JP2736411B2 - 被熱転写シート - Google Patents
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Description
【発明の詳細な説明】
〔産業上の利用分野〕
本発明は、熱転写シートと組み合わせて使用され、両
面に画像を形成することが可能な被熱転写シートに関す
る。 〔従来の技術〕 昇華性の分散染料等を含有する染料層を有する熱転写
シートを、サーマルヘッド等により、画像信号に応じて
点状に加熱し、樹脂塗工紙の表面に移行した染料からな
る画像を形成する試みが行われている。しかし、通常の
試みにおいては樹脂塗工紙は、紙の片面に染料を受容す
る性質のある樹脂を塗工したものであって、非塗工面へ
の画像形成はできなかった。 〔発明が解決しようとする問題点〕 本発明においては、従来の樹脂塗工紙の欠点を解消す
ることを目的とし、両面に画像形成の可能な被熱転写シ
ートを提供することを目的としている。 〔問題点を解消するための手段〕 本発明の被熱転写シートは、 『熱により溶融もしくは昇華して移行する染料を含有す
る染料層を有する熱転写シートと組み合せて使用され、
シート状基材の両面に前記転写シートより移行する染料
を受容する、固形ワックス類、界面活性剤、シリコーン
オイルから選ばれた離型剤が含有されている受容層を有
していること』 を特徴とするものである。 図面は本発明の被熱転写シートの実施態様を示してお
り、第1図に示す被熱転写シート1はシート状基材2の
両面に受容層3、3をそれぞれ有している。又、第2図
に示す被熱転写シート1は第1図に示す構造に加えて両
面の受容層3、3とシート状基材2との間に、中間層
4、4をそれぞれ有している。 (シート状基材) シート状基材2としては、合成紙(ポリオレフィン
系、ポリスチレン系など)、上質紙、アート紙、コー
ト紙、キャストコート紙、壁紙、裏打用紙、合成樹脂又
はエマルジョン含浸紙、合成ゴムラテックス含浸紙、合
成樹脂内添紙、板紙等、セルロース繊維紙、ポリオレ
フィン、ポリ塩化ビニル、ポリエチレンテレフタレー
ト、ポリスチレン、メタクリレート、ポリカーボネート
等の各種のプラスチックのフィルムもしくはシートが使
用できる。このうちの合成紙はその表面に、熱伝導率
の低い(換言すれば断熱性の高い)ミクロヴォイド層を
有しているので好ましい。又、上記〜の任意の組み
合わせによる積層体も使用できる。代表的な積層体の例
として、セルロース繊維紙と合成紙、あるいは、セルロ
ース繊維紙とプラスチックフィルムもしくはシートとの
積層体が挙げられる。このうちセルロース繊維紙と合成
紙との積層体は、合成紙が有する熱的な不安定さ(伸縮
など)をセルロース繊維紙が補ない、合成紙が有する低
熱伝導率による印字熱感度の高さを発揮できてよい、
又、この組み合わせにおいて積層体表裏のバランスをと
るため、合成紙〜セルロース繊維紙〜合成紙の三層積層
体を用いるのがよく、印字によるカーソルを少なくでき
る。 上記のような積層体に用いる合成紙としては、通常被
熱転写シートの合成紙基材として用いうる合成紙であれ
ばいかなるものをも使用できるが、特に微細空孔を含有
する紙状層を設けた合成紙(例えば、市販品の合成紙ユ
ポ:王子油化合成紙製)が望ましい。上記紙状層におけ
る微細空孔は、例えば、合成樹脂を微細充填剤含有状態
で延伸することにより形成することができる。上記微細
空孔を含有する紙状層を設けた合成紙を用いて構成した
被熱転写シートは、熱転写により画像を形成した場合、
画像濃度が高く、画像のバラツキも生じないという効果
がある。 これは、微細空孔により断熱効果があり、熱エネルギ
ー効率が良いことと、微細空孔によるクッション性の良
さが、上記合成紙上に設けられ、画像が形成される受容
層に寄与するものと思われる。又、上記微細空孔を含有
する紙状層を直接、セルロース紙繊維などの芯材の表面
に設けることも可能である。 上記積層体におけるセルロース繊維紙以外にプラスチ
ックフィルムを使用することもでき、更に、上記セルロ
ース繊維紙とプラスチックフィルムとをラミネートした
ものも使用することができる。 合成紙とセルロース繊維紙との貼着方法としては、例
えば、従来公知の接着剤を用いた貼着、押出ラミネート
法を用いた貼着、熱接着による貼着等が挙げられ、また
合成紙とプラスチックフィルムとの貼着方法としてはプ
ラスチックフィルムの形成を同時に兼ねたラミネート
法、カレンダー法等による貼着等が挙げられる。上記貼
着手段は合成紙と貼着するものの材質等に応じて適宜選
択される。上記接着剤の具体例としては、エチレン−酢
酸ビニル共重合体、ポリ酢酸ビニル等のエマルジョン接
着剤、カルボキシル基を含むポリエステル等の水溶性接
着剤等が挙げられ、またラミネート用の接着剤として
は、ポリウレタン系、アクリル系等の有機溶剤溶液タイ
プ等の接着剤が挙げられる。 (受容層) 受容層3を構成する材質は、熱転写シートから移行す
る染料、例えば昇華性の分散染料を受容し、受容により
形成された画像を維持するためのものである。例えば、
下記(イ)〜(ホ)の合成樹脂が単独もしくは2種以上
の混合により使用できる。 (イ)エステル結合を有するもの。 ポリエステル樹脂。ポリアクリル酸エステル樹脂、ポ
リカーボネート樹脂、ポリ酢酸ビニル樹脂、スチレンア
クリレート樹脂、ビニルトルエンアクリレート樹脂等。 (ロ)ウレタン結合を有するもの。 ポリウレタン樹脂等。 (ハ)アミド結合を有するもの。 ポリアミド樹脂(ナイロン)。 (ニ)尿素結合を有するもの。 尿素樹脂等。 (ホ)その他極性の高い結合を有するもの。 ポリカプロラクトン樹脂、ポリスチレン系樹脂、ポリ
塩化ビニル樹脂、ポリアクリロニトリル樹脂等。 あるいは受容層3は飽和ポリエステルと塩化ビニル−
酢酸ビニル共重合体との混合樹脂により構成される。飽
和ポリエステルとしては例えばバイロン200、バイロン2
90、バイロン600等(以上、東洋紡製)、KA−1038C(荒
川化学製)、TP220、TP235(以上、日本合成製)等が用
いられる。塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体は塩化ビニ
ル成分含有率85〜97wt%で、重合度200〜800程度のもの
が好ましい。塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体は必ずし
も塩化ビニル成分と酢酸ビニル成分のみの共重合体であ
る場合に限らず、本発明の目的を妨げない範囲のビニル
アルコール成分、マレイン酸成分等を含むものであって
も良い。 受容層はまた、ポリスチレン系の樹脂により構成され
てもよく、例えば、スチレン系モノマー、例えば、スチ
レン、α−メチルスチレン、ビニルトルエンの単独もし
くは共重合体からなるポリスチレン系樹脂、或いは、前
記スチレン系モノマーと他のモノマー、例えば、アクリ
ル酸エステル、メタクリル酸エステル、アクリロニトリ
ル、メタクリロニトリル等のアクリルもしくはメタクリ
ル系モノマーもしくは無水マレイン酸との共重合体であ
るスチレン系共重合体樹脂が挙げられる。 ところで、染料染着性の高い上記の合成樹脂は、一般
的にはガラス転移点が低く、このような合成樹脂で構成
した受容層を有する被熱転写シートどうしを重ねると、
高温や高湿下では互いにブロッキング(表面の粘着性に
より接着し、剥れなくなるか、剥れても剥した跡が生じ
ること)することが多い。 被熱転写シートに若しも表裏の区別があり、且つ、常
に同じ向きに重ねられるとすれば、いずれか一方の面を
非ブロッキング性にしておくか、あるいは、接触し合う
