JP2009255186A - 研削盤及び研削方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】工作物の研削加工を高精度に行える長寿命の砥石を備えた研削盤及び研削方法を提供すること。
【解決手段】研削盤10は、研削加工工程に応じて使い分ける第1の砥石車21及び第2の砥石車22を備えている。第2の砥石は、少なくとも1本の傾斜溝86が第2の砥石の研削面と工作物とが接触する接触面を上下方向に貫通し、上方から供給された研削液が傾斜溝を通って上方及び下方から流出し、研削面と工作物との間に発生する研削液の動圧を開放することができる。これにより、研削液に発生する動圧が変動して工作物が砥石から離間する距離が変化することがなくなり、第2の砥石による工作物の研削加工精度を高めることができる。そして、第2の砥石を使用した場合には寿命が短くなるような研削加工工程においては第1の砥石が使用されるので、第2の砥石の長寿命化を図ることができる。
【選択図】図2

Description

本発明は、砥石の研削面と工作物との接触面に向けて研削液を供給しながら砥石によって工作物を研削加工する研削盤及び研削方法に関し、特に研削加工工程に応じて使い分ける第1の砥石及び第2の砥石を備えた研削盤及び研削方法に関するものである。
従来、研削盤に備えられた砥石で工作物を研削加工するときには、砥石と工作物との研削点に研削液を供給して冷却及び潤滑することにより研削熱による工作物の研削焼け、熱歪み等を防止している。しかし、砥石と工作物との研削点に向けて研削液を供給した場合、砥石と工作物との間で研削液に動圧が発生し、また、工作物に穴や溝がある場合には、穴や溝により圧力が変化し、砥石と工作物との間で相対変位を生じ、工作物の研削加工精度が低下するという問題があった。かかる研削液に発生する動圧による研削加工精度の低下を防ぐための技術が、特許文献1に開示されている。
特許文献1に記載の技術では、砥石と工作物とが接触する研削点に研削液を供給するクーラントノズルに供給する研削液圧を高低2段階に切替え可能な研削液供給装置を設け、砥石の工作物への送り速度が大きい粗研削時には研削液圧を高圧に、送り速度が小さい仕上げ研削時、スパークアウト研削時には低圧に切替えることにより、研削液に生じる動圧によって研削加工精度が悪化することを防止している。
実開昭57−157458号公報(第1−3頁、図2)
上記従来技術では、砥石の研削面と工作物とが接触する接触面に向けて供給された研削液に生じた動圧を開放することができず、特に、砥石及び工作物の回転数を上げて研削能率を高くした場合、研削液に生じる動圧によって研削加工精度が悪化する。そこで、本出願人は、砥石と工作物とが接触する接触面を上下に貫通するように少なくとも1本の傾斜溝を設けた砥石を提案している。かかる、砥石を備えた研削盤によれば、接触面に向けて供給された研削液の排出性を向上させ、工作物に対する砥石の接触弧長さを減少させて、研削液に発生する動圧を開放し、工作物の加工精度を高めることができる。ところが、傾斜溝を設けることにより砥石の研削に作用する砥粒体積(砥粒数)が減少するので、砥石の寿命が短くなる場合があり、砥石交換の作業頻度が高くなる。
本発明は、工作物の研削加工を高精度に行える長寿命の砥石を備えた研削盤及び研削方法を提供することである。
上記課題を解決するために、請求項1に係る発明の構成上の特徴は、研削加工工程に応じて使い分ける第1の砥石及び第2の砥石を備え、前記各砥石の研削面と工作物との接触面に向けて研削液を供給しながら前記各砥石によって前記工作物を研削加工する研削盤において、前記第1の砥石として、当該研削面を平滑に形成した砥石を備え、前記第2の砥石として、当該研削面に砥石円周方向に対して傾斜した複数の傾斜溝を刻設した砥石を備えたことである。
請求項2に係る発明の構成上の特徴は、請求項1に記載の研削盤において、前記複数の傾斜溝は、所定の角度傾斜し、等間隔に、且つ、前記傾斜溝と前記接触面の砥石円周方向と平行な一方の縁の延長線との交点を一方交点、他方の縁の延長線との交点を他方交点と定義した場合、一の傾斜溝の他方交点と、一の傾斜溝と隣接する傾斜溝の一方交点とが砥石円周方向において所定のオーバラップ量だけオーバラップするように刻設され、前記第2の砥石によって前記工作物を研削加工する際には、当該研削面と前記工作物との接触面の砥石円周方向長さが前記オーバラップ量よりも小さくなるように、前記工作物に対する前記砥石の切込み量と、前記傾斜溝の傾斜角度及び間隔との少なくとも一方を設定して研削加工することである。
請求項3に係る発明の構成上の特徴は、請求項1又は2に記載の研削盤において、前記第2の砥石の研削面と前記工作物との接触面内であって、前記第2の砥石を円周上の任意の位置で砥石軸と平行に、且つ、砥石径の方向に切断したときの当該切断線上に存在する前記傾斜溝の幅の和が常に等しいことである。
請求項4に係る発明の構成上の特徴は、請求項1乃至3のいずれかに記載の研削盤において、前記工作物の粗研削では前記第1の砥石を使用し、前記工作物の仕上げ研削では前記第2の砥石を使用することである。
請求項5に係る発明の構成上の特徴は、請求項1乃至3のいずれかに記載の研削盤において、前記工作物の平滑面では前記第1の砥石により研削加工し、前記工作物の非平滑面では前記第2の砥石により研削加工することである。
請求項6に係る発明の構成上の特徴は、請求項1乃至5のいずれかに記載の研削盤において、前記第1の砥石と前記第2の砥石は、並設されていることである。
請求項7に係る発明の構成上の特徴は、請求項6に記載の研削盤において、前記第2の砥石が砥石軸に嵌着され締結固定された後、前記第1の砥石が前記砥石軸に嵌着され前記第2の砥石に締結固定されて並設されていることである。
請求項8に係る発明の構成上の特徴は、請求項7に記載の研削盤において、前記第1の砥石の研削面と前記第2の砥石の研削面は、間隙を持って並設されていることである。
請求項9に係る発明の構成上の特徴は、請求項1乃至8のいずれかに記載の研削盤において、少なくとも前記第2の砥石の研削面が斜面に形成され、前記第1及び第2の砥石を支承する砥石台が前記工作物の軸線と直角な軸線周りに回動可能であることである。
上記課題を解決するために、請求項10に係る発明の構成上の特徴は、砥石の研削面と工作物との接触面に向けて研削液を供給しながら前記砥石によって前記工作物を研削加工する研削方法において、研削面を平滑に形成した第1の砥石による研削加工と、研削面に砥石円周方向に対して傾斜した複数の傾斜溝を刻設した第2の砥石による研削加工とを研削加工工程に応じて使い分けることである。
請求項11に係る発明の構成上の特徴は、請求項10に記載の研削方法において、前記工作物の粗研削では前記第1の砥石を使用し、前記工作物の仕上げ研削では前記第2の砥石を使用することである。
請求項12に係る発明の構成上の特徴は、請求項10に記載の研削方法において、前記工作物の平滑面では前記第1の砥石により研削加工し、前記工作物の非平滑面では前記第2の砥石により研削加工することである。
