JP5668305B2 - 保護層転写シート、及び保護層転写シートを用いて形成される印画物、並びに保護層転写シートの製造方法 - Google Patents

保護層転写シート、及び保護層転写シートを用いて形成される印画物、並びに保護層転写シートの製造方法 Download PDF

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Description

本発明は、保護層転写シートに関し、さらに詳しくは印画物に耐久性と、優れたセミグロス感を付与することのできる保護層転写シート、及び保護層転写シートを用いて形成される印画物、ならびに保護層転写シートの製造方法に関する。
従来から、昇華性染料を色材とする色材層をポリエステルフィルム等の基材に担持させた熱転写シートと、被転写材、例えば、紙やプラスチックフィルム等に受容層を形成した受像シートを重ね合わせ、昇華染料を受像シートに転写することで画像を得る昇華転写方式が知られている。このような昇華転写方式によれば、熱転写シートに印加するエネルギー量によってドット単位で染料の移行量を制御出来るため濃度階調が可能であることから、画像が非常に鮮明であり、且つ透明性、中間調の色再現性、階調性に優れフルカラー写真画像に匹敵する高品質の印画物を形成することができる。このような特徴を有する昇華転写方式は、上述の優れた性能とともに、今日のマルチメディアに関連したさまざまなハードおよびソフトの発達により、コンピュータグラフィックス、衛星通信による静止画像そしてCDROMその他に代表されるデジタル画像およびビデオ等のアナログ画像のフルカラーハードコピーシステムとして、急速にその市場を拡大している。
しかしながら感熱昇華転写方式は、上記の如く階調性画像の形成に優れるものの、形成された印画物は通常の印刷インキによるものとは異なり、色材が顔料でなく比較的低分子量の染料であり且つビヒクルが存在しないため、耐光性、耐候性、耐摩耗性等の耐久性に劣ると言う欠点を有する。そこで、近時、昇華染料の熱転写によって得られた印画物上に、保護層を有する保護層転写シートを重ね合わせ、サーマルヘッドや加熱ロール等を用いて保護層を熱転写し、印画物上に保護層を形成する方法が知られている。このように印画物上に保護層を形成することで画像の耐久性を向上させることができる。
また、表面に保護層を有する印画物は、その用途によっては表面が高光沢性を有するものでなく、コート紙の様な非光沢性(セミグロス感)の風合の印画物を得たいとの市場の根強い要望がある。ここで印画物にセミグロス感を付与させる方法として、例えば特許文献1には、熱転写時の加熱量を可変制御して保護層の表面光沢量を可変させることについての記載がされている。また、特許文献2には、基材上に離型層、保護層を面順次に積層した保護層熱転写シートにおいて、離型層にフィラー(粒子)を含有させることで、離型層の上に積層される保護層を凹凸にさせることについての記載がされている。また、特許文献3には、熱転写後の印画物を表面が凹凸形状を有するエンボス版を型押しすることで印画物表面にセミグロス感を付与することについて記載がされている。
特開2004−122756号公報 特開2004−106260号公報 特開2006−182012号公報
しかしながら、特許文献1に記載の方法では、印画物表面に深い凹凸を形成することができず所望のセミグロス感を付与することができない。また、特許文献2に記載の方法では離型層表面にフィラーが存在することから、印画物にざらつきや濃度むら、白抜けが生じてしまう。また、特許文献3によれば、エンボス版の凹凸パターンによっては印画物に一定のセミグロス感を付与することができるものの、印画物形成後に、別途印画物の表面(保護層)に凹凸を設けねばならず製造コストの点から好ましくない。特に、保護層にエンボス版を押しあてることにより保護層表面に凹凸を形成した場合には、エンボス版が押し当てられた部分(凹部)において保護層の厚みが薄くなることから、保護層の機能である耐久性を著しく低下させる恐れがある。
本発明はこのような状況に鑑みてなされたものであり、印画物に耐久性と、優れたセミグロス感を付与することのできる保護層転写シートを提供することを主たる課題とする。
上記課題を解決するための本発明の保護層転写シートは、被転写体上に保護層転写体を熱転写するために用いられる保護層転写シートであって、前記保護層転写シートは、基材と、基材の一方の面に設けられる耐熱滑性層と、基材の他方の面に設けられ、被転写体上に熱転写した際に被転写体上の最表面に保護層が位置するように、基材側から保護層と接着層とがこの順で積層されてなる保護層転写体とを有し、前記耐熱滑性層は、熱可塑性樹脂バインダーを含み、前記耐熱滑性層の前記基材と接しない側の面には、熱転写後の保護層の表面に発現を所望する凹凸パターンに対応する凹凸形状が形成されており、前記耐熱滑性層の前記基材と接する側の面には、前記凹凸形状が形成されていないことを特徴とする。
また、前記耐熱滑性層の前記基材と接しない側の面に形成されている前記凹凸形状の凸部の高さ又は凹部の深さが、2.6μm〜7.8μmであってもよい。
また、前記耐熱滑性層が、少なくともブチラール樹脂又はポリアミドイミド樹脂を含んでいてもよい。
また、前記耐熱滑性層が、前記凹凸形状に対応した凹凸部を有する印刷版を用いて、前記基材の一方の面に耐熱滑性層用塗工液を印刷することで形成された耐熱滑性層であってもよい。また、前記基材の他方の面に前記保護層転写体と面順次に染料層が形成されていてもよい。
