JP2015094602A - 印画物の光沢感の評価方法および印画物の製造方法 - Google Patents
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Abstract
Description
熱転写受像シートと熱転写インクシートとを重ね合わせて、前記熱転写受像シート上に画像が形成された印画物の光沢感の評価方法であって、
下記の測定方法:
コンピュータ制御によりディスプレイにチェックパターンを表示して測定対象物表面に投影する投影光学系と、投影されて測定対象物表面で反射したチェックパターンの虚像を撮像素子で撮影する撮像光学系とからなり、前記撮像素子で撮影したチェックパターンの画像データをコンピュータに収得してデータ処理することにより測定対象物表面の表面性状を測定する表面性状測定装置を用いて、
白地と黒地が直線境界部で分割されたチェックパターンを測定対象物表面に投影して収得したチェックパターン画像の画素毎の前記直線境界部の輝度波形に対して、フィッティング処理を行い、該フィッティング処理にて算出した輝度波形のゲインの平均値を、測定対象物表面の写像性として算出する方法、
により得られた写像性により前記印画物の光沢感を評価する、印画物の光沢感の評価方法が提供される。
熱転写受像シートと熱転写インクシートとを重ね合わせて、前記熱転写受像シート上に画像を形成する印画物の製造方法であって、
下記の測定方法:
コンピュータ制御によりディスプレイにチェックパターンを表示して測定対象物表面に投影する投影光学系と、投影されて測定対象物表面で反射したチェックパターンの虚像を撮像素子で撮影する撮像光学系とからなり、前記撮像素子で撮影したチェックパターンの画像データをコンピュータに収得してデータ処理することにより測定対象物表面の表面性状を測定する表面性状測定装置を用いて、
白地と黒地が直線境界部で分割されたチェックパターンを測定対象物表面に投影して収得したチェックパターン画像の画素毎の前記直線境界部の輝度波形に対して、フィッティング処理を行い、該フィッティング処理にて算出した輝度波形のゲインの平均値を、測定対象物表面の写像性として算出する方法であって、
前記フィッティング処理が、下記数式1:
により得られた写像性が0.4以上0.6以下である印画物を得ることを特徴とする、印画物の製造方法が提供される。
本発明による評価方法は、熱転写受像シートと熱転写インクシートとを重ね合わせて、熱転写受像シート上に画像が形成された印画物の表面の光沢感を、下記の測定方法により得られた写像性により評価するものである。
測定方法:
コンピュータ制御によりディスプレイにチェックパターンを表示して測定対象物表面に投影する投影光学系と、投影されて測定対象物表面で反射したチェックパターンの虚像を撮像素子で撮影する撮像光学系とからなり、撮像素子で撮影したチェックパターンの画像データをコンピュータに収得してデータ処理することにより測定対象物表面の表面性状を測定する表面性状測定装置を用いて、
白地と黒地が直線境界部で分割されたチェックパターンを測定対象物表面に投影して収得したチェックパターン画像の画素毎の該直線境界部の輝度波形に対して、フィッティング処理を行い、該フィッティング処理にて算出した輝度波形のゲインの平均値を、測定対象物表面の写像性として算出する方法。
このような測定方法により得られた写像性により印画物の光沢感を評価することで、視覚による光沢感評価の評価結果と近似する評価結果を得ることができる。
本発明による印画物の製造方法は、熱転写受像シートと熱転写インクシートとを重ね合わせて、熱転写インクシートの熱転写性色材を熱転写受像シートの受容層上に熱転写して、熱転写受像シート上に画像を形成するものであり、
下記の測定方法:
コンピュータ制御によりディスプレイにチェックパターンを表示して測定対象物表面に投影する投影光学系と、投影されて測定対象物表面で反射したチェックパターンの虚像を撮像素子で撮影する撮像光学系とからなり、撮像素子で撮影したチェックパターンの画像データをコンピュータに収得してデータ処理することにより測定対象物表面の表面性状を測定する表面性状測定装置を用いて、
