JP3723628B2 - コンタリング研削用砥石およびコンタリング研削方法 - Google Patents

コンタリング研削用砥石およびコンタリング研削方法 Download PDF

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Description

【0001】
【産業上の利用分野】
本発明は、一方向へ送られる過程で被削材を所定の輪郭に加工するコンタリング研削に用いる砥石に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
金型や工具、機械部品などの被削材に対して形状寸法精度の高い研削加工が要求される精密加工の生産体系が多品種少量に移行するに伴い、一台の研削盤で多品種に対してフレキシブルに対応でき、しかも能率の高い研削加工ができることが望まれており、特開平6−190696号公報や特開平7−266202号公報に記載されているような、倣い研削盤やそれに用いる倣い研削用砥石が提案されている。その倣い研削用砥石は、比較的高速回転で回転させられる比較的薄い厚みの円板状回転体であって、一方向へ移動させられる過程で被加工物の表面を所望の輪郭線に沿って研削するものであり、コンタリング研削用砥石或いは輪郭研削用砥石などと称される。
【0003】
それまでの精密研削によれば、寸法や形状の異なる複数種類の被削材を研削するに際しては、同様に寸法や形状の異なる総型研削砥石を複数種類用意してプランジ研削を行うか、或いは研削砥石を被削材の表面の一部に沿った一方向に直線送りするトラバース研削を他の種類のトラバース研削又はプランジ研削と組み合わせて複数回実行することにより被削材の表面を研削加工していたのに対し、上記のコンタリング研削によれば、所定の取り代を切り込んだ状態で被削材の輪郭線に沿った方向へ移動させることにより一台の研削盤で被削材の表面を研削加工することができる。このため、比較的長尺の被削材に対してプランジ研削を用いる場合に比較して、研削時における被削材のたわみが少なくなるので、比較的高い加工精度が得られるとともに、複数種類のトラバース研削又はプランジ研削を用いる場合に比較して被削材の脱着などが不要となるので、比較的高い加工能率が得られる利点がある。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上記倣い研削に用いられる従来のコンタリング研削用砥石は、テーパ状外周研削面とそのテーパ状外周研削面に続く円筒状外周研削面とを外周面に備えてはいるが、砥粒、結合強度、集中度に関して均質の組織で構成されていたため、砥石の耐久性と加工精度とのうちの一方を重視すると他方が不十分となるという不都合があった。たとえば、砥石の耐久性を重視して耐摩耗性の高い砥石組織たとえば砥粒の大きい砥石組織を採用すると、仕上げ面が荒くなる傾向となる一方、真円度や面粗さなどの加工精度を重視して砥粒の小さい砥石組織を採用すると、摩耗が多くなって上記円筒状外周研削面の幅寸法が小さくなり、それを整えるためのツルーイング作業の周期が短くなってさらに生産性が低下するのである。
【0005】
本発明は以上の事情を背景として為されたものであり、その目的とするところは、加工精度と砥石の耐久性との両者が同時に得られるコンタリング研削用砥石、或いはコンタリング研削方法を提供することにある。
【0006】
【課題を解決するための第1の手段】
上記目的を達成するための本発明のコンタリング研削用砥石の要旨とするところは、相対移動方向の後方へ向かうに従って大径となるテーパ状外周研削面とそのテーパ状外周研削面に続いて径変化のない円筒状外周研削面とを外周面に有し、一軸まわりに回転させられつつ所定の加工輪郭線に沿って前記テーパ状外周研削面側に一方向へ相対移動させられることにより、被削材に対して該加工輪郭線に沿った研削加工を施すコンタリング研削用砥石であって、粗加工用砥石部とその粗加工用砥石部よりも砥粒が小さい仕上げ加工用砥石部とを回転軸心方向に備え、該粗加工用砥石部により前記テーパ状外周研削面を構成し、該仕上げ加工用砥石部により前記円筒状外周研削面の少なくとも一部を構成し、且つ該粗加工用砥石部と仕上げ加工用砥石部との境界面を、該テーパ状外周研削面と円筒状外周研削面との間の境界線よりも該円筒状外周研削面側に設けたことにある。
【0007】
【第1発明の効果】
