JP4791558B2 - 多結晶シリコンの溶融方法 - Google Patents

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本発明は、亜鉛還元法によって製造された多結晶シリコンからシリコンインゴットを製造する際に、該多結晶シリコンを溶解する方法に関するものであり、さらに詳しくは、溶融容器に樹枝状、針状又は板状の多結晶シリコンを充填して、該多結晶シリコンを溶融する方法に関するものである。
近年の太陽電池の普及に伴い、多結晶シリコンの需要は急増している。従来、高純度の多結晶シリコンを製造する方法としてシーメンス法(Siemens Method)が挙げられる。シーメンス法はトリクロロシラン(SiHCl)を水素(H)によって還元する方法である。シーメンス法により製造される多結晶シリコンは純度がイレブン−ナイン(11−N)と非常に高く、半導体用シリコンとして使用されている。太陽電池用シリコンもこの半導体用シリコンとして製造された製品の一部を使用してきたが、11−Nほどの純度を必要としない点とシーメンス法が多くの電力を消費する点から、太陽電池用シリコンに適した安価な製造方法が求められている。
このような中、太陽電池用シリコンの製造方法として、亜鉛還元法による多結晶シリコンの製造方法が提案されており、その反応は下記式(1):
SiCl + 2Zn = Si + 2ZnCl (1)
により示すものである。
亜鉛還元法により製造される多結晶シリコンの純度は、シックス−ナイン(6−N)程度であり、半導体用シリコンに比べると純度は低いものの、シーメンス法と比較して5倍程度にも達する程反応効率に優れ、製造コストも有利な製造方法である。
この亜鉛還元法により製造された多結晶シリコンは、還元反応の条件によって、粉状又は細粒状の多結晶となったり、あるいは、樹枝状、針状又は板状の多結晶となったりする。
太陽電池用のパネルは、シリコンインゴットより製造されるが、そのようなシリコンインゴットは、亜鉛還元法により得られた多結晶シリコンを溶融し、不純物を除去後、冷却し結晶化させることにより得られる。
ところが、粉状又は細粒状の多結晶シリコンは、充填容器に充填した際、充填密度が低くなるため、粉状又は細粒状の多結晶シリコンだけで溶融するのには時間がかかる場合がある。
一方、樹枝状、針状又は板状の多結晶シリコンならば、粉状又は細粒状の多結晶シリコンに比べると充填密度が大きくなるため、溶融時間の短縮が図れる。
樹枝状、針状又は板状の多結晶シリコンとしては、例えば、亜鉛還元法により生成され、50重量%以上が1mmサイズのスクリーンを通過しない樹枝状結晶もしくは鱗状結晶の多結晶シリコンが報告されている(特許文献1)。
また、非特許文献1には、亜鉛還元法による多結晶シリコンが記載されており、樹枝状の多結晶シリコンの写真がFig.2に記載されている。
特願2002−383377(特許請求の範囲)
D.W.LYON et al., PREPARATION OF HYPER-PURE SILICON, Trans.Electrochem.Soc., 1949年, Vol.96 No6, Pages359-363
上記のような樹枝状、針状又は板状の多結晶シリコンは、粉状又は細粒状の多結晶シリコンに比べれば溶融時間が短いものの、坩堝のような溶融容器の中で溶融する際は、形状が不定形であるため容器内の空隙率が大きくなり、外部からの伝熱が多結晶シリコンに素早く伝わらず、溶融に時間を要することがある。更に、溶融中、溶融したシリコンは容器の底部に溜まるが、図4のように、樹枝状、針状又は板状の多結晶シリコンが、つり橋のように容器の上部につながって残留してしまうこともある。このような場合は、該多結晶シリコンと容器との接触部分の伝熱を上げるために、更に温度を上昇させる必要があり、多くのエネルギーを要するという問題がある。なお、樹枝状、針状又は板状の多結晶シリコンを破砕して粉体化し、溶融容器に充填することも考えられるが、大量の多結晶シリコンを破砕する工程が必要となるばかりか、このような粉砕は、高純度を要求されるシリコンに不純物を混入させる原因にもなり得る。