表と裏の面を互いに非ブロッキング性にしておくとよ
い。 しかし、表と裏の区別がなく、あるいは区別があって
も常に同じ向きに重ねられるのと保証がないときは、両
面とも非ブロッキング性にしておく必要がある。 一方の面の受容層自体もしくは両方の面の受容層自体
を非ブロッキング性にするには、次のイ〜ハの方法があ
る。 イ受容層を構成する樹脂自体をブロッキング温度の高い
ものから選択する方法。具体的にはガラス転移点の高い
樹脂を用いるか、セルロース系樹脂(ニトロセルロース
樹脂など)のようなブロッキングしにくい樹脂を、染料
染着性の高い樹脂と混合して用いる方法である。ガラス
転移点の高い樹脂を用いるときは印字しにくくなるの
で、サーマルヘッドからの熱を多くするか、あるいは被
熱転写シートを印字に先立って加熱しておくことが望ま
れる。 ロ染料染着性の高い樹脂中に、体質顔料を含有させる方
法。この方法では、体質顔料を、例えば、微粉末シリ
カ、アルミナ、カオリン、クレー、炭酸カルシウム、二
酸化チタン、硫酸バリウム、酸化亜鉛を樹脂中に分散さ
せる。この方法では使用する体質顔料にもよるが、受容
層の白色度が向上して好ましい。白色度の向上について
は後述する。 ハ染料染着性の高い樹脂中に離型剤を含有させる方法。
この方法では樹脂と離型剤を混合溶解し塗工乾燥させて
受容層を形成する。或いは離型剤を、既に形成した離型
剤を含まない樹脂層上から適用してもよい。このハの方
法では、前記したとおり、離型剤が印字の際の熱転写シ
ートと被熱転写シートとの間の離型効果をも発揮する。
離型剤については後述する。 上記イ〜ハの非ブロッキング性にする方法とは別に、
一方の面の受容層を構成する樹脂と他方の面の受容層を
構成する樹脂とを異なる樹脂とすることにより、被熱転
写シートどうしが重なって、上側になった方のシートの
裏面の受容層と下側になった方のシートの表面の受容層
とが接触してもブロッキングが生じないようにする方法
がある。本明細書では、このように異なる樹脂どうしが
接触してブロッキングしない場合は、それぞれの樹脂は
ブロッキングしやすいときであっても、「互いに非ブロ
ッキング性である」と言うことにする。 具体的な樹脂の組み合わせとしては、前記した受容層
を構成する合成樹脂のうちから、任意に2種の樹脂を選
び、それらを一方の面と他方の面の受容層を構成する目
的で別々に使用すればよい。又、2種ではなく、3種も
しくはそれ以上を選んで、適宜に分けて使用してもよ
い。例えば樹脂A、樹脂B、樹脂Cを選んでAとBを一
方の面に、Cを他方の面に使用する。このように複数の
樹脂を混合して使用するときは、一方の樹脂がブロッキ
ング性が低いものであれば、その樹脂を両面に使用する
こともできる。例えば、上記の例で樹脂Cがブロッキン
グ性が低いときは一方の面の受容層をAとC、他方の面
の受容層をBとCで構成する。 発明者の研究によれば、上記のような組み合わせは多
数にのぼるが、染料染着性を重視するときは次のような
組み合わせが推奨できる。 1.飽和ポリエステル樹脂とポリスチレン樹脂 2.飽和ポリエステル樹脂とポリメタクリレート樹脂 3.飽和ポリエステル樹脂とポリアクリレート樹脂 4.ポリスチレン樹脂とポリメタクリレート樹脂 5.ポリスチレン樹脂とポリアクリレート樹脂 6.ポリスチレン樹脂と塩化ビニル/酢酸ビニル共重合体
樹脂 7.ポリスチレン樹脂と共重合体樹脂を含みうるポリ酢酸
ビニル樹脂 8.ポリメタクリレート樹脂と塩化ビニル/酢酸ビニル共
重合体樹脂 9.ポリアクリレート樹脂と塩化ビニル/酢酸ビニル共重
合体樹脂 上記いずれの態様においても、受容層3の白色度を向
上して転写画像の鮮明度を更に高めるとともに被熱転写
シート表面に筆記性を付与し、かつ転写された画像の再
転写を防止する目的で受容層3中に白色顔料を添加する
ことができる。白色顔料としては、酸化チタン、酸化亜
鉛、カオリンクレー、炭酸カルシウム、微粉末シリカ等
が用いられ、これらは2種以上混合して用いることがで
きる。ことは前述した通りである。また転写画像の耐光
性を更に高めるために、受像層中に紫外線吸収剤および
/または光安定化剤を添加することができる。これら紫
外線吸収剤、光安定化剤の添加量は受像層3を構成する
樹脂100重量部に対しそれぞれ0.05〜10重量部、0.5〜3
重量部が好ましい。 本発明の被熱転写シートは、熱転写シートとの離型性
を向上せしめるために受容層中に離型剤を含有せしめ
る。離型剤としてはポリエチレンワックス、アミドワッ
クス、テフロンパウダー等の固型ワックス類;弗素系、
燐酸エステル系の界面活性剤;シリコーンオイル等が挙
げられるがシリコーンオイルが好ましい。 上記シリコーンオイルとしては油状のものも用いるこ
とができるが、硬化型のものが好ましい。硬化型のシリ
コーンオイルとしては、反応硬化型、光硬化型、触媒硬
化型等が挙げられるが、反応硬化貸のシリコーンオイル
が特に好ましい。反応硬化型シリコーンオイルとして
は、アミノ変性シリコーンオイルとエポキシ変性シリコ
ーンオイルとを反応硬化させたものが好ましく、アミノ
変性シリコーンオイルとしてはKF−393、KF−857、KF−
858、X−22−3680、X−22−3801C(以上、信越化学工
業(株)製)等が挙げられ、エポキシ変性シリコーンオ
イルとしてはKF−100T、KF−101、KF−60−164、KF−10
3(以上、信越化学工業(株)製)等が挙げられる。ま
た触媒硬化型あるいは光硬化型シリコーンオイルとして
はKS−705F、KS−770(以上、触媒硬化型シリコーンオ
イル:信越化学工業(株)製)、KS−720、KS−774(以
上、光硬化型シリコーンオイル:信越化学工業(株)
製)等が挙げられる。これら硬化型シリコーンオイルの
添加量は受像層を構成する樹脂の0.5〜30wt%が好まし
い。また受容層3の表面の一部に。上記離型剤を適当な
溶媒に溶解あるいは分散させて塗布した後、乾燥させる
等によって離型剤層を設けることもできる。離型剤層を
構成する離型剤としては前記したアミノ変性シリコーン
オイルとエポキシ変性シリコーンオイルとの反応硬化物
が特に好ましい。離型剤層の厚さは0.01〜5μm、特に
0.05〜2μmが好ましい。 なお、受容層を形成する際にシリコーンオイルを添加
して形成すると、塗布後、シリコーンオイルが表面にブ
リードしてくるので、ブリードさせた後に硬化させても
離型剤層を形成することができる。 以上の白色顔料、紫外線吸収剤、光安定化剤、離型剤
は必要に応じ、一方の面もしくは両方の面の受容層に含
ませるか適用することができる。 受容層3の形成は、シート状基材2上に、受容層を形
成する材料を溶解ないし分散して得られる受像層形成用
組成物を使用して、公知の塗布もしくは印刷方法により
行なう他に、カード基材2とは別の一時的キャリヤー上
に一旦形成した後に、改めて、シート状基材2上に転写
する方法により行ってもよい。 一時的キャリヤーとしては、表面が離型性のシートを
用いる。例えば、セルロース繊維紙や合成紙などの表
面にアンダーコート層を施した後に離型用シリコーン層
を施したもの、セルロース繊維紙の表面にポリオレフ
ィン系樹脂もしくはポリエステル樹脂をエクストルージ
ョンコーティングしたもの、又は、ポリエステルフィ
ルムなどのプラスチックフィルムの表面に離型用シリコ
ーン層を施したもの、等である。 一時的キャリヤー上には、シート状基材2上に行なう
のと同様にして受像層を形成した後、必要により、接着
剤層を形成する。この接着剤層は、シート状基材2上に
受像層を転写させるときに、シート状基材2と受容層3
との間の接着力を確保するためのものである。この方法
