JP2006088396A - 熱転写受容シート - Google Patents

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Abstract

【課題】高速印画時においても、受容層面へのインクリボンの保護層転写性が良好で、インクリボンからの剥離性能に優れ、かつ記録濃度が高く、さらに画像の耐光性に優れた受容シートを提供する。
【解決手段】シート状支持体と、このシート状支持体の少なくとも一面上に形成された染料染着性樹脂を主成分とする受容層とを有する熱転写受容シートにおいて、前記受容層が、酪酸酢酸セルロース及び数平均分子量が10,000以下のポリエステル樹脂を含む熱転写受容シート。
【選択図】 なし。

Description

本発明は、染料染着性熱可塑性樹脂を主成分とする画像受容層(以下、単に受容層とも言う。)を有する熱転写受容シート(以下、単に受容シートとも言う。)に関するものである。更に詳しく述べるならば、本発明は高速印画時においてもインクシート(以下、インクリボンとも言う。)の染料層との剥離性、及びインクリボンの転写型ラミネート層(以下、単に保護層とも言う。)との接着性に優れ、記録濃度が高く、かつ耐光性に優れた受容シートに関するものである。
染料熱転写方式は、インクリボンと受容シートとを重ね合わせ、サーマルヘッドなどから供給される熱によりインクリボン染料層部の昇華性染料を受容シートの受容層上に転写した後、両者を離型して画像を形成するものである。受容層に用いられる染料染着性樹脂としては、ポリ塩化ビニル系樹脂、ポリエステル系樹脂、ポリビニルブチラール系樹脂、アクリル系樹脂、セルロース系樹脂等が(例えば、特許文献1〜4参照。)、また離型剤としてシリコーン系離型剤、フッ素系離型剤、脂肪酸系離型剤などが提案されてきた(例えば、特許文献5〜7参照。)。
近年、耐光性や耐脂性といった画像の保存性を向上させるために、インクリボン上の3色または4色の染料を順次転写した後、保護層を設ける「オーバーラミネート」方式が主流になってきた(例えば、特許文献8参照。)。この方式では、受容層はインクリボンの染料層表面に対しては離型性を、インクリボンの保護層表面に対しては接着性という相反する物性を実現する必要がある。離型性と接着性の両立は、受容層中の染料染着性熱可塑性樹脂として塩素系ビニル樹脂やセルロース誘導体を用いることで対応可能であったが、塩素系ビニル樹脂は廃棄燃焼時にダイオキシンが発生し易いという点で近年使用が敬遠されてきており、またセルロース誘導体は記録濃度が低いため、近年のプリンター高速化には対応出来なかった。セルロース誘導体の記録濃度を上げるためには可塑剤等の使用が提案されてきたが、高温高湿下で印画画像を保存すると画像が滲んだり、長期間保存すると可塑剤がブリードアウトし、正常に画像を記録出来なくなることがあった。
一方記録濃度が高い染料染着性樹脂としては、従来、ポリエステル樹脂が使われてきたが、受容層として、インクリボンとの離型性および熱転写性保護層との接着性の両立が難しく、また一般的な多価カルボン酸、および芳香族グリコール化合物等を主成分とするポリエステル樹脂では印画物の耐光性が悪く、実用に耐えない受容シートとなっていた。
特開昭59−223425号公報(第1頁) 特開昭57−137191号公報(第1頁) 特開昭61−11293号公報(第1頁) 特開平5−147366号公報(第2頁) 特開昭60−34898号公報(第1頁) 特開昭60−212394号公報(第1頁) 特開平7−68948号公報(第2−3頁) 特開昭59−76298号公報(第1頁)
本発明の課題は、上記従来技術の欠点を改良し、高速印画時においても、受容層面へのインクリボンの保護層転写性が良好で、インクリボンからの剥離性能に優れ、かつ記録濃度が高く、さらに画像の耐光性に優れた受容シートを提供しようとするものである。
本発明は、以下の各発明を包含する。
(1)シート状支持体と、このシート状支持体の少なくとも一面上に形成された染料染着性樹脂を主成分とする受容層とを有する熱転写受容シートにおいて、前記受容層が、酪酸酢酸セルロース及び数平均分子量が10,000以下のポリエステル樹脂を含むことを特徴とする熱転写受容シート。
(2)前記酪酸酢酸セルロースと前記ポリエステル樹脂の質量配合比率が、5/95〜95/5である(1)項に記載の熱転写受容シート。
(3)前記酪酸酢酸セルロースの数平均分子量が、20,000以上である(1)項または(2)項に記載の熱転写受容シート。
(4)前記ポリエステル樹脂が、多価カルボン酸成分と多価アルコール成分とを重縮合した樹脂であり、多価カルボン酸成分中、脂肪族ジカルボン酸が50モル%より多く、かつ脂環族ジカルボン酸が50モル%未満である(1)項〜(3)項のいずれか1項に記載の熱転写受容シート。
さらに、本発明は下記発明を包含する。
(5)前記シート状支持体が、セルロースパルプを主成分とし、かつシート状支持体と受容層の間に、少なくとも中空粒子を含有する中間層を有する(1)項〜(4)項のいずれか1項に記載の熱転写受容シート。
本発明の熱転写受容シートは、インクリボンの保護層転写性が良好で、インクリボンとの離型性に優れ、かつ印画濃度が高く、さらに画像の耐光性に優れ、受容層のクラック発生も無く、昇華熱転写方式を初めとする熱転写方式のフルカラープリンターに有用なものである。
