JP2010199116A - 薄膜トランジスタ、その製造方法、表示装置、及び半導体装置 - Google Patents

薄膜トランジスタ、その製造方法、表示装置、及び半導体装置 Download PDF

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Abstract

【課題】良好なトランジスタ特性を有する薄膜トランジスタ、その製造方法、表示装置、及び半導体装置を提供すること
【解決手段】本発明にかかる薄膜トランジスタは、基板上に形成されたゲート電極2と、ゲート電極を覆うゲート絶縁膜3と、ゲート絶縁膜3上に形成され、ゲート電極2の対面に配置された半導体層4と、半導体層4上に、n型不純物を含むn型オーミックコンタクト層6を介して形成された、ソース電極7及びドレイン電極8と、ソース電極7の下のn型オーミックコンタクト層6と半導体層4との間、ドレイン電極8の下のn型オーミックコンタクト層6と半導体層4との間にそれぞれ形成されたp型半導体層5と、を備えるものである。
【選択図】図2

Description

本発明は薄膜トランジスタ、その製造方法、表示装置、及び半導体装置に関し、特に詳しくは逆スタガ型の薄膜トランジスタ、その製造方法、表示装置、及び半導体装置に関する。
従来からの一般的な薄型パネルのひとつである液晶表示装置(Liquid Crystal Display:LCD)は、低消費電力や小型軽量といったメリットを活かしてパーソナルコンピュータや携帯情報端末機器のモニターなどに広く用いられている。近年では、LCDは、ブラウン管に代わってTV用途としても広く用いられるようになっている。また、EL(Electro-Luminescence)素子のような発光体を画素表示部に用いた電界発光型EL表示装置も、次世代の薄型パネル用デバイスとして用いられるようになってきている。電界発光型EL表示装置では、自発光型で広視野角、高コントラスト、高速応答といったLCDにはない特徴を活かすことで、LCDで問題となる視野角やコントラストの制限、動画対応の高速応答への追従が困難といった問題点がクリアされている。
このような表示装置に画素スイッチング素子として用いられる薄膜トランジスタ(Thin Film Transistor:TFT)には、半導体膜を用いたMIS構造が多く採用されている。TFTの構造は逆スタガ型やトップゲート型、TFTに用いられる半導体膜は非晶質半導体膜や多結晶半導体膜といったものが主に知られているが、これらは表示装置の用途や性能により適宜選択される。特に、移動度の大きな結晶性を有する半導体膜を用いたTFTは、画素スイッチング素子を駆動するための駆動回路を基板上に形成することもできるため、高価な単結晶半導体を用いた外付けICの点数を減らすことができる利点がある。
結晶性を有する半導体膜の形成方法としては、非晶質半導体膜を形成した後にレーザー光を照射することによって半導体膜を多結晶化する方法が知られている。多結晶化した半導体膜を用いたTFTとして、例えば特許文献1に、ゲート絶縁膜と接する側に形成された多結晶シリコン膜にアモルファスシリコン膜を積層した半導体層を用いたTFTが開示されている。特許文献1に開示された従来のTFTは、ゲート電極上にSiN膜あるいはSiO膜からなるゲート絶縁膜を形成し、さらにゲート絶縁膜に接する側から多結晶シリコン膜とアモルファスシリコン膜とを積層した、バックチャネルエッチ型のものである。多結晶シリコン膜は、アモルファスシリコン膜にエキシマレーザーを照射することによって形成される。
しかしながら、特許文献1のように、多結晶シリコン膜とアモルファスシリコン膜との積層構造による半導体層を用いた従来のTFTは、次のような問題点がある。図8は、従来技術に係るTFTのオフ電流を説明するためのエネルギーバンド図である。特許文献1では、チャネルとなるシリコン膜が結晶化されているため、バンドギャップが小さく、抵抗値が低くなる。また、オフ時にソース端が高電界になるために、ソースとチャネルとのPN接合による空乏層幅が狭くなる。したがって、図8に示すように、ソース−チャネル間において、チャネル領域の価電子帯からソース領域の伝導帯へ容易にトンネリングしてリーク電流が流れるので、ゲート逆バイアス印加時に流れる電流(オフ電流)が大きくなる。例えば、このようなオフ電流の大きいTFTを画素電極への電圧書き込みのための画素スイッチング素子として用いた場合には、電圧の保持が不十分となり表示品質を低下させる要因となる。
特許文献1のような多結晶シリコン膜とアモルファスシリコン膜との積層構造による半導体層を用いたものではないが、特許文献2に、オフ時のリーク電流を低減するための技術が開示されている。特許文献2では、エッチングストッパ型のTFTにおいて、半導体層となるシリコン膜上に、1〜50ppmのボロンを含むシリコン膜を積層することで、オフ時のリーク電流を低減する方法が考えられている。すなわち、活性層となるシリコン膜の膜厚を薄く形成することによってチャネル層の抵抗を大きくするとともに、チャネル保護膜となるSiN膜とのエッチング選択性を考慮して不純物(ボロン)を添加したシリコン膜を積層することによってキャリア移動度を低下させている。これにより、オフ時のリーク電流を低減するものである。
