JP2715274B2 - 被熱転写シート - Google Patents

被熱転写シート

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JP2715274B2 JP7201816A JP20181695A JP2715274B2 JP 2715274 B2 JP2715274 B2 JP 2715274B2 JP 7201816 A JP7201816 A JP 7201816A JP 20181695 A JP20181695 A JP 20181695A JP 2715274 B2 JP2715274 B2 JP 2715274B2
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Description

【発明の詳細な説明】 【0001】 【発明の属する技術分野】本発明は、被熱転写シートに
関し、更に詳しくは昇華性染料(熱移行性染料)により
任意の画像を形成することが出来、且つ形成された画像
を任意の物品に貼着することが出来る被熱転写シートを
提供する。 【0002】 【従来の技術】従来、昇華性染料による布帛の熱転写
(昇華性転写)方法は古くから行われており、この方法
は昇華性染料を担持する染料絵柄層を透明フイルム上に
形成し、これを布帛に重ねて加熱し、染料を布帛に移行
させて布帛に画像を形成する方法である。この技術を利
用し、更に近年の精密サーマルプリンター等の画像技術
の発展と相まって、昇華性染料を有する熱転写シートか
らプラスチックフイルム上に写真に劣らない程度の精密
な画像形成方法が種々提案されている。この近年の方法
によれば、例えば、ポリエステル層を有する紙等の透明
フイルム上に、カメラ、画像、テレビ画像或いはパソコ
ンのグラフィック画像等を容易にハードコピー化出来る
ものであり、従来の写真技術や精密印刷技術に十分に対
抗し得るレベルに達している。 【0003】 【発明が解決しようとする課題】上述の如き熱転写技術
は簡便に任意の画像を形成し得る利点を有するが、その
被熱転写シートがポリエステル等の如く昇華性染料によ
って染着可能な材料に限定されるという問題があり、
又、一方では、被転写物品は、フイルム状やシート状等
のシート状物に形状が限定され、例えば、木材、金属、
ガラス、セラミックス等には画像を形成することが出来
ず、更に、ポリエステル等のプラスチックスであって
も、それらの画像形成面が曲面であったり、凹凸形状を
有したり、更に平面状であってもシート状物以外の立体
的成形物には画像を形成することが困難であるという問
題がある。 【0004】特に、近年のキャッシュカード等の各種の
カードの種類及び利用分野が拡大するに従って、これら
カード類に画像や記号を付与し、種々の機能や装飾を与
えることが必要であるが、これらのカードは平面状であ
るが柔軟性が無かったり、或いは文字や記号等の凹凸部
が形成されている為に、これらのカード類に上記の熱転
写方法で画像を付与することも困難である。従って、任
意の材料からなり、任意の形状且つ任意の表面形状を有
する物品の表面に、所望の画像を容易に付与することが
出来、且つ画像と被装飾物品とが一体化する様な技術の
開発が要望されている。 【0005】 【課題を解決する為の手段】即ち、本発明は、透明フイ
ルムの一方の面に、昇華性染料により染着可能な受像層
が離型層を介して剥離可能に設けられていることを特徴
とする被熱転写シート、及び透明フイルムの一方の面
に、離型層を含有する、昇華性染料により染着可能な受
像層が剥離可能に設けられていることを特徴とする被熱
転写シートである。 【0006】 【発明の実施の形態】次に実施の形態を図解的に示す添
付図面を参照して本発明を更に詳しく説明する。図1