請求項1に係る発明によれば、研削加工工程に応じて使い分ける第1の砥石及び第2の砥石を備え、各砥石の研削面と工作物との接触面に向けて研削液を供給しながら各砥石によって工作物を研削加工する研削盤において、第1の砥石として、当該研削面を平滑に形成した砥石を備え、第2の砥石として、当該研削面に傾斜溝を刻設した砥石を備えているので、以下の理由により第2の砥石による研削加工精度及び第2の砥石の砥石寿命の向上を図ることができる。
即ち、第1の砥石は、一般的な砥石であり、第2の砥石を使用した場合には寿命が短くなるような研削加工工程において使用しても寿命が極端に短くなることはない。一方、第2の砥石は、上方から供給された研削液が傾斜溝を通って上方及び下方から流出し、研削面と工作物との間に発生する研削液の動圧を開放することができる。これにより、研削液の供給量を減少させなくても、工作物が研削液の動圧よって第2の砥石から離間する方向に変位され、或いは研削液に発生する動圧が変動して工作物が第2の砥石から離間する距離が変化することがなくなり、第2の砥石による工作物の研削加工精度を高めることができる。そして、第2の砥石を使用した場合には寿命が短くなるような研削加工工程においては第1の砥石が使用されるので、第2の砥石の長寿命化を図ることができる。
請求項2に係る発明によれば、第2の砥石は、傾斜溝と接触面の砥石円周方向と平行な一方の縁の延長線との交点を一方交点、他方の縁の延長線との交点を他方交点と定義した場合、一の傾斜溝の他方交点と、一の傾斜溝と隣接する傾斜溝の一方交点とが砥石円周方向において所定のオーバラップ量だけオーバラップし、接触面の砥石円周方向長さがオーバラップ量よりも小さくなるようにするので、少なくとも1本の傾斜溝が第2の砥石の研削面と工作物とが接触する接触面を上下方向に貫通し、上方から供給された研削液が傾斜溝を通って上方及び下方から流出し、研削面と工作物との間に発生する研削液の動圧を開放することができる。これにより、研削液の供給量を減少させなくても、工作物が研削液の動圧よって第2の砥石から離間する方向に変位され、或いは研削液に発生する動圧が変動して工作物が第2の砥石から離間する距離が変化することがなくなり、第2の砥石による工作物の研削加工精度を高めることができる。そして、第2の砥石を使用した場合には寿命が短くなるような研削加工工程においては第1の砥石が使用されるので、第2の砥石の長寿命化を図ることができる。
請求項3に係る発明によれば、傾斜溝による研削液に発生する動圧の低減効果は傾斜溝の幅に比例するが、第2の砥石の研削面全周にわたって傾斜溝の幅が一定となるように傾斜溝を刻設しているので研削面全周にわたって動圧低減効果も一定となり、工作物に対しむらのない研削加工が可能となる。
請求項4に係る発明によれば、高能率で取り代が多く砥石摩耗への影響が大きい粗研削には第1の砥石を使用し、低能率で砥石摩耗が少なく加工精度に影響が大きい仕上げ研削には第2の砥石を使用することで、第2の砥石による研削加工精度と第2の砥石の砥石寿命の向上を図ることができる。
請求項5に係る発明によれば、研削面に傾斜溝を刻設した第2の砥石によれば研削面と工作物との間に発生する研削液の動圧を開放することができ、研削液に発生する動圧が変動して工作物が第2の砥石から離間する距離が変化することがなくなるので、工作物の非平滑面、即ち工作物に穴や溝等が形成された面であっても研削加工精度を高めることができる。
請求項6に係る発明によれば、第1の砥石と第2の砥石が並設されているので、第1の砥石による研削加工と第2の砥石による研削加工を続けて行うことができ、研削加工工数を低減することができる。
請求項7に係る発明によれば、砥石軸に対し第2の砥石よりも外側に第1の砥石を配置しているので、第1の砥石が第2の砥石と比べて減りが大きくても第1の砥石のみを容易に交換することができる。そのとき、第2の砥石を砥石軸のみに締結固定し、第1の砥石を第2の砥石のみに締結固定しているので、第1の砥石の締結を外す作業のみで第1の砥石のみを交換することができ、交換作業工数を低減することができる。そして、第2の砥石は砥石軸から外さなくて良いので、第2の砥石の研削先端位置を高精度な状態に保つことができる。
請求項8に係る発明によれば、第1の砥石の研削面と第2の砥石の研削面を間隙を持って並設しているので、第1の砥石をツルーイングした後にツルーイング手段を該間隙に一旦逃がすことができ、第2の砥石との干渉を防止することができる。そして、その後に続けて第2の砥石をツルーイングすることができるので、ツルーイング工数を低減することができる。
請求項9に係る発明によれば、少なくとも第2の砥石の研削面を斜面に形成しているので、第2の砥石による研削時には砥石台を工作物の軸線と直角な軸線周りに回動させて砥石軸を傾斜させる必要がある。このため、工作物が例えば隣り合う位相の異なるカム等の場合であっても、第1の砥石による研削加工中は第2の砥石の研削面が隣接するカムから逃げているので、第2の砥石と該カムとが干渉することを防止することができる。また、第2の砥石による研削加工中も第1の砥石の研削面が隣接するカムから逃げているので、第1の砥石と該カムとが干渉することを防止することができる。そして、上述したように一方の砥石による研削加工中は他方の砥石は研削に関与しないので、第1の砥石又は第2の砥石によるトラバース研削も可能となる。
請求項10に係る発明によれば、砥石の研削面と工作物との接触面に向けて研削液を供給しながら前記砥石によって前記工作物を研削加工する研削方法において、研削面を平滑に形成した第1の砥石による研削加工と、研削面に砥石円周方向に対して傾斜した複数の傾斜溝を刻設した第2の砥石による研削加工とを研削加工工程に応じて使い分けるので、以下の理由により第2の砥石による研削加工精度及び第2の砥石の砥石寿命の向上を図ることができる。
即ち、第1の砥石は、一般的な砥石であり、第2の砥石を使用した場合には寿命が短くなるような研削加工工程において使用しても寿命が極端に短くなることはない。一方、第2の砥石は、上方から供給された研削液が傾斜溝を通って上方及び下方から流出し、研削面と工作物との間に発生する研削液の動圧を開放することができる。これにより、研削液の供給量を減少させなくても、工作物が研削液の動圧よって第2の砥石から離間する方向に変位され、或いは研削液に発生する動圧が変動して工作物が第2の砥石から離間する距離が変化することがなくなり、第2の砥石による工作物の研削加工精度を高めることができる。そして、第2の砥石を使用した場合には寿命が短くなるような研削加工工程においては第1の砥石が使用されるので、第2の砥石の長寿命化を図ることができる。
請求項11に係る発明によれば、高能率で取り代が多く砥石摩耗への影響が大きい粗研削には第1の砥石を使用し、低能率で砥石摩耗が少なく加工精度に影響が大きい仕上げ研削には第2の砥石を使用することで、第2の砥石による研削加工精度と第2の砥石の砥石寿命の向上を図ることができる。
請求項12に係る発明によれば、研削面に傾斜溝を刻設した第2の砥石によれば研削面と工作物との間に発生する研削液の動圧を開放することができ、研削液に発生する動圧が変動して工作物が第2の砥石から離間する距離が変化することがなくなるので、工作物の非平滑面、即ち工作物に穴や溝等が形成された面であっても研削加工精度を高めることができる。
