JP2010216006A - 噴流式めっき方法および装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】噴流式めっきにおいて、ノズルから噴流されためっき液が被めっき面に作用した後、すみやかに排出され、かつめっき形成部の形状不良が無く、めっき膜厚が均一となる、めっき方法および装置を提供する。
【解決手段】めっき液7を、複数のノズルの開口部3zから噴流させて金属基材Wの表面に当て、めっき液7を介して電気的に接続されたノズル3と金属基材Wとの間に電流を流すことにより金属基材Wの表面にめっき層を形成する噴流式めっき方法であって、金属基材の被めっき面Waを大気中に鉛直方向にまたは鉛直方向より傾斜させて設置し、複数のノズル3を被めっき面Waに対して等しい距離Gを保持するように配列して前記被めっき面(Wa)と前記複数のノズル(3)とを相互に平行に2次元揺動させてめっきを施すことを特徴とする噴流式めっき方法。
【選択図】図1

Description

本発明は、めっき液を、複数のノズル開口部から噴流させて金属基材の表面に当て、めっき液を介して電気的に接続されたノズルと金属基材との間に電流を流すことにより金属基材の表面にめっき層を形成する噴流式めっき方法および装置に関する。
従来から、鉄系、ステンレス系、銅系等の金属基材にめっきの施された製品が種々製造されている。その製品としては、自動車部品、例えばエンジン部品、電気・電子部品、等が挙げられる。めっきの種類としては、亜鉛めっき、ニッケルめっき、銅めっき、錫めっき、亜鉛ニッケル合金めっき等である。
このような製品のめっきの方式として、浸漬方式が最も一般的に用いられてきた。これは、めっき液を入れためっき槽内に、金属基材を陰極として浸漬し、これと対向する陽極との間で電析反応させる方式である。しかし、浸漬方式は、必要なめっき膜形成に要するめっき処理時間が極めて長いため、生産性に問題がある。このような欠点を解消するために、めっき処理を高速化できる噴流方式が開発された(例えば特許文献1、2を参照)。
この噴流方式は、金属基材を大気中に水平方向に設置し、被めっき面を天側または地側に向ける。そして、めっき液を噴射する複数のノズルを被めっき面から等距離に設置する。循環槽に収容しためっき液をポンプで加圧しノズルから噴射させ、被めっき面に噴流として当てて、めっきを行う。このとき、ノズル群を、被めっき面に対向する向きにかつ被めっき面を覆う面積内に配列し、被めっき面とノズル群とを、相互に平行に相対的に2次元揺動させる。
これにより、噴流内に存在するめっき用金属イオンを、被めっき面に均一に供給することが、可能となる。そして、被めっき面上に供給された金属イオンは、電析反応により被めっき面上に析出してめっき膜を形成する。噴流速度を大きくし電流密度を上げれば、被めっき面上にめっき用金属イオンが析出する速度が増加する。この噴流方式を採用することにより、浸漬方式に比べてめっき処理速度を数倍程度に高速化できる。
しかしながら、金属基材を水平方向に設置して行う噴流式めっきにおいては、ノズルから噴流されためっき液は被めっき面に作用した後、すみやかには排出されず被めっき面上に滞留し易い。その結果、めっき膜厚が不均一となる。あるいは、被めっき面上でめっき反応により発生する水素等のガスを除去しきれなくなり、めっき形成部の形状不良が発生する(特許文献3、4を参照)。この噴流されためっき液を滞留させずにいかに早く被めっき面から離間させて排出するかが大きな課題となっていた。
特開平2−61089号公報 特開平9−26989号公報 特開平8−253892号公報 特開平9−296291号公報
