JPH0839404A - 工作物の深穴内面研削方法 - Google Patents

工作物の深穴内面研削方法

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JPH0839404A
JPH0839404A JP19193794A JP19193794A JPH0839404A JP H0839404 A JPH0839404 A JP H0839404A JP 19193794 A JP19193794 A JP 19193794A JP 19193794 A JP19193794 A JP 19193794A JP H0839404 A JPH0839404 A JP H0839404A
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  • Grinding Of Cylindrical And Plane Surfaces (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【目的】 深穴内径面を研削する内面研削において、粗
研取り残し量を軽減して、研削時間を短縮する。 【構成】 研削負荷Pが大きな粗研削工程では、加工穴
Wbの内径面Iの軸方向に砥石Gの加工位置を順次変え
て複数回のプランジ研削を行うとともに、これら各軸方
向位置でのプランジ研削の切込み量を、研削負荷Pによ
るワークWの撓み量に比例して順次変化させ、粗研削後
のワーク加工径を軸方向のどの位置でも所定の寸法範囲
内に収める。これに続く精研削工程では、プランジ研削
が行われた内径面Iの全長にわたりオシレート研削を行
う。これにより、精研削時の実際の取代を必要最小限度
に設定して、精研削時のオシレート研削時間の可及的短
縮を図る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は工作物の深穴内面研削方
法に関し、さらに詳細には、工作物の深穴の内径面を研
削する内面研削盤において、工作物の研削負荷による撓
みを考慮した内面研削技術に関する。
【0002】
【従来の技術】ベアリングの内径面等、工作物(以下、
ワークと称する)の穴内径面を研削する内面研削盤にお
いては、一般に、ワーク主軸台によりワークを支持回転
するとともに、このワークの加工穴内に砥石を開放側か
ら挿入して、その内径面を研削加工する。
【0003】ところで、上記加工穴が軸方向に長いいわ
ゆる深穴の場合は、その加工長さが砥石に比較して長い
ことから、従来は、この砥石を加工穴軸方向へ往復運動
(オシレート)させながら切り込んで加工するオシレー
ト研削が一般に行われており、このオシレート研削は、
荒仕上げ加工である粗研削から仕上げ加工である精研削
に至るまで研削全工程を通じて行われていた。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、このよ
うな従来の深穴内面研削方法では、加工穴の深さが長け
れば長いほど、切込み速度や砥石の切れ味の影響を受け
てしまう結果、ワークが撓んで、加工穴のテーパ量が増
大し(粗研削時)、そのテーパ量を修正するのに時間が
かかっていた(精研削時)。
【0005】この点について、図5〜図7を参照して説
明すると以下のようになる。なお、これらの図において
は、理解を容易にするため、変形量が実際の場合よりも
大幅に拡大して示されている。
【0006】砥石のオシレート運動方向とワークの軸
心が平行な場合:(図5、図6参照) ワークWの鍔部Waが、ワーク主軸台の主軸先端のチャ
ック爪a,a,…によりチャッキング支持された状態で
回転させられるとともに、砥石台の砥石軸bに取り付け
られた砥石Gが、上記ワークWの加工穴Wb内に挿入さ
れて、その内径面Iを研削加工する。cはワークWのチ
ャック時の軸方向位置を決めるストッパを示している。
【0007】この場合、砥石Gは、ワークWの軸心Xと
