JPH0660433B2 - 亜鉛系合金電気めつき鋼板の製造方法 - Google Patents

亜鉛系合金電気めつき鋼板の製造方法

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JPH0660433B2
JPH0660433B2 JP1050822A JP5082289A JPH0660433B2 JP H0660433 B2 JPH0660433 B2 JP H0660433B2 JP 1050822 A JP1050822 A JP 1050822A JP 5082289 A JP5082289 A JP 5082289A JP H0660433 B2 JPH0660433 B2 JP H0660433B2
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based alloy
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勉 渡辺
勝 鷺山
正樹 川辺
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日本鋼管株式会社
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Description

【発明の詳細な説明】 [産業上の利用分野] この発明は、亜鉛系合金電気めっき鋼板の製造方法に関
するものである。
[従来の技術] Zn−Fe等亜鉛系合金電気めっき鋼板は、耐食性をはじ
め、塗装性、加工性および溶接性等優れた諸特性を有し
ているため、自動車、家電および建材等の防錆鋼板とし
て広く使用されている。これらの合金めっき鋼板の皮膜
組成は、めっき陰極界面の物質移動に強く依存するた
め、最適合金組成保持には、めっき条件の厳密な管理を
必要とする。特にめっき槽(電解槽)内のめっきのスト
リップ界面近傍での流動状態が変動すると、得られる合
金組成の変動をきたし、性能低下にいたる。
一方、近年、めっきの生産性を高めるための様々なめっ
き装置が考案されている。例えば、特公昭61−22040号
公報および特開昭61−190094 号公報においては、流体
クッションを用いた電解槽が提案されている。この装置
は、電極とストリップとの間に静圧を形成し、ストリッ
プを極間中央に復元する力を持たせるもので、これによ
り電極間距離を短縮できる特徴をもっている。
また、特公昭62-15638 号公報においては、縦型めっき
セルにおいて、重力を利用してめっき液を電極上部より
ストリップと陽極との間に供給するもので、このときス
トリップと陽極との間にめっき液を充液するため、不溶
性陽極の使用が不可欠であるが、パスラインが安定し、
極間距離が短縮でき、片面めっき時に、非めっき面がめ
っき液に接触することがない利点を持つ。
特公昭61-22040号公報および特開昭61-190094 号公報に
おいては、めっき液の噴流を電極中央部より吐出してい
るため、ストリップ進行方向と同方向の流れ(以下「順
流」という)と、反対方向の流れ(以下「対向流」という)の
両方が存在する。即ち、1つの電解槽に順流と対向流と
が混在する。また、特公昭62-15638 号公報でも同様で
ある。即ち、重力を利用しているため、流れは上部から
下部に向かってしか存在しない。また、縦型めっき装置
であるから、上から下に向かうダウンバスと、下から上
に向かうアップバスが存在する。従って、1つの電解槽
に順流と対向流とが存在する。
上述した順流と対向流とが混在するめっき装置での合金
めっき鋼板の製造は難しく、特に亜鉛系の合金めっきの
ように、合金組成が流速により変動するものは、特に顕
著である。これらのめっき装置での流速依存のある合金
めっき鋼板の製造のためには、ストリップ走行速度の変
化に伴ない、順流側および対向流側の流速を自由に変動
させることが必要である。
しかしながら、前述した特公昭61−22040 号公報および
特開昭61-190094 号公報に開示された技術は、電極とス
トリップとの間に静圧が形成し、ストリップを極間中央