ただし、特許文献2では、p型不純物であるボロンが添加されたシリコン膜は、半導体層となるシリコン膜上の全体に亘って積層形成されている。すなわち、特許文献2の半導体層は、互いにしきい値電圧Vthの異なる、真性シリコン膜とp型シリコン膜とが積層された構造となっている。このため、例えばバックチャネル側に固定電荷が発生した場合には、しきい値電圧Vthの異なるTFTが動作することとなり、オフ電流が増大するといった問題が生じることとなる。さらに、特許文献2では、エッチングストッパ型のTFTであるため、エッチングストッパとなるチャネル保護膜を形成するための写真製版(マスク)工程が必要となる。そのため、アレイ製造工程全体として製造工程数が増加し、生産性が大きく低下することとなる。
また、特許文献1では、多結晶シリコン膜と接するゲート絶縁膜にSiN膜を用いる場合、次のような問題点がある。図9は、ゲート絶縁膜にSiN膜を用いた従来のTFTにおける、半導体層−ゲート絶縁膜界面の構造を示す断面TEM写真である。
多結晶シリコン膜と接するゲート絶縁膜にSiN膜を用いた場合、図9に示すように、半導体層とゲート絶縁膜との界面(以下、半導体層−ゲート絶縁膜界面)に、非晶質と結晶が混在した層(以下、非晶質−結晶混在層)が形成されてしまう。これは、半導体膜を多結晶化する際のレーザー照射時にSiN膜が熱的なダメージを受けるとともに、SiN膜中のNが半導体層中に取り込まれるからである。この非晶質−結晶混在層には固定電荷が発生していると考えられ、ゲート絶縁膜界面までシリコン膜を結晶化するような照射エネルギー密度でレーザー照射すると、しきい値電圧Vthがシフトしてしまう。
一方、ゲート絶縁膜への熱的なダメージを低減するためにレーザー照射時のエネルギー密度を低く設定すると、シリコン膜を十分に結晶化することができない。したがって、S値の増大や移動度の低下を招き、さらには外部電圧を印加してTFTを動作させるとシリコン膜中の弱接合起因と思われるしきい値電圧Vthのシフトが発生する。そのため、このような結晶化が不十分なシリコン膜を用いたTFTは、駆動回路を形成するには適さない。
特開平5−63196号公報 特開平5−7000号公報
本発明は、上記のような問題点を解決するためになされたものであり、良好なトランジスタ特性を有する薄膜トランジスタ、その製造方法、表示装置、及び半導体装置を提供することを目的とする。
本発明にかかる薄膜トランジスタは、基板上に形成されたゲート電極と、前記ゲート電極を覆うゲート絶縁膜と、前記ゲート絶縁膜上に形成され、前記ゲート電極の対面に配置された半導体層と、前記半導体層上に、n型不純物を含むオーミックコンタクト層を介して形成された、ソース電極及びドレイン電極と、前記ソース電極の下の前記オーミックコンタクト層と前記半導体層との間、前記ドレイン電極の下の前記オーミックコンタクト層と前記半導体層との間にそれぞれ形成されたp型半導体層と、を備えるものである。
また、本発明にかかる薄膜トランジスタの製造方法は、基板上に、ゲート電極を形成する工程と、前記ゲート電極を覆うゲート絶縁膜を形成する工程と、前記ゲート絶縁膜上に、半導体層、p型不純物を含むp型半導体層、及びn型不純物を含むオーミックコンタクト層がこの順に積層された積層膜を形成する工程と、前記積層膜をパターニングする工程と、パターニングされた前記積層膜上に、ソース電極及びドレイン電極を形成する工程と、前記ソース電極及び前記ドレイン電極をマスクとして、前記オーミックコンタクト層と前記p型半導体層とをエッチングする工程と、を備えるものである。
本発明によれば、良好なトランジスタ特性を有する薄膜トランジスタ、その製造方法、表示装置、及び半導体装置を提供することができる。
本実施の形態に係る表示装置に用いられるTFT基板の構成を示す正面図である。 本実施の形態に係るTFTの構成を示す断面図である。 本実施の形態に係るTFTのオフ電流を説明するためのエネルギーバンド図である。 本実施の形態のTFTのオフ電流を従来技術のTFTのオフ電流と比較して示すグラフである。 本実施の形態に係る表示装置に用いられるTFT基板の製造工程を示した断面図である。 本実施の形態に係る表示装置に用いられるTFT基板の製造工程を示した断面図である。 本実施の形態に係るTFTにおける半導体層−ゲート絶縁膜界面の構造を示す断面TEM写真である。 従来技術に係るTFTのオフ電流を説明するためのエネルギーバンド図である。 ゲート絶縁膜にSiN膜を用いた従来のTFTにおける半導体層−ゲート絶縁膜界面の構造を示す断面TEM写真である。
以下、図面を参照して本発明の実施の形態について説明する。説明の明確化のため、以下の記載及び図面は、適宜、省略及び簡略化がなされている。また、説明の明確化のため、必要に応じて重複説明は省略されている。尚、各図において同一の符号を付されたものは同様の要素を示しており、適宜、説明が省略されている。
初めに、図1を用いて、本実施の形態に係るTFTが適用される表示装置について説明する。図1は、本実施の形態に係る表示装置に用いられるTFT基板の構成を示す正面図である。本発明に係る表示装置は、液晶表示装置を例として説明するが、あくまでも例示的なものであり、有機EL表示装置等の平面型表示装置(フラットパネルディスプレイ)等を用いることも可能である。
