が低下す
る。これを回避するためには、操業上で凝固速度と撹拌
状態とを調整する必要がある。例えば、凝固速度が0.
3mm/minまでは熱対流による撹拌でよいが、0.
3mm/min以上では熱対流以上に溶融シリコンの撹
拌を強化する必要がある。
リコンの撹拌状態及び凝固速度などの要因で変化する。
このうち凝固時に溶湯内に残存する溶融シリコンの撹拌
状態が充分でないと、kの値が大きくなり、凝固相(鋳
塊)中の不純物濃度Cが大きくなって精製効率が低下す
る。これを回避するためには、操業上で凝固速度と撹拌
状態とを調整する必要がある。例えば、凝固速度が0.
3mm/minまでは熱対流による撹拌でよいが、0.
3mm/min以上では熱対流以上に溶融シリコンの撹
拌を強化する必要がある。
【0007】これに対し、特開昭61−141612号
公報は、鋳塊の結晶組織を調整するため、鋳型を回転さ
せることによって溶融シリコンを撹拌することを開示し
た。しかしながら、この方法では、設備コストやメイン
テナンス方法などに問題があり、製造コストが高くな
る。そして、凝固末期には、残液に濃縮する不純物に起
因すると推定される粘性の増加があり、回転のみでは撹
拌力が不足し、精製効率が低下する。この現象は、低品
位の金属シリコンを融解した後、鋳塊を製造する場合
に、特に顕著であった。また、特開平5−254817
号公報は、撹拌力を溶湯への磁界の作用で発生させる技
術を開示した。しかしながら、この方法も設備費が高価
であり、安価なシリコン基板製造の目的にはそぐわな
い。
公報は、鋳塊の結晶組織を調整するため、鋳型を回転さ
せることによって溶融シリコンを撹拌することを開示し
た。しかしながら、この方法では、設備コストやメイン
テナンス方法などに問題があり、製造コストが高くな
る。そして、凝固末期には、残液に濃縮する不純物に起
因すると推定される粘性の増加があり、回転のみでは撹
拌力が不足し、精製効率が低下する。この現象は、低品
位の金属シリコンを融解した後、鋳塊を製造する場合
に、特に顕著であった。また、特開平5−254817
号公報は、撹拌力を溶湯への磁界の作用で発生させる技
術を開示した。しかしながら、この方法も設備費が高価
であり、安価なシリコン基板製造の目的にはそぐわな
い。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、かかる事情
に鑑み、凝固させる溶湯の撹拌を簡単な設備改造のみで
安価に実施し、品質に優れた太陽電池用シリコン基板製
造のための鋳塊とする「シリコンの凝固精製方法」を提
供することを目的としている。
に鑑み、凝固させる溶湯の撹拌を簡単な設備改造のみで
安価に実施し、品質に優れた太陽電池用シリコン基板製
造のための鋳塊とする「シリコンの凝固精製方法」を提
供することを目的としている。
【0009】
【課題を解決するための手段】発明者は、上記目的を達
成するための研究を行ない、溶湯の撹拌を安価に行うに
はガスの吹込み以外にないと結論した。そして、溶湯を
凝固させつつガスを吹込むことの実現に鋭意努力し、本
発明を完成させた。すなわち、本発明は、溶融シリコン
を鋳型に注入し、該鋳型の底部から上方に向け一方向凝
固させ、多結晶シリコンの鋳塊を得るに際し、凝固界面
より上方の溶湯内に、該溶湯を撹拌する不活性ガスを吹
込むことを特徴とするシリコンの凝固精製方法である。
成するための研究を行ない、溶湯の撹拌を安価に行うに
はガスの吹込み以外にないと結論した。そして、溶湯を
凝固させつつガスを吹込むことの実現に鋭意努力し、本
発明を完成させた。すなわち、本発明は、溶融シリコン
を鋳型に注入し、該鋳型の底部から上方に向け一方向凝
固させ、多結晶シリコンの鋳塊を得るに際し、凝固界面
より上方の溶湯内に、該溶湯を撹拌する不活性ガスを吹
込むことを特徴とするシリコンの凝固精製方法である。
【0010】また、本発明は、上記不活性ガスの吹込み
をランスを介して行ない、凝固界面の上昇に応じてラン
スの先端位置を上昇させることを特徴とするシリコンの
