JP2576954B2 - 被熱転写シ−ト - Google Patents

被熱転写シ−ト

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JP2576954B2
JP2576954B2 JP61152925A JP15292586A JP2576954B2 JP 2576954 B2 JP2576954 B2 JP 2576954B2 JP 61152925 A JP61152925 A JP 61152925A JP 15292586 A JP15292586 A JP 15292586A JP 2576954 B2 JP2576954 B2 JP 2576954B2
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    • B41M5/50Recording sheets characterised by the coating used to improve ink, dye or pigment receptivity, e.g. for ink-jet or thermal dye transfer recording
    • B41M5/52Macromolecular coatings
    • B41M5/5263Macromolecular coatings characterised by the use of polymers obtained otherwise than by reactions only involving carbon-to-carbon unsaturated bonds
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Description

【発明の詳細な説明】 (産業上の利用分野) 本発明は、熱転写シートと組み合わせて使用され、染
料染着性が優れた被熱転写シートに関する。
(従来の技術) 昇華性の分散染料を含有する染料層を有する熱転写シ
ートを、サーマルヘッドなどにより、画像信号に応じて
点状に加熱し、樹脂塗工紙の表面に移行した染料からな
る画像を形成する試みが行われている。
しかし、従来の被熱転写シートでは、染料の染着性が
充分ではなく、高い濃度の画像を得ようとすると過大な
熱量を印字時に必要とし、サーマルヘッドへの負担を大
きくし、サーマルヘッド駆動電圧が大きくなる欠点があ
った。
(発明が解決しようとする問題点) 従って本発明においては上記の従来技術における欠点
を解消し、染料の染着性を向上させることを目的として
いる。
本発明者らの研究により、受容層を主鎖に特定のフェ
ニル基を有する変性ポリエステル樹脂を用いて構成する
ことにより、優れた染料染着性が発揮されることが見い
出され、これにより本発明の完成に至った。
本発明においては、熱転写シートを、熱により溶融も
しくは昇華して移行する染料を含有する染料層を有する
熱転写シートと組み合わせて使用され、シート状基材の
表面に前記熱転写シートより移行する染料を受容する受
容層を有している被熱転写シートであって、受容層が、
ポリオール成分としてビスフェノールA、ビスフェノー
ルB、ビスフェノールAFおよびビスフェノールSから選
ばれた少なくとも1種を用いて合成された主鎖にフェニ
ル基を有する変性ポリエステル樹脂(以下、単に変性ポ
リエステル樹脂という)を含むことを特徴とする構成と
することにより、上記した従来の技術における欠点を解
消することができたものである。
本発明の被熱転写シート1は、例えば、シート状基材
2の上に受容層3を有する構造を有しており、必要に応
じ、中間層4をシート状基材2と受容層3との間に有し
ている。受容層3はシート状基材2の片面に有していて
もよいものである。
(シート状基材) シート状基材2としては、合成紙(ポリオレフィン
系、ポリスチレン系など)、上質紙、アート紙、コー
