JP2010233411A - 電力変換装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】本発明は、変圧器を介して電力系統に連系する,単位変換器をカスケード接続して構成される電力変換装置において、リアクトルを不要とし、体積・重量を低減できる電力変換装置を提供するものである。
【解決手段】変圧器を介して三相電力系統に連系し、該三相電力系統と有効または無効電力を授受する電力変換装置であって、該変圧器の二次巻線をオープン巻線として6端子とし、該二次巻線の3つの端子に3台の変換器アームをスター結線した回路からなる第1の変換器グループを接続し、該二次巻線の3つの端子に別の3台の変換器アームをスター結線した回路からなる第2の変換器グループを接続し、第1の変換器グループの中性点(スター結線した点)と第2の変換器グループの中性点(スター結線した点)を、それぞれ該電力変換装置の出力端子とすることを特徴とする電力変換装置。
【選択図】 図1

Description

本発明は、電力変換装置に関し、特に変圧器を介して三相系統と連系する電力変換装置に関する。
非特許文献1は、オン・オフ制御が可能なスイッチング素子(Insulated-gate bipolar transistor:IGBTなど)を使用し、該スイッチング素子の耐圧を超える高電圧を出力できる電力変換装置の一方式として、モジュラー・マルチレベル変換器(MMC)を提案している。
MMCの回路構成を説明するために、まず、MMCの各部分の名称を定義する。
MMCでは、図4に示す双方向チョッパ回路が単位変換器となっている。
各単位変換器は、少なくとも2つの端子を介して外部回路と接続する。本実施例では、該2端子をそれぞれx端子,y端子と呼ぶことにする。また。y端子を基準としたx端子までの電圧をセル電圧と呼ぶことにする。
図4に示す双方向チョッパ回路のエネルギー蓄積素子405の電圧をVCとすると、セル電圧の取りうる値は、VCと零の2つである。
本実施例では、1つまたは複数の前記単位変換器のx端子とy端子をカスケード接続した回路を、変換器アームと呼ぶことにする。
各変換器アームは、少なくとも2つの端子を持つ。本実施例では、該2端子をそれぞれa端子,b端子と呼ぶことにする。また、b端子を基準としたa端子までの電圧をアーム電圧と呼ぶことにする。アーム電圧は、該変換器アームに含まれる単位変換器のセル電圧の和である。
アーム電圧は、セル電圧の和であるため、各セルが備えているエネルギー蓄積素子の電圧VCを単位とする電圧となる。
本実施例では、第1の変換器アームのb端子に第1のリアクトルの一方の端子を直列接続し、第1のリアクトルの他方の端子に第2のリアクトルの一方の端子を直列接続し、第2のリアクトルの他方の端子に第2の変換器アームのa端子を直列接続した回路をレグと呼ぶことにする。
第1の変換器アームのa端子をレグのP端子と呼び、前記2台のリアクトルの接続点をレグのM端子と呼び、第2の変換器アームのb端子をレグのN端子と呼ぶことにする。したがって、各レグはP端子,M端子,N端子の少なくとも3端子を持つ。また、本実施例では、レグに含まれる2台の変換器アームのアーム電圧の和をレグ電圧と呼ぶことにする。
レグ電圧はアーム電圧の和であるため、やはり、各単位変換器が備えているエネルギー蓄積素子の電圧VCを単位とする電圧となる。
次に、MMCの回路構成を説明する。ここでは一例として三相MMCについて述べる
3台のレグのP端子を相互に接続して、その接続点から一方の端子を引き出し、同様に、該3台のレグのN端子を相互に接続し、その接続点から他方の端子を引き出すことで、三相MMCを構成できる。本実施例では、相互に接続された3つの前記P端子から引き出した端子をMMCの正側出力端子、相互に接続された3つの前記N端子から引き出した端子をMMCの負側出力端子と呼ぶことにする。
MMCの正側出力端子と負側出力端子との間には直流負荷を接続できる。
また、前記3台のレグの合計3つのM端子には、三相電力系統を接続できる。本実施例では、前記3台のレグの合計3つのM端子を総称して、三相端子と呼ぶことにする。
以下、MMCの動作についてごく簡単に説明する。前記三相端子は、変圧器または、連系リアクトルを介して三相電力系統に連系しているものとする。
MMCを構成する各変換器アームのアーム電圧を制御することにより、三相端子間の電圧を制御できる。
例えば、三相端子間の電圧の系統周波数成分を、系統線間電圧と同周波数、同振幅に制御しつつ、位相のみを系統線間電圧の位相よりもわずかに遅らせると、電力系統から三相MMCに有効電力が流入する。
また、三相端子間の電圧の系統周波数成分を、系統線間電圧と同周波数と同振幅に制御しつつ、位相のみを系統線間電圧の位相よりもわずかに進ませると、三相MMCから電力系統に有効電力が流出する。
三相端子間の電圧の系統周波数成分を、系統線間電圧と同周波数、同位相に制御しつつ、振幅のみを系統線間電圧の振幅よりもわずかに増加すると、電力系統と三相MMCの間に進相無効電力が発生する。
三相端子間の電圧の系統周波数成分を、系統線間電圧と同周波数、同位相に制御しつつ、振幅のみを系統線間電圧の振幅よりもわずかに減少すると、電力系統と三相MMCの間に遅相無効電力が発生する。
しかし、MMCには以下で述べる2つの課題がある。
第1の課題は、各レグにリアクトルが必要である点である。
前記三相MMCにおいて、各単位変換器に含まれるエネルギー蓄積素子が理想的な直流電圧源であり、かつ、全て理想直流電圧源の電圧が等しい場合、各単位変換器のスイッチング・タイミングを適切に制御することにより、3台のレグのレグ電圧を一致させることができる。
しかし、実際のMMCでは、エネルギー蓄積素子として、電解コンデンサや蓄電池を使用する。
各単位変換器は、単相変換器として動作するため、各単位変換器に流入出する瞬時電力は、三相端子に接続された電力系統または三相負荷の周波数の2倍周波数の脈動成分を持つ。
また、MMCは、正側出力端子と負側出力端子の間に接続された直流負荷と直流電力を授受するため、各単位変換器に流入出する瞬時電力には、該直流負荷との電力授受に伴う電力脈動成分も存在する。
したがって、各単位変換器に含まれるエネルギー蓄積素子(電解コンデンサや蓄電池など)の両端電圧は脈動しており、しかも、その脈動成分の瞬時値は、レグごとに異なる。
前述のように、レグ電圧は、そのレグに含まれる単位変換器のエネルギー蓄積素子の電圧VCを単位とする電圧となる。
エネルギー蓄積素子の電圧VCがレグごとに異なる場合、単位変換器のスイッチング・タイミングを適切に制御しても、3台のレグのレグ電圧を常時完全に一致させることは不可能である。
3台のレグのレグ電圧が不一致である期間において、レグ電圧の差は、各レグに含まれる2台のリアクトルのみが分担する。
各レグに含まれる2台のリアクトルのインダクタンスが零であった場合、該期間において、レグ電圧の差を分担するのは、レグ間を接続する配線のみとなる。該配線のインピーダンスは小さいため、前記3台のレグに過電流が流れてしまう。
このため、この過電流を制御するために、各レグにリアクトルが必須である。
第2の課題は、MMCが直流電力を直流負荷に伝送する場合、前記リアクトルが大型化する点である。
MMCが直流電力を負荷負荷に伝送する場合、各相の変換器アームとリアクトルに零相直流電流を流す必要がある。このため、前記リアクトルには零相直流電流と正相・逆相電流が重畳した電流が流れる。
