JP2001191653A - 熱転写受像シート - Google Patents

熱転写受像シート

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JP2001191653A
JP2001191653A JP2000006983A JP2000006983A JP2001191653A JP 2001191653 A JP2001191653 A JP 2001191653A JP 2000006983 A JP2000006983 A JP 2000006983A JP 2000006983 A JP2000006983 A JP 2000006983A JP 2001191653 A JP2001191653 A JP 2001191653A
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film
sheet
dye
receiving
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JP2000006983A
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Tadahiro Ishida
忠宏 石田
Katsuyuki Oshima
克之 大嶋
Koichi Shirai
孝一 白井
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Dai Nippon Printing Co Ltd
Original Assignee
Dai Nippon Printing Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 金属蒸着や着色印刷が施されたフィルムや、
ホログラム等の装飾効果の高いフィルムの上に染料受容
層を設けて、該受容層に転写画像を形成した画像形成物
において、下に位置するフィルムの絵柄や画像と昇華転
写画像が重なって、不鮮明になることなく、意匠、装飾
性の高い熱転写受像シートを提供する。 【解決手段】 本発明の熱転写受像シートは、装飾効果
の高いフィルム1の上に染料受容層2を設けたもので、
該染料受容層2の上、または該フィルム1と染料受容層
2との間に、あるいは該フィルム1の裏面側に、白色隠
蔽層3を設けた構成により、該受容層2に転写画像を形
成した画像形成物で、転写画像の下に位置するフィルム
の絵柄や画像を隠蔽して、該絵柄や画像と昇華転写画像
が重なって、不鮮明になることなく、意匠、装飾性の高
いものとなる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、熱転写シートと重
ね合わせ、サーマルヘッドやレーザー光をデバイスとし
て、昇華性染料の色材を熱転写することにより画像が形
成される熱転写受像シートに関し、特に金属蒸着や着色
印刷が施されたフィルムや、ホログラム、レインボー等
に代表される装飾効果の高いフィルムの上に染料受容層
を設けた意匠、装飾性の高い熱転写受像シートに関す
る。
【0002】
【従来の技術】従来より、熱転写方式を用いて被転写体
に文字や画像を形成することが行われている。熱転写方
式としては、感熱昇華型転写方式と感熱溶融型転写方式
が広く用いられている。このうち、感熱昇華型転写方式
は、昇華性染料を色材とし、それを画像情報に応じて発
熱制御されたサーマルヘッドやレーザー光等の加熱デバ
イスを用いて、熱転写シート上の昇華性染料層中の染料
を熱転写受像シート等の被転写体に移行させて画像を形
成させる方式である。
【0003】この感熱昇華型転写方式は、極めて短時間
の加熱によってドット単位で染料の移行量を制御でき
る。このように形成された画像は、使用する色材が染料
であることから非常に鮮明であり、且つ透明性に優れて
いるため、得られる画像は中間調の再現性や階調性に優
れ、極めて高精細な画像を得ることができる。このた
め、フルカラー銀塩写真に匹敵する高品質の画像を得る
ことができる。
【0004】マルチメディアに関連した様々なハードお
よびソフトの発達により、この熱転写方式は、コンピュ
ーターグラフィックス、衛星通信による静止画像そして
CDROMその他に代表されるデジタル画像およびビデ
オ等のアナログ画像のフルカラーハードコピーシステム
として、その市場を拡大している。
【0005】この熱転写方式による熱転写受像シートの
具体的な用途は、多岐にわたっている。代表的なものと
しては、印刷の校正刷り、画像の出力、CAD/CAM
などの設計およびデザインなどの出力、CTスキャンや
内視鏡カメラなどの各種医療用分析機器、測定機器の出
力用途そしてインスタント写真の代替として、また身分
証明書やIDカード、クレジットカード、その他カード
類への顔写真などの出力、さらに遊園地、ゲームセンタ
ー、博物館、水族館などのアミューズメント施設におけ
る合成写真、記念写真、絵ハガキとしての用途などをあ
げることができる。
【0006】さらに、上記のような用途の多様化に伴
い、任意の対象物に貼り付けられるもので、例えば、画
像が形成される受容層と基材が、粘着剤層を介して、離
型シートと剥離可能な構成の熱転写受像シートが使用さ
れている。いわゆる、ラベルやシールタイプと言われて
いるものである。この熱転写受像シートは、受容層に所
望の画像を形成後、該受容層を有する基材を剥離して任
意の対象物に貼着する用途のものである。
【0007】さて、金属蒸着や着色印刷が施されたフィ
ルムや、ホログラム、レインボー等に代表される装飾効
果の高いフィルム、さらに上記の両者を同一基材上に兼
ね備えたフィルム、また上記の両者のフィルムを貼り合
わせたもので代表される装飾用フィルムがラベル、ステ
ッカ等に使用されている。そして、この装飾用フィルム
に個別情報である昇華転写画像を形成して、独自性のあ
る受像シート、ラベルに利用することが行われている。
例えば,特開平7−314925、特開平11−428
63には、凹凸パターン(ホログラム)を有する反射層
の上に、染料受容層を設けた構成が記載されているが、
それらの染料受容層はホログラムが再生するために光透
