JP2019126887A - 除去加工方法、除去加工プログラム、及び除去加工装置 - Google Patents

除去加工方法、除去加工プログラム、及び除去加工装置 Download PDF

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Hitoshi Omori
整 大森
上原 嘉宏
Yoshihiro Uehara
嘉宏 上原
晃三 田中
Kozo Tanaka
晃三 田中
保男 三木
Yasuo Miki
保男 三木
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Abstract

【課題】圧延ロールの側面に対して施す除去加工の作業効率を改善すること。【解決手段】除去加工方法(研削加工方法M1)は、胴部の側面に対して工具を押し当てることによって前記側面に対して除去加工を施す除去加工方法であって、軸方向に対する前記胴部の外径変化を変位量Dとして計測する第1の計測工程(S11)と、変位量Dに基づいてN個の突出区間S1,S2,…,SNを設定する設定工程(S12)と、変位量Dが所定の変位量である目標変位量DOとなるように、各突出区間Si(iは1≦i≦Nの整数)を個別に除去する除去工程(研削工程S17)とを含む。【選択図】図1

Description

本発明は、除去加工方法、除去加工プログラム、及び除去加工装置に関する。
コイル状に巻かれた鋼板を圧延するための鋼板圧延機は、鋼板を圧延するための工具として多段式の圧延ロール(センジミアロールとも呼ばれる)を備えている。多段式の圧延ロールは、鋼板を圧延するための経路の上側及び下側の各々に配置されており、鋼板に対して上下方向から圧力を印加するように構成されている。以下では、圧延ロールのうち、鋼板を圧延するときに鋼板に接し得る部分を胴部と呼ぶ。
圧延ロールは、圧延する鋼板よりも硬質な鋼を用いて構成されている。圧延ロールを構成する材質としては、冷間ダイス鋼や、高速度工具鋼や、超高合金などの特殊鋼が代表的である。また、圧延ロールは、円筒状あるいは円柱状の形状を有し、とても大きなアスペクト比(径方向の長さに対する軸方向の長さの比)を有する。
このような圧延ロールは、(1)特殊鋼製の丸棒をおおよそ圧延ロールの形状へ加工する粗加工工程と、(2)その硬度を所望の値とするための熱処理工程と、(3)切削加工を用いて圧延ロールの形状へ加工する下加工工程と、(4)研削加工を用いて胴部の側面を仕上げる最終工程と、により製造される。
特許文献1の図1には、このような圧延ロールの側面に対して研削加工を施す圧延ロール研削装置(本明細書における除去加工装置に読み替え可能)が記載されている。この除去加工装置は、(1)軸受けが圧延ロールの両端を保持するともに、第1駆動源が圧延ロールの中心近傍に位置する軸を回転軸として、圧延ロールを軸回りに回転させ、且つ、(2)回転砥石の砥粒層を胴部の側面に対して押し当てた状態のまま、回転砥石を軸方向に沿って移動させる、ことによって圧延ロールの側面を研削する。
特開平8−15233号公報(1996年1月19日公開)
ところで、上述した最終工程を実施する前の圧延ロールの外径は、上述した熱処理工程などに起因して、軸方向に対して不均一である場合が多い。この外径は、典型的には、軸方向に対して数10μm程度の範囲内において揺らいでいる。その一方で、特殊鋼製の圧延ロールの側面を回転砥石により研削する場合において、精度良く研削可能な切り込み量は、1パス当たり数μm程度である。
したがって、外径の軸方向に対する不均一さを除去するためには、複数パスの研削を繰り返すことになる。例えば、外径が70μmの範囲内で揺らいでおり、1パス当たり5μmの切り込み量で最終工程を実施する場合、実施すべき研削のパス数は、14パス(すなわち7往復)となる。
特許文献1の図1に記載されたような従来の除去加工装置は、1パスの研削を実施する場合に、外径の揺らぎ方を考慮することなく、所定の範囲内の全域に亘って回転砥石を移動させる。その結果、最終工程を実施するために要する時間のうち多くの時間において、回転砥石が胴部の側面に対して押し当てられていない状態、いわゆるエアカットの状態になる。換言すれば、従来の除去加工装置には、最終工程における作業効率を改善する余地がある。
なお、この課題は、研削加工を用いる最終工程のみならず、切削加工を用いる下加工工程にも当てはまる。
本発明の一態様は、上述した課題に鑑みてなされたものであり、その目的は、圧延ロールの側面に対して施す除去加工(切削加工又は研削加工)の作業効率を改善可能な除去加工方法、除去加工プログラム、及び除去加工装置を提供することである。
上記の課題を解決するために、本発明の一態様に係る除去加工方法は、圧延ロールの中心近傍に位置する軸を回転軸として回転している胴部の側面に対して工具を押し当てることによって前記側面に対して除去加工を施す除去加工方法であって、軸方向に対する前記胴部の外径変化を変位量Dとして計測する第1の計測工程と、変位量Dに基づいてN個の突出区間S,S,…,Sを設定する設定工程と、変位量Dが所定の変位量である目標変位量Dとなるように、変位量Dに応じて各突出区間S(iは1≦i≦Nの整数)を個別に除去する除去工程と、を含む。
上記の課題を解決するために、本発明の一態様に係る除去加工装置は、圧延ロールの一方の端部を保持し、且つ、前記圧延ロールの中心近傍に位置する軸を回転軸として前記圧延ロールを軸回りに回転させる第1保持部と、前記圧延ロールの他方の端部を保持する第2保持部と、前記圧延ロールが含む胴部の側面に対して押し当てられることによって、前記側面を切削又は研削する工具と、前記胴部の外径変化を変位量Dとして計測する変位量センサと、前記第1保持部、前記工具、及び前記変位量センサの動作を制御する制御部と、を備えた除去加工装置であって、前記制御部は、(1)前記変位量センサを軸方向に沿って移動させることによって、前記軸方向に対する前記胴部の外径変化を表す変位量Dを取得し、(2)変位量Dに基づいて、N個の突出区間S,S,…,Sを設定し、(3)変位量Dが所定の変位量である目標変位量Dとなるように、各突出区間Sの前記側面に前記工具を押し当てることによって、各突出区間S(iは1≦i≦Nの整数)を個別に除去する。
なお、本発明の範疇には、圧延ロールに含まれる胴部の側面に対して除去加工を施す除去加工プログラムであって、本発明の一態様に係る除去加工方法をコンピュータに実行させるための除去加工プログラムも含まれる。
本発明の一態様に係る除去加工方法、除去加工プログラム、及び除去加工装置は、圧延ロールの側面に対して施す除去加工の作業効率を改善することができる。
本発明の第1の実施形態に係る研削加工方法の流れを示すフローチャートである。 (a)〜(d)は、図1に示した研削加工方法を施すまえの圧延ロールの一例を示す模式図である。 (a)は、軸方向に対する変位量Dの変化を模式的に示したグラフであって、図1に示した研削加工方法に含まれる第1の計測工程を実施したあとの変位量Dを示したグラフである。(b)は、軸方向に対する変位量Dの変化を模式的に示したグラフであって、図1に示した研削加工方法に含まれる設定工程を実施したあとの変位量Dを示したグラフである。(c)は、軸方向に対する変位量Dの変化を模式的に示したグラフであって、図1に示した研削加工方法に含まれる近似工程を実施したあとの変位量Dを示すグラフである。 (a)は、軸方向に対する変位量Dの変化を模式的に示したグラフであって、図1に示した研削加工方法に含まれる分割工程を実施したあとの変位量Dを示すグラフである。(b)は、軸方向に対する変位量Dの変化を模式的に示したグラフであって、図1に示した研削加工方法に含まれる導出工程を実施したあとの変位量Dを示すグラフである。(c)は、図1に示した研削加工方法に含まれる研削工程を実施したあとの変位量Dを模式的に示したグラフである。(d)は、図1に示した研削加工方法に含まれる仕上げ工程を実施したあとの変位量Dを模式的に示したグラフである。 本発明の第2の実施形態に係る円筒研削盤の三面図である。 (a)は、図5に示した円筒研削盤が備えている砥石の平面図であり、(b)は、(a)に示した砥石の断面図であり、(c)は、(a)に示した砥石が備えている砥粒層の平面図である。 図5に示した円筒研削盤の変形例の砥石近傍の構成を示す模式図である。 図5に示した円筒研削盤が備えているコンピュータの構成を例示したブロック図である。
〔第1の実施形態〕
