JP4462497B2 - ドレス装置、研削装置、及びドレス方法 - Google Patents
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Description
そこで加工精度を高めるために、燃料噴射ノズルの内面は、旋盤などにより粗加工した後、数値制御の内面研削装置で内面研削を行って仕上げ加工を行っている。
図7(a)は、燃料噴射ノズル2の断面を示しており、例えば、軸方向の長さが約50[mm]、外径が約10[mm]、内径が約6[mm]程度の円筒部材41を用いて構成されている。
燃料噴射ノズル2を構成する部材としては、鉄やステンレスなどの金属材料が用いられる。
突起部45には、燃料を噴射するための微細な噴射口(図示せず)が複数形成されており、これら噴射口は円筒部材41の内部の先端部分に貫通している。
燃料噴射ノズル2には、ディーゼルエンジン内ではニードルと呼ばれる円柱部材が挿入されて使用されるが、第1内径面44は、この円柱部材との摺動面を成すため、高い加工精度が要求される。
ノズルシート面42を研削する場合は、砥石8と燃料噴射ノズル2をそれぞれ中心軸の回りに回転させながら、図7(b)に示したように、砥石8の斜面でノズルシート面42を切り込み、ノズルシート面42の研削を行う。
図に示したように、第1内径面44を研削する場合は、砥石8と燃料噴射ノズル2をそれぞれ中心軸の回りに回転させながら、砥石8の円柱面で第1内径面44を切り込み、第1内径面44の研削を行う。なお、砥石8を中心軸の方向に前後させることにより、第1内径面44の全ての内周面に渡って研削が行われる。
ところが、砥石の斜面をドレスすると、円柱面の母線の長さが短くなるという問題があった。
図に示したように、ドレス前の円柱面32の母線の長さがLであったものが、斜面31aを形成するためにドレスしたところ長さがL1(<L)になり、砥石の長さが短くなっている。
そのため、第1内径面44用の砥石とノズルシート面42用の砥石を装備した2軸の内面研削装置を用いることもあった。
第1の構成において、前記第2の円柱面部成形手段は、前記斜面部が形成されている側と対向する一端側に第2の円柱面部を成形するように構成することもできる(第2の構成)。
また第1の構成、又は第2の構成において、円盤部材と、前記円盤部材に固定され、前記円盤部材の中心軸と平行な中心軸を有する円柱面をドレスする第1の切刃部と、前記円盤部材に固定され、前記円盤部材の中心軸と所定角度を成す斜面をドレスする第2の切刃部と、前記円柱面部を、外径が前記第2の円柱面部の外径以下の円柱面となるように成形する円柱面部成形機能と、を備えたドレッサを含むドレス装置を提供する(第3の構成)。
また、本発明は、回転軸を中心線とする第1の円柱面部と、前記第1の円柱面部と同心であり、前記第1の円柱面部と連続する、前記第1の円柱面部よりも小径の第2の円柱面部と、を有する円柱面部と、前記回転軸を中心線とし、前記第1の円柱面部と前記第2の円柱面部の何れか一方と連続する斜面部と、から構成された内面研削砥石が装着可能な砥石装着手段と、ワークを保持するワーク保持手段と、前記保持したワークの内面を前記内面研削砥石で研削する研削手段と、前記内面研削砥石をドレスする、第1の構成、第2の構成、又は第3の構成のドレス装置と、を具備したことを特徴とする研削装置を提供する(第4の構成)。
また、本発明は、回転軸を中心線とする第1の円柱面部と、前記第1の円柱面部と同心であり、前記第1の円柱面部と連続する、前記第1の円柱面部よりも小径の第2の円柱面部と、を有する円柱面部と、前記回転軸を中心線とし、前記第1の円柱面部と前記第2の円柱面部の何れか一方と連続する斜面部と、から構成された内面研削砥石をドレスするドレス方法であって、前記斜面部をドレスする斜面部ドレスステップと、前記円柱面部を、外径が前記第2の円柱面部の外径以下の円柱面となるように成形する円柱面部成形ステップと、前記斜面部のドレス量に対して、前記第1の円柱面部の母線の長さが所定の値を保つように、前記成形した円柱面に第2の円柱面部を成形する第2の円柱面部成形ステップと、を行うことを特徴とするドレス方法を提供する(第5の構成)。