ト紙、キャストコート紙、壁紙裏打ち用紙、合成樹脂ま
たはエマルジョン含浸紙、合成ゴムラテックス含浸紙、
合成樹脂内添紙、板紙、もしくはセルロース繊維紙など
の天然繊維紙、ポリオレフィン、ポリ塩化ビニル、ポ
リエチレンテレフタレート、ポリスチレン、ポリメタク
リレート、ポリカーボネートなどの各種のプラスチック
のフィルムもしくはシートが使用できる。このうち、
の合成紙は、その表面に熱伝導率の低い(換言すれば断
熱性の高い)ミクロヴォイド層を有しているので好まし
い。また、上記〜の任意の組み合わせによる積層体
も使用できる。代表的な積層体の例として、セルロース
繊維紙と合成紙、あるいはセルロース繊維紙とプラスチ
ックフィルムもしくはシートとの積層体が挙げられる。
このうちセルロース繊維紙と合成紙との積層体は、合成
紙が有する熱的な不安定さ(伸縮など)をセルロース繊
維紙が補ない、合成紙が有する低熱伝導率による印字熱
感度の高さを発揮できてよい。また、この組み合わせに
おいて積層体表裏のバランスをとるため、合成紙〜セル
ロース繊維紙〜合成紙の三層積層体を用いるのがよく、
印字によるカールを少なくすることができる。
上記のような積層体に用いる合成紙としては通常、被
熱転写シートの基材として使用し得るものであればいか
なるものをも使用できるが、特に微細空孔を有する紙状
層を設けた合成紙(例えば、市販品の合成紙:ユポ:王
子油化合成紙製)が望ましい。上記の紙状層における微
細空孔は、例えば、合成樹脂を微細充填剤含有状態で延
伸することにより形成することができる。上記微細空孔
を含有する紙状層を設けた合成紙を用いて構成した被熱
転写シートは、熱転写により画像を形成した場合、画像
濃度が高く、画像のバラツキも生じないという効果があ
る。
これは、微細空孔により断熱効果があり、熱エネルギ
ー効率が良いことと、微細空孔によるクッション性のよ
さが、上記合成紙上に設けられ、画像が形成される受容
層に寄与するものと思われる。また、上記微細空孔を含
有する紙状層を直接、セルロース繊維紙などの芯材の表
面に設けることも可能である。
上記積層体におけるセルロース繊維紙以外にプラスチ
ックフィルムを使用することもでき、更に、上記セルロ
ース繊維紙とプラスチックフィルムとをラミネートした
ものも使用することができる。
合成紙とセルロース繊維紙との貼着方法としては、例
えば、従来公知の接着剤を用いた貼着、押出ラミネート
法を用いた貼着、熱接着による貼着が挙げられ、また、
合成紙とプラスチックフィルムとの貼着方法としてはプ
ラスチックフィルムの形成を同時に兼ねたラミネート
法、カレンダー法などによる貼着などが挙げられる。上
記貼着手段は合成紙と貼着するものの材質に応じて適宜
選択される。上記接着剤の具体例としては、エチレン−
酢酸ビニル共重合体、ポリ酢酸ビニルなどのエマルジョ
ン接着剤、カルボキシル基を含むポリエステルなどの水
溶性接着剤などが挙げられ、またラミネート用の接着剤
としては、ポリウレタン系、アクリル系などの有機溶剤
溶液タイプなどの接着剤が挙げられる。
(受容層) 受容層3を構成する材質は、熱転写シートから移行す
る染料、例えば、昇華性の分散染料の画像を受容(受
像)し、受容により形成された画像を維持するための層
である。
本発明において受容層3は主鎖に特定のフェニル基を
有する変性ポリエステル樹脂を含んで構成されている。
変性ポリエステル樹脂の分子量は、10,000〜30,000、
重合度100〜200程度であることが好ましい。主鎖へのフ
ェニル基の導入は、ポリオール成分としてビスフェノー
ルA、ビスフェノールB、ビスフェノールAFおよびビス
フェノールSから選ばれた少なくとも1種を用いること
により行なわれる。上記特定のポリオールは使用するポ
リオールのうち1〜100モル%程度であることが好まし
い。
上記変性ポリエステル樹脂を用いて作成した被熱転写
シートは染料の染着性が優れているが、その理由として