本実施の形態に係る表示装置は、TFT基板100を有している。TFT基板100は、例えば、TFTがアレイ状に配列形成されたTFTアレイ基板である。TFT基板100には、表示領域101と表示領域101を囲むように設けられた額縁領域102とが設けられている。この表示領域101には、複数のゲート配線(走査信号線)103と複数のソース配線(表示信号線)104とが形成されている。複数のゲート配線103は平行に設けられている。同様に、複数のソース配線104は平行に設けられている。ゲート配線103とソース配線104とは、互いに交差するように形成されている。ゲート配線103とソース配線104とは直交している。そして、隣接するゲート配線103とソース配線104とで囲まれた領域が画素107となる。従って、TFT基板100では、画素107がマトリクス状に配列される。また、表示領域101には、複数の保持容量配線(図示せず)が形成されている。複数の保持容量配線は平行に設けられている。保持容量配線は、隣接するゲート配線103間に配置されている。保持容量配線とゲート配線103は互いに略平行となるように配設されている。
さらに、TFT基板100の額縁領域102には、走査信号駆動回路105と表示信号駆動回路106とが設けられていてもよい。ゲート配線103は、表示領域101から額縁領域102まで延設されている。ゲート配線103は、TFT基板100の端部で、走査信号駆動回路105に接続される。ソース配線104も同様に、表示領域101から額縁領域102まで延設されている。ソース配線104は、TFT基板100の端部で、表示信号駆動回路106と接続される。走査信号駆動回路105の近傍には、外部配線108が接続されている。また、表示信号駆動回路106の近傍には、外部配線109が接続されている。外部配線108、109は、例えば、FPC(Flexible Printed Circuit)等の配線基板である。
外部配線108、109を介して走査信号駆動回路105、及び表示信号駆動回路106に外部からの各種信号が供給される。走査信号駆動回路105は外部からの制御信号に基づいて、ゲート信号(走査信号)をゲート配線103に供給する。このゲート信号によって、ゲート配線103が順次選択されていく。表示信号駆動回路106は外部からの制御信号や、表示データに基づいて表示信号をソース配線104に供給する。これにより、表示データに応じた表示電圧を各画素107に供給することができる。
画素107内には、少なくとも1つのTFT50と、保持容量51とが形成されている。TFT50はソース配線104とゲート配線103の交差点近傍に配置される。例えば、このTFT50が画素電極に表示電圧を供給するためのスイッチング素子となる。すなわち、ゲート配線103からのゲート信号によって、スイッチング素子であるTFT50がオンする。これにより、ソース配線104から、TFT50のドレイン電極に接続された画素電極に表示電圧が印加される。そして、画素電極と対向電極との間に、表示電圧に応じた電界が生じる。また、保持容量51は、一端がTFT50と接続され、他端が保持容量配線を介して対向電極と電気的に接続される。したがって、保持容量51は、画素電極と対向電極との間の容量と並列に接続されている。保持容量51により、画素電極に表示電圧が印加されない場合でも、画素電極の電荷を保持し続けることができる。なお、TFT基板100の表面には、配向膜(図示せず)が形成されている。
更に、TFT基板100には、対向基板が対向して配置されている。対向基板は、例えば、カラーフィルタ基板であり、視認側に配置される。対向基板には、カラーフィルタ、ブラックマトリクス(BM)、対向電極、及び配向膜等が形成されている。なお、対向電極は、TFT基板100側に配置される場合もある。そして、TFT基板100と対向基板との間に液晶層が狭持される。即ち、TFT基板100と対向基板との間には液晶が注入されている。更に、TFT基板100と対向基板との外側の面には、偏光板、及び位相差板等が設けられる。また、液晶表示パネルの反視認側には、バックライトユニット等が配設される。
画素電極と対向電極との間の電界によって、液晶が駆動される。即ち、基板間の液晶の配向方向が変化する。これにより、液晶層を通過する光の偏光状態が変化する。即ち、偏光板を通過して直線偏光となった光は液晶層によって、偏光状態が変化する。具体的には、バックライトユニットからの光は、TFT基板100側の偏光板によって直線偏光になる。そして、この直線偏光が液晶層を通過することによって、偏光状態が変化する。
従って、偏光状態によって、対向基板側の偏光板を通過する光量が変化する。即ち、バックライトユニットから液晶表示パネルを透過する透過光のうち、視認側の偏光板を通過する光の光量が変化する。液晶の配向方向は、印加される表示電圧によって変化する。従って、表示電圧を制御することによって、視認側の偏光板を通過する光量を変化させることができる。即ち、画素ごとに表示電圧を変えることによって、所望の画像を表示することができる。
続いて、本実施の形態に係るTFTの構成について、図2を用いて説明する。図2は、本実施の形態に係るTFTの構成を示す断面図である。図2は、TFT基板100に設けられた画素スイッチング用のTFT50の断面構成を示している。
図2において、ガラスや石英等の光透過性を有する絶縁性の基板1上に、ゲート電極2が形成されている。ゲート電極2は、例えば、アルミニウムを主成分とする金属膜である。ここでは、基板1として無アルカリガラス基板を用い、アルミニウムに、ニッケルとネオジウムが所定量添加された合金膜からなるゲート電極2が約200nmの膜厚で形成されている。なお、ゲート電極2は、断面が基板1に対して下部から上部にかけて幅が狭くなる台形状、すなわち端面が順テーパー形状となるように形成されていることが望ましい。これにより、ゲート電極2の上に形成される絶縁膜のゲート電極2の端部における被覆性が良好となり、絶縁耐圧を向上させることができる。
