JP2014065163A - 熱転写シート - Google Patents

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Abstract

【課題】 基材シート上に、染料層と熱転写性保護層を、面順次に設けた熱転写シートで、熱転写時などにより、シワが生じることを防止でき、また熱転写時の熱エネルギーが熱転写シートに効率的に伝わることが可能であり、印画適性に優れ、得られる印画物の表面光沢度が高い熱転写シートを提供する。
【解決手段】 基材シート2上に、染料層3と熱転写性保護層4を、面順次に設けた熱転写シート1であって、前記基材シート2は、引張弾性率が5GPa以上、20GPa以下であることを特徴とする熱転写シートの構成とした。
【選択図】 図1

Description

本発明は、基材シート上に、染料層と熱転写性保護層を、面順次に設けた熱転写シートに関する。
従来から、簡便な印刷方法として熱転写方法が広く使用されている。熱転写方法の一つである溶融転写方式は、顔料等の色材と、熱溶融性のワックスや樹脂等のバインダーを含む熱溶融インキ層を備える熱転写シートを、紙やプラスチックシート等の熱転写受像シートと重ね合わせ、熱転写シートの背面側からサーマルヘッド等の加熱手段により画像情報に応じたエネルギーを印加して、熱転写受像シート上に、色材をバインダーと共に転写する画像形成方法である。溶融転写方式による画像は、高濃度で鮮鋭性に優れ、文字等の2値画像の記録に適している。
熱転写方法の一つである昇華転写方式は、昇華により熱移行する昇華性染料を含む色材層(染料層)を備える熱転写シートを、基材シート上に染料受容層を設けてなる熱転写受像シートと重ね合わせ、熱転写シートの背面側からサーマルヘッド等の加熱手段により画像情報に応じたエネルギーを印加して、熱転写受像シート上に、昇華性染料を転写移行させる画像形成方法である。この昇華転写方式は、印加されるエネルギー量に応じて染料の移行量を制御できるため、サーマルヘッドのドット毎に画像濃度を制御した階調画像の形成を行なうことができる。また、使用する色材が染料であるため、形成される画像には透明性があり、異なる色の染料を重ねた場合の中間色の再現性が優れている。したがって、イエロー、マゼンタ、シアン、ブラック等の異なる色の熱転写シートを用い、熱転写受像シート上に各色染料を重ねて転写する際にも、中間色の再現性に優れた高画質な写真調フルカラー画像の形成が可能である。
マルチメディアに関連した様々なハード及びソフトの発達により、この熱転写方法は、コンピューターグラフィックス、衛星通信による静止画像そしてCD−ROMその他に代表されるデジタル画像及びビデオ等のアナログ画像のフルカラーハードコピーシステムとして、その市場を拡大している。この熱転写方法による熱転写受像シート及びその熱転写受像シートと組み合わせて使用する熱転写シートの具体的な用途は、多岐にわたっている。代表的なものとしては、印刷の校正刷り、画像の出力、CAD/CAMなどの設計およびデザインなどの出力、CTスキャンや内視鏡カメラなどの各種医療用分析機器、測定機器の出力用途そしてインスタント写真の代替として、また身分証明書やIDカード、クレジットカード、その他カード類への顔写真などの出力、さらに遊園地、ゲームセンター、博物館、水族館などのアミューズメント施設における合成写真、記念写真としての用途などをあげることができる。
昇華転写型の熱転写シートを使用した場合には、顔写真などの階調性画像を精密に形成することができるが、形成された画像は、通常の印刷インキによるものとは異なり、ビヒクルがなく、染料のみによって形成されているので、耐候性、耐摩擦性、耐薬品性などの耐久性に劣るという欠点がある。それに対し、昇華性染料の熱転写によって得られた画像上に、転写性保護層を有する保護層熱転写シートを重ね合わせ、サーマルヘッドや加熱ロールなどを用いて転写性保護層を転写させ、画像上に保護層を形成する方法が知られている。(例えば、特許文献1参照)
そして、染料による熱転写画像上に、保護層を転写する際、基材上に染料層を設けた熱転写シートと、別の基材上に保護層を設けた保護層熱転写シートを用意して、熱転写プリンターで、染料層を有した熱転写シートを装着して熱転写画像を形成し、その後に、その熱転写シートを保護層熱転写シートに交換して、その熱転写画像上に、保護層を熱転写して行なっているが、効率良く行なうために、同一基材上に、染料層と保護層を面順次に形成した熱転写シートを使用して、染料による熱転写の画像形成と、保護層の転写を連続的に行なって、耐久性を高めた印画物を得ることが行なわれている。(特許文献2参照)
このような熱転写シートは、熱転写プリンターにより加熱記録されるが、その熱転写プリンターの印字速度の高速化が進むに伴い、印字時のサーマルヘッドによる単位時間当たりの印加エネルギーが高くなり、それによって、熱転写シートの受ける熱量が、従来よりも高くなってきている。さらに、通常の印字の際には、熱転写シートに流れ方向にテンションがかけられている。そのため、印字の際の熱エネルギーとテンションにより、熱転写シートの基材シートに伸びが起こり、熱転写シートにシワ等の変形が生じて、印字の際に印字ムラが発生する等の問題がある。
