JP2022114660A - 熱転写受像シート - Google Patents

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Abstract

【課題】受像シートの印画後カール地合いに関しても良好な品質が得られ、さらに背面層と、基紙との間の密着性を上げ、ミシン目加工などの二次加工を実施した際にも実用上耐えられる熱転写受像シートを供給する。【解決手段】受像層60と、下地層50と、断熱層40と、接着剤層30と、基材10と、ポリオレフィン樹脂層20と、がこの順に積層され、基材10と、ポリオレフィン樹脂層20は支持体10Aを構成する熱転写受像シート1において、基材10は、密度が1.2g/cm3以上の紙を含有し、ポリオレフィン樹脂層20は、少なくとも直鎖低密度ポリエチレンであって、この直鎖低密度ポリエチレンの密度が0.900~0.905g/cm3の範囲に設定され、ポリオレフィン樹脂層20全体のうち直鎖低密度ポリエチレンの添加比率が1%~20%の重量比率で添加され、かつ高密度ポリエチレンを含む。【選択図】図1

Description

本発明は、熱転写方式のプリンタに使用される熱転写受像シートに関する。
従来、文字又は画像等を被転写体に形成する印刷方式として、昇華型熱転写方式、溶融型熱転写方式等が採用されている。昇華型熱転写方式は、熱転写リボンにおける染料層と、熱転写受像シートにおける受像層とを互いに重ね合わせ、次いで、電気信号により発熱が制御されるサーマルヘッドによって熱転写リボンを加熱することで、染料層中の染料を昇華させて受像層へ移行させ、受像層上に所望の文字、画像等を形成させる。
昇華型熱転写方式は、昇華型の染料を用いて濃度階調を自由に調節できることから、自然画を比較的忠実に再現することができる。そして、昇華型熱転写受像シートは、写真用、アミューズメント用、証明写真など様々な用途に活用され、市場で流通している。
民生用途のプリンタでは、受像シートは枚葉のタイプで販売されており様々な要求特性がある。例えば、重要な特性として、印画後のカール、受像シート背面層と基紙との密着性、画質の地合いがある。
印画後のカールに関しては、枚葉プリンタを用いて印画をする際に、印画時の熱を受けその熱の影響によって熱収縮を紙が受けることにより、印画時のカールが凹状に丸まる凹カールになる場合がある。この凹カールが大きくなることによってプリンタの搬送時に詰まり(ジャム)が発生してしまい、プリントの不具合につながるおそれがある。
例えば特許文献1には、カールを確保するため、多孔質延伸フィルムからなる多孔質層と第一のポリオレフィン、第二のポリオレフィンを設け、かつその比率、密度に差を設けることにより良好なカール性を確保している。
特開2015-193251号公報
従来の熱転写受像シートでは、基紙と背面層との密着性に課題があった。具体的には、枚葉受像シートに対して、ミシン目加工などの二次加工をする際、その加工が施された状態で、基紙と背面層との密着が弱い場合に、印画後の受像シートにおいて剥がれなどの不具合が生じていた。とくに、基紙が平滑な場合には、背面層と基紙との接着性に対して、紙表面の凹凸などによる投錨効果が期待できないケースがあり密着性能が低下するという問題があった。
また、従来の熱転写受像シートでは、上述した密着性の課題の他に第二に画質の地合いに課題があった。受像シートに用いられる紙としては、より平滑性の高い紙を用いるほうが望ましい、とくに望ましいのは、上質紙を高坪量かつ高密度で仕上げた紙を用いることや、上質紙上にコーティングを実施したコート紙などが好適に用いられる。平滑な表面で仕上げたものは画質として良い画質を得ることができるが、一方で、上述したように、背面層と基紙との密着性に関して、紙の凹凸が少ない作用により投錨効果が得られず密着性が劣るケースがある。
上述したように、印画後のカールに対しては特許文献1に記載の構成とすることにより良好な効果は得られるが、平滑性及び背面層との密着性を効果的に両立させることが求められており、その点で改善の余地があった。
本発明は、上述する問題点に鑑みてなされたもので、受像シートの印画後のカールや地合いに関して良好な品質が得られ、さらに背面層と、基紙との間の密着性を高め、ミシン目加工などの二次加工を実施した際にも耐久性を確保できる熱転写受像シートを提供することを目的とする。
