JP2010213623A - 加熱済高糖度ソース - Google Patents

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Abstract

【課題】ボディー感があり、かつ口どけのよい加熱済高糖度ソースを提供する。
【解決手段】
ブリックスが50〜85%の加熱済高糖度ソースに乳酸発酵卵白が配合されている加熱済高糖度ソース。
【選択図】なし

Description

本発明は、カラメルソースやフルーツソース等の加熱済高糖度ソースに関し、より詳しくは、ボディー感があり、かつ口どけのよい加熱済高糖度ソースに関する。
カラメルソースやフルーツソース等の加熱済高糖度ソースは、砂糖等の糖類を高濃度に含有させ加熱して煮詰めることで、流動性のある低粘性の液状の状態としたものであり、種々の食材に添えて使用される。このような加熱済高糖度ソースは、濃厚な甘みが付与されている他、水分活性を低くすることで細菌の増殖を抑えて長期間の保存が可能とされた伝統的な食品である。
近年、嗜好の多様化により、新しい食味の料理が求められている。上述の加熱済高糖度ソースにおいても、従来の低粘性の液状ソースの他に、より高粘度としてボディー感を付与したソースを提供することができれば、高糖度ソースを用いた新しい美味しさの創作につながり好ましい。しかしながら、砂糖等の糖類を高濃度に含有して水分活性が低い上述の高糖度ソースは、従来のソースの粘性調整に使用される澱粉等を配合しても増粘効果が得られ難いばかりでなく、この場合、澱粉の添加量を増やさなければならない為、べたついた口どけの悪い食感となる傾向がある。
増粘材を配合したカラメルソースとしては、特開平11−243892号公報(特許文献1)にガム類、カラギーナン、ペクチン等を配合したカラメルソースが記載されている。しかしながら、このカラメルソースは、カラメルソースをプリンソースの上層に配置するために糖度を18〜25度と低糖度に調整してあるものであり、ブリックスが50〜85%の高糖度のソースについては一切検討されていない。
特開平11−243892号公報
そこで本発明の目的は、ボディー感があり、かつ口どけのよい高糖度ソースを提供するものである。
本発明者等は、上記目的を達成すべく使用原料等、様々な諸条件について鋭意研究を重ねた結果、ブリックスを特定範囲の高い値とした加熱済高糖度ソースに乳酸発酵卵白が配合されているならば、意外にも、ボディー感があり、かつ口どけのよい加熱済高糖度ソースが得られることを見出し本発明を完成するに至った。
すなわち、本発明は、
(1)ブリックスが50〜85%の加熱済高糖度ソースに乳酸発酵卵白が配合されている加熱済高糖度ソース、
(2)4糖以上の糖類が糖組成の60%以上をしめるオリゴ糖、澱粉糖化物、またはこれらの還元物の少なくとも一種以上が配合されている(1)記載の加熱済高糖度ソース、
である。
本発明によれば、カラメルソースやフルーツソース等の加熱済高糖度ソースであって、ボディー感があり、かつ口どけのよい従来にない加熱済高糖度ソースを提供できる。したがって、加熱済高糖度ソースの新たな需要拡大が期待される。
以下、本発明を詳細に説明する。なお、本発明において「%」は「質量%」を意味する。
本発明の加熱済み高糖度ソースは、糖類を配合して加熱して得られるソースであって、ブリックス(Brix)が、50〜85%のソースである。加熱済高糖度ソースのブリックスが50%以上であることにより、濃厚な甘みを付与したり、水分活性を低くして細菌の増殖を抑えたりする効果が充分に得られ易い。一方、ブリックスが高すぎても口あたりが悪くなる傾向があることから、加熱済高糖度ソースは、ブリックスが85%以下である。このような本発明の加熱済み高糖度ソースとしては、例えば、カラメルソース、シロップ等の他、フルーツソース等の種々の風味成分で風味付けした高糖度のソースやたれ等が挙げられる。
前記ブリックス(Brix)とは、20℃における屈折率を測定し、ICUMSA(国際砂糖分析法統一委員会)の換算表を使用して、純蔗糖溶液の質量/質量パーセントに換算した値をいう。ブリックスの測定は、一般に市販されている糖度計を用いて行えばよい。
