JP5039875B2 - ドレス装置、ドレス方法、及び数値制御プログラム - Google Patents
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Description
そこで加工精度を高めるために、燃料噴射ノズルの内面は、旋盤などにより粗加工した後、数値制御の内面研削装置で内面研削を行って仕上げ加工を行っている。
図7(a)は、燃料噴射ノズル2の断面を示しており、軸方向の長さが50[mm]、外径が10[mm]、内径が6[mm]程度の円筒部材41を用いて構成されている。
燃料噴射ノズル2を構成する部材としては、鉄やステンレスなどの金属材料が用いられる。
突起部45には、燃料を噴射するための微細な噴射口(図示せず)が複数形成されており、これら噴射口は円筒部材41の内部の先端部分に貫通している。
燃料噴射ノズル2には、ディーゼルエンジン内ではニードルと呼ばれる円柱部材が挿入されて使用されるが、第1内径面44は、この円柱部材との摺動面を成すため、高い加工精度が要求される。
第1内径面44とノズルシート面42は、それぞれ個別の砥石を用いて研削している。
砥石8の先端が干渉すると、砥石8が欠けてノズルシート面42を傷つけたり、あるいは、砥石8が損傷して加工精度が低下したりするなどの不具合が発生する可能性があった。
請求項2に記載の発明では、回転軸に垂直に形成された先端平坦部と、前記先端平坦部に連続し、前記回転軸を中心線とする円錐面を形成する斜面部と、前記斜面部に連続し、前記回転軸を中心線とする円柱面部と、を有し、円錐形状部とこの円錐形状部に続く円筒状部でくり抜かれたワークの前記円錐形状部を前記斜面部で研削する内面研削砥石を、円盤部材と、前記円盤部材に固定され、前記円盤部材の中心軸に垂直な平面をドレスする第1の切刃部と、前記円盤部材に固定され、前記円盤部材の中心軸と所定角度を成す斜面をドレスする第2の切刃部と、を具備したドレッサでドレスするドレス方法であって、前記第2の切刃部で、前記内面研削砥石の前記斜面部を所定量だけドレスする斜面部ドレスステップと、前記第1の切刃部で、前記斜面部の母線の長さが所定範囲となるように、前記所定量に対応する量だけ、前記内面研削砥石の前記先端平坦部をドレスする先端平坦部ドレスステップと、を行うことを特徴とするドレス方法を提供する。
請求項3に記載の発明では、回転軸に垂直に形成された先端平坦部と、前記先端平坦部に連続し、前記回転軸を中心線とする円錐面を形成する斜面部と、前記斜面部に連続し、前記回転軸を中心線とする円柱面部と、を有し、円錐形状部とこの円錐形状部に続く円筒状部でくり抜かれたワークの前記円錐形状部を前記斜面部で研削する内面研削砥石を、内面研削装置において、円盤部材と、前記円盤部材に固定され、前記円盤部材の中心軸に垂直な平面をドレスする第1の切刃部と、前記円盤部材に固定され、前記円盤部材の中心軸と所定角度を成す斜面をドレスする第2の切刃部と、を具備したドレッサでドレスするための数値制御プログラムであって、前記第2の切刃部で、前記内面研削砥石の前記斜面部を所定量だけドレスする斜面部ドレス機能と、前記第1の切刃部で、前記斜面部の母線の長さが所定範囲となるように、前記所定量に対応する量だけ、前記内面研削砥石の前記先端平坦部をドレスする先端平坦部ドレス機能と、を内面研削装置で実現する数値制御プログラムを提供する。
砥石8の先端部分を落として平坦形状に整形する。砥石8の先端が平坦であるため、砥石8がノズルシート面42の先端部分に干渉することはない。
また、砥石8の斜面をドレスする場合に、砥石8の先端部分も同量だけ平坦にドレスし、砥石8の斜面の母線の長さが一定となるようにする。
図1(a)は、本実施の形態に係る砥石の外形を示した図である。
砥石8は、例えば、CBN(cubic boron nitride:立方晶窒化ホウ素)などの砥石部材で構成されており、クイルなどと呼ばれる金属棒の先端に形成されている。
なお、斜面31の母線が砥石8の回転軸(円柱面32と平行)と成す角度をαとする。
また、砥石8の先端は平坦面33となっているため、砥石8の先端が円筒部材41の先端の閉塞部分に干渉することはない。
また、クーラント(研削液)は、例えば、金属棒の内部に設けられた流路を通って平坦面33にあけられた研削液供給口から研削箇所に供給されるようになっている。なお、突起部45に既に燃料の噴射口が形成されている場合は、この噴射口からクーラントを供給することも可能である。
内面研削装置1は、数値制御により主軸の回転数、砥石の移動経路(パス)、砥石のドレス量(切込量)、ドレス回数(切込回数)、クーラントの吐出などを制御することができるNC工作機械で構成されている。