また、上記課題を解決するための本発明の保護層転写シートは、被転写体上に保護層転写体を熱転写するために用いられる保護層転写シートであって、前記保護層転写シートは、基材と、基材の一方の面に設けられる耐熱滑性層と、基材の他方の面に設けられ、被転写体上に熱転写した際に被転写体上の最表面に保護層が位置するように、基材側から保護層と接着層とがこの順で積層されてなる保護層転写体とを有し、前記耐熱滑性層は、熱転写後の保護層の表面に発現を所望する凹凸パターンに対応する凹凸形状をその表面に有しており、前記耐熱滑性層が、前記凹凸形状に対応した凹凸部を有する印刷版を用いて、前記基材の一方の面に耐熱滑性層用塗工液を印刷することで形成された耐熱滑性層であることを特徴とする。
また、上記課題を解決するための本発明の印画物は、上記の保護層転写シートの保護層転写体と被転写体とを重ね合わせて、被転写体上に前記保護層転写体を熱転写することで得られる印画物であることを特徴とする。
また、前記熱転写後の保護層の表面に発現する凹凸パターンの凸部の高さ又は凹部の深さが2.6μm〜7.8μmであってもよい。
また、上記課題を解決するための本発明の保護層転写シートの製造方法は、基材の一方の面に耐熱滑性層を形成する耐熱滑性層形成工程と、基材の他方の面に保護層を形成する保護層形成工程と、を有する保護層転写シートの製造方法であって、前記耐熱滑性層形成工程において、前記耐熱滑性層は、凹凸部を有する印刷版を用いて、前記基材の一方の面に耐熱滑性層用塗工液を印刷することで形成され、前記凹凸部を形成する凸部は、直角四角柱を基本ユニットとした場合に、(a)前記基本ユニットから構成されているか、または、(b)全ての基本ユニットが、少なくとも前面、背面、左右側面のいずれか一の面において他の基本ユニットと連結しないように、基本ユニットを複数連結することで構成されており、前記印刷版の表面積全体に占める前記凹凸部を形成する凹部の占有率が、20%以上60%未満の印刷版であることを特徴とする。
本発明の保護層転写シートによれば、別途、保護層表面に凹凸を設ける工程を行うことなく印画物に耐久性と、優れたセミグロス感を付与することができる。
本願発明の保護層転写シートの層構成を示す概略断面図である。 被転写体上に保護層転写体が転写される前の保護層転写シートと被転写体を示す概略断面図である。 被転写体上に保護層転写体が転写された後の印画物を示す概略断面図である。 印刷版の一例を示す図である。 比較例に用いられる印刷版を示す図である。
以下に、本発明の保護層転写シートについて図面を用いて具体的に説明する。なお、図1は、本願発明の保護層転写シートの層構成を示す概略断面図である。
図1に示すように本発明の保護層転写シート10は、基材1と、基材1の一方の面(図1に示す場合にあっては基材1の下面)に設けられる耐熱滑性層2と、基材の他方の面に設けられ、基材1側から保護層3と接着層4とがこの順で積層されてなる保護層転写体20とから構成される。ここで、本発明の保護層転写シート10は、耐熱滑性層2が、熱転写後の保護層の表面に発現を所望する凹凸パターンに対応する凹凸形状をその表面に有する点に特徴を有する。
まず初めに、図2、図3を参照しながら被転写体30上に保護層転写体20を転写して印画物50を得た際に、転写後の保護層3の表面にセミグロス感を付与するための凹凸パターンが発現するメカニズムについて具体的に説明する。なお、図2は、被転写体30上に保護層転写体20が転写される前の保護層転写シート10と被転写体30を示す概略断面図であり、図3は、被転写体30上に保護層転写体20が転写されることで形成される印画物50の概略断面図である。
図2に示すように被転写体30上に保護層転写体20を転写する前の段階では、保護層3の表面に凹凸パターンは発現していない。ここで、保護層転写シート10と被転写体30を重ね合わせた後に、サーマルヘッド等の加熱手段を耐熱滑性層2に押し当てつつ所定のエネルギーをかけることで保護層転写体20が基材1から剥離し、保護層転写体20と被転写体30とが接着転写され印画物50が形成される。この際、図3に示すように、耐熱滑性層2の表面が有する凹凸形状はサーマルヘッド等の加熱手段に押し当てられ、耐熱滑性層2の表面が有する凹凸形状は基材1を介して保護層3の表面に移行し、保護層3の表面に凹凸パターンが発現する。そして、その表面に凹凸パターンが発現した保護層3を含む保護層転写体20が被転写体30上に接着転写されることにより印画物50の表面に凹凸パターンが発現することとなる。
次に、保護層転写シートを構成する各層についてさらに詳細に説明する。
(基材)
基材1は本発明の保護層転写シート10における必須の構成であり、保護層3及び耐熱滑性層2(必要に応じて設けられる離型層)を保持するために設けられる。基材1の材料については特に限定されないが、保護層転写体20を被転写体30上に転写する際に加えられる熱に耐え、取り扱い上支障のない機械的特性を有するとともに、熱転写時に耐熱滑性層2の表面が有する凹凸形状を保護層3に反映させるための柔軟性を有することが望ましい。このような基材として、例えば、ポリエチレンテレフタレート等のポリエステル、ポリアリレート、ポリカーボネート、ポリウレタン、ポリイミド、ポリエーテルイミド、セルロース誘導体、ポリエチレン、エチレン・酢酸ビニル共重合体、ポリプロピレン、ポリスチレン、アクリル、ポリ塩化ビニル、ポリ塩化ビニリデン、ポリビニルアルコール、ポリビニルブチラール、ナイロン、ポリエーテルエーテルケトン、ポリサルフォン、ポリエーテルサルフォン、テトラフルオロエチレン・パーフルオロアルキルビニルエーテル、ポリビニルフルオライド、テトラフルオロエチレン・エチレン、テトラフルオロエチレン・ヘキサフルオロプロピレン、ポリクロロトリフルオロエチレン、ポリビニリデンフルオライド等の各種プラスチックフィルムまたはシートを挙げることができる。また、基材1の厚さは、その強度及び耐熱性が適切になるように材料に応じて適宜設定することができ、2.5〜100μm程度が一般的である。
