JP2004216477A - ポリッシャー、研磨加工装置、研磨加工方法、研磨加工をコンピュータに実行させる制御プログラムおよび記録媒体 - Google Patents

ポリッシャー、研磨加工装置、研磨加工方法、研磨加工をコンピュータに実行させる制御プログラムおよび記録媒体 Download PDF

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Abstract

【課題】被研磨材を高精度に研磨加工できるポリッシャー、研磨加工装置、研磨加工方法、研磨加工をコンピュータに実行させるプログラムおよび記録媒体を提供すること。
【解決手段】テーブル4に搭載される被研磨材の被研磨部の法線と平行な回転軸を有し、前記被研磨材と相対的に移動することによって、被研磨材の表面を成形研磨加工する少なくとも1つのポリッシャー11を有し、被研磨材と前記ポリッシャーとの相対的な移動によって得られる研磨形状が、ポリッシャーの回転軸から離れた外周部の被研磨材の研磨量が少なくなるようにする。
【選択図】 図2

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、被研磨材表面を研磨する研磨加工装置に用いられるポリッシャー、研磨加工装置、研磨加工方法、研磨加工をコンピュータに実行させる制御プログラムおよび記録媒体に関する。
【0002】
【従来の技術】
被研磨材表面の形状を修正する方法では、被研磨材表面の法線方向と平行にポリッシャーを配置し、ポリッシャーを回転させ、ポリッシャーと被研磨材を相対的に移動させて選択的に被研磨材表面を研磨する事により目的の形状に研磨している。
【0003】
この場合には、特許文献1に記載されているように、ポリッシャーによる研磨量分布は、W型になる。この理由は以下の通りである。被研磨面の法線に対してポリッシャーの回転軸を平行にして研磨する場合、被研磨面上であって回転軸の延長線上の位置が、最もポリッシャーからの圧力を受ける。しかしながら、ポリッシャーの自転によるポリッシャーと被研磨面との相対速度は、回転軸の延長線上の位置が0であるため、この位置は圧力が最大であるものの研磨量が0になり、回転軸の延長線上からある程度離れた位置で研磨量が最大となる。
【0004】
そこで、特許文献1では、被研磨面の法線に対して、ポリッシャーの回転軸を傾けることで、ポリッシャー内で最も研磨量が多くなる個所を一点にし、目的の面形状対して被研磨面上の凸部の頂点群に、最大研磨点を一致させて、凸部を選択的に研磨する方法が開示されている。
【0005】
【特許文献1】
特開2000−117608公報
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
しかし、特許文献1に開示されたものは、ポリッシャーの回転軸を傾けて加工するために、研磨形状が非対称となり、レンズ面を螺旋状に研磨した場合、レンズ中心部を高精度に研磨できないという問題点がある。
【0007】
本発明は、上記の課題を解決するために成されたものであって、被研磨材を高精度に研磨加工できるポリッシャー、そのポリッシャーを用いた研磨加工装置、研磨加工方法、研磨加工をコンピュータに実行させるプログラムおよび記録媒体を提供することを目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】
本発明は、上記の課題を解決するために次のような手段を講じた。
【0009】
本発明の一局面に係るポリッシャーは、テーブルに搭載される被研磨材の被研磨部の法線と平行な回転軸を有し、前記被研磨材と相対的に移動することによって、前記被研磨材の表面を成形研磨加工する少なくとも1つのポリッシャーであり、前記被研磨材と前記ポリッシャーとの相対的な移動によって得られる研磨形状が、前記ポリッシャーの前記回転軸よりも前記回転軸から離れた前記ポリッシャーの外周部の前記被研磨材の研磨量が少なくなるような形状になることを特徴とする。なお、本発明は、研磨加工装置のみでなく、本発明の一局面に係る研磨加工装置の機能を遂行する研磨加工方法や、その方法を実行したり、装置を制御したりするためのプログラム、更には、当該プログラムを記憶する記憶媒体としても成立する。
【0010】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態を図面に従い説明する。
【0011】
(第1の実施の形態)