また、熱転写プリンターの高速化がされるなかで、さらにプリント時間の短縮をはかるために、2画面分の長さの熱転写シートを用いて、2画面を同時にプリントする方法がとられている。(特許文献3参照)この場合は、奇数画面の印画をした場合、1画面分は使用せずに、巻取りボビンに巻かれることがある。その際、使用した画面で、特に最後の1画面分の熱転写シートの歪みの影響、また巻取りボビンは熱転写シートが巻かれて太くなってくると、巻き取った熱転写シートの凹凸の影響を受けて、未使用の画面分の熱転写シートにシワが入ってしまうことがあった。
上記の熱転写シートのシワにより、その熱転写シートを用いて形成される印画物に、そのシワに対応する色抜けが生じてしまい、印画物の価値を著しく低下させるという問題が生じる。上記の特許文献3等で、その熱転写シートのシワを防止するように、プリンターの条件を制御することが行なわれている。しかし、その制御方法を取り入れたプリンターを使用する制約があり、一般的なプリンターでもシワが生じないように、熱転写シートなどの使用する媒体の改善が求められている。
また、上記の熱転写シートのシワが、熱転写性の保護層の箇所に生じた場合には、その保護層が転写された印画物で、表面の光沢性にムラが生じてしまう。また、熱転写プリンターの高速化に伴い、プリント時に短時間でサーマルヘッドから高い熱量が熱転写シートに与えられるようになってきている。そのサーマルヘッドで発生した熱は、熱転写シートを経て、熱転写シートに圧接されている熱転写受像シートに伝わる。ところが、熱転写の際、熱転写シートを構成する基材シートの熱拡散が悪いと、伝わる熱量が少なくなるので熱効率が悪くなり、保護層の転写ムラが発生する恐れがある。また、その保護層を被転写体上に転写して被覆すると、その得られる印画物は、その表面の光沢度が低下し、満足な品質が得られない恐れがある。
特開2003−127558号公報 特開平7−276831 特許第4697428号公報(段落番号0010)
したがって、上記の課題を解決するために本発明の目的は、基材シート上に、染料層と熱転写性保護層を、面順次に設けた熱転写シートで、熱転写時などにより、シワが生じることを防止でき、また熱転写時の熱エネルギーが熱転写シートに効率的に伝わることが可能であり、印画適性に優れ、得られる印画物の表面光沢度が高い熱転写シートを提供することにある。
上記目的は以下の本発明によって達成される。即ち、本発明は、基材シート上に、染料層と熱転写性保護層を、面順次に設けた熱転写シートであって、前記基材シートは、引張弾性率が5GPa以上、20GPa以下であることを特徴とする熱転写シートの構成とした。
また、本発明は、前記基材シートが芳香族ポリアミドフィルムであることが好ましい。また、本発明は、前記基材シートは長尺状であり、前記染料層及び熱転写性保護層が、印画するサイズの2画面分以上の長さを有する単位で、前記基材シートの長尺の方向と、平行な方向に、前記基材シート上で面順次に設けてあることが好ましい。
本発明の熱転写シートによれば、熱転写時などによる熱転写シートのシワが生じることを防止でき、また熱転写による印画適性に優れ、表面光沢度が高い印画物が得られる。
本発明の熱転写シートの一つの実施形態を示す概略断面図である。 本発明の熱転写シートの他の実施形態を示す概略断面図である。 本発明の熱転写シートの一つの実施形態を示す概略平面図である。
次に、発明の実施の形態について、詳述する。
図1は本発明の熱転写シートの一つの実施形態を示し、その熱転写シート1は、基材シート2の一方の面に、イエロー染料層3Y、マゼンタ染料層3M、シアン染料層3Cの3色の染料層3と、剥離層6と保護層7を順次積層した熱転写性保護層4とを面順次に繰り返し設けた熱転写シートである。その基材シート2の他方の面には、耐熱滑性層5を設けている。
また、図2は、本発明の熱転写シートの他の実施形態を示し、その熱転写シート1は、一方の面に耐熱滑性層5を設けた基材シート2の他方の面に、イエロー染料層3Y、マゼンタ染料層3M、シアン染料層3Cの3色の染料層3と、ブラック溶融インキ層10と、剥離層6、保護層7、接着層8を順次積層した熱転写性保護層4とを面順次に繰り返し設けた熱転写シートである。
図3は、本発明の熱転写シートの一つの実施形態を示し、基材シート2上に、染料層3であるイエロー染料層3Y、マゼンタ染料層3M、シアン染料層3Cと、熱転写性保護層4を、面順次に繰り返し設けた熱転写シート1であって、その熱転写シート1は、長尺の形態であり、イエロー染料層3Y、マゼンタ染料層3M及びシアン染料層3Cである染料層3と、熱転写性保護層4が、その長尺の方向と平行な方向(P)で、印画するサイズの1画面分をAとして、2画面以上の長さを有する単位である。
図3では染料層3及び熱転写性保護層4が、熱転写シートの長尺の方向と平行な方向(P)で、2画面分の長さを有する単位で設けられたもので示した。これに限らず、3画面分、4画面分などの長さを有する単位で設けることが可能である。図3では、イエロー染料層3Yでは、2画面分の長さを有する単位(3YLの長さを有する染料層の単位)、マゼンタ染料層3Mでは、2画面分の長さを有する単位(3MLの長さを有する染料層の単位)、シアン染料層3Cでは、2画面分の長さを有する単位(3CLの長さを有する染料層の単位)をもち、また熱転写性保護層4では、2画面分の長さを有する単位(4Lの長さを有する熱転写性保護層の単位)をもつ。
また図3では、染料層3と熱転写性保護層4が面順次に繰り返し形成されたもので、染料層3と熱転写性保護層4の組の単位で、イエロー染料層3Yの先頭に検知マーク20を設け、その検知マークを読み取って、各画面の熱転写シートの印画する位置を合わせることができる。
