JP2013162735A - 電圧型電力変換器の電流制御装置及び電圧型電力変換器の電流制御方法 - Google Patents

電圧型電力変換器の電流制御装置及び電圧型電力変換器の電流制御方法 Download PDF

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Abstract

【課題】従来と比較して簡単な構成で各レグに流れる電流ピーク値を下げ、電力変換器容量を下げる。
【解決手段】交流端子に流れる交流電流を系統電圧の位相で座標変換して第一の所定値となるようにフィードバック制御し、第1のアームと第2のアームを貫いて流れる循環電流を系統電圧の位相とは異なる第二の周波数の位相で座標変換して第二の所定値となるようにフィードバック制御して、交流系統と直流系統との間で所望の電力変換がなされるように、電力変換装置の電流を制御する。
【選択図】 図18

Description

本発明は、電圧型電力変換器の電流制御装置及び電圧型電力変換器の電流制御方法に関する。
近年、交流を直流に或いは直流を交流に変換する電力変換装置が多く用いられている。
この種の電力変換装置は高電圧の分野にも応用されている。その場合に、例えば、半導体スイッチング素子を含んだ単位変換器を利用して、この単位変換器を複数直列に接続する。このような構成であれば高い電圧に耐えられる。
このような構成では、例えば、単位変換器を直列に接続しアームとして構成し、さらに、このアームを直列に接続してレグとして構成する。レグにおいてアームの接続点を交流端子とし、一方、レグの他端を直流端子とする。各単位変換器の動作を制御することで、アームに流れる電流を制御して、交流端子と直流端子の間で電力変換を行う。
一般に、電力変換の分野では、複数の相を扱うことが多い。そのため、各々のレグにおいてアームの接続点を交流端子とすると共に、一方、各々のレグの直流端子を互いに接続する。そして、このような構成において、各々のアームに交流端子が接続される交流系統の周波数の逆数で決まる周期的な電流が流れるように制御することで、複数の相を扱いながら、直流端子と交流端子の間で電力変換を行う。
このような技術は、例えば、特開2010−233411号公報に記載されている。
特表2010−503979号公報
しかしながら、上記の従来技術では、例えば大容量の発電設備や交流系統を他の系等に接続する場合の用途では、各単位変換器に大きな電流が流れるので、各レグが大きな電流に耐えられるように、例えば、各単位変換器の電流定格を大きくしたり、或いは、単位変換器の並列数を多くしたりなどの工夫が必要であり、そのため、変換装置が大型になったり、複雑で高価になる等の問題があった。
本発明の目的は、従来と比較して簡単な構成で各レグに流れる電流ピーク値を下げ、電力変換器容量を下げられる電圧型電力変換器の電流制御装置及び電圧型電力変換器の電流制御方法を提供することにある。
本発明の目的を達成するために、本発明では、電圧型電力変換装置からなる第1のアームと第2のアームを直列に接続し、前記第1のアームと前記第2のアームは直列接続されてレグを構成するものであり、前記第1のアームと前記第2のアームの接続部分に交流端子を構成するものであって、前記第1のアームの他端を第1の直流端子とし、前記第2のアームの他端を第2の直流端子とし、前記第1の端子を正側、前記第2の端子を負側とした前記レグを複数設け、前記第1のアームと第2のアームを貫いて流れる循環電流を抑制するための誘導性素子を前記レグの一部に設けた電圧型電力変換器の電流制御装置において、所定の相において、第1のアーム電流指令値を、前記第1の端子と前記第2の端子を通って電力変換器の第1の端子から流れ出る直流電流指令値の1/N、および、自相及び他相の交流端子を流れる電流指令値の絶対値の和の1/(2N)から、前記自相の交流端子の交流系統側に流れる交流電流指令値の絶対値の1/2を引き、さらに前記交流電流指令値の1/2を足して作成し、また、第2のアーム電流指令値を、前記直流電流および自相及び他相の交流端子を流れる電流指令値の絶対値の和の1/(2N)から、前記自相の交流端子の交流系統に流れる交流電流指令値の絶対値の1/2を引き、さらに前記交流電流指令値の1/2を引いて作成する電流指令値作成部と、前記第1、第2のアーム電流指令値に従い前記第1のアーム及び第2のアームに流れる電流を調整する電流調整部を備えることを特徴とする電圧型電力変換器の電流制御装置として構成した。
あるいは、電圧型電力変換装置からなる第1のアームと第2のアームを直列に接続し、前記第1のアームと前記第2のアームは直列接続されてレグを構成するものであり、前記第1のアームと前記第2のアームの接続部分に交流端子を構成するものであって、前記第1のアームの他端を第1の直流端子とし、前記第2のアームの他端を第2の直流端子とし、前記第1の端子を正側、前記第2の端子を負側とした前記レグを複数設け、前記第1のアームと第2のアームを貫いて流れる循環電流を抑制するための誘導性素子を前記レグの一部に設けた電圧型電力変換器の電流制御装置において、前記第1の端子と前記第2の端子を通って流れる直流電流、および、前記交流端子の交流系統側に流れる交流電流に基づいて、各相における前記第1のアーム及び第2のアームに流れる電流の指令値を、前記第1の端子に流れる直流電流値の絶対値、前記第2の端子に流れる直流電流値の絶対値、前記各相の交流の絶対値の和の1/2N以下になるように計算し、前記計算結果に基づいて、前記各相の第1のアーム及び第2のアームに流れる電流を制御することを特徴とする電圧型電力変換器の電流制御装置として構成した。
あるいは、電圧型電力変換装置からなる第1のアームと第2のアームを直列に接続し、前記第1のアームと前記第2のアームは直列接続されてレグを構成するものであり、前記第1のアームと前記第2のアームの接続部分に交流端子を構成するものであって、前記第1のアームの他端を第1の直流端子とし、前記第2のアームの他端を第2の直流端子とし、前記第1の端子を正側、前記第2の端子を負側とした前記レグを複数設け、前記第1のアームと第2のアームを貫いて流れる循環電流を抑制するための誘導性素子を前記レグの一部に設けた電圧型電力変換器の電流制御装置において、各相における前記第1のアームと前記第2のアームに流れる電流を独立的に制御するように各相における前記第1のアームと前記第2のアームに対して電流指令を出力することを特徴とする電圧型電力変換器の電流制御装置として構成した。
あるいは、電圧型電力変換装置からなる第1のアームと第2のアームを直列に接続し、前記第1のアームと前記第2のアームは直列接続されてレグを構成するものであり、前記第1のアームと前記第2のアームの接続部分に交流端子を構成するものであって、前記第1のアームの他端を第1の直流端子とし、前記第2のアームの他端を第2の直流端子とし、前記第1の端子を正側、前記第2の端子を負側とした前記レグを複数設け、前記第1のアームと第2のアームを貫いて流れる循環電流を抑制するための誘導性素子を前記レグの一部に設けた電圧型電力変換器の電流制御装置において、前記複数のレグのうち所定のレグの電流のピークを低減するように制御すると共に、前記所望の電力変換がなされるように、その抑制分を前記複数のレグのうち他のレグに振り分けて制御することを特徴とする電圧型電力変換器の電流制御装置として構成した。