図1は、本発明の第1の実施形態に係る研磨システムの概略構成を示す図である。本実施形態に係る研磨システムは、大きく分けて、被研磨材5の被研磨面の形状を測定する干渉計100と、干渉計100を制御し被研磨面の形状データを取得する干渉計用コンピュータ101と、被研磨材5の被研磨面を研磨する研磨加工装置103と、干渉計用コンピュータ101が取得した被研磨材の形状データをもとに加工用データを作成し、研磨加工装置103を制御する研磨加工装置用コンピュータ102とから構成されている。
【0012】
図1における研磨加工装置103の概略構成を図2に示す。装置本体1はベース部1aと、このベース部1aに対して直立して設けられる胴部1bを有している。
【0013】
ベース部1aには、ワークテーブル2が設けられ、更にこのワークテーブル2上にはワーク回転テーブル3が設けられている。ワークテーブル2はワーク回転テーブル3を保持するとともに、このワーク回転テーブル3をXY方向に移動可能にしている。また、ワーク回転テーブル3は、ワークテーブル2上でXY方向に直交するZ軸を中心として矢印D方向に回転可能になっており、回転角度の制御機能と回転角度毎の速度制御機能を備えている。
【0014】
ワーク回転テーブル3上には、被研磨材5を固定するためのチャック4が設けられている。ここで、被研磨材5が、例えばレンズのように中心位置を求める必要があるような形状のものである場合には、ワーク回転テーブル3とチャック4は、芯出し機構を備えていることが好ましい。この芯出し機構は、ワーク回転テーブル3の回転中心と被研磨材5の求める中心を合致させるもので、例えば、チャック4をワーク回転テーブル3上でXY方向に微調整可能にすることにより実現できる。また、被研磨材5の研磨面が平面であるなどの理由で中心位置を求める必要がない場合には、チャック4として、固定チャックが使用される。このようにチャック4は、被研磨材5の形状や研磨条件などにより交換して使用される。
【0015】
また、この場合において、ワーク回転テーブル3とチャック4との間にZ軸ステージを設け、被研磨材5をZ軸方向に移動可能としてもよい。また、ワークテーブル2は、被研磨材5を複数個搭載する構成としてもよい。
【0016】
一方、装置本体1の胴部1bには、第1の上下駆動軸6が矢印A方向に上下動可能に設けられている。また、第1の上下駆動軸6の先端には、矢印B方向に回転可能な回転台7が設けられている。回転台7には、第2の上下駆動軸8が矢印C方向に上下動可能に設けられている。更に、第2の上下駆動軸8の先端にはポリッシャー11をチャックしたスピンドル10を固定したスピンドルテーブル9が設けられている。
【0017】
図3は、上記のように構成された研磨加工装置を制御する制御装置の概略構成図を示す図である。図3において、制御部41は各部の動作を制御する機能を備え、駆動部42、座標検出部43、信号入出力部44、メモリ45及びモニタ46が接続されている。駆動部42は、図2で述べた研磨加工装置のワークテーブル2、ワーク回転テーブル3、第1の上下駆動軸6、回転台7、第2の上下駆動軸8等を駆動する。座標検出部43は、ワークテーブル2やポリッシャー11のノズルなどの位置座標、例えば、A、B、C方向に移動する各軸の位置座標、を検出する。信号入出力部44は、スピンドル10や図示しない研磨液供給用のポンプ等を制御する。そして、制御部41自身は、制御プログラム、研磨加工条件や被研磨材5の形状データの入出力、作成、保存、選択、ファイリングを実行する。これらの処理の結果はモニタ46に表示されると共に、メモリ45に保存される。また、制御部41は、図示しない記憶媒体に記憶されているプログラム等のデータの読み込みが可能に構成されている。なお、制御部41で実行されるプログラムを格納する記録媒体としては、例えば制御部41の内部に設けられるハードディスクや、通信回線を用いて接続される外部のホストコンピュータ、磁気ディスク、光ディスク等、どのようなものであっても良い。
【0018】
次に、実際に研磨加工を行う場合の手順を図4に示すフローチャートにより説明する。
【0019】
この場合、まず、干渉計用コンピュータ操作として、被研磨材5の表面に対し光学干渉計で形状測定を行い(ステップ801)、この測定結果を制御部41に入力し、メモリ45に保存すると同時に、モニタ46に表示する(ステップ802、ステップ803)。
【0020】
次に、研磨加工装置用コンピュータ操作として、測定結果に係るデータを研磨加工に使用できる形状データに変換する(ステップ804)。この場合、不要データを削除し、新たにIDや付帯情報が追加される。