図3(a)は、本実施の形態に係る砥石の外形を示している。
図3(a)に示したように、円柱面32の一端に段差部を設けることにより、円柱面32を、第1円柱面35と、第1円柱面35よりも外形が小さい第2円柱面36により構成する。
そして、図3(c)に示したように、第1円柱面35aの母線の長さがLとなる位置に段差部を形成し、第2円柱面36aを設ける。即ち、円柱面32に逃がしドレスを入れる。
図1(a)は、本実施の形態に係る内面研削装置のレイアウトを示した平面図である。
内面研削装置1は、数値制御により主軸の回転数、砥石の移動経路(パス)、砥石のドレス量(切込量)、ドレス回数(切込回数)、クーラントの吐出などを制御することができるNC工作機械で構成されている。
このため、加工プログラムを実行してワークを自動的に加工することができるほか、ドレスプログラムを実行して砥石8を自動的にドレスすることができる。
ワークヘッドスピンドル16は、軸受によって保持された回転軸を備えている。この回転軸の先端には、燃料噴射ノズル2を着脱可能に保持するワーク保持部(ワーク保持手段)が形成されている。
一方、回転軸の他端には、プーリ20が取り付けられている。
そして、プーリ24とプーリ20には、ベルト22が掛けられており、モータ23の回転駆動力がベルト22を介してワークヘッドスピンドル16に伝達されるようになっている。
なお、本実施の形態の内面研削装置1では、プーリベルトを使用したワークヘッドスピンドル16を用いたが、これに限定するものではなく、ワークヘットスピンドルにモータが直づけされたビルトイン構造を用いることもできる。
なお、この金属棒の内部には、クーラント(研削液)を供給するための流路が設けられており、砥石8の先端付近からクーラントが吐出されて研削箇所に供給されるようになっている。
また、突起部45(図7(a))に既に燃料の噴射口が形成されている場合は、この噴射口から研削液を供給することも可能である。
なお、砥石スピンドル12の回転速度と回転方向は数値制御プログラムにより設定することができる。
本実施の形態では、一例として、砥石8をCBN(cubic boron nitride:立方晶窒化ホウ素)で構成したが、これは砥石8の材質を限定するものではなく、ワークなどに応じた材質を選択することができる。
テーブル14は、x軸方向(砥石8の斜面方向)に移動可能に設置され、テーブル13はz軸方向(主軸方向)に移動可能に設置されている。
これらテーブルの移動量、及び移動速度は数値制御によりコントロールされる。
なお、x軸とz軸が成す角度(砥石8の斜面と円柱面が成す角度でもある)をαとする。
例えば、テーブル13を固定してテーブル14をx軸方向に移動させることにより砥石8の斜面31(図3(a))をドレスすることができる。
この場合は、x軸とz軸を同時に制御して砥石スピンドル12を斜面方向に移動させてドレスすればよい。
ドレッサ19は、図1(b)に示したような円盤部材を用いて構成されたディスク型ロータリドレッサであり、後述するように外輪部25aと斜面部26aに切刃を有している。
ドレッサ19は、例えば、鉄、アルミ、ステンレスなどの金属材料で形成された円盤部材27で構成されている。円盤部材27の中心には、モータ18のスピンドルに装着するための貫通孔28が形成されている。
このように、外輪部切刃25は、円盤部材27に固定され、円盤部材27の中心軸と平行な中心軸を有する円柱面32をドレスする第1の切刃部を構成している。
このように、斜面部切刃26は、円盤部材27に固定され、円盤部材27の中心軸と所定角度を成す斜面31をドレスする第2の切刃部を構成している。
図3(a)は、本実施の形態に係る砥石8の外形形状を示した図である。
砥石8は、回転軸を中心とする斜面31(斜面部)と、斜面31と連続し、回転軸を中心軸とする円柱面32(円柱面部)を有している。
また、図3(a)には、z軸とx軸の方向も示している。z軸は、砥石8の回転軸の方向であり、x軸は、水平面内での斜面31の母線の方向(z軸に対して角度αを成す)となっている。
図には、ドレッサ19と砥石8の位置関係を示すため、ドレッサ19の刃先の部分も図示してある。
