JP2008110526A - 印画方法、印画物の製造方法、プリンタ装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】 銀塩写真に近い光沢のある絹目調の印画物を実現する。
【解決手段】画像形成面上に熱転写された保護層の表面を下記条件を満たすように微小凹凸加工する。(1)被記録媒体に熱転写された画像保護層の表面の20°鏡面光沢度(JIS P 8142)が30%以下、(2)幅2.0mmの光学クシを使用したときの写像性値(JIS H 8686)が30%以下、(3)幅1.0mmの光学クシを使用したときの写像性値(JIS H 8686)が5.0%以上、(4)幅0.5mmの光学クシを使用したときの写像性値(JIS H 8686)が4.0%以上、(5)幅0.25mmの光学クシを使用したときの写像性値(JIS H 8686)が3.0%以上、(6)幅0.125mmの光学クシを使用したときの写像性値(JIS H 8686)が3.0%以上
【選択図】 図1
【解決手段】画像形成面上に熱転写された保護層の表面を下記条件を満たすように微小凹凸加工する。(1)被記録媒体に熱転写された画像保護層の表面の20°鏡面光沢度(JIS P 8142)が30%以下、(2)幅2.0mmの光学クシを使用したときの写像性値(JIS H 8686)が30%以下、(3)幅1.0mmの光学クシを使用したときの写像性値(JIS H 8686)が5.0%以上、(4)幅0.5mmの光学クシを使用したときの写像性値(JIS H 8686)が4.0%以上、(5)幅0.25mmの光学クシを使用したときの写像性値(JIS H 8686)が3.0%以上、(6)幅0.125mmの光学クシを使用したときの写像性値(JIS H 8686)が3.0%以上
【選択図】 図1
Description
本発明は、銀塩写真に似た光沢感のある絹目調の風合いを有する印画物を印画するための印画方法、印画物の製造方法、プリンタ装置に関する。
印画方法には、熱転写シートの染料等の色材を被記録媒体に熱転写させて画像を形成する熱転写型がある。この方法では、更に、被記録媒体に形成された画像を保護するため透明な画像保護層が画像上に形成するようにしてうる。この熱転写型の印画方法は、画像濃度を任意に制御する濃度階調方式であるため高階調性、色再現性に優れ、銀塩写真に近い高画質画像を得ることができる。
この熱転写型の印画方法では、色材が被記録媒体に熱転写されることから、色材の被記録媒体への転写率を上げる必要がある。そこで、一般的に、被記録媒体の表面は、平滑に形成され、色材が転写されやすい構成となっている。したがって、熱転写型の印画方法では、印画物の光沢度が高くなる傾向にある。
一方、銀塩写真の分野では、銀塩写真の仕上がりに、光沢と絹目とがあることは周知でり、ユーザは、好みに応じてこれらを選択するようになっている。最近では、更に、表面が光沢のある絹目調の印画物が臨まれることがある。このように、印画物の表面の加工については、各特許文献1〜特許文献2のようなものがある。
ここで、特許文献1には、転写後の印画物における熱転写性樹脂層表面のJIS Z 8741に基づく60°における鏡面光沢度を65%未満として、画像観察の際に、光の反射による眩しさを防止することが記載されている。しかしながら、この特許文献1も画像の眩しさ、すなわち艶消しを目的としており、光沢のある絹目調の印画物を実現するものではない。光沢度は、光沢度が高いもの程測定角の浅いものが用いられるのが一般であるが、この特許文献1では、測定角に60°を用いており、艶消しされた印画物、すなわち光沢度の低いものの光沢度を問題としている。
なお、艶消しに関する特許文献には、更に、下記特許文献2等もある。しかしながら、何れの特許文献も、光沢のある絹目調の印画物を実現するものではない。
本発明は、以上のような課題に鑑みてなされたものであって、その目的は、印画後表面の鏡面光沢度と写像性値を特定値とすることにより、銀塩写真に近い光沢のある絹目調の印画物を提供することができる印画方法、印画物の製造方法、プリンタ装置を提供することにある。
本発明は、熱転写方式による記録時に、被記録媒体の鏡面光沢度と写像性値が特定値になるように積層後の画像保護層を型付け加工することにより、より銀塩写真に近い光沢感を有する絹目調印画物を得られるようにする印画方法、印画物の製造方法、プリンタ装置である。
すなわち、本発明は、印画方法、記録媒体に対して熱転写シートの色材を熱転写させ、更に色材が熱転写された被記録媒体に対して画像保護層を熱転写し、熱転写された画像保護層の表面に微小凹凸を下記(1)〜(5)の条件を満たすように形成するすることによって銀塩写真に近い光沢感を有する絹目調印画物を得ようとするものである。
一般的に、光沢感は、光沢度で計られる。そこで、本発明では、下記(1)の条件を規定した。
(1)被記録媒体に熱転写された画像保護層の表面の20°鏡面光沢度(JIS P 8142)が30%以下
ここで、(1)の条件である20°鏡面光沢度は、JIS P 8142で規定される鏡面光沢度測定方法により得られるものであり、ここでは、鏡面光沢度計として、日本電色株式会社グロスメーターVG2000を使用し、ここでの光源の入反射角を20°とした。なお、ここで、JISでは、入反射角が20°、45°、60°、75°、85°が規定されている。ここで、入反射角は、一般に、光沢度が高いもの程入射角を浅く設定する。本発明は、上述のように、銀塩写真に近い光沢感を有する絹目調印画物を得ることを目的とするものであるから、入反射角が20°のときの鏡面光沢度を規定した。