過性を有したものである。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】しかし、上記のような
受像シートでは、染料受容層に形成した画像が、下にあ
る凹凸パターン(ホログラム)と重なり、特に該凹凸パ
ターンが着色されていたりすると、転写画像がぼやけて
しまい、不鮮明になるという問題がある。したがって、
上記課題を解決するために、本発明の目的は、金属蒸着
や着色印刷が施されたフィルムや、ホログラム、レイン
ボー等に代表される装飾効果の高いフィルムの上に染料
受容層を設けて、該受容層に転写画像を形成した画像形
成物において、下に位置するフィルムの絵柄や画像と昇
華転写画像が重なって、不鮮明になることなく、意匠、
装飾性の高い熱転写受像シートを提供することにある。
【0009】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に、本発明は、装飾効果の高いフィルムの上に染料受容
層を設けた熱転写受像シートにおいて、該染料受容層の
上、または該フィルムと染料受容層との間に、白色隠蔽
層を設けたことを特徴としている。前記の装飾効果の高
いフィルムと離型シートとを粘着剤層によって、剥離可
能に貼り合わせることが好ましく行われる。また、前記
の装飾効果の高いフィルムと基材シートとを接着剤層に
より、接着することが好ましい。
【0010】また、本発明の熱転写受像シートは、装飾
効果が高く、かつ透明性を有するフィルムの上に染料受
容層を設け、該フィルムの他方の面に白色隠蔽層を設
け、該フィルムと離型シートとを白色隠蔽層側と離型シ
ートの離型処理側とを粘着剤層によって、剥離可能に貼
り合わせたことを特徴としている。さらに、本発明の熱
転写受像シートは、装飾効果が高く、かつ透明性を有す
るフィルムの上に染料受容層を設け、該フィルムの他方
の面に白色隠蔽層を設け、該フィルムと基材シートとを
白色隠蔽層側と基材シートとを接着剤層によって、接着
したことを特徴としている。
【0011】前記の白色隠蔽層を染料受容層の上、また
は装飾効果の高いフィルムあるいは装飾効果が高く、か
つ透明性を有するフィルムの上に、直接印刷方式で設け
ることが好ましい。また、前記の白色隠蔽層を染料受容
層の上に、白色隠蔽層転写シートを加熱して、熱転写方
式で設けることが好ましく行われる。さらに、前記の染
料受容層の上に設けられた白色隠蔽層が、染料染着性を
有することが好ましい。
【0012】本発明の熱転写受像シートは、装飾効果の
高いフィルムの上に染料受容層を設けたもので、該染料
受容層の上、または該フィルムと染料受容層との間に、
あるいは該フィルムの裏面側に、白色隠蔽層を設けた構
成により、該受容層に転写画像を形成した画像形成物
で、転写画像の下に位置するフィルムの絵柄や画像を隠
蔽して、該絵柄や画像と昇華転写画像が重なって、不鮮
明になることなく、意匠、装飾性の高いものとなる。
【0013】
【発明の実施の形態】以下に、好ましい実施の形態を挙
げて、本発明を更に詳しく説明する。図1は、本発明の
熱転写受像シートの一例を示す断面図である。熱転写受
像シートは、基材シート6と装飾効果の高いフィルム1
を接着剤層7により接着した基材の該フィルム1側に染
料受容層2を設け、さらに、その受容層2の上に、白色
隠蔽層3を部分的に設けた構成である。また、図2は、
本発明の熱転写受像シートの他の例を示す断面図であ
り、基材シート6と装飾効果の高いフィルム1を接着剤
層7により接着した基材の該フィルム1側に、白色隠蔽
層3を部分的に設け、さらに、その白色隠蔽層3の上
と、該フィルム1の上に、染料受容層2で覆った構成で
ある。
【0014】さらに、図3は本発明の熱転写受像シート
の他の例を示す断面図であり、装飾効果の高いフィルム
1の上に、染料受容層2を設け、また、その受容層2の
上に、白色隠蔽層3を部分的に設け、さらに、該フィル
ム1の他方の面に、粘着剤層5を介して離型シート4
を、剥離可能に貼り合わせた構成である。また、図4は
本発明の熱転写受像シートの他の例を示す断面図であ
り、装飾効果の高いフィルム1の上に、白色隠蔽層3を
部分的に設け、また、該白色隠蔽層3と該フィルム1を
覆うように染料受容層2を設け、さらに、該フィルム1
の他方の面に、粘着剤層5を介して離型シート4を、剥
離可能に貼り合わせた構成である。
【0015】図5は、本発明の熱転写受像シートの他の
例を示す断面図であり、装飾効果が高く、かつ透明性を
有するフィルム8の上に染料受容層2を設け、該フィル
ム8の他方の面に白色隠蔽層3を部分的に設け、該フィ
ルム8と基材シート6とを白色隠蔽層3側と基材シート
6とを接着剤層7によって、接着した構成である。ま
た、図6は、本発明の熱転写受像シートの他の例を示す
断面図であり、装飾効果が高く、かつ透明性を有するフ
ィルム8の上に染料受容層2を設け、該フィルム8の他
方の面に白色隠蔽層3を部分的に設け、該フィルム8と
離型シート4とを白色隠蔽層3側と離型シート4の離型
処理側とを粘着剤層5によって、剥離可能に貼り合わせ
た構成である。その他、図示はしないが、装飾効果の高
いフィルムと染料受容層との間に中間層を設けたり、本
発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の変更が可能であ
る。
【0016】(装飾効果の高いフィルム)本発明の熱転
写受像シートの染料受容層を設ける装飾効果の高いフィ
ルム1としては、金属蒸着や着色印刷が施されたフィル
ムや、ホログラム、レインボー等に代表される表面凹凸
を有する光学的材料が挙げられる。金属蒸着フィルム
は、Cr、Ti、Fe、Co、Ni、Cu、Ag、A
u、Ge、Al、Mg、Sb、Pb、Pd、Cd、B
i、Sn、Se、In、Ga、Rbなどの金属およびそ
の酸化物、窒化物などを単独もしくは2種以上組合せて
用いて形成される。これらの金属のうちAl、Cr、N
i、Ag、Auなどが特に好ましい。金属蒸着フィルム
は、上記金属を蒸着、スパッタリング、イオンプレーテ
ィング、CVDなどの方法や、めっきによって、プラス
チックフィルム上に形成でき、その金属蒸着層の厚みは
200〜1000Åであることが好ましい。