ゲート電極2を覆うように、ゲート絶縁膜3が設けられている。このゲート絶縁膜3は、窒化シリコン膜(SiN膜)からなる第1ゲート絶縁膜31の上に、酸化シリコン膜(SiO膜)からなる第2ゲート絶縁膜32が積層された積層構造を有している。ここでは、例えば、膜厚約350nmの第1ゲート絶縁膜31と、膜厚約50nmの第2ゲート絶縁膜32とが形成されている。詳細については後述するが、ゲート絶縁膜3をこのような積層膜とすることによって、生産性を低下させることなく、後述する半導体層4との界面に非晶質−結晶混在層が形成されるのを防止することができる。
ゲート絶縁膜3の上には、真性半導体層4が形成されている。この半導体層4は、ゲート絶縁膜3を介してゲート電極2の対面に設けられている。本実施の形態では、半導体層4は、第2ゲート絶縁膜32と接する側の界面部に、結晶性を有する半導体膜が形成されている。具体的には、半導体層4は、結晶性を有する半導体膜からなる第1半導体層41の上に、非晶質半導体膜からなる第2半導体層42が積層された積層構造を有している。第1半導体層41は、半導体層4のゲート絶縁膜3側に配設されている。すなわち、第2半導体層42とゲート絶縁膜3との間に第1半導体層41が配設されている。ここでは、例えば、第1半導体層41として膜厚約40nmの多結晶シリコン、第2半導体層42として膜厚約150nmのアモルファスシリコン(i−a−Si)がそれぞれ形成されている。このように、本実施の形態では、半導体層4のゲート絶縁膜3側に結晶性を有する半導体膜である第1半導体層41が配設されているので、半導体層4が非晶質半導体膜のみによって構成される場合よりも、キャリア移動度が高く、信頼性に優れたTFT50とすることができる。
そして、半導体層4の上に、p型の不純物が導入されたp型半導体層5と、n型の不純物が導入されたn型オーミックコンタクト層6とが形成されている。具体的には、半導体層4と接する側にp型半導体層5が形成され、このp型半導体層5の上にn型オーミックコンタクト層6が積層形成されている。すなわち、n型オーミックコンタクト層6と略同じ平面形状のp型半導体層5が、n型オーミックコンタクト層6と半導体層4の間に形成されている。p型半導体層5とn型オーミックコンタクト層6は、TFT50のチャネル領域を除く半導体層4上の略全面に配設されている。
ここでは、p型半導体層5は、例えばボロン(B)等のp型不純物が含有された非晶質シリコン(p−a−Si)などによって、約20nmの膜厚で形成されている。また、n型オーミックコンタクト層6は、例えばリン(P)等のn型不純物が高濃度にドーピングされた非晶質シリコン(n−a−Si)などによって、約30nmの膜厚で形成されている。
半導体層4のうち、n型オーミックコンタクト層6に対応する半導体層4の領域は、ソース・ドレイン領域となる。具体的には、図2中の左側のn型オーミックコンタクト層6に対応する半導体層4の領域がソース領域となる。そして、図2中の右側のn型オーミックコンタクト層6に対応する半導体層4の領域がドレイン領域となる。このように、TFT50を構成する半導体層4の活性領域の両端にはソース・ドレイン領域が形成されている。そして、半導体層4のソース・ドレイン領域に挟まれた領域がチャネル領域となる。半導体層4のチャネル領域上には、p型半導体層5とn型オーミックコンタクト層6は形成されていない。
n型オーミックコンタクト層6の上に、ソース電極7とドレイン電極8とが形成されている。具体的には、半導体層4のソース領域側のn型オーミックコンタクト層6上に、ソース電極7が形成されている。そして、ドレイン領域側のn型オーミックコンタクト層6の上に、ドレイン電極8が形成されている。このように、バックチャネルエッチ逆スタガ型のTFT50が構成されている。そして、ソース電極7及びドレイン電極8は、半導体層4のチャネル領域の外側へ延在するように形成されている。すなわち、ソース電極7及びドレイン電極8は、n型オーミックコンタクト層6と同様、半導体層4のチャネル領域上には形成されない。ここでは、ソース電極7及びドレイン電極8は、例えば、Cr等の金属膜によって約200nmの膜厚で形成されている。なお、ソース電極7は、ソース配線104の一部の領域がソース電極7として機能するよう、ソース配線104と一体的に形成されていてもよい。
ソース電極7、ドレイン電極8、及び半導体層4を覆うように、層間絶縁膜9が設けられている。この層間絶縁膜9には、ドレイン電極8に到達するコンタクトホール9aが開口されている。層間絶縁膜9は、例えば、膜厚約300nmの窒化シリコン膜(SiN膜)である。
そして、層間絶縁膜9の上には、コンタクトホール9aを介してドレイン電極8と接続する画素電極10が設けられている。画素電極10は、ITOやIZOなどの透明性を有する導電膜によって形成されている。
ここで、このように構成された本実施の形態にかかるTFT50のオフ電流について、図3及び図4を参照して説明する。図3は、本実施の形態に係るTFT50のオフ電流を説明するためのエネルギーバンド図である。また、図4は、本実施の形態のTFT50のオフ電流Ioffを特許文献1に開示された従来技術のTFTのオフ電流Ioffと比較して示すグラフである。