【0021】
ここで、レンズ研磨加工では、そのレンズ中心の回りに回転させながら研磨する方法がとられるので、まず、レンズ面の全体形状から計算により中心座標が求められ(ステップ805)、次いで、形状データが直行座標系から曲座標系に変換される(ステップ806)。
【0022】
次に、被研磨材5の材質を指定し、所望する形式の研磨量(テーブル)を用意する(ステップ807)。そして、このテーブル情報と形状データに基づいて、各部位の研磨量を計算により求める(ステップ808)。そして、狙った形状を確認した後(ステップ809)、被研磨材5の材質、研磨液の種類、ポリッシャー11の形状等をあわせて各部位での研磨加工データおよび研磨時間等を含む加工データを作成して(ステップ810)、モニタ46に表示する(ステップ811)。また、決定した加工データを研磨加工装置に転送して被研磨材5の研磨加工をする(ステップ812)。
【0023】
次に、図5と図6を用いて、本第1の実施形態における研磨方法の基本原理を説明する。図5は被研磨材5を研磨するポリッシャー11による研磨の状況(研磨量分布)を説明するための図である。ポリッシャー11は、例えば、ステンレス鋼等のシャンク部20に軟質ポリッシャー21を固定した構造を備えている。
【0024】
図5(a)は被研磨材5の被研磨面の法線に平行に、回転したポリッシャー11を押圧した時の研磨量分布の状態を示している。この場合には、ポリッシャー11の中心付近(本明細書においては、「中心部」と称する)は回転速度が0となり研磨作用が働かないために、中心部に研磨残りが発生し、被研磨面の断面はW形状になる。図5(b)は図5(a)の状態から、ポリッシャー11を紙面手前方向に移動させた時の研磨量分布の状態を示している。この場合には、ポリッシャー11が移動することにより、ポリッシャー11の外周付近(本明細書においては、「外周部」と称する)で、中心部の研磨残り部を研磨するため、中心部の研磨残り部が図5(a)に比べて少なくなる。しかし依然としてW形状である。図5(b)のように被研磨面の断面がW形状のような状態で、例えばレンズをレンズ外周部から中心に向かって螺旋状に研磨すると、図6(a)に示すように、レンズ中心部がW形状になる。このため、形状修正が困難である。
【0025】
そこで、第1の実施形態においては、図5(c)に示すように、ポリッシャー11の先端を、例えば100°の円錐形状にして、中心部の押し付け圧力を増加させている。このような形状を採用することにより、中心部の研磨残り部を除去できるようになるので、被研磨面の断面形状がW形状になることを回避できる。このような状態でレンズをレンズ外周部から中心に向かって螺旋状に研磨すると、図6(b)に示すように、レンズ中心部はV形状になる。
【0026】
次に、研磨加工するときの研磨力を変化させることによって、レンズ中心部のV形状を補正する。例えば、ポリッシャー11がレンズ中心に移動するのに従って研磨時間を一定比率で減算することで、図6(c)に示すようにV形状を取り除くことができる。なお、研磨力はは、研磨時間の他に、ポリッシャーの回転数、ポリッシャーの押し付け量、研磨回数、或いは研磨液濃度等を変化させることによって制御してもよい。
【0027】
次に、図6(a)から(c)に示すように、レンズ外周部の研磨量が不足している。この原因は、レンズの最外周部とポリッシャー11の中心が一致する位置から加工を開始しているためである。従って、図6(d)に示すように、ポリッシャー11がレンズ最外周部に接する前から加工を開始すれば均一な研磨量を得ることができる。
【0028】
なお、図6(d)に見られるような被研磨面の全面に発生している微小なうねりは、ポリッシャー移動ピッチ29を狭くする(例えば、0.05mmピッチとする)ことにより、図6(e)に示すように充分小さく抑えることができる。
【0029】
(第2の実施の形態)
図7を用いて第2の実施形態を説明する。なお、第2の実施形態において、第1の実施形態と同じ部分は図示及び説明を省略する。第2の実施形態は、複数のポリッシャー11をスピンドルユニットに取り付けられるようにしたものである。
【0030】
図7に示すスピンドルユニット104は、図2に示すスピンドルテーブル9と共に、スピンドル10と、ポリッシャー11とを取り外して、スピンドルテーブル9の取り付けられた箇所に取り付けられる。なお、図7に示さない部分については第1の実施形態と同様である。