は、フェニル基の含有によりポリマーの非晶質状態が形
成されやすくなることにより染料の拡散性が高くなるた
めと考えられる。
この傾向はフェニル基が側鎖よりも主鎖に存在すると
きに顕著である。また、フェニル基の含有により染料、
特にアントラキノン系の染料のポリマー中への溶解性な
いし親和性が増加することも染料染着性に寄与している
と考えられる。
変性ポリエステル樹脂は、ポリオール成分としてビス
フェノールA、ビスフェノールB、ビスフェノールAFお
よびビスフェノールSから選ばれる少なくとも1種を用
いて合成される。
ポリオール成分としては、フェニル基を有しないエチ
レングリコール、ネオペンチルグリコールなどと、フェ
ニル基を有するものとを併用してもよい。
なお、合成の際の各成分は単一でなくてもよく、適宜
に複数組みあわせてもよい。
変性ポリエステル樹脂は、他の樹脂と併用して受容層
を構成することもできる。
例えば、下記(a)〜(e)の合成樹脂が単独もしく
は2種以上の混合により併用できる。
(a)エステル結合を有するもの。
ポリエステル樹脂(フェニル変性以外のもの)、ポリ
アクリル酸エステル樹脂、ポリカーボネート樹脂、ポリ
酢酸ビニル樹脂、スチレンアクリレート樹脂、ビニルト
ルエンアクリレート樹脂。
(b)ウレタン結合を有するもの。
ポリウレタン樹脂など。
(c)アミド結合を有するもの。
ポリアミド樹脂(ナイロン)。
(d)尿素結合を有するもの。
尿素樹脂など。
(e)その他の極性の高い結合を有するもの。
ポリカプロラクトン樹脂、ポリスチレン系樹脂、ポリ
塩化ビニル樹脂、ポリアクリロニトリル樹脂など。
例えば、受容層3は変性ポリエステルと通常のポリエ
ステル樹脂(フェニル変性でないもの)との混合樹脂に
より構成される。飽和ポリエステルとしては、例えば、
バイロン200、バイロン290、バイロン600など(以上、
東洋紡製)、KA−1038C(荒川化学製)、TP220、TP−23
5(以上、日本合成製)などが用いられる。
あるいは受容層は変性ポリエステル樹脂と塩化ビニル
樹脂/酢酸ビニル共重合体樹脂により構成される。塩化
ビニル/酢酸ビニル共重合体樹脂は塩化ビニル成分含有
率85〜97重量%で、重合度200〜800程度のものが好まし
い。塩化ビニル/酢酸ビニル共重合体樹脂は、必ずしも
塩化ビニル成分と酢酸ビニル共重合体成分のみの共重合
体である場合に限らず、ビニルアルコール成分、マレイ
ン酸成分などを含むものであってもよい。
受容層3は、また、変性ポリエステル樹脂とポリスチ
レン系の樹脂との混合樹脂により構成されていてもよ
く、例えば、スチレン系モノマー、例えば、スチレン、
α−メチルスチレン、ビニルトルエンの単独もしくは共
重合体からなるポリスチレン系樹脂、あるいは前記スチ
レン系モノマーと他のモノマー、例えば、アクリル酸エ
ステル、メタクリル酸エステル、アクリロニトリル、メ
タクリロニトリルなどのアクリルもしくはメタクリル系
モノマーもしくは無水マレイン酸との共重合体であるス
チレン系共重合体樹脂が挙げられる。
変性ポリエステル樹脂と他の樹脂とを併用するとき
は、変性ポリエステル樹脂のフェニル変性の程度にもよ
るが、変性ポリエステル樹脂100重量部に対し、その他
の樹脂0〜100重量部とするのがよい。言い換えれば、
上記のように併用するときは、合計の樹脂重量100g中、
変性ポリエステル樹脂が50〜100gを占めればよい。上記
いずれの態様においても、受容層3の白色度を向上して
転写画像の鮮明度を更に高めるとともに被熱転写シート
表面に筆記性を付与し、かつ転写された画像の再転写を
防止する目的で受容層3中に白色顔料を添加することが
できる。白色顔料としては、酸化チタン、酸化亜鉛、カ
オリン、クレー、炭酸カルシウム、微粉末シリカなどが
用いられ、これらは2種以上混合して用いることができ
ることは前述した通りである。また、転写画像の耐光性
を更に高めるために、受容層中に紫外線吸収剤、光安定