では、更に他の層、例えばクッション性等を付与する中
間層を一時的キャリヤー上に形成しておき、シート状基
材2上に中間層と受容層とを一度に転写するようにして
もよい。中間層が接着剤を兼ねているときは接着剤層を
一時的キャリヤー上に形成しなくてもよい。なお、いず
れの場合においても、接着剤層はシート状基材と、一時
的キャリヤー上の最上層との間に介在すればよいから、
接着剤層をシート状基剤2上に形成しておき、一時的キ
ャリヤー上には受容層のみ、あるいは受像層と中間層を
順に形成しておいて転写してもよい。 受容層3を、一時的キャリヤー上に一旦形成して転写
法により、シート状基材2上に形成する方法を採用する
と、シート状基材2上に形成された受容層の表面は、一
時的キャリヤーの表面の状態が転写されているために平
滑性が非常にすぐれており、シート状基材2上に直接に
形成した受容層は、転写法によるものとくらべると平滑
性が劣っており、より鮮明で精緻な画像を得たいとき
は、転写法を採用するのがよい。 接着剤としては受容層と基材とを接着できるものであ
れば良く、ポリエステル系、ポリアクリル酸エステル
系、ポリウレタン系、ポリ塩化ビニル系、ポリオレフィ
ン系、エチレン−酢ビ共重合体、合成ゴム系等の有機溶
剤溶液又は、エマルジョンが使用できる。接着剤は熱接
着タイプでも、常温粘着タイプでもよい。熱接着タイプ
の場合には、ワックス、エチレン/酢酸ビニル共重合体
樹脂、ポリオレフィン、石油系樹脂などのホットメルト
タイプの接着剤による熱接着、或はポリオレフィンフィ
ルム等エクストルージョンフィルムによるサンドイッチ
ラミネーションでもよい。 中間層を兼ねる接着剤として両面テープを用いてもよ
い。両面テープはレーヨンペーパーにアクリル系粘着剤
などを含浸乾燥したもので、乾燥後の両面テープには微
細空孔が出来ており発泡層と等価の役割を果すものと思
われる。 (中間層) 中間層4は、構成する材質により、クッション性層、
多孔層のいずれかであり、或いは場合によっては接着剤
の役目を兼ねている。 クッション性層はJIS−K−6301に規定される100%モ
ジュラスが100kg/cm2以下である樹脂を主とするもので
あり、ここで前記100%モジュラスが100kg/cm2を超える
と、剛性が高すぎるためにこのような樹脂を用いて中間
層を形成しても熱転写シートと被熱転写層の印字の際の
充分な密着性は保たれない。又、前記100%モジュラス
の下限は実際上、0.5kg/cm2程度である。 上記の条件に合致する樹脂としては次のようなものが
挙げられる。 ポリウレタン樹脂 ポリエステル樹脂 ポリブダジエン樹脂 ポリアクリル酸エステル樹脂 エポキシ樹脂 ポリアミド樹脂 ロジン変性フェノール樹脂 テルペンフェノール樹脂 エチレン/酢酸ビニル共重合体樹脂 上記の樹脂は、1種もしくは2種以上混合して使用す
ることができるが、上記の樹脂は比較的、粘着性を有し
ているので、加工中に支障があるときは無機質の添加
剤、例えば、シリカ、アルミナ、クレー、炭酸カルシウ
ムなど、或いは、ステアリン酸アミド等のアミド系物質
を添加してもよい。 クッション性層は上記したような樹脂を必要に応じて
他の添加剤と共に溶剤・希釈剤等と混練して塗料もしく
はインキとし、公知の塗布方法もしくは印刷方法により
塗膜として乾燥させることにより形成でき、その厚みは
0.5〜50μm、より好ましくは2〜20μm程度である。
厚みが0.5μmでは設けたシート状基材の表面の粗さを
吸収しきれず、従って効果がなく、逆に50μmを超える
と、効果の向上が見られないばかりか、受容層部が厚く
なりすぎて突出し、巻き取ったり、重ねたりする際の支
障となるし、又、経済的でない。 このような中間層を形成すると熱転写シートと被熱転
写シートとの密着性が向上するのは、中間層自体が剛性
が低いために印字の際の圧力により変形するためと考え
られるが、更に、前記したような樹脂は通常ガラス転移
点や軟化点が低く、印字の際に与えられる熱エネルギー
により、常温におけるよりも更に剛性が低下して変形し
やすくなることも寄与しているものと推定される。 多孔層3は1)ポリウレタン等の合成樹脂エマルジョ
ン、メチルメタクリレート−ブタジエン系等の合成ゴム
ラテックスを機械的撹拌により気泡させた液を基材2上
に塗布し乾燥させた層、2)上記合成樹脂エマルジョ
ン、上記合成ゴムラテックスに発泡剤を混合させた液を
基材2上に塗布し乾燥させた層、3)塩ビプラスチゾ
ル、ポリウレタン等の合成樹脂又はスチレン−ブタジエ
ン系等の合成ゴムに発泡剤を混合した液を基材2上に塗
布し加熱することにより発泡させた層、4)熱可塑性樹
脂又は合成ゴムを有機溶媒に溶解した溶液と、該有機溶
媒に比べ蒸発しにくく該有機溶媒に対し相溶性を有し且
つ熱可塑性樹脂又は合成ゴムに対して溶解性を有しない
非溶媒(水を主成分とするものも含む)との混合液を、
基材2上に塗布し乾燥させることによりミクロ状に凝集
した膜を形成してなるミクロポーラス層等が用いられ
る。上記1)〜3)の層は気泡の大きさが大きいため、
該層上に受容層3の形成用溶液を塗布し乾燥させた場
合、乾燥させて形成された受像層3の表面に凹凸が生じ
る虞れがある。そのため上記凹凸が小さくまた均一性の
高い画像を転写せしめることが可能な受容層3の表面を
得るためには、多孔層として、上記4)のミクロポーラ
ス層を設けることが好ましい。 上記ミクロポーラス層の形成に当たって用いられる熱
可塑性樹脂としては、飽和ポリエステル、ポリウレタ
ン、塩化ビニル酢酸ビニル共重合体、セルロースアセト
プロピオネート等が挙げられ、また同様に用いられる上
記合成ゴムとしては、スチレン−ブタジエン系、イソプ
レン系、ウレタン系等が挙げられる。また該ミクロポー
ラス層の形成に当たって用いられる有機溶媒及び非溶媒
としては種々のものが可能であるが、通常、有機溶媒と
してメチルエチルケトン、アルコール等の親水性溶媒が
用いられ、また、非溶媒として水が用いられる。 本発明における多孔層の厚みは、3μm以上のものが
好ましく、特に5〜20μm厚のものが好ましい。多孔層
の厚みが3μm未満のものは、クッション性、断熱性の
効果が発揮されない。 説明が前後したが、中間層が接着剤を兼ねる場合もあ
ることは受容層の形成法の説明において述べた通りであ
る。 上記の中間層は被熱転写シートの両面に設けてもよい
し、一方の面のみに設けてもよい。 被熱転写シートの加工工程中又はプリンター内での走
行時に静電気の発生を抑えるために、少くとも一方の面
の受容層中又は受容層の表面に帯電防止剤を含有させる
こともできる。帯電防止剤としては界面活性剤たとえば
陽イオン型界面活性剤(たとえば第4級アンモニウム
塩、ポリアミン誘導体等)、陰イオン型界面活性剤(た
とえばアルキルホスフェート等)、両性イオン型界面活
性剤もしくは非イオン型界面活性剤が挙げられる。 帯電防止剤は、グラビアコーティング,バーコーティ
ング等により受容層表面に塗布形成してもよく、受容層
樹脂中に練り込んで受容層塗工・乾燥時に受容層表面に
移行させてもよい。受容層樹脂と混合する帯電防止剤と
して、カチオン型のアクリルポリマーを用いるこのもで
きる。 本発明の被熱転写シートは両面に熱転写シートを用い
て印字することが可能であるが、いずれか一方の面もし
くは両方の面に、少くとも一部に他の方法で記録できる
ようにしてもよい。代表的なものは水性ペンや鉛筆等に
よる筆記性層を設けることである。筆記性層は、受容層
を部分的に設けないことによりシート状基材表面をその
まま利用してもよいが、体質顔料を含有する樹脂層を受
容層とならべるか、受容層の上に設けることにより形成
してもよい。 〔発明の作用・効果〕 本発明の被熱転写シートは以上に説明したように両面