(受容層)
本発明は、シート状支持体の少なくとも一方の面に染料染着性受容層を形成してなる熱転写受容シートにおいて、上記染料染着性受容層が酪酸酢酸セルロースと、数平均分子量が10,000以下のポリエステル樹脂とを染料染着性樹脂として含むことを特徴とするものである。
従来、酪酸酢酸セルロース(セルロースアセテートブチレート、CABとも称される。)や飽和ポリエステル樹脂等は各々、染料染着性樹脂として一般に使用されているが、それぞれの特性に注目して併用しようとしても、これらは相溶性が悪く、均一な塗工液を得ることは困難であった。そこで、本発明において鋭意検討した結果、従来、単独で使用されているポリエステル樹脂は数平均分子量が10,000を超えるが、本発明の受容層においては、数平均分子量が10,000以下のポリエステル樹脂を使用することにより、酪酸酢酸セルロースと均一にブレンドすることが可能となり、記録濃度において実用性に優れた受容層を形成することが可能となった。さらに、受容層に使用されるポリエステル樹脂の数平均分子量は、1,000〜9,000であることがより好ましく、2,000〜8,000であることが最も好ましい。ポリエステル樹脂の数平均分子量が10,000を超えると、酪酸酢酸セルロースとの相溶性が劣り、均一な塗工液を得ることができず、良好な受容層面が得られないことがある。
また、本発明の受容層に使用される酪酸酢酸セルロースについては、ブチリル、アセチル、水酸基の置換基の比率等、特に限定するものではない。酪酸酢酸セルロースの数平均分子量としては20,000以上が好ましく、40,000以上がより好ましい。酪酸酢酸セルロースの数平均分子量の上限については、特に限定するわけではないが、一般に市販されているものでは、その分子量は10万程度までである。
数平均分子量が20,000未満の酪酸酢酸セルロースと、数平均分子量10,000以下のポリエステル樹脂とを併用すると、低温環境下で受容層が脆弱となり、受容シートを折り曲げると受容層にクラックが発生するおそれがある。
酪酸酢酸セルロース(A)とポリエステル樹脂(B)の質量配合比率(A/B)は、5/95〜95/5が好ましく、10/90〜90/10がより好ましい。質量配合比率(A/B)が5/95未満では、インクリボンとの離型性が悪化することがあり、95/5を超えると印画濃度が低下することがある。
(ポリエステル樹脂)
本発明における数平均分子量10,000以下のポリエステル樹脂としては、多価カルボン酸成分と多価アルコール成分の重縮合により合成される。
(多価カルボン酸成分)
本発明のポリエステル樹脂の原料として用いられる多価カルボン酸成分については、格別な限定はなく、各種公知のもの、例えば、脂環族ジカルボン酸類、芳香族ジカルボン酸類、脂肪族ジカルボン酸類、などを用いることができる。これらは1種単独で用いられてもよく、または2種以上を適宜に組み合わせて用いてもよい。
さらに記録画像の耐光性を向上させるためには、ポリエステル樹脂の多価カルボン酸成分中に、脂肪族ジカルボン酸が50モル%より多く、かつ脂環族ジカルボン酸が50モル%未満であることが好ましく、脂環族ジカルボン酸が50モル%以上では、得られるポリエステルの耐光性が低下することがある。より好ましくは、脂肪族ジカルボン酸51〜90モル%、かつ脂環族ジカルボン酸10〜49モル%であり、最も好ましくは脂肪族ジカルボン酸52〜60モル%、かつ脂環族ジカルボン酸40〜48モル%である。脂肪族ジカルボン酸が60モル%を超えると、ポリエステル樹脂のガラス転移点が低下して、リボンとの離型性が低下することがある。
脂肪族ジカルボン酸の好ましい具体例としては、例えばマロン酸、コハク酸、マレイン酸、無水コハク酸、無水マレイン酸、グルタル酸、アジピン酸、ピメリン酸、メチルマロン酸、ジメチルマロン酸、スベリン酸、アゼライン酸、セバシン酸、イソセバシン酸、ブラシル酸、ドデカンジカルボン酸、ポリアルケニルコハク酸、重合脂肪酸のダイマー酸、水添ダイマー酸などが挙げられる。これらの中でも、無水コハク酸、無水マレイン酸が最も好ましい。脂肪族ジカルボン酸は、一般には直鎖状の炭化水素基を有し、分枝していてもよい。
また脂環族ジカルボン酸の好ましい具体例としては、1,4−シクロヘキサンジカルボン酸、2−メチル−1,4−シクロヘキサンジカルボン酸、2−エチル−1,4−シクロヘキサンジカルボン酸、2−プロピル−1,4−シクロヘキサンジカルボン酸、2−ブチル−1,4−シクロヘキサンジカルボン酸、2−t−ブチル−1,4−シクロヘキサンジカルボン酸、2,3−ジメチル−1,4−シクロヘキサンジカルボン酸、2,3−ジエチル−1,4−シクロヘキサンジカルボン酸、2,3−ジプロピル−1,4−シクロヘキサンジカルボン酸、2,3−ジブチル−1,4−シクロヘキサンジカルボン酸、2−メチル−3−エチル−1,4−シクロヘキサンジカルボン酸、2−メチル−3−プロピル−1,4−シクロヘキサンジカルボン酸、2−メチル−3−ブチル−1,4−シクロヘキサンジカルボン酸、2−エチル−3−プロピル−1,4−シクロヘキサンジカルボン酸、2−エチル−3−ブチル−1,4−シクロヘキサンジカルボン酸、2−メチル−3−t−ブチル−1,4−シクロヘキサンジカルボン酸、