に復元する力を持たせるもので、これにより電極間距離
が短縮するのが主目的であり、順流側および対向流側の
流速を自由に変動させることはできないため、製造範囲
が限定される欠点を持っている。
また、特公昭62−15638号公報においては、重力を利用
して陽極とストリップとの間のめっき液流速を得ている
ため、流速は電極間距離、電極の表面抵抗、めっき液物
性等によって一義的に決まってしまうため、前述した発
明と同様、順流側および対向流側の流速を自由に変動さ
せることができない欠点を持つ。さらに、本装置は、不
溶性陽極の使用が不可欠であるために、前記陽極から発
生するガスの迅速除去をしなければならないにもかかわ
らず、噴流方向とガスの上昇方向が異なるため、陽極と
ストリップとの間にガスが滞留し、その部分は電気抵抗
が高いため電流が流れなくなり、不めっきになったり、
周囲の局部電流密度の上昇により合金組成の不均一化、
めっきヤケを引き起こしたりする。特に、順流側ではス
トリップの移動方向も電解気泡の上昇方向と逆であるた
め、ストリップからの陰極ガスまでも滞留し、高ライン
速度域で品質が悪化する。
[発明が解決しようとする課題] 上述した問題を解決する電気めっき装置として、順流お
よび対向流が混在する第1図、第5図乃至第7図に示す
装置が使用される。第1図は水平型めっき装置、第5
図、第6図は縦型めっき装置、第7図はラジアル型めっ
き装置である。第1図、第5図〜第7図に示すめっき装
置は、いずれも順流および対向流が混在するため、コン
ダクタロール5と不溶性陽極4との間の距離が短縮でき
るため、ストリップ3の金属抵抗による電圧ロスを小さ
くできるメリットを持っている。従って、このような省
エネルギーに適した、順流および対向流が混在するめっ
き装置においての、亜鉛系合金めっき鋼板の製造方法の
確立が望まれている。
この発明の目的は、上述した順流および対向流が混在す
るめっき装置において、均一な、そして所望合金組成の
皮膜を有する亜鉛系合金電気めっき鋼板の製造方法を提
供することにある。
[課題を解決するための手段] 発明者らは、上述の問題を解決すべく鋭意研究を重ね
た。その結果、以下に述べる知見を得た。即ち、不溶性
陽極を分割し、めっき液の順流および対向流の流速、お
よび、ストリップの移動速度に応じて、分割した不溶性
陽極の各々の電極長を調整することによって、ガスの迅
速な除去を達成し、均一なそして所望合金組成のめっき
皮膜が得られる。
この発明は上述の知見に基いてなされたものであり、め
っき液が供給されているめっき槽内に不溶性陽極を複数
配置し、ストリップを連続的に移動し、一方の前記不溶
性陽極と前記ストリップとの間に、前記めっき液を、前
記ストリップの移動方向と同一方向に流し、他方の前記
不溶性陽極と前記ストリップとの間に、前記めっき液を
前記ストリップの移動方向と対向する方向に流し、かく
して前記ストリップの表面をめっきしてなる亜鉛系合金
電気めっき鋼板の製造方法において、前記一方の不溶性
陽極をそのまま、または、複数に分割し、前記他方の不
溶性陽極を複数に分割し、そして、そのままのまたは分
割した前記不溶性陽極の各々の電極Lx(m)を、 Lx(m)≦0.56・Us min 但し、Us min :ストリップ移動速度の下限値、 の範囲に限定したことに特徴を有するものである。
次に、この発明を図面を参照しながら説明する。第1図
は、この発明の製造方法の一実施態様を示す水平型めっ
き装置の断面図である。第1図において、1は水平型め
っき装置、2はめっき槽、3は被めっき材のストリッ
プ、4,4′,4a,4a′は不溶性陽極、5はコンダクタ
ロール、6はバックアップロール、7はめっき液、8は
ダムロール、9はサポートロールおよび10は噴流ヘッ
ダである。図面において矢印は、ストリップ3の移動方
向を示す。第1図に示すように、不溶性陽極4と4′,
4aと4a′とは、ストリップ3の上側および下側に対向
して設けられている。ストリップ3は不溶性陽極4と
4′,4aと4a′間を矢印に示す方向に移動する。第2
図は分割された不溶性陽極4の平面図、第3図は断面図