この場合、該リアクトルに正相・逆相電流のみが流れる場合に比較して電流最大値が大きくなる。該電流最大値においても磁気飽和を起こさないためには、該リアクトルの鉄心断面積を大きくする必要があり、前記リアクトルの大型化を招く。
萩原誠・赤木泰文:「モジュラー・マルチレベル変換器(MMC)のPWM制御法と動作検証」、電気学会論文誌D、128巻7号、pp.957−965。
通常、各種電力変換装置を特別高圧系統に連系する場合、電圧の昇降圧や電気的絶縁確保の目的で、変圧器を設置することが一般的である。
そして、本発明は、変圧器を介して電力系統に連系する,単位変換器をカスケード接続して構成される電力変換装置において、リアクトルを不要とし、体積・重量を低減できる電力変換装置を提供するものである。
上記課題を達成するために、本発明は電圧源と制御電流源の直列回路を備えた電力変換装置において、前記電圧源と前記制御電流源の直列回路を少なくとも2組並列接続し、該並列接続した前記直列回路の並列接続点をそれぞれ出力端子とすることを特徴とするものである。
また、上記課題を達成するために、本発明は三相電圧源の中性点を引き出した三相電圧源の各相に3つの制御電流源をスター結線した回路を接続して構成した電力変換装置において、前記制御電流源の中性点と前記三相電圧源の中性点とを出力端子とすることを特徴とするものである。
更に、本発明は電力変換装置において、前記電圧源はディファレンシャルモード(または正相・逆相)成分のみを含んでおり、前記制御電流源は、ディファレンシャルモード(または正相・逆相)成分を制御することで、前記電圧源と電力授受を行い、前記制御電流源は、コモンモード(または零相)成分を制御することで、前記出力端子に接続された負荷装置または電源と電力の授受を行うことを特徴とするものである。
また、上記課題を達成するために、本発明は単相または多相変圧器と変換器アームとを備えた電力変換装置において、該電力変換装置は前記単相または多相変圧器の一次巻線の各相が入力端子であり、前記単相または多相変圧器の二次巻線は中性点を引き出した構造となっており、前記変圧器の二次巻線と変換器アームとの直列回路を並列接続し、該並列接続点と前記二次巻線の中性点とをそれぞれ出力端子とすることを特徴とするものである。
また、上記課題を達成するために、本発明は二次巻線から中性点を引き出した三相変圧器と、前記二次巻線の各相に、3台の変換器アームをスター結線した回路を接続して構成した電力変換装置において、前記三相変圧器の一次巻線の各相を入力端子とし、前記変換器アームの中性点と前記二次巻線の中性点とを出力端子とすることを特徴とするものである。
また、上記課題を達成するために、本発明は変圧器を介して三相電力系統に連系する電力変換装置において、前記変圧器の一次巻線を前記三相電力系統に接続し、該変圧器の二次巻線をオープン巻線として6端子とし、該二次巻線の第1〜第3の端子に3台の変換器アームをスター結線した回路からなる第1の変換器グループを接続し、第4〜第6の端子に別の3台の変換器アームをスター結線した回路からなる第2の変換器グループをスター結線した回路を接続し、第1の変換器グループの中性点と第2の変換器グループの中性点とを電力変換装置の出力端子とすることを特徴とするものである。
また、上記課題を達成するために、本発明は変圧器を介して三相電力系統に連系する電力変換装置において、前記変圧器の一次巻線を前記三相電力系統に接続し、該変圧器の二次巻線の中性点を引き出して4端子とし、該二次巻線の中性点以外の各相に3台の変換器アームをスター結線した回路を接続し、前記3台の変換器アーム中性点と前記二次巻線の中性点とを電力変換装置の出力端子とすることを特徴とするものである。
更に、本発明は電力変換装置において、前記変換器アームは、ディファレンシャルモード(正相・逆相)電流を制御することで、前記変圧器の一次巻線に接続した単相または多相電力系統と電力授受を行い、コモンモード(零相)成分を制御することで、前記出力端子に接続された負荷装置または電源と電力の授受を行うことを特徴とするものである。
更に、本発明は電力変換装置において、前記変圧器は、二次巻線を流れるコモンモード(零相)電流に起因する起磁力を大略零とする手段を備えていることを特徴とするものである。
更に、本発明は電力変換装置において、一次巻線と二次巻線を入れ替えたことを特徴とするものである。
そして、本発明の電力変換装置によれば、変圧器の励磁インダクタンスと漏れインダクタンスが、非特許文献1のMMCにおけるリアクトルの役割を兼ねるため、リアクトルが不要となり、このため、電力変換装置を小形・軽量化できる。
本発明によれば、リアクトルを不要とし、体積・重量を低減した電力変換装置を提供することが出きる。
また、本発明の電力変換装置は、電力系統と有効電力を授受する場合、変圧器二次巻線に零相直流電流が流れるが、これに起因する起磁力は零となるため、磁束を生じない効果が得られる。
本発明の第1の実施形態を示す回路図。 本発明の第1の実施形態における変圧器。 フルブリッジ形の単位変換器。 双方向チョッパ形の単位変換器。 本発明の第1の実施形態を無効電力補償装置として応用した例。 本発明の第2の実施形態を示す回路図。 本発明の第2の実施形態における変圧器。 本発明の第3の実施形態を示す回路図。 本発明の第3の実施形態における変圧器。 本発明の第4の実施形態を示す回路図。 本発明の第4の実施形態における変圧器。 本発明の第5の実施形態を示す回路図。 本発明の第5の実施形態における変圧器。 本発明の第5の実施形態における電圧フェーザ図。 本発明の第5の実施形態における概略動作波形。 本発明の第5の実施形態を直流送電システムに応用した例。 本発明の第6の実施形態を示す回路図。 本発明の第6の実施形態における変圧器。 本発明の第7の実施形態を示す回路図。 本発明の第7の実施形態における変圧器。 本発明の第8の実施形態を示す回路図。 本発明の第8の実施形態における変圧器。 本発明の第9の実施形態を示す回路図。 本発明の第9の実施形態における変圧器。 本発明の第10の実施形態を示す回路図。 本発明の第10の実施形態における変圧器。 本発明の第11の実施形態を示す回路図。
以下、本発明の実施形態を図面を用いて説明する。
本発明を実施する第1の形態について説明する。
本発明の電力変換装置101の構成について、図1を用いて説明する。
電力変換装置101は、変圧器105と正側変換器グループ112,負側変換器グループ116とから構成される。
本実施例では、三相電力系統100の各相をR相,S相,T相と呼ぶことにする。また、線間電圧をVRS,VST,VTRと表記する。さらに、三相電力系統100の各相に流れる電流を系統電流と呼び、IR,IS,ITと表記することにする。
次に、図1と図2を用いて、変圧器105の構成について説明する。
変圧器105は、R相端子102,S相端子103,T相端子104,u相正側端子106,v相正側端子107,w相正側端子108,u相負側端子109,v相負側端子110,w相負側端子111、の合計9端子を備えている。
図2は、変圧器105の各巻線が各鉄心に生じる起磁力の極性と、各巻線の結線を示す。変圧器105は、鉄心202〜204を有しており、これらの鉄心は三脚鉄心を構成する。一次巻線200はデルタ結線されており、R相−S相間,S相−T相間,T相−R相間の各巻線205,206,207はそれぞれ鉄心202,203,204に巻回されている。巻線205〜207の巻数は大略等しい。
二次巻線201は、u相巻線208,v相巻線209,w相巻線210を備えている。巻線208〜210の巻数は大略等しい。