このように、斜面31をドレスすることにより新たな斜面31aが形成される。
第2円柱面36aの外径は、第1円柱面35a(円柱面32aから第2円柱面36aを除いた部分)の外径よりも小さくなっている。このようにして、第1円柱面部と第2円柱面部が再形成される。
以上のようにして、斜面31をドレスすると共に、第1内径面44(図7)を研削する部分である第1円柱面35aの長さを一定値Lに保つことができる。
図4は、砥石8の変形例である砥石8aの形状を示した図である。
砥石8aでは、第1円柱面35と、第1円柱面35よりも外径の小さい第2円柱面36によって円柱面32が構成されている点は砥石8と同じであるが、第2円柱面36が斜面31側に形成されている。
図5は、内面研削装置1のハードウェア的な構成の一例を示したブロック図である。
内面研削装置1は、CPU(Central Processing Unit)65、ROM(Read Only Memory)66、RAM(Random Access Memory)67、入力部68、表示部69、駆動制御部71、入出力I/F(インターフェース)72、記憶媒体駆動部73、記憶部74などの各機能部がバスライン75で接続されて構成されている。
また、CPU65は、ファイルの入出力や、数値制御プログラムの編集の受け付けなど、所定のプログラムに従って各種の情報処理も行う。
RAM67は、CPU65が動作するためのワーキングエリアを提供する読み書き可能なメモリである。
入力装置には、数字、文字、記号などを入力する文字キーやテンキー、予め設定された機能を指定するための機能キーなどを備えている。
ユーザは、入力部68を操作することにより、数値制御プログラムの作成、呼出、編集などを行ったり、内面研削装置1の動作を規定する各種パラメータを設定したりすることができる。
ユーザは、表示部69に数値制御プログラムを表示してこれを編集したり、あるいは予め用意されているメニュー画面を表示して各種のパラメータを設定したりするのに用いることができる。
入出力I/F72を用いて内面研削装置1をパーソナルコンピュータなどの外部機器に接続することにより、内面研削装置1と外部機器の間で数値制御プログラムの送受信などを行うことができる。
このため、外部で数値制御プログラムを用意し、入出力I/F72から内面研削装置1に入力することができる。
読み書き可能な記憶媒体としては、例えば、フレキシブルディスク、光磁気ディスク、半導体記憶装置、磁気テープなどがある。
また、読み取り専用の記憶媒体としては、例えば、CD−ROMなどの光ディスク類や紙テープなどがある。
記憶部74には、プログラム類を格納したプログラム部76とデータ類を記憶したデータ部77が形成されている。
なお、加工プログラム82やドレスプログラム83は複数記憶することができ、プログラム番号などの登録IDにより管理することができる。
そして、加工の際、あるいはドレスの際には、プログラム部76から目的のプログラムを呼び出してCPU65に実行させることができる。
データ部77には、内面研削装置1を動作させるための各種パラメータや座標値、内面研削装置1の運用履歴86などが記憶されている。
この前回のドレスデータでは、前回のドレスで形成された斜面31、円柱面32の位置を規定する座標値などが含まれており、これによって、内面研削装置1は、今回ドレスする際のドレッサ19と砥石8との位置関係を把握し、前回ドレスした砥石8の表面から引き続きドレスを行うことができる。
そして、内面研削装置1は、モータ18を駆動してドレッサ19を回転させると共に、砥石スピンドル12を駆動して砥石8を回転させる。
このように、内面研削装置1は、斜面31をドレスする斜面部ドレス手段を備えている。
次に、内面研削装置1は、斜面部切刃26を円柱面32に当てて円柱面32をドレスし、円柱面32a(図3(b))を形成する(ステップ25)。
このように、内面研削装置1は、円柱面32を、外径が第2円柱面36の外径以下の円柱面となるように成形する円柱面部成形手段を備えている。
この際に、内面研削装置1は、斜面31のドレス量(図3(b)のA)から、第1円柱面35aの母線の長さが所定値L(図3(c))となるように、第2円柱面36aの形成位置を制御する。
