JP2010194705A - 半導体用合成石英ガラス基板の加工方法 - Google Patents
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Abstract
【効果】本発明によれば、IC等の製造に重要な光リソグラフィー法において使用されるフォトマスク基板用合成石英ガラス基板等の合成石英ガラスの製造において、比較的簡便でかつ安価な方法でEUVリソグラフィーにも対応可能な平坦度の極めて高い基板を得ることができる。
【選択図】図9
Description
同様に次世代リソグラフィー技術として開発が進められている軟X線波長領域である13.5nmの波長を光源として使用するEUVリソグラフィー技術においても、反射型マスク基板の表面が極めて平坦であることが求められる。EUVリソグラフィー技術に求められるマスク基板表面の平坦度は50nm以下と言われている。
請求項1:
回転型小型加工ツールの研磨加工部を半導体用合成石英ガラス基板表面に1〜500mm2の接触面積で接触させ、基板表面上を前記研磨加工部を回転させながら走査させて、基板表面を研磨することを特徴とする半導体用合成石英ガラス基板の加工方法。
請求項2:
前記加工ツールの回転数が100〜10,000rpmであり、加工圧力が1〜100g/mm2であることを特徴とする請求項1記載の加工方法。
請求項3:
前記加工ツールの研磨加工部による基板表面の研磨を砥粒を供給しながら行うようにしたことを特徴とする請求項1又は2記載の加工方法。
請求項4:
基板表面の法線に対し回転軸が斜め方向である回転型小型加工ツールを用いて研磨することを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項記載の加工方法。
請求項5:
基板表面の法線に対し加工ツールの回転軸の角度が5〜85°であることを特徴とする請求項4記載の加工方法。
請求項6:
前記回転型小型加工ツールによる加工断面がガウシアンプロファイルで近似できる形状であることを特徴とする請求項1〜5のいずれか1項記載の加工方法。
請求項7:
前記加工ツールが基板表面上を一定方向に往復運動し、同時に基板表面と平行な平面上において往復運動する方向に対し垂直方向に所定のピッチで進んで研磨していくことを特徴とする請求項1〜6のいずれか1項記載の加工方法。
請求項8:
前記往復運動が加工ツールの回転軸を基板上に投影した方向と平行に行われることを特徴とする請求項7記載の加工方法。
請求項9:
前記加工ツールが基板表面に接触する際の圧力を所定の値に制御して研磨することを特徴とする請求項1〜8のいずれか1項記載の加工方法。
請求項10:
前記加工ツールによる研磨を行う直前の基板表面の平坦度F1が0.3〜2.0μmであり、加工ツールによる研磨直後の基板表面の平坦度F2が0.01〜0.5μmであり、F1>F2であることを特徴とする請求項1〜9のいずれか1項記載の加工方法。
請求項11:
前記加工ツールの研磨加工部の硬度がA50〜A75(JIS K 6253に準拠)であることを特徴とする請求項1〜10のいずれか1項記載の加工方法。
請求項12:
前記加工ツールで基板表面を加工した後に、枚葉式研磨又は両面研磨を行い、最終仕上げ面の面質及び欠陥品質を向上させることを特徴とする請求項1〜11のいずれか1項記載の加工方法。
請求項13:
前記加工ツールで基板表面を加工した後に行う、加工面の面質及び欠陥品質を向上させることを目的とする研磨工程において、その研磨過程で生じる形状変化を考慮して、予め小型加工ツールで研磨する研磨量を決定して加工することで、最終仕上げ面において高フラットかつ表面完全性の高い面を同時に達成することを特徴とする請求項12記載の加工方法。
請求項14:
前記加工ツールによる加工を基板の両面に行い、厚さばらつきを低減させることを特徴とする請求項1〜13のいずれか1項記載の加工方法。
また、請求項11に規定した特定の硬度を有する小型加工ツールを用いることにより、研磨キズ等の欠陥を少なくし、かつ平坦度の高い基板を取得できる。
この場合、このように研磨加工した後の基板は、0.01〜0.5μm、特に0.01〜0.3μmの平坦度F2(F1>F2)とすることができる。