本発明の第一の態様は、受像層と、下地層と、断熱層と、接着剤層と、基材と、ポリオレフィン樹脂層と、がこの順に積層され支持体で構成され、前記基材は、密度が1.2g/cm以上の紙を含有し、前記ポリオレフィン樹脂層は、少なくとも直鎖低密度ポリエチレンであって、該直鎖低密度ポリエチレンの密度が0.900~0.905g/cmの範囲に設定され、前記ポリオレフィン樹脂層全体のうち前記直鎖低密度ポリエチレンの添加比率が1%~20%の重量比率で添加され、かつ高密度ポリエチレンを含む。
本発明の熱転写受像シートによれば、受像シートの印画後のカールや地合いに関して良好な品質が得られ、さらに背面層と、基紙との間の密着性を高め、ミシン目加工などの二次加工を実施した際にも耐久性を確保できる。
本発明の一実施形態による熱転写受像シートを模式的に示す断面図である。
本発明の一実施形態について、図面を参照して説明する。
熱転写受像シート1は、受像層60と、下地層50と、断熱層40と、接着剤層30と、基材10と、ポリオレフィン樹脂層20と、がこの順に積層された支持体で構成されている。
基材10は、シート状で紙を含有するものであり、各種の紙を使用できる。基材10は、紙の密度が1.2g/cm以上の紙が使用される。基材10として使用可能な紙として、上質紙、中質紙、コート紙、アート紙、樹脂ラミネート紙等を例示できる。これらの中でも平滑性のよい紙が好ましく、平滑性の良いコート紙、特にグロス紙が好ましい。コーティングされていない上質紙等でも、写真用上質紙等の平滑性の良いものは好適に使用できる。
基材10は、受像層60側に接着剤層30を介して貼り付けられた状態で第1表面10aが維持可能に設けられ、第1表面10aにポリオレフィン樹脂層20が設けられた第1構成と、ポリオレフィン樹脂層20を積層した支持体10Aとして設けて、支持体10Aを受像層60側に接着剤層30を介して貼り付けられた第2構成と、のいずれか一方である。
すなわち、基材10の第1構造の場合には、先ず受像層60側に接着剤層30を介して基材10が貼り付けられる。この状態で基材10の第1表面10aは維持可能に設けられている。次いで、基材10の第1表面10aにポリオレフィン樹脂層20が設けられる方法により熱転写受像シート1が製造される。
また、基材10の第2構造の場合には、先ず、ポリオレフィン樹脂層20を積層した支持体10Aを予め設けておく。その後、支持体10Aを受像層60側に接着剤層30を介して貼り付けられる方法により熱転写受像シート1が製造される。
基材10の厚さについては、印画物としてのコシ(剛性)、強度や耐熱性等を考慮すると、25マイクロメートル(μm)以上250μm以下の範囲のものが使用可能である。より好ましくは、50μm以上200μm以下程度の厚さが好ましい。
ポリオレフィン樹脂層20は、基材10の第1表面10aに設けられている。ポリオレフィン樹脂層20の材料となる樹脂は、少なくとも直鎖低密度ポリエチレンである。ポリオレフィン樹脂層20は、その密度が0.900~0.905g/cmの範囲に設定されている。
ポリオレフィン樹脂層20全体のうち直鎖低密度ポリエチレンの添加比率は、1%~20%の重量比率で添加されている。また、ポリオレフィン樹脂層20は、高密度ポリエチレンを含有している。
ポリオレフィン樹脂層20に含有される高密度ポリエチレンは、密度が0.93g/cm以上であるポリエチレンを含むことが好ましい。
接着剤層30は、基材10の第1表面10aと反対側の第2表面10bに設けられている。接着剤層30は、基材10と断熱層40とをドライラミネーションにより接合するための層である。接着剤層30としては、ドライラミネーション可能なものであればよく、溶剤系で樹脂を溶解させた接着剤が好適である。例えば、酢酸ビニル樹脂、アクリル樹脂、酢酸ビニル-アクリル共重合体樹脂、酢酸ビニル-塩化ビニル共重合体樹脂、エチレン-酢酸ビニル共重合体樹脂、ポリウレタン樹脂、ポリアミド樹脂、ポリビニルアセタール樹脂、ポリエステル樹脂等を成分とするものが挙げられる。また水性形接着剤、ホットメルト形接着剤、フィルム系接着剤、反応形接着剤などの無溶剤系接着剤も用いることができる。
断熱層40は、接着剤層30上に設けられた多孔質層である。断熱層40は、多数の微細な空隙を有しており、サーマルヘッドからの熱印加時の断熱性、およびクッション性等を熱転写受像シート1に付与する。断熱層40を形成する樹脂としては、特に限定されるものではなく、公知の樹脂材料を適宜選択することができる。断熱性とクッション性の観点からは、発泡ポリプロピレン樹脂が好ましい。
