JPH0437158B2 - - Google Patents

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JPH0437158B2
JPH0437158B2 JP58165795A JP16579583A JPH0437158B2 JP H0437158 B2 JPH0437158 B2 JP H0437158B2 JP 58165795 A JP58165795 A JP 58165795A JP 16579583 A JP16579583 A JP 16579583A JP H0437158 B2 JPH0437158 B2 JP H0437158B2
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plating
strip
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alloy
plating liquid
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Tetsuaki Tsuda
Kazuo Asano
Atsuyoshi Shibuya
Minoru Nishihara
Kenichi Yanagi
Mitsuo Kato
Katsuhiko Yamada
Teijiro Fujisaka
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Mitsubishi Heavy Industries Ltd
Nippon Steel Corp
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Mitsubishi Heavy Industries Ltd
Sumitomo Metal Industries Ltd
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Priority to GB08422528A priority patent/GB2147009B/en
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Priority to FR8413713A priority patent/FR2551467B1/fr
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Publication of JPH0437158B2 publication Critical patent/JPH0437158B2/ja
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Description

【発明の詳細な説明】 この発明は、例えばZn−Ni系、Zn−Fe系等の
合金をストリツプに電析させる連続式合金電気メ
ツキ方法及び装置に関する。
近時、自動車、家電、建材等の分野において、
上記のような各種の合金電気メツキ鋼板が、耐食
性をはじめ、塗装性、加工性、溶接性等種々の性
質にすぐれることから俄かに注目を浴び、現在そ
の実用化が推進されつつある。
ところが、かかる合金電気メツキ鋼板は一般
に、その製造面において次のような問題がある。
すなわち、 連続式電解槽による鋼板の合金電気メツキに
おいては、諸々メツキ操業条件の変動バラツキ
が合金メツキの品質に鋭敏に反映される傾向が
ある。とくに、電解槽内のメツキ液のストリツ
プ界面近傍での流動状況が変動すると、得られ
る合金メツキ皮膜組成や合金析出相、更にはメ
ツキ結晶の粒径或いは形態、皮膜中の内部応力
等の変動を来たし、合金メツキの前記諸性能が
不安定となり、問題である。メツキ液の流動状
況は、ストリツプの走行速度の影響で変化する
ものであるが、実際のメツキラインにおいてこ
のストリツプ走行速度はかなりの変動が避けら
れず、このためメツキ液の流動状況の変動は事