このようにすれば、前記テーパ状外周研削面を構成する粗加工用砥石部と、その粗加工用砥石部よりも砥粒が小さくて前記円筒状外周研削面の一部を構成する仕上げ加工用砥石部とが回転軸心方向に備えられているコンタリング研削用砥石が、一軸まわりに回転させられつつ所定の輪郭線に沿って上記テーパ状外周研削面側に一方向へ相対移動させられると、被削材上の1点では、耐摩耗性の高い粗加工用砥石部のテーパ状外周研削面で研削された後、それに続いて、砥粒が相対的に小さい仕上げ加工用砥石部の円筒状外周研削面で研削されるので、砥石の耐久性と加工精度が好適に得られるのである。また、粗加工用砥石部と仕上げ加工用砥石部との境界面が、前記テーパ状外周研削面と円筒状外周研削面との間の境界線よりもその円筒状外周研削面側に設けられることから、外周面の摩耗が進行しても仕上げ加工用砥石部からなる円筒状外周研削面が減少せず、摩耗により後退するテーパ状外周研削面がその仕上げ加工用砥石部からなる円筒状外周研削面に到達するまでツルーイングが不要であるため、良好な加工精度が得られるコンタリング研削が長期間得られる利点がある。
【0009】
【発明の他の態様】
ここで、上記第1発明のコンタリング研削用砥石において、好適には、前記粗加工用砥石部は、前記仕上げ加工用砥石部よりも大きい回転軸心方向の厚みを備えたものである。このようにすれば、テーパ状外周研削面の幅寸法が大きく設定され、一層高い砥石の耐久性が得られる利点がある。
【0010】
また、好適には、前記粗加工用砥石部は、前記仕上げ加工用砥石部よりも結合度或いは集中度が大きいものである。このようにすれば、粗加工用砥石部の摩耗が仕上げ加工用砥石部よりも一層少なくなり、ツルーイング周期が一層長くなって生産性が高められる。
【0011】
また、好適には、前記粗加工用砥石部および仕上げ加工用砥石部の砥粒は、ダイヤモンド砥粒或いはCBN砥粒であり、また、その砥粒は、無機結合剤、熱硬化性樹脂結合剤、メタルボンドなどの結合剤によって結合されたものである。
【0012】
【課題を解決するための第2の手段】
上記目的を達成するための本発明のコンタリング研削方法の要旨とするところは、前記第1発明などのコンタリング研削用砥石を用いて、一軸まわりに回転させられる被削材の外周面を研削するコンタリング研削方法であって、その被削材の外周面上の一点を前記仕上げ加工用砥石部の円筒状外周研削面が通過する間に上記被削材が予め設定された一定の回数以上回転する回転速度で、その被削材を回転駆動する工程を含むことにある。
【0013】
【第2発明の効果】
このようにすれば、被削材上の一点を仕上げ加工用砥石部の円筒状外周研削面が通過する間に被削材が予め設定された一定の回数以上回転する回転速度で、その被削材が回転駆動されることから、十分な加工精度が得られる。また、たとえば回転回数が3回などのように加工精度が必要かつ十分に得られる回数に設定される場合には、摩耗により後退するテーパ状外周研削面が上記仕上げ加工用砥石部の円筒状外周研削面に到達することを基準としてツルーイングが容易に判定されるので、ツルーイング作業の開始判定に関して熟練や加工精度の測定を要しない利点がある。
【0014】
【課題を解決するための第3の手段】
上記目的を達成するための本発明のコンタリング研削方法の要旨とするところは、前記第1発明などのコンタリング研削用砥石を用いて、一軸まわりに回転させられる被削材の外周面を研削するコンタリング研削方法であって、その被削材の外周面上の一点を前記仕上げ加工用砥石部の円筒状外周研削面が通過する間に上記被削材が予め設定された一定の回数以上回転する移動速度で、そのコンタリング研削用砥石をその被削材に対して相対移動させる工程を含むことにある。
【0015】
【第3発明の効果】
このようにすれば、被削材上の一点を仕上げ加工用砥石部の円筒状外周研削面が通過する間に被削材が予め設定された一定の回数以上回転する移動速度で、そのコンタリング研削用砥石が被削材に対して相対移動させられることから、十分な加工精度が得られる。また、たとえば回転回数が3回などのように加工精度が必要かつ十分に得られる回数に設定される場合には、摩耗により後退するテーパ状外周研削面が上記仕上げ加工用砥石部の円筒状外周研削面に到達することを基準としてツルーイングが容易に判定されるので、ツルーイング作業の開始判定に関して熟練や加工精度の測定を要しない利点がある。