下地層50は、断熱層40上に設けられている。下地層50は、断熱層40と受像層60との密着性向上や、印画後の熱転写受像シート1の保存性向上等を目的とする層である。
下地層50の材料としては、目的を考慮しつつ、公知の各種材料から選択して用いることができる。例えば、ポリオレフィン樹脂、ポリエステル樹脂、ポリビニル系樹脂、ポリウレタン樹脂、ポリアクリル酸系樹脂、ポリスチレン系樹脂、ポリスルフォン系樹脂、ポリ酢酸ビニル樹脂、ポリビニルアセタール樹脂、ポリビニルブチラール樹脂、ポリビニルアルコール樹脂、およびこれら樹脂の共重合体、エポキシ樹脂、セルロース系樹脂等を挙げることができる。上述した材料は、単独で用いられてもよいし、2種以上を混合して用いられてもよい。
また、白色性、隠蔽性を付与する為に酸化チタン、酸化亜鉛、炭酸マグネシウム、炭酸カルシウム等のフィラーを下地層50に添加することが好ましい。さらに、白色性を高める為にスチルベン系化合物、ベンゾイミダゾール系化合物、ベンゾオキサゾール系化合物等を蛍光増白剤として添加したり、印画物の耐光性を高める為にヒンダードアミン系化合物、ヒンダードフェノール系化合物、ベンゾトリアゾール系化合物、ベンゾフェノン系化合物等を紫外線吸収剤あるいは酸化防止剤として添加したり、あるいは帯電防止性を付与する為にカチオン系アクリル樹脂、ポリアニリン樹脂、各種導電性フィラー等を添加したりしてもよい。
下地層50の厚さは、0.1μm以上3μm以下であればよく、0.2μm以上1.0μm以下程度が好ましい。
受像層60は、下地層50上に設けられている。受像層60としては、公知の各種バインダ樹脂を用いることができる。バインダ樹脂の一例として、塩化ビニル-アクリル共重合体、塩化ビニル-酢酸ビニル共重合体、酢酸ビニル-アクリル共重合体、スチレン-アクリル共重合体、塩化ビニル-アクリル-エチレン共重合体、塩化ビニル-アクリル-スチレン共重合体、ポリカーボネート系樹脂、ポリエステル系樹脂、ポリアミド系樹脂、アクリル系樹脂、セルロース系樹脂、ポリスルフォン系樹脂、ポリ塩化ビニル樹脂、ポリ酢酸ビニル樹脂、ポリビニルアセタール樹脂、ポリビニルブチラール樹脂、ポリウレタン系樹脂、ポリスチレン系樹脂、ポリプロピレン系樹脂、ポリエチレン系樹脂、エチレン-酢酸ビニル共重合体樹脂、エポキシ樹脂等を挙げることができる。これらは単独で使用されてもよいし、2種以上が混合されて使用されてもよい。
受像層60の厚さは、0.1μm以上10μm以下であればよいが、0.2μm以上8μm以下程度がより好ましい。また、受像層60は、必要に応じて造膜助剤、離型剤、紫外線吸収剤、帯電防止剤、架橋剤、蛍光染料、可塑剤、また受容層の白色度を向上させて転写画像の鮮明度を更に高める目的で、酸化チタン、酸化亜鉛、カオリン、クレー、炭酸カルシウム、微粉末シリカ等の顔料や充填剤等の公知の各種添加剤を含有してもよい。
また、本実施形態では、ポリオレフィン樹脂層20の背面側に背面層70が設けられている。背面層70は、例えばポリエステル樹脂で形成できる。背面層70には、シリカ等からなる無機フィラーが混合されてもよい。背面層70は、熱転写受像シート1の帯電を抑制し、さばき性の悪化や印画時のつまり(ジャム)等の発生を防止する。
なお、背面層70は、熱転写受像シート1が適用されるプリンタの構成や摩擦の度合い等を考慮して省略してもよい。
次に、上述した熱転写受像シート1の作用について、図面に基づいて詳細に説明する。
本実施形態では、図1に示すように、基材10が密度1.2g/cm以上の紙を含有することで、熱転写受像シート1の地合いが良好となる。
また、本実施形態による熱転写受像シート1では、ポリオレフィン樹脂層20として、少なくとも直鎖低密度ポリエチレンを含み、その直鎖低密度ポリエチレンの密度が0.900~0.905g/cmの範囲に設定され、ポリオレフィン樹脂層20全体のうち直鎖低密度ポリエチレンの添加比率が1%~20%の重量比率で添加され、かつ高密度ポリエチレンを含む構成であるので、熱転写受像シート1の印画後のカールが良好となって、高い品質を確保できる。
さらに、本実施形態では、高密度ポリエチレンの密度が0.93g/cm以上であるポリエチレンからなるので、背面層であるポリオレフィン樹脂層20と基材10との間の密着性を高めることができる。そのため、ミシン目加工などの二次加工を実施した際にも実用上、耐えることができる。
