JP2853093B2 - ラベル用被熱転写シート - Google Patents
ラベル用被熱転写シートInfo
- Publication number
- JP2853093B2 JP2853093B2 JP8236619A JP23661996A JP2853093B2 JP 2853093 B2 JP2853093 B2 JP 2853093B2 JP 8236619 A JP8236619 A JP 8236619A JP 23661996 A JP23661996 A JP 23661996A JP 2853093 B2 JP2853093 B2 JP 2853093B2
- Authority
- JP
- Japan
- Prior art keywords
- sheet
- layer
- resin
- transfer sheet
- heat transfer
- Prior art date
- Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
- Expired - Fee Related
Links
Landscapes
- Thermal Transfer Or Thermal Recording In General (AREA)
- Laminated Bodies (AREA)
- Credit Cards Or The Like (AREA)
Description
【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、熱転写シートと組
み合わせて使用され、転写後、種々の物品に貼り付ける
ことが容易な被熱転写シートに関する。 【0002】 【従来の技術】昇華性の分散染料を含有する染料層を有
する熱転写シートを、サーマルヘッド等により、画像信
号に応じて点状に加熱し、樹脂塗工紙の表面に移行した
染料からなる画像を形成する試みが行われている。 【0003】しかし、従来の被熱転写シートでは、単な
る画像の形成やファクシミリ用途等においては、シート
上に記録ができるだけで用が足りるが、画像形成後、他
の物品に貼り付けるのには不便であった。 【0004】 【発明が解決しようとする課題】したがって、本発明に
おいては上記の従来技術における欠点を解消し、画像形
成後、他の物品に貼り付けることを容易にすることを目
的としている。 【0005】 【課題を解決するための手段】本発明においては、熱に
より昇華して移行する染料を含有する染料層を有する熱
転写シートと組み合わされて使用され、シート状基材の
一方の面に、膜厚が0.5μm〜50μmの中間層を介
して、充填剤を含有せず、固型ワックス類、界面活性剤
及びシリコーンオイルから選ばれた離型剤及び合成樹脂
からなり、前記転写シートより移行する染料を受容する
受容層が表面平滑な一時的キャリヤー上に一旦形成され
た後、転写法により前記中間層上に積層される共に該転
写された受容層表面は一時的キャリヤーの表面状態が転
写されてなるものであり、また、シート基材の他方の面
に粘着剤層を有し、該粘着剤層の表面に離型性シートが
貼り付けられ、受容層側から半抜き加工して、離型性シ
ートのみを残して打ち抜かれた被熱転写シートであっ
て、該離型性シートから剥離して他の物品に貼り付けた
際に、貼り付けたシートが高光沢度を有するものである
ことを特徴とするラベル用被熱転写シート。 【0006】を特徴とする構成とすることにより、上記
した従来技術における欠点を解消することができたもの
である。 【0007】 【発明の実施の形態】本発明の被熱転写シート1は、例
えば、図1に示すように、シート状基材2の上面に受容
層3を有し、下面に粘着剤層4を有している。 【0008】或いは図2に示すように、被熱転写シート
1はシート状基材2と受容層3との間に中間層5を有し
ており、中間層を設けることにより、画像形成時の表面
の断熱性やクッション性を向上させることができる。 【0009】図3は、図1に示した被熱転写シートの粘
着剤層に離型性シート6を貼り付けた状態を示し、この
ようにすると、被熱転写シートを重ねたり、巻き取った
りしても互いに接着して使用不能になることが防止でき
る。図には示さないが、図2の被熱転写シートについて
も同様に離型性シートを貼り付けることができる。 【0010】図4においては、図3に示したような離型
性シート付きの被熱転写シートを、受容層側から「半抜
き」加工して、離型性シートのみを残して打ち抜くこと
により、離型性シートを剥がすと、所定の形状、寸法の
ラベル状の被熱転写シートが得られるようにしてある。
なお、上記のように所定の形状の区域を多数形成してお
き、1枚ずつ剥がせるようにしてもよいが、所定の形状
の区域を間隔を開けて多数形成してもよいし、あるいは
1枚ずつのラベル状とすることもよい。また、上記のい
ずれの場合においても、受容層側から見えるように、あ
らかじめ、欄や枠、文字等の必要な印刷を施しておいて
もよい。 【0011】(シート状基材)シート状基材2として
は、合成紙(ポリオレフィン系、ポリスチレン系
等)、上質紙、アート紙、コート紙、キャストコート
紙、壁紙、裏打ち用紙、合成樹脂またはエマルジョン含
浸紙、合成ゴムラテックス含浸紙、合成樹脂内添紙、板
紙、もしくはセルロース繊維紙等の天然繊維紙、ポリ
オレフィン、ポリ塩化ビニル、ポリエチレンテレフタレ
ート、ポリスチレン、メタクリレート、ポリカーボネー
ト等の各種のプラスチックのフィルムもしくはシートが
使用できる。このうち、の合成紙は、その表面に熱伝
導率の低い(換言すれば断熱性の高い)ミクロヴォイド
層を有しているので好ましい。また、上記〜の任意
の組み合わせによる積層体も使用できる。代表的な積層
体の例として、セルロース繊維紙と合成紙、あるいはセ
ルロース繊維紙とプラスチックフィルムもしくはシート
との積層体が挙げられる。このうち、セルロース繊維紙
と合成紙との積層体は、合成紙が有する熱的な不安定さ
(伸縮など)をセルロース繊維紙が補い、合成紙が有す
る低熱伝導率による印字熱感度の高さを発揮できてよ
い。また、この組み合わせにおいて、積層体表裏のバラ
ンスをとるため、合成紙〜セルロース繊維紙〜合成紙の
三層積層体を用いるのがよく、印字によるカールを少な
くできる。 【0012】上記のような積層体に用いる合成紙として
は通常、被熱転写シートの基材として使用し得るもので
あれば如何なるものをも使用できるが、特に微細空孔を
有する紙状層を設けた合成紙(例えば、市販品の合成
紙;ユポ;王子油化合成紙製)が望ましい。上記の紙状
層における微細空孔は、例えば合成樹脂を微細充填剤含
有状態で延伸することにより形成することができる。上
記微細空孔を含有する紙状層を設けた合成紙を用いて構
成した被熱転写シートは、熱転写により画像を形成した
場合、画像濃度が高く、画像のバラツキも生じないとい
う効果がある。 【0013】これは、微細空孔により断熱効果があり、
熱エネルギー効率が良いことと、微細空孔によるクッシ
ョン性のよさが、上記合成紙上に設けられ、画像が形成
される受容層に寄与するものと思われる。また、上記微