実上不可避なものであり、このような関係から
均一で安定した性能の合金メツキ鋼板はそもそ
も得難いものである。
また近年、電気メツキ設備の建設費高騰の傾
向を受けて、メツキ槽の総メツキ長〔(メツキ
槽の数)×(有効メツキ長/1槽当り)〕を極力
短縮しようとする動きがある。かかる状況の中
で最近、メツキ槽の電流密度を高くして高電流
密度にてメツキ操業する、いわゆる高電流密度
操業が多用の傾向にあるが、この高電流密度操
業になると、ストリツプ界面近傍でのメツキ液
の流動状況が悪い場合には、合金メツキに限ら
ず一般にメツキ皮膜の析出はデンドライト状或
いは粉末状の析出(ヤケ、コゲと通称される)
となり、平滑で密着性のよいメツキ皮膜が得ら
れなくなる傾向がある。しかもこの高電流密度
操業下では、合金メツキの場合には、メツキ液
の流動は、例えばZn単体のメツキのときのよ
うにとにかく大きければそれでよいというもの
ではなく、適正な条件というものがある。すな
わち、メツキ液の流動状態がメツキの皮膜組成
や積極相に係わつてくるからであり、例えば
Zn−Ni(Ni5〜20we%)やZn−Fe(Fe10〜
40wt%)のZn系の合金(金属間化合物)メツ
キで云えば、メツキ液の流動が小さくなるとコ
ゲ状メツキを呈する前にメツキ皮膜の耐パウダ
リング性(加工性)の劣化を来たし、また逆に
大きくなりすぎるとメツキ皮膜にη相が混在し
てくるために耐食性、溶接性の悪化がみられる
ものである。
加えて更に、上記のような高電流密度操業で
は、陽極として可溶性陽極を用いたとすると、
陽極の消耗が早くその取替え補給の作業が煩雑
に必要となり、ために操業停止時間や取替人員
工数が嵩み生産性の低下、人件費の増大を招く
結果となる。またとくに合金メツキの場合に
は、可溶性陽極ではメツキ浴組成の管理が却つ
て難しくなる。こうしたことから、合金メツキ
の高電流密度操業では、陽極は不溶性とするの
が主流である。
ところで、この不溶性陽極の材料としては完
全なものは実在せず、現在のところ貴金属或い
はその酸化物(Pt,Ru,Ir,Au等)、鉛を主
成分としてAg,Sn,Sb,In,Tl,Hg,As,
Sr,Ca,Ba等の1種以上を添加した鉛合金の
何れかが一般に使用されている。貴金属系の材
料は高価であるため、例えばリードフレームの
ような電子材料のメツキにのみ使用され、鋼板
のメツキにおいては専ら鉛合金の方が採用され
る。ところがこの鉛合金系の不溶性陽極は、酸
性メツキ液との接触で化学溶解反応や電解酸化
反応を呈し僅かずつではあるが溶解してゆくと
ともに、陽極表面に生成するPbO2皮膜が操業
中時折粒状に剥離脱落する現象を生じる。脱落
したPbO2粒はストリツプ面に付着し通電ロー
ルでの挟圧で、いわゆる押込疵となり、メツキ
製品の歩留りを悪化させる原因となる。
また高電流密度操業下でこのような不溶性陽
極を使用すると、陽極で発生する大量の酸素ガ
ス気泡や陰極(ストリツプ)面で発生する水素
ガス気泡を極間から速かに除去するようにしな
ければ、メツキ電圧の増大をはじめ、メツキ皮
膜の付着ムラや組成の変動が生じることにな
る。
このように、合金電気メツキ鋼板の製造には
種々の問題があり、かかる問題の解決は、昨今の
合金電気メツキ鋼板の需要増大に対処する上で不
可欠なことである。
さて従来より、先述の高電流密度操業を意図し
た電気メツキ方法(装置)としては、様々なもの
が知られているが、これらは何れも合金メツキを
実施するものとしてみれば一長一短で、満足のゆ
くものではない。すなわち、代表的なものを列挙
すれば以下のとおりである。
第1図に示す如く、上下内面を不溶性陽極材
料2,2で構成された水平型メツキ槽1を用
い、このメツキ槽内に供給口3,3からストリ
ツプAの走行方向aに対し向流の方向にメツキ
液を吹込みながらメツキを行う装置(特公昭50
−8020号)。これは、確かにストリツプ界面近
傍のメツキ液の流動を高く維持して、高電流密
度操業下でコゲ状メツキを防止するという意味
においては有効であるが、陽極2とストリツプ
