JP2009196278A - 熱転写受像シート - Google Patents
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Abstract
【解決手段】 基材シート2の面上に多孔質層4を介して染料受容層3を積層してなる熱転写受像シート1であって、多孔質層4は、バインダと中空粒子を少なくとも含み、且つ、中空粒子の外部に空隙部を散在して形成されている、ことを特徴とする熱転写受像シート1により、感度をより一層向上させた熱転写受像シート1を容易に得ることができる。
【選択図】 図1
Description
基材シート2としては、特に制限されず、従来の熱転写受像シートに使用可能な基材シートを適宜用いることができる。具体的には、基材シート2としては、グラシン紙、コンデンサ紙、パラフイン紙等の薄葉紙、ポリエステル、ポリプロピレン、セロハン、ポリカーボネート、酢酸セルロース、ポリエチレン、ポリ塩化ビニル、ポリスチレン、ナイロン、ポリイミド、ポリ塩化ビニリデン、アイオノマー等のプラスチックのシート材、或いはこれらのシート材と前該紙とを複合した複合シート材等が例示される。
本発明の熱転写受像シート1は、次のように製造することができる。
(1)染料受容層形成用の塗工液
染料受容層を構成する樹脂材料として、昇華性染料に対する染料染着性を有する樹脂材料を選択し、選択された樹脂材料を溶媒に分散・溶解して染料受容層形成用の塗工液を調整する。染料受容層形成用の塗工液を調整する際に使用される溶媒としては、樹脂材料を分散や溶解可能であれば特に限定されず、油系溶媒、水系溶媒のいずれも採用可能である。
基材シートと染料受容層に応じて中空粒子とバインダが選択され、そして、選択された中空粒子とバインダとが溶媒に溶解、分散されること、あるいは溶媒中でエマルジョンにされることにより、多孔質層形成用の塗工液が調整される。
基材シート2を準備し、上記(2)に調整された多孔質層形成用の塗工液を基材シート面上に塗工して塗工膜(多孔質形成用塗工膜)が作製される。塗工膜の作成方法としては、グラビアコート法、グラビアリバースコート法、コンマコート法、ダイコート法、リップコート法等の一般的な塗工方法を適宜採用することができる。
ところで、上記では、本発明の熱転写受像シート1として、基材シート2に多孔質層4と染料受容層3を形成してなるものを例として詳細に説明したが、これに限定されず、熱転写受像シート1には次のような層が更に形成されてなるものでもよい。
この熱転写受像シート1においては、プライマー層5は、多孔質層4と染料受容層3との接着性を向上させる機能を有する層である。したがって、プライマー層5を形成する材料は、多孔質層4と染料受容層3の両者に接着性を備えるものであれば特に限定されるものではない。具体的に、プライマー層5を形成する材料は、多孔質層4を構成するバインダとして選択可能な水系樹脂に分散・溶解可能な樹脂材料から適宜選択されることが好ましい。
プライマー層5を形成する材料を選択し、選択された材料を溶媒に溶解、分散させてプライマー層形成用の塗工液を調整する。プライマー層形成用の塗工液を調整する際に用いる溶媒としては、染料受容層3を形成する場合と同様に、油系溶媒、水系溶媒のいずれも採用することができる。
多孔質層4を形成した基材シート2に対して、多孔質層4の露出面上に、プライマー層形成用の塗工液を塗工して、塗工膜(プライマー層形成用塗工膜)を作製する。そして、その塗工膜が乾燥されることで、プライマー層形成用塗工膜がプライマー層5をなす。
熱転写受像シート1において、下引き層6は、基材シート2と多孔質層4との接着性を向上させる機能と同時多層塗工を行う際に高速塗工を可能とする機能を有する層である。したがって、下引き層6を形成する材料は、多孔質層4と基材シート2の両者に接着性もしくは高速塗工適性を備えるものであれば特に限定されるものではない。具体的には、下引き層6を形成する材料は、多孔質層4を構成するための水系溶媒に分散・溶解可能な樹脂材料から適宜選択されることが好ましい。
下引き層6を形成する材料を選択し、選択された材料を溶媒に溶解、分散させて下引き層形成用の塗工液を調整する。下引き層形成用の塗工液を調整する際に用いる溶媒としては、多孔質層4を形成する場合と同様に、水系溶媒が用いられる。
基材シート2面上に、下引き層形成用の塗工液を塗工して、塗工膜(下引き層形成用塗工膜)を作製する。そして、その塗工膜が乾燥され、下引き層形成用塗工膜が下引き層6をなす。
(1)染料受容層形成用の塗工液
染料受容層形成用の塗工液を調整するにあたり、まず下記表1に示すような組成の樹脂組成物Aが調整された。樹脂組成物Aの調整にあたり、樹脂材料として塩化ビニル系樹脂(日信化学工業社製;ビニブラン900)、添加物(表1中、添加剤1から3)として、ゲル化剤(新田ゼラチン社製;RR)、ポリエーテル変性シリコーン化合物(信越化学工業社製;KF615A)、界面活性剤(日信化学工業社製;サーフィノール440)が用いられた。なお、表1中、配合量(重量部)は、固形分の重量部を示す。そして、樹脂組成物Aを、その全体固形分が30%となるように水で希釈し、染料受容層形成用の塗工液が調整された。