細空孔を含有する紙状層を直接、セルロース繊維紙など
の芯材の表面に設けることも可能である。 【0014】上記積層体におけるセルロース繊維紙以外
にプラスチックフィルムを使用することもでき、さら
に、上記セルロース繊維紙とプラスチックフィルムとを
ラミネートしたものも使用することができる。 【0015】合成紙と、セルロース繊維紙との貼着方法
としては、例えば、従来公知の接着剤を用いた貼着、押
出ラミネート法を用いた貼着、熱接着による貼着が挙げ
られ、また、合成紙とプラスチックフィルムとの貼着方
法としてはプラスチックフィルムの形成を同時に兼ねた
ラミネート法、カレンダー法等による貼着等が挙げられ
る。上記貼着手段は合成紙と貼着するものの材質に応じ
て適宜選択される。上記接着剤の具体例としては、エチ
レン−酢酸ビニル共重合体、ポリ酢酸ビニル等のエマル
ジョン接着剤、カルボキシル基等を含むポリエステル等
の水溶性接着剤等が挙げられ、またラミネート用の接着
剤としては、ポリウレタン系、アクリル系等の有機溶剤
溶液タイプ等の接着剤が挙げられる。 【0016】(受容層)受容層3を構成する材質は、熱
転写シートから移行する染料、例えば昇華性の分散染料
の画像を受容(受像)し、受容により形成された画像を
維持するための層である。例えば、下記(a)〜(e)
の合成樹脂が単独もしくは2種以上の混合により使用で
きる。 【0017】(a)エステル結合を有するもの。 ポリエステル樹脂、ポリアクリル酸エステル樹脂、ポリ
カーボネート樹脂、ポリ酢酸ビニル樹脂、スチレンアク
リレート樹脂、ビニルトルエンアクリレート樹脂。 【0018】(b)ウレタン結合を有するもの。 ポリウレタン樹脂等。 【0019】(c)アミド結合を有するもの。 ポリアミド樹脂(ナイロン)。 【0020】(d)尿素結合を有するもの。 尿素樹脂等。 【0021】(e)その他極性の高い結合を有するも
の。 ポリカプロラクトン樹脂、ポリスチレン系樹脂、ポリ塩
化ビニル樹脂、ポリアクリロニトリル樹脂等。或いは、
受容層3は飽和ポリエステルと塩化ビニル/酢酸ビニル
共重合体との混合樹脂により構成される。飽和ポリエス
テルとしては例えばバイロン200、バイロン290、
バイロン600等(以上、東洋紡製)、KA−1038
C(荒川化学製)、TP220、TP235(以上、日
本合成製)等が用いられる。 【0022】塩化ビニル/酢酸ビニル共重合体樹脂は、
塩化ビニル成分含有率85〜97重量%で、重合度20
0〜800程度のものが好ましい。塩化ビニル/酢酸ビ
ニル共重合体樹脂は必ずしも塩化ビニル成分と酢酸ビニ
ル共重合体成分のみの共重合体である場合に限らず、ビ
ニルアルコール成分、マレイン酸成分等を含むものであ
ってもよい。 【0023】受容層3はまた、ポリスチレン系の樹脂に
より構成されていてもよく、例えば、スチレン系モノマ
ー、例えばスチレン、α−メチルスチレン、ビニルトル
エンの単独もしくは共重合体からなるポリスチレン系樹
脂、あるいは前記スチレン系モノマーと他のモノマー、
例えばアクリル酸エステル、メタクリル酸エステル、ア
クリロニトリル、メタクリロニトリル等のアクリルもし
くはメタクリル系モノマーもしくは無水マレイン酸との
共重合体であるスチレン系共重合体樹脂が挙げられる。 【0024】上記いずれの態様においても、受容層3は
実質的に合成樹脂のみからなっていることが望ましい。 【0025】というのは、合成樹脂に白色度、コーティ
ング適性等を改良する意図で充填剤を添加すると、受容
層の表面の光沢度が不充分であり、本発明におけるよう
に画像形成後、他の物品に貼り付ける際には、貼り付け
たシートは光沢が高い方が望ましいからである。 【0026】受容層中には、転写画像の耐光性を更に高
めるために、紫外線吸収剤、光安定剤、もしくは酸化防
止剤等の添加剤の1種もしくは2種以上を必要に応じ添
加することができる。これら紫外線吸収剤、光安定化剤
の添加量は受容層3を構成する樹脂100重量部に対し
て、それぞれ0.05〜10重量部、0.5〜3重量部
程度が好ましい。 【0027】(粘着剤層)本発明における粘着剤層4
は、画像形成後の被熱転写シートを他の物品に貼りつけ
るためのものである。 【0028】粘着剤としては、ポリアクリル酸エステル
系のもの、ゴム系のものが使用できる。これにより、画
像形成後、他の物品に貼り付けるのが容易であると共
に、画像品質が良好であり、印画後のカールや高・低湿
環境保存のカールに優れ、かつ、「半抜き」加工したと
きの刃への粘着剤付着がないので製造安定性に優れ、さ
らに被熱転写シートのシート端からの粘着剤のはみ出し
が少ないのでプリンター内での搬送不良や受容層表面へ
のゴミ・ほこりの付着による印画不良という不具合を回
避できるという効果を奏する。 【0029】被熱転写シートは重ねたり、巻き取ったり
する際に、粘着剤層により互いに接着する恐れがあるの
で、被熱転写シートの受容層側の最表面に離型剤層を設
けておくと、このような好ましくない接着が防止でき
る。あるいは粘着剤層にポリエチレンフィルム等の離型
性フィルムやシリコーン加工離型紙等の離型性シートを
貼り付けておくと同様に好ましくない接着が防止でき
る。 【0030】本発明の被熱転写シートは、熱転写シート
との離型性を向上せしめるために、受容層中に離型剤を
含有せしめることができる。離型剤としては、ポリエチ
レンワックス、アミドワックス、テフロンパウダー等の
固形ワックス類;弗素系、燐酸エステル系の界面活性
剤;シリコーンオイル等が挙げられるが、シリコーンオ
イルが好ましい。 【0031】上記シリコーンオイルとしては油状のもの
も用いることができるが、硬化型のものが好ましい。硬
化型のシリコーンオイルとしては、反応硬化型、光硬化
型、触媒硬化型等が挙げられるが、反応硬化型のシリコ
ーンオイルが特に好ましい。反応硬化型シリコーンオイ
ルとしては、アミノ変成シリコーンオイルとエポキシ変
成シリコーンオイルとを反応硬化させたものが好まし
く、アミノ変成シリコーンオイルとしては、KF−39
3、KF−857、KF−858、X−22−368
0、X−22−3801C(以上、信越化学工業(株)
製)等が挙げられ、エポキシ変成シリコーンオイルとし
ては、KF−100T、KF−101、KF−60−1
64、KF−103(以上、信越化学工業(株)製)等
が挙げられる。また、触媒硬化型あるいは光硬化型シリ
コーンオイルとしてはKS−705F、KS−770
(以上、触媒硬化型シリコーンオイル:信越化学工業
(株)製)、KS−720、KS−774(以上、光硬
化型シリコーンオイル:信越化学工業(株)製)等が挙
げられる。これら硬化型シリコーンオイルの添加量は受
像層を構成する樹脂の0.5〜30重量%が好ましい。
また、受容層3の表面の一部に上記離型剤を適当な溶媒
に溶解あるいは分散させて塗布した後、乾燥させる等に
よって離型剤を設けることもできる。離型剤を構成する
離型剤としては前記したアミノ変成シリコーンオイルと
エポキシ変成シリコーンオイルとの反応硬化物が特に好
ましい。離型剤層の厚さは0.01〜5μm、特に0.