白地と黒地が直線境界部で分割されたチェックパターンを測定対象物表面に投影して収得したチェックパターン画像の画素毎の該直線境界部の輝度波形に対して、フィッティング処理を行い、該フィッティング処理にて算出した輝度波形のゲインの平均値を、測定対象物表面の写像性として算出する方法であって、
前記フィッティング処理が、下記数式1:
により得られた写像性が0.4以上0.6以下である印画物を得るものである。写像性の測定方法については、上記で詳述した通りである。
本発明に用いる熱転写受像シートは、基材と、基材上に設けられた受容層とを有してなるものである。好ましい態様では、熱転写受像シートは、基材と受容層との間にプライマー層をさらに有してもよい。また、熱転写受像シートは、受容層と反対側の面に、裏面層をさらに有してもよい。
熱転写受像シートを構成する基材は、受容層を保持するという役割を有するとともに、熱転写時には熱が加えられるため、加熱された状態でも取り扱い上支障のない程度の機械的強度を有する材料であることが好ましい。
熱転写受像シートを構成するプライマー層は、基材と受容層の間に設けられるものであり、基材と受容層の接着性、白色度、クッション性、隠蔽性、帯電防止性、およびカール防止性等の付与を目的とするものである。本発明においては、従来公知のあらゆるプライマー層を設けることができる。プライマー層に用いる樹脂としては、ポリウレタン系樹脂、ポリエステル系樹脂、ポリカーボネート系樹脂、ポリアミド系樹脂、アクリル系樹脂、ポリスチレン系樹脂、ポリスルフォン系樹脂、ポリ塩化ビニル樹脂、ポリ酢酸ビニル樹脂、塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体樹脂、ポリビニルアセタール樹脂、ポリビニルブチラール樹脂、ポリビニルアルコール樹脂、エポキシ樹脂、セルロース系樹脂、エチレン−酢酸ビニル共重合体樹脂、ポリエチレン系樹脂、およびポリプロピレン系樹脂等が挙げられ、これらの樹脂のうちの活性水酸基を有するものについてはさらにそれらのイソシアネート硬化物をバインダーとすることもできる。
熱転写受像シートを構成する受容層は、熱転写インクシートから移行してくる昇華染料を受容し、形成された画像を維持するためのものである。受容層に用いる樹脂としては、ポリカーボネート系樹脂、ポリエステル系樹脂、ポリアミド系樹脂、アクリル系樹脂、セルロース系樹脂、ポリスルフォン系樹脂、ポリ塩化ビニル樹脂、ポリ酢酸ビニル樹脂、塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体樹脂、ポリビニルアセタール樹脂、ポリビニルブチラール樹脂、ポリウレタン系樹脂、ポリスチレン系樹脂、ポリプロピレン系樹脂、ポリエチレン系樹脂、エチレン−酢酸ビニル共重合体樹脂、およびエポキシ樹脂等が挙げられる。
熱転写受像シートは、受容層の表面の少なくとも一部に、上記の離型剤を適当な溶媒に溶解あるいは分散させて塗布した後、乾燥させることにより、離型層をさらに有してもよい。離型層を構成する離型剤としては前記したアミノ変性シリコーンオイルとエポキシ変性シリコーンオイルとの反応硬化物が特に好ましく、離型剤層の厚さは、0.01〜5.0μm、特に0.05〜2.0μmが好ましい。なお、受容層を形成する際にシリコーンオイルを添加して形成すると、塗布後に表面にブリードアウトしたシリコーンオイルを硬化させても離型層を形成することができる。なお、受容層の形成に際しては、受容層の白色度を向上させて転写画像の鮮明度をさらに高める目的で、酸化チタン、酸化亜鉛、カオリン、クレー、炭酸カルシウム、および微粉末シリカ等の顔料や充填剤を添加することができる。また、フタル酸エステル化合物、セバシン酸エステル化合物、およびリン酸エステル化合物等の可塑剤を添加するのもよい。
熱転写受像シートを構成する裏面層は、基材の受容層と反対側の面に設けられるものであり、インクジェット方式やドットインパクト方式、筆記具等で使用するインキの定着性を有しており、記録部のにじみが生じ難く速乾性に優れたバックプリントを可能とする(バックプリント適性を向上させる)ものである。さらに、以下に示す受像紙裏面としての基本特性を有するものでもある。