本発明の第1の実施形態に係る研削加工方法について、図1〜図4を参照して説明する。本実施形態に係る研削加工方法M1は、本発明の除去加工方法の一態様である。なお、本願明細書において、除去加工は、研削加工の他に切削加工を含む。
図1は、研削加工方法M1の流れを示すフローチャートである。図2の(a)〜(d)は、研削加工方法M1を施すまえの圧延ロール100の一例を示す模式図である。図3の(a)〜(c)は、軸方向に対する変位量Dの変化を模式的に示したグラフである。図3の(a)は、軸方向に対する変位量Dの変化を模式的に示したグラフであって、図1に示した第1の計測工程を実施したあとの変位量Dを示したグラフである。図3の(b)は、研削加工方法M1に含まれる設定工程S12を実施したあとの変位量Dを示したグラフであり、図3の(c)は、研削加工方法M1に含まれる近似工程S13を実施したあとの変位量Dを示すグラフである。図4の(a)〜(d)は、軸方向に対する変位量Dの変化を模式的に示したグラフである。図4の(a)は、研削加工方法M1に含まれる分割工程S14を実施したあとの変位量Dを示すグラフであり、図4の(b)は、研削加工方法M1に含まれる導出工程S15を実施したあとの変位量Dを示すグラフであり、図4の(c)は、研削加工方法M1に含まれる研削工程S17を実施したあとの変位量Dを模式的に示したグラフであり、図4の(d)は、研削加工方法M1に含まれる仕上げ工程S18を実施したあとの変位量Dを模式的に示したグラフである。
研削加工方法M1は、圧延ロール100(例えば図2の(a)〜(d)参照)に含まれる胴部104であって、その中心近傍に位置する軸ACを回転軸として回転している胴部104の側面103に対して工具を押し当てることによって側面103に対して研削加工を施す研削加工方法である。以下において、軸ACに対して平行な方向を軸方向と定め、軸ACに対して直交な方向を径方向と定める。
研削加工方法M1は、除去加工の一態様である研削又は切削を側面103に対して施す場合に適用可能である。本実施形態では、側面103を研削するための工具として砥石を用いた研削加工を例にして、研削加工方法M1について説明する。研削加工方法M1は、例えば、図5に示す円筒研削盤1を用いて実施することができる。円筒研削盤1については、第2の実施形態として後述する。なお、側面103に対して切削加工を施す場合には、砥石の代わりにバイトを工具として用いればよい。
胴部104は、出荷された圧延ロール100が鋼板を圧延するときに、鋼板に接し得る部分のことを指す。本実施形態においては、圧延ロール100における軸方向に沿ってみた場合の全区間、すなわち圧延ロール100の一方の端部から他方の端部までを胴部104とする。したがって、胴部104の始端101は、圧延ロール100の一方の端部と一致しており、胴部104の終端102は、圧延ロール100の他方の端部と一致している。研削加工方法M1は、胴部104に対して研削加工を施すように構成されている。
なお、圧延ロール100を軸方向に沿ってみた場合に、研削加工方法M1において、圧延ロール100の全区間のうち何れの部分に胴部104を設定するかは、製造する圧延ロール100の仕様に応じて適宜定めることができる。すなわち、研削加工方法M1において、圧延ロール100の全区間を胴部104としてもよいし、圧延ロール100の中央近傍に位置する区間のみを胴部104としてもよいし、圧延ロール100の一方の端部から圧延ロール100の中間地点までの区間を胴部104としてもよい。
(圧延ロール100)
コイル状に巻かれた鋼板を圧延するための鋼板圧延機は、鋼板を圧延するための工具として多段式の圧延ロール(センジミアロールとも呼ばれる)を備えている。
圧延ロールは、圧延する鋼板よりも硬質な鋼を用いて構成されている。圧延ロールを構成する材質としては、鋼(いわゆるスチール)が代表的であり、その中でも、冷間ダイス鋼や、高速度工具鋼や、超高合金などの特殊鋼が好ましい。本実施形態においては、冷間ダイス鋼製である圧延ロール100を用いて研削加工方法M1について説明する。
図2の(a)〜(d)に示すように、圧延ロール100は、円筒状の形状を有し、とても大きなアスペクト比(径方向の長さに対する軸方向の長さの比)を有する。研削加工方法M1において、圧延ロール100の径方向の長さである外径、及び、軸方向の長さである全長は、鋼板圧延機の仕様に基づき任意に定められる。圧延ロール100の外径及び全長のバリエーションは、多岐に亘る。圧延ロール100の一例としては、外径が70mmであり、全長が1500mmである圧延ロール100が挙げられる。
圧延ロール100は、(1)冷間ダイス鋼製の丸棒をおおよそ圧延ロールの形状へ加工する粗加工工程と、(2)その硬度を所望の値とするための熱処理工程と、(3)切削加工を用いて圧延ロール100の形状へ加工する下加工工程と、(4)研削加工を用いて胴部104の側面103を仕上げる最終工程と、により製造される。
これらの製造工程のうち前記最終工程は、圧延ロール100の商品性を高めるために重要である。圧延ロール100においては、側面103が鏡面であり且つ無傷であることと、胴部104の外径が軸方向に対して均一であることとが重視されるためである。側面103に微細な凹凸があったり、傷があったりした場合、それらの凹凸又は傷は、鋼板を圧延する過程においてその鋼板の表面に転写される。また、胴部104の外径が軸方向に対して不均一である場合、圧延された鋼板の厚さが場所によって不均一になる。このように、側面103に生じ得る凹凸や、胴部104の外径の不均一さは、何れも圧延した鋼板の価値を低下させる要因となる。そのため、前記最終工程においては、側面103を高精度に仕上げることが可能な研削加工が採用されている。
図2の(a)〜(d)の各図においては、圧延ロール100の外径及び全長に対して、その外径の不均一である部分の形状を4つのパターンに模式化し、そのうえで、外径の不均一である部分の径方向の寸法を誇張した状態の圧延ロール100を図示している。圧延ロール100の一例において、その外径は70mmであり、全長は1500mmである。これらのスケールに対して、外径の最大値と最小値との差分である外径の揺らぎ幅は、非常に小さい。典型的な揺らぎ幅は、数10μm程度であり、多くの場合において100μm以下の範囲に含まれる。したがって、最終工程を実施するまえの圧延ロール100において、外径が不均一であることを目視にて確認することはできない。
最終工程を実施するまえの圧延ロール100における軸方向に対する前記胴部の外径変化の態様としては様々なバリエーションが考え得るが、代表的な4つのパターンを図2の(a)〜(d)に示す。
図2の(a)に示した圧延ロール100において、その外径は、始端101において最も小さく、終端102において最も大きい。その外径は、軸方向に沿ってみた場合に、始端101から終端102に向かって単調に増加する。
図2の(b)に示した圧延ロール100において、その外径は、始端101及び終端102において小さく、胴部104の中央において大きい。その外径は、軸方向に沿ってみた場合に、始端101から胴部104の中央に向かって単調に増加し、且つ、胴部104の中央から終端102に向かって単調に減少する。
図2の(c)に示した圧延ロール100において、その外径は、始端101及び終端102において大きく、胴部104の中央において小さい。その外径は、軸方向に沿ってみた場合に、始端101から胴部104の中央に向かって単調に減少し、且つ、胴部104の中央から終端102に向かって単調に増加する。
図2の(d)に示した圧延ロール100において、その外径は、(1)始端101、胴部104の中央、及び終端102において大きく、(2)始端101と胴部104の中央との中間部分、及び、胴部104の中央と終端102との中間部分において小さい。図2の(d)に示した圧延ロール100は、図2の(c)に示した圧延ロール100を軸方向に沿って2つ並べたような形状である。
研削加工方法M1は、最終工程を実施する前の圧延ロール100に生じ得る、以上のような様々なパターンの外径変化を除去することができ、外径変化が何れのパターンに当てはまる場合であっても、研削加工の作業効率を向上させることができる。
なお、本実施形態では、冷間ダイス鋼製である圧延ロール100を用いて研削加工方法M1について説明する。しかし、圧延ロール100を構成する材料は、冷間ダイス鋼などの特殊鋼を含むスチールに限定されるものではなく、タングステンカーバイド(WC)であってもよいし、セラミクスであってもよいし、スチールの表面をセラミクスでコーティングしたものであってもよい。
(研削加工方法M1)