以下、熱転写シート1を構成する各層について、詳細に説明する。
(基材シート)
基材シート2は、引張弾性率が5GPa以上、20GPa以下である条件である。本発明での引張弾性率は、全てASTM−D882に規定された方法にしたがって、引張試験機を用いて測定するものである。すなわち、テンシロンを使用し、幅10mm、試長間100mmの短冊を、引張速度200mm/分で引張り、引張応力−ひずみ曲線から算出する(温度23℃、湿度65%)。引張弾性率は、引張応力−ひずみ曲線のはじめの直線部分を用いて次の式によって計算する。また、上記の引張弾性率の範囲は、基材シートの測定方向MD(主走査方向、図3の矢印Pで示す方向)およびTD(副走査方向、図3の矢印Pと直行する方向)の両方ともに適用される。
Em=Δσ/Δε
Em:引張弾性率
Δσ:直線上の2点間の元の平均断面積による応力の差
Δε:同じ2点間のひずみの差
上記の引張弾性率が5GPa未満であると、熱転写時などにより、シワが生じやすく、また印画物の光沢性が低下しやすくなる傾向がある。一方で、引張弾性率が20GPaを越えると、基材シートが変形しやすく、熱転写プリンター等の搬送トラブルが生じやすい傾向がある。
基材シートとしては、上記の引張弾性率の条件を満たす、例えば、ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレート、ポリエチレンテレフタレート−イソフタレート共重合体、テレフタル酸−シクロヘキサンジメタノール−エチレングリコール共重合体、ポリエチレンテレフタレートとポリエチレンナフタレートの共押し出しフィルムなどのポリエステル系フィルム、ナイロン6、ナイロン66などの脂肪族系ポリアミドフィルム、ケプラー、ノーメックスなどの芳香族系ポリアミドフィルム、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリメチルペンテンなどのポリオレフィン系フィルム、ポリ塩化ビニルなどのビニル系フィルム、ポリアクリレート、ポリメタアクリレート、ポリメチルメタアクリレートなどのアクリル系フィルム、ポリイミド、ポリエーテルイミドなどのイミド系フィルム、ポリアリレート、ポリスルホン、ポリエーテルスルホン、ポリフェニレンエーテル、ポリフェニレンスルフィド(PPS)、ポリアラミド、ポリエーテルケトン、ポリエーテルニトリル、ポリエーテルエーテルケトン、ポリエーテルサルファイトなどのエンジニアリングフィルム、ポリカーボネート、ポリスチレン、高衝撃ポリスチレン、AS樹脂、ABS樹脂などのスチレン系フィルム、セロファン、セルロースアセテート、ニトロセルロースなどのセルロース系フィルム等が挙げられる。
基材シートは、上記の樹脂を主成分とする共重合樹脂若しくは混合体(アロイを含む)、または複数層からなる積層シートであっても良い。また、基材シートは、延伸フィルムでも、未延伸フィルムであってもよいが、強度を向上させる目的で、一軸方向または二軸方向に延伸されたフィルムを使用することが好ましい。上記した樹脂からなる基材シートの中でも、芳香族系ポリアミドフィルムは、耐熱性、平滑性、機械的強度、高速印画適性に優れるため、より好ましい。
芳香族系ポリアミドは次の一般式(1)および一般式(2)の少なくとも一方で表される繰り返し単位を単独あるいは共重合により重合の形で50モル%以上、好ましくは70モル%以上含むものであるのが望ましい。
ここで、一般式(1)、(2)におけるAr1、Ar2、Ar3は、例えば下記の一般式(3)に示すようなものが用いられ、X、Yは、−O−、−CH2−、−CO−、−SO2−、−S−、−C(CH3)2−などから選ばれるが、これらに限定されるものではない。更に、これらの芳香環上の水素原子の一部が塩素、フッ素、臭素などのハロゲン基(特に塩素が好ましい)、ニトロ基、メチル基、エチル基、プロピル基などのアルキル基(特にメチル基が好ましい)、メトキシ基、エトキシ基、プロポキシ基などのアルコキシ基などの置換基で置換されているものも含み、また重合体を構成するアミド結合中の水素が他の置換基によって置換されているものも含むものである。
Figure 2014065163
Figure 2014065163
Figure 2014065163
基材シートは、通常、厚みが2.5μm〜50μm程度のものを使用するが、2.5μm〜25μmの厚みを有する基材シートをより好適に使用することができる。基材シートの厚みが2.5μm未満であると、機械的強度が不足し、染料層、保護層などを支持できなくなる場合がある。一方、基材シートの厚みが50μmを越えると、機械的強度は高いものの、熱転写シートの染料層から染料を移行させる際の熱エネルギーの伝達が不十分となり、転写感度が低下しやすい。また、基材の厚さが50μmを越えると、熱転写シートから熱転写性保護層を転写する際の熱エネルギーの伝達が不十分となり転写性が低下する傾向になる。
基材シートには、その表面に剥離層を設ける場合、予め、剥離層を設ける面に、コロナ放電処理、プラズマ処理、オゾン処理、フレーム処理、プライマー(アンカーコート、接着促進剤、易接着剤とも呼ばれる)塗布処理、予熱処理、除塵埃処理、蒸着処理、アルカリ処理、等の易接着処理を行ってもよい。
(染料層)