あるいは、電圧型電力変換装置からなる第1のアームと第2のアームを直列に接続し、前記第1のアームと前記第2のアームは直列接続されてレグを構成するものであり、前記第1のアームと前記第2のアームの接続部分に交流端子を構成するものであって、前記第1のアームの他端を第1の直流端子とし、前記第2のアームの他端を第2の直流端子とし、前記第1の端子を正側、前記第2の端子を負側とした前記レグを複数設け、前記第1のアームと第2のアームを貫いて流れる循環電流を抑制するための誘導性素子を前記レグの一部に設けた電圧型電力変換器の電流制御方法であって、前記第1の端子と前記第2の端子を通って流れる直流電流、および、前記交流端子の交流系統側に流れる交流電流に基づいて、各相における前記第1のアーム及び第2のアームに流れる電流の指令値を、前記第1の端子に流れる直流電流値の絶対値、前記第2の端子に流れる直流電流値の絶対値、前記各相の交流の絶対値の和の1/2N以下になるように演算して、前記各相の第1のアーム及び第2のアームに流れる電流を制御する制御装置に対して指令を出力する電圧型電力変換器の電流制御方法として構成した。
あるいは、電圧型電力変換装置からなる第1のアームと第2のアームを直列に接続し、前記第1のアームと前記第2のアームは直列接続されてレグを構成するものであり、前記第1のアームと前記第2のアームの接続部分に交流端子を構成するものであって、前記第1のアームの他端を第1の直流端子とし、前記第2のアームの他端を第2の直流端子とし、前記第1の端子を正側、前記第2の端子を負側とした前記レグを複数設け、前記第1のアームと第2のアームを貫いて流れる循環電流を抑制するための誘導性素子を前記レグの一部に設けた電圧型電力変換器の電流制御方法であって、前記レグに周期的な電流を流すことによって前記直流端子と前記交流端子との間で所望の電力変換を制御するものであって、前記複数のアームのうち所定のアームの電流のピークを低減するように制御すると共に、前記所望の電力変換がなされるように、その抑制分を前記複数のレグのうち他のレグに振り分けて制御する電圧型電力変換器の電流制御方法として構成した。
あるいは、電圧型電力変換装置からなる第1のアームと第2のアームを直列に接続し、前記第1のアームと前記第2のアームは直列接続されてレグを構成するものであり、前記第1のアームと前記第2のアームの接続部分に交流端子を構成するものであって、前記第1のアームの他端を第1の直流端子とし、前記第2のアームの他端を第2の直流端子とし、前記第1の端子を正側、前記第2の端子を負側とした前記レグを複数設け、前記第1のアームと第2のアームを貫いて流れる循環電流を抑制するための誘導性素子を前記レグの一部に設けた電圧型電力変換器の電流制御方法であって、前記アームに、電力変換器が接続される交流系統の周波数に対して、2倍の周波数成分の電流を流すことによって前記直流端子と前記交流端子との間で所望の電力変換を制御するものであって、前記複数のアームのうち所定のアームの電流のピークを低減するように制御すると共に、前記所望の電力変換がなされるように、その抑制分を前記複数のレグのうち他のレグに振り分けて制御することを特徴とする電圧型電力変換器の電流制御方法として構成した。
あるいは、電圧型電力変換装置からなる第1のアームと第2のアームを直列に接続し、前記第1のアームと前記第2のアームは直列接続されてレグを構成するものであり、前記第1のアームと前記第2のアームの接続部分に交流端子を構成するものであって、前記第1のアームの他端を第1の直流端子とし、前記第2のアームの他端を第2の直流端子とし、前記第1の端子を正側、前記第2の端子を負側とした前記レグを複数設け、前記第1のアームと第2のアームを貫いて流れる循環電流を抑制するための誘導性素子を前記レグの一部に設けた電圧型電力変換器の電流制御装置において、前記交流端子に流れる交流電流を系統電圧の位相で座標変換して第一の所定値となるようにフィードバック制御し、前記循環電流を前記系統電圧の位相とは異なる第二の周波数の位相で座標変換して第二の所定値となるようにフィードバック制御して、前記交流系統と直流系統との間で所望の電力変換がなされるように、電力変換装置の電流を制御することを特徴とする電圧型電力変換器の電流制御装置として構成した。
あるいは、電圧型電力変換装置からなる第1のアームと第2のアームを直列に接続し、前記第1のアームと前記第2のアームは直列接続されてレグを構成するものであり、前記第1のアームと前記第2のアームの接続部分に交流端子を構成するものであって、前記第1のアームの他端を第1の直流端子とし、前記第2のアームの他端を第2の直流端子とし、前記第1の端子を正側、前記第2の端子を負側とした前記レグを複数設け、前記第1のアームと第2のアームを貫いて流れる循環電流を抑制するための誘導性素子を前記レグの一部に設けた電圧型電力変換器の電流制御方法において、前記交流端子に流れる交流電流を系統電圧の位相で座標変換して第一の所定値となるようにフィードバック制御し、前記循環電流を前記系統電圧の位相とは異なる第二の周波数の位相で座標変換して第二の所定値となるようにフィードバック制御して、前記交流系統と直流系統との間で所望の電力変換がなされるように、電力変換装置の電流を制御する電圧型電力変換器の電流制御方法として構成した。
本発明によれば、電力変換装置において、簡単な構成で各レグに流れる電流ピーク値を下げることが可能となる。
本発明に基づく電力変換装置。 双方向チョッパ回路形の単位変換器。 実施例1における電力変換器制御構成。 実施例1におけるアーム電流指令値演算部。 実施例2における電力変換器制御構成。 実施例2におけるアーム電流指令値演算部。 実施例1、2における直流電流波形。 実施例1、2における交流電流波形、交流電圧波形。 実施例1におけるR相アーム電流基本指令値波形。 実施例1におけるR相アーム電流補正指令値波形。 実施例1におけるR相アーム電流指令値波形。 実施例2、3におけるR相アーム電流補正指令値波形。 実施例2、3におけるR相アーム電流指令値波形。 実施例2、3におけるd軸電流指令値(Id*)ステップ波形。 実施例2、3におけるq軸電流指令値(Iq*)ステップ波形。 実施例1〜3における直流電圧調整器構成。 実施例3における電力変換器の制御構成。 実施例3における電流調整器構成。
本発明を実施する形態について以下図面を用いて説明する。
本発明を実施する第1の形態について説明する。
実施例1では、各アームは、双方向チョッパ回路型単位変換器で構成する。ここでは、双方向チョッパ回路型単位変換器の例で説明するが、その他の、例えばフルブリッジ型単位変換器を用いても同等の効果があり、単位変換器として他の型の単位変換器を使っても良い。
以下、図1を用いて実施例1の構成を説明する。構成を説明した後に、本実施例の動作原理と概略波形を説明する。
まず、電力変換装置102aと外部回路との接続状態を説明する。
電力変換装置102aは変圧器103を介して交流系統101aに接続している。本実施例では、変圧器103の交流系統101a側を1次側とし、R点、S点、T点と称し、また、変圧器103の2次側をR′点、S′点、T′点と称する。
さらに、電力変換装置102aは直流端子P点とN点を備えており、P点とN点は他の電力変換装置102bの直流端子P点とN点にそれぞれ接続する。ここで、直流端子P点の電位は、直流端子N点の電位よりも高いものとする。また、電力変換装置102bは、電力変換装置102aと同一構成の電力変換装置であり、交流系統101bに接続される構成であるので、詳細な説明は省略する。
電力変換装置102aと電力変換装置102bは直流送電システムを構成する。
以下、電力変換装置102aの内部構成を説明する。
電力変換装置102aは、変圧器103、R相レグ104R、S相レグ104S、T相レグ104T、電圧センサ110、115、電流センサ111、制御装置112、ゲート信号線113、コンデンサ電圧検出線114を備えている。
R相レグ104Rは、RPアーム105RP、RNアーム105RNを直列接続した回路であり、RPアーム105RPとRNアーム105RNの接続点を変圧器103のR′点に接続し、RPアーム105RPのRNアーム105RNに接続した端子とは反対側の端子を直流端子P点に接続し、RNアーム105RNのRPアーム105RPに接続した端子とは反対側の端子を直流端子N点に接続している。