次に、本発明の熱転写受像シートについて、実施例を用いてさらに説明する。本発明は実施例の説明により何ら限定されるものではない。
(実施例1)
断熱層40として、ポリプロピレン樹脂中に、多孔質を設けるために発泡剤を含む樹脂を逐次、二軸延伸によって成形し、多孔質延伸フィルムを得た。ここで、このときの膜厚は25μmのものに設定した。
この多孔質延伸フィルム上に、下地層50としてウレタン系塗料(第一工業製薬製 スーパーフレックス120)を1μmとなるように塗工し、続いてその下地層50の上に受像層60として塩化ビニル-酢酸ビニル系樹脂を主としたインキ1を作製し、3μmとなるように積層した。このようにして断熱層フィルムを得た。
インキ1
塩化ビニル酢酸ビニル共重合樹脂(日信化学工業社製 ソルバインC) 15部
変性シリコーン樹脂(信越シリコーン社製 KF-1005) 1部
トルエン 42部
メチルエチルケトン(MEK) 42部
基材10の紙としては、180g/mの坪量でかつ、密度が1.2g/cmとなるような紙を得て、ポリオレフィン樹脂層20として、直鎖低密度ポリエチレンで、密度が0.905g/cmである樹脂を全体の樹脂比率として直鎖低密度ポリエチレンを20%添加したポリオレフィン樹脂層20とし、高密度ポリエチレン(0.98g/cm)と低密度ポリエチレン(0.93g/cm)を含むものを採用した。そして、これらの比率が80:20となるように設定して、ドライブレンドを実施した。
その樹脂(ポリオレフィン樹脂層20)を20μmとなるように押出成形にて積層し、さらにポリオレフィン樹脂層20の上に背面層70としてインキ2を塗布し、1g/mとなるように塗工をし、ベースの基材10が得られた。得られた基材10に対し、反対面にインキ3を塗布し、塗布量として3.0g/m2となるように調整をし、予め用意していた断熱層フィルムの塗工面と反対側の面とドライラミネートを実施した。こうして実施例1として受像シートを作製した。
インキ2
水溶性ポリエステル樹脂(東洋紡社製 バイロナールMD1100) 80部
水 5部
シリカフィラー(富士シリシア化学社製 サイシリア380) 5部
インキ3
ポリエステルポリオール樹脂(三井化学社製 タケラック(登録商標)A525) 18部
イソシアネート樹脂(三井化学社製 タケネート(登録商標)A56) 2部
酢酸エチル 18部
(実施例2)
実施例1に記載の例に関して、直鎖低密度ポリエチレンの密度を0.900g/cmとしてその他は同一の方法で受像シートを作製した。
(実施例3)
実施例1に記載の例に関して、直鎖低密度ポリエチレンの密度が0.905g/cmである樹脂を全体の樹脂比率として直鎖低密度ポリエチレンを1%添加したポリオレフィン樹脂層とし、その他は同一の方法で受像シートを作製した。
(比較例1)
実施例1に記載の例に関して、基材10の紙の密度を1.0g/cmとし、直鎖低密度ポリエチレンの密度が0.905g/cmである樹脂を全体の樹脂比率として直鎖低密度ポリエチレンを10%添加したポリオレフィン樹脂層とし、その他は同一の方法で受像シートを作製した。
(比較例2)
比較例1に記載の例に関して、直鎖低密度ポリエチレンの密度が0.905g/cmである樹脂を全体の樹脂比率として直鎖低密度ポリエチレンを30%添加したポリオレフィン樹脂層とし、その他は同一の方法で受像シートを作製した。
(比較例3)
比較例2に記載の例に関して、直鎖低密度ポリエチレンの密度が0.905g/cmである樹脂を添加しないポリオレフィン樹脂層とし、その他は同一の方法で受像シートを作製した。
(比較例4)
比較例3に記載の例に関して、直鎖低密度ポリエチレンの密度を0.92g/cmとしてその他は同一の方法で受像シートを作製した。
上述した実施例1~3、比較例1~4をまとめたものを表1に示す。
Figure 2022114660000002
次に、各例(実施例1~3、比較例1~4)の熱転写受像シートについて、以下の3項目(地合い、カール、基紙と背面層との密着)を評価した。
得られた受像シートに対して印画評価を実施した結果を表2に示す。
Figure 2022114660000003
<地合い評価>