(耐熱滑性層)
基材1の一方の面(図1に示す場合には基材1の下面)には、その表面に凹凸形状を有する耐熱滑性層2が設けられている。
耐熱滑性層2の表面が有する凹凸形状は、転写後の保護層3の表面に発現を所望する凹凸パターンに応じて適宜設定することができ、その形状について特に限定はされない。なお、凸部の高さ又は凹部の深さが2.6μm〜7.8μmの範囲となるように耐熱滑性層2の表面に凹凸形状を形成することで、転写後の保護層3の表面に発現する凹凸パターンの凸部の高さ又は凹部の深さを2.6μm〜7.8μmの範囲とすることができ、被転写体上に保護層転写体が転写されることにより形成される印画物50に特に深いセミグロス感を付与することができる。なお、本発明でいう凸部の高さ、又は凹部の深さとは、凹部の底面から凸部の頂面までの高さ、又は凸部の頂面から凹部の底面までの深さを意味し、図1、図2で示す距離T1に相当する。
耐熱滑性層2を構成する成分について特に限定はないが、耐熱滑性層2は、耐熱性のある熱可塑性樹脂バインダーと、熱離型剤または滑剤のはたらきをする物質とを基本的な構成成分とする。熱可塑性樹脂バインダーは、耐熱性を有する熱可塑性樹脂バインダーであればよく、このような熱可塑性樹脂バインダーとしては、ブチラール樹脂、ポリアミドイミド樹脂、アクリル樹脂、セルロース樹脂系樹脂、ポリエステル樹脂、スチレン−マレイン酸共重合体、ポリイミド樹脂、ポリアミド樹脂、セルロースアセテートプロピオネート、セルロースアセテートブチレート、酢酸セルロース、フッ化ビニリデン樹脂、ナイロン、ポリビニルカルバゾール、塩化ゴム、環化ゴム及びポリビニルアルコールが挙げられることができる。また、これらの樹脂は、ガラス転移点が60℃以上のもの、またはOH基またはCOOH基を有する熱可塑性樹脂にアミノ基を2個以上有する化合物またはジイソシアネートもしくはトリイソシアネートを加えて若干の架橋硬化を起させたものが好ましい。
上記の熱可塑性樹脂に配合する、熱離型剤または滑剤は、ポリエチレンワックス、パラフィンワックスの様なワックス類、高級脂肪酸のアミド、エステル又は塩類、高級アルコール及びレシチン等のリン酸エステル類のような加熱により溶融してその作用をするものと、フッ素樹脂や無機物質の粉末のように、固体のままで役立つものとがある。尚、これらの滑剤又は熱離型剤に加えて、他の離型剤、例えば、フッ素含有樹脂の粉末、グアナミン樹脂の粉末及び木粉のいずれかを併用することも出来、この場合には更に高い効果が得られる。また、これらの熱離型剤又は滑剤の作用を奏する物質は、前記の熱可塑性樹脂バインダー100質量部に対し、10〜100質量部の割合で配合されていることが好ましい。
耐熱滑性層2の厚さについて特に限定はないが、少なくともその表面が有する凸部の高さ又は凹部の深さ以上の厚さを有することが必要であり、図1、図2に示される耐熱滑性層の底面から凸部頂面までの高さT2が、3μm〜9μm程度であることが好ましい。
耐熱滑性層2の表面が有する凹凸形状を形成する方法についても特に限定はなく、例えば、上記樹脂の1種または2種以上を溶剤に溶解または分散させて耐熱滑性層用塗工液を調製し、これを従来公知の手段により基材1上に塗布して耐熱滑性層を形成した後、該耐熱滑性層上から所望の凹凸形状を有する型(例えば、エンボス版)を型押しする方法や、耐熱滑性層の表面に形成される凹凸形状に対応する凹部を有する印刷版を用い、上記耐熱滑性層用塗工液をグラビア印刷等の印刷方法によって印刷する方法を挙げることができる。
なお、上述したように、本願発明の耐熱滑性層の表面が有する凹凸形状は、転写後の保護層3の表面に発現を所望する凹凸パターンに応じて設けられるものであり、上記に例示されるように耐熱滑性層を構成する樹脂により凹凸形状が形成される。したがって、耐熱滑性層に微粒子等を分散し、該微粒子等が耐熱滑性層の表面に析出等することで不可避的に発現する凹凸は、本願発明の耐熱滑性層の表面が有する凹凸形状には含まれない。
上記耐熱滑性層2の表面に凹凸形状を形成する方法の中でも、耐熱滑性層の表面に形成される凹凸形状に対応する印刷版を用い、グラビア印刷法によりその表面に凹凸形状を有する耐熱滑性層2を形成する方法を特に好適に用いることができる。より好ましくは、図4に示す形状の版を用いることで、保護層転写体20を被転写体に転写することにより形成された印画物50のセミグロス感を最適化することができる。なお、図4は印刷版の一例を示す図である。
図4に示すように、印刷版60は、基板62に複数の凸部を設ける(配置する)ことでその表面に凹凸部を有しており、各凸部は、直角四角柱を基本ユニットとした場合、(a)前記基本ユニットから構成されているか、又は(b)全ての基本ユニットが、少なくとも前面、背面、左右側面のいずれか一の面において他の基本ユニットと連結しないように基本ユニットを複数連結することで構成されている。
基板62の材料について特に限定はなく、例えば、直銅メッキ層、バラード銅メッキ層、クロムメッキ層等で形成されている。また、基板62の上に形成されている複数の凸部は、直角四角柱を基本ユニットとした場合、(a)基本ユニットのみから構成されていてもよい。具体的には、図4の(i)に示すように、凸部が、上面の一辺が100μmから
なる正方形である基本ユニットのみで構成されていてもよい。