R相レグと同様に、S相レグ104Sは、SPアーム105SP、SNアーム105SNを直列接続した回路であり、SPアーム105SPとSNアーム105SNの接続点を変圧器103のS′点に接続し、SPアーム105SPのSNアーム105SNに接続した端子とは反対側の端子を直流端子P点に接続し、SNアーム105SNのSPアーム105SPに接続した端子とは反対側の端子を直流端子N点に接続している。
R相レグと同様に、T相レグ104Tは、TPアーム105TP、TNアーム105TNを直列接続した回路であり、TPアーム105TPとTNアーム105TNの接続点を変圧器103のT′点に接続し、TPアーム105TPのTNアーム105TNに接続した端子とは反対側の端子を直流端子P点に接続し、TNアーム105TNのTPアーム105TPに接続した端子とは反対側の端子を直流端子N点に接続している。
次に、各アームの内部構成を説明する。
RPアーム105RPは、M個の双方向チョッパ型単位変換器108を直列接続して構成した双方向チョッパ群106RPと、第1のリアクトル107RPとを直列接続して構成する。双方向チョッパ群106RPの出力電圧をVRPと称する。
RNアーム105RNは、M個の双方向チョッパ型単位変換器108を直列接続して構成した双方向チョッパ群106RNと、第2のリアクトル107RNとを直列接続して構成する。双方向チョッパ群106RNの出力電圧をVRNと称する。
SPアーム105SPは、M個の双方向チョッパ型単位変換器108を直列接続して構成した双方向チョッパ群106SPと、第1のリアクトル107SPとを直列接続して構成する。双方向チョッパ群106SPの出力電圧をVSPと称する。
SNアーム105SNは、M個の双方向チョッパ型単位変換器108を直列接続して構成した双方向チョッパ群106SNと、第2のリアクトル107SNとを直列接続して構成する。双方向チョッパ群106SNの出力電圧をVSNと称する。
TPアーム105TPは、M個の双方向チョッパ型単位変換器108を直列接続して構成した双方向チョッパ群106TPと、第1のリアクトル107TPとを直列接続して構成する。双方向チョッパ群106TPの出力電圧をVTPと称する。
TNアーム105TNは、M個の双方向チョッパ型単位変換器108を直列接続して構成した双方向チョッパ群106TNと、第2のリアクトル107TNとを直列接続して構成する。双方向チョッパ群106TNの出力電圧をVTNと称する。
各アーム105RP、SP、TP、RN、SN、TNは、そのアームを流れる電流IRP、ISP、ITP、IRN、ISN、ITNを検出する電流センサ111を備えており、検出結果を制御装置112に伝送する。ここで、各アーム電流は、直流端子N点から直流端子P点に向かって流れる方向を正と定義する。
電圧センサ110は、変圧器103のR点、S点、T点に接続されており、変圧器103の巻線と同じ巻線構造とすることで、R′点、S′点、T′点の位相と同じ位相の電圧VGR、VGS、VGTを検出する。系統電圧VGR、VGS、VGTを取り込み、検出結果を制御装置112に伝送する。
制御装置112は、交流電圧VGR、VGS、VGT、アーム電流IRP、ISP、ITP、IRN、ISN、ITN、単位変換器108が出力するコンデンサ電圧VCjkを取り込み、ゲート信号GHjk、GLjk(j=RP、SP、TP、RN、SN、TN、k=1、2、…、M)をゲート信号線113を用いて各双方向チョッパ型単位変換器108に転送する。ゲート信号GHjkは、後で説明するハイサイドスイッチング素子を駆動する信号であり、ゲート信号GLjkは、後で説明するハイサイドスイッチング素子を駆動する信号である。
以下、図2を用いて双方向チョッパ型単位変換器108の内部構成を説明する。図2では、RPアーム105RPについて説明する。他のアーム105SP、105TP、105RN、105SN、105TNについても同様の構成であるので説明は省略する。
双方向チョッパ型単位変換器108の主回路は、ハイサイドスイッチング素子201Hとハイサイド環流ダイオード202Hの並列回路と、ローサイドスイッチング素子201Lとローサイド還流ダイオード202Lの並列回路とを直列接続した回路と、コンデンサ203とを並列接続した構成である。ダイオード202H、202Lは、コンデンサ電圧VCjk(j=RP、SP、TP、RN、SN、TN、k=1、2、…、M)に対して電流を流さない方向に直列に接続される。ダイオード202H、202Lと並列に接続されたスイッチング素子201H、201Lは、状態がONの時にコンデンサ電圧VCjkを放電する方向に取り付ける。コンデンサ電圧の電位が高い方に付く素子(記号H付)を、ここではハイサイドと呼ぶ。逆をローサイド(記号L付)と呼ぶ。
ローサイドスイッチング素子201Lとローサイド還流ダイオード202Lの並列回路の印加電圧Vjkを、双方向チョッパ型単位変換器108の出力電圧と称する。
なお、図2では、スイッチング素子201H、LにIGBTの記号を用いているが、MOSFET、GCT、GTO、その他のオン・オフ制御素子であれば、スイッチング素子201H、Lとして用いることができる。
双方向チョッパ型単位変換器108は、コンデンサ電圧VCjk(j=RP、SP、TP、RN、SN、TN、k=1、2、…、M)を検出する電圧センサ204を備えており、コンデンサ電圧検出線114を介して制御装置112に接続している。
また、双方向チョッパ型単位変換器108は、制御装置112からゲート信号線113を介して伝送されたゲート信号GHjk、GLjkに基づいて、スイッチング素子201H、Lのそれぞれのゲート・エミッタ間にゲート電圧を印加するゲートドライバ205を備えている。
以下、双方向チョッパ型単位変換器108の出力電圧Vjkと、スイッチング素子201H、Lのオン・オフ状態の関係を説明する。
ハイサイドスイッチング素子201Hがオン、ローサイドスイッチング素子201Lがオフの場合、単位変換器108の電流Ij(j=RP、SP、TP、RN、SN、TN)に関わらず、出力電圧Vjkはコンデンサ電圧VCjkと概ね等しくなる。
ハイサイドスイッチング素子201Hがオフ、ローサイドスイッチング素子201Lがオンの場合、電流Ijに関わらず、出力電圧Vjkは零と概ね等しくなる。
以下、図3を用いて制御装置112の内部で実行されている制御方法を説明する。なお、本実施例では、変圧器103の巻数比が1:1である場合を想定して説明する。
図3は、電力変換装置102aに与えるアーム電圧指令値を生成するアーム電圧指令値生成部311とアーム電圧指令値を各単位変換器108に分配する指令値分配部313を示している。まず、図3の動作を説明する。
図3は、交流系統101aから電力変換装置102aに流入する電力を一定に制御する電力制御機能と、アーム105jに流す電流Ij(j=RP、SP、TP、RN、SN、TN)を制御する電流制御機能と、上記2つの制御機能を実現するためのアーム電圧指令値を生成する機能を備えている。
以下、電力制御機能を説明する。
まず、交流側電力演算器305の内部の動作について説明する。
交流側電力演算器305は、電流センサ111を用いて検出したRPアーム105RPを流れる電流IRPとRNアーム105RNを流れる電流IRNの差IRP−IRN、すなわち交流系統101に流れる電流IRを演算する。なお、IRを検出する電流センサを別途設けてもよい。
同様に、交流側電力演算器305は、電流センサ111を用いて検出したSPアーム105SPを流れる電流ISPとSNアーム105SNを流れる電流ISNの差ISP−ISN、すなわち交流系統101に流れる電流ISを演算する。なお、ISを検出する電流センサを別途設けてもよい。