実施例1では、u相巻線208の両端電圧をVu、v相巻線209の両端電圧をVv、w相巻線210の両端電圧をVwと表記することにする。
電力変換装置の正側出力端子121と負側出力端子122の間には、負荷装置123を接続している。本明細書では、負荷装置123に印加される電圧をVD、負荷装置123に流れる電流をIDと表記することにする。
次に、正側変換器グループ112と負側変換器グループ116の構成について説明する。
正側変換器グループ112は、u相正側変換器アーム113,v相正側変換器アーム114,w相正側変換器アーム115とからなる。また、該負側変換器グループ116は、u相負側変換器アーム117,v相負側変換器アーム118,w相負側変換器アーム119からなる。
各変換器アーム113〜115,117〜118は、a端子とb端子とを備えている。本実施例では、b端子を基準としたa端子までの電圧をアーム電圧と呼ぶことにする。また、各変換器アーム113〜115,117〜118は1台または複数台の単位変換器120をカスケード接続した回路である。
u相正側変換器アーム113のa端子を正側出力端子121に接続し、b端子を変圧器105のu相正側端子106に接続する。また、本実施例ではu相正側変換器アーム113のアーム電圧をVarmuHと表記することにする。
v相正側変換器アーム114のa端子を正側出力端子121に接続し、b端子を変圧器105のv相正側端子107に接続する。また、本実施例はv相正側変換器アーム114のアーム電圧をVarmvHと表記することにする。
w相正側変換器アーム115のa端子を正側出力端子121に接続し、b端子を変圧器105のw相正側端子108に接続する。また、本実施例ではw相正側変換器アーム115のアーム電圧をVarmwHと表記することにする。
u相負側変換器アーム117のa端子を変圧器105のu相負側端子109に接続し、b端子を負側出力端子122に接続する。また、本実施例ではu相負側変換器アーム117のアーム電圧をVarmuLと表記することにする。
v相負側変換器アーム118のa端子を変圧器105のv相負側端子110に接続し、b端子を負側出力端子122に接続する。また、本実施例ではv相負側変換器アーム118のアーム電圧をVarmvLと表記することにする。
v相負側変換器アーム119のa端子を変圧器105のw相負側端子111に接続し、b端子を負側出力端子122に接続する。また、本実施例ではw相負側変換器アーム119のアーム電圧をVarmwLと表記することにする。
実施例1では、VarmuHとVarmuLの和をu相アーム電圧Varmuと表記することにする。また、VarmvHとVarmvLの和をv相アーム電圧Varmuと表記することにする。同様に、VarmwHとVarmwLの和をw相アーム電圧Varmuと表記することにする。
また、実施例1では、u相正側変換器アーム113とu相負側変換器アーム117を流れる電流をu相アーム電流Iu、v相正側変換器アーム114とv相負側変換器アーム118を流れる電流をv相アーム電流Iv、w相正側変換器アーム115とw相負側変換器アーム119を流れる電流をw相アーム電流Iwと表記することにする。
次に、図3と図4を用いて、単位変換器120の構成について説明する。
図3は、単位変換器120の内部構成の一例を示す。図3の単位変換器はフルブリッジ回路である。単位変換器120は、x端子300とy端子301を有する2端子回路であり、x相ハイサイド・スイッチング素子302,x相ローサイド・スイッチング素子303,y相ハイサイド・スイッチング素子304,y相ローサイド・スイッチング素子305,エネルギー蓄積素子306とからなる。スイッチング素子302〜305は、IGBTに代表されるオン・オフ制御形電力用半導体素子である。また、エネルギー蓄積素子306は、コンデンサや蓄電池などである。本実施例では、y端子を基準としたx端子までの電圧を、単位変換器のセル電圧Vcellと呼ぶことにする。
一方、単位変換器120を図4のように双方向チョッパとすることもできる。
図4に示す双方向チョッパは、ハイサイド・スイッチング素子403,ローサイド・スイッチング素子404,エネルギー蓄積素子405で構成されている。スイッチング素子403,404は、IGBTに代表されるオン・オフ制御形電力用半導体素子である。また、エネルギー蓄積素子405は、コンデンサや蓄電池などである。本実施例では、図4における該電圧もセル電圧Vcellと表記することにする。
次に、電力変換装置101の動作を、以下の3ケースについて説明する。
(1)三相電力系統100から有効電力を受電し、負荷装置123に単相交流電力または直流電力を供給する場合
(2)負荷装置123から単相交流電力または直流電力を受電し、三相電力系統100に有効電力を供給する場合
(3)三相電力系統100と無効電力を授受する場合
以下、電力変換装置101が三相電力系統100から有効電力を受電し、負荷装置123に単相交流電力または直流電力を供給する場合の動作について説明する。ここでは、負荷装置123が直流送電線であり、該電力変換装置101は直流送電線から見て送電側の電力変換装置である場合や、負荷装置123がモータドライブ・インバータであり、該モータドライブ・インバータが力行運転している場合、または負荷装置123が単相交流負荷である場合などを想定している。
本実施例では、三相電力系統100の線間電圧VRS,VST,VTRを変圧器二次側に換算した電圧をaVRS,aVST,aVTRと表記することにする。ここで、aは変圧器一次巻線に対する二次巻線の巻数比である。
ここで、変圧器の二次巻線の電圧Vu,Vv,Vwと、アーム電圧Varmu,Varmv,Varmwと、負荷装置123の電圧VDの関係を説明する。
Vu,Varmu,VDの関係は、次式で表わされる。
(数1)
Vu=VD−Varmu
Vv,Varmv,VDの関係は、次式で表わされる。
(数2)
Vv=VD−Varmv
Vw,Varmw,VDの関係は、次式で表わされる。
(数3)
Vw=VD−Varmw
以上、数1〜3より、u相アーム電圧Varmu,v相アーム電圧Varmv,w相アーム電圧Varmwを制御することによって、変圧器の二次巻線の電圧Vu,Vv,Vwを制御できる。
ここで,実施例1においてリアクトルが不要となる理由について説明する。
三相電力系統100のR相−S相間の線間電圧VRSを変圧器二次側に換算した電圧aVRSとu相アーム電圧Varmuの和aVRS+Varmuと,三相電力系統100のS相−T相間の線間電圧VSTを変圧器二次側に換算した電圧aVSTとv相アーム電圧Varmvの和aVST+Varmvと,三相電力系統100のT相−R相間の線間電圧VTRを変圧器二次側に換算した電圧aVTRとw相アーム電圧Varmwの和aVTR+Varmwとは,相互に異なる可能性がある。
aVRS+VarmuとaVST+VarmvとaVTR+Varmwとの差は,変圧器105の漏れインダクタンスによって分担される。
したがって,実施例1においてリアクトルは不要である。
Vu,Vv,Vwの周波数と振幅を、aVRS,aVST,aVTRの周波数と振幅に一致させつつ、Vu,Vv,Vwの位相のみをaVRS,aVST,aVTRの位相よりもわずかに遅らせると、三相電力系統100から電力変換装置101に有効電力を流入させることができる。
次に、アーム電圧は単位変換器120を構成するスイッチング素子のスイッチング状態によって制御できることについて述べる。