2,6−デカリンジカルボン酸、3−メチル−2,6−デカリンジカルボン酸、3−エチル−2,6−デカリンジカルボン酸、3−プロピル−2,6−デカリンジカルボン酸、3−ブチル−2,6−デカリンジカルボン酸、3,4−ジメチル−2,6−デカリンジカルボン酸、3,4−ジエチル−2,6−デカリンジカルボン酸、3,4−ジプロピル−2,6−デカリンジカルボン酸、3,4−ジブチル−2,6−デカリンジカルボン酸、3,8−ジメチル−2,6−デカリンジカルボン酸、3,8−ジエチル−2,6−デカリンジカルボン酸、3,8−ジプロピル−2,6−デカリンジカルボン酸、3,8−ジブチル−2,6−デカリンジカルボン酸、3−メチル−4−エチル−2,6−デカリンジカルボン酸、3−メチル−4−プロピル−2,6−デカリンジカルボン酸、3−メチル−4−ブチル−2,6−デカリンジカルボン酸、3−エチル−4−ブチル−2,6−デカリンジカルボン酸が挙げられる。これらの中でも1,4−シクロヘキサンジカルボン酸が特に好ましい。
また、上記多価カルボン酸と同様に用いられる同カルボン酸の誘導体としては、上記ジカルボン酸のエステル化合物、酸ハロゲン化物などが挙げられる。これらの中ではジカルボン酸エステル化合物が好ましく、メチル、エチル、プロピル、イソプロピル、ブチル、アミル、ヘキシルなどの炭素数が1〜6の低級アルキルエステル化合物が特に好ましい。
本発明においては、多価カルボン酸成分として、本発明の効果を損なわない範囲であれば、ポリエステル樹脂のガラス転移温度上昇のために、3価以上のカルボン酸を含有させることができる。3価以上のカルボン酸成分の具体例としては、例えば、トリメリット酸、トリカルバリル酸、カンホロン酸、トリメシン酸、1,2,5−ナフタレントリカルボン酸、2,3,6−ナフタレントリカルボン酸、1,8,4−ナフタレントリカルボン酸、ピロメリット酸、ベンゾフェノンテトラカルボン酸、重合脂肪酸のトリマー酸などの3価以上のカルボン酸やこれらのエステル化合物及び酸無水物などが挙げられる。その許容使用量は、全カルボン酸成分のうち5モル%以下が好適であり、より好ましくは1モル%以下である。また、多価カルボン酸成分以外に、本発明の効果を損なわない範囲でモノカルボン酸を添加してもよい。
(多価アルコール成分)
本発明のポリエステル樹脂の原料として用いられる多価アルコール成分は、特に限定されるものではなく、公知各種のものが用いられ、例えば脂肪族グリコール類、脂環族グリコール類、芳香族多価アルコール類、が挙げられ、これらは1種類単独で用いてもよく、または2種以上を適宜に組み合わせて使用してもよい。
例えば、エチレングリコール、ジエチレングリコール、プロピレングリコール、1,4−ブタンジオール、1,6−ヘキサンジオール、ネオペンチルグリコール等の脂肪族グリコール、1,4−シクロヘキサンジメタノール等の脂環族グリコールなどが挙げられる。また、芳香族多価アルコールとしては、例えばビスフェノールA、ビスフェノールAのエチレンオキサイド、プロピレンオキサイド付加物などが挙げられる。さらに、グリセリン、トリメチロールプロパン、ペンタエリスリトールなどの3価以上の多価アルコールを適宜使用してもよい。
またインクリボンと受容層との離型性改善のために、公知の離型性物質の併用も可能である。特に限定されるもの物ではないが、具体的には、ジメチルシリコーンオイル、ポリエーテル変性シリコーンオイル、エポキシ変性シリコーンオイル、アミノ変性シリコーンオイル、カルボキシル変性シリコーンオイル、カルビノール変性シリコーンオイル、メタクリル酸変性シリコーンオイル等の変性シリコーンオイルや、パラフィンワックス、ポリエチレン、フルオロカーボン等の炭化水素系、ステアリン酸等の脂肪酸系、脂肪族アミド系、エステル系、アルコール系、金属石鹸系、天然ワックス系の離型性物質が挙げられる。これら離型性物質は受容層の熱可塑性樹脂100質量部に対し、0.1〜20質量部の範囲で配合されることが多いが特に限定されるものではない。
離型性を向上させるために、ポリイソシアネート化合物、エポキシ、有機金属化合物等の架橋剤により熱可塑性樹脂を架橋させることも可能である。これら架橋剤は熱可塑性樹脂の官能基数1に対し、架橋剤の官能基数0.1〜1,000程度になるように配合されることが好ましい。
また酪酸酢酸セルロース及び数平均分子量10,000以下のポリエステル樹脂の他に、適宜公知の染料染着性熱可塑性樹脂が併用されてもよい。特に限定されるものではないが、例えばポリビニルホルマール、ポリアセタール、ポリビニルブチラール等のポリアセタール系樹脂、BPA型エポキシ樹脂、水添BPA型エポキシ樹脂、ポリ塩化ビニル、ポリ塩化ビニリデン、ポリ酢酸ビニル、ポリスチレン、スチレン−アクリルニトリル共重合体、ポリエチレン、ポリプロピレン、エチレン−酢酸ビニル共重合体、ポリメチルメタクリレート、MMA−スチレン共重合体、ポリアミド、エチルセルロース、酢酸セルロース、プロピルセルロース、硝酸セルロース、ポリカーボネート、フェノキシ樹脂、ポリウレタン等の樹脂のうち1種或は2種以上を併用することも可能である。
また染着性をコントロールする目的等で、可塑剤を単独、もしくは併用することも可能である。可塑剤としてはフタル酸エステル系、脂肪族二塩基酸エステル系、トリメット酸エステル系、りん酸エステル系、エポキシ系、ポリエステル系等、公知のものが使用出来る。可塑剤の配合量としては、受容層の熱可塑性樹脂100質量部に対して1〜50質量部程度が好ましく、ブリードアウトの兼ね合いから、1〜30質量部の配合がより好ましく用いられる。