【0017】また、着色印刷が施されたフィルムは、プ
ラスチックフィルムの上に着色インキを用いて、文字や
画像等のパターンを、従来公知の各種印刷方式、例え
ば、スクリーン印刷により部分印刷や、グラビア方式の
ロールコーター等で全面印刷することにより形成するこ
とができる。ホログラム材料としては、合成樹脂シート
の面に、微小凹凸形状を形成したものであり、合成樹脂
として、熱可塑性合成樹脂、例えばポリ塩化ビニル、ア
クリル樹脂(例えばポリメチルメタクリレート等)、ポ
リカーボネートやポリスチレン等や、熱硬化性合成樹
脂、例えば、不飽和ポリエステル、メラミン、エポキ
シ、ポリエステルアクリレート、ポリエステルメタアク
リート等や、上記の熱可塑性合成樹脂と熱硬化性合成樹
脂を混合して用いても良い。
【0018】また、ホログラムの微小凹凸形状は、合成
樹脂シートにホログラム原版を熱プレス等行って、形成
するが、その凹凸形状を形成後に、硬化して充分な耐久
性を有するものが好ましく、いわゆる紫外線硬化性樹
脂、電子線硬化性樹脂、熱硬化、自然硬化型の反応性の
樹脂等が用いられる。その微小凹凸形状は再生光により
ホログラム干渉縞や回折格子を再生するもので、寸法的
にはピッチが0.1〜10μm程度、凹凸の高低差が
0.01〜1μm程度である。そして、基板となる合成
樹脂シートの厚みは、0.1〜100μm程度、好まし
くは0.5〜10μm程度である。このようなホログラ
ム材料の合成樹脂は、透光性を有していればよく、染料
や顔料等着色されていても良い。
【0019】また、ホログラム材料は微小凹凸形状を有
する面に、光反射性の金属層を設け、優れた装飾性をも
たせることもできる。なお、光反射性の金属層は、前記
の金属蒸着フィルムの金属蒸着層で説明した形成方法と
同様の方法が用いられる。また、本発明の装飾効果の高
いフィルムは、染料受容層を設ける面と反対側の面に白
色隠蔽層を設ける場合は、装飾効果が高いことはもちろ
ん、同時に透明性を有するフィルム8が要求される。し
たがって、この場合では、例えばホログラムを装飾効果
の高いフィルムとして用いる時は、透明性の高いホログ
ラムを使用することになる。
【0020】(染料受容層)上記の装飾効果の高いフィ
ルムの上に形成される染料受容層2は、該フィルムの上
に直接または、プライマー層を介して、形成することが
できる。染料受容層は、加熱により熱転写シートから転
写される色材を受容する働きを有するもので、染料を受
容し、発色させると同時に、一旦受容した染料を再昇華
させないことが望まれる。
【0021】染料受容層は、一般に熱可塑性樹脂を主体
として構成される。受容層を形成する材料としては、例
えば、ポリプロピレン等のポリオレフィン系樹脂、塩化
ビニル・酢酸ビニル共重合体、エチレン・酢酸ビニル共
重合体、ポリ塩化ビニリデン等のハロゲン化ポリマー、
ポリ酢酸ビニル、ポリアクリルエステル等のポリエステ
ル系樹脂、ポリスチレン系樹脂、ポリアミド系樹脂、エ
チレンやプロピレン等のオレフィンと他のビニルモノマ
ーとの共重合体系樹脂、アイオノマー、セルロースジア
セテート等のセルロース系樹脂、ポリカーボネート系樹
脂等が挙げられ、中でも特に好ましいものはポリエステ
ル系樹脂及び塩化ビニル・酢酸ビニル共重合体及びそれ
らの混合物である。
【0022】画像形成時において、着色転写層を有する
熱転写シートと、熱転写受像シートの受容層との融着若
しくは印画感度の低下等を防ぐ目的で、染料受容層に離
型剤を混合することができる。混合して使用する好まし
い離型剤としては、シリコーンオイル、リン酸エステル
系界面活性剤、フッ素系界面活性剤等が挙げられるが、
中でもシリコーンオイルが望ましい。そのシリコーンオ
イルとしては、エポキシ変性、ビニル変性、アルキル変
性、アミノ変性、カルボキシル変性、アルコール変性、
フッ素変性、アルキルアラルキルポリエーテル変性、エ
ポキシ・ポリエーテル変性、ポリエーテル変性等の変性
シリコーンオイルが望ましい。
【0023】離型剤は1種若しくは2種以上のものが使
用される。また、離型剤の添加量は受容層形成用樹脂1
00質量部に対し、0.5〜30質量部が好ましい。こ
の添加量の範囲を満たさない場合は、昇華型熱転写シー
トと熱転写受像シートの受容層との融着若しくは印画感
度の低下等の問題が生じる場合がある。このような離型
剤を受容層に添加することによって、転写後の受容層の
表面に離型剤がブリードアウトして離型層が形成され
る。
【0024】また、これらの離型剤は受容層に添加せ
ず、受容層上に別途塗工してもよい。受容層は、基材で
ある装飾効果の高いフィルムの上に、上記の如き樹脂に
離型剤等の必要な添加剤を加えたものを適当な有機溶剤
に溶解したり、或いは有機溶剤や水に分散した分散体を
適当な塗布方法で塗布及び乾燥することによって形成さ
れる。上記受容層の形成に際しては、受容層の白色度を
向上させて転写画像の鮮明度を更に高めたりする目的
で、白色顔料や蛍光増白剤等を添加することができる。
以上のように形成される染料受容層は任意の厚さでよい
が、一般的には乾燥状態で1〜50μmの厚さである。
【0025】また、このような受容層は連続被覆である
のが好ましいが、樹脂エマルジョン若しくは水溶性樹脂
や樹脂分散液を使用して、不連続の被覆として形成して
もよい。更に、熱転写プリンターの搬送安定化を図るた
めに受容層の上に帯電防止剤を塗工してもよい。更に、
受容層と反対側の熱転写受像シートの表面には熱転写プ
リンターの給紙時のダブルフィードを防ぐため、適当な
スリップ層を設けることができる。スリップ層として
は、ブチラール樹脂、ポリアクリル酸エステル、ポリメ
タクリル酸エステル、ポリ塩化ビニリデン、ポリエステ
ル、ポリウレタン、ポリカーボネート、ポリ酢酸ビニル
等公知の樹脂の単独又はブレンドしたものに、各種の微
粒子やシリコーン等の滑剤を添加したものを用いること
ができる。
【0026】本発明の熱転写受像シートは、受像シート
の受容層面もしくは裏面、または両面の最表面に帯電防
止層を設けてもよい。帯電防止層は、帯電防止剤であ
る、脂肪酸エステル、硫酸エステル、リン酸エステル、
アミド類、4級アンモニウム塩、ベタイン類、アミノ酸
類、アクリル系樹脂、エチレンオキサイド付加物等を溶