従って、本発明の目的は、亜鉛還元法により製造された樹枝状、針状又は板状の多結晶シリコンの溶融時間を短縮することができる多結晶シリコンの溶融方法を提供することにある。
本発明者らは、上記従来技術における課題を解決すべく、鋭意研究を重ねた結果、該亜鉛還元法により製造された樹枝状、針状又は板状の多結晶シリコンを溶融容器に充填する際に、該樹枝状、針状又は板状の多結晶シリコンと共に、該溶融容器の底に、シリコンインゴットを砕いて得た塊状シリコンを充填することにより、該樹枝状、針状又は板状の多結晶シリコンを短時間で溶融できることを見出し、本発明を完成させるに至った。
すなわち、本発明(1)は、溶融容器に、亜鉛還元法により製造された樹枝状、針状又は板状の多結晶シリコンと、シリコンインゴットを砕いて得た塊状シリコンと、を充填し、次いで、充填物を1410〜1600℃で加熱して、該充填物を溶融させることを特徴とする多結晶シリコンの溶融方法を提供するものである。
また、本発明(2)は、前記塊状シリコンの充填量が、前記溶融容器に充填する全シリコンに対して3〜80質量%であることを特徴とする本発明(1)の多結晶シリコンの溶融方法を提供するものである。
また、本発明(3)は、充填後の全シリコンの充填密度が、0.8〜2.0g/cmであることを特徴とする本発明(2)の多結晶シリコンの溶融方法を提供するものである。
本発明によれば、亜鉛還元法により製造された樹枝状、針状又は板状の多結晶シリコンの溶融時間を短縮することができる多結晶シリコンの溶融方法を提供することができる。
本発明の多結晶シリコンの溶融方法において、該樹枝状、針状又は板状の多結晶シリコン及び該塊状シリコンが、該溶融容器に充填された後の様子を示す模式的な断面図である。 該樹枝状の多結晶シリコン及び該針状の多結晶シリコンの形状を示す模式図である。 亜鉛還元法により多結晶シリコンを製造するための反応装置を示す模式的な断面図である。 従来の多結晶シリコンの溶融方法を行っている様子を示す模式的な断面図である。
本発明の多結晶シリコンの溶融方法は、溶融容器に、亜鉛還元法により製造された樹枝状、針状又は板状の多結晶シリコンと、シリコンインゴットを砕いて得た塊状シリコンと、を充填し、次いで、充填物を1410〜1600℃で加熱して、該充填物を溶融させる多結晶シリコンの溶融方法である。なお、以下、該溶融容器に充填される該塊状シリコンを得るためのシリコンインゴット、つまり、砕く前のシリコンインゴットを、「シリコンインゴット(塊状シリコン用)」とも記載する。
そして、本発明の多結晶シリコンの溶融方法は、亜鉛還元法により製造された多結晶シリコンを溶融した後、冷却して結晶化させて、太陽電池の製造に用いられるシリコンインゴットを得る太陽電池用シリコンインゴットの製造方法において、該亜鉛還元法により製造された多結晶シリコンを溶融するための多結晶シリコンの溶融方法である。
本発明の多結晶シリコンの溶融方法について、図1を参照して説明する。図1は、本発明の多結晶シリコンの溶融方法において、該樹枝状、針状又は板状の多結晶シリコン及び該塊状シリコンが、該溶融容器に充填された後の様子を示す模式的な断面図である。図1中、多結晶シリコンの溶融装置10は、溶融容器1と、該溶融容器1を加熱するための電気ヒーター2と、該溶融容器1及び該電気ヒーター2とを覆う保持容器3と、からなる。該保持容器3には、該保持容器3内に、アルゴンガス6を供給するためのガス供給ノズル4と、該保持容器3内のガスを排出するためのガス排出ノズル5と、が設置されている。なお、該溶融容器を垂直な面で切ったときの断面において、底の形状は、図1の溶融容器1では半円形であるが、溶融容器の底は平らであっても構わない。また、該溶融容器を水平な面で切ったときの断面において、その断面の形状は、円形であっても、正方形、長方形等の角型であっても構わない。
本発明の多結晶シリコンの溶融方法では、先ず、該溶融容器1に、樹枝状、針状又は板状の多結晶シリコン7及び塊状シリコン8を充填する。このとき、該塊状シリコン8が、該溶融容器1の底に接触するように、該塊状シリコン8を配置し、その上に、該樹枝状、針状又は板状の多結晶シリコン7を充填する。