また、凸部が、(b)基本ユニットの複数を連結することにより構成されていてもよい。具体的には、図4の(ii)、(iii)に示すように、2つの基本ユニットが連結されることで一辺(縦)が200μmと他の一辺(横)が100μmからなる長方形型の凸部(符号(ii):1の基本ユニットの前面と1の基本ユニットの背面が連結されている)や、一辺(縦)が100μmと他の一辺(横)が200μmからなる長方形型の凸部(符号(iii):1の基本ユニットの右側面と1の基本ユニットの左側面が連結されている)が構成される。また、図4の(iv)、(v)に示すように、3つの基本ユニットがそれぞれ連結されることで一辺(縦)が300μmと他の一辺(横)が100μmからなる長方形型の凸部(符号(iv):1の基本ユニットの前面及び背面のいずれか一方または双方が他の基本ユニットと連結されている)や、一辺(横)が300μmと他の一辺(縦)が100μmからなる長方形型の凸部(符号(v):1の基本ユニットの右側面及び左側面のいずれか一方または双方が他の基本ユニットと連結されている)が構成される。さらに、一の凸部を構成する全ての基本ユニットは、少なくとも前面、背面、左右側面のいずれか一の面においては他の基本ユニットと連結されないように配置されている。例えば、図4の(A)の基本ユニットに着眼してみると、(A)の基本ユニットは、前面、背面、左側面は他の基本ユニットと連結しているものの、右側面においては、他の基本ユニットと連結されていない。
このように、図4の(i)〜(v)に示される大きさの異なる凸部をランダムに配置するとともに、各基本ユニットの少なくともいずれか一の面は他の基本ユニットと連結されないように配置することによって、転写後の保護層3の表面に発現する凹凸パターン形状がランダムに構成されることになり、印画物の表面に視覚されるべきでない凹凸パターン形状が視覚されにくくすることができ、印画物に深いセミグロス感を付与することができる。
なお、印刷版60は、基板62と上記の凸部とが一体に形成された構成であってもよく、基材62上に、上記の凸部を所定間隔で配置し、基材62と所定間隔で配置された凸部とを接合等することで形成された構成であってもよい。
また、印刷版60の凹凸部を構成する凸部の高さ又は凹部の深さは、15μm以上45μm未満であることが好ましい。当該範囲の印刷版を用いることで、印刷版60の凹凸部の形状を確実に反映させた凹凸形状を有する耐熱滑性層2を形成することができる。
また、印刷版60の表面に占める凹部の占有率は20%以上60%未満であることが好ましい。凹部の占有率を20%以上60%未満の範囲とすることで、印画物50のセミグロス感を最適化することができる。
なお、所定の凹凸形状を有する印刷版を用いて、その表面に凹凸形状を有する耐熱滑性層2を設ける場合には、耐熱滑性層2の材料として、上記樹脂の中でもブチラール樹脂や、ポリアミドイミド樹脂を好ましく用いることができる。ブチラール樹脂や、ポリアミドイミド樹脂は、耐熱滑性層に要求される耐熱性を十分に満たすことができると共に、印刷版の凹凸形状を確実に印刷することができ、所望の凹凸形状を有する耐熱滑性層2を容易に形成することができる。
(保護層転写体)
図1に示すように、基材1の他方の面(図1に示す場合にあっては、基材1の上面)には、基材1から剥離可能な保護層転写体20が設けられている。保護層転写体20は、本発明の保護層転写シート10における必須の構成であり、少なくとも、被転写体を保護するための保護層3と、保護層転写体20を被転写体上に接着転写せしめるための接着層4とから構成されており、保護層転写体20を被転写体30上に熱転写した際に被転写体20の最表面に保護層3が位置するように、基材1側から少なくとも保護層3と接着層4とがこの順で積層されている。すなわち、本発明の保護層転写シート10において、保護層転写体20を構成する保護層3は、保護層転写体20を構成する層のうち、基材1から最も近い距離に位置するように設けられる。
(保護層)
保護層3を形成する材料は、上記メカニズムにより、印画物に耐久性を付与することができ、その表面に熱転写時に耐熱滑性層2の表面が有する凹凸形状に対応する凹凸パターンを発現させることが可能な材料であれば特に限定されない。このような材料として、例えば、ポリエステル樹脂、ポリカーボネート樹脂、アクリル樹脂、紫外線吸収性樹脂、エポキシ樹脂、ポリスチレン樹脂、ポリウレタン樹脂、アクリルウレタン樹脂、これらの各樹脂をシリコーン変性させた樹脂、これらの各樹脂の混合物、電離放射線硬化性樹脂、紫外線吸収性樹脂等が挙げられる。
また、電離放射線硬化性樹脂を含有する保護層3は、耐可塑剤性や耐擦過性が特に優れ、耐熱滑性層2の表面が有する凹凸形状に対応する凹凸パターンを熱転写時に容易に発現させることができる点で保護層3の材料として好適に用いることができる。電離放射線硬化性樹脂としては特に限定されることはなく、従来公知の電離放射線硬化性樹脂の中から適宜選択して用いることができ、例えば、ラジカル重合性のポリマー又はオリゴマーを電離放射線照射により架橋、硬化させ、必要に応じて光重合開始剤を添加し、電子線や紫外線によって重合架橋させたものを用いることができる。紫外線吸収性樹脂を含有する保護層3は、印画物に耐光性を付与することに優れている。
紫外線吸収性樹脂としては、例えば、反応性紫外線吸収剤を熱可塑性樹脂又は上記の電離放射線硬化性樹脂に反応、結合させて得た樹脂を使用することができる。より具体的には、サリシレート系、ベンゾフェノン系、ベンゾトリアゾール系、置換アクリロニトリル系、ニッケルキレート系、ヒンダートアミン系のような従来公知の非反応性の有機系紫外線吸収剤に、付加重合性二重結合(例えばビニル基、アクリロイル基、メタアクリロイル基など)、アルコール性水酸基、アミノ基、カルボキシル基、エポキシ基、イソシアネート基のような反応性基を導入したものが挙げられる。
