JP2011201177A - 保護層転写シート - Google Patents
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Abstract
【解決手段】 基材シート2の一方の面の少なくとも一部に剥離可能に熱転写性保護層5が設けられた保護層転写シート1において、該熱転写性保護層5が基材シート2側から剥離層3と接着層4とを、この順に形成し、該剥離層3に平均粒径0.1〜3μmのメラミン−ホルムアルデヒド縮合物からなる微粒子を含有していることを特徴とするものである。
【選択図】 図1
Description
図1に本発明の保護層転写シートである一つの実施形態を示す。
基材シート2の一方の面に、剥離層3、接着層4を順に形成し、また基材シート2の他方の面に、耐熱滑性層6を設けた保護層転写シート1である。この保護層転写シート1は、熱転写性保護層5が、剥離層3と接着層4の2層からなり、基材シート2から熱転写により、剥離可能となる。
(基材シート)
基材シート2は、従来の熱転写シートに使用されているものと同じ基材シートを用いることができ、特に制限されるものではない。基材シートの具体例としては、ポリエチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレート、ポリブチレンテレフタレート、ポリフェニレンサルファイド、ポリエーテルケトン等の耐熱性の高いポリエステル;ポリプロピレン、ポリカーボネート、酢酸セルロース、ポリエチレンの誘導体、ポリ塩化ビニル、ポリ塩化ビニリデン、ポリスチレン、ポリアミド、ポリイミド、ポリメチルペンテン、アイオノマー等のプラスチックフィルム、これらの積層体等が挙げられる。前記プラスチックフィルムは、延伸されたものであってもよいし、未延伸であってもよい。基材シートの厚さは、強度、耐熱性等を考慮して適宜選択することができるが、通常1〜100μm程度である。
剥離層3は、熱転写性保護層の一部として、保護層転写シートから受像シートに転写されて、印画物の最表面に位置するものである。剥離層はバインダー樹脂と、平均粒径0.1〜3μmのメラミン−ホルムアルデヒド縮合物からなる微粒子を主成分として構成される。バインダー樹脂としては、従来の熱転写シートの剥離層で使用されている公知の熱可塑性樹脂及び熱硬化型樹脂を広く使用できる。熱可塑性樹脂としては、例えば、ポリメタクリル酸、ポリメタクリルアミド、ポリメタクリル酸メチル、ポリメタクリル酸エチル、ポリアクリル酸ブチル等のアクリル系樹脂;ポリ酢酸ビニル、塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体、ポリビニルアルコール、ポリビニルブチラール等のビニル系樹脂;エチルセルロース、ニトロセルロース、酢酸セルロース等のセルロース誘導体等が挙げられる。
保護層転写シートの転写性保護層の最表面に、接着層4を、保護層の受像シートへの接着性を良好にするために設けるものである。この接着層は、従来公知の粘着剤や、感熱接着剤がいずれも使用できるが、ガラス転移温度が50℃〜100℃の熱可塑性樹脂から形成することがより好ましく、例えば、ポリエステル樹脂、ポリカーボネート樹脂、ブチラール樹脂、アクリル樹脂、エポキシ樹脂、塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体樹脂、ポリアミド樹脂、塩化ビニル樹脂、紫外線遮断性樹脂(例えば、反応性紫外線吸収剤を熱可塑性樹脂に反応ないし結合させて得た樹脂)等の如く熱時接着性の良好な樹脂から、適当なガラス転移温度を有するものを選択することが好ましい。上記のような接着層を構成する樹脂と、必要に応じて、紫外線吸収剤、酸化防止剤、蛍光増白剤等の添加剤を加えた塗工液を塗布及び乾燥することによって、好ましくは塗工量が、乾燥状態で通常0.1〜10g/m2程度、好ましくは0.5〜5g/m2程度で形成する。
本発明で使用する保護層転写シートは、基材シートと剥離可能に、熱転写性保護層が設けられてなる構成であるが、基材シートと熱転写性保護層との間に、離型層を設けることができる。このように離型層を設けることにより、基材シートから熱転写性保護層を剥離し易くできる。離型層は、加熱の際に基材シートから剥離せず、被転写体の印画物には転写されない。したがって、この離型層の熱転写性保護層と接する面が、剥離面(離型面)となり、印画物の保護層表面となる。