Aの極間からのガス抜きが十分に行えず、また
陽極表面からのPbO2粒に起因する異物押込疵
も避けられない。因みに、このように陽極2を
メツキ槽1の一部として組込んでしまうのは、
不溶性陽極と云えども先述のように溶解してゆ
く一種の消耗品であることを考えると、実際上
補修の面でも問題がある。
第2図に示す如く、ストリツプAに対向配置
された電極2,2の背面側に処理液室4,4を
設けるとともに、前記電極2,2に多数の孔5
を穿設して、そこからストリツプAに処理液を
吹付けながら処理する方法(特公昭53−18167
号)。これは、前記同様メツキ液の流動の増加
によるコゲ状メツキの防止の他に、極間からの
ガス抜きを有効に行えるものである。しかしな
がら、このようにストリツプAにメツキ液を高
速噴流として吹付けると、その噴流衝突点近傍
ではメツキ液流がImpinging Jet流となり、極
端に流動のきつい部分が電極2の巾方向もしく
は長手方向に不均一に分布することになるた
め、合金メツキの場合には析出相に影響し、具
体的にはη相混在のメツキが生じ易いことが問
題となる。
例えば第3図イに示す如く、ストリツプA面
に対向して、電極面巾方向のスリツト孔等をも
つノズル6を備えた電極2を配置し、そのノズ
ル6からストリツプ面に対し電解液を高速噴射
させながらメツキする方法(特公昭57−14759
号)。この方法も、基本的に)と同傾向のも
のであり、メツキ液の流動状況が電極の長手方
向に不均一な分布となる。とくに図に示すよう
に電解液の吹出方向がストリツプAの走行方向
aに対し向流方向の向流スリツトノズル6を電
極長手方向に複数個配列したような場合には、
メツキ液の噴流が同図ロ(符号6′はノズル孔)
に矢印bで示す如く相互に干渉し合う部分が生
じ、結果的に向流と横流の組合せとなり、横流
部分では流動が極端に弱くなる一方、噴流直撃
部分付近ではこれが過大となり、合金メツキ皮
膜の組成や析出相が不均一となつてしまう。ま
た向流と横流とが合成された斜め方向にはメツ
キムラの発生が避けられない。
更にまた、図示のような竪型メツキ槽では、重
力の関係で陽極2とストリツプAとの極間に電解
液を充満させた状態を維持するのが容易ではな
い。とくにダウンパス側X1では、ストリツプの
走行による下向きの液流作用があるためきわめて
難しい。また仮りにそれを実現し得たとしても、
極間を充満させるのに使用する電解液量がアツプ
パス側X2とダウンパスX1とでは大きく異なるこ
とになり、ストリツプ界面付近でのメツキ液の流
動状況に両パス間で大きな相違を生じるものであ
り、したがつて合金メツキの場合には均一的なメ
ツキ皮膜の析出は望み得ないこととなる。
のみならず、第1図、第2図のものも含めてそ
もそもこのようにメツキ液を噴流としてストリツ
プ面に吹付ける噴流メツキ方式では、電極2とス
トリツプA間に供給されたメツキ液は大量の液滴
(splash)となつてメツキ液を回収する受槽等へ
落下することになるが、この際メツキ液がFe2+
イオンを含む(Zn−Fe合金メツキ用等)の場合
には、空気酸化が起こりメツキ液中のFe3+イオ
ンが増加してしまうという問題が生じる。しかも
操業中継続的に流下する大量の液滴は、ロール駆
動モーター、位置検出計測機器、導電帯、通電ロ
ールのカーボンブラシ等、メツキ周辺の機器の腐
食をもたらす他、作業員の職場衛生環境を悪化さ
せる原因ともなる。
噴流メツキ方式はこの他にも、噴流衝突点近傍
が部分的に負圧となり周囲から空気を泡として巻
込み易く、上記Fe2+イオンを含むようなメツキ
液の場合にはこの空気巻込みによりその酸化が著
しく促進されるといつた不利がある。
本発明は、上記諸問題を一挙に解決し、安定し
た性能の合金電気メツキ鋼板を連続的に得ること
ができる合金電気メツキ方法および装置の提供を
目的とするものである。
噴流メツキは先述のようにメツキ液をストリツ
プに対し吹付け供給するものでメツキ浴中に浸漬
しない、いわゆる非浸漬型であるが、これとは異
なりストリツプをメツキ浴中に浸漬する浸漬型の