ここで、(1)の条件である20°鏡面光沢度は、JIS P 8142で規定される鏡面光沢度測定方法により得られるものであり、ここでは、鏡面光沢度計として、日本電色株式会社グロスメーターVG2000を使用し、ここでの光源の入反射角を20°とした。なお、ここで、JISでは、入反射角が20°、45°、60°、75°、85°が規定されている。ここで、入反射角は、一般に、光沢度が高いもの程入射角を浅く設定する。本発明は、上述のように、銀塩写真に近い光沢感を有する絹目調印画物を得ることを目的とするものであるから、入反射角が20°のときの鏡面光沢度を規定した。
また、本発明では、被記録媒体に熱転写された画像保護層の表面に関し、下記(2)の条件を規定した。
(2)被記録媒体に熱転写された画像保護層の表面の幅2.0mmの光学クシを使用したときの写像性値(JIS H 8686)が30%以下
ここで、写像性値は、JIS H 8686で規定される写像性測定方法により得られる写像性値であり、具体的に、写像性値は、スリットを通して測定対象面に45°の角度で当てられた光の反射光(受光角45°)を、移動する光学クシを通して検知する光学装置と、検知した光量の波動を波形として記憶する計測装置とで構成された写像性測定装置を用いて、光学クシを通して検知された光量の変動波形から、次の算式により求められる。
ここで、写像性値は、JIS H 8686で規定される写像性測定方法により得られる写像性値であり、具体的に、写像性値は、スリットを通して測定対象面に45°の角度で当てられた光の反射光(受光角45°)を、移動する光学クシを通して検知する光学装置と、検知した光量の波動を波形として記憶する計測装置とで構成された写像性測定装置を用いて、光学クシを通して検知された光量の変動波形から、次の算式により求められる。
C(n)=(M−m)/(M+m)×100
ここで、C(n)は、光学クシ幅がn(mm)のときの写像性値(%)、Mは、光学クシ幅がn(mm)のときの最高波高、mは、光学クシ幅がn(mm)のときの最低波高を示す。ここでは、写像性測定装置として、スガ試験機ICM−1型を使用し、光学クシ幅nを2.0mmとしている。
ここで、C(n)は、光学クシ幅がn(mm)のときの写像性値(%)、Mは、光学クシ幅がn(mm)のときの最高波高、mは、光学クシ幅がn(mm)のときの最低波高を示す。ここでは、写像性測定装置として、スガ試験機ICM−1型を使用し、光学クシ幅nを2.0mmとしている。
以上のように、(1)と(2)を条件として規定したのは、光沢度の大小は、目視で感ずる光沢感とは異なる場合があるためであり、そこで、所謂視感光沢を表す物性値として用いられている写像性値でも規定した。そして、実験の結果から、目視観察が不良のものの中で、20°鏡面光沢度(JIS P 8142)が30%以下の中にも、写像性値が高い場合と、反対に、20°鏡面光沢度(JIS P 8142)が30%を超えるものであっても、写像性値が低い場合があることが分かった。そこで、本発明では、先ず、(1)の条件として20°鏡面光沢度を規定すると共に、(2)の条件として幅2.0mmの光学クシを使用したときの写像性値を規定した。
更に、印画物表面の凹凸が大きいものは、表面凹凸が小さいものと比較して、印画物表面で入射光が散乱され、受光部が検出する光量が減少する。一般に、写像性値は、幅2.0mmの光学クシを使用したときの写像性値を採用するが、幅の小さい光学クシ程、光学クシを通して検知された光量の波形の変動量は小さくなる。しかしながら、もともと受光部の検出する光量が極端に小さいため、受光光量の大きい(表面凹凸が小さい)ものと比較して、写像性値の算式C(n)=(M−m)/(M+m)×100での(M+m)が小さくなる。よって散乱の多い印画面の1.0mm以下での光学クシ幅での写像性値が、表面凹凸が小さいものと比較して、大きくなる。
そこで、本発明では、(3)〜(6)の条件で、被記録媒体に熱転写された画像保護層の表面の光学クシが1.0mm以下のときの写像性値(JIS H 8686)を規定した。
(3)幅1.0mmの光学クシを使用したときの写像性値(JIS H 8686)が5.0%以上
(4)幅0.5mmの光学クシを使用したときの写像性値(JIS H 8686)が4.0%以上
(5)幅0.25mmの光学クシを使用したときの写像性値(JIS H 8686)が3.0%以上
(6)幅0.125mmの光学クシを使用したときの写像性値(JIS H 8686)が3.0%以上
以上のように、(1)〜(6)の条件を満たすように、被記録媒体に熱転写された上記画像保護層の表面を加工することによって、より銀塩写真に近い光沢感を有する絹目調印画物を得ることができる。
(3)幅1.0mmの光学クシを使用したときの写像性値(JIS H 8686)が5.0%以上
(4)幅0.5mmの光学クシを使用したときの写像性値(JIS H 8686)が4.0%以上
(5)幅0.25mmの光学クシを使用したときの写像性値(JIS H 8686)が3.0%以上
(6)幅0.125mmの光学クシを使用したときの写像性値(JIS H 8686)が3.0%以上
以上のように、(1)〜(6)の条件を満たすように、被記録媒体に熱転写された上記画像保護層の表面を加工することによって、より銀塩写真に近い光沢感を有する絹目調印画物を得ることができる。