平行な方向へオシレート運動しながら、加工穴Wbの径
方向へ切り込んでいくことから、ワークWには、砥石G
の研削負荷P(切込み方向)が常時作用しているとこ
ろ、ワークWが片持ち状に支持されているため、ワーク
Wの加工状態は、支持側加工時(図5(b) および図6
(a) 参照)と反支持側加工時(図5(a) および図6(b)
参照)では異なり、反支持側加工時において、図示のご
とくワークWが切込み方向へ撓んでしまう(撓み量δ=
PL3 /3EI、L:ワーク長さ、E:縦弾性係数、
I:断面二次モーメント)。
【0008】この結果、粗研削完了時において、ワーク
Wの加工面Iには設定切込み量に対して上記撓み量δに
相当する取り残しが発生して、その研削軌跡断面は軸心
Xに対して勾配をもったテーパ形状となる。
【0009】したがって、設定された精研仕上げ寸法
(直径)をD0 、設定された粗研加工寸法(直径)をD
1 および上記テーパ状の粗研取残し寸法(直径)をD2
(支持側ではD2 =D1 、反支持側ではD2 <D1 )と
すると、精研削時における実際の取代Dは下式で表され
る。 D=(D0 −D1 +D2 )/2
【0010】そして、上記テーパ状の粗研取残し量は、
加工長さが長くなればなるほど多くなり、精研削時にお
ける実際の取代Dは、予め設定された精研取代(設定精
研取代)にこの粗研取残し量が加わって増加し、これが
ため精研削時ひいては研削工程全体の研削時間が大幅に
長くなってしまう。
【0011】ちなみに、この場合は、砥石Gによる研削
負荷値を下げてワークWの撓みに影響しない値で研削す
ることにより、ワークWの加工穴Wbの円筒度は、オシ
レート運動方向とワーク軸心Xが平行なため良好とな
る。
【0012】砥石のオシレート運動方向とワークの軸
心が傾斜している場合:(図7参照) 上記で述べたように、研削負荷Pにより反支持側加工
時にワークWが撓む。したがって、この撓み量δを考慮
して、図7(a) および図7(b) に示すように、ワークW
の軸心Xを砥石Gのオシレート運動方向に対しθだけ傾
けて研削すると、砥石Gの研削負荷Pは、切込み速度、
砥石Gの切れ味が一定なときで、砥石単位長さ、単位時
間当たりの除去体積が一定のときは変化しないため、粗
研削時あるいは精研削時のそれぞれにおいては、ワーク
Wの加工面Iには設定切込み量に対する取り残しはな
く、その研削軌跡断面は軸心Xに対して平行な円筒形状
となる。
【0013】ところが、粗研削と精研削の変わり目で
は、研削負荷Pが変化するため(一般的に、研削負荷P
は粗研削時>精研削時)、図7(c) に示すように、ワー
クWの軸心Xの傾き角θを、精研削時の研削負荷Pによ
るワークWの撓み量に対応して設定すると、粗研削時に
は、実線で示されるように、ワークWが撓んでしまうこ
とになる。この結果、やはりワークWの加工面Iには設
定切込み量に対して取り残しが発生して、その研削軌跡
断面は軸心Xに対して勾配をもったテーパ形状となる。
【0014】そして、このテーパ状の粗研取残し量(粗
研削、精研削時の研削負荷の差による取り残しテーパ分
/2)δ´により、精研削時における実際の取代Dは、
加工長さが長くなればなるほど多くなり、やはり精研削
時ひいては研削工程全体の研削時間が大幅に長くなって
しまう。
【0015】さらに、精研削完了後のスパークアウト時
においては、ワークWの撓み反力と研削負荷Pの釣り合
いで加工穴Wbの円筒度が決まるところ、スパークアウ
トに入った直後とスパークアウト終了直前では研削負荷
Pが変化しており、また、ドレス直前・直後当砥石の切
れ味が変われば、研削負荷Pも多少変化し、これがた
め、円筒度の管理は困難である。
【0016】この発明はかかる従来の問題点に鑑みてな
されたものであって、その目的とするところは、深穴内
径面を研削する内面研削盤において、ワークの研削負荷
による撓みを考慮した粗研削により、粗研取り残し量を