まず、単位変換器120がフルブリッジ回路(図3)である場合について述べる。
x相ハイサイド・スイッチング素子302とx相ローサイド・スイッチング素子303を交互にオン・オフする。また、y相ハイサイド・スイッチング素子304とy相ローサイド・スイッチング素子305を交互にオン・オフする。
x相ハイサイド・スイッチング素子302がオン、x相ローサイド・スイッチング素子303がオフ、y相ハイサイド・スイッチング素子304がオフ、y相ローサイド・スイッチング素子305がオンの場合、電流Icellに依存することなく、セル電圧Vcellはエネルギー蓄積素子306の電圧VCと大略等しい。
x相ハイサイド・スイッチング素子302がオン、x相ローサイド・スイッチング素子303がオフ、y相ハイサイド・スイッチング素子304がオン、y相ローサイド・スイッチング素子305がオフの場合、電流Icellに依存することなく、セル電圧Vcellはほぼ零である。
x相ハイサイド・スイッチング素子302がオフ、x相ローサイド・スイッチング素子503がオン、y相ハイサイド・スイッチング素子304がオフ、y相ローサイド・スイッチング素子305がオンの場合、電流Icellに依存することなく、セル電圧Vcellはほぼ零である。
x相ハイサイド・スイッチング素子302がオフ、x相ローサイド・スイッチング素子303がオン、y相ハイサイド・スイッチング素子304がオン、y相ローサイド・スイッチング素子305がオフの場合、電流Icellに依存することなく、セル電圧Vcellはエネルギー蓄積素子306の電圧VCの極性を反転させた電圧に大略等しい。
x相ハイサイド・スイッチング素子302,x相ローサイド・スイッチング素子303,y相ハイサイド・スイッチング素子304,y相ローサイド・スイッチング素子305が全てオフの場合、セル電圧Vcellは電流Icellの極性に依存して決まる。Icellが正である場合、セル電圧Vcellはエネルギー蓄積素子306の電圧VCに大略等しい。Icellが負である場合、セル電圧Vcellはエネルギー蓄積素子306の電圧VCの極性を反転させた電圧に大略等しい。
次に、単位変換器120が双方向チョッパ(図4)である場合について述べる。
ハイサイド・スイッチング素子403がオン、ローサイド・スイッチング素子604がオフの場合、電流Icellに依存することなく、セル電圧Vcellは直流コンデンサ604の電圧VCに大略等しい。
ハイサイド・スイッチング素子403がオフ、ローサイド・スイッチング素子404がオンの場合、電流Icellに依存することなく、セル電圧Vcellはほぼ零である。
ハイサイド・スイッチング素子403,ローサイド・スイッチング素子604が共にオフの場合、セル電圧Vcellは電流Icellの極性に依存して決まる。Icellが正である場合、セル電圧Vcellはエネルギー蓄積素子306の電圧VCに大略等しい。Icellが負である場合、セル電圧Vcellは零に大略等しい。
次に、負荷装置123に電力を供給する方法について説明する。
負荷装置123を流れる電流IDは、アーム電流Iu,Iv,Iwの和(Iu+Iv+Iw)である。アーム電圧Varmu,Varmv,Varmwが零相成分を含まない場合、アーム電流Iu,Iv,Iwも零相成分を含まない。アーム電流Iu,Iv,Iwが零相成分を含まない場合には、Iu+Iv+Iw=ID=0となり、負荷装置123に電力を伝送できない。
この場合、三相電力系統100から電力変換装置101に流入した有効電力は、各単位変換器120の内部のエネルギー蓄積素子(電解コンデンサなど)に蓄積される。
負荷装置123に電力を供給するためには、アーム電圧Varmu,Varmv,Varmvの零相成分を調節し、アーム電流Iu,Iv,Iwの零相成分を制御する。キルヒホッフの電流則から、ID=Iu+Iv+Iwとなるため、Iu,Iv,Iwの零相成分を調節することにより、電流IDを供給できる。
なお、三相電力系統100から電力変換装置101に流入する有効電力と、負荷装置123が消費する有効電力が等しい場合、各単位変換器120に流入出するエネルギーは、三相電力系統の1周期平均でほぼ零となる。
また、電流IDとして、直流電流,交流電流または両者の重畳した電流を流すことができる。
電力変換装置101と負荷装置123が単相無効電力のみを授受する場合、三相電力系統100から電力変換装置101に流入する有効電力を零とするように制御する。
以下、電力変換装置101が負荷装置123から有効電力を受電し、三相電力系統100に有効電力を供給する場合の動作について説明する。ここでは、負荷装置123が直流送電線であり、該電力変換装置101は直流送電線から見て受電側の電力変換装置である場合や、負荷装置123がモータドライブ・インバータであり、該モータドライブ・インバータが回生制動している場合、または負荷装置123が単相交流電源である場合などを想定している。
Vu,Vv,Vwの周波数と振幅を、aVRS,aVST,aVTRの周波数と振幅に一致させつつ、Vu,Vv,Vwの位相のみをaVRS,aVST,aVTRの位相よりもわずかに進ませると、電力変換装置101から三相電力系統100に有効電力を供給できる。
次に、負荷装置123から電力を受電する方法について説明する。
負荷装置123から流れる電流IDは、アーム電流Iu,Iv,Iwの和(Iu+Iv+Iw)である。アーム電圧Varmu,Varmv,Varmwが零相成分を含まない場合、アーム電流Iu,Iv,Iwも零相成分を含まない。アーム電流Iu,Iv,Iwが零相成分を含まない場合には、Iu+Iv+Iw=ID=0となり、負荷装置123から電力が供給できない。
この場合、電力変換装置101から三相電力系統100に流出する有効電力は、各単位変換器120の内部のエネルギー蓄積素子(電解コンデンサなど)から供給される。
負荷装置123から電力変換装置100に電力を流入させるために、アーム電圧Varmu,Varmv,Varmvの零相成分を調節し、アーム電流Iu,Iv,Iwの零相成分を制御する。キルヒホッフの電流則から、ID=Iu+Iv+Iwとなるため、Iu,Iv,Iwの零相成分を調節することにより、電流IDを供給できる。
なお、電力変換装置101から三相電力系統100に流出する有効電力と、負荷装置123から電力変換装置に流入する有効電力が等しい場合、各単位変換器120に流入出するエネルギーは、三相電力系統の1周期平均でほぼ零となる。
以下、電力変換装置101が三相電力系統100から無効電力を授受し、なおかつ負荷装置123が開放である場合(ID=0)について説明する。ここでは、電力変換装置101が無効電力補償装置として動作している場合などを想定している。
Vu,Vv,Vwの周波数と位相を、aVRS,aVST,aVTRの周波数と位相に一致させつつ、Vu,Vv,Vwの振幅のみをaVRS,aVST,aVTRの振幅よりもわずかに増加させると、電力変換装置101から三相電力系統100に進相無効電力を供給できる。
また、Vu,Vv,Vwの周波数と位相を、aVRS,aVST,aVTRの周波数と位相に一致させつつ、Vu,Vv,Vwの振幅のみをaVRS,aVST,aVTRの振幅よりもわずかに減少させると、電力変換装置101から三相電力系統100に遅相無効電力を供給できる。
次に,本実施例において、前記変圧器の二次巻線と前記変換器アームとの直列回路は、電圧源と制御電流源とみなすことができることについて説明する。