本発明は、上記問題に鑑みてなされたものであり、その目的は、噴流式めっきにおいて、ノズルから噴流されためっき液が被めっき面に作用した後、すみやかに排出され、かつめっき形成部の形状不良が無く、めっき膜厚が均一となる、めっき方法および装置を提供することである。
本発明の第1形態によれば、噴流式めっき方法は、金属基材の被めっき面(Wa)を大気中に鉛直方向にまたは鉛直方向より傾斜させて設置し、複数のノズル(3)を前記被めっき面(Wa)に対して等しい距離(G)を保持するように配列して前記被めっき面(Wa)と前記複数のノズル(3)とを相互に平行に2次元揺動させてめっきを施すことを特徴とする。
金属基材の被めっき面(Wa)を大気中に鉛直方向にまたは鉛直方向より傾斜させて設置することにより、ノズルから噴流されためっき液(7)が被めっき面(Wa)に作用した後、その自重によりすみやかに戻り液(R)として排出される。その結果、被めっき面(Wa)上でめっき反応により発生する水素等のガスが戻り液(R)とともに除去され、めっき形成部の形状不良は発生せず、めっき膜厚も均一となる。
本発明の第2形態によれば、噴流式めっき方法は、前記ノズル(3)を千鳥状に配列してめっきを施すことを特徴とする。
これにより、1つのノズル(3)の真下にあるノズルまでの距離(L)を長くとることが可能となり、1つのノズル(3)から噴流されためっき液(7)の戻り液(R)が、真下にあるノズルからのめっき液噴流の流れ方向に影響を及ぼすことが少なくなる。このため、噴流内の電流供給は乱れること無く、1つのノズル(3)から噴流されためっき液(7)による金属イオンの供給量と、真下にあるノズルから噴流されためっき液(7)による金属イオンの供給量とがほぼ同一量となり、被めっき面(Wa)に均一なめっきを施すことが可能となる。さらに、ノズルの千鳥状配列により、めっき液(7)の戻り液(R)が排出され易くなる。
本発明の第3形態によれば、噴流式めっき方法は、前記ノズル(3)の開口部(3z)に庇(ひさし)(4)を配置してめっきを施すことを特徴とする。
ノズルの開口部のすぐ上側に配置された庇(4)により、その庇付きノズルの上側に配置されているノズルから噴流されためっき液の戻り液(R)は、庇(4)の真下を通過することができなくなる。このため、庇付きノズルの噴流は、その上側に配置されたノズルから噴流されためっき液の戻り液(R)により、その噴流の方向が曲げられる等の影響を及ぼされることが無くなる。このため、噴流内の電流供給は乱れること無く、1つのノズルから噴流されためっき液による金属イオンの供給量と、その下側にあるノズルから噴流されためっき液による被めっき面(Wa)への金属イオンの供給量とがほぼ同一量となり、被めっき面(Wa)に均一なめっきを施すことが可能となる。
本発明の第4形態によれば、噴流式めっき方法は、金属基材(W)の表側と裏側の両側を被めっき面(Wa)にしてめっきを施すために、金属基材(W)の被めっき面(Wa)を大気中に鉛直方向に設置し、金属基材(W)の両側に前記ノズル(3)を配列してめっきを施すことを特徴とする。
金属基材(W)の被めっき面(Wa)を大気中に鉛直方向に設置することにより、ノズルから噴流されためっき液の戻り液(R)の排出が、その自重による自由落下に基づいて金属基材(W)の両側において同じ状態で行われる。これにより、金属基材(W)の表側と裏側の両側の被めっき面(Wa)に、両側で同一のめっき膜厚でめっき面粗度のめっき膜を形成することが可能となる。
本発明の第5形態によれば、噴流式めっき装置は、金属基材(W)の被めっき面(Wa)を大気中に鉛直方向にまたは鉛直方向より傾斜させて設置し、複数のノズル(3)を前記被めっき面(Wa)に対して等しい距離(G)を保持するように配列して、前記被めっき面(Wa)と前記複数のノズル(3)とを相互に平行に2次元揺動させることを特徴とする。