【0031】
スピンドルユニット104の構成は次のようになっている。
【0032】
スピンドルテーブル9′の先端に、スピンドル割り出し装置12が取り付けられており、その先端にはスピンドル固定台13が取り付けられていて、複数のスピンドル10を取り付けることができる。また、各スピンドル10にはポリッシャー11が取り付けられている。
【0033】
スピンドル割り出し装置12は、プログラムの指令、あるいはマニュアル操作により、任意のポリッシャー11を選択使用することができる。これにより、研磨能率を上げ、また精度の高い研磨を行うことができる。
【0034】
(第3の実施形態)
図8を参照して第3の実施形態を説明する。第3の実施の形態において、第1及び第2の実施形態と同じ部分は、図示及び詳細な説明を省略する。第3の実施の形態では、ポリッシャーの先端部に特徴を有する。
【0035】
図5(c)に示すように、ポリッシャーの先端を鋭角にすることにより、研磨されるレンズ面の形状がV字形状になる。しかし、図5(c)に示すような円錐形状を有するポリッシャーの先端部は外周部に比べて押圧する圧力が高いため、ポリッシャー先端部が磨耗しやすい。そこで、第3の実施形態では、図8(a)に示すように、先端部をR形状にすることで、ポリッシャー11の先端部の耐磨耗性を高めることができる。
【0036】
また、別の方法として、図8(b)に示すようにポリッシャーの先端部の角度(α2)をポリッシャーの角度(α1)よりも大きくすることで図8(a)と同様の効果を得ることができる。
【0037】
更に図8(c)に示すように、軟質ポリッシャー21の中心部aの硬度を最も高くし、外周部lに向かって硬度が低くなるように構成することにより、図8(a)と同様の効果を得ることができる。なお、硬度を外周部に向かって徐々に低くなるように変化させるのではなく、先端部の硬度のみを高くするようにしても良いし、本実施形態のように、2段階或いは3段階といったように段階的に変化させても良いことは勿論である。
【0038】
このように、第3の実施形態においては、先端部の磨耗を少なくすることが目的であるので、その他の構成であっても、この目的を達成できるような構成であれば良い。
【0039】
なお、本発明は、上記実施の形態に限定されるものでなく、実施段階では、その要旨を変更しない範囲で種々変形することが可能である。
【0040】
さらに、上記実施の形態には、種々の段階の発明が含まれており、開示されている構成要件における適宜な組み合わせにより種々の発明が抽出できる。例えば、実施の形態に示されている全構成要素から幾つかの構成要素が削除されても、発明が解決しようとする課題の欄で述べた課題を解決でき、発明の効果の欄で述べられている効果が得られる場合には、この構成要件が削除された構成が発明として抽出できる。
【0041】
上記の各実施形態から下記の発明が抽出される。なお、本発明は、上記の発明の実施の形態に限定されるものではない。本発明の要旨を変更しない範囲で種々変形して実施できるのは勿論である。
【0042】
本発明の第1の局面に係るポリッシャーは、テーブルに搭載される被研磨材の被研磨部の法線と平行な回転軸を有し、前記被研磨材と相対的に移動することによって、前記被研磨材の表面を成形研磨加工する少なくとも1つのポリッシャーであり、前記被研磨材と前記ポリッシャーとの相対的な移動によって得られる研磨形状が、前記ポリッシャーの前記回転軸よりも前記回転軸から離れた前記ポリッシャーの外周部の前記被研磨材の研磨量が少なくなるような形状になることを特徴とする。
【0043】
本発明の第2の局面に係る研磨加工装置は、被研磨材を搭載するテーブルと、前記被研磨材の被研磨部の法線と平行な回転軸を有し、前記被研磨材と相対的に移動することによって、前記被研磨材の表面を成形研磨加工する少なくとも1つのポリッシャーとを備え、前記被研磨材と前記ポリッシャーとの相対的な移動によって得られる研磨形状が、前記ポリッシャーの前記回転軸よりも前記回転軸から離れた前記ポリッシャーの外周部の前記被研磨材の研磨量が少なくなるような研磨形状となる前記ポリッシャーを用いることを特徴とする。ここで、前記被研磨材と前記ポリッシャーの相対移動時間、ポリッシャーの回転数、ポリッシャーの押し付け量、研磨回数及び研磨液濃度の少なくとも1つを制御する制御部を更に備えることが好ましい。
【0044】