ここで、例えば、表面加工は、画像保護層の表面に、サーマルヘッドにより熱エネルギを変化させながら印加することによって、また、画像保護層の表面に、表面に凹凸が形成された転写ロールを押圧することによって行うことができる。
本発明では、被記録媒体上に熱転写シートの色材を熱転写させ、更に色材が熱転写された被記録媒体に対して画像保護層を熱転写させた印画物において、被記録媒体に熱転写された画像保護層の表面の鏡面光沢度と写像性値とが上記(1)〜(6)の条件を満たすようにすることで、銀塩写真に近い光沢感を有する絹目調の印画物を得ることができる。
以下、本発明を適用した昇華型のプリンタ装置、このプリンタ装置を用いた印画方法を、図面を参照して説明する。
このプリンタ装置1は、図1に示すように、印刷時、印画紙等の被記録媒体14を、ガイドローラ11でガイドし、キャプスタン12とピンチローラ13とで挟持して走行させる。また、このプリンタ装置1には、熱転写シートを収容したカートリッジが装着され、巻取リール16が回転駆動されることによって、熱転写シート15を供給リール17から巻取リール16に走行させる。熱転写シート15のインクを被記録媒体14に転写する印刷位置には、サーマルヘッド18とプラテンローラ19とが対向配置されている。熱転写シート15からは、サーマルヘッド18によって被記録媒体14に所定の圧力で押圧されながら、染料が昇華され被記録媒体14に熱転写される。
ここで、被記録媒体14について図2を参照して説明すると、この被記録媒体14は、紙(パルプ)、ポリプロピレン(PP)、ポリエチレンテレフタレート(PET)等で形成された基材14a一方の面に、熱転写シート15から転写される染料を受容し、受容した染料を保持する受容層14bが形成されている。この受容層14bは、アクリル系樹脂、ポリエステル、ポリカーボネート、ポリ塩化ビニル等の熱可塑性樹脂等で形成されている。また、基材14aの他方の面には、ガイドローラ11やプラテンローラ19との間の摩擦を低減するバック層14cが形成されている。
一方、熱転写シート15は、図3に示すように、ポリエステルフィルム、ポリスチレンフィルム等の合成樹脂フィルムでなる基材15aの一方の面に画像を形成するイエロー、マゼンタ、シアン、ブラックの各色の染料と熱可塑性樹脂とで形成された染料層15b、15c、15d、15e及び例えば染料層15b、15c、15d、15eと同じ熱可塑性樹脂で形成された画像保護層15fが形成されている。そして、基材15aには、染料層15b、15c、15d、15e及び画像保護層15fを一組として、これらの層15b〜15fが面順次で長手方向に並んで形成されている。染料層15b、15c、15d、15eは、サーマルヘッド18により印刷する画像データに応じた熱エネルギが印加されることによって、被記録媒体14の受容層14bに昇華され熱転写される。
具体的に、染料層15b、15c、15d、15eは、メチルセルロース、エチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、酢酸セルロース等のセルロース系樹脂、ポリビニルアルコール、ポリビニルブチラール、ポリビニルアセトアセタール、ポリ酢酸ビニル、ポリスチレン等のビニル系樹脂、その他各種ウレタン樹脂等に昇華性或いは熱拡散性染料を分散させたものから構成される。
また、画像保護層15fは、ポリエステル系、セルロースエステル系等の熱可塑性樹脂で形成され、更に、画像の保存性を高めるために、紫外線吸収剤、光安定剤、酸化防止剤等を添加しても良い。
また、画像保護層15fは、染料層15b、15c、15d、15eが転写されて形成された画像の上に、更に熱転写される。この際、被記録媒体14に熱転写された画像保護層15fは、表面がサーマルヘッド18の熱エネルギや押圧ローラによって微小凹凸加工されて絹目調にされる。
なお、本発明で使用する熱転写シート15は、少なくとも画像保護層を有していれば、その他の構成は特に限定されるものではない。したがって、本発明で使用する熱転写シート15は、画像保護層のみのシートの他、少なくとも一の染料層と画像保護層を有するものでも良い。例えば、熱転写シート15は、ブラックの染料層と画像保護層で構成されていても良く、また、イエロー、マゼンタ、シアンの染料層と画像保護層とで構成されていても良い。更に、色材として、染料に代わって顔料を用いても良い。
サーマルヘッド18は、図4に示すように、セラミック基板18aにグレース層18bを介して発熱抵抗体等でなる発熱素子18cがライン状に設けられ、その上層に、発熱素子18cを保護する保護層18dが設けられている。セラミック基板18aは、放熱性に優れ、発熱素子18cの蓄熱を防止する機能を有する。また、グレース層18bは、発熱素子18cを被記録媒体14や熱転写シート15に当接させるため、発熱素子18cを被記録媒体14や熱転写シート15に突出させるものであり、また、発熱素子18cの熱がセラミック基板18aに吸収され過ぎないようにするためのバッファ層となる。サーマルヘッド18は、1ラインずつ被記録媒体14との間に介在する熱転写シート15の染料を発熱素子18cで加熱し昇華させて被記録媒体14に転写する。