比較的軟質な加工ツールで本発明の部分研磨を行う場合は、粗研磨加工をして得られたガラス基板に対し、最終的な表面品質を決定する精密研磨を行い、粗研磨加工で入ったキズや加工変質層を取り去った後、本発明の部分研磨を行って表面形状を高平坦に作り込み、更に部分研磨によって生じたごく微小な欠陥やごく浅い加工変質層を除去する目的で短時間、精密研磨を追加して行う。
スライスされたシリカ合成石英ガラス基板原料(6インチ)を、遊星運動を行う両面ラップ機にてラッピングしたあと、遊星運動を行う両面ポリッシュ機にて粗研磨を行い、原料基板を用意した。このとき原料基板の表面平坦度は0.314μmであった。なお、平坦度の測定はTROPEL社製Ultra FlatM200を使用した。そして、このガラス基板を図9に示す装置の基板保持台に装着した。この場合、装置はモーターに加工ツール2を取り付け、回転できる構造で、加工ツール2にエアーで加圧できる構造のものを使用した。図9中7は加圧用精密シリンダー、8は加圧制御用レギュレータである。モーターは小型グラインダー(日本精密機械工作(株)製モータユニットEPM−120,パワーユニットLPC−120)を使用した。また、加工ツールはX,Y軸方向に基板保持台に対してほぼ平行に移動できる構造となっている。加工ツールは研磨加工部が口径20mmφ×口径長25mmの図10に示す砲弾型のフェルトバフツール(日本精密機械工作(株)製F3620、硬度 A90)であるものを使用した。基板表面に対して約30°の角度にて斜め方向から押し付ける機構で、その接触面積は7.5mm2である。
次に、加工ツールの回転数を4,000rpm、加工圧力を20g/mm2で被加工物上を移動させ、基板全面を加工した。このとき、研磨液としてコロイダルシリカ水分散液を使用した。加工方法は、図2に示すように、X軸に対して平行に加工ツールを連続的に移動させ、Y軸方向へは0.25mmピッチで移動させる方法をとった。この条件での加工速度は予め測定して、1.2μm/minであった。加工ツールの移動速度は基板形状で最も低い基板の部分で50mm/secとし、基板各部分での移動速度は基板各部分での加工ツールの必要滞在時間を求め、これから移動速度を計算して加工ツールを移動させ、処理を行った。このときの加工時間は62分であった。部分研磨処理後、平坦度を上述と同様の装置で測定したところ平坦度は0.027μmであった。
その後、最終精密研磨に導入した。軟質のスエード製研磨布を用い、研磨剤としてSiO2濃度が40質量%のコロイダルシリカ水分散液を用いた。研磨荷重は100gfで、取り代は粗研磨工程及び部分研磨工程で入ったキズを除去するのに十分な量として1μm以上を研磨した。
スライスされたシリカ合成石英ガラス基板原料(6インチ)を、遊星運動を行う両面ラップ機にてラッピングしたあと、遊星運動を行う両面ポリッシュ機にて粗研磨を行い、原料基板を用意した。このとき原料基板の表面平坦度は0.333μmであった。なお、平坦度の測定はTROPEL社製Ultra FlatM200を使用した。そして、このガラス基板を図9に示す装置の基板保持台に装着した。この場合、装置はモーターに加工ツールを取り付け、回転できる構造で、加工ツールにエアーで加圧できる構造のものを使用した。モーターは小型グラインダー(日本精密機械工作(株)製モータユニットEPM−120、パワーユニットLPC−120)を使用した。また、加工ツールはX,Y軸方向に基板保持台に対してほぼ平行に移動できる構造となっている。加工ツールは研磨加工部が外径30mmφ、内径11mmφのドーナツ型ソフトゴムパッド(日本精密機械工作(株)製A3030)に専用フェルトディスク(日本精密機械工作(株)製A4031、硬度 A65)を貼り付けたものを使用した。基板表面に対して垂直に押し付ける機構で、その接触面積は612mm2である。
