JP2006103306A - 熱転写受容シートおよびその製造方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】 本発明は、セルロースパルプを主成分とする紙を支持体とする受容シートにおいて、プリント時に受容シートとインクリボンとが融着しやすいという課題を克服し、かつ画像均一性に優れた受容シートを提供する。
【解決手段】 セルロースパルプを主成分とするシート状支持体の一面に、中空粒子を含有する中間層、画像受容層が順次形成された熱転写受容シートにおいて、前記熱転写受容シート全体の含水率が2〜8質量%であり、かつ受容シート全体の透湿度が400g/m2・day以下であることを特徴とする熱転写受容シートおよびその製造方法。
【選択図】 なし

Description

本発明は、熱転写染料シートの染料を熱により画像受容層に転写し画像を形成するプリンターに使用する熱転写受容シート(以下、単に「受容シート」と称する場合がある。)に関するものである。更に詳しく述べるならば、本発明はサーマルプリンター、特に染料熱転写プリンターに適し、プリント時に染料染着性樹脂を含む画像受容層(以下、単に「受容層」と称する場合がある。)と熱転写染料シート(以下、単に「インクリボン」と称する場合がある。)の染料を含む染料層が融着を起こしにくく、かつ画像均一性に優れた受容シートに関するものである。
近年、サーマルプリンターの中でも特に、鮮明なフルカラー画像のプリントが可能な染料熱転写プリンターが注目されている。染料熱転写プリンターは、インクリボンの染料を含む染料層と、受容シートの受容層とを重ね合わせ、サーマルヘッドなどから供給される熱により、染料層の所要箇所の染料を所定濃度だけ、受容層上に転写して画像を形成するものである。インクリボンは、イエロー、マゼンタおよびシアンの3色、あるいはこれにブラックを加えた4色の染料層を有する。フルカラー画像は、インクリボンの各色の染料を受容シートに順に繰り返し転写することによって得られる。
コンピューターによるデジタル画像処理技術の発達により、記録画像の画質等は格段に向上し、熱転写方式はその市場を拡大しているが、銀塩写真と同等の画質及び光沢感が求められている。またサーマルヘッドの温度制御技術の向上にともない、プリントシステムの高速、高感度化への要求が高まっている。そのためサーマルヘッド等の加熱デバイスの発熱量を、如何に効率よく画像形成に利用するかが重要な技術課題となっている。
受容シートは一般に支持体とその表面に形成された受容層とから構成されている。支持体基材として通常のフィルムを使用すると、平滑性に優れるものの、サーマルヘッドからの熱が基材に逃げて記録感度の不足を生じたり、またフィルムでは十分なクッション性がないことから、インクリボンと受容シートとの密着性が不足して、濃度ムラ等が発生する。
この問題を解決するために支持体として、発泡フィルムを紙類等の芯材層と貼り合わせた支持体(例えば、特開昭61−197282号公報(第1頁)(特許文献1)を参照されたい。)、ポリオレフィン樹脂等の熱可塑性樹脂を主成分とし、ボイド(空隙)構造を含む2軸延伸フィルム(合成紙)を紙類等の芯材層と貼り合わせた支持体等が提案されている(例えば、特開昭62−198497号公報(第1頁)(特許文献2)を参照されたい。)。これらの支持体を使用した受容シートは断熱性、平滑性に優れるが、プリンターでの搬送時及び印画時の熱及び圧力により、受容シートに凹みが生じ外観を損なう問題がある。
また、発泡フィルムは高価であり、受容シート全体の厚さを所定の厚さに制御する為には、厚い発泡フィルムを使用する必要があり、経済的に不利であるという問題や、得られる受容シートの質感が銀塩写真の印画紙とは異なるという問題もあった。
受容シートの支持体基材として紙類を使用すると、サーマルヘッドからの熱が基材に逃げて記録感度が不足する問題がある。紙類はフィルムよりクッション性は若干よいものの、紙の繊維の疎密ムラに起因するインクリボンと受容層の密着ムラによって印画の濃淡ムラが発生する。
これらの問題を改善する為に、紙支持体と受容層の間に中空粒子を含有する中間層を設けた受容シートが開示されている(例えば、特開昭63−87286号公報(第1−2頁)(特許文献3)、特開平1−27996号公報(第1−3頁)(特許文献4)を参照されたい。)。この受容シートは中空粒子を含有した中間層の断熱性、クッション性向上効果により感度や画質は改善されるが、発泡フィルムを紙類等の芯材層と貼り合わせた支持体等を使用した場合と比較し、プリント時に受容層とインクリボンの離型性が悪い、すなわち融着を起こしやすい、という現象が発生する。
これは、一般に受容層中にはインクリボンの染料層との融着を防止するために離型剤や熱可塑性樹脂を三次元架橋させる目的でポリイソシアネートが配合されているが(例えば、特開平10−129128号公報(第2−4頁)(特許文献5)を参照されたい。)、紙類中に含有される水分がポリイソシアネートと選択的に反応するため、受容層樹脂に対して所望の三次元架橋が得られず、十分な融着防止効果が得られないためであると考えられており、改善が要望されている。
また、一定の温湿度雰囲気で1日間放置後の、受容シートの含水率が規定されているが、ほぼ平衡に達していると考えられ、製造過程あるいは製造直後の含水率については不明である。また、紙基材と発泡層間の防水層の形成や、基材裏面側のカール防止層形成等が開示されている(例えば、特開平8−25811号公報(第2−4頁)(特許文献6)を参照されたい。)。しかしながら、本発明におけるプリント時の受容シートとインクリボンとの融着に関しては、主に受容層の性能に起因しており、架橋剤等の受容層成分、受容層近傍の中空粒子含有中間層、あるいはバリア層等の構成が、受容層の性能に大きな影響を及ぼすものと考えられる。
また、中間層に用いる接着剤樹脂として、耐有機溶剤性樹脂(好ましくは、ポリビニルアルコール、カゼイン、デンプン等)を使用すること(例えば、特開平1−27996号公報(第1−3頁)(特許文献4)を参照されたい。)や、最低造膜温度が25℃以上の樹脂を使用すること(例えば特開平7−17149号公報(第2頁)(特許文献7)を参照されたい。)等、が提案されているが、これらの樹脂を単独で使用すると、中間層の均一な形成及び柔軟性のある層形成が難しくなるといった問題が生じ、改善が求められていた。
また、水銀圧入式ポロシオメーター測定による転写紙の表面塗工層の空孔分布(例えば、特開平7−98510号公報(第2頁)(特許文献8)を参照されたい。)、および熱転写インク受理層の表面のダイナミック硬度(例えば、特開2002−11969号公報(第2頁)(特許文献9)を参照されたい。)等について開示されているが、これらは、主に溶融型熱転写方式、または電子写真方式に使用されるものであり、受容層表面の特性に限られている。