【0016】
【発明の好適な実施の態様】
以下、本発明の一実施例を図面に基づいて詳細に説明する。
【0017】
図1は、本発明の一実施例のコンタリング研削用砥石(以下、砥石という)10を備えたコンタリング研削装置12の要部を示している。図において、ワーク支持テーブル14は、基台16上においてX方向案内溝18によりX方向に移動可能に案内されるように設けられており、X方向駆動モータ20によりX方向に駆動され且つ位置決めされるようになっている。そして、主軸22を駆動するための減速機および駆動モータを内部に備えた主軸台24とセンター26を備えた心押台28が上記ワーク支持テーブル14上に設けられており、段付円柱状の被削材30は、その両端が主軸22およびセンター26によりその軸心が上記X方向に平行となるように回転可能に支持された状態で一回転方向Aへ回転させられるようになっている。
【0018】
また、砥石支持テーブル34は、基台16上においてY方向案内溝36によりY方向に移動可能に案内されるように設けられており、Y方向駆動モータ38によりY方向に駆動され且つ位置決めされるようになっている。そして、砥石10を回転可能に支持しかつ回転駆動する砥石駆動モータ40が上記砥石支持テーブル34上に設けられており、前記砥石10は砥石駆動モータ40の出力軸に取り付けられることにより、その中心軸まわりの一方向Bへたとえば100m/秒以上の周速の超高速回転で回転させられつつY方向へ移動させられるようになっている。
【0019】
制御装置44は、X方向駆動モータ20およびY方向駆動モータ38を制御することにより、砥石10の研削点すなわち被削材30との接触点が予め設定された加工後の輪郭線に沿うように、砥石10を被削材30に対して一方向へ相対移動させる。これにより、1回の砥石10の移動動作(1パス)で被削材30の表面に所定の形状寸法および所定の表面粗さの研削加工を施す。上記制御装置44はたとえば数値制御を行うためのよく知られたNC制御装置から構成され、上記X方向駆動モータ20およびY方向駆動モータ38はたとえばそのNC制御装置により駆動制御される電気式或いは油圧式のパルスモータにより構成される。
【0020】
上記砥石10は、たとえば外径380mmφ、厚み8mm程度の比較的薄い円板状を成し、図2に示すように構成されている。図2において、砥石10は、たとえば2乃至45度の範囲内に設定されたテーパ角2αを有するテーパ状外周研削面50と、そのテーパ状外周研削面50に続く円筒状外周研削面52とを外周面の幅方向に有し、そのテーパ状外周研削面50は砥石10の相対移動方向側つまり図1のX(正)方向側に位置させられている。
【0021】
また、上記砥石10は、金属製のコア部54の外周面に固着された、粗加工用砥石部56、およびその粗加工用砥石部56よりも砥粒が小さい仕上げ加工用砥石部58を回転軸心方向すなわち砥石10の厚み方向に備えており、前記テーパ状外周研削面50はその粗加工用砥石部56により構成され、前記円筒状外周研削面52における相対移動方向の後方側の一部はその仕上げ加工用砥石部58により構成されている。すなわち、粗加工用砥石部56と仕上げ加工用砥石部58との境界面Cが、テーパ状外周研削面50と円筒状外周研削面52との間の境界線Dよりも円筒状外周研削面52側すなわち砥石10の相対移動方向の後方側に設けられており、仕上げ加工用砥石部58からのみ構成される円筒状外周研削面60は上記円筒状外周研削面52の4/5乃至1/5程度、上記外周研削面の全体幅(テーパ状外周研削面50および円筒状外周研削面52の幅)の1/2乃至1/10程度の幅寸法となるように十分に小さくされているのである。
【0022】
上記粗加工用砥石部56および仕上げ加工用砥石部58は、ダイヤモンド砥粒或いはCBN砥粒などの超砥粒がビトリファイドボンドとして知られる無機結合剤、メタルボンドとして知られる金属結合剤、レジノイドボンドとして知られる有機結合剤などの結合剤によって結合された砥石組織によりそれぞれ構成されている。上記粗加工用砥石部56の砥粒はたとえば粒度60/80のCBN砥粒から成る一方、上記仕上げ加工用砥石部58の砥粒はたとえば粒度80/100のCBN砥粒から成るものであり、粗加工用砥石部56の耐摩耗性が仕上げ加工用砥石部58に対して高められるとともに、仕上げ加工用砥石部58の表面粗度に対する仕上げ能力が粗加工用砥石部56に対して高められている。