本発明の第3の局面に係る研磨加工方法は、被研磨材を搭載するテーブルと、前記被研磨材の被研磨部の法線と平行な回転軸を有し、前記被研磨材と相対的に移動することによって、前記被研磨材の表面を成形研磨加工する少なくとも1つのポリッシャーとを備えた研磨加工装置に適用される研磨加工方法であって、前記被研磨材と前記ポリッシャーとの相対的な移動によって得られる研磨形状として、前記ポリッシャーの前記回転軸よりも前記回転軸から離れた前記ポリッシャーの外周部の前記被研磨材の研磨量が少なくなるような研磨形状が得られる前記ポリッシャーを用いたことを特徴とする。
【0045】
本発明の第4の局面に係る研磨加工装置による被研磨材の研磨をコンピュータに実行させるための制御プログラムは、被研磨材を搭載するテーブルと、前記被研磨材の被研磨部の法線と平行な回転軸を有し、前記被研磨材と相対的に移動することによって、前記被研磨材の表面を成形研磨加工する少なくとも1つのポリッシャーとを備えた研磨加工装置による前記被研磨材の研磨をコンピュータに実行させるための制御プログラムであって、前記加工前の前記被研磨材の形状データを表示し、前記形状データに基づいて設定された加工条件を記録し表示させ、前記加工条件に応じて研磨加工を行う際に、前記被研磨材と前記ポリッシャーとの相対的な移動によって得られる研磨形状として、前記ポリッシャーの前記回転軸よりも前記回転軸から離れた前記ポリッシャーの外周部の前記被研磨材の研磨量が少なくなるような研磨形状が得られる前記ポリッシャーを用いたことを特徴とする。
【0046】
本発明の第5の局面に係る記録媒体は、被研磨材を搭載するテーブルと、前記被研磨材の被研磨部の法線と平行な回転軸を有し、前記被研磨材と相対的に移動することによって、前記被研磨材の表面を成形研磨加工する少なくとも1つのポリッシャーとを備えた研磨加工装置による前記被研磨材の研磨をコンピュータに実行させるための制御プログラムを記録した記録媒体であって、前記加工前の前記被研磨材の形状データを表示し、前記形状データに基づいて設定された加工条件を記録し表示させ、前記加工条件に応じて研磨加工を行う際に、前記被研磨材と前記ポリッシャーとの相対的な移動によって得られる研磨形状として、前記ポリッシャーの前記回転軸よりも前記回転軸から離れた前記ポリッシャーの外周部の前記被研磨材の研磨量が少なくなるような研磨形状が得られる前記ポリッシャーを用いたことを特徴とする制御プログラムを記録する。
【0047】
上記の各局面において、以下の実施態様が好ましい。なお、以下の実施態様はそれぞれ独立に適用しても良いし、適宜組み合わせて適用しても良い。
【0048】
(1) 前記被研磨材は、回転可能に前記テーブルに搭載されること。
【0049】
(2) 前記ポリッシャーによる被研磨面の研磨加工を、ポリッシャーが被研磨面の最外周部に接する前から開始すること。
【0050】
(3) 前記ポリッシャーを固定し、所望の移動を行わせるためのスピンドルユニットを更に備え、前記スピンドルユニットには、複数のポリッシャーが装着可能であること。
【0051】
(4) 前記ポリッシャーは、その形状がほぼ円錐形状であること。
【0052】
(5) 前記ポリッシャーは、その先端部の磨耗を減少させた構成を備えること。
【0053】
(6) (4)又は(5)において、前記ポリッシャーの先端部は、R形状又はポリッシャーの角度よりも大きい角度になるような形状を有すること。
【0054】
(7) (4)又は(5)において、前記ポリッシャーの硬度は、中心部よりも外周部の方が小さいこと。
【0055】
【発明の効果】
以上述べたように本発明の実施形態によれば、円錐状のポリッシャーを被研磨面の法線に平行に押圧し、研磨条件を自由に制御することで、精度の高い研磨加工を実現できる研磨加工装置、研磨加工方法、研磨加工をコンピュータに実行させるプログラムおよび記憶媒体を提供できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施形態に適用される研磨システムの構成図。
【図2】本発明の第1の実施形態に適用される研磨加工装置の概略構成図。
【図3】第1の実施形態に適用される制御装置の概略構成図。
【図4】第1の実施形態の研磨加工を説明するためのフローチャート。
【図5】被研磨材を研磨するポリッシャー11による研磨の状況(研磨量分布)を説明するための図。
【図6】第1の実施形態における研磨方法の基本原理を説明するための図。
【図7】第2の実施形態に係るスピンドルテーブルユニットの概略構成を示す図。
【図8】第3の実施形態に係るポリッシャーの概略構成を示す図。
【符号の説明】