本発明の第6形態によれば、噴流式めっき装置は、前記ノズル(3)を千鳥状に配列したことを特徴とする。
本発明の第7形態によれば、噴流式めっき装置は、前記ノズルの開口部(3z)に庇(4)を配置したことを特徴とする。
本発明の第8形態によれば、噴流式めっき装置(200)は、金属基材(W)の表側と裏側の両側を被めっき面(Wa)にしてめっきを施すために、金属基材(W)の被めっき面(Wa)を大気中に鉛直方向に設置し、金属基材(W)の両側に前記ノズル(3)を配列したことを特徴とする。
以下、本発明の実施の形態を図面を参照しながら説明する。なお、図1から図10において、同一機能を有する部材または手段には同一符号または番号を付してその説明を省略する。
本発明に係る第1実施形態のめっき装置の模式図である。 図1の装置のノズル壁をZ方向から視た図である。 図1の装置のノズル噴流とその戻り液の流れを模式的に表した図である。 本発明に係る第2実施形態のめっき装置の模式図である。(a)は第2実施形態のめっき装置を(b)においてZ方向から視た図であり、(b)は第2実施形態のめっき装置を図1と同じ方向から視た図である。 本発明に係る第3実施形態のめっき装置の模式図である。 本発明に係る第4実施形態のめっき装置の模式図である。 本発明に係る第5実施形態のめっき装置の模式図である。 本発明に係る第5実施形態の変形形態のめっき装置の模式図である。(a)はこの実施形態のめっき装置を(b)においてZ方向から視た図であり、(b)はこの実施形態のめっき装置を図1と同じ方向から視た図である。 本発明に係る第6実施形態のめっき装置の模式図である。 本発明に係る第7実施形態のめっき装置の模式図である。
(第1実施形態)
本発明の第1実施形態を図1、2に基づいて説明する。第1実施形態のめっき装置100は、鉄鋼または銅、銅合金製の金属基材(以下、単に「基材」という)Wの表面にニッケルめっき層を形成するものである。
図1に示すように、めっき装置100は、内部に攪拌機(図示せず)及びヒータ(図示せず)を有してなるタンク2を備えている。そして、このタンク2内には、後述する組成よりなるめっき溶液が貯留されている。また、このタンク2の上方には、基材Wが、その被めっき面Waを大気中に鉛直方向にまたは鉛直方向より傾斜させて設置されている。例えば、基材Wは、吊り下げ器具(図示せず)により吊り下げられている。基材Wは、陰極となっている。
タンク2の上方(天方向)には、基材Wと対面した噴射ノズル3を備えるめっき液噴射装置10が配置されている。複数のノズル3は、めっき液噴射装置10において、被めっき面Waに対して等しい距離Gを保持するように配列されている。めっき液噴射装置10は、密閉容器1から成り、容器1内にはめっき液7が充填されており、電源(図示せず)に接続された陽極5も配置されている。容器1は例えば樹脂製であり、陽極5は例えばチタンを基材として表面に白金(Pt )をコーティングしたものまたはニッケル板である。容器1は、その左側にノズル壁1aを、その右側に右壁1cを、その地側に底壁1bを、その天側に上壁1dを備えている。上壁1dには、めっき液の供給用の孔1eが配置されており、孔1eは後述する連通路6と接続されている。
そして、タンク2と密閉容器1とを連結する連通路6が設けられており、この連通路6の途中にはポンプPが設けられている。このポンプPが駆動されることにより、タンク2内にて加温され均一に攪拌されためっき液7が、連通路6を通って容器1に貯留されて、さらに噴射ノズル3の方へと供給される。さらに、その噴射ノズル3からは、噴流(シャワー)状のめっき液が、基材Wの被めっき面Waに当たるようになっている。なお、基材Wおよびめっき液噴射装置1は、カバーされており、噴出しためっき液が外部に飛散しないようになっている。そして、ノズル長さTは10mm、基材Wとノズル3との距離Gは10mm、ノズル径Dは1〜3mm、ノズルピッチPは10mmとなっている。