【0023】
また、上記砥石10では、粗加工用砥石部56の耐摩耗性が仕上げ加工用砥石部58に対して高められるように、砥粒の結合度および集中度が設定されている。たとえば、上記粗加工用砥石部56の砥粒はたとえば結合度Nにて結合される一方、上記仕上げ加工用砥石部58の砥粒はたとえば結合度Mにて結合されている。さらに、上記粗加工用砥石部56の砥粒はたとえば集中度(コンセントレーション)200とされる一方、上記仕上げ加工用砥石部58の砥粒はたとえば集中度180とされている。すなわち、粗加工用砥石部56はCB60N200Vで構成されあり、仕上げ加工用砥石部58はCB80M180Vで構成されているのであり、それら粗加工用砥石部56および仕上げ加工用砥石部58は、成形工程においてたとえば共通の金型内でプレスされることにより相互に一体的とされた後、一体に焼結させられている。
【0024】
以上のように構成されたコンタリング研削装置12では、作業者により被削材30が主軸22とセンター26との間にセットされた状態で、図示しない加工開始操作釦が操作されると、砥石10が100m/秒以上の周速の超高速回転で回転駆動された状態で、その砥石10の研削点すなわち被削材30との接触点が1点鎖線に示すような予め設定された加工後の輪郭線Rに沿うように、制御装置44により砥石10が被削材30に対して一方向へ相対移動させられる。上記砥石10の研削点が輪郭線Rの終端に到達すると、被削材30の表面には輪郭線Rに沿った形状の研削仕上げが施されるとともに、砥石10が原位置へ相対移動させられる。
【0025】
ここで、上記被削材30の回転速度および砥石10の相対移動速度は、被削材30の外周表面の1点(線)をその砥石10の仕上げ加工用砥石部58から成る円筒状外周研削面60が通過する間に、十分な仕上げ精度或いは表面粗さが保証される必要且つ十分に予め設定された回数たとえば3回以上被削材30が回転できる値にそれぞれ設定されており、制御装置44はそのような回転速度で被削材30を回転させ、或いはそのような相対移動速度で砥石10を回転駆動し、且つ輪郭線Rに沿って相対移動させる。
【0026】
真円度が3μm以下の仕上げ寸法精度と面粗度Rmax が3μm以下の表面粗さとが要求されるコンタリング研削において、本発明者等の実験によれば、前記のような砥石10を備えたコンタリング研削装置12では、図3および図4に示すように、被削材30の表面上の1点(線)を砥石10の仕上げ加工用砥石部58から成る円筒状外周研削面60が通過する間における被削材30の回転回数すなわちスパークアウト回数(円筒状外周研削面60の幅寸法÷被削材30の1回転当たりの砥石10の移動量)が少なくとも3回となるような被削材30の回転速度および砥石10の相対移動速度が必要とされるからである。
【0027】
図5は、上記のように被削材30の回転速度および砥石10の相対移動速度が設定されているコンタリング研削装置12を用いた場合の、面粗度Rmax 、真円度、および研削量の経時的変化を示している。図5に示すように、それら3種の変化特性のうち真円度が要求精度である3μmを最初に越えることから、その真円度が要求精度である3μmを越えた時点で砥石10のツルーイングをする必要がある。しかし、被削材30の表面上の1点(線)を砥石10の仕上げ加工用砥石部58から成る円筒状外周研削面60が通過する間における被削材30の回転回数すなわちスパークアウト回数(円筒状外周研削面60の幅寸法÷被削材30の1回転当たりの砥石10の移動量)が、コンタリング研削の要求精度を満足する必要かつ十分な回数すなわち本実施例では3回となるような被削材30の回転速度或いは砥石10の相対移動速度でコンタリング研削が行われる場合には、最も高い加工精度が得られると同時に、研削回数の増加に伴って後退するテーパ状外周研削面50が前記粗加工用砥石部56と仕上げ加工用砥石部58との境界面Cに到達したことを以て、目視により容易にツルーイングを判断することができる。
【0028】