保護層3の厚さについても特に限定はないが、印画物50表面の耐久性を考慮すると、保護層3の厚さは0.5μm〜2μm程度であることが好ましい。
特に、本発明の保護層転写シート10によれば、熱転写前後において保護層3自体の厚さに変化が生じないことから、保護層3の厚さにばらつきが生ずることによる保護層の耐久性としての機能を低下させることもない。
保護層3の形成方法としては、上記樹脂の1種または2種以上を適当な溶剤により、溶解または分散させて保護層用塗工液を調製し、これを基材1上にグラビア印刷法、スクリーン印刷法またはグラビア版を用いたリバースコーティング法等の従来公知の手段により塗布、乾燥して形成することができる。
(接着層)
保護層3上(図1に示す場合にあっては保護層3の上面)には、接着層4が設けられている。接着層4は、本発明の保護層転写シート10における必須の構成であり本発明の保護層転写シート10を良好に被転写体30上に接着せしめるために設けられる。
なお、接着層4は、保護層3上に直接設けられていてもよく、必要に応じて1又は2以上の他の層を介して間接的に設けられていてもよい。
接着層4の材料については特に限定はなく、従来公知の接着性樹脂等を適宜選択して用いることができる。このような接着性樹脂として、例えば、アクリル系樹脂、塩化ビニル系樹脂、酢酸ビニル系樹脂、塩化ビニル─酢酸ビニル共重合樹脂、スチレン─アクリル共重合樹脂、ポリエステル系樹脂、ポリアミド系樹脂等の樹脂が挙げられる。接着層4の形成方法としては、上記樹脂の1種または2種以上を溶液、あるいはエマルジョンなど塗布可能な形にしたものを、グラビア印刷法、スクリーン印刷法またはグラビア版を用いたリバースコーティング法等の従来公知の手段により塗布、乾燥することにより形成できる。なお、接着層4の厚さは、0.1μm〜5μm程度が好ましい。
また、接着層4は、上記樹脂と、ベンゾフェノン系化合物、ベンゾトリアゾール系化合物、シュウ酸アニリド系化合物、シアノアクリレート系化合物、サリシレート系化合物等の有機系の紫外線吸収剤や、また亜鉛、チタン、セリウム、スズ、鉄等の酸化物の如き無機系の紫外線吸収能を有する微粒子の添加剤を加えることができる。また、添加剤として、着色顔料、白色顔料、体質顔料、充填剤、帯電防止剤、酸化防止剤、蛍光増白剤等も適宜、必要に応じて使用することができる。
(離型層)
基材1からの保護層転写体20の剥離性を向上させるために、基材1と保護層転写体20との間に離型層を設けることとしてもよい(図示しない)。離型層を形成する樹脂としては、従来公知の離型性樹脂であれば特に限定されることはなく、例えば、ワックス類、シリコーンワックス、シリコーン樹脂、シリコーン変性樹脂、フッ素樹脂、フッ素変性樹脂、ポリビニルアルコール、アクリル樹脂、熱架橋性エポキシ−アミノ樹脂及び熱架橋性アルキッド−アミノ樹脂等が挙げられる。また、離型層2は、1種の樹脂からなるものであってもよく、2種以上の樹脂からなるものであってもよい。また離型層2は、離型性樹脂に加えイソシアネート化合物等の架橋剤、錫系触媒、アルミニウム系触媒等の触媒を用いて形成することとしてもよい。なお、離型層は、転写時に被転写体30側へ移行してもよく、基材1側に残ることとしてもよく、また離型層の厚みは0.5〜5μm程度が一般的である。離型層の形成方法としては、上記樹脂を適当な溶剤により、溶解または分散させて離型層用塗工液を調製し、これを基材1上にグラビア印刷法、スクリーン印刷法またはグラビア版を用いたリバースコーティング法等の従来公知の手段により塗布、乾燥して形成することができる。
(染料層)
また基材1の他方の面上に、1色以上の染料層(図示しない)を、上記の保護層転写体20と面順次に形成してもよい。なお、染料層は本発明の熱転写シート10における任意の構成である。染料層は、所望の画像がモノカラーである場合には、染料層として適宜選択した1色の層のみ形成してもよいし、所望の画像がフルカラー画像である場合には、イエロー、マゼンダ、シアン、必要に応じてブラック等の色相の異なる染料を含む複数の染料層を、同一基材の同一面に面順次に、繰り返し形成してもよい。
また、本発明の保護層転写シート10を、昇華型熱転写シートとして用いる場合には、染料層として昇華性の染料を含む染料層を形成し、熱溶融型の熱転写シートとして用いる場合には、染料層として顔料等で着色した染料層を形成する。以下、昇華型熱転写シートの場合を例に挙げて説明する。
昇華型の染料層に用いられる昇華性の染料としては、特に限定されず、従来公知のものを使用することができる。上記昇華性の染料として、例えば、ジアリールメタン系染料;トリアリールメタン系染料;チアゾール系染料;メロシアニン染料;ピラゾロン染料;メチン系染料;インドアニリン系染料;アセトフェノンアゾメチン、ピラゾロアゾメチン、イミダゾルアゾメチン、イミダゾアゾメチン、ピリドンアゾメチン等のアゾメチン系染料;キサンテン系染料;オキサジン系染料;ジシアノスチレン、トリシアノスチレン等のシアノスチレン系染料;チアジン系染料;アジン系染料;アクリジン系染料;ベンゼンアゾ系染料;ピリドンアゾ、チオフェンアゾ、イソチアゾールアゾ、ピロールアゾ、ピラゾールアゾ、イミダゾールアゾ、チアジアゾールアゾ、トリアゾールアゾ、ジスアゾ等のアゾ系染料;スピロピラン系染料;インドリノスピロピラン系染料;フルオラン系染料;ローダミンラクタム系染料;ナフトキノン系染料;アントラキノン系染料;キノフタロン系染料;等が挙げられる。