は、本発明の被熱転写シートの基本的な形態を図解的に
示す図であり、図2〜3は本発明の被熱転写シートの好
ましい実施の形態を示す図である。図1に示す通り、本
発明の被熱転写シート10の基本的な構成は、任意の透
明フイルム1の一方の面に受像層2を設けたことを特徴
としている。本発明の被熱転写シートをこの様な構成と
することによって、昇華性染料を有する熱転写シートに
より受像層2に所望の画像を形成し、次いで画像を有す
る被熱転写シートを任意の被装飾物品の貼着面に対向さ
せて、これらの任意の物品に任意の手段により貼着する
ことによって、前述の如き従来技術の欠点が基本的に解
決される。 【0007】即ち、上記における受像層2は昇華性染料
によって染着可能な材料に限定されるが、画像を形成し
た被熱転写シートは、これを反転させて、それぞれ被装
飾物品の材質に応じた接着方法により、ガラスでも、金
属でも、木材でも或いは昇華性染料によっては染着困難
なプラスチックス材料でも自由に貼着が可能である。
又、この様な画像は、十分な柔軟性を有する為、被装飾
物品の表面形状が曲面や凹凸形状面であってもそれらの
表面形状に十分に追従することが可能である為、被装飾
物品の表面形状によって貼着が制限されることがない。 【0008】又、この様に貼着された画像は、その表面
が透明フイルムで被覆されている為、それ以上何らの手
段も要することなく、十分な耐摩擦性、耐水性、耐薬品
性等を有するものとなる。図2は本発明の被熱転写シー
ト10の好ましい1例を示すものであり、受像層2の表
面に離型層3が設けられている。離型層3は、図示して
いない熱転写シートから昇華性染料を移行させて、受像
層3に画像を形成する際に熱転写シートと受像層2の熱
による粘着を防止する為にあるものであり、この様な粘
着が生じない場合や、熱転写シートの表面にこの様な離
型層が設けられている場合は不要である。 【0009】図3に示す例は、本発明の被熱転写シート
10の別の好ましい例を示すものであり、受像層2と透
明フイルム1との間に中間層4が設けられている。ここ
で云う中間層4とは、受像層2に熱転写シートから昇華
性染料を移行させて画像を形成する際に、画像の形成を
十分にするものであり、例えば、クッション層や断熱層
である。例えば、クッション性のある層を中間層4とし
て設けることにより、熱転写シートと受像層2の密着性
が改良され、サーマルヘッドによる画像形成時の昇華性
染料の移行が均一化されて、画像信号に十分対応した画
像を形成することが出来る。 【0010】又、中間層4を断熱性のある材料から断熱
層として形成することによって、熱転写シートから昇華
性染料を受像層2に移行させるのに際して、付与される
熱の放熱が防止出来、熱利用効率が向上して十分な画像
の形成が促進される。勿論、これらのクッション層或い
は断熱層は別々に任意の順序で同時に設けてよい。この
様な中間層は、本発明の被熱転写シートが画像形成後、
被装飾物品に反転させて貼着するので、貼着後は、画像
を有する受像層より外側に来るので実質上透明であるこ
とが必要である。以上が本発明の被熱転写シートの主た
る構成であり、上記好ましい例示の外にも種々の態様が
当業者の自明であり、これらの自明の態様も当然本発明
に包含される。 【0011】次に上記被熱転写シートを用いる物品の装
飾方法を説明する。基本的な態様として図4〜5に図解
的に示す方法により説明する。図4に示す例は、図1に
示す被熱転写シートを利用するものであり、先ず、最初
に昇華性染料を記録剤とする従来公知の熱転写シート2
0を被熱転写シート10に、熱転写シートの染料担持層
21が被熱転写シート10の受像層2に対向する様に重
ね、熱転写シート20又は被熱転写シート10のいずれ
かの側、好ましくは熱転写シート20側からサーマルヘ