同様に、交流側電力演算器305は、電流センサ111を用いて検出したTPアーム105TPを流れる電流ITPとTNアーム105TNを流れる電流ITNの差ITP−ITN、すなわち交流系統101に流れる電流ITを演算する。なお、ITを検出する電流センサを別途設けてもよい。
まず、交流電流IR、IS、ITにα−β変換を施してα軸電流Ia、β軸電流Ibを演算する。ここで、α−β変換は(1)式により実施する。
次に、交流電圧VGR、VGS、VGTにα−β変換を施してα軸電圧VGa、β軸電圧VGbを演算する。ここで、α−β変換は(2)式により実施する。
交流系統101から電力変換装置102aに流入する有効電力Pおよび無効電力Qは、(3)式、(4)式にて計算する。
交流側電力演算器305は、(3)式、(4)式で計算した有効電力Pを有効電力調整器APRへ伝送し、無効電力Qを無効電力調整器AQRに伝送する。
有効電力調整器APRは、有効電力Pと有効電力指令値P*の差P*−Pを加減算器301で演算し、その結果を比例積分調整器302に入力し、出力としてd軸電流指令Id*を得る。
無効電力調整器AQRは、無効電力Qと無効電力指令値Q*の差Q*−Qを加減算器303で演算し、その結果を比例積分調整器304に入力し、出力としてq軸電流指令Iq*を得る。
本実施例の説明では、d軸電流が正の場合に、交流系統101aから電力変換装置102aに有効電力が流入し、d軸電流が負の場合に電力変換装置102aから交流系統101aに有効電力が流出するようにd軸、q軸を定めたものとする。
有効電力Pが指令値P*より低下すれば、Id*は+側に増加する。そのため、有効電力Pが上昇する。逆に、有効電力Pが指令値P*より上昇すれば、Id*は−側に減少する。
そのため、有効電力Pの上昇が抑えられる。この作用により、有効電力Pを指令値P*と一致するように、交流側のd軸電流指令Id*が生成される。
無効電力Qに関しても同様で、指令値Q*と無効電力Qが一致するようにq軸電流指令(無効分電流指令)Iq*が生成される。また、ここでは、有効電力調整器APRによりd軸電流指令Id*を作る構成で説明したが、有効電力調整器APRに変えて、図16に示す直流電圧調整器AVRでd軸電流指令Id*を生成するように構成してもよい。
直流電圧調整器AVRは、電圧センサ204とコンデンサ電圧検出線114を介して検出したすべての単位変換器のコンデンサ電圧VCjkの平均値VCを平均値演算器701で演算する。コンデンサ電圧平均値VCとコンデンサ電圧指令値VC*(直流電圧指令値VDC*をアームのセル数Mで割ってVC*を求める)の差VC*−VCを加減算器702で演算し、その結果に制御ゲイン703を乗算し、d軸電流指令Id*を得る。
アーム電圧指令値生成部311はさらに、d軸電流指令値Id*、q軸電流指令値Iq*に逆d−q変換307と逆α−β変換308を施して交流電流指令IR*、IS*、IT*を演算する。ここで、逆d−q変換に用いる位相角θは、交流系統の電圧VGR、VGS、VGTから位相検出器306で検出した位相角であり、VGRの位相に同期している。
逆d−q変換と逆α−β変換は(5)式により表され、交流電流指令IR*、IS*、IT*を演算する。
交流電流指令IR*、IS*、IT*は、アーム電流指令演算器309に伝送される。
また、直流電流指令値Idcrefは、交流系統から受け取る有効電力と直流系統に渡す電力が一致するように(6)式に従って作成する。
ここで、(6)式中のVdは、位相検出器306にて、(2)式および(7)式を用いて交流電圧から計算されるd軸電圧成分Vdである。なお、本実施例の位相角θは、系統電圧VGRに同期するように作成されるため、(7)式中のq軸電圧成分Vqはほぼ零となり、Vdはほぼ系統電圧振幅の√(3/2)倍に等しくなる。
以下、アーム電流指令演算器309について図4を用いて説明する。
アーム電流基本指令値Ija*(j=RP、SP、TP、RN、SN、TN)は、直流電流指令値Idcrefおよび交流電流指令IR*、IS*、IT*から、(8)〜(13)式に基づいて演算する。ここで、Xは相数またはレグ数を表し、図1の場合はX=3である。
交流電流指令IR*、IS*、IT*および(14)式で計算する力率cosφを用い、(15)〜(17)式に基づいて、アーム電流補正指令値Ijb*(j=RP、SP、TP、RN、SN、TN)を演算する。
(15)〜(17)式から明らかなように、IRPb*+ISPb*+ITPb*=0となる。このため、交流および直流の電流には影響を与えない。
(15)〜(17)式中の力率cosφは、有効電力が小さいときに、アーム電流補正指令値Ijb*を小さくする効果を持つ。有効電力が小さいときは直流電流IDC成分は小さくなるので、アーム電流のピーク値の正負のアンバランスは小さい。このため、ここでは力率cosφを乗じている。この力率cosφのかわりに、規格化した電力指令(|P*|/P定格)や、規格化した電流指令|Id*|/電流定格のような、有効電力量に比例する量を用いても良い。
アーム電流指令値Ij*(j=RP、SP、TP、RN、SN、TN)は、アーム電流基本指令値Ija*およびアーム電流補正指令値Ijb*(j=RP、SP、TP、RN、SN、TN)から、(18)式に基づいて、を演算する。
ここで、(18)式中の係数:Idcref/|Idcref|は、Idcrefの符号を取り出している。
次に、図3に示すアーム電流調整器310について説明する。
アーム電流Ijがアーム電流指令値Ij*と一致するように、(19)〜(24)式に基づいて、アーム105jに与える出力電圧指令値Vj*(j=RP、SP、TP、RN、SN、TN)を演算する。
(19)〜(24)式において、Gainは例えば比例積分調整器等で構成する。
(19)〜(24)式において、直流電圧指令値VDC*はシステム定格又はシステム運用上の目標値で定まる値である。
アーム電圧指令値Vj*(j=RP、SP、TP、RN、SN、TN)は、指令値分配部313に伝送される。
次に、ゲートパルス生成部312の動作を説明する。
チョッパ群106RPに対するゲートパルス生成部312は、例えばパルス幅変調方式(PWM方式)を用い、(19)式で得られた各電圧指令値VRP*と双方向チョッパ群106RPの出力電圧VRPが極力一致するように双方向チョッパ群106RPに含まれるM個の双方向チョッパ型単位変換器108の出力電圧VRPを制御するゲート信号GHRPk、GLRPkを生成する。
同様に、チョッパ群106RNに対するゲートパルス生成部312は、例えばパルス幅変調方式(PWM方式)を用い、(20)式で得られた各電圧指令値VRN*と双方向チョッパ群106RNの出力電圧VRNが極力一致するように双方向チョッパ群106RNに含まれるM個の双方向チョッパ型単位変換器108の出力電圧VRNを制御するゲート信号GHRNk、GLRNkを生成する。
チョッパ群106SPに対するゲートパルス生成部312は、例えばパルス幅変調方式(PWM方式)を用い、(21)式で得られた各電圧指令値VSP*と双方向チョッパ群106SPの出力電圧VSPが極力一致するように双方向チョッパ群106SPに含まれるM個の双方向チョッパ型単位変換器108の出力電圧VSPを制御するゲート信号GHSPk、GLSPkを生成する。
同様に、チョッパ群106SNに対するゲートパルス生成部312は、例えばパルス幅変調方式(PWM方式)を用い、(22)式で得られた各電圧指令値VSN*と双方向チョッパ群106SNの出力電圧VSNが極力一致するように双方向チョッパ群106SNに含まれるM個の双方向チョッパ型単位変換器108の出力電圧VSNを制御するゲート信号GHSNk、GLSNkを生成する。