本発明においては、基材シートの熱転写性保護層の設けている面と反対面に、耐熱滑性層6を形成してもよい。耐熱滑性層は、サーマルヘッド等の加熱デバイスと基材シートとの熱融着を防止し、走行を滑らかに行う目的で設けられる。この耐熱滑性層に用いる樹脂としては、例えば、エチルセルロース、ヒドロキシセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、メチルセルロース、酢酸セルロース、酪酸セルロース、ニトロセルロース等のセルロース系樹脂;ポリビニルアルコール、ポリ酢酸ビニル、ポリビニルブチラール、ポリビニルアセタール、ポリビニルピロリドン等のビニル系樹脂;ポリメタクリル酸メチル、ポリアクリル酸エチル、ポリアクリルアミド、アクリロニトリルースチレン共重合体等のアクリル系樹脂;ポリアミド樹脂; ポリビニルトルエン樹脂;クマロンインデン樹脂;ポリエステル系樹脂; ポリウレタン樹脂;シリコーン変性又はフッ素変性ウレタン等の天然又は合成樹脂の単体又は混合物が用いられる。耐熱滑性層の耐熱性をより高めるために上記の樹脂のうち、水酸基系の反応性基を有している樹脂(例えば、ブチラール樹脂、アセタール樹脂等)を使用し、架橋剤としてポリイソシアネート等を併用して、架橋樹脂層とすることが好ましい。
上記に記載した保護層転写シートから保護層が転写して表面が被覆される対象物が、熱転写受像シートであり、基材11の両面に染料受容層12、13を設けた構成である。本発明では、その熱転写受像シートの染料受容層に熱転写画像を形成したもの、またその熱転写画像の上に、本発明の保護層転写シートから保護層を転写したものを印画物とした。
以下、熱転写受像シートを構成する各層について、説明する。
熱転写受像シートにおける基材11は、受容層を保持するという役割を有するとともに、熱転写時には熱が加えられるため、加熱された状態でも取り扱い上、支障がない程度の機械的強度を有することが好ましい。このような基材の材料は特に限定されず、例えば、コンデンサーペーパー、グラシン紙、硫酸紙、またはサイズ度の高い、すなわち水溶液の浸透性の高い紙、合成紙(ポリオレフィン系、ポリスチレン系等)、上質紙、アート紙、コート紙、キャストコート紙、壁紙、裏打ち用紙、合成樹脂又はエマルジョン含浸紙、合成ゴムラテックス含浸紙、合成樹脂内添紙、板紙等、セルロース繊維紙、あるいはポリエステル、ポリアクリレート、ポリカーボネート、ポリウレタン、ポリイミド、ポリエーテルイミド、セルロース誘導体、ポリエチレン、エチレン−酢酸ビニル共重合体、ポリプロピレン、ポリスチレン、アクリル、ポリ塩化ビニル、ポリ塩化ビニリデン等の各種プラスチックフィルム又はシートが使用でき、またこれら合成樹脂に白色顔料や、充填剤を加えて成膜し、基材内部に微細空隙(ミクロボイド)を有するフィルム(多孔質フィルム)も使用でき、特に限定されない。
熱転写受像シートの染料受容層12、13は、熱転写シートから移行してくる昇華染料を受容し、形成された画像を維持する為のものである。受容層を形成する為の樹脂としては、ポリカーボネート系樹脂、ポリエステル系樹脂、ポリアミド系樹脂、アクリル系樹脂、セルロース系樹脂、ポリスルフォン系樹脂、ポリ塩化ビニル樹脂、ポリ酢酸ビニル樹脂、塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体樹脂、ポリビニルアセタール樹脂、ポリビニルブチラール樹脂、ポリウレタン系樹脂、ポリスチレン系樹脂、ポリプロピレン系樹脂、ポリエチレン系樹脂、エチレン−酢酸ビニル共重合体樹脂、エポキシ樹脂等が挙げられる。