特開昭61−197282号公報(第1頁) 特開昭62−198497号公報(第1頁) 特開昭63−87286号公報(第1−2頁) 特開平1−27996号公報(第1−3頁) 特開平10−129128号公報(第2−4頁) 特開平8−25811号公報(第2−4頁) 特開平7−17149号公報(第2頁) 特開平7−98510号公報(第2頁) 特開2002−11969号公報(第2頁)
本発明は、セルロースパルプを主成分とする紙を支持体とする受容シートにおいて、プリント時に受容シートとインクリボンとが融着しやすいという課題を克服し、かつ画像均一性に優れた受容シートを提供しようとするものである。
本発明は、以下の各発明を包含する。すなわち、
(1)セルロースパルプを主成分とするシート状支持体の一面に、中空粒子を含有する中間層、画像受容層が順次形成された熱転写受容シートにおいて、前記熱転写受容シート全体の含水率が2〜8質量%であり、かつ受容シート全体の透湿度が400g/m2・day以下であることを特徴とする熱転写受容シート。
(2)前記画像受容層が、染料染着性樹脂および当該樹脂を架橋する水反応性官能基を有する架橋剤を主成分として含有する、(1)の熱転写受容シート。
(3)前記水反応性官能基を有する架橋剤がポリイソシアネート化合物である、(2)の熱転写受容シート。
(4)前記中間層が、水溶性高分子と水分散性樹脂とを含有し、かつ前記水分散性樹脂の最低造膜温度が0℃以下である、(1)から(3)のいずれかの熱転写受容シート。
(5)前記中間層が、水溶性高分子と水分散性樹脂とを含有し、かつ前記水分散性樹脂の最低造膜温度が0℃以下である、(1)から(3)のいずれかの熱転写受容シート。
(6)前記水溶性高分子が鹸化度65〜90%、かつ重合度200〜1000のポリビニルアルコール系樹脂である、(5)の熱転写受容シート。
(7)前記中間層のダイナミック硬度が3.0以下である、(1)から(6)のいずれかの熱転写受容シート。
(8)前記中間層が、水銀圧入式ポロシメーターによる細孔分布の測定で、細孔直径が0.01〜10μmの範囲にピークを有する、(1)から(7)のいずれかの熱転写受容シート。
(9)前記ピーク領域の細孔容積が0.01〜0.7cc/gの範囲にある、(1)から(8)のいずれかの熱転写受容シート。
(10)前記中間層と画像受容層の間にさらにバリア層が形成され、前記バリア層が膨潤性無機層状化合物と接着剤を主成分として含有する、(1)から(9)のいずれかの熱転写受容シート。
(11)前記支持体の他の面に裏面層が設けられている、(1)から(10)のいずれかの熱転写受容シート。
(12)セルロースパルプを主成分とするシート状支持体の一面に、中空粒子を含有する中間層、画像受容層が順次形成する熱転写受容シートの製造方法において、前記シート状支持体の一面に、中空粒子を含有する中間層および画像受容層を順次形成した後、受容シート全体の含水率を1〜8質量%に調整し、しかる後にエージングすることを特徴とし、ここで当該受容シート全体の透湿度は400g/m2・day以下とする、熱転写受容シートの製造方法。
(13)前記画像受容層が、染料染着性樹脂および当該樹脂を架橋する水反応性官能基を有する架橋剤を主成分として含有する、(12)の熱転写受容シートの製造方法。
(14)前記水反応性官能基を有する架橋剤がポリイソシアネート化合物である、(13)の熱転写受容シートの製造方法。
(15)前記中間層と画像受容層の間にさらにバリア層を形成する工程を含み、前記バリア層が膨潤性無機層状化合物と接着剤を主成分として含有する、(12)から(14)のいずれかの熱転写受容シートの製造方法。
(16)前記シート状支持体の一面に、中空粒子を含有する中間層、任意のバリア層、および画像受容層を順次形成した後、前記支持体の他の面に裏面層を設ける工程をさらに含む、(12)から(15)のいずれかの熱転写受容シートの製造方法。
(17)前記エージング前のシート状支持体全体の透湿度を400g/m2・day以下に調整する、(12)から(16)のいずれかの熱転写受容シートの製造方法。
本発明は、セルロースパルプを主成分とする紙を支持体とする受容シートにおいて、プリント時に受容シートとインクリボンとが融着しやすいという課題を克服し、かつ画像均一性に優れた受容シートに関するものであり、熱転写受容シートとして実用的に優れたものである。
セルロースパルプを主成分とする紙を支持体とし、この支持体の一面に、中空粒子と接着剤を主成分とする中間層、任意のバリア層、および受容層を順次積層され、前記支持体の受容層が設けられていない側に任意の裏面層が設けられた受容シートにおいて、プリント時に受容シートとインクリボンとが融着しやすいという課題を克服するために鋭意研究の結果、受容シート全体の含水率を2〜8質量%とし、かつ受容シート全体の透湿度を400g/m2・day以下とすることで、受容層とインクリボンとの離型性に優れた受容シートを得ることができることを見出した。
プリント時に該受容シートとインクリボンの染料層の離型性が低下し融着が発生するのは、一般に受容層中にはインクリボンの染料層との融着を防止するために離型剤や熱可塑性樹脂を三次元架橋させる目的でポリイソシアネート等の架橋剤が配合されているが、セルロースパルプを主成分とする紙に含有される水分が架橋剤と選択的に反応するために所望の三次元架橋を得られず、十分な融着防止効果が得られないためと考えられている。
この融着を防止するためには、エージング前の受容シート全体の含水率を1〜8質量%に調節することが必要であり、好ましくは2〜6質量%に調節する。また受容シート全体の透湿度は400g/m2・day以下とすることが重要であり、好ましくは、350g/m2・day以下とする。エージング前の受容シート全体の含水率が1質量%未満であると、セルロースシートの収縮により受容シート表面の凹凸が大きくなり、画像の均一性が悪化する。また含水率が8質量%を超えると、絶対水分量が多いために受容シート全体の透湿度を400g/m2・day以下にしても、受容層に含まれる架橋剤が水分の影響を受けやすくなる。例えば、イソシアネートが所望の官能基と反応出来ず、三次元架橋が不十分になり、リボンとの剥離性能が低下することがある。
受容シート全体の水分の調整は、例えば受容シートの形成工程における塗工乾燥条件、例えば温度、時間、風量などの条件を調整することで可能である。また受容シート全体の透湿度の調整については、例えば、中間層やバリア層に使用される、水溶性樹脂(「水溶性高分子」ともいう。)および水分散性樹脂等の接着剤樹脂や顔料等の選択、あるいは塗工条件等を適宜選択することにより可能である。
さらに製造工程において、受容層形成後、エージング前の受容シートの透湿度については、400g/m2・day以下が好ましく、350g/m2・day以下がより好ましい。透湿度が400g/m2・dayを超える場合には、エージング中に受容層に含まれる架橋剤が水分の影響を受け易くなり、品質的に安定しないことがある。エージング前の受容シートの透湿度は、例えば、シート状支持体にバリア層を形成した後の透湿度とほぼ同様であり、バリア層形成後の透湿度を測定してもよい。