以上のように構成されたプリンタ装置1の回路構成について説明すると、図5に示すように、プリンタ装置1は、印刷する画像データが入力されるインタフェース(以下、単にI/Fという。)21と、I/F21より入力された画像データを蓄積する画像メモリ22と、制御プログラム等が格納される制御メモリ23と、サーマルヘッド18等の全体の動作を制御する制御部24とが、バス25を介して接続されている。また、このバス25には、被記録媒体14を給紙部から排紙部まで走行させるキャプスタン12やキャプスタン12の駆動源となるモータ等を有する搬送部26やサーマルヘッド18や熱転写シート15を走行させる巻取リール16や巻取リール16の駆動源となるモータ等を有する走行部27が接続され、搬送部26や走行部27も制御部24によって制御される。
I/F21は、印刷する画像を表示するLCD(Liquid Crystal Display)やCRT(Cathode Ray Tube)等の表示装置、記録媒体が装着される記録及び/又は再生装置等の電気機器が接続される。例えば、表示装置に動画が表示されているとき、ユーザが選択した静止画像データが入力される。また、I/F21は、記録及び/又は再生装置が接続されているとき、光ディスク、ICカード等の記録媒体に記録されている静止画像データが入力される。なお、このI/F21には、USB(Universal Serial Bus)、IEEE(the Institute of Electrical and Electronic Engineers)1394、ブルートゥース(Bluetooth)等の規格に基づいて有線又は無線で電気機器が接続される。
画像メモリ22には、少なくとも画像データを1枚分記憶することができる容量を有し、I/F21より入力された印刷する画像データが入力され、一時的に保存される。制御メモリ13は、プリンタ装置1の全体の動作を制御する制御プログラム等が格納されている。制御部24は、制御メモリ23に格納された制御プログラムに基づいて全体の動作を制御する。例えば、制御部24は、画像形成時と画像保護層形成時における被記録媒体14の搬送速度を可変するように搬送部26を制御すると共に、印刷する画像に応じてサーマルヘッド18を制御する。
ここで、以上のように構成されたプリンタ装置1の印刷動作について説明する。制御部24は、制御メモリ23に格納されたプログラムに従って、搬送部26を駆動制御し、被記録媒体14の印刷開始位置を、サーマルヘッド18の位置まで搬送する。また、制御部24は、搬送した被記録媒体14にイエローの染料層15b、マゼンタの染料層15c、シアンの染料層15d、ブラックの染料層15e、画像保護層15fの順に熱転写できるように、走行部27を駆動制御し、熱転写シート15を走行させる。そして、制御部24は、高速に被記録媒体14を走行させながら、サーマルヘッド18を印刷するデータに応じて駆動し、熱転写シート15の染料層15b〜15eをイエロー、マゼンタ、シアン、ブラックの順に画像データに応じた濃度となるように熱転写し、被記録媒体14に画像を形成し、次いで、画像形成時より低速で被記録媒体14を走行させながら画像保護層15fを画像上に熱転写する。この際、制御部24は、転写した画像保護層15fの表面に微小凹凸を形成して、画像保護層15fの表面を絹目調とする加工処理を行う。
具体的に、制御部24は、(1)被記録媒体に熱転写された画像保護層の表面の20°鏡面光沢度(JIS P 8142)が30%以下、より好ましくは20%以下となるように、サーマルヘッド18を制御する。ここで、(1)の条件である20°鏡面光沢度は、JIS P 8142で規定される鏡面光沢度測定方法により得られるものであり、ここでは、鏡面光沢度計として、日本電色株式会社製グロスメーターVG2000を使用し、ここでの光源の入反射角を20°とした。なお、ここで、JISでは、入反射角が20°、45°、60°、75°、85°が規定されている。ここで、入反射角は、一般に、光沢度が高いもの程入射角を浅く設定する。本発明は、上述のように、銀塩写真に近い光沢感を有する絹目調印画物を得ることを目的とするものであるから、入反射角が20°のときの鏡面光沢度を規定した。
また、制御部24は、(2)被記録媒体に熱転写された画像保護層の表面の幅2.0mmの光学クシを使用したときの写像性値(JIS H 8686)が30%以下、より好ましくは20%以下となるように、サーマルヘッド18を制御する。ここで、写像性値は、JIS H 8686で規定される写像性測定方法により得られる写像性値であり、具体的に、写像性値は、スリットを通して測定対象面に45°の角度で当てられた光の反射光(受光角45°)を、移動する光学クシを通して検知する光学装置と、検知した光量の波動を波形として記憶する計測装置とで構成された写像性測定装置を用いて、光学クシを通して検知された光量の変動波形から、次の算式により求められる。
C(n)=(M−m)/(M+m)×100
ここで、C(n)は、光学クシ幅がn(mm)のときの写像性値(%)、Mは、光学クシ幅がn(mm)のときの最高波高、mは、光学クシ幅がn(mm)のときの最低波高を示す。ここでは、写像性測定装置として、スガ試験機ICM−1型を使用し、光学クシ幅nを2.0mmとしている。
ここで、C(n)は、光学クシ幅がn(mm)のときの写像性値(%)、Mは、光学クシ幅がn(mm)のときの最高波高、mは、光学クシ幅がn(mm)のときの最低波高を示す。ここでは、写像性測定装置として、スガ試験機ICM−1型を使用し、光学クシ幅nを2.0mmとしている。
これにより、上記(1)の被記録媒体に熱転写された画像保護層の表面の20°鏡面光沢度(JIS P 8142)が30%以下の条件を満たしても、写像性値(JIS H 8686)が高過ぎるものを除外することができる。