染料受容層と基材の間には、染料受容層と基材との接着性、白色度、クッション性、隠蔽性、帯電防止性、カール防止性等の付与を目的とし、従来公知のあらゆる中間層を設けることができる。中間層に用いるバインダー樹脂としてはポリウレタン系樹脂、ポリエステル系樹脂、ポリカーボネート系樹脂、ポリアミド系樹脂、アクリル系樹脂、ポリスチレン系樹脂、ポリスルフォン系樹脂、ポリ塩化ビニル樹脂、ポリ酢酸ビニル樹脂、塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体樹脂、ポリビニルアセタール樹脂、ポリビニルブチラール樹脂、ポリビニルアルコール樹脂、エポキシ樹脂、セルロース系樹脂、エチレン−酢酸ビニル共重合体樹脂、ポリエチレン系樹脂、ポリプロピレン系樹脂等が挙げられ、これらの樹脂のうちの活性水酸基を有するものについてはさらにそれらのイソシアネート硬化物をバインダーとすることもできる。
(実施例1)
厚さ6μmのポリエチレンテレフタレートフィルムの一方の面に、下記の組成の耐熱滑性層用インキをグラビコート法により塗布(塗布量1.0g/m2(乾燥時))して乾燥し、その後、硬化処理を施し耐熱滑性層を形成した。
(耐熱滑性層用インキの組成)
・ポリビニルブチラール樹脂 4.55部
(エスレックBX−1、積水化学工業(株)製)
・ポリイソシアネート 21.0部
(バーノックD750−45、固形分45質量%、大日本インキ化学工業(株)製)
・リン酸エステル系界面活性剤 3.0部
(プライサーフA208N、第一製薬工業(株)製)
・タルク(ミクロエースP−3、日本タルク工業(株)製) 0.7部
・メチルエチルケトン 100部
・トルエン 100部
(剥離層用インキ1の組成)
・ポリメチルメタクリル酸(PMMA、三菱レイヨン(株)製 ダイヤナールBR−87、重量平均分子量25000) 20部
・メラミン−ホルムアルデヒド縮合物からなる球状の微粒子(平均粒径0.1〜0.3μm、(株)日本触媒製、商品名エポスターS) 0.96部
・メチルエチルケトン 40部
・トルエン 40部
(接着層用インキの組成)
・ポリエステル樹脂(バイロン700、東洋紡績(株)製) 27部
・(UVA)含有アクリル樹脂(PUVA−50M−40TM、大塚化学(株)製) 7部
・UVA化合物(チヌビン900、チバ・スペシャリティ・ケミカルズ(株)製)3.5部
・シリカフィラー(サイリシア310P,富士シリシア(株)製) 0.5部
・メチルエチルケトン 31部
・トルエン 31部
芯材であるパールコートN(157.0g/m2、三菱製紙株式会社製)と、多孔質フィルムとして、厚さ35μmの多孔質ポリプロピレンフィルム(トヨパールSS、東洋紡績(株)製)を用いて、接着剤を使用して、グラビアコーターにより塗工し、乾燥後塗布量が5g/m2になるように、多孔質ポリプロピレンフィルムに接着剤層を形成した。この接着剤層の形成された多孔質ポリプロピレンフィルムを2つ用意し、ドライラミネート方式で、パールコートNの両面に多孔質フィルムを貼り合わせて、積層させ、3種の基材を積層した基材11を作製した。
以下の実施例および比較例にて用いた熱転写受像シートは、実施例1に記載の方法で作成したものを用いた。
・ポリエステル樹脂(WR−905、日本合成化学(株)製) 13.1部
・酸化チタン(TCA−888、トーケムプロダクツ社製) 26.2部
・蛍光増白剤 0.39部
(ベンゾイミダゾール誘導体、製品名;TINOPAL IJT、チバ・スペシャルティ・ケミカルズ社製)
・水/イソプロピルアルコール〔IPA〕(質量比2/1) 60部
・塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体(ソルバインC、日信化学工業(株)製) 60部
・エポキシ変性シリコーン(X−22−3000T、信越化学工業(株)製) 1.2部
・メチルスチル変性シリコーン(X−24−510、信越化学工業社製) 0.6部
・メチルエチルケトン/トルエン(質量比1/1) 5部
実施例1で作製した保護層転写シートにおいて、使用した剥離層用インキ1を下記の組成に変更した以外は、実施例1と同様にして、実施例2の保護層転写シートを作製した。さらに、実施例1と同様にして、ベタ画像を両面に有し、さらにベタ画像上に実施例2で作製した熱転写性保護層を転写した実施例2による印画物を作製した。
(剥離層用インキ2の組成)
・ポリメチルメタクリル酸(PMMA、三菱レイヨン(株)製 ダイヤナールBR−87、重量平均分子量25000) 20部
・メラミン−ホルムアルデヒド縮合物からなる球状の微粒子(平均粒径0.1〜0.3μm、(株)日本触媒製、商品名エポスターS) 1.86部
