JP2010228410A - 熱転写受像シート、印画物及びフォトブック - Google Patents
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Abstract
【解決手段】 基材シート2の両面に染料受容層3、4を設け、その両面の染料受容層に熱転写による画像12、13が形成された印画物1において、前記基材シートが2種以上の基材を積層したものであり、前記の基材シートの両面に設けられた染料受容層と最も近くに位置する基材が、両面とも、多孔質フィルムであり、かつ前記基材シートの両面で、熱転写の画像が形成された染料受容層を通過して、基材シートの一部まで、貫通したハーフカット5、6が施されている構成とした。
【選択図】 図1
Description
また、本発明は、請求項5として、請求項3又は4に記載する印画物を多数枚重ねて、該印画物の一端を綴じたフォトブックにおいて、該印画物に施されたハーフカットの部分で折って、多数枚の印画物を観賞することが可能であることを特徴とするフォトブックである。
図1に本発明の印画物である一つの実施形態を示す。図示した印画物1では、基材シート2は、基材7と基材8とが接着剤層10により貼り合わせられた積層体であり、言い換えれば、2種の基材を積層したものである。但し、基材7及び基材8は、ともに多孔質フィルムである。その基材シート2の基材7の上に染料受容層3を設け、また基材シート2の基材8の上に染料受容層4を設けたものである。その染料受容層3及び染料受容層4には、熱転写画像12、熱転写画像13が形成されている。その熱転写の画像12が形成された染料受容層3を通過して、基材シート2の一部まで、この場合では、基材7の一部まで、貫通したハーフカット5が施されている。また、反対側では、熱転写画像13が形成された染料受容層4を通過して、基材シート2の一部まで、この場合では、基材8の一部まで、貫通したハーフカット6が施されている。
本発明の印画物における基材シート2は、2種以上の基材を積層したものである。この基材シートは、染料受容層を保持するという役割を有するとともに、熱転写時には熱が加えられるため、加熱された状態でも取り扱い上、支障がない程度の機械的強度を有することが好ましい。本発明で用いる基材シートは、基材シートの両面に設けられた染料受容層と最も近くに位置する基材が、両面とも、基材内部に微細空隙(ミクロボイド)を有するフィルム(多孔質フィルム)である。この多孔質フィルムは、合成樹脂に白色顔料や、充填剤を加えて成膜し、基材内部に微細空隙(ミクロボイド)を有するようにしたフィルムである。
本発明における印画物で使用する熱転写受像シートの染料受容層3、4は、熱転写シートから移行してくる昇華染料を受容し、形成された画像を維持する為のものである。受容層を形成する為の樹脂としては、ポリカーボネート系樹脂、ポリエステル系樹脂、ポリアミド系樹脂、アクリル系樹脂、セルロース系樹脂、ポリスルフォン系樹脂、ポリ塩化ビニル樹脂、ポリ酢酸ビニル樹脂、塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体樹脂、ポリビニルアセタール樹脂、ポリビニルブチラール樹脂、ポリウレタン系樹脂、ポリスチレン系樹脂、ポリプロピレン系樹脂、ポリエチレン系樹脂、エチレン−酢酸ビニル共重合体樹脂、エポキシ樹脂等が挙げられる。
染料受容層と基材シートの間には、染料受容層と基材シートとの接着性、白色度、クッション性、隠蔽性、帯電防止性、カール防止性等の付与を目的とし、従来公知のあらゆる中間層を設けることができる。中間層に用いるバインダー樹脂としてはポリウレタン系樹脂、ポリエステル系樹脂、ポリカーボネート系樹脂、ポリアミド系樹脂、アクリル系樹脂、ポリスチレン系樹脂、ポリスルフォン系樹脂、ポリ塩化ビニル樹脂、ポリ酢酸ビニル樹脂、塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体樹脂、ポリビニルアセタール樹脂、ポリビニルブチラール樹脂、ポリビニルアルコール樹脂、エポキシ樹脂、セルロース系樹脂、エチレン−酢酸ビニル共重合体樹脂、ポリエチレン系樹脂、ポリプロピレン系樹脂等が挙げられ、これらの樹脂のうちの活性水酸基を有するものについてはさらにそれらのイソシアネート硬化物をバインダーとすることもできる。
本発明で使用する基材シートにおける基材同士を貼り合わせるために、接着剤層10、11を使用することができる。
上記に挙げた2種以上の基材を積層した基材シートにおいて、その基材シートの積層体を形成する際に、基材同士を積層する方法としては、例えば、ドライラミネーション、ノンソルベント(ホットメルト)ラミネーション、ECラミネーション方法等の公知の接着剤層10、11を用いて積層する方法が使用できる。接着剤としては、接着機能を有するものであれば、特に制限はなく、例えば、ウレタン系樹脂、α−オレフィン−無水マレイン酸樹脂等のポリオレフィン系樹脂、ポリエステル系樹脂、アクリル系樹脂、エポキシ系樹脂、ウリア系樹脂、メラミン系樹脂、フェノール系樹脂、酢酸ビニル系樹脂、シアノアクリレート系樹脂等が使用できる。また、アクリル系樹脂の反応型のものや、変性したもの等も使用することができる。接着剤を硬化剤を用いて硬化させると、接着力も向上し、耐熱性も上がるため好ましい。硬化剤としては、イソシアネート化合物が一般的であるが、脂肪族アミン、環状脂肪族アミン、芳香族アミン、酸無水物等を使用することができる。接着剤層の厚さは、通常、乾燥状態で2μm〜10μm程度である。