05〜2μmが好ましい。 【0032】なお、受容層を形成する際にシリコーンオ
イルを添加して形成すると、塗布後、シリコーンオイル
が表面にブリードさせた後に硬化させても離型剤層を形
成することができる。 【0033】以上の紫外線吸収剤、光安定化剤、酸化防
止剤、離型剤は必要に応じ一方の面もしくは両方の面の
受容層に含ませるように適用することができる。 【0034】受容層3の形成は、シート状基材2上に、
受容層を形成する材料を溶解ないし分散して得られる受
容層形成用組成物を使用して、公知の塗布もしくは印刷
方法により行う他に、シート状基材2とは別の一時的キ
ャリヤー上に一旦形成した後に、改めてシート状基材2
上に転写する方法により行ってもよい。 【0035】一時的キャリヤーとしては、表面が離型性
のシートを用いる。例えば、セルロース繊維紙や合成
紙などの表面にアンダーコート層を施した後に離型用シ
リコーン層を施したもの、セルロース繊維紙の表面に
ポリオレフィン系樹脂もしくはポリエステル樹脂をエク
ストルージョンコーティングしたもの、または、ポリ
エステルフィルムなどのプラスチックフィルムの表面に
離型用シリコーン層を施したもの、等である。 【0036】一時的キャリヤー上には、シート状基材2
上に行うのと同様にして受容層を形成した後、必要によ
り、接着剤層を形成する。この接着剤層は、シート状基
材2上に受像層を転写させるときに、シート状基材2と
受容層3との間の接着力を確保するためのものである。
この方法では、さらに他の層、例えばクッション性等を
付与する中間層を一時的キャリヤー上に形成しておき、
シート状基材2上に中間層と受容層とを一度に転写する
ようにしてもよい。中間層が接着剤を兼ねているときは
接着剤層を一時的キャリヤー上に形成しなくてもよい。
なお、いずれの場合においても、接着剤層はシート状基
材と、一時的キャリヤー上の最上層との間に介在すれば
よいから、接着剤層をシート状基材2上に形成してお
き、一時的キャリヤー上には受容層のみ、あるいは受容
層と中間層を順に形成しておいて転写してもよい。 【0037】受容層3を、一時的キャリヤー上に一旦形
成して転写法により、シート状基材2上に形成する方法
を採用すると、シート状基材2上に形成された受容層の
表面は、一時的キャリヤーの表面の状態が転写されてい
るために平滑性が非常にすぐれており、シート状基材2
上に直接に形成した受容層は、転写法によるものと比べ
ると平滑性が劣っており、より鮮明で精緻な画像を得た
いときは、転写法を採用するのがよい。 【0038】接着剤としては受容層と基材とを接着でき
るものであれば良く、ポリエステル系、ポリアクリル酸
エステル系、ポリウレタン系、ポリ塩化ビニル系、ポリ
オレフィン系、エチレン−酢酸ビニル共重合体、合成ゴ
ム系等の有機溶剤溶液またはエマルジョンが使用でき
る。接着剤は熱接着タイプでも、常温粘着タイプでもよ
い。熱接着タイプの場合には、ワックス、エチレン/酢
酸ビニル共重合体樹脂、ポリオレフィン、石油系樹脂な
どのホットメルトタイプの接着剤による熱接着あるいは
ポリオレフィンフィルム等エクストルージョンフィルム
によるサンドイッチラミネーションでもよい。 【0039】中間層を兼ねる接着剤としては両面テープ
を用いてもよい。両面テープはレーヨンペーパーにアク
リル系粘着剤などを含浸乾燥したもので、乾燥後の両面
テープには微細空孔ができており、発泡層と等価の役割
を果たすものと思われる。 【0040】(中間層)中間層4は、構成する材質によ
り、クッション性層、多孔層のいずれかであり、あるい
は場合によっては接着剤の役目を兼ねている。 【0041】クッション性層はJIS−K−6301に
規定される100%モジュラスが100Kg/cm2 以
下である樹脂を主とするものであり、ここで、前記10
0%モジュラスが100Kg/cm2 を越えると、剛性
が高すぎるためにこのような樹脂を用いて中間層を形成
しても熱転写シートと被熱転写層の印字の際の充分な密
着性は保たれない。また、前記100%モジュラスの下
限は実際上、0.5Kg/cm2 程度である。 【0042】上記の条件に合致する樹脂としては、次の
ようなものが挙げられる。 【0043】ポリウレタン樹脂 ポリエステル樹脂 ポリブタジエン樹脂 ポリアクリル酸エステル樹脂 エポキシ樹脂 ポリアミド樹脂 ロジン変成フェノール樹脂 テルペンフェノール樹脂 エチレン/酢酸ビニル共重合体樹脂 上記の樹脂は、1種もしくは2種以上混合して使用する
ことができるが、上記の樹脂は比較的、粘着性を有して
いるので、加工中に支障があるときは無機質の添加剤、
例えばシリカ、アルミナ、クレー、炭酸カルシウムな
ど、あるいはステアリン酸アミド等のアミド系物質を添
加してもよい。 【0044】クッション性層は上記したような樹脂を必
要に応じて他の添加剤とともに溶剤・希釈剤等と混練し
て塗料もしくはインキとし、公知の塗布方法もしくは印
刷方法により塗膜として乾燥させることにより形成で
き、その厚みは0.5〜50μm、より好ましくは2〜
20μm程度である。厚みが0.5μmでは設けたシー
ト状基材の表面の粗さを吸収しきれず、したがって効果
がなく、逆に50μmを越えると、効果の向上が見られ
ないばかりか、受容層部が厚くなりすぎて突出し、巻き
取ったり、重ねたりする際の支障となるし、又、経済的
でない。 【0045】このような中間層を形成すると熱転写シー
トと被熱転写シートとの密着性が向上するのは、中間層
自体が剛性が低いために印字の際の圧力により変形する
ためと考えられるが、さらに、前記したような樹脂は通
常ガラス転移点や軟化点が低く、印字の際に与えられる
熱エネルギーにより、常温におけるよりもさらに剛性が
低下して変形しやすくなることも寄与しているものと推
定される。 【0046】多孔層は、ポリウレタン等の合成樹脂エ
マルジョン、メチルメタクリレート−ブタジエン系等の
合成ゴムラテックスを機械的攪拌により気泡させた液を
基材2上に塗布し、乾燥させた層、上記合成樹脂エマ
ルジョン、上記合成ゴムラテックスに発泡剤を混合させ
た液を基材2上に塗布し、乾燥させた層、塩ビプラス
チゾル、ポリウレタン等の合成樹脂またはスチレン−ブ
タジエン系等の合成ゴムに発泡剤を混合した液を基材2
上に塗布し加熱することにより発泡させた層、熱可塑
性樹脂または合成ゴムを有機溶媒に溶解した溶液と、該
有機溶媒に比べ蒸発しにくく、該有機溶媒に対し相溶性
を有し、かつ、熱可塑性樹脂または合成ゴムに対して溶
解性を有しない非溶媒(水を主成分とするものも含む)
との混合液を、基材2上に塗布し、乾燥させることによ
りミクロ状に凝集した膜を形成してなるミクロポーラス
層等が用いられる。上記〜の層は気泡の大きさが大
きいため、該層上に受容層3の形成用溶液を塗布し乾燥
させた場合、乾燥させて形成された受容層3の表面に凹
凸が生じる恐れがある。そのため上記凹凸が小さくまた
均一性の高い画像を転写せしめることが可能な受容層3
の表面を得るためには、多孔層として、上記のミクロ