軽減して、研削時間を短縮できる工作物の深穴内面研削
方法の提供にある。
【0017】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するた
め、本発明の工作物の深穴内面研削方法は、ワークを片
持ち状に回転支持しながら、砥石によりこのワークの深
穴内径面を研削する内面研削において、粗研削工程で、
深穴内径面にワークの軸方向に所定間隔をもって複数回
のプランジ研削を行い、精研削工程で、このプランジ研
削が行われた深穴内径面の全長にわたりオシレート研削
を行うようにしたことを特徴とする。
【0018】この場合、粗研削時のプランジ研削は、ワ
ークの深穴の加工長さに比較して短い砥石により、ワー
クの軸方向に所定間隔をもって複数回のプランジ加工を
行うとともに、これら各プランジ加工における切込み量
を、研削負荷によるワークの撓み量に比例して順次変化
させるのが好ましい。
【0019】さらには、上記各プランジ加工における切
込み量は、粗研削完了時の深穴内径面の研削軌跡断面が
軸方向へほぼ均一なのこぎり歯状になるように設定さ
れ、こののこぎり歯状の研削軌跡断面における山部と谷
部との内径寸法差が、所定の範囲内に収まるように、プ
ランジ加工数と切込み量が設定されるのが好ましい。
【0020】
【作用】本発明によりワークの深穴内面を研削するに際
しては、粗研削時は、深穴内径面に複数回のプランジ研
削を行い、これに続く精研削時は、このプランジ研削が
行われた深穴内径面の全長にわたりオシレート研削を行
う。
【0021】すなわち、砥石の研削負荷が大きく作用す
る粗研削時においては、片持ち状に支持回転されるワー
クに当然撓みが発生するところ、軸方向に順次加工位置
を変えて複数回のプランジ研削を行うとともに、好まし
くは、これら各軸方向位置でのプランジ研削における切
込み量を、研削負荷によるワークの撓み量に比例して順
次変化させることにより、粗研削後のワーク加工径を軸
方向のどの位置においても所定の寸法範囲内に収める。
【0022】これにより、精研削時の実際の取代を必要
最小限度に設定して、精研削時のオシレート研削時間の
可及的短縮を図る。
【0023】
【実施例】以下、本発明の実施例を図面に基づいて詳細
に説明する。
【0024】本発明に係る深穴内面研削盤を図1に示
し、ワークWを支持回転するワーク主軸台1と砥石Gを
備える砥石台2を主要部として備え、これらがベッド3
上に装置されるとともに、これらを駆動制御する制御装
置4を備えてなる。
【0025】ワーク主軸台1はベッド3の上面に配設さ
れており、そのワーク主軸5が図示しない駆動源に連係
されて回転可能に支持されるとともに、その先端にワー
クWをチャッキング支持するチャック6が装着されてい
る。また、ワーク主軸5の先端には、このチャック6と
の関連で、ワークWの軸方向位置を規定するストッパ7
が設けられている(図2〜図4参照)。
【0026】そして、上記チャック6のチャック爪6
a,6a,…にチャッキングされたワークW(図示の実
施例においては、鍔部Waがチャッキングされる)は、
上記ワーク主軸5により所定の回転数をもって回転支持
される。
【0027】砥石台2は、ベッド3の上面に配設される
第1および第2テーブル10,11上に設けられてい
る。第1テーブル10は、上記砥石台2のワーク主軸5
の軸線方向へ摺動可能に設けられるとともに、図示しな
い例えば油圧シリンダ等の往復駆動源に連係されてい
る。第2テーブル11は、上記ワーク主軸5の軸線方向
に垂直な方向へ摺動可能に設けられるとともに、図示し
ない例えば油圧シリンダ等の往復駆動源に連係されてい
る。
【0028】この第2テーブル11の上面に固定される
砥石台2は、その砥石軸(クイル)12が図示しない駆
動源に連係されて回転可能に支持されるとともに、砥石
台2のワーク主軸5の軸線方向つまりワークWの軸線方
向へ突出して設けられており、その先端に砥石Gが装着