本実施の形態のTFT50は、上述したように、n型オーミックコンタクト層6と半導体層4との間にp型半導体層5が形成された構成となっている。このような構成により、オフ時において高電界となるソース領域端において、空乏層幅が狭くなることを抑制できる。そのため、図3に示すように、チャネル領域の価電子帯からソース領域の伝導帯への電子のトンネリングが生じにくくなり、リーク電流の発生が抑制される。よって、ゲート逆バイアス印加時に流れる電流(オフ電流)が低減される。また、本実施の形態では、p型半導体層5が、チャネル領域を挟んでソース領域側とドレイン領域側とに完全に分離して形成された構成となっているため、p型半導体層5がバックチャネル側に形成されていることに起因してオフ電流が増大することを防止できる。
これらのことから、図4に示すように、本実施の形態のTFT50は、特許文献1に開示された従来技術のTFTよりも、オフ電流Ioffを低減することができる。すなわち、電流のON/OFF比の大きなTFT50とすることができる。このようなTFT50を画素スイッチング素子として用いた場合には、画素電極の電圧を充分に保持することができ、表示品質の良好な表示装置を得ることができる。
続いて、本実施の形態における表示装置の製造方法について、図5及び図6を用いて説明する。図5及び図6は、本実施の形態に係る表示装置に用いられるTFT基板100の一製造工程を示した断面図である。
まず初めに、ガラスや石英などの光透過性を有する絶縁性の基板1上に、ゲート電極2となる導電膜を成膜する。ゲート電極2となる導電膜には、アルミニウムを主成分とする金属膜を用いることが好ましい。ここでは、基板1として無アルカリガラス基板を用い、DCマグネトロンスパッタ法などにより、アルミニウムにニッケルとネオジウムを所定量添加した合金膜を、ゲート電極2となる導電膜として基板1全面に、約200nmの膜厚で成膜する。次に、公知の写真製版法により、成膜した導電膜の上にレジストパターンを形成し、この導電膜をウエットエッチング法により所定の形状にパターニングする。例えば、リン酸を主成分とするエッチング液を用いてウエットエッチングを行う。その後、レジストパターンを除去する。これにより、図5(a)に示すように、所定の形状のゲート電極2が形成される。なお、ここでは図示していないが、ゲート電極2は、端面が順テーパー形状となるように形成することが望ましい。ゲート電極2をこのように形成することによって、後の工程で形成される絶縁膜の被覆性が良好となり、絶縁耐圧が向上する。
次に、ゲート電極2を覆うように、ゲート絶縁膜3を形成する。本実施の形態では、第1ゲート絶縁膜31と第2ゲート絶縁膜32とをこの順に成膜する。例えば、プラズマCVD法を用いて、第1ゲート絶縁膜31としてSiN膜を約350nmの厚さで基板1全面に成膜する。その後、さらに、プラズマCVD法を用いて、第2ゲート絶縁膜32としてSiO膜を約50nmの厚さで基板1全面に成膜する。これにより、SiN膜からなる第1ゲート絶縁膜31の上に、SiO膜からなる第2ゲート絶縁膜32が積層された積層膜がゲート絶縁膜3として形成される。
続いて、ゲート絶縁膜3の上に、第1半導体層41を形成する。本実施の形態では、まず、第1半導体層41を形成するための非晶質半導体膜を成膜する。例えば、プラズマCVD法を用いて、非晶質半導体膜としてシリコン膜を約40nmの膜厚で基板1全面に成膜する。プラズマCVD法にて成膜した非晶質半導体膜は膜中に水素が多量に含有されるため、水素量を低減するための処理として、高温中でアニールを行うことが好ましい。ここでは、窒素雰囲気の低真空状態で保持したチャンバ内を400℃に加熱し、このチャンバ内に、非晶質半導体膜を成膜した基板を30分間保持する。このような処理を行っておくことにより、後述する非晶質半導体膜の結晶化工程において、温度上昇に伴う水素の急激な脱離による半導体膜表面の荒れが発生することを抑制できる。
次に、成膜した非晶質半導体膜を結晶化する。具体的には、窒素などの不活性ガスを吹き付けて非晶質半導体膜の表面の酸素濃度を低下させてから、レーザー光15を非晶質半導体膜に照射する。非晶質半導体膜に照射するレーザー光15は、所定の光学系を通して線状のビーム形状にしたものを用いる。レーザー光15が照射されると、非晶質半導体膜は一旦溶融し、結晶性を有する半導体膜へと変換される。
このとき、本実施の形態では、レーザー光15の照射される非晶質半導体膜が、SiO膜からなる第2ゲート絶縁膜32の上に形成されているため、非晶質半導体膜中へN取り込み等が発生することなく、非晶質半導体膜を結晶化するために充分なエネルギー密度でレーザー照射することができる。したがって、ゲート絶縁膜3との界面まで非晶質半導体膜を結晶化することができ、ゲート絶縁膜3との界面に非晶質−結晶混在層が形成されることを防止できる。
ここでは、レーザー光15として、エキシマレーザー(発振波長:308nm)を用いる。また、レーザー光15のビーム形状は、約400μm×200mmの線状ビーム形状とし、照射エネルギーを250mJ/cm、走査の送りピッチを15μmとする。このような照射エネルギーで、複数回にわたって非晶質半導体膜にレーザー光15を照射することにより、ゲート絶縁膜3との界面まで非晶質半導体膜を結晶化することができる。これにより、非晶質半導体膜が結晶化され、図5(b)に示すように、多結晶半導体膜からなる第1半導体層41が形成される。