本実施形態では、上述した最終工程を実施する前の圧延ロールとして図2の(d)に示した圧延ロール100を用いて、研削加工方法M1について説明する。
図1に示すように、研削加工方法M1は、第1の計測工程S11と、設定工程S12と、近似工程S13と、分割工程S14と、導出工程S15と、仕上げ変位量決定工程S16と、研削工程S17と、仕上げ工程S18と、第2の計測工程S19とを含んでいる。
第1の計測工程S11は、胴部104の全区間に亘って、軸方向に対する胴部104の外径変化を変位量Dとして計測する工程である。第1の計測工程S11を実施することによって、軸方向に対する変位量Dの分布が得られる(図3の(a)参照)。なお、図3,4においては、軸方向をx軸方向と定め、径方向をy軸方向と定めている。x=xである位置は、胴部104の始端101に対応し、x=xである位置は、胴部104の終端102に対応する。
設定工程S12は、変位量Dに基づいてN個の突出区間S,S,…,Sを設定する工程である。本実施形態では、設定工程S12を実施することによって、3個の突出区間S,S,Sを設定する。
具体的には、設定工程S12は、図3の(b)に示すように、測定した変位量Dにおける極大値PMAX1,PMAX2,PMAX3と、極小値PMIN1,PMIN2とを検出する。ここで、極大値PMAX1,PMAX2,PMAX3の各々の座標を(xMAX1,yMAX1),(xMAX2,yMAX2),(xMAX2,yMAX2)と表し、極小値PMIN1,PMIN2の各々の座標を(xMIN1,yMIN1),(xMIN2,yMIN2)と表す。なお、xMAX1=xであり、xMAX3=xである。そのうえで、胴部104を、(1)2つの極小値PMIN1,PMIN2に対応するxMIN1,xMIN2より挟まれた突出区間(すなわちxMIN2<x≦xMIN1を満たす区間)と、(2)x≦xMIN2を満たす突出区間と、(3)xMIN1<xを満たす突出区間との3つの突出区間に分割する。
本実施形態において、設定工程S12は、図3の(b)に示すように3つの突出区間を終端102(x=x)からの距離が近い順番でナンバリングする。すなわち、終端102に最も近い突出区間を突出区間Sと定め、終端102から最も離れた突出区間を突出区間Sと定め、突出区間Sと突出区間Sとの間に位置する突出区間を突出区間Sと定める。なお、本実施形態においては、N=3であるが、Nが4以上である場合であっても、終端102(x=x)からの距離が近い順番で、N個の突出区間を突出区間S,S,S,…Sとナンバリングすればよい。
近似工程S13は、各突出区間S(本実施形態において、1≦i≦3の整数)における変位量Dを前記軸方向における位置xの関数として近似する。すなわち、近似工程S13は、突出区間Sを関数f1(x)として近似し、突出区間Sを関数f2(x)として近似し、突出区間Sを関数f3(x)として近似する。
なお、(1)関数f1(x)は、突出区間Sの上限値を規定するf11(x)=xと、極大値PMAX1と極小値PMIN1との間における変位量Dを近似した関数f12(x)とからなり、(2)関数f2(x)は、突出区間Sのうち、xMAX2<x≦xMIN1である区間を近似した関数f21(x)と、xMIN2<x≦xMAX2である区間を近似した関数f22(x)とからなり、(3)関数f3(x)は、極小値PMIN2と極大値PMAX3との間における変位量Dを近似した関数f31(x)と、突出区間Sの下限値を規定するf32(x)=xとからなる。
各突出区間Sを近似する関数は、xの関数であれば如何なる関数でもよい。関数の例としては、一次関数、二次関数、及び多項式を用いた関数が挙げられる。また、f11(x)=x及びf32(x)=xのようにxが一定である式も関数に含む。
分割工程S14は、各突出区間Sをn個のサブ領域SSij(jは1≦j≦nの整数)に分割する。例えば、突出区間Sにおいて、分割工程S14は、変位量Dが最大である最大変位量yMAX1と、目標変位量Dとの間に、最大変位量yMAX1に近い順に4個(請求の範囲に記載のn−1個)のサブ目標変位量DS11,DS12,…,DS14を設定し、且つ、目標変位量Dを5個目のサブ目標変位量DS15とすることによって、突出区間Sを5個(請求の範囲に記載のn個)のサブ領域SS1j(jは1≦j≦5の整数)に分割する(図4の(a)参照)。
同様に、分割工程S14は、突出区間Sを6個のサブ領域SS2j(jは1≦j≦5の整数)に分割し、且つ、突出区間Sを6個のサブ領域SS3j(jは1≦j≦5の整数)に分割する。なお、目標変位量Dは、各突出区間Sにおいて共通するパラメータである。目標変位量Dは、後述する最終目標変位量DOFに対して、後述する仕上げ工程S18において研削する切り込み量を加算することによって定められる。
各突出区間Sを何個のサブ領域SSijに分割するかは、最大変位量yMAXiと目標変位量Dと差分(すなわち、後述する研削工程S17において研削すべき研削量)と、1パスで研削可能な研削量とに基づいて適宜定めればよい。本実施形態において、突出区間Sの最大変位量yMAX1は、突出区間Sの最大変位量yMAX2及び突出区間Sの最大変位量yMAX3と比較して小さい。そのため、本実施形態では、突出区間Sを5個のサブ領域SS1jに分割し、突出区間S,Sを6個のサブ領域SS2j,SS3jに分割している。
導出工程S15は、前記関数に対して各サブ目標変位量DSを代入することによって、各サブ領域SSijの前記軸方向における下限位置xMIN及び上限位置xMAXを導出する。例えば、突出区間Sにおいて、導出工程S15は、関数f1(x)を構成する関数f11(x)及びf12(x)に対してサブ目標変位量DS11を代入することによって、サブ領域SS11の軸方向における下限位置xMIN11及び上限位置xMAX11を導出する(図4の(b)参照)。導出工程S15は、同様に、j=1以外の各サブ領域SS1jについても、下限位置xMIN1j及び上限位置xMAX1jを導出する。
ここでは、その説明を省略するが、導出工程S15は、突出区間Sの場合と同様に、突出区間S,Sの各サブ領域SS2j,SS3jについても下限位置xMIN2j,xMIN3j及び上限位置xMAX2j,xMAX3jを導出する。なお、図4の(b)には、各サブ領域SS1jのみを図示し、各サブ領域SS2j,SS3jの図示を省略している。これは、図面が煩雑になることを防ぐためである。
仕上げ変位量決定工程S16は、胴部104の全区間において変位量Dが最小である最小変位量DMINを下回る変位量である最終目標変位量DOFを決定する。図3の(b)からも明らかなように、本実施形態において、最小変位量DMINは、極小値PMIN2に対応するyMIN2である。したがって、仕上げ変位量決定工程S16は、yMIN2を下回るように最終目標変位量DOFを決定する。
研削工程S17は、研削後の変位量Dが目標変位量Dとなるように、変位量Dに応じて各突出区間S(iは1≦i≦Nの整数)を個別に除去する(図4の(c)参照)。
仕上げ工程S18は、胴部104の全区間に亘って、変位量Dが最終目標変位量DOFとなるように側面103を除去することによって側面103を仕上げる(図4の(d)参照)。仕上げ工程S18を実施することによって、研削後の変位量Dは、研削前の変位量Dの最小変位量DMINを下回る。すなわち、圧延ロール100の側面103において、軸方向に沿った変位量Dは、均一に仕上げられる。
(研削加工方法M1のまとめ)
以下に、研削加工方法M1の奏する効果と、好ましい構成とについてまとめて記載する。
上述したように、研削加工方法M1は、圧延ロール100の中心近傍に位置する軸ACを回転軸として回転している胴部104の側面103に対して工具(本実施形態においては砥石)を押し当てることによって側面103に対して除去加工(本実施形態においては研削加工)を施す研削加工方法である。研削加工方法M1は、軸方向に対する胴部104の変位量Dを計測する第1の計測工程S11と、変位量Dに基づいてN個の突出区間S,S,…,Sを設定する設定工程S12と、変位量Dが所定の変位量である目標変位量Dとなるように、変位量Dに応じて各突出区間S(iは1≦i≦Nの整数)を個別に研削する研削工程と、を含む。
研削加工方法M1は、軸方向に沿った変位量Dに基づいてN個の突出区間S,S,…,Sを設定したうえで、変位量Dに応じて各突出区間Sを個別に研削する。すなわち、研削加工方法M1は、変位量Dを考慮した状態で各突出区間Sを個別に研削する。したがって、研削加工方法M1は、側面103に対して施す研削加工の作業効率を改善することができる。