本発明は、前記ブリックスが50〜85%である加熱済高糖度ソースに乳酸発酵卵白を配合することを特徴する。これにより、加熱済高糖度ソースを増粘させボディー感を付与することができる。しかも従来の澱粉等の増粘材を用いて増粘させた場合と比べてべたついた食感とならずに口どけを損なうことなくボディー感を付与することができる。
本発明で用いる乳酸発酵卵白とは、液状の卵白に乳酸菌を添加して発酵させることにより得られるものである。このような乳酸発酵は、一般的に栄養源として乳酸菌資化性糖類を用いて必要に応じ酵母エキス等の発酵促進物質を添加し、乳酸菌を1mLあたり好ましくは10〜10、さらに好ましくは10〜10供し発酵されており、本発明も同様な方法で得られたものを用いるとよい。
上記乳酸発酵卵白に用いる卵白としては、例えば、鶏等の鳥類の卵を割卵し卵黄を分離したものであり工業的に得られるもの、またこれを殺菌、凍結したもの、濃縮または希釈したもの、特定の成分(リゾチームやアビジン等)を除去したもの、乾燥させたものを水戻ししたもの等が挙げられる。また効果に影響を及ぼさない程度に卵黄やその他の卵由来の成分を含んでいても差し支えない。
上記乳酸発酵卵白に用いる乳酸菌としては、一般的にヨーグルトやチーズの製造に利用される、例えば、ラクトバチルス属(Lactobacillus bulgaricus等)、ストレプトコッカス属(Streptococcus thermophilus、Streptococcus diacetylactis等)、ラクトコッカス属(Lactococcus lactis等)、ロイコノストック属(Leuconostoc cremoris等)、エンテロコッカス属(Enterococcus faecalis)、ビフィドバクテリウム属(Bifidobacterium Bbifidum等)等が挙げられる。
上記乳酸菌資化性糖類としては、例えば、単糖類(グルコース、ガラクトース、フルクトース、マンノース、N−アセチルグルコサミン等)、二糖類(ラクトース、マルトース、スクロース、セルビオース、トレハロース等)、オリゴ糖類(特に3〜5個の単糖類が結合しているもの)、ブドウ糖果糖液糖等が挙げられ、1種又は2種以上を組み合わせて液状の卵白に添加することができる。また、卵白には、ビタミン、アミノ酸等の発酵促進物質や、菜種油、パーム油等の油脂原料等を添加してもよい。
上記乳酸発酵卵白の代表的な製造方法を以下に示す。卵白蛋白質2〜8%、乳酸菌資化性糖類1〜15%、及び発酵促進物質0.5〜10%を水に加え、乳酸、塩酸等の酸材を用いてpH5〜7.5にpH調整し仕込み液を調製する。なお、酸材としては風味の面から乳酸を用いるのが好ましい。次に、発酵促進するために得られた仕込み液を60〜110℃、好ましくは70〜100℃の品温で1〜120分間保持して加熱してリゾチーム等の卵白由来の酵素の失活及び殺菌処理した後、乳酸菌スターターを1mLあたり10〜10になるように添加する。続いて、25〜50℃で8〜48時間発酵することにより乳酸発酵卵白が得られる。また、必要に応じて得られた上記乳酸発酵卵白を加熱殺菌し、高圧下で均質化処理を施してもよく、あるいは、フリーズドライ、スプレードライ等の乾燥処理を施して粉末状にしてもよい。
前記乳酸発酵卵白の配合量は、ボディー感があり、かつ口どけのよい加熱済高糖度ソースを得る点から、製品に対して、固形分換算で好ましくは1%以上、より好ましくは3%以上であるとよい。一方、前記乳酸発酵卵白の配合量が多過ぎても口どけが悪くなる場合があることから、前記乳酸発酵卵白の配合量は、製品に対して、固形分換算で好ましくは30%以下、より好ましくは15%以下である。
本発明の加熱済高糖度ソースに配合する糖類は、一般的に加熱済高糖度ソースに使用される糖類を甘みの質や強さを考慮しソースの味付けにあわせて適宜選択して用いればよい。本発明においては、いずれの糖類を用いた加熱済高糖度ソースであっても乳酸発酵卵白を配合して粘性を増加させボディー感を改善する効果が得られるが、糖液そのものの粘度が高く、乳酸発酵卵白と併用することで、より高粘度の加熱済高糖度ソースが得られ易い点からは、好ましくは4糖以上の糖類が糖組成の60%以上をしめるオリゴ糖、4糖以上の糖類が糖組成の60%以上をしめる澱粉糖化物、またはこれらの還元物の少なくとも一種以上を用いることが好ましい。