ポーラス層を設けることが好ましい。 【0047】上記ミクロポーラス層の形成に当たって用
いられる熱可塑性樹脂としては、飽和ポリエステル、ポ
リウレタン、塩化ビニル/酢酸ビニル共重合体、セルロ
ースアセテートプロピオネート等が挙げられ、また、同
様に用いられる上記合成ゴムとしてはスチレン−ブタジ
エン系、イソプレン系、ウレタン系等が挙げられる。ま
た、該ミクロポーラス層の形成に当たって用いられる有
機溶媒および非溶媒としては種々のものが可能である
が、通常、有機溶媒としてメチルエチルケトン、アルコ
ール等の親水性溶媒が用いられ、また、非溶媒として水
が用いられる。 【0048】本発明における多孔層の厚みは、3μm以
上のものが好ましく、特に5〜20μm厚のものが好ま
しい。多孔層の厚みが3μm未満のものは、クッション
性、断熱性の効果が発揮されない。 【0049】説明が前後したが、中間層が接着剤を兼ね
る場合もあることは受容層の形成法の説明において述べ
た通りである。 【0050】被熱転写シートの加工工程中またはプリン
ター内での走行時に静電気の発生を押さえるために、少
なくとも一方の面の受容層中または受容層の表面に帯電
防止剤を含有させることもできる。帯電防止剤としては
界面活性剤例えば陽イオン型界面活性剤(例えば第4級
アンモニウム塩、ポリアミン誘導体等)、陰イオン型界
面活性剤(例えばアルキルホスフェート等)、両性イオ
ン型界面活性剤もしくは非イオン型界面活性剤等が挙げ
られる。 【0051】帯電防止剤は、グラビアコーティング、バ
ーコーティング等により受容層表面に塗布形成してもよ
く、受容層樹脂中に練り込んで受容層塗工・乾燥時に受
容層表面に移行させてもよい。受容層樹脂と混合する帯
電防止剤としてカチオン型のアクリルポリマーを用いる
こともできる。 【0052】 【発明の効果】本発明の被熱転写シートは、受容層とし
て、シート状基材の一方の面に、膜厚が0.5μm〜5
0μmの中間層を介して、充填剤を含有せず、固型ワッ
クス類、界面活性剤及びシリコーンオイルから選ばれた
離型剤及び合成樹脂からなり、表面平滑な一時的キャリ
ヤー上に一旦形成された後、転写法により前記中間層上
に積層され、その表面が一時的キャリヤーの表面状態が
転写されてなるものとするものであり、シート状基材上
に直接形成した受容層に比較して、平滑性に優れ、鮮明
で精緻な画像が得られ、画像形成後、他の物品に貼り付
ける際には、貼り付けたシートを光沢の高いものとで
き、また、熱転写シートとの離型性に優れるものとでき
る。また、裏面に粘着剤層を有しているので、画像形成
後、他の物品に貼り付けるのが容易である。 【0053】(発明の適用例)本発明の被熱転写シート
は、簡易IDカードの顔写真の形成、名刺の顔写真の形
成、テレフォンカード上への絵付け、プレミアム、葉
書、窓用広告、電飾看板、各種装飾品、荷札、商品説明
用ラベル、文具用ラベル、オーディオカセットやビデオ
カセット用のインデックス等に適用できる。
み合わせて使用され、転写後、種々の物品に貼り付ける
ことが容易な被熱転写シートに関する。 【0002】 【従来の技術】昇華性の分散染料を含有する染料層を有
する熱転写シートを、サーマルヘッド等により、画像信
号に応じて点状に加熱し、樹脂塗工紙の表面に移行した
染料からなる画像を形成する試みが行われている。 【0003】しかし、従来の被熱転写シートでは、単な
る画像の形成やファクシミリ用途等においては、シート
上に記録ができるだけで用が足りるが、画像形成後、他
の物品に貼り付けるのには不便であった。 【0004】 【発明が解決しようとする課題】したがって、本発明に
おいては上記の従来技術における欠点を解消し、画像形
成後、他の物品に貼り付けることを容易にすることを目
的としている。 【0005】 【課題を解決するための手段】本発明においては、熱に
より昇華して移行する染料を含有する染料層を有する熱
転写シートと組み合わされて使用され、シート状基材の
一方の面に、膜厚が0.5μm〜50μmの中間層を介
して、充填剤を含有せず、固型ワックス類、界面活性剤
及びシリコーンオイルから選ばれた離型剤及び合成樹脂
からなり、前記転写シートより移行する染料を受容する
受容層が表面平滑な一時的キャリヤー上に一旦形成され
た後、転写法により前記中間層上に積層される共に該転
写された受容層表面は一時的キャリヤーの表面状態が転
写されてなるものであり、また、シート基材の他方の面
に粘着剤層を有し、該粘着剤層の表面に離型性シートが
貼り付けられ、受容層側から半抜き加工して、離型性シ
ートのみを残して打ち抜かれた被熱転写シートであっ
て、該離型性シートから剥離して他の物品に貼り付けた
際に、貼り付けたシートが高光沢度を有するものである
ことを特徴とするラベル用被熱転写シート。 【0006】を特徴とする構成とすることにより、上記
した従来技術における欠点を解消することができたもの
である。 【0007】 【発明の実施の形態】本発明の被熱転写シート1は、例
えば、図1に示すように、シート状基材2の上面に受容
層3を有し、下面に粘着剤層4を有している。 【0008】或いは図2に示すように、被熱転写シート
1はシート状基材2と受容層3との間に中間層5を有し
ており、中間層を設けることにより、画像形成時の表面
の断熱性やクッション性を向上させることができる。 【0009】図3は、図1に示した被熱転写シートの粘
着剤層に離型性シート6を貼り付けた状態を示し、この
ようにすると、被熱転写シートを重ねたり、巻き取った
りしても互いに接着して使用不能になることが防止でき
る。図には示さないが、図2の被熱転写シートについて
も同様に離型性シートを貼り付けることができる。 【0010】図4においては、図3に示したような離型
性シート付きの被熱転写シートを、受容層側から「半抜
き」加工して、離型性シートのみを残して打ち抜くこと
により、離型性シートを剥がすと、所定の形状、寸法の
ラベル状の被熱転写シートが得られるようにしてある。
なお、上記のように所定の形状の区域を多数形成してお
き、1枚ずつ剥がせるようにしてもよいが、所定の形状
の区域を間隔を開けて多数形成してもよいし、あるいは
1枚ずつのラベル状とすることもよい。また、上記のい
ずれの場合においても、受容層側から見えるように、あ
らかじめ、欄や枠、文字等の必要な印刷を施しておいて
もよい。 【0011】(シート状基材)シート状基材2として
は、合成紙(ポリオレフィン系、ポリスチレン系
等)、上質紙、アート紙、コート紙、キャストコート
紙、壁紙、裏打ち用紙、合成樹脂またはエマルジョン含
浸紙、合成ゴムラテックス含浸紙、合成樹脂内添紙、板
紙、もしくはセルロース繊維紙等の天然繊維紙、ポリ
オレフィン、ポリ塩化ビニル、ポリエチレンテレフタレ
ート、ポリスチレン、メタクリレート、ポリカーボネー
ト等の各種のプラスチックのフィルムもしくはシートが
使用できる。このうち、の合成紙は、その表面に熱伝
導率の低い(換言すれば断熱性の高い)ミクロヴォイド