このため、加工プログラムを実行してワークを自動的に加工することができるほか、ドレスプログラムを実行して砥石8を自動的にドレスすることができる。
ワークヘッドスピンドル16は、軸受によって保持された回転軸を備えている。この回転軸の先端には、燃料噴射ノズル2を着脱可能に保持するワーク保持部(ワーク保持手段)が形成されている。
一方、回転軸の他端には、プーリ20が取り付けられている。
そして、プーリ24とプーリ20には、ベルト22が掛けられており、モータ23の回転駆動力がベルト22を介してワークヘッドスピンドル16に伝達されるようになっている。
そのため、モータ23を駆動して、ワーク保持部に装着された燃料噴射ノズル2を中心線の回りに回転させることができる。
なお、砥石スピンドル12の回転速度と回転方向は数値制御プログラムにより設定することができる。
本実施の形態では、一例として、砥石8をCBNで構成したが、これは砥石8の材質を限定するものではなく、ワークなどに応じた材質を選択することができる。
砥石スピンドル12aは、テーブル14上に設けられていてもよいし、あるいは、z軸と直行するx’軸方向に移動するテーブルなどに設けられていてもよい。
または、内面研削装置1は砥石スピンドル12aと砥石8aを備えずに、砥石8の円柱面32によって第1内径面44を研削するように構成することもできる。
テーブル14は、x軸方向(砥石8の斜面方向)に移動可能に設置され、テーブル13はz軸方向(主軸方向)に移動可能に設置されている。
これらテーブルの移動量、及び移動速度は数値制御によりコントロールされる。
なお、x軸とz軸が成す角度をαとする。
例えば、テーブル13を固定してテーブル14をx軸方向に移動させることにより砥石8の斜面31をドレスすることができる。
この場合は、x軸とz軸を同時に制御して砥石スピンドル12を斜面方向に移動させてドレスすればよい。
ドレッサ19は、図2(b)に示したような円盤部材を用いて構成されたディスク型ロータリドレッサであり、後述するように外周切刃25と内周切刃26を有している。
ドレッサ19は、例えば、鉄、アルミ、ステンレスなどの金属材料で形成された円盤部材27で構成されている。円盤部材27の中心には、モータ18のスピンドルに装着するための貫通孔28が形成されている。
外周切刃25は、例えば直方体形状を有するダイヤモンド粒により構成されており、円盤部材27の外輪部部分に、中心軸に対して同心となるように複数配置されている。本実施の形態では、24個の外周切刃25を等間隔にて配置した。
このように、外周切刃25は、円盤部材27に固定され、円盤部材27の中心軸と所定角度を成す斜面をドレスする第2の切刃部を構成している。
このように内周切刃26は、円盤部材27に固定され、円盤部材27の中心軸に垂直な平面をドレスする第1の切刃部を構成している。
図4(a)は、平坦面33のドレスを説明するための図である。
図には、ドレッサ19と砥石8の位置関係を示すため、ドレッサ19の刃先の部分も図示してある。
ドレッサ19と砥石8は共に、それぞれの回転軸の回りに回転しているため、砥石8をz軸方向に移動して押し当てるだけで平坦面33は全面に渡ってドレスされる。
斜面31のドレスに関しては、内周切刃26が斜面31に接触する位置から砥石8をz軸方向に移動させた後、砥石8をx軸方向に前後させることにより行う。斜面31のz軸方向のドレス量は、平坦面33のドレス量と同じAとする。
平坦面33をドレスしたことにより平坦面33aが形成され、斜面31をドレスしたことにより斜面31aが形成される。
そのため、斜面31の母線の長さと斜面31aの母線の長さは等しくなる。
なお、斜面31と平坦面33の何れを先にドレスしてもよいが、実際にドレスを行ってみると平坦面33を先にドレスすると砥石8を良好にドレスできる傾向がある。
即ち、斜面31をドレスすると斜面31の母線の長さが長くなるが、砥石8の先端がノズルシート面42の先端に干渉しない範囲であれば、母線の長さは任意でよい。
これによって、例えば、斜面31を2回ドレスするごとに平坦面33を1回ドレスするといったような運用が可能となり、砥石8のドレス効率を高めることができる。
図5は、内面研削装置1のハードウェア的な構成の一例を示したブロック図である。
内面研削装置1は、CPU(Central Processing Unit)65、ROM(Read Only Memory)66、RAM(Random Access Memory)67、入力部68、表示部69、駆動制御部71、入出力I/F(インターフェース)72、記憶媒体駆動部73、記憶部74などの各機能部がバスライン75で接続されて構成されている。