ここで前記オリゴ糖とは、グルコース、フルクトース等の単糖類の分子が2〜10個直鎖状あるいは分岐状に結合した、少糖類と称される糖類である。このような糖類は、単糖類の結合数により2糖類、3糖類等と称され、例えば、2糖類としては、スクロース、マルトース、イソマルトース、ニゲロース、コウジビオース等、3糖類としては、マルトトリオース、イソマルトトリオース、パノース等、4糖類としては、マルトテトラオース、イソマルトテトラオース等が挙げられる。本発明におけるオリゴ糖は、上記のような高純度に精製したものばかりでなく、2〜10糖類の混合物を主成分とした糖類であれば特に限定するものではない。2〜10糖類の混合物を主成分とした糖類とは、市販のオリゴ糖が2〜7糖類を主成分としていることから、2〜7糖類が糖組成の70%以上をしめる糖類を意味する。また、澱粉糖化物とは、澱粉を加水分解して得られる中間生成物の混合物である。前記オリゴ糖及び澱粉糖化物はいずれも非還元型の糖類であるが、本発明においてこれらの還元物とは、水素添加等の還元処理して得られる還元型オリゴ糖及び還元型澱粉糖化物、つまり糖アルコールのことである。
本発明の加熱済高糖度ソースに配合する上述した糖類の合計配合量は、ソースのブリックスを50〜85%に調整できる量とすればよい。具体的には、乳酸発酵卵白や、その他の原料の配合量にもよるが、製品に対して固形分換算で好ましくは40〜85%、より好ましくは45〜85%である。また、より高粘度の加熱済高糖度ソースが得られ易い点から、上述した4糖以上の糖類が糖組成の60%以上をしめるオリゴ糖、澱粉糖化物、またはこれらの還元物の合計配合量は、製品に配合する糖類に対して固形分換算で好ましくは50%以上、より好ましくは70%以上である。
本発明の加熱済高糖度ソースにおいては、上述した糖類及び乳酸発酵卵白の他に、本発明の効果を損なわない範囲で必要に応じて風味を付与するための種々の食材や添加剤等を配合することができる。このような原料としては、例えば果汁、果肉、ココア、チョコレート、コーヒー、茶類、牛乳や生クリーム等の乳原料、クエン酸、酒石酸、コハク酸、リンゴ酸、酢酸等の有機酸塩、ビタミンA、ビタミンB群、ビタミンC、ビタミンD、ナイアシン等のビタミン類、カルシウム、ナトリウム、カリウム、マグネシウム等のミネラル類又はその塩、香辛料、香料、着色料等が挙げられる。
次に、本発明の加熱済み高糖度ソースの代表的な製造方法を説明する。本発明の加熱済み高糖度ソースは、上述した乳酸発酵卵白を配合する他は、従来の一般的な加熱済高糖度ソースと同様に製造することができる。例えば、まず、上述した乳酸発酵卵白、糖類、清水、及び風味原料等を用意する。続いて、これら原料を混合し加熱処理を施す。
従来の加熱済高度ソースにおいては、原料の糖類を完全に溶解させ、加熱によりソースに良好なフレーバーを付与する程度に加熱処理が行われるが、本発明においては、更に、加熱処理によりソースが適度に増粘してボディー感が改善される効果が得られる。加熱処理の方法としては、特に制限は無く、例えば、撹拌装置付きのニーダー等の加熱処理装置にこれら原料を投入して撹拌しながら加熱する方法や、原料混合液をパウチ等に充填密封した後、湯槽やスチーマーで加熱する方法が挙げられる。また、加熱処理温度としては、ソースが適度に増粘してボディー感が改善される効果が得られ易いことから、品温70℃以上、より好ましくは80℃以上に加熱することが好ましい。加熱処理温度はあまり高すぎても風味が悪くなる場合があることから、好ましくは120℃以下、より好ましくは100℃以下である。
以上のようにして本発明の加熱済高度ソースを得ることができる。得られた本発明の加熱済高度ソースは、ボディー感があり、かつ口どけのよいものとなり、種々のデザートや調理食品等に添えて使用することができる。
以下、本発明について、実施例等に基づき具体的に説明する。なお、本発明は、これらに限定するものではない。
[製造例1]乳酸発酵卵白の製造
液卵白(固形分11.6%)50%、グラニュー糖4%、酵母エキス0.05%、乳酸0.15%及び清水45.8%からなる卵白水溶液を撹拌、調製した。得られた卵白水溶液を品温75℃で5分間保持して加熱した後、乳酸菌スターター0.02%(Lactococcus lactis subsp. lactis、Leuconostoc mesenteroides subsp.cremoris、Streptococcus diacetylactis、Lactococcus lactis subsp.cremoris)を添加し、30℃で24時間発酵を行った後、品温80℃で10分間保持して加熱殺菌し、次いで高圧ホモゲナイザーを用いて10MPaの圧力で処理し、固形分10%の乳酸発酵卵白を得た。