また、印画物表面の凹凸が大きいものは、表面凹凸が小さいものと比較して、印画物表面で入射光が散乱され、受光部が検出する光量が減少する。一般に、写像性値は、幅2.0mmの光学クシを使用したときの写像性値を採用するが、幅の小さい光学クシ程、光学クシを通して検知された光量の波形の変動量は小さくなる。しかしながら、もともと受光部の検出する光量が極端に小さいため、受光光量の大きい(表面凹凸が小さい)ものと比較して、写像性値の算式C(n)=(M−m)/(M+m)×100での(M+m)が小さくなる。よって散乱の多い印画面の1.0mm以下での光学クシ幅での写像性値が、表面凹凸が小さいものと比較して、大きくなる。
そこで、本発明では、(3)〜(6)の条件で、被記録媒体に熱転写された画像保護層の表面の光学クシが1.0mm以下のときの写像性値(JIS H 8686)を規定した。
(3)幅1.0mmの光学クシを使用したときの写像性値(JIS H 8686)が5.0%以上、より好ましくは6.0%以上
(4)幅0.5mmの光学クシを使用したときの写像性値(JIS H 8686)が4.0%以上、より好ましくは5.0%以上
(5)幅0.25mmの光学クシを使用したときの写像性値(JIS H 8686)が3.0%以上、より好ましくは4.0%以上
(6)幅0.125mmの光学クシを使用したときの写像性値(JIS H 8686)が3.0%以上、より好ましくは4.0%以上
以上のように、(1)〜(6)の条件を満たすように、制御部24は、サーマルヘッド18を駆動制御し、画像保護層15fの表面に微小凹凸の加工をして表面を絹目調とする。
(3)幅1.0mmの光学クシを使用したときの写像性値(JIS H 8686)が5.0%以上、より好ましくは6.0%以上
(4)幅0.5mmの光学クシを使用したときの写像性値(JIS H 8686)が4.0%以上、より好ましくは5.0%以上
(5)幅0.25mmの光学クシを使用したときの写像性値(JIS H 8686)が3.0%以上、より好ましくは4.0%以上
(6)幅0.125mmの光学クシを使用したときの写像性値(JIS H 8686)が3.0%以上、より好ましくは4.0%以上
以上のように、(1)〜(6)の条件を満たすように、制御部24は、サーマルヘッド18を駆動制御し、画像保護層15fの表面に微小凹凸の加工をして表面を絹目調とする。
なお、以上の例では、サーマルヘッド18を制御部24で駆動制御することによって、被記録媒体14に転写された画像保護層15fの表面を絹目調にする加工を施した例を説明したが、本発明では、画像形成後、画像保護層15fが被記録媒体14に転写された後、プリンタ装置1に内蔵された表面に凹凸が形成された転写ロールを、画像保護層15fの表面に押圧することによって、微小凹凸を形成して絹目調としても良い。この場合の転写ロールは、プリンタ装置に内蔵であっても、また、別装置であっても良い。そして、転写ロールを用いた型押し加工では、画像保護層15fが転写された被記録媒体14及び/又は転写ロールを加熱して、転写された画像保護層15fを軟化させて、画像保護層15fに凹凸を転写することになる。
・実施例1
被記録媒体14に熱転写された画像保護層15fの表面の20°鏡面光沢度(JIS P 8142)及び光学クシが幅2.0mm、幅1.0mm、幅0.5mm、幅0.25mm、幅0.125mmのときの写像性値(JIS H 8686)の測定に用いる印画物を印刷するプリンタ装置の仕様を説明する。ここで使用したプリンタ装置は、サーマルヘッドにより画像を被記録媒体14に熱転写し、更に、画像保護層15fを被記録媒体14に熱転写する装置であり、ソニー株式会社製のプリンタUP−D75を使用した。
被記録媒体14に熱転写された画像保護層15fの表面の20°鏡面光沢度(JIS P 8142)及び光学クシが幅2.0mm、幅1.0mm、幅0.5mm、幅0.25mm、幅0.125mmのときの写像性値(JIS H 8686)の測定に用いる印画物を印刷するプリンタ装置の仕様を説明する。ここで使用したプリンタ装置は、サーマルヘッドにより画像を被記録媒体14に熱転写し、更に、画像保護層15fを被記録媒体14に熱転写する装置であり、ソニー株式会社製のプリンタUP−D75を使用した。
また、画像データを作製し、作製した画像データを上記プリンタに転送する装置としては、パーソナルコンピュータ(OSはWindows(登録商標) XP。以下、コンピュータと称す。)を使用し、このコンピュータと上記プリンタ装置とをUSBケーブルにより接続した。また、上記コンピュータで、Adobe社製のソフトウェア(AdobePhoto Shop)を使用して、黒ベタの画像データを作製した。この画像データを上記プリンタ装置に転送し、熱転写シートとなるインクリボン及び印画紙のセット(ソニー株式会社製UPC−747、用紙サイズA4+(ポリプロピレン(PP)基材))を使用して黒ベタ画像を、比較的遅い印画ライン速度4msec/Lineで印画した。この後、画像保護層15fを印画モード「マット」(本発明で行う絹目調のモード)、ラミネート時の印画ライン速度8msec/Lineで黒ベタ印画上にラミネートした。
・実施例2
ラミネート時の印画ライン速度6msec/Lineとした以外は実施例1と同様に印画を行った。
ラミネート時の印画ライン速度6msec/Lineとした以外は実施例1と同様に印画を行った。
・実施例3
ラミネート時の印画ライン速度4msec/Lineとした以外は実施例1と同様に印画を行った。