以下、本発明の実施の形態を図面に基づいて説明する。
図1に示す第1の実施形態の研削盤10のベッド11上には、テーブル12が水平なZ軸方向に移動可能に案内支持されていると共に、砥石台20がZ軸方向と直交する水平なX軸方向に移動可能に案内支持されている。更に、クーラント供給装置60が配置されている。テーブル12上には、主軸台13と心押台14とが対向して配置されている。砥石台20には、研削加工工程に応じて使い分ける第1の砥石車21及び第2の砥石車22がZ軸方向と平行な軸線の周りに回転可能に支承されている。
主軸台13には、工作物Wの一端を支持するセンタが嵌着される主軸15が回転可能に軸承され、心押台14には、工作物Wの他端を支持するセンタが嵌着される心押し軸16が固定されて軸承されている。更に、主軸台13には、主軸15をZ軸方向と平行な軸線の周りに回転する主軸回転モータ17が備えられている。工作物Wは、主軸15と心押し軸16との間で両端をセンタ支持され、主軸回転モータ17によって軸線の周りに回転されるようになっている。
第1の砥石車21及び第2の砥石車22は、砥石軸23に横並びに合わされて取り付けられ、砥石駆動モータ24によってベルト伝動機構25を介して回転される。各砥石外周面がZ軸方向と平行な幅広の研削面21a,22aとなっており、Z軸方向に移動して工作物Wである例えばカムシャフトのカムを研削加工するようになっている。また、砥石軸23には、第1又は第2の砥石車21,22と工作物Wもしくはツルーイングロール32との接触によって発生する弾性波を検出するAEセンサ26が備えられている。尚、第1及び第2の砥石車21,22の詳細は後述する。
クーラント供給装置60は、第1又は第2の砥石車21,22が工作物Wを研削加工する研削点にクーラントを供給する。このクーラント供給装置60は、クーラントノズル61、ポンプ62、モータ63、クーラント貯留槽64等を備えている。モータ63により駆動されるポンプ62から供給されたクーラントは、図略の流量制御弁により流量制御され、第1及び第2の砥石車21,22の上方に取り付けられたクーラントノズル61から研削点に供給されて研削加工部を冷却及び潤滑する。研削点に供給されたクーラントは、ベッド11下方に流れ、図略のマグネットセパレータ等により切粉が分離された後に、再びクーラント貯留槽64へ戻される。
主軸台13には、第1及び第2の砥石車21,22をツルーイングするためのツルーイング装置30が設けられている。ツルーイング装置30は、回転可能なツルア軸31の一端に取り付けられた薄幅のツルーイングロール32を備えている。ツルーイングロール32の外周面には、円筒状のツルーイング面32aが設けられている。ツルア軸31は、ビルトインモータ35によって回転駆動されるようになっている。
研削盤10を制御する数値制御装置40は、中央処理装置41と、種々の制御値及びプログラムを記憶するメモリ42と、インターフェィス43、44から主に構成されている。メモリ42には、研削加工プログラム、ツルーイングプログラム等、研削加工サイクル及びツルーイングサイクルを実行するに必要な種々のデータが記憶されている。数値制御装置40には、インターフェース43、44を介して種々のデータが入出力されるようになっている。入出力装置45として、データの入力等を行うためのキーボード、データの表示を行うCRT等の表示装置を備えている。また、数値制御装置40には、AEセンサ26からのAE信号が増幅器46を介して入力されるようになっている。
数値制御装置40は、X軸モータ駆動ユニット50を介して砥石台20をX軸方向へ移動させるX軸サーボモータ51に駆動信号を与えるようになっており、X軸サーボモータ51に取り付けられたエンコーダ52がX軸サーボモータ51の回転位置、即ち砥石台20の位置をX軸モータ駆動ユニット50及び数値制御装置40へ送出するように構成されている。また、数値制御装置40は、Z軸モータ駆動ユニット54を介してテーブル12をZ軸方向へ移動させるZ軸サーボモータ55に駆動信号を与えるようになっており、Z軸サーボモータ55に取り付けられたエンコーダ56がZ軸サーボモータ55の回転位置、即ちテーブル12の位置をZ軸モータ駆動ユニット54及び数値制御装置40へ送出するように構成されている。
数値制御装置40は、メモリ42に記憶されたNCプログラムの目標位置指令とエンコーダ52、56からの現在位置信号との偏差により、サーボモータ51、55をそれぞれ駆動し、テーブル12及び砥石台20をそれぞれ目標位置に位置決め制御する。数値制御装置40は、第1及び第2の砥石車21,22による工作物Wの研削加工本数をカウントし、研削加工本数が予め定められた値に達するとツルーイング動作を指令する。
以上のような構成の研削盤10によれば、研削加工工程に応じて使い分ける第1の砥石車21と第2の砥石車22が砥石軸23に並設されているので、第1の砥石車21による研削加工と第2の砥石車22による研削加工を続けて行うことができ、もしくは第1の砥石車21による研削加工を全て完了した後に続けて第2の砥石車22による研削加工を全て完了することができ、研削加工工数を低減することができる。そして、第1の砥石車21と第2の砥石車22を研削加工工程に応じて使い分けるが、特に第2の砥石車22は以下に説明する大きな特徴を有しているため、従来は両立が困難であった第2の砥石車22による研削加工精度を高めることができると共に、第2の砥石車22を長寿命化させることができる。
第1の砥石車21は、例えば粗研削に使用される砥石であり、第2の砥石車22は、例えば仕上げ研削に使用される砥石である。第1及び第2の砥石車21,22は、図2に示すように、セグメントタイプの砥石チップ71,81を備えている。
第1の砥石車21の砥石チップ71は、粗研削用に集中度が調整されており、例えばCBN、ダイヤモンド等の超砥粒をビトリファイドボンドで3mm〜5mmの厚さに結合した砥粒層72が外周側に形成され、下地粒子をビトリファイドボンドで1mm〜3mmの厚さに結合した下地層73が砥粒層72の内側に重ねて一体的に形成されている。
第2の砥石車22の砥石チップ81は、仕上げ研削用に集中度が大きくなるように調整されており、例えばCBN、ダイヤモンド等の超砥粒をビトリファイドボンドで3mm〜5mmの厚さに結合した砥粒層82が外周側に形成され、下地粒子をビトリファイドボンドで1mm〜3mmの厚さに結合した下地層83が砥粒層82の内側に重ねて一体的に形成されている。そして、詳細は後述するが、第2の砥石車22の研削面22aには、複数の傾斜溝86が形成されている。
ビトリファイドボンドを採用すると、有気孔の特性から、切り屑の排出性に優れ、切れ味が良好となるため、砥石摩耗量を少なくして良好な表面あらさに研削加工することができる。しかしながら、結合剤としては、ビトリファイドボンドの他に、レジンボンド又はメタルボンド等を使用することもできる。
第1及び第2の砥石車21,22は、図3(A),(B)に示すように、砥粒層72,82と下地層73,83からなる複数の円弧状の砥石チップ71,81が、鉄又はアルミニウム等の金属、或いは樹脂等で成形された円盤状のコア74,84の外周面に並べられ、下地層73,83の底面で接着剤によりコア74,84に貼付されて構成されている。