基材シートに形成される染料層3は、昇華性染料を含む層である。その昇華型染料としては、従来、公知の熱転写シートに使用されている染料は、いずれも本発明に使用可能であり、特に限定されない。これらの染料としてはジアリールメタン系、トリアリールメタン系、チアゾール系、メロシアニン等のメチン系、インドアニリン系、アセトフェノンアゾメチン,ピラゾロアゾメチン,イミダゾルアゾメチン,ピリドンアゾメチン等のアゾメチン系、キサンテン系、オキサジン系、ジシアノスチレン,トリシアノスチレンに代表されるシアノメチレン系、チアジン系、アジン系、アクリジン系、ベンゼンアゾ系、そしてピリドンアゾ,チオフェンアゾ,イソチアゾールアゾ,ピロールアゾ,ピラゾールアゾ,イミダゾールアゾ,チアジアゾールアゾ,トリアゾールアゾ,ジスアゾ等のアゾ系、スピロピラン系、インドリノスピロピラン系、フルオラン系、ローダミンラクタム系、ナフトキノン系、アントラキノン系、キノフタロン系等があげられる。具体的には次のような染料が用いられる。
C.I.(Color Index)ディスパースイエロー51,3,54,79,60,23,7,141,201,231
C.I.ディスパースブルー24,56,14,301,334,165,19,72,87,287,154,26,354
C.I.ディスパースレッド135,146,59,1,73,60,167
C.I.ディスパースオレンジ149
C.I.ディスパースバイオレット4,13,26,36,56,31
C.I.ソルベントイエロー56,14,16,29
C.I.ソルベントブルー70,35,63,36,50,49,111,105,97,11
C.I.ソルベントレッド135,81,18,25,19,23,24,143,146,182
C.I.ソルベントバイオレット13
C.I.ソルベントブラック3
C.I.ソルベントグリーン3
例えばイエロー染料としてフォロンブリリアントイエローS−6GL(サンド社製、ディスパースイエロー231)、マクロレックスイエロー6G(バイエル社製、ディスパースイエロー201)、マゼンタ染料としてMS−RED−G(三井東圧化学株式会社製、ディスパースレッド60)、マクロレックスレッドバイオレットR(バイエル社製、ディスパースバイオレット26)、シアン染料はカヤセットブルー714(日本化薬株式会社製、ソルベントブルー63)、フォロンブリリアントブルーS−R(サンド社製、ディスパースブルー354)、ワクソリンブルーAP−FW(ICI社製、ソルベントブルー36)等があげられる。
次に、上記の染料を担持するためのバインダー樹脂としては、エチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、メチルセルロース,酢酸セルロース、酢酸・酪酸セルロース等のセルロース樹脂、ポリ酢酸ビニル、ポリビニルアルコール、ポリビニルブチラール、ポリビニルアセトアセタール、ポリビニルピロリドン等のビニル系樹脂、ポリ(メタ)アクリレート、ポリ(メタ)アクリルアミド等のアクリル系樹脂、ポリウレタン系樹脂、ポリアミド系樹脂、ポリエステル系樹脂等があげられるが、これらの中ではセルロース系、ポリウレタン系、ビニル系、アクリル系およびポリエステル系の樹脂が耐熱性、染料移行性などの点で好ましく用いられる。
染料層は、前記基材シートの一方の面に、これらの染料及びバインダー樹脂、必要に応じて添加剤(例えば、離型剤など)やフィラー等を加えて、トルエン、メチルエチルケトン、エタノール、イソプロピルアルコール、シクロヘキサノン、DMF等の適当な有機溶剤に溶解、あるいは有機溶剤や水等に分散させて、例えば、グラビア印刷法、スクリーン印刷法、リバースロールコーティング印刷法等の手段により塗工および乾燥して塗膜を形成することができる。このようにして形成する染料層は、塗工量の厚さで、乾燥状態で、0.2g/m2〜5.0g/m2好ましくは0.4g/m2〜2.0g/m2程度の厚さであり、また染料層中の昇華性染料は、染料層の全質量の5質量%〜90質量%好ましくは10質量%〜70質量%の量で存在するのがよい。希望する染料層の画像がモノカラーである場合は、イエロー、マゼンタ、シアン等の染料層の中から1種を選んで形成し、またフルカラー画像である場合には適当なイエロー、マゼンタ、およびシアン(必要に応じて、ブラックも追加する)の各染料層を選んで形成する。
(溶融インキ層)
基材シートの耐熱滑性層の設けられている面の他方の面に、ブラックなどの色相の溶融インキ層を設けることもできる。その溶融インキ層は、着色剤とビヒクルで構成でき、更に必要に応じて種々の添加剤を加えたものである。着色剤としては、有機または無機の顔料あるいは染料のうち、記録材料として要求される着色濃度を有し、光、熱、温度等により変褪色しないものが好ましい。また加熱により発色するような物質や、被転写体に塗布されている物質と接触することにより発色するような物質を用いることもできる。そして、着色剤は、ブラックの他にも、シアン、マゼンタ、イエロー等、種々の色の着色剤を使用することができる。
ビヒクルは、ワックスを主成分とし、その他にワックスと乾性油、樹脂、鉱油、セルロースおよびゴムの誘導体等との混合物が用いられる。また、熱溶融性着色インキから形成される溶融インキ層には、良好な熱伝導性および溶融転写性を与えるために、熱伝導性物質を含有させることができる。このような熱伝導性物質としては、カーボンブラック等の炭素質物質、アルミニウム、銅、酸化スズ、二硫化モリブデン等が挙げられる。上記の熱溶融性着色インキを用いて、基材シート上へ溶融インキ層を形成する方法としては、ホットメルトコート、ホットラッカーコート、グラビアコート、グラビアリバースコート、ロールコート等の公知の方法が挙げられる。溶融インキ層の厚さは、要求される印字濃度、熱感度等を考慮して適宜決定することができ、通常、乾燥時で0.1g/m2〜30g/m2程度である。