に受容層を有しているので、両面に同時に、もしくは片
面ずつ逐次に画像を形成することができるから、シート
の節約ができる上、互いに関連する内容(例えば写真と
その説明、絵葉書における絵と宛先・差出人の表示、ID
カードにおける表裏の記載事項や顔写真を1枚のシート
の表裏に形成できる利点を有している。 さらに、本発明の被熱転写シートは受容層を非ブロッ
キング性とするために被熱転写シートを巻き取ったり、
あるいは重ねた状態で高温や高湿の条件下で保存しても
ブロッキングすることがない利点を有している。 (実施例) 参考例1 (熱転写シートの準備) 厚さ6μのポリエチレンテレフタレートフィルム上
に、下記組成からなる耐熱スリップ層形成用インキ組成
物を調製してワイヤーバーNo.6で塗布し、温風乾燥し
た。 耐熱スリップ層形成用インキ組成物 ポリビニルブチラール樹脂 (エスレックBX−1) 4.5重量部 トルエン 45 重量部 メチルエチルケトン 45.5重量部 リン酸エステル 0.45重量部 (第一工業製薬製:プライサーフA−208S) ジイソシアネート「タケネートD−110N」75%酢酸エ
チル溶液 2重量部 上記フィルムを60℃で12時間、オーブン中で加熱して
硬化処理した。乾燥後のインキ塗布量は、約1.2g/m2で
あった。次いで、上記フィルムの耐熱スリップ層とは反
対側の面に、下記の組成の感熱昇華熱転層形成用インキ
組成物を調製し、ワイヤーバーNo.10により塗布(塗布
量約1.2g/m2)し、温風乾燥して転写層を形成し、熱転
写シートを得た。 感熱昇華転写層形成用インキ組成物 分散染料 4重量部 (日本化薬製:カヤセットブルー714) ポリビニルブチラール樹脂 4.3重量部 (エスレックBX−1) トルエン 40重量部 メチルエチルケトン 40重量部 イソブタノール 10重量部 (被熱転写シートの準備) 合成紙(厚さ150μ,王子油化合成紙製:ユポFPG)の
両面に、プライマーとして塩素化ポリプロピレン樹脂の
酢酸エチル溶液を塗布、乾燥し(乾燥後塗布量0.25g/
m2)、更に両面に、下記の受容層形成用組成物(A)を
ワイヤーバーを用いて塗布、乾燥させ乾燥時塗布層7g/m
2の受容層(a)を設けた。 受容層形成用組成物(A) ポリエステル樹脂 10重量部 (東洋紡製 バイロン200) アミノ変性シリコーン 0.5 〃 (信越化学製 KF−393) エポキシ変性シリコーン 0.5 〃 (信越化学 X−22−343) 溶 剤 89 〃 (トルエン/メチルエチルケトン=1/1) 上記した熱転写シートおよび被熱転写シートを用いて
印字したところ、被熱転写シートの両面に画像形成を行
うことができた。 実施例1 参考例1で用いたのと同じ合成紙の片面に参考例1に
おけるのと同じ材料を用いてプライマーおよび受容層
(a)を形成した。 次いで、他の面には下記の受容層形成用組成物(B)
をワイヤーバーを用いて塗布、乾燥させ、乾燥後塗布量
5g/m2の受容層(b)を設けた。 受容層形成用組成物(B) ポリスチレン樹脂 10重量部 (電気化学製 MT−2) アミノ変性シリコーン 0.5重量部 (信越化学工業製 KF−393) エポキシ変性シリコーン 0.5重量部 (信越化学工業製 X−22−343) 溶剤 89重量部 (トルエン/メチルエチルケトン=1/1) 上記で得られた被熱転写シートどうしを一方のシート
の表側と他方のシートの裏側とを互いに接するように重
ね合わせ、温度50℃の環境で2kg/cm2の荷重をかけて10
日間放置してブロッキング性を調べたが、ブロッキング
することなく良好であった。 放置後の被熱転写シートの受容層(a)上に、参考例
1で用いたのと同じ熱転写シートの転写層を向かい合わ
せて、感熱転写プリンターで熱転写シートの背面側から
サーマルヘッドにより最高画像濃度が得られるように加
熱して画像形成を行ない、次に受容層(b)に同様にし
て画像形成を行なった。両面の画像とも鮮明度良好で、
中間調のザラツキもなかった。 なお、参考例1の被熱転写シートを上記と同じ条件で
放置しブロッキング性を調べたが、実施例1の被熱転写
シートにくらべ、ブロッキングしやすく、受容層面が粗
くなり、転写により形成された画像の鮮明さが実施例1
にくらべて低く、中間調のザラツキが認められた。 実施例2 コート紙(厚さ65μ)の両面にポリウレタンイソシア
ネート系接着剤で合成紙(厚さ60μ、王子油化合成紙
製、ユポFPG)を貼合わせ、一方の面には実施例1の受
容層(b)を設け、反対面に下記組成の受容層形成用組
成物(C)をワイヤーバーを用いて塗布乾燥させ、乾燥
時塗布量5g/m2の受容層(c)を設け、両面印字可能な
被熱転写シートを得た。 受容層形成用組成物(C) 塩化ビニル−酢酸ビニル 10重量部 (ユニオンカーバイド社製、ビニライトVYHH) アミノ変性シリコーン 0.5 〃 (信越化学工業製、KF−393) エポキシ変性シリコーン 0.5 〃 (信越化学工業製、X−22−343) 炭酸カルシウム 3 〃 溶 剤 89 〃 (トルエン/メチルエチルケトン=1/1) 実施例1と同様にして荷重をかけて放置しブロッキン
グ性を調べたがブロッキングすることなく良好であり、
その後、実施例1と同様にして受容層(b)面と受容層
(c)面とに画像を形成したところ両面の画像とも鮮明
度良好で、中間調のザラツキもなかった。 実施例3 片面は参考例1と同様にして受容層(a)を設けた合
成紙の反対面に、次の組成の受容層形成用組成物(E)
をワイヤーバーを用いて塗布・乾燥させ、乾燥時塗布量
6g/m2の受容層(e)を設け、両面印字可能で且つ静電
気の発生の少ない両面受容紙を得た。 受容層形成用組成物(E) メタクリル酸エステル樹脂 7重量部 (三菱レーヨン製、BR−85) 導電性樹脂 3 〃 (ハマノ工業製、ハマコートES387) アミノ変性シリコーン 0.5重量部 (信越化学工業製、KF−393) エポキシ変性シリコーン 0.5 〃 (信越化学工業製、X−22−343) 溶 剤 89 〃 参考例1と同様の条件で荷重をかけて放置し、ブロッ
キング性を調べたがブロッキングせず良好であり、その
後、両面の受容層面に画像を形成したところ、受容層
(a)の方が受容層(e)にくらべ若干画像濃度が高か
った以外は、両面の画像とも鮮明度良好で、中間調のザ
ラツキもなかった。
面に画像を形成することが可能な被熱転写シートに関す
る。 〔従来の技術〕 昇華性の分散染料等を含有する染料層を有する熱転写
シートを、サーマルヘッド等により、画像信号に応じて
点状に加熱し、樹脂塗工紙の表面に移行した染料からな
る画像を形成する試みが行われている。しかし、通常の
試みにおいては樹脂塗工紙は、紙の片面に染料を受容す
る性質のある樹脂を塗工したものであって、非塗工面へ
の画像形成はできなかった。 〔発明が解決しようとする問題点〕 本発明においては、従来の樹脂塗工紙の欠点を解消す
ることを目的とし、両面に画像形成の可能な被熱転写シ
ートを提供することを目的としている。 〔問題点を解消するための手段〕 本発明の被熱転写シートは、 『熱により溶融もしくは昇華して移行する染料を含有す
る染料層を有する熱転写シートと組み合せて使用され、
シート状基材の両面に前記転写シートより移行する染料
を受容する、固形ワックス類、界面活性剤、シリコーン
オイルから選ばれた離型剤が含有されている受容層を有
していること』 を特徴とするものである。 図面は本発明の被熱転写シートの実施態様を示してお
り、第1図に示す被熱転写シート1はシート状基材2の
両面に受容層3、3をそれぞれ有している。又、第2図
に示す被熱転写シート1は第1図に示す構造に加えて両