次に、基板1をフッ酸系の薬液で洗浄して結晶化した第1半導体層41表面の自然酸化膜を除去する。その後、第1半導体層41の上に、下から、非晶質半導体膜からなる第2半導体層42、p型の不純物を含む非晶質半導体膜からなるp型半導体層5、n型の不純物を含む非晶質半導体膜からなるn型オーミックコンタクト層6の順に積層形成する。ここでは、プラズマCVD法を用いて、第2半導体層42として膜厚約150nmのアモルファスシリコン(i−a−Si)、p型半導体層5として膜厚約20nmのボロンを含むアモルファスシリコン(p−a−Si)、及びn型オーミックコンタクト層6として膜厚約30nmのリンを含むアモルファスシリコン(n−a−Si)を、順次、基板1全面に成膜する。
なお、第2半導体層42、p型半導体層5、及びn型オーミックコンタクト層6の形成方法は、上記方法に限るものではない。例えば、第1半導体層41上に、非晶質半導体膜とn型オーミックコンタクト層6とを順次成膜した後に、公知のイオン注入法を用いてp型不純物を非晶質半導体膜に導入してもよい。これにより、成膜された非晶質半導体膜の上部にp型半導体層5を形成し、非晶質半導体膜を第2半導体層42とp型半導体層5にする。あるいは、第1半導体層41の上に、非晶質半導体膜を成膜した後に、公知のイオン注入法を用いてn型不純物とp型不純物とを所定の加速電圧、ドーズ量で非晶質半導体膜に導入してもよい。これにより、成膜された非晶質半導体膜の上部にn型オーミックコンタクト層6とp型半導体層5とを形成し、非晶質半導体膜を第2半導体層42とp型半導体層5とn型オーミックコンタクト層6とにする。
ボロンを含有したp型半導体層5をプラズマCVD法で成膜する場合、ジボランガスを用いるが、このジボランガスは分解しやすいため、プラズマ放電までの間に基板1上に付着して異物の原因となり得る。一方、イオン注入法を用いてボロンを含有したp型半導体層5を形成する場合には、異物が膜中に混入することがないため、イオン注入法を用いることが好ましい。また、プラズマCVD法を用いた場合には、成膜される膜の膜厚分布が発生するため、不純物含有層の膜厚ばらつきが発生する。一方、イオン注入法では加速電圧が決まれば、不純物深さは一意に決定されるので、不純物含有層の膜厚ばらつきの発生を抑制できる。そのため、イオン注入法を用いることが好ましい。したがって、イオン注入法を用いた場合は、後述するソース・ドレイン電極間のn型オーミックコンタクト層6及びp型半導体層5を除去する工程において、掘り込み量(深さ方向の除去量)のみを管理すれば、ソース領域とドレイン領域とを確実に分離することができる。
イオン注入法を用いる場合は、まずプラズマCVD法を用いて、非晶質半導体膜として、例えば膜厚200nmのアモルファスシリコン(i−a−Si)を成膜し、この非晶質半導体膜にn型不純物及びp型不純物を導入すればよい。例えば、加速電圧10kV、ドーズ量1E+15/cmの条件でn型不純物としてリンを注入し、加速電圧5kV、ドーズ量1E+13/cmの条件でp型不純物としてボロンを注入する。
次に、公知の写真製版法およびドライエッチング法を用いて、n型オーミックコンタクト層6、p型半導体層5、第2半導体層42、及び第1半導体層41を所望のパターンに加工する。ここでは、CFとOの混合ガスを用いてドライエッチングを行う。これにより、図5(c)に示すように、n型オーミックコンタクト層6、p型半導体層5、第2半導体層42、及び第1半導体層41からなる積層膜が島状にパターニングされる。なお、レジストを後退させながらエッチングを行うことによって、積層膜のパターン端部が順テーパー形状となるようにパターニングする。このようにテーパー形状とすることにより、後の工程で形成される金属膜の被覆性が向上し、積層膜のパターン端部での断線を防止できる。
そして、n型オーミックコンタクト層6、p型半導体層5、第2半導体層42、及び第1半導体層41からなる積層膜のパターンを覆うように、ソース電極7及びドレイン電極8となる導電膜を成膜する。ここでは、DCマグネトロンスパッタ法などにより、Cr膜をソース電極7及びドレイン電極8となる導電膜として約200nmの膜厚で成膜する。次に、公知の写真製版法およびウエットエッチング法により、この導電膜を所望のパターンに加工する。ウエットエッチングには、例えば過塩素酸と硝酸セリウムアンモニウムからなるエッチング液を用いる。これにより、図5(d)に示すように、ソース電極7及びドレイン電極8が形成される。
次に、形成したソース電極7及びドレイン電極8をマスクとして、n型オーミックコンタクト層6とp型半導体層5をドライエッチング法によりエッチング除去する。具体的には、n型オーミックコンタクト層6、p型半導体層5、第2半導体層42、及び第1半導体層41からなる積層膜に対して、ソース電極7及びドレイン電極8をマスクとして用いて、所定のエッチング量だけエッチング16を行う。例えば、膜厚30nmのn型オーミックコンタクト層6、膜厚20nmのp型半導体層5、膜厚150nmの第2半導体層42、及び膜厚40nmの第1半導体層41からなる積層膜に対して、エッチング量90nmのエッチング16を行う。すなわち、第2半導体層42は、厚さ方向(深さ方向)に約40nmオーバーエッチングされることとなる。