また、第1の計測工程S11は、前記工具と同期した状態で、前記回転軸に沿って相対的に移動するように設けられた変位量センサを、始端101から終端102に向かって相対的に移動させることによって実施することが好ましい。そのうえで、N≧2である場合に、設定工程S12は、終端102に最も近い突出区間を突出区間Sと定め、終端102から最も離れた突出区間を突出区間Sと定め、研削工程S17は、i=1,2,…,Nの順番で各突出区間Sを研削することが好ましい。
上記の構成によれば、研削加工方法M1は、始端101から終端102に向かって第1の計測工程S11を実施したあとに、終端102からの距離が近い順番で各突出区間Sを研削する研削工程S17を実施する。そのため、研削加工方法M1は、第1の計測工程S11と研削工程S17との間に生じ得る工具の無駄な移動を抑制することができる。したがって、研削加工方法M1は、研削加工の作業効率を更に向上させることができる。
また、研削加工方法M1は、各突出区間Sにおける変位量Dを前記軸方向における位置xの関数fi(x)として近似する近似工程S13を更に含むことが好ましい。そのうえで、研削工程S17は、各突出区間Sにおいて、変位量Dが予め定められた目標変位量D以上であり、且つ、関数fi(x)以下である部分を研削することが好ましい。
上記の構成によれば、研削加工方法M1は、各突出区間Sにおける変位量Dを前記軸方向における位置xの関数fi(x)として近似するため、変位量Dの分布を精密に考慮した状態で各突出区間Sを研削する。したがって、研削加工方法M1は、研削加工の作業効率を確実に向上させることができる。
また、研削加工方法M1は、分割工程S14と、導出工程S15とを更に含むことが好ましい。分割工程S14は、各突出区間Sにおいて変位量Dが最大である最大変位量DMAXiと、目標変位量Dとの間に、最大変位量DMAXiに近い順にn−1個のサブ目標変位量DSi1,DSi2,…,DSin−1を設定し、且つ、目標変位量Dをn個目のサブ目標変位量DSinとすることによって、各突出区間Sをn個のサブ領域SSij(jは1≦j≦nの整数)に分割する。導出工程S15は、各間数fi(x)に対して各サブ目標変位量DSijを代入することによって、各サブ領域SSijの前記軸方向における下限位置xMIN及び上限位置xMAXを導出する。
そのうえで、研削工程S17は、各サブ目標変位量DSij−1に対応する下限位置xMINij≦x≦上限位置xMAXijの範囲に前記工具を押し当てることによって、j=1,2,…,nの順番で各サブ領域SSijを研削することが好ましい。
上記の構成によれば、研削加工方法M1は、各突出区間Sをn個のサブ領域SSij(jは1≦j≦nの整数)に分割したうえで、各サブ領域SSijが存在する位置を考慮した状態で各サブ領域SSijを研削する。すなわち、研削加工方法M1は、変位量Dの分布をより精密に考慮した状態で各突出区間Sを研削する。したがって、研削加工方法M1は、研削加工の作業効率をより確実に向上させることができる。
また、前記工具は、図6に示すように、所定の厚さを有する円盤形状の砥石51であって、砥粒層53が前記円盤形状の外周面に沿って形成された砥石51であることが好ましい。そのうえで、研削工程S17は、砥石51の中心軸ACを回転軸として砥石51を回転させながら、砥粒層53の表面を側面103に対して押し当てることによって側面103を研削することが好ましい。
研削加工方法M1は、請求の範囲に記載の除去工程において実施する除去の一態様として、研削を採用する場合にも好適に用いることができる。
また、研削工程S17は、(1)下限位置xMINijと上限位置xMAXijとの差分が砥石51の厚さ以下である場合に、側面103に対して、砥石51を押し当てることによって側面103を研削するプランジ研削を採用し、(2)前記差分が前記厚さを上回る場合に、砥石51を側面103に対して押し当てつつ砥石51を圧延ロール100の回転軸に沿って相対的に移動させるトラバース研削を採用することが好ましい。
上記の構成によれば、研削加工方法M1は、研削工程S17において、下限位置xMINijと上限位置xMAXijとの差分の値に応じてプランジ研削とトラバース研削とを使い分ける。したがって、研削加工方法M1は、前記差分が前記厚さ以下である場合に生じ得る砥石51の無駄な移動を抑制することができる。したがって、研削工程をトラバース研削のみで実施する場合と比較して作業効率を向上させることができる。
また、研削加工方法M1は、仕上げ変位量決定工程S16と、仕上げ工程S18と、第2の計測工程S19とを更に含む事が好ましい。仕上げ変位量決定工程S16は、胴部104において変位量Dが最小である最小変位量DMINを下回る変位量である最終目標変位量DOFを決定する。仕上げ工程S18は、胴部104の軸方向に沿った変位量Dが最終目標変位量DOFとなるように側面103を研削することによって側面103を仕上げる。第2の計測工程S19は、仕上げ工程S18のあとに、胴部104の前記軸方向に対する外径変化を最終変位量Dとして計測する。
上記の構成によれば、研削加工方法M1は、仕上げ工程S18において、変位量Dが最小変位量DMINを下回る最終目標変位量DOFとなるように、胴部104の全区間に亘って側面103を研削するので、軸方向に対する変位量Dの不均一さを可能な限り抑制することができる。
また、研削加工方法M1は、第2の計測工程S19において最終変位量Dを計測するので、仕上げ工程完了後の圧延ロールの品質の高さを可視化することができる。
また、仕上げ工程S18は、砥石51を側面103に押し当てながら、砥石51を始端101から終端102に向かって相対的に移動させることによって実施され、第2の計測工程S19は、前記変位量センサを、終端102から始端101に向かって移動させることによって実施されることが好ましい。
研削加工方法M1において、N≧2である場合に、研削工程S17は、i=1,2,…,Nの順番で各突出区間Sを研削するように構成されている。そのため、研削工程S17を完了した時点において、砥石51及び前記変位量センサは、軸方向において始端101に近い位置に存在する。
上記の構成によれば、研削加工方法M1は、仕上げ工程S18を始端101から終端102に向かって実施し、第2の計測工程S19を終端102から始端101に向かって実施する。そのため、研削加工方法M1は、研削工程S17と仕上げ工程S18との間、及び、仕上げ工程S18と第2の計測工程S19との間の各々に生じ得る砥石51及び前記変位量センサの無駄な移動を抑制することができる。したがって、研削加工方法M1は、仕上げ工程S18及び第2の計測工程S19を実施する場合であっても研削加工の作業効率を向上させることができる。
また、上記の構成によれば、第2の計測工程S19を完了した時点において、砥石51及び前記変位量センサは、始端101に位置している。したがって、第2の計測工程S19を完了したあとに砥石51及び前記変位量センサを無駄に移動させることなく、研削加工済の圧延ロール100を円筒研削盤から取り外し、新たに研削加工を施される圧延ロール100を円筒研削盤に取り付けることができる。したがって、研削加工方法M1は、大量の圧延ロール100に対して研削加工を施す場合に好適である。
また、研削加工方法M1は、(1)本実施形態において説明したように、新品の圧延ロール100を製造する製造工程に含まれる最終工程として実施することもできるし、(2)中古の圧延ロール100の側面103を改めて仕上げるために実施することもできる。
鋼板圧延機にインストールされ、鋼板を圧延し続けた中古の圧延ロール100の側面103は、偏摩耗することによってその表面に微細な凹凸が生じたり、微細な傷が生じたりする可能性がある。このような中古の圧延ロール100に対して研削加工方法M1を施すことによって、圧延ロール100を再生することができる。圧延ロール100の再生は、圧延ロール100の製造と比較して、短期間で完了することができる。したがって、圧延ロール100を迅速且つ低コストで顧客に提供することができる。
また、研削加工方法M1は、第2の計測工程S19を含んでいるため、工場から出荷した圧延ロール100における最終変位量Dをデータとして保持しておくことができる。最終変位量Dをデータとして保持しておくことによって、その圧延ロール100が中古の圧延ロール100として工場に戻ってきた場合に、中古の圧延ロール100における変位量Dと、新品時の最終変位量Dとを比較参照することができる。