含水率(%で表示;「水分率」ともいう。)の測定については、JIS P 8127に準じて行い、透湿度については、JIS K 7129に準じて、透湿度自動測定機(商品名:L80−4000、リッシー製)にて測定を行うことができる。
エージング条件としては、受容層がブロッキングしない温度範囲であればよく、一般には40℃〜60℃程度の温度で24時間以上であり、50時間程度で十分な効果が得られる。
また、中間層に用いる接着剤が水溶性高分子と水分散性樹脂等の場合、水分散性樹脂の最低造膜温度が0℃以下であれば、より受容シートの透湿度が低下し、融着が回避しやすいことを見出した。これは最低造膜温度が低い方が中間層中で均一な皮膜を作りやすいため、水分の透過量を減少出来るためと考えられる。
さらに、バリア層が膨潤性無機層状化合物と接着剤を主成分とすることで、より効果が高まることも見出した。これは膨潤性無機層状化合物が高結晶性であり、かつバリア層中に多数積層させることで水分に対して迂回効果をもたせるためと考えられる。
以下、本発明に係る受容シートの構成層について詳細に説明する。
(シート状支持体)
本発明の受容シートに使用するシート状支持体としては、セルロースパルプを主成分とする紙類である。具体的な紙類の例としては、上質紙、中質紙等の非塗工紙、コート紙、アート紙、キャスト塗被紙等の塗工紙、原紙の少なくとも一方の面にポリオレフィン樹脂などの熱可塑性樹脂層を設けたラミネート紙、合成樹脂含浸紙、板紙等が挙げられる。また高平滑化の為にカレンダー処理を施すことも可能である。
本発明で使用されるシート状支持体は50〜250μmの厚さを有することが好ましい。因みに、厚さが50μm未満であると、その機械的強度が不十分となり、且つそれから得られる受容シートの剛度が小さく、変形に対する反発力が不十分となり、印画の際に生じる受容シートのカールを十分に防止できない場合がある。また、厚さが250μmを超えると、得られる受容シートの厚さが過大となるため、プリンターにおける受容シートの収容枚数の低下を招いたり、或いは所定の収容枚数を収容しようとするとプリンターの容積増大を招きプリンターのコンパクト化を困難にする等の問題を生ずることがある。
(中間層)
本発明において、シート状支持体上に設けられる中間層は、特定の物性を有する中空粒子と接着剤を含有する。
中間層に中空粒子を分散・分布させることにより、受容シートの圧縮弾性率を低下させることができ、受容シートに適度の変形自由度を与え、サ−マルヘッド形状及びインクリボン形状に対する受容シートの追従性、密着性等が向上するので、低エネルギー状態でも受容層に対するサーマルヘッドの熱効率が向上し、印画される画像の印画濃度を高め、画質を改善することができる。また高速プリンターの高エネルギー印加状態において、インクリボンに発生するインクリボンしわに起因する印画不良も同時に防止することができる。
(中空粒子)
本発明の中間層に用いられる中空粒子としては、重合体材料により形成されたシェルと、それにより包囲されている1個以上の中空(気孔)部とからなるものであり、その製造方法は格別の制限はないが、例えば下記のようにして製造されたものから選ぶことができる。
(イ)熱膨張性物質を含む熱可塑性重合体材料を加熱発泡させて製造された発泡中空粒子(以下単に、「既発泡中空粒子」と記す。)。
(ロ)重合体形成性材料をシェル形成用材料として用い、かつ揮発性液体を気孔形成用材料として用いて、マイクロカプセル重合方法により製造されたマイクロカプセルから、気孔形成用材料を揮発逃散させて得られたマイクロカプセル状中空粒子(以下単に、「マイクロカプセル状中空粒子」と記す)。
本発明の中間層においては、上記既発泡中空粒子が好ましく使用される。既発泡中空粒子は、例えば熱膨張性物質として、n−ブタン、i−ブタン、ペンタン、及び/又はネオペンタンのような揮発性低沸点炭化水素を熱可塑性重合体材料中に内包し、熱可塑性重合体材料として塩化ビニリデン、塩化ビニル、アクリロニトリル、メタクリロニトリル、スチレン、(メタ)アクリル酸、(メタ)アクリル酸エステル等の単独重合体或いはこれらの共重合体等を、シェル(壁)材として用いて得られた粒子に予め加熱等の処理を施すことにより、所定の粒子径に熱膨張させ得られるものである。
また、上記既発泡中空粒子は、一般に比重が小さいため、分散性等を向上させ、取扱い作業性改善を目的として、炭酸カルシウム、タルク、二酸化チタン等の無機粉体を、熱融着により既発泡中空粒子表面に付着させ、表面が無機粉体により被覆されている既発泡複合中空粒子等も本発明に用いることができる。
また、本発明の中間層で好ましく使用されるマイクロカプセル状の中空粒子は、マイクロカプセル形成重合法により得られ、重合体形成性材料(シェル形成材料)をシェル(壁)として、芯部に揮発性液体(気孔形成用材料)を含有するマイクロカプセルを乾燥して、気孔形成用材料を揮発逃散させ、中空芯部を形成させたものである。重合体形成性材料としては、スチレン−(メタ)アクリル酸エステル系共重合体、メラミン樹脂等の硬い樹脂が好ましく使用され、揮発性液体としては、例えば水等が使用される。
本発明で使用される中空粒子(既発泡中空粒子、マイクロカプセル状中空粒子)の平均粒子径は0.5〜10μmが好ましく、より好ましくは1〜9μmであり、最も好ましくは2〜8μmである。発泡中空粒子の平均粒子径が0.5μm未満の場合には、中空粒子の体積中空率が概して低いため、受容シートの感度向上効果が十分に発揮されないことがある。また平均粒子径が10μmを超えると、得られる中間層面の平滑性が低下し、熱転写画像の均一性が不良となり、光沢発現性が不十分になることがある。
なお、中空粒子の平均粒子径は、一般的な粒径測定装置を使用して測定可能であり、例えばレーザー回折式粒度分布測定機(商品名:SALD2000、島津製作所製)等を用いて測定される。
本発明で使用される中空粒子(既発泡中空粒子、マイクロカプセル状中空粒子)の体積中空率は50〜97%が好ましく、より好ましくは55〜95%である。中空粒子の体積中空率が50%未満の場合には受容シート全体の感度向上効果が十分に発揮されない。また体積中空率が97%を超えると、中間層の塗膜強度が低下し、中間層が傷付き易くなり、外観が悪化する問題が発生する。
なお、中空粒子の体積中空率とは粒子体積に対する中空部分の体積の割合を示したものであり、具体的には中空粒子と貧溶媒からなる中空粒子分散液の比重、前記分散液における中空粒子の質量分率及び中空粒子のシェル(壁)を形成する重合体樹脂の真比重、及び貧溶媒の比重から求めることができる。なお、貧溶媒とは中空粒子の壁を形成する樹脂を溶解及び/又は膨潤させない溶媒であり、例えば水、イソプロピルアルコール等が挙げられる。また、中空粒子の平均粒子径や体積中空率については、例えば小角X線散乱測定装置(商品名:RU−200、リガク社製)等を用いて中空粒子を含む中間層の断面写真から求めることも可能である。