次に、加工ツールの回転数を4,000rpm,加工圧力を0.33g/mm2で被加工物上を移動させ、基板全面を加工した。このとき、研磨液としてコロイダルシリカ水分散液を使用した。加工方法は図2に示すようにX軸に対して平行に加工ツールを連続的に移動させ、Y軸方向へは0.5mmピッチで移動させる方法をとった。この条件での加工速度は予め測定して、1.2μm/minであった。加工ツールの移動速度は基板形状で最も低い基板の部分で50mm/secとし、基板各部分での移動速度は基板各部分での加工ツールの必要滞在時間を求め、これから移動速度を計算して加工ツールを移動させ、処理を行った。このときの加工時間は62分であった。部分研磨処理後、平坦度を上述と同様の装置で測定したところ平坦度は0.272μmであった。垂直に押し付ける機構の加工ツールでかつ径が大きいため周速の差の影響で加工断面がいびつであり、加工ツールの接触面積も広く、基板外周側で局所的に圧力のかかる部分が生じて、外周に向かって負の傾斜の見られる表面形状となり、平坦度はあまり改善されなかった。
その後、最終精密研磨に導入した。軟質のスエード製研磨布を用い、研磨剤としてSiO2濃度が40質量%のコロイダルシリカ水分散液を用いた。研磨荷重は100gfで、取り代は粗研磨工程及び部分研磨工程で入ったキズを除去するのに十分な量として1μm以上を研磨した。
スライスされたシリカ合成石英ガラス基板原料(6インチ)を、遊星運動を行う両面ラップ機にてラッピングしたあと、遊星運動を行う両面ポリッシュ機にて粗研磨を行い、原料基板を用意した。このとき原料基板の表面平坦度は0.328μmであった。そして、このガラス基板を図9に示す装置の基板保持台に装着した。加工ツールは研磨加工部が20mmφソフトゴムパッド(日本精密機械工作(株)製A3020)に専用フェルトディスク(日本精密機械工作(株)製A4021、硬度 A65)を貼り付けたものを使用した。基板表面に対して垂直に押し付ける機構で、その接触面積は314mm2である。
次に、加工ツールの回転数を4,000rpm,加工圧力を0.95g/mm2で被加工物上を移動させ、基板全面を加工した。加工方法は図2において矢印のようにX軸に平行に加工ツールを連続的に移動させ、Y軸方向への移動ピッチは0.5mmとした。この条件での加工速度は1.7mm/minであった。それ以外の条件は実施例1と同じようにして部分研磨処理を行った。このときの加工時間は57分であった。部分研磨処理後、平坦度は0.128μmであった。垂直に押し付ける機構の加工ツールで加工断面がいびつであり、加工ツールの接触面積も広く、基板外周側で局所的に圧力のかかる部分が生じて、外周に向かって負の傾斜の見られる表面形状となったが、より接触面積の大きかった30mmφのツール(612mm2)で加工したときに比べると平坦度の向上が見られた。その後、実施例1と同じようにして最終精密研磨を行った。
スライスされたシリカ合成石英ガラス基板原料(6インチ)を、遊星運動を行う両面ラップ機にてラッピングしたあと、遊星運動を行う両面ポリッシュ機にて粗研磨を行い、原料基板を用意した。このとき原料基板の表面平坦度は0.350μmであった。そして、このガラス基板を図9に示す装置の基板保持台に装着した。加工ツールは研磨加工部が10mmφソフトゴムパッド(日本精密機械工作(株)製A3010)に専用フェルトディスク(日本精密機械工作(株)製A4011、硬度 A65)を貼り付けたものを使用した。基板表面に対して垂直に押し付ける機構で、その接触面積は78.5mm2である。
次に、加工ツールの回転数を4,000rpm,加工圧力を2.0g/mm2で被加工物上を移動させ、基板全面を加工した。加工方法は図2において矢印のようにX軸に平行に加工ツールを連続的に移動させ、Y軸方向への移動ピッチは0.25mmとした。この条件での加工速度は1.3mm/minであった。それ以外の条件は実施例1と同じようにして部分研磨処理を行った。このときの加工時間は64分であった。部分研磨処理後、平坦度は0.091μmであった。垂直に押し付ける機構の加工ツールで加工断面がいびつであったが、10mmφのツールで接触面積が78.5mmと垂直押し付け機構でテストした中では小さいこともあり、30mmφや20mmφの大きいツールを使用したときに比べれば平坦度は向上した。その後、実施例1と同じようにして最終精密研磨を行った。
実施例1と同様の方法で原料基板を用意した。このとき原料基板の表面平坦度は0.324μmであった。そして、このガラス基板を図9に示す装置の基板保持台に装着した。加工ツールは研磨加工部が口径20mmφ×口径長25mmの砲弾型のフェルトバフツール(日本精密機械工作(株)製F3620、硬度 A90)であるものを使用した。基板表面に対して約50°の角度にて斜め方向から押し付ける機構で、その接触面積は5.0mm2である。