1…装置本体
1a…ベース部
1b…胴部
2…ワークテーブル
3…ワーク回転テーブル
4…チャック
5…被研磨材
6…第1の上下駆動軸
7…回転台
8…第2の上下駆動軸
9…スピンドルテーブル
10…スピンドル
11…ポリッシャー
12…装置
13…スピンドル固定台
20…シャンク部
21…軟質ポリッシャー
29…ポリッシャー移動ピッチ
41…制御部
42…駆動部
43…座標検出部
44…信号入出力部
45…メモリ
46…モニタ
101…干渉計用コンピュータ
102…研磨加工装置用コンピュータ
103…研磨加工装置
104…スピンドルユニット

Claims (6)

  1. テーブルに搭載される被研磨材の被研磨部の法線と平行な回転軸を有し、前記被研磨材と相対的に移動することによって、前記被研磨材の表面を成形研磨加工する少なくとも1つのポリッシャーであり、
    前記被研磨材と前記ポリッシャーとの相対的な移動によって得られる研磨形状が、前記ポリッシャーの前記回転軸よりも前記回転軸から離れた前記ポリッシャーの外周部の前記被研磨材の研磨量が少なくなるような形状になることを特徴とするポリッシャー。
  2. 被研磨材を搭載するテーブルと、
    前記被研磨材の被研磨部の法線と平行な回転軸を有し、前記被研磨材と相対的に移動することによって、前記被研磨材の表面を成形研磨加工する少なくとも1つのポリッシャーとを備え、
    前記被研磨材と前記ポリッシャーとの相対的な移動によって得られる研磨形状が、前記ポリッシャーの前記回転軸よりも前記回転軸から離れた前記ポリッシャーの外周部の前記被研磨材の研磨量が少なくなるような研磨形状となる前記ポリッシャーを用いることを特徴とする研磨加工装置。
  3. 前記被研磨材と前記ポリッシャーの相対移動時間、ポリッシャーの回転数、ポリッシャーの押し付け量、研磨回数及び研磨液濃度の少なくとも1つを制御する制御部を更に備えたことを特徴とする請求項2記載の研磨加工装置。
  4. 被研磨材を搭載するテーブルと、前記被研磨材の被研磨部の法線と平行な回転軸を有し、前記被研磨材と相対的に移動することによって、前記被研磨材の表面を成形研磨加工する少なくとも1つのポリッシャーとを備えた研磨加工装置に適用される研磨加工方法において、
    前記被研磨材と前記ポリッシャーとの相対的な移動によって得られる研磨形状として、前記ポリッシャーの前記回転軸よりも前記回転軸から離れた前記ポリッシャーの外周部の前記被研磨材の研磨量が少なくなるような研磨形状が得られる前記ポリッシャーを用いたことを特徴とする研磨加工方法。
  5. 被研磨材を搭載するテーブルと、前記被研磨材の被研磨部の法線と平行な回転軸を有し、前記被研磨材と相対的に移動することによって、前記被研磨材の表面を成形研磨加工する少なくとも1つのポリッシャーとを備えた研磨加工装置による前記被研磨材の研磨をコンピュータに実行させるための制御プログラムにおいて、
    前記加工前の前記被研磨材の形状データを表示し、
    前記形状データに基づいて設定された加工条件を記録し表示させ、
    前記加工条件に応じて研磨加工を行う際に、前記被研磨材と前記ポリッシャーとの相対的な移動によって得られる研磨形状として、前記ポリッシャーの前記回転軸よりも前記回転軸から離れた前記ポリッシャーの外周部の前記被研磨材の研磨量が少なくなるような研磨形状が得られる前記ポリッシャーを用いたことを特徴とするコンピュータに実行させるための制御プログラム。
  6. 被研磨材を搭載するテーブルと、前記被研磨材の被研磨部の法線と平行な回転軸を有し、前記被研磨材と相対的に移動することによって、前記被研磨材の表面を成形研磨加工する少なくとも1つのポリッシャーとを備えた研磨加工装置による前記被研磨材の研磨をコンピュータに実行させるための制御プログラムを記録した記録媒体において、
    前記加工前の前記被研磨材の形状データを表示し、
    前記形状データに基づいて設定された加工条件を記録し表示させ、
    前記加工条件に応じて研磨加工を行う際に、前記被研磨材と前記ポリッシャーとの相対的な移動によって得られる研磨形状として、前記ポリッシャーの前記回転軸よりも前記回転軸から離れた前記ポリッシャーの外周部の前記被研磨材の研磨量が少なくなるような研磨形状が得られる前記ポリッシャーを用いたことを特徴とする制御プログラムを記録した記録媒体。
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