面の受容層3、3とシート状基材2との間に、中間層
4、4をそれぞれ有している。 (シート状基材) シート状基材2としては、合成紙(ポリオレフィン
系、ポリスチレン系など)、上質紙、アート紙、コー
ト紙、キャストコート紙、壁紙、裏打用紙、合成樹脂又
はエマルジョン含浸紙、合成ゴムラテックス含浸紙、合
成樹脂内添紙、板紙等、セルロース繊維紙、ポリオレ
フィン、ポリ塩化ビニル、ポリエチレンテレフタレー
ト、ポリスチレン、メタクリレート、ポリカーボネート
等の各種のプラスチックのフィルムもしくはシートが使
用できる。このうちの合成紙はその表面に、熱伝導率
の低い(換言すれば断熱性の高い)ミクロヴォイド層を
有しているので好ましい。又、上記〜の任意の組み
合わせによる積層体も使用できる。代表的な積層体の例
として、セルロース繊維紙と合成紙、あるいは、セルロ
ース繊維紙とプラスチックフィルムもしくはシートとの
積層体が挙げられる。このうちセルロース繊維紙と合成
紙との積層体は、合成紙が有する熱的な不安定さ(伸縮
など)をセルロース繊維紙が補ない、合成紙が有する低
熱伝導率による印字熱感度の高さを発揮できてよい、
又、この組み合わせにおいて積層体表裏のバランスをと
るため、合成紙〜セルロース繊維紙〜合成紙の三層積層
体を用いるのがよく、印字によるカーソルを少なくでき
る。 上記のような積層体に用いる合成紙としては、通常被
熱転写シートの合成紙基材として用いうる合成紙であれ
ばいかなるものをも使用できるが、特に微細空孔を含有
する紙状層を設けた合成紙(例えば、市販品の合成紙ユ
ポ:王子油化合成紙製)が望ましい。上記紙状層におけ
る微細空孔は、例えば、合成樹脂を微細充填剤含有状態
で延伸することにより形成することができる。上記微細
空孔を含有する紙状層を設けた合成紙を用いて構成した
被熱転写シートは、熱転写により画像を形成した場合、
画像濃度が高く、画像のバラツキも生じないという効果
がある。 これは、微細空孔により断熱効果があり、熱エネルギ
ー効率が良いことと、微細空孔によるクッション性の良
さが、上記合成紙上に設けられ、画像が形成される受容
層に寄与するものと思われる。又、上記微細空孔を含有
する紙状層を直接、セルロース紙繊維などの芯材の表面
に設けることも可能である。 上記積層体におけるセルロース繊維紙以外にプラスチ
ックフィルムを使用することもでき、更に、上記セルロ
ース繊維紙とプラスチックフィルムとをラミネートした
ものも使用することができる。 合成紙とセルロース繊維紙との貼着方法としては、例
えば、従来公知の接着剤を用いた貼着、押出ラミネート
法を用いた貼着、熱接着による貼着等が挙げられ、また
合成紙とプラスチックフィルムとの貼着方法としてはプ
ラスチックフィルムの形成を同時に兼ねたラミネート
法、カレンダー法等による貼着等が挙げられる。上記貼
着手段は合成紙と貼着するものの材質等に応じて適宜選
択される。上記接着剤の具体例としては、エチレン−酢
酸ビニル共重合体、ポリ酢酸ビニル等のエマルジョン接
着剤、カルボキシル基を含むポリエステル等の水溶性接
着剤等が挙げられ、またラミネート用の接着剤として
は、ポリウレタン系、アクリル系等の有機溶剤溶液タイ
プ等の接着剤が挙げられる。 (受容層) 受容層3を構成する材質は、熱転写シートから移行す
る染料、例えば昇華性の分散染料を受容し、受容により
形成された画像を維持するためのものである。例えば、
下記(イ)〜(ホ)の合成樹脂が単独もしくは2種以上
の混合により使用できる。 (イ)エステル結合を有するもの。 ポリエステル樹脂。ポリアクリル酸エステル樹脂、ポ
リカーボネート樹脂、ポリ酢酸ビニル樹脂、スチレンア
クリレート樹脂、ビニルトルエンアクリレート樹脂等。 (ロ)ウレタン結合を有するもの。 ポリウレタン樹脂等。 (ハ)アミド結合を有するもの。 ポリアミド樹脂(ナイロン)。 (ニ)尿素結合を有するもの。 尿素樹脂等。 (ホ)その他極性の高い結合を有するもの。 ポリカプロラクトン樹脂、ポリスチレン系樹脂、ポリ
塩化ビニル樹脂、ポリアクリロニトリル樹脂等。 あるいは受容層3は飽和ポリエステルと塩化ビニル−
酢酸ビニル共重合体との混合樹脂により構成される。飽
和ポリエステルとしては例えばバイロン200、バイロン2
90、バイロン600等(以上、東洋紡製)、KA−1038C(荒
川化学製)、TP220、TP235(以上、日本合成製)等が用
いられる。塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体は塩化ビニ
ル成分含有率85〜97wt%で、重合度200〜800程度のもの
が好ましい。塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体は必ずし
も塩化ビニル成分と酢酸ビニル成分のみの共重合体であ
る場合に限らず、本発明の目的を妨げない範囲のビニル
アルコール成分、マレイン酸成分等を含むものであって
も良い。 受容層はまた、ポリスチレン系の樹脂により構成され
てもよく、例えば、スチレン系モノマー、例えば、スチ
レン、α−メチルスチレン、ビニルトルエンの単独もし
くは共重合体からなるポリスチレン系樹脂、或いは、前
記スチレン系モノマーと他のモノマー、例えば、アクリ
ル酸エステル、メタクリル酸エステル、アクリロニトリ
ル、メタクリロニトリル等のアクリルもしくはメタクリ
ル系モノマーもしくは無水マレイン酸との共重合体であ
るスチレン系共重合体樹脂が挙げられる。 ところで、染料染着性の高い上記の合成樹脂は、一般
的にはガラス転移点が低く、このような合成樹脂で構成
した受容層を有する被熱転写シートどうしを重ねると、
高温や高湿下では互いにブロッキング(表面の粘着性に
より接着し、剥れなくなるか、剥れても剥した跡が生じ
ること)することが多い。 被熱転写シートに若しも表裏の区別があり、且つ、常
に同じ向きに重ねられるとすれば、いずれか一方の面を
非ブロッキング性にしておくか、あるいは、接触し合う
表と裏の面を互いに非ブロッキング性にしておくとよ
い。 しかし、表と裏の区別がなく、あるいは区別があって
も常に同じ向きに重ねられるのと保証がないときは、両
面とも非ブロッキング性にしておく必要がある。 一方の面の受容層自体もしくは両方の面の受容層自体
を非ブロッキング性にするには、次のイ〜ハの方法があ
る。 イ受容層を構成する樹脂自体をブロッキング温度の高い
ものから選択する方法。具体的にはガラス転移点の高い
樹脂を用いるか、セルロース系樹脂(ニトロセルロース
樹脂など)のようなブロッキングしにくい樹脂を、染料
染着性の高い樹脂と混合して用いる方法である。ガラス
転移点の高い樹脂を用いるときは印字しにくくなるの
で、サーマルヘッドからの熱を多くするか、あるいは被
熱転写シートを印字に先立って加熱しておくことが望ま
れる。 ロ染料染着性の高い樹脂中に、体質顔料を含有させる方
法。この方法では、体質顔料を、例えば、微粉末シリ
カ、アルミナ、カオリン、クレー、炭酸カルシウム、二
酸化チタン、硫酸バリウム、酸化亜鉛を樹脂中に分散さ
せる。この方法では使用する体質顔料にもよるが、受容
層の白色度が向上して好ましい。白色度の向上について
は後述する。 ハ染料染着性の高い樹脂中に離型剤を含有させる方法。
この方法では樹脂と離型剤を混合溶解し塗工乾燥させて
受容層を形成する。或いは離型剤を、既に形成した離型
剤を含まない樹脂層上から適用してもよい。このハの方
法では、前記したとおり、離型剤が印字の際の熱転写シ
ートと被熱転写シートとの間の離型効果をも発揮する。
離型剤については後述する。 上記イ〜ハの非ブロッキング性にする方法とは別に、