ッドにより画像信号に従って熱エネルギー(矢印)を付
与することによって、受像層2に所望の画像5が形成さ
れる。次いでこの様に形成された画像を有する被熱転写
シートを、被装飾物品30に対向させて重ね合せ、適宜
な接着手段により被装飾物品30に貼着させる(図5)
ことにより装飾方法が完了する。 【0012】又、受像層2は一般に昇華性染料で染着可
能な熱可塑性樹脂から形成されているので、何らの接着
剤を必要とせずに、そのままプラスチック成形物、布
帛、金属、その他に熱融着させることも可能である。以
上本発明の被熱転写シートを用いる装飾方法を基本的な
例で説明したが、図2以下に例示した本発明の被熱転写
シートを使用して同様に装飾方法を実施することが出来
る。 【0013】次に以上の如き本発明の被熱転写シートを
構成する材料及び構成方法の面から本発明を更に詳細に
説明する。透明フイルムとしては、受像層に形成された
画像を隠蔽しない程度に透明であり、且つ耐摩耗性等の
優れた表面物性を有するフイルムであり、例えば、ポリ
オレフィン、ポリ塩化ビニル、ポリエチレンテレフタレ
ート、ポリスチレン、ポリメタクリレート、ポリカーボ
ネート等の各種のプラスチックのフイルム若しくはこれ
らの表面を種々処理したものが使用出来る。この様な透
明フイルムはあまり厚いと、物品に貼着したときに画像
が盛り上がり、物品との一体感が無くなるので、例え
ば、0.5〜50μm程度の厚さのものが好ましい。 【0014】受像層を構成する材質は、熱転写シートか
ら移行する昇華性染料、例えば、昇華性の分散染料を受
容し、受容により形成された画像を維持する為のもので
ある。例えば、(イ)〜(ホ)の合成樹脂が単独若しく
は2種以上の混合により使用される。 (イ)エステル結合を有するもの。 ポリエステル樹脂、ポリアクリル酸エステル樹脂、ポリ
カーボネート樹脂、ポリ酢酸ビニル樹脂、スチレンアク
リレート樹脂、ビニルトルエンアクリレート樹脂等。 (ロ)ウレタン結合を有するもの。 ポリウレタン樹脂等。 (ハ)アミド結合を有するもの。 ポリアミド樹脂(ナイロン)。 (ニ)尿素結合を有するもの。 尿素樹脂等。 (ホ)その他極性の高い結合を有するもの。 ポリカプロラクトン樹脂、ポリスチレン樹脂、ポリ塩化
ビニル樹脂、ポリアクリロニトリル樹脂等。 【0015】又、受像層は飽和ポリエステルと塩化ビニ
ル−酢酸ビニル共重合体との混合樹脂により構成され
る。飽和ポリエステルとしては、例えば、バイロン20
0、バイロン290、バイロン600等(以上、東洋紡
製)、KA−1038C(荒川化学製)、TP220、
TP235(以上、日本合成製)等が用いられる。塩化
ビニル−酢酸ビニル共重合体は塩化ビニル成分含有率8
5〜97重量%で、重合度200〜800程度のものが
好ましい。塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体は、必ずし
も塩化ビニル成分と酢酸ビニル成分のみの共重合体であ
る場合に限らず、本発明の目的を妨げない範囲のビニル
アルコール成分、マレイン酸成分等を含むものであって
もよい。 【0016】受像層は、又、ポリスチレン系の樹脂によ
り構成されてもよく、例えば、スチレン系モノマー、例
えば、スチレン、α−メチルスチレン、ビニルトルエン
の単独若しくは共重合体からなるポリスチレン系樹脂、
或いは前記スチレン系モノマーと他のモノマー、例え
ば、アクリル酸エステル、メタクリル酸エステル、アク
リロニトリル、メタクリロニトリル等のアクリル若しく
はメタクリル系モノマー若しくは無水マレイン酸との共
重合体であるスチレン系共重合体樹脂が挙げられる。以
上の如き合成樹脂のうちで特に好適なものはポリエステ
ル系樹脂である。 【0017】上記いずれの態様においても、受像層の白