化剤、もしくは酸化防止剤などの添加剤の1種もしくは
2種以上を必要に応じ添加することができる。これら紫
外線吸収剤、光安定化剤の添加量は受容層3を構成する
樹脂100重量部に対しそれぞれ0.05〜10重量部、0.5〜3
重量部が好ましい。
本発明の被熱転写シートは、熱転写シートとの離型性
を向上せしめるために、受容層中に離型剤を含有せしめ
ることができる。離型剤としてはポリエチレンワック
ス、アミドワックス、テフロンパウダーなどの固形ワッ
クス類;弗素系、隣酸エステル系の界面活性剤;シリコ
ーンオイルなどが挙げられるが、シリコーンオイルが好
ましい。
上記シリコーンオイルとしては油状のものも用いるこ
とができるが、硬化型のものが好ましい。硬化型のシリ
コーンオイルとしては、反応硬化型、光硬化型、触媒硬
化型などが挙げられるが、反応硬化型のシリコーンオイ
ルが特に好ましい。
反応硬化型シリコーンオイルとしては、アミノ変性シ
リコーンオイルとエポキシ変性シリコーンオイルとを反
応硬化させたものが好ましく、アミノ変性シリコーンオ
イルとしては、KF−393、KF−857、KF−858、X−22−3
680、X−22−3801C(以上、信越化学工業(株)製)な
どが挙げられ、エポキシ変性シリコーオイルとしてはKF
−100T、KF−101、KF−60−164、KF−103(以上、信越
化学工業(株)製)などが挙げられる。また、触媒硬化
型あるいは光硬化型シリコーオイルとしてはKS−705F、
KS−770(以上、触媒硬化型シリコーンオイル:信越化
学工業(株)製)、KS−720、KS−774(以上、光硬化型
シリコーンオイル:信越化学工業(株)製)などが挙げ
られる。これら硬化型シリコーンオイルの添加量は受容
層を構成する樹脂の0.5〜30重量%が好ましい。
また、受容層3の表面の一部に、上記離型剤を適当な
溶媒に溶解あるいは分散させて塗付した後、乾燥させる
などによって離型剤を設けることもできる。離型剤層を
構成する離型剤としては前記したアミノ変性シリコーン
オイルとエポキシ変性シリコーンオイルとの反応硬化物
が特に好ましい。
離型剤層の厚さは0.01〜5μm、特に0.05〜2μmが
好ましい。
なお、受容層を形成する際にシリコーンオイルを添加
して形成すると、塗付後、シリコーンオイルが表面にブ
リードさせた後に硬化させても離型剤層を形成すること
ができる。
以上の白色顔料、紫外線吸収剤、光安定化剤、酸化防
止剤、離型剤は必要に応じ、一方の面もしくは両方の面
の受容層に含ませるように適用することができる。
受容層3の形成は、シート状基材2上に、受容層を形
成する材料を溶解ないし分散して得られる受容層形成用
組成物を使用して、公知の塗布もしくは印刷方法により
行なう他に、シート状基材2とは別の一時的キャリヤー
上に一旦形成した後に、改めて、シート状基材2上に転
写する方法により行なってもよい。
一時的キャリヤーとしては、表面が離型性のシートを
用いる。例えば、セルロース繊維紙や合成紙などの表
面にアンダーコート層を施した後に離型用シリコーン層
を施したもの、セルロース繊維紙の表面にポリオレフ
ィン系樹脂もしくはポリエステル樹脂をエクストルージ
ョンコーティングしたもの、または、ポリエステルフ
ィルムなどのプラスチックフィルムの表面に離型用シリ
コーン層を施したものなどである。
一時的キャリヤー上には、シート状基材2上に行なう
のと同様にして受容層を形成した後、必要により、接着
材層を形成する。この接着材層は、シート状基材2上に
受容層を転写させるときに、シート状基材2と受容層3
との間の接着力を確保するためのものである。この方法
では、更に他の層、例えば、クッション性などを付与す
る中間層を一時的キャリヤー上に形成しておき、シート
状基材2上に中間層と受容層とを一度に転写するように
してもよい。中間層が接着剤を兼ねているときは接着剤
層を一時的キャリアー上に形成しなくてもよい。なお、