[実施例1]
加熱済高糖度ソース100gを製造した。つまり、還元澱粉糖化物(日研化学(株)製、「エスイー100」、4糖以上の糖類が糖組成の約70%、固形分約70%)80%、乳酸発酵卵白(製造例1で調製したもの、固形分約10%)20%の混合液を製し、この混合液をパウチに充填して90℃の湯中に60分間浸漬して加熱処理した。加熱処理により品温は90℃まで上昇した。加熱処理後冷却して本発明の加熱済高糖度ソースを得た。なお、加熱処理前の混合液の粘度は620mPa・sであり、得られた加熱済高糖度ソースの粘度は960mPa・s、ブリックスは59%であった。また、糖類の配合量は製品に対し固形分換算で57%であり、4糖以上の糖類が糖組成の60%以上をしめる還元澱粉糖化物の配合量は製品に配合する糖類の合計量に対し固形分換算で70%以上であった。
[比較例1]
加熱済高糖度ソース100gを製造した。つまり、実施例1の加熱済高糖度ソースにおいて、乳酸発酵卵白に変えて殺菌ヨーグルト(明治乳業(株)製「メリーソフト」、固形分約12.3%)を配合した以外は同様な方法で加熱済高糖度ソースを製造した。なお、加熱処理前の混合液の粘度は580mPa・sであり、得られた加熱済高糖度ソースの粘度は580mPa・s、ブリックスは61%であった。
[比較例2]
実施例1の加熱済高糖度ソースにおいて、乳酸発酵卵白に変えて卵白(固形分約11.6%)を配合した以外は同様な方法で加熱済高糖度ソースを製造した。得られたものは加熱処理により卵白が凝集してしまっていた。
[比較例3]
加熱済高糖度ソース100gを製造した。つまり、還元澱粉糖化物(日研化学(株)製、「エスイー100」、4糖以上の糖類が糖組成の約70%、固形分70%)80%、馬鈴薯澱粉3%、清水17%の混合液を製し、この混合液を鍋に入れゆっくり撹拌しながら品温90℃まで加熱して加熱済高糖度ソースを得た。なお、加熱処理前の混合液の粘度は640mPa・sであり、得られた加熱済高糖度ソースの粘度の粘度は720mPa・s、ブリックスは61%であった。
[試験例1]
実施例1並びに比較例1及び3で得られた加熱済高糖度ソースについて、下記評価方法により食感を評価した。結果を表1に示す。
<食感の評価方法>
実施例1の加熱済高糖度ソースにおいて、乳酸発酵卵白を配合せずその減少分は清水を配合して補正した以外は同様な方法で対照品の加熱済高糖度ソースを製造した。実施例1並びに比較例1及び3で得られた加熱済高糖度ソースについてこの対照品と比較して下記評価基準によりボディー感及び口どけを評価した。
ボディー感の評価基準
A:対照品に比べてボディー感がある。
B:対照品に比べてややボディー感がある。
C:対照品に比べてわずかにボディー感がある。
D:対照品と同等のボディー感である。
口どけの評価基準
A:対照品と同様に口どけがよい。
B:対照品に比べてやや口どけが悪いが問題のない程度である。
C:対照品に比べてややべたついて口どけが悪い。
D:対照品に比べてべたついて口どけが大変悪い。
Figure 2010213623
表1より、乳酸発酵卵白を配合した実施例1の加熱済高糖度ソースは、対照品に比べてボディー感があり、また、対照品と同様に口どけのよいものであったが、乳酸発酵卵白に変えて殺菌ヨーグルトを配合した比較例1の加熱済高糖度ソースは、ボディー感がないものであった。また、乳酸発酵卵白に変えて澱粉を配合した比較例3の加熱済高糖度ソースは、対照品に比べてわずかにボディー感があったものの、べたついて口どけが悪いものであった。
[実施例2]