一つに、竪型メツキ槽方式がある。これは、基本
的には第4図に示す如く、ストリツプAを入側コ
ンダクタロール7aを経てメツキ槽8内のメツキ
浴中に導入浸漬し(ダウンパスX1)、浴中のシン
クロール9を迂回させて引上げ(アツプパス
X1)、出側コンダクタロール7bを経て導き出
し、この際、ダウンパスX1とアツプパスX2にお
いてストリツプAを挟むようにして配置した陽極
2,2によつてメツキを行うものである。さてこ
の竪型メツキ槽方式であるが、これは先に述べた
非浸漬型に較べて次のような利点がある。すなわ
ち、浸漬型であるため、先に述べたように陽極と
ストリツプとの極間にメツキ液を充満させる困難
な操作を必要としない許りか、その極間からのメ
ツキ液スプラツシユの発生や噴流ノズルからの噴
流衝突点近傍での空気の巻込みに伴う問題もな
い。更にまた、この竪型メツキ槽方式では、極間
に生じるガス気泡が自らに作用する浮力によつて
上昇移動し自然排出されるメリツトもあり、加え
て陽極からのPbO2粒等の異物による押込疵発生
に関しても、第1図に示した横型メツキ槽(メツ
キ液向流吹込み)方式では通電ロール(金属製)
による挟圧のために多発の傾向がある(特開昭57
−210984号参照)のに対し、この竪型メツキ槽方
式では異物をストリツプとの間に噛込む可能性の
あるシンクロール9がゴム製のため!?かに軽微に
止められるものである。
本発明者らは、この浸漬型の竪型メツキ槽方式
の利点に着目し、同方式の合金電気メツキへの適
用を意図して、その極間でのメツキ液の流動現象
について、種々実験、調査を行つた結果、ダウン
パスX1、アツプパスX2ともにメツキ液をストリ
ツプ走行方向aに対し向流の向きで吹込み供給し
てやれば、各パスのストリツプ走行方向に均一で
かつ両パス間においても差がなく、しかもライン
速度の変動に対しても大きな変化を示さない、つ
まり合金メツキ皮膜の安定析出にきわめて都合の
よいメツキ液の流動状態を現出せしめ得るという
知見を得た。すなわち、メツキ析出挙動への影響
という点から云つて重要なのは、ストリツプ(陰
極)界面近傍でのメツキ液の流動状況である。具
体的には、走行ストリツプ上に設定した移動座標
系基準のストリツプ界面でのメツキ液の流速勾配
αy=0、つまり 〔∂/∂y|VF−VS|〕y=0 ここに、 y:ストリツプ面から陽極へ向けてとつた距離
(極間における位置を示す) VF:極間におけるメツキ液の流速分布を示す速
度ベクトル VS:ストリツプ間の走行速度ベクトル がメツキ析出挙動を律速するものであるが、この
ような場合、メツキ析出挙動への影響因子という
意味でのメツキ液の流動状況を代表する量として
は、ストリツプ近傍でメツキ液の流速勾配αの絶
対値が最小となる位置の流速をVFnとしたとき、 VFn−VS=VR 上式にて表わされる相対速度VRを考えるのが
最も簡便でかつ的確である。第5図は、浸漬型の
竪型メツキ槽方式におけるメツキ液の流速分布を
例示する図で、イはメツキ液吹込みなし、ロはメ
ツキ液の向流方向への吹込みあり、の各場合を示
す(図中、A:ストリツプ、2:陽極)が、前記
VRとは要するに、このイ,ロ各図において示さ
れるような速度ベクトルである。すなわち、メツ
キ吹込みなし、同じく向流方向への吹込みあり、
ではその何れの場合にも、向流方向の向きをも
ち、その大きさVR(=|VR|)は、ストリツプ走
行速度(絶対値)VSとストリツプ近傍でのbulk
液流の向流方向最大速度VFn(向流方向を正、順
流方向を負の値とする)との和VS+VFnの値をと
る。
このような相対速度VRとストリツプ走行速度
(ライン速度VS)との関係を、浸漬型の竪型メツ
キ槽方式の電気メツキラインについて実験的に調
査したその結果を示したのが、第6図である。図
において、P1はメツキ液吹込みなしの場合、P2
は向流方向へ流量で2m3/minの吹込みを行つた
場合、をそれぞれ示している。
メツキ液吹込みなしのP1では、相対速度VR
ライン速度VSの上昇につれ1次関数的に増加す