・メチルエチルケトン 40部
・トルエン 40部
実施例1で作製した保護層転写シートにおいて、使用した剥離層用インキ1を下記の組成に変更した以外は、実施例1と同様にして、実施例3の保護層転写シートを作製した。さらに、実施例1と同様にして、ベタ画像を両面に有し、さらにベタ画像上に実施例3で作製した熱転写性保護層を転写した実施例3による印画物を作製した。
(剥離層用インキ3の組成)
・ポリメチルメタクリル酸(PMMA、三菱レイヨン(株)製 ダイヤナールBR−87、重量平均分子量25000) 20部
・メラミン−ホルムアルデヒド縮合物からなる球状の微粒子(平均粒径0.1〜0.3μm、(株)日本触媒製、商品名エポスターS) 3.4部
・メチルエチルケトン 40部
・トルエン 40部
実施例1で作製した保護層転写シートにおいて、使用した剥離層用インキ1を下記の組成に変更した以外は、実施例1と同様にして、実施例4の保護層転写シートを作製した。さらに、実施例1と同様にして、ベタ画像を両面に有し、さらにベタ画像上に実施例4で作製した熱転写性保護層を転写した実施例4による印画物を作製した。
(剥離層用インキ4の組成)
・ポリメチルメタクリル酸(PMMA、三菱レイヨン(株)製 ダイヤナールBR−87、重量平均分子量25000) 20部
・メラミン−ホルムアルデヒド縮合物からなる球状の微粒子(平均粒径1〜2μm、(株)日本触媒製、商品名エポスターS12) 0.96部
・メチルエチルケトン 40部
・トルエン 40部
実施例1で作製した保護層転写シートにおいて、使用した剥離層用インキ1を下記の組成に変更した以外は、実施例1と同様にして、実施例5の保護層転写シートを作製した。さらに、実施例1と同様にして、ベタ画像を両面に有し、さらにベタ画像上に実施例5で作製した熱転写性保護層を転写した実施例5による印画物を作製した。
(剥離層用インキ5の組成)
・ポリメチルメタクリル酸(PMMA、三菱レイヨン(株)製 ダイヤナールBR−87、重量平均分子量25000) 20部
・メラミン−ホルムアルデヒド縮合物からなる球状の微粒子(平均粒径1〜2μm、(株)日本触媒製、商品名エポスターS12) 1.86部
・メチルエチルケトン 40部
・トルエン 40部
実施例1で作製した保護層転写シートにおいて、使用した剥離層用インキ1を下記の組成に変更した以外は、実施例1と同様にして、実施例6の保護層転写シートを作製した。さらに、実施例1と同様にして、ベタ画像を両面に有し、さらにベタ画像上に実施例6で作製した熱転写性保護層を転写した実施例6による印画物を作製した。
(剥離層用インキ6の組成)
・ポリメチルメタクリル酸(PMMA、三菱レイヨン(株)製 ダイヤナールBR−87、重量平均分子量25000) 20部
・メラミン−ホルムアルデヒド縮合物からなる球状の微粒子(平均粒径1〜2μm、(株)日本触媒製、商品名エポスターS12) 3.4部
・メチルエチルケトン 40部
・トルエン 40部
実施例2で作製した保護層転写シートにおいて、使用した剥離層用インキ2で、塗布量1.08g/m2(乾燥時)で塗布、乾燥して剥離層を形成した。それ以外は、実施例2と同様にして、実施例7の保護層転写シートを作製した。さらに、実施例1と同様にして、ベタ画像を両面に有し、さらにベタ画像上に実施例7で作製した熱転写性保護層を転写した実施例7による印画物を作製した。
実施例2で作製した保護層転写シートにおいて、使用した剥離層用インキ2で、塗布量1.92g/m2(乾燥時)で塗布、乾燥して剥離層を形成した。それ以外は、実施例2と同様にして、実施例8の保護層転写シートを作製した。さらに、実施例1と同様にして、ベタ画像を両面に有し、さらにベタ画像上に実施例8で作製した熱転写性保護層を転写した実施例8による印画物を作製した。
実施例5で作製した保護層転写シートにおいて、使用した剥離層用インキ5で、塗布量1.08g/m2(乾燥時)で塗布、乾燥して剥離層を形成した。それ以外は、実施例5と同様にして、実施例9の保護層転写シートを作製した。さらに、実施例1と同様にして、ベタ画像を両面に有し、さらにベタ画像上に実施例9で作製した熱転写性保護層を転写した実施例9による印画物を作製した。