さらに耐光性を向上させるために、紫外線吸収剤(以下、UVAと称する)、もしくはヒンダードアミン系光安定化剤(以下、HALSと称する)を単独、もしくは併用することも可能である。UVAとしては、一般に、ベンゾトリアゾール系UVA、トリアジン系UVA、蓚酸アニリド系UVA、ベンゾフェノン系UVAが知られているが、特にベンゾトリアゾール系は他のUVAと比較して、吸収波長域が広く、また高波長側に極大吸収ピークを持ち、また吸光度も大きいことからHALSと併用したときに特に優れた効果が得られるため好ましく用いられる。配合量としては受容層の熱可塑性樹脂100質量部に対して、1〜70質量部が配合され、特にUVA投入量と効果の兼合いから、1〜40質量部の配合が好ましく用いられる。HALSは、2,2,6,6−テトラメチルピペレジン骨格を有する化合物であり、この骨格を有するものであれば特に限定されるものではない。HALSは受容層の熱可塑性樹脂100質量部に対して、1〜70質量部が配合され、特にHALS投入量と効果の兼合いから、1〜40質量部の配合が好ましく用いられる。
受容層の固形分塗工量は、好ましくは1〜12g/m程度であり、より好ましくは2〜10g/mの範囲で調節される。因みに、受容層の固形分塗工量が1g/m未満では、受容層が支持体表面を完全に覆うことができず、画質の低下を招いたり、サーマルヘッドの加熱により受容層とインクリボンが接着してしまう融着トラブルが発生することがある。一方、受容層の固形分塗工量が12g/mを超えると効果が飽和して不経済であるばかりでなく、受容層の強度が不足したり、受容層の厚みが増し支持体の断熱効果が十分に発揮されず、画像濃度が低下することがある。
(シート状支持体)
本発明における受容シートの支持体としては、セルロースパルプを主成分とする紙類や合成樹脂フィルム等が使用される。例えば、上質紙(酸性紙、中性紙)、中質紙、コート紙、アート紙、グラシン紙、樹脂ラミネート紙等の紙類、または、ポリエチレン、ポリプロピレン等のポリオレフィン、ポリエチレンテレフタレートなどのポリエステル、ポリアミド、ポリ塩化ビニル、ポリスチレン、ポリカーボネート、ポリビニルアルコール、ポリ塩化ビニルなどの合成樹脂を主成分としたフィルムまたはシートや、ポリオレフィン、ポリエステルなどの熱可塑性樹脂を主成分とする多孔質単層延伸フィルム又は多孔質多層延伸フィルム(例えば合成紙、多孔質ポリエステルフィルム)等、およびこれらのフィルム同士、又はこれらのフィルムと他のフィルム及び/又は紙等とを積層貼着させた積層体等が適宜用いられる。
積層に際して基材表層(受容層側の基材)は、特に限定するものではないが、印画された画像の均一性や階調性の点から、ポリオレフィン、ポリエステルなどの熱可塑性樹脂を主成分とする多孔質単層延伸フィルム又は多孔質多層延伸フィルム(例えば合成紙、多孔質ポリエステルフィルム)が好ましく使用される。
さらに、静電気の防止や白色度などを向上させるために、シート状支持体と受容層との間に、各種公知の導電剤や、白色顔料、蛍光染料等を含む塗工層を設けることも可能である。
本発明においては、上記シート状支持体の中でも、セルロースパルプを主成分とする紙類が、コスト的にも有利であり、得られる受容シートの風合いが印画紙に近いこと等から、好ましく使用される。一般に、紙支持体上には各種塗工層が形成され、その上に受容層を設けるとクラック等を生じ易い傾向があり、本発明の受容層を用いることにより十分な効果が得られる。中でも、シート状支持体が、セルロースパルプを主成分とし、かつシート状支持体と受容層の間に、少なくとも中空粒子を含有する中間層を有する熱転写受容シートにおいて優れた効果が得られる。
また、本発明で使用されるシート状支持体としては、20〜300μmの厚さを有することが好ましい。
また、本発明のシート状支持体としては、受容層が形成される第1の基材層、粘着剤層、剥離剤層、第2の基材層等を順次積層した構成でもよく、所謂ステッカー、ラベル或はシールタイプの構造を有する支持体も勿論使用可能である。
(中間層)
支持体として紙類を使用する場合には、紙類の片面上に印画濃度や画質等の印画品位を向上させる為に、少なくとも中空粒子を含有する中間層を設けることが好ましい。
本発明の中間層に用いられる中空粒子としては、重合体材料により形成されたシェルと、それにより包囲されている1個以上の中空(気孔)部とからなるものであり、その製造方法は格別の制限はないが、例えば下記のようにして製造されたものから選ぶことができる。
(イ)熱膨張性物質を含む熱可塑性重合体材料を加熱発泡させて製造された発泡中空粒子(以下単に、既発泡中空粒子と記す。)。
(ロ)重合体形成性材料をシェル形成用材料として用い、かつ揮発性液体を気孔形成用材料として用いて、マイクロカプセル重合方法により製造されたマイクロカプセルから、気孔形成用材料を揮発逃散させて得られたマイクロカプセル状中空粒子(以下単に、マイクロカプセル状中空粒子と記す。)。
本発明の中間層においては、既発泡中空粒子が好ましく使用される。既発泡中空粒子は、例えば熱膨張性物質として、n−ブタン、i−ブタン、ペンタン、ネオペンタンのような揮発性低沸点炭化水素を熱可塑性重合体材料中に内包し、熱可塑性重合体材料として塩化ビニリデン、塩化ビニル、アクリロニトリル、メタクリロニトリル、スチレン、(メタ)アクリル酸、(メタ)アクリル酸エステル等の単独重合体或いはこれらの共重合体等を、シェル(壁)材として用いて得られた粒子に予め加熱等の処理を施すことにより、所定の粒子径に熱膨張させ得られるものである。