層を有しているので好ましい。また、上記〜の任意
の組み合わせによる積層体も使用できる。代表的な積層
体の例として、セルロース繊維紙と合成紙、あるいはセ
ルロース繊維紙とプラスチックフィルムもしくはシート
との積層体が挙げられる。このうち、セルロース繊維紙
と合成紙との積層体は、合成紙が有する熱的な不安定さ
(伸縮など)をセルロース繊維紙が補い、合成紙が有す
る低熱伝導率による印字熱感度の高さを発揮できてよ
い。また、この組み合わせにおいて、積層体表裏のバラ
ンスをとるため、合成紙〜セルロース繊維紙〜合成紙の
三層積層体を用いるのがよく、印字によるカールを少な
くできる。 【0012】上記のような積層体に用いる合成紙として
は通常、被熱転写シートの基材として使用し得るもので
あれば如何なるものをも使用できるが、特に微細空孔を
有する紙状層を設けた合成紙(例えば、市販品の合成
紙;ユポ;王子油化合成紙製)が望ましい。上記の紙状
層における微細空孔は、例えば合成樹脂を微細充填剤含
有状態で延伸することにより形成することができる。上
記微細空孔を含有する紙状層を設けた合成紙を用いて構
成した被熱転写シートは、熱転写により画像を形成した
場合、画像濃度が高く、画像のバラツキも生じないとい
う効果がある。 【0013】これは、微細空孔により断熱効果があり、
熱エネルギー効率が良いことと、微細空孔によるクッシ
ョン性のよさが、上記合成紙上に設けられ、画像が形成
される受容層に寄与するものと思われる。また、上記微
細空孔を含有する紙状層を直接、セルロース繊維紙など
の芯材の表面に設けることも可能である。 【0014】上記積層体におけるセルロース繊維紙以外
にプラスチックフィルムを使用することもでき、さら
に、上記セルロース繊維紙とプラスチックフィルムとを
ラミネートしたものも使用することができる。 【0015】合成紙と、セルロース繊維紙との貼着方法
としては、例えば、従来公知の接着剤を用いた貼着、押
出ラミネート法を用いた貼着、熱接着による貼着が挙げ
られ、また、合成紙とプラスチックフィルムとの貼着方
法としてはプラスチックフィルムの形成を同時に兼ねた
ラミネート法、カレンダー法等による貼着等が挙げられ
る。上記貼着手段は合成紙と貼着するものの材質に応じ
て適宜選択される。上記接着剤の具体例としては、エチ
レン−酢酸ビニル共重合体、ポリ酢酸ビニル等のエマル
ジョン接着剤、カルボキシル基等を含むポリエステル等
の水溶性接着剤等が挙げられ、またラミネート用の接着
剤としては、ポリウレタン系、アクリル系等の有機溶剤
溶液タイプ等の接着剤が挙げられる。 【0016】(受容層)受容層3を構成する材質は、熱
転写シートから移行する染料、例えば昇華性の分散染料
の画像を受容(受像)し、受容により形成された画像を
維持するための層である。例えば、下記(a)〜(e)
の合成樹脂が単独もしくは2種以上の混合により使用で
きる。 【0017】(a)エステル結合を有するもの。 ポリエステル樹脂、ポリアクリル酸エステル樹脂、ポリ
カーボネート樹脂、ポリ酢酸ビニル樹脂、スチレンアク
リレート樹脂、ビニルトルエンアクリレート樹脂。 【0018】(b)ウレタン結合を有するもの。 ポリウレタン樹脂等。 【0019】(c)アミド結合を有するもの。 ポリアミド樹脂(ナイロン)。 【0020】(d)尿素結合を有するもの。 尿素樹脂等。 【0021】(e)その他極性の高い結合を有するも
の。 ポリカプロラクトン樹脂、ポリスチレン系樹脂、ポリ塩
化ビニル樹脂、ポリアクリロニトリル樹脂等。或いは、
受容層3は飽和ポリエステルと塩化ビニル/酢酸ビニル
共重合体との混合樹脂により構成される。飽和ポリエス
テルとしては例えばバイロン200、バイロン290、
バイロン600等(以上、東洋紡製)、KA−1038
C(荒川化学製)、TP220、TP235(以上、日
本合成製)等が用いられる。 【0022】塩化ビニル/酢酸ビニル共重合体樹脂は、
塩化ビニル成分含有率85〜97重量%で、重合度20
0〜800程度のものが好ましい。塩化ビニル/酢酸ビ
ニル共重合体樹脂は必ずしも塩化ビニル成分と酢酸ビニ
ル共重合体成分のみの共重合体である場合に限らず、ビ
ニルアルコール成分、マレイン酸成分等を含むものであ
ってもよい。 【0023】受容層3はまた、ポリスチレン系の樹脂に
より構成されていてもよく、例えば、スチレン系モノマ
ー、例えばスチレン、α−メチルスチレン、ビニルトル
エンの単独もしくは共重合体からなるポリスチレン系樹
脂、あるいは前記スチレン系モノマーと他のモノマー、
例えばアクリル酸エステル、メタクリル酸エステル、ア
クリロニトリル、メタクリロニトリル等のアクリルもし
くはメタクリル系モノマーもしくは無水マレイン酸との
共重合体であるスチレン系共重合体樹脂が挙げられる。 【0024】上記いずれの態様においても、受容層3は
実質的に合成樹脂のみからなっていることが望ましい。 【0025】というのは、合成樹脂に白色度、コーティ
ング適性等を改良する意図で充填剤を添加すると、受容
層の表面の光沢度が不充分であり、本発明におけるよう
に画像形成後、他の物品に貼り付ける際には、貼り付け
たシートは光沢が高い方が望ましいからである。 【0026】受容層中には、転写画像の耐光性を更に高
めるために、紫外線吸収剤、光安定剤、もしくは酸化防
止剤等の添加剤の1種もしくは2種以上を必要に応じ添
加することができる。これら紫外線吸収剤、光安定化剤
の添加量は受容層3を構成する樹脂100重量部に対し
て、それぞれ0.05〜10重量部、0.5〜3重量部
程度が好ましい。 【0027】(粘着剤層)本発明における粘着剤層4
は、画像形成後の被熱転写シートを他の物品に貼りつけ
るためのものである。 【0028】粘着剤としては、ポリアクリル酸エステル
系のもの、ゴム系のものが使用できる。これにより、画
像形成後、他の物品に貼り付けるのが容易であると共
に、画像品質が良好であり、印画後のカールや高・低湿
環境保存のカールに優れ、かつ、「半抜き」加工したと
きの刃への粘着剤付着がないので製造安定性に優れ、さ
らに被熱転写シートのシート端からの粘着剤のはみ出し
が少ないのでプリンター内での搬送不良や受容層表面へ
のゴミ・ほこりの付着による印画不良という不具合を回
避できるという効果を奏する。 【0029】被熱転写シートは重ねたり、巻き取ったり
する際に、粘着剤層により互いに接着する恐れがあるの
で、被熱転写シートの受容層側の最表面に離型剤層を設
けておくと、このような好ましくない接着が防止でき
る。あるいは粘着剤層にポリエチレンフィルム等の離型
性フィルムやシリコーン加工離型紙等の離型性シートを
貼り付けておくと同様に好ましくない接着が防止でき
る。 【0030】本発明の被熱転写シートは、熱転写シート
との離型性を向上せしめるために、受容層中に離型剤を
含有せしめることができる。離型剤としては、ポリエチ
レンワックス、アミドワックス、テフロンパウダー等の
固形ワックス類;弗素系、燐酸エステル系の界面活性