前記変圧器の一次巻線には三相電力系統100が接続されている。電力系統100は電圧源とみなすことができるため、電力系統100が二次巻線に誘起する電圧も電圧源とみなすことができる。
また、前記変換器アームは、前記変換器アームのアーム電圧を適切に調節することによって、前記変圧器の二次巻線の漏れインダクタンスおよび励磁インダクタンスに印加される電圧を調節することができる。
該漏れインダクタンスおよび該励磁インダクタンスに流れる電流は、前記漏れインダクタンスおよび前記励磁インダクタンスに印加される電圧の時間積分に比例する。したがって、前記変換器アームは、前記変換器アームのアーム電圧を介して、前記漏れインダクタンスおよび前記励磁インダクタンスに流れる電流を制御できる。
このため、前記変換器アームと前記励磁インダクタンスおよび前記漏れインダクタンスとの直列回路は、制御電流源とみなすことができる。
本実施例では三相電力系統に連系する電力変換装置について述べた。三相回路において、正相・逆相電流がディファレンシャルモード電流に相当し、零相電流がコモンモード電流に相当する。
また、本実施例は、変換器アームの数を増減することにより、三相電力系統のみならず、単相や多相系統に連系する電力変換装置にも適用できる。
本実施例の応用例として、電力変換器100を無効電力補償装置として応用した例を示す。図5は、電力変換装置101を設置した変電所の例である。変電所501は、三相電力系統500に連系している。変電所母線502には負荷503と本実施例に基づく電力変換装置101を接続している。前述の方法で電力変換装置101と三相電力系統500の間の無効電力Qを適切に調節することにより、変電所母線502の電圧Vの振幅を一定に保つように制御する。
本発明を実施する第2の形態について説明する。実施例1では変圧器の一次巻線をデルタ結線としているが、実施例2では変圧器の一次巻線をスター結線としている。
以下では、実施例2の構成において、実施例1の構成と異なる部分についてのみ説明する。
図6は、本発明の第2の実施形態を表わした回路図である。電力変換装置600は、三相交流端子102〜104を介して三相電力系統100に連系し、三相電力系統100と有効・無効電力を授受する。該電力変換装置600は、変圧器601と正側変換器グループ112と負側変換器グループ113とからなる。
本実施例では、三相電力系統100のR相,S相,T相それぞれの相電圧をVR,VS,VTと表記することにする。
図6の正側変換器グループ112と負側変換器グループ113は、それぞれ実施例1(図1)の正側変換器グループ112と負側変換器グループ113と同一である。
図7は、変圧器601の各巻線が各鉄心に生じる起磁力の極性と、各巻線の結線を示す。変圧器601は、鉄心202〜204を有しており、これらの鉄心は三脚鉄心を構成する。一次巻線700はスター結線されており、R相,S相,T相の各巻線701,702,703はそれぞれ鉄心202,203,204に巻回されている。
図7の二次巻線201は、実施例1の図2の二次巻線201と同一である。そして、実施例2では、実施例1と同様の効果を得られるようになっている。
本発明を実施する第3の形態について説明する。実施例3は実施例1の変形である。実施例1では正側と負側の2つの変換器グループを用いていたが、実施例3では、1つの変換器グループのみを用いている。
実施例3では、実施例1と同様の効果を得られる他、変圧器の端子数を9端子から7端子に減少させることができる。
以下では、実施例3の構成において、実施例1の構成と異なる部分についてのみ説明する。
図8は、本発明の第3の実施形態を表わした回路図である。電力変換装置800は、三相交流端子102〜104を介して三相電力系統100に連系し、三相電力系統100と有効・無効電力を授受する。該電力変換装置800は、変圧器801と変換器グループ806からなる。
変圧器801は、R相端子102,S相端子103,T相端子104,u相端子802,v相端子803,w相端子804,中性点端子805の合計7端子を備えている。
したがって,実施例1,2に比較して,変圧器の端子数を9端子から7端子に減少できる。
図9は、変圧器801の各巻線が各鉄心に生じる起磁力の極性と、各巻線の結線を示す。変圧器801は、鉄心202〜204を有しており、これらの鉄心は三脚鉄心を構成する。一次巻線200は実施例1(図2)と同一構成である。
二次巻線900は、u相巻線901,v相巻線902,w相巻線903を備えている。巻線901〜903の巻数は大略等しい。u相巻線901,v相巻線903,w相巻線903はスター結線されており、中性点nが中性点端子805に引き出されている。
変換器グループ806は、u相変換器アーム807,v相正側変換器アーム808,w相正側変換器アーム809とからなる。
u相変換器アーム806のa端子を正側出力端子121に接続し、b端子を変圧器801のu相端子802に接続する。また、実施例3ではu相変換器アーム113のアーム電圧をVarmuと表記することにする。
v相変換器アーム807のa端子を正側出力端子121に接続し、b端子を変圧器801のv相端子803に接続する。また、実施例3ではv相変換器アーム807のアーム電圧をVarmvと表記することにする。
v相変換器アーム808のa端子を正側出力端子121に接続し、b端子を変圧器801のw相端子804に接続する。また、実施例3ではw相変換器アーム807のアーム電圧をVarmwと表記することにする。
実施例3(図8)における変換器アーム806〜808は、実施例1の図1、および実施例2の図3における変換器アーム113〜115,117〜119とほぼ同一であるが、内包する単位変換器120の台数が約2倍となっている点が異なる。
本発明を実施する第4の形態について説明する。実施例4は実施例2の変形である。実施例2では正側と負側の2つの変換器グループを用いていたが、実施例4では、1つの変換器グループのみを用いた構成で、実施例3と同様の効果を得ている。また、実施例3では変圧器の一次巻線をデルタ結線としているが、実施例4では変圧器の一次巻線をスター結線としている。
以下では、実施例4の構成において、実施例3の構成と異なる部分についてのみ説明する。
図10は、本発明の第4の実施形態を表わした回路図である。電力変換装置1000は、三相交流端子102〜104を介して三相電力系統100に連系し、三相電力系統100と有効・無効電力を授受する。該電力変換装置1000は、変圧器1001と変換器グループ805からなる。
変圧器1001は、R相端子102,S相端子103,T相端子104,u相端子110,v相端子111,w相端子112,中性点端子705の合計7端子を備えている。
図11は、変圧器1001の各巻線が各鉄心に生じる起磁力の極性と、各巻線の結線を示す。変圧器1001は、鉄心202〜204を有しており、これらの鉄心は三脚鉄心を構成する。図10の一次巻線700は実施例2の図7における一次巻線700と同一である。
また、二次巻線900は実施例3の図9における二次巻線900と同一であり、図9の変換器グループ706は実施例3の図7における変換器グループ706と同一である。
本発明を実施する第5の形態について説明する。実施例5は実施例1の変形である。変圧器の二次巻線を各相で2分割し、零相電流に起因する起磁力を零とする結線を行っている点に特徴がある。
実施例5では、実施例1と同様の効果を得られる。これに加えて、負荷装置123に電流IDを流す場合、実施例1〜4と比較して変圧器の鉄心断面積を小さくできる。これは、前記の通り、零相電流に起因する起磁力を零としているためである。