また、CPU65は、ファイルの入出力や、数値制御プログラムの編集の受け付けなど、所定のプログラムに従って各種の情報処理も行う。
RAM67は、CPU65が動作するためのワーキングエリアを提供する読み書き可能なメモリである。
入力装置には、数字、文字、記号などを入力する文字キーやテンキー、予め設定された機能を指定するための機能キーなどを備えている。
ユーザは、入力部68を操作することにより、数値制御プログラムの作成、呼出、編集などを行ったり、内面研削装置1の動作を規定する各種パラメータを設定したりすることができる。
ユーザは、表示部69に数値制御プログラムを表示してこれを編集したり、あるいは予め用意されているメニュー画面を表示して各種のパラメータを設定したりするのに用いることができる。
入出力I/F72を用いて内面研削装置1をパーソナルコンピュータなどの外部機器に接続することにより、内面研削装置1と外部機器の間で数値制御プログラムの送受信などを行うことができる。
このため、外部で数値制御プログラムを用意し、入出力I/F72から内面研削装置1に入力することができる。
読み書き可能な記憶媒体としては、例えば、フレキシブルディスク、光磁気ディスク、半導体記憶装置、磁気テープなどがある。
また、読み取り専用の記憶媒体としては、例えば、CD−ROMなどの光ディスク類や紙テープなどがある。
記憶部74には、プログラム類を格納したプログラム部76とデータ類を記憶したデータ部77が形成されている。
なお、加工プログラム82やドレスプログラム83は複数記憶することができ、プログラム番号などの登録IDにより管理することができる。
そして、加工の際、あるいはドレスの際には、プログラム部76から目的のプログラムを呼び出してCPU65に実行させることができる。
データ部77には、内面研削装置1を動作させるための各種パラメータや座標値、内面研削装置1の運用履歴86などが記憶されている。
この前回のドレスデータでは、前回のドレスで形成された平坦面33、斜面31の位置を規定する座標値などが含まれており、これによって、内面研削装置1は、今回ドレスする際のドレッサ19と砥石8との位置関係を把握し、前回ドレスした砥石8の表面から引き続きドレスを行うことができる。
そして、内面研削装置1は、モータ18を駆動してドレッサ19を回転させると共に、砥石スピンドル12を駆動して砥石8を回転させる。
即ち、平坦面33のドレス量は、斜面31のドレスで落とされる量を見込んで予測した値である。
このように、内面研削装置1は、斜面31を所定量だけドレスする斜面部ドレス手段を備えている。
なお、以上のフローチャートでは、平坦面33をドレスした後に斜面31をドレスしたが、この順序は逆でもよい。
(1)砥石8の先端に平坦面33を設けることにより、斜面31の母線の長さを所定範囲内に保つことができる。
(2)斜面31の母線の長さを所定範囲に保つため、燃料噴射ノズル2の加工時に、砥石8の先端とノズルシート面42との干渉を防止することができる。
(3)平坦面33を設けない場合よりも、斜面31のドレス回数を多くすることができ、これによって砥石1つ当たりの加工数を増大させることができる。
(4)斜面31の母線の長さが所定値に保たれるため、ノズルシート面42の加工精度を向上させることができる。
回転軸に垂直に形成された先端平坦部と、前記先端平坦部に連続し、前記回転軸を中心線とする円錐面を形成する斜面部と、前記斜面部に連続し、前記回転軸を中心線とする円柱面部と、を有する内面研削砥石をドレスするドレス装置であって、前記斜面部を所定量だけドレスする斜面部ドレス手段と、前記斜面部の母線の長さが所定範囲となるように、前記所定量に対応する量だけ、前記先端平坦部をドレスする先端平坦部ドレス手段と、を具備したことを特徴とするドレス装置を提供する(第1の構成)。
第1の構成において、前記斜面部ドレス手段による前記内面研削砥石の回転軸方向のドレス量と、前記先端平坦部ドレス手段によるドレス量と、が等しくなるように構成することもできる(第2の構成)。
また、本発明は、回転軸に垂直に形成された先端平坦部と、前記先端平坦部に連続し、前記回転軸を中心線とする円錐面を形成する斜面部と、前記斜面部に連続し、前記回転軸を中心線とする円柱面部と、を有する内面研削砥石が装着可能な砥石装着手段と、ワークを保持するワーク保持手段と、前記保持したワークの内面を前記内面研削砥石で研削する研削手段と、前記内面研削砥石をドレスする、請求項1、または請求項2に記載のドレス装置と、を具備したことを特徴とする研削装置を提供する(第3の構成)。