1.受容層面と重ね合わせた際に、温度や加重をかけて保存しても貼り付き(ブロッキング)を生じない。
2.誤って受像紙の表裏面を逆にしてプリンターに装着し、熱転写インクシートと重ね合わせて熱転写を行った場合であっても、熱転写インクシートと貼り付いてプリンター内で詰まる事が無く、印字物が排出される(裏面離型性を有している)。
3.受容層面と擦れても受容層面を傷付けず、また、裏面層からの粒子成分の脱落(粉落ち)を生じない。
また、裏面層は、バインダー樹脂および微粒子を含むことが好ましく、その他の添加剤、例えば、消泡剤や帯電防止剤等を裏面層に適宜添加することができる。
熱転写受像シートは、上記の基材の少なくとも一方の面に受容層を公知の方法により積層することで製造することができる。好ましい態様によれば、受容層は、熱可塑性樹脂および他の必要な添加剤、例えば、離型剤、可塑剤、充填剤、架橋剤、硬化剤、触媒、熱離型剤、紫外線吸収剤、酸化防止剤、および光安定剤等を、有機溶剤や水に溶解もしくは分散させた塗工液を、例えばグラビア印刷法、スクリーン印刷法、およびグラビア版を用いたリバースロールコーティング法等の形成手段により塗布および乾燥して形成することができる。このように形成される受容層の塗布量は、通常、乾燥状態で0.5〜50g/m2程度、好ましくは1〜10g/m2である。また、プライマー層や裏面層等の塗布も、上記の受容層の形成手段と同様の方法で行われる。
本発明に用いる熱転写インクシート(インクリボンともいう)は、基材シートの一方の面に3色の熱転写性色材層が設けられており、基材シートと各色の色材層との間に色材プライマー層がさらに設けられてなり、基材シートの他方の面に耐熱滑性層が設けられている層構成を有する。好ましい態様によれば、図2に示すとおり、基材シート21の一方の面に色材プライマー層22と、該色材プライマー層22上に、イエロー色材層24、マゼンダ色材層25、およびシアン色材層26からなる熱転写性色材層23を有し、他方の面に耐熱滑性層27を有してなる熱転写インクシートが提供される。以下、熱転写インクシートを構成する各層について説明する。
熱転写インクシートを構成する基材シートは、熱転写性色材層が設けられる面の表面粗さRaが0.5nm以上10nm以下であり、好ましくは1nm以上9nm以下であり、より好ましくは1nm以上5nm以下である。基材シートの熱転写性色材層が設けられる面の表面粗さRaが上記範囲内であれば、熱転写受像シート上に画像が形成された印画物の光沢感を向上させることができる。なお、表面粗さRaは、JIS B0601に準拠して測定することができる。表面粗さRaの測定には、市販の測定機器を用いることができ、例えば、表面粗さ形状測定機(東京精密(株)製、サーフコム1400)を用いることができる。
熱転写インクシートを構成する熱転写性色材層は、昇華性染料を含む層である。その昇華型染料としては、従来、公知の熱転写インクシートに使用されている染料は、いずれも本発明に使用可能であり、特に限定されない。これらの染料としてはジアリールメタン系、トリアリールメタン系、チアゾール系、メロシアニン等のメチン系、インドアニリン系、アセトフェノンアゾメチン,ピラゾロアゾメチン,イミダゾルアゾメチン,ピリドンアゾメチン等のアゾメチン系、キサンテン系、オキサジン系、ジシアノスチレン,トリシアノスチレンに代表されるシアノメチレン系、チアジン系、アジン系、アクリジン系、ベンゼンアゾ系、そしてピリドンアゾ,チオフェンアゾ,イソチアゾールアゾ,ピロールアゾ,ピラゾールアゾ,イミダゾールアゾ,チアジアゾールアゾ,トリアゾールアゾ,ジスアゾ等のアゾ系、スピロピラン系、インドリノスピロピラン系、フルオラン系、ローダミンラクタム系、ナフトキノン系、アントラキノン系、キノフタロン系等があげられる。具体的には次のような染料が用いられる。
C.I.ディスパースブルー24,56,14,301,334,165,19,72,87,287,154,26,354