また上記のような既発泡中空粒子は、一般に比重が小さいため、分散性等を向上させ、取扱い作業性改善を目的として、炭酸カルシウム、タルク、二酸化チタン等の無機粉体を、熱融着により既発泡中空粒子表面に付着させ、表面が無機粉体により被覆されている既発泡複合中空粒子等も本発明に用いることができる。
また本発明の中間層で好ましく使用されるマイクロカプセル状の中空粒子は、マイクロカプセル形成重合法により得られ、重合体形成性材料(シェル形成材料)をシェル(壁)として、芯部に揮発性液体(気孔形成用材料)を含有するマイクロカプセルを乾燥して、気孔形成用材料を揮発逃散させ、中空芯部を形成させたものである。重合体形成性材料としては、スチレン−(メタ)アクリル酸エステル系共重合体、メラミン樹脂等の硬い樹脂が好ましく使用され、揮発性液体としては、例えば水等が使用される。
本発明で使用される中空粒子の平均粒子径は0.3〜25μmが好ましく、より好ましくは0.5〜15μmであり、最も好ましくは1〜9μmである。中空粒子の平均粒子径が0.3μm未満の場合には、中空粒子の体積中空率が概して低いため、受容シートの感度向上効果が十分に発揮されないことがある。また平均粒子径が25μmを超えると、得られる中間層面の平滑性が低下して、熱転写画像の均一性が不良となり、画質が不十分となることがある。
なお中空粒子の平均粒子径は、一般的な粒径測定装置を使用して測定可能であり、例えばレーザー回折式粒度分布測定機(商品名:SALD2000、島津製作所製)等を用いて測定される。
本発明で使用される中空粒子の体積中空率は30〜97%が好ましく、より好ましくは45〜95%である。中空粒子の体積中空率が30%未満の場合には、受容シート全体の感度向上効果が十分に発揮されない。また体積中空率が97%を超えると、中間層の塗膜強度が低下し、中間層が傷付き易くなり、外観が悪化することがある。
なお中空粒子の体積中空率とは粒子体積に対する中空部分の体積の割合を示したものであり、具体的には中空粒子と貧溶媒からなる中空粒子分散液の比重、前記分散液における中空粒子の質量分率及び中空粒子のシェル(壁)を形成する重合体樹脂の真比重、及び貧溶媒の比重から求めることができる。また中空粒子の平均粒子径や体積中空率については、その断面を走査型電子顕微鏡(SEM)や透過型電子顕微鏡(TEM)による断面写真観察から求めることも可能である。
本発明の中間層において、中間層全固形分に対する、中空粒子の質量比率は20〜80質量%であることが好ましく、より好ましくは25〜70質量%である。中空粒子の質量比率が20質量%未満では、受容シートの感度向上効果が不十分となることがあり、また中空粒子の質量比率が80質量%を超えると、中間層用塗工液の塗工性が悪化して、良好な塗工面が得られないことや、また中間層の塗膜強度が低下することがある。
本発明の中間層は中空粒子と接着剤樹脂を含有する。本発明の中間層用塗工液は、中空粒子の耐溶剤性を考慮すると水性系塗工液であることが好ましい。使用される接着剤樹脂としては特に限定されず、例えばポリビニルアルコール系樹脂、セルロース系樹脂及びその誘導体、カゼイン、デンプン誘導体等の親水性高分子樹脂が成膜性、耐熱性、可撓性の観点から好ましく使用される。また(メタ)アクリル酸エステル樹脂、スチレン−ブタジエン共重合体樹脂、ウレタン樹脂、ポリエステル樹脂、エチレン−酢酸ビニル共重合体樹脂等の各種樹脂のエマルジョンが低粘度高固形分の水系樹脂として使用される。なお中間層の塗膜強度、接着性、塗工性の面から中間層に使用される接着剤樹脂は上記の親水性高分子樹脂と各種樹脂のエマルジョンを併用することも可能である。
中間層は必要に応じて、各種の添加剤、例えば帯電防止剤、無機顔料、有機顔料、樹脂の架橋剤、消泡剤、分散剤、有色染料、離型剤、滑剤等の1種或いは2種以上を適宜選択して使用してもよい。
中間層が断熱性、クッション性、光沢性向上等の所望の性能を発揮する為の厚さは20〜90μmが好ましく、更に好ましくは25〜85μmである。中間層の厚さが20μm未満では断熱性、クッション性が不足し感度及び画質向上効果が不十分である。また厚さが90μmを超えると断熱性やクッション性の効果が飽和し、それ以上の性能が得られないことがあり、経済的にも不利となる。
(バリア層)
本発明において、中間層と受容層との間にバリア層が設けられることが好ましい。一般に、受容層用塗工液の溶剤としては、トルエン、メチルエチルケトン等の有機溶剤が使用されるため、バリア層は、有機溶剤浸透による中間層の中空粒子の膨潤、溶解による、中空粒子の変形、破壊を防ぐための障壁として有効である。