ラミネート時の印画ライン速度4msec/Lineとした以外は実施例1と同様に印画を行った。
すなわち、実施例1〜実施例3に従って順にラミネート時の印画ライン速度を速くした。
・実施例4
本実施例では、サーマルヘッドにより画像を熱転写し、画像保護層15fを熱転写する装置としてソニー株式会社製のプリンタUP−DR150を使用した。この装置は、実施例1〜実施例3で使用したプリンタUP−D75より解像度の高い印画が可能な装置である。また、画像データを作製し、これを上記ビデオプリンタに転送する装置としては、コンピュータを使用した。そして、このコンピュータと上記ビデオプリンタとをUSBケーブルにより接続した。そして、上記コンピュータにて、Adobe社製のソフトウェア(AdobePhoto Shop)を使用して、黒ベタの画像データを作製した。この画像データをプリンタに転送し、インクリボン(ソニー株式会社製2UPC−R156)と印画紙(PP基材、2KGサイズ、印画紙厚さ0.22mm)とを使用して黒ベタ画像を印画ライン速度0.7msec/Lineで印画後、内蔵ラミネートパターンを印画モード「マット」(本発明で行う絹目調のモード)、ラミネート時の印画ライン速度0.7msec/Lineで画像保護層15fを黒ベタ印画上にラミネートした。
本実施例では、サーマルヘッドにより画像を熱転写し、画像保護層15fを熱転写する装置としてソニー株式会社製のプリンタUP−DR150を使用した。この装置は、実施例1〜実施例3で使用したプリンタUP−D75より解像度の高い印画が可能な装置である。また、画像データを作製し、これを上記ビデオプリンタに転送する装置としては、コンピュータを使用した。そして、このコンピュータと上記ビデオプリンタとをUSBケーブルにより接続した。そして、上記コンピュータにて、Adobe社製のソフトウェア(AdobePhoto Shop)を使用して、黒ベタの画像データを作製した。この画像データをプリンタに転送し、インクリボン(ソニー株式会社製2UPC−R156)と印画紙(PP基材、2KGサイズ、印画紙厚さ0.22mm)とを使用して黒ベタ画像を印画ライン速度0.7msec/Lineで印画後、内蔵ラミネートパターンを印画モード「マット」(本発明で行う絹目調のモード)、ラミネート時の印画ライン速度0.7msec/Lineで画像保護層15fを黒ベタ印画上にラミネートした。
・比較例1
印画紙を紙(パルプ)基材(2KGサイズ、印画紙厚さ0.22mm)した以外は実施例4と同様に印画を行った。
印画紙を紙(パルプ)基材(2KGサイズ、印画紙厚さ0.22mm)した以外は実施例4と同様に印画を行った。
・比較例2
印画紙をUPC−R156純正紙(ポリエチレンテレフタレート(PET)基材)とした以外は実施例4と同様に印画を行った。
印画紙をUPC−R156純正紙(ポリエチレンテレフタレート(PET)基材)とした以外は実施例4と同様に印画を行った。
・実施例5
続いて型押し加工について説明する。プリンタUP−DR150にて上記方法と同様にインクリボン(ソニー株式会社製2UPC−R156)と印画紙(PP基材、2KGサイズ、印画紙厚さ0.22mm)とを使用して黒ベタ画像を印画ライン速度0.7msec/Lineで印画後、内蔵ラミネートパターンを印画モード「光沢」、ラミネート時の印画ライン速度0.7msec/Lineで画像保護層を黒ベタ印画上にラミネートした。その印画後印画紙を由利ロール機械株式会社製ミニスーパーカレンダーにて型押し加工を施した。ロールの凹凸柄は梨地柄「微粒子面#350」であり、ロール回転速度27mm/s、線圧を200kN/mとし、ロールと印画紙が滑りを起こすことなく型押し加工を施した。
続いて型押し加工について説明する。プリンタUP−DR150にて上記方法と同様にインクリボン(ソニー株式会社製2UPC−R156)と印画紙(PP基材、2KGサイズ、印画紙厚さ0.22mm)とを使用して黒ベタ画像を印画ライン速度0.7msec/Lineで印画後、内蔵ラミネートパターンを印画モード「光沢」、ラミネート時の印画ライン速度0.7msec/Lineで画像保護層を黒ベタ印画上にラミネートした。その印画後印画紙を由利ロール機械株式会社製ミニスーパーカレンダーにて型押し加工を施した。ロールの凹凸柄は梨地柄「微粒子面#350」であり、ロール回転速度27mm/s、線圧を200kN/mとし、ロールと印画紙が滑りを起こすことなく型押し加工を施した。
・実施例6
ロール荷重を66.7kN/mとした以外は、実施例5と同様に印画及び型押し加工を行った。
ロール荷重を66.7kN/mとした以外は、実施例5と同様に印画及び型押し加工を行った。
・実施例7
ロール荷重を33.3kN/mとした以外は、実施例5と同様に印画及び型押し加工を行った。
ロール荷重を33.3kN/mとした以外は、実施例5と同様に印画及び型押し加工を行った。
・比較例3
ロール荷重を16.7kN/mとした以外は、実施例5と同様に印画及び型押し加工を行った。
ロール荷重を16.7kN/mとした以外は、実施例5と同様に印画及び型押し加工を行った。
・実施例8
印画紙をUPC−R156純正紙とした以外は実施例5と印画及び型押し加工を行った。
印画紙をUPC−R156純正紙とした以外は実施例5と印画及び型押し加工を行った。
・実施例9
ロール荷重を66.7kN/mとした以外は、実施例8と同様に印画及び型押し加工を行った。
ロール荷重を66.7kN/mとした以外は、実施例8と同様に印画及び型押し加工を行った。
・比較例4