第1の砥石車21のコア74には、図2に示すように、右端面側に小径のフランジ部74aが突設されている。そして、コア74の左端面からフランジ部74aの右端面に貫通する固定用ボルト75を通すボルト穴74bが穿設されている。ボルト穴74bの左端は固定用ボルト75の頭が挿入されるざぐり穴となっている。ボルト穴74bは、コア74に等角度間隔で穿設されている。
第2の砥石車22のコア84には、図2に示すように、左端面側に固定用ボルト75が螺合されるネジ穴84aが穿設されている。ネジ穴84aは、ボルト穴74bに対応してコア84に等角度間隔で穿設されている。そして、コア84の左端面から右端面に貫通する固定用ボルト85を通すボルト穴84bが穿設されている。ボルト穴84bの左端は固定用ボルト85の頭が挿入されるざぐり穴となっている。ボルト穴84bは、ネジ穴84aよりも内周側においてコア84に等角度間隔で穿設されている。そして、砥石軸23の左端面には、固定用ボルト85が螺合されるネジ穴23aが穿設されている。ネジ穴23aは、ボルト穴84bに対応して砥石軸23の左端面に等角度間隔で穿設されている。
第1及び第2の砥石車21,22を砥石軸23に取り付けるときは、先ず、第2の砥石車22の中心穴22bを砥石軸23の先端23bに嵌入して第2の砥石車22の右端面を砥石軸23の左端面に密着する。そして、固定用ボルト85をボルト穴84bに挿入して砥石軸23のネジ穴23aに螺合する。これにより、第2の砥石車22は砥石軸23に芯出しされて締結固定される。次に、第1の砥石車21の中心穴21bを砥石軸23の先端23bに嵌入して第1の砥石車21のフランジ部74aの右端面を第2の砥石車22の左端面に密着する。そして、固定用ボルト75をボルト穴74bに挿入して第2の砥石車22のネジ穴84aに螺合する。これにより、第1の砥石車21は砥石軸23に芯出しされて第2の砥石車22に締結固定される。以上のような固定用ボルト75,85を用いることにより、第2の砥石車22は砥石軸23と着脱可能になり、第1の砥石車21は第2の砥石車22と着脱可能となる。尚、このように着脱可能に締結固定できる手段であれば使用可能であり、ボルトに限定されるものではない。
以上のような構成によれば、粗研削用の第1の砥石車21は、仕上げ研削用の第2の砥石車22に比べて減りが早いが、上述したように第1の砥石車21は第2の砥石車22に締結固定され、第2の砥石車22は砥石軸23に締結固定されているため、第1の砥石車21のみを砥石軸23から外して交換することができる。よって、第2の砥石車22を砥石軸23から外す作業が不要となる分、砥石交換の作業工数を低減させることができる。そして、第1の砥石車21のみの交換で良いので砥石コストを低減させることができる。
また、第1の砥石車21の研削面21aと第2の砥石車22の研削面22aはフランジ部74aの厚さ分だけ間隙を持っているため、第1の砥石車21の研削面21aをツルーイングロール32によりツルーイングした後、ツルーイングロール32をかかる間隙に一旦逃がすことができる。そして、その後に続けて第2の砥石車22の研削面22aをツルーイングロール32によりツルーイングできるため、ツルーイング装置30や砥石台20をホームポジションに戻す必要が無く、ツルーイング工数を低減させることができる。尚、ツルーイングロール32の幅は通常は1mm程度であるので、研削面21aと研削面22aの間隙は1mm以上に設定すれば良い。
更に、第2の砥石車22について詳述する。図4乃至図7に示すように、第2の砥石車22の研削面22aには、複数の傾斜溝86が、研削面22aから下地層83に至るまでの深さhで砥石周方向と平行な砥粒層82の両側面82a,82bをつき抜けて砥粒層82に設けられている。即ち、研削面22aには、砥石円周方向に対して所定の傾斜角度αだけ傾斜した複数の傾斜溝86が、所定のピッチPで等間隔に、且つ、傾斜溝86と、接触面Sの砥石円周方向と平行な一方の縁Saの延長線L1との交点を一方交点Ca、他方の縁Sbの延長線L2との交点を他方交点Cbと定義した場合、一の傾斜溝86の他方交点Cbと、一の傾斜溝86と隣接する傾斜溝86の一方交点Caとが砥石円周方向においてオーバラップ量Vだけオーバラップするように刻設されている。
そして、第2の砥石車22の研削面22aと工作物Wとの接触面Sの砥石円周方向長さLがオーバラップ量Vよりも小さくなるように、工作物Wに対する砥石の切込み量tと、傾斜溝86の傾斜角度α及び間隔(ピッチ)Pとの少なくとも一方が設定されている。接触面Sは、第2の砥石車22の外周円と工作物Wの外周円とが交差する交点と工作物Wの幅Aとによって区画される第2の砥石車22の研削面22aの領域であり、砥石円周方向と平行な一方縁Sa、他方縁Sb、及び砥石軸線方向と平行な一方縁Sf、他方縁Srによって囲まれている。
第2の砥石車22の研削面22aと工作物Wとの接触面Sの砥石円周方向長さLがオーバラップ量Vよりも小さくされているので、接触面Sに上方から供給された研削液が接触面Sを貫通する傾斜溝86を通って上方及び下方から流出し、研削面22aと工作物Wとの間に発生する研削液の動圧を開放することができる。これにより、工作物Wが研削液の動圧よって第2の砥石車22から離間する方向に変位され、或いは研削液に発生する動圧が変動して工作物Wが第2の砥石車22から離間する距離が変化することがなくなり、研削された工作物Wの研削加工精度を高めることができる。
第2の砥石車22の研削面22aを展開して示した図4、図6から明らかなように、一の傾斜溝86が接触面Sの他方の縁Sbの延長線L2と交差する他方交点Cbと、一の傾斜溝86と隣接する傾斜溝86が接触面Sの一方の縁Saの延長線L1と交差する一方交点Caとが砥石円周方向においてオーバラップするオーバラップ量Vと、傾斜溝86の傾斜角度αと、隣接する傾斜溝86の間隔P、例えば円周方向ピッチと、接触面Sの軸線方向長さである工作物Wの幅Aとの関係は、
V=A/tanα−P・・・(1)
となる。
従って、オーバラップ量Vより接触面Sの円周方向長さLが小さい条件、
L<A/tanα−P・・・(2)
を満たせば、第2の砥石車22の回転位相に拘らず、少なくとも1本の傾斜溝86が接触面Sを上下方向に貫通することとなり、接触面Sに流入した研削液により研削面22aと工作物Wとの間に発生する動圧を接触面Sの上方及び下方の両方から開放することができる。これに対し、この条件を満たさないと、第2の砥石車22の回転位相によっては、いずれの傾斜溝86も接触面Sを上下方向に貫通しないので、即ち、接触面Sに対して傾斜溝20が上方にしか開口していないと接触面Sの下方では動圧が開放されず、同様に傾斜溝86が下方にしか開口していないと接触面Sの上方では研削液の動圧は開放されない。
第2の砥石車22が工作物Wと接触する接触面Sの砥石円周方向長さLは、図7(b)に示すように、第2の砥石車22の外周円と工作物Wの外周円とが交差する交点を結ぶ線分の長さとする。接触面Sの砥石円周方向長さLは、第2の砥石車22及び工作物Wの直径に比して極めて小さいので、第2の砥石車22の外周円と工作物Wの外周円とが交差する交点を結ぶ線分の長さで近似することができる。