凝固精製方法であり、あるいは、さらに上記不活性ガス
をアルゴン・ガスとしたことを特徴とするシリコンの凝
固精製方法である。本発明では、溶融シリコンの仕上凝
固精製(図3参照)において、溶湯を不活性ガスで撹拌
するようにしたので、固液界面での不純物元素の濃化が
抑制されるようになり、凝固速度を早めることが可能に
なった。また、従来行っていた、凝固前のアルゴン・ガ
スによる脱酸が不要となり、凝固時間の短縮が促進す
る。その結果、目標純度を満たす太陽電池用シリコン
が、安価に製造できるようになった。
をランスを介して行ない、凝固界面の上昇に応じてラン
スの先端位置を上昇させることを特徴とするシリコンの
凝固精製方法であり、あるいは、さらに上記不活性ガス
をアルゴン・ガスとしたことを特徴とするシリコンの凝
固精製方法である。本発明では、溶融シリコンの仕上凝
固精製(図3参照)において、溶湯を不活性ガスで撹拌
するようにしたので、固液界面での不純物元素の濃化が
抑制されるようになり、凝固速度を早めることが可能に
なった。また、従来行っていた、凝固前のアルゴン・ガ
スによる脱酸が不要となり、凝固時間の短縮が促進す
る。その結果、目標純度を満たす太陽電池用シリコン
が、安価に製造できるようになった。
【0011】
【発明の実施の形態】図3に示すプロセスの前半の工程
で処理された溶融シリコンに、本発明に係るシリコンの
仕上凝固精製を施し、太陽電池用シリコン基板を製造す
る前の鋳塊を製造した。また、その成績を比較するた
め、同一状態の溶融シリコンで従来法による凝固精製も
別途行なった。
で処理された溶融シリコンに、本発明に係るシリコンの
仕上凝固精製を施し、太陽電池用シリコン基板を製造す
る前の鋳塊を製造した。また、その成績を比較するた
め、同一状態の溶融シリコンで従来法による凝固精製も
別途行なった。
【0012】図1に、本発明に係る溶融シリコンの凝固
精製方法を実施した状況を縦断面図で示す。まず、それ
は、水冷銅あるいは黒鉛の鋳型1に、前工程で脱燐、脱
炭、脱ボロンされ、且つFe,Ti,Al等の不純物金
属元素がある程度除去された溶融シリコン(溶湯)2を
注入することで開始される。従来は、この溶融シリコン
2の鋳型1への注入後に、アルゴン・ガス3の吹込みを
約1時間程度行って脱酸し、その後凝固を行うようにし
ていた。そのため、鋳型1の上方には、溶融シリコン2
を加熱する手段(図示せず)と、アルゴン・ガス3の吹
込みランス4とが配置されていた。また、鋳型1の底部
には、凝固速度を調整する手段として水冷ジャケット8
が設置されている。
精製方法を実施した状況を縦断面図で示す。まず、それ
は、水冷銅あるいは黒鉛の鋳型1に、前工程で脱燐、脱
炭、脱ボロンされ、且つFe,Ti,Al等の不純物金
属元素がある程度除去された溶融シリコン(溶湯)2を
注入することで開始される。従来は、この溶融シリコン
2の鋳型1への注入後に、アルゴン・ガス3の吹込みを
約1時間程度行って脱酸し、その後凝固を行うようにし
ていた。そのため、鋳型1の上方には、溶融シリコン2
を加熱する手段(図示せず)と、アルゴン・ガス3の吹
込みランス4とが配置されていた。また、鋳型1の底部
には、凝固速度を調整する手段として水冷ジャケット8
が設置されている。
【0013】本発明は、この脱酸のみを目的としたアル
ゴン・ガス3の吹込みを止め、鋳型1への溶湯2注入が
終了後、直ちに一定の凝固速度で凝固を開始すると共
に、ランス4を溶湯2内に浸漬してアルゴン・ガス3の
吹込みを行うものである。凝固速度の調整は、鋳型1上
方に設置した加熱手段(通常は、電熱ヒータ)の出力と
鋳型の底部に設置した水冷ジャケットの冷却水量を初期
設定して行う。その結果、固液界面5は、上方に向けて
移動するので、アルゴン・ガス3の吹込みランス4の先
端がこの界面5と接触しないようにする必要がある。そ
のために、本発明では、初期設定した凝固速度値に基づ
き、ランス4を上昇させる手段(通常、ジャッキ方式)
を備えるようにしてある。
ゴン・ガス3の吹込みを止め、鋳型1への溶湯2注入が