得られた受像シートに対してプリンタ(大日本印刷社製 DS40)を用いて印画を実施した。グレー128諧調スケールの印画を実施し、目視にてモトルムラのレベルを評価した。ムラが目視で視認できる場合には「×」(不良)とし、ムラが目視で視認が困難なレベルである場合には「〇」(良好)とした。
<印画後カール評価>
上記で得られた受像シートを177mm×100mmのサイズで断裁し、枚葉プリンタ(キャノン株式会社製「SELPHY」CP1200)を用いて黒ベタの印画を実施した。黒ベタのカール量は四辺の端っこ部分のカール量を測定した。周縁が印画物の厚さ方向中心よりも高い場合を凹カールとして「-」で表し、周縁が中心よりも低い場合を凸カールとして「+」で表した。印画後のカールが印画前とほぼ変わらない状態の±5mmの範囲内であった場合には「○」(良好)とし、±5mmの範囲外であった場合には「×」(不良)とした。
<基紙と背面層との密着性評価>
基紙と背面層との密着が剥離速度300m/min、剥離角度180°にて測定した場合に、強度が2.5N/inch以上である場合には「〇」として密着が良好と判断し、強度が2.5N/inch未満である場合には「×」として密着不良と判断した。
表1に示すように、実施例1~3は、上述した3点のすべての評価項目において「〇」となり、良好であった。
比較例1~4では、評価項目の少なくとも一つの結果が「×」となり、不良な評価があった。
地合い評価では、比較例1が「×」であったことから、基材10の紙の密度が1.0g/cmでは地合いが不良となることがわかった。そのため、基材10の紙の密度を1.2g/cm以上とすることで地合いを良好にすることができる。
印画後カール評価では、比較例2が「×」であったことから、直鎖低密度ポリエチレンを30%添加したポリオレフィン樹脂層ではカールが不良となることがわかった。そのため、直鎖低密度ポリエチレンを20%以下に添加したポリオレフィン樹脂層とすることカールを良好にすることができる。
基紙と背面層との密着性評価は、比較例3、4が「×」であったことから、直鎖低密度ポリエチレンの添加量が0であったことにより密着性が不良となることがわかった。そのため、直鎖低密度ポリエチレンを1%以上添加したポリオレフィン樹脂層とすることで密着性を高めることができる。
以上、本発明の一実施形態について図面を参照して詳述したが、具体的な構成はこの実施形態に限られるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲の構成の変更、組み合わせなども含まれる。
例えば、接着剤層は、溶剤系で樹脂を溶解させた接着剤であるものに限定されることはない。
また、本実施形態では、ポリオレフィン樹脂層20の高密度ポリエチレンの密度が0.93g/cm以上であるポリエチレンからなるものを採用しているが、このような密度の高密度ポリエチレンでなくてもよい。
1 熱転写受像シート
10 基材
10A 支持体
10a 第1表面
10b 第2表面
20 ポリオレフィン樹脂層
30 接着剤層
40 断熱層
50 下地層
60 受像層

Claims (4)

  1. 受像層と、下地層と、断熱層と、接着剤層と、基材と、ポリオレフィン樹脂層と、がこの順に積層され支持体で構成され、
    前記基材は、密度が1.2g/cm以上の紙を含有し、
    前記ポリオレフィン樹脂層は、少なくとも直鎖低密度ポリエチレンであって、該直鎖低密度ポリエチレンの密度が0.900~0.905g/cmの範囲に設定され、前記ポリオレフィン樹脂層全体のうち前記直鎖低密度ポリエチレンの添加比率が1%~20%の重量比率で添加され、かつ高密度ポリエチレンを含む、熱転写受像シート。
  2. 前記接着剤層は、溶剤系で樹脂を溶解させた接着剤である、請求項1に記載の熱転写受像シート。
  3. 前記基材は、
    前記受像層側に前記接着剤層を介して貼り付けられた状態で表面が維持可能に設けられ、該表面に前記ポリオレフィン樹脂層が設けられた構成と、
    前記ポリオレフィン樹脂層と積層した支持体として設けて、該支持体を前記受像層側に前記接着剤層を介して貼り付けられた構成と、
    のいずれか一方である、請求項1又は2に記載の熱転写受像シート。
  4. 前記高密度ポリエチレンは、密度が0.93g/cm以上であるポリエチレンからなる、請求項1に記載の熱転写受像シート。
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