図12は本発明の第5の実施形態を表わした回路図である。実施例5の図12の構成は実施例1の図1の変圧器105を変圧器1201に変更した回路構成である。
変圧器1201は、R相端子102,S相端子103,T相端子104,u相正側端子1202,v相正側端子1203,w相正側端子1204,u相負側端子1206,v相負側端子1207,w相負側端子1208の合計9端子を備えている。
図13は、変圧器1201の各巻線が各鉄心に生じる起磁力の極性と、各巻線の結線を示す。変圧器1201は、鉄心202〜204を有しており、これらの鉄心は三脚鉄心を構成する。図13の一次巻線200は実施例1の図1の一次巻線200と同一である。
二次巻線1300は、u相正側巻線1301,v相正側巻線1302,w相正側巻線1303,u相負側巻線1304,v相負側巻線1305,w相負側巻線1306を備えている。巻線1301〜1306の巻数は大略等しい。
u相正側巻線1301とu相負側巻線1304は電気的に直列接続されている。u相正側巻線1301は鉄心202に巻回されており、u相負側巻線1304は鉄心204に巻回されている。なお、u相正側巻線1301が鉄心202に生じる起磁力と、u相負側巻線1304が鉄心204に生じる起磁力とが、大略同じ大きさで逆極性となるように結線されている。
v相正側巻線1302とv相負側巻線1305は電気的に直列接続されている。v相正側巻線1302は鉄心203に巻回されており、v相負側巻線1305は鉄心202に巻回されている。なお、v相正側巻線1302が鉄心203に生じる起磁力と、v相負側巻線1305が鉄心202に生じる起磁力とが、大略同じ大きさで逆極性となるように結線されている。
w相正側巻線1303とw相負側巻線1306は電気的に直列接続されている。w相正側巻線1303は鉄心204に巻回されており、w相負側巻線1306は鉄心203に巻回されている。なお、w相正側巻線1303が鉄心204に生じる起磁力と、w相負側巻線1306が鉄心203に生じる起磁力とが、大略同じ大きさで逆極性となるように結線されている。
本実施例では、u相正側巻線1301とu相負側巻線1304を総称してu相巻線と呼ぶことにする。また、v相正側巻線1302とv相負側巻線1305を総称してv相巻線と呼ぶことにする。同様に、w相正側巻線1304とw相負側巻線1306を総称してw相巻線と呼ぶことにする。
本実施例では、u相正側巻線1301の両端電圧をVuH、v相正側巻線1302の両端電圧をVvH、w相正側巻線1303の両端電圧をVwH、u相負側巻線1304の両端電圧をVuL、v相負側巻線1305の両端電圧をVvL、w相負側巻線1306の両端電圧をVwLと表記することにする。
また、VuHとVuLの和をu相電圧Vu,VvHとVvLの和をv相電圧Vv,VwHとVwLの和をw相電圧Vwと呼ぶことにする。
図14に、変圧器1201の一次巻線200の電圧(すなわち、三相電力系統100の線間電圧VRS,VST,VTR)と、二次巻線1300の電圧VuH,VvH,VwH,VuL,VvL,VwL,Vu,Vv,Vwのフェーザ図を示す。
図12の正側変換器グループ112は実施例1の図1における変換器グループ112と同一である。また、図12の負側変換器グループ116は実施例1図1における変換器グループ116と同一である。
実施例1と実施例5の相違点について、以下で説明する。実施例1で説明した通り、電力変換装置101が三相電力系統100と有効電力を授受する場合、電流IDが流れる。また、電力変換装置101が負荷装置123に単相無効電力を供給する場合にも電流IDが流れる。電流IDは各相の変換器アームに大略等しく分流し、各アーム電流Iu,Iv,Iwの零相成分(零相電流)となる。したがって、電流IDが流れる場合、二次巻線201に零相電流が流れる。本実施例では、該零相電流をIzと表記することにする。
電流IDが直流である場合、二次巻線に零相直流電流が流れ、鉄心の直流偏磁や磁気飽和を招く虞がある。
これに対して実施例5の電力変換装置1200が負荷装置123に電流IDを流す場合を考える。実施例1の場合と同様に、変圧器1201の二次巻線1300に零相電流が流れる。
鉄心202において、u相正側巻線1301を流れるIzが生じる起磁力と、v相負側巻線1305を流れるIzが生じる起磁力は、大略同じ大きさで逆極性であり、ほぼ相殺する。
鉄心203において、v相正側巻線1302を流れるIzが生じる起磁力と、w相負側巻線1306を流れるIzが生じる起磁力は、大略同じ大きさで逆極性であり、ほぼ相殺する。
鉄心204において、w相正側巻線1303を流れるIzが生じる起磁力と、u相負側巻線1304を流れるIzが生じる起磁力は、大略同じ大きさで逆極性であり、ほぼ相殺する。
したがって、IDが直流であった場合にも、直流起磁力がほぼ零となるため、鉄心の直流偏磁はほとんど発生しない。
以下、図15を用いて、電力変換装置1200の動作について説明する。ただし、図15は電力変換装置1200の動作波形例であり、三相電力系統100の線間電圧VRS,VST,VTR、系統電流IR,IS,IT、アーム電圧Varmu,Varmv,Varmw、アーム電圧の零相成分(Varmu+Varmv+Varmw)/3、アーム電流Iu,Iv,Iw、出力端子電流IDの概略波形を描いている。
図15において、電力変換装置1200は力率1で系統から有効電力を受電し、負荷装置123に直流電圧を印加し、直流電流を流している。すなわち、VDとIDは直流である。
図15の説明では、単位変換器120を図4に示した双方向チョッパ回路としている。
各変換器アームのアーム電圧Varmu,Varmv,Varmwは、その変換器アームに含まれる単位変換器120の台数と大略等しいレベル数のマルチレベル波形となる。また、Varmu,Varmv,Varmwは三相交流成分と零相直流成分を含んでいる。Varmu,Varmv,Varmwの零相直流成分(Varmu+Varmv+Varmw)/3は、出力端子電圧VDに大略等しい。
Varmu,Varmv,VarmwがVDに大略等しい零相直流成分を含んでいるため、数1、数2、数3より、u相電圧Vu、v相電圧Vv、w相電圧Vwは、それぞれVarmu,Varmv,Varmwの交流成分と逆位相の電圧となり、直流成分をほとんど含まない。
Vu,Vv,Vwと、三相電力系統100の線間電圧VRS,VST,VTRを変圧器101の二次側に換算した電圧aVRS,aVST,aVTRとの差電圧は、一次巻線200と二次巻線201の間の、変圧器101の漏れインダクタンスによって支持される。
Vu,Vv,VwをaVRS,aVST,aVTRと同周波数、同振幅に制御し、かつ位相のみをわずかに遅らせるように制御すると、三相電力系統100から電力変換装置1200に有効電力を流入させることができる。
Varmu,Varmv,Varmwの零相成分と、出力端子の電圧VDとの差電圧は、二次巻線1300の零相成分に対するインダクタンスによって支持される。Iu,Iv,Iwの零相成分Izは、該差電圧の時間積分に比例する。したがって、Varmu,Varmv,Varmwの零相直流成分を制御することで、Iu,Iv,Iwの零相成分Izを制御できる。Iu,Iv,Iwの零相成分の和はIDとなる。
図16は、本実施例に基づく電力変換装置1200を、直流送電システムに応用した例である。陸地Aの電力変換装置1200は三相電力系統1600と連系している。陸地Bの電力変換装置1200は三相電力系統1601と連系している。2台の電力変換装置1200の出力端子120,121を海底ケーブルで接続し、陸地Aと陸地Bの間で電力の融通を行う構成になっている。