いずれの場合においても、接着剤層はシート状基材と、
一時的キャリヤー上の最上層との間に介在すればよいか
ら、接着剤層をシート状基材2上に形成しておき、一時
的キャリヤー上には受容層のみ、あるいは受容層と中間
層を順に形成しておいて転写してもよい。
受容層3を、一時的キャリヤー上に一旦形成して転写
法により、シート状基材2上に形成する方法を採用する
と、シート状基材2上に形成された受容層の表面は、一
時的キャリヤーの表面の状態が転写されているために平
滑性が非常に優れており、シート状基材2上に直接に形
成した受容層は、転写法によるものと比べると平滑性が
劣っており、より鮮明で精緻な画像を得たいときは、転
写法を採用するのがよい。
接着剤としては受容層と基材とを接着できるものであ
ればよく、ポリエステル系、ポリアクリル酸エステル
系、ポリウレタン系、ポリ塩化ビニル系、ポリオレフィ
ン系、エチレン−酢酸ビニル共重合体、合成ゴム系など
の有機溶剤溶液またはエマルジョンが使用できる。接着
剤は熱接着タイプでも、常温粘着タイプでもよい。熱接
着タイプの場合には、ワックス、エチレン/酢酸ビニル
共重合体樹脂、ポリオレフィン、石油系樹脂などのホッ
トメルトタイプの接着剤による熱接着、あるいはポリオ
レフィンフィルムなどエクストルージョンフィルムによ
るサンドイッチラミネーションでもよい。
中間層を兼ねる接着剤として両面テープを用いてもよ
い。両面テープはレーヨンペーパーにアクリル系粘着剤
などを含浸乾燥したもので、乾燥後の両面テープには微
細空孔ができており発泡層と等価の役割を果たすものと
思われる。
(中間層) 中間層4は、構成する材質により、クッション性層、
多孔層のいずれかであり、あるいは場合によっては接着
剤の役目を兼ねている。
クッション性層はJIS−K−6301に規定される100%モ
ジュラスが100kg/cm2以下である樹脂を主とするもので
あり、ここで前記100%モジュラスが100kg/cm2を超える
と、剛性が高すぎるためにこのような樹脂を用いて中間
層を形成しても熱転写シートと被熱転写層の印字の際の
充分な密着性は保たれない。また、前記100%モジュラ
スの下限は実際上、0.5kg/cm2程度である。
上記の条件に合致する樹脂としては次のようなものが
挙げられる。
ポリウレタン樹脂、ポリエステル樹脂、ポリブタジエ
ン樹脂、ポリアクリル酸エステル樹脂、エポキシ樹脂、
ポリアミド樹脂、ロジン変性フェノール樹脂、テルペン
フェノール樹脂、エチレン/酢酸ビニル共重合体樹脂。
上記の樹脂は、1種もしくは2種以上混合して使用す
ることができるが、上記の樹脂は比較的粘着性を有して
いるので、加工中に支障があるときには無機質の添加
剤、例えば、シリカ、アルミナ、クレー、炭酸カルシウ
ムなど、あるいはステアリン酸アミドなどのアミド系物
質を添加してもよい。
クッション性層は上記したような樹脂を必要に応じて
他の添加剤と共に溶剤・希釈剤などと混練して塗料もし
くはインキとし、公知の塗布方法もしくは印刷方法によ
り塗膜として乾燥させることにより形成でき、その厚み
は0.5〜50μm、より好ましくは2〜20μm程度であ
る。厚みが0.5μmでは設けたシート状基材の表面の粗
さを吸収しきれず、従って効果がなく、逆に50μmを超
えると、効果の向上が見られないばかりか、受容層部が
厚くなりすぎて突出し、巻き取ったり、重ねたりする際
の支障となるし、また、経済的でない。
このような中間層を形成すると熱転写シートと被熱転
写シートとの密着性が向上するのは、中間層自体が剛性
が低いために印字の際の圧力により変形するためと考え
られるが、更に、前記したような樹脂は通常ガラス転移
点や軟化点が低く、印字の際に与えられる熱エネルギー
により、常温におけるよりも更に剛性が低下して変形し
やすくなることも寄与しているものと推定される。
多孔層は、ポリウレタンなどの合成樹脂エマルジョ
ン、メチルメタクリレート−ブタジエン系などの合成ゴ