剤に溶解又は分散させたものを塗工して、形成すること
ができる。形成手段は、上記の受容層の場合と同様のも
のがあげられる。帯電防止層の塗工量は、乾燥時0.0
01〜0.1g/m2が好ましい。
【0027】(白色隠蔽層)本発明の熱転写受像シート
で用いる白色隠蔽層3は、白色隠蔽層用インキで直接印
刷方式で設けたり、あるいは白色隠蔽層転写シート等を
加熱して、熱転写方式で設けることができる。上記の直
接印刷方式による白色隠蔽層の形成は、具体的には対象
とする面に、グラビア印刷法、スクリーン印刷法、活版
印刷法等の従来公知の印刷方式で行うことができる。そ
の際に使用するインキは行う印刷方式に適したものを用
いるが、バインダーないしビヒクルとしての樹脂類と、
着色剤としての白色顔料と、必要に応じて、各種添加剤
(蛍光増白剤等)と溶剤を加えて構成される。
【0028】上記のバインダーないしビヒクルとしての
樹脂類は、具体的はポリエステル樹脂、ポリウレタン樹
脂、アクリル樹脂、塩素化ポリプロピレン等の通常使用
されれるものでよい。上記の白色顔料としては、硫酸バ
リウム、アルミナホワイト、酸化チタン、酸化亜鉛等が
挙げられる。このうち好ましいものとして酸化チタンが
好ましく、アナターゼ型酸化チタン、又はルチル型酸化
チタンなどが利用できる。また白色隠蔽層の隠蔽性の向
上のために、体質顔料を添加することもできる。体質顔
料としては、カオリンクレー、シリカ、炭酸マグネシウ
ム、炭酸カルシウム等が挙げられる。このような直接印
刷で用いる白色隠蔽層インキのPV比(インキにおける
顔料の体積分率)は1〜10%程度が好ましい。
【0029】白色隠蔽層転写シートを加熱して、熱転写
方式で設ける場合には、予め白色隠蔽層転写シートや白
色隠蔽層の転写箔を、熱転写受像シートとは別個に用意
して作製しておく。尚、この熱転写方式ではサーマルヘ
ッドを用いるだけでなく、その他熱板、ホットスタンパ
ー、熱ロール、ラインヒーター、アイロン等の加熱手段
を適宜用いることができる。白色隠蔽層転写シートで用
いる基材としては、従来の熱転写シートに使用されてい
ると同じ基材がそのまま用いることが出来ると共に、そ
の他のものも使用することが出来、特に制限されない。
好ましい基材の具体例としては、例えば、グラシン紙、
コンデンサ紙、パラフイン紙等の薄葉紙、ポリエステ
ル、ポリプロピレン、セロハン、ポリカーボネート、酢
酸セルロース、ポリエチレン、ポリ塩化ビニル、ポリス
チレン、ナイロン、ポリイミド、ポリ塩化ビニリデン、
アイオノマー等のプラスチック或いはこれらと前該紙と
を複合した基材等が挙げられる。この基材の厚さは、そ
の強度及び耐熱性等が適切になる様に、材料に応じて適
宜変更することが出来るが、その厚さは、好ましくは、
3〜100μmである。
【0030】本発明で白色隠蔽層転写シートを用いて、
熱転写受像シートに白色隠蔽層を転写形成する場合、主
として、熱転写受像シートの染料受容層上に、その白色
隠蔽層を形成する。したがって、この場合には、転写さ
れた後の白色隠蔽層の表面には、染料染着性の機能をも
たせることが必要となる。そして、白色隠蔽層転写シー
トは、基材上に剥離性を有し、染料染着性を有する白色
隠蔽層を直接設けることが出来るが、基材上に剥離層を
介して、白色隠蔽性を有する中間層と、染料受容層を順
次形成したものが好ましく用いられる。ここでの染料受
容層は、任意の熱転写受像シートに転写後に、熱転写シ
ートから移行してくる昇華性染料を受容し、形成された
画像を維持する為のものであり、前述した装飾効果の高
いフィルムの上に設けた染料受容層と詳細は同様であ
り、ここでの説明は省略する。
【0031】白色隠蔽層転写シートに剥離層を設けるに
は、基材にメラミン処理、即ち、メラミン、イソシアヌ
ル酸付加物またはメラミン、シアヌル酸付加物をコーテ
ィングまたは混練して硬化塗膜を得たり、その他、受容
層と離型性を有する材料、例えばワックス類、シリコー
ンワックス、シリコーン樹脂、弗素樹脂、アクリル樹脂
等を基材にコーティングするか、もしくはこのような材
料を基材中に混練することによってもよい。(たとえば
シリコーン処理)。又、転写後に艶消し受容層が望まし
い場合には、剥離層中に各種の粒子を包含させるか或は
剥離層側表面をマット処理した基材を使用することによ
り表面マット状にすることも出来る。勿論、上記の如き
基材が適度な剥離性を有している場合には剥離層の形成
は不要である。
【0032】白色隠蔽層転写シートの染料受容層の表面
に、これらの層の転写性を良好にする為に接着剤層を設
けることが好ましい。これらの接着剤層は、ガラス転移
温度が50℃〜80℃の熱可塑性樹脂から形成する必要
があり、ガラス転移温度が50℃未満の樹脂の場合に
は、前記ブロッキングやそれに伴う種々の問題が発生し
たり、受像シートが葉書の如く目の粗い紙等である場合
には、溶融した接着剤の流動性が高過ぎて、紙にしみ込
んだりして目止効果や接着性が低下する等、好ましくな
い結果になる。
【0033】一方、接着剤層を形成する熱可塑性樹脂の
ガラス転移温度が80℃を越えると、染料受容層をサー
マルヘッドで転写させる場合、環境温度が低い場合(例
えば、寒冷地や冬季)には転写性が不十分となる。この
様な接着性樹脂は、例えば、ポリアミド樹脂、アクリル
樹脂、塩化ビニル樹脂、塩化ビニル・酢酸ビニル共重合
樹脂、ポリエステル樹脂等の如く熱時接着性の良好な樹
脂から、適当なガラス転移温度を有するものを選択し
て、その溶液を塗布及び乾燥することによって、好まし
くは0.5〜10μm程度の厚みに形成する。
【0034】更に、白色隠蔽層転写シートでは、染料受
容層と接着剤層との間に白色隠蔽性を有する中間層を設
けることが出来る。中間層を構成する材質としては、例
えば、ポリウレタン樹脂、アクリル樹脂、ポリエチレン
系樹脂、ブタジエンラバー、エポキシ樹脂等が挙げられ
る。中間層の厚さは2〜10μm程度が好ましい。中間
層の形成方法は上記染料受容層と同様でよい。上記の接
着剤層及び中間層には白色顔料や体質顔料、蛍光増白剤
及び/又は気泡(或は発泡剤)を包含させることが出来
る。これらの白色顔料、体質顔料や蛍光増白剤は転写後
の受容層が下に位置する装飾効果の高いフィルムの絵柄