図17は、本発明の第6の実施形態を表わした回路図である。前述の実施例5では変圧器の一次巻線をデルタ結線としているが、実施例6では変圧器の一次巻線をスター結線として、実施例5と同様の効果を得ているものである。
以下では、実施例6の構成において、実施例5の構成と異なる部分についてのみ説明する。
図17の正側変換器グループ112は実施例1(図1)の正側変換器グループ112と同一である。また、図17の負側変換器グループ116は実施例(図1)の負側変換器グループ113と同一である。
図18は、変圧器1701の各巻線が各鉄心に生じる起磁力の極性と、各巻線の結線を示す。変圧器1701は、鉄心202〜204を有しており、これらの鉄心は三脚鉄心を構成する。図18の一次巻線700は実施例2の図7の一次巻線700と同一である。また、図18の二次巻線1300は実施例5の図13の二次巻線1300と同一である。
図19は、本発明の第7の実施形態を表わした回路図である。実施例7は実施例5の変形である。実施例5では正側と負側の2つの変換器グループを用いていたが、実施例7では、1つの変換器グループのみを用いている。
実施例7では実施例5と同様の効果を得られる他、実施例3と同様に,変圧器の端子数を9端子から7端子に減少させることができる。
以下では、実施例7の構成において、実施例5の構成と異なる部分についてのみ説明する。
図19の変換器グループ806は実施例3の図8の変換器グループ806と同一である。
変圧器1901は、R相端子102,S相端子103,T相端子104,u相端子1902,v相端子1903,w相端子1904,中性点端子1905の合計7端子を備えている。
図20は、変圧器1901の各巻線が各鉄心に生じる起磁力の極性と、各巻線の結線を示す。変圧器1901は、鉄心202〜204を有しており、これらの鉄心は三脚鉄心を構成する。図20の一次巻線200は実施例1の図2の一次巻線200と同一である。
図20の二次巻線2000を構成するu相正側巻線1301,v相正側巻線1302,w相正側巻線1303,u相負側巻線1304,v相負側巻線1305,w相負側巻線1306は、それぞれ実施例5の図13のu相正側巻線1301,v相正側巻線1302,w相正側巻線1303,u相負側巻線1304,v相負側巻線1305,w相負側巻線1306と同一である。
ただし、u相負側巻線1304の一端と、v相負側巻線1305,w相負側巻線1306をスター結線しており、中性点nを中性点端子1905として、変圧器1901の外部に引き出している。
本発明を実施する第8の形態について説明する。実施例8は実施例7の変形である。実施例7では変圧器の一次巻線をデルタ結線としているが、実施例8では変圧器の一次巻線をスター結線として、実施例7と同様の効果を得ているものである。
以下では、実施例8の構成において、実施例7の構成と異なる部分についてのみ説明する。
図21は、本発明の第8の実施形態を表わした回路図である。
図21の変換器グループ806は実施例3の図8の変換器グループ806と同一である。
変圧器2100は、R相端子102,S相端子103,T相端子104,u相端子1902,v相端子1903,w相端子1904,中性点端子1905の合計7端子を備えている。
図22は、変圧器2101の各巻線が各鉄心に生じる起磁力の極性と、各巻線の結線を示す。変圧器1901は、鉄心202〜204を有しており、これらの鉄心は三脚鉄心を構成する。図22の一次巻線700は実施例2の図7の一次巻線700と同一である。図22の二次巻線2000は実施例7の図20の二次巻線2000と同一である。
本発明を実施する第9の形態について説明する。実施例5〜8では、変圧器の二次巻線を各相で2分割し、零相電流に起因する起磁力を零とする結線を行っている。これに対して、実施例9では、零相電流に起因する起磁力を補償する補償巻線を用いて、実施例7と同様の効果を得ているものである。
以下では、実施例9の構成において、実施例7の構成と異なる部分についてのみ説明する。
図23は、本発明の第9の実施形態を表わした回路図である。電力変換装置2300は、三相交流端子102〜104を介して三相電力系統100に連系し、三相電力系統100と有効・無効電力を授受する。該電力変換装置2300は、変圧器2301と変換器グループ806とからなる。
図23の変換器グループ806は、実施例3の図8の変換器グループ806と同一である。
変圧器2301はR相端子102,S相端子103,T相端子104,u相端子2302,v相端子2303,w相端子2304,補償巻線端子2305の7端子を備えている。
図24は、変圧器2301の各巻線が各鉄心に生じる起磁力の極性と、各巻線の結線を示す。変圧器2303は、鉄心202〜204,一次巻線200,二次巻線2400,補償巻線2404とを備えている。鉄心202〜204は三脚鉄心を構成する。
一次巻線200は実施例1の図1の一次巻線200と同一である。
二次巻線2400はu相巻線2401,v相二次巻線2402,w相二次巻線2403を備えている。二次巻線2400は実施例3の図9における二次巻線900とほぼ同一構成であるが、中性点nを補償巻線2404に接続している点が異なる。
補償巻線2404は、u相補償巻線2405,v相補償巻線2406,w相補償巻線2407を備えている。補償巻線2404の巻数は、二次巻線2400の1/3とする。
u相補償巻線2405は鉄心202に巻回されている。また、v相補償巻線2405は鉄心203に巻回されている。さらに、w相補償巻線2405は鉄心203に巻回されている。
u相補償巻線2405とv相補償巻線2406とw相補償巻線2407は直列に接続されている。
補償巻線2404の一端は、負側出力端子122に接続している。したがって、補償巻線2404には負荷装置123を流れる電流IDが流れる。
u相補償巻線2405を流れる電流IDが鉄心202に生じる起磁力と、v相補償巻線2406を流れる電流IDが鉄心203に生じる起磁力と、w相補償巻線2407を流れる電流IDが鉄心204に生じる起磁力とは、大略同じ大きさで、同極性である。
補償巻線2404を流れるIDは、中性点nで分流し、二次巻線2400の零相成分Izとして流れる。すなわち、Iz=ID/3である。
u相巻線2401に流れるIzが鉄心202に生じる起磁力と、u相補償巻線2405に流れるIDが鉄心202に生じる起磁力は、大略同じ大きさで、逆極性であるため、ほぼ相殺する。
v相巻線2402に流れるIzが鉄心203に生じる起磁力と、v相補償巻線2406に流れるIDが鉄心203に生じる起磁力は、大略同じ大きさで、逆極性であるため、ほぼ相殺する。
w相巻線2403に流れるIzが鉄心204に生じる起磁力と、w相補償巻線2407に流れるIDが鉄心204に生じる起磁力は、大略同じ大きさで、逆極性であるため、ほぼ相殺する。
したがって、実施例5〜8と同様に、IDが直流であった場合にも、直流起磁力がほぼ零となるため、鉄心の直流偏磁はほとんど発生しない。
本発明を実施する第10の形態について説明する。実施例9では変圧器の一次巻線をデルタ結線としているが、実施例10では変圧器の一次巻線をスター結線として、実施例9と同様の効果を得ているものである。
以下では、実施例10の構成において、実施例9の構成と異なる部分についてのみ説明する。