バリア層に使用される樹脂としては、フィルム形成能に優れ、有機溶剤の浸透を防止し、弾力性、柔軟性のある樹脂が使用される。具体的には、デンプン、変性デンプン、ヒドロキシエチルセルロース、メチルセルロース、カルボキシメチルセルロース、ゼラチン、カゼイン、アラビアガム、完全ケン化ポリビニルアルコール、部分ケン化ポリビニルアルコール、カルボキシ変性ポリビニルアルコール、アセトアセチル基変性ポリビニルアルコール、ジイソブチレン−無水マレイン酸共重合体塩、スチレン−無水マレイン酸共重合体塩、スチレン−アクリル酸共重合体塩、エチレン−アクリル酸共重合体塩、尿素樹脂、ウレタン樹脂、メラミン樹脂、アミド樹脂等の水溶性樹脂が使用される。またスチレン−ブタジエン系共重合体ラテックス、アクリル酸エステル樹脂系ラテックス、メタアクリル酸エステル系共重合樹脂ラテックス、エチレン−酢酸ビニル共重合体ラテックス、ポリエステルポリウレタンアイオノマー、ポリエーテルポリウレタンアイオノマーなどの水分散性樹脂も使用することができる。上記の樹脂の中でも、水溶性樹脂が好ましく使用される。また上記の樹脂は単独で使用しても、あるいは2種以上を併用して使用してもよい。
さらに、バリア層には各種の顔料が含有されてもよく、好ましくは膨潤性無機層状化合物が使用され、塗工用溶剤の浸透防止ばかりでなく、熱転写染着画像のニジミ防止等においても優れた効果が得られる。膨潤性無機層状化合物としては、例えば、フッ素金雲母、カリウム四珪素雲母、ナトリウム四珪素雲母、ナトリウムテニオライト、リチウムテニオライトなどの合成マイカ、或はナトリウムヘクトライト、リチウムヘクトライト、サポナイトなどの合成スメクタイトがより好ましく使用される。これらの中でもナトリウム四珪素雲母が特に好ましく、熔融合成法により、所望の粒子径、アスペクト比、結晶性のものが得られる。
膨潤性無機層状化合物としては、そのアスペクト比が5〜5,000のものが好ましく用いられ、より好ましくは、アスペクト比が100〜5,000の範囲であり、特に好ましくは500〜5,000の範囲である。アスペクト比が5未満では、画像のニジミが生じることがあり、一方アスペクト比が5,000を超えると、画像の均一性が劣ることがある。アスペクト比(Z)とはZ=L/aなる関係で示されるものであり、Lは膨潤性無機層状化合物の水中での粒子平均長径(レーザー回折法で測定。堀場製作所製粒度分布計LA−910を使用、体積分布50%のメジアン径)であり、aは膨潤性無機層状化合物の厚みである。
膨潤性無機層状化合物の厚みaは、バリア層の断面を走査型電子顕微鏡(SEM)や透過型電子顕微鏡(TEM)による写真観察によって求めた値である。膨潤性無機層状化合物の粒子平均長径は0.1〜100μmであり、0.3〜50μmが好ましく、0.5〜20μmがより好ましい。粒子平均長径が0.1μm未満になると、アスペクト比が小さくなると共に、中間層上に平行に敷き詰めることが困難になり、画像のニジミを完全には防止できないことがある。粒子平均長径が100μmを超えて大きくなると、バリア層から膨潤性無機層状化合物が突出てしまい、バリア層の表面に凹凸が発生し、受容層表面の平滑度が低下して画質が低下することがある。
またバリア層中には隠蔽性や白色性の付与、受容シートの質感を改良するために、無機顔料として、炭酸カルシウム、二酸化チタン、酸化亜鉛、水酸化アルミニウム、硫酸バリウム、二酸化珪素、酸化アルミニウム、タルク、カオリン、珪藻土、サチンホワイト等の白色無機顔料や蛍光染料等を含有させてもよい。
バリア層の固形分塗工量は0.5〜8g/mの範囲が好ましく、より好ましくは1〜7g/mであり、特に好ましくは1〜6g/mである。因みにバリア層固形分塗工量が0.5g/m未満では、バリア層が中間層表面を完全に覆えないことがあり、有機溶剤の浸透防止効果が不十分となることがある。一方バリア層固形分塗工量が8g/mを超えると、塗工効果が飽和して不経済であるばかりでなく、バリア層の厚さが過大となることによって中間層の断熱効果やクッション性が十分に発揮されず、画像濃度の低下を招くことがある。
(背面被覆層)
本発明の受容シートにおいて、受容層に対し反対の面(裏面)上に、走行性向上、静電気の防止、受容シート相互の擦れによる受容層の損傷防止、さらにはプリントした受容シートを重ね置きしたとき、受容層からそれに接触隣接する受容シート裏面への染料移行の防止などを目的として背面被覆層が形成されていてもよい。背面被覆層には接着成分としての樹脂と帯電防止処理のために各種の導電剤を添加することができる。この導電剤としては、カチオン系ポリマーを用いることが望ましい。カチオン系ポリマーとしては、一般的にポリエチレンイミンや、カチオン性モノマーを含むアクリル系重合体、カチオン変性アクリルアミド系重合体およびカチオン澱粉等を用いることができる。背面被覆層の塗工量は、0.3〜10.0g/mの範囲が好ましい。
本発明の受容シートの受容層、及びその他の被覆層は、バーコーター、グラビアコーター、ブレードコーター、エアーナイフコーター、ゲートロールコーター、カーテンコーター、ダイコーター、及びスライドビードコーターなどのコーターを用いて塗工、乾燥して形成することができる。
本発明において、受容シートにカレンダー処理を施してもよく、受容層表面の凹凸を減少させ、平滑化する事も可能である。カレンダー処理は、例えば紙類を支持体として使用した場合には、中間層、バリア層あるいは受容層塗工後のいずれの段階で行ってもよい。カレンダー処理に使用されるカレンダー装置やニップ圧、ニップ数、金属ロールの表面温度等については特に限定されるものではないが、カレンダー処理を施す際の圧力条件としては、0.5〜50MPaが好ましく、より好ましくは1〜30MPaである。温度条件は20〜150℃が好ましく、更に好ましくは30〜130℃である。カレンダー装置としては、例えばスーパーカレンダー、ソフトカレンダー、グロスカレンダー、クリアランスカレンダー等の一般に製紙業界で使用されているカレンダー装置を適宜使用できる。