また、研削工程S17は、各突出区間Sを研削する場合に、サブ領域SSijの数に応じて、1つめのサブ領域SSi1を研削する方向を定めることが好ましい。例えば、突出区間Sのように、突出区間Sが奇数個のサブ領域SSij(jは1≦j≦nの整数であり、nは奇数)により構成されている場合、奇数番目のサブ領域SSij(i=1,3,5,…)を研削する場合に、砥石51を終端102から始端101へ向かう方向へ移動させ、偶数番目のサブ領域SSij(i=2,4,6,…)を研削する場合に、砥石51を終端102から始端101へ向かう方向へ移動させるように、研削工程S17を構成することが好ましい。
また、例えば、突出区間S,Sのように、突出区間Sが偶数個のサブ領域SSij(jは1≦j≦nの整数であり、nは偶数)により構成されている場合、奇数番目のサブ領域SSij(i=1,3,5,…)を研削する場合に、砥石51を始端101から終端102へ向かう方向へ移動させ、偶数番目のサブ領域SSij(i=2,4,6,…)を研削する場合に、砥石51を始端101から終端102へ向かう方向へ移動させるように、研削工程S17を構成することが好ましい。
上記の構成によれば、各突出区間Sの最後のサブ領域サブ領域SSinを研削する場合に砥石51を移動させる方向が終端102から始端101へ向かう方向となる。したがって、設定工程S12が、終端102に最も近い突出区間から順番に突出区間S1,2,…,Nとナンバリングし、且つ、研削工程S17がi=1,2,…,Nの順番で各突出区間Sを研削する場合に、砥石51の無駄な移動を抑制しつつ、突出区間Sの研削から突出区間Si+1の研削に移行することができる。
〔第2の実施形態〕
本発明の第2の実施形態に係る円筒研削盤について、図5〜図7を参照して説明する。本実施形態に係る円筒研削盤1は、本発明の除去加工装置の一態様であり、第1の実施形態に係る研削加工方法M1を実施するために好適に利用可能である。なお、本実施形態では、工具として砥石を採用した円筒研削盤1を例にして本発明の除去加工装置について実施する。しかし、本発明の一態様に係る除去加工装置は、工具としてバイトを採用した旋盤であってもよい。
図5は、円筒研削盤1の三面図である。図6の(a)は、円筒研削盤1が備えている砥石51の平面図である。図6の(b)は、砥石51の断面図であり、図6の(a)に図示した直線AA’に沿った断面における断面図である。直線AA’は、砥石51の中心Cを通る中心軸ACに対して直行する直線である。図6の(c)は、砥石51が備えている砥粒層53を径方向の正方向側からみた場合の平面図である。図7は、円筒研削盤1の変形例の構成を示す模式図である。
円筒研削盤1は、(1)圧延ロール100(例えば図2の(a)〜(d)参照)に含まれる胴部104を、軸ACを回転軸として回転させながら、(2)胴部104の側面103に対して回転させている砥石51を押し当てることによって、側面103に対して研削加工を施す円筒研削盤である。
本実施形態において研削加工を施す圧延ロール100は、第1の実施形態において研削加工方法M1を適用した圧延ロール100と同一である。したがって、本実施形態では、圧延ロール100に関する説明を省略する。
(円筒研削盤1の構成)
円筒研削盤1は、図5に示すように、テーブル11と、縦送り軸12と、縦親ねじ13と、レール14,15と、主軸台21と、センタ22と、心押台23と、センタ24と、往復台31と、横送り軸32と、横親ねじ33と、横送り台41と、砥石台42と、スピンドル43と、支持軸44と、アーム45と、変位量センサ46と、砥石51と、支持台61と、支持棒62と、モータM1と、ステッピングモータM2,M3と、モータM4とを備えている。また、モータM1、ステッピングモータM2,M3、及び、モータM4の各々は、請求の範囲に記載した制御部であるコンピュータ71により制御されている。
テーブル11は、表面が平滑に仕上げられた定盤の一種である。テーブル11を平面視した場合の形状は、長方形である。図5に図示した座標系は、テーブル11の長辺に対して平行な方向をx軸と定め、テーブル11の短辺に対して平行な方向をy軸と定め、テーブル11の表面の法線方向をz軸と定めている。また、後述するセンタ22からセンタ24に向かう方向をx軸正方向と定め、鉛直方向上向きをz軸方向と定め、x軸正方向及びz軸正方向とともに右手系の直交座標系を構成するようにy軸正方向を定めている。
テーブル11の表面には、縦送り軸12と、縦親ねじ13と、レール14,15と、主軸台21とが配置されている。
主軸台21は、モータM1と、ステッピングモータM2とを収納している。モータM1は、円筒研削盤1の主軸であり、請求の範囲に記載の第1保持部であるセンタ22に接続されている。モータM1は、センタ22を回転させる。すなわち、圧延ロール100の回転運動の動力源は、モータM1である。
ステッピングモータM2は、後述する縦親ねじ13に接続されている。ステッピングモータM2は、縦親ねじ13を回転させることによって、往復台31をx軸方向に沿って往復運動させる。
縦送り軸12及び縦親ねじ13は、その長軸がx軸方向と平行となるように、テーブル11の表面に配置されている。縦送り軸12は、往復台31のx軸方向に沿った往復運動をガイドする。縦親ねじ13は、上述したようにステッピングモータM2に接続されている。往復台31の底面には、縦親ねじ13のねじ山と対応した雌ねじが形成されている。縦親ねじ13が回転することによって、往復台31は、x軸方向に沿って往復運動する。往復台31をx軸方向に沿って移動させることによって、後述する砥石51は、圧延ロール100の軸方向に沿って移動する。すなわち、砥石51の送る動作の動力源は、ステッピングモータM2である。
レール14は、その長軸がx軸方向と平行となるように、テーブル11の表面に配置されている。レール14の上には、支持台61が載置されている。支持台61は、底面の形状が長方形である柱状部材であり、x軸方向に移動可能なように構成されている。支持台61の頭頂部近傍には、円柱状の支持棒62がy軸正方向に向かって突出するように設けられている。支持棒62は、その先端の位置をy軸方向に沿って自在に調整可能なように構成されている。支持棒62の先端面は、圧延ロール100の側面に接するように調整されている。この構成によれば、長尺である圧延ロール100の側面に対して、砥石51がy軸正方向に向かって押しつけられた場合であっても、圧延ロール100の側面をy軸正方向に向かって押し返すことによって、圧延ロール100がy軸負方向側へ逃げることを抑制する。
レール15は、図5の右側面図(右下の図)に示すように、その長軸がx軸方向と平行となるように、テーブル11の表面に配置されている。図5の正面図(左下の図)及び平面図(左上の図)においてレール15は、圧延ロール100又はレール14の陰になり図示されていない。
レール15の上には、心押台23が載置されている。心押台23は、底面の形状が長方形である柱状部材であり、x軸方向に移動可能なように構成されている。心押台23の上部には、請求の範囲に記載の第2保持部であるセンタ24が回転自在な状態で配置されている。センタ24は、センタ22とともに圧延ロールを挟み込むことによって、圧延ロール100の回転軸がぶれないように圧延ロール100を保持する。センタ24は、回転自在に構成されているため、センタ22と共に回転する圧延ロール100を保持しつつ、自身が回転する。
なお、本発明の一態様において、第1保持部及び第2保持部は、センタ22,24の代わりにチャックを用いてもよい。
円筒状の形状を有する圧延ロール100は、一方の端部(図2に示した始端101)をセンタ22によって保持され、他方の端部(図2に示した終端102)をセンタ24によって保持されることによって円筒研削盤1にセットされる。
横送り軸32及び横親ねじ33は、その長軸がy軸方向と平行となるように、往復台31の上面(z軸正方向側の表面)に配置されている。横送り軸32は、横送り台41のy軸方向に沿った往復運動をガイドする。横親ねじ33は、往復台31に収納されたステッピングモータM3に接続されている。横送り台41の底面には、横親ねじ33のねじ山と対応した雌ねじが形成されている。横親ねじ33が回転することによって、横送り台41は、y軸方向に沿って往復運動する。横送り台41をy軸方向に沿って移動させることによって、後述する砥石51は、圧延ロール100の径方向に沿って移動する。すなわち、砥石51を切り込む動作の動力源は、ステッピングモータM3である。
横送り台41の上面(z軸正方向側の表面)には、モータM4を収納した砥石台42が固定されている。モータM4は、スピンドル43に接続されており、スピンドル43を回転させる。