ロール荷重を33.3kN/mとした以外は、実施例8と同様に印画及び型押し加工を行った。
ロール荷重を33.3kN/mとした以外は、実施例8と同様に印画及び型押し加工を行った。
・比較例5
ロール荷重を16.7kN/mとした以外は、実施例8と同様に印画及び型押し加工を行った。
ロール荷重を16.7kN/mとした以外は、実施例8と同様に印画及び型押し加工を行った。
・比較例6
印画紙を紙基材(2KGサイズ、印画紙厚さ0.22mm)した以外は、実施例5と同様に印画及び型押し加工を行った。
印画紙を紙基材(2KGサイズ、印画紙厚さ0.22mm)した以外は、実施例5と同様に印画及び型押し加工を行った。
実施例10
ロール荷重を66.7kN/mとした以外は、比較例6と同様に印画及び型押し加工を行った。
ロール荷重を66.7kN/mとした以外は、比較例6と同様に印画及び型押し加工を行った。
・比較例7
ロール荷重を33.3kN/mとした以外は、比較例6と同様に印画及び型押し加工を行った。
ロール荷重を33.3kN/mとした以外は、比較例6と同様に印画及び型押し加工を行った。
・比較例8
ロール荷重を16.7kN/mとした以外は、比較例6と同様に印画及び型押し加工を行った。
(評価)
銀塩写真上の光沢のある絹目としてKodak製ロイヤルペーパー&エッジペーパー上の写真画像と対比して、目視により記録画像の光沢感、表面性について次の3段階で評価した。
○:銀塩写真と同等の光沢感のある絹目であり、非常に良好。
△:銀塩写真よりも光沢感があるが絹目跡は付いており、良好。
×:銀塩写真よりも過剰に光沢感があり、絹目跡もほとんど見られず、不良。
ロール荷重を16.7kN/mとした以外は、比較例6と同様に印画及び型押し加工を行った。
(評価)
銀塩写真上の光沢のある絹目としてKodak製ロイヤルペーパー&エッジペーパー上の写真画像と対比して、目視により記録画像の光沢感、表面性について次の3段階で評価した。
○:銀塩写真と同等の光沢感のある絹目であり、非常に良好。
△:銀塩写真よりも光沢感があるが絹目跡は付いており、良好。
×:銀塩写真よりも過剰に光沢感があり、絹目跡もほとんど見られず、不良。
次に、上述の実施例及び比較例の印画物表面の光沢度を、鏡面光沢度計(日本電色株式会社グロスメーターVG2000)にて測定した(JIS P 8142に準拠)。試験片の寸法は50×50mmであり、試験片を3枚準備した。光源の入反射角を20°としたときの鏡面光沢度を測定した。測定は、光源入射方向と印画物の印画方向とが垂直になるようにして測定し、光源入射方向と印画物の印画方向とが平行になるようにして測定し、試験片3枚より合計6回測定の平均値を光沢度とした。
次に、上述の実施例及び比較例の印画物表面の写像性値を、写像性測定機(スガ試験機株式会社ICM−1T)にて測定した。試験片は鏡面光沢度測定のものを使用した。反射法(45°)により、光源入射方向と印画物の印画方向とが垂直になるようにして測定、光源入射方向と印画物の印画方向とが平行になるようにして測定し、試験片3枚より合計6回測定の平均値を写像性値とした(JIS H 8686に準拠)。
目視の評価結果と鏡面光沢度及び写像性値の測定結果を表1に示す。
表1から明らかなように、(1)被記録媒体に熱転写された画像保護層の表面の20°鏡面光沢度(JIS P 8142)が30%以下で、(2)幅2.0mmの光学クシを使用したときの写像性値(JIS H 8686)が30%以下で、(3)幅1.0mmの光学クシを使用したときの写像性値(JIS H 8686)が5.0%以上で、(4)幅0.5mmの光学クシを使用したときの写像性値(JIS H 8686)が4.0%以上で、(5)幅0.25mmの光学クシを使用したときの写像性値(JIS H 8686)が3.0%以上で、(6)幅0.125mmの光学クシを使用したときの写像性値(JIS H 8686)が3.0%以上であるとき、すなわち(1)〜(6)の条件を全て満たす実施例1〜実施例10では、目視での印画判定が良好であることが確認できる。
特に、(1’)被記録媒体に熱転写された画像保護層の表面の20°鏡面光沢度(JIS P 8142)が20%以下で、(2’)幅2.0mmの光学クシを使用したときの写像性値(JIS H 8686)が20%以下で、(3’)幅1.0mmの光学クシを使用したときの写像性値(JIS H 8686)が6.0%以上で、(4’)幅0.5mmの光学クシを使用したときの写像性値(JIS H 8686)が5.0%以上で、(5’)幅0.25mmの光学クシを使用したときの写像性値(JIS H 8686)が4.0%以上で、(6’)幅0.125mmの光学クシを使用したときの写像性値(JIS H 8686)が4.0%以上のときは、すなわち実施例1,4,5,6,8は、特に目視での印画判定の結果が良好となる。なお、実施例4は、(6’)の条件である幅0.125mmの光学クシを使用したときの写像性値(JIS H 8686)が3.9%であるが、4%より僅かに小さいだけであるので、良好な結果が得られている。
そして、被記録媒体14の基材14aの材質に着目したとき、PP基材のとき、(1)〜(6)の条件を満たすことが多く、PETや紙(パルプ)のとき、(1)〜(6)の条件を満たさなくなる傾向にある。これは、PPの方がPETより良いのは、PPの方がPETより軟化温度が低く、熱エネルギにより変形し易いためである。また、PPの方が紙(パルプ)より良いのは、PPと比べ紙の方が弾力性があるため、荷重を加えても、形成された凹凸が復元し易いためである。すなわち、被記録媒体14の基材14aの材質も一要因となっており、熱エネルギを印加して上記(1)〜(6)の条件を満たす微小凹凸を形成するには、軟化温度の低い熱可塑性樹脂基材が好ましく、荷重によって上記(1)〜(6)の条件を満たす微小凹凸を形成するには、復元力の小さい樹脂等の基材が好ましいことが分かる。