C.I.ディスパースレッド135,146,59,1,73,60,167
C.I.ディスパースオレンジ149
C.I.ディスパースバイオレット4,13,26,36,56,31
C.I.ソルベントイエロー56,14,16,29
C.I.ソルベントブルー70,35,63,36,50,49,111,105,97,11
C.I.ソルベントレッド135,81,18,25,19,23,24,143,146,182
C.I.ソルベントバイオレット13
C.I.ソルベントブラック3
C.I.ソルベントグリーン3
熱転写インクシートは、基材シートと各色の色材層との間に、色材プライマー層を設けること基材シートとにより、色材層との密着性を高め、また印画時に熱転写インクシートの熱転写性と、熱転写受像シートとの熱融着をより防止することができ、好ましい。また、色材プライマー層には少なくとも無機フィラーとバインダー樹脂を含み、基材シート自体の熱伝導性を維持、そして、より熱伝導性を高めるため、導電性の高い無機フィラーを含有することが好ましい。
熱転写インクシートは、熱転写性色材層と同一面側に面順次で溶融インキ層を設けてもよい。その溶融インキ層は、着色剤とビヒクルで構成でき、更に必要に応じて種々の添加剤を加えたものである。着色剤としては、有機または無機の顔料あるいは染料のうち、記録材料として要求される着色濃度を有し、光、熱、温度等により変褪色しないものが好ましい。また加熱により発色するような物質や、被転写体に塗布されている物質と接触することにより発色するような物質を用いることもできる。そして、着色剤は、ブラックの他にも、シアン、マゼンタ、イエロー等、種々の色の着色剤を使用することができる。
熱転写インクシートは、熱転写性色材層と同一面側に面順次で保護層を設けてもよい。熱転写性保護層は、サーマルヘッド等の加熱により、熱転写インクシートから熱転写受像シートへ熱転写可能であれば、保護層だけで構成することができる。また、熱転写性保護層は、基材シート側から順に、剥離層、保護層、および接着層からなる層構成としてもよい。剥離層を設けることで、基材シートからの転写性を向上できる。接着層を保護層の上に設けることで、熱転写性保護層が被転写体へ転写する際、被転写体への密着性を向上できる。
保護層に用いるバインダー樹脂としては、ポリエステル樹脂、ポリエステルウレタン樹脂、ポリカーボネート樹脂、アクリル樹脂、紫外線吸収性樹脂、エポキシ樹脂、アクリルウレタン樹脂、これらの各樹脂をシリコーン変性させた樹脂、これらの各樹脂の混合物、活性光線硬化性樹脂等を挙げることができる。尚、活性光線とは、活性光線硬化性樹脂に対して化学的に作用させて重合を促進せしめる光線を意味し、具体的には、可視光線、紫外線、X線、電子線、α線、β線、γ線等を意味する。特に、ポリエステル樹脂、ポリエステルウレタン樹脂等のポリエステル系樹脂を好適に使用することができる。なお、ポリエステル樹脂やポリエステルウレタン樹脂は、他の熱可塑性樹脂との共重合体であってもよい。
熱転写インクシートは、熱転写性保護層が基材シートから剥離しやすいように、基材シートと保護層との間に剥離層を設けることができる。なお、剥離層は、熱転写時に被転写体上に転写される層である。剥離層の材料としては、例えば、エチルセルロース、ニトロセルロース、酢酸セルロースなどのセルロース誘導体、ポリメタクリル酸メチル、ポリメタクリル酸エチル、ポリアクリル酸ブチルなどのアクリル系樹脂、ポリ塩化ビニル、塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体、ポリビニルブチラールなどのビニル共重合体の熱可塑性樹脂や、飽和又は不飽和ポリエステル樹脂、ポリウレタン樹脂、熱架橋性エポキシ−アミノ樹脂、アミノアルキッド樹脂などの熱硬化型の樹脂、シリコーンワックス、シリコーン樹脂、シリコーン変性樹脂、フッ素樹脂、フッ素変性樹脂、ポリビニルアルコール等を挙げることができる。また、剥離層には箔切れ性を向上させるために、マイクロシリカやポリエチレンワックスなどのフィラーを含有させることが好ましい。また、剥離層は、1種の樹脂からなるものであってもよく、2種以上の樹脂からなるものであってもよい。また剥離層は、上記に例示した樹脂に加えイソシアネート化合物等の架橋剤、錫系触媒、アルミニウム系触媒等の触媒を用いて形成することとしてもよい。