上記染料層において、昇華性の染料は染料層の全固形分に対し5〜90質量%、好ましくは10〜70質量%の量である。昇華性の染料の使用量が、上記範囲未満であると印字濃度が低くなることがあり、上記範囲を越えると保存性等が低下することがある。
上記染料を担持するためのバインダー樹脂としては、一般に、耐熱性を有し、染料と適度の親和性があるものを使用することができる。バインダー樹脂としては、例えば、エチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、エチルヒドロキシセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、メチルセルロース、酢酸セルロース、酪酸セルロース等のセルロース系樹脂;ポリビニルアルコール、ポリ酢酸ビニル、ポリビニルブチラール、ポリビニルアセトアセタール、ポリビニルピロリドン等のビニル系樹脂;ポリ(メタ)アクリレート、ポリ(メタ)アクリルアミド等のアクリル樹脂;ポリウレタン系樹脂;ポリアミド系樹脂;ポリエステル系樹脂;等が挙げられる。なかでも、耐熱性、染料の移行性等の点を考慮すると、セルロース系樹脂、ビニル系樹脂、アクリル系樹脂、ウレタン系樹脂、ポリエステル系樹脂等が好ましく、ビニル系樹脂がより好ましく、ポリビニルブチラール、ポリビニルアセトアセタール等が更に好ましい。
上記染料層は、所望により、離型剤、無機微粒子、有機微粒子等の添加剤を使用してもよい。離型剤としては、シリコーンオイル、リン酸エステル等が挙げられ、無機微粒子としては、カーボンブラック、アルミニウム、二硫化モリブデン等が挙げられ、有機微粒子としては、ポリエチレンワックス等が挙げられる。
また、上記染料層は、上述の染料とバインダー樹脂とを、必要に応じて添加する添加剤とともに、適当な有機溶剤や水に溶解又は分散して塗工液を調製し、更に、グラビア印刷法、スクリーン印刷法、グラビア版を用いたリバースロールコーティング印刷法等の公知の手段により、上述の基材フィルムの一方の面に上記塗工液を塗布し、乾燥することにより形成することができる。上記有機溶剤としては、トルエン、メチルエチルケトン、エタノール、イソプロピルアルコール、シクロヘキサノン、ジメチルホルムアミド〔DMF〕等が挙げられる。また、上記染料層の塗工量は、乾燥固形基準で0.2〜6.0g/m2、好ましくは0.2〜3.0g/m2程度である。
(被転写体)
上記保護層転写シート10の転写に使用可能な被転写体30としては、普通紙、上質紙、トレーシングペーパー、プラスチックフィルム等の従来公知の材料を適宜選択して用いることができ、その材料について特に限定されない。
(転写方法)
本発明の保護層転写シート10を用い熱転写法にて被転写体30上に画像形成及び保護層転写を行う場合、熱転写プリンタを、昇華転写用、熱溶融転写用、保護層転写用というように別々に転写条件を設定してもよいし、また、共通のプリンタでそれぞれ印字エネルギーを適切に調整して行ってもよい。また、加熱手段として特に限定されず、その他、熱板、ホットスタンパー、熱ロール、ラインヒーター、アイロンなどを用いて転写を行うこととしてもよい。また、保護層3は、被転写体30の全面に転写してもよいし、セミグロス感を付与したい部分のみに転写してもよい。
次に、本願発明の保護層転写シートの製造方法について説明する。
(保護層転写体の製造方法)
本願発明の保護層転写シートの製造方法は、基材の一方の面に耐熱滑性層を形成する耐熱滑性層形成工程(S1)と、基材の他方の面に保護層を形成する保護層形成工程(S2)と、を有する保護層転写シートの製造方法であって、前記耐熱滑性層形成工程において、前記耐熱滑性層は、凹凸部を有する印刷版を用いて、前記基材の一方の面に耐熱滑性層用塗工液を印刷することで形成され、前記凹凸部を形成する凸部は、直角四角柱を基本ユニットとした場合に、(a)前記基本ユニットから構成されているか、または、(b)全ての基本ユニットが、少なくとも前面、背面、左右側面のいずれか一の面において他の基本ユニットと連結しないように、基本ユニットを複数連結することで構成されており、前記印刷版の表面積全体に占める前記凹部の占有率が、20%以上60%未満の印刷版であることを特徴とする。
(耐熱滑性層形成工程)
耐熱滑性層形成工程(S1)は、基材1の一方の面上に、以下に示す印刷版を用いて、耐熱滑性層用塗工液を印刷し耐熱滑性層を形成する工程である。
耐熱滑性層用塗工液は、上記耐熱滑性層を構成する材料として例示される材料を適当な溶剤に溶解または分散させることにより調製することができる。
耐熱滑性層形成工程で用いられる印刷版は、その表面に凹凸部を有する印刷版であって、凹凸部を構成する凸部が直角四角柱を基本ユニットとした場合に、(a)前記基本ユニットから構成されているか、又は、(b)全ての基本ユニットが、少なくとも前面、背面、左右側面のいずれか一の面において他の基本ユニットと連結しないように、基本ユニットを複数連結することで構成されており、前記印刷版の表面積全体に占める前記凹部の占有率が、20%以上60%未満の印刷版であることを特徴とする。
このような印刷版を用いて、耐熱滑性層を形成することで、耐熱滑性層の表面に印刷版の凹凸に対応する凹凸形状を形成することができる。そして、該方法で形成された耐熱滑性層を有する保護層転写シートによれば、熱転写時に、耐熱滑性層の表面が有する凹凸形状に対応する凹凸パターンを保護層の表面に発現させることができ、印画物に優れたセミグロス感を付与することができる。