次に、加工ツールの回転数を4,000rpm,加工圧力を30g/mm2で被加工物上を移動させ、基板全面を加工した。このとき、研磨液として酸化セリウム系研磨剤を使用した。この条件での加工速度は1.1mm/minであった。それ以外の条件は実施例1と同じようにして部分研磨処理を行った。このとき加工時間は67分であった。部分研磨処理後、平坦度を測定したところ平坦度は0.039μmであった。その後、最終精密研磨に導入した。軟質のスエード製研磨布を用い、研磨剤としてSiO2濃度が40質量%のコロイダルシリカ水分散液を用いた。研磨荷重は100gfで、取り代は粗研磨工程及び部分研磨工程で入ったキズを除去するのに十分な量として1.5μm以上を研磨した。
実施例1と同様の方法で原料基板を用意した。このとき原料基板の表面平坦度は0.387μmであった。そして、このガラス基板を図9に示す装置の基板保持台に装着した。加工ツールは研磨加工部が口径20mmφ×口径長25mmの砲弾型のフェルトバフツール(日本精密機械工作(株)製F3620、硬度 A90)であるものを使用した。基板表面に対して約70°の角度にて斜め方向から押し付ける機構で、その接触面積は4.0mm2である。
次に、加工ツールの回転数を4,000rpm,加工圧力を38g/mm2で被加工物上を移動させ、基板全面を加工した。このとき、研磨液として酸化セリウム系研磨剤を使用した。この条件での加工速度は1.1mm/minであった。それ以外の条件は実施例1と同じようにして部分研磨処理を行った。このとき加工時間は71分であった。部分研磨処理後、平坦度を測定したところ平坦度は0.062μmであった。その後、最終精密研磨に導入した。軟質のスエード製研磨布を用い、研磨剤としてSiO2濃度が40質量%のコロイダルシリカ水分散液を用いた。研磨荷重は100gfで、取り代は粗研磨工程及び部分研磨工程で入ったキズを除去するのに十分な量として1.5μm以上を研磨した。
実施例1と同様の方法で原料基板を用意した。このとき原料基板の表面平坦度は0.350μmであった。そして、このガラス基板を図9に示す装置の基板保持台に装着した。加工ツールは研磨加工部が口径20mmφ×口径長25mmの砲弾型のセリウム含有軸付砥石(三河産業製酸化セリウム含浸軸付砥石)であるものを使用して加工を行った。基板表面に対して約30°の角度にて斜め方向から押し付ける機構で、その接触面積は5mm2である(1mm×5mm)。
次に、加工ツールの回転数を4,000rpm,加工圧力を20g/mm2で被加工物上を移動させ、基板全面を加工した。このとき、研磨液として酸化セリウム系研磨剤を使用した。この条件での加工速度は3.8mm/minであった。それ以外の条件は実施例1と同じようにして部分研磨処理を行った。このとき加工時間は24分であった。部分研磨処理後、平坦度を測定したところ平坦度は0.048μmであった。
その後、最終精密研磨に導入した。軟質のスエード製研磨布を用い、研磨剤としてSiO2濃度が40質量%のコロイダルシリカ水分散液を用いた。研磨荷重は100gfで、取り代は粗研磨工程及び部分研磨工程で入ったキズを除去するのに十分な量として1.5μm以上を研磨した。
実施例1と同様の方法で原料基板を用意した。このとき原料基板の表面平坦度は0.254μmであった。なお、平坦度の測定はTROPEL社製Ultra FlatM200を用いた。そして、このガラス基板を装置の基板保持台に装着した。このとき、装置はモーターに図9中の加工ツール2に取り付け、回転できる構造で、加工ツール2に空気で加圧できる構造のものを使用した。モーターは小型グラインダー((株)ナカニシ製スピンドルNR−303、コントロールユニットNE236)を使用した。また、加工ツールはX,Y軸方向に基板保持台に対してほぼ平行に移動できる構造になっている。加工ツールは、研磨加工部が口径20mmφ×口径長25mmの砲弾型のフェルトバフツール(日本精密機械工作(株)製F3520、硬度 A90)であるものを使用した。基板表面に対して約20°の角度にて斜め方向から押し付ける機構で、その接触面積は9.2mm2である。