本発明の中間層において、中間層全固形分に対する、中空粒子の質量比率は20〜80質量%であることが好ましく、より好ましくは25〜70質量%である。中空粒子の質量比率が20質量%未満では、受容シートの感度向上効果が不十分なことがあり、また中空粒子の質量比率が80質量%を超えると、中間層用塗工液の塗工性が悪化して、良好な塗工面が得られず、また中間層の塗膜強度が低下することがある。
(接着剤)
中間層には、中間層の塗膜強度を高めるために、接着剤樹脂を配合することが必要である。接着剤樹脂としては、特に限定されず、例えば、ポリビニルアルコール系樹脂、カゼイン、大豆蛋白、合成蛋白質類、でんぷん、セルロース系樹脂及びその誘導体等の水溶性高分子が成膜性、耐熱性の点から好ましく使用される。またスチレン−ブタジエン共重合体、メチルメタクリレート−ブタジエン共重合体等の共役ジエン系重合体ラテックス、スチレン−酢酸ビニル共重合体等のビニル系共重合体ラテックス等の水分散性樹脂、水性アクリル樹脂、水性ポリウレタン樹脂、水性ポリエステル樹脂等、その他一般に塗工紙分野で公知公用の各種接着剤樹脂が低粘度高固形分の水分散性樹脂として使用される。なお、上記の水溶性高分子および水分散性樹脂は、それぞれ単独あるいは2種以上を併用することも可能である。
中間層用の水溶性高分子としては、上記樹脂の中でもポリビニルアルコール(PVA)系樹脂が好ましく使用され、鹸化度65〜90%、重合度200〜1000のポリビニルアルコール系樹脂が、受容シートの透湿度をより低下させ、リボンとの融着防止効果も優れる点で、より好ましく使用される。中間層におけるかかるポリビニルアルコール系樹脂の使用が好ましい理由については、例えば中間層用塗料中での中空粒子の分散性を良好にするとか、またかかる中間層用塗料は粘度の点でも適していることから、中間層塗工時における塗膜の形成性に優れ、より均一な中間層形成を可能にし、水分の透過量をより減少させることができるためと考えられる。
また中間層用の水分散性樹脂としては、最低造膜温度が0℃以下であることが好ましい。最低造膜温度が0℃を超えると中間層中で十分に皮膜が形成されずに、不均一な皮膜となり水分が移動する、すなわち透湿性が上昇してしまうことがある。一方、最低造膜温度が低過ぎると、画像のニジミが悪化するおそれがある。最低造膜温度が0℃以下の水分散性アクリル樹脂としては、例えば、JSR社製のE−377(商品名)、中央理化社製のFK4025(商品名)等が挙げられる。
好ましくは、水溶性高分子と水分散性樹脂とが併用される。水溶性高分子と水分散性樹脂との配合比は特に制限されることはないが、好ましくは水溶性高分子100質量部に対し、水分散性樹脂を100〜800質量部配合する。水分散性樹脂が、100質量部未満では、塗料の粘度が上がり、十分に平滑な面が得られないことがあり、一方800質量部を超えると、成膜性や耐熱性が劣ることがある。
中間層は必要に応じて、消泡剤、着色剤、蛍光増白剤、帯電防止剤、防腐剤、分散剤、増粘剤、樹脂架橋剤等の各種助剤の1種あるいは2種以上を適宜選択して添加してもよい。
中間層が断熱性、クッション性、光沢性向上等の所望の性能を発揮する為の厚さは20〜90μmが好ましく、更に好ましくは25〜85μmである。中間層の厚さが20μm未満では断熱性、クッション性が不足し、感度及び画質向上効果が不十分になることがある。また厚さが90μmを超えると断熱性やクッション性の効果が飽和し、それ以上の性能が得られないことや、経済的にも不利であり、好ましくない。
また、中間層の厚さは中間層に含有される中空粒子平均粒子径の3倍以上の厚さであることが好ましく、更に好ましくは4倍以上の厚さである。中間層の厚さが中間層に含有される中空粒子平均粒子径の3倍未満の厚さであると、粗大中空粒子が中間層面から突出し、画像均一性及び光沢性の低下を招くことがあり、好ましくない。
本発明において、中空粒子を含有する中間層は、高い断熱性とクッション性を有しており、このクッション性を「ダイナミック硬度」で規定できる。一般に、薄膜の硬度は、材料表面に垂直に静的な荷重をかけたときの歪みより求める。本発明において中間層のダイナミック硬度は、例えば超微小硬度計(商品名:DUH−201H、島津製作所社製)を用いて測定される値である。115°の三角錐圧子に荷重を与えて、荷重と圧子の押し込み深さから、ダイナミック硬度を次式により求めることが可能である。
ダイナミック硬度DHT115=3.7838×P/h2
P:荷重(mN)、h:押し込み深さ(μm)
この測定方法は、針状圧子の微小な動きを電気信号に変換して計測する方法であり、荷重を調整することによって、所望の押し込み深さにおける硬度を求めることが可能である。受容シートにおいて中間層のダイナミック硬度を測定する方法としては、積層している受容層をあらかじめ剃刀などで削ぎ取り、中間層を剥き出しにした状態で測定する方法や、受容層を積層したまま測定する方法があり、いずれも本発明において適用可能である。例えば受容層を積層したまま測定する方法では、あらかじめ断層拡大写真観察などで受容層の塗工層厚さを測定して、受容層の厚さ以上の押し込み深さとなるように荷重を設定して硬度を測定すればよい。
本発明において、中間層のダイナミック硬度は3.0以下が好ましく、0.1〜1.0の範囲がより好ましい。ダイナミック硬度が3.0を超えると中間層としてのクッション性が不足し、印画時にサーマルヘッドとの密着性が劣るため画質が低下することがある。一方、ダイナミック硬度が過度に小さいと、例えば0.1を下まわると、傷つき易くハンドリング性が劣ることがある。
本発明において、中間層のダイナミック硬度を3.0以下とするためには、以下の方法が挙げられるが、これらに限定されるものではない。
(1)中間層に含まれる中空粒子として隔壁の厚さが薄いものを使用する方法。中空粒子が荷重を受けたとき中空を維持したまま変形する。中空粒子の隔壁の厚さは10μm以下が好ましく、2μm以下がより好ましい。
(2)中間層に中空粒子を含有するとともに、軟化点が常温以下の樹脂を添加する方法。柔らかい樹脂が中間層の層全体の硬度を低減させる効果がある。樹脂の軟化点は、30℃以下が好ましく、10℃以下がより好ましい。
本発明の中間層は、水銀圧入式ポロシメーターによる細孔分布測定で、細孔直径が0.01〜10μmの範囲にピークを有するのが好ましく、この範囲内に2以上のピークを有していてもよい。さらに前記ピーク領域における累積の細孔容積が0.01〜0.7cc/gの範囲にあるのが好ましい。
一般的に細孔容積が大きい程、中間層の断熱性や、クッション性が増し、記録感度が向上すると考えられる。しかし、中間層の細孔分布におけるピークの細孔直径が10μmより大きい場合、あるいはピーク領域における累積の細孔容積が0.7cc/gより大きい場合には、中間層上に受容層(もしくはバリア層等)を形成する際に、塗工液が中間層に浸込み過ぎて製膜し難くなり、均一な塗工層が得られないことがある。一方、ピークの細孔直径が0.01μmより小さい場合、あるいは累積の細孔容積が0.01cc/gより小さい場合には、塗工液が中間層に適度に浸込むことができず、塗工層が、不均一になることや接着強度が不足することがあり、例えばインクリボンの融着等により塗工層剥れが生じることがある。