耐熱滑性層用塗工液の粘度は、20cps〜70cpsであることが好ましい。上記印刷版を用い、当該粘度の耐熱滑性層用塗工液を基材上に印刷することで、印刷版の凹部の形状を確実に反映させた凹凸形状をその表面に有する耐熱滑性層を形成することができる。
また、耐熱滑性層用塗工液中の固形分は、15%〜30%であることが好ましい。耐熱滑性層用塗工液中の固形分を当該範囲とすることで、溶剤が揮発することにより残った固形分の濃度が高くなることにより凹凸の差が少なくなるという弊害を防止することができる。
また、耐熱滑性層用が形成される際の印刷速度は、100m/min〜300m/minであることが好ましい。当該印刷速度で耐熱滑性層を形成することで、印刷版の凹部の形状を確実に反映させた耐熱滑性層を形成することができる。
(保護層形成工程)
保護層形成工程(S2)は、基材1の他方の面(耐熱滑性層が設けられている面とは異なる面)上に保護層を形成する工程である。
保護層形成工程は、上記で例示した、保護層を構成する樹脂等を溶剤に溶解又は分散させた保護層用塗工液を調製し、該保護層用塗工液を従来公知の手段を用いて塗布することにより形成することができる。
次に実施例及び比較例を挙げて本発明を更に具体的に説明する。
(耐熱滑性層用塗工液の準備)
<耐熱滑性層用塗工液1>
・ポリビニルブチラール樹脂 2.0部
(エスレックBX−1 積水化学工社製)
・リン酸エステル系界面活性剤 1.3部
(プライサーフA208N 第一工業製薬社製)
・タルク 0.3部
(ミクロエースP−3 日本タルク工業社製)
・ポリイソシアネート 9.2部
(バーノックD750−45 大日本インキ化学工業社製)
・メチルエチルケトン 43.6部
・トルエン 43.6部
<耐熱滑性層用塗工液2>
・ポリアミドイミド樹脂 50.0部
(HR−15ET 東洋紡績社製)
・ポリアミドイミドシリコーン樹脂 50.0部
(HR−14ET 東洋紡績社製)
・ステアリルリン酸亜鉛 10.0部
(LBT−1830精製 堺化学社製)
・ステアリン酸亜鉛 10.0部
(GF−200、日本油脂社製)
・ポリエステル樹脂 3.0部
(バイロン220、東洋紡績社製)
・無機フィラー(タルク、平均粒径4.2μm) 10.0部
(保護層用塗工液の準備)
<保護層用塗工液1>
・ポリメチルメタクリル酸 20部
(PMMA 三菱レイヨン社製 ダイヤナールBR−87 重量平均分子量25000)
・メチルエチルケトン 40部
・トルエン 40部
<保護層用塗工液2>
・アクリル樹脂 20部
(ダイヤナールBR87 三菱レイヨン社製)
・メチルエチルケトン 40部
・トルエン 40部
(接着層用塗工液の準備)
<接着層用塗工液1>
・ポリエステル樹脂 69.6部
(バイロン200 東洋紡績社製)
・反応性紫外線吸収剤を反応結合したアクリル共重合体 17.4部
UVA635L(BASFジャパン社製)
・シリカ 25部
(サイリシア310 富士シリシア社製)
・メチルエチルケトン 20部
・トルエン 20部
<接着層用塗工液2>
・ポリエステル樹脂 20部
(バイロン240 東洋紡製社製)
・メチルエチルケトン 40部
・トルエン 40部
(実施例1)
基材として厚さ4.5μmの東レ社製PETを用い、該基材の一方の面に、下表1の凹部の深さを有し、図4に示す凹凸形状の印刷版を用いて、耐熱滑性層用塗工液1をグラビア印刷法にて印刷することで耐熱滑性層を形成した。耐熱滑性層の表面が有する凹凸形状の凹部の深さを下表1に併せて示す。また、基材の他方の面に、上記の保護層用塗工液1をグラビアコーティング法にて塗工し、厚さ1μmの保護層を形成し、該保護層上に、接着層用塗工液1をグラビアコーティング法にて塗工し、厚さ1.4μmの接着層を形成することで、実施例1の保護層転写シートを得た。
(実施例2)
耐熱滑性層用塗工液1を耐熱滑性層用塗工液2に変更した以外は、実施例1と同様にして、実施例2の保護層転写シートを得た。
(比較例1)
図5の印刷版を用いて、耐熱滑性層を形成した以外は、実施例1と同様にして、比較例1の保護層転写シートを得た。なお、図5の印刷版は凸部の領域が微小な印刷版であり、図5の印刷版を用いて形成される耐熱滑性層の表面には凹凸は形成されない。
(比較例2)
図5の印刷版を用いて、耐熱滑性層を形成した以外は、実施例2と同様にして、比較例2の保護層転写シートを得た。
(比較例3)
基材として厚さ4.5μmの東レ社製PETを用い、該基材の一方の面に、図5に示す凹凸形状の印刷版を用いて、耐熱滑性層用塗工液1をグラビア印刷法にて印刷することで耐熱滑性層を形成した。また、基材の他方の面に、下記の離型層用塗工液を、固形で0.8g/m2塗布し、ll0℃で1分間乾燥して離型層を形成した。次いで、離型層表面に保護層用塗工液2を固形分基準で1.0g/m2の塗布量で、ワイヤーコーターバーにて塗布し、110℃のオープンにて1分間乾燥させて保護層を形成した。さらに、保護層表面に接着剤層用塗工液2を固形分基準で1.0g/m2の塗布量で、ワイヤーコーターバーにて塗布し、110℃のオーブンにて1分間乾燥させて比較例3の保護層転写シートを得た。
<離型層用塗工液>
・アクリル系樹脂 16部
(セルトップ226、ダイセル化学社製)
・アルミ触媒 3部
(セルトップCAT−A、ダイセル化学社製)
・フィラー(粒径:5μm) 2.7部
(サイリシア350 富士シリシア社製)
・メチルエチルケトン 8部
・トルエン 8部
Figure 0005668305
(印画物の形成)
次に、キヤノン製プリンタ(CP710)を用いて、被転写体としての同プリンタ用専用受像紙に黒ベタ印画を行った。次に、黒ベタ印画後の被転写体と実施例1〜2、比較例1〜3の保護層転写シートと重ね合わせ保護層を転写し実施例1〜2、比較例1〜3の保護層が転写された印画物を得た。次いで、得られた印画物の保護層表面に発現した凹部の深さを測定した。測定結果を併せて表1に示した。