る傾向を示しているが、一定量の向流吹込みを行
つたP2ではこれが、実用レベルのライン速度50
〜200m/minの間において大きな変化を示さず
安定した値となつている。これは、向流方向への
吹込みありの場合にはライン速度VSの増加につ
れ、ストリツプに伴なわれてストリツプ走行方向
へ進むメツキ液流が増大して向流方向への吹込み
流が相殺される傾向が強くなり、向流方向への極
間メツキ液流速VFが低下してゆくことによるも
のと考えられる。何れにしろ、浸漬型の竪型メツ
キ槽におけるメツキ液の向流吹込みが、メツキ析
出挙動への影響因子としてのメツキ液が流動状況
を安定化する上で有効であるこが理解される。
すなわち本発明は以上のような知見に基づくも
のであつて、以下の,を要旨とする。
浸漬型の竪型メツキ槽方式(第4図)による
ストリツプの連続電気メツキにおいて、陽極2
として不溶性陽極を用い、その陽極2とストリ
ツプAの極間距離hを10〜50mmに設定するとと
もに、ダウンパスX1、アツプパスX2の両パス
で、その極間にメツキ液をストリツプ走行方向
に対し向流の向きで供給することを特徴とする
連続式合金電気メツキ方法。
第4図に示した形式の竪型メツキ槽を有する
連続電気メツキ装置であつて、ダウンパスX1
アツプパスX2のそれぞれのパスの陽極2のス
トリツプ出側にストリツプAと陽極2の間にメ
ツキ液をストリツプ走行方向に対し向流の向き
で吹込み供給する吹出し装置10,10を備え
たことを特徴とする連続式合金電気メツキ装
置。
上記の発明において、極間距離hの設定範囲
を10〜50mmとしたのは、次の理由による。すなわ
ち、第7図は極間距離hとメツキ電圧との関係を
示す実験結果である。このデータは次の実験で得
た。冷延コイル(板厚0.4mm、板巾300mm)を素材
とし、第4図に示した本発明の装置においてダウ
ンパスX1、アツプパスX2ともにメツキ液の向流
吹込みを行いつつ、下記の電解条件にてZn−Ni
系合金メツキを行い、この際極間距離hを種々変
更した。
<電解条件> メツキ浴:〔Ni2+〕/〔Zn2+〕濃度モル比2.0〜
2.5、浴温60℃、浴PH2、電流密度60〜120A/d
m2、メツキ流吹込み流量0.1m3/min、ライン速
度20〜200m/min。
同図の結果から、極間距離hが10mm未満になる
と、メツキ電圧が急激に上昇することが分る。こ
れは、極間のガス気泡密度の増大によるものであ
る。すなわち、極間距離hが10mm未満では、浮力
によるガス気泡の脱離と上昇移動が期待できる竪
型メツキ槽においてもガス抜け性に限界が生じ、
メツキ電圧の上昇、メツキ付着ムラやピンホール
の発生、更には合金メツキ皮膜組成変動等の不都
合を来たすこととなる。
一方、この極間距離hが50mmをこえると、メツ
キ液抵抗による電圧損失が過大となり経済的に不
利である。また極間距離hが大きくなつてくる
と、メツキ液の吹込量も適宜増大させる必要が生
じ、メツキ液供給ポンプの必要容量が大きくな
り、このような点からも極間距離hを50mmごえと
するのは得策ではない。
次に、極間へのメツキ液吹込み方向としては、
ストリツプ走行方向に対し向流の方向とする必要
があるが、この点については先に述べた理由によ
る。この向流吹込みを採用すれば、メツキ液の流
速がストリツプ走行速度と合成されてメツキ液の
流動が促進される傾向となり、またメツキ液の吹
込み流量の増減をもつてストリツプとメツキ液の
相対速度VRを制御することも可能である。なお
本発明に云う向流とは、第8図イに矢印bで示す
ようにストリツプの走行方向aと完全平行な向流
(perfectly parallel counter flow)のみならず、
同図ロに示すようにやや拡大する向流(slightly
divergent counter flow)や同図ハに示す如く逆
にやや収束する向流(slightly convergent
counter flow)等をも含むものである。
このように、浸漬型の竪型メツキ槽においてメ
ツキ液の向流吹込みを行う本発明の方法では、横