である。第2図、第3図に示すように、不溶性陽極4の
放電面11は複数に分割されている。めっき槽2の中央
部に設けられたサポートロール9の上流側には、入側の
不溶性陽極4,4′にめっき液を吐出するための第1噴
流ヘッダ10a,10aが、サポートロール9の下流側に
は、出側の不溶性陽極4a,4a′にめっき液を吐出する
ための第2分流ヘッダ10b,10bが、それぞれ設けられ
ている。ストリップ3が矢印の方向に移動し、不溶性陽
極4,4′および4a,4a′と、ストリップ3とが形成
する極間に対し、第1噴流ヘッダ10a,10aからはス
トリップ3の移動方向と対向する対向流が、第2噴流ヘ
ッダ10b,10bからはストリップ3の移動方向と同じ
方向の順流が、それぞれ吐出される。
本発明において、順流と対向流とが混在するめっき装置
によって、第4図(a),(b)に示す従来の不溶性陽極を複
数に分割し、分割した不溶性陽極の1電極長Lx(m)を、
ストリップの移動速度を下限値(製造下限ストリップ走
行速度)Us min (Usミニマム)(m/sec)によって
移動したとき、 Lx(m)≦0.56・Us min の範囲に限定した理由を以下で説明する。
例えば、Zn−Fe合金電気めっき鋼板を例に挙げて説明す
る。ストリップの表面に形成されるZn−Fe合金めっきで
は、めっき皮膜の性能は、皮膜中のFe含有量に依存し、
最適Fe含有量は10〜20wt.%とされている。Fe含有量
が10wt.%未満では、Znと似た性質を持ち、Feを含有し
た効果が薄く、ブリスターの発生が早く、Znめっきに比
べて塗装後耐食性の向上が見られない。一方Fe含有量が
20wt.%を超えると、犠牲防食性が劣化し、対赤錆び性な
ど耐食性に劣るものとなる、従って、Fe含有量は10〜
20wt.%の範囲内が好ましい。この範囲内にFe含有量を
限定するためにはめっき条件を厳密に管理しなければな
らない。
一方、このZn−Fe合金めっきの合金組成は、流速等のめ
っき条件、すなわち、陰極界面の物質移動に強く依存
し、高流速ほど拡散律速下のZnの供給が進み、Fe含有量
が低下する。
ここで、移動するストリップの1電極当りの通電時間T
が、0.56秒以下のとき、即ち、電極長Lx(m)が、L
x≦0.56Us minであるとき(ストリップ走行速度が早い
場合および電極長が短かい場合)は、陰極での拡散層が
成長段階であり薄いため、前述したZn−Fe合金めっきの
場合において、拡散律速下にあるZnの供給が進み、皮膜
中のFe含有量は低下する。また、めっき液の流速を高流
速化することによっても同等の効果が得られる。この領
域では、十分に物質移動が高められているので、合金組
成の流速依存性および通電時間依存性が少なくなる。従
って、めっき液噴流の流速の範囲は限定する必要はな
く、順流側および対向流側での合金組成変動が少なく、
順流および対向流の混在するめっき装置によって亜鉛系
合金めっき鋼板の製造が可能となる。
以上の理由により、上述した条件を満足させるために、
不溶性陽極を第2図、第3図に示すように複数に分割
し、1電極当りの通電時間を0.56秒以下になるよう
に制御することにより、順流および対向流の混在するめ
つき装置での、最適な合金組成を有する亜鉛系合金めっ
き鋼板の製造が容易に可能となった。
以上は、Zn−Fe合金めっきを例に挙げて説明したが、Zi
-Ni 系など亜鉛系合金めっき全般に広く適用することが
できる。
第5図、第6図はこの発明の製造方法の他の実施態様を
示す縦型めっき装置の断面図、第7図はラジアル型めっ
き装置の断面図、第8図はその1つの不溶性陽極を示す
断面図である。第5図において12は縦型めっき槽、1
3はシンクロール、第6図において12は縦型めっき装
置、14はボトムロール、第6図において、10c は噴
流ヘッダ、第7図において15はメインロールである。
[実施例] 次に、この発明を実施例によって、更に詳しく説明す
る。
第1図に示す水平型めっき装置1を用いて、Zn−Fe合金
めっき鋼板を、電極を分割した不溶性陽極によっておよ
びストリップ移動速度を種々変化させることにより、1