スピンドル43には、砥石51を着脱自在に固定することができる。砥石51は、自身の中心軸AC(図6の(b)参照)と、スピンドル43の中心軸とが一致するように、スピンドル43に対して固定される。砥石51の回転運動の動力源は、モータM4である。
横送り台41の上面には、柱状部材である支持軸44がz軸方向と平行に配置されている。支持軸44の上部には、長方形の板状部材であるアーム45が、(1)支持軸44の軸回り方向に対して回転自在に、且つ、(2)z軸方向に沿って移動可能なように取り付けられている。
アーム45の両端には円形の貫通孔がz軸方向に沿って設けられており、一方の貫通孔には支持軸44に取り付けられており、他方の貫通孔には、後述する変位量センサ46が固定されている。
以上のように、往復台31と横送り台41とは、請求の範囲に記載の保持台を構成する。保持台は、砥石51及び変位量センサ46を保持するとともに、砥石51と圧延ロール100との相対位置と、変位量センサ46と圧延ロール100との相対位置とを定める。保持台は、往復台31がx軸方向に沿って移動することによって砥石51及び変位量センサ46の各々を同期した状態で軸方向に対して移動させる。
変位量センサ46は、圧延ロール100の胴部の外径変化を変位量Dとして計測する。変位量センサ46の先端部(図6においてz軸負方向側の先端部)には、圧延ロール100の胴部との距離を検出する検出部が設けられている。変位量センサ46は、前記検出部が圧延ロール100の胴部に近接するように配置されている。変位量センサ46の位置は、アーム45の位置を調整することによって自在に調整可能である。また、変位量センサ46を使用しないときには、アーム45を支持軸44の軸回りに回転させることによって、変位量センサ46をy軸正方向側へ退避させることもできる。
変位量センサ46としては、(1)マイクロメータを備えた接触型の機械式変位量センサ、(2)レーザダイオードを備えた非接触型の光学式変位量センサ、(3)コイルを備えた非接触型の渦電流式変位量センサのうち少なくとも何れかを採用することができる。また、円筒研削盤1は、機械式変位量センサ、光学式変位量センサ、及び渦電流式変位量センサのうち複数の変位量センサを備えていてもよい。
変位量センサ46が測定した変位量Dは、コンピュータ71に転送され、軸方向の位置xと対応付けられた形でデータとしてハードディスクドライブなどの不揮発性の記憶部に格納される。
(砥石51)
砥石51は、円筒研削盤が備えている工具の一例である。砥石51は、図6の(a)及び(b)に示すように、フランジ52と、砥粒層53とにより構成されている。
フランジ52は、所定の厚さを有する円盤形状の板状部材である。本実施形態において、フランジ52は、金属製である。
砥粒層53は、フランジ52の外周面に沿って形成されている。砥粒層53は、砥粒と結合材とにより構成されている。砥粒には、圧延ロールを構成する材料(本実施形態では冷間ダイス鋼)より硬く、摩耗しにくく、優れた耐熱性を有する材料が好適である。砥粒層53を構成する砥粒としては、高い硬度を有する立方晶窒化ホウ素(cBN)砥粒又はダイヤモンド砥粒が好適である。
結合材は、砥粒同士を結合することによって層状の砥粒層53を形成する。砥粒層53を結合材としては、メタルボンドが好適である。
以上のように、砥石51としては、cBN砥粒又はダイヤモンド砥粒を含むメタルボンド砥石が好適である。
(コンピュータ71による制御)
円筒研削盤1に接続されたコンピュータ71は、円筒研削盤1の制御部として機能する。コンピュータ71は、モータM1、ステッピングモータM2,M3、及びモータM4の回転動作を制御することによって、センタ22の回転動作、往復台31のx軸方向への往復移動、横送り台41のy軸方向への往復移動、スピンドル43の回転動作の各々を制御する。
コンピュータ71は、モータM1の回転を制御することによって、軸ACを回転軸として、圧延ロール100を回転させる。
コンピュータ71は、ステッピングモータM2の回転を制御することによって、図1に記載の研削工程S17及び仕上げ工程S18における砥石51の送り量を制御する。また、変位量センサ46は、砥石51と同期して移動するように横送り台41に対して固定されている。したがって、コンピュータ71は、変位量センサ46に変位量を計測させながら、ステッピングモータM2の回転を制御することによって、図1に記載の第1の計測工程S11及び第2の計測工程S19を実施する。そのうえで、コンピュータ71は、変位量センサ46が計測した変位量を変位量センサ46から取得したうえで、その変位量と、ステッピングモータM2の回転数とを対応付けることによって、軸方向に沿った変位量D及び軸方向に沿った最終変位量Dを生成する。
コンピュータ71は、ステッピングモータM3の回転を制御することによって、図1に記載の研削工程S17及び仕上げ工程S18における砥石51の切り込み量を制御する。
コンピュータ71は、図1に記載の研削工程S17及び仕上げ工程S18において、モータM4の回転を制御することによって砥石51の軸ACを回転軸として砥石51を回転させる。
以上のように、コンピュータ71は、モータM1、ステッピングモータM2,M3、及びモータM4の各々を適宜制御することによって、図1に示した研削加工方法M1が含む工程のうち、第1の計測工程S11、研削工程S17、仕上げ工程S18、及び、第2の計測工程S19の各々を実施する。
(円筒研削盤1のまとめ)
円筒研削盤1は、圧延ロール100の一方の端部を保持し、且つ、圧延ロール100の中心近傍に位置する軸ACを回転軸として、圧延ロール100を軸回りに回転させるセンタ22と、圧延ロール100の他方の端部を保持するセンタ24と、圧延ロール100が含む胴部104の側面に対して押し当てられることによって、前記側面を切削又は研削する工具(本実施形態では前記側面を研削する砥石51)と、圧延ロール100の胴部の外径変化を変位量Dとして計測する変位量センサ46と、センタ22、砥石51、及び変位量センサ46の動作を制御するコンピュータ71と、を備えている。コンピュータ71は、(1)変位量センサ46を前記軸方向(図5に示したx軸方向)に沿って移動させることによって、前記軸方向に対する前記胴部の外径変化を表す変位量Dを取得し、(2)変位量Dに基づいて、N個の突出区間S,S,…,Sを設定し、(3)変位量Dが所定の変位量である目標変位量Dとなるように、各突出区間Sの前記側面に前記工具を押し当てることによって、各突出区間S(iは1≦i≦Nの整数)を個別に研削するように円筒研削盤1を制御する。
なお、上述した(1)は、図1に示した第1の計測工程S11に対応し、(2)は、図1に示した設定工程に対応し、(3)は、研削工程S17に対応する。
上記の構成によれば、円筒研削盤1は、本発明の一態様に係る研削加工方法M1と同様の効果を奏する。
円筒研削盤1において、前記工具は、所定の厚さを有する円盤形状のフランジ52と、フランジ52の外周面に沿って形成された砥粒層53とを備えた砥石51である。コンピュータ71は、砥石51の中心軸ACを回転軸として砥石51を回転させながら、砥粒層53の表面を前記側面に対して押し当てることによって前記側面を研削することが好ましい。
円筒研削盤は、本発明の一態様である除去加工装置が実施する除去の一態様として、砥石51を用いた研削を採用する場合にも好適に用いることができる。
円筒研削盤1において、砥粒層53には、砥石51の外周方向d(図6の(a)参照)に対して所定の傾き(本実施形態では、30°の傾き)を有し、砥粒層53の表面から砥粒層53の内部に至る複数のスリット531が形成されていることが好ましい。
上記の構成によれば、円筒研削盤1は、砥石51の厚さを減らすことなく、砥粒層53と前記側面とが接触する領域の面積を抑制することができる。したがって、円筒研削盤1は、研削を実施する場合の作業効率を低下させることなく砥石51にかかる負荷を軽減することができる。
なお、砥粒層53に複数のスリット531が形成されていることによって、砥粒層53は、表面が径方向に出っ張った突出部532が形成される。スリット531の総面積と、突出部532の総面積との割合は、スリット531の外周方向dに対する幅Wと、突出部532の外周方向dに対するWとの比を変化させることによって制御することができる。
また、スリット531と外周方向dとがなす所定の傾きは、30°に限定されるものではない。この傾きは、例えば、砥石51が耐えることができる負荷の大きさに応じて適宜設定することができる。