(熱転写性保護層)
基材シート上に、剥離可能に熱転写性保護層4が形成される。その熱転写性保護層は、サーマルヘッド等の加熱により、熱転写シートから被転写体へ熱転写可能であれば、保護層だけで構成することができる。また、基材シートからの転写性を良くするために、基材シート側から剥離層6、保護層7の順に積層した構成にすることができる。また、熱転写性保護層が被転写体へ転写する際、被転写体への密着性を高めるために、接着層8を保護層の上に設けることができる。
本発明に使用される保護層7のバインダー樹脂としては、ポリエステル樹脂、ポリエステルウレタン樹脂、ポリカーボネート樹脂、アクリル樹脂、紫外線吸収性樹脂、エポキシ樹脂、アクリルウレタン樹脂、これらの各樹脂をシリコーン変性させた樹脂、これらの各樹脂の混合物、活性光線硬化性樹脂等を挙げることができる。尚、活性光線とは、活性光線硬化性樹脂に対して化学的に作用させて重合を促進せしめる光線を意味し、具体的には、可視光線、紫外線、X線、電子線、α線、β線、γ線等を意味する。
なかでも、本発明では、ポリエステル樹脂、ポリエステルウレタン樹脂等のポリエステル系樹脂を好適に使用することができる。なお、ポリエステル樹脂やポリエステルウレタン樹脂は、他の熱可塑性樹脂との共重合体であってもよい。
保護層を構成するバインダー樹脂の含有量について特に限定はないが、保護層の固形分総量に対し、バインダー樹脂の含有量が20質量%未満である場合には、箔切れ性や耐久性が低下する傾向にある。したがって、この点を考慮すると、保護層の固形分総量に対し、バインダー樹脂は20質量%以上含有されていることが好ましく、30質量%以上含有されていることがさらに好ましい。バインダー樹脂の含有量の上限について特に限定はないが、その上限は100質量%である。
紫外線吸収性樹脂としては、例えば、反応性紫外線吸収剤を熱可塑性樹脂又は上記の活性光線硬化性樹脂に反応、結合させて得た樹脂を使用することができる。より具体的には、サリシレート系、ベンゾフェノン系、ベンゾトリアゾール系、置換アクリロニトリル系、ニッケルキレート系、ヒンダートアミン系のような従来公知の非反応性の有機系紫外線吸収剤に、付加重合性二重結合(例えばビニル基、アクリロイル基、メタアクリロイル基など)、アルコール性水酸基、アミノ基、カルボキシル基、エポキシ基、イソシアネート基のような反応性基を導入したものが挙げられる。
保護層は、バインダー樹脂に加え、各種フィラーや、蛍光増白剤、耐侯性を向上させるための紫外線吸収剤等、その他の材料を含有していてもよい。
保護層は、上記に説明した熱可塑性樹脂を主成分として、基材シート上に設けることができ、保護層を1層のみで構成できるが、2層以上の複数層で形成することができる。その際、複数の保護層は、同一の熱可塑性樹脂を主体に構成した塗工液で形成するか、あるいは異なる熱可塑性樹脂を主体に構成した塗工液で形成することもできる。保護層が3層を有する場合では、例えば2層を同一の熱可塑性樹脂を主体に構成した塗工液で形成し、残りの1層を異なる熱可塑性樹脂を主体に構成した塗工液で形成するか、あるいは3層全て同一の熱可塑性樹脂を主体に構成した塗工液で形成するか、あるいは3層全て異なる熱可塑性樹脂を主体に構成した塗工液で形成することもできる。
保護層は、上記の熱可塑性樹脂を主体にして、適当な有機溶剤により、溶解または分散させて保護層用塗工液を調製し、これを基材シート(必要に応じて基材シート上に設けられた剥離層)上にグラビア印刷法、スクリーン印刷法またはグラビア版を用いたリバースコーティング法等の従来公知の手段により塗工、乾燥して形成することができる。保護層の厚さは、1層だけの構成条件では乾燥状態で2g/m2〜15g/m2が好ましい。保護層の厚さが2g/m2未満である場合には、耐久性が低下する傾向となり、一方、保護層の厚さが15g/m2より厚い場合には、保護層の箔切れ性が低下し、熱転写性保護層を被転写体に熱転写する際にオビキ等が生じやすくなる。
(剥離層)
本発明の熱転写シートでは、熱転写時に熱転写性保護層が基材シートから剥離しやすいように、基材シートと保護層との間に剥離層6を設けることができる。なお、剥離層は、熱転写時に被転写体上に転写される層である。
剥離層の材料としては、例えば、エチルセルロース、ニトロセルロース、酢酸セルロースなどのセルロース誘導体、ポリメタクリル酸メチル、ポリメタクリル酸エチル、ポリアクリル酸ブチルなどのアクリル系樹脂、ポリ塩化ビニル、塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体、ポリビニルブチラールなどのビニル共重合体の熱可塑性樹脂や、飽和又は不飽和ポリエステル樹脂、ポリウレタン樹脂、熱架橋性エポキシ−アミノ樹脂、アミノアルキッド樹脂などの熱硬化型の樹脂、シリコーンワックス、シリコーン樹脂、シリコーン変性樹脂、フッ素樹脂、フッ素変性樹脂、ポリビニルアルコール等を挙げることができる。また、剥離層には箔切れ性を向上させるために、マイクロシリカやポリエチレンワックスなどのフィラーを含有させることが好ましい。また、剥離層は、1種の樹脂からなるものであってもよく、2種以上の樹脂からなるものであってもよい。また剥離層は、上記に例示した樹脂に加えイソシアネート化合物等の架橋剤、錫系触媒、アルミニウム系触媒等の触媒を用いて形成することとしてもよい。