や画像が上から見えて、転写された受容層の染料転写画
像と重なって、不鮮明になることを防止する隠蔽性をも
たせたり、白色度を向上させたりする。
【0035】上記の白色顔料としては、硫酸バリウム、
アルミナホワイト、酸化チタン、酸化亜鉛等が挙げられ
る。このうち好ましいものとして酸化チタンが推奨で
き、チタン工業(株)製の商品名(以下も同じ)KA−
10、KA−15、KA−20、KA−30、KA−3
5、KA−60、KA−80、もしくはKA−90(以
上はアナターゼ型酸化チタン)、又は、KR−310、
KR−380、KR−460、もしくはKR−480
(以上はルチル型酸化チタン)などが利用できる。ま
た,体質顔料としては、カオリンクレー、シリカ、炭酸
マグネシウム、炭酸カルシウム等が挙げられる。このう
ち好ましいものとしてカオリンクレーが推奨でき、土屋
カオリン工業(株)製の商品名(以下も同じ)JP−1
00カオリン、5M−カオリン、NNカオリン、ハード
シル、もしくはSTカオリンなどが利用できる。また、
中間層に添加する気泡(又は発泡剤)は受容層に良好な
クッション性を付与する機能を有する。これらの添加剤
を包含させる方法は、各層の形成時に使用する塗工液の
中に白色顔料等を包含させておけばよい。
【0036】本発明で使用する白色隠蔽層転写シートに
は、前記の様な基材の表面に、白色隠蔽層とは別の領域
に、所定の間隔を置いて染料層を面順次に形成すれば、
染料層のみを有する熱転写シートが必要でなくなり、材
料の削減ができる。かかる染料層は、染料を任意のバイ
ンダー樹脂で担持させた層である。使用する染料として
は、従来公知の熱転写シートに使用されている染料は、
いずれも有効に使用可能であり特に限定されない。例え
ば、幾つかの好ましい染料としては、赤色染料として、
MS RedG、Macrolex Red Viol
et R、Ceres Red7B、Samaron
Red HBSL、Resolin RedF3BS等
が挙げられ、又、黄色の染料としては、ホロンブリリア
ントイエロー6GL、PTY−52、マクロレックスイ
エロー6G等が挙げられ、又、青色染料としては、カヤ
セットブルー714、ワクソリンブルーAP−FW、ホ
ロンブリリアントブルーS−R、MSブルー100等が
挙げられる。
【0037】上記の如き染料を担持する為のバインダー
樹脂としては、従来公知のものがいずれも使用出来、好
ましいものを例示すれば、エチルセルロース、ヒドロキ
シエチルセルロース、エチルヒドロキシセルロース、ヒ
ドロキシプロピルセルロース、メチルセルロース、酢酸
セルロース、酢酪酸セルロース等のセルロース系樹脂、
ポリビニルアルコール、ポリ酢酸ビニル、ポリビニルブ
チラール、ポリビニルアセタール、ポリビニルピロリド
ン、ポリアクリルアミド等のビニル系樹脂、ポリエステ
ル等が挙げられるが、これらの中では、セルロース系、
アセタール系、ブチラール系及びポリエステル系等が耐
熱性、染料の移行性等の点から好ましいものである。更
に染料層中にはその他必要に応じて従来公知の各種の添
加剤も包含し得る。
【0038】この様な染料層は、好ましくは適当な溶剤
中に前記の昇華性染料、バインダー樹脂及びその他の任
意成分を加えて各成分を溶解又は分散させて染料層形成
用塗料又はインキを調製し、これを上記の基材上に面順
次に塗布及び乾燥させて形成する。この様にして形成す
る染料層は0.2〜5.0μm、好ましくは0.4〜
2.0μm程度の厚さであり、又、染料層中の昇華性染
料は、染料層の質量の5〜90質量%、好ましくは10
〜70質量%の量で存在するのが好適である。
【0039】このような白色隠蔽層転写シートを用い
て、熱転写受像シートへの転写方法は、熱転写用のサー
マルヘッドを備えた一般のプリンター、転写箔用のホッ
トスタンパー、熱ロール等、接着剤層が活性化される温
度に加熱可能ないずれの加熱加圧手段でもよい。又、画
像の形成方法としては従来公知の手段がいずれも使用出
来、例えば、サーマルプリンター(例えば、日立製作所
製、ビデオプリンターVY−100)等の記録装置によ
って、記録時間をコントロールすることにより、5〜1
00mJ/mm2程度の熱エネルギーを付与することに
よって所期の目的を十分に達成することが出来る。
【0040】(離型シート)本発明において使用する離
型シート4は、従来公知のプラスチックフィルムまた
は、ポリラミ紙等の表面にシリコーン等の公知の離型剤
で離型処理を施した材料が挙げられ、例えば、東レ株式
会社製のルミラーT−60(厚み50μm)や、ダイヤ
ホイル株式会社製のW−400(厚み38μm)として
入手し、使用することができる。これらの離型シートは
20μm〜100μmの厚みのものが好ましく、離型シ
ートが薄すぎると得られる熱転写受像シートのいわゆる
コシがなくなり、熱転写プリンターで搬送できなかった
り、熱転写受像シートにシワが発生したりする。一方、
離型シートが厚すぎると、得られる熱転写受像シートが
厚くなりすぎ、熱転写プリンターで搬送駆動させる力が
大きくなりすぎて、プリンターに故障が生じたり、正常
に搬送できなかったりする。
【0041】また、本発明において使用する離型シート
は、表面無処理のポリオレフィン樹脂フィルム、例え
ば、ポリエチレンフィルム、ポリプロピレンフィルムで
あり、特に延伸または無延伸のポリプロピレン樹脂フィ
ルムが好ましい。本発明者の知見によれば、特に延伸ま
たは無延伸のポリプロピレン樹脂フィルムは、その表面
に、従来技術の如き離型処理を施すことなく熱転写受像
シートを作成した場合に、粘着剤の種類を選択すること
によって、上記離型シートと粘着剤層とのJISZ02
37準拠の180°による剥離強度を約100〜1,7
00g、好ましくは約500〜1,400gの範囲に容
易に調節することができ、画像形成時には離型シートの
剥離がなく、そのうえ画像形成後には、離型シートを粘
着剤層から容易に剥離することができる。上記の離型シ
ートの厚みは約20〜100μm、好ましくは35〜7
5μmの範囲である。このような延伸若しくは無延伸の
ポリプロピレン樹脂フィルムとして、例えば、東洋紡績
株式会社製のパイレンや東レ株式会社製のトレファン等
として市場から入手することができる。