次に、加工ツールの回転数を5,500rpm、加工圧力を30g/mm2で被加工物上を移動させ、基板表面全面を加工した。このとき、研磨液としてコロイダルシリカ水分散液を使用した。加工方法は、X軸に対して平行に加工ツールを連続的に移動させ、Y軸方向へは0.25mmピッチで移動させる方法をとった。加工ツールの移動速度は、研磨される基板表面で一番低い、即ち凹部分で50mm/secとして他の基板各部分での加工ツールの必要滞在時間を決定し、これからツールによる研磨速度を算出して加工ツールを移動させながら研磨処理を施した。このときの加工時間は69分であった。部分研磨処理後、平坦度を上述と同様の装置で測定したところ平坦度は0.035μmであった。
その後、最終精密研磨に導入した。柔らかいスエード製研磨布を用い、研磨剤としてSiO2濃度が40質量%のコロイダルシリカ水分散液を用いた。研磨荷重は100gfで、取り代は祖研磨工程及び部分研磨工程で入ったキズを除去するのに十分な量として1μm以上を設定した。
スライスされたシリカ合成石英ガラス基板原料(6インチ)を、遊星運動を行う両面ラップ機にてラッピングしたあと、遊星運動を行う両面ポリッシュ機にて粗研磨を行った。更に最終仕上げ研磨を行い、粗研磨工程で入ったキズを除去するのに十分な量として約1.0μmを研磨して原料基板を用意した。そして、このガラス基板を図9に示す装置の基板保持台に装着した。このとき原料基板の表面平坦度は0.315μmであった。加工ツールは研磨加工部が口径19mmφ×口径長20mmの砲弾型の軟質ポリウレタンツール(ダイワ化成製D8000 AFX、硬度 A70)であるものを使用して加工を行った。基板表面に対して約30°の角度にて斜め方向から押し付ける機構で、その接触面積は8mm2である(2mm×4mm)。
次に、加工ツールの回転数を4,000rpm,加工圧力を20g/mm2で被加工物上を移動させ、基板全面を加工した。このとき、研磨液としてコロイダルシリカ研磨剤を使用した。この条件での加工速度は0.35mm/minであった。それ以外の条件は実施例1と同じようにして部分研磨処理を行った。このとき加工時間は204分であった。部分研磨処理後、平坦度を測定したところ平坦度0.022μmであった。
その後、最終精密研磨に導入した。軟質のスエード製研磨布を用い、研磨剤としてSiO2濃度が40質量%のコロイダルシリカ水分散液を用いた。研磨荷重は100gfで、取り代は部分研磨工程で入ったキズを除去するのに十分な量として0.3μm以上を研磨した。
実施例1と同様の方法で原料基板を用意した。このときの原料基板の表面平坦度は0.371μmであった。そして、このガラス基板を図9に示す装置の基板保持台に装着した。この基板に対し、最終精密研磨工程での形状変化を予想して、それを打ち消す形状となるように部分研磨を行った。軟質のスエード製研磨布とコロイダルシリカを用いた最終研磨工程では、経験的に基板表面形状が凸化する特性があることがわかっていた。経験的に1μm取り代で約0.1μm程度凸化すると見積もり、部分研磨工程にて0.1μmの凹形状を目標形状として加工した。それ以外の条件は実施例1と同じようにして部分研磨処理を行った。このときの加工時間は67分であった。部分研磨処理後、平坦度を測定したところ外周側が高く、中心部分の低い凹形状で、平坦度は0.106μmであった。その後、実施例1と同じようにして最終精密研磨を行った。
実施例1と同様の方法で原料基板を用意した。このときの原料基板の表面平坦度は0.345μmであった。そして、このガラス基板を図9に示す装置の基板保持台に装着した。この基板に対し、最終精密研磨工程での形状変化をコンピュータにより計算して、それを打ち消す形状となるように部分研磨を行った。軟質のスエード製研磨布とコロイダルシリカを用いた最終研磨工程では基板表面形状は凸化する特性があることが分かっていた。10枚の予備基板に対して最終研磨工程前後で表面形状を測定し、コンピュータにてそれぞれの基板に対して最終研磨後の表面形状の高さデータから最終研磨前の表面形状の高さデータを差し引き、差分を求め10枚を平均して最終研磨での形状変化を導いた。この形状変化は0.134μmの凸形状であった。そこで、部分研磨工程にてコンピュータで計算した0.134μmの凸形状を反転させた0.134μmの凹形状を目標形状として加工した。それ以外の条件は実施例1と同じようにして部分研磨処理を行った。このときの加工時間は54分であった。部分研磨処理後、平坦度を測定したところ外周側が高く、中心部分の低い凹形状で、平坦度は0.121μmであった。その後、実施例1と同じようにして最終精密研磨を行った。