流が混在したり、局部的に過流動状態を生じたり
する噴流吹付け方式の第2図、第3図に示した従
来例に較べ格段に安定均一なメツキ液の流動状況
が得られ、しかもこの流動状況を、極間のガス抜
きについて配慮することなく、合金メツキ組成や
析出相の安定化という効果の面だけから管理する
ことが可能であり、したがつて安定した性能の合
金メツキ鋼板を得ることが可能となるものであ
る。
次に、本発明の装置について云えば、第4図に
示したとおりメツキ液を吹付供給する吹出装置と
して、向流ノズル10,10を備えるものである
が、このノズルとしては第9図イに示す如くその
吹出し方向CがストリツプA面との平行に近けれ
ば近いほど(すなわち、角度θが小さいほど)メ
ツキ液流動の均一性を確保する上で有利である
が、現実にはストリツプAとの接触による損耗や
据付設置スペース等の関係もあり、吹出し角θで
15〜60°程度は実用上必要となつてくる。同図ロ
に示すような水鳥のクチバシ状のノズル10′は、
上記吹出し角θを低減するのに有効で、その使用
が推奨されるものである。ノズル先端の開口形状
については、第10図イに示す平行スリツト孔1
1が一般的であるが、この他に同図ロに示す円形
スロツト(slot)12を多数並設したものでも、
また同図ハに示すように開口巾Wが長手方向にゆ
るやかに変化するようなスリツト孔13でも使用
できる。要は、ストリツプAの巾方向に均一なメ
ツキ液流速分布が実現できるものであればよい。
なお本発明のメツキ方法及び装置は、Zn−Ni,
Zn−Feのみならず、その他のZn系メツキ、例え
ばZn−Ni−Fe,Zn−Co−Cr,Zn−Cr,Zn−
Mn,Zn−Ti等、更にはSn−Cu,Sn−Pb,Fe−
Zn,Fe−Ni,Fe−Sn等、あらゆる合金メツキを
その適用対象とするものである。
次に本発明の実施例について説明する。
〔実施例 1〕 板厚0.4mm、板巾300mmの冷延コイルを用い、本
発明に基いて第4図に示した浸漬型の竪型メツキ
槽においてダウンパスX1、アツプパスX2ともに
向流ノズル10,10からのメツキ液の吹込み
(両パスとも吹込み量:3m3/min)を行い、或
いは行なわずに下記の電解条件でZn−Ni系合金
電気メツキを行つた。
<電解条件> メツキ浴:〔Ni2+〕/〔Zn2+〕濃度モル比2.0〜
2.5、浴温60℃、浴PH2、電流密度60〜120A/d
m2、極間距離25mmで、ライン速度を種々変更。
得られた各メツキ鋼板についてメツキ皮膜の組
成を化学分析法で調査した結果を第11図に示
す。
第11図において、メツキ液吹込みなしの場合
S1では、ライン速度の変化によるメツキ組成の変
動バラツキが大きい。とくにその低速領域におい
てはΓ相とα相の混相状態となつていた。これに
対し、向流吹込みを行つた本発明例S2では、ライ
ン速度の変動にも拘わらず安定したNi含有量の
Γ相Zn−Ni合金メツキを得ることができた。
〔実施例 2〕 板厚0.3mm、板巾250mmの薄鋼板コイルを用い、
第4図の装置において、メツキ液吹込量を6m3
minとした点を除いては〔実施例1〕と全く同様
の条件でメツキ吹込みを行い、或いは行わず下記
の電解条件にてZn−Fe系合金メツキ(付着量:
20g/m2)を行つた。
<電解条件> メツキ浴:〔Fe2+〕/〔Zn2+〕濃度モル比1.0〜
2.5、浴温50℃、浴PH2、電流密度50〜150A/d
m2で、ライン速度を種々変更。
得られたメツキ鋼板について下記の耐パウダリ
ング性試験を実施し、その加工性を調査した。
<耐パウダリング試験> 巾50mm、長さ200mmの試験片のメツキ面にセロ
テープを貼付し、10mmφ径の丸棒に沿わせて180°
内曲げを行い、しかるのちこの試験片を曲げ戻
し、テープを剥離し、このときテープ面に付着し
たメツキ粉末の量を調べ、殆ど付着のないものを
良好とする。
試験結果に基いて耐パウダリング性が良好とな
るメツキ電流密度とライン速度の領域を示したの
が第12図である。
同図において、破線R1のハツチング側がメツ