次いで、該保持容器3を密閉した後、該ガス供給ノズル4から該保持容器3内に、アルゴンガス6を供給しながら、該ガス排出ノズル5から図示しない減圧手段により該保持容器3内のアルゴンガス6を吸引して、該保持容器3内を減圧下のアルゴンガス雰囲気下にする。
次いで、該電気ヒーター2により、該溶融容器1に充填されている充填物、つまり、該樹枝状、針状又は板状の多結晶シリコン7及び該塊状シリコン8を、1410〜1600℃で加熱して、溶融させる。
このようにして、本発明の多結晶シリコンの溶融方法を行い、該充填物であるシリコンを溶解させて、溶融シリコンを得る。
なお、本発明の多結晶シリコンの溶融方法を行った後は、該溶融シリコンを冷却し、結晶化させて、太陽電池用のシリコンインゴットを得る。該溶融シリコンを冷却し結晶化させて、太陽電池用のシリコンインゴットを得る方法としては、特に制限されず、公知の方法等を用いて、溶融シリコンの結晶化を行うことができる。
該保持容器3内の雰囲気は、図1では、アルゴンガス雰囲気下である旨説明したが、これに限定されるものではなく、アルゴンガス、窒素ガス等の不活性ガス雰囲気下、又は減圧雰囲気下でもよい。また、該保持容器3を加熱する手段は、図1では、該電気ヒーター2であり、電気ヒーターには商用周波数の交流、直流又は40kHz以下の高周波による電磁加熱手段が使用される。
本発明の多結晶シリコンの溶融方法において、溶融される多結晶シリコンは、前記式(1)の反応式のように、四塩化珪素ガスと亜鉛ガスとを反応させて、四塩化珪素を亜鉛で還元することにより得られる樹枝状、針状又は板状の多結晶シリコンである。該亜鉛還元法では、樹枝状又は針状にシリコンの結晶が成長するので、大きな樹枝状又は針状のものに成長するが、該亜鉛還元法により得られる多結晶シリコン中には、大きな樹枝状又は針状のものの他に、板状になるものや、小さな樹枝状又は針状のものもあり、また、反応装置外へ取り出す際に樹枝状又は針状のものが砕けて、小さな樹枝状又は針状となったものもある。該樹枝状、針状又は板状の多結晶シリコンの大きさは、100μm以上、好ましくは500μm以上、特に好ましくは1000μm以上である。そして、該樹枝状、針状又は板状の多結晶シリコンとしては、50質量%以上が100μmメッシュサイズのスクリーンを通過しない樹枝状、針状又は板状の多結晶シリコンであることが好ましく、50質量%以上が500μmメッシュサイズのスクリーンを通過しない樹枝状、針状又は板状の多結晶シリコンであることが特に好ましい。なお、該樹枝状とは、図2の(2−1)に示すような、幹部11と該幹部11から伸びる枝部12とからなる形状であり、また、該針状とは、図2の(2−2)に示すような、略直線に伸びた形状であり、また、該板状とは、鱗片状、フレーク状等の略平面方向に広がった形状である。また、該樹枝状、針状又は板状の多結晶シリコンの大きさとは、樹枝状の場合は結晶の最も長い部分の長さ(図2の(2−1)では符号13aの長さ)を指し、針状の場合は結晶の長さ(図2の(2−2)では符号13bの長さ)を指し、板状の場合は結晶の最も長い径を指す。
一方、四塩化珪素ガスと亜鉛ガスとを反応させる際に、両者を激しく撹拌すると、直径が3μm以下の細粒状の多結晶シリコンが得られるが、このような細粒状の多結晶シリコンは、充填密度が低いため溶融に時間がかかる。本発明の多結晶シリコンの溶融方法に係る該樹枝状、針状又は板状の多結晶シリコンは、四塩化珪素ガスと亜鉛ガスとを激しく撹拌して得られるような、直径が3μm以下の細粒状の多結晶シリコンとは異なる。
該樹枝状、針状又は板状の多結晶シリコンとしては、上記のような樹枝状、針状又は板状のものであれば、どのような製造方法で得られたかは、特に制限されない。公知の方法、例えば、前記特許文献1に記載された方法や、前記非特許文献1に記載された方法等により、適宜、該樹枝状、針状又は板状の多結晶シリコンを製造することができる。
そして、該樹枝状、針状又は板状の多結晶シリコンを得易い点で、図3に示す反応装置を用いて、四塩化珪素ガス及び亜鉛ガスを反応させて、該樹枝状、針状又は板状の多結晶シリコンを製造することが好ましい。図3を参照して、四塩化珪素ガス及び亜鉛ガスを反応させて、該樹枝状、針状又は板状の多結晶シリコンを製造する方法の一例を説明する。