これにより、図6(e)に示すようにソース電極7とドレイン電極8の間の第2半導体層42が露出し、n型オーミックコンタクト層6とp型半導体層5が、TFT50のチャネル領域を挟んでソース領域とドレイン領域とに完全に分離されることになる。このように、ソース電極7及びドレイン電極8をマスクとして、n型オーミックコンタクト層6及びのソース領域をソース領域上とドレイン領域上とに分離することにより、写真製版工程を増加させることはなく、生産工程を簡略化できる。このため、写真製版工程で消費されるレジストなどの材料を減量化することができる。
その後、これらの上に、層間絶縁膜9を成膜する。例えば、プラズマCVD法を用いて、層間絶縁膜9として約300nmの窒化シリコン膜(SiN膜)を基板1全面に成膜する。これにより、ソース電極7、ドレイン電極8、及びTFT50のチャネル領域が層間絶縁膜9に覆われる。次に、公知の写真製版法およびドライエッチング法を用いて、ドレイン電極8に到達するコンタクトホール9aを形成する。なお、ここでは図示していないが、このとき同時に、ゲート電極2に到達するコンタクトホールとソース電極7に到達するコンタクトホールを、ドレイン電極8に到達するコンタクトホール9aとともに形成する。
次に、このTFT50を画素スイッチング素子として用いる場合には、層間絶縁膜9の上に、画素電極10となる透明導電膜を成膜する。画素電極10となる透明導電膜として、ITOやIZOなどを用いることができる。例えば、Arガス、Oガス、HOガスを混合したガスを用いたDCマグネトロンスパッタ法により、加工性に優れた非晶質の透明導電膜を基板1全面に成膜する。そして、成膜した透明導電膜を公知の写真製版法により所望の形状にパターニングする。ここでは、透明導電膜のエッチングは、シュウ酸を主成分とする薬液を用いたウエットエッチング法により行う。なお、画素電極10としてITOを用いた場合には、この後300℃程度のアニールを行うことにより、透明導電膜を結晶化させてもよい。これにより、図6(f)に示すように、コンタクトホール9aを介してドレイン電極8に接続する画素電極10が形成される。以上の工程を経て、本実施の形態にかかる表示装置に用いられるTFT基板100が完成する。
図7は、このようにして形成されたTFT50における半導体層4−ゲート絶縁膜3界面の構造を示す断面TEM写真である。図7に示すように、本実施の形態のTFT50では、第1半導体層41は、ゲート絶縁膜3との界面に非晶質−結晶混在層が形成されることなく、その界面まで十分に結晶化されていることが分かる。これは、ゲート絶縁膜3の第1半導体層41と接する側に形成されたSiO膜からなる第2ゲート絶縁膜32の上に、非晶質半導体膜を成膜し、この非晶質半導体膜にレーザー光15を照射して結晶化しているためである。すなわち、結晶化の際に、ゲート絶縁膜3中のNが第1半導体層41に取り込まれることなく、非晶質半導体膜をゲート絶縁膜3との界面まで結晶化するために必要なエネルギー密度でレーザー照射することができる。
なお、本実施の形態では、ゲート絶縁膜3がSiN膜からなる第1ゲート絶縁膜31とSiO膜からなる第2ゲート絶縁膜32との積層膜であるとして例示的に説明をしたが、ゲート絶縁膜3の構成や膜厚はこれに限るものではない。要するに、ゲート絶縁膜3は、少なくとも多結晶半導体膜からなる第1半導体層41と接する部分のゲート絶縁膜3がSiO膜で形成された構成であればよい。これにより、半導体層4との界面に非晶質−結晶混在層が形成されるのを防止することができる。
ただし、SiO膜は、ドライエッチングレートが遅いため、ゲート絶縁膜3をSiO膜の単層構造とすると、ゲート絶縁膜3がSiN膜の単層構造の場合と比べて生産性を低下させる虞がある。そのため、本実施の形態のように、ゲート絶縁膜をSiN膜とSiO膜との積層構造とすることで、生産性を低下させることなく、非晶質−結晶混在層の発生を防止できる。すなわち、本実施の形態では、ドライエッチングレートの遅いSiO膜を薄膜化することによって生産性の低下を抑止しながら、ゲート絶縁膜3の絶縁耐圧は比較的ドライエッチングレートが速く、加工性の良いSiN膜を厚膜化することによって確保した構成としている。ゲート絶縁膜3の膜厚や材質は、絶縁耐圧や絶縁膜容量、生産性などを考慮して適宜決定することができる。
以上のように、本実施の形態では、n型オーミックコンタクト層6と半導体層4との間にp型半導体層5を配設している。これにより、オフ時においても高電界となるソース領域端での空乏層幅が狭くなることが抑制され、チャネル領域の価電子帯からソース領域の伝導帯への電子のトンネリングが生じにくくなる。よって、リーク電流の発生が抑制され、ゲート逆バイアス印加時に流れるオフ電流を低減できる。また、このp型半導体層5は、チャネル領域を挟んでソース領域とドレイン領域とに完全に分離して形成されている。そのため、p型半導体層5がバックチャネル側に形成されていることに起因するオフ電流の増大が生じない。したがって、オフ電流を低減することができ、電流のON/OFF比の大きいTFT50を得ることができる。
また、本実施の形態では、ゲート絶縁膜3の半導体層4と接する側に、SiO膜からなる第2ゲート絶縁膜32を形成し、その上に形成した非晶質半導体膜にレーザー光15を照射して結晶化している。このような方法で結晶化を行うと、ゲート絶縁膜3との界面に非晶質−結晶混在層が形成されることなく、その界面まで十分に結晶化することができる。したがって、キャリア移動度が高く、信頼性に優れ、かつ、固定電荷によるしきい値電圧のシフトを抑制できるTFT50を得ることができる。