ポンプPの下流における連通路6の途中には、バルブVが設けられており、このバルブVの開度を調整することにより、噴射ノズル3からのめっき液の噴出量、噴出速度を調整することができるようになっている。なお、めっき液7は、例えば硫酸ニッケル、塩化ニッケル、ホウ酸等よりなっている。さらに、めっきの条件として、めっき液7の温度はヒータ(図示せず)により55℃に、pHは4.0に、電流密度は30A/dm2 に、めっき液の噴出時間は8分にそれぞれ設定されている。噴射ノズル3からの噴出速度は1m/s以上に設定されている。但し、これらの数値はあくまでも例示である。
次に、このめっき装置100を用いためっき方法について説明する。まず、基材Wを陰極(図示せず)と接続して、被めっき面Waを鉛直方向にまたは鉛直方向より傾斜させて大気中に設置する。そして、ポンプPを作動させる。ただし、この際、バルブVの開度を適宜調整する。すると、めっき液7は、ポンプPから連通路6を通って噴射ノズル3から勢いよく噴射され、基材の被めっき面Waに当たる。このように、めっき液7を比較的速い流速をもたせて基材の被めっき面Waに当てる。このとき、基材の被めっき面Waに均一にめっき液7が当たるように、めっき液噴射装置1または基材Wを、リンク装置(図示せず)を用いて、被めっき面Waに対して平行にX方向およびY方向(図2参照)に2次元揺動させる。
このとき、噴射ノズル3から噴射しているめっき液によって、陽極5および基材W間が電気的に接続されることとなる。その結果、陽極5と基材Wとの間に電流が流れ、基材の被めっき面Waにめっき液中の金属イオン成分(ニッケル)が金属マトリックスとなって析出し、めっき層が形成される。
一方、ノズルから噴流されためっき液は、被めっき面Waに作用した後、その自重により自由落下してすみやかに戻り液Rとして排出される。基材の被めっき面Waが大気中に鉛直方向にまたは鉛直方向より傾斜させて設置されているからである。
次に、本実施形態の作用及び効果について説明する。
(1)めっき液7に流速をもたせて基材の被めっき面Waに当てるという工程のみで、基材Wに強固なめっき層を形成することが可能となる。そして、基材の被めっき面Waを大気中に鉛直方向にまたは鉛直方向より傾斜させて設置することにより、ノズルから噴流されためっき液が被めっき面Waに作用した後、その自重によりすみやかに戻り液Rとして排出される。その結果、めっき膜厚が均一となり、被めっき面Wa上でめっき反応により発生する水素等のガスが戻り液Rとともに除去され、めっき形成部の形状不良は発生しなくなる。
(2)さらに、基材を浸漬させることにより行っていた従来のめっき方法とは異なり、基材にめっき液7を噴射して当てるという工程でめっきを施すことができる。このため、設備の簡素化及びコストの低減を図ることができる。
(第2実施形態)
上述した第1実施形態では、次のようなことが懸念される。すなわち、図3に示すように、ノズル3から噴出した噴流J1〜10は、下側(地側)のノズル3から噴出した噴流ほどその真上のノズル3から噴出した噴流の戻り液R1〜8により影響を受けて、噴流方向が押し曲げられる。例えば、図3に示すように、上から3番目のノズル3cから噴出された噴流J3は、上から1番目のノズル3aおよび2番目のノズル3bから噴出された噴流J1およびJ2の戻り液R1およびR2により地方向へ押し曲げられる。その結果、噴流内の電流分布は乱れ、噴流内に存在するめっき用金属イオンを、被めっき面Waに均一に供給することが、できなくなる。