熱転写インクシートは、必要に応じて熱転写性保護層の表面に接着層を形成し、熱転写性保護層の転写性と、転写後の保護層の画像面に対する密着性を向上させることができる。接着層は、従来公知の感熱接着剤がいずれも使用できるが、ガラス転移温度が50℃〜100℃の熱可塑性樹脂から形成することがより好ましく、例えば、紫外線吸収性樹脂、アクリル樹脂、塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体樹脂、エポキシ樹脂、ポリエステル樹脂、ポリカーボネート樹脂、ブチラール樹脂、ポリアミド樹脂、塩化ビニル樹脂などの如く熱時接着性の良好な樹脂から、適当なガラス転移温度を有するものを選択することが好ましい。
熱転写インクシートは、必要に応じて剥離層と基材シートとの間に、さらに離型層を設けてもよい。離型層は、基材シートと剥離層との剥離性が適当でない場合、基材シートと剥離層との接着性を調整し、剥離層の剥離を良好に行うために設けることができる。このような離型層は、例えば、シリコーンワックス等の各種ワックス類、シリコーン樹脂、フッ素樹脂、アクリル樹脂、水溶性樹脂、セルロース誘導体樹脂、ウレタン系樹脂、酢酸系ビニル樹脂、アクリルビニルエーテル系樹脂、無水マレイン酸樹脂等の各種樹脂等やこれらの混合物から構成される。
熱転写インクシートを構成する耐熱滑性層は、サーマルヘッド等の加熱デバイスと基材シートとの熱融着を防止し、走行を滑らかに行うために設けられる。耐熱滑性層を形成する樹脂としては、例えば、ポリビニルブチラール樹脂、ポリビニルアセトアセタール樹脂、ポリエステル樹脂、塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体、ポリエーテル樹脂、ポリブタジエン樹脂、スチレン−ブタジエン共重合体、アクリルポリオール、ポリウレタンアクリレート、ポリエステルアクリレート、ポリエーテルアクリレート、エポキシアクリレート、ウレタン又はエポキシのプレポリマー、ニトロセルロース樹脂、セルロースナイトレート樹脂、セルロースアセトプロピオネート樹脂、セルロースアセテートブチレート樹脂、セルロースアセテートヒドロジエンフタレート樹脂、酢酸セルロース樹脂、ポリアミド樹脂、ポリイミド樹脂、ポリアミドイミド樹脂、ポリカーボネート樹脂、塩素化ポリオレフィン樹脂、塩素化ポリオレフィン樹脂等が挙げられる。
ミクロボイドを有するポリエチレンテレフタレートフィルム(東洋紡績株式会社製クリスパーK1212:188μm)の一方の面上に35μmの多孔質ポリプロピレンフィルム(トヨパールSS、東洋紡績(株)製)を、また、該ポリエチレンテレフタレートフィルムの他方の面上に50μmの白色ポリエチレンテレフタレート(ルミラーE63S、東レ(株)製)を、それぞれ下記組成の接着層用塗工液(塗工量:4g/m2(固形分換算))を用いて貼合した支持体を作成した。次いで、支持体の多孔質ポリプロピレンフィルムの面に、下記組成のプライマー層用塗工液1を、バーコーターにより固形分換算で2.0g/m2の塗工量で塗工、乾燥(130℃、1分)してプライマー層を形成した。次いで、プライマー層上に、下記組成の受容層用塗工液1をバーコーターにより、固形分換算で3.0g/m2の塗工量で塗工、乾燥(130℃、1分)して受容層を形成した。また、支持体の受容層が設けられている面とは反対の面に、下記組成の裏面層用塗工液1をバーコーターにより、固形分換算で2.0g/m2の塗工量で塗工、乾燥(110℃、1分)して裏面層を形成して、熱転写受像シート1を作製した。
・ウレタン系樹脂(タケラックA−969V、三井武田ケミカル(株)製) 30質量部
・イソシアネート(タケネートA−5、三井武田ケミカル(株)製) 10質量部
・酢酸エチル 60質量部
・ポリエステル樹脂(ポリエスターWR−905、日本合成化学工業(株)製)50質量部