色度を向上させて転写画像の鮮明度を更に高めるととも
に、被熱転写シート表面に筆記性を付与し、且つ転写さ
れた画像の再転写を防止する目的で受像層中に白色顔料
を添加することが出来る。白色顔料としては、酸化チタ
ン、酸化亜鉛、カオリンクレー、炭酸カルシウム、緻粉
末シリカ等が用いられ、これらは2種以上混合して用い
ることが出来ることは前述した通りである。又、転写画
像の耐光性を更に高める為に、受像層中に紫外線吸収剤
及び/又は光安定化剤を添加することが出来る。これら
紫外線吸収剤、光安定化剤の添加量は受像層を構成する
樹脂100重量部に対してそれぞれ0.05〜10重量
部、及び0.5〜3重量部が好ましい。 【0018】本発明の被熱転写シートは、熱転写シート
との離型性及び受像層と透明フイルムとの離型性を向上
せしめる為に、受像層の一方の面又は両方の面に離型層
を形成したり、或いはこれに代えて受像層中に離型剤を
含有せしめることが出来る。離型剤としてはポリエチレ
ンワックス、アミドワックス、テフロンパウダー等の固
型ワックス類;弗素系、隣酸エステル系の界面活性剤;
シリコーンオイル等が挙げられるが、シリコーンオイル
が好ましい。上記シリコーンオイルとしては油状のもの
も用いることが出来るが、硬化型のものが好ましい。硬
化型の上記シリコーンオイルとしては、反応硬化型、光
硬化型、触媒硬化型等が挙げられるが、反応硬化型のシ
リコーンオイルが特に好ましい。 【0019】反応硬化型のシリコーンオイルとしては、
アミノ変性シリコーンオイルとエポキシ変性シリコーン
オイルとを反応硬化させたものが好ましく、アミノ変性
シリコーンオイルとしては、KF−393、KF−85
7、KF−858、X−22−3680、X−22−3
810C(以上、信越化学工業(株)製)等が挙げら
れ、エポキシ変性シリコーンオイルとしては、KF−1
00T、KF−101、KF−60−164、KF−1
03(以上、信越化学工業(株)製)等が挙げられる。 【0020】又、触媒硬化型或いは光硬化型シリコーン
オイルとしては、KS−705F、KS−770(以
上、触媒硬化型シリコーンオイル:信越化学工業(株)
製)、KS−720、KS−774(以上、光硬化型シ
リコーンオイル:信越化学工業(株)製)等が挙げられ
る。これら硬化型シリコーンオイルの添加量は、受像層
を構成する樹脂の0.5〜30重量%が好ましい。又、
受像層の表面の一部に、上記離型剤を適宜な溶媒に溶解
或いは分散させて塗布した後、乾燥させる等によって離
型層を設けることも出来る。離型層を構成する離型剤と
しては、前記したアミノ変性シリコーンオイルとエポキ
シ変性シリコーンオイルとの反応硬化型が特に好まし
い。離型層の厚さは0.01〜5μm、特に0.05〜
2μmが好ましい。 【0021】尚、受像層を形成する際にシリコーンオイ
ルを添加して形成すると、塗布後、シリコーンオイルが
表面にブリードしてくるので、ブリードさせた後に硬化
させて離型層を形成することが出来る。受像層の形成
は、透明フイルム上に、受像層を形成する材料を溶解な
いし分散して得られる受像層形成用組成物を使用して、
公知の塗布若しくは印刷方法により行う他に、受像層を
透明フイルムとは別の一時的キャリアー上に一旦形成し
た後に、改めて透明フイルム上に転写する方法により行
ってもよい。一時的キャリアーとしては、表面が離型性
のシートを用いる。例えば、(1)セルロース繊維紙や
合成紙等の表面にアンダーコート層を施した後に離型用
シリコーン層を施したもの、(2)セルロース繊維紙の
表面にポリオレフィン系樹脂若しくはポリエステル樹脂
をエクストルージョンコーティングしたもの、又は
(3)ポリエステルフイルム等のプラスチックフイルム
の表面に離型用シリコーン層を施したもの等である。 【0022】一時的キャリアー上には、透明フイルム上