必要に応じて形成される剥離層は、上記の樹脂を溶媒へ分散又は溶解して、ロールコート、グラビアコート、バーコートなどの公知のコーティング方法で、基材シート上の少なくとも1部に塗工、乾燥することで形成することができる。剥離層の厚さとしては、通常は乾燥後の厚みで0.1g/m2〜5g/m2程度、好ましくは0.5g/m2〜2g/m2程度である。
(接着層)
本発明では、熱転写性保護層が被転写体との十分な接着性を有する場合には、接着層の形成は不要であるが、熱転写性保護層の表面に接着層8を形成し、熱転写性保護層の転写性と、転写後の保護層の画像面に対する密着性を向上させることができ、好ましく行なわれる。この接着層は、従来公知の感熱接着剤がいずれも使用できるが、ガラス転移温度が50℃〜100℃の熱可塑性樹脂から形成することがより好ましく、例えば、紫外線吸収性樹脂、アクリル樹脂、塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体樹脂、エポキシ樹脂、ポリエステル樹脂、ポリカーボネート樹脂、ブチラール樹脂、ポリアミド樹脂、塩化ビニル樹脂などの如く熱時接着性の良好な樹脂から、適当なガラス転移温度を有するものを選択することが好ましい。
接着層は、上述に例示される材料の中から選択される単独または複数の樹脂材料、さらに必要に応じて、添加剤を加え、有機溶剤等の適当な溶剤に溶解または分散させて接着層用塗工液を調製し、これをグラビア印刷法、スクリーン印刷法またはグラビア版を用いたリバースコーティング法等の手段により、塗工、乾燥して形成することができる。接着層の厚さは特に限定はないが、通常、乾燥状態で1g/m2〜10g/m2程度である。
上記に説明した染料層及び熱転写性保護層は、熱転写シートの長尺の方向と、平行な方向で、印画するサイズの2画面分以上の長さを有する単位で、基材シート上で面順次に設けられることが、好ましい。2画面分以上の長さを有する単位で、染料層、熱転写性保護層が設けられた熱転写シートでは、例えば1画面分を印画して終了し、次に印画開始する場合、印画済の箇所と未印画の箇所が、染料層と熱転写性保護層に混在し、熱転写シートに歪みが生じやすく、熱転写シートにシワが生じる、また熱転写シートを巻上げる巻取りボビンの径が大きくなりすぎるなど、トラブルが生じやすい。
本発明で規定する、引張弾性率が5GPa以上、20GPa以下である基材シートを用いることにより、熱転写シートのシワ等の変形を少なくでき、上記トラブルを有効に防止できるからである。さらに、基材シート上に、染料層を設けた熱転写シートに、その基材シートに熱転写性保護層を一体的に設けた構成にした本発明の熱転写シートは、被転写体へ染料による熱転写画像などを形成後、基材シートに保護層を設けた別の熱転写シートを用意することなく、熱転写画像上に、保護層を転写して印画物を形成でき、効率的であり、非常に有用なものである。
(耐熱滑性層)
本発明の熱転写シートは、基材シートの裏面、すなわち、熱転写性保護層の設けてある面と反対面に、サーマルヘッドの熱によるスティッキングやシワなどの悪影響を防止し、熱転写プリンター等での滑り性をもたせ、搬送性を高めるために、耐熱滑性層5を設けることができる。上記の耐熱滑性層を形成する樹脂としては、従来公知のものであればよく、例えば、ポリビニルブチラール樹脂、ポリビニルアセトアセタール樹脂、ポリエステル樹脂、塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体、ポリエーテル樹脂、ポリブタジエン樹脂、スチレン−ブタジエン共重合体、アクリルポリオール、ポリウレタンアクリレート、ポリエステルアクリレート、ポリエーテルアクリレート、エポキシアクリレート、ウレタンまたはエポキシのプレポリマー、ニトロセルロース樹脂、セルロースナイトレート樹脂、セルロースアセトプロピオネート樹脂、セルロースアセテートブチレート樹脂、セルロースアセテートヒドロジエンフタレート樹脂、酢酸セルロース樹脂、芳香族ポリアミド樹脂、ポリイミド樹脂、ポリアミドイミド樹脂、ポリカーボネート樹脂、塩素化ポリオレフィン樹脂などが挙げられる。
また、耐熱滑性層の耐熱性や塗膜強度および基材シートとの密着性を向上させるために、樹脂中に反応基を有する熱可塑性樹脂とポリイソシアネートとの反応硬化物や、不飽和結合を有するモノマー、オリゴマーとの反応生成物を用いることができ、硬化方法は加熱する、あるいは紫外線を照射するなど、その硬化手段は特に限定されない。樹脂中に反応基を有する熱可塑性樹脂とポリイソシアネートとの反応硬化物が、実用しやすく好ましい。
これらの樹脂から形成される耐熱滑性層は、滑り性付与剤、充填剤(タルクなど)を添加して、熱転写シートの転写面と、熱転写シートの背面(耐熱滑性層)との滑り性を良好にすることにより、巻き上げ時にシワ等が生じて、巻き太りが生じることを防止する機能が発揮できるので、好ましく行なわれる。耐熱滑性層に添加、あるいは上塗りする滑り性付与剤としては、燐酸エステル、シリコーンオイル、グラファイトパウダー、シリコーン系グラフトポリマー、フッ素系グラフトポリマー、アクリルシリコーングラフトポリマー、アクリルシロキサン、アリールシロキサンなどのシリコーン重合体が挙げられるが、好ましくは、ポリオール、例えば、ポリアルコール高分子化合物とポリイソシアネート化合物および燐酸エステル系化合物であり、さらに充填剤を添加することがより好ましい。