・酸化チタン(TCA888 (株)トーケムプロダクツ製) 20質量部
・蛍光増白剤(ユビテックスBAC、チバ・スペシャリティーケミカルズ(株)製)
1.2質量部
・水/イソプロピルアルコール=1/1 28.8質量部
・塩化ビニル−酢酸ビニル共重合(ソルバインCN 日信化学工業(株)) 20質量部
・側鎖型/エポキシ・アラルキル変性シリコーンオイル(X−22−3000T、信越化学工業(株)) 1質量部
・両末端型/カルビノール変性シリコーンオイル(X−22−160AS、信越化学工業(株)) 0.2質量部
・トルエン 80質量部
・メチルエチルケトン 80質量部
・ポリビニルブチラール樹脂(♯3000−1、電気化学工業(株)製) 10質量部
・キレート剤(テンカレート TP110) 4.3質量部
・ナイロン12フィラー(NW330、神東塗料(株)製) 2質量部
・トルエン/イソプロピルアルコール 83.7質量部
ミクロボイドを有するポリエチレンテレフタレートフィルム(K1212 厚み75μm 東洋紡(株))と、二軸延伸ポリプロピレンフィルム(FOS−BT 厚み30μm フタムラ化学(株))とを、グラビア印刷法およびドライラミネーションを用いて積層した表側基材層を形成した。該表側基材層の該ポリエチレンテレフタレートフィルム上に、プライマー層用塗工液1を、乾燥時1.0μmの厚さとなるように塗工しプライマー層を形成した。次いで、プライマー層上に、下記組成の受容層用塗工液2を、乾燥時4.0μmの厚さとなるように塗工し受容層を形成し、表側基材層/プライマー層/受容層がこの順で積層された積層体Aを得た。
・塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体(#1000A 電気化学工業(株)) 12質量部
・エポキシ変性シリコーン(X−22−3000T 信越化学工業(株))0.8質量部
・アミノ変性シリコーン(X−22−1660B−3 信越化学工業(株))
0.24質量部
・トルエン 30質量部
・メチルエチルケトン 30質量部
・付加重合剤シリコーン(KS847H 信越化学工業(株) 100質量部
・トルエン 200質量部
・ウレタン樹脂(OPTプライマー 昭和インク工業(株)) 100質量部
・イソシアネート系硬化剤(OPT硬化剤 昭和インク工業(株)) 5質量部
基材をコート紙(三菱製紙株式会社製パールコートN:157.0g/m2)に変更した以外は、熱転写受像シートの作製1と同様にして、熱転写受像シート3を作製した。
基材をコート紙(三菱製紙株式会社製パールコートN:157.0g/m2)に変更し、受容層を下記組成の受容層用塗工液3に変更した以外は、熱転写受像シートの作製1と同様にして、熱転写受像シート4を作製した。
・塩酢ビ系エマルジョン(塩ビ/酢ビ=97.5/2.5):固形分36%)411質量部
・離型剤の水分散体(固形分:17%) 98質量部
・エポキシ架橋剤(EX−512、ナガセケムテックス(株)製、固形分100%)
7.6質量部
・純水(エポキシ架橋剤分散用として) 11.4質量部
・増粘材(アデカノールUH−526、(株)ADEKA製、固形分30%)45質量部
・純水(増粘材分散用として) 230質量部
・界面活性剤(ジオクチルスルホコハク酸ナトリウム水溶液:固形分20%)23質量部
なお、上記の塩酢ビ系エマルジョンおよび離型剤の水分散体は下記のようにして調製した。
2.5Lオートクレーブ中に、脱イオン水600g、塩化ビニル単量体438.8g(全仕込み単量体に対して97.5重量%)と酢酸ビニル11.2g(全仕込み単量体に対して2.5重量%)からなる単量混合体、および過硫酸カリウム2.25gを仕込んだ。この反応混合物を攪拌翼で回転数120rpmを維持するように攪拌し、反応混合物の温度を60℃に上げて重合を開始した。5重量%のドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム水溶液180g(全仕込み単量体に対して2重量%)を重合開始〜4hr後まで連続添加し、重合圧が60℃における塩化ビニル単量体の飽和蒸気圧から0.6MPa降下した時に重合を停止した後、残存の単量体を回収して、塩酢ビ系エマルジョンを得た。