に行うのと同様にして受像層を形成した後、必要により
接着層を形成する。この接着層は透明フイルム上に受像
層を転写させるときに、透明フイルムと受像層との間の
接着力を確保する為のものである。この方法では、更に
他の層、例えば、クッション性等を付与する中間層を一
時的キャリアー上に形成しておき、透明フイルム上に中
間層と受像層とを一度に転写する様にしてもよい。中間
層が接着層を兼ねているときは接着層を一時的キャリア
ー上に形成しなくてもよい。尚、いずれの場合において
も、接着層は透明フイルムと、一時的キャリアー上の最
上層との間に介在すればよいから、接着層を透明フイル
ム上に形成しておき、一時的キャリアー上には受像層の
み、或いは受像層と中間層を順に形成しておいて転写し
てもよい。 【0023】受像層を一時的キャリアー上に一旦形成
し、転写法により透明フイルム上に形成する方法を採用
すると、透明フイルム上に形成された受像層の表面は、
一時的キャリアーの表面の状態が転写されている為に平
滑性が非常に優れており、透明フイルム上に直接に形成
した受像層は、転写法によるものと比べると平滑性が劣
っており、より鮮明で精緻な画像を得たいときは、転写
法を採用するのがよい。接着剤としては受像層と透明フ
イルムとを接着出来るものであればよく、ポリエステル
系、ポリアクリル酸エステル系、ポリウレタン系、ポリ
塩化ビニル系、ポリオレフィン系、エチレン−酢酸ビニ
ル共重合体、合成ゴム系等の有機溶剤溶液又はエマルジ
ョンが使用出来る。接着剤は熱接着タイプでも、常温粘
着タイプでもよい。熱接着タイプの場合には、ワック
ス、エチレン−酢酸ビニル共重合体樹脂、ポリオレフィ
ン、石油系樹脂等のホットメルトタイプの接着剤による
熱接着或いはポリオレフィンフイルム等、エクストルー
ジョンフイルムによるサンドイッチラミネーションでも
よい。 【0024】中間層を兼ねる接着層として両面テープを
用いてもよい。両面テープはレーヨンペーパーにアクリ
ル系貼着剤等を含浸乾燥したもので、乾燥後の両面テー
プには微細空孔が出来ており、発泡層と等価の役割を果
たすものと思われる。中間層は、構成する材質によりク
ッション性、多孔性のいずれかであり、或いは場合によ
っては接着層の役目も兼ねている。クッション性層はJ
IS−K−6301に規定される100%モジュラスが
100kg/cm2以下である樹脂を主とするものであ
り、ここで前記100%モジュラスが100kg/cm
2を越えると、剛性が高過ぎる為にこの様な樹脂を用い
て中間層を形成しても、熱転写シートと受像層の印字の
際の十分な密着性が保たれない。又、前記100モジュ
ラスの下限は、実際上0.5kg/cm2程度である。 【0025】上記の条件に合致する樹脂としては次の様
なものが挙げられる ポリウレタン樹脂、ポリエステル樹脂、ポリブタジエン
樹脂、ポリアクリル酸エステル樹脂、エポキシ樹脂、ポ
リアミド樹脂、ロジン変性フェノール樹脂、テルペンフ
ェノール樹脂、エチレン/酢酸ビニル共重合体樹脂等。
上記の樹脂は、1種若しくは2種以上混合して使用する
ことが出来るが、上記の樹脂は比較的粘着性を有してい
るので、加工中に支障があるときは無機質の添加材、例
えば、シリカ、アルミナ、クレー、炭酸カルシウム等、
或いはステアリン酸アミド等のアミド系物質を添加して
もよい。 【0026】クッション性層は上記した様な樹脂を必要
に応じて他の添加剤とともに溶剤・希釈剤等と混練して
塗料若しくはインキとし、公知の塗布方法若しくは印刷
方法により塗膜として乾燥させることにより形成出来、
その厚みは0.5〜50μm、より好ましくは2〜20
μm程度である。厚みが0.5μm未満では、設けた透
明フイルムの表面の粗さを吸収しきれず、従って効果が