剤;シリコーンオイル等が挙げられるが、シリコーンオ
イルが好ましい。 【0031】上記シリコーンオイルとしては油状のもの
も用いることができるが、硬化型のものが好ましい。硬
化型のシリコーンオイルとしては、反応硬化型、光硬化
型、触媒硬化型等が挙げられるが、反応硬化型のシリコ
ーンオイルが特に好ましい。反応硬化型シリコーンオイ
ルとしては、アミノ変成シリコーンオイルとエポキシ変
成シリコーンオイルとを反応硬化させたものが好まし
く、アミノ変成シリコーンオイルとしては、KF−39
3、KF−857、KF−858、X−22−368
0、X−22−3801C(以上、信越化学工業(株)
製)等が挙げられ、エポキシ変成シリコーンオイルとし
ては、KF−100T、KF−101、KF−60−1
64、KF−103(以上、信越化学工業(株)製)等
が挙げられる。また、触媒硬化型あるいは光硬化型シリ
コーンオイルとしてはKS−705F、KS−770
(以上、触媒硬化型シリコーンオイル:信越化学工業
(株)製)、KS−720、KS−774(以上、光硬
化型シリコーンオイル:信越化学工業(株)製)等が挙
げられる。これら硬化型シリコーンオイルの添加量は受
像層を構成する樹脂の0.5〜30重量%が好ましい。
また、受容層3の表面の一部に上記離型剤を適当な溶媒
に溶解あるいは分散させて塗布した後、乾燥させる等に
よって離型剤を設けることもできる。離型剤を構成する
離型剤としては前記したアミノ変成シリコーンオイルと
エポキシ変成シリコーンオイルとの反応硬化物が特に好
ましい。離型剤層の厚さは0.01〜5μm、特に0.
05〜2μmが好ましい。 【0032】なお、受容層を形成する際にシリコーンオ
イルを添加して形成すると、塗布後、シリコーンオイル
が表面にブリードさせた後に硬化させても離型剤層を形
成することができる。 【0033】以上の紫外線吸収剤、光安定化剤、酸化防
止剤、離型剤は必要に応じ一方の面もしくは両方の面の
受容層に含ませるように適用することができる。 【0034】受容層3の形成は、シート状基材2上に、
受容層を形成する材料を溶解ないし分散して得られる受
容層形成用組成物を使用して、公知の塗布もしくは印刷
方法により行う他に、シート状基材2とは別の一時的キ
ャリヤー上に一旦形成した後に、改めてシート状基材2
上に転写する方法により行ってもよい。 【0035】一時的キャリヤーとしては、表面が離型性
のシートを用いる。例えば、セルロース繊維紙や合成
紙などの表面にアンダーコート層を施した後に離型用シ
リコーン層を施したもの、セルロース繊維紙の表面に
ポリオレフィン系樹脂もしくはポリエステル樹脂をエク
ストルージョンコーティングしたもの、または、ポリ
エステルフィルムなどのプラスチックフィルムの表面に
離型用シリコーン層を施したもの、等である。 【0036】一時的キャリヤー上には、シート状基材2
上に行うのと同様にして受容層を形成した後、必要によ
り、接着剤層を形成する。この接着剤層は、シート状基
材2上に受像層を転写させるときに、シート状基材2と
受容層3との間の接着力を確保するためのものである。
この方法では、さらに他の層、例えばクッション性等を
付与する中間層を一時的キャリヤー上に形成しておき、
シート状基材2上に中間層と受容層とを一度に転写する
ようにしてもよい。中間層が接着剤を兼ねているときは
接着剤層を一時的キャリヤー上に形成しなくてもよい。
なお、いずれの場合においても、接着剤層はシート状基
材と、一時的キャリヤー上の最上層との間に介在すれば
よいから、接着剤層をシート状基材2上に形成してお
き、一時的キャリヤー上には受容層のみ、あるいは受容
層と中間層を順に形成しておいて転写してもよい。 【0037】受容層3を、一時的キャリヤー上に一旦形
成して転写法により、シート状基材2上に形成する方法
を採用すると、シート状基材2上に形成された受容層の
表面は、一時的キャリヤーの表面の状態が転写されてい
るために平滑性が非常にすぐれており、シート状基材2
上に直接に形成した受容層は、転写法によるものと比べ
ると平滑性が劣っており、より鮮明で精緻な画像を得た
いときは、転写法を採用するのがよい。 【0038】接着剤としては受容層と基材とを接着でき
るものであれば良く、ポリエステル系、ポリアクリル酸
エステル系、ポリウレタン系、ポリ塩化ビニル系、ポリ
オレフィン系、エチレン−酢酸ビニル共重合体、合成ゴ
ム系等の有機溶剤溶液またはエマルジョンが使用でき
る。接着剤は熱接着タイプでも、常温粘着タイプでもよ
い。熱接着タイプの場合には、ワックス、エチレン/酢
酸ビニル共重合体樹脂、ポリオレフィン、石油系樹脂な
どのホットメルトタイプの接着剤による熱接着あるいは
ポリオレフィンフィルム等エクストルージョンフィルム
によるサンドイッチラミネーションでもよい。 【0039】中間層を兼ねる接着剤としては両面テープ
を用いてもよい。両面テープはレーヨンペーパーにアク
リル系粘着剤などを含浸乾燥したもので、乾燥後の両面
テープには微細空孔ができており、発泡層と等価の役割
を果たすものと思われる。 【0040】(中間層)中間層4は、構成する材質によ
り、クッション性層、多孔層のいずれかであり、あるい
は場合によっては接着剤の役目を兼ねている。 【0041】クッション性層はJIS−K−6301に
規定される100%モジュラスが100Kg/cm2 以
下である樹脂を主とするものであり、ここで、前記10
0%モジュラスが100Kg/cm2 を越えると、剛性
が高すぎるためにこのような樹脂を用いて中間層を形成
しても熱転写シートと被熱転写層の印字の際の充分な密
着性は保たれない。また、前記100%モジュラスの下
限は実際上、0.5Kg/cm2 程度である。 【0042】上記の条件に合致する樹脂としては、次の
ようなものが挙げられる。 【0043】ポリウレタン樹脂 ポリエステル樹脂 ポリブタジエン樹脂 ポリアクリル酸エステル樹脂 エポキシ樹脂 ポリアミド樹脂 ロジン変成フェノール樹脂 テルペンフェノール樹脂 エチレン/酢酸ビニル共重合体樹脂 上記の樹脂は、1種もしくは2種以上混合して使用する
ことができるが、上記の樹脂は比較的、粘着性を有して
いるので、加工中に支障があるときは無機質の添加剤、
例えばシリカ、アルミナ、クレー、炭酸カルシウムな
ど、あるいはステアリン酸アミド等のアミド系物質を添
加してもよい。 【0044】クッション性層は上記したような樹脂を必
要に応じて他の添加剤とともに溶剤・希釈剤等と混練し
て塗料もしくはインキとし、公知の塗布方法もしくは印
刷方法により塗膜として乾燥させることにより形成で
き、その厚みは0.5〜50μm、より好ましくは2〜
20μm程度である。厚みが0.5μmでは設けたシー
ト状基材の表面の粗さを吸収しきれず、したがって効果
がなく、逆に50μmを越えると、効果の向上が見られ
ないばかりか、受容層部が厚くなりすぎて突出し、巻き
取ったり、重ねたりする際の支障となるし、又、経済的
でない。 【0045】このような中間層を形成すると熱転写シー