以下に実施例を挙げて本発明をさらに詳細に説明するが、勿論本発明はこれによって限定されるものではない。特に断らない限り、実施例中の「部」および「%」は、すべて「質量部」および「質量%」を示し、溶剤に関するものを除き固形分量である。
「ポリエステル樹脂の製造」
下記表1に示す多価カルボン酸成分及び多価アルコール成分を用いて、公知の方法により各々のポリエステル樹脂を合成した。
Figure 2006088396
実施例1
「受容シートの作成」
厚さ100μmの上質紙の両面に、2軸延伸されたポリプロピレンを主成分とする多孔質多層構造延伸フィルム(商品名:ユポFPG50、ユポ・コーポレーション製)をドライラミネート方式で積層して、シート状支持体とした。このシート状支持体の一方に下記受容層用塗工液−Aを、固形分塗工量が5g/mとなるように塗工、乾燥(120℃、1分間)した後、さらに50℃で4日間熱処理を行い、受容シートを作成した。
受容層用塗工液−A
酪酸酢酸セルロース(商品名:CAB551−0.01、イーストマン社製、
数平均分子量16,000) 50部
ポリエステル樹脂A 50部
シリコーンオイル(商品名:KF393、信越化学工業社製) 4部
イソシアネート化合物(商品名:NY−710A、三菱化学社製) 5部
トルエン 100部
メチルエチルケトン 100部
実施例2
受容層用塗工液−Aの代りに受容層用塗工液−Bを用いた以外は、実施例1と同様にして受容シートを作成した。
受容層用塗工液−B
酪酸酢酸セルロース(商品名:CAB500−5、イーストマン社製、
数平均分子量57,000) 50部
ポリエステル樹脂A 50部
シリコーンオイル(商品名:KF393、信越化学工業社製) 4部
イソシアネート化合物(商品名:NY−710A、三菱化学社製) 5部
トルエン 100部
メチルエチルケトン 100部
実施例3
実施例2の受容層用塗工液−Bにおいて、ポリエステル樹脂Aの代りにポリエステル樹脂Bを用いた以外は、実施例2と同様にして受容シートを作成した。
実施例4
実施例2の受容層用塗工液−Bにおいて、のポリエステル樹脂Aの代りにポリエステル樹脂Cを用いた以外は、実施例2と同様にして受容シートを作成した。
実施例5
実施例2の受容層用塗工液−Bにおいて、のポリエステル樹脂Aの代りにポリエステル樹脂Dを用いた以外は、実施例2と同様にして受容シートを作成した。
実施例6
実施例2の受容層用塗工液−Bにおいて、のポリエステル樹脂Aの代りにポリエステル樹脂Eを用いた以外は、実施例2と同様にして受容シートを作成した。
実施例7
実施例2の受容層用塗工液−Bにおいてポリエステル樹脂Aの代りにポリエステル樹脂Fを用いた以外は、実施例2と同様にして受容シートを作成した。
実施例8
実施例2の受容層用塗工液−Bにおいてポリエステル樹脂Aの代りにポリエステル樹脂Gを用いた以外は、実施例2と同様にして受容シートを作成した。
実施例9
「中間層の形成」
シート状支持体として、厚さ150μmのアート紙(商品名:OK金藤N、174.4g/m、王子製紙製)を使用し、その片面に下記組成の中間層用塗工液−1を、乾燥後の膜厚が51μmになるように塗工乾燥して中間層を形成した。
中間層用塗工液−1
アクリロニトリル及びメタクリロニトリルを主成分とする共重合体からなる既発泡中空粒子(平均粒子径3.2μm、体積中空率76%、) 50部
ポリビニルアルコール(商品名:PVA205、クラレ製) 10部
スチレン−ブタジエンラテックス(商品名:PT1004、日本ゼオン製) 40部
水 250部
「バリア層及び受容層の形成」
更に上記中間層上に下記組成のバリア層用塗工液−1を、固形分塗工量が2g/mになるように塗工乾燥してバリア層を形成し、更に上記バリア層上に、前記受容層用塗工液−B(実施例2で調製)を固形分塗工量が5g/mになるように塗工乾燥し、受容層を形成した。
バリア層用塗工液−1
膨潤性無機層状化合物(ナトリウム4珪素雲母、粒子平均長径6.3μm、アスペクト比2700) 30部
ポリビニルアルコール(商品名:PVA105、クラレ製) 50部
スチレン−ブタジエンラテックス(商品名:L−1537、旭化成製) 20部
水 1100部
「受容シートの形成」
次にシート状支持体の受容層を設けた側とは反対側の面上に下記組成の裏面層用塗工液−1を、乾燥後の固形分塗工量が3g/mになるように塗工乾燥して裏面層を形成し、その後50℃で4日間熱処理を行った。更にこの受容シートの表面平滑化のために、カレンダー処理(ロール表面温度78℃、ニップ圧2.5MPa)を行い、受容シートを作成した。
裏面層用塗工液−1
ポリビニルアセタール樹脂(商品名:エスレックKX−1、積水化学工業製)40部
ポリアクリル酸エステル樹脂(商品名:ジュリマーAT613、日本純薬製)20部
ナイロン樹脂粒子(商品名:MW330、シントーファイン製) 10部
ステアリン酸亜鉛(商品名:Z−7−30、中京油脂製) 10部
カチオン型導電性樹脂(商品名:ケミスタット9800、三洋化成製) 20部
水/イソプロピルアルコール=2/3(質量比)混合液 400部
実施例10
実施例9の受容層用塗工液−Bにおいて、ポリエステル樹脂Aの代りにポリエステル樹脂Bを用いた以外は、実施例9と同様にして受容シートを作成した。