水銀圧入式ポロシメーターによる、中間層の細孔分布の測定方法を以下に示すが、本発明はこれらの方法に限定されるものではない。
(1)セルロースパルプを主成分とするシート状支持体、および上記支持体に中間層まで塗工した中間層塗工品の2種類につき、水銀圧入式ポロシメーターを用いて細孔分布を測定し、得られた2つの細孔分布の差し引きから中間層塗工層の細孔分布を特定する方法。
(2)セルロースパルプを主成分とするシート状支持体に中間層まで塗工した中間層塗工品の塗工層をカミソリ等で削り取り得た粉体につき、水銀圧入式ポロシメーターを用いて細孔分布を測定する方法。
(3)セルロースパルプを主成分とするシート状支持体に中間層、必要に応じバリア層、受容層を順次積層した本発明の受容シートにおいて、受容層、バリア層の各塗工層をカミソリ等で取り除き、中間層を剥き出しにする。剥き出しの中間層塗工層をカミソリ等で削り取り得た粉体につき、水銀圧入式ポロシメーターを用いて細孔分布を測定する方法。この場合、断面拡大写真観察などで、受容層およびバリア層が取り除かれ、中間層が剥き出しになっていることを確認できる。
本発明の中間層において、細孔直径のピーク範囲や、ピーク領域における細孔容積を所望の範囲に調整する方法としては、特に限定するものではないが、例えば、中間層に含まれる中空粒子の材質や、平均粒子径(好ましくは内径)等の選択、接着剤の選択、あるいは中空粒子と接着剤の質量比率等を適宜設定することにより容易に調整可能である。
また、中空粒子を含有する中間層用塗工液の調製において、塗工液の比重は、通常0.8g/cm3以下に調製するのが好ましく、0.7g/cm3以下がより好ましい。
(バリア層)
本発明において、中間層と受容層の間にバリア層が設けられることが好ましい。一般に、受容層用塗工液の溶剤としては、トルエン、メチルエチルケトン等の有機溶剤が使用されるため、バリア層は、有機溶剤浸透による中間層の中空粒子の膨潤、溶解による、変形、破壊を防ぐための障壁として有効である。
バリア層に使用される樹脂としては、フィルム形成能に優れ、有機溶剤の浸透を防止し、弾力性、柔軟性のある樹脂が使用される。具体的には、デンプン、変性デンプン、ヒドロキシエチルセルロース、メチルセルロース、カルボキシメチルセルロース、ゼラチン、カゼイン、アラビアガム、完全ケン化ポリビニルアルコール、部分ケン化ポリビニルアルコール、カルボキシ変性ポリビニルアルコール、アセトアセチル基変性ポリビニルアルコール、エチレンビニルアルコール共重合体、ジイソブチレン−無水マレイン酸共重合体塩、スチレン−無水マレイン酸共重合体塩、スチレン−アクリル酸共重合体塩、エチレン−アクリル酸共重合体塩、尿素樹脂、ウレタン樹脂、メラミン樹脂、アミド樹脂等の水溶性樹脂が使用される。またスチレン−ブタジエン系共重合体ラテックス、アクリル酸エステル樹脂系ラテックス、メタアクリル酸エステル系共重合樹脂ラテックス、エチレン−酢酸ビニル共重合体ラテックス、ポリエステルポリウレタンアイオノマー、ポリエーテルポリウレタンアイオノマーなどの水分散性樹脂も使用することができる。
上記の樹脂の中でも、一般には水溶性高分子が好ましく使用され、例えば、完全ケン化ポリビニルアルコール、部分ケン化ポリビニルアルコール等のポリビニルアルコール、エチレンビニルアルコール共重合体、スチレン−アクリル酸共重合体塩等がより好ましく用いられる。
さらに、バリア層には各種の顔料が含有されてもよく、好ましくは膨潤性無機層状化合物が使用され、塗工用溶剤の浸透防止ばかりでなく、熱転写染着画像のニジミ防止等においても優れた効果が得られる。膨潤性無機層状化合物としてはスメクタイト族、マイカ族、バーミキュライト族等の天然の粘土系鉱物が挙げられる。また天然品の粘土系鉱物以外にも、合成品、加工処理品(例えばシランカップリング剤の表面処理品)のいずれであってもよい。
合成膨潤性無機層状化合物として、例えば、フッ素金雲母(KMg3AlSi310F、熔融法又は固相反応法)、カリウム四珪素雲母(KMg2.5Si4102、熔融法)、ナトリウム四珪素雲母(NaMg2.5Si4102、熔融法)、ナトリウムテニオライト(NaMg2LiSi4102、熔融法)、リチウムテニオライト(LiMg2LiSi4102、熔融法)などの合成マイカ、或はナトリウムヘクトライト(Na0.33Mg2.67Li0.33Si4.010(OH又はF)2、水熱反応法又は熔融法)、リチウムヘクトライト(Na0.33Mg2.67Li0.33Si4.010(OH又はF)2、水熱反応法又は熔融法)、サポナイト(Na0.33Mg2.67AlSi4.010(OH)2、水熱反応法)などの合成スメクタイトがより好ましく使用される。
これらの中でもナトリウム四珪素雲母が特に好ましく、熔融合成法により、所望の粒子径、アスペクト比、結晶性のものが得られる。
膨潤性無機層状化合物としては、そのアスペクト比が5〜5,000のものが好ましく用いられ、より好ましくは、アスペクト比が100〜5,000の範囲であり、特に好ましくは500〜5,000の範囲である。アスペクト比が5未満では、画像のニジミが生じることがあり、一方アスペクト比が5,000を超えると、画像の均一性が劣ることがある。アスペクト比(Z)とはZ=L/aなる関係で示されるものであり、Lは膨潤性無機層状化合物の水中での粒子平均長径(レーザー回折法で測定。堀場製作所製粒度分布計LA−910を使用、体積分布50%のメジアン径)であり、aは膨潤性無機層状化合物の厚みである。
膨潤性無機層状化合物の厚みaは、バリア層の断面を走査型電子顕微鏡(SEM)や透過型電子顕微鏡(TEM)による写真観察によって求めた値である。膨潤性無機層状化合物の粒子平均長径は0.1〜100μmであり、0.3〜50μmが好ましく、0.5〜20μmがより好ましい。粒子平均長径が0.1μm未満になると、アスペクト比が小さくなると共に、中間層上に平行に敷き詰めることが困難になり、画像のニジミを完全には防止できないことがある。粒子平均長径が100μmを超えて大きくなると、バリア層から膨潤性無機層状化合物が突出てしまい、バリア層の表面に凹凸が発生し、受容層表面の平滑度が低下して画質が悪化することがある。
また、バリア層中には隠蔽性や白色性の付与、受容シートの質感を改良するために、無機顔料として、炭酸カルシウム、二酸化チタン、酸化亜鉛、水酸化アルミニウム、硫酸バリウム、二酸化珪素、酸化アルミニウム、タルク、カオリン、珪藻土、サチンホワイト等の白色無機顔料や蛍光染料等を含有させてもよい。
本発明のバリア層は、好ましくは水系塗工液を用いて形成される。水系塗工液は中空粒子の膨潤及び溶解を防ぐために、メチルエチルケトン等のケトン系溶剤、酢酸エチル等のエステル系溶剤、メチルアルコール、エチルアルコール等の低級アルコール系溶剤、トルエン、キシレン等の炭化水素系溶剤、ジメチルホルムアミド(DMF)、セロソルブ等の高沸点高極性系溶剤等の有機溶剤を過剰に含有しないことが好ましい。