このように、本実施の形態によれば、良好なトランジスタ特性を有する薄膜トランジスタ、その製造方法、表示装置、及び半導体装置を提供することができる。また、本実施の形態のTFT50は、バックチャネルエッチ型としているため、TFTの製造工程を簡略化することができ、生産性を高くできる。さらに、本実施の形態のTFT50を用いた表示装置及び半導体装置は、素子駆動能力や信頼性が必要となる駆動回路を同一基板上に構成することができる。従って、外部IC点数を減らしてコスト削減を図るとともに、外部IC点数を減らすことによる資源削減を達成できる。
なお、本発明は上記実施の形態に限られたものではなく、趣旨を逸脱しない範囲で適宜変更することが可能である。例えば、上記実施の形態では、本発明にかかるTFT50を液晶表示装置に適用した例について説明したが、本発明はこれに限られるものではない。例えば、有機ELや電子ペーパーなどの、液晶以外の表示材料を用いた表示装置であってもよい。さらに、本発明にかかるTFT50は、表示装置に限らず、半導体装置など他のデバイスにおいても好適に適用することができる。
また、半導体層4は、ゲート絶縁膜3との界面部に結晶性を有する半導体膜を含むものであるとして例示的に説明したが、結晶性を有する半導体膜を含まない構成であってもよい。すなわち、ソース電極7の下のn型オーミックコンタクト層6と半導体層4との間、ドレイン電極8の下のn型オーミックコンタクト層6と半導体層4との間に、それぞれp型半導体層5が形成されていれば、半導体層4の構成は特に限定されるものではない。ただし、ゲート絶縁膜3との界面部に結晶性を有する半導体膜を含む半導体層4を用いたTFT50はオフ電流が大きいため、特に本発明を適用するのに好適である。
1 基板、2 ゲート電極、3 ゲート絶縁膜、
4 半導体層、5 p型半導体層、
6 n型オーミックコンタクト層、
7 ソース電極、8 ドレイン電極、
9 層間絶縁膜、9a コンタクトホール、
10 画素電極、15 レーザー光、16 エッチング、
31 第1ゲート絶縁膜、32 第2ゲート絶縁膜、
41 第1半導体層、42 第2半導体層、
50 TFT、51 保持容量、100 TFT基板、
101 表示領域、102 額縁領域、
103 ゲート配線、104 ソース配線、
105 走査信号駆動回路、106 表示信号駆動回路、
107 画素、108、109 外部配線

Claims (8)

  1. 基板上に形成されたゲート電極と、
    前記ゲート電極を覆うゲート絶縁膜と、
    前記ゲート絶縁膜上に形成され、前記ゲート電極の対面に配置された半導体層と、
    前記半導体層上に、n型不純物を含むオーミックコンタクト層を介して形成された、ソース電極及びドレイン電極と、
    前記ソース電極の下の前記オーミックコンタクト層と前記半導体層との間、前記ドレイン電極の下の前記オーミックコンタクト層と前記半導体層との間にそれぞれ形成されたp型半導体層と、を備える薄膜トランジスタ。
  2. 前記ゲート絶縁膜は、
    前記ゲート電極上に形成されたSiN膜からなる第1ゲート絶縁膜と、
    前記第1ゲート絶縁膜上に形成されたSiO膜からなる第2ゲート絶縁膜と、を有し、
    前記第2ゲート絶縁膜と接する前記半導体層の界面部には、結晶性を有する半導体膜が形成されている請求項1に記載の薄膜トランジスタ。
  3. 請求項1又は2に記載の薄膜トランジスタを用いた表示装置。
  4. 請求項1又は2に記載の薄膜トランジスタを用いた半導体装置。
  5. 基板上に、ゲート電極を形成する工程と、
    前記ゲート電極を覆うゲート絶縁膜を形成する工程と、
    前記ゲート絶縁膜上に、半導体層、p型不純物を含むp型半導体層、及びn型不純物を含むオーミックコンタクト層がこの順に積層された積層膜を形成する工程と、
    前記積層膜をパターニングする工程と、
    パターニングされた前記積層膜上に、ソース電極及びドレイン電極を形成する工程と、
    前記ソース電極及び前記ドレイン電極をマスクとして、前記オーミックコンタクト層と前記p型半導体層とをエッチングする工程と、を備える薄膜トランジスタの製造方法。
  6. 前記p型半導体層に含まれる前記p型不純物は、イオン注入法を用いて導入される請求項5に記載の薄膜トランジスタの製造方法。
  7. 前記ゲート絶縁膜を形成する工程は、
    前記ゲート電極上に、SiN膜からなる第1ゲート絶縁膜を形成する工程と、
    前記第1ゲート絶縁膜上に、SiO膜からなる第2ゲート絶縁膜を形成する工程と、を有し、
    前記半導体層は、少なくとも前記第2ゲート絶縁膜と接する側に、結晶性を有する半導体膜が形成される請求項5又は6に記載の薄膜トランジスタの製造方法。
  8. 前記積層膜を形成する工程は、
    前記第2ゲート絶縁膜上に非晶質半導体膜を形成する工程と、
    前記非晶質半導体膜にレーザー光を照射することによって、前記非晶質半導体膜を前記結晶性を有する半導体膜に変換する工程と、を含む請求項7に記載の薄膜トランジスタの製造方法。
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