更に、本発明は、回転軸に垂直に形成された先端平坦部と、前記先端平坦部に連続し、前記回転軸を中心線とする円錐面を形成する斜面部と、前記斜面部に連続し、前記回転軸を中心線とする円柱面部と、を有する内面研削砥石をドレスするドレス方法であって、前記斜面部を所定量だけドレスする斜面部ドレスステップと、前記斜面部の母線の長さが所定範囲となるように、前記所定量に対応する量だけ、前記先端平坦部をドレスする先端平坦部ドレスステップと、を行うことを特徴とするドレス方法を提供する(第4の構成)。
また、本発明は、回転軸に垂直に形成された先端平坦部と、前記先端平坦部に連続し、前記回転軸を中心線とする円錐面を形成する斜面部と、前記斜面部に連続し、前記回転軸を中心線とする円柱面部と、を有する内面研削砥石を、内面研削装置においてドレスするための数値制御プログラムであって、前記斜面部を所定量だけドレスする斜面部ドレス機能と、前記斜面部の母線の長さが所定範囲となるように、前記所定量に対応する量だけ、前記先端平坦部をドレスする先端平坦部ドレス機能と、を内面研削装置で実現する数値制御プログラムを提供する(第5の構成)。
2 燃料噴射ノズル
8 砥石
12 砥石スピンドル
13 テーブル
14 テーブル
16 ワークヘッドスピンドル
18 モータ
19 ドレッサ
20 プーリ
22 ベルト
23 モータ
24 プーリ
25 外周切刃
26 内周切刃
31 斜面
32 円柱面
33 平坦面
Claims (3)
- 回転軸に垂直に形成された先端平坦部と、前記先端平坦部に連続し、前記回転軸を中心線とする円錐面を形成する斜面部と、前記斜面部に連続し、前記回転軸を中心線とする円柱面部と、を有し、円錐形状部とこの円錐形状部に続く円筒状部でくり抜かれたワークの前記円錐形状部を前記斜面部で研削する内面研削砥石をドレスするドレス装置であって、
円盤部材と、前記円盤部材に固定され、前記円盤部材の中心軸に垂直な平面をドレスする第1の切刃部と、前記円盤部材に固定され、前記円盤部材の中心軸と所定角度を成す斜面をドレスする第2の切刃部と、を具備したドレッサと、
前記第2の切刃部で、前記内面研削砥石の前記斜面部を所定量だけドレスする斜面部ドレス手段と、
前記第1の切刃部で、前記斜面部の母線の長さが所定範囲となるように、前記所定量に対応する量だけ、前記内面研削砥石の前記先端平坦部をドレスする先端平坦部ドレス手段と、
を具備したことを特徴とするドレス装置。
- 回転軸に垂直に形成された先端平坦部と、前記先端平坦部に連続し、前記回転軸を中心線とする円錐面を形成する斜面部と、前記斜面部に連続し、前記回転軸を中心線とする円柱面部と、を有し、円錐形状部とこの円錐形状部に続く円筒状部でくり抜かれたワークの前記円錐形状部を前記斜面部で研削する内面研削砥石を、
円盤部材と、前記円盤部材に固定され、前記円盤部材の中心軸に垂直な平面をドレスする第1の切刃部と、前記円盤部材に固定され、前記円盤部材の中心軸と所定角度を成す斜面をドレスする第2の切刃部と、を具備したドレッサでドレスするドレス方法であって、
前記第2の切刃部で、前記内面研削砥石の前記斜面部を所定量だけドレスする斜面部ドレスステップと、
前記第1の切刃部で、前記斜面部の母線の長さが所定範囲となるように、前記所定量に対応する量だけ、前記内面研削砥石の前記先端平坦部をドレスする先端平坦部ドレスステップと、
を行うことを特徴とするドレス方法。
- 回転軸に垂直に形成された先端平坦部と、前記先端平坦部に連続し、前記回転軸を中心線とする円錐面を形成する斜面部と、前記斜面部に連続し、前記回転軸を中心線とする円柱面部と、を有し、円錐形状部とこの円錐形状部に続く円筒状部でくり抜かれたワークの前記円錐形状部を前記斜面部で研削する内面研削砥石を、
内面研削装置において、円盤部材と、前記円盤部材に固定され、前記円盤部材の中心軸に垂直な平面をドレスする第1の切刃部と、前記円盤部材に固定され、前記円盤部材の中心軸と所定角度を成す斜面をドレスする第2の切刃部と、を具備したドレッサでドレスするための数値制御プログラムであって、
前記第2の切刃部で、前記内面研削砥石の前記斜面部を所定量だけドレスする斜面部ドレス機能と、
前記第1の切刃部で、前記斜面部の母線の長さが所定範囲となるように、前記所定量に対応する量だけ、前記内面研削砥石の前記先端平坦部をドレスする先端平坦部ドレス機能と、
を内面研削装置で実現する数値制御プログラム。
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