なく、逆に50μmを越えると効果の向上が見られない
ばかりか、受像層が厚くなりすぎて突出し、巻き取った
り、重ねたりする際の支障となるし、又、経済的でもな
い。この様な中間層を形成すると、熱転写シートと被熱
転写シートとの密着性が向上するのは、中間層自体が剛
性が低い為に印字に際に圧力により変形する為と考えら
れるが、更に前記した様な樹脂は通常ガラス転移点や軟
化点が低く、印字の際に与えられた熱エネルギーによ
り、常温におけるよりも更に剛性が低下して変形し易く
なることも寄与しているものと推定される。 【0027】多孔層は、1)ポリウレタン等の合成樹脂
エマルジョン、メチルメタクリレート−ブタジエン系等
の合成ゴムラテックスを機械的撹拌により起泡させた液
を透明フイルム上に塗布し乾燥させた層、2)上記合成
樹脂エマルジョン、上記合成ゴムラテックスに発泡剤を
混合させた液を透明フイルム上に塗布し乾燥させた層、
3)塩化ビニルプラスチゾル、ポリウレタン等の合成樹
脂又はスチレン−ブタジエン系等の合成ゴムに発泡剤を
混合した液を透明フイルム上に塗布し加熱することによ
り発泡させた層、4)熱可塑性樹脂又は合成ゴムを有機
溶剤に溶解した溶液と、該有機溶媒に比べて蒸発しにく
く該有機溶媒に対し相溶性を有し、且つ熱可塑性樹脂又
は合成ゴムに対して溶解性を有しない非溶媒(水を主成
分とするものも含む)との混合液を、透明フイルム上に
塗布し乾燥させることによりミクロ状に凝集した膜を形
成してなるミクロポーラス層等が用いられる。 【0028】上記1)〜3)の層は気泡の大きさが大き
い為、該層上に受像層の形成用溶液を塗布し乾燥させた
場合、乾燥させて形成された受像層の表面に凹凸が生じ
る恐れがある。その為に上記凹凸が小さく、又、均一性
の高い画像を転写せしめることが可能な受像層の表面を
得る為には、多孔質として上記4)のミクロポーラス層
を設けることが好ましい。上記ミクロポーラス層の形成
に当たって用いられる熱可塑性樹脂としては、飽和ポリ
エステル、ポリウレタン、塩化ビニル−酢酸ビニル共重
合体、セルロースアセトプロピオネート等が挙げられ、
又、同様に用いられる上記合成ゴムとしては、スチレン
−ブタジエン系、イソプレン系、ウレタン系等が挙げら
れる。又、該ミクロポーラス層の形成に当たって用いら
れる有機溶媒及び非溶媒としては種々のものが可能であ
るが、通常、有機溶媒としてはメチルエチルケトン、ア
ルコール等の親水性溶媒が用いられ、又、非溶媒として
は水が用いられる。 【0029】本発明における多孔層の厚みは、3μm以
上のものが好ましく、特に5〜20μm厚のものが好ま
しい。多孔層の厚みが3μm未満のものは、クッション
性、断熱性の効果が発揮されない。説明で前後したが、
中間層が接着層を兼ねる場合もあることは受像層の形成
方法において述べた通りである。上記の中間層は被熱転
写シートの背面に設けてもよいし、一方の面に設けても
よい。被熱転写シートの加工工程中又はプリンター内で
の走行時に静電気の発生を抑える為に、少なくとも一方
の面の受像層中又は受像層の表面に帯電防止剤を含有さ
せることが出来る。帯電防止剤としては、界面活性剤、
例えば、陽イオン型界面活性剤(例えば、第4級アンモ
ニウム塩、ポリアミン誘導体等)、陰イオン型界面活性
剤(例えば、アルキルスルホネート等)、両性イオン型
界面活性剤若しくは非イオン型界面活性剤が挙げられ
る。帯電防止剤は、グラビアコーティング、バーコーテ
ィング等により受像層表面に塗布形成してもよく、受像
層樹脂中に練り込んで受像層の塗工、乾燥時に受像層表
面に移行させてもよい。受像層樹脂と混合する帯電防止
剤としては、カチオン型のアクリルポリマーを用いるこ
とが出来る。 【0030】本発明の被熱転写シートは、いずれか一方
の面若しくは両方の面に、少なくとも一部に他の方法で