一方の面の受容層を構成する樹脂と他方の面の受容層を
構成する樹脂とを異なる樹脂とすることにより、被熱転
写シートどうしが重なって、上側になった方のシートの
裏面の受容層と下側になった方のシートの表面の受容層
とが接触してもブロッキングが生じないようにする方法
がある。本明細書では、このように異なる樹脂どうしが
接触してブロッキングしない場合は、それぞれの樹脂は
ブロッキングしやすいときであっても、「互いに非ブロ
ッキング性である」と言うことにする。 具体的な樹脂の組み合わせとしては、前記した受容層
を構成する合成樹脂のうちから、任意に2種の樹脂を選
び、それらを一方の面と他方の面の受容層を構成する目
的で別々に使用すればよい。又、2種ではなく、3種も
しくはそれ以上を選んで、適宜に分けて使用してもよ
い。例えば樹脂A、樹脂B、樹脂Cを選んでAとBを一
方の面に、Cを他方の面に使用する。このように複数の
樹脂を混合して使用するときは、一方の樹脂がブロッキ
ング性が低いものであれば、その樹脂を両面に使用する
こともできる。例えば、上記の例で樹脂Cがブロッキン
グ性が低いときは一方の面の受容層をAとC、他方の面
の受容層をBとCで構成する。 発明者の研究によれば、上記のような組み合わせは多
数にのぼるが、染料染着性を重視するときは次のような
組み合わせが推奨できる。 1.飽和ポリエステル樹脂とポリスチレン樹脂 2.飽和ポリエステル樹脂とポリメタクリレート樹脂 3.飽和ポリエステル樹脂とポリアクリレート樹脂 4.ポリスチレン樹脂とポリメタクリレート樹脂 5.ポリスチレン樹脂とポリアクリレート樹脂 6.ポリスチレン樹脂と塩化ビニル/酢酸ビニル共重合体
樹脂 7.ポリスチレン樹脂と共重合体樹脂を含みうるポリ酢酸
ビニル樹脂 8.ポリメタクリレート樹脂と塩化ビニル/酢酸ビニル共
重合体樹脂 9.ポリアクリレート樹脂と塩化ビニル/酢酸ビニル共重
合体樹脂 上記いずれの態様においても、受容層3の白色度を向
上して転写画像の鮮明度を更に高めるとともに被熱転写
シート表面に筆記性を付与し、かつ転写された画像の再
転写を防止する目的で受容層3中に白色顔料を添加する
ことができる。白色顔料としては、酸化チタン、酸化亜
鉛、カオリンクレー、炭酸カルシウム、微粉末シリカ等
が用いられ、これらは2種以上混合して用いることがで
きる。ことは前述した通りである。また転写画像の耐光
性を更に高めるために、受像層中に紫外線吸収剤および
/または光安定化剤を添加することができる。これら紫
外線吸収剤、光安定化剤の添加量は受像層3を構成する
樹脂100重量部に対しそれぞれ0.05〜10重量部、0.5〜3
重量部が好ましい。 本発明の被熱転写シートは、熱転写シートとの離型性
を向上せしめるために受容層中に離型剤を含有せしめ
る。離型剤としてはポリエチレンワックス、アミドワッ
クス、テフロンパウダー等の固型ワックス類;弗素系、
燐酸エステル系の界面活性剤;シリコーンオイル等が挙
げられるがシリコーンオイルが好ましい。 上記シリコーンオイルとしては油状のものも用いるこ
とができるが、硬化型のものが好ましい。硬化型のシリ
コーンオイルとしては、反応硬化型、光硬化型、触媒硬
化型等が挙げられるが、反応硬化貸のシリコーンオイル
が特に好ましい。反応硬化型シリコーンオイルとして
は、アミノ変性シリコーンオイルとエポキシ変性シリコ
ーンオイルとを反応硬化させたものが好ましく、アミノ
変性シリコーンオイルとしてはKF−393、KF−857、KF−
858、X−22−3680、X−22−3801C(以上、信越化学工
業(株)製)等が挙げられ、エポキシ変性シリコーンオ
イルとしてはKF−100T、KF−101、KF−60−164、KF−10
3(以上、信越化学工業(株)製)等が挙げられる。ま
た触媒硬化型あるいは光硬化型シリコーンオイルとして
はKS−705F、KS−770(以上、触媒硬化型シリコーンオ
イル:信越化学工業(株)製)、KS−720、KS−774(以
上、光硬化型シリコーンオイル:信越化学工業(株)
製)等が挙げられる。これら硬化型シリコーンオイルの
添加量は受像層を構成する樹脂の0.5〜30wt%が好まし
い。また受容層3の表面の一部に。上記離型剤を適当な
溶媒に溶解あるいは分散させて塗布した後、乾燥させる
等によって離型剤層を設けることもできる。離型剤層を
構成する離型剤としては前記したアミノ変性シリコーン
オイルとエポキシ変性シリコーンオイルとの反応硬化物
が特に好ましい。離型剤層の厚さは0.01〜5μm、特に
0.05〜2μmが好ましい。 なお、受容層を形成する際にシリコーンオイルを添加
して形成すると、塗布後、シリコーンオイルが表面にブ
リードしてくるので、ブリードさせた後に硬化させても
離型剤層を形成することができる。 以上の白色顔料、紫外線吸収剤、光安定化剤、離型剤
は必要に応じ、一方の面もしくは両方の面の受容層に含
ませるか適用することができる。 受容層3の形成は、シート状基材2上に、受容層を形
成する材料を溶解ないし分散して得られる受像層形成用
組成物を使用して、公知の塗布もしくは印刷方法により
行なう他に、カード基材2とは別の一時的キャリヤー上
に一旦形成した後に、改めて、シート状基材2上に転写
する方法により行ってもよい。 一時的キャリヤーとしては、表面が離型性のシートを
用いる。例えば、セルロース繊維紙や合成紙などの表
面にアンダーコート層を施した後に離型用シリコーン層
を施したもの、セルロース繊維紙の表面にポリオレフ
ィン系樹脂もしくはポリエステル樹脂をエクストルージ
ョンコーティングしたもの、又は、ポリエステルフィ
ルムなどのプラスチックフィルムの表面に離型用シリコ
ーン層を施したもの、等である。 一時的キャリヤー上には、シート状基材2上に行なう
のと同様にして受像層を形成した後、必要により、接着
剤層を形成する。この接着剤層は、シート状基材2上に
受像層を転写させるときに、シート状基材2と受容層3
との間の接着力を確保するためのものである。この方法
では、更に他の層、例えばクッション性等を付与する中
間層を一時的キャリヤー上に形成しておき、シート状基
材2上に中間層と受容層とを一度に転写するようにして
もよい。中間層が接着剤を兼ねているときは接着剤層を
一時的キャリヤー上に形成しなくてもよい。なお、いず
れの場合においても、接着剤層はシート状基材と、一時
的キャリヤー上の最上層との間に介在すればよいから、
接着剤層をシート状基剤2上に形成しておき、一時的キ
ャリヤー上には受容層のみ、あるいは受像層と中間層を
順に形成しておいて転写してもよい。 受容層3を、一時的キャリヤー上に一旦形成して転写
法により、シート状基材2上に形成する方法を採用する
と、シート状基材2上に形成された受容層の表面は、一
時的キャリヤーの表面の状態が転写されているために平
滑性が非常にすぐれており、シート状基材2上に直接に
形成した受容層は、転写法によるものとくらべると平滑
性が劣っており、より鮮明で精緻な画像を得たいとき
は、転写法を採用するのがよい。 接着剤としては受容層と基材とを接着できるものであ
れば良く、ポリエステル系、ポリアクリル酸エステル
系、ポリウレタン系、ポリ塩化ビニル系、ポリオレフィ
ン系、エチレン−酢ビ共重合体、合成ゴム系等の有機溶
剤溶液又は、エマルジョンが使用できる。接着剤は熱接
着タイプでも、常温粘着タイプでもよい。熱接着タイプ
の場合には、ワックス、エチレン/酢酸ビニル共重合体
樹脂、ポリオレフィン、石油系樹脂などのホットメルト
タイプの接着剤による熱接着、或はポリオレフィンフィ
ルム等エクストルージョンフィルムによるサンドイッチ
ラミネーションでもよい。 中間層を兼ねる接着剤として両面テープを用いてもよ