終了後、直ちに一定の凝固速度で凝固を開始すると共
に、ランス4を溶湯2内に浸漬してアルゴン・ガス3の
吹込みを行うものである。凝固速度の調整は、鋳型1上
方に設置した加熱手段(通常は、電熱ヒータ)の出力と
鋳型の底部に設置した水冷ジャケットの冷却水量を初期
設定して行う。その結果、固液界面5は、上方に向けて
移動するので、アルゴン・ガス3の吹込みランス4の先
端がこの界面5と接触しないようにする必要がある。そ
のために、本発明では、初期設定した凝固速度値に基づ
き、ランス4を上昇させる手段(通常、ジャッキ方式)
を備えるようにしてある。
【0014】かかる本発明を実施すると、界面5の上方
にある溶湯2から脱酸が行われ、且つ溶湯2の撹拌が十
分に行われるようになる。その結果、固液界面5の境膜
厚さが小さく、また分配係数も小さくなり、図4に破線
で示すごとく、凝固相6側の不純物濃度が小さくなる。
にある溶湯2から脱酸が行われ、且つ溶湯2の撹拌が十
分に行われるようになる。その結果、固液界面5の境膜
厚さが小さく、また分配係数も小さくなり、図4に破線
で示すごとく、凝固相6側の不純物濃度が小さくなる。
【0015】
【実施例】図3に示すプロセスの前半の工程で処理され
た溶融シリコン2に、本発明に係るシリコンの仕上凝固
精製を施し、太陽電池用シリコン基板を製造する前の鋳
塊を製造した。また、その成績を比較するため、同一状
態の溶融シリコン2で従来法による凝固精製も別途行な
った。
た溶融シリコン2に、本発明に係るシリコンの仕上凝固
精製を施し、太陽電池用シリコン基板を製造する前の鋳
塊を製造した。また、その成績を比較するため、同一状
態の溶融シリコン2で従来法による凝固精製も別途行な
った。
【0016】まず、図1に示したように、上記前処理さ
れた20kgの溶融シリコン2を鋳型1に注入し、直ち
に電熱ヒータの出力及び水冷ジャッケトの冷却水量を予
定凝固速度になるよう初期設定し、凝固を開始した。こ
の予定凝固速度は、溶融シリコン2が含有する不純物金
属濃度とそれに適切な凝固速度との関係を、予め多くの
実験結果から求めておくことで定められる。同時に、ア
ルゴン・ガス3の吹込みランス4を溶湯2に浸漬し、流
量5Nリットル/minでアルゴン・ガス3の吹込みも
始めた。
れた20kgの溶融シリコン2を鋳型1に注入し、直ち
に電熱ヒータの出力及び水冷ジャッケトの冷却水量を予
定凝固速度になるよう初期設定し、凝固を開始した。こ
の予定凝固速度は、溶融シリコン2が含有する不純物金
属濃度とそれに適切な凝固速度との関係を、予め多くの
実験結果から求めておくことで定められる。同時に、ア
ルゴン・ガス3の吹込みランス4を溶湯2に浸漬し、流
量5Nリットル/minでアルゴン・ガス3の吹込みも
始めた。
【0017】上記ランス4が溶湯2面から抜き出た時、
アルゴン・ガス3の吹込みを止め、凝固した鋳塊の冷却
を行った。冷却した鋳塊は、最後に凝固した不純物金属
元素の濃縮部(上部20%)を切断除去し、その残部を
400μmの厚みでスライスすると共に、分析用試料を
採取した。実施前後の不純物元素を比較して表1に示
す。また、凝固精製に要した時間及びスライスして得た
太陽電池用シリコン基板の光電効率を表2に示す。表1
より、本発明を採用すると、従来に比べて不純物元素の
減少程度(精製効率)が向上していることが明らかであ
る。さらに、表2より凝固時間が従来より大幅に低下
し、基板の光電効率は従来と遜色ないことも明らかであ
る。この結果は、以前に行った鋳型の回転や電磁力によ
る溶湯の撹拌に比べ、設備費が安く、また電力費に比べ
ガス消費量がすくないので、本発明の採用で、太陽電池
用シリコン基板の製造コストが、従来より6%程度低減
することも確認できた。
アルゴン・ガス3の吹込みを止め、凝固した鋳塊の冷却
を行った。冷却した鋳塊は、最後に凝固した不純物金属
元素の濃縮部(上部20%)を切断除去し、その残部を
400μmの厚みでスライスすると共に、分析用試料を
採取した。実施前後の不純物元素を比較して表1に示
す。また、凝固精製に要した時間及びスライスして得た