図3は、亜鉛還元法により多結晶シリコンを製造するための反応装置を示す模式的な断面図である。図3中、反応装置20は、横長の反応炉21と、該反応炉21の一端に設置され、該反応炉21に亜鉛ガス24を供給するための亜鉛ガス供給管22と、該反応炉21の一端且つ該亜鉛ガス供給管24より下方に設置され、該反応炉21に四塩化珪素ガス25を供給するための四塩化珪素ガス供給管23と、該反応炉21の他端に設置され、該反応炉21内からの排出ガス27を排出するためのガス排出管26と、を有する。
そして、該反応炉21内の温度を、910〜1100℃にして、該亜鉛ガス供給管22からキャリアーガスを用いて該亜鉛ガス24を、該四塩化珪素ガス供給管23からキャリアーガスを用いて又はキャリアーガスを用いずに該四塩化珪素ガス25を、該反応炉21内に供給して、該反応炉21内で、四塩化珪素ガスと亜鉛ガスとを反応させる。この反応により、該反応炉21内に、該樹枝状、針状又は板状の多結晶シリコンが生成する。そして、該ガス排出管26から、副生成物である塩化亜鉛と未反応物である亜鉛と四塩化ケイ素をキャリアーガスと共に、該排出ガス27として排出する。このような製造方法では、比重が軽い亜鉛ガスを上側から、比重が重い四塩化珪素ガスを下側から供給しているため、該反応炉21内で四塩化珪素ガスと亜鉛が、穏やかに撹拌されるので、該樹枝状、針状又は板状の多結晶シリコンが生成し易い。更に、四塩化珪素ガス及び亜鉛ガスの供給速度を遅くすることや、亜鉛ガス側のみキャリアーガスを用いて、四塩化珪素ガス側にはキャリアーガスを用いないこと等により、該樹枝状、針状又は板状の多結晶シリコンを生成し易くすることができる。
本発明の多結晶シリコンの溶融方法に係る該塊状シリコンは、シリコンインゴット(塊状シリコン用)を砕いて得られる。該シリコンインゴット(塊状シリコン用)は、シリコンを溶融させた後、溶融シリコンを冷却し、結晶化させたものであるが、亜鉛還元法により製造された多結晶シリコンを溶融及び結晶化させて得られたものであっても、シーメンス法により製造された多結晶シリコンを溶融及び結晶化させて得られたものであってもよい。また、該シリコンインゴット(塊状シリコン用)は、本発明の多結晶シリコンの溶融方法を用いて溶融させた溶融シリコンを、冷却し、結晶化させて得られたものであっても、別の溶融方法を用いて得られたものであってもよい。
該塊状シリコンの質量は、1〜1500g、好ましくは10〜1500g、さらに好ましくは50〜1500gである。なお、該塊状シリコンを複数個充填する場合は、該塊状シリコンの個々の質量が、1〜1500g、好ましくは10〜1500g、さらに好ましくは50〜1500gである。該塊状シリコンの質量が上記範囲にあることにより、シリコンの溶融時間が短くなる。
本発明の多結晶シリコンの溶融方法に係る該溶融容器は、製品であるシリコンインゴットの不純物による汚染を防ぎ、且つ、高温に耐える必要があるため、石英ガラス製の坩堝が好ましい。
該塊状シリコンの充填割合((該樹枝状、針状又は板状の多結晶シリコンの質量/該樹枝状、針状又は板状の多結晶シリコン及び該塊状シリコンの合計質量)×100)は、該溶融容器に充填する全シリコンに対して、3〜80質量%、好ましくは5〜65質量%、特に好ましくは10〜50質量%である。該塊状シリコンの充填割合が上記範囲内にあることにより、シリコンの溶融時間が短くなる。一方、該塊状シリコンの充填割合が上記範囲を超えても、シリコンの溶融時間を短くする効果は得られるものの、該シリコンインゴット(塊状シリコン用)由来のシリコンが多くなり過ぎるので、亜鉛還元法により製造された多結晶シリコンの溶融効率が低くなり易い。なお、該塊状シリコンを2個以上充填する場合は、それらの合計量で計算する。