【0042】また、本発明において使用する離型シート
は、紙基材の一方の面に離型層を形成し、該紙基材の他
方の面に必要に応じて裏面層を形成することができる。
紙基材は、例えば、上質紙、アート紙、軽量コート紙、
微塗工紙、コート紙、キャストコート紙、合成樹脂また
はエマルジョン含浸紙、合成ゴムラテックス含浸紙、合
成樹脂内添紙等が挙げられる。この中でも、安価なコー
ト紙が好ましく用いられる。
【0043】離型層は、上記の紙基材の上に、シリコー
ン系剥離剤やワックス系剥離剤を塗布して形成したり、
ポリエチレン樹脂等を押し出しコーティングして形成す
ることができる。使用するポリエチレン樹脂の密度は
0.935g/m3以上が好ましく、その厚さは5〜3
0μm程度である。また、離型層の最表面には粘着剤層
との剥離性を向上させるため、シリコーン系剥離剤やワ
ックス系剥離剤を塗布しておくことが好ましい。また、
紙基材の他方の面に設ける裏面層は、プリンター搬送性
の向上や、離型シートのカール制御のために形成するも
のであり、樹脂塗工液にフィラーを添加して、塗工して
形成したり、ポリプロピレン樹脂等を押し出しコーティ
ングして形成することができる。
【0044】(粘着剤層)上記の本発明において使用す
る粘着剤層5は、従来公知の溶剤系及び水系のいずれの
粘着剤を用いて形成することができる。粘着剤として、
例えば、酢酸ビニル樹脂、アクリル樹脂、酢酸ビニル−
アクリル共重合体、酢酸ビニル−塩化ビニル共重合体、
エチレン−酢酸ビニル共重合体、エチレンアクリル酸共
重合体、エチレン−アクリル酸エステル共重合体、ポリ
ウレタン樹脂や、天然ゴム、クロロプレンゴム、ニトリ
ルゴムなどが挙げられる。粘着剤層の塗工量は、約8〜
30g/m2(固形分)が一般的であり、従来公知の方
法、すなわち、グラビアコート、グラビアリバースコー
ト、ロールコート等の方法で、離型シート上に塗布し、
乾燥して粘着剤層を形成する。また、粘着剤層の粘着力
は、離型シートと粘着剤層との剥離強度で、JIS Z
0237準拠の180°による剥離方法において、10
0〜1,700gの範囲、好ましくは500〜1,40
0gの範囲にすることが望ましい。以上の如き粘着剤の
種類や、塗工量は、前記離型シート上に粘着剤層を形成
する際に、その剥離強度が前記範囲になるように、選択
して使用することが好ましい。
【0045】上記の離型シートと装飾効果の高いフィル
ムとを粘着剤層により積層する方法としては、例えば、
ドライラミネーション、ノンソルベント(ホットメル
ト)ラミネーション、ECラミネーション方法等の公知
の積層方法が使用できるが、好ましい方法はドライラミ
ネーション及びノンソルベントラミネーション方法であ
る。ノンソルベントラミネーション方法に好適な接着剤
としては、例えば、武田薬品工業株式会社製のタケネー
トA−720Lが挙げられ、ドライラミネーションに好
適な接着剤としては、例えば、武田薬品工業株式会社製
のタケラックA969/タケネートA−5(3/1)等
が挙げられる。これらの接着剤の使用量としては、固形
分で約1〜8g/m2、好ましくは2〜6g/m2の範囲
である。
【0046】(基材シート)本発明の熱転写受像シート
は、装飾効果の高いフィルムと基材シート6とを接着剤
層により貼り合わせたものを基材とすることができる。
その基材シートとしては、紙類、プラスチックフィルム
等が使用でき、紙類では、各種紙単体もしくは加工紙等
いずれも使用可能で、例えば、上質紙、コート紙、アー
ト紙、キャストコート紙、板紙等の他、樹脂エマルジョ
ンや合成ゴムラテックス等の含浸紙、合成樹脂内添紙な
どが挙げられ、合成紙では、ポリスチレン系合成紙やポ
リオレフィン系合成紙等が良好に使用できる。
【0047】また、プラスチックフィルムでは、ポリプ
ロピレンなどのポリオレフィン系樹脂フィルム、ポリカ
ーボネートフィルム、ポリエチレンナフタレートフィル
ム、ポリエチレンテレフタレートフィルムなどのポリエ
ステル系樹脂フィルム、硬質ポリ塩化ビニルフィルム、
ポリスチレンフィルム、ポリアミドフィルム、ポリアク
リロニトリルフィルム、ポリメタクリレートフィルム、
ポリエーテルエーテルケトンフィルム、ポリエーテルス
ルフォンフィルム、ポリアリレートフィルムなどが使用
できる。これらのプラスチックフィルムでは透明なフィ
ルムだけでなく、白色顔料や、充填剤等を加えて成膜し
た白色不透明のフィルム、或いは発泡させたフィルムも
使用でき、特に限定されない。
【0048】尚、これらの材料はそれぞれ単独でも使用
できるが、他の材料と組み合わせた積層体として使用し
てもよい。さらに、基材シートの裏面には、プリンター
搬送性の向上や、熱転写受像シートのカール制御のため
に裏面層を形成することができ、例えば、樹脂塗工液に
各種のフィラーを添加して、塗工して形成したりするこ
とができる。裏面層として、アクリル系樹脂、セルロー
ス系樹脂、ポリカーボネート樹脂、ポリビニルアセター
ル樹脂、ポリビニルアルコール樹脂、ポリアミド樹脂、
ポリスチレン系樹脂、ポリエステル系樹脂、ハロゲン化
ポリマー等の樹脂中に、添加剤として、アクリル系フィ
ラー、ポリアミド系フィラー、フッ素系フィラー、ポリ
エチレンワックスなどの有機系フィラー、及び二酸化珪
素や金属酸化物などの無機フィラーを加えたものが使用
できる。
【0049】この裏面層として、上述の樹脂を硬化剤に
より硬化したものを使用することがさらに好ましい。硬
化剤としては、イソシアネート化合物、キレート化合物
等の一般的に公知のものが使用できるが、中でもイソシ
アネート化合物が好ましい。さらに、上記裏面層中に
は、添加剤として、有機フィラーまたは無機フィラーを
添加しても良い。これらのフィラーの働きで、プリンタ
ー内での熱転写受像シートの搬送性が向上し、また、ブ
ロッキングを防ぐなど熱転写受像シートの保存性も向上
する。有機フィラーとして、アクリル系フィラー、ポリ
アミド系フィラー、フッ素系フィラー、ポリエチレンワ
ックスなどがあげられる。この中では、特にポリアミド
系フィラーが好ましい。また、無機フィラーとして、二
酸化珪素や金属酸化物などがあげられる。
【0050】(接着剤層)貼り合わせ基材で使用する接