されている。この砥石Gとしては、ワークWの加工穴W
bの加工長さ(軸方向長さ)よりも短いものが使用され
る。
【0029】そして、上記砥石Gは、砥石台2により所
定の回転数をもって回転駆動されるとともに、テーブル
10,11の移動により、ワークWに対してその軸方向
へ移動しながら、その半径方向へ切り込まれる。
【0030】制御装置4は、上記ワーク主軸台1と砥石
台2、具体的には、ワーク主軸5、チャック6、テーブ
ル10,11および砥石軸12の各駆動源を相互に同期
させて制御する。制御装置4は、CPU,ROM,RA
MおよびI/Oポート等を備えてなるCNC制御装置で
あって、まず、粗研削により、ワークWの加工穴Wbを
図2(a) に示すような研削軌跡断面(軸方向へほぼ均一
なのこぎり歯状)となるように研削した後、精研削によ
り、図2(b)に示すような円筒面に仕上げる上記各構
成部を制御する構成とされ、具体的には、以下の研削方
法を実行するように構成されている。
【0031】A.粗研削:(図3参照) 砥石Gにより、ワークWの軸方向に所定間隔をもって複
数回のプランジ加工を行う。
【0032】すなわち、図3(a) 〜(b) に示すように、
砥石GをワークWの軸線X方向へ移動させることによ
り、その加工位置を順次変えてプランジ加工を行う。こ
の場合のプランジ加工数nは、一例として、砥石Gの長
さをBとし、ワークの長さをLとすると、B/Lで計算
されて、その計算値を小数点以下を切り上げて得られる
整数値が採用され、図示の実施例においては、3回のプ
ランジ加工を行っている。
【0033】また、これら各プランジ加工における切込
み量λは、研削負荷PによるワークWの撓み量δに比例
して順次変化させる。
【0034】図示の実施例においては、砥石Gの切込み
量(径方向の切込み前進端位置)λは、ワークWの支持
側(鍔部Wa側)から反支持側へいくに従って、加工穴
Wbの内径が大きくなる方向へ徐々にワークWが撓む量
だけ増大を行っている。
【0035】具体的には、制御装置4により、砥石Gの
切込みの指令値を逆算して与えている。つまり、各砥石
Gによるプランジ加工位置I,II,IIIにおいて、ワーク
Wのそれぞれの撓み量δ1 (=0)、δ2 、δ3 を予め
把握し、この撓み量に応じた補正値Δ1 (=0)、Δ2
(=δ2 −δ1 )、Δ3 (=δ3 −δ2 )を、所定の切
込み量λ0 に加えた切込みの指令値λ1 (=λ0 )、λ
2 (=λ0 +Δ2 )、λ3 (=λ0 +Δ3 )を与える。
【0036】また、本実施例においては、上記各プラン
ジ加工における切込み量λは、粗研削完了時において、
つまり、研削負荷PからワークWが開放されて撓みがな
くなった状態において、加工穴内径面Iの研削軌跡断面
が図2(a) に示すように、軸方向へほぼ均一なのこぎり
歯状になるように設定される。なお、図2〜図4におけ
るワークWの変形量やのこぎり歯状断面は、理解を容易
にするため、実際の場合よりも大幅に拡大して示されて
いる。
【0037】さらに、プランジ加工数nと切込み量も、
上記こぎり歯状の研削軌跡断面における山部(粗研設定
最小寸法部)20と谷部(粗研設定最大寸法部)21と
の内径寸法差が所定の範囲内に収まるように設定されて
いる。一例として、上記谷部21の内径寸法が、精研削
開始時の精研取代の基準内径寸法近傍となるように設定
されている。
【0038】B.精研削:(図4参照) 粗研削完了により、図2(a) に示すような研削軌跡断面
となった加工穴内径面Iに対して、砥石Gを、図4に示
すように、ワークWの軸線X方向へ往復移動(オシレー
ト運動)させながら、加工穴Wbの径方向へ所定量だけ
切り込んで精研削を行い、さらに一定時間のスパークア
ウトを経て、図2(b) に示すような円筒面を得る。
【0039】この精研削時の切込み量は、上記のこぎり
歯状の粗研取残し量γ1 と設定精研取代γ2 を研削する
ように設定されている。なお、精研削における研削負荷