太陽電池用シリコン基板の光電効率を表2に示す。表1
より、本発明を採用すると、従来に比べて不純物元素の
減少程度(精製効率)が向上していることが明らかであ
る。さらに、表2より凝固時間が従来より大幅に低下
し、基板の光電効率は従来と遜色ないことも明らかであ
る。この結果は、以前に行った鋳型の回転や電磁力によ
る溶湯の撹拌に比べ、設備費が安く、また電力費に比べ
ガス消費量がすくないので、本発明の採用で、太陽電池
用シリコン基板の製造コストが、従来より6%程度低減
することも確認できた。
【0018】
【表1】
【0019】
【表2】
【0020】なお、上記実施例は、不活性ガスにアルゴ
ン・ガスを用いたが、ヘリウム等他のガスを用いても撹
拌効果は同じである。
ン・ガスを用いたが、ヘリウム等他のガスを用いても撹
拌効果は同じである。
【0021】
【発明の効果】以上述べたように、本発明により、溶融
シリコンの凝固精製時における精製効率が向上した。そ
の結果、凝固精製時間の短縮、設備費やランニング・コ
ストの低下で、従来と同一性能を有する太陽電池用シリ
コン基板が安価に製造できるようになった。
シリコンの凝固精製時における精製効率が向上した。そ
の結果、凝固精製時間の短縮、設備費やランニング・コ
ストの低下で、従来と同一性能を有する太陽電池用シリ
コン基板が安価に製造できるようになった。
【図1】本発明に係るシリコンの凝固精製方法の実施状
況を示す縦断面図である。
況を示す縦断面図である。
【図2】従来の太陽電池用シリコンの製造工程を示す流
れ図である。
れ図である。
【図3】本出願人が最近提案している太陽電池用シリコ
ンの製造工程を示す流れ図である。
ンの製造工程を示す流れ図である。
【図4】凝固精製時の固液界面での不純物元素濃度分布
を示す模式図である。
を示す模式図である。
1 鋳型 2 溶融シリコン(溶湯) 3 アルゴン・ガス 4 ランス 5 固液界面(界面) 6 凝固相 7 ランスの引き上げ方向 8 冷却水
Claims (3)
- 【請求項1】 溶融シリコンを鋳型に注入し、該鋳型の
底部から上方に向け一方向凝固させ、多結晶シリコンの
鋳塊を得るに際し、 凝固界面より上方の溶湯内に、該溶湯を撹拌する不活性
ガスを吹込むことを特徴とするシリコンの凝固精製方
法。 - 【請求項2】 上記不活性ガスの吹込みをランスを介し
て行ない、凝固界面の上昇に応じてランスの先端位置を
上昇させることを特徴とする請求項1記載のシリコンの
凝固精製方法。 - 【請求項3】 上記不活性ガスをアルゴン・ガスとした
ことを特徴とする請求項1又は2記載のシリコンの凝固
精製方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP34200796A JPH10182135A (ja) | 1996-12-20 | 1996-12-20 | シリコンの凝固精製方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP34200796A JPH10182135A (ja) | 1996-12-20 | 1996-12-20 | シリコンの凝固精製方法 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH10182135A true JPH10182135A (ja) | 1998-07-07 |
Family
ID=18350464
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP34200796A Withdrawn JPH10182135A (ja) | 1996-12-20 | 1996-12-20 | シリコンの凝固精製方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPH10182135A (ja) |
Cited By (7)
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