着剤層7は、接着剤を主体として構成される。接着剤と
しては、接着機能を有するものであれば、特に制限はな
く、例えば、ウレタン系樹脂、α−オレフィン−無水マ
レイン酸樹脂等のポリオレフィン系樹脂、ポリエステル
系樹脂、アクリル系樹脂、エポキシ系樹脂、ウリア系樹
脂、メラミン系樹脂、フェノール系樹脂、酢酸ビニル系
樹脂、シアノアクリレート系樹脂等が使用できる。中で
もアクリル系樹脂の反応型のものや、変成したもの等が
好ましく使用することができる。
【0051】また、接着剤を硬化剤を用いて硬化させる
と、接着力も向上し、耐熱性も上がるため好ましい。硬
化剤としては、イソシアネート化合物が一般的である
が、脂肪族アミン、環状脂肪族アミン、芳香族アミン、
酸無水物等を使用することができる。接着剤層の形成
は、一般的に行われている塗工手段を用いることがで
き、例えばグラビア印刷法、スクリーン印刷法、グラビ
ア版を用いたリバースロールコーティング法等の手段に
より、塗工し、乾燥する。
【0052】
【実施例】以下に、実施例及び比較例を示し、本発明を
具体的に説明する。 (実施例1)基材シートとして、ポリプロピレンシート
(エクセル東海E−2905、厚さ60μm)の上に、
下記組成の接着剤層塗工液を、グラビアコーターにより
乾燥時4.0g/m2になる割合で塗布し、装飾効果の
高いフィルムとして、東洋メタライジング(株)製の蒸
着フィルム、メタルミーTSを、蒸着反射面が外側にな
るように、その接着剤層により貼り合わせて、基材を用
意した。上記基材の装飾効果の高いフィルムの上に、下
記組成の染料受容層塗工液を、バーコーターにより乾燥
時5.0g/m2になる割合で塗布し、ドライヤーで乾
燥後、更に100℃のオーブンで30秒間乾燥して染料
受容層を形成した。
【0053】 (接着剤層用塗工液組成) 多官能ポリオール 30部 (タケラックA−969V、武田薬品工業(株)製) イソシアネート 10部 (タケネートA−5、武田薬品工業(株)製) 酢酸エチル 60部
【0054】 (染料受容層用塗工液組成) 塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体 30部 (#1000AKT、電気化学工業(株)製) エポキシ変性シリコーン 0.3部 (X−22−3000T、信越化学工業(株)製) フェニル変性シリコーン 0.3部 (X−24−510、信越化学工業(株)製) メチルエチルケトン/トルエン(質量比8/2) 30部
【0055】また、背面に耐熱処理を施した厚さ6μm
のポリエチレンテレフタレートフィルムを使用し、この
耐熱処理を施してない面に下記組成の剥離層用塗工液を
乾燥時1.0g/m2になる割合で塗布し、その剥離層
の上に下記組成の中間層用塗工液を乾燥時2.0g/m
2になる割合で塗布し、さらに中間層の上に下記組成の
受容層用塗工液を乾燥時3.0g/m2になる割合で塗
布して、白色隠蔽層転写シートを用意した。
【0056】 (剥離層用塗工液組成) エチルヒドロキシエチルセルロース(ハーキュレス社製) 100部 染料(PSD−150、日本曹達(株)製) 50部 メチルエチルケトン/トルエン(質量比1/1) 400部
【0057】 (中間層用塗工液組成) アクリル樹脂(BR−106、三菱レイヨン(株)製) 100部 酸化チタン(トーケムプロダクツ製、TCA888) 50部 メチルエチルケトン/トルエン(質量比1/1) 400部
【0058】 (受容層用塗工液組成) 塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体(VYHD、UCC製) 100部 エポキシ変性シリコーン(KF−393、信越化学工業(株)製) 8部 アミノ変性シリコーン(X−22−343、信越化学工業(株)製) 8部 メチルエチルケトン/トルエン(質量比1/1) 400部
【0059】上記の貼り合わせた基材上に染料受容層を
形成した熱転写受像シートの受容層面に、上記で用意し
た白色隠蔽層転写シートを用いて、サーマルヘッドによ
り白色隠蔽層を部分的領域に熱転写して、実施例1の熱
転写受像シートを作製した。
【0060】(実施例2)基材シートとして、実施例1
で使用したものと同様のポリプロピレンシート上に、実
施例1で使用した接着剤層塗工液を、実施例1と同様に
塗布し、装飾効果の高いフィルムとして、クルツジャパ
ン製ホログラム蒸着フィルム、SB Reflex/A
L(厚さ23μm)を、反射面が外側になるように、そ
の接着剤層により貼り合わせて、基材を用意した。上記
基材の装飾効果の高いフィルムの上に、実施例1で使用
した染料受容層塗工液を、実施例1と同様に塗布し、乾
燥して染料受容層を形成した。また、実施例1で作製し
た白色隠蔽層転写シートを用いて、上記の熱転写受像シ
ートの受容層面に、サーマルヘッドにより白色隠蔽層を
部分的領域に熱転写して、実施例2の熱転写受像シート
を作製した。
【0061】(実施例3)実施例2で使用した装飾効果
の高いフィルムの上に、(フィルムの反射面上に)、実
施例1で使用した染料受容層塗工液を、実施例1と同様
に塗布し、乾燥して染料受容層を形成した。また、上記
の装飾効果の高いフィルムの他方の面に、下記組成の粘
着剤層用塗工液を乾燥時15g/m2になる割合で塗布
し、乾燥して粘着剤層を形成し、その粘着剤層面と、離
型シートである表面無処理の二軸延伸ポリプロピレンフ
ィルム(商品名パイレンP2156、東洋紡績株式会社
製、厚み30μm)を対向させてラミネートした。ま
た、実施例1で作製した白色隠蔽層転写シートを用い
て、上記の熱転写受像シートの受容層面に、サーマルヘ
ッドにより白色隠蔽層を部分的領域に熱転写して、実施
例3の熱転写受像シートを作製した。
【0062】 (粘着剤層用塗工液組成) アクリル共重合体 48部 (綜研化学(株)製、SKダイン1310L) エポキシ樹脂(綜研化学(株)製、硬化剤E−AX 0.36部 酢酸エチル 51.64部
【0063】(実施例4)実施例2で使用した装飾効果
の高いフィルムの上に、(フィルムの反射面上に)、下
記組成の白色隠蔽層用塗工液を、グラビア印刷により、
部分的領域に印刷した。次に、その白色隠蔽層と装飾効
果の高いフィルムを覆うように全面に、実施例1で使用