工作物Wの半径をR1、第2の砥石車22の半径をR2、第2の砥石車22の工作物Wへの切込み量をtとすると、図7(c)に示すように、工作物Wと第2の砥石車22との中心間距離Cは、
C=R1+R2−t・・・(3)
となる。
第2の砥石車22の外周円と工作物Wの外周円とが交差する交点Dから工作物Wの中心Eと第2の砥石車22の中心Fとを結ぶ線分EFに垂直に下ろした線分が線分EFと交差する点をHとし、線分DH、EH、FHの長さを夫々x、y、zとすると、
R1=x+y・・・(4)
R2=x+z・・・(5)
となり、
C=y+zからy=(C−z)・・・(6)
となる。式(4)、(5)、(6)をxについて解くと、
x=√(R2−((C+R2−R1)/2C))・・・(7)
となる。そして、第2の砥石車22が工作物Wと接触する接触面Sの円周方向長さLは、
L=2x・・・(8)
となる。
接触面Sの円周方向長さLがオーバラップ量Vと等しい場合、式(1)、(8)から、L=2x=V=A/tanα−Pとなり、そのときの切込み量t0は、
t0=R1+R2−√(R1−((A/tanα−P)/2)
−√(R2−((A/tanα−P)/2))・・・(9)
となる。従って、工作物W及び第2の砥石車22の半径R1,R2、工作物Wの幅A、傾斜溝86の傾斜角度α及び円周方向ピッチPが決まっている場合は、第2の砥石車22の工作物Wへの切込み量tをt0より小さく設定すると、接触面Sの円周方向長さLがオーバラップ量Vより小さくなる。
また、工作物W及び第2の砥石車22の半径R1,R2、工作物Wの幅A、第2の砥石車22の工作物Wへの切込み量t、及び傾斜溝86の傾斜角度α及び円周方向ピッチPの一方が決まっている場合は、式(9)が成立するように、傾斜溝86の傾斜角度α0及び円周方向ピッチP0の他方を設定し、円周方向ピッチP又は傾斜角度αを、この設定した円周方向ピッチP0又は傾斜角度α0より小さく設定すると、接触面Sの円周方向長さLがオーバラップ量Vより小さくなる。このように設定された傾斜溝86の本数nは、n=2π×R2/Pとなる。
上記説明では、工作物Wの幅が第2の砥石車22の幅より小さい場合であり、接触面Sの軸線方向長さが工作物Wの幅Aと等しいとして傾斜溝86の諸元を求めているが、工作物Wの幅が第2の砥石車22の幅Aより大きい場合は、接触面Sの軸線方向長さが砥石の幅と等しいとして傾斜溝86の諸元を求める。また、接触面Sの砥石円周方向長さLは、第2の砥石車22の外周円と工作物Wの外周円とが交差する交点を結ぶ線分の長さで近似しているが、第2の砥石車22が工作物Wに切込み量tだけ切り込まれた状態で工作物Wが回転駆動されるとき、実際の接触面Sの砥石円周方向長さは、図7(a)に示すように、第2の砥石車22の工作物Wへの切込みによって厳密にはLsになるので、接触面Sの砥石円周方向長さを、Ls<L=A/tanα−Pとなるようにしても良い。
要するに数値制御装置40の制御により第2の砥石車22で工作物Wを研削加工する際には、第2の砥石車22の研削面22aと工作物Wとの接触面Sの砥石円周方向長さLがオーバラップ量Vよりも小さくなるように、工作物Wに対する第2の砥石車22の切込み量tと、傾斜溝86の傾斜角度α及び円周方向ピッチP(間隔)との少なくとも一方を設定して研削加工する。これにより、研削液の供給量を減少させなくても、工作物Wが研削液の動圧よって第2の砥石車22から離間する方向に変位され、或いは研削液に発生する動圧が変動して工作物Wが第2の砥石車22から離間する距離が変化することがなくなり、第2の砥石車22による工作物の研削加工精度を高めることができる。そして、第2の砥石車22を使用した場合には寿命が短くなるような研削加工工程においては第1の砥石車21が使用されるので、第2の砥石車22の長寿命化を図ることができる。
図8は、第2の砥石車22に設けられる別形態の傾斜溝88を図4に対応させて示す図であり、同一構成部材は同一番号を付して詳細な説明は省略する。第2の砥石車22の研削面22aには、砥石円周方向に対して所定の傾斜角度αだけ傾斜した複数の傾斜溝88が、研削面22aから下地層83に至るまでの深さ(図5に示す傾斜溝86と同一のh)で砥石周方向と平行な砥粒層82の両側面82a,82bをつき抜けて砥粒層82に刻設されている。以上の点は図4等に示す傾斜溝86と同一であるが、以下の点で異なるものとなっている。
傾斜溝88は、第2の砥石車22の研削面22aと工作物Wとの接触面S内であって、第2の砥石車22を円周上の任意の位置で砥石軸と平行に、且つ、砥石径の方向に切断したときの当該切断線CL上に存在する傾斜溝88の幅w1,w2の和が常に等しくなるように、つまり、1つの傾斜溝88の幅w0=w1+w2となるように所定のピッチPaで等間隔に刻設されている。尚、切断線CL上に存在する傾斜溝88の幅は、接触面S内に存在する傾斜溝88の面積に置き換えて定義しても良い。
即ち、傾斜溝88は、接触面Sの砥石円周方向に平行な一方の縁Saと砥石軸線方向と平行な一方の縁Sfとの交点xaに、一の傾斜溝88の一方の縁部88aが位置したとき、砥石円周方向に平行な他方の縁Sbと砥石軸線方向と平行な一方の縁Sfとの交点xbに、一の傾斜溝88と隣接する傾斜溝88の一方の縁部88aが位置するように刻設されている。
ここで、傾斜溝88による研削液に発生する動圧の低減効果は傾斜溝88の幅w0(=w1+w2)に比例する。よって、上述したように第2の砥石車22の研削面22aの全周にわたって傾斜溝88の幅w0(=w1+w2)が一定となるように傾斜溝88を刻設することにより、研削面22a全周にわたって動圧低減効果も一定とすることができる。この結果、工作物Wに対しむらのない研削加工が可能となる。更に、接触面Sに上方から供給された研削液が接触面Sを貫通する傾斜溝88を通って上方及び下方から流出し、研削面22aと工作物Wとの間に発生する研削液の動圧を開放することができる。これにより、工作物Wが研削液の動圧よって第2の砥石車22から離間する方向に変位され、或いは研削液に発生する動圧が変動して工作物Wが第2の砥石車22から離間する距離が変化することがなくなり、研削された工作物Wの研削加工精度を高めることができる。
図9は、第2の砥石車22に設けられる更に別形態の傾斜溝88,89を図8に対応させて示す図であり、同一構成部材は同一番号を付して詳細な説明は省略する。第2の砥石車22の研削面22aには、図8に示す一の傾斜溝88と隣接する傾斜溝88との中央部分に同様の傾斜溝89、即ち砥石円周方向に対して所定の傾斜角度αだけ傾斜した複数の傾斜溝89が、研削面22aから下地層83に至るまでの深さ(図5に示す傾斜溝86と同一のh)で砥石周方向と平行な砥粒層82の両側面82a,82bをつき抜けて砥粒層82に刻設されている。即ち、傾斜溝88と隣接する傾斜溝89とはピッチPa/2で等間隔に刻設されることになる。
この傾斜溝89を追加することにより、第2の砥石車22の研削面22aには、第2の砥石車22の研削面22aと工作物Wとの接触面S内であって、第2の砥石車22を円周上の任意の位置で砥石軸と平行に、且つ、砥石径の方向に切断したときの当該切断線CL上に存在する傾斜溝88の幅w0と傾斜溝89の幅w1,w2の和が常に等しくなるように、つまり、1つの傾斜溝88の幅w0と1つの傾斜溝89の幅w0の和となるように刻設されることになる。尚、切断線CL上に存在する傾斜溝88と傾斜溝89の幅は、接触面S内に存在する傾斜溝88と傾斜溝89の面積に置き換えて定義しても良い。