加熱済高糖度ソース100gを製造した。つまり、還元澱粉糖化物(日研化学(株)製、「スイートNT」、4糖以上の糖類が糖組成の約70%、7糖以上の糖類が糖組成の約23%、固形分約70%)80%、乳酸発酵卵白(製造例1で調製したもの、固形分約10%)20%の混合液を製し、この混合液をパウチに充填して90℃の湯中に60分間浸漬して加熱処理した。加熱処理により品温は90℃まで上昇した。加熱処理後冷却して本発明の加熱済高糖度ソースを得た。なお、加熱処理前の混合液の粘度は180mPa・sであり、得られた加熱済高糖度ソースの粘度は480mPa・s、ブリックスは60%であった。また、糖類の配合量は製品に対し固形分換算で57%であり、4糖以上の糖類が糖組成の60%以上をしめる還元澱粉糖化物の配合量は製品に配合する糖類の合計量に対し固形分換算で70%以上であった。
[実施例3]
加熱済高糖度ソース100gを製造した。つまり、直鎖オリゴ糖(日本食品化工(株)製、「フジオリゴ67」、4糖以上の糖類が糖組成の約70%、固形分約75%)80%、乳酸発酵卵白(製造例1で調製したもの、固形分約10%)20%の混合液を製し、パウチに充填後90℃の湯中で60分間加熱処理した。加熱処理により品温は90℃まで上昇した。加熱処理後冷却して本発明の加熱済高糖度ソースを得た。なお、加熱処理前の混合液の粘度は820mPa・sであり、得られた加熱済高糖度ソースの粘度は1300mPa・s、ブリックスは63%であった。また、糖類の配合量は製品に対し固形分換算で61%であり、4糖以上の糖類が糖組成の60%以上をしめる還元澱粉糖化物の配合量は製品に配合する糖類の合計量に対し固形分換算で70%以上であった。
[実施例4]
加熱済高糖度ソース100gを製造した。つまり、還元澱粉糖化物(日研化学(株)製、「エスイー600」、2糖以下の糖類が糖組成の約75%、固形分約70%)80%、乳酸発酵卵白(製造例1で調製したもの、固形分約10%)20%の混合液を製し、この混合液をパウチに充填して90℃の湯中に60分間浸漬して加熱処理した。加熱処理により品温は90℃まで上昇した。加熱処理後冷却して本発明の加熱済高糖度ソースを得た。なお、加熱処理前の混合液の粘度は60mPa・sであり、得られた加熱済高糖度ソースの粘度は120mPa・s、ブリックスは58%であった。また、糖類の配合量は製品に対し固形分換算で57%であった。
[実施例5]
カラメルソース100kgを製造した。つまり、まず、鍋にスクロース4kg、水1.5kgを投入して火にかけ煮詰め、こげ色が付いたら湯2kgを投入し、カラメルを得た。続いて、バキュームニーダーに下記の配合割合の還元澱粉糖化物(日研化学(株)製、「エスイー100」、4糖以上の糖類が糖組成の約70%、固形分70%)、ソルビトール、スクロース、乳酸発酵卵白(製造例1で調製したもの、固形分約10%)、前記得られたカラメル及び清水を投入し、撹拌しながら品温90℃まで加熱処理後冷却して本発明の加熱済高糖度ソースを得た。なお、得られたカラメルソースのブリックスは70%であった。また、糖類の配合量は固形分換算で61%であり、4糖以上の糖類が糖組成の60%以上をしめる還元澱粉糖化物配合量は製品に配合する糖類の合計量に対し固形分換算で50%以上であった。
<カラメルソースの配合割合>
還元澱粉糖化物 40%
ソルビトール 10%
スクロース 20%
乳酸発酵卵白(製造例1で調製) 20%
カラメル 5%
清水 5%
――――――――――――――――――――――――
合計 100%
以上の実施例2〜5で製造した加熱済高糖度ソースについて、以下のようにボディー感及び口どけを評価した。つまり、まず、実施例2〜5の各加熱済高糖度ソースについて、乳酸発酵卵白を配合せず、その減少分は清水の配合量を増やして補正した以外は同様な方法で対照品の加熱高糖度ソースを製造した。続いて、実施例2〜5で製造した各加熱済高糖度ソースについてそれぞれの対照品と比較したボディー感及び口どけを試験例1の評価基準と同様の基準で評価したところ、実施例2〜5のいずれの加熱済高糖度ソースも対照品に比べてボディー感があり、また、口どけも対照品同様によく好ましいものであった。

Claims (2)

  1. ブリックス(Brix)が50〜85%の加熱済高糖度ソースに乳酸発酵卵白が配合されていることを特徴とする加熱済高糖度ソース。
  2. 4糖以上の糖類が糖組成の60%以上をしめるオリゴ糖、澱粉糖化物、またはこれらの還元物の少なくとも一種以上が配合されている請求項1記載の加熱済高糖度ソース。
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