実施例5で作製した保護層転写シートにおいて、使用した剥離層用インキ5で、塗布量1.92g/m2(乾燥時)で塗布、乾燥して剥離層を形成した。それ以外は、実施例5と同様にして、実施例10の保護層転写シートを作製した。さらに、実施例1と同様にして、ベタ画像を両面に有し、さらにベタ画像上に実施例10で作製した熱転写性保護層を転写した実施例10による印画物を作製した。
実施例3で作製した保護層転写シートにおいて、使用した剥離層用インキ3で、塗布量1.92g/m2(乾燥時)で塗布、乾燥して剥離層を形成した。それ以外は、実施例3と同様にして、実施例11の保護層転写シートを作製した。さらに、実施例1と同様にして、ベタ画像を両面に有し、さらにベタ画像上に実施例11で作製した熱転写性保護層を転写した実施例11による印画物を作製した。
実施例6で作製した保護層転写シートにおいて、使用した剥離層用インキ6で、塗布量1.92g/m2(乾燥時)で塗布、乾燥して剥離層を形成した。それ以外は、実施例6と同様にして、実施例12の保護層転写シートを作製した。さらに、実施例1と同様にして、ベタ画像を両面に有し、さらにベタ画像上に実施例12で作製した熱転写性保護層を転写した実施例12による印画物を作製した。
実施例1で作製した保護層転写シートにおいて、使用した剥離層用インキ1を下記の組成に変更した以外は、実施例1と同様にして、比較例1の保護層転写シートを作製した。さらに、実施例1と同様にして、ベタ画像を両面に有し、さらにベタ画像上に比較例1で作製した熱転写性保護層を転写した比較例1による印画物を作製した。
(剥離層用インキ7の組成)
・ポリメチルメタクリル酸(PMMA、三菱レイヨン(株)製 ダイヤナールBR−87、重量平均分子量25000) 20部
・ベンゾグアナミン−ホルムアルデヒド縮合物からなる球状の微粒子(平均粒径4〜6μm、(株)日本触媒製、商品名エポスターM05) 0.96部
・メチルエチルケトン 40部
・トルエン 40部
実施例1で作製した保護層転写シートにおいて、使用した剥離層用インキ1を下記の組成に変更した以外は、実施例1と同様にして、比較例2の保護層転写シートを作製した。さらに、実施例1と同様にして、ベタ画像を両面に有し、さらにベタ画像上に比較例2で作製した熱転写性保護層を転写した比較例2による印画物を作製した。
(剥離層用インキ8の組成)
・ポリメチルメタクリル酸(PMMA、三菱レイヨン(株)製 ダイヤナールBR−87、重量平均分子量25000) 20部
・ベンゾグアナミン−ホルムアルデヒド縮合物からなる球状の微粒子(平均粒径4〜6μm、(株)日本触媒製、商品名エポスターM05) 1.86部
・メチルエチルケトン 40部
・トルエン 40部
実施例1で作製した保護層転写シートにおいて、使用した剥離層用インキ1を下記の組成に変更した以外は、実施例1と同様にして、比較例3の保護層転写シートを作製した。さらに、実施例1と同様にして、ベタ画像を両面に有し、さらにベタ画像上に比較例3で作製した熱転写性保護層を転写した比較例3による印画物を作製した。
(剥離層用インキ9の組成)
・ポリメチルメタクリル酸(PMMA、三菱レイヨン(株)製 ダイヤナールBR−87、重量平均分子量25000) 20部
・ベンゾグアナミン−ホルムアルデヒド縮合物からなる球状の微粒子(平均粒径4〜6μm、(株)日本触媒製、商品名エポスターM05) 3.4部
・メチルエチルケトン 40部
・トルエン 40部
比較例2で作製した保護層転写シートにおいて、使用した剥離層用インキ8で、塗布量1.08g/m2(乾燥時)で塗布、乾燥して剥離層を形成した。それ以外は、比較例2と同様にして、比較例4の保護層転写シートを作製した。さらに、実施例1と同様にして、ベタ画像を両面に有し、さらにベタ画像上に比較例4で作製した熱転写性保護層を転写した比較例4による印画物を作製した。
比較例2で作製した保護層転写シートにおいて、使用した剥離層用インキ8で、塗布量1.92g/m2(乾燥時)で塗布、乾燥して剥離層を形成した。それ以外は、比較例2と同様にして、比較例5の保護層転写シートを作製した。さらに、実施例1と同様にして、ベタ画像を両面に有し、さらにベタ画像上に比較例5で作製した熱転写性保護層を転写した比較例5による印画物を作製した。