第2実施形態は上記問題を解決するために、図4(a)に示すように、ノズル3を千鳥状に配列している。この配列により、1つのノズル3の真下にあるノズルまでの距離Lを長くとることが可能となり、1つのノズル3から噴流されためっき液の戻り液Rが、その真下にあるノズルからのめっき液噴流の流れ方向に影響を及ぼすことが少なくなる。このため、噴流内の電流分布は乱れること無く、1つのノズル3から噴流されためっき液7による金属イオンの供給量と、その真下にあるノズルから噴流されためっき液7による金属イオンの供給量とがほぼ同一量となり、被めっき面Waに均一なめっきを施すことが可能となる。さらに、ノズルの千鳥状配列により、めっき液7の戻り液Rが排出され易くなる。
(第3実施形態)
第1実施形態の問題点のさらなる解決方法は、図4(a)に示すように、ノズル3の開口部3zに庇4を配置することである。庇4は例えば、密閉容器1と同じ材質である樹脂で作っても良い。庇4は、ノズルの開口部3zに近接してその真上に設置し、その形状は、半円筒形あるいは、図5に示すような傘形状、その他の天側から降り注ぐ液体からそのノズル3から噴出する噴流を保護する機能を有するノズル開口部保護覆いであれば良い。なお、庇4が図5に示すような傘形状である場合において、傘の開き角θは任意の角度で良い。
この庇4により、そのノズル3の上側にあるノズルから噴流されためっき液の戻り液Rは、庇4の真下を通過することができなくなる。そして、戻り液Rは図4(a)のFに示すように、庇4に案内されてそのノズル3の側方を流れることとなる。このため、庇4を備えたノズル3の噴流は、その上側にあるノズルから噴流されためっき液の戻り液Rにより、その噴流の方向が曲げられる等の影響を及ぼされることが無くなる。このため、噴流内の電流供給は乱れること無く、1つのノズル3から噴流されためっき液7による金属イオンの供給量と、その下側にあるノズルから噴流されためっき液7による金属イオンの供給量とがほぼ同一量となり、被めっき面Waに均一なめっきを施すことが可能となる。
(第4実施形態)
図6に示すように、噴流式めっき装置は、基材Wの表側と裏側の両側を被めっき面Waにしてめっきを施すために、基材Wの被めっき面Waを大気中に鉛直方向に設置し、基材Wの両側にノズル3を配列することもできる。
基材の被めっき面Waを大気中に鉛直方向に設置することにより、ノズルから噴流されためっき液7の戻り液Rの排出が、基材Wの両側において同じ状態で行われる。これにより、基材Wの表側と裏側の両側の被めっき面Waに、両側で同一のめっき膜厚でめっき面粗度のめっき膜を形成することが可能となる。
(第5実施形態)
電流供給をさらに安定させるために、図に示すように、ノズル3の開口部3zの近傍に補助陽極11を設けることが望ましい。この補助陽極11を設けることにより、めっき電流効率を増加させることができ、めっき液中の電界分布もより均一化させることが可能となる。
(第6実施形態)
第5実施形態を変形した形態が図8に示す第6実施形態である。本実施形態において、補助陽極11は、平板形状を有し庇4が貫通し、噴流が通過する複数の貫通孔11aを有する。貫通孔11aは、対面する噴射ノズル3と同一位置に同一個数設けられている。補助陽極11は、ノズル壁1aと基材Wの間に設置される。そして、庇4は例えば樹脂製であるが、補助陽極11と同じ材質としても良い。これにより、めっき液噴流と接触する電極表面積を増加させることが可能となり、めっき電流効率を増加させることが可能となる。
(第7実施形態)