実施例11
実施例9の受容層用塗工液−Bにおいて、ポリエステル樹脂Aの代りにポリエステル樹脂Cを用いた以外は、実施例9と同様にして受容シートを作成した。
比較例1
受容層用塗工液−Aの代りに下記受容層用塗工液−Cを用いた以外は、実施例1と同様にして受容シートを作成した。
受容層用塗工液−C
酪酸酢酸セルロース(商品名:CAB500−5、イーストマン社製、
数平均分子量57,000) 100部
シリコーンオイル(商品名:KF393、信越化学工業社製) 4部
イソシアネート化合物(商品名:NY−710A、三菱化学社製) 5部
トルエン 100部
メチルエチルケトン 100部
比較例2
受容層用塗工液−Aの代りに下記受容層用塗工液−Dを用いた以外は、実施例1と同様にして受容シートを作成した。
受容層用塗工液−D
ポリエステル樹脂A(数平均分子量8,000) 100部
シリコーンオイル(商品名:KF393、信越化学工業社製) 4部
イソシアネート化合物(商品名:NY−710A、三菱化学社製) 5部
トルエン 100部
メチルエチルケトン 100部
比較例3
実施例2の受容層用塗工液−Bにおいてポリエステル樹脂Aの代りにポリエステル樹脂Hを用いた以外は、実施例2と同様にして受容シートを作成した。
比較例4
実施例2の受容層用塗工液−Bにおいてポリエステル樹脂Aの代りにポリエステル樹脂Iを用いた以外は、実施例2と同様にして受容シートを作成した。
評価
上記各実施例および比較例で得られた受容シートについて、下記試験を行った。得られた結果を表2に示す。
〔受容シート外観評価〕
得られた受容シートの外観を官能評価した。受容層塗工面が光沢面の場合は○、曇った場合は×とした。×の場合、受容シートの商品性が著しく低下する。
〔保護層転写性試験〕
得られた受容シートの受容層上に、熱転写試験機(商品名:TH−PMI2、大倉電機社製)を使用して、印加エネルギーを可変させて、昇華型熱転写リボン(商品名:UP−540、ソニー社製)の保護層部を転写し、保護層が転写出来る最小エネルギーを求めた。この保護層転写性試験において、保護層転写最小エネルギーが1mj/dot以下であれば、実用上問題ない転写性レベルである。
〔リボン離型性試験〕
得られた受容シートに、昇華型熱転写リボン(商品名:UP−540、ソニー社製)を装着した市販の熱転写ビデオプリンター(商品名:UP−50、ソニー社製)を用いて、50℃環境下で、黒ベタ画像を10枚連続で印画した。その際、印画適性として受容シートとリボンとの融着状況、およびプリンターからの受容シートの排紙性等について、以下の基準で評価した。
○:受容シートとリボンとの融着が全くなく、10枚連続して正常に排紙され、実用には全く問題がない。
△:受容シートとリボンとの軽い融着により若干騒音は生じるが、10枚とも排紙され、実用可能である。
×:受容シートとリボンとが融着を生じ、正常に排紙されないものがあり、実用には適さない。
〔印画濃度試験〕
得られた受容シートに、昇華型熱転写リボン(商品名:UP−540、ソニー社製)を装着した市販の熱転写ビデオプリンター(商品名:UP−50、ソニー社製)を用いて、20℃環境下で黒ベタ画像を印画し、反射濃度計(商品名:マクベスRD−914、グレタグ社製)を使って印画濃度を測定した。印画濃度を5点測定し、それらの平均値が2.1以上の濃度であれば実用上問題の無いレベルである。
〔耐光性試験〕
上記印画物を、Xeフェードメーターで10,000kJ/mの積算照度になるまで処理した。色差計(グレタグ社)を用いて、処理前後の色差を測定した。色差が13以内であれば、実用上問題の無いレベルである。
〔クラック試験〕
得られた受容シートを0℃環境下で直径φ11mmの鉄パイプに巻き付け、受容層におけるクラックの発生を肉眼で観察した。
○:受容層にクラックが全く発生せず、実用レベル。
△:受容層に僅かにクラックが入るが、実用可能なレベル。
×:受容層にクラックが多発し、実用には適さないレベル。
Figure 2006088396
本発明の受容シートは、保護層転写性及びリボンとの離型性に優れ、かつ印画濃度が高く、さらに画像の耐光性に優れ、受容層のクラック発生も無く、昇華熱転写方式を初めとする各種の熱転写方式のフルカラープリンターに有用なものであって、産業界に寄与するところは大である。

Claims (4)

  1. シート状支持体と、このシート状支持体の少なくとも一面上に形成された染料染着性樹脂を主成分とする受容層とを有する熱転写受容シートにおいて、前記受容層が、酪酸酢酸セルロース及び数平均分子量が10,000以下のポリエステル樹脂を含むことを特徴とする熱転写受容シート。
  2. 前記酪酸酢酸セルロースと前記ポリエステル樹脂との質量配合比率が、5/95〜95/5である請求項1に記載の熱転写受容シート。
  3. 前記酪酸酢酸セルロースの数平均分子量が、20,000以上である請求項1または2に記載の熱転写受容シート。
  4. 前記ポリエステル樹脂が、多価カルボン酸成分と多価アルコール成分とを重縮合した樹脂であり、多価カルボン酸成分中、脂肪族ジカルボン酸が50モル%より多く、かつ脂環族ジカルボン酸が50モル%未満である請求項1〜3のいずれかに記載の熱転写受容シート。



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