多孔質層形成用の塗工液を調整するにあたり、まず下記表2に示すような組成の樹脂組成物B(表2中、組成物B−1からB−5)が調整された。樹脂組成物Bの調整にあたり、バインダ(表2中、バインダ)として、ゼラチン(新田ゼラチン社製;RR)、添加剤(表2中、添加剤)として、界面活性剤(日信化学工業社製;サーフィノール440)が用いられた。このゼラチンは、中空粒子のバインダとしての機能とゲル化剤としての機能を兼ね備えるものである。また、中空粒子については、アクリルスチレン系中空粒子(ロームアンドハース社製;HP−91)(表2中、中空粒子A)と、アクリルスチレン系中空粒子(ロームアンドハース社製;ST)(表2中、中空粒子B)が用いられた。また、内部を中空としていない粒子である中実粒子については、アクリル微粒子(綜研化学社製;MX−180TA)(表2中、粒子P)が用いられた。中空粒子として使用される中空粒子成分A,Bならびに中実粒子(粒子P)の平均粒子径や平均中空率は、表3に示されるとおりである。なお、表2中、配合量(重量部)は、固形分の重量部を示す。そして、樹脂組成物Bを、その全体固形分が20%になるように水で希釈し、多孔質層形成用の塗工液が調整された。組成物B−1を用いて調整された多孔質層形成用の塗工液を塗工液1とし、以下、組成物B−2,B−3,B−4,B−5を用いて調整された多孔質層形成用の塗工液を、順にそれぞれ塗工液2,3,4,5とする。
基材シートとしてRCペーパー(STF−150、三菱製紙社製)を準備した。次に、多孔質層形成用の塗工液としての塗工液1と、染料受容層形成用の塗工液を用い、これら2種類の塗工液を50℃に加熱して、スライドコート法での同時多層塗工方法により、基材シートの面上に、塗工液1と染料受容層形成用の塗工液とを上下方向に重ね合わせつつ塗布し、基材シート面上に多孔質層形成用塗工膜と染料受容層形成用塗工膜とを同時形成した。
熱転写受像シートを厚み方向に切削して、熱転写受像シートの面内方向に幅1μmの切削片(サンプル片)を作製した。この切削片の作製は、イオンミリング装置:日立ハイテクノロジーズ社製E−3500を用いて実施された。そして、電解放射型走査電子顕微鏡(SEM):日立ハイテクノロジーズ社製S-4800を用いて、サンプル片における多孔質層の空隙部を観察することにより、熱転写受像シートの多孔質層の空隙部の形状の確認を行った。結果、実施例1で得られた熱転写受像シートの多孔質層には、中空粒子の外側に空隙部が形成されていることが確認された。
多孔質層の比重は、多孔質層の膜厚みと、多孔質層を形成するために使用された塗工液(塗工液1)の液量(コート量)から求めた。ポリエチレンテレフタレート(PET)フィルム(東レ社製;ルミラーT60−125)面上に、バーコーターを用いて塗工液1を塗工して塗工膜(サンプル膜)を作製し、サンプル膜を1分間0℃の雰囲気下に置くことで冷却工程を行い、その後、サンプル膜が50℃に加温して5分間乾燥され、サンプル膜を多孔質層となした。この多孔質層の面内方向に異なる5つの位置を選択し、各位置における膜厚みを触針型膜厚計:ミツトヨ社製にて計測して、その平均値を測定して多孔質層の厚みとした。多孔質層の膜厚みと、(コート量)により多孔質層の比重が求められた。求められた多孔質層の比重の値を表4に示す。
空隙部に由来する空隙率は、「多孔質層の見かけの体積」のうち「多孔質層内に形成される空隙部による空間の体積」の占める割合を示す。
印画時の感度評価試験は印画試験によって実施された。印画試験は、得られた熱転写受像シートに昇華型熱転写法による所定画像の印画を行うことで実施された。このとき、印画される所定画像には、ブラックの18ステップに分割された画像が用いられ、昇華型熱転写法による印画を行う装置としては、昇華型熱転写プリンタ(ALTECH ADS社製;MEGAPIXEL III)が用いられ、熱転写シートとしては昇華型熱転写プリンタ(ALTECH ADS社製;MEGAPIXEL III)に使用可能な専用インクリボンが用いられた。
実施例1において多孔質層を形成する工程を実施する際に用いられた塗工液1に変えて、実施例2では塗工液2、比較例1では塗工液3、比較例2では塗工液4、比較例3では塗工液5をそれぞれ用いたほかは、実施例1と同様にして、熱転写受像シートを作製した。そして、それぞれ得られた熱転写受像シートを用い、実施例1と同様に、比重を定め、さらに「印画時の感度」についての評価試験を行って、その試験結果の評価を行った。それらの結果を表4に示す。また、実施例2については、実施例1と同様に、中空粒子の外側に空隙部が形成されていることが確認された。実施例2では、空隙部の形状は、厚み方向に細長に形成されていることが認められた。
2 基材シート
3 染料受容層
4 多孔質層
5 プライマー層
6 下引き層
Claims (4)
- 基材シートの面上に多孔質層を介して染料受容層を積層してなる熱転写受像シートであって、
多孔質層は、バインダと中空粒子を少なくとも含み、且つ、中空粒子の外部に空隙部を散在して形成されている、ことを特徴とする熱転写受像シート。 - 多孔質層には、空隙部が、該多孔質層の厚み方向に延びて形成されるとともに該多孔質層の面内方向に散在している、請求項1記載の熱転写受像シート。
- 多孔質層は、バインダの配合量:中空粒子の配合量=40〜10重量部:60〜90重量部の配合比率にて、バインダと中空粒子を含んでなる、請求項1または2に記載の熱転写受像シート。
- 多孔質層は、ゼラチンでなるバインダと、架橋スチレンアクリル系樹脂の発泡体でなる中空粒子とを含んでなる、ことを特徴とする請求項1から3のいずれかに記載の熱転写受像シート。
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JP2006103306A (ja) * | 2004-07-15 | 2006-04-20 | Oji Paper Co Ltd | 熱転写受容シートおよびその製造方法 |
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