い。両面テープはレーヨンペーパーにアクリル系粘着剤
などを含浸乾燥したもので、乾燥後の両面テープには微
細空孔が出来ており発泡層と等価の役割を果すものと思
われる。 (中間層) 中間層4は、構成する材質により、クッション性層、
多孔層のいずれかであり、或いは場合によっては接着剤
の役目を兼ねている。 クッション性層はJIS−K−6301に規定される100%モ
ジュラスが100kg/cm2以下である樹脂を主とするもので
あり、ここで前記100%モジュラスが100kg/cm2を超える
と、剛性が高すぎるためにこのような樹脂を用いて中間
層を形成しても熱転写シートと被熱転写層の印字の際の
充分な密着性は保たれない。又、前記100%モジュラス
の下限は実際上、0.5kg/cm2程度である。 上記の条件に合致する樹脂としては次のようなものが
挙げられる。 ポリウレタン樹脂 ポリエステル樹脂 ポリブダジエン樹脂 ポリアクリル酸エステル樹脂 エポキシ樹脂 ポリアミド樹脂 ロジン変性フェノール樹脂 テルペンフェノール樹脂 エチレン/酢酸ビニル共重合体樹脂 上記の樹脂は、1種もしくは2種以上混合して使用す
ることができるが、上記の樹脂は比較的、粘着性を有し
ているので、加工中に支障があるときは無機質の添加
剤、例えば、シリカ、アルミナ、クレー、炭酸カルシウ
ムなど、或いは、ステアリン酸アミド等のアミド系物質
を添加してもよい。 クッション性層は上記したような樹脂を必要に応じて
他の添加剤と共に溶剤・希釈剤等と混練して塗料もしく
はインキとし、公知の塗布方法もしくは印刷方法により
塗膜として乾燥させることにより形成でき、その厚みは
0.5〜50μm、より好ましくは2〜20μm程度である。
厚みが0.5μmでは設けたシート状基材の表面の粗さを
吸収しきれず、従って効果がなく、逆に50μmを超える
と、効果の向上が見られないばかりか、受容層部が厚く
なりすぎて突出し、巻き取ったり、重ねたりする際の支
障となるし、又、経済的でない。 このような中間層を形成すると熱転写シートと被熱転
写シートとの密着性が向上するのは、中間層自体が剛性
が低いために印字の際の圧力により変形するためと考え
られるが、更に、前記したような樹脂は通常ガラス転移
点や軟化点が低く、印字の際に与えられる熱エネルギー
により、常温におけるよりも更に剛性が低下して変形し
やすくなることも寄与しているものと推定される。 多孔層3は1)ポリウレタン等の合成樹脂エマルジョ
ン、メチルメタクリレート−ブタジエン系等の合成ゴム
ラテックスを機械的撹拌により気泡させた液を基材2上
に塗布し乾燥させた層、2)上記合成樹脂エマルジョ
ン、上記合成ゴムラテックスに発泡剤を混合させた液を
基材2上に塗布し乾燥させた層、3)塩ビプラスチゾ
ル、ポリウレタン等の合成樹脂又はスチレン−ブタジエ
ン系等の合成ゴムに発泡剤を混合した液を基材2上に塗
布し加熱することにより発泡させた層、4)熱可塑性樹
脂又は合成ゴムを有機溶媒に溶解した溶液と、該有機溶
媒に比べ蒸発しにくく該有機溶媒に対し相溶性を有し且
つ熱可塑性樹脂又は合成ゴムに対して溶解性を有しない
非溶媒(水を主成分とするものも含む)との混合液を、
基材2上に塗布し乾燥させることによりミクロ状に凝集
した膜を形成してなるミクロポーラス層等が用いられ
る。上記1)〜3)の層は気泡の大きさが大きいため、
該層上に受容層3の形成用溶液を塗布し乾燥させた場
合、乾燥させて形成された受像層3の表面に凹凸が生じ
る虞れがある。そのため上記凹凸が小さくまた均一性の
高い画像を転写せしめることが可能な受容層3の表面を
得るためには、多孔層として、上記4)のミクロポーラ
ス層を設けることが好ましい。 上記ミクロポーラス層の形成に当たって用いられる熱
可塑性樹脂としては、飽和ポリエステル、ポリウレタ
ン、塩化ビニル酢酸ビニル共重合体、セルロースアセト
プロピオネート等が挙げられ、また同様に用いられる上
記合成ゴムとしては、スチレン−ブタジエン系、イソプ
レン系、ウレタン系等が挙げられる。また該ミクロポー
ラス層の形成に当たって用いられる有機溶媒及び非溶媒
としては種々のものが可能であるが、通常、有機溶媒と
してメチルエチルケトン、アルコール等の親水性溶媒が
用いられ、また、非溶媒として水が用いられる。 本発明における多孔層の厚みは、3μm以上のものが
好ましく、特に5〜20μm厚のものが好ましい。多孔層
の厚みが3μm未満のものは、クッション性、断熱性の
効果が発揮されない。 説明が前後したが、中間層が接着剤を兼ねる場合もあ
ることは受容層の形成法の説明において述べた通りであ
る。 上記の中間層は被熱転写シートの両面に設けてもよい
し、一方の面のみに設けてもよい。 被熱転写シートの加工工程中又はプリンター内での走
行時に静電気の発生を抑えるために、少くとも一方の面
の受容層中又は受容層の表面に帯電防止剤を含有させる
こともできる。帯電防止剤としては界面活性剤たとえば
陽イオン型界面活性剤(たとえば第4級アンモニウム
塩、ポリアミン誘導体等)、陰イオン型界面活性剤(た
とえばアルキルホスフェート等)、両性イオン型界面活
性剤もしくは非イオン型界面活性剤が挙げられる。 帯電防止剤は、グラビアコーティング,バーコーティ
ング等により受容層表面に塗布形成してもよく、受容層
樹脂中に練り込んで受容層塗工・乾燥時に受容層表面に
移行させてもよい。受容層樹脂と混合する帯電防止剤と
して、カチオン型のアクリルポリマーを用いるこのもで
きる。 本発明の被熱転写シートは両面に熱転写シートを用い
て印字することが可能であるが、いずれか一方の面もし
くは両方の面に、少くとも一部に他の方法で記録できる
ようにしてもよい。代表的なものは水性ペンや鉛筆等に
よる筆記性層を設けることである。筆記性層は、受容層
を部分的に設けないことによりシート状基材表面をその
まま利用してもよいが、体質顔料を含有する樹脂層を受
容層とならべるか、受容層の上に設けることにより形成
してもよい。 〔発明の作用・効果〕 本発明の被熱転写シートは以上に説明したように両面
に受容層を有しているので、両面に同時に、もしくは片
面ずつ逐次に画像を形成することができるから、シート
の節約ができる上、互いに関連する内容(例えば写真と
その説明、絵葉書における絵と宛先・差出人の表示、ID
カードにおける表裏の記載事項や顔写真を1枚のシート
の表裏に形成できる利点を有している。 さらに、本発明の被熱転写シートは受容層を非ブロッ
キング性とするために被熱転写シートを巻き取ったり、
あるいは重ねた状態で高温や高湿の条件下で保存しても
ブロッキングすることがない利点を有している。 (実施例) 参考例1 (熱転写シートの準備) 厚さ6μのポリエチレンテレフタレートフィルム上
に、下記組成からなる耐熱スリップ層形成用インキ組成
物を調製してワイヤーバーNo.6で塗布し、温風乾燥し
た。 耐熱スリップ層形成用インキ組成物 ポリビニルブチラール樹脂 (エスレックBX−1) 4.5重量部 トルエン 45 重量部 メチルエチルケトン 45.5重量部 リン酸エステル 0.45重量部 (第一工業製薬製:プライサーフA−208S) ジイソシアネート「タケネートD−110N」75%酢酸エ
チル溶液 2重量部 上記フィルムを60℃で12時間、オーブン中で加熱して
硬化処理した。乾燥後のインキ塗布量は、約1.2g/m2で
あった。次いで、上記フィルムの耐熱スリップ層とは反
対側の面に、下記の組成の感熱昇華熱転層形成用インキ
組成物を調製し、ワイヤーバーNo.10により塗布(塗布
量約1.2g/m2)し、温風乾燥して転写層を形成し、熱転