酢酸エチル85gにエポキシ変性シリコーン(X−22−3000T、信越化学工業(株)製)16gとアラルキル変性シリコーン(X−24−510、信越化学工業(株)製)8gを溶解した。次に、トリイソプロピルナフタレンスルフォン酸ナトリウム塩(固形分10%)14gを純水110gに溶解した。上記2液を混合・攪拌した後、ホモジナイザーを用いて分散を行い、分散体を調製した。その後、分散体を30〜60℃に加温しながら減圧下で酢酸エチルを除去し、シリコーンの水分散体を得た。
基材シートとして厚さ4.9μmのポリエチレンテレフタレートフィルムを用意した。基材シートの熱転写性色材層が設けられる面の表面粗さRaを、JIS B0601に準拠して、表面粗さ形状測定機(東京精密(株)製、サーフコム1400)を用いて測定した。結果を表1に示した。
・ポリビニルアセタール樹脂(エスレックKS−1、積水化学工業(株)製)
61.5質量部
・ポリイソシアネート(バーノックD750、大日本インキ化学工業(株)製)
8.5質量部
・フィラー1:ステアリルリン酸亜鉛(LBT1830精製、堺化学工業(株)製)
10質量部
・フィラー2:ステアリン酸亜鉛(SZ−PF、堺化学工業(株)製) 10質量部
・フィラー3:ポリエチレンワックス(ポリワックス3000、東洋アドレ(株)製)
3質量部
・フィラー4:エトキシ化アルコール変性ワックス(ユニトックス750 、東洋アドレ(株)製) 7質量部
・メチルエチルケトン 200質量部
・トルエン 100質量部
・分散染料(ディスパースイエロー201) 2.5質量部
・染料(下記化学式で示されるイエロー染料) 2.5質量部
化学式:
4.5質量部
・ポリエチレンワックス 0.1質量部
・アルキル変性シリコーンオイル(KF−412、信越シリコーン(株)製)0.1質量部
・メチルエチルケトン 45.0質量部
・トルエン 45.0質量部
・分散染料(マクロレックスレッドバイオレットR) 2.0質量部
・染料(下記化学式で示されるマゼンダ染料) 2.0質量部
化学式:
4.5質量部
・ポリエチレンワックス 0.1質量部
・アルキル変性シリコーンオイル(KF−412、信越シリコーン(株)製)0.1質量部
・メチルエチルケトン 45.0質量部
・トルエン 45.0質量部
・染料(下記化学式で示されるシアン染料) 2.0質量部
化学式:
4.5質量部
・ポリエチレンワックス 0.1質量部
・アルキル変性シリコーンオイル(KF−412、信越シリコーン(株)製)0.1質量部
・メチルエチルケトン 45.0質量部
・トルエン 45.0質量部
<剥離層用塗工液>
・ポリメチルメタクリレート樹脂(ダイヤナールBR−87、三菱レイヨン(株)製)
20質量部
・トルエン 40質量部
・メチルエチルケトン 40質量部
<保護層形成用塗工液>
・塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体(ソルバインCNL 日信化学工業(株)製)
20質量部
・トルエン 40質量部
・メチルエチルケトン 40質量部
基材シートを表裏に粗さの異なるポリエチレンテレフタレートを積層したフィルムに変更した以外は、熱転写インクシートの作製1と同様にして、熱転写インクシート2を作製した。また、上記と同様に、基材シートの熱転写性色材層が設けられる面の表面粗さRaを測定した。結果を表1に示した。
基材シートを厚さ5.2μmのポリエチレンテレフタレートフィルムに変更した以外は、熱転写インクシートの作製1と同様にして、熱転写インクシート3を作製した。また、上記と同様に、基材シートの熱転写性色材層が設けられる面の表面粗さRaを測定した。結果を表1に示した。
上記で作製した熱転写受像シートと熱転写インクシートを表1の組み合わせで、下記の印画条件で印画物1〜15を形成した。
<印画物条件>
・発熱体平均抵抗値:5045Ω
・主走査方向印字密度:300dpi
・副主走査方向印字密度:300dpi
・印加電圧:22(V)
・1ライン周期:1.5(msec/line)