チョッパ群106TPに対するゲートパルス生成部312は、例えばパルス幅変調方式(PWM方式)を用い、(23)式で得られた各電圧指令値VTP*と双方向チョッパ群106TPの出力電圧VTPが極力一致するように双方向チョッパ群106TPに含まれるM個の双方向チョッパ型単位変換器108の出力電圧VTPを制御するゲート信号GHTPk、GLTPkを生成する。
同様に、チョッパ群106TNに対するゲートパルス生成部312は、例えばパルス幅変調方式(PWM方式)を用い、(24)式で得られた各電圧指令値VTN*と双方向チョッパ群106TNの出力電圧VTNが極力一致するように双方向チョッパ群106TNに含まれるM個の双方向チョッパ型単位変換器108の出力電圧VTNを制御するゲート信号GHTNk、GLTNkを生成する。
以上で、電力変換装置102aの構成と制御方法を説明した。
ここで、本実施例で得られる効果とそのメカニズムについて、説明する。
従来は、(8)〜(13)式の結果Ija*(j=RP、SP、TP、RN、SN、TN)となるように、上アームと下アームに対称性のある電圧指令を与えていた。そのため、IR*、IS*、IT*のピーク値、即ちMax(|IR*|、|IS*|、|IT*|)をIac*とすると、アームに流れる電流のピーク値は|Idcref|/X+Iac*/2となっていた。
本実施例では、アーム毎の電流調整器を持ち、さらにアーム電流指令値にアーム電流補正値Ijb*を加える構成とした。この構成とすることで、アーム電流指令値Ij*の絶対値は、力率によらず、(25)式または(26)式で評価できる。ただし、(X−2)×|Iac*|<2×|Idcs*|が成り立つ場合は(25)式が必ず成り立ち、その他の場合はどちらが成り立つ場合もある。
ここで(25)式、(26)式でのIdcs*は、力率が1の時の直流電流指令値であり、Idcs*=√(VGR2+VGS2+VGT2)・√(IR2+IS2+IT2)/VDCで表される。
交流電流の絶対値|IR*|、|IS*|、|IT*|は全てIac*以下であるので、(25)式右辺の|Idcs*|/X+(|IR*|+|IS*|+|IT*|)/(2X)≦|Idcs*|/X+Iac*/2が成り立つ。特に本実施例の様にX=3の場合、(25)式は、|IR*|+|IS*|+|IT*|=2×max(|IR*|、|IS*|、|IT*|)の関係を用いて解くと、|Idcs*|/X+(|IR*|+|IS*|+|IT*|)/(2X)≦|Idcs*|/3+Iac*/3となる。
以下、本実施例において、実際の交流・直流の電流波形を与えた時に得られるアーム電流波形を示し、得られる効果について説明する。
直流電流は、図7に示す通り一定の電流を与え、Idcref=1200[A]とする。交流電流は、図8に示す通り周波数50Hz、力率1の3相交流を与え、交流の相ピーク値Iac*=1775[A]とする。
図9に、RPアーム105RP、RNアーム105RNのアーム電流基本指令値IRPa*、IRNa*の波形を示す。これは従来制御におけるアーム電流波形と一致し、ピーク値は1200/3+1775/2=1288[A]である。なお、S相レグ、T相レグについては図示を省略したが、図9の波形をそれぞれ120°、240°遅らせた波形となり、ピーク値はR相の場合と一致する。
図10に、RPアーム105RP、RNアーム105RNのアーム電流補正指令値IRPb*、IRNb*の波形を示す。補正指令値IRPb*およびIRNb*は、IRPa*またはIRNa*がピーク値付近で−となり、それ以外の部分、即ち他アームのアーム電流基本指令値がピーク値付近となる部分で+となる。なお、S相レグ、T相レグについては図示を省略したが、図10の波形を、基本波50Hzを1周期とした波形に対してそれぞれ120°、240°遅らせた波形となる。
アーム電流補正指令値の(15)〜(17)式を見ると、相電流の絶対値の項が含まれている。正弦・余弦関数の絶対値は、元の関数の2倍周波数成分を含み、この2倍周波数成分により、アーム電流のピーク値を下げる効果がある。この2倍周波数成分の各相成分の和は0になる様に作成されるので、アーム電流ピークが下がったアーム以外ではアーム電流が増えることになる。
図11に、RPアーム105RP、RNアーム105RNのアーム電流指令値IRP*、IRN*の波形を示す。ピーク値は1200/3+1775/3=992[A]となり、従来制御(図9相当)に比べて約23%低減することができる。なお、S相レグ、T相レグについては図示を省略したが、図9の波形をそれぞれ120°、240°遅らせた波形となり、ピーク値はR相の場合と一致する。
したがって、本実施例で説明した図1の回路構成および図3の制御方法によって、アームに流れる電流のピーク値を低減でき、電流定格の低い半導体素子201H、201L、202H、202Lを使用できるという効果が得られる。
以上で、図7〜図11を用いて本実施例の概略動作波形を説明した。
なお、本実施例では、図1に示すように、リアクトル107RP、SP、TP、RN、SN、TNが変圧器103の2次巻線に接続されている、すなわちR′点、S′点、T′点に接続している回路を例示しているが、リアクトル107RP、SP、TPが直流端子P点との間に、また、リアクトル107RN、SN、TNが直流端子N点との間に接続している回路でも同様の効果を得られる。
本発明を実施する第2の形態について説明する。
実施例2では、アーム電流指令の計算に微分可能な式を用いたことが特徴である。
実施例1と同様に、アームに流れる電流のピーク値を低減でき、電流定格の低いスイッチング素子201を使用できるという効果が得られる。
以下、実施例1と同様に得られる効果に加えて、実施例2で得られる効果を説明する。
実施例1において、(15)〜(17)式でアーム電流を補正した場合、アーム電流の波形は、図11に示したように、滑らかで無い尖った点がある。3相交流の場合、滑らかでない点は交流1周期に6回現れる。これらの点は高調波成分を含むため、制御で追従させることが難しいという欠点がある。
一方で、図12、図13に示すように、実施例2では、アーム電流指令値の時間変化が滑らかになり、制御が容易になるという効果がある。
以下、実施例1と共通の構成である図1、図2については説明を省略し、図3、図4に代えて用いる図5、図6について説明する。
本実施例では、アーム電流補正指令値の作り方が実施例1と異なる。そのため、図6を用いてアーム電流補正指令値演算部501の内部で実行されている制御方法を説明する。
他の部分は実施例1と同様なので、説明を省略する。
アーム電流補正指令値Ijb*(j=RP、SP、TP、RN、SN、TN)の作り方について説明する。関数f(x)を、|x|に近い値を取る微分可能な関数とする。交流電流指令IR*、IS*、IT*から、(27)〜(29)式に基づいて、アーム電流補正指令値Ijb*(j=RP、SP、TP、RN、SN、TN)を演算する(大文字Xは相数)。
アーム電流基本指令値Ija*およびアーム電流補正指令値Ijb*からアーム電流指令値Ij*(j=RP、SP、TP、RN、SN、TN)を計算する方法は実施例1と同様である。
ここで、本実施例で得られる効果とそのメカニズムについて、説明する。
実施例1の場合、アーム電流補正指令値Ijb*(j=RP、SP、TP、RN、SN、TN)の計算式に|IR*|、|IS*|、|IT*|を含んでいる。そのため、IR*、IS*、IT*のいずれかの正負が入れ替わる時に波形が滑らかでは無い。交流電流が3相交流の場合、図10、図11に示す様に、交流1周期に6箇所滑らかで無い点がある。
一方、実施例2では、アーム電流指令を微分可能な関数で演算するため、波形が滑らかになる。本実施例の、図5、図6では(27)〜(29)式の関数f(x)として、f(x)=x2/(2Iac*)を用いた例で説明する。