写シートを得た。 感熱昇華転写層形成用インキ組成物 分散染料 4重量部 (日本化薬製:カヤセットブルー714) ポリビニルブチラール樹脂 4.3重量部 (エスレックBX−1) トルエン 40重量部 メチルエチルケトン 40重量部 イソブタノール 10重量部 (被熱転写シートの準備) 合成紙(厚さ150μ,王子油化合成紙製:ユポFPG)の
両面に、プライマーとして塩素化ポリプロピレン樹脂の
酢酸エチル溶液を塗布、乾燥し(乾燥後塗布量0.25g/
m2)、更に両面に、下記の受容層形成用組成物(A)を
ワイヤーバーを用いて塗布、乾燥させ乾燥時塗布層7g/m
2の受容層(a)を設けた。 受容層形成用組成物(A) ポリエステル樹脂 10重量部 (東洋紡製 バイロン200) アミノ変性シリコーン 0.5 〃 (信越化学製 KF−393) エポキシ変性シリコーン 0.5 〃 (信越化学 X−22−343) 溶 剤 89 〃 (トルエン/メチルエチルケトン=1/1) 上記した熱転写シートおよび被熱転写シートを用いて
印字したところ、被熱転写シートの両面に画像形成を行
うことができた。 実施例1 参考例1で用いたのと同じ合成紙の片面に参考例1に
おけるのと同じ材料を用いてプライマーおよび受容層
(a)を形成した。 次いで、他の面には下記の受容層形成用組成物(B)
をワイヤーバーを用いて塗布、乾燥させ、乾燥後塗布量
5g/m2の受容層(b)を設けた。 受容層形成用組成物(B) ポリスチレン樹脂 10重量部 (電気化学製 MT−2) アミノ変性シリコーン 0.5重量部 (信越化学工業製 KF−393) エポキシ変性シリコーン 0.5重量部 (信越化学工業製 X−22−343) 溶剤 89重量部 (トルエン/メチルエチルケトン=1/1) 上記で得られた被熱転写シートどうしを一方のシート
の表側と他方のシートの裏側とを互いに接するように重
ね合わせ、温度50℃の環境で2kg/cm2の荷重をかけて10
日間放置してブロッキング性を調べたが、ブロッキング
することなく良好であった。 放置後の被熱転写シートの受容層(a)上に、参考例
1で用いたのと同じ熱転写シートの転写層を向かい合わ
せて、感熱転写プリンターで熱転写シートの背面側から
サーマルヘッドにより最高画像濃度が得られるように加
熱して画像形成を行ない、次に受容層(b)に同様にし
て画像形成を行なった。両面の画像とも鮮明度良好で、
中間調のザラツキもなかった。 なお、参考例1の被熱転写シートを上記と同じ条件で
放置しブロッキング性を調べたが、実施例1の被熱転写
シートにくらべ、ブロッキングしやすく、受容層面が粗
くなり、転写により形成された画像の鮮明さが実施例1
にくらべて低く、中間調のザラツキが認められた。 実施例2 コート紙(厚さ65μ)の両面にポリウレタンイソシア
ネート系接着剤で合成紙(厚さ60μ、王子油化合成紙
製、ユポFPG)を貼合わせ、一方の面には実施例1の受
容層(b)を設け、反対面に下記組成の受容層形成用組
成物(C)をワイヤーバーを用いて塗布乾燥させ、乾燥
時塗布量5g/m2の受容層(c)を設け、両面印字可能な
被熱転写シートを得た。 受容層形成用組成物(C) 塩化ビニル−酢酸ビニル 10重量部 (ユニオンカーバイド社製、ビニライトVYHH) アミノ変性シリコーン 0.5 〃 (信越化学工業製、KF−393) エポキシ変性シリコーン 0.5 〃 (信越化学工業製、X−22−343) 炭酸カルシウム 3 〃 溶 剤 89 〃 (トルエン/メチルエチルケトン=1/1) 実施例1と同様にして荷重をかけて放置しブロッキン
グ性を調べたがブロッキングすることなく良好であり、
その後、実施例1と同様にして受容層(b)面と受容層
(c)面とに画像を形成したところ両面の画像とも鮮明
度良好で、中間調のザラツキもなかった。 実施例3 片面は参考例1と同様にして受容層(a)を設けた合
成紙の反対面に、次の組成の受容層形成用組成物(E)
をワイヤーバーを用いて塗布・乾燥させ、乾燥時塗布量
6g/m2の受容層(e)を設け、両面印字可能で且つ静電
気の発生の少ない両面受容紙を得た。 受容層形成用組成物(E) メタクリル酸エステル樹脂 7重量部 (三菱レーヨン製、BR−85) 導電性樹脂 3 〃 (ハマノ工業製、ハマコートES387) アミノ変性シリコーン 0.5重量部 (信越化学工業製、KF−393) エポキシ変性シリコーン 0.5 〃 (信越化学工業製、X−22−343) 溶 剤 89 〃 参考例1と同様の条件で荷重をかけて放置し、ブロッ
キング性を調べたがブロッキングせず良好であり、その
後、両面の受容層面に画像を形成したところ、受容層
(a)の方が受容層(e)にくらべ若干画像濃度が高か
った以外は、両面の画像とも鮮明度良好で、中間調のザ
ラツキもなかった。
【図面の簡単な説明】
第1図および第2図は本発明の被熱転写シートを示す断
面図である。 1……被熱転写シート 2……シート状基材 3……受容層 4……中間層
面図である。 1……被熱転写シート 2……シート状基材 3……受容層 4……中間層
Claims (1)
- (57)【特許請求の範囲】 1.熱により溶融もしくは昇華して移行する染料を含有
する染料層を有する熱転写シートと組み合わせて使用さ
れ、一方の面の受容層と他方の面の受容層とが、互いに
異なる樹脂で構成され、更に一方の面の受容層自体もし
くは両方の面の受容層自体を非ブロッキング性にするた
めに、少なくとも一方の受容層中に、微粉末シリカ、ア
ルミナ、カオリン、クレー、炭酸カルシウム、二酸化チ
タン、硫酸バリウム、酸化亜鉛から選択される体質顔
料、あるいは固形ワックス、界面活性剤、シリコーンオ
イルから選択される離型剤のうち少なくとも一つを含有
することを特徴とする被熱転写シート。 2.両面の受容層のうち少なくとも一方の面の受容層を
中間層を介してシート状基材上に有していることを特徴
とする特許請求の範囲第1項記載の被熱転写シート。 3.中間層がクッション性層であることを特徴とする特
許請求の範囲第2項記載の被熱転写シート。 4.中間層が多孔層であることを特徴とする特許請求の
範囲第2項記載の被熱転写シート。 5.中間層が接着剤を兼ねていることを特徴とする特許
請求の範囲第2項記載の被熱転写シート。 6.いずれか一方の受容層の少なくとも表面に帯電防止
剤を含有することを特徴とする特許請求の範囲第1項記
載の被熱転写シート。 7.少なくとも一方の受容層の一部に他の方法で記録で
きる記録層が形成されていることを特徴とする特許請求
の範囲第1項記載の被熱転写シート。 8.少なくとも一方の受容層の一部に他の方法で記録で
きる記録層が受容層を部分的に設けないことにより形成
されていることを特徴とする特許請求の範囲第7項記載
の被熱転写シート。 9.少なくとも一方の受容層の一部に他の方法で記録で
きる記録層が体質顔料を含有し、受容層とならべること
により形成されていることを特徴とする特許請求の範囲
第7項記載の被熱転写シート。 10.少なくとも一方の受容層の一部に他の方法で記録
できる記録層が体質顔料を含有し、受容層の上に形成さ
れていることを特徴とする特許請求の範囲第7項記載の
被熱転写シート。
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Cited By (1)
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- 1986-04-03 JP JP61077259A patent/JP2736411B2/ja not_active Expired - Lifetime
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