トと被熱転写シートとの密着性が向上するのは、中間層
自体が剛性が低いために印字の際の圧力により変形する
ためと考えられるが、さらに、前記したような樹脂は通
常ガラス転移点や軟化点が低く、印字の際に与えられる
熱エネルギーにより、常温におけるよりもさらに剛性が
低下して変形しやすくなることも寄与しているものと推
定される。 【0046】多孔層は、ポリウレタン等の合成樹脂エ
マルジョン、メチルメタクリレート−ブタジエン系等の
合成ゴムラテックスを機械的攪拌により気泡させた液を
基材2上に塗布し、乾燥させた層、上記合成樹脂エマ
ルジョン、上記合成ゴムラテックスに発泡剤を混合させ
た液を基材2上に塗布し、乾燥させた層、塩ビプラス
チゾル、ポリウレタン等の合成樹脂またはスチレン−ブ
タジエン系等の合成ゴムに発泡剤を混合した液を基材2
上に塗布し加熱することにより発泡させた層、熱可塑
性樹脂または合成ゴムを有機溶媒に溶解した溶液と、該
有機溶媒に比べ蒸発しにくく、該有機溶媒に対し相溶性
を有し、かつ、熱可塑性樹脂または合成ゴムに対して溶
解性を有しない非溶媒(水を主成分とするものも含む)
との混合液を、基材2上に塗布し、乾燥させることによ
りミクロ状に凝集した膜を形成してなるミクロポーラス
層等が用いられる。上記〜の層は気泡の大きさが大
きいため、該層上に受容層3の形成用溶液を塗布し乾燥
させた場合、乾燥させて形成された受容層3の表面に凹
凸が生じる恐れがある。そのため上記凹凸が小さくまた
均一性の高い画像を転写せしめることが可能な受容層3
の表面を得るためには、多孔層として、上記のミクロ
ポーラス層を設けることが好ましい。 【0047】上記ミクロポーラス層の形成に当たって用
いられる熱可塑性樹脂としては、飽和ポリエステル、ポ
リウレタン、塩化ビニル/酢酸ビニル共重合体、セルロ
ースアセテートプロピオネート等が挙げられ、また、同
様に用いられる上記合成ゴムとしてはスチレン−ブタジ
エン系、イソプレン系、ウレタン系等が挙げられる。ま
た、該ミクロポーラス層の形成に当たって用いられる有
機溶媒および非溶媒としては種々のものが可能である
が、通常、有機溶媒としてメチルエチルケトン、アルコ
ール等の親水性溶媒が用いられ、また、非溶媒として水
が用いられる。 【0048】本発明における多孔層の厚みは、3μm以
上のものが好ましく、特に5〜20μm厚のものが好ま
しい。多孔層の厚みが3μm未満のものは、クッション
性、断熱性の効果が発揮されない。 【0049】説明が前後したが、中間層が接着剤を兼ね
る場合もあることは受容層の形成法の説明において述べ
た通りである。 【0050】被熱転写シートの加工工程中またはプリン
ター内での走行時に静電気の発生を押さえるために、少
なくとも一方の面の受容層中または受容層の表面に帯電
防止剤を含有させることもできる。帯電防止剤としては
界面活性剤例えば陽イオン型界面活性剤(例えば第4級
アンモニウム塩、ポリアミン誘導体等)、陰イオン型界
面活性剤(例えばアルキルホスフェート等)、両性イオ
ン型界面活性剤もしくは非イオン型界面活性剤等が挙げ
られる。 【0051】帯電防止剤は、グラビアコーティング、バ
ーコーティング等により受容層表面に塗布形成してもよ
く、受容層樹脂中に練り込んで受容層塗工・乾燥時に受
容層表面に移行させてもよい。受容層樹脂と混合する帯
電防止剤としてカチオン型のアクリルポリマーを用いる
こともできる。 【0052】 【発明の効果】本発明の被熱転写シートは、受容層とし
て、シート状基材の一方の面に、膜厚が0.5μm〜5
0μmの中間層を介して、充填剤を含有せず、固型ワッ
クス類、界面活性剤及びシリコーンオイルから選ばれた
離型剤及び合成樹脂からなり、表面平滑な一時的キャリ
ヤー上に一旦形成された後、転写法により前記中間層上
に積層され、その表面が一時的キャリヤーの表面状態が
転写されてなるものとするものであり、シート状基材上
に直接形成した受容層に比較して、平滑性に優れ、鮮明
で精緻な画像が得られ、画像形成後、他の物品に貼り付
ける際には、貼り付けたシートを光沢の高いものとで
き、また、熱転写シートとの離型性に優れるものとでき
る。また、裏面に粘着剤層を有しているので、画像形成
後、他の物品に貼り付けるのが容易である。 【0053】(発明の適用例)本発明の被熱転写シート
は、簡易IDカードの顔写真の形成、名刺の顔写真の形
成、テレフォンカード上への絵付け、プレミアム、葉
書、窓用広告、電飾看板、各種装飾品、荷札、商品説明
用ラベル、文具用ラベル、オーディオカセットやビデオ
カセット用のインデックス等に適用できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 図1は、本発明の被熱転写シートの断面図で
ある。 【図2】 図2は、本発明の被熱転写シートの断面図で
ある。 【図3】 図3は、本発明の被熱転写シートの断面図で
ある。 【図4】 図4は、本発明の被熱転写シートの断面図で
ある。 【符号の説明】 1…被熱転写シート、2…シート状基材、3…受容層、
4…粘着剤層、5…中間層、6…離型性シート、7…半
抜き部
ある。 【図2】 図2は、本発明の被熱転写シートの断面図で
ある。 【図3】 図3は、本発明の被熱転写シートの断面図で
ある。 【図4】 図4は、本発明の被熱転写シートの断面図で
ある。 【符号の説明】 1…被熱転写シート、2…シート状基材、3…受容層、
4…粘着剤層、5…中間層、6…離型性シート、7…半
抜き部
─────────────────────────────────────────────────────
フロントページの続き
(56)参考文献 特開 昭61−199997(JP,A)
特開 昭61−27290(JP,A)
特開 昭59−85792(JP,A)
特開 昭61−172795(JP,A)
実開 昭60−120864(JP,U)
実開 昭60−133488(JP,U)
実開 昭55−172968(JP,U)
実開 昭55−169558(JP,U)
(58)調査した分野(Int.Cl.6,DB名)
B41M 5/26 101
B32B 27/00
B42D 15/00 371
Claims (1)
- (57)【特許請求の範囲】 1.熱により昇華して移行する染料を含有する染料層を
有する熱転写シートと組み合わされて使用され、シート
状基材の一方の面に、膜厚が0.5μm〜50μmの中
間層を介して、充填剤を含有せず、固型ワックス類、界
面活性剤及びシリコーンオイルから選ばれた離型剤及び
合成樹脂からなり、前記転写シートより移行する染料を
受容する受容層が表面平滑な一時的キャリヤー上に一旦
形成された後、転写法により前記中間層上に積層される
共に該転写された受容層表面は一時的キャリヤーの表面
状態が転写されてなるものであり、また、シート基材の
他方の面に粘着剤層を有し、該粘着剤層の表面に離型性
シートが貼り付けられ、受容層側から半抜き加工して、
離型性シートのみを残して打ち抜かれた被熱転写シート