記録出来る様にしてもよい。代表的なものは水性ペンや
鉛筆等による筆記性層を設けることである、筆記性層
は、受像層を部分的に設けないことにより、透明フイル
ム表面をそのまま利用してもよいが、体質顔料を含有す
る樹脂層を受像層と並べるか、受像層の上に設けること
により形成してもよい。 【0031】以上が本発明の被熱転写シートの構成であ
るが、この様な被熱転写シートに所望の画像を形成する
好ましい方法は、昇華性染料を有する層を透明フイルム
上に設けてなる熱転写シートを使用する方法である。こ
の方法で使用する熱転写シートそれ自体及び転写方法自
体はいずれも公知であり、これらの公知の熱転写シート
及び転写方法はいずれも本発明において有用である。
又、この様な転写方法によって、モノカラーでもフルカ
ラーの画像でもいずれも容易に形成することが出来る。
例えば、従来公知の熱転写シートを前記の本発明の被熱
転写シートに重ねて従来公知のいずれかの転写装置、例
えば、サーマルプリンター(例えば、東芝製、サーマル
プリンターTN−5400)等の装置によって5〜10
0mJ/mm2の熱エネルギーを付与することによっ
て、所望の画像を本発明の被熱転写シートの受像層中に
形成することが出来る。 【0032】以上の如き画像が形成されたフイルムを用
いる装飾方法は、その画像面を被装飾物品に対向させて
貼着するものであり、この様な方法により、基材である
透明フイルムがそのまま画像の保護層として利用するこ
とが出来る。尚、本発明において上記の理由から形成す
る画像は、予め鏡面関係にある画像として形成するのが
好ましい。 【0033】上記の装飾方法は、以上の通り、特定の被
熱転写シートを使用し、且つ画像を反転させて貼着する
以外は、その画像形成方法や被装飾物品に対する貼着方
法はいずれも従来公知の方法でよく、又、上記の装飾方
法の対象となる被装飾物品もその材質、形状等、特に限
定されず、例えば、カートン、容器、バッグ類、カセッ
トケース、カセットハーフ、フロッピーケース、包装紙
等のパッケージ;株券、小切手、手形、証券、証書、通
帳類、乗車券、車馬券、印紙、切手、鑑賞券等の金券
類;キャッシュカード、クレジットカード、メンバーズ
カード、グリーティングカード、葉書、名刺、ICカー
ド等のカード類;その他、帳票類、封筒、タグ、シオ
リ、カレンダー、ポスター、パンフレット、パスポー
ト、POP用品、コースター、ディスプレイ、ネームプ
レート、キーボード、化粧品、装身具(時計、ライタ
ー)、文具類、建材、ラジオ、テレビ、スピーカー、電
卓、自動車のメーターパネル、エンブレム、キー、衣
類、履物、装置類、OA機器等、いずれの材質或いは形
状のものでもよい。 【0034】 【実施例】次に実施例を挙げて本発明を更に具体的に説
明する。尚、文中、部又は%とあるのは特に断りにない
限り重量基準である。 実施例1 基材としてポリエステルフイルム(厚み6μm)を用
い、その片面にポリエステル樹脂系プライマーを塗布及
び乾燥し、更にその上に下記組成の受像層形成用インキ
を用い、乾燥後重量が7g/m2となる様に塗布及び乾
燥した。 【0035】受像層形成用インキ : ポリエステル樹脂(東洋紡製、バイロン200) 100部 アミノ変性シリコーン(信越化学工業製、KF−393) 5部 エポキシ変性シリコーン(信越化学工業製、X−22−343) 5部 溶剤(メチルエチルケトン/トルエン/シクロヘキサノン=4/2/2) 900部 上記インキを塗布及び乾燥後、1日放置し、その後10
0℃の温度で30分間加熱し、シリコーンを表面にブリ
ードさせ、表面に硬化したシリコーン層を有する受像層
とした。 【0036】得られた受像層の上に、シアンの昇華性染
料(分子量は250以上)をバインダー樹脂で担持させ