バリア層の固形分塗工量は0.5〜8g/m2の範囲が好ましく、より好ましくは1〜7g/m2であり、特に好ましくは1〜6g/m2である。因みにバリア層固形分塗工量が0.5g/m2未満では、バリア層が中間層表面を完全に覆えないことがあり、有機溶剤の浸透防止効果が不十分となることがある。一方バリア層固形分塗工量が8g/m2を超えると、塗工効果が飽和して不経済であるばかりでなく、バリア層の厚さが過大となることによって中間層の断熱効果やクッション性が十分に発揮されず、画像濃度の低下を招くことがある。
(受容層)
本発明の受容シートにおいて、前記バリア層上に受容層が設けられる。受容層それ自体は既知の染料熱転写受容層であってもよい。受容層を形成する樹脂としては、インクリボンから移行する染料に対する親和性が高く、従って染料染着性の良好な樹脂が使用される。このような染料染着性樹脂としては、ポリエステル樹脂、ポリカーボネート樹脂、ポリ塩化ビニル樹脂、塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体樹脂、ポリビニルアセタール樹脂、ポリビニルブチラール樹脂、ポリスチレン樹脂、ポリアクリル酸エステル樹脂、セルロースアセテートブチレート等のセルロース誘導体系樹脂、ポリアミド樹脂等の熱可塑性樹脂、活性エネルギー線硬化樹脂等が挙げられる。これらの樹脂は使用する架橋剤に対して反応性を有する官能基(例えば水酸基、アミノ基、カルボキシル基、エポキシ基等の官能基)を有していることが好ましい。
本発明の受容層中には、プリントの際にサーマルヘッドでの加熱によって、受容層とインクリボンとが融着することを防止するため、上記染料染着性樹脂を三次元架橋させる目的でポリイソシアネート化合物などの架橋剤が配合されている。また、受容層中には、ポリイソシアネート化合物以外の架橋剤や、離型剤、滑り剤等の1種以上が添加剤として配合されていてもよい。さらに必要に応じて、上記の受容層中に蛍光染料、可塑剤、酸化防止剤、顔料、充填剤、紫外線吸収剤、光安定剤、帯電防止剤等の1種以上を添加してもよい。これらの添加剤は塗工前に受容層の形成成分と混合されてもよいし、また受容層とは別の塗被層として受容層の上及び/又は下に塗工されていてもよい。
受容層の形成は、染料染着性樹脂及び離型剤等の必要な添加剤等を、適宜、有機溶剤に溶解あるいは分散して受容層用塗工液を調製し、公知のコーターを使用して、バリア層を設けたシート状支持体上に、塗工、乾燥後、必要に応じて加熱エージングして形成することができる。
受容層の固形分塗工量は1〜12g/m2、より好ましくは3〜10g/m2の範囲である。因みに受容層の固形分塗工量が1g/m2未満では、受容層がバリア層表面を完全に覆うことができないことがあり、画質の低下を招いたり、サーマルヘッドでの加熱により、受容層とインクリボンとが接着してしまう融着トラブルが発生することがある。一方、固形分塗工量が12g/m2を超えると、塗工効果が飽和して不経済であるばかりでなく、受容層の塗膜強度が不足したり、塗膜厚さが過大になることにより中間層の断熱効果が十分に発揮されず、画像濃度の低下を招くことがある。
(裏面層)
本発明の受容シートはシート状支持体の裏面(受容層が設けられる側とは反対側の面)に高分子樹脂を主成分とする裏面層が設けられていてもよい。この高分子樹脂は裏面層と支持体との接着強度向上、受容シートのプリント搬送性、受容層面の傷付き防止、受容層面と接触する裏面層への染料の移行防止に有効なものである。このような樹脂としては、アクリル樹脂、エポキシ樹脂、ポリエステル樹脂、フェノール樹脂、アルキッド樹脂、ウレタン樹脂、メラミン樹脂、ポリビニルアセタール樹脂等、及びこれらの樹脂の反応硬化物を用いることができる。また裏面層には、シート状支持体と裏面層との接着性を向上させるため、適宜ポリイソシアネート化合物、エポキシ化合物等の架橋剤を含有してもよい。
裏面層は、有機または無機フィラーを摩擦係数調整剤として配合することが好ましい。有機フィラーとしては、ナイロンフィラー、セルロースフィラー、尿素樹脂フィラー、スチレン樹脂フィラー、アクリル樹脂フィラー等を使用することができる。無機フィラーとしては、シリカ、硫酸バリウム、カオリン、クレー、タルク、重質炭酸カルシウム、軽質炭酸カルシウム、酸化チタン、酸化亜鉛等を用いることができる。
裏面層には、プリント搬送性の向上、静電気防止のために導電性高分子や導電性無機顔料等の導電剤が添加されていてもよい。導電性高分子として、カチオン型導電性高分子化合物(例えばポリエチレンイミン、カチオン性モノマーを含むアクリル系重合体、カチオン変性アクリルアミド重合体、及びカチオン澱粉等)が好ましく用いられる。
裏面層には必要に応じて離型剤、滑剤等の融着防止剤を含有してもよい。例えば、離型剤としては、非変性及び変性シリコーンオイル、シリコーンブロック共重合体及びシリコーンゴム等のシリコーン系化合物、滑剤としてはリン酸エステル化合物、脂肪酸エステル化合物、フッ素化合物等が挙げられる。また従来公知の消泡剤、分散剤、有色顔料、蛍光染料、蛍光顔料、紫外線吸収剤等を適宜選択して使用してもよい。
裏面層の固形分塗工量は0.3〜10g/m2の範囲内にあることが望ましい。更に好ましくは1〜8g/m2である。裏面層固形分塗工量が0.3g/m2未満では、受容シートが擦れた時の傷付き防止性が十分に発揮されず、また受容シートの走行性不良が発生するおそれがある。一方固形分塗工量が10g/m2を超えると、効果が飽和して不経済である。
本発明において、受容シートにカレンダー、キャスト処理を施してもよく、受容層表面の凹凸を減少させ、平滑化する事も可能である。カレンダー、キャスト処理は、中間層、バリア層あるいは受容層塗工後のいずれの段階で行ってもよい。カレンダー処理に使用されるカレンダー装置やニップ圧、ニップ数、金属ロールの表面温度等については特に限定されるものではないが、カレンダー処理を施す際の圧力条件としては、0.5〜50MPaが好ましく、より好ましくは1〜30MPaである。キャスト処理に使用されるキャスト装置やニップ圧、キャストロールの表面温度等についても特に限定されるものではないが、温度条件としては室温から中空粒子が破壊されず、かつ中間層用接着剤の融点以下が好ましく、20〜150℃が好ましく、更に好ましくは30〜130℃である。カレンダー装置としては、例えばスーパーカレンダー、ソフトカレンダー、グロスカレンダー、クリアランスカレンダー等の一般に製紙業界で使用されているカレンダー装置を適宜使用できる。