実施例1で作製した保護層転写シートにおいて、使用した剥離層用インキ1を下記の組成に変更した以外は、実施例1と同様にして、比較例6の保護層転写シートを作製した。さらに、実施例1と同様にして、ベタ画像を両面に有し、さらにベタ画像上に比較例6で作製した熱転写性保護層を転写した比較例6による印画物を作製した。
(剥離層用インキ10の組成)
・ポリメチルメタクリル酸(PMMA、三菱レイヨン(株)製 ダイヤナールBR−87、重量平均分子量25000) 20部
・ポリメタクリル酸メチル系架橋物からなる球状の微粒子(平均粒径1〜2μm、(株)日本触媒製、商品名エポスターMA1001) 3.4部
・メチルエチルケトン 40部
・トルエン 40部
実施例1で作製した保護層転写シートにおいて、使用した剥離層用インキ1を下記の組成に変更した以外は、実施例1と同様にして、比較例7の保護層転写シートを作製した。さらに、実施例1と同様にして、ベタ画像を両面に有し、さらにベタ画像上に比較例7で作製した熱転写性保護層を転写した比較例7による印画物を作製した。
(剥離層用インキ11の組成)
・ポリメチルメタクリル酸(PMMA、三菱レイヨン(株)製 ダイヤナールBR−87、重量平均分子量25000) 20部
・メチルエチルケトン 40部
・トルエン 40部
<動摩擦係数の測定条件>
表面性測定装置(新東科学(株)製、ヘイドン・トライポギア タイプ:14DR)を使用し、各実施例及び比較例で作製した印画物において、各例の条件が等しい印画物同士を用いて、一方の印画物の表面と、もう一方の印画物の裏面が接する条件で、ボール圧子で垂直荷重を加え(1500gの点圧)、ボール圧子を500mm/minの速度で、試料表面を滑らせて動摩擦係数を測定した。この測定を5回行い、その平均値を動摩擦係数の値とした。この動摩擦係数は全てJIS K 7125の方法に準じて測定した値である。尚、この測定における環境は、温度25℃、湿度50%RHである。
上記の各例で得られた保護層付きの印画物の最高濃度部分において、保護層表面の鏡面光沢度(GS(45°))を日本電色工業(株)製、Gloss Meter VG2000を用いて、JISZ−8741−1983に準拠して測定した。
各実施例及び比較例で作製した印画物において、各例の条件が等しい印画物を10枚重ねた状態で、表と裏に表紙が取り付けられた状態になるように、背貼り方式で、印画物の一端を接着させ、コの字型で表紙を取り付けた。この小冊子状の写真アルバムを用いて、隣接した印画物同士を擦って、発生する音を聞いて、以下の基準にて評価した。尚、この発生する音を聞く際の環境は、温度25℃、湿度50%RHである。
○:耳障りのある音が発生せず、問題はない。
△:キュキュと音は発生するが、気に障るものではない
×:キュキュと、気に障る音が発生し、人にダメージを与えるものであった。
××:キュキュと、気に障る音が激しく発生し、人に大きなダメージを与えるものであった。
2 基材シート
3 剥離層
4 接着層
5 熱転写性保護層
6 耐熱滑性層
10 印画物
11 基材
12、13 染料受容層
14、15 熱転写性保護層
16、17 熱転写画像
Claims (4)
- 基材シートの一方の面の少なくとも一部に剥離可能に熱転写性保護層が設けられた保護層転写シートにおいて、該熱転写性保護層が基材シート側から剥離層と接着層とを、この順に形成し、該剥離層に平均粒径0.1〜3μmのメラミン−ホルムアルデヒド縮合物からなる微粒子を含有していることを特徴とする保護層転写シート。
- 前記の剥離層は、さらにアクリル樹脂を含有していることを特徴とする請求項1に記載の保護層転写シート。
- 前記の剥離層は、メラミン−ホルムアルデヒド縮合物からなる微粒子が、アクリル樹脂に対して、質量比で3〜20%の割合で混合されていることを特徴とする、請求項1又は2に記載の保護層転写シート。
- 基材の両方の面に受容層を有する熱転写受像シートに対し、請求項1〜3のいずれかに記載の保護層転写シートを用いて、保護層を転写することを特徴とする両面印画物の製造方法。
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