Iac*は、√(Id*2+Iq*2)・√(2/3)の計算で求める。図6は、アーム電流指令値演算部を示す。R相のアーム電流補正指令値の場合、(27)式は定常状態では−Iac*/8・cos(2ωt)cosφとなり、系統電流の2倍の周波数のみで構成される電流指令となる。ここで、実施例1と同様Idcref=1200[A]、Iac*=1755[A]で、IR*、IS*、IT*が平衡な3相交流である場合を例に効果を説明する。このアーム電流補正指令値の波形を示したのが図12である。実施例1と同様、IRPa*またはIRNa*がピーク値付近で−となり、それ以外の部分、即ち他アームのアーム電流基本指令値がピーク値付近となる部分で+となっていることが分かる。なお、S相レグ、T相レグについては図示を省略したが、図12の波形をそれぞれ120°、240°遅らせた波形となる。
図13に、RPアーム105RP、RNアーム105RNのアーム電流指令値IRP*、IRN*の波形を示す。f(x)は|x|と完全には一致していないが、アームに流れる電流ピークを下げる効果があり、概ね|Idcref|/3+|Iac*|/3程度であることが分かる。
図14に、d軸電流指令Id*のステップ入力を行った時の波形を示す。基準電流を、相電圧1775[A]の時のd軸電流値、即ち1775×√(3/2)=2174[A]とした時、時間tが0.01未満の時Id*=0[pu]、Iq*=0[pu]で、0.01以上の時Id*=1[pu]、Iq*=0[pu]となるような波形を入力した。この時、上アーム電流指令値はピークの絶対値が1000[A]程度であり、アームに流れる電流ピークを下げる効果があることが分かる。なお、図示は省略したが、下アーム電流指令値も同様にピークの絶対値が1000[A]程度となる。
図15に、d軸電流指令Iq*のステップ入力を行った時の波形を示す。時間tが0.01未満の時Id*=0.7[pu]、Iq*=0.2[pu]で、0.01以上の時Id*=0.7[pu]、Iq*=0.7[pu]となるような波形を入力した。この時、上アーム電流指令値はピークの絶対値が概ね1000[A]程度であり、アームに流れる電流ピークを下げる効果があることが分かる。なお、図示は省略したが、下アーム電流指令値も同様にピークの絶対値が1000[A]程度となる。
また、実施例1と同様に、IRPb*+ISPb*+ITPb*=0、IRNb*+ISNb*+ITNb*=0であるので、直流端子側の電流に影響を与えない。
IRPb*=IRNb*、ISPb*=ISNb*、ITPb*=ITNb*でもあるので、交流端子側の電流にも影響を与えない。
したがって、本実施例で説明した図6の制御方法によって、電流定格を大きく変えないまま電流波形を滑らかにすることができる。
以上で、図12〜図15を用いて本実施例の概略動作波形、本実施例で得られる効果とそのメカニズムを説明した。
本発明を実施する第3の形態について説明する。
以下、実施例1と共通の構成である図1、図2については説明を省略し、図3、図4に代えて用いる図17、図18について説明する。
図17は、電流調整器の部分のみが図3と異なる。そのため、アーム電流調整器1701以外についての説明は省略する。
以下、図18に示すアーム電流調整器1701について説明する。
アーム電流を、d軸系統電流IdFB、q軸系統電流IqFB、d軸補正電流IdbFB、q軸補正電流IqbFBの4変数に変換し、それぞれ個別に制御を行う。これらの変数への変換方法について、以下説明する。
まず、(30)〜(32)式を用いて、アーム電流を系統電流IR、IS、ITおよび補正電流IRb、ISb、ITbの6変数に変換する。
3相2相変換1802およびd−q変換1803は、系統電流IR、IS、ITを、(33)式、(34)式を用いてdq軸系統電流IdFB、IqFBに変換する。ここで、d−q変換1803に用いる位相角θは、交流系統の電圧VGR、VGS、VGTから位相検出器306で検出した位相角であり、VGRの位相に同期している。
3相2相変換1802およびd−q変換1808は、補正電流IRb、ISb、ITbを、(35)式、(36)式を用いてdq軸補正電流IdbFB、IqbFBに変換する。ここで、d−q変換1808に用いる位相角2θは、位相検出器306で検出したθの2倍の位相角で、系統周波数の2倍の周波数となる。
次に、アーム電流指令値の演算について説明する。
系統電流の指令値Id*、Iq*は、実施例1で示したAPRおよびAQRの結果を用いる。以下、補正電流指令値Idb*、Iqb*について説明する。
補正電流指令値Idb*、Iqb*は、(37)式にて系統電流と系統電圧の位相差の余弦cosφを有効電力に相当する系統電流指令値Id*および無効電力に相当する系統電流指令値Iq*から計算し、cosφ、Id*およびIq*を用いて、(38)式、(39)式にて演算する。
また、Iac*は、K2√(Id*2+Iq*2)の計算で求める。
ここで、上記K1=−1/(2√6)、K3=2/(2√6)とし、K2=√(2/3)とする。上記のcosφは(37)式から求めても良いし、実施例1に示したようにId*の代わりにP*、Iq*の代わりにQ*を用いて、(14)式の計算で得られる値でもよい。
(37)〜(39)式中の位相差の余弦cosφは、有効電力が小さいときに、補正電流指令値Idb*、Iqb*を小さくする効果を持つ。有効電力が小さいときは直流電流IDC成分は小さくなるので、アーム電流のピーク値の正負のアンバランスは小さい。このため、ここではcosφを乗じている。このcosφのかわりに、規格化した電力指令(|P*|/P定格)や、規格化した電流指令|Id*|/電流定格のような、有効電力量に比例する量を用いても良い。
3=−2K1の時、√(Idb*2+Iqb*2)=K1cosφ(Id*2−Iq*2)/Iac*=K1/K2・cosφ・√(Id*2−Iq*2)となる。補正電流指令値IRb*、ISb*、ITb*の振幅は、系統電流指令値IR*、IS*、IT*のK1/K2・cosφ倍となる。
ここで、R相上側アーム電流指令値IRP*=1/2(IRb*+IR*)より、R相上側アーム電流は、振幅Iac*の基本波と、振幅K1/K2・cosφの第2調波の和となる。
本実施例ではK1/K2=−1/4、φ=0であるので、第2調波がアーム電流の基本波に対して振幅が1/4倍・位相がπ/2遅れた波形となる。なお、他アームについても、位相の異なる同様の波形となる。
次に、アーム電流調整について説明する。
d軸系統電流IdFB、q軸系統電流IqFB、d軸補正電流IdbFB、q軸補正電流IqbFBがそれぞれの指令値Id*、Iq*、Idb*、Iqb*と一致するように、(40)〜(43)式に基づいて、系統電圧指令値Vd*、Vq*および補正電圧指令値Vdb*、Vqb*を演算する(図中の記号1804は加減算器を表している)。
(40)〜(43)式において、Gain1808は例えば比例積分調整器等で構成する。図中ゲイン1805と1808は同じゲインでなくても良い。またVdおよびVqは、α−β変換1810およびd−q変換1811を行って演算したものである。VdおよびVqを求める変換式は(2)式および(7)式に示す。
系統電圧指令値Vd*、Vq*に逆d−q変換1806および逆α−β変換1807を行い、相毎の系統電圧指令値VR*、VS*、VT*を演算する。系統電圧指令値VR*、VS*、VT*を求める変換式は、(44)式および(45)式に示す。
系統電圧指令値Vdb*、Vqb*に逆d−q変換1809および逆α−β1807変換を行い、相毎の系統電圧指令値VRb*、VSb*、VTb*を演算する。系統電圧指令値VRb*、VSb*、VTb*を求める変換式は、(46)式および(47)式に示す。
アーム105jに与える出力電圧指令値Vj*(j=RP、SP、TP、RN、SN、TN)は、(48)〜(53)式の通りに演算する。