ハーフカット5,6の形成方法は、カッター刃を取り付けた上型と台座の間に、熱転写受像シートを挿入して、上型を上下動させる方法や、シリンダータイプのロータリーカッター方法や、レーザー加工手段により熱処理を施す等の方法があり、長尺の連続した形態の熱転写受像シートにハーフカットできる方法であれば特に制限はない。
図3は、本発明のフォトブックである一つの実施形態を示すものである。図3の1)には、上記に説明した印画物1を多数枚重ねたものと、表・表紙17、裏・表紙18、背表紙19を組み合わせる前の状態を説明する概略図である。図3の2)は、図3の1)で示した各部材を組み合わせて、印画物の一端を綴じたフォトブック16を示す概略図である。図3の1)に示すように、印画物1の左辺側に、ハーフカット5が直線状に、上辺から下辺に到る範囲で形成されている。その印画物1が、ハーフカット5の位置が全て揃った状態で、多数枚重なったものが用意される。この多数枚重なったものに対して、表・表紙17を最上部にセットし、また裏・表紙18を最下部にセットする。
接着して、一体化させる。また、背表紙の裏面に、ヒートシール接着剤を全面に予め塗工して形成しておけば、表・表紙17、多数枚の印画物、裏・表紙18を揃えて、背表紙をコの字型にして、ヒートシールすることで、それらを一体化させることも可能である。
(実施例1)
<熱転写受像シートの作製>(図2の構成を参照)
紙基材9であるパールコートN(157.0g/m2、三菱製紙株式会社製)と、多孔質フィルム14、15として、厚さ35μmの多孔質ポリプロピレンフィルム(トヨパールSS、東洋紡績(株)製)を用いて、下記組成の接着剤を使用して、グラビアコーターにより塗工し、乾燥後塗布量が5g/m2になるように、接着剤層10、11を形成し、ドライラミネート方式で、パールコートNの両面に多孔質フィルムを貼り合わせて、積層させ、3種の基材を積層した基材シート2を作製した。
・多官能ポリオール 30部
(武田薬品工業(株)製、タケラックA−969−V)
・イソシアネート 10部
(武田薬品工業(株)製、タケラックA−5)
・酢酸エチル 60部
・ポリエステル樹脂(WR−905、日本合成化学(株)製) 13.1部
・酸化チタン(TCA−888、トーケムプロダクツ社製) 26.2部
・蛍光増白剤 0.39部
(ベンゾイミダゾール誘導体、製品名;TINOPAL IJT、チバ・スペシャルティケミカルズ社製)
・水/イソプロピルアルコール〔IPA〕(質量比2/1) 60部
・塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体(ソルバインC、日信化学工業(株)製) 12部
・エポキシ変性シリコーン(X−22−3000T、信越化学工業(株)製) 1.2部
・メチルスチル変性シリコーン(24−510、信越化学工業社製) 0.6部
・メチルエチルケトン/トルエン(質量比1/1) 50部
実施例1で作製した20枚の印画物を、ハーフカット5の位置が全て揃った状態で、多数枚重なったものを用意し、図3に示すように、表・表紙17、裏・表紙18、背表紙19を組み合わせて、表・表紙17と裏・表紙18の間に、多数枚の印画物が重なったものを挟み込んで、背表紙19を左端に、製本用糊を用いて、接着して、多数枚の印画物の一端を綴じた形態のフォトブック16を作製した。
2 基材シート
3、4 染料受容層
5、6 ハーフカット
7、8 基材
9 紙基材
10、11 接着剤層
12、13 熱転写画像
14、15 多孔質フィルム
16 フォトブック
17 表・表紙
18 裏・表紙
19 背表紙
20、21 折り部
Claims (5)
- 基材シートの両面に染料受容層を設け、その両面の染料受容層に熱転写による画像が形成可能な熱転写受像シートにおいて、前記基材シートが2種以上の基材を積層したものであり、前記の基材シートの両面に設けられた染料受容層と最も近くに位置する基材が、両面とも、基材内部に微細空隙(ミクロボイド)を有するフィルム(多孔質フィルム)であり、かつ前記基材シートの両面で、前記染料受容層を通過して、基材シートの一部まで、貫通したハーフカットが施されていることを特徴とする熱転写受像シート。
- 前記の基材シートが、紙基材の両面に、基材内部に微細空隙(ミクロボイド)を有するフィルム(多孔質フィルム)を貼り合わせた積層体であることを特徴とする請求項1に記載する熱転写受像シート。
- 基材シートの両面に染料受容層を設け、その両面の染料受容層に熱転写による画像が形成された印画物において、前記基材シートが2種以上の基材を積層したものであり、前記の基材シートの両面に設けられた染料受容層と最も近くに位置する基材が、両面とも、基材内部に微細空隙(ミクロボイド)を有するフィルム(多孔質フィルム)であり、かつ前記基材シートの両面で、熱転写の画像が形成された染料受容層を通過して、基材シートの一部まで、貫通したハーフカットが施されていることを特徴とする印画物。
- 前記の基材シートが、紙基材の両面に、基材内部に微細空隙(ミクロボイド)を有するフィルム(多孔質フィルム)を貼り合わせた積層体であることを特徴とする請求項3に記載する印画物。
- 請求項3又は4に記載する印画物を多数枚重ねて、該印画物の一端を綴じたフォトブックにおいて、該印画物に施されたハーフカットの部分で折って、多数枚の印画物を観賞することが可能であることを特徴とするフォトブック。
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