このように第2の砥石車22の研削面22aの全周にわたって傾斜溝88,89の幅2w0(=w0+w1+w2)が一定となるように傾斜溝88,89を刻設することにより、研削面22a全周にわたって動圧低減効果も一定とすることができる。この結果、工作物Wに対しむらのない研削加工が可能となる。更に、接触面Sに上方から供給された研削液が接触面Sを貫通する傾斜溝88及び傾斜溝89を通って上方及び下方から流出するので流出量を増加させることができ、研削面22aと工作物Wとの間に発生する研削液の動圧を更に効率良く開放することができる。これにより、工作物Wが研削液の動圧よって第2の砥石車22から離間する方向に変位され、或いは研削液に発生する動圧が変動して工作物Wが第2の砥石車22から離間する距離が変化することがなくなり、研削された工作物Wの研削加工精度を高めることができる。尚、追加する傾斜溝89の幅は元の傾斜溝88の幅と変更しても良い。また、追加する傾斜溝89は2本以上でも良い。その場合に追加する傾斜溝89は、上記効果を奏するように同一幅、同一傾斜角度、同一ピッチで刻設する。尚、図8,9の例では、図4の例で説明したL<Vの関係を満たさなくても構わない。つまり、溝幅の合計さえ均一であれば良い。
上述した図4、図8及び図9に示す傾斜溝86,88,89では、図8又は図9に示す傾斜溝88,89が砥粒層12の外周面全周にわたって動圧低減効果を一定として工作物Wに対しむらのない研削加工が可能であるとともに、砥粒層12の外周面と工作物Wとの間に発生する研削液の動圧を効率良く開放し、研削された工作物Wの研削加工精度を高めることができるので最も好ましく、次に図4に示す傾斜溝86が砥粒層12の外周面と工作物Wとの間に発生する研削液の動圧を効率良く開放し、研削された工作物Wの研削加工精度を高めることができるので好ましい。ただし、これらの形状の傾斜溝86,88,89に限定されるものではなく、第2の砥石車22の研削面22aに単に傾斜溝を刻設するのみであっても研削面22aと工作物Wとの間に発生する研削液の動圧を効率良く開放し、研削された工作物Wの研削加工精度を高めることができる。
上記第1の実施の形態の研削盤10の砥石台20は、第1の砥石車21と第2の砥石車22を砥石軸23に横並びに合わせて片持ちさせたシングルヘッドの研削盤10について説明したが、例えば図10に示す第2の実施形態であるツインヘッドの研削盤の各砥石軸や、図11に示す第3の実施形態である旋回装置を備えた研削盤の各砥石軸に第1及び第2の砥石車21,22を夫々取り付けても、第1及び第2の砥石車21,22は砥石軸に並設されることになるので、第1の砥石車21による研削加工と第2の砥石車22による研削加工を続けて行うことができ、研削加工工数を低減することができる。そして、第2の砥石車22は上述した大きな特徴を有しているため、従来は両立が困難であった第2の砥石車22による研削加工精度を高めることができると共に、第2の砥石車22を長寿命化させることができる。以下、図10を参照してツインヘッドの研削盤について説明し、続いて図11を参照して旋回装置を備えた研削盤について説明する。
第2の実施形態である図10に示すツインヘッド研削盤110は、左右2つの加工ヘッドである砥石台108,109を左右方向・前後方向に摺動自在に設け、その砥石台108,109の砥石軸と平行する位置に工作物Wを一対のセンタにより支持する主軸台118及び心押台117が設置されている。即ち、ベッド101上にはその長手左右方向(Z軸方向)のZ軸案内レール102上に右側砥石台108を載置する右側Z軸テーブル106が送りねじ103により摺動自在に設けられ、それと同列にベッド101上の長手左右方向(Z軸方向)に左側砥石台109を載置する左側Z軸テーブル107が送りねじ104により摺動自在に設けられている。
左右のそれぞれのZ軸テーブル106,107には、第1及び第2の砥石車21,22を回転駆動自在に具備する砥石台108,109が長手左右方向(Z軸方向)と直交する前後方向(X軸方向)にそれぞれの送りねじ112,113により摺動自在に設けられている。主軸台118には工作物回転駆動用のサーボモータ118Mが設けられ、チャック等により工作物Wの軸端を把持して回転駆動できるように構成され、一方心押し台117はそのセンタにより工作物Wの軸芯を支持するように構成されている。
各送りネジ112,113にはエンコーダ付きのサーボモータが設けられ、制御装置により制御される。即ち、長手左右方向(Z軸方向)に右側砥石台108を載置する右側Z軸テーブル106を移動するための送りねじ103の端部にはエンコーダ170付きのサーボモータ160が設けられ、左側Z軸テーブル107のための送りねじ104にはエンコーダ172付きのサーボモータ168が設けられている。また、左右のそれぞれのZ軸テーブル106,107上には、砥石台108,109の前後方向(X軸方向)摺動用の送りねじ112,113の端部にエンコーダ150,152付きのサーボモータ144,148が設けられている。砥石台108,109には第1及び第2の砥石車21,22が回転駆動されるように支持されており、砥石駆動用の駆動モータが砥石台108,109に内蔵されている。
ツインヘッド研削盤110の概略の構成は以上のようになっており、工作物Wを主軸台118、心押し台117間に支持し、左右Z軸テーブル106,107をサーボモータ160,168により先ず第1の砥石車21が工作物Wの加工位置、
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8ではクランクピンCP(イ)と整列対向する位置に割出す。次に主軸台118のエンコーダ118E付きの主軸駆動サーボモータ118Mを回転し工作物Wを制御回転させる。その際、工作物Wはその軸受部の軸芯で回転されるので、加工箇所であるクランクピンCP(イ)は軸芯を中心とする公転旋回運動をすることになる。
そして、右Z軸テーブル106上のX軸方向送りネジ112をサーボモータ144により前進後退をさせる。その際、加工箇所であるクランクピンCP(イ)は公転旋回しているので、制御手段により主軸サーボモータ118Mの回転と同期させて砥石台108を前後動させながら第1の砥石車21により粗研削加工を行う。クランクピンCP(イ)の粗研削加工が完了後、第1の砥石車21をクランクピンCP(ロ)と整列対向する位置に割出してクランクピンCP(ロ)の粗研削加工を行う。同様にクランクピンCP(ハ)、(ニ)の粗研削加工を行う。
第1の砥石車21によるクランクピンCP(イ)、(ロ)、(ハ)、(ニ)の粗研削加工が完了したら、左右Z軸テーブル106,107をサーボモータ160,168により第2の砥石車22がクランクピンCP(イ)と整列対向する位置に割出す。そして、左Z軸テーブル107上のX軸方向送りネジ113をサーボモータ148により前進後退をさせる。その際、加工箇所であるクランクピンCP(イ)は公転旋回しているので、制御手段により主軸サーボモータ118Mの回転と同期させて砥石台109を前後動させながら第2の砥石車22により仕上げ研削加工を行う。クランクピンCP(イ)の仕上げ研削加工が完了後、第2の砥石車22をクランクピンCP(ロ)と整列対向する位置に割出してクランクピンCP(ロ)の仕上げ研削加工を行う。同様にクランクピンCP(ハ)、(ニ)の仕上げ研削加工を行う。尚、クランクピンCP(イ)、(ロ)、(ハ)、(ニ)ごとに粗研削加工と仕上げ研削加工を行う、即ち粗研削加工と仕上げ研削加工を交互に行うようにしても良い。