耐熱滑性層は、上記に記載した樹脂、滑り性付与剤、充填剤を、適当な溶剤により、溶解または分散させて、耐熱滑性層形成用インキを調製し、これを、上記の基材シートの裏面に、例えば、グラビア印刷法、スクリーン印刷法、グラビア版を用いたリバースコーティング法などの形成手段により塗工し、乾燥して形成することができる。その耐熱滑性層の厚さは、固形分で0.1g/m2〜2g/m2程度である。
次に実施例を挙げて、本発明を更に具体的に説明する。以下、特に断りのない限り、部又は%は質量基準である。
(実施例1)
基材シート2として厚さ4μmの芳香族ポリアミドフィルム(東レ株式会社製 ミクトロン)を用い、その基材シートの一方の面に、下記組成の耐熱滑性層形成用塗工液を用いて、バーコーター法で、乾燥後1.0g/m2の厚さになるように塗工、乾燥して耐熱滑性層を形成した。
<耐熱滑性層形成用塗工液>
・ポリビニルブチラール樹脂 4.55部
(エスレックBX−1、積水化学工業(株)製)
・ポリイソシアネート 21.0部
(バーノックD750−45、固形分45質量%、大日本インキ化学工業(株)製)
・リン酸エステル系界面活性剤 3.0部
(プライサーフA208N、第一製薬工業(株)製)
・金属石鹸(LBT1830、堺化学工業(株)製) 0.45部
・タルク(ミクロエースP−3、日本タルク工業(株)製) 0.3部
・メチルエチルケトン 100.0部
・トルエン 100.0部
上記の基材シートの耐熱滑性層を設けた面と反対側に、下記組成のイエロー、マゼンタ、シアンの各染料層用塗工液を用いて、それぞれ固形分換算で1.0g/m2の割合で図1に示す配置で、バーコーター法で塗工、乾燥して、イエロー、マゼンタ、シアンの各染料層を形成した。
<イエロー染料層用塗工液>
・分散染料(ホロンブリリアントイエロー−S−6GL) 5.5部
・バインダー樹脂 4.5部
(ポリビニルアセトアセタール樹脂KS−5、積水化学工業(株)製)
・リン酸エステル系界面活性剤 0.1部
(プライサーフA208N、第一製薬工業(株)製)
・ポリエチレンワックス 0.1部
・メチルエチルケトン 45.0部
・トルエン 45.0部
<マゼンタ染料層用塗工液>
・分散染料(MSレッドG) 1.5部
・分散染料(マクロレックスレッドバイオレットR) 2.0部
・バインダー樹脂 4.5部
(ポリビニルアセトアセタール樹脂KS−5、積水化学工業(株)製)
・リン酸エステル系界面活性剤 0.1部
(プライサーフA208N、第一製薬工業(株)製)
・ポリエチレンワックス 0.1部
・メチルエチルケトン 45.0部
・トルエン 45.0部
<シアン染料層用塗工液>
・分散染料(カヤセットブルー714) 4.5部
・バインダー樹脂
(ポリビニルアセトアセタール樹脂KS−5、積水化学工業(株)製) 4.5部
・リン酸エステル系界面活性剤 0.1部
(プライサーフA208N、第一製薬工業(株)製)
・ポリエチレンワックス 0.1部
・メチルエチルケトン 45.0部
・トルエン 45.0部
上記の基材シートの耐熱滑性層を設けた面と反対側に、下記組成の剥離層用塗工液を用いて、固形分換算で1.0g/m2の厚さで、図1に示す配置で、バーコーター法で塗工、乾燥して、剥離層を形成した。
<剥離層用塗工液>
・ポリメチルメタクリレート樹脂 20部
(ダイヤナールBR−87、三菱レイヨン(株)製)
・トルエン 40部
・メチルエチルケトン 40部
上記の剥離層の上に、下記組成の保護層形成用塗工液を用いて、固形分換算で2.0g/m2の厚さで、図1に示す配置で、バーコーター法で塗工、乾燥して、保護層を形成して、実施例1の熱転写シートを作製した。
<保護層形成用塗工液>
・塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体 100部
(ソルバイン(登録商標)CNL 日信化学工業(株)製)
・トルエン 200部
・メチルエチルケトン 200部
(実施例2)
実施例1で用意した耐熱滑性層の設けられた厚さ4μmの芳香族ポリアミドフィルム(東レ株式会社製 ミクトロン)の基材シートを用い、その基材シートの耐熱滑性層を設けた面と反対側に、実施例1で使用したイエロー、マゼンタ、シアンの各染料層用塗工液を用いて、それぞれ固形分換算で1.0g/m2の割合で図2に示す配置で、バーコーター法で塗工、乾燥して、イエロー、マゼンタ、シアンの各染料層を形成した。さらに、下記組成のブラック溶融インキ層形成用塗工液を用いて、固形分換算で3.0g/m2の厚さで、図2に示す配置で、バーコーター法で塗工、乾燥して、ブラック溶融インキ層を形成した。
<ブラック溶融インキ層形成用塗工液>
・アクリル−塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体系樹脂 20部
・カーボンブラック 10部
・トルエン 35部
・メチルエチルケトン 35部
上記の基材シートの耐熱滑性層を設けた面と反対側に、実施例1で使用した剥離層用塗工液を用いて、固形分換算で1.0g/m2の厚さで、図2に示す配置で、バーコーター法で塗工、乾燥して、剥離層を形成した。