1 画像形成装置、11 ガイドローラ、12 キャプスタン、13 ピンチローラ、14 被記録媒体、14a 基材、14b 受容層、14c バック層、15 熱転写シート、15a 基材、15b〜15e 染料層、15f 保護層、16 巻取リール、17 供給リール、18 サーマルヘッド、18a セラミック基板、18b グレース層、18c 発熱素子、18d 保護層、19 プラテンローラ、
Claims (8)
- 被記録媒体に対して熱転写シートの色材を熱転写させ、更に色材が熱転写された被記録媒体に対して画像保護層を熱転写させて印画を行う印画方法において、
下記(1)〜(6)の条件を満たすように上記被記録媒体に熱転写された上記画像保護層の表面を加工する印画方法。
(1)被記録媒体に熱転写された画像保護層の表面の20°鏡面光沢度(JIS P 8142)が30%以下
(2)幅2.0mmの光学クシを使用したときの写像性値(JIS H 8686)が30%以下
(3)幅1.0mmの光学クシを使用したときの写像性値(JIS H 8686)が5.0%以上
(4)幅0.5mmの光学クシを使用したときの写像性値(JIS H 8686)が4.0%以上
(5)幅0.25mmの光学クシを使用したときの写像性値(JIS H 8686)が3.0%以上
(6)幅0.125mmの光学クシを使用したときの写像性値(JIS H 8686)が3.0%以上 - 上記画像保護層の表面は、サーマルヘッドにより印加される熱エネルギを変化させて上記(1)〜(6)の条件を満たすように加工される請求項1記載の印画方法。
- 上記画像保護層の表面は、表面に凹凸が形成された転写ロールを押圧して上記(1)〜(6)の条件を満たすように加工される請求項1記載の印画方法。
- 被記録媒体に対して熱転写シートの色材を熱転写させ、更に色材が熱転写された被記録媒体に対して画像保護層を熱転写させた印画物の製造方法において、
下記(1)〜(6)の条件を満たすように上記被記録媒体に熱転写された上記画像保護層の表面を加工する印画物の製造方法。
(1)被記録媒体に熱転写された画像保護層の表面の20°鏡面光沢度(JIS P 8142)が30%以下
(2)幅2.0mmの光学クシを使用したときの写像性値(JIS H 8686)が30%以下
(3)幅1.0mmの光学クシを使用したときの写像性値(JIS H 8686)が5.0%以上
(4)幅0.5mmの光学クシを使用したときの写像性値(JIS H 8686)が4.0%以上
(5)幅0.25mmの光学クシを使用したときの写像性値(JIS H 8686)が3.0%以上
(6)幅0.125mmの光学クシを使用したときの写像性値(JIS H 8686)が3.0%以上 - 上記画像保護層の表面は、サーマルヘッドにより印加される熱エネルギを変化させて上記(1)〜(6)の条件を満たすように加工される請求項4記載の印画物の製造方法。
- 上記画像保護層の表面は、表面に凹凸が形成された転写ロールを押圧して上記(1)〜(6)の条件を満たすように加工される請求項4記載の印画物の製造方法。
- 被記録媒体に対して熱転写シートの色材を熱転写させ、更に色材が熱転写された被記録媒体に対して画像保護層を熱転写するサーマルヘッドと、
上記サーマルヘッドを制御する制御手段とを備え、
上記制御手段は、下記(1)〜(6)の条件を満たすように、上記画像保護層を上記被記録媒体に熱転写する際に、上記サーマルヘッドを制御することを特徴とするプリンタ装置。
(1)被記録媒体に熱転写された画像保護層の表面の20°鏡面光沢度(JIS P 8142)が30%以下
(2)幅2.0mmの光学クシを使用したときの写像性値(JIS H 8686)が30%以下
(3)幅1.0mmの光学クシを使用したときの写像性値(JIS H 8686)が5.0%以上
(4)幅0.5mmの光学クシを使用したときの写像性値(JIS H 8686)が4.0%以上
(5)幅0.25mmの光学クシを使用したときの写像性値(JIS H 8686)が3.0%以上
(6)幅0.125mmの光学クシを使用したときの写像性値(JIS H 8686)が3.0%以上 - 上記制御手段は、上記サーマルヘッドにより印加される熱エネルギを変化させて上記(1)〜(6)の条件を満たすように上記画像保護層の表面を加工する請求項7記載のプリンタ装置。
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A131 | Notification of reasons for refusal |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131 Effective date: 20080610 |
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A02 | Decision of refusal |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A02 Effective date: 20081014 |