第7実施形態を図9に示す。密閉容器1は、ノズル3とめっき液供給用孔1eとの間に仕切り板8を備える。仕切り板8は、ノズル3側とめっき液供給用孔1e側とを連通する連通路8aを有する。ノズル壁1aと仕切り板8との間にはバッファBとして所定圧を有しためっき液を貯留することが可能となる。仕切り板を備えない第1実施形態のめっき液噴射装置10においては、めっき液供給用孔1eと複数のノズル3との間が遮断されていないため、ノズル3からめっき液が流出を始めると、めっき液供給用孔1eより供給されためっき液7は、底壁1bへ到達し、その近傍にあるノズル3は比較的高い液圧が保たれるが、めっき液供給用孔1eに近いノズル3の近傍は低い液圧となる。このため、めっき液供給用孔1eに近いノズル3からの噴流量は、めっき液供給用孔1eから遠いノズル3からの噴流量よりも少なくなり、基材Wのめっき厚が不均一となる。この欠点を解消するためバッファBを備える第7実施形態が提供される。なお、仕切り板8を陽極に形成することも可能である。
(第8実施形態)
図10に第8実施形態を示す。第8実施形態は、めっき層が形成される金属基材Wの表面が凹凸状の表面を有する場合である。この場合、ノズル3は、ノズル3の方向が前記凹凸状の表面と直角をなすように傾斜させるか、75°〜105°の範囲に傾斜させて配列される。これにより、金属基材Wの凹凸状の表面には均一な厚さのめっきが電着されることとなる。なお、図10において、ノズル3bの傾斜は、ノズル3a又は3cに対して最大90度までの角度を付けることが可能である。
(第9実施形態)
第9実施形態においては、複数のノズル3から噴流されるめっき液の量は、各ノズル3毎に制御される。この機能を発揮する構造は、例えば各ノズルに独立した各配管及び圧力発生機構を接続したものである。また、第1実施形態等において、各ノズルの内径を個別に変化させることによっても噴流されるめっき液の量を各ノズル同士で相対的に変化させることが可能となる。これは、基材Wのめっきを施す表面の各部位毎にめっき厚を変化させたいニーズが存在し、このニーズに対処したものである。
以上のように、噴流式めっきにおいて、ノズルから噴流されためっき液が被めっき面に作用した後、すみやかに排出され、かつめっき形成部の形状不良が無く、めっき膜厚が均一となる、めっき方法および装置を提供することが可能となる。
なお、以上の実施形態においては、金属基材を鋼または鉄鋳物として、めっきの種類をニッケルとして説明したが、これはあくまで例示である。本発明のめっき方法またはめっき装置を使用して、金属基材を、鉄、銅、チタン、マグネシウムその他の金属にして、めっきの種類を亜鉛、ニッケル亜鉛、銅、銀、金、錫その他の金属にしてめっき可能なことは言うまでもない。
100 第1実施形態のめっき装置
200 第4実施形態のめっき装置
1 密閉容器
2 タンク
3 ノズル
4 庇
5 電極(陽極)

Claims (18)

  1. めっき液(7)を、複数のノズル開口部(3z)から噴流させて金属基材(W)の表面に当て、前記めっき液(7)を介して電気的に接続された前記ノズル(3)と金属基材(W)との間に電流を流すことにより前記金属基材(W)の表面にめっき層を形成する噴流式めっき方法であって、
    金属基材(W)の被めっき面(Wa)を大気中に鉛直方向にまたは鉛直方向より傾斜させて設置し、複数のノズル(3)を前記被めっき面(Wa)に対して等しい距離(G)を保持するように配列して前記被めっき面(Wa)と前記複数のノズル(3)とを相互に平行に2次元揺動させてめっきを施すことを特徴とする噴流式めっき方法。
  2. 前記ノズル(3)を千鳥状に配列してめっきを施すことを特徴とする請求項1に記載の方法。
  3. 前記ノズルの開口部(3z)に庇(4)を配置してめっきを施すことを特徴とする請求項1または2に記載の方法。
  4. 金属基材(W)の表側と裏側の両側を被めっき面(Wa)にしてめっきを施すために、
    金属基材の被めっき面(Wa)を大気中に鉛直方向に設置し、
    金属基材(W)の両側に前記ノズル(3)を配列してめっきを施すことを特徴とする請求項1から3のいずれか1項に記載の方法。