た昇華転写フイルムを重ね、顔写真を色分解して得たシ
アン成分の電気信号に連結したサーマルヘッドで熱エネ
ルギーを付与し、シアン画像を得た。次いで、マゼンタ
の昇華性染料(分子量は250以上)を用いた昇華転写
フイルム及びイエローの昇華性染料(分子量は250以
上)を用いた昇華転写フイルムにより同様にして昇華転
写を行い、フルカラーの顔写真とその他の文字、図形か
らなる表示画像を形成した。 【0037】表示画像の形成されたフイルムの受像層側
を、厚さ100μmの白色不透明の硬質塩化ビニル樹脂
シートからなるカード基体上に重ねて200℃の熱ロー
ラーで圧着し、表示画像を有する受像層が貼合されたカ
ードを得た。このカードの表面は、全体的に平滑であ
り、画像部分に何ら盛り上がりもなかった。更にこのカ
ードの画像は40℃の雰囲気に3ケ月間保持した促進試
験においても、画像の乱れや層間剥離は全く生じなかっ
た。又、カーボンアーク灯によるJISの耐光試験をし
たところ、結果はJIS 4〜5級であり、良好な性能
を示した。表面の引っ掻き等についても良好な耐久性を
示した。 【0038】実施例2 実施例1において、顔写真画像を形成した被熱転写シー
トの画像面にポリエステル系接着剤を塗布し、これを電
話機の曲面に貼着したところ、画像は電話機の曲面に十
分に追従し、曲面と一体化し、シールの様な貼着感を与
えず、直接画像を印刷した如き視感を与えた。 【0039】実施例3 実施例1における画像を形成した被熱転写シートの画像
面に、厚さ1μmのポリアミド系粘着剤層を形成し、こ
れをガラス製コップの外面に貼着したところ、貼着感を
与えず、あたかも直接印刷した如き視感を与えた。 【0040】 【効果】以上の如き本発明の被熱転写シートによれば、
従来は、画像の形成及び付与が不可能或いは困難であっ
た立体成形物、曲面或いは複雑な凹凸形状等の表面を有
する物品、更にはこれらの物品の材質に係らず、昇華性
染料により形成された画像を自由に付与することが出来
る。しかも本発明によれば、従来の所謂絵付シールとは
異なり、本発明による画像を有するフイルムは薄いもの
である為、被装飾物品に貼着しても、それらが十分に一
体化して、貼着感を与えず、優れた美観、機能及び耐久
性を有する。 【0041】
【図面の簡単な説明】 【図1】本発明の被熱転写シートの断面を図解的に示す
図。 【図2】本発明の被熱転写シートの断面を図解的に示す
図。 【図3】本発明の被熱転写シートの断面を図解的に示す
図。 【図4】熱転写シートによる画像の形成を図解的に示す
図。 【図5】物品の装飾状態を図解的に示す図。 【符号の説明】 1:透明フイルム 2:受像層 3:離型層 4:中間層 5:画像 6:接着剤 10:被熱転写シート 20:熱転写シート 21:染料担持層 30:被装飾物品
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 昭61−27290(JP,A) 特開 昭59−85792(JP,A) 特開 昭62−231797(JP,A) 特開 昭62−105689(JP,A) 特開 昭62−151393(JP,A)

Claims (1)

  1. (57)【特許請求の範囲】 1.透明フイルムの一方の面に、昇華性染料により染着
    可能な受像層が離型層を介して剥離可能に設けられてい
    ることを特徴とする被熱転写シート。 2.受像層の表面に更に離型層が設けられている請求項
    1に記載の被熱転写シート。 3.透明フイルムの一方の面に、離型層を含有する、昇
    華性染料により染着可能な受像層が剥離可能に設けられ
    ていることを特徴とする被熱転写シート。
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