であって、該離型性シートから剥離して他の物品に貼り
付けた際に、貼り付けたシートが高光沢度を有するもの
であることを特徴とするラベル用被熱転写シート。 2.シート状基材が、微細空孔を有する合成紙からなる
ことを特徴とする特許請求の範囲第1項記載の被熱転写
シート。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP8236619A JP2853093B2 (ja) | 1996-09-06 | 1996-09-06 | ラベル用被熱転写シート |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP8236619A JP2853093B2 (ja) | 1996-09-06 | 1996-09-06 | ラベル用被熱転写シート |
Related Parent Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP61232999A Division JPS6387285A (ja) | 1986-09-30 | 1986-09-30 | 粘着剤層付き被熱転写シ−ト |
Related Child Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP10258056A Division JP3131189B2 (ja) | 1998-09-11 | 1998-09-11 | 粘着剤層付き被熱転写シート |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH09118082A JPH09118082A (ja) | 1997-05-06 |
JP2853093B2 true JP2853093B2 (ja) | 1999-02-03 |
Family
ID=17003329
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP8236619A Expired - Fee Related JP2853093B2 (ja) | 1996-09-06 | 1996-09-06 | ラベル用被熱転写シート |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2853093B2 (ja) |
Families Citing this family (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JPH1128881A (ja) * | 1997-07-09 | 1999-02-02 | Tokin Corp | 情報カード及びその製造装置 |
JP6135850B2 (ja) * | 2013-03-29 | 2017-05-31 | 大日本印刷株式会社 | 粘着シートおよび粘着シートの加工方法 |
JP2019177670A (ja) * | 2018-03-30 | 2019-10-17 | 大日本印刷株式会社 | シール型熱転写受像シート |
Family Cites Families (6)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JPS55169558U (ja) * | 1979-05-25 | 1980-12-05 | ||
JPS5814365Y2 (ja) * | 1979-05-29 | 1983-03-22 | パイオニア印刷株式会社 | ラベル連続体 |
JPS60120864U (ja) * | 1984-01-25 | 1985-08-15 | 株式会社リコー | 熱転写用粘着加工受容シ−ト |
JPS60133488U (ja) * | 1984-02-16 | 1985-09-05 | 凸版印刷株式会社 | 筆記・捺印可能なシ−ル材 |
JPH0694232B2 (ja) * | 1984-07-17 | 1994-11-24 | 大日本印刷株式会社 | 昇華転写記録用被熱転写シートの製造方法 |
JPH0741746B2 (ja) * | 1985-02-28 | 1995-05-10 | 大日本印刷株式会社 | 熱転写受像シート |
-
1996
- 1996-09-06 JP JP8236619A patent/JP2853093B2/ja not_active Expired - Fee Related
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JPH09118082A (ja) | 1997-05-06 |
Similar Documents
Publication | Publication Date | Title |
---|---|---|
JP2694795B2 (ja) | カードの製造方法 | |
JP2591952B2 (ja) | 被熱転写シート | |
WO1988000139A1 (en) | Sheet for receiving heat-transferred image | |
JP2551408B2 (ja) | 物品の装飾方法 | |
JP2736411B2 (ja) | 被熱転写シート | |
JPH068677A (ja) | 受容層一時的キャリヤー | |
JP2524704B2 (ja) | 被熱転写シ−トの製造方法 | |
JPS6387285A (ja) | 粘着剤層付き被熱転写シ−ト | |
JP2576954B2 (ja) | 被熱転写シ−ト | |
JP2853093B2 (ja) | ラベル用被熱転写シート | |
JPH0767866B2 (ja) | 被熱転写シ−ト | |
JP2787981B2 (ja) | 被熱転写シート | |
JP3131189B2 (ja) | 粘着剤層付き被熱転写シート | |
JP2700452B2 (ja) | 被熱転写シート | |
JP2732831B2 (ja) | 被熱転写シート | |
JP4233274B2 (ja) | 熱転写受容シート | |
JPS62292485A (ja) | 被熱転写シ−ト | |
JPS62244696A (ja) | 被熱転写シ−ト | |
JP2835720B2 (ja) | 被熱転写シート | |
JP2588472B2 (ja) | 被熱転写シートの製造方法 | |
JPS6337988A (ja) | 検知マ−ク付き被熱転写シ−ト | |
JP2618372B2 (ja) | 被熱転写シート | |
JP2715274B2 (ja) | 被熱転写シート | |
JP2888532B2 (ja) | 被熱転写シート | |
JP2588472C (ja) |
Legal Events
Date | Code | Title | Description |
---|---|---|---|
LAPS | Cancellation because of no payment of annual fees |