なお、受容シート全体の厚さは、100〜300μmが好ましい。この厚さが100μm未満であるとその機械的強度が不十分となり、かつ受容シートの剛度も不十分となり、印画の際に生じる受容シートのカールを十分に防止できないことがある。また、厚さが300μmを超えると、プリンター中に収容可能な受容シートの枚数低下を招いたり、あるいは所定枚数を収容しようとすると受容シート収容部の容積増大が必要となり、プリンターのコンパクト化を困難にする等の問題が生じる。
(熱転写受容シートの製造方法)
本発明において、中間層、バリア層、受容層及びその他の塗工層は、常法に従って形成され、各々、所要成分を含む塗工液を調製し、バーコーター、グラビアコーター、コンマコーター、ブレードコーター、エアーナイフコーター、ゲートロールコーター、ダイコーター、カーテンコーター、リップコータ−、及びスライドビードコーターなど公知のコーターを使用して、シート状支持体の所定の面上に塗工し、乾燥して形成することができる。
下記実施例により本発明を詳細に説明するが、本発明の範囲はこれらに限定されるものではない。なお、実施例において、特に断らない限り「%」および「部」は、溶剤に関する物を除き、固形分の「質量%」および「質量部」を示す。
実施例1
「中間層の形成」
シート状支持体として、厚さ150μmのアート紙(商品名:OK金藤N、174.4g/m2、王子製紙製)を使用し、その片面に下記組成の中間層用塗工液−1を、中間層形成後の厚さが51μmになるように、グラビアコーターを用いて塗工し中間層を形成した。
中間層用塗工液−1
ポリアクリロニトリルを主成分とする既発泡中空粒子(平均粒子径3.5μm、
体積中空率70%) 60部
水分散性アクリル樹脂(商品名:AE337、JSR製、
最低造膜温度0℃以下) 20部
部分ケン化ポリビニルアルコール(商品名:PVA205、クラレ製、
鹸化度88%、重合度500) 20部
水 1000部
「バリア層の形成」
更に上記中間層上に下記組成のバリア層用塗工液−1を固形分塗工量が2g/m2になるように塗工乾燥してバリア層を形成した。バリア層形成後の透湿度は341g/m2・dayであった。
バリア層用塗工液−1
エチレンビニルアルコール共重合体(商品名:RS4103、クラレ製) 100部
スチレン・アクリル共重合樹脂(商品名:ポリマロン326、荒川化学製) 100部
水 1000部
「受容層の形成」
更に上記バリア層上に下記組成の受容層用塗工液−1を固形分塗工量が5g/m2になるように塗工乾燥した。
受容層用塗工液−1
ポリエステル樹脂(商品名:バイロン200、東洋紡製) 100部
シリコーンオイル(商品名:KF393、信越化学工業製) 3部
ポリイソシアネート(商品名:タケネートD−140N、三井武田ケミカル製) 5部
トルエン/メチルエチルケトン=1/1(質量比)混合液 400部
「裏面層の形成」
次に、シート状支持体の受容層が設けられていない側の面に下記組成の裏面層用塗工液−1を固形分塗工量が3g/m2、受容シート水分率5%になるように塗工乾燥して裏面層を形成した。さらにこのシートを50℃で48時間エージングし受容シートを得た。得られた受容シート全体の透湿度は314g/m2・dayであり、表1に示した。
裏面層用塗工液−1
ポリビニルアセタール樹脂(商品名:エスレックKX−1、積水化学工業製) 40部
ポリアクリル酸エステル樹脂(商品名:ジュリマーAT613、日本純薬製) 20部
ナイロン樹脂粒子(商品名:MW330、神東塗料製) 10部
ステアリン酸亜鉛(商品名:Z−7−30、中京油脂製) 10部
カチオン型導電性樹脂(商品名:ケミスタット9800、三洋化成製) 20部
水/イソプロピルアルコール=2/3(質量比)混合液 400部
実施例2
中間層の形成において、下記中間層用塗工液−2を用いた以外は、実施例1と同様にして受容シートを得た。なお、バリア層形成後の透湿度は323g/m2・dayであった。
「中間層の形成」
中間層用塗工液−2
ポリアクリロニトリルを主成分とする既発泡中空粒子(平均粒子径3.5μm、
体積中空率70%) 60部
水分散性アクリル樹脂(商品名:FK402S、中央理化製、
最低造膜温度0℃以下) 20部
部分ケン化ポリビニルアルコール(商品名:PVA205、クラレ製) 20部
水 1000部
実施例3
バリア層の形成において、下記バリア層用塗工液−2を使用した以外は、実施例1と同様にして受容シートを得た。なお、バリア層形成後の透湿度は232g/m2・dayであった。
バリア層用塗工液−2
エチレンビニルアルコール共重合体(商品名:RS4103、クラレ製) 100部
スチレン・アクリル共重合樹脂(商品名:ポリマロン326、荒川化学製) 100部
膨潤性無機層状化合物ナトリウム四珪素雲母(商品名:NTO−5、トピー工業製)
100部
水 1000部
実施例4
バリア層の形成において、下記バリア層用塗工液−3を使用した以外は、実施例1と同様にして受容シートを得た。なお、バリア層形成後の透湿度は320g/m2・dayであった。
バリア層用塗工液−3
完全ケン化ポリビニルアルコール(商品名:PVA110、クラレ製、
鹸化度98.5%、重合度1000) 100部
スチレン・アクリル共重合樹脂(商品名:ポリマロン326、荒川化学製) 100部
水 1000部
実施例5
中間層の形成において、下記中間層用塗工液−3を使用した以外は、実施例1と同様にして受容シートを得た。なお、バリア層形成後の透湿度は315g/m2・dayであった。
中間層用塗工液−3
ポリアクリロニトリルを主成分とする既発泡中空粒子(平均粒子径3.5μm、
体積中空率70%) 60部
水分散性アクリル樹脂(商品名:AE337、JSR製、
最低造膜温度0℃以下) 20部
低ケン化ポリビニルアルコール(商品名:PVA505、クラレ製、
鹸化度73%、重合度500) 20部
水 1000部
実施例6
中間層の形成において、前記中間層用塗工液−3(実施例5で調製)を使用し、更にバリア層の形成において、前記バリア層用塗工液−2(実施例3で調製)を使用した以外は、実施例1と同様にして受容シートを得た。なお、バリア層形成後の透湿度は220g/m2・dayであった。
比較例1
中間層の形成において、下記中間層用塗工液−4を使用した以外は、実施例1と同様にして受容シートを得た。なお、バリア層形成後の透湿度は450g/m2・dayであった。
「中間層の形成」
中間層用塗工液−4
ポリアクリロニトリルを主成分とする既発泡中空粒子(平均粒子径3.5μm、
体積中空率70%) 60部
水分散性アクリル樹脂(商品名:SX1706、日本ゼオン製、
最低造膜温度>0℃) 20部
部分ケン化ポリビニルアルコール(商品名:PVA205、クラレ製) 20部
水 100部
比較例2
裏面層の形成において、塗工乾燥後の受容シート水分率が10%になるように乾燥を調節した以外は、実施例1と同様して受容シートを得た。
比較例3
裏面層の形成において、エージング処理後の受容シート水分率が1%になるように乾燥を調節した以外は、実施例1と同様して受容シートを得た。
評価
上記の各実施例及び比較例で得られた受容シートについて、それぞれ下記の方法により評価を行い、得られた結果を表1に示す。