上述のように、本実施例によれば、テーパ状外周研削面50を構成する粗加工用砥石部56と、その粗加工用砥石部56よりも砥粒が小さくて円筒状外周研削面52の少なくとも一部を構成する仕上げ加工用砥石部58とが回転軸心方向に備えられているコンタリング研削用砥石10が、100m/秒以上の周速の超高速回転で一軸まわりに回転させられつつ所定の輪郭線Rに沿ってテーパ状外周研削面50側に一方向へ相対移動させられると、被削材30上の1点では、耐摩耗性の高い粗加工用砥石部56のテーパ状外周研削面50で研削された後、それに続いて、砥粒が相対的に小さい仕上げ加工用砥石部58の円筒状外周研削面60で研削されるので、砥石10の耐久性と加工精度或いは仕上げ寸法精度が好適に得られる。
【0029】
また、本実施例の砥石10によれば、粗加工用砥石部56と仕上げ加工用砥石部58との境界面Cが、テーパ状外周研削面50と円筒状外周研削面52との間の境界線Dよりもその円筒状外周研削面60側に設けられることから、外周面の摩耗が進行しても仕上げ加工用砥石部58からなる円筒状外周研削面60の幅寸法は減少せず、摩耗により後退するテーパ状外周研削面50がその仕上げ加工用砥石部58からなる円筒状外周研削面60に到達するまでツルーイングが不要であるため、良好な加工精度が得られるコンタリング研削が長期間得られる利点がある。
【0030】
また、本実施例の砥石10によれば、粗加工用砥石部56は、仕上げ加工用砥石部58よりも大きい回転軸心方向の厚みすなわち幅寸法を備えたものであるので、テーパ状外周研削面50の幅寸法が大きく設定され、一層高い生産性が得られる利点がある。
【0031】
また、本実施例の砥石10によれば、粗加工用砥石部56は、仕上げ加工用砥石部58よりも結合度或いは集中度が大きいものであるので、粗加工用砥石部56の摩耗が仕上げ加工用砥石部58よりも一層少なくなり、ツルーイング周期が一層長くなって生産性が高められる。
【0032】
また、前述の実施例のコンタリング研削装置12においては、被削材30上の一点を仕上げ加工用砥石部58の円筒状外周研削面60が通過する間に被削材30がコンタリング研削の要求精度を満足する必要かつ十分な予め設定された一定の回数以上回転する回転速度で、その被削材30を回転駆動する工程を含むコンタリング研削方法が用いられるので、十分な加工精度が得られる。また、たとえば回転回数が上記コンタリング研削の要求精度を満足する必要かつ十分な予め設定された一定の回数(3回)に設定されるときには、摩耗により後退するテーパ状外周研削面50が上記仕上げ加工用砥石部58の円筒状外周研削面60に到達することを基準としてツルーイングが目視により容易に判定されるので、ツルーイング作業の開始判定に関して熟練や加工精度の測定を要しない利点がある。
【0033】
また、前述の実施例のコンタリング研削装置12においては、被削材30上の一点を仕上げ加工用砥石部58の円筒状外周研削面60が通過する間に被削材30がコンタリング研削の要求精度を満足する必要かつ十分な予め設定された一定の回数以上回転する移動速度で、そのコンタリング研削用砥石10を被削材30に対して相対移動させる工程を含むコンタリング研削方法が用いられるので、十分な加工精度が得られる。また、たとえば回転回数が上記コンタリング研削の要求精度を満足する必要かつ十分な予め設定された一定の回数(3回)に設定されるときには、摩耗により後退するテーパ状外周研削面50が上記仕上げ加工用砥石部58の円筒状外周研削面60に到達することを基準としてツルーイングが目視により容易に判定されるので、ツルーイング作業の開始判定に関して熟練や加工精度の測定を要しない利点がある。
【0034】
以上、本発明の実施例を図面に基づいて詳細に説明したが、本発明は更に別の態様で実施することもできる。
【0035】
例えば、前述の実施例のコンタリング研削装置12では、被削材30がX方向に駆動され且つ砥石10がY方向に駆動されることにより砥石10の研削点が所定の輪郭線Rに沿って相対移動させられていたが、被削材30または砥石10がX方向およびY方向へ移動させられるように構成されていてもよいのである。
【0036】
また、前述の実施例の砥石10においては、粗加工用砥石部56および仕上げ加工用砥石部58の砥粒は、ダイヤモンド砥粒或いはCBN砥粒であり、また、その砥粒は、無機結合剤、熱硬化性樹脂結合剤、メタルボンドなどの結合剤によって結合されたものであったが、溶融アルミナ系砥粒や炭化珪素系砥粒などの他の種類の砥粒や他の種類の結合剤が用いられてもよい。
【0037】