(48)〜(53)式において、直流電圧指令値VDC*はシステム定格又はシステム運用上の目標値で定まる値である。
アーム電圧指令値Vj*(j=RP、SP、TP、RN、SN、TN)は、指令値分配部313に伝送される。
以上で、電力変換装置102aの構成と制御方法を説明した。
ここで、本実施例で得られる効果とそのメカニズムについて、説明する。
従来は、(8)〜(13)式の結果Ija*(j=RP、SP、TP、RN、SN、TN)となるように、上アームと下アームに対称性のある電圧指令を与えていた。そのため、IR*、IS*、IT*のピーク値、即ちMax(|IR*|、|IS*|、|IT*|)をIac*とすると、アームに流れる電流のピーク値は|Idcref|/3+Iac*/2となっていた。
本実施例では、例えばR相の場合、上側および下側アームに流れる電流が(54)式になる様に制御している。
上記式を、Id*=√(3/2)Iac*cosφ、Iq*=√(3/2)Iac*sinφを代入して整理すると、(55)式の様になり、前述した通り第2調波がアーム電流の基本波に対して振幅が1/4倍となる。
この時、例えばR相上側アームの場合、力率1(φ=0)の時は電流の上ピークはIac・3/8+|Idcref|/3、下ピークは−Iac・5/8+|Idcref|/3となる。
以下、本実施例において、実際の交流・直流の電流波形を与えた時に得られるアーム電流波形を示し、得られる効果について説明する。
直流電流は、図7に示す通り一定の電流を与え、Idcref=1200[A]とする。交流電流は、図8に示す通り周波数50Hz、力率1の3相交流を与え、交流の相ピーク値Iac*=1775[A]とする。
図13に、RPアーム105RP、RNアーム105RNのアーム電流指令値IRP*、IRN*の波形を示す。上側ピーク値は1200/3+1775・3/8=1066[A]、下側ピーク値は1200/3−1775・5/8=−709[A]となり、従来制御(図9相当)に比べて約17%低減することができる。なお、S相レグ、T相レグについては図示を省略したが、図13の波形をそれぞれ120°、240°遅らせた波形となり、ピーク値はR相の場合と一致する。
したがって、本実施例で説明した図1の回路構成および図17、図18の制御方法によって、アームに流れる電流のピーク値を低減でき、電流定格の低い半導体素子201H、201L、202H、202Lを使用できるという効果が得られる。
なお、本実施例では、図1に示すように、リアクトル107RP、SP、TP、RN、SN、TNが変圧器103の2次巻線に接続されている、すなわちR′点、S′点、T′点に接続している回路を例示しているが、リアクトル107RP、SP、TPが直流端子P点との間に、また、リアクトル107RN、SN、TNが直流端子N点との間に接続している回路でも同様の効果を得られる。
101a、101b 交流系統
102a、102b 電力変換装置
103 変圧器
110 電圧検出器
111 電流検出器
112 制御装置
113 ゲート信号線
114 セル電圧検出線

Claims (17)

  1. 電圧型電力変換装置からなる第1のアームと第2のアームを直列に接続し、前記第1のアームと前記第2のアームは直列接続されてレグを構成するものであり、前記第1のアームと前記第2のアームの接続部分に交流端子を構成するものであって、前記第1のアームの他端を第1の直流端子とし、前記第2のアームの他端を第2の直流端子とし、前記第1の端子を正側、前記第2の端子を負側とした前記レグを複数設け、前記第1のアームと第2のアームを貫いて流れる循環電流を抑制するための誘導性素子を前記レグの一部に設けた電圧型電力変換器の電流制御装置において、
    所定の相において、第1のアーム電流指令値を、前記第1の端子と前記第2の端子を通って電力変換器の第1の端子から流れ出る直流電流指令値の1/N(N:レグ数)、および、自相及び他相の交流端子を流れる電流指令値の絶対値の和の1/(2N)から、前記自相の交流端子の交流系統側に流れる交流電流指令値の絶対値の1/2を引き、さらに前記交流電流指令値の1/2を足して作成し、また、第2のアーム電流指令値を、前記直流電流および自相及び他相の交流端子を流れる電流指令値の絶対値の和の1/(2N)から、前記自相の交流端子の交流系統に流れる交流電流指令値の絶対値の1/2を引き、さらに前記交流電流指令値の1/2を引いて作成する電流指令値作成部と、前記第1、第2のアーム電流指令値に従い前記第1のアーム及び第2のアームに流れる電流を調整する電流調整部を備えることを特徴とする電圧型電力変換器の電流制御装置。
  2. 請求項1記載において、前記第1の端子と前記第2の端子を通って流れる直流電流は、検出器で検出されるものであることを特徴とする電圧型電力変換器の電流制御装置。
  3. 電圧型電力変換装置からなる第1のアームと第2のアームを直列に接続し、前記第1のアームと前記第2のアームは直列接続されてレグを構成するものであり、前記第1のアームと前記第2のアームの接続部分に交流端子を構成するものであって、前記第1のアームの他端を第1の直流端子とし、前記第2のアームの他端を第2の直流端子とし、前記第1の端子を正側、前記第2の端子を負側とした前記レグを複数設け、前記第1のアームと第2のアームを貫いて流れる循環電流を抑制するための誘導性素子を前記レグの一部に設けた電圧型電力変換器の電流制御装置において、
    前記第1の端子と前記第2の端子を通って流れる直流電流、および、前記交流端子の交流系統側に流れる交流電流に基づいて、各相における前記第1のアーム及び第2のアームに流れる電流の指令値を、前記第1の端子に流れる直流電流値の絶対値、前記第2の端子に流れる直流電流値の絶対値、前記各相の交流の絶対値の和の1/2N以下になるように計算し、前記計算結果に基づいて、前記各相の第1のアーム及び第2のアームに流れる電流を制御することを特徴とする電圧型電力変換器の電流制御装置。
  4. 請求項3記載の電圧型電力変換器の電流制御装置において、各交流端子および直流端子に流れる電流を計測する計測手段を設け、前記計測手段に基づいて、前記各相の第1のアーム及び第2のアームに流れる電流を制御することを特徴とする電圧型電力変換器の電流制御装置。
  5. 請求項4記載の電圧型電力変換器の電流制御装置において、各交流端子に接続された交流系統および各直流端子に接続された直流系統に流れる電流の指令値を計算する手段を有し、前記指令値を、前記第1の端子に流れる直流電流値の絶対値、前記第2の端子に流れる直流電流値の絶対値、前記各相の交流の絶対値の和の1/2N以下になるように補正することを特徴とする電圧型電力変換器の電流制御装置。
  6. 電圧型電力変換装置からなる第1のアームと第2のアームを直列に接続し、前記第1のアームと前記第2のアームは直列接続されてレグを構成するものであり、前記第1のアームと前記第2のアームの接続部分に交流端子を構成するものであって、前記第1のアームの他端を第1の直流端子とし、前記第2のアームの他端を第2の直流端子とし、前記第1の端子を正側、前記第2の端子を負側とした前記レグを複数設け、前記第1のアームと第2のアームを貫いて流れる循環電流を抑制するための誘導性素子を前記レグの一部に設けた電圧型電力変換器の電流制御装置において、
    各相における前記第1のアームと前記第2のアームに流れる電流を独立的に制御するように各相における前記第1のアームと前記第2のアームに対して電流指令を出力することを特徴とする電圧型電力変換器の電流制御装置。