「水分測定」
エージング処理前後における受容シートの水分測定としては、JIS P 8127に準じて含水率(%)を測定した。乾燥前の試験片の質量を、試験片容器のふたをしたまま、容器とともに測定し、次に試験片を容器に入れたまま105℃に調整した乾燥機に入れ、容器のふたを取って60分以上乾燥した。乾燥後、乾燥機中でふたをして、これをデシケータに移し、室温になるまで冷却した後、試験片の質量を測った。含水率(%)は、
〔(乾燥前の試験片質量−乾燥後の試験片質量)/(乾燥前の試験片質量)〕×100で計算される。
「透湿度測定」
受容シートの透湿度は、JIS K 7129に準じて、透湿度自動測定機(商品名:L80−4000、リッシー製)を用いて、感湿センサー法により測定を行った。エージング後の受容シート全体の透湿度を表1に示す。
「画像均一性」
市販の熱転写ビデオプリンター(商品名:UP−DR100、ソニー社製)を用いて、23℃、50%RH雰囲気下、厚さ6μmのポリエステルフィルムの上にイエロー、マゼンタ、シアン3色それぞれの昇華性染料をバインダーと共に含むインク層を設けたインクリボンの各色のインク層を、順次に受容シートに接触させ、サーマルヘッドで段階的にコントロールされた加熱を施す事により、所定の画像を受容シートに熱転写させ、色重ねの画像をプリントした。更に光学濃度(黒)が0.3に相当する階調部分の記録画像の均一性を、濃淡むら及び白抜けの有無について目視評価した。
評価結果の優秀なものを○、濃淡むら或は白抜けが若干あるものを△、濃淡むら及び白抜けが多いものを×と表示した。評価が○であれば実用に十分適する。
「インクリボン冷間剥離力」
厚さ6μmのポリエステルフィルムの上にイエロー昇華性染料をバインダーと共に含むインク層を設けたインクリボンを作成し、市販の熱転写ビデオプリンター(商品名:UP−DR100、ソニー社製)を用いて受容シート上にインクリボンを転写させた。転写されたインクリボンを100mm幅に切り落とし、インクリボンを23℃、50%雰囲気下で30mm/secのスピードで水平方向に剥離し、電子ばね秤で剥離力を測定した。
この測定方法で剥離力が100gf未満であれば、実印画においても融着のおそれはないが、100gf以上では高温高湿下での印画等で、受容シートとインクリボンが融着を起こす可能性がある。
「中間層のダイナミック硬度」
超微小硬度計(商品名:DUH−201H、島津製作所社製)を用いて、受容シートの中間層のダイナミック硬度を測定した。圧子は115°三角錐圧子を使用し、受容層面からの押し込み深さが、受容層厚さを超えて中間層まで達するように荷重を設定した。
「中間層の細孔直径、細孔容積」
水銀圧入式ポロシメーター(商品名:ポアサイザー9320、島津製作所社製)を用いて、シート状支持体と中間層形成品の2種類の細孔分布を測定した。双方の結果を比較することにより、中間層塗工層の細孔に基づくピークを特定し、細孔直径の値、および、中間層塗工層に基づく細孔容積の値を得た。
Figure 2006103306
本発明の熱転写受容シートは、セルロースパルプを主成分とする紙を支持体とし、プリント時に、受容シートとインクリボンとが融着しにくく、かつ画像均一性に優れた受容シートに関するものであり、実用的に優れたものである。

Claims (17)

  1. セルロースパルプを主成分とするシート状支持体の一面に、中空粒子を含有する中間層、画像受容層が順次形成された熱転写受容シートにおいて、前記熱転写受容シート全体の含水率が2〜8質量%であり、かつ受容シート全体の透湿度が400g/m2・day以下であることを特徴とする熱転写受容シート。
  2. 前記画像受容層が、染料染着性樹脂および当該樹脂を架橋する水反応性官能基を有する架橋剤を主成分として含有する、請求項1に記載の熱転写受容シート。
  3. 前記水反応性官能基を有する架橋剤がポリイソシアネート化合物である、請求項2記載の熱転写受容シート。
  4. 前記中間層が、鹸化度65〜90%、かつ重合度200〜1000のポリビニルアルコール系樹脂を含有する、請求項1から3のいずれか1項に記載の熱転写受容シート。
  5. 前記中間層が、水溶性高分子と水分散性樹脂とを含有し、かつ前記水分散性樹脂の最低造膜温度が0℃以下である、請求項1から3のいずれか1項に記載の熱転写受容シート。
  6. 前記水溶性高分子が鹸化度65〜90%、かつ重合度200〜1000のポリビニルアルコール系樹脂である、請求項5に記載の熱転写受容シート。
  7. 前記中間層のダイナミック硬度が3.0以下である、請求項1から6のいずれか1項に記載の熱転写受容シート。
  8. 前記中間層が、水銀圧入式ポロシメーターによる細孔分布測定で、細孔直径が0.01〜10μmの範囲にピークを有する、請求項1から7のいずれか1項に記載の熱転写受容シート。
  9. 前記ピーク領域の細孔容積が0.01〜0.7cc/gの範囲にある、請求項1から8のいずれか1項に記載の熱転写受容シート。
  10. 前記中間層と画像受容層の間にさらにバリア層が形成され、前記バリア層が膨潤性無機層状化合物と接着剤を主成分として含有する、請求項1から9のいずれか1項に記載の熱転写受容シート。
  11. 前記支持体の他の面に裏面層が設けられている、請求項1から10のいずれか1項に記載の熱転写受容シート。
  12. セルロースパルプを主成分とするシート状支持体の一面に、中空粒子を含有する中間層、画像受容層が順次形成する熱転写受容シートの製造方法において、前記シート状支持体の一面に、中空粒子を含有する中間層および画像受容層を順次形成した後、熱転写受容シート全体の含水率を1〜8質量%に調整し、しかる後にエージングすることを特徴とし、ここで当該受容シート全体の透湿度は400g/m2・day以下とする、熱転写受容シートの製造方法。
  13. 前記画像受容層が、染料染着性樹脂および当該樹脂を架橋する水反応性官能基を有する架橋剤を主成分として含有する、請求項12に記載の熱転写受容シートの製造方法。
  14. 前記水反応性官能基を有する架橋剤がポリイソシアネート化合物である、請求項13に記載の熱転写受容シートの製造方法。
  15. 前記中間層と画像受容層の間にさらにバリア層を形成する工程を含み、前記バリア層が膨潤性無機層状化合物と接着剤を主成分として含有する、請求項12から14のいずれか1項に記載の熱転写受容シートの製造方法。
  16. 前記シート状支持体の一面に、中空粒子を含有する中間層、任意のバリア層、および画像受容層を順次形成した後、前記支持体の他の面に裏面層を設ける工程をさらに含む、請求項12から15のいずれか1項に記載の熱転写受容シートの製造方法。
  17. 前記エージング前のシート状支持体全体の透湿度を400g/m2・day以下に調整する、請求項12から16のいずれか1項に記載の熱転写受容シートの製造方法。
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