キ液吹込みなしの場合の耐パウダリング性良好域
であり、実線R2のハツチング側が向流吹込みを
行つた場合の同じく良好域を示している。Zn−
Fe系合金メツキ皮膜は傾向として、電流密度が
高く、ライン速度が低いときに耐パウダリング性
の悪化を来たすものであるが、上記耐パウダリン
グ性の比較から、浸漬型の竪型メツキ槽における
メツキ液の向流吹込みがZn−Fe系合金電気メツ
キ皮膜性能の安定化にきわめて有効なことが理解
できる。
なお、この実験における電気メツキでは、メツ
キ浴中のFe2+イオンがFe3+イオンに空気酸化す
る速度は0.1Kg/hr以下という低位に止められ、
メツキ浴はきわめて容易に安定な状態を維持しつ
づけることができた。因みに別の実験によれば、
非浸漬型メツキ方式の場合には、同じメツキ浴で
も、第1図に示した横型槽でFe3+生成空気酸化
速度が1〜3Kg/hr程度となり、また第3図イの
ような竪型槽ではこれが5〜10Kg/hr程度と著し
いFe3+の生成がみられた。
このように本発明は、安定した性能の合金電気
メツキ鋼板を連続製造することを可能にするもの
であり、したがつて各種合金電気メツキ鋼板の品
質向上並びに製造歩留りの改善に多大に寄与する
ものである。
【図面の簡単な説明】
第1図、第2図は水平型メツキ槽方式のメツキ
装置を示し、第1図はメツキ液向流吹込み方式、
第2図はメツキ液を陽極面から吹込む方式、を各
示している。第3図イは非浸漬型の竪型メツキ槽
方式のメツキ装置を示し、同図ロは極間でのメツ
キ液流を示す説明図、第4図は本発明に係る浸漬
型の竪型メツキ槽方式の装置を示す縦断側面図、
第5図は浸漬型の竪型メツキ方式におけるメツキ
液の流速分布図で、イはメツキ液吹込みなし、ロ
は同じく向流方向への吹込みあり、の各場合を示
す。第6図は同上方式におけるライン速度VS
メツキ液のストリツプに対する相対速度VRとの
関係を示す実験結果、第7図は同上方式における
極間距離hとメツキ電圧との関係を示す図、第8
図イ〜ハは本発明の方法におけるメツキ液の向流
吹込みの3つの例を示す説明図、第9図イ,ロは
本発明のメツキ装置に使用する向流ノズルの具体
例を2つ示す断面模式図、第10図イ〜ハは同上
向流ノズルについてそのノズル形状の3つの例を
示す斜視図、第11図は本発明法および従来法で
得たZn−Ni系合金電気メツキ鋼板についてメツ
キ皮膜のNi含有量を調査した結果を示す図、第
12図は本発明法および従来法で得たZn−Fe系
合金電気メツキ鋼板について耐パウダリング性を
調査した結果であり、良好な耐パウダリング性が
得られるメツキ電流密度とライン速度の領域を示
す図である。図中、1……水平型メツキ槽、2…
…陽極、3……メツキ液供給口、4……処理液
室、5……孔、6……ノズル、7……コンダクタ
ロール、8……竪型メツキ槽、10……向流ノズ
ル。

Claims (1)

  1. 【特許請求の範囲】 1 ストリツプをダウンパスとアツプパスでメツ
    キ浴に浸漬通過させ、その両パスにおいてストリ
    ツプの両側に陽極を対向配置して連続的に合金電
    気メツキを行う方法において、前記陽極として不
    溶性陽極を用い、その陽極とストリツプ間の極間
    距離を10〜50mmに設定するとともに、ダウンパ
    ス、アツプパスの両パスでその極間にメツキ液を
    ストリツプ走行方向に対し向流の向きで供給する
    ことを特徴とする浸漬堅型連続式合金電気メツキ
    方法。 2 ストリツプをダウンパスとアツプパスでメツ
    キ浴中に浸漬配置した不溶性陽極間に通過させる
    連続電気メツキ装置であつて、前記ダウン、アツ
    プの各パスの陽極のストリツプ出側にストリツプ
    と陽極の間にメツキ液をストリツプ走行方向に対
    し向流の向きで供給する吹出し装置を備えたこと
    を特徴とする浸漬堅型連続式合金電気メツキ装
    置。
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