電極当りの通電時間を変えて、および、めっき液の流速
を種々変化させて、順流側および対向流側、各々独立に
めっきを施して製造した。なお、分割したのは順流側の
不溶性陽極のみであった。そして、得られたZn−Fe合金
めっき鋼板の皮膜中のFe含有量を測定し、第1表に示し
た。比較例として順流側も分割されていない不溶性陽極
を使用して製造した結果を第2表に示した。そして、許
容範囲において均一なめっき皮膜を有する合金めっき鋼
板が製造されたかどうかを調べた。第1表、第2表にお
いて、「○」印は順流側と対向流側のFe含有量のバラツ
キが15%±5%以内である場合を示し、「×」印はバ
ラツキが15%±5%以内にならない場合を示す。
なお、めっき条件は、以下の通りであった。
(1) めっき浴組成 第1浴 硫酸第1鉄:325g/ 硫酸亜鉛 :175g/ 硫酸ソーダ:60 g/ 第2浴 硫酸第1鉄:275g/ 硫酸亜鉛 :225g/ 硫酸ソーダ:60 g/ (2) PH=1.5 第1表、第2表から明らかなように、本発明の製造方法
により製造されためっき鋼板は、Fe含有量のバラツキが
少なく、均一な皮膜を有していた。これに対して、本発
明外の製造方法により製造されためっき鋼板は、Fe含有
量のバラツキが大きかった。
[発明の効果] 以上説明したように、この発明によれば、順流および対
向流が混在するめっき装置において、均一な、そして所
望合金組成の皮膜を有する亜鉛系合金電気めっき鋼板が
得られる。産業上有用な効果がもたらされる。
【図面の簡単な説明】
第1図はこの発明の製造方法の一実施態様を示す水平型
めっき装置の断面図、第2図は分割された不溶性陽極の
平面図、第3図は断面図、第4図(a)は従来の分割され
ていない不溶性陽極の平面図、第4図(b)は断面図、第
5図および第6図は縦型めっき装置の断面図、第7図は
ラジアル型めっき装置の断面図、第8図はその1つの不
溶性陽極を示す断面図である。図面において、 1……水平型めっき装置、 2……めっき槽、 3……ストリップ、 4,4′,4a,4a′,44……不溶性陽極、 5……コンダクタロール、 6……バックアップロール、 7……めっき液、 8……ダムロール、 9……サポートロール、 10,10a,10b,10c……噴流ヘッダ、 11……放電面、 12……縦型めっき装置、 13……シンクロール、 14……ボトムロール、 15……メインロール。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 昭58−174592(JP,A) 特開 昭61−204394(JP,A) 特開 昭63−293200(JP,A) 特開 昭63−274794(JP,A) 実開 昭57−23090(JP,U)

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】めっき液が供給されているめっき槽内に不
    溶性陽極を複数配置し、ストリップを連続的に移動し、
    一方の前記不溶性陽極と前記ストリップとの間に、前記
    めっき液を、前記ストリップの移動方向と同一方向に流
    し、他方の前記不溶性陽極と前記ストリップとの間に、
    前記めっき液を前記ストリップの移動方向と対向する方
    向に流し、かくして前記ストリップの表面をめっきして
    なる亜鉛系合金電気めっき鋼板の製造方法において、前
    記一方の不溶性陽極をそのまま、または、複数に分割
    し、前記他方の不溶性陽極を複数に分割し、そして、そ
    のままのまたは分割した前記不溶性陽極の各々の電極長
    Lx(m)を、 Lx(m)≦0.56・Us min 但し、Us min :ストリップ移動速度の下限値、 の範囲に限定したことを特徴とする亜鉛系合金電気めっ
    き鋼板の製造方法。
JP1050822A 1989-03-02 1989-03-02 亜鉛系合金電気めつき鋼板の製造方法 Expired - Lifetime JPH0660433B2 (ja)

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