ムラテックスを機械的撹拌により気泡させた液を基材2
上に塗布し乾燥させた層、上記合成樹脂エマルジョ
ン、上記合成ゴムラテックスに発泡剤を混合させた液を
基材2上に塗布し、乾燥させた層、塩ビプラスチゾ
ル、ポリウレタンなどの合成樹脂またはスチレン−ブタ
ジエン系などの合成ゴムに発泡剤を混合した液を基材2
上に塗布し加熱することにより発泡させた層、熱可塑
性樹脂または合成ゴムを有機溶媒に溶解した溶液と、該
有機溶媒に比べ蒸発しにくく該有機溶媒に対し相溶性を
有し且つ熱可塑性樹脂または合成ゴムに対して溶解性を
有しない非溶媒(水を主成分とするものも含む)との混
合液を、基材2上に塗布し、乾燥させることによりミク
ロ状に凝集した膜を形成してなるミクロポーラス層など
が用いられる。上記〜の層は気泡の大きさが大きい
ため、該層上に受容層3の形成用溶液を塗布し乾燥させ
た場合、乾燥させて形成された受容層3の表面に凹凸が
生じる恐れがある。そのため上記凹凸が小さくまた均一
性の高い画像を転写せしめることが可能な受容層3の表
面を得るためには、多孔層として、上記のミクロポー
ラス層を設けることが好ましい。
上記ミクロポーラス層の形成に当たって用いられる熱
可塑性樹脂としては、飽和ポリエステル、ポリウレタ
ン、塩化ビニル/酢酸ビニル共重合体、セルロースアセ
テートプロピオネートなどが挙げられ、また、同様に用
いられる上記合成ゴムとしては、スチレン−ブタジエン
系、イソプレン系、ウレタン系などが挙げられる。ま
た、該ミクロポーラス層の形成に当たって用いられる有
機溶媒および非溶媒としては種々のものが可能である
が、通常、有機溶媒としてメチルエチルケトン、アルコ
ールなどの親水性溶媒が用いられ、また非溶媒として水
が用いられる。
本発明における多孔層の厚みは、3μm以上のものが
好ましく、特に5〜20μm厚のものが好ましい。多孔層
の厚みが3μm未満のものは、クッション性、遮断性の
効果が発揮されない。
説明が前後したが、中間層が接着剤を兼ねる場合もあ
ることは受容層の形成法の説明において述べた通りであ
る。
上記の中間層は受容層が両面にあるときは被熱転写シ
ートの両面に設けてもよいし、一方の面にのみ設けても
よい。
被熱転写シートの加工工程中またはプリンター内での
走行時に静電気の発生を抑えるために、少なくとも一方
の面の受容層中または受容層の表面に帯電防止剤を含有
させることもできる。帯電防止剤としては界面活性剤、
例えば、陽イオン型界面活性剤(例えば、第4級アンモ
ニウム塩、ポリアミン誘導体など)、陰イオン型界面活
性剤(例えば、アルキルホスフェートなど)、両性イオ
ン型界面活性剤もしくは非イオン界面活性剤が挙げられ
る。
帯電防止剤は、グラビアコーティング、バーコーティ
ングなどにより受容層表面に塗布形成してもよく、受容
層樹脂中に練り込んで受容層塗工・乾燥時に受容層表面
に移行させてもよい。受容層樹脂と混合する帯電防止剤
として、カチオン型のアクリルポリマーを用いることも
できる。
(発明の作用・効果) 本発明の被熱転写シートは、特定のフェニル基を含有
するポリオール用いて合成された変性ポリエステル樹脂
を用いて受容層を構成したことにより、熱転写シートと
組み合わせてサーマルヘッドなどにより印字して形成さ
れた画像はポリオール成分中のフェニル基の存在のため
に濃度が高い利点がある。
(実施例) 以下の実施例および比較例において熱転写シートおよ
び被熱転写シートの製造、両シートを用いた印字、被熱
転写シートの試験は次のように行った。
熱転写シート 片面にコロナ放電処理が施された厚さ6μmのポリエ
チレンテレフタレートフィルム(東洋紡製:S−PET)を
基材とし、基材のコロナ放電処理が施されと面上に下記
組成の熱転写層形成用組成物をワイヤーバーコーティン
グにより乾燥時の厚さが1μmとなるように塗布して熱
転写層を形成し、裏面にシリコーンオイル(X−41−40
03A:信越シリコーン製)をスポイトにて2滴たらした