上記の剥離層の上に、実施例1で使用した保護層形成用塗工液を用いて、固形分換算で2.0g/m2の厚さで、図2に示す配置で、バーコーター法で塗工、乾燥して、保護層を形成して、実施例2の熱転写シートを作製した。
(比較例1)
基材シートを厚さ4.0μmのポリエチレンテレフタレートフィルム(東レ株式会社製 製品名、ルミラー)に変更した以外は、全て実施例1と同様にして、比較例1の熱転写シートを作製した。
(比較例2)
基材シートを厚さ4.0μmのポリエチレンテレフタレートフィルム(東レ株式会社製 製品名、ルミラー)に変更した以外は、全て実施例2と同様にして、比較例2の熱転写シートを作製した。
(印画物の形成)
市販のサーマルヘッドを搭載したデジタルフォトプリンターCX(シチズンシステムズ株式会社製)によって、該プリンター用専用熱転写受像シートと、上記の実施例及び比較例の熱転写シートを用いて、その熱転写受像シートに、ベタ部分と非印画部分を含むテストパターンで、熱転写の画像を形成して、各印画物を作製した。
上記の作製した実施例及び比較例の各熱転写シートにおいて、使用した基材シートの引張弾性率をASTM−D882に規定された方法にしたがって、測定した。
<引張弾性率>
テンシロンとして、オリエンテック社製 テンシロンRTW−500を使用し、幅10mm、試長間100mmの短冊を、引張速度200mm/分で引張り、引張応力−ひずみ曲線から算出する(温度23℃、湿度65%)。引張弾性率は、引張応力−ひずみ曲線のはじめの直線部分を用いて次の式によって計算する。但し、測定方向はMD(主走査方向)である。
Em=Δσ/Δε
Em:引張弾性率
Δσ:直線上の2点間の元の平均断面積による応力の差
Δε:同じ2点間のひずみの差
<巻取りのシワ>
上記の作製した実施例及び比較例の各熱転写シートにおいて、上記の印画物の形成条件で、上記プリンターの直径15mmの巻取りボビンで画像形成後の熱転写シートを巻上げた。但し、上記プリンターに供給用として装着する熱転写シートは、100画面用の長尺状で、供給ボビンに巻き取ったものを用意した。そして、実施例及び比較例とも、全て100画面分を連続印画して、巻取りボビンに熱転写シートを巻上げた。尚、印画環境は、常温、常湿であり、巻取りボビンに巻上げられた熱転写シートにシワが生じているかを目視して評価した。但し、以下の評価基準で評価を行った。
<評価基準>
3・・・熱転写シートにシワが生じていない。
2・・・熱転写シートに少しシワが生じているが、そのシワは目立たないものである。
1・・・熱転写シートにシワがあり、そのシワは目立つものである。
<光沢度>
上記で得られた実施例1〜2、比較例1〜2の印画物におけるベタ部分と非印画部分をそれぞれ光沢度計(日本電色株式会社製 Gloss Meter VG2000)を用いて、測定入射角20°にて、測定方向MD(主走査方向)およびTD(副走査方向)の条件で測定した。なお、印画環境は、常温、常湿である。但し、測定結果を以下の基準で評価を行った。
<評価基準>
2・・・光沢度が80以上
1・・・光沢度が80未満
<印画物の画質>
また、上記で得られた実施例1〜2、比較例1〜2の印画物で、印字ムラ、色抜けや、光沢ムラなどの印画物の画質を目視にて、評価した。但し、以下の評価基準で評価を行った。
3・・・印画物の画質は良好である。
2・・・印画物の画質で少し欠陥((印字ムラ、色抜け、光沢ムラなど)があるが、あまり目立たないものである。
1・・・印画物の画質が、不良である。(印字ムラ、色抜け、あるいは光沢ムラがあるため)
上記の引張弾性率、巻取りのシワ、光沢度及び印画物の画質の測定結果及び評価結果を表1に示す。
Figure 2014065163
上記の通り、実施例1〜2の熱転写シートは、使用した基材シートの引張弾性率が5GPa以上、20GPa以下であり、印画後の巻取りボビンに巻上げられた熱転写シートにシワが生じていなく良好であった。さらに、実施例1〜2の熱転写シートにより形成した印画物は、光沢度及び印画物の画質とも良好であった。それに対し、比較例1〜2の熱転写シートは、使用した基材シートの引張弾性率が5GPa以上、20GPa以下の範囲外であり、印画後の巻取りボビンに巻上げられた熱転写シートにシワが生じた。さらに、比較例1〜2の熱転写シートにより形成した印画物は、光沢度及び印画物の画質とも、劣る結果であった。
1 熱転写シート
2 基材シート
3 染料層
4 熱転写性保護層
5 耐熱滑性層
6 剥離層
7 保護層
8 接着層
10 ブラック溶融インキ層
20 検知マーク

Claims (3)

  1. 基材シート上に、染料層と熱転写性保護層を、面順次に設けた熱転写シートであって、
    前記基材シートは、引張弾性率が5GPa以上、20GPa以下であることを特徴とする熱転写シート。
  2. 前記基材シートが芳香族ポリアミドフィルムであることを特徴とする請求項1に記載の熱転写シート。
  3. 前記基材シートは長尺状であり、
    前記染料層及び熱転写性保護層が、印画するサイズの2画面分以上の長さを有する単位で、
    前記基材シートの長尺の方向と、平行な方向に、
    前記基材シート上で面順次に設けてあることを特徴とする請求項1または2に記載の熱転写シート。
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