第3の実施形態である図11に示す旋回装置を備えた研削盤210のベッド211上には、工作物テーブル212が水平なZ軸方向に移動可能に案内支持され、Z軸サーボモータ275によりZ軸方向に移動されるようになっている。工作物テーブル212上には主軸台213と心押台214とが対向して設置され、主軸台213及び心押台214には工作物Wの両端を支持するセンタ215,216が設けられている。両センタ215,216にて支持された工作物Wは、主軸台213に設置された主軸駆動モータ217により図略の駆動金具を介して工作物テーブル212の移動方向(Z軸方向)と平行な軸線の周りに回転駆動されるようになっている。
また、ベッド211上には、砥石テーブル218が工作物テーブル212の移動方向と直交する水平なX軸方向に移動可能に案内支持され、X軸サーボモータ271によりX軸方向に進退移動されるようになっている。砥石テーブル218上には、砥石旋回装置220が設置されている。砥石旋回装置220は、砥石テーブル218上に固定された図略の支持台と、この支持台に旋回軸222を中心にしてB軸の周りに水平面内で旋回可能に支持された旋回台223を有している。旋回台223には、2つの砥石軸225,226が互いに平行な水平軸線の周りに回転可能に支持され、これら砥石軸225,226に第1の砥石車21及び第2の砥石車22が取付けられている。第1及び第2の砥石車21,22は、砥石軸225,226に平行な研削面21a,22aを有し、これら研削面21a、22aに直交する面Sに旋回軸222の回転中心が含まれるように、第1及び第2の砥石車21,22が位置されている。
砥石旋回装置220の旋回台223は、平面から見て矩形状を呈している。旋回台223の4つの側面のうち、対向する2つの側面231、232(以下、第1側面231、第2側面232という)には、第1及び第2砥石保持手段233,234がそれぞれ設けられている。各砥石保持手段233,234は基本的に同じ構成であるので、以下、第1側面231に設けられた第1砥石保持手段233の構成について説明する。旋回台223の第1側面231には、一対の軸受部235,236が水平方向に所定の間隔を有して設置され、これら軸受部235,236によって砥石軸225が水平な軸線の周りに回転可能に両持ち支持されている。砥石軸225は、旋回台223が旋回軸222を中心にして旋回された際に、工作物Wの回転軸線と平行となる角度位置で位置決めされるようになっている。
第2の実施形態のツインヘッド研削盤110では2つの砥石台108,109を平行移動させて第1及び第2の砥石車21,22を割り出していたのに対し、第3の実施形態の旋回装置を備えた研削盤210では砥石旋回装置220を旋回させて第1及び第2の砥石車21,22を割り出すこと以外はツインヘッド研削盤110と同様の動作にてワークWを研削加工することができる。
上記第1の実施の形態の研削盤10の第1の砥石車21及び第2の砥石車22は、各研削面21a,22aをZ軸方向と平行になるように形成して砥石軸23に横並びに支持させたが、工作物Wとして例えば隣り合う位相の異なるカムを有するカムシャフト等の場合、第1の砥石車21による一のカムの研削加工中に第2の砥石車22が該カムに隣接するカムと干渉するおそれがある。そこで、図12に示すように第1の砥石車91の右端面と研削面91aのなす角度θ1が鋭角となるように研削面91aを傾斜させて形成し、第2の砥石車92の左端面と研削面92aのなす角度θ2が鋭角となるように研削面92aを傾斜させて形成する。尚、図2に示す第1の砥石車21及び第2の砥石車22と同一構成部分は同一番号を付す。
このような構成によれば、第1及び第2の砥石車91,92を図11で説明した第3の実施形態の旋回装置を備えた研削盤210に取り付けることにより、図13(A)に示すように、砥石軸225をZ軸方向と平行な状態から角度θ1だけ左旋回させ、砥石テーブル218をカムシャフトWcに向けて前進させることで、第1の砥石車91によりカムWc2を粗研削することができる。続いて図13(B)に示すように、砥石軸225231をZ軸方向と平行な状態に戻して更に角度θ2だけ右旋回させ、砥石テーブル218をカムシャフトWcに向けて前進させることで、第2の砥石車92によりカムWc2を仕上げ研削することができる。
このとき、第1の砥石車91の研削面91aと第2の砥石車92の研削面92aは逆方向に傾斜しているため、第1の砥石車91による研削加工時において第2の砥石車92が隣り合う位相の異なるカムWc1と干渉することはなく、第2の砥石車92による研削加工時において第1の砥石車91が隣り合う位相の異なるカムWc3と干渉することもない。特に、隣り合う位相の異なるカムWc1,Wc2,Wc3の隙間が小さいときに効果的に干渉を防止することができる。尚、工作物が円筒形状の場合は、第1の砥石車91及び第2の砥石車92によりトラバース研削加工が可能である。
上述したように、第1の砥石車91の右端面と研削面91aのなす角度θ1が鋭角となるように研削面91aを傾斜させて形成した場合、第1の砥石車91は粗研削という重研削に使用されるため研削面91aの両端面の周速差により偏摩耗が発生するおそれがある。そこで、第1の砥石車21の研削面21aは図2に示すようにZ軸方向と平行になるように形成し、第2の砥石車92のみを左端面と研削面92aのなす角度θ2が鋭角となるように研削面92aを傾斜させて形成しても良い。
このような構成によれば、第1及び第2の砥石車21,92を図11で説明した第3の実施形態である旋回装置を備えた研削盤210に取り付けることにより、図14に示すように、砥石軸225をZ軸方向と平行な状態にして、砥石テーブル218を小径のシャフト部Ws1の右端に向けて前進させ、第1の砥石車21を小径のシャフト部Ws1にて所定の切込み量で切り込ませ、続いて砥石テーブル218をZ軸方向に移動させることにより、小径のシャフト部Ws1をトラバース研削加工することができる。また、図15に示すように、砥石軸225をX軸方向と平行な状態から角度θ2だけ右旋回させ、砥石テーブル218を油穴等hを有する大径のシャフト部Ws2の右端に向けて前進させ、第2の砥石車92を大径のシャフト部Ws2にて所定の切込み量で切り込ませ、続いて砥石テーブル218をZ軸方向に移動させることにより、大径のシャフト部Ws2をトラバース研削加工することができる。