後、全面に広げて滑性層を形成して熱転写シートとし
た。
熱転写層形成用組成物 ・分散染料(日本化薬製:カヤセットブルー714) 4重
量部 ・エチルヒドロキシセルロース(ハーキュレス社製)5
重量部 ・トルエン 40重量部 ・メチルエチルケトン 40重量部 ・ジオキサン 10重量部 被熱転写シート 厚み150μmの合成紙(王子油化製:ユポFPG−150)
を基材とし、この表面に下記組成の受容層形成用組成物
をワイヤーバーコーティングにより乾燥時の厚さが4μ
mとなるように塗布してドライヤーで仮乾燥後100℃の
オーブン中で30分間乾燥させて受容層を形成し、被熱転
写シートとした。
受容層形成用組成物 ・樹脂 14重量部 ・アミノ変性シリコーンオイル 1重量部 (信越化学工業製:KF−396) ・エポキシ変性シリコーンオイル 1重量部 (信越化学工業製:X−22−343) ・トルエン 42重量部 ・メチルエチルケトン 42重量部 上記熱転写シートと被熱転写シートとを熱転写層と受
容層とが接するように重ね合わせ、熱転写シートの基材
側よりサーマルヘッドにより、サーマルヘッドの出力1W
/ドット、パルス幅0.3〜0.45m/sec、ドット密度3ドッ
ト/mmで加熱し、被熱転写シートの受容層に熱転写シー
トの熱転写層中のシアン色の分散染料を転写せしめたと
ころ鮮明にシアン色の画像が形成された。
実施例 下記の各成分と、触媒としての、微量の酢酸カルシウ
ムおよび三酸化アンチモンとを空気冷却器をつけたクラ
イゼンフラスコ型反応器に入れ、N2雰囲気中にて徐々に
温度を上げ、約150℃に保ち、この温度で1時間撹拌し
て反応を行わせ、その後、反応生成物を熱電対の付いた
パイレックス管に入れてO2を完全に遮断し、275℃、0.1
〜0.05mmHgの条件で2時間重縮合反応させ、フェニル変
性ポリエステル樹脂を得た。
実施例1 酸成分 ・テレフタル酸 80重量部 ・イソフタル酸 20重量部 ポリオール成分 ・エチレングリコール 50重量部 ・ビスフェノールA 50重量部 実施例2 酸成分 ・テレフタル酸 40重量部 ・イソフタル酸 40重量部 ・セバチン酸 20重量部 ポリオール成分 ・エチレングリコール 40重量部 ・ネオペンチルグリコール 40重量部 ・ビスフェノールB 20重量部 実施例3 実施例1で得られた変性ポリエステルと塩化ビニル/
酢酸ビニル共重合体樹脂(ユニオンカーバイド製:ビニ
ライトVYHH)とを重量比で1:1に混合したものを用い
た。
比較例1 酸成分 ・テレフタル酸 40重量部 ・イソフタル酸 40重量部 ・セバチン酸 20重量部 ポリオール成分 ・エチレングリコール 50重量部 ・ネオペンチルグリコール 50重量部 上記で得られた樹脂を用いて被熱転写シートを形成し
て、印字したところ、実施例1〜3におけるものの方
が、比較例1におけるものに比べ、光学反射濃度で0.2
〜0.5向上していることが判明した。
【図面の簡単な説明】
第1図及び第2図は、本発明の被熱転写シートの断面図
である。 1:被熱転写シート 2:シート状基材 3:受容層 4:中間層

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】熱により溶融もしくは昇華して移行する染
    料を含有する染料層を有する熱転写シートと組み合わせ
    て使用され、シート状基材の表面に前記熱転写シートよ
    り移行する染料を受容する受容層を有している被熱転写
    シートであって、受容層が、ポリオール成分としてビス
    フェノールA、ビスフェノールB、ビスフェノールAFお
    よびビスフェノールSから選ばれた少なくとも1種を用
    いて合成された、主鎖にフェニル基を有する変性ポリエ
    ステル樹脂を含むことを特徴とする被熱転写シート。
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