また、前述の実施例の砥石10において、粗加工用砥石部56と仕上げ加工用砥石部58とは、砥粒或いは結合剤に異種の材質を用いたり或いは結合剤に着色を施すなどをすることにより、相互に異なる色彩を備えるように構成されてもよい。このようにすれば、粗加工用砥石部56と仕上げ加工用砥石部58との間の境界面Cが一層明確となるので、テーパ状外周研削面50がその境界面Cに到達したことが一層容易に目視判断できる利点がある。
【0038】
また、前述の実施例の砥石10において、粗加工用砥石部56と仕上げ加工用砥石部58との間の境界面Cは、一方の成分の含有比が傾斜するような所定の範囲で相互の成分が混在するものであっても差し支えない。
【0039】
また、前述の実施例の砥石10において、粗加工用砥石部56および仕上げ加工用砥石部58は、製造段階で相互に一体に成形され且つ焼結されたものであったが、成形焼結後において相互に接着されたものであってもよい。
【0040】
なお、上述したのはあくまでも本発明の一実施例であり、本発明はその趣旨を逸脱しない範囲において種々変更され得るものである。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施例であるコンタリング研削用砥石を備えたコンタリング研削装置の構成を説明する図である。
【図2】図1の実施例のコンタリング研削装置に備えられたコンタリング研削用砥石の外周部の構成を拡大して説明する、一部を切り欠いた図である。
【図3】図2のコンタリング研削用砥石において、仕上げ加工用砥石部から成る円筒状外周研削面のスパークアウト回数と面粗度との関係を示す図である。
【図4】図2のコンタリング研削用砥石において、仕上げ加工用砥石部から成る円筒状外周研削面のスパークアウト回数と真円度との関係を示す図である。
【図5】図1のコンタリング装置における、研削量と、面粗度、真円度、円筒状外周研削面の幅寸法との関係を示す図である。
【符号の説明】
10:コンタリング研削用砥石
12:コンタリング研削装置
50:テーパ状外周研削面
52:円筒状外周研削面
56:粗加工用砥石部
58:仕上げ加工用砥石部
60:仕上げ加工用砥石部から成る円筒状外周研削面

Claims (6)

  1. 相対移動方向の後方へ向かうに従って大径となるテーパ状外周研削面と該テーパ状外周研削面に続いて径変化のない円筒状外周研削面とを外周面に有し、一軸まわりに回転させられつつ所定の加工輪郭線に沿って前記テーパ状外周研削面側に一方向へ相対移動させられることにより、被削材に対して該加工輪郭線に沿った研削加工を施すコンタリング研削用砥石であって、
    粗加工用砥石部と該粗加工用砥石部よりも砥粒が小さい仕上げ加工用砥石部とを回転軸心方向に備え、該粗加工用砥石部により前記テーパ状外周研削面を構成し、該仕上げ加工用砥石部により前記円筒状外周研削面の少なくとも一部を構成し、且つ該粗加工用砥石部と仕上げ加工用砥石部との境界面を、該テーパ状外周研削面と円筒状外周研削面との間の境界線よりも該円筒状外周研削面側に設けたことを特徴とするコンタリング研削用砥石。
  2. 前記粗加工用砥石部は、前記仕上げ加工用砥石部よりも前記回転軸心方向の厚みが大きいものである請求項1コンタリング研削用砥石。
  3. 前記粗加工用砥石部は、前記仕上げ加工用砥石部よりも結合度が大きいものである請求項1または2のいずれかのコンタリング研削用砥石。
  4. 前記粗加工用砥石部は、前記仕上げ加工用砥石部よりも集中度が大きいものである請求項1乃至3のいずれかのコンタリング研削用砥石。
  5. 請求項1のコンタリング研削用砥石を用いて、一軸まわりに回転させられる被削材の外周面を研削するコンタリング研削方法であって、
    前記被削材の外周面上の一点を前記仕上げ加工用砥石部の円筒状外周研削面が通過する間に該被削材が予め設定された一定の回数以上回転する回転速度で、該被削材を回転駆動する工程を、含むことを特徴とするコンタリング研削方法。
  6. 請求項1のコンタリング研削用砥石を用いて、一軸まわりに回転させられる被削材の外周面を研削するコンタリング研削方法であって、
    前記被削材の外周面上の一点を前記仕上げ加工用砥石部の円筒状外周研削面が通過する間に該被削材が予め設定された一定の回数以上回転する移動速度で、該コンタリング研削用砥石を該被削材に対して相対移動させる工程を、含むことを特徴とするコンタリング研削方法。
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