更に、内面研削装置1は、今回行ったドレスによるドレスデータを運用履歴86に記録する。
この場合、第1円柱面35と第2円柱面36が成す段差よりもドレス量が小さい場合は、第1円柱面35をドレスした後も第2円柱面36が形成されているため、第1円柱面35だけドレスすればよい。
(1)斜面をドレスすることにより、第1円柱面の母線が短くなっても、円柱面に第1円柱面と第2円柱面を再度形成することにより第1円柱面の母線の長さを一定にすることができる。即ち、砥石長さを均一に保つことができる。
(2)変形例に係る砥石の場合は、斜面が第1円柱面に干渉するまで、斜面をドレスしても第1円柱面の母線の長さを一定にすることができる。
(3)第1内径面を研削する面である第1円柱面の母線の長さが一定であるため、高い加工精度(内径円筒度、真直度など)を維持することができる。
2 燃料噴射ノズル
8 砥石
12 砥石スピンドル
13 テーブル
14 テーブル
16 ワークヘッドスピンドル
18 モータ
19 ドレッサ
20 プーリ
22 ベルト
23 モータ
24 プーリ
25 外輪部切刃
26 斜面部切刃
31 斜面
32 円柱面
35 第1円柱面
36 第2円柱面
Claims (5)
- 回転軸を中心線とする第1の円柱面部と、前記第1の円柱面部と同心であり、前記第1の円柱面部と連続する、前記第1の円柱面部よりも小径の第2の円柱面部と、を有する円柱面部と、
前記回転軸を中心線とし、前記第1の円柱面部と前記第2の円柱面部の何れか一方と連続する斜面部と、から構成された内面研削砥石をドレスするドレス装置であって、
前記斜面部をドレスする斜面部ドレス手段と、
前記円柱面部を、外径が前記第2の円柱面部の外径以下の円柱面となるように成形する円柱面部成形手段と、
前記斜面部のドレス量に対して、前記第1の円柱面部の母線の長さが所定の値を保つように、前記成形した円柱面に第2の円柱面部を成形する第2の円柱面部成形手段と、
を具備したことを特徴とするドレス装置。 - 前記第2の円柱面部成形手段は、前記斜面部が形成されている側と対向する一端側に第2の円柱面部を成形することを特徴とする請求項1に記載のドレス装置。
- 円盤部材と、
前記円盤部材に固定され、前記円盤部材の中心軸と平行な中心軸を有する円柱面をドレスする第1の切刃部と、
前記円盤部材に固定され、前記円盤部材の中心軸と所定角度を成す斜面をドレスする第2の切刃部と、
前記円柱面部を、外径が前記第2の円柱面部の外径以下の円柱面となるように成形する円柱面部成形機能と、
を備えたドレッサを含む、請求項1、又は請求項2に記載のドレス装置。 - 回転軸を中心線とする第1の円柱面部と、前記第1の円柱面部と同心であり、前記第1の円柱面部と連続する、前記第1の円柱面部よりも小径の第2の円柱面部と、を有する円柱面部と、
前記回転軸を中心線とし、前記第1の円柱面部と前記第2の円柱面部の何れか一方と連続する斜面部と、から構成された内面研削砥石が装着可能な砥石装着手段と、
ワークを保持するワーク保持手段と、前記保持したワークの内面を前記内面研削砥石で研削する研削手段と、前記内面研削砥石をドレスする、請求項1、請求項2、又は請求項3に記載のドレス装置と、
を具備したことを特徴とする研削装置。 - 回転軸を中心線とする第1の円柱面部と、前記第1の円柱面部と同心であり、前記第1の円柱面部と連続する、前記第1の円柱面部よりも小径の第2の円柱面部と、を有する円柱面部と、
前記回転軸を中心線とし、前記第1の円柱面部と前記第2の円柱面部の何れか一方と連続する斜面部と、から構成された内面研削砥石をドレスするドレス方法であって、
前記斜面部をドレスする斜面部ドレスステップと、
前記円柱面部を、外径が前記第2の円柱面部の外径以下の円柱面となるように成形する円柱面部成形ステップと、
前記斜面部のドレス量に対して、前記第1の円柱面部の母線の長さが所定の値を保つように、前記成形した円柱面に第2の円柱面部を成形する第2の円柱面部成形ステップと、
を行うことを特徴とするドレス方法。
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