(セミグロス感評価試験)
実施例1〜2、比較例1〜3の保護層転写シートを用いて得られた上記印画物のセミグロス感の評価試験を行った。セミグロス感評価試験は実施例1〜2および比較例1〜3の印画物表面にセミグロス感を付与することができたか否かを目視により行った。このとき、印画物の表面にセミグロス感を付与することができたものを○、セミグロス感が付与されていないものを×とした。評価結果を併せて表1に示した。
(耐久性試験)
実施例1〜2、比較例1〜3の保護層転写シートを用いて得られた上記印画物の耐久性試験を行った。耐久性試験は、実施例1〜2、比較例1〜3の印画物を、軟質塩ビシートと重ね、40g/cmの荷重をかけて50℃環境下に48時間保存する。染料を塩ビシート側への移行度合いを目視にて確認し、塩ビシートが染料で汚染されていないものを○、塩ビシートが染料で汚染されているものを×とした。評価結果を併せて表1に示した。
表1からも明らかなように、その表面に凹凸形状が形成された耐熱滑性層を有する実施例1〜2の熱転写シートを用いて形成された印画物は、セミグロス感を有するとともに、耐久性に優れたものであった。一方、その表面に凹凸形状が形成されていない耐熱滑性層を有する比較例1〜3の熱転写シートを用いて形成された印画物には、セミグロス感を付与することができなかった。さらに、離型層に粒径5μmのフィラーを添加した比較例3の熱転写シートを用いて形成された印画物は耐久性の低いものであった。これは、離型層に含まれるフィラーの影響により、熱転写時に保護層が均一に転写されないことによるものと考えられる。
1…基材
2…耐熱滑性層
3…保護層
4…接着層
10…保護層転写シート
20…保護層転写体
30…被転写体
50…印画物
60…印刷版

Claims (9)

  1. 被転写体上に保護層転写体を熱転写するために用いられる保護層転写シートであって、
    前記保護層転写シートは、基材と、基材の一方の面に設けられる耐熱滑性層と、基材の他方の面に設けられ、被転写体上に熱転写した際に被転写体上の最表面に保護層が位置するように、基材側から保護層と接着層とがこの順で積層されてなる保護層転写体とを有し、
    前記耐熱滑性層は、熱可塑性樹脂バインダーを含み、
    前記耐熱滑性層の前記基材と接しない側の面には、熱転写後の保護層の表面に発現を所望する凹凸パターンに対応する凹凸形状が形成されており、
    前記耐熱滑性層の前記基材と接する側の面には、前記凹凸形状が形成されていないことを特徴とする保護層転写シート。
  2. 前記耐熱滑性層の前記基材と接しない側の面に形成されている前記凹凸形状の凸部の高さ又は凹部の深さが、2.6μm〜7.8μmであることを特徴とする請求項1に記載の保護層転写シート。
  3. 前記耐熱滑性層が、ブチラール樹脂又はポリアミドイミド樹脂を含むことを特徴とする請求項1または2に記載の保護層転写シート。
  4. 前記耐熱滑性層が、前記凹凸形状に対応した凹凸部を有する印刷版を用いて、前記基材の一方の面に耐熱滑性層用塗工液を印刷することで形成された耐熱滑性層であることを特徴とする請求項1乃至3のいずれか1項に記載の保護層転写シート。
  5. 前記基材の他方の面に前記保護層転写体と面順次に染料層が形成されていることを特徴とする請求項1乃至4のいずれか1項に記載の保護層転写シート。
  6. 被転写体上に保護層転写体を熱転写するために用いられる保護層転写シートであって、
    前記保護層転写シートは、基材と、基材の一方の面に設けられる耐熱滑性層と、基材の他方の面に設けられ、被転写体上に熱転写した際に被転写体上の最表面に保護層が位置するように、基材側から保護層と接着層とがこの順で積層されてなる保護層転写体とを有し、
    前記耐熱滑性層は、熱転写後の保護層の表面に発現を所望する凹凸パターンに対応する凹凸形状をその表面に有しており、
    前記耐熱滑性層が、前記凹凸形状に対応した凹凸部を有する印刷版を用いて、前記基材の一方の面に耐熱滑性層用塗工液を印刷することで形成された耐熱滑性層であることを特徴とする保護層転写シート。
  7. 請求項1乃至6のいずれか1項に記載の保護層転写シートの保護層転写体と被転写体とを重ね合わせて、被転写体上に前記保護層転写体を熱転写することで得られる印画物。
  8. 前記熱転写後の保護層の表面に発現する凹凸パターンの凸部の高さ又は凹部の深さが2.6μm〜7.8μmであることを特徴とする請求項7に記載の印画物。
  9. 基材の一方の面に耐熱滑性層を形成する耐熱滑性層形成工程と、基材の他方の面に保護層を形成する保護層形成工程と、を有する保護層転写シートの製造方法であって、
    前記耐熱滑性層形成工程において、前記耐熱滑性層は、凹凸部を有する印刷版を用いて、前記基材の一方の面に耐熱滑性層用塗工液を印刷することで形成され、
    前記凹凸部を形成する凸部は、直角四角柱を基本ユニットとした場合に、
    (a)前記基本ユニットから構成されているか、または、
    (b)全ての基本ユニットが、少なくとも前面、背面、左右側面のいずれか一の面において他の基本ユニットと連結しないように、基本ユニットを複数連結することで構成されており、
    前記印刷版の表面積全体に占める前記凹凸部を形成する凹部の占有率が、20%以上60%未満の印刷版であることを特徴とする保護層転写シートの製造方法。
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