また、隣接する突出部532同士は、外周方向dに沿って見た場合に、所定のオーバーラップ量ΔOLの分だけ重なっていることが好ましい。
本発明の一態様に係る除去加工装置は、前記工具及び前記変位量センサを保持するとともに、前記工具と前記圧延ロールとの相対位置と、前記変位量センサと前記圧延ロールとの相対位置とを定める保持台であって、前記軸方向に沿って移動することによって前記工具及び前記変位量センサの各々を同期した状態で軸方向に対して移動させる保持台を更に備えていることが好ましい。
上記の構成によれば、工具と変位量センサとを同期した状態で軸方向に対して移動させることができる。したがって、例えば、変位量センサを用いて軸方向に対する胴部の外径変化を計測したのちに、保持台を長距離に亘って移動させることなく工具を用いて胴部の研削を開始することができる。同様に、胴部の全区間に亘って工具を用いて側面を仕上げたあとに、保持台を長距離に亘って移動させることなく変位量センサを用いて軸方向に対する胴部の外径変化の測定を開始することができる。このように、本除去加工装置は、工具及び変位量センサの無駄な移動を抑制することができるので、除去加工の作業効率を更に向上させることができる。
本発明の一態様に係る除去加工装置は、前記変位量センサとして、(1)マイクロメータを備えた接触型の機械式変位量センサ、(2)レーザダイオードを備えた非接触型の光学式変位量センサ、(3)コイルを備えた非接触型の渦電流式変位量センサのうち少なくとも何れかを備えていることが好ましい。
〔変形例〕
図5に示した円筒研削盤1の変形例について、図7を参照して説明する。図7は、本変形例の円筒研削盤1の砥石51近傍の構成を示す模式図である。本変形例の円筒研削盤1は、図5に示した円筒研削盤1に対して給電ブラシ81と、電極82と、電源装置83とを追加することによって得られる。したがって、本変形例においては、給電ブラシ81、電極82、及び電源装置83についてのみ説明し、それ以外の構成に関する説明を省略する。
給電ブラシ81は、砥石51を構成するフランジ52に対して給電可能なように構成されており、後述する電源装置83の一方の極(本実施形態においては正極)に接続されている。給電ブラシ81は、フランジ52の側面に接触するように配置されていることによって、電源装置83の正極から供給された電力をフランジ52に対して給電する。
本実施形態において、フランジ52は、金属製であり、且つ、砥粒層53は、メタルボンド砥石である。したがって、電源装置83の正極から供給された電力は、砥粒層53にも供給される。
電極82は、金属製(本実施形態においては銅製)の電極であり、後述する電源装置83の他方の極(本実施形態においては負極)に接続されている。電極82の表面のうち砥粒層53に対して対向する表面は、砥粒層53の表面形状に沿うように成型されている。そのうえで、電極82は、砥粒層53の表面に対して所定の間隔で離間するように配置されている。電極82の表面のうち砥粒層53に対して対向する表面が砥粒層53の表面形状に沿うように成型されていることによって、電極82と、砥粒層53との間に生じる間隔は、外周方向dに沿って均一に保たれる。電極82と砥粒層53の表面との間に間隔は、砥石51、電極82、及び電源装置83のスペックに応じて適宜調整可能であるが、一例としては、0.1mm程度が挙げあれる。
電源装置83は、給電ブラシ81及び電極82の各々に対して電極を供給する。上述したように、電源装置83の一方の極は、給電ブラシ81に接続されており、電源装置83の他方の極は、電極82に接続されている。
以上のように、本変形例の円筒研削盤1は、フランジ52に対して給電する給電ブラシ81と、砥粒層53に対して所定の間隔で離間するように配置された電極82と、一方の極が給電ブラシ81に接続され、他方の極が電極82に接続された電源装置と、を更に備えていることが好ましい。また、砥石51は、砥粒層53に含まれる結合材としてメタルボンドを採用したメタルボンド砥石であり、コンピュータ71は、給電ブラシ81と電極82との間に給電しながら砥石51を圧延ロールの側面に押し当てることが好ましい。
軸方向に対する最終変位量Dが均一な圧延ロール100を製造するためには、砥粒保持力が高く、長時間に亘って研削を実施した場合であっても砥粒層の外径が変動しにくい結合材を採用した砥石が好適である。結合材としてメタルボンドを採用したメタルボンド砥石は、上述した条件を満たす。そのため、メタルボンド砥石は、本変形例の円筒研削盤1が採用する砥石51として最適である。
また、メタルボンド砥石は、砥粒層が導電性を有するため、図1に示した研削工程S17及び仕上げ工程S18の最中に、給電ブラシ81と電極82との間、換言すれば砥粒層53の表面と電極82との間に給電することができる。したがって、本変形例の円筒研削盤1は、研削をしながら砥粒層53をドレッシングする電界インプロセスドレッシング(ELectrolytic In-process Dressing, ELID)法を実施することができる。ELID法を併用することによって、メタルボンド砥石が優れた切れ味を研削工程の最初から最後まで維持することができるため、本変形例の円筒研削盤1は、軸方向に対する最終変位量Dが均一な圧延ロール100を効率良く製造することができる。
(コンピュータ71の構成)
コンピュータ71について、図8を参照して説明する。図8は、コンピュータ71の構成を例示したブロック図である。
コンピュータ71は、バス711を介して互いに接続された演算装置712と、主記憶装置713と、補助記憶装置714と、入出力インターフェース715と、通信インターフェース716と、ドライバ717とを備えている。演算装置712、主記憶装置713、および補助記憶装置714は、それぞれ、例えばプロセッサ(例えばCPU:Central Processing Unit等)、RAM(random access memory)、ハードディスクドライブであってもよい。入出力インターフェース715は、ユーザがコンピュータ71に各種情報を入力するための入力装置720、および、コンピュータ71がユーザに各種情報を出力するための出力装置730を接続するためのインターフェースである。入力装置720および出力装置730は、コンピュータ71に内蔵されたものであってもよいし、コンピュータ71に接続された(外付けされた)ものであってもよい。例えば、入力装置720は、キーボード、マウス、タッチセンサなどであってもよく、出力装置730は、ディスプレイ、プリンタ、スピーカなどであってもよい。また、タッチセンサとディスプレイとが一体化されたタッチパネルのような、入力装置720および出力装置730の双方の機能を有する装置を適用してもよい。通信インターフェース716は、コンピュータ71が外部の装置と通信するためのインターフェースである。そして、ドライバ717は、図5に示した円筒研削盤1が備えているモータM1、ステッピングモータM2,M3、モータM4、及び変位量センサ46を接続するためのインターフェースである。コンピュータ71は、ドライバ717を介してモータM1、ステッピングモータM2,M3、及びモータM4の各々を制御したり、変位量センサ46が計測した変位量D及び最終変位量Dを変位量センサ46から取得したりする。
補助記憶装置714には、コンピュータ71を円筒研削盤1の制御部としてとして動作させるための研削加工プログラムが格納されている。この研削加工プログラムは、本発明の除去加工プログラムの一態様である。そして、演算装置712は、補助記憶装置714に格納された前記研削加工プログラムを主記憶装置713上に展開して前記研削加工プログラムに含まれる命令を実行することによって、コンピュータ71を、円筒研削盤1の制御部として機能させる。なお、補助記憶装置714が備える、研削加工プログラム等の情報を記録する記録媒体は、コンピュータ読み取り可能な「一時的でない有形の媒体」であればよく、例えば、テープ、ディスク、カード、半導体メモリ、プログラマブル論理回路などであってもよい。また、記録媒体に記録されている研削加工プログラムを、主記憶装置713上に展開することなく実行可能なコンピュータであれば、主記憶装置713を省略してもよい。なお、前記各装置(演算装置712、主記憶装置713、補助記憶装置714、入出力インターフェース715、通信インターフェース716、ドライバ717、入力装置720、及び出力装置730)は、それぞれ1つであってもよいし、複数であってもよい。