該樹枝状、針状又は板状の多結晶シリコンを該溶融容器に充填した後の全シリコンの充填密度は、0.8〜2.0g/cm、好ましくは0.8〜1.8g/cm、特に好ましくは0.9〜1.6g/cmである。充填後の全シリコンの充填密度が上記範囲内にあることにより、シリコンの溶融時間が短くなる。一方、充填後の全シリコンの充填密度が上記範囲を超えても、シリコンの溶融時間を短くする効果は得られるものの、該シリコンインゴット(塊状シリコン用)由来のシリコンが多くなり過ぎるので、亜鉛還元法により製造された多結晶シリコンの溶融効率が低くなり易い。なお、該全シリコンの充填密度とは、下記式(2):
全シリコンの充填密度(g/cm)=A/B (2)
(式中、Aは、該溶融容器に充填される該樹枝状、針状又は板状の多結晶シリコン及び該塊状シリコンの合計質量を表わし、Bは、該溶融容器に充填される該樹枝状、針状又は板状の多結晶シリコン及び該塊状シリコンの見かけ体積を示す。なお、見かけ体積とは、充填物中の空隙も含めた見かけ上の体積である。)
により算出される値である。
従来の多結晶シリコンの溶融方法では、溶融容器に充填するシリコンが、全て、該樹枝状、針状又は板状の多結晶シリコンであったため、図4に示すように、溶融した多結晶シリコン32が、溶融容器1の底部に溜まり、未溶融の樹枝状、針状又は板状の多結晶シリコン31が、つり橋のように容器の上部に繋がって残留してしまう場合がある。そして、このようなつり橋状になった該樹枝状、針状又は板状の多結晶シリコン31を溶融させるためには、更に温度を上昇させる必要がある。
それに対して、本発明の多結晶シリコンの溶融方法では、溶融速度が速い該塊状シリコンが、該溶融容器の底にあるため、これが速く溶融して溶融シリコンを速やかに形成する。そして、この溶融シリコンは、該樹枝状、針状又は板状の多結晶シリコンの溶融を促進させるので、本発明の多結晶シリコンの溶融方法は、該樹枝状、針状又は板状の多結晶シリコンの溶融時間を短くすることができる。
次に、実施例を挙げて本発明を更に具体的に説明するが、これは単に例示であって、本発明を制限するものではない。
(実施例及び比較例)
表1に示す量の亜鉛還元法により製造された樹枝状、針状又は板状の多結晶シリコン及びシリコンインゴットを砕いて得た塊状シリコンを、縦300mm×横300mm×高さ250mmの坩堝に充填した。次いで、減圧下でアルゴンガスを流通させながら、該坩堝の温度を1450℃まで昇温し、1450℃で保持して、シリコンを溶融させた。このとき、シリコンの全てが溶融するまでにかかった時間を、表1に示す。
・樹枝状、針状又は板状の多結晶シリコン:図2に示す反応装置20により製造された多結晶シリコン、500μmサイズのスクリーンを通過しない樹枝状、針状又は板状の多結晶シリコンの割合は85質量%
・塊状シリコン:個々の質量は50〜300gであった。
Figure 0004791558
比較例1は溶融の際に、塊状シリコンを充填しなかった例である。溶融中に、溶融容器内の一部でつり橋のような状態が形成されたため、全てのシリコンを溶融するのに時間がかかった。それに対し、実施例はいずれも、比較例1より速く全シリコンを溶融させることができた。
本発明によれば、工業的に有利にシリコンインゴットを製造できる。
1 溶融容器
2 電気ヒーター
3 保持容器
4 ガス供給ノズル
5 ガス排出ノズル
6 アルゴンガス
7 樹枝状、針状又は板状の多結晶シリコン
8 塊状シリコン
10 多結晶シリコンの溶融装置
11 幹部
12 枝部
20 反応装置
21 反応炉
22 亜鉛ガス供給管
23 四塩化珪素ガス供給管
24 亜鉛ガス
25 四塩化珪素ガス
26 ガス排出管
27 排出ガス

Claims (3)

  1. 溶融容器に、亜鉛還元法により製造された樹枝状、針状又は板状の多結晶シリコンと、シリコンインゴットを砕いて得た塊状シリコンと、を充填し、次いで、充填物を1410〜1600℃で加熱して、該充填物を溶融させることを特徴とする多結晶シリコンの溶融方法。
  2. 前記塊状シリコンの充填割合が、前記溶融容器に充填する全シリコンに対して3〜80質量%であることを特徴とする請求項1記載の多結晶シリコンの溶融方法。
  3. 充填後の全シリコンの充填密度が、0.8〜2.0g/cmであることを特徴とする請求項2記載の多結晶シリコンの溶融方法。
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