・印字開始温度:27(℃)
・印加パルス(階調制御方法):1ライン周期を255に等分割したパルス長さをもつ分割パルスの数を0から255個まで可変できるマルチパルス方式のテストプリンタを用い、1ライン周期当りのパルス数255にて、黒ベタ印画物を作製した。なお、保護層転写はパルス数175個の条件で転写した。
<写像性の測定>
上記で製造した印画物について、鏡面計(アークハリマ(株)製)を用いて、上記の特定の測定方法において数式1に示すシグモイド関数を使用した非線形最小二乗法によるフィッティング処理を行い、印画方向と垂直方向それぞれについて写像性を算出した。各方向における算出した値の平均値を表2に示す。
<光沢度の測定>
上記で製造した印画物について、JISZ8741に準拠して、光沢度計(日本電色(株)製 Gloss Meter VG2000)を用いて、印画方向と垂直方向それぞれについて光沢度を測定した。各方向における測定値の平均値を表2に示す。
<視覚による光沢感の評価>
上記で製造した印画物について、下記の評価基準で、光沢感を目視にて評価した。結果を表2に示す。
・評価基準
○:光沢感が優れていた。
△:光沢感が通常であった。
×:光沢感が劣っていた。
11 基材
12 プライマー層
13 受容層
20 熱転写インクシート
21 基材シート
22 色材プライマー層
23 熱転写性色材層
24 イエロー色材層
25 マゼンダ色材層
26 シアン色材層
27 耐熱滑性層
Claims (4)
- 熱転写受像シートと熱転写インクシートとを重ね合わせて、前記熱転写受像シート上に画像が形成された印画物の光沢感の評価方法であって、
下記の測定方法:
コンピュータ制御によりディスプレイにチェックパターンを表示して測定対象物表面に投影する投影光学系と、投影されて測定対象物表面で反射したチェックパターンの虚像を撮像素子で撮影する撮像光学系とからなり、前記撮像素子で撮影したチェックパターンの画像データをコンピュータに収得してデータ処理することにより測定対象物表面の表面性状を測定する表面性状測定装置を用いて、
白地と黒地が直線境界部で分割されたチェックパターンを測定対象物表面に投影して収得したチェックパターン画像の画素毎の前記直線境界部の輝度波形に対して、フィッティング処理を行い、該フィッティング処理にて算出した輝度波形のゲインの平均値を、測定対象物表面の写像性として算出する方法、
により得られた写像性により前記印画物の光沢感を評価する、印画物の光沢感の評価方法。 - 前記フィッティング処理が、下記数式1:
- 前記写像性が0.4以上0.6以下である印画物を選定することを含む、請求項2に記載の評価方法。
- 熱転写受像シートと熱転写インクシートとを重ね合わせて、前記熱転写受像シート上に画像を形成する印画物の製造方法であって、
下記の測定方法:
コンピュータ制御によりディスプレイにチェックパターンを表示して測定対象物表面に投影する投影光学系と、投影されて測定対象物表面で反射したチェックパターンの虚像を撮像素子で撮影する撮像光学系とからなり、前記撮像素子で撮影したチェックパターンの画像データをコンピュータに収得してデータ処理することにより測定対象物表面の表面性状を測定する表面性状測定装置を用いて、
白地と黒地が直線境界部で分割されたチェックパターンを測定対象物表面に投影して収得したチェックパターン画像の画素毎の前記直線境界部の輝度波形に対して、フィッティング処理を行い、該フィッティング処理にて算出した輝度波形のゲインの平均値を、測定対象物表面の写像性として算出する方法であって、
前記フィッティング処理が、下記数式1:
により得られた写像性が0.4以上0.6以下である印画物を得ることを特徴とする、印画物の製造方法。
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- 2013-11-08 JP JP2013232342A patent/JP2015094602A/ja active Pending
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