また、前記研削加工プログラムは、コンピュータ71の外部から取得してもよく、この場合、任意の伝送媒体(通信ネットワークや放送波等)を介して取得してもよい。そして、本発明の一態様は、前記研削加工プログラムが電子的な伝送によって具現化された、搬送波に埋め込まれたデータ信号の形態でも実現され得る。
本発明の一態様に係る研削加工プログラムは、圧延ロール100に含まれる胴部の側面に対して研削加工を施す研削加工プログラムであって、図1に記載の研削加工方法M1をコンピュータ71に実行させる。
このように、本発明の範疇には、圧延ロール100に含まれる胴部の側面に対して研削加工を施す研削加工プログラムも含まれる。
本発明は上述した各実施形態に限定されるものではなく、請求項に示した範囲で種々の変更が可能であり、異なる実施形態にそれぞれ開示された技術的手段を適宜組み合わせて得られる実施形態についても本発明の技術的範囲に含まれる。
1 円筒研削盤(除去加工装置)
22 センタ(第1保持部)
24 センタ(第2保持部)
31 往復台(保持台の一部)
41 横送り台(保持台の一部)
46 変位量センサ
51 砥石
52 フランジ
53 砥粒層
531 スリット
532 突出部
71 コンピュータ(制御部)
100 圧延ロール
101 始端(一方の端部)
102 終端(他方の端部)
103 側面
104 胴部

Claims (15)

  1. 圧延ロールの中心近傍に位置する軸を回転軸として回転している胴部の側面に対して工具を押し当てることによって前記側面に対して除去加工を施す除去加工方法であって、
    軸方向に対する前記胴部の外径変化を変位量Dとして計測する第1の計測工程と、
    変位量Dに基づいてN個の突出区間S,S,…,Sを設定する設定工程と、
    変位量Dが所定の変位量である目標変位量Dとなるように、変位量Dに応じて各突出区間S(iは1≦i≦Nの整数)を個別に除去する除去工程と、を含む除去加工方法。
  2. 前記第1の計測工程は、前記工具と同期した状態で、前記回転軸に沿って相対的に移動するように設けられた変位量センサを、前記胴部の一方の端部である始端から前記胴部の他方の端部である終端に向かって相対的に移動させることによって実施され、
    N≧2である場合に、
    前記設定工程は、前記終端に最も近い突出区間を突出区間Sと定め、前記終端から最も離れた突出区間を突出区間Sと定め、
    前記除去工程は、i=1,2,…,Nの順番で各突出区間Sを除去する請求項1に記載の除去加工方法。
  3. 各突出区間Sにおける変位量Dを前記軸方向における位置xの関数として近似する近似工程を更に含み、
    前記除去工程は、各突出区間Sにおいて、変位量Dが予め定められた目標変位量D以上であり、且つ、前記関数以下である部分を除去する請求項2に記載の除去加工方法。
  4. 各突出区間Sにおいて変位量Dが最大である最大変位量DMAXと、目標変位量Dとの間に、最大変位量DMAXに近い順にn−1個のサブ目標変位量DS,DS,…,DSn−1を設定し、且つ、目標変位量Dをn個目のサブ目標変位量DSとすることによって、各突出区間Sをn個のサブ領域SSij(jは1≦j≦nの整数)に分割する分割工程と、
    前記関数に対して各サブ目標変位量DSを代入することによって、各サブ領域SSijの前記軸方向における下限位置xMIN及び上限位置xMAXを導出する導出工程と、を更に含み、
    前記除去工程は、各サブ目標変位量DSj−1に対応する下限位置xMIN≦x≦上限位置xMAXの範囲に前記工具を押し当てることによって、j=1,2,…,nの順番で各サブ領域SSijを除去する請求項3に記載の除去加工方法。
  5. 前記工具は、所定の厚さを有する円盤形状の砥石であって、砥粒層が前記円盤形状の外周面に沿って形成された砥石であり、
    前記除去工程は、前記砥石の中心軸を回転軸として前記砥石を回転させながら、前記砥粒層の表面を前記側面に対して押し当てることによって前記側面を研削する請求項2〜4の何れか1項に記載の除去加工方法。
  6. 前記除去工程は、
    (1)下限位置xMINと上限位置xMAXとの差分が前記砥石の前記厚さ以下である場合に、各突出区間Sの側面に対して、前記砥石を押し当てることによって当該側面を除去するプランジ研削を採用し、
    (2)前記差分が前記厚さを上回る場合に、前記砥石を前記側面に対して押し当てつつ前記砥石を前記回転軸に沿って相対的に移動させるトラバース研削を採用する請求項5に記載の除去加工方法。
  7. 前記胴部において変位量Dが最小である最小変位量DMINを下回る変位量である最終目標変位量DOFを決定する仕上げ変位量決定工程と、
    前記胴部の前記軸方向に沿った変位量Dが最終目標変位量DOFとなるように側面を除去することによって当該側面を仕上げる仕上げ工程と、
    前記仕上げ工程のあとに、前記胴部の前記軸方向に対する外径変化を最終変位量Dとして計測する第2の計測工程と、を更に含む請求項2〜6の何れか1項に記載の除去加工方法。
  8. 前記仕上げ工程は、前記工具を前記側面に押し当てながら、前記工具を前記始端から前記終端に向かって相対的に移動させることによって実施され、
    前記第2の計測工程は、前記変位量センサを、前記終端から前記始端に向かって移動させることによって実施される請求項7に記載の除去加工方法。
  9. 圧延ロールに含まれる胴部の側面に対して除去加工を施す除去加工プログラムであって、請求項1〜8の何れか1項に記載の除去加工方法をコンピュータに実行させる除去加工プログラム。
  10. 圧延ロールの一方の端部を保持し、且つ、前記圧延ロールの中心近傍に位置する軸を回転軸として前記圧延ロールを軸回りに回転させる第1保持部と、
    前記圧延ロールの他方の端部を保持する第2保持部と、
    前記圧延ロールが含む胴部の側面に対して押し当てられることによって、前記側面を切削又は研削する工具と、
    前記胴部の外径変化を変位量Dとして計測する変位量センサと、
    前記第1保持部、前記工具、及び前記変位量センサの動作を制御する制御部と、を備えた除去加工装置であって、
    前記制御部は、
    (1)前記変位量センサを軸方向に沿って移動させることによって、前記軸方向に対する前記胴部の外径変化を表す変位量Dを取得し、
    (2)変位量Dに基づいて、N個の突出区間S,S,…,Sを設定し、
    (3)変位量Dが所定の変位量である目標変位量Dとなるように、各突出区間Sの前記側面に前記工具を押し当てることによって、各突出区間S(iは1≦i≦Nの整数)を個別に除去する除去加工装置。
  11. 前記工具は、所定の厚さを有する円盤形状のフランジと、前記フランジの外周面に沿って形成された砥粒層とを備えた砥石であり、
    前記制御部は、前記砥石の中心軸を回転軸として前記砥石を回転させながら、前記砥粒層の表面を前記側面に対して押し当てることによって前記側面を研削する、請求項10に記載の除去加工装置。
  12. 前記砥粒層には、前記砥石の外周方向に対して所定の傾きを有し、前記砥粒層の表面から前記砥粒層の内部に至る複数のスリットが形成されている請求項11に記載の除去加工装置。
  13. 前記フランジに対して給電する給電ブラシと、
    前記砥粒層に対して所定の間隔で離間するように配置された電極と、
    一方の極が前記給電ブラシに接続され、他方の極が前記電極に接続された電源装置と、を更に備え、
    前記砥石は、砥粒層に含まれる結合材としてメタルボンドを採用したメタルボンド砥石であり、
    前記制御部は、前記給電ブラシと前記電極との間に給電しながら前記砥石を前記側面に押し当てる請求項11又は12に記載の除去加工装置。
  14. 前記工具及び前記変位量センサを保持するとともに、前記工具と前記圧延ロールとの相対位置と、前記変位量センサと前記圧延ロールとの相対位置とを定める保持台であって、前記軸方向に沿って移動することによって前記工具及び前記変位量センサの各々を同期した状態で前記軸方向に対して移動させる保持台を更に備えている請求項10〜13の何れか1項に記載の除去加工装置。
  15. 前記変位量センサとして、(1)マイクロメータを備えた接触型の機械式変位量センサ、(2)レーザダイオードを備えた非接触型の光学式変位量センサ、(3)コイルを備えた非接触型の渦電流式変位量センサのうち少なくとも何れかを備えている請求項10〜14の何れか1項に記載の除去加工装置。
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