  7. 電圧型電力変換装置からなる第1のアームと第2のアームを直列に接続し、前記第1のアームと前記第2のアームは直列接続されてレグを構成するものであり、前記第1のアームと前記第2のアームの接続部分に交流端子を構成するものであって、前記第1のアームの他端を第1の直流端子とし、前記第2のアームの他端を第2の直流端子とし、前記第1の端子を正側、前記第2の端子を負側とした前記レグを複数設け、前記第1のアームと第2のアームを貫いて流れる循環電流を抑制するための誘導性素子を前記レグの一部に設けた電圧型電力変換器の電流制御装置において、
    前記複数のレグのうち所定のレグの電流のピークを低減するように制御すると共に、前記所望の電力変換がなされるように、その抑制分を前記複数のレグのうち他のレグに振り分けて制御することを特徴とする電圧型電力変換器の電流制御装置。
  8. 電圧型電力変換装置からなる第1のアームと第2のアームを直列に接続し、前記第1のアームと前記第2のアームは直列接続されてレグを構成するものであり、前記第1のアームと前記第2のアームの接続部分に交流端子を構成するものであって、前記第1のアームの他端を第1の直流端子とし、前記第2のアームの他端を第2の直流端子とし、前記第1の端子を正側、前記第2の端子を負側とした前記レグを複数設け、前記第1のアームと第2のアームを貫いて流れる循環電流を抑制するための誘導性素子を前記レグの一部に設けた電圧型電力変換器の電流制御方法であって、
    前記第1の端子と前記第2の端子を通って流れる直流電流、および、前記交流端子の交流系統側に流れる交流電流に基づいて、各相における前記第1のアーム及び第2のアームに流れる電流の指令値を、前記第1の端子に流れる直流電流値の絶対値、前記第2の端子に流れる直流電流値の絶対値、前記各相の交流の絶対値の和の1/2N以下になるように演算して、前記各相の第1のアーム及び第2のアームに流れる電流を制御する制御装置に対して指令を出力する電圧型電力変換器の電流制御方法。
  9. 請求項8記載の電圧型電力変換器の電流制御方法において、前記第1の端子と前記第2の端子を通って流れる直流電流、および、前記交流端子の交流系統側に流れる交流電流に基づいて、各相における前記第1のアーム及び第2のアームに流れる電流の指令値を、前記第1の端子に流れる直流電流値の絶対値、前記第2の端子に流れる直流電流値の絶対値、前記各相の交流の絶対値の和の1/2N以下になるような指令値をIarefとして計算し、前記Iarefを各アームに流れる電流のアーム毎の指令値として出力する電圧型電力変換器の電流制御方法。
  10. 請求項8および請求項9のいずれかにおいて、前記第1のアームに対しては各アームに流れる電流の指令値がそれぞれ交流および直流の各相に流れる電流の絶対値の和の最大値の1/2Nから交流端子を通して交流系統に流出する電流を引いた電流指令を出力し、前記第2のアームに対しては各アームに流れる電流の指令値がそれぞれ交流および直流の各相に流れる電流の絶対値の和の1/2Nから交流端子を通して交流系統から流入する電流を引いた電流指令を出力する電圧型電力変換器の電流制御方法。
  11. 請求項8および請求項9のいずれかにおいて、各相における第1のアーム及び第2のアームとしての各アームに流れる電流の指令値を、交流端子に流入する電流または流出する電流に、直流成分を加えて出力する電圧型電力変換器の電流制御方法。
  12. 電圧型電力変換装置からなる第1のアームと第2のアームを直列に接続し、前記第1のアームと前記第2のアームは直列接続されてレグを構成するものであり、前記第1のアームと前記第2のアームの接続部分に交流端子を構成するものであって、前記第1のアームの他端を第1の直流端子とし、前記第2のアームの他端を第2の直流端子とし、前記第1の端子を正側、前記第2の端子を負側とした前記レグを複数設け、前記第1のアームと第2のアームを貫いて流れる循環電流を抑制するための誘導性素子を前記レグの一部に設けた電圧型電力変換器の電流制御方法であって、
    前記レグに周期的な電流を流すことによって前記直流端子と前記交流端子との間で所望の電力変換を制御するものであって、前記複数のアームのうち所定のアームの電流のピークを低減するように制御すると共に、前記所望の電力変換がなされるように、その抑制分を前記複数のレグのうち他のレグに振り分けて制御する電圧型電力変換器の電流制御方法。
  13. 電圧型電力変換装置からなる第1のアームと第2のアームを直列に接続し、前記第1のアームと前記第2のアームは直列接続されてレグを構成するものであり、前記第1のアームと前記第2のアームの接続部分に交流端子を構成するものであって、前記第1のアームの他端を第1の直流端子とし、前記第2のアームの他端を第2の直流端子とし、前記第1の端子を正側、前記第2の端子を負側とした前記レグを複数設け、前記第1のアームと第2のアームを貫いて流れる循環電流を抑制するための誘導性素子を前記レグの一部に設けた電圧型電力変換器の電流制御装置であって、
    前記アームに、電力変換器が接続される交流系統の周波数に対して、2倍の周波数成分の電流を流し、前記複数のアームのうち所定のアームの電流のピークを低減するように制御すると共に、前記所望の電力変換がなされるように、その抑制分を前記複数のレグのうち他のレグに振り分けて、前記直流端子と前記交流端子との間で所望の電力変換を制御する電圧型電力変換器の電流制御装置。
  14. 電圧型電力変換装置からなる第1のアームと第2のアームを直列に接続し、前記第1のアームと前記第2のアームは直列接続されてレグを構成するものであり、前記第1のアームと前記第2のアームの接続部分に交流端子を構成するものであって、前記第1のアームの他端を第1の直流端子とし、前記第2のアームの他端を第2の直流端子とし、前記第1の端子を正側、前記第2の端子を負側とした前記レグを複数設け、前記第1のアームと第2のアームを貫いて流れる循環電流を抑制するための誘導性素子を前記レグの一部に設けた電圧型電力変換器の電流制御装置において、
    前記交流端子に流れる交流電流を系統電圧の位相で座標変換して第一の所定値となるようにフィードバック制御し、前記循環電流を前記系統電圧の位相とは異なる第二の周波数の位相で座標変換して第二の所定値となるようにフィードバック制御して、前記交流系統と直流系統との間で所望の電力変換がなされるように、電力変換装置の電流を制御することを特徴とする電圧型電力変換器の電流制御装置。
  15. 請求項14記載の電圧型電力変換器の電流制御装置において、前記第二の周波数が、系統電圧の周波数の2倍であることを特徴とする電圧型電力変換器の電流制御装置。
  16. 請求項14記載の電圧型電力変換器の電流制御装置において、前記第二の所定値が、前記第一の所定値の演算結果であることを特徴とする電圧型電力変換器の電流制御装置。
  17. 電圧型電力変換装置からなる第1のアームと第2のアームを直列に接続し、前記第1のアームと前記第2のアームは直列接続されてレグを構成するものであり、前記第1のアームと前記第2のアームの接続部分に交流端子を構成するものであって、前記第1のアームの他端を第1の直流端子とし、前記第2のアームの他端を第2の直流端子とし、前記第1の端子を正側、前記第2の端子を負側とした前記レグを複数設け、前記第1のアームと第2のアームを貫いて流れる循環電流を抑制するための誘導性素子を前記レグの一部に設けた電圧型電力変換器の電流制御方法において、
    前記交流端子に流れる交流電流を系統電圧の位相で座標変換して第一の所定値となるようにフィードバック制御し、前記循環電流を前記系統電圧の位相とは異なる第二の周波数の位相で座標変換して第二の所定値となるようにフィードバック制御して、前記交流系統と直流系統との間で所望の電力変換がなされるように、電力変換装置の電流を制御する電圧型電力変換器の電流制御方法。
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