した染料受容層塗工液を、実施例1と同様に塗布し、乾
燥して染料受容層を形成した。また、上記の装飾効果の
高いフィルムの他方の面に、実施例3で使用した粘着剤
層用塗工液を実施例3と同様に塗布し、乾燥して粘着剤
層を形成し、その粘着剤層面と、実施例3で用いたもの
同様の離型シートを対向させてラミネートして、実施例
4の熱転写受像シートを作製した。
【0064】 (白色隠蔽層用塗工液) ウレタン樹脂(日本ポリウレタン(株)製) 36部 酸化チタン(トーケムプロダクツ製、TCA888) 18部 イソシアネート(武田製薬(株)製、タケネートA−14) 2.04部 蛍光増白剤(日本チバガイギー(株)製、UVITEX OB)0.216部 メチルエチルケトン/トルエン(質量比1/1) 30部
【0065】(比較例1)実施例1の熱転写受像シート
において、白色隠蔽層を熱転写しない以外は、実施例1
と同様にして比較例1の熱転写受像シートを作製した。
【0066】上記の実施例及び比較例の熱転写受像シー
トと、市販の昇華性熱転写シートを、それぞれの受容層
と染料層を重ね合わせ、熱転写シートの裏面からサーマ
ルヘッドで加熱し、テストパターンの熱転写画像を形成
した。印字条件は、線密度が300dpiのサーマルヘ
ッドを搭載した256階調制御が可能な熱転写プリンタ
ーを使用し、パルス幅が1ms、記録周期が2.0ms
/line、記録エネルギーが3.0j/cm2で、画
像を形成する。
【0067】上記の得られた画像形成物を、目視にて観
察すると、実施例の画像形成物は、昇華転写画像の下に
位置するフィルムの絵柄や画像を隠蔽して、該絵柄や画
像と昇華転写画像が重なって、不鮮明になることなく、
優れた意匠性、装飾性のものが得られた。それに対し、
比較例の画像形成物は、昇華転写画像の下に位置するフ
ィルムの絵柄や画像が隠蔽されず、該絵柄や画像と昇華
転写画像が重なって、昇華転写画像がぼやけてしまい、
不鮮明になった。
【0068】
【発明の効果】本発明によれば、以上説明したように、
装飾効果の高いフィルムの上に染料受容層を設けた熱転
写受像シートにおいて、該染料受容層の上、または該フ
ィルムと染料受容層との間に、あるいは該フィルムの裏
面側に、白色隠蔽層を設けた構成により、該受容層に昇
華転写画像を形成した画像形成物で、転写画像の下に位
置するフィルムの絵柄や画像を隠蔽して、該絵柄や画像
と昇華転写画像が重なって、不鮮明になることなく、意
匠、装飾性の高いものとなる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の熱転写受像シートの一例を示す断面図
である。
【図2】本発明の熱転写受像シートの他の例を示す断面
図である。
【図3】本発明の熱転写受像シートの他の例を示す断面
図である。
【図4】本発明の熱転写受像シートの他の例を示す断面
図である。
【図5】本発明の熱転写受像シートの他の例を示す断面
図である。
【図6】本発明の熱転写受像シートの他の例を示す断面
図である。
【符号の説明】
1 装飾効果の高いフィルム 2 染料受容層 3 白色隠蔽層 4 離型シート 5 粘着剤層 6 基材シート 7 接着剤層 8 装飾効果が高く、かつ透明性を有する
フィルム
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 白井 孝一 東京都新宿区市谷加賀町一丁目1番1号 大日本印刷株式会社内 Fターム(参考) 2H111 AA01 AA05 AA27 CA01 CA03 CA04 CA05 CA12 CA25 CA44 4J004 AA04 AA05 AA07 AA09 AA10 AA14 AB01 CA02 CA04 CA06 CB02 CC02 CC04 DA04 DB02 DB03

Claims (8)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 装飾効果の高いフィルムの上に染料受容
    層を設けた熱転写受像シートにおいて、該染料受容層の
    上、または該フィルムと染料受容層との間に、白色隠蔽
    層を設けたことを特徴とする熱転写受像シート。
  2. 【請求項2】 前記の装飾効果の高いフィルムと離型シ
    ートとを粘着剤層によって、剥離可能に貼り合わせたこ
    とを特徴とする上記請求項1に記載する熱転写受像シー
    ト。
  3. 【請求項3】 前記の装飾効果の高いフィルムと基材シ
    ートとを接着剤層により、接着したことを特徴とする上
    記請求項1に記載する熱転写受像シート。
  4. 【請求項4】 装飾効果が高く、かつ透明性を有するフ
    ィルムの上に染料受容層を設け、該フィルムの他方の面
    に白色隠蔽層を設け、該フィルムと離型シートとを白色
    隠蔽層側と離型シートの離型処理側とを粘着剤層によっ
    て、剥離可能に貼り合わせたことを特徴とする熱転写受
    像シート。
  5. 【請求項5】 装飾効果が高く、かつ透明性を有するフ
    ィルムの上に染料受容層を設け、該フィルムの他方の面
    に白色隠蔽層を設け、該フィルムと基材シートとを白色
    隠蔽層側と基材シートとを接着剤層によって、接着した
    ことを特徴とする熱転写受像シート。
  6. 【請求項6】 前記の白色隠蔽層を染料受容層の上、ま
    たは装飾効果の高いフィルムあるいは装飾効果が高く、
    かつ透明性を有するフィルムの上に、直接印刷方式で設
    けることを特徴とする上記請求項1〜5のいずれか一つ
    に記載する熱転写受像シート。
  7. 【請求項7】 前記の白色隠蔽層を染料受容層の上に、
    白色隠蔽層転写シートを加熱して、熱転写方式で設ける
    ことを特徴とする上記請求項1〜3のいずれか一つに記
    載する熱転写受像シート。
  8. 【請求項8】 前記の染料受容層の上に設けられた白色
    隠蔽層が、染料染着性を有することを特徴とする上記請
    求項1、2、3、7のいずれか一つに記載する熱転写受
    像シート。
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