実施例1と同様の方法で原料基板を用意した。このとき原料基板の表面平坦度は0.314μmであった。そして、このガラス基板を図9に示す装置の基板保持台に装着した。加工する際、圧力制御機構は使用せず、ツールが基板表面に接触するように高さを固定して基板全面を加工した。それ以外の条件は実施例1と同じようにして部分研磨処理を行った。このときの加工時間は62分であった。部分研磨処理後、平坦度を測定したところ平坦度は0.087μmであった。ツールの高さを固定して加工したため、基板表面の加工後半部分の形状について部分研磨前の形状の傾向が残っており、平坦度がやや悪かった。その後、実施例1と同じようにして最終精密研磨を行った。
2 小型回転加工ツール
3 ツール回転軸方向
4 回転軸方向を基板に投影した直線
5 回転ツールの移動方式の例1
6 回転ツールの移動方式の例2
7 加圧用精密シリンダー
8 加圧制御用レギュレータ
Claims (14)
- 回転型小型加工ツールの研磨加工部を半導体用合成石英ガラス基板表面に1〜500mm2の接触面積で接触させ、基板表面上を前記研磨加工部を回転させながら走査させて、基板表面を研磨することを特徴とする半導体用合成石英ガラス基板の加工方法。
- 前記加工ツールの回転数が100〜10,000rpmであり、加工圧力が1〜100g/mm2であることを特徴とする請求項1記載の加工方法。
- 前記加工ツールの研磨加工部による基板表面の研磨を砥粒を供給しながら行うようにしたことを特徴とする請求項1又は2記載の加工方法。
- 基板表面の法線に対し回転軸が斜め方向である回転型小型加工ツールを用いて研磨することを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項記載の加工方法。
- 基板表面の法線に対し加工ツールの回転軸の角度が5〜85°であることを特徴とする請求項4記載の加工方法。
- 前記回転型小型加工ツールによる加工断面がガウシアンプロファイルで近似できる形状であることを特徴とする請求項1〜5のいずれか1項記載の加工方法。
- 前記加工ツールが基板表面上を一定方向に往復運動し、同時に基板表面と平行な平面上において往復運動する方向に対し垂直方向に所定のピッチで進んで研磨していくことを特徴とする請求項1〜6のいずれか1項記載の加工方法。
- 前記往復運動が加工ツールの回転軸を基板上に投影した方向と平行に行われることを特徴とする請求項7記載の加工方法。
- 前記加工ツールが基板表面に接触する際の圧力を所定の値に制御して研磨することを特徴とする請求項1〜8のいずれか1項記載の加工方法。
- 前記加工ツールによる研磨を行う直前の基板表面の平坦度F1が0.3〜2.0μmであり、加工ツールによる研磨直後の基板表面の平坦度F2が0.01〜0.5μmであり、F1>F2であることを特徴とする請求項1〜9のいずれか1項記載の加工方法。
- 前記加工ツールの研磨加工部の硬度がA50〜A75(JIS K 6253に準拠)であることを特徴とする請求項1〜10のいずれか1項記載の加工方法。
- 前記加工ツールで基板表面を加工した後に、枚葉式研磨又は両面研磨を行い、最終仕上げ面の面質及び欠陥品質を向上させることを特徴とする請求項1〜11のいずれか1項記載の加工方法。
- 前記加工ツールで基板表面を加工した後に行う、加工面の面質及び欠陥品質を向上させることを目的とする研磨工程において、その研磨過程で生じる形状変化を考慮して、予め小型加工ツールで研磨する研磨量を決定して加工することで、最終仕上げ面において高フラットかつ表面完全性の高い面を同時に達成することを特徴とする請求項12記載の加工方法。
- 前記加工ツールによる加工を基板の両面に行い、厚さばらつきを低減させることを特徴とする請求項1〜13のいずれか1項記載の加工方法。
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