図25は、本発明の第10の実施形態を表わした回路図である。電力変換装置2500は、三相交流端子102〜104を介して三相電力系統100に連系し、三相電力系統100と有効・無効電力を授受する。該電力変換装置2500は、変圧器2501と変換器グループ806とからなる。
図25の変換器グループ806は、実施例3の図8の変換器グループ806と同一である。
図26は、変圧器2501の各巻線が各鉄心に生じる起磁力の極性と、各巻線の結線を示す。変圧器2303は、鉄心202〜204,一次巻線700,二次巻線2400,補償巻線2404とを備えている。鉄心202〜204は三脚鉄心を構成する。
図26の一次巻線700は実施例2の図7の一次巻線700と同一である。
図26の二次巻線2400は実施例9図24の二次巻線2400と同一である。
本発明を実施する第11の形態について説明する。実施例11は実施例5の変形例であり、実施例11では、実施例5と同様の効果を得られるものである。
以下では、実施例11の構成において、実施例5の構成と異なる部分についてのみ説明する。
図27は本発明の第10の実施形態を表わした回路図である。実施例11では、実施例5の図12と比較して、u負側変換器アーム117,v負側変換器アーム118,w負側変換器アーム118の極性を逆にしている。
実施例1,2,5,6でも同様に、u負側変換器アーム117,v負側変換器アーム118,w負側変換器アーム118の極性を逆にしてもよい。
本発明の電力変換装置は、無効電力補償装置(STATCOM)やBack-to-Backシステム(周波数変換装置など),直流送電システム(HVDC),モータドライブなどに利用可能である。
100,500,1600,1601 三相電力系統
101,600,800,1000,1200,1700,1900,2100,2300,2500,2700 電力変換装置
102 R相端子
103 S相端子
104 T相端子
105,601,801,1001,1201,1701,1901,2101,2301,2501 変圧器
106,1202 u相正側端子
107,1203 v相正側端子
108,1204 w相正側端子
109,1205 u相負側端子
110,1207 w相負側端子
111,1206 v相負側端子
112 正側変換器グループ
113 u相正側変換器アーム
114 v相正側変換器アーム
115 w相正側変換器アーム
116,2701 負側変換器グループ
117 u相負側変換器アーム
118 v相負側変換器アーム
119 w相負側変換器アーム
120 単位変換器
121 正側出力端子
122,402 負側出力端子
200 一次巻線
201,700,900,1300,2000,2400 二次巻線
202,203,204 鉄心
205 R相−S相間巻線
206 S相−T相間巻線
207 T相−R相間巻線
208,901,2401 u相巻線
209,902,2402 v相巻線
210,903,2403 w相巻線
300 x端子
301 y相端子
302 x相ハイサイド・スイッチング素子
303 x相ローサイド・スイッチング素子
304 y相ハイサイド・スイッチング素子
305 y相ローサイド・スイッチング素子
306,405 直流コンデンサ
400 双方向チョッパ形単位変換器
401 x相出力端子
403 ハイサイド・スイッチング素子
404 ローサイド・スイッチング素子
501 変電所
502 変電所母線
503 負荷
802,1902,2302 u相端子
803,1903,2303 v相端子
804,1904,2304 w相端子
805,1905 中性点端子
1301 u相正側巻線
1302 v相正側巻線
1303 w相正側巻線
1304 u相負側巻線
1305 v相負側巻線
1306 w相負側巻線
1602 海底ケーブル
2404 補償巻線
2405 u相補償巻線
2406 v相補償巻線
2407 w相補償巻線

Claims (10)

  1. 電圧源と制御電流源の直列回路を備えた電力変換装置において、前記電圧源と前記制御電流源の直列回路を少なくとも2組並列接続し、該並列接続した前記直列回路の並列接続点をそれぞれ出力端子とすることを特徴とする電力変換装置。
  2. 三相電圧源の中性点を引き出した三相電圧源の各相に3つの制御電流源をスター結線した回路を接続して構成した電力変換装置であって、
    前記制御電流源の中性点と前記三相電圧源の中性点とを出力端子とすることを特徴とする電力変換装置。
  3. 請求項1,2の電力変換装置において、前記電圧源はディファレンシャルモード(または正相・逆相)成分のみを含んでおり、前記制御電流源は、ディファレンシャルモード(または正相・逆相)成分を制御することで、前記電圧源と電力授受を行い、前記制御電流源は、コモンモード(または零相)成分を制御することで、前記出力端子に接続された負荷装置または電源と電力の授受を行うことを特徴とする電力変換装置。
  4. 単相または多相変圧器と変換器アームとを備えた電力変換装置において、該電力変換装置は前記単相または多相変圧器の一次巻線の各相が入力端子であり、前記単相または多相変圧器の二次巻線は中性点を引き出した構造となっており、前記変圧器の二次巻線と変換器アームとの直列回路を並列接続し、該並列接続点と前記二次巻線の中性点とをそれぞれ出力端子とすることを特徴とする電力変換装置。
  5. 二次巻線から中性点を引き出した三相変圧器と、前記二次巻線の各相に、3台の変換器アームをスター結線した回路を接続して構成した電力変換装置において、前記三相変圧器の一次巻線の各相を入力端子とし、前記変換器アームの中性点と前記二次巻線の中性点とを出力端子とすることを特徴とする電力変換装置。
  6. 変圧器を介して三相電力系統に連系する電力変換装置において、前記変圧器の一次巻線を前記三相電力系統に接続し、該変圧器の二次巻線をオープン巻線として6端子とし、該二次巻線の第1〜第3の端子に3台の変換器アームをスター結線した回路からなる第1の変換器グループを接続し、第4〜第6の端子に別の3台の変換器アームをスター結線した回路からなる第2の変換器グループをスター結線した回路を接続し、第1の変換器グループの中性点と第2の変換器グループの中性点とを電力変換装置の出力端子とすることを特徴とする電力変換装置。
  7. 変圧器を介して三相電力系統に連系する電力変換装置において、前記変圧器の一次巻線を前記三相電力系統に接続し、該変圧器の二次巻線の中性点を引き出して4端子とし、該二次巻線の中性点以外の各相に3台の変換器アームをスター結線した回路を接続し、前記3台の変換器アーム中性点と前記二次巻線の中性点とを電力変換装置の出力端子とすることを特徴とする電力変換装置。
  8. 請求項4〜7の電力変換装置において、前記変換器アームは、ディファレンシャルモード(正相・逆相)電流を制御することで、前記変圧器の一次巻線に接続した単相または多相電力系統と電力授受を行い、コモンモード(零相)成分を制御することで、前記出力端子に接続された負荷装置または電源と電力の授受を行うことを特徴とする電力変換装置。
  9. 請求項4〜8の電力変換装置において、前記変圧器は、二次巻線を流れるコモンモード(零相)電流に起因する起磁力を大略零とするような巻線構造または手段を備えていることを特徴とする電力変換装置。
  10. 請求項4〜9の電力変換装置において、一次巻線と二次巻線を入れ替えたことを特徴とする電力変換装置。
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