Pは粗研削におけるそれよりも小さく、ワークWの撓み
量は無視してよいほど少ない。
【0040】しかして、以上のような本発明の研削方法
によれば、砥石Gの研削負荷Pが大きく作用する粗研削
時においては、片持ち状に支持回転されるワークWに当
然撓みが発生するところ、軸方向へ順次加工位置を変え
て3回のプランジ研削を行い、しかも、これら各軸方向
位置でのプランジ研削における切込み量を、研削負荷P
によるワークWの撓み量に比例して順次変化させること
により、粗研削後のワーク加工径を軸方向のどの位置に
おいても所定の寸法範囲内に収めることができ、精研削
時の実際の取代を必要最小限度に設定して、精研削時の
オシレート研削時間の可及的短縮を図ることができる。
【0041】つまり、従来の研削方法における粗研削時
のオシレート研削で発生していたワークの撓みによる取
り残しテーパ量(粗研取残し量)に比べると、本実施例
では、ワークWの長さに関係なく、実際の精研取代を必
要最小限度に設定できるため、精研削時のオシレート研
削に要する時間が、従来に比較して大幅に短縮すること
ができる。。
【0042】なお、上述した実施例はあくまでも本発明
の好適な実施態様を示すものであって、本発明はこれに
限定されることなく、その範囲内において種々設計変更
可能である。
【0043】例えば、図示の実施例においては、3回の
プランジ加工を行っているが、ワークWの加工穴Wbの
長さ等に応じて適宜増減可能である。つまり、一般的に
は図示の実施例におけるような計算式により、プランジ
加工数nを算出するが、必ずしもこれに限定されず、要
するに、切込み量との関係で粗研削後の精研削時間が最
小となるように適宜設定可能である。
【0044】したがって、粗研削後の加工穴Wbの内径
面Iにおける研削軌跡断面の形状寸法も図示の実施例に
限定されることなく、種々設計変更可能である。要する
に、粗研削完了時におけるこぎり歯状の粗研取残し量γ
1 の減小による精研削時間の短縮と、粗研削時間の研削
時間全体への影響とを考慮して、最適な研削軌跡断面の
形状寸法を得るようにする。
【0045】また、図示の実施例においては、支持側で
ある鍔部Waが砥石Gに対して奥側に位置するため、砥
石Gの切込み量が図面右側へいくに従って増大されてい
るが、図6のように、鍔部Waが砥石G側にくる状態で
支持される場合には、砥石Gの切込み量が図面右側へい
くに従って減小されることとなる。
【0046】さらに、ワークWは図示のような鍔付きワ
ークに限られず、他の同様な深穴を有する円筒状ワーク
も研削可能である。
【0047】また、図示の実施例においては、粗研削工
程と精研削工程を1台の内面研削盤により行っている
が、例えば多量生産ライン等において、粗研削工程と精
研削工程の各工程を、それぞれ別個の内面研削盤により
行うようにすることも可能である。
【0048】
【発明の効果】以上詳述したように、本発明によれば、
ワークの深穴内面を研削するに際して、砥石の研削負荷
が大きく作用する粗研削工程では、深穴内径面にワーク
の軸方向に所定間隔をもって複数回のプランジ研削を行
い、精研削工程では、このプランジ研削が行われた深穴
内径面の全長にわたりオシレート研削を行うように構成
したから、粗研取り残し量が従来に比較して大幅に軽減
されて、精研削時の実際の取代が必要最小限度に設定で
き、精研削時のオシレート研削時間の可及的短縮さらに
は、研削時間全体の短縮が可能となる。
【0049】特に、片持ち状に支持回転されるワークに
は当然撓みが発生するところ、各軸方向位置でのプラン
ジ研削における切込み量を、研削負荷によるワークの撓
み量に比例して順次変化させることにより、粗研削後の
ワーク加工径を軸方向のどの位置においても所定の寸法
範囲内に収めることができ、より効率的な精研削が行え
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施例に係る深穴内面研削盤を示す