  5. 前記ノズルの開口部(3z)の近傍に補助陽極(11)を設けてめっきを施すことを特徴とする請求項1から4のいずれか1項に記載の方法。
  6. 前記めっき液(7)で充填されかつ前記ノズル(3)及びめっき液供給用孔(1e)を有する密閉容器(1)であって、前記ノズル(3)と前記めっき液供給用孔(1e)との間に、前記ノズル(3)側と前記めっき液供給用孔(1e)側とを連通する連通路を有する仕切り板(8)を備える密閉容器(1)を使用してめっきを施すことを特徴とする請求項1から5のいずれか1項に記載の方法。
  7. 前記仕切り板(8)が陽極に形成されていることを特徴とする請求項6に記載の方法。
  8. めっき層が形成される前記金属基材(W)の表面が凹凸状の表面を有するとき、前記ノズル(3)は、前記ノズル(3)の方向が前記凹凸状の表面と直角をなすように傾斜させて配列されてめっきを施すことを特徴とする請求項1から7のいずれか1項に記載の方法。
  9. 前記複数のノズル(3)から噴流されるめっき液の量が、各ノズル(3)毎に制御されることを特徴とする請求項1から8のいずれか1項に記載の方法。
  10. めっき液(7)を、複数のノズル(3)開口部から噴流させて金属基材(W)の表面に当て、前記めっき液(7)を介して電気的に接続された前記ノズル(3)と金属基材(W)との間に電流を流すことにより前記金属基材(W)の表面にめっき層を形成する噴流式めっき装置(100、200)であって、
    金属基材の被めっき面(Wa)を大気中に鉛直方向にまたは鉛直方向より傾斜させて設置し、複数のノズル(3)を前記被めっき面(Wa)に対して等しい距離(G)を保持するように配列して、前記被めっき面(Wa)と前記複数のノズル(3)とを相互に平行に2次元揺動させることを特徴とする噴流式めっき装置(100、200)。
  11. 前記ノズル(3)を千鳥状に配列したことを特徴とする請求項10に記載の装置。
  12. 前記ノズル(3)の開口部(15a)に庇(4)を配置したことを特徴とする請求項10または11に記載の装置。
  13. 金属基材(W)の表側と裏側の両側を被めっき面(Wa)にしてめっきを施すために、
    金属基材(W)の被めっき面(Wa)を大気中に鉛直方向に設置し、
    金属基材(W)の両側に前記ノズル(3)を配列したことを特徴とする請求項10から12のいずれか1項に記載の装置(200)。
  14. 前記ノズルの開口部(3z)の近傍に補助陽極(11)を設けたことを特徴とする請求項10から13のいずれか1項に記載の装置(300)。
  15. 前記めっき液(7)で充填されかつ前記ノズル(3)及びめっき液供給用孔(1e)を有する密閉容器(1)であって、前記ノズル(3)と前記めっき液供給用孔(1e)との間に、前記ノズル(3)側と前記めっき液供給用孔(1e)側とを連通する連通路を有する仕切り板(8)を備える密閉容器(1)を備えることを特徴とする請求項10から14のいずれか1項に記載の装置(400)。
  16. 前記仕切り板(8)が陽極に形成されていることを特徴とする請求項15に記載の噴流式めっき装置(400)。
  17. めっき層が形成される前記金属基材(W)の表面が凹凸状の表面を有するとき、前記ノズル(3)は、前記ノズル(3)の方向が前記凹凸状の表面と直角をなすように傾斜させて配列されることを特徴とする請求項10から16のいずれか1項に記載の装置(500)。
  18. 前記複数のノズル(3)から噴流されるめっき液の量が、各ノズル(3)毎に制御されることを特徴とする請求項10から17のいずれか1項に記載の装置(600)。
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