第1の砥石車21による研削加工時は、第1の砥石車21の研削面21aは砥石端面に対し直角となっており、また、第2の砥石車92の研削面92aは小径のシャフト部Ws1から離間する方向に傾斜しているため、第2の砥石車92がシャフト部Ws1と干渉することはなく、第1の砥石車21により小径のシャフト部Ws1全体をトラバース研削加工することができる。また、第2の砥石車91による研削加工時は、第2の砥石車92には傾斜溝86が形成されているため、大径のシャフト部Ws2に油穴h等が形成されていても研削液に発生する動圧が変動してシャフト部Ws2が第1の砥石車21から離間する距離が変化することがなくなり、シャフト部Ws2を高精度にトラバース研削加工することができる。そして、第1の砥石車21の研削面21aは大径のシャフト部Ws2から離間する方向に傾斜しており、また、大径のシャフト部Ws2が最も大径であるためシャフト部Ws2よりも突出した部分がないため、第1の砥石車22がシャフト部Ws2と干渉することはなく、第2の砥石車92により大径のシャフト部Ws2全体をトラバース研削加工することができる。
尚、上述した実施形態では、第1の砥石車21,91と第2の砥石車22,92は別体で形成したが、1つのコアの外周に第1の砥石と第2の砥石を形成した複合砥石車としても良い。このように第1の砥石と第2の砥石を複合化することにより、第1の砥石車と第2の砥石車を別々に構成した場合と比べて保守・管理が容易となる。また、第1の砥石車21,91と第2の砥石車22,92はセグメントタイプの砥石チップ71,81により形成したが、総型砥石として形成しても良い。また、第1の砥石車21,91と第2の砥石車22,92の砥石軸23に対する取付けは、第1の砥石車21,91を第2の砥石車22,92の外側となるようにしたが逆順であっても良い。また、従来は油穴等が形成された工作物を高精度に研削加工するには、クーラント流量切替用バルブ、配管、流量計等の機械設備を研削盤に搭載する必要があったが、第2の砥石車22,92によりそれらの機械設備が不要となるため、研削盤のコストを低減させることができる。
本発明の第1の実施の形態を示す研削盤の上面図である。 図1の第1及び第2の砥石車周辺を示す一部断面図である。 図2のセグメントタイプの砥石チップからなる第1及び第2の砥石車の全体図である。 図3の第2の砥石車の研削面を展開して示した図である。 図3の第2の砥石車の砥粒層に傾斜溝が刻設された状態を示す図である。 図3の第2の砥石車の研削溝のオーバラップ量と、傾斜角度αと、円周方向ピッチPと、接触面Sの軸線方向長さAとの関係を示す図である。 図3の第2の砥石車の接触面の円周方向長さを示す図である。 図3の第2の砥石車の砥粒層に別形態の傾斜溝が刻設された状態を示す図である。 図3の第2の砥石車の砥粒層に更に別形態の傾斜溝が刻設された状態を示す図である。 本発明の第2の実施の形態を示す研削盤の上面図である。 本発明の第3の実施の形態を示す研削盤の上面図である。 別形態の第1及び第2の砥石車周辺を示す一部断面図である。 図12の第1及び第2の砥石車による研削加工例を示す図である。 更に別形態の第1及び第2の砥石車の第1の砥石車による研削加工例を示す図である。 図14の第2の砥石車による研削加工例を示す図である。
符号の説明
10,110,210・・・研削盤、20,108,109・・・砥石台、30・・・ツルーイング装置、40・・・数値制御装置、21,91・・・第1の砥石車、22,92・・・第2の砥石車、21a,22a,91a,92a・・・研削面、23,225,226・・・砥石軸、23a・・・ネジ穴、71,81・・・砥石チップ、72,82・・・砥粒層、73,83・・・下地層、74,84・・・コア、74a・・・フランジ部、74b,84b・・・ボルト穴、84a・・・ネジ穴、75,85・・・固定用ボルト、86,88,89・・・傾斜溝、220・・・砥石旋回装置。

Claims (12)

  1. 研削加工工程に応じて使い分ける第1の砥石及び第2の砥石を備え、前記各砥石の研削面と工作物との接触面に向けて研削液を供給しながら前記各砥石によって前記工作物を研削加工する研削盤において、
    前記第1の砥石として、当該研削面を平滑に形成した砥石を備え、
    前記第2の砥石として、当該研削面に砥石円周方向に対して傾斜した複数の傾斜溝を刻設した砥石を備えたことを特徴とする研削盤。
  2. 請求項1に記載の研削盤において、前記複数の傾斜溝は、所定の角度傾斜し、等間隔に、且つ、前記傾斜溝と前記接触面の砥石円周方向と平行な一方の縁の延長線との交点を一方交点、他方の縁の延長線との交点を他方交点と定義した場合、一の傾斜溝の他方交点と、一の傾斜溝と隣接する傾斜溝の一方交点とが砥石円周方向において所定のオーバラップ量だけオーバラップするように刻設され、
    前記第2の砥石によって前記工作物を研削加工する際には、当該研削面と前記工作物との接触面の砥石円周方向長さが前記オーバラップ量よりも小さくなるように、前記工作物に対する前記砥石の切込み量と、前記傾斜溝の傾斜角度及び間隔との少なくとも一方を設定して研削加工することを特徴とする研削盤。
  3. 請求項1又は2に記載の研削盤において、前記第2の砥石の研削面と前記工作物との接触面内であって、前記第2の砥石を円周上の任意の位置で砥石軸と平行に、且つ、砥石径の方向に切断したときの当該切断線上に存在する前記傾斜溝の幅の和が常に等しいことを特徴とする研削盤。
  4. 請求項1乃至3のいずれかに記載の研削盤において、前記工作物の粗研削では前記第1の砥石を使用し、前記工作物の仕上げ研削では前記第2の砥石を使用することを特徴とする研削盤。
  5. 請求項1乃至3のいずれかに記載の研削盤において、前記工作物の平滑面では前記第1の砥石により研削加工し、前記工作物の非平滑面では前記第2の砥石により研削加工することを特徴とする研削盤。
  6. 請求項1乃至5のいずれかに記載の研削盤において、前記第1の砥石と前記第2の砥石は、並設されていることを特徴とする研削盤。
  7. 請求項6に記載の研削盤において、前記第2の砥石が砥石軸に嵌着され締結固定された後、前記第1の砥石が前記砥石軸に嵌着され前記第2の砥石に締結固定されて並設されていることを特徴とする研削盤。
  8. 請求項7に記載の研削盤において、前記第1の砥石の研削面と前記第2の砥石の研削面は、間隙を持って並設されていることを特徴とする研削盤。
  9. 請求項1乃至8のいずれかに記載の研削盤において、少なくとも前記第2の砥石の研削面が斜面に形成され、前記第1及び第2の砥石を支承する砥石台が前記工作物の軸線と直角な軸線周りに回動可能であることを特徴とする研削盤。
  10. 砥石の研削面と工作物との接触面に向けて研削液を供給しながら前記砥石によって前記工作物を研削加工する研削方法において、
    研削面を平滑に形成した第1の砥石による研削加工と、研削面に砥石円周方向に対して傾斜した複数の傾斜溝を刻設した第2の砥石による研削加工とを研削加工工程に応じて使い分けることを特徴とする研削方法。
  11. 請求項10に記載の研削方法において、前記工作物の粗研削では前記第1の砥石を使用し、前記工作物の仕上げ研削では前記第2の砥石を使用することを特徴とする研削方法。
  12. 請求項10に記載の研削方法において、前記工作物の平滑面では前記第1の砥石により研削加工し、前記工作物の非平滑面では前記第2の砥石により研削加工することを特徴とする研削方法。
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