概略正面図である。
【図2】同深穴内面研削盤による本発明の深穴内面研削
方法を説明するための平面断面図で、図2(a) はプラン
ジ研削による粗研削完了時のワークの加工内径面の状態
を示し、図2(b) はオシレート研削による精研削完了時
のワークの加工内径面の状態を示す。
【図3】同深穴内面研削方法における粗研削時のプラン
ジ研削の手順を説明するための図2に対応する平面断面
図である。
【図4】同深穴内面研削方法における精研削時のオシレ
ート研削を説明するための図2に対応する平面断面図で
ある。
【図5】従来の深穴内面研削方法における粗研削時のオ
シレート研削の状態を説明するための平面断面図で、図
5(a) はワークの反支持側を研削するときの状態を示
し、図5(b) はワークの支持側を研削するときの状態を
示す。
【図6】同じく、従来の他の深穴内面研削方法における
粗研削時のオシレート研削の状態を説明するための平面
断面図で、図6(a) はワークの支持側を研削するときの
状態を示し、図6(b) はワークの反支持側を研削すると
きの状態を示す。
【図7】同じく、従来の他のもう一つ深穴内面研削方法
における粗研削時のオシレート研削の状態を説明するた
めの平面断面図で、図7(a) はワークの支持側を研削す
るときの状態を示し、図7(b) はワークの反支持側を研
削するときの状態を示し、図7(c) はワークの支持角度
を精研削時の研削負荷によるワークの撓み量に対応して
設定した場合の、ワークの研削状態を示す。
【符号の説明】
W ワーク G 砥石 Wb ワークの加工穴(深穴) I 加工穴の内径面 1 ワーク主軸台 2 砥石台 4 制御装置 5 ワーク主軸 6 チャック 10,11 テーブル 12 砥石軸 20 加工穴内径面の山部(粗研設定最小
寸法部) 21 加工穴内径面の谷部(粗研設定最大
寸法部) γ1 粗研取残し量 γ2 設定精研取代 λ プランジ加工における切込み量

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 工作物を片持ち状に回転支持しながら、
    砥石によりこの工作物の深穴内径面を研削する内面研削
    において、 粗研削工程で、深穴内径面に工作物の軸方向に所定間隔
    をもって複数回のプランジ研削を行い、精研削工程で、
    このプランジ研削が行われた深穴内径面の全長にわたり
    オシレート研削を行うようにしたことを特徴とする工作
    物の深穴内面研削方法。
  2. 【請求項2】 粗研削時のプランジ研削は、工作物の深
    穴の加工長さに比較して短い砥石により、工作物の軸方
    向に所定間隔をもって複数回のプランジ加工を行うとと
    もに、これら各プランジ加工における切込み量を、研削
    負荷による工作物の撓み量に比例して順次変化させるこ
    とを特徴とする請求項1に記載の工作物の深穴内面研削
    方法。
  3. 【請求項3】 上記各プランジ加工における切込み量
    は、粗研削完了時の深穴内径面の研削軌跡断面が軸方向
    へほぼ均一なのこぎり歯状になるように設定され、 こののこぎり歯状の研削軌跡断面における山部と谷部と
    の内径寸法差が、所定の範囲内に収まるように、プラン
    ジ加工数と切込み量が設定されることを特徴とする請求
    項2に記載の工作物の深穴内面研削方法。
  4. 【請求項4】 精研削時のオシレート研削は、工作物の
    深穴の加工長さに比較して短い砥石を、深穴の軸方向へ
    オシレート運動させながら、深穴の径方向へ所定量だけ
    切り込んで行い、このときの切込み量は、上記のこぎり
    歯状の粗研取残し量と設定精研取代を研削するように設
    定されていることを